JP2018129983A - 電力変換装置、電力変換システムならびに空気調和システム - Google Patents

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Abstract

【課題】せん頭サージ電流が流れる半導体素子のチップ面積を広げることなく、該素子が比較的大きいせん頭サージ電流にも耐えられるようにする。
【解決手段】上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び上側還流ダイオード(6a,6b,6c)は、ワイドギャップ半導体を主材料とした半導体素子である。制御部(30)は、コンデンサ(4)の充電時、交流電源(3)からの電流が上側スイッチング素子(5a,5b,5c)と上側還流ダイオード(6a,6b,6c)とに分岐して上記コンデンサ(4)に流入するように、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)をオンさせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電力を直流電力に変換する電力変換装置、これを備えた電力変換システム及び空気調和システムに関するものである。
工場・ビル等においては、電動機等に電力を供給する動力源として、大型のインバータ装置が多数設置されている。インバータ装置は、他装置に悪影響を及ぼす高調波を発生する場合があるため、アクティブフィルタ装置が設置される。
インバータ装置及びアクティブフィルタ装置は、交流電源に対し並列となるように交流電源に接続されている。アクティブフィルタ装置は、インバータ装置が接続された電力系統の高調波電流を検出し、検出した高調波電流とは逆位相の電流を生成して該電力系統に供給することにより、当該電力系統における高調波を低減させている。これにより、当該電力系統の電圧歪み及び電流歪みなどが低減され、当該電力系統に接続された他機器への高調波による不具合が抑制される。
上記アクティブフィルタ装置は、特許文献1に一例を示すように、空気調和装置に高調波抑制装置として利用される。特許文献1のアクティブフィルタ装置では、全てのパワーモジュールの主材料としてワイドギャップ半導体が用いられている。
また、特許文献1の関連技術として、特許文献2が知られている。特許文献2は、スイッチング素子全てに主材料としてワイドギャップ半導体を採用し、Si半導体を主材料とする還流ダイオードが各スイッチング素子に接続されたコンバータ装置を開示している。
第5794816号公報 第5863442号公報
ワイドギャップ半導体として代表的なものに、SiC半導体がある。SiC半導体は、Si半導体に比べて上限温度が高く定常損失が小さいため、Si半導体よりも小さいチップ面積にて定常の電流を流すことができる。その反面、SiC半導体は、Si半導体と比べて、瞬間的に流れる大きな電流(以下、せん頭サージ電流と言う)の許容値が小さい。
それ故、全てのパワーモジュールがワイドギャップ半導体で構成された特許文献1では、せん頭サージ電流に耐えうる程度に各パワーモジュールの素子面積(チップ面積)を広げる対策を講じる必要があり、特許文献1の装置自体が大型化する虞がある。
また、特許文献2に示すように、全ての還流ダイオードがSi半導体で構成されると、Si半導体の耐圧絶縁領域の厚みはSiC半導体よりも増すため、還流ダイオードの素子面積(チップ面積)はSiC半導体で構成された場合に比べて大きくなる。従って、特許文献2に係る装置の小型化は図り難い。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、せん頭サージ電流が流れる半導体素子の素子面積(チップ面積)を広げたり、当該半導体素子の種類を変更したりすることなく、該素子が比較的大きいせん頭サージ電流にも耐えられるようにすることである。
第1の発明は、互いに直列に接続された上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び下側スイッチング素子(5d,5e,5f)から成り、接続された上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び上記下側スイッチング素子(5d,5e,5f)の中点が交流電源(3)に接続されたスイッチングレグ(19u,19v,19w)と、上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)に逆並列接続された上側還流ダイオード(6a,6b,6c)と、上記下側スイッチング素子(5d,5e,5f)に逆並列接続された下側還流ダイオード(6d,6e,6f)と、上記スイッチングレグ(19u,19v,19w)の直流側において該スイッチングレグ(19u,19v,19w)に並列に接続されたコンデンサ(4)と、上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び上記下側スイッチング素子(5d,5e,5f)のオンオフを制御する制御部(30)とを備え、上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び上記上側還流ダイオード(6a,6b,6c)は、ワイドギャップ半導体を主材料とした半導体素子であり、上記制御部(30)は、上記コンデンサ(4)の充電時、上記交流電源(3)からの電流が上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)と上記上側還流ダイオード(6a,6b,6c)とに分岐して上記コンデンサ(4)に流入するように、上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)をオンさせることを特徴とする電力変換装置である。
コンデンサ(4)の充電時、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)はオンし、交流電源(3)からの電流は、ワイドギャップ半導体を主材料とした半導体素子である上側スイッチング素子(5a,5b,5c)と上側還流ダイオード(6a,6b,6c)とに分岐して流れる。そのため、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)のみに電流が流れる場合に比して、半導体素子1つあたりに流れる電流量は減少する。これにより、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)がワイドギャップ半導体を主材料とする半導体素子であっても、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)の素子面積(チップサイズ)を広げることなく、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)はコンデンサ(4)充電時のせん頭サージ電流に耐えることができる。従って、電力変換装置(8)全体のサイズを小さくすることができる。また、せん頭サージ電流により素子が破壊されるおそれを抑えることができるため、電力変換装置(8)の安全性も高められる。
第2の発明は、第1の発明において、上記ワイドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料及びダイヤモンドを含むことを特徴とする電力変換装置である。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、上記コンデンサ(4)は、セラミックコンデンサであることを特徴とする電力変換装置である。
これにより、コンデンサ(4)の素子の大きさ(チップサイズ)が小さくなるため、電力変換装置(8)自体のサイズを小さくすることができる。また、セラミックコンデンサは、直流電圧を印加した際に実効的な静電容量が減少する特性を有する。静電容量が小さい程、充電時にコンデンサ(4)に流れる電流は小さい。従って、コンデンサ(4)にセラミックコンデンサを採用することにより、コンデンサ(4)充電時に上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)を流れるせん頭サージ電流の大きさを減少させることができる。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれか1項において、上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)とこれに対応する上記上側還流ダイオード(6a,6b,6c)とは、同一パッケージ内に収められていることを特徴とする電力変換装置である。
