JP2018130076A - 線虫を用いた物質の生理活性評価法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、物質の生理活性評価等に使用できる線虫、および該線虫を用いた物質等の評価方法の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、蛍光カルシウムプローブであるCaMPの1または複数が咽頭筋の筋肉細胞内で発現しているか、または発現可能な状態である線虫である。また、該線虫を用いて、試験物質の生体への影響、放射線の生体への影響や、環境変化、遺伝子変異、エピジェネティックな変化または同種間や異種動物との社会性行動の影響を評価、検討する方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、物質の生理活性評価等に使用できる線虫、および該線虫を用いた物質等の評価方法に関する。
線虫は毒物試験や薬効試験のモデルとして利用されている。中でも、Caenorhabditis elegans( C. elegans )は、約1,000個の体細胞から成る単純な構造をしているにもかかわらず、高等生物と類似の生物学的特徴を有している。また、全ゲノム配列が解読されていることから、大規模なフォーワードまたはリバースジェネティクススクリーニング、化学遺伝学的スクリーニングに用いられている。C. elegansは、様々な化合物に応答するため、これまでに多くの生理活性物質の同定およびその作用機序を解明するために使用されてきた。例えば、C. elegansを使用してアセチルコリンレセプターアゴニスト(レバミソール、ニコチン、モランテル)、麻酔薬(ハロタン)、GABA関連化合物(GABA、ムシモール)、セロトニン関連薬(セロトニン、イミプラミン)などの既存の化合物の作用機序が明らかにされるとともに、疾患遺伝子に作用する新規生理活性化合物が同定され、薬効の評価が行われた(非特許文献1および非特許文献2)。
ところで、線虫の咽頭筋は、corpus、isthmusおよびterminal bulbの3つの部分からなり、ポンピングと呼ばれる収縮運動とisthmusで生じる蠕動により、バクテリアなどの餌を腸内へ送り込んでいる。線虫を用いた薬効試験において、薬効評価の指標として、線虫の寿命や運動量等の他、この咽頭筋のポンピング回数も多く用いられている。これまで、ポンピング回数のカウントは、実験者が画像を見ながらカウントすることが多かった(非特許文献3および非特許文献4)。しかし、この方法は労力を必要とする作業であり、また、人為的なカウントミスが起こりやすく、正確性に欠ける結果となることも多かった。
ポンピング回数を目視でカウントする方法以外には、電気生理学的な手法を用いて測定する方法があるが、1匹ずつしか測定できず、また、測定操作に対する習熟度が要求される。さらに、計測装置の初期投資とともに消耗品も高価でコストがかかる。
線虫の咽頭筋は収縮する際に、細胞外からのカルシウムイオンの流入や筋細胞内の筋小胞体からのカルシウムイオンの放出により、細胞内カルシウム濃度が上昇する。したがって、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇は咽頭筋の収縮とよく対応する。これまでカルシウムイオン濃度変化をカルシウムプローブで検出することで、咽頭筋のポンピングの生理的メカニズムが解析されている。
Kerrらは、咽頭筋の筋細胞中に蛍光カルシウムプローブであるカメレオン(cameleon)を発現させ、カルシウムイオン濃度の変化を画像化したことを報告した(非特許文献5)。カメレオンは、4つのドメイン(CFP、カルモジュリン、M13(カルモジュリン結合ドメイン)およびYFP)から構成されるカルシウムプローブで、これにより咽頭筋のカルシウムイオンの変動を検出できる。しかし、カメレオン(YC2.1)による蛍光比の変化量は野生型株で4.31±0.16%と小さく(非特許文献5)、またカメレオンは、1波長励起2波長測光タイプであるため2波長を測定できる測定装置が必要でありコストがかかってしまう。さらに、カメレオンにはCFPとYFPの2つのGFP変異体が含まれることから、これらの蛍光タンパク質間等で組み換えが起こりやすく遺伝子が不安定になりやすい問題があり、カメレオンを導入した線虫を長期的に使用する際には注意を要する。
以上のように、線虫の咽頭筋のポンピングの回数を、カルシウムプローブを使用して行う方法は、簡便で安価な方法として大いに期待されているが、実用化されるまでには至っていない。そのため、現時点でも、ほとんどの場合、咽頭筋のポンピング回数を目視によりカウントしているのが現状である(非特許文献3、非特許文献4など)。
特願2000-356047 特願2009-289789 特願2010-232788 特願2012-137434 WO2015/190083
