JP2018130530A - 医療用レーザプローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に製造することができる医療用レーザプローブを提供する。
【解決手段】医療用レーザプローブ1は、光軸方向に沿って延びる光ファイバ10と、多孔質ガラスによって形成されて、光ファイバから出射される光が入射する光散乱部20とを有している。また、光散乱部を形成する多孔質ガラスの孔径は、光軸方向の先端に近づくほど大きくなっている。さらに、光散乱部は、円柱状をなしており、光散乱部の基端は、光ファイバの先端に対して密着されている。
【選択図】図1
【解決手段】医療用レーザプローブ1は、光軸方向に沿って延びる光ファイバ10と、多孔質ガラスによって形成されて、光ファイバから出射される光が入射する光散乱部20とを有している。また、光散乱部を形成する多孔質ガラスの孔径は、光軸方向の先端に近づくほど大きくなっている。さらに、光散乱部は、円柱状をなしており、光散乱部の基端は、光ファイバの先端に対して密着されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、医療用レーザプローブに関する。
従来、例えば血管等の生体内に挿入された光ファイバからレーザ光を側方に出射する医療用のレーザプローブが知られている。例えば特許文献1に開示されている光ファイバには、光ファイバの外向きに部分的に光が出射されるように、光軸方向に規則的に間隔が空いた複数の溝が形成されている。
しかしながら、特許文献1に開示された技術のように、脆性材料である光ファイバ自体に溝部を形成する場合、溝部が形成された位置において光ファイバの強度が低下する。この場合、振動、衝撃等によって光ファイバが破損しやすくなるため、高度な加工技術が必要である。
本発明の一側面は、容易に製造することができる医療用レーザプローブを提供することを目的とする。
一側面の医療用レーザプローブは、光軸方向に沿って延びる光ファイバと、多孔質ガラスによって形成されて、光ファイバから出射される光が入射する構造体とを有している。
本発明の一側面によれば、容易に製造することができる医療用レーザプローブを提供することができる。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。本願発明の一形態に係る医療用レーザプローブは、光軸方向に沿って延びる光ファイバと、多孔質ガラスによって形成されて、光ファイバから出射される光が入射する構造体とを有している。
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。本願発明の一形態に係る医療用レーザプローブは、光軸方向に沿って延びる光ファイバと、多孔質ガラスによって形成されて、光ファイバから出射される光が入射する構造体とを有している。
一形態に係る医療用レーザプローブでは、構造体が多孔質ガラスによって形成されているため、構造体に入射された光は、構造体内で散乱(乱反射)して、光ファイバの光軸方向と交差する方向(側方)に出射される。このような医療用レーザプローブでは、光ファイバから出射される光が入射されるように構造体が配置されていればよく、光ファイバに特別な加工をする必要がないので、容易に製造することができる。
また、構造体を形成する多孔質ガラスの孔径は、光軸方向の先端に近づくほど大きくなっていてよい。この場合、構造体の先端になるにつれて光が散乱し易くなる。これにより、構造体から側方に出射される光量を光軸方向で均等に近づけることができる。
また、構造体は、光軸方向の先端側に向かって拡径していてよい。表面を加熱することによって多孔質ガラスの孔径を小さく制御する場合、加熱後の多孔質ガラスの外径が小さくなり得る。構造体が先端に向かって拡径する場合には、例えば、外径が一様な円柱状の多孔質ガラスを加熱することによって構造体を容易に製造することができる。
また、構造体の基端は、光ファイバの先端に対して溶着されていてよい。この場合、構造体と光ファイバとの接合部分における光の損失を抑制することができる。
また、一形態において、構造体は、光軸方向を軸方向とする円柱状をなしてもよい。この場合、構造体から出射される光が、周方向に均一に拡がりやすくなる。なお、「円柱状」とは、軸方向に直交する断面が円形である形状をいう。