これにより、電力変換装置(8)における上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)のレイアウトが簡単になる。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれか1項において、上記交流電源(3)と上記スイッチングレグ(19u,19v,19w)との間に接続されたLCフィルタ(20)、を更に備え、上記LCフィルタ(20)のインピーダンスは、上記コンデンサ(4)のインピーダンスよりも大きいことを特徴とする電力変換装置である。
LCフィルタ(20)のインピーダンスが上記コンデンサ(4)のインピーダンスよりも大きい状態は、交流電源(3)から電力変換装置(8)に流入する電流経路のインピーダンスが、充電対象となるコンデンサ(4)のインピーダンスよりも高いことを意味する。これにより、せん頭サージ電流は、電力変換装置(8)へは流入しにくくなる。従って、電流経路上に位置する上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び上側還流ダイオード(6a,6b,6c)は、より確実にせん頭サージ電流に耐えることができる。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明のいずれか1項において、上記上側還流ダイオード(6a,6b,6c)は、上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)の寄生ダイオードであることを特徴とする電力変換装置である。
これにより、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)と上側スイッチング素子(5a,5b,5c)とを、別々のチップにて設けることなく、1つのチップにて構成させることができる。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明のいずれか1項において、少なくとも上記上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)を冷却する冷却部、を更に備えることを特徴とする電力変換装置である。
コンデンサ(4)充電時、せん頭サージ電流が上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)を流れるため、当該上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)は発熱してしまう。これに対し、ここでは、少なくとも上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)は冷却される。従って、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)の発熱が他素子や電力変換装置(8)付近の他装置に影響を及ぼすおそれは軽減される。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明のいずれか1つに記載の電力変換装置(8)と、上記交流電源(3)に接続され、高調波電流の発生源となる負荷器(1)とを備え、上記電力変換装置(8)は、上記交流電源(3)に対し上記負荷器(1)と並列に接続され、該負荷器(1)にて発生する高調波電流の低減を行うアクティブフィルタであることを特徴とする電力変換システムである。
これにより、負荷器(1)で発生した高調波電流が、他装置に及ぼす影響を軽減することができる。
第9の発明は、第1の発明から第6の発明のいずれか1項に記載の電力変換装置(8)と、内部を熱媒体が流れる熱媒体配管(60)を有する空気調和装置(50)とを備え、上記電力変換装置(8)の少なくとも上記上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)は、上記熱媒体配管(60)を流れる上記熱媒体によって冷却されることを特徴とする空気調和システムである。
コンデンサ(4)充電時、せん頭サージ電流が上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)を流れるため、当該上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)は発熱してしまう。これに対し、ここでは、少なくとも上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)は、空気調和装置(50)の熱媒体配管(60)を流れる熱媒体(冷媒、水等)によって冷却される。即ち、空気調和装置(50)は有効利用される。従って、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)の発熱が他素子や電力変換装置(8)付近の他装置に影響を及ぼすおそれは軽減される。
第10の発明は、第9の発明において、上記電力変換装置(8)は、上記空気調和装置(50)に組み込まれていることを特徴とする空気調和システムである。
第11の発明は、第9の発明または第10の発明において、上記空気調和装置(50)は、上記交流電源(3)に接続され、高調波電流の発生源となる負荷器(1)を更に有し、上記電力変換装置(8)は、上記交流電源(3)に対し上記負荷器(1)と並列に接続され、該負荷器(1)にて発生する高調波電流の低減を行うアクティブフィルタであることを特徴とする空気調和システムである。
これにより、負荷器(1)で発生した高調波電流が、他装置に及ぼす影響を軽減することができる。
本発明によれば、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)は、その素子面積(チップ面積)を広げずとも、コンデンサ(4)充電時のせん頭サージ電流に耐えることができるため、電力変換装置(8)全体のサイズを小さくすることができる。また、せん頭サージ電流により素子が破壊されるおそれを抑えることができるため、電力変換装置(8)の安全性も高められる。
図1は、本実施形態1に係るアクティブフィルタ装置を含む空気調和システムの構成を概略的に示す図である。 図2は、ゲート制御電源の出力電圧、比較部の出力、切換部の動作、上側スイッチング素子の動作の、コンデンサの充電開始時からの経時的変化を表すタイミングチャートである。 図3は、コンデンサ充電時の、上側還流ダイオードに流れる電流、下側還流ダイオードに流れる電流、交流電源が出力する交流電圧、を経時的に表す図である。 図4は、本実施形態1に係るアクティブフィルタ装置がヒートシンクに取り付けられて冷却される様子の説明図である。 図5は、本実施形態2に係るアクティブフィルタ装置を含む空気調和システムの構成を概略的に示す図である。 図6は、本実施形態2に係るアクティブフィルタ装置がヒートシンクに取り付けられて冷却される様子の説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
≪実施形態1≫
<空気調和システムの概要>
図1は、本実施形態1に係る空気調和システム(100)の構成を示している。空気調和システム(100)は、三相の交流電源(3)に接続された空気調和装置(50)を備え、空気調和装置(50)には、高調波発生負荷器(1)及びアクティブフィルタ装置(8)(電力変換装置に相当)が含まれている。
空気調和システム(100)は、マンション、工場、ビルや戸建て住宅等に設置され、空気調和装置(50)によって室内の空気調和を行う。
−空気調和装置−
空気調和装置(50)は、図示していないが、圧縮機、熱源側熱交換器、利用側熱交換器等を有している。これらが図4の冷媒配管(60)(熱媒体配管に相当)によって接続されることにより、冷媒回路が構成されている。冷媒回路内には冷媒(熱媒体に相当)が充填且つ循環しており、これによって空気調和装置(50)は室内を冷房及び暖房することができる。空気調和装置(50)には、後述するアクティブフィルタ装置(8)が組み込まれている。
−高調波発生負荷器−
高調波発生負荷器(1)は、配線(L1,L2,L3)を介して交流電源(3)に接続され、高調波電流の発生源となる機器である。本実施形態1では、高調波発生負荷器(1)が、圧縮機等の動力源である電動機に電力を供給するためのインバータ回路を備えた電力供給機器である場合を例に取る。
具体的に、本実施形態1に係る高調波発生負荷器(1)は、図示していないが、インバータ回路の他にコンバータ回路を有する。高調波発生負荷器(1)は、交流電源(3)からの交流電力を、所望の周波数及び所望の電圧を有する交流電力に変換すると、当該電力を例えば圧縮機の動力源である電動機に供給する。これにより、当該電力を供給された圧縮機が稼働して冷媒回路が機能し、その結果、室内の空気調和が行われる。
また、このような高調波発生負荷器(1)には、三相の交流電源(3)に対し、配線(L4,L5,L6)を介して高調波発生負荷器(1)と並列にアクティブフィルタ装置(8)が接続されている。