Randら, in Carnorhabditis elegans Modern Biological Analysis of Organism. 48 eds H.F. Estein & D.C. Shakes. Academic Press, Inc. Ch. 8, 187-204 1995 O’Reillyら, Adv. Drug Deliv. Rev. 2014 Apr;69-70:247-53. doi: 10.1016/j.addr.2013.12.001. Epub 2013 Dec 12. Liら, J. Appl. Toxicol. 36, 60-67 2016 Haoら, J. Vis. Exp. 84, e50864 2014 Kerrら, Neuron, 26, 583-594 2000
上記事情に鑑み、本発明は、咽頭筋のポンピング回数を簡便にカウントすることができる線虫、および該線虫のポンピング回数を指標にした試験物質の毒性評価または薬効評価など、試験物質の生理活性を評価する方法を開発することである。
発明者らは、これまでに、タンパク質性の蛍光カルシウムプローブであるG-CaMPおよびR-CaMP(G-CaMPとR-CaMPを併せて「CaMP」と記載する)を開発した。CaMPは、N末側から、(1)リンカー、(2)機能性分子1(3)リンカー、(4)改変蛍光タンパク質(蛍光タンパク質をFPと記載する)(5)リンカー、(6)機能性分子2からなる構造を基本とするタンパク質である(特許文献1〜5)。ここで改変FPとは、改変GFP、改変RFPまたは改変mAppleなどのFPにリンカーをつなげたタンパク質であり、具体的には、N末側から、FPの部分配列、リンカーおよびFPの部分配列からなる。また、機能分子1とは、カルモジュリン(CaM)に結合能を有するミオシン軽鎖キナーゼやカルモジュリンキナーゼキナーゼまたはこれらの部分配列であり、機能分子2とはカルモジュリンおよびその変異体である。機能分子1と機能分子2にあたるタンパク質は入れ替えることが可能である。CaMPにカルシウムイオンが結合した際の蛍光強度の変化量は、それまで知られていたタンパク質でできた蛍光カルシウムプローブと比較して、より大きく変化する。また、CaMPは、蛍光タンパク質としてGFP、RFPまたはmAppleを1分子のみを含む1波長励起1波長測光タイプ(1波長を測定できる測定装置で測定可)であるため、蛍光の検出において複雑な検出システムは必要でなく、コスト的に優れている。さらに、蛍光タンパク質としてGFP、RFPまたはmAppleを1分子しか含んでいないというCaMPの性質により、DNAの組み換えを起こす率がカメレオンより相対的に低くなり、CaMPの安定な発現が期待される。よって、CaMPを導入した遺伝子導入線虫の維持管理においても優位性を持つ。
以上、発明者らは、実験結果から良好な結果を得られたため、薬剤のスクリーニング等に使えるという考えに至った。
したがって、本発明は以下の(1)〜(7)である。
(1)蛍光カルシウムプローブであるCaMPの1または複数が咽頭筋の筋肉細胞内で発現しているか、または発現可能な状態である線虫。
(2)前記CaMPが下記の(a)、(b)または(c)に示される蛍光カルシウムプローブからなるグループから選択される蛍光カルシウムプローブであることを特徴とする上記(1)に記載の線虫。
(a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12および配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる蛍光カルシウムプローブ、
(b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12および配列番号14で表されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が付加、置換、挿入もしくは欠失したアミノ酸配列からなる蛍光カルシウムプローブ、
(c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12および配列番号14で表されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる蛍光カルシウムプローブ
(3)前記線虫が、C. elegans、C. briggsaeまたはC. remaneiであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の線虫。
(4)下記の(a)および(b)の工程を含む、試験物質の生理活性を評価する方法。
(a)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の線虫と試験物質を接触させる工程、
(b)前記線虫内で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程
(5)下記の(c)および(d)の工程をさらに含む、上記(4)に記載の方法。
(c)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の線虫内で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程、