また、一形態において、構造体は、光軸方向を軸方向とする円筒状をなしてもよい。この場合、構造体から出射される光が、光軸方向に均一に拡がりやすくなる。なお、「円筒状」とは、中空の円柱状をなす形状をいう。
また、一形態において、構造体は、光軸方向の互いに離間した位置において互いに異なる径を有していてもよい。例えば、構造体は、光軸方向の先端側に向かって縮径していてもよい。この場合、光の散乱の度合いを光軸方向において制御することができる。
また、一形態において、構造体は複数の部分を含んでおり、複数の部分は、光軸方向に沿って並設され、複数の部分は、互いに異なる孔径の多孔質ガラスによって形成されていてもよい。この場合、光の散乱の度合いを光軸方向において制御することができる。
また、一形態において、医療用レーザプローブは、構造体を液密に封止する封止部を更に有してもよい。この場合、構造体を形成する多孔質ガラスを体液等から保護することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、光ファイバの軸心方向(長手方向)である光軸方向を前後方向として表現する場合がある。この場合、レーザ光源が接続される光ファイバの基端側を後方側とし、光ファイバの先端側を前方側とする。また、周方向という場合には、特に言及がなければ、直線状に配置された光ファイバの軸心を基準とする。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、光ファイバの軸心方向(長手方向)である光軸方向を前後方向として表現する場合がある。この場合、レーザ光源が接続される光ファイバの基端側を後方側とし、光ファイバの先端側を前方側とする。また、周方向という場合には、特に言及がなければ、直線状に配置された光ファイバの軸心を基準とする。
[第1実施形態]
図1は医療用レーザプローブを模式的に示す縦断面図である。図1に示すように、医療用レーザプローブ1は、光ファイバ10と、光散乱部(構造体)20と、カバー(封止部)30とを含んでいる。光ファイバ10は、光軸D1の方向(光軸方向)に沿って延びており、光軸方向の一方側を基端側とし、光軸方向の他端側を先端側としている。光ファイバ10の基端側には、レーザ光Lを出射するレーザ光源(不図示)が光学的に接続され得る。一例として、レーザ光Lは赤外線であってよい。
図1は医療用レーザプローブを模式的に示す縦断面図である。図1に示すように、医療用レーザプローブ1は、光ファイバ10と、光散乱部(構造体)20と、カバー(封止部)30とを含んでいる。光ファイバ10は、光軸D1の方向(光軸方向)に沿って延びており、光軸方向の一方側を基端側とし、光軸方向の他端側を先端側としている。光ファイバ10の基端側には、レーザ光Lを出射するレーザ光源(不図示)が光学的に接続され得る。一例として、レーザ光Lは赤外線であってよい。
光ファイバ10は、高屈折率のコア及び低屈折率のクラッドを含むガラス部11と、ガラス部11を被覆する樹脂被覆(被覆部)13とを有する。例えば、光ファイバ10の先端側では樹脂被覆13が除去されており、ガラス部11が露出している。一例として、光ファイバ10の外径は、2mm程度以下であってよいが、これに限定されない。
光散乱部20は、光ファイバ10から出射される光が入射する位置に配置されている。本実施形態では、光ファイバ10から露出したガラス部11の先端に隣接して、光ファイバ10の前方に光散乱部20が配置されている。光散乱部20は、光軸方向を軸方向とする円柱状をなしている。例えば、光散乱部20の外径は、ガラス部11の外径よりも大きくなっている。
光散乱部20の軸心D2の位置は、光ファイバ10の光軸D1の位置と一致している。光散乱部20の基端側の端面20aは、ガラス部11の先端側の端面11aと溶着されていてもよい。また、光散乱部20の端面20aとガラス部11の端面11aとは、溶接されることなく、当接されていてもよい。さらに、光散乱部20の端面20aとガラス部11の端面11aとは、互いに離間していてもよい。この場合、光散乱部20の端面20aとガラス部11の端面11aとによって別の導光部材を挟持してもよい。