空気調和装置(50)において、高調波発生負荷器(1)や圧縮機の電動機が稼働すると、高調波電流が発生する場合がある。この高調波電流は、交流電源(3)から空気調和装置(50)へ電力を供給する電流経路を介して、交流電源(3)に流出する可能性がある。このような高調波電流は、一般的には、交流電源(3)側への流出レベルが規制されている。そのため、空気調和システム(100)では、アクティブフィルタ装置(8)によって、流出する高調波電流の低減が図られる。
なお、配線(L1,L2,L3)及び配線(L4,L5,L6)は、交流電源(3)の各相に対応して設けられている。配線(L1,L2,L3)の一端は交流電源(3)に接続され、他端は高調波発生負荷器(1)に接続されている。配線(L4,L5,L6)の一端は、配線(L1,L2,L3)に接続され、他端は、アクティブフィルタ装置(8)の電流源(9)に接続されている。
<アクティブフィルタ装置の構成>
アクティブフィルタ装置(8)は、高調波発生負荷器(1)から流出する高調波電流を打ち消す機能を有する。即ち、アクティブフィルタ装置(8)は、交流電源(3)から流出する高調波電流を検出し、検出した高調波電流とは逆位相の電流を生成して高調波発生負荷器(1)に供給する。
このようなアクティブフィルタ装置(8)は、図1に示すように、主として、電流源(9)と、コンデンサ(4)と、LCフィルタ(20)と、制御器(10)と、充電時制御回路(30)(制御部に相当)とを備える。
−電流源−
電流源(9)は、複数のスイッチングレグ(19u,19v,19w)及び還流ダイオード(6a,6b,6c,6d,6e,6f)を有する。
スイッチングレグ(19u,19v,19w)は、交流電源(3)の相数に応じて3つ設けられている。スイッチングレグ(19u,19v,19w)は、互いに直列に接続された上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び下側スイッチング素子(5d,5e,5f)で構成される。各スイッチングレグ(19u,19v,19w)の中点(nu,nv,nw)、つまりは、接続された上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び下側スイッチング素子(5d,5e,5f)の中点(nu,nv,nw)それぞれは、各配線(L4,L5,L6)及び各配線(L1,L2,L3)を介して交流電源(3)に接続されている。
なお、本実施形態1では、各スイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)は、双方向に電流を流すことができる半導体素子である。もしくは、各スイッチング素子(5a,5b,5c)のみを、双方向に電流を流すことができる半導体素子とする。
具体的に、各上側スイッチング素子(5a,5b,5c)のドレイン端子は、配線(L7)に接続され、ソース端子は、各下側スイッチング素子(5d,5e,5f)のドレイン端子に接続されている。各下側スイッチング素子(5d,5e,5f)のソース端子は、配線(L8)に接続されている。各上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び各下側スイッチング素子(5d,5e,5f)のゲート端子は、充電時制御回路(30)を介して制御器(10)に接続されている。
充電時制御回路(30)及び制御器(10)では、各上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び各下側スイッチング素子(5d,5e,5f)を所定周波数にてオンオフさせる制御が行われる。特に、アクティブフィルタ装置(8)の起動前にコンデンサ(4)の充電を行う際には、全てのスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)をオフにする制御が行われるが、これについては<充電時の上側スイッチング素子の動作制御>”にて詳述する。
そして、各上側スイッチング素子(5a,5b,5c)には、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)が逆並列接続されている。各下側スイッチング素子(5d,5e,5f)には、下側還流ダイオード(6d,6e,6f)が逆並列接続されている。
特に、本実施形態1では、電流源(9)に含まれる全ての半導体素子、即ち、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)、下側スイッチング素子(5d,5e,5f)、及び下側還流ダイオード(6d,6e,6f)は、ワイドギャップ半導体を主材料とした半導体素子である。ワイドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドであることができる。もしくは、ワイドギャップ半導体は、窒化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドを主な材料として含む半導体であることができる。
また、本実施形態1の電流源(9)は、上述したスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)及び還流ダイオード(6a,6b,6c,6d,6e,6f)全てを一部品として同一パッケージ内に収めた構造としている。つまり,電流源(9)は、全てのスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)と全ての還流ダイオード(6a,6b,6c,6d,6e,6f)とが一体化された半導体モジュールである。そのことにより、電流源(9)を実装する基板の面積ができるだけ小さくなるようにアクティブフィルタ装置(8)を基板上にてレイアウトしたり、電流源(9)を冷却部(後述)にて冷却する時には簡単な構造の冷却部で冷却を行なったりすることができる。
なお、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)は、対応する上側スイッチング素子(5a,5b,5c)の寄生ダイオードで形成されることが好ましい。下側還流ダイオード(6d,6e,6f)は、対応する下側スイッチング素子(5d,5e,5f)の寄生ダイオードで形成されることが好ましい。還流ダイオード(6a,6b,6c,6d,6e,6f)及びスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)は、共にワイドギャップ半導体を主材料とする半導体素子だからである。これにより、還流ダイオード(6a,6b,6c,6d,6e,6f)とスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)とを、別々のチップにて設けることなく、1つのチップにて構成させることができる。
−コンデンサ−
コンデンサ(4)は、電流源(9)の直流側(即ち電流源(9)の後段)に位置する。より具体的には、コンデンサ(4)は、該電流源(9)における各スイッチングレグ(19u,19v,19w)に対して並列となるように、一端が配線(L7)に接続され、他端が配線(L8)に接続されている。
コンデンサ(4)には、電界コンデンサやフィルムコンデンサを採用することもできるが、本実施形態1では、セラミックコンデンサを採用している。セラミックコンデンサは、半導体素子であるスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)及び還流ダイオード(6a,6b,6c,6d,6e,6f)と同様に、高さが比較的低い構成である。それ故、スイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)及び還流ダイオード(6a,6b,6c,6d,6e,6f)に加えて、コンデンサ(4)についても後述するように空気調和装置(50)の冷却部によって冷却することを鑑みると、セラミックコンデンサの形状は好適だからである。
また、セラミックコンデンサは、同じ静電容量にて比較しても、電界コンデンサなどよりもチップサイズが比較的小さくなる。そのため、コンデンサ(4)にセラミックコンデンサを採用することは、アクティブフィルタ装置(8)の小型化にも繋がる。
更には、セラミックコンデンサは、通常、印加される電圧が上昇すると実効的な静電容量Cdが減少する特性を有する。そのため、コンデンサ(4)にセラミックコンデンサを採用することにより、コンデンサ(4)の充電時にはコンデンサ(4)には電圧が印加されるため、静電容量Cdが減少し、コンデンサ(4)充電時のせん頭サージ電流を小さくすることができる。
このようなコンデンサ(4)が充電されることにより、交流電源(3)から出力された交流電力は、電流源(9)において直流電力に変換される。
−LCフィルタ−
LCフィルタ(20)は、配線(L4,L5,L6)上に設けられている。LCフィルタ(20)は、電流源(9)の入力段(電流源(9)の前段)、即ち交流電源(3)と電流源(9)の各スイッチングレグ(19u,19v,19w)との間に設けられている。LCフィルタ(20)は、リアクトル(2a,2b,2c)と、コンデンサ(7a,7b,7c)とで構成される。リアクトル(2a,2b,2c)及びコンデンサ(7a,7b,7c)それぞれは、交流電源(3)の相数に対応して複数設けられている。