(d)前記工程(c)のカウント数と上記(4)の工程(b)のカウント数と比較する工程
(6)下記の(a)および(b)の工程を含む、生体への放射線の影響を調べる方法。
(a)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の線虫に放射線を照射する工程、
(b)前記線虫の咽頭筋で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程
(7)下記の(c)および(d)の工程をさらに含む、上記(6)に記載の方法。
(c)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の線虫内で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程、
(d)前記工程(c)のカウント数と上記(4)の工程(b)のカウント数と比較する工程
本発明の線虫は、咽頭筋の筋細胞の収縮をCaMPからの蛍光強度変化として検出することが可能である。従って、生体への化合物等の影響(例えば、毒性試験、薬効試験など)、導入したり機能修飾(機能欠損)した遺伝子等の影響、温度や湿度、重力、照明、餌の有無、機械的刺激、他の生物(例えば天敵)の有無または他個体との社会的つながり等の環境要因の影響を調べる際に、蛍光変化を指標にして、線虫のポンピング回数を簡便、迅速かつ正確に評価することが可能となる。
G-CaMP2を咽頭筋に発現させたC. elegans野生型N2株の蛍光顕微鏡写真(左図)と、この線虫を用いて咽頭筋のポンピングの回数を測定した結果(右図)を示す。
本発明の第1の実施形態は、蛍光カルシウムプローブであるCaMPが咽頭筋の筋肉細胞内で発現しているか、または発現可能な状態である線虫である。
本発明の実施形態で使用される線虫の種類は、遺伝子操作が容易なものであれば、いかなるものであっても使用可能であり、例えば、C. elegans、C. briggsaeまたはC. remaneiなどを挙げることができ、好ましくは、C. elegansである。
また、本明細書中、蛍光カルシウムプローブとは、カルシウムが結合すると蛍光強度が変化するタンパク質のことである。本発明においては、蛍光カルシウムプローブとしてCaMPが使用される。上述のとおり、CaMPは、発明者らによって開発された蛍光カルシウムプローブで、カルシウムイオンと結合することで、その蛍光特性(例えば蛍光強度)が変化する特徴を有しており、例えば、細胞内におけるカルシウムイオン濃度の変化を検出するために使用することができる。CaMPの例として、(a)配列番号2(G-CaMP2)、配列番号4(G-CaMP4)、配列番号6(G-CaMP6)、配列番号8(G-CaMP7)、配列番号10(G-CaMP8)、配列番号12(R-CaMP1.07)および配列番号14(R-CaMP2)で表されるアミノ酸配列からなる蛍光カルシウムプローブ、(b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12および配列番号14で表されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が付加、置換、挿入もしくは欠失したアミノ酸配列からなる蛍光カルシウムプローブ、(c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12および配列番号14で表されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる蛍光カルシウムプローブ、を挙げることができる。CaMPとして、特に好ましくは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12で表されるアミノ酸配列からなる蛍光カルシウムプローブである。
なお、本明細書中、単に「CaMP」と記載したときは、CaMPタンパク質のことを表す。
本明細書において、「1もしくは数個のアミノ酸が付加、置換、挿入もしくは欠失したアミノ酸配」と記す場合、付加、置換、挿入または欠失したアミノ酸の数は、特に限定はしないが、たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個程度が好ましい。また、本明細書において、「80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列」は80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列であれば、何%であってもよいが、たとえば、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上または99%以上であってもよい。