光散乱部20は、多孔質ガラスによって形成されている。多孔質ガラスは、熱処理による相分離現象を利用することによって、均一なガラスから作製され得る。多孔質ガラスの作製方法の一例について説明する。まず、SiO2(ケイ砂)、H2BO3(硼酸)及びNaCO3(ソーダ灰)を原料として通常の溶融プロセスによってNa2O−B2O3−SiO2系ガラスを作製する。次に、Na2O−B2O3−SiO2系ガラスを数百℃で熱処理し、ガラス内部でSiO2リッチ相とNa2O−B2O3リッチ相に数nmオーダーでスピノーダル分解による分相を生じさせる。この分相ガラスを酸溶液に浸漬し、Na2O−B2O3相のみを酸で溶出することにより、SiO2骨格を持つ多孔質ガラスが得られる。このように作製された多孔質ガラスは、表面から内部まで連結した均一な径の細孔を有する。細孔の孔径は、熱処理の条件(例えば、処理時間、処理温度等)、酸溶液の浸漬時間等を変化させることによって制御され得る。また、アルカリ溶液によって細孔を拡大することもできる。このような多孔質ガラスの一例として、バイコール型多孔質ガラスを挙げることができる。
細孔の孔径は、例えば、光散乱部20の任意の断面に現れる複数の細孔における孔径の平均値として表すことができる。この場合、それぞれの細孔を楕円で近似し、当該楕円の短径を孔径としてもよい。一例として、細孔の孔径は、400nm程度以上であってよい。
光散乱部20の先端側の端面20bには、光遮蔽部25が配置されている。光遮蔽部25は、光散乱部20の端面20bから前方に出射される光を遮蔽する。光遮蔽部25は、光散乱部20と同じ外径を有する円板状をなしている。一例として、光遮蔽部25は、円板状のミラーであってもよい。ミラーの反射面は、例えば光散乱部20の端面20bに当接している。光遮蔽部25がミラーによって構成される場合、光散乱部20から前方に出射された光は、光遮蔽部25によって反射され、再び光散乱部20に入射し得る。
カバー30は、光ファイバ10の先端部分と光散乱部20とを被覆する。本実施形態では、カバー30は、本体部31及び先端部33を有している。本体部31は、光軸D1及び軸心D2を中心軸とする円筒状をなしており、軸方向に一様な内径及び外径を有している。本体部31の内径は、光散乱部20の外径と略同じであってよい。図示例において、本体部31の内径は、光散乱部20の外径及び光ファイバ10の外径と略同じとなっている。先端部33は、本体部31の外径と同じ外径を有する半球状をなしている。先端部33は、本体部31の先端31aに溶着又は接着されている。すなわち、本体部31の先端31aは、先端部33に形成された円形状の端面33aによって液密に封止されている。なお、本体部31と先端部33とは一体形成されてもよい。
カバー30の基端(後端)は、光ファイバ10における樹脂被覆13の前端部分の外周面13aと液密に接着されている。光ファイバ10の先端において、露出したガラス部11の外周面11bと本体部31の内周面31bとの間には、所定の間隙が形成され得る。本体部31の内周面31bと光散乱部20の外周面20cとは、互いに接していてもよい。また、本体部31と光散乱部20とは一体化されていてもよい。光遮蔽部25は、例えばカバー30の先端部33と光散乱部20の端面20bとによって挟持されている。
以上説明した医療用レーザプローブ1によれば、光散乱部20が多孔質ガラスによって形成されているため、光散乱部20に入射された光は、光散乱部20内で散乱(乱反射)される。そして、当該光は、光ファイバ10の光軸D1方向と交差する方向(側方)に出射される散乱光Sとなる。このような医療用レーザプローブ1では、光ファイバ10から出射される光が入射されるように光散乱部20が配置されていればよい。そのため、光ファイバ10に特別な加工をする必要がなく、容易に製造することができる。
また、光散乱部20は、光軸方向を軸方向とする円柱状をなしているため、光散乱部20から出射される散乱光Sは、周方向に均一に拡がりやすくなる。
また、樹脂被覆13の前端部分及び光散乱部20は、カバー30によって液密に封止されていている。これにより、光散乱部20を形成する多孔質ガラスを体液等から保護することができる。なお、ガラス部11とカバー30とが接着される構成であってもよいが、樹脂被覆13とカバー30とが接着されることによって、接着部分の強度を高めることができる。
[第2実施形態]
本実施形態に係る医療用レーザプローブでは、光散乱部の構造において第1実施形態の医療用レーザプローブと相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態に係る医療用レーザプローブでは、光散乱部の構造において第1実施形態の医療用レーザプローブと相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図2は、第2実施形態に係る医療用レーザプローブを模式的に示す縦断面図である。また、図3は、図2のIII−III線に沿って切断した断面図である。医療用レーザプローブ201は、光ファイバ10と、光散乱部220と、光遮蔽部25と、カバー30とを含んでいる。
