JP2018131112A - 車両用内装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い発光効率が得られるとともに、安定的に発光強度が得られる車両用内装材を提供する。【解決手段】本発明の車両用内装材1は、一重組織部2、及び袋織の二重組織部3を有する織物4と、二重組織部3における袋部に収納された光ファイバー5(例えば、側面発光型の光ファイバー等)と、を備え、二重組織部3には、蓄光糸及び紫外線発光糸のうちの少なくとも一方が構成糸として織り込まれている。【選択図】図2
Description
本発明は、車両用内装材に関する。更に詳しくは、高い発光効率が得られるとともに、安定的に発光強度が得られる車両用内装材に関する。
従来、車両用内装材として、車両内で発光効果が得られる部材が知られている。例えば、座席シートに配設されるシートベルトにおいて、光ファイバーをそのウェビングの長手方向に織り込むとともに、そのシートベルトの端部に対向させた発光体を備えて形成され、発光体からの光を光ファイバーに導光して発光する自動車のシートベルトが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の従来品では、意匠面側に光ファイバーが露出して織り込まれているため、光ファイバーが摩耗等により損傷し易く、安定した発光が得られなくなるおそれがあり、耐久性の観点において問題がある。
ここで、光ファイバーの損傷を防ぐため、全体を織物等により被覆して保護することが考えられるが、被覆されている分、発光強度が弱く、発光効率が低下してしまうという問題がある。
ここで、光ファイバーの損傷を防ぐため、全体を織物等により被覆して保護することが考えられるが、被覆されている分、発光強度が弱く、発光効率が低下してしまうという問題がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、高い発光効率が得られるとともに、安定的に発光強度が得られる車両用内装材を提供することを課題とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両用内装材であって、一重組織部、及び袋織の二重組織部を有する織物と、
前記二重組織部における袋部に収納された光ファイバーと、を備え、
前記二重組織部には、蓄光糸及び紫外線発光糸のうちの少なくとも一方が構成糸として織り込まれていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記光ファイバーは、前記袋部に普通糸と撚り合わされた形態で収納されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記光ファイバーは、側面発光型の光ファイバーであることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の発明において、前記車両用内装材は、シートベルトウェビングとして用いられることを要旨とする。
前記二重組織部における袋部に収納された光ファイバーと、を備え、
前記二重組織部には、蓄光糸及び紫外線発光糸のうちの少なくとも一方が構成糸として織り込まれていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記光ファイバーは、前記袋部に普通糸と撚り合わされた形態で収納されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記光ファイバーは、側面発光型の光ファイバーであることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の発明において、前記車両用内装材は、シートベルトウェビングとして用いられることを要旨とする。
本発明の車両用内装材によれば、二重組織部における袋部に光ファイバーが収納されており、この二重組織部には蓄光糸や紫外線発光糸が構成糸として織り込まれているため、光ファイバーから漏光する光が、袋部によって遮られても、蓄光糸や紫外線発光糸によっても発光するため、全体としての発光効率を高く維持することができる。特に、蓄光糸や紫外線発光糸は、発光材料を練り込んで形成されているため、摩擦等により多少の損傷を受けても発光が不安定になることがない。更には、使用する蓄光糸又は紫外線発光糸の色を種々選択することにより、1つの光源で、種々の色彩を発光、表現させることができる。
また、光ファイバーが、袋部に普通糸と撚り合わされた形態で収納されている場合には、光ファイバーが屈曲することで、その周面から漏光しやすくなり、十分な発光量が得られる。
更に、側面発光型の光ファイバーである場合には、取扱いが容易であるとともに、十分な発光量が得られる。
また、シートベルトウェビングとして用いられる場合には、シートベルトを容易に発光させることができるため、シートベルトを着用する際に、先端等の位置を容易に認識することができる。
また、光ファイバーが、袋部に普通糸と撚り合わされた形態で収納されている場合には、光ファイバーが屈曲することで、その周面から漏光しやすくなり、十分な発光量が得られる。
更に、側面発光型の光ファイバーである場合には、取扱いが容易であるとともに、十分な発光量が得られる。
また、シートベルトウェビングとして用いられる場合には、シートベルトを容易に発光させることができるため、シートベルトを着用する際に、先端等の位置を容易に認識することができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