線虫の咽頭筋の筋細胞内でCaMPを発現させる、または発現可能な状態にするためには、CaMPをコードする核酸を発現可能で保持している発現用プラスミドを線虫へ導入する必要がある。CaMPをコードする遺伝子としては、例えば、配列番号1(G-CaMP2)、配列番号3(G-CaMP4)、配列番号5(G-CaMP6)、配列番号7(G-CaMP7)、配列番号9(G-CaMP8)、配列番号11(R-CaMP1.07)および配列番号13(R-CaMP2)で表される塩基配列からなる遺伝子を挙げることができる。さらに、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11および配列番号13で表される塩基配列からなる核酸と相補的な配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸からなる遺伝子であって、この遺伝子がコードするタンパク質が蛍光カルシウムプローブとしての活性を有するものを挙げることができる。
ここで、任意の核酸とストリンジェント(低ストリンジェントおよび高ストリンジェント)な条件下でハイブリダイズする核酸とは、例えば、該任意の核酸の相補鎖の塩基配列と好ましくは80%以上の核酸配列同一性を有する配列からなる核酸等が挙げられる。また、任意の核酸と高ストリンジェントな条件でハイブリダイズする核酸とは、該任意の核酸の相補鎖の塩基配列、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97以上、98%以上または99%以上の核酸配列同一性を有する核酸等が挙げられる。
また、ストリンジェントな条件とは、当業者によって容易に決定されるハイブリダイゼーション条件のことで、一般的に、プローブ長、洗浄温度および塩濃度に依存する経験的な実験条件である。通常、プローブが長くなると適切なアニーリングのための温度は高くなり、プローブが短くなると温度は低くなる。核酸同士のハイブリッドの形成は、相補鎖がその融点よりやや低い環境において再アニールする能力に依存する。より具体的に述べると、低ストリンジェントな条件とは、例えば、ハイブリダイゼーション後のフィルターの洗浄段階において、37℃〜42℃の温度条件の下、5×SSC(1倍濃度のSSC溶液(1×SSC)の組成は、例えば、150mmol/L 塩化ナトリウムおよび15mmol/L クエン酸ナトリウムである)、0.1%SDS溶液中で洗浄する条件などを挙げることができる。また、高ストリンジェントな条件とは、例えば、洗浄段階において、60℃〜70℃、好ましくは65℃の温度条件の下、0.1×SSC、0.1%SDS中で洗浄する条件などが挙げられる。さらに、温度を上げる等のストリンジェントな条件をより高くすることにより、相同性の高い核酸を得ることができる。
線虫への発現用プラスミドなどの外来DNAの導入は、通常、成虫(雌雄同体)の生殖巣(gonad)にDNAをマイクロインジェクションすることにより行うことができる。成虫の生殖巣は多核で前後に2つあるので、前後の生殖巣のどちらか片方または両方に一度ずつマイクロインジェクションすれば、外来DNAで形質転換した仔虫(F1)を得ることができる。目的の外来DNAの他、形質転換のマーカーとなるDNAを同時に注入してもよい。得られる形質転換株は、多数の外来DNAが組換えを起こしてできた直鎖上の染色体外DNAアレイ(extrachromosomal array)として染色体外に外来DNAを保持し、染色体外DNAアレイは分裂の際各娘細胞へ分配される。導入した外来DNAを染色体外DNAアレイとしてではなく、安定に線虫の染色体上に挿入するためには、例えば、紫外線(UV)またはγ線を照射して、外来DNAが染色体に挿入された線虫を単離することができる。
線虫に遺伝し導入する場合、例えば、pFX_EGFPTベクター(K. Gengyo-Ando, S. Yoshina, H. Inoue, and S. Mitani, “An efficient transgenic system by TA cloning vectors and RNAi for C. elegans,” Biochem. Biophys. Res. Commun., vol. 349, pp. 1345-1350, 2006.)や The Fire Lab C. elegans Vectorなどを使用することができる。CaMPを咽頭筋の筋細胞特異的に発現させるためには、咽頭筋特異的プロモーターを保持するベクターに、所望のCaMPをコードするDNAを発現可能な状態に挿入したCaMP発現用ベクターを作製し、これを線虫に導入する。線虫の咽頭筋特異的プロモーターとしては、例えば、myo-2遺伝子のプロモーターまたはceh-22プロモーターなどを使用することができる。
なお、本明細書において、「発現可能な状態」には、CaMPが恒常的に発現している状態のみならず、例えば、熱ショックプロモーター等の誘導的なプロモーターにより、所望の時期にCaMPが発現可能な状態でCaMPをコードするDNAが細胞内に導入されている状態も含まれる(参考文献 Bacaj T and Shaham S: Temporal Control of Cell-Specific Transgene Expression in Caenorhabditis elegans. Genetics 176: 2651-2655, 2007.)。