光散乱部220は、光軸方向を軸方向とする円筒状をなしており、多孔質ガラスによって形成されている。例えば、光散乱部220の外径は、ガラス部11の外径よりも大きくなっている。また、図示例では、光散乱部220の内径はガラス部11の外径よりも小さくなっている。なお、光散乱部220の内径はガラス部11の外径よりも大きくてもよいし、ガラス部11の外径と同じであってもよい。
光散乱部220の内側には透光部材222が配置されている。透光部材222は、光散乱部220の内径と同じ外径を有する円筒状に形成されている。また、透光部材222の光軸方向の長さと光散乱部220の光軸方向の長さとは一致している。例えば、光散乱部220と透光部材222とは一体的に形成されている。一例として、透光部材222はレーザ光を透過するガラスによって形成されている。
光散乱部220及び透光部材222は、光ファイバ10から出射される光が入射する位置に配置されている。本実施形態では、光ファイバ10から露出したガラス部11の端面11aに隣接して光散乱部220及び透光部材222が配置されている。例えば、光ファイバ10の光軸D1の位置と光散乱部220及び透光部材222の軸心D3の位置とは一致している。光遮蔽部25は、光軸方向において光散乱部220及び透光部材222の先端に隣接して配置されている。
医療用レーザプローブ201のように、光散乱部220が円筒状をなしている場合、レーザ光Lの少なくとも一部が光散乱部220の内側に配置された透光部材222に入射される。そして、透光部材222に入射されたレーザ光Lは、前方に進行してから光散乱部220に入射することになる。これにより、光散乱部220から出射される散乱光Sが光軸方向に均一に拡がりやすくなる。
また、円筒状の光散乱部220では、円柱状の場合に比べて、強度が低くなり破損し易くなる虞がある。しかしながら、本実施形態では、光散乱部220の内側に透光部材222が一体的に形成されているため、光散乱部220は円柱状に形成された場合と同等の強度を有し得る。
[第3実施形態]
本実施形態に係る医療用レーザプローブでは、光散乱部の構造が第1実施形態の医療用レーザプローブと相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態に係る医療用レーザプローブでは、光散乱部の構造が第1実施形態の医療用レーザプローブと相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図4は、第3実施形態に係る医療用レーザプローブを模式的に示す縦断面図である。医療用レーザプローブ301は、光ファイバ10と、光散乱部320と、光遮蔽部25と、カバー30とを含んでいる。光散乱部320は、光軸方向の互いに離間した位置において互いに異なる径を有する円柱状をなしており、多孔質ガラスによって形成されている。図示例では、光散乱部320は、光軸方向の基端側の端面320aから先端側の端面320bに向かって縮径しており、テーパ状の外周面を有している。
光散乱部320は、光ファイバ10から出射される光が入射する位置に配置されている。本実施形態では、光ファイバ10から露出したガラス部11の端面11aに隣接して光散乱部320が配置されている。例えば、光ファイバ10の光軸D1の位置と光散乱部320の軸心D4の位置とは一致している。光遮蔽部25は、光軸方向において光散乱部320の先端に隣接して配置されている。
本実施形態のように、光散乱部320が光軸方向の互いに離間した位置において互いに異なる径を有している場合、光の散乱の度合いを光軸方向において制御することができる。図示例の場合、光散乱部320の基端側では、光散乱部320の径が大きく散乱光Sが出射されにくい。一方、光散乱部320の先端側では、光ファイバ10の出射端からは遠ざかるものの、光散乱部320の径が小さく散乱光が出射されやすい。これにより、光散乱部320から側方に出射される光量を光軸方向で平坦化することができる。
[第4実施形態]