リアクトル(2a,2b,2c)それぞれは、各配線(L4,L5,L6)上に直列に接続されている。コンデンサ(7a,7b,7c)それぞれは、各リアクトル(2a,2b,2c)に対し並列に接続されている。つまり、各コンデンサ(7a,7b,7c)の一端は、各配線(L4,L5,L6)において各リアクトル(2a,2b,2c)の電流流出側に接続され、各コンデンサ(7a,7b,7c)の他端は互いに接続されている。これにより、LCフィルタ(20)は、交流電源(3)の各相に対応して設けられている。
各リアクトル(2a,2b,2c)のインダクタンスを“La,Lb,Lc”、各コンデンサ(7a,7b,7c)の静電容量を“Ca,Cb,Cc”とすると、各相のリアクトル(2a,2b,2c)及びコンデンサ(7a,7b,7c)の関係は、以下のカットオフ周波数“fa,fb,fc”で規定される。
Figure 2018129983
Figure 2018129983
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このカットオフ周波数“fa,fb,fc”は、電流源(9)におけるスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)のスイッチング周波数に基づいて決定される。具体的に、LCフィルタ(20)のカットオフ周波数fa,fb,fcは、スイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)のスイッチング周波数成分が交流電源(3)に流出しないように、該スイッチング周波数の1/5〜1/10程度に設計される。
例えば、スイッチング周波数が10kHzである場合、上記3つの式それぞれによって求められるLCフィルタ(20)のカットオフ周波数が約2kHzになるようなインダクタンスLa,Lb,Lcを有するリアクトル(2a,2b,2c)及び静電容量Ca,Cb,Ccを有するコンデンサ(7a,7b,7c)が選定されることになる。つまり、スイッチング周波数が50kHzとした場合、LCフィルタのカットオフ周波数は10kHzになり、スイッチング周波数10kHzに比べてリアクトル(2a,2b,2c)のインダクタンスLa,Lb,Lc及びコンデンサ(7a,7b,7c)の静電容量Ca,Cb,Ccを小さくすることができる。
具体的には、LCフィルタ(20)のカットオフ周波数が2kHzから10kHzへと5倍高くなると、リアクトル(2a,2b,2c)のインダクタンスLa,Lb,Lcとコンデンサ(7a,7b,7c)の静電容量Ca,Cb,Ccとの積“L×C”の値は、LCフィルタ(20)のカットオフ周波数が2kHzの時の約1/25程となる。すると、コンデンサ(7a,7b,7c)及びリアクトル(2a,2b,2c)の各値を、LCフィルタ(20)のカットオフ周波数が2kHzの場合に比べて約1/5程度にすることができる。これは、スイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)のスイッチング周波数を高くすることが、リアクトル(2a,2b,2c)のインダクタンスLa,Lb,Lc及びコンデンサ(7a,7b,7c)の静電容量Ca,Cb,Ccを小さくできる効果があることを示している。
−制御器及び充電時制御回路−
制御器(10)及び充電時制御回路(30)は、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び下側スイッチング素子(5d,5e,5f)それぞれのゲート端子と接続されており、各スイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)のオン及びオフを制御する。
制御器(10)は、メモリ及びCPU等で構成されるマイクロコンピュータである。制御器(10)は、メモリ内に格納されているプログラムをCPUが読み出して実行することで、接続された各スイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)のオン及びオフを制御するための指令を充電時制御回路(30)に出力する。特に、制御器(10)は、コンデンサ(4)の充電が完了した後のアクティブフィルタ装置(8)の制御を司る。
充電時制御回路(30)は、制御器(10)から指令に基づき、各スイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)のゲート端子にゲート信号を出力する。具体的に、充電時制御回路(30)は、電圧検出部(11)、ゲート信号発生部(12)、ゲート制御電源(13)、オン信号発生部(14)、判定値記憶部(15)、比較部(16)、及び、3つの切換部(17a,17b,17c)を有する。
電圧検出部(11)は、コンデンサ(4)の両端電圧を検出する。ゲート信号発生部(12)は、制御器(10)及び各切換部(17a,17b,17c)と接続されており、各スイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)のゲート端子に出力するゲート信号を生成する。特に、ゲート信号発生部(12)は、切換部(17a,17b,17c)を介して送られてくる信号に基づき上側スイッチング素子(5a,5b,5c)のゲート信号を生成し、制御器(10)からの指令に基づき下側スイッチング素子(5d,5e,5f)のゲート信号を生成する。ゲート制御電源(13)は、ゲート信号発生部(12)及び切換部(17a,17b,17c)の電源であって、コンデンサ(4)の両端電圧に応じて、ゲート信号発生部(12)及び切換部(17a,17b,17c)それぞれに印加するための電源電圧を生成する。
オン信号発生部(14)は、オン信号を生成して切換部(17a,17b,17c)に出力し続ける。判定値記憶部(15)は、比較部(16)がコンデンサ(4)の充電状態を判定する際に用いる判定値を記憶するメモリである。比較部(16)は、当該判定値を、電圧検出部(11)の検出結果(即ちコンデンサ(4)の両端電圧)に応じた電圧であるゲート制御電源(13)の出力電圧と比較する。比較部(16)は、ゲート制御電源(13)の出力電圧が判定値を下回る場合は、各切換部(17a,17b,17c)において、オン信号発生部(14)とゲート信号発生部(12)とを導通させる。比較部(16)は、ゲート制御電源(13)の出力電圧が判定値以上となった場合には、各切換部(17a,17b,17c)において、制御器(10)とゲート信号発生部(12)とを導通させる。
切換部(17a,17b,17c)は、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)1つずつに対応して設けられている。各切換部(17a,17b,17c)は、各上側スイッチング素子(5a,5b,5c)のゲート信号を生成するゲート信号発生部(12)を、制御器(10)またはオン信号発生部(14)に導通させる。即ち、各切換部(17a,17b,17c)は、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)のゲート信号が、制御器(10)からの指令に基づき生成されるものとなるか、または、オン信号発生部(14)からのオン信号に基づき生成されるものとなるかを選択する。
<充電時の上側スイッチング素子の動作制御>
上述したように、電流源(9)の半導体素子全ては、ワイドギャップ半導体を主とした半導体である。ワイドギャップ半導体としては、例えばSiC半導体が挙げられ、以下のような特性を有する。
炭化珪素(以下SiC)の禁制帯幅はシリコン(以下Si)の数倍であるため、SiC半導体の動作時の上限温度はSi半導体に比べて高い。また、SiC半導体の絶縁破壊電界はSi半導体の約10倍であるため、SiC半導体では耐圧絶縁領域の厚みをSi半導体の約1/10にすることができる。更に、SiC半導体では、伝導に寄与するキャリアがSi半導体の約100倍と高濃度であり、SiC半導体の定常損失はSi半導体に比べて遙かに低い。
その反面、SiC半導体は、コンデンサ(4)の充電時に過渡的に流れる電流(せん頭サージ電流)の電流許容値がSi半導体に比べて遙かに小さい。それ故、SiC半導体の素子では、せん頭サージ電流に対する対策を別途講じる必要がある。
その対策として、せん頭サージ電流が流れる電流経路上に位置するSiC半導体の素子サイズを大きくして、当該半導体素子自体がせん頭サージ電流に耐えられるようにすることが挙げられる。しかしこの対策では、当該半導体素子の素子サイズが大きくなることから、必然的にアクティブフィルタ装置(8)のサイズも大きくなってしまう。
