JP2018129433A - 磁性流体 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁場を印加したときに、熱伝導性と電気絶縁性の両方に優れる磁性流体を提供する。
【解決手段】溶媒中に磁性粒子を含有し、前記磁性粒子がコア−シェル構造を有し、前記コアがニッケル又は鉄であり、かつ、前記シェルが窒化ホウ素(BN)又は窒化アルミニウム(AlN)である、磁性流体。この磁性流体に磁場を印加すると、磁性流体中の磁性粒子同士が接触して、熱伝導が確保されると同時に、窒化ホウ素(BN)又は窒化アルミニウム(AlN)によって、個々のニッケル又は鉄の粒子が電気的に絶縁される。これによって、磁性流体に磁場を印加したときに、磁性流体は、熱伝導性と電気絶縁性の両方に優れる。
【選択図】図5

Description

本開示は、磁性流体に関する。本開示は、特に、磁場を印加したときに、熱伝導性と電気絶縁性の両方に優れる磁性流体に関する。
熱伝導性が変化する材料の開発が進められている。例えば、特許文献1には、熱伝導性が変化ずる材料を利用した半導体装置が開示されている。
特許文献1に開示された半導体装置は、パッケージに収納された半導体基板と、パッケージの一方の面に配置された熱伝導層と、熱伝導層のパッケージとは反対側に配置された冷却器とを有する。半導体基板は、パッケージに、半田等で接続されている。
特許文献1に開示された半導体装置において、その使用中に、半導体基板は発熱する。パッケージと熱伝導層は、冷却器と接しているため、半導体基板は、パッケージと熱伝導層を介して冷却される。熱伝導層は、磁性流体層と磁場発生層を有しており、磁場発生層で生じる磁場によって、磁性流体層の熱伝導性を変化させる。これにより、熱伝導層の熱伝導性を変化させて、半導体基板の冷却を制御する。
特開2014−183083号公報
特許文献1に記載された半導体装置の磁性流体層は、層状の容器と、その容器に充填される磁性流体を備える。磁性流体は、磁場の印加によって、熱伝導性が高まる。しかし、特許文献1に記載された半導体装置の磁性流体層においては、電気絶縁性は考慮されていなかった。
このことから、磁場を印加したとき、高い熱伝導性を示すとともに、高い電気絶縁性も兼ね備える磁性流体が望まれている、という課題を、本発明者らは見出した。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、本開示は、磁場を印加したときに、熱伝導性と電気絶縁性の両方に優れる磁性流体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ね、本開示の磁性流体を完成させた。その要旨は、次のとおりである。
〈1〉溶媒中に磁性粒子を含有し、
前記磁性粒子がコア−シェル構造を有し、
前記コアがニッケル又は鉄であり、かつ、前記シェルが窒化ホウ素(BN)又は窒化アルミニウム(AlN)である、
磁性流体。
本開示の磁性流体によれば、この磁性流体に磁場を印加すると、磁性流体中の磁性粒子同士が接触して、熱伝導が確保されると同時に、窒化ホウ素(BN)又は窒化アルミニウム(AlN)によって、個々のニッケル又は鉄の粒子が電気的に絶縁される。その結果、磁場を印加したときに、熱伝導性と電気絶縁性の両方に優れる磁性流体を提供することができる。
図1は、磁性流体に磁場を印加したとき、磁性流体中の磁性粒子の状態を示す模式図である。 図2は、磁性流体に磁場を印加していないとき、磁性流体中の磁性粒子の状態を示す模式図である。 図3は、磁性粒子が、強磁性金属をコアに、高熱伝導絶縁材料をシェルとするコア−シェル構造を備え、磁場の印加中に磁性粒子同士が接触したときの状態を示す模式図である。 図4は、磁性粒子が、高熱伝導絶縁材料をコアに、強磁性金属をシェルとするコア−シェル構造を備え、磁場の印加中に磁性粒子同士が接触したときの状態を示す模式図である。 図5は、磁性粒子に対する窒化ホウ素(BN)の体積比率と磁場印加中の磁性流体の電気抵抗との関係を示すグラフである。 図6は、磁性粒子に対する窒化ホウ素(BN)の体積比率と磁場印加中の磁性流体の熱伝導率との関係を示すグラフである。