シートベルトの装着状態を示す模式図である。
A―A線断面を模式的に説明する部分拡大図である。
シートベルトの装着前の状態を示す模式図である。
以下、本発明を、図も参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本発明の車両用内装材(1)は、一重組織部(2)、及び袋織の二重組織部(3)を有する織物(4)と、二重組織部(3)における袋部に収納された光ファイバー(5)と、を備え、二重組織部(3)には、蓄光糸及び紫外線発光糸のうちの少なくとも一方が構成糸として織り込まれていることを特徴とする(図1〜図3参照)。
上記織物(4)は、構成糸(経糸及び緯糸)によって製織された布帛であり、一重組織部(2)及び二重組織部(3)を有する。尚、この織物(4)は、三重以上の多層組織部を有していてもよい。
上記一重組織部(2)における織組織は特に限定されず、例えば、平織、綾織、朱子織、これらを組み合わせた組織等が挙げられる。
上記一重組織部(2)における織組織は特に限定されず、例えば、平織、綾織、朱子織、これらを組み合わせた組織等が挙げられる。
上記二重組織部(3)は、離間可能に織られた2層[第1層(31)及び第2層(32)]によって袋状に形成されている。第1層(31)及び第2層(32)の各織組織は特に限定されず、例えば、平織、綾織、朱子織、これらを組み合わせた組織等が挙げられる。尚、第1層(31)及び第2層(32)は、織組織が同一であってもよいし、異なっていてもよい。
二重組織部(3)の形状は、内部に光ファイバー(5)を収納である限り特に限定されないが、線状(例えば、直線、曲線、波線、点線、又は、これらを組み合わせた線等)であることが好ましい。二重組織部(3)が線状に形成されている場合、光ファイバー(5)の着脱が容易となるとともに、多様な意匠を表現することができる。
また、二重組織部(3)の形成数は特に限定されず、表皮材等の面積や目的の意匠等に応じて適宜調整できる。例えば、シートベルトウェビングであれば、長手方向に沿って両端側に直線状に2本形成するとシートベルトの幅を認識する上でも有効である。
二重組織部(3)の形状は、内部に光ファイバー(5)を収納である限り特に限定されないが、線状(例えば、直線、曲線、波線、点線、又は、これらを組み合わせた線等)であることが好ましい。二重組織部(3)が線状に形成されている場合、光ファイバー(5)の着脱が容易となるとともに、多様な意匠を表現することができる。
また、二重組織部(3)の形成数は特に限定されず、表皮材等の面積や目的の意匠等に応じて適宜調整できる。例えば、シートベルトウェビングであれば、長手方向に沿って両端側に直線状に2本形成するとシートベルトの幅を認識する上でも有効である。
織物(4)を構成する上記構成糸の種類は特に限定されないが、植物系及び動物系の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、合成樹脂からなる合成繊維等を材料とするものを採用することができる。
合成繊維を構成する樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂等が挙げられる。
尚、構成糸において、経糸及び緯糸には、同一の糸が用いられていてもよいし、異なる糸が用いられていてもよい。また、経糸に用いられる構成糸は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されていてもよい。同様に、緯糸に用いられる構成糸は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されていてもよい。
合成繊維を構成する樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂等が挙げられる。
尚、構成糸において、経糸及び緯糸には、同一の糸が用いられていてもよいし、異なる糸が用いられていてもよい。また、経糸に用いられる構成糸は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されていてもよい。同様に、緯糸に用いられる構成糸は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されていてもよい。
構成糸の繊度は特に限定されないが、例えば、100dtex以上1000dtex以下であることが好ましく、より好ましくは200dtex以上700dtex以下、更に好ましくは300dtex以上500dtex以下である。
本発明においては、上記織物(4)における二重組織部(3)には、蓄光糸及び紫外線発光糸のうちの少なくとも一方が構成糸として織り込まれている。これらは、経糸及び緯糸のうちの少なくとも一方に含まれていればよい。例えば、光ファイバー(5)が二重組織部(3)の経糸方向に沿って配置されるのであれば、経糸の一部に蓄光糸や紫外線発光糸を用いることが効果的である。
また、二重組織部(3)を構成する構成糸全体における蓄光糸及び紫外線発光糸の割合は特に限定されず、目的や用途に応じて適宜調整することができる。
また、二重組織部(3)を構成する構成糸全体における蓄光糸及び紫外線発光糸の割合は特に限定されず、目的や用途に応じて適宜調整することができる。
上記蓄光糸は、予め顔料等によって所定の色に着色され、その色を発光するものである。蓄光糸は上述の構成糸に蓄光性顔料を練り込んで形成することができる。顔料の種類により、クリーム、白、赤、青、緑、黄、オレンジ、ピンクなどの色の蓄光糸がある。