そこで、SiC半導体のようなワイドギャップ半導体を主材料とする半導体素子が電流源(9)の半導体素子として採用されている本実施形態1では、アクティブフィルタ装置(8)がせん頭サージ電流に耐えるべく、コンデンサ(4)充電時にはせん頭サージ電流の電流経路が多数形成されるように、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)を動作させる制御が行われる。具体的に、本実施形態1に係る充電時制御回路(30)は、コンデンサ(4)の充電時、交流電源(3)からの電流(せん頭サージ電流)が上側スイッチング素子(5a,5b,5c)と上側還流ダイオード(6a,6b,6c)とに分岐してコンデンサ(4)に流入するように、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)をオンさせる。
より詳細に、図2を用いて充電時制御回路(30)の動作について説明する。図2では、コンデンサ(4)の両端電圧、ゲート制御電源(13)の出力電圧、比較部(16)の出力、各切換部(17a,17b,17c)の動作、各上側スイッチング素子(5a,5b,5c)の動作を、時間の経過と共に示している。
図2の時刻(t0)から時刻(t1)までは、コンデンサ(4)が充電される期間を示す。時刻(t0)から時刻(t1)までの間、コンデンサ(4)が充電されることにより当該コンデンサ(4)の両端電圧は上昇する。これに伴い、ゲート制御電源(13)の出力電圧も上昇する。時刻(t0)から時刻(t1)までの間は、ゲート制御電源(13)の出力電圧は判定値を下回るため、比較部(16)は、各切換部(17a,17b,17c)に信号を出力しない。この時刻(t0)から時刻(t1)までは、ゲート制御電源(13)の出力電圧は、ゲート信号発生部(12)及び各切換部(17a,17b,17c)が制御器(10)からの指令に基づいて動作するには不足する電圧値のため、ゲート信号発生部(12)及び各切換部(17a,17b,17c)は、初期状態を維持する。初期状態では、各切換部(17a,17b,17c)は、ゲート信号発生部(12)をオン信号発生部(14)に繋ぐ状態(接点B)となっている。従って、ゲート信号発生部(12)には、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)について、オン信号発生部(14)からのオン信号が入力される。従って、コンデンサ(4)が充電されている時刻(t0)から時刻(t1)までの間、ゲート信号発生部(12)から各上側スイッチング素子(5a,5b,5c)のゲート端子には、上記オン信号がそのまま出力され、各上側スイッチング素子(5a,5b,5c)は、オンすることができる。
なお、時刻(t0)から時刻(t1)までの間、ゲート信号発生部(12)は、下側スイッチング素子(5d,5e,5f)については何らゲート信号を印加しない。それ故、下側スイッチング素子(5d,5e,5f)は、オフした状態となっている。
やがて、コンデンサ(4)がある程度充電されると、ゲート制御電源(13)の出力電圧は、判定値以上となり(時刻(t1))、ゲート信号発生部(12)及び各切換部(17a,17b,17c)が制御器(10)からの指令に基づいて動作できる程度となる。このような出力電圧は、ゲート信号発生部(12)及び各切換部(17a,17b,17c)に印加される。比較部(16)は、ゲート制御電源(13)の出力電圧が判定値以上であることを判定すると、各切換部(17a,17b,17c)にその旨の信号を出力する。すると、各切換部(17a,17b,17c)は、ゲート信号発生部(12)を制御器(10)に繋ぐ状態(接点A)へと切り替わる。これにより、ゲート信号発生部(12)は、各スイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)に対し、コンデンサ(4)の充電が完了した後のスイッチング制御を、制御器(10)の指令に基づき行う(定常動作)。
上記動作により、時刻(t0)から時刻(t1)までのコンデンサ(4)充電期間の間、せん頭サージ電流は、交流電源(3)から配線(L4,L5,L6)を介して、オンしている上側スイッチング素子(5a,5b,5c)とこれに逆並列接続されている上側還流ダイオード(6a,6b,6c)とに分岐して流れた後、配線(L7)にて合流してコンデンサ(4)に流れる。即ち、せん頭サージ電流は、ワイドギャップ半導体を主材料とする上側還流ダイオード(6a,6b,6c)のみに集中して流れるのではなく、共にワイドギャップ半導体を主材料とする上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)に分散して流れる。それ故、上側の半導体素子(5a,5b,5c,6a,6b,6c)1つあたりに流れるせん頭サージ電流の電流量は、せん頭サージ電流が上側還流ダイオード(6a,6b,6c)のみに流れる場合よりも小さくなる(例えば2分の1)。従って、上側の半導体素子(5a,5b,5c,6a,6b,6c)が、せん頭サージ電流許容値がSi半導体よりも小さいワイドギャップ半導体(例えばSiC半導体)で構成されていても、実際に流れるせん頭サージ電流の電流量を許容値以下に抑えることができる。
なお、せん頭サージ電流は、コンデンサ(4)に流入した後、コンデンサ(4)から配線(L8)及び下側還流ダイオード(6d,6e,6f)を介して交流電源(3)に流れる。
ここで、上記せん頭サージ電流の電流経路に鑑みると、コンデンサ(4)の充電時には、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)のみならず、下側スイッチング素子(5d,5e,5f)もオンさせる必要があるようにも考えられる。しかし、本実施形態1では、以下の理由により、下側還流ダイオード(6d,6e,6f)をオンさせずオフにしている。
図3は、コンデンサ(4)の充電の際、交流電源(3)の3相の電源電圧(Vuv,Vvw,Vwu)が電源電圧(Vuv)、電源電圧(Vvw)、電源電圧(Vwu)の順に高くなっている時の、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)、及び下側還流ダイオード(6d,6e,6f)それぞれに流れる電流の経時的変化を例示している。コンデンサ(4)の充電時、電流源(9)における上側では、1相(U相)分である上側スイッチング素子(5a)及びこれに対応する上側還流ダイオード(6a)のみに大きなせん頭サージ電流が流れるが、下側では、上記1相(U相)を除いた残りの2相(V相,W相)分である下側還流ダイオード(6e,6f)それぞれに、上側スイッチング素子(5a)及び上側還流ダイオード(6a)に流れたせん頭サージ電流の合計値のほぼ半分の電流量の電流が流れる。つまり、コンデンサ(4)の充電時、電流が流れる上側の半導体素子(5a,6a)の数と、電流が流れる下側還流ダイオード(6e,6f)の数は等しい。従って、コンデンサ(4)の充電時、上側においては上側スイッチング素子(5a)と上側還流ダイオード(6a)とに分散して電流が流れるように、下側においても2つの下側還流ダイオード(6e,6f)に分散して流れる。つまり、上側における各半導体素子(5a,6a)それぞれを流れる電流量は、下側における下側還流ダイオード(6e,6f)それぞれを流れる電流量と概ね等しい。従って、下側スイッチング素子(5d,5e,5f)をオンさせずとも、下側還流ダイオード(6d,6e,6f)のみでせん頭サージ電流に耐えることができる。
以上のように、本実施形態1では、コンデンサ(4)の充電時、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)をオンさせる上記制御を行うことで電流源(9)はせん頭サージ電流に耐えられるため、電流源(9)に含まれる全てのスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)及び全ての還流ダイオード(6a,6b,6c,6d,6e,6f)には、ワイドギャップ半導体を主材料とした半導体を、素子面積を広げることなく採用することができる。これにより、アクティブフィルタ装置(8)の製造コストは増加せず、且つ、アクティブフィルタ装置(8)のサイズが大きくなる可能性は低くなる。更に、還流ダイオード(6a,6b,6c,6d,6e,6f)のオンロスやスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)のスイッチング損失が低減できる。また、せん頭サージ電流対策は、既存の半導体素子を用いた制御により実現できるため、使用する半導体素子のサイズの変更を行うことはない。従って、アクティブフィルタ装置(8)を冷却する冷却部(後述)を小型化にすることができる。
<LCフィルタとコンデンサとの関係>
直流側のコンデンサ(4)の静電容量Cdが大きい程、コンデンサ(4)の充電時のせん頭サージ電流の電流量が大きくなることは、一般的に知られている。上記せん頭サージ電流の電流量を小さくするためには、一般的には、コンデンサ(4)の静電容量Cdを小さくする必要がある。