本発明の第2の実施形態は、下記の(a)および(b)の工程を含む、試験物質の生理活性を評価する方法である。
(a)第1の実施形態にかかる線虫と試験物質を接触させる工程、
(b)前記線虫内で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程
本発明の第2の実施形態にかかる生理活性評価方法(本明細書において、「生理活性」とは生体に対して何らかの影響を及ぼす作用のことを指す)は、第1の実施形態にかかる線虫をモデル生物とし、その咽頭筋のポンピング回数に対する試験物質(生理活性評価の対象物質)の影響を調べ、その結果に基づいて、生体に与える試験物質の影響を評価する方法である。試験物質の影響の有無は、例えば、試験物質と接触させていない第1の実施形態にかかる線虫のポンピング回数と比較するなどして、評価することができる。
すなわち、下記の(a)〜(d)の工程を含む、試験物質の生理活性を評価する方法も本発明の第2の実施形態に含まれる。
(a)第1の実施形態にかかる線虫と試験物質を接触させる工程、
(b)前記線虫内で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程、
(c)第1の実施形態にかかる線虫内で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程、
および
(d)前記工程(c)のカウント数と工程(b)のカウント数を比較する工程
線虫の咽頭筋のポンピングは、生命維持に重要な摂食に必須の運動である。試験物質のポンピング運動への影響を検出することで、該試験物質の生体への影響の有無を予想することができる。線虫の咽頭筋のポンピング回数を指標にした毒性試験の例として、例えば、神経毒として知られているアクリルアミドを濃度依存的に線虫に接触させた結果、咽頭筋のポンピング回数が減少したとの報告がある(非特許文献3)。また、抗精神薬の薬効評価の指標として線虫のポンピングの回数が利用された例も報告されている(非特許文献4)。
以上のように、線虫の咽頭筋のポンピングは試験物質の生体への影響評価する上で非常に有効である。
第2の実施形態の評価対象である試験物質は、特に限定されるものではなく、いかなるものであってもよい。また、線虫と試験物質とを接触させる工程は、線虫を培養する培地中に試験物質を適当量添加する、または、飼育した線虫を、直接、試験物質を含む溶液等に浸すことで実施することができる。または、気化し易い化学物質である場合、濾紙等に化学物質を染ませて培地上において線虫を飼育する方法も用いられている。化学物質が気体である場合、例えば化学物質を含む空気を満たした容器等に培地を入れて飼育する。線虫の飼育は、当業者において公知の方法により実施することができ、例えば、"The Nematode Caenorhabditis elegans" (W.B.Wood, ed.) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, 1988などを参照するとよい。通常、線虫は、NGMアガロースプレート(Nematode growth media、例えば、0.25% トリプトン(2.5g/L)、0.3% NaCl (3.0g/L)、1.5% アガー (15.0g/L) 、1mM CaCl2、1mM MgSO4、25mM KPO4 pH 6.0、5μg/mL コレステロール)上に餌となる大腸菌OP50の培養液を塗布し、室温で一晩培養したプレートなどで飼育を行ってもよい。
本発明の線虫の咽頭筋で発現しているCaMPからの蛍光は、蛍光顕微鏡に取り付けたCCDカメラ、またはcMOSカメラ等により画像化し、蛍光強度の変化を記録することができる。観察対象の線虫は、1匹または複数匹ずつ、例えば、マルチウェルプレートなどに分配し、1匹ずつ観察を行ってもよく、また、複数匹をまとめて観察してもよい。
本発明の線虫はポンピングを行う度に、蛍光強度が変化するため、この蛍光強度の変化の回数をポンピングの回数として検出することができる(蛍光強度の1ピークの数をポンピングの数とすることができる。実施例参照のこと)。
従って、例えば、単位時間あたりの蛍光強度の変化の回数が、試験物質の有無で異なる場合には、試験物質により線虫の咽頭筋の運動に何らかの影響が及ぼされたと判断することができる。
本発明の第3の実施形態は、下記の(a)および(b)の工程を含む、生体への放射線の影響を調べる方法である。
(a)第1の実施形態にかかる線虫に放射線を照射する工程、
(b)前記線虫の咽頭筋で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程
本発明の第3の実施形態にかかる方法は、第1の実施形態にかかる線虫をモデル生物とし、その咽頭筋のポンピング回数に対する放射線の影響を調べ、その結果に基づいて、生体に与える放射線の影響を評価する方法である。放射線の影響の有無は、放射線を照射していない第1の実施形態にかかる線虫のポンピング回数と比較することで評価することができる。
すなわち、下記の(a)〜(d)の工程を含む、生体への放射線の影響を調べる方法も本発明の第3の実施形態に含まれる。