そして、光ファイバー(5)を介した光が蓄光糸に照射されることによって、蓄光糸を発光させることができる。すなわち、本発明の車両用内装材(1)においては、光ファイバー(5)を介した光と蓄光糸からの発光を組み合わせることで発光効率を高めることができる。
更に、光ファイバー(5)のみでは、異なる発光色を得ようとすると、光源の色を変更する必要があるが、異なる色の蓄光糸を織り込むことで、容易に発光色を異なる色とすることができる。
そして、光ファイバー(5)を介した光が蓄光糸に照射されることによって、蓄光糸を発光させることができる。すなわち、本発明の車両用内装材(1)においては、光ファイバー(5)を介した光と蓄光糸からの発光を組み合わせることで発光効率を高めることができる。
更に、光ファイバー(5)のみでは、異なる発光色を得ようとすると、光源の色を変更する必要があるが、異なる色の蓄光糸を織り込むことで、容易に発光色を異なる色とすることができる。
また、上記紫外線発光糸は、予め蛍光顔料等によって着色され、紫外線が照射されることで発光するものである。紫外線発光糸は、上述の構成糸に蛍光性顔料を練り込んで形成することができ、蛍光顔料の種類によって多彩な発光色を得ることができる。この場合、例えば、ブラックライトを光源として光ファイバーに導光させて、光ファイバーから漏光する紫外線で発光させることができる。
尚、蓄光糸及び紫外線発光糸は、両方を併用してもよいが、光源を別々にする必要があるため、通常は一方のみを織り込むことが好ましい。
また、二重組織部(3)において、蓄光糸や紫外線発光糸は、第1層(31)及び第2層(32)の両方に含まれていてもよいし、一方のみに含まれていてもよい。更には、第1層(31)及び第2層(32)で蓄光糸の色を異なるものとすることができる。このように色を異なるものとすれば、表皮材等における裏表の判別を容易に行うことができる。
また、二重組織部(3)において、蓄光糸や紫外線発光糸は、第1層(31)及び第2層(32)の両方に含まれていてもよいし、一方のみに含まれていてもよい。更には、第1層(31)及び第2層(32)で蓄光糸の色を異なるものとすることができる。このように色を異なるものとすれば、表皮材等における裏表の判別を容易に行うことができる。
また、織物(4)の製織方法は特に限定されないが、例えば、ドビー織機やジャカード織機等の織機を用いることができる。
上記光ファイバー(5)は、織物(4)における二重組織部(3)の袋部に収納されるものである。尚、この光ファイバー(5)は、二重組織部(3)が複数箇所に形成されている場合には、その全てに収納される必要はなく、用途に応じて、二重組織部(3)の全て又はその一部に収納されていればよい。
上記光ファイバー(5)としては、芯(コア層)と鞘(クラッド層)との芯鞘構造(多層構造)を有し、コア層とクラッド層との屈折率が異なっている種々の光ファイバーを採用することができる。尚、柔軟で曲げ衝撃等に優れ、織物(4)における二重組織部(3)の袋部に容易に配することができるという観点から、樹脂製の光ファイバーが好ましい。
光ファイバー(5)が樹脂製の場合、コア層には、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、及びポリオレフィン系樹脂等の優れた透明性を有する樹脂を採用することができる。更に、クラッド層には、例えば、フッ化ビニリデン樹脂、フッ化ビニリデンテトラフルオロエチレン共重合樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、及びトリフルオロイソプロピルメタクリレート樹脂等の優れた透明性を有する樹脂を採用することができる。
光ファイバー(5)の直径は特に限定されないが、操作性の観点から、0.25〜3mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1mmである。
光ファイバー(5)の種類は特に限定されず、端面発光型の光ファイバーを用いてもよいし、側面発光型の光ファイバーを用いてもよい。特に、一端側から入射された光が端面並びに周面の一部又は全てから出射される側面発光型の光ファイバーであることがより好ましい。
また、端面発光型の光ファイバーを用いる場合には、そのまま用いることもできるが、普通糸と撚り合わされた形態で袋部に収納することが好ましい。この場合、光ファイバーが屈曲することで、その周面から漏光しやすくなり、十分な発光量が得られる。
また、端面発光型の光ファイバーを用いる場合には、そのまま用いることもできるが、普通糸と撚り合わされた形態で袋部に収納することが好ましい。この場合、光ファイバーが屈曲することで、その周面から漏光しやすくなり、十分な発光量が得られる。
上記普通糸は光ファイバー(5)と撚り合わせることが可能な限り特に限定されず、上述の構成糸と同様のものを例示することができる。
光ファイバー(5)の光源は特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、LED、ブラックライト等を採用することができる。
本発明の車両用内装材(1)は、例えば、自動車等のシートベルトウェビングや、ドアトリム、天井材、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム等の内装部品の表皮材として有用である。