本実施形態に係る医療用レーザプローブでは、光散乱部の構造が第1実施形態の医療用レーザプローブと相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態に係る医療用レーザプローブでは、光散乱部の構造が第1実施形態の医療用レーザプローブと相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図5は、第4実施形態に係る医療用レーザプローブを模式的に示す縦断面図である。医療用レーザプローブ401は、光ファイバ10と、光散乱部420と、光遮蔽部25と、カバー30とを含んでいる。光散乱部420は、複数の部分を含んで構成されている。本実施形態では、光散乱部320は、光軸方向に沿って並設される第1部分421、第2部分422及び第3部分423を有している。図示例では、第1部分421、第2部分422及び第3部分423は、いずれも光軸方向を軸方向とする円柱状である。第1部分421、第2部分422及び第3部分423の光軸方向の長さは、一例として互いに同じあるが、互いに異なっていてもよい。光散乱部420では、基端側から先端側に向かって、第1部分421、第2部分422、第3部分423の順番で配置されている。第1部分421と第2部分とは互いに当接されている。また、第2部分422と第3部分423とは互いに当接されている。第1部分421、第2部分422及び第3部分423は、いずれも光ファイバ10の光軸D1の位置と一致した軸心D5を有している。
第1部分421、第2部分422及び第3部分423は、互いに異なる孔径を有する多孔質ガラスによって形成されている。例えば、第1部分421を形成する多孔質ガラスの孔径は、第2部分422を形成する多孔質ガラスの孔径よりも小さくなっている。また、第2部分422を形成する多孔質ガラスの孔径は、第3部分423を形成する多孔質ガラスの孔径よりも小さくなっている。
光散乱部420は、光ファイバ10から出射される光が入射する位置に配置されている。本実施形態では、光ファイバ10から露出したガラス部11の端面11aに隣接して第1部分421が配置されている。すなわち、光ファイバ10から出射されるレーザ光Lは、第1部分421の基端側の端面421aに入射される。また、光ファイバ10から出射されるレーザ光Lは、第1部分421を介して第2部分422に入射される。さらに、光ファイバ10から出射されるレーザ光Lは、第1部分421及び第2部分422を介して第3部分に入射される。なお、光遮蔽部25は、第3部分423の先端の端面423bに当接して配置されている。
本実施形態のように、光散乱部420における複数の部分が、互いに異なる孔径の多孔質ガラスによって形成されている場合、光の散乱の度合いを光軸方向において制御することができる。図示例のように、多孔質ガラスの孔径が基端から先端に向かって大きくなっている場合、光散乱部420の先端になるにつれて散乱し易くなる。すなわち、光散乱部420の基端側では、レーザ光Lが前方に進行しやすく、光散乱部420の先端側ではレーザ光Lが散乱されて側方に出射されやすい。これにより、光散乱部420から側方に出射される光量を光軸方向で平坦化することができる。
[第5実施形態]
本実施形態に係る医療用レーザプローブでは、光散乱部の構造が第1実施形態の医療用レーザプローブと相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態に係る医療用レーザプローブでは、光散乱部の構造が第1実施形態の医療用レーザプローブと相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図6は、第5実施形態に係る医療用レーザプローブを模式的に示す縦断面図である。医療用レーザプローブ501は、光ファイバ10と、光散乱部520と、光遮蔽部25と、カバー30とを含んでいる。光散乱部520は、光ファイバ10から出射される光が入射する位置に配置されている。本実施形態では、光ファイバ10から露出したガラス部11の先端に隣接して、光ファイバ10の前方に光散乱部520が配置されている。例えば、光ファイバ10の光軸D1の位置と光散乱部520の軸心D6の位置とは一致している。光遮蔽部25は、光軸方向において光散乱部520の先端520bに隣接して配置されている。ガラス部11の先端と光散乱部520の端面520aとは、例えば接着剤によって互いに接着されていてもよい。この場合、水ガラスのような無機系の接着剤を用いることによって、レーザの透過による接着剤の損傷を抑制することができる。また、ガラス部11の先端と光散乱部520の基端とは、例えば互いに溶着されていてもよい。