(a)第1の実施形態にかかる線虫に放射線を照射する工程、
(b)前記線虫の咽頭筋で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程、
(c)第1の実施形態にかかる線虫内で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程、
および
(d)前記工程(c)のカウント数と工程(b)のカウント数を比較する工程
線虫の咽頭筋のポンピングは、生命維持に重要な摂食に必須の運動であるから、放射線のポンピング運動への影響を検出することで、放射線の生体への影響の有無を予想することができる。近年、放射線に対する多くの知見が蓄積され、様々な分野においてその利用が進んでいる。例えば、医学の分野においては、がんの治療に使用されており、その治療効果が期待される反面、深刻な副作用の問題も生じている。また、宇宙工学等の分野においては、すでに、宇宙飛行士が宇宙船外で作業をする機会も増えており、様々な宇宙線の人体に対する影響について研究が進められている。この様な状況下において、線虫は様々な放射線の生体に対する影響を調べる上で、有用なモデル生物になると考えられる。
ここで「放射線」とは、高い運動エネルギーをもって流れる物質粒子(イオン、電子、中性子、陽子および中間子などの粒子放射線で、α線、β線、電子線、陽子線、中性子線および重粒子線など)と高エネルギーの電磁波(γ線、X線などの電磁放射線)のことであり、特に限定はされない。
本明細書において引用されたすべての文献の開示内容は、全体として明細書に参照により組み込まれる。また、本明細書全体において、単数形の「a」、「an」、および「the」の単語が含まれる場合、文脈から明らかにそうでないことが示されていない限り、単数のみならず複数のものを含むものとする。
以下に実施例を示してさらに本発明の説明を行うが、実施例は、あくまでも本発明の実施形態の例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
1.トランスジェニック線虫の作成
G-CaMP2(配列番号2)を発現するトランスジェニック線虫の作成は、マイクロインジェクション法(Mello et al., EMBO J. 10, 3959-3970, 1991)に従って行った。この方法は、線虫雌雄同体の成虫の生殖巣にDNA溶液をマイクロインジェクションすることにより形質転換を行うものである。実験装置は以下のものを用いた。
実験装置
(1)実体顕微鏡:線虫のマウントに用いた。0.7-15倍程度の倍率で観察しながら、線虫をアガーパッド(スライドガラスに寒天を薄く伸ばしたもの)上にマウントした。
(2)倒立顕微鏡:線虫のマイクロインジェクションに用いた。線虫の移動をスムーズに行うために、グラインドタイプのステージを装着した。対物レンズは微分干渉用レンズ、40倍と低倍率4倍(針と線虫を近づけるため)を用いた。
(3)ニードルプラー:ガラス管を熱して細く引き、マイクロインジェクション用の針を作成した。
(4)マニピュレーター:倒立顕微鏡のステージに取り付けてマイクロインジェクション用の針を操作する装置である。
(5)マイクロインジェクションマニピュレーター:マイクロインジェクションの際の圧力を制御する装置である。
線虫
宿主となる線虫は、C. elegans野生型N2株を用いた。マイクロインジェクション用のガラス針にDNAを注入し、マイクロインジェクションマニピュレーターにセットした。雌雄同体の成虫をアガーパッドにマウントし、すみやかに生殖巣にガラス針を挿入し、DNAを生殖巣内に注入した。注入後、虫を回収し、線虫用の培養用固形培地(NGM培地)で培養した。マイクロインジェクションから3-4日後に、CaMPの蛍光やマーカー(主に蛍光)を指標にして形質転換体(F1)を識別して分離し、新しいNGM培地で培養した。さらに3-4日後に形質転換体(F2)を選別し、CaMPの蛍光やマーカーの発現が伝達しているトランスジェニックラインを得た。この方法で得られるトランスジェニック線虫は、染色体外DNAアレイをもつ細胞ともたない細胞の2種類の細胞を体内に持つキメラ体である(Exライン)。そこで、UV法に従い(Mitani Development Growth & Differentiation 37 (5) 551-557,1995)、CaMPを安定に発現するトランスジェニックライン(Isライン)を作成した。この方法は、短波長の紫外線(254nm)をExラインに照射してDNAの組み換えを惹起し、DNAアレイを染色体内に挿入するものである。Isラインは、さらに野生型株(N2)と数回戻し交配を行った。得られたトランスジェニック線虫は、解析に用いるとともに、凍結ストックを作成して保管した。
DNA
マイクロインジェクションに用いたG-CaMP4の発現ベクターは、以下のように構築した。