尚、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。尚、本実施例では、本発明に係る「車両用内装材」として、シートベルトウェビングを例示する。
[1]各実施例における車両用内装材の構成
<実施例1>
実施例1における車両用内装材1としてのシートベルトウェビングは、図1及び図2に示すように、一重組織部2、及びその両端に袋織の二重組織部3を有する織物4と、二重組織部3における袋部に収納された光ファイバー5と、を備えている。
織物4は、一重組織部2をベースとしており、幅方向の両端側において、長さ方向に沿って直線状に二重組織部3が形成されている。
一重組織部2は、経朱子の織組織から構成されており、二重組織部3は、離間可能に織られた2層[第1層31及び第2層32]によって袋状に形成されており袋織組織から構成されている。
二重組織部3には、第1層31及び第2層32のいずれにも、オレンジ色等の暖色に光る蓄光糸が経糸として織り込まれている。
光ファイバー5は、側面発光型の光ファイバーであり、両端側における直線状に形成された二重組織部3に収納されている。
光ファイバー5の一端側は座席下部に設けられたLED電源(図示せず)に接続されており、夜間などの暗所で光ファイバー5を発光させた際には、図1に示すようなシートベルトの長手方向に沿った両端側がライン状に発光する。
図3に示すように、装着前において、シートベルトの大部分が座席に隠れて、位置が分かりづらい場合においても、光ファイバーを介した発光により蓄光糸を含む二重組織部3がはっきりと浮かび上がることで、シートベルトの先端を容易に認識することができる。
<実施例1>
実施例1における車両用内装材1としてのシートベルトウェビングは、図1及び図2に示すように、一重組織部2、及びその両端に袋織の二重組織部3を有する織物4と、二重組織部3における袋部に収納された光ファイバー5と、を備えている。
織物4は、一重組織部2をベースとしており、幅方向の両端側において、長さ方向に沿って直線状に二重組織部3が形成されている。
一重組織部2は、経朱子の織組織から構成されており、二重組織部3は、離間可能に織られた2層[第1層31及び第2層32]によって袋状に形成されており袋織組織から構成されている。
二重組織部3には、第1層31及び第2層32のいずれにも、オレンジ色等の暖色に光る蓄光糸が経糸として織り込まれている。
光ファイバー5は、側面発光型の光ファイバーであり、両端側における直線状に形成された二重組織部3に収納されている。
光ファイバー5の一端側は座席下部に設けられたLED電源(図示せず)に接続されており、夜間などの暗所で光ファイバー5を発光させた際には、図1に示すようなシートベルトの長手方向に沿った両端側がライン状に発光する。
図3に示すように、装着前において、シートベルトの大部分が座席に隠れて、位置が分かりづらい場合においても、光ファイバーを介した発光により蓄光糸を含む二重組織部3がはっきりと浮かび上がることで、シートベルトの先端を容易に認識することができる。
<実施例2>
実施例2における車両用内装材1としてのシートベルトウェビングは、実施例1において、側面発光型の光ファイバーの代わりに、端面発光型の光ファイバーが普通糸と撚り合わされた形態で二重組織部3によって形成される袋部に収納されている。この場合、光ファイバーが普通糸と撚り合わされることで屈曲してクランプが生じ、周面からの漏光量が増加することで蓄光糸を含む二重組織部3がはっきりと浮かび上がる。他の構成は、実施例1と同様である。
実施例2における車両用内装材1としてのシートベルトウェビングは、実施例1において、側面発光型の光ファイバーの代わりに、端面発光型の光ファイバーが普通糸と撚り合わされた形態で二重組織部3によって形成される袋部に収納されている。この場合、光ファイバーが普通糸と撚り合わされることで屈曲してクランプが生じ、周面からの漏光量が増加することで蓄光糸を含む二重組織部3がはっきりと浮かび上がる。他の構成は、実施例1と同様である。
<実施例3>
実施例3における車両用内装材1としてのシートベルトウェビングは、実施例1において、蓄光糸の代わりに、紫外線照射によって緑色に光る紫外線発光糸を織り込んで構成したものである。光ファイバー5の一端側は座席下部に設けられたブラックライト電源(図示せず)に接続されている。他の構成は、実施例1と同様である。
この場合も、紫外線発光糸により十分な発光強度を得ることができる。
実施例3における車両用内装材1としてのシートベルトウェビングは、実施例1において、蓄光糸の代わりに、紫外線照射によって緑色に光る紫外線発光糸を織り込んで構成したものである。光ファイバー5の一端側は座席下部に設けられたブラックライト電源(図示せず)に接続されている。他の構成は、実施例1と同様である。
この場合も、紫外線発光糸により十分な発光強度を得ることができる。
[2]各実施例における車両用内装材の作用効果
本実施例1〜3における車両用内装材1としてのシートベルトウェビングによれば、夜間等の車両内においてもシートベルトを容易に認識できると共に、意匠的に煌びやかなものとすることができる。更に、夜間における交通取り締まりにおいて、シートベルト着用の有無の判断が容易となる。
シートベルトウェビングは、引き出し口や、衣類と擦れ合ったりしてその表面が損傷しやすいが、本実施例に係る二重組織部3の一部を構成する蓄光糸又は紫外線発光糸は、蓄光材が練り込んで形成されているため、多少の損傷によっても発光強度に影響しない。そのため、シートベルト表面の損傷に関わらず発光強度を安定的に維持することができる。