以下、本開示に係る磁性流体の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示に係る磁性流体を限定するものではない。
図1は、磁性流体に磁場を印加したとき、磁性流体中の磁性粒子の状態を示す模式図である。図2は、磁性流体に磁場を印加していないとき、磁性流体中の磁性粒子の状態を示す模式図である。
磁性流体10は、熱源20と受熱物30との間に配置される。磁性流体10は、溶媒40中に磁性粒子50を含有する。磁性流体10に磁場60を印加したとき、図1に示したように、磁性粒子50同士が接触して、熱源20から受熱物30への熱伝導経路70が形成される。一方、磁性流体10に磁場60を印加していないとき、図2に示したように、磁性粒子50同士は非接触であり、熱伝導経路70は形成されない。
図1及び図2に示したように、本発明者は、溶媒40中に磁性粒子50を含有すると、磁場60の印加時には、磁性粒子50同士が接触状態になり、磁場60の非印加時には、磁性粒子50同士が非接触状態になることを知見した。そして、本発明者は、磁性粒子50同士の接触及び非接触を利用して、熱伝導経路70を形成及び切断することによって、磁性流体10の熱伝導性を制御することができることを知見した。
図3は、磁性粒子50が、強磁性金属52をコアに、高熱伝導絶縁材料54をシェルとするコア−シェル構造を備え、磁場の印加中に磁性粒子50同士が接触したときの状態を示す模式図である。図4は、磁性粒子50が、高熱伝導絶縁材料54をコアに、強磁性金属52をシェルとするコア−シェル構造を備え、磁場の印加中に磁性粒子50同士が接触したときの状態を示す模式図である。
強磁性金属52と高熱伝導絶縁材料54は、いずれも熱伝導性が良好なため、磁性流体10に磁場が印加されて磁性粒子50同士が接触すると、図3及び図4に示したいずれの場合にも、磁性流体10は優れた熱伝導性を示すことを、本発明者は知見した。一方、図3に示したように、強磁性金属52をコアに、高熱伝導絶縁材料54をシェルにすると、個々の強磁性金属52が高熱伝導絶縁材料54によって電気的に絶縁されることを、本発明者は知見した。また、図4に示したように、高熱伝導絶縁材料54をコアに、強磁性金属52をシェルにすると、個々の磁性粒子50の強磁性金属52が互い接触することによって、個々の磁性粒子50が電気的に導通してしまうことを、本発明者は知見した。
これまでに説明した知見は、表1のように纏められる。
Figure 2018129433
これらの知見に基づく、本開示の磁性流体10の構成を、次に説明する。
(磁性粒子)
本開示の磁性流体10は、溶媒40中に磁性粒子50を含有する。磁性粒子50は、コア−シェル構造を有する。
コアは、強磁性金属52である。強磁性金属52としては、ニッケル又は鉄が挙げられる。図1及び図3に示したように、磁性粒子50のコアが強磁性金属52であるため、磁性流体10に磁場60が印加されたとき、磁性粒子50同士が接触する。
強磁性金属52(コア)の粒径は、100nm以上、500nm以上、又は1000nm以上であってよく、100μm以下、50μm以下、又は10μm以下であってよい。
本明細書において、特に断りがない限り、粒径は円相当径を意味する。また、円相当径は投影面積円相当径(ヘイウッド径)を意味する。