これに対し、本実施形態1では、コンデンサ(4)の静電容量Cdを、LCフィルタ(20)の1相分のインピーダンスがコンデンサ(4)のインピーダンスよりも大きくなる条件を満たすように、アクティブフィルタ装置(8)が構成されている。LCフィルタ(20)の一相分、即ち、リアクトル(2a)とコンデンサ(7a)からなるLCフィルタ(20)のインピーダンスの大きさ(絶対値)がコンデンサ(4)のインピーダンスの大きさ(絶対値)以上になれば、アクティブフィルタ装置(8)は、コンデンサ(4)の充電時に流れるせん頭サージ電流に耐えることができる。当該条件を、リアクトル(2a)のインダクタンスLa、LCフィルタ(20)のコンデンサ(7a)の静電容量Ca、直流側のコンデンサ(4)の静電容量Cdを用いて、次式に示す。
Figure 2018129983
(4)式の“ω”は、交流電源(3)の角周波数であって、50Hzもしくは60Hzの電源周波数fを用いて、以下の通りに示される。
ω=2×π×f ・・・(5)
(4)式に示すように、LCフィルタ(20)のインピーダンスの大きさ(絶対値)が直流側のコンデンサ(4)のインピーダンスの大きさ(絶対値)以上である条件を満たすということは、アクティブフィルタ装置(8)の入力側のインピーダンスが充電対象となるコンデンサ(4)のインピーダンスよりも高いことを意味する。そのため、せん頭サージ電流は、アクティブフィルタ装置(8)へは流入しにくくなり、せん頭サージ電流の値はおのずと低くなる。これにより、電流源(9)を構成する半導体素子の全てがワイドギャップ半導体であっても、充電時制御回路(30)とは別途コンデンサ(4)へのせん頭サージ電流を小さくするための対策回路を設けることなく、上記半導体素子は、せん頭サージ電流に確実に耐えることができる。
<アクティブフィルタ装置の冷却構造>
図4に示すように、空気調和装置(50)は、冷却部として、冷媒配管(60)と、冷媒配管(60)に接続された冷却器としてのヒートシンク(70)とを有する。ヒートシンク(70)は、アルミニウム等の金属板が細長く成型されたものである。ヒートシンク(70)上には、本実施形態1に係るアクティブフィルタ装置(8)が配置されている。図4では、冷媒配管(60)が、高調波発生負荷器(1)を介してヒートシンク(70)まで延びており、ヒートシンク(70)上には、アクティブフィルタ装置(8)を構成する電流源(9)、コンデンサ(4)、LCフィルタ(20)、充電時制御回路(30)及び制御器(10)が、ヒートシンク(70)上部からビスなどにより固定されている。
このように、本実施形態1では、1つの半導体モジュールに含まれるスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)及び還流ダイオード(6a,6b,6c,6d,6e,6f)と、セラミックコンデンサであるコンデンサ(4)とが、冷媒配管(60)内を流れる冷媒の熱が伝わったヒートシンク(70)により冷却される。そのことにより、コンデンサ(4)の充電時に電流源(9)内を大きな電流(せん頭サージ電流)が流れ、コンデンサ(4)及び電流源(9)が発熱しても、コンデンサ(4)及び電流源(9)は冷却される。即ち、電流源(9)を構成する複数の半導体素子の他、コンデンサ(4)が、冷媒配管(60)を流れる冷媒により冷却されるため、コンデンサ(4)充電時の電流経路上に位置する半導体素子の発熱を抑えながらも、当該素子にせん頭サージ電流を流すことができる。
また、本実施形態1は、電流源(9)の直流側のコンデンサ(4)がセラミックコンデンサであるため、コンデンサ(4)の高さを電流源(9)の半導体モジュールと同等の高さにすることができている。従って、充電時に発熱部品の1つとなるコンデンサ(4)は、電流源(9)を構成する半導体モジュールと同じように、構造上の制約を受けることなく冷媒配管(60)で冷却することができる。
更に、本実施形態1では、LCフィルタ(20)も、上記コンデンサ(4)等と同じヒートシンク(70)上にて、冷媒配管(60)を流れる冷媒により冷却される。これにより、LCフィルタ(20)を構成するリアクトル(2a,2b,2c)及びコンデンサ(7a,7b,7c)のサイズを、発熱を考慮して大きくする必要がなく、逆に小さくすることも可能となる。
<効果>
本実施形態1では、コンデンサ(4)の充電時、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)はオンし、交流電源(3)からの電流は、ワイドギャップ半導体を主材料とした半導体素子である上側スイッチング素子(5a,5b,5c)と上側還流ダイオード(6a,6b,6c)とに分岐して流れる。そのため、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)のみに電流が流れる場合に比して、半導体素子1つあたりに流れる電流量は減少する。これにより、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)がワイドギャップ半導体を主材料とする半導体素子であっても、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)の素子面積(チップ面積)を広げることなく、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)はコンデンサ(4)充電時のせん頭サージ電流に耐えることができる。従って、アクティブフィルタ装置(8)全体のサイズを小さくすることができる。また、せん頭サージ電流により素子が破壊されるおそれを抑えることができるため、アクティブフィルタ装置(8)の安全性も高められる。
ここで、上記ワイドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドを含む。
上記コンデンサ(4)は、セラミックコンデンサであるため、コンデンサ(4)の素子の大きさ(チップサイズ)は他種類のコンデンサ(例えば電解コンデンサ)よりも小さくなり、アクティブフィルタ装置(8)自体のサイズを小さくすることができる。また、セラミックコンデンサは、直流電圧を印加した際に実効的な静電容量が減少する特性を有する。静電容量が小さい程、充電時にコンデンサ(4)に流れる電流は小さい。従って、コンデンサ(4)にセラミックコンデンサを採用することにより、コンデンサ(4)充電時に上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)を流れるせん頭サージ電流の大きさを減少させることができる。
また、電流源(9)を構成する半導体素子は同一パッケージ内に収められている。そのため、アクティブフィルタ装置(8)の構成要素のレイアウトが簡単になる。
また、本実施形態1のアクティブフィルタ装置(8)は、上式(4)に示すように、LCフィルタ(20)のインピーダンスがコンデンサ(4)のインピーダンスよりも大きい条件を満たしている。当該条件が満たされるということは、交流電源(3)からアクティブフィルタ装置(8)に流入する電流経路のインピーダンスが、充電対象となるコンデンサ(4)のインピーダンスよりも高いことを意味する。これにより、せん頭サージ電流は、電力変換装置(8)へは流入しにくくなる。従って、電流経路上に位置する上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び上側還流ダイオード(6a,6b,6c)は、より確実にせん頭サージ電流に耐えることができる。
また、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)は、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)の寄生ダイオードである。これにより、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)と上側スイッチング素子(5a,5b,5c)とを、別々のチップにて設けることなく、1つのチップにて構成させることができる。
ところで、コンデンサ(4)充電時、せん頭サージ電流が上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)を流れるため、当該上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)は発熱する。これに対し、本実施形態1では、電流源(9)は、空気調和装置(50)の冷媒配管(60)を流れる冷媒によって冷却される。即ち、空気調和装置(50)は有効利用される。更に、充電により発熱するコンデンサ(4)も、冷媒配管(60)を流れる冷媒により冷却される。従って、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及びコンデンサ(4)の発熱が他素子やアクティブフィルタ装置(8)付近の他装置に影響を及ぼすおそれは軽減され、せん頭サージ電流が流れてもアクティブフィルタ装置(8)及び空気調和装置(50)の安全性を保つことができる。