図示例の光散乱部520は、光軸方向を軸方向とする円柱状をなしている。例えば、光散乱部520の外径は、ガラス部11の外径よりも大きくなっており、光軸方向において一様の大きさを有している。光散乱部520の外周面520cは、本体部31の内周面31bに接していてもよい。
光散乱部520は多孔質ガラスによって形成されている。光散乱部520を形成する多孔質ガラスの孔径は、光軸方向の基端側から先端に近づくほど大きくなっている。例えば、多孔質ガラスの細孔の孔径は、光散乱部520の基端において10nm〜100nm程度であり、一例として30nmとなっている。また、多孔質ガラスの細孔の孔径は、光散乱部520の先端において50nm〜500nm程度であり、一例として100nmとなっている。光散乱部520の基端から先端までの間では、多孔質ガラスの孔径は、徐々に大きくなっており、一例として、基端からの距離に比例した大きさを有している。
多孔質ガラスの孔径は、例えば多孔質ガラスを溶融することによって制御され得る。孔径が略均一に形成された多孔質ガラスの表面に対してCO2レーザなどのガラスに吸収されるレーザ光を照射して、多孔質ガラスを溶融する。この場合、多孔質ガラスは、溶融に伴って、その外径が小さくなるように変形し得る。これにより、多孔質ガラスの溶融した部分における細孔の孔径を小さくすることができる。すなわち、多孔質ガラスに加えられる熱量を光散乱部520の位置ごとに制御することで、当該位置における多孔質ガラスの孔径を制御することができる。孔径が光軸方向の基端側から先端に近づくほど大きくなるように制御する場合、基端側になるに従って加えられる熱量を大きくすればよい。本実施形態のように、光散乱部520の外径が軸心方向に一様の大きさを有している場合には、溶融による変形分を考慮して溶融前の光散乱部を用意すればよい。
本実施形態のように、光散乱部520における多孔質ガラスの孔径が、光軸方向の先端に近づくほど大きくなっている場合、光散乱部520の先端になるにつれて光が散乱し易くなる。すなわち、光量が多い光散乱部520の基端側では、レーザ光Lが前方に進行しやすく、光量が少なくなる光散乱部520の先端側ではレーザ光Lが散乱されて側方に出射されやすい。これにより、光散乱部520から側方に出射される光量を光軸方向で均等に近づけることができる。
[第6実施形態]
本実施形態に係る医療用レーザプローブでは、光散乱部の構造が第5実施形態の医療用レーザプローブと相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態に係る医療用レーザプローブでは、光散乱部の構造が第5実施形態の医療用レーザプローブと相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図7は、第6実施形態に係る医療用レーザプローブを模式的に示す縦断面図である。医療用レーザプローブ601は、光ファイバ10と、光散乱部620と、光遮蔽部25と、カバー30とを含んでいる。光散乱部620は、光軸方向の互いに離間した位置において互いに異なる径を有する円柱状をなしており、多孔質ガラスによって形成されている。図示例では、光散乱部620は、光軸方向の基端側の端面620aから先端側の端面620bに向かって拡径しており、テーパ状の外周面620cを有している。例えば、光散乱部620の基端側の端面620aの外径はガラス部11の外径と略同じであってよく、光散乱部620の先端側の端面620bの外径はカバー30の内径と略同じであってよい。この場合、カバー30内における光散乱部620のぐらつきを抑制できる。一例として、端面620aの外径とガラス部11の外径とはいずれも0.4mm程度であってよく、端面620bの外径とカバー30の内径とはいずれも0.8mm程度であってよい。なお、この場合、一例としてカバー30の全長は15mm程度であってよく、カバー30の外径は1.2mm程度であってよい。図示例の光散乱部620は、軸心D7方向に沿って一定の割合で拡径しているが、これに限定されない。例えば、光散乱部620では、先端になるにつれて拡径する割合が大きくなってもよいし、小さくなってもよい。