シェルは、高熱伝導絶縁材料54である。高熱伝導絶縁材料54としては、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al)、酸化マグネシウム(MgO)、及びシリカ(SiO)等が挙げられる。熱伝導性と電気絶縁性の両立の観点からは、窒化ホウ素(BN)及び窒化アルミニウム(AlN)が好ましい。これは、窒化ホウ素(BN)(熱伝導率:60Wm−1−1、電気抵抗:1012Ωm)と窒化アルミニウム(AlN)(熱伝導率:285Wm−1−1、電気抵抗:1012Ωm)については、これら自体の熱伝導率と電気抵抗の両方が高いためである。
図1及び図3に示したように、磁性流体10に磁場60が印加されて、磁性粒子50同士が接触したとき、シェルが高熱伝導絶縁材料54であることにより、個々の強磁性金属52は、互いに電気的に絶縁される。
例えば、コアがニッケル又は鉄、シェルが窒化ホウ素(BN)又は窒化アルミニウム(AlN)である場合について説明する。磁場60の印加によって、磁性粒子50同士が接触する。ニッケル及び鉄並びに窒化ホウ素(BN)及び窒化アルミニウム(AlN)は、いずれも高い熱伝導性を有するため、磁性粒子50同士の接触により、高い熱伝導性が確保される。一方、窒化ホウ層(BN)及び窒化アルミニウム(AlN)は、いずれも、高い電気絶縁性を有する。このため、ニッケル又は鉄の粒子が、窒化ホウ層(BN)又は窒化アルミニウム(AlN)で被覆されることによって、個々のニッケル又は鉄粒子は、電気的に絶縁される。
高熱伝導絶縁材料54(シェル)の粒径(外径)は、コア−シェル構造を有する磁性粒子50の粒径である。当然のことながら、高熱伝導絶縁材料54(シェル)の粒径(外径)は、強磁性金属52(コア)の粒径よりも大きい。高熱伝導絶縁材料54(シェル)の粒径(外径)は、100nm以上、500nm以上、又は1000nm以上であってよく、100μm以下、50μm以下、又は10μm以下であってよい。
(磁性粒子に対する高熱伝導材料の体積比率)
磁性粒子50に対する高熱伝導絶縁材料54(シェル)の体積比率は、5.0%以上が好ましい。体積比率が5.0%以上であれば、電気絶縁性を確保することができる。この観点からは、体積比率は、10.0%以上がより好ましく、15.0%以上がより一層好ましい。高熱伝導絶縁材料54(シェル)が窒化ホウ素(BN)の場合には、12.0%以上が好ましい。一方、高熱伝導絶縁材料54(シェル)の体積比率は、95.0%以下が好ましい。体積比率が95.0%以下であれば、磁場60中で磁性粒子50同士を接触させ易く、その結果、磁性粒子50間の熱伝導をより確実にする。この観点からは、高熱伝導絶縁材料54(シェル)の体積比率は、90.0%以下がより好ましく、80.0%以下がより一層好ましい。
(溶媒)
溶媒40は、磁性粒子50を分散させることができる物質が好ましい。このような物質にすることで、磁性流体10への磁場60の印加が解除されたとき、相互に接触していた磁性粒子50それぞれが、速やかに分散する。このような物質としては、界面活性剤が挙げられる。
さらに、溶媒40は、を酸化させない有機溶剤であることが好ましい。このような有機溶剤としては、ポリアルファオレフィン、イソパラフィン、アルキルナフタレン、及びフッソオイル等が挙げられる。
溶媒40の配合量は、質量で、磁性粒子50を1に対して、2以上、3以上、又は4以上であってよく、7以下、6以下、又は5以下であってよい。
(磁性流体の製造方法)
磁性流体10が、これまで説明してきた構成要件を満たせば、磁性流体10の製造方法は、特に制限されないが、例えば、次のような製造方法が挙げられる。
磁性粒子50は、上述したように、コア−シェル構造を有する。このような構造を有する磁性粒子50は、周知の方法で得ることができる。
例えば、アルゴンガス雰囲気の容器を用いて、高速気流中に原料粉末を分散させながら、プレスヘッドと容器の内壁間で、原料粉末に圧縮及びせん断力を与え、乾式で複合化することが挙げられる。