更に、アクティブフィルタ装置(8)のスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)にワイドギャップ半導体を採用し且つアクティブフィルタ装置(8)を冷媒にて冷却するため、せん頭サージ電流に耐えうる状態にて、高いスイッチング周波数fa,fb,fcを実現できる。そのため、アクティブフィルタ装置(8)の入力側(前段)に位置するLCフィルタ(20)のカットオフ周波数を高くでき、リアクトル(2a,2b,2c)のインダクタンスLa,Lb,Lcとコンデンサ(7a,7b,7c)の静電容量Ca,Cb,Ccを小さくできる効果もある。
また、本実施形態1では、アクティブフィルタ装置(8)は、空気調和装置(50)に組み込まれている。そして、アクティブフィルタ装置(8)は、交流電源(3)に対し高調波発生負荷器(1)と並列に接続され、高調波発生負荷器(1)にて発生する高調波電流の低減を行う。これにより、高調波発生負荷器(1)にて発生した高調波電流が、他装置に及ぼす影響を軽減することができる。
≪実施形態2≫
上記実施形態1において、コンデンサ(4)の充電時に上側スイッチング素子(5a,5b,5c)をオンさせる制御を行うことなく、上式(4)で示した条件が満たされるように、コンデンサ(4)の静電容量Cdが決定されていてもよい。
この場合、電流源(9)を構成する半導体素子全ては、上記実施形態1と同様、ワイドギャップ半導体を主材料とした半導体素子にて構成される。
上述の通り、本実施形態2では、コンデンサ(4)の充電時に上側スイッチング素子(5a,5b,5c)をオンさせる制御は行われないため、図5に示すように、上記実施形態1に係る図1で示した充電時制御回路(30)は不要となり、図6に示すように、冷却対象から充電時制御回路(30)は除かれる。
なお、図5,6では、制御器(10)については省略している。
本実施形態2に係るその他の構成については、上記実施形態1に係るアクティブフィルタ装置(8)と同様である。
本実施形態2によれば、上式(4)に示すように、LCフィルタ(20)のインピーダンスがコンデンサ(4)のインピーダンスよりも大きい条件を満たしている。当該条件が満たされるということは、交流電源(3)からアクティブフィルタ装置(8)に流入する電流経路のインピーダンスが、充電対象となるコンデンサ(4)のインピーダンスよりも高いことを意味する。これにより、せん頭サージ電流は、アクティブフィルタ装置(8)へは流入しにくくなる。従って、電流源(9)を構成する半導体素子の全てがワイドギャップ半導体を主材料とした半導体素子であっても、充電時回路(30)とは別途コンデンサ(4)へのせん頭サージ電流を小さくするための回路を設けることなく、上記半導体素子は、せん頭サージ電流に耐えることができる。従って、上記半導体素子のサイズを大きくする必要もなく、アクティブフィルタ装置(8)の小型化を図ることができる。
ここで、上記実施形態1と同様、ワイドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドを含む。
また、本実施形態2のコンデンサ(4)も、上記実施形態1と同様、セラミックコンデンサである。そのため、コンデンサ(4)の素子の大きさ(チップサイズ)は他種類のコンデンサ(例えば電解コンデンサ)よりも小さくなり、アクティブフィルタ装置(8)自体のサイズを小さくすることができる。また、セラミックコンデンサは、直流電圧を印加した際に実効的な静電容量Cdが小さくなる特性を有する。静電容量Cdが小さい程、充電時にコンデンサ(4)に流れる電流は小さい。従って、コンデンサ(4)にセラミックコンデンサを採用することにより、コンデンサ(4)充電時に上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)を流れるせん頭サージ電流の大きさを減少させることができる。
また、本実施形態2でも、上記実施形態1と同様、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び上側還流ダイオード(6a,6b,6c)を含む電流源(9)を構成する半導体素子は、同一パッケージ内に収められている。そのため、アクティブフィルタ装置(8)の構成要素のレイアウトが簡単になる。
また、本実施形態2でも、上記実施形態1と同様、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)を、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)の寄生ダイオードで構成することができる。これにより、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)と上側スイッチング素子(5a,5b,5c)とを、別々のチップにて設けることなく、1つのチップにて構成させることができる。
また、本実施形態2においても、せん頭サージ電流が流れる上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上側スイッチング素子(5a,5b,5c)を含む電流源(9)、及び、コンデンサ(4)は、空気調和装置(50)の冷媒配管(60)を流れる冷媒によって冷却される。従って、上側還流ダイオード(6a,6b,6c)、上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及びコンデンサ(4)の発熱が他素子やアクティブフィルタ装置(8)付近の他装置に影響を及ぼすおそれは軽減され、せん頭サージ電流が流れてもアクティブフィルタ装置(8)及び空気調和装置(50)の安全性を保つことができる。
更に、アクティブフィルタ装置(8)のスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)にワイドギャップ半導体を採用し且つアクティブフィルタ装置(8)を冷媒にて冷却するため、せん頭サージ電流に耐えうる状態にて、高いスイッチング周波数fa,fb,fcを実現できる。そのため、アクティブフィルタ装置(8)の入力側(前段)に位置するLCフィルタ(20)のカットオフ周波数を高くでき、リアクトル(2a,2b,2c)のインダクタンスLa,Lb,Lcとコンデンサ(7a,7b,7c)の静電容量Ca,Cb,Ccを小さくできる効果もある。
また、本実施形態2でも、上記実施形態1と同様、アクティブフィルタ装置(8)は、空気調和装置(50)に組み込まれている。
また、本実施形態2でも、上記実施形態1と同様、アクティブフィルタ装置(8)は、交流電源(3)に対し高調波発生負荷器(1)と並列に接続され、高調波発生負荷器(1)にて発生する高調波電流の低減を行う。これにより、高調波発生負荷器(1)にて発生した高調波電流が、他装置に及ぼす影響を軽減することができる。
≪その他の実施形態≫
上記実施形態1,2では、交流電源(3)に空気調和装置(50)が接続されている例を説明した。しかし、交流電源(3)には、空気調和装置(50)に関連する機器以外の機器が負荷器として接続されていてもよい。負荷器としては、ビルに設けられたエレベータ、ファン、ポンプ、エスカレータ、三相の交流電源(3)で駆動する照明、更には、アクティブフィルタ等の高調波対策を実施していない、空気調和装置(50)とは別の空気調和装置等などを例示できる。つまり、空気調和装置(50)以外の負荷器が交流電源(3)に対し電力変換装置である上記アクティブフィルタ装置(8)と並列接続されている場合においても、上記アクティブフィルタ装置(8)は、当該負荷器にて発生する高調波電流の低減を行うことができる。
上記実施形態1,2において、コンデンサ(4)は、セラミックコンデンサ以外のコンデンサで構成されていてもよい。
上記実施形態1,2において、電流源(9)を構成する半導体素子全てではなく、少なくとも上側スイッチング素子(5a,5b,5c)とこれに対応する上側還流ダイオード(6a,6b,6c)とが同一パッケージ内に収められた1つの半導体モジュールとされていてもよい。
また、上記実施形態1,2において、電流源(9)を構成する半導体素子全ては、同一パッケージ内に収められておらず、別々のチップとして設けられてもよい。
上記実施形態1,2において、電流源(9)の半導体素子の冷却は、必須ではない。
上記実施形態1,2において、電流源(9)の半導体素子を冷却する場合、冷媒に代えて、水やブラインなどの熱媒体によって冷却されてもよい。
上記実施形態1,2において、交流電源(3)に、空気調和装置(50)に関連する機器以外の機器が負荷器として接続されている際に、電流源(9)の半導体素子が冷却される場合、電流源(9)の半導体素子は、冷媒や水等ではなく、例えば空気を用いて冷却する冷却部によって冷却されてもよい。