光散乱部620を形成する多孔質ガラスの孔径は、第5実施形態と同様に光軸方向の基端側から先端に近づくほど大きくなっている。例えば、多孔質ガラスの細孔の孔径は、基端において10nm〜100nm程度であり、一例として30nmとなっている。また、多孔質ガラスの細孔の孔径は、先端において50nm〜500nm程度であり、一例として100nmとなっている。基端から先端までの間では、多孔質ガラスの孔径は、徐々に大きくなっており、一例として、基端からの距離に比例した大きさを有している。
光散乱部620は、光ファイバ10から出射される光が入射する位置に配置されている。本実施形態では、光ファイバ10から露出したガラス部11の端面11aに隣接して光散乱部620が配置されている。例えば、光ファイバ10の光軸D1の位置と光散乱部620の軸心D7の位置とは一致している。ガラス部11の先端と光散乱部620の基端とは、例えば接着剤によって互いに接着されていてもよい。この場合、水ガラスのような無機系の接着剤を用いることによって、レーザの透過による接着剤の損傷を抑制することができる。また、ガラス部11の先端と光散乱部620の基端とは、例えば互いに溶着されていてもよい。光遮蔽部25は、光軸方向において光散乱部620の先端に隣接して配置されている。
本実施形態のように、光散乱部620における多孔質ガラスの孔径が、光軸方向の先端に近づくほど大きくなっている場合、光散乱部620の先端になるにつれて光が散乱し易くなる。すなわち、光散乱部620の基端側では、レーザ光Lが前方に進行しやすく、光散乱部620の先端側ではレーザ光Lが散乱されて側方に出射されやすい。これにより、光散乱部620から側方に出射される光量を光軸方向で均等に近づけることができる。また、光散乱部620は、第5実施形態の光散乱部520と同様に、多孔質ガラスを溶融することで製造することができる。光散乱部620は、先端側に向かって拡径する形状を有するため、例えば、外径が一様な円柱状の多孔質ガラスを加熱することによって容易に製造することができる。
[第7実施形態]
本実施形態に係る医療用レーザプローブでは、光散乱部の構造が第6実施形態の医療用レーザプローブと相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態に係る医療用レーザプローブでは、光散乱部の構造が第6実施形態の医療用レーザプローブと相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図8は、第7実施形態に係る医療用レーザプローブを模式的に示す縦断面図である。医療用レーザプローブ701は、光ファイバ10と、光散乱部720と、光遮蔽部25と、カバー30とを含んでいる。光散乱部720は、第6実施形態と同様に光軸方向の基端側の端面720aから先端側の端面720bに向かって拡径しており、テーパ状の外周面720cを有している。また、光散乱部720を形成する多孔質ガラスの孔径は、第6実施形態と同様に光軸方向の基端側から先端に近づくほど大きくなっている。
光散乱部720は、光ファイバ10から出射される光が入射する位置に配置されている。本実施形態では、光ファイバ10から露出したガラス部11の端面11aに隣接して光散乱部720が配置されている。例えば、光ファイバ10の光軸D1の位置と光散乱部720の軸心D8の位置とは一致している。
ガラス部11の先端と光散乱部720の基端とは、互いに溶着されていている。本実施形態では、光散乱部720の基端720dの位置が、光散乱部720の基端側の端面720aよりも後方に位置している。これによって、光散乱部720の基端720dは、ガラス部11の先端を包囲するように形成されている。図示のとおり、光散乱部720の基端側の端面720aの位置(光散乱部720とガラス部11との接合面の位置)では、光散乱部720が径方向に膨らんだ形状となっており、光散乱部720の外径はガラス部11の外径よりも大きくなっている。
本実施形態では、第6実施形態と同様の効果を奏する。また、光散乱部720とガラス部11とが溶着されているので、接合部分における光の損失を抑制することができる。さらに、光散乱部720の基端720dがガラス部11の先端を包囲するように形成されているので、光散乱部720とガラス部11との接合部分の強度を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られない。
例えば、円筒状をなす構造体の例として、内側に透光部材222を有する光散乱部220を示したが、これに限定されない。光散乱部220の内側には、透光部材222が配置されていなくてもよく、例えば光散乱部220の内側は空洞であってもよい。