pFX_EGFPTベクターに制限酵素NotIとBglIIを加えて37度で2時間反応させた後、反応物を1%アガロースにて電気泳動した。電気泳動後、ゲル撮影装置にてゲル上でのDNA断片の位置を確認し、ゲル断片を切り出した。ゲルからのDNA断片の回収はMagExtractor PCR & Gel Cleanup kit(東洋紡ライフサイエンス事業部)または、FastGene Gel/PCR Extraction kit(日本ジェネティクス)を用い、キットのマニュアルに従って操作を行い、EGFP部分を含まないベクター断片を得た。G-CaMP4のDNA断片は以下の方法で調整した。pN1-G-CaMP4ベクターをテンプレートとして用いてPCR法により5’末端側にNotIサイト、3’末端側にBglIIサイトを付加した。PCR反応には以下のプライマーペアを用いた。
GCaMP4#F1: 5'-TGCGGCCGCATGCGGGGTTCTCATCATCA-3'(配列番号15)
GCaMP4#R2: 5'-TAGATCTTCACTTCGCTGTCATCATTTG-3'(配列番号16)
PCR反応後、反応液を1%アガロースゲルを用いて電気泳動し、MagExtractor PCR & Gel Cleanup kitまたは、FastGene Gel/PCR Extraction kitを用い、増幅したPCR産物を回収した。回収したPCR産物はZero Blunt TOPO PCR Cloning Kit(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を用いて、キットのマニュアルに従って操作を行い、pCR Blunt IIベクター(サーモフィッシャーサイエンティフィック)にサブクローニングした。サブクローニングしたDNAの大腸菌からの抽出にはPlasmid mini prep kit(キアゲン)またはFastGene(登録商標)プラスミドミニキット(日本ジェネティクス)を用い、キットのマニュアルに従って操作を行った。PCR増幅したG-CaMP4のDNA配列の確認はDNAシーケンシング(GenomeLab DTCS Quick Start Kit ベックマンコールター)を用いて確認した。PCR増幅したG-CaMP4を持つpCR Blunt IIベクターに制限酵素NotIとBglIIを加えて37度で2時間反応させた後、MagExtractor PCR & Gel Cleanup kitまたは、FastGene Gel/PCR Extraction kitを用い、DNA(G-CaMP4 cDNA)をゲルから回収した。DNA Ligation kit ver 2.1 (タカラバイオ)を用いて、キットのマニュアルに従って操作を行い、NotI/BglIIで切断したEGFP部分を含まないpFX_EGFPTベクターと、NotI/BglIIで切断したG-CaMP4のPCR産物を結合させた。
Ligation反応物はOne shot Top10 chemically competent E. coli(サーモフィッシャーサイエンティフィック)にトランスフォーメーションし、37℃で一晩培養した後、Plasmid mini prep kitまたはFastGene(登録商標)プラスミドミニキットを用いてプラスミド抽出を行った。プラスミドの確認はXhoI、BglIIを用いたdouble digestion、およびNotI、BglIIを用いたdouble digestionにより酵素処理し、1%アガロースゲルで電気泳動して確認した。続いて、プラスミドに制限酵素BamHIとNotIを加えて37度で2時間反応させた後、反応物を1%アガロースにて電気泳動した。電気泳動後ゲル撮影装置にてゲル上でのDNA断片の位置を確認し、ゲル断片を切り出した。ゲルからのDNA断片の回収はMagExtractor PCR & Gel Cleanup kitまたは、FastGene Gel/PCR Extraction kitを用いて行った。myo-2プロモーター(咽頭筋特異的プロモーター)配列の組み込みは以下の様に行った。pFX-myo2::venusベクターを上記と同様の操作で制限酵素BamHIとNotIで処理し、myo-2プロモーター配列を含むDNA断片を得た。このmyo-2プロモーター配列を含むDNA断片と、BamHIとNotIで切断したG-CaMP4を含むpFX_EGFPTベクターを混合してLigation反応を行った。
Ligation反応物はOne shot Top10 chemically competent E. coliにまたはDH5αchemically competent E. coli(タカラバイオ)にトランスフェクションし、上記と同様の方法によりプラスミドを回収し、G-CaMP発現用プラスミドPmyo-2::G-CaMPを得た。
上記のようにして作製したG-CaMP発現用プラスミド(Pmyo-2::G-CaMP)は、200 ng/μlに調整し、0.45ミクロンのフィルターで細かい夾雑物を取り除いた後にマイクロインジェクションに用いた。この時、マーカーとして赤色蛍光タンパク(RFP)等の発現ベクターや遺伝的特徴(形態や行動から非発現線虫と発現線虫を区別するため利用されている)を引き起こす遺伝子マーカーをco-injectionすることができる。例えば赤色蛍光タンパク(RFP)発現ベクターの場合、200 ng/μlに調整し、両発現ベクターは、各々、CaMP:RFP = 1:1〜10:1の量比で混和し、0.45ミクロンのフィルターで細かい夾雑物を取り除いた後にマイクロインジェクションに用いた。