原料粉末の粒径は、コアとなる原料粉末の平均粒径を、シェルとなる原料粉末の平均粒径の10〜500倍にすればよい。
例えば、コアをニッケル、シェルを窒化ホウ素(BN)にする場合、ニッケル粉末の平均粒径は、0.1μm以上又は0.5μm以上であってよく、50.0μm以下又は10.0μm以下であってよい。そして、窒化ホウ素(BN)粉末の平均粒径は、10nm以上又は50nm以上であってよく、1000nm以下又は200nm以下であってよい。なお、本明細書中で、特に断りがない限り、平均粒径は、メジアン径(d50)を意味する。
コアとなる原料粉末と、シェルとなる原料粉末を複合化して得た磁性粒子50は、溶媒40中に投入される。それに超音波を印加した後、さらに撹拌することによって、スラリー状の磁性流体10を得ることができる。
以下、本開示の磁性流体10を実施例により、さらに具体的に説明する。なお、本開示の磁性流体10は、これらに限定されるものではない。
(実施例の磁性流体試料の作製)
コアとなる原料粉末として、シグマアルドリッチ社製のニッケル粉末(平均粒径5μm)を準備した。また、シェルとなる原料粉末として、シグマアルドリッチ社製の窒化ホウ素(BN)粉末(平均粒径100nm)を準備した。さらに、溶媒として、シェプロンフィリップス社製のポリアルファオレフィンSynfluid(登録商標)を準備した。
磁性粒子に対して、窒化ホウ素の体積比率が所望の値になるように、ニッケル粉末及び窒化ホウ素(BN)粉末を秤量した。
ニッケル粉末と窒化ホウ素(BN)粉末を複合化装置の容器内に装入し、容器内をアルゴンガス雰囲気にした。複合化装置は、高速気流中に原料粉末を分散させながら、プレスヘッドと容器の内壁間で、原料粉末に圧縮及びせん断力を与えて、乾式で複合化する装置である。
このようして、ニッケル粉末の表面に窒化ホウ素(BN)を被覆してコア−シェル構造とした粒子を室温まで冷却し、その粒子を採取した。
コア−シェル構造とした粒子を10g、ポリアルファオレフィンSynfluid(登録商標)を40g、それぞれ秤量した。そして、ポリアルファオレフィンSynfluid(登録商標)にコア−シェル構造とした粒子を投入し、これに超音波を印加して、ポリアルファオレフィンSynfluid(登録商標)にコア−シェル構造とした粒子を分散させた。さらに、それを撹拌してスラリー状の磁性流体10を得た。
(比較例の磁性流体試料の作製)
次のようにして、比較例の磁性流体10の試料を作製した。コアとなる原料粉末として、シグマアルドリッチ社製の窒化ホウ素(BN)粉末(平均粒径5μm)を、シェルとなる原料粉末として、シグマアルドリッチ社製のニッケル粉末(平均粒径100nm)を準備したこと以外、実施例と同様にして試料を作製した。
実施例と、窒化ホウ素(BN)粉末及びニッケル粉末の粒径を入れ替えることによって、実施例の試料とは逆の構造を有する磁性粒子50を得ることができた。すなわち、窒化ホウ素(BN)粉末の表面にニッケルを被覆してコア−シェル構造とした磁性粒子50を得ることができ、この磁性粒子50を用いて、比較例の磁性流体10の試料を作製した。
(試料の評価)
このようにして得られた試料を、次のような方法で評価した。
(熱伝導率)
先ず、熱拡散率測定用のセルを作製した。厚さが0.1mmであり、かつ30mm四方の形状を有するペット樹脂板に、直径20mmの穴を有し、厚さが0.3mmの両面テープを貼り付けた。その穴に、スラリー状の磁性流体10を充填した。そして、その上に、同じ大きさの別のペット樹脂板を重ね合せ、両面テープで接合した。次いで、これを、グラファイトスプレーで黒化し、熱拡散率測定用セルを得た。
このセルの上下に、直径10mmの穴を有する磁石を貼り合せた。この際、磁石の穴の位置は、スラリー状の磁性流体10の充填部に合せた。そして、各磁石のN極とS極を対向させた。この状態で、セルを熱拡散率測定装置にセットし、磁場印加中の磁性流体10の熱拡散率を測定した。