上記実施形態1,2において、冷却対象は、電流源(9)の半導体素子全てではなく、一部であってもよい。例えば、LCフィルタ(20)、電流源(9)及びコンデンサ(4)のうち少なくとも1つが冷却対象であってもよい。また、電流源(9)については、電流源(9)全体が冷却対象ではなく、少なくとも上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及びこれに対応する上側還流ダイオード(6a,6b,6c)が冷却対象であってもよい。
上記実施形態1,2において、アクティブフィルタ装置(8)は、空気調和装置(50)に組み込まれておらず、空気調和装置(50)とは別に設けられていてもよい。
また、上記実施形態1において、コンデンサ(4)の充電時にオンする上側スイッチング素子(5a,5b,5c)の数は、1以上であればよく、3つ全てに限定されない。また、オンさせる上側スイッチング素子(5a,5b,5c)の数は、せん頭サージ電流の電流経路上となる上側還流ダイオード(6a,6b,6c)の数も考慮して、せん頭サージ電流の電流量に基づいて決定されてもよい。
上記実施形態1,2において、電流源(9)における上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び上側還流ダイオード(6a,6b,6c)をワイドギャップ半導体を主材料とする半導体素子で構成することは必須であるが、下側スイッチング素子(5d,5e,5f)及び下側還流ダイオード(6d,6e,6f)は、ワイドギャップ半導体を主材料とする半導体素子で構成されていなくてもよい。
上記実施形態1において、上記(4)式で表された条件を満たすことは必須ではない。
上記実施形態1,2において、還流ダイオード(6a,6b,6c,6d,6e,6f)は、対応するスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)の寄生ダイオードではなく、スイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)とは別のチップであってもよい。また、一部分の還流ダイオード(6a,6b,6c,6d,6e,6f)がスイッチング素子(5a,5b,5c,5d,5e,5f)の寄生ダイオードであってもよい。
上記実施形態1,2では、本技術がアクティブフィルタ装置に採用された場合を例示した。しか、本技術は、コンデンサ(4)を用いて交流電力を直流電力に変換するタイプの装置であればよく、その用途は、アクティブフィルタ装置に限定されない。例えば、本技術は、コンバータ回路に採用することもできる。
以上説明したように、本発明は、アクティブフィルタ装置やコンバータ装置のように、コンデンサを用いて交流電力を直流電力に変換する装置について有用である。
1 高調波発生負荷器
3 交流電源
4 コンデンサ
5a,5b,5c 上側スイッチング素子(双方向素子)
5d,5e,5f 下側スイッチング素子
6a,6b,6c 上側還流ダイオード
6d,6e,6f 下側還流ダイオード
8 アクティブフィルタ装置(電力変換装置)
19u,19v,19w スイッチングレグ
20 LCフィルタ
30 充電時制御回路(制御部)
50 空気調和装置
60 冷媒配管(熱媒体配管)
100 空気調和システム

Claims (11)

  1. 互いに直列に接続された上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び下側スイッチング素子(5d,5e,5f)から成り、接続された上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び上記下側スイッチング素子(5d,5e,5f)の中点が交流電源(3)に接続されたスイッチングレグ(19u,19v,19w)と、
    上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)に逆並列接続された上側還流ダイオード(6a,6b,6c)と、
    上記下側スイッチング素子(5d,5e,5f)に逆並列接続された下側還流ダイオード(6d,6e,6f)と、
    上記スイッチングレグ(19u,19v,19w)の直流側において該スイッチングレグ(19u,19v,19w)に並列に接続されたコンデンサ(4)と、
    上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び上記下側スイッチング素子(5d,5e,5f)のオンオフを制御する制御部(30)と
    を備え、
    上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)及び上記上側還流ダイオード(6a,6b,6c)は、ワイドギャップ半導体を主材料とした半導体素子であり、
    上記制御部(30)は、上記コンデンサ(4)の充電時、上記交流電源(3)からの電流が上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)と上記上側還流ダイオード(6a,6b,6c)とに分岐して上記コンデンサ(4)に流入するように、上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)をオンさせる
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1において、
    上記ワイドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料及びダイヤモンドを含む
    ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1または2において、
    上記コンデンサ(4)は、セラミックコンデンサである
    ことを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項において、
    上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)とこれに対応する上記上側還流ダイオード(6a,6b,6c)とは、同一パッケージ内に収められている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つにおいて、
    上記交流電源(3)と上記スイッチングレグ(19u,19v,19w)との間に接続されたLCフィルタ(20)、
    を更に備え、
    上記LCフィルタ(20)のインピーダンスは、上記コンデンサ(4)のインピーダンスよりも大きい
    ことを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つにおいて、
    上記上側還流ダイオード(6a,6b,6c)は、上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)の寄生ダイオードである
    ことを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1つにおいて、
    少なくとも上記上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)を冷却する冷却部、
    を更に備えることを特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力変換装置(8)と、
    上記交流電源(3)に接続され、高調波電流の発生源となる負荷器(1)と
    を備え、
    上記電力変換装置(8)は、上記交流電源(3)に対し上記負荷器(1)と並列に接続され、該負荷器(1)にて発生する高調波電流の低減を行うアクティブフィルタである
    ことを特徴とする電力変換システム。
  9. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置(8)と、
    内部を熱媒体が流れる熱媒体配管(60)を有する空気調和装置(50)と
    を備え、
    上記電力変換装置(8)の少なくとも上記上側還流ダイオード(6a,6b,6c)及び上記上側スイッチング素子(5a,5b,5c)は、上記熱媒体配管(60)を流れる上記熱媒体によって冷却される
    ことを特徴とする空気調和システム。
  10. 請求項9において、
    上記電力変換装置(8)は、上記空気調和装置(50)に組み込まれている
    ことを特徴とする空気調和システム。
  11. 請求項9または請求項10において、
    上記空気調和装置(50)は、上記交流電源(3)に接続され、高調波電流の発生源となる負荷器(1)を更に有し、
    上記電力変換装置(8)は、上記交流電源(3)に対し上記負荷器(1)と並列に接続され、該負荷器(1)にて発生する高調波電流の低減を行うアクティブフィルタである
    ことを特徴とする空気調和システム。
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