更に、顔料の異なる蓄光糸又は紫外線発光糸を構成糸に使用することで、シートベルトに発光色による柄をつけて装飾効果を得ることもできる。
本実施例1〜3における車両用内装材1としてのシートベルトウェビングによれば、夜間等の車両内においてもシートベルトを容易に認識できると共に、意匠的に煌びやかなものとすることができる。更に、夜間における交通取り締まりにおいて、シートベルト着用の有無の判断が容易となる。
シートベルトウェビングは、引き出し口や、衣類と擦れ合ったりしてその表面が損傷しやすいが、本実施例に係る二重組織部3の一部を構成する蓄光糸又は紫外線発光糸は、蓄光材が練り込んで形成されているため、多少の損傷によっても発光強度に影響しない。そのため、シートベルト表面の損傷に関わらず発光強度を安定的に維持することができる。
更に、顔料の異なる蓄光糸又は紫外線発光糸を構成糸に使用することで、シートベルトに発光色による柄をつけて装飾効果を得ることもできる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例を例示することもできる。
例えば、実施例1では蓄光糸を1種のみ用いていたが、2種以上の蓄光糸を用いることもできる。具体的には、二重組織部3において、第1層31には黄色に光る蓄光糸を織り込み、第2層32には赤色に光る蓄光糸を織り込むことができる。このように構成することで、シートベルトの裏表を間違えるとなく着用することができる。例えば、図1において、胸用ベルトは、第1層31(黄色)が表面に現れ、胸用ベルトの裏側となる腰用ベルトは、第2層32(赤色)が表面に現れることで、容易に識別が可能となる。
例えば、実施例1では蓄光糸を1種のみ用いていたが、2種以上の蓄光糸を用いることもできる。具体的には、二重組織部3において、第1層31には黄色に光る蓄光糸を織り込み、第2層32には赤色に光る蓄光糸を織り込むことができる。このように構成することで、シートベルトの裏表を間違えるとなく着用することができる。例えば、図1において、胸用ベルトは、第1層31(黄色)が表面に現れ、胸用ベルトの裏側となる腰用ベルトは、第2層32(赤色)が表面に現れることで、容易に識別が可能となる。
前述の記載は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく、説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施形態を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、寧ろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形又は変更が可能である。
本発明の車両用内装材は、各種車両(自動車及び鉄道車両等)におけるシートベルトウェビングや表皮材等の織物が関わる分野において好適に利用することができる。
1;車両用内装材(シートベルトウェビング)、2;一重組織部、3;二重組織部、4;織物、5;光ファイバー、31;第1層、32;第2層。
Claims (4)
- 一重組織部、及び袋織の二重組織部を有する織物と、
前記二重組織部における袋部に収納された光ファイバーと、を備え、
前記二重組織部には、蓄光糸及び紫外線発光糸のうちの少なくとも一方が構成糸として織り込まれていることを特徴とする車両用内装材。 - 前記光ファイバーは、前記袋部に普通糸と撚り合わされた形態で収納されている請求項1に記載の車両用内装材。
- 前記光ファイバーは、側面発光型の光ファイバーである請求項1に記載の車両用内装材。
- シートベルトウェビングとして用いられる請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の車両用内装材。
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Cited By (1)
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WO2020055680A1 (en) * | 2018-09-12 | 2020-03-19 | Inman Mills | Woven fabric with hollow channel for prevention of structural damage to functional yarn, monofilament yarn, or wire contained therein |
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2017
- 2017-02-16 JP JP2017027346A patent/JP2018131112A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020055680A1 (en) * | 2018-09-12 | 2020-03-19 | Inman Mills | Woven fabric with hollow channel for prevention of structural damage to functional yarn, monofilament yarn, or wire contained therein |
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