ポンピング回数の測定方法
スライドガラスに3%寒天を薄く延ばして敷いたアガーパッドを作成した。このアガーパッドに咽頭筋にCaMPを発現する線虫を載せ、さらにカバーガラスを載せるかまたは載せないで観察した。4倍または10倍対物レンズを用いてレーザー顕微鏡(A1RMP ニコン)の共焦点モードで15枚〜30枚/秒(512x512ピクセルサイズ)でタイムラプス撮影した。488nmのレーザーを励起光として用いて、蛍光画像、透過光画像を撮影した。撮影後、画像解析ソフト(NIS Elements ニコンインステック)を用いたオフライン解析した。線虫の咽頭筋部分に関心領域(ROI)をとり、蛍光輝度を測定して、その時間変化をグラフ化した。
2.測定結果
上記のPmyo-2::G-CaMPベクターを野生型線虫N2に形質導入した結果、咽頭筋内においてCaMPの発現が確認された(図1左)。このC. elegansの咽頭から得られるCaMPの蛍光を蛍光顕微鏡(レーザー共焦点顕微鏡)で測定したところ、咽頭筋の収縮運動に呼応して、蛍光強度変化が観察された(図1右)。また、蛍光測定は、蛍光顕微鏡(FN1 ニコンインステック)に装着した研究用高感度cMOSカメラ(ORCA-Flash 4.0 浜松ホトニクス)でも行う事が可能であった。
本発明にかかる線虫は、CaMPが咽頭筋の筋細胞内で発現している。該線虫を用いて、毒性試験や薬効試験、放射線、温度などの環境変化、遺伝子変異、エピジェネティックな変化および同種間や異種動物との社会性行動などの影響を調べることが可能であり、薬学分野、医学分野の他、宇宙工学および環境等の分野においても使用が期待される。

Claims (7)

  1. 蛍光カルシウムプローブであるCaMPの1または複数が咽頭筋の筋肉細胞内で発現しているか、または発現可能な状態である線虫。
  2. 前記CaMPが下記の(a)、(b)または(c)に示される蛍光カルシウムプローブからなるグループから選択される蛍光カルシウムプローブであることを特徴とする請求項1に記載の線虫。
    (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12および配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる蛍光カルシウムプローブ、
    (b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12および配列番号14で表されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が付加、置換、挿入もしくは欠失したアミノ酸配列からなる蛍光カルシウムプローブ、
    (c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12および配列番号14で表されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる蛍光カルシウムプローブ
  3. 前記線虫が、C. elegans、C. briggsaeまたはC. remaneiであることを特徴とする請求項1または2に記載の線虫。
  4. 下記の(a)および(b)の工程を含む、試験物質の生理活性を評価する方法。
    (a)請求項1ないし3のいずれかに記載の線虫と試験物質を接触させる工程、
    (b)前記線虫内で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程
  5. 下記の(c)および(d)の工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。
    (c)請求項1ないし3のいずれかに記載の線虫内で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程、
    (d)前記工程(c)のカウント数と請求項4の工程(b)のカウント数を比較する工程
  6. 下記の(a)および(b)の工程を含む、生体への放射線の影響を調べる方法。
    (a)請求項1ないし3のいずれかに記載の線虫に放射線を照射する工程、
    (b)前記線虫の咽頭筋で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程
  7. 下記の(c)および(d)の工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。
    (c)請求項1ないし3のいずれかに記載の線虫内で発現しているCaMPからの蛍光強度変化数をカウントする工程、
    (d)前記工程(c)のカウント数と請求項4の工程(b)のカウント数を比較する工程
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