また、光軸方向の互いに離間した位置において互いに異なる径を有する構造体の例として、光散乱部320を示したが、これに限定されない。例えば、光散乱部は、光軸方向の先端側に向かって拡径していてもよい。また、光散乱部は、光軸方向において縮径及び拡径を繰り返してもよい。
また、本発明は、各実施形態における相互の構成を置き換えた形態等も包含し得る。例えば、光散乱部は、光軸方向を軸方向とする円筒状をなしているとともに、光軸方向の互いに離間した位置において互いに異なる径を有してもよい。一例として、光散乱部320は、筒状に形成されてもよい。
また、光散乱部は、光軸方向の互いに離間した位置において互いに異なる径を有しているとともに、互いに異なる孔径の多孔質ガラスによって形成される部分を有してもよい。一例として、光散乱部320は、光軸方向に並設された第1部分、第2部分及び第3部分によって形成されてもよい。この場合、第1部分、第2部分及び第3部分は、互いに異なる孔径の多孔質ガラスによって形成されている。
また、光散乱部は、光軸方向を軸方向とする円筒状をなし、かつ、光軸方向の互いに離間した位置において互いに異なる径を有し、かつ、互いに異なる孔径の多孔質ガラスによって形成される部分を有してもよい。一例として、光散乱部320は、光軸方向に並設された第1部分、第2部分及び第3部分によって形成されるとともに、筒状に形成されてもよい。
また、多孔質ガラスにレーザ光を照射して孔径を制御する例を示したが、これに限定されない。例えば、多孔質ガラスをバーナーで加熱してもよいし、多孔質ガラスを放電によって溶融させてもよい。
また、医療用レーザプローブは、例えば血管内に挿入された際にX線によって位置を確認するためのX線不透過マーカを備えていてもよい。X線不透過マーカは、例えば円環状を有していてよく、一例として、カバー30内において樹脂被覆13の外周に固定されていてもよい。
1…医療用レーザプローブ、10…光ファイバ、20,220,320,420…光散乱部(構造体)、30…カバー(封止部)。
Claims (10)
- 光軸方向に沿って延びる光ファイバと、多孔質ガラスによって形成されて、前記光ファイバから出射される光が入射する構造体とを有している、医療用レーザプローブ。
- 前記構造体を形成する前記多孔質ガラスの孔径は、前記光軸方向の先端に近づくほど大きくなっている、請求項1に記載の医療用レーザプローブ。
- 前記構造体は、前記光軸方向の先端側に向かって拡径している、請求項2に記載の医療用レーザプローブ。
- 前記構造体の基端は、前記光ファイバの先端に対して溶着されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療用レーザプローブ。
- 前記構造体は、前記光軸方向を軸方向とする円柱状をなしている、請求項1に記載の医療用レーザプローブ。
- 前記構造体は、前記光軸方向を軸方向とする円筒状をなしている、請求項1に記載の医療用レーザプローブ。
- 前記構造体は、前記光軸方向の互いに離間した位置において互いに異なる径を有している、請求項1,5及び6のいずれか一項に記載の医療用レーザプローブ。
- 前記構造体は、前記光軸方向の先端側に向かって縮径している、請求項7に記載の医療用レーザプローブ。
- 前記構造体は複数の部分を含んでおり、
前記複数の部分は、前記光軸方向に沿って並設され、
前記複数の部分は、互いに異なる孔径の多孔質ガラスによって形成されている、請求項1,5〜8のいずれか一項に記載の医療用レーザプローブ。 - 前記構造体を液密に封止する封止部を更に有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医療用レーザプローブ。
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WO2020121887A1 (ja) * | 2018-12-12 | 2020-06-18 | 株式会社フジクラ | 光ファイバプローブ |
CN113286631A (zh) * | 2018-12-21 | 2021-08-20 | 肖特股份有限公司 | 包括具有大致呈放射状发射的漫射器元件的光波导的照明系统及其制造方法 |
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