磁場印加中の磁性流体10の熱拡散率と、ペット樹脂板、コア−シェル構造を有する磁性粒子50、及びポリアルファオレフィンSynfluid(登録商標)それぞれの熱伝導率とから、磁場印加中の磁性流体10の熱伝導率を算出した。
(電気抵抗)
先ず、インピーダンス測定用のセルを作製した。10mm四方の端子付きのニッケル板2枚を、1mmの間隔で平行に対向させて固定し、2枚のニッケル板の間にスラリー状の磁性流体10を充填した。それぞれのニッケル板について、磁性流体10を充填したのと反対側の面に磁石を配置し、各磁石のN極とS極を対向させた。磁石の大きさについては、底面が20mm四方で、厚さが40mmであった。
このようにして得たセルを用いて、インピーダンス測定を行い、ナイキストプロットを作成した。インピーダンス測定の周波数は、1kHz〜1MHzであった。ナイキストプロット、ペット樹脂板の電気抵抗から、磁場印加中の磁性流体10の電気抵抗を求めた。
結果を表2に示す。表2には、原料粉末の配合量(質量)を併記した。また、表2には、磁性粒子に対するニッケルの体積比率と窒化ホウ素(BN)の体積比率を併記した。これらの体積比率は、ニッケルの原子量さらに、図5に、磁性粒子に対する窒化ホウ素(BN)の体積比率と磁場印加中の磁性流体の電気抵抗値との関係を、図6に、磁性粒子に対する窒化ホウ素(BN)の体積比率と磁場印加中の磁性流体の熱伝導率との関係を纏めた。
Figure 2018129433
表2並びに図5及び図6からわかるように、コアをニッケル(強磁性金属)、シェルを窒化ホウ素(BN、高熱伝導絶縁材料)にして、磁性流体10に磁場を印加すると、熱伝導性と電気絶縁性の両方に優れることが確認できた。
また、詳細には、表2から、コアがニッケル、シェルが窒化ホウ素(BN)の場合における、磁性粒子に対する窒化ホウ素(BN)の体積比率(以下、単に「体積比率」という。)と電気抵抗の関係について、次のことが確認できた。体積比率が5.0%で電気抵抗の上昇が認められ、体積比率が12.0%以上で、コアが窒化ホウ素(BN)、シェルがニッケルの場合の電気抵抗よりも大きくなる。
さらに、表2から、コアがニッケル、シェルが窒化ホウ素(BN)の場合における、体積比率と熱伝導率の関係について、次のことが確認できた。体積比率が100%のとき、すなわち、粒子のすべてが窒化ホウ素(BN)の場合には、磁場の印加によって、粒子同士が接触しない。そのため、磁場印加中でも、熱伝導率は12.6Wm−1−1と低い。そして、この熱伝導率は、コアがニッケル、シェルが窒化ホウ素(BN)である磁性流体に、磁場が印加されていないとき(磁性粒子同士が接触していないとき)の熱伝導率に相当する。
体積比率が95%のときの熱伝導率は12.9Wm−1−1であり、磁性粒子同士の接触による熱伝導率の上昇が認められる。そして、体積比率の上昇とともに熱伝導率がさらに上昇する。体積比率が88%以下になると、熱伝導率は13.0Wm−1−1以上になり、体積比率が0%、すなわち、粒子のすべてがニッケルの場合の熱伝導率13.3Wm−1−1と実質的に同等となる。
これらの結果から、本開示の磁性流体10の効果を確認できた。
10 磁性流体
20 熱源
30 受熱物
40 溶媒
50 磁性粒子
52 強磁性金属(ニッケル又は鉄)
54 高熱伝導絶縁材料(窒化ホウ素(BN)又は窒化アルミニウム(AlN))
60 磁場
70 熱伝導経路

Claims (1)

  1. 溶媒中に磁性粒子を含有し、
    前記磁性粒子がコア−シェル構造を有し、
    前記コアがニッケル又は鉄であり、かつ、前記シェルが窒化ホウ素(BN)又は窒化アルミニウム(AlN)である、
    磁性流体。
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