JP2018123538A - アオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法 - Google Patents

アオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018123538A
JP2018123538A JP2017015476A JP2017015476A JP2018123538A JP 2018123538 A JP2018123538 A JP 2018123538A JP 2017015476 A JP2017015476 A JP 2017015476A JP 2017015476 A JP2017015476 A JP 2017015476A JP 2018123538 A JP2018123538 A JP 2018123538A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
growth
depth
microbubble
blue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017015476A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6797377B2 (ja
Inventor
柳川 敏治
Toshiharu Yanagawa
敏治 柳川
彰 入江
Akira Irie
彰 入江
友一 河内
Yuichi Kawachi
友一 河内
善之 土屋
Yoshiyuki Tsuchiya
善之 土屋
正好 高橋
Masayoshi Takahashi
正好 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2017015476A priority Critical patent/JP6797377B2/ja
Publication of JP2018123538A publication Critical patent/JP2018123538A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6797377B2 publication Critical patent/JP6797377B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Cleaning Or Clearing Of The Surface Of Open Water (AREA)
  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)
  • Mixers With Rotating Receptacles And Mixers With Vibration Mechanisms (AREA)

Abstract

【課題】効率よくアオコの増殖を抑制できるアオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法を提供すること。【解決手段】アオコの増殖抑制システム1は、水深とpHとの関係が取得されているアオコの増殖を抑制する対象となる水域2で、アオコが増殖するpHに基づいて設定された設定深さd2から水平方向に向けてマイクロバブルを放出するマイクロバブル発生装置40を備える。また、アオコの増殖抑制方法は、アオコの増殖を抑制する対象となる水域2で水深とpHとの関係を取得するpH取得工程と、アオコが増殖するpHに基づいて設定された深さに設定深さd2を設定する水深設定工程と、設定深さd2から水平方向に向けてマイクロバブルを放出するマイクロバブル放出工程と、を含む。【選択図】図9

Description

本発明は、水域に発生するアオコの増殖を抑制するアオコの増殖抑制システムに関する。
従来より、ダム湖等の水域にミクロキスティス等の藍藻類が大量発生すると、アオコを形成することが知られている。水域にアオコが増殖することにより、景観が悪化する、悪臭が発生するといった種々の問題が発生している。
こうしたことから、水域に発生するアオコの増殖を抑制する手法が提案されている。
主流な方法としては、水域の水温の差を利用したものが挙げられる。例えば、ポンプの吸込口を湖沼等の水面から水深ほぼ1mに設置して、アオコを表層水とともにポンプで吸い込み、水深10m以深の低層に放出し、アオコに水圧差ショックと水温差ショックを与えてアオコを不活性化(死滅)させる方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、アオコが発生する原因となる藍藻類は、水域の金属類を栄養源とすることから、水域の底層において存在する金属類を、酸素供給手段により酸化して沈降させることにより、アオコの増殖を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2006−181565号公報 特開2015−66492号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、対象となる水域の水深が10mを上回ることが必要であり、水深が10mを上回る水域に適用できるようにポンプの動力を大きくしなければならない。そのため、より少ないポンプの動力で効率よくアオコの増殖を抑制できるように改良する必要がある。
特許文献2の技術は、底層に大量の酸素を供給するために多大な動力が必要である。そのため、特許文献1の技術と同様に、より少ないポンプの動力で効率よくアオコの増殖を抑制できるように改良する必要がある。
本発明は、効率よくアオコの増殖を抑制できるアオコの増殖抑制システムを提供することを目的とする。
本発明は、水深とpHとの関係が取得されているアオコの増殖を抑制する対象となる水域で、アオコが増殖するpHに基づいて設定された設定深さから水平方向に向けてマイクロバブルを放出するマイクロバブル発生装置を備える、アオコの増殖抑制システムに関する。
また、前記マイクロバブル発生装置は、増殖したアオコが集積する設定時間帯に基づいて、マイクロバブルを放出、又は放出を停止することが好ましい。
また、前記アオコの増殖を抑制する対象となる位置のpHを検出するpH検出手段と、前記pH検出手段で検出されるpHに基づいて、マイクロバブル放出制御を行うpH制御部と、を更に備えることが好ましい。
また、前記アオコの増殖を抑制する対象となる位置のフィコシアニン濃度を検出するフィコシアニン濃度検出手段と、前記フィコシアニン濃度検出手段で検出されるフィコシアニン濃度に基づいて、マイクロバブル放出制御を行うフィコシアニン濃度制御部と、を更に備えることが好ましい。
また、アオコの増殖を抑制する対象となる水域で水深とpHとの関係を取得するpH取得工程と、アオコが増殖するpHに基づいて設定された深さに設定深さを設定する水深設定工程と、前記設定深さから水平方向に向けてマイクロバブルを放出するマイクロバブル放出工程と、を含むアオコの増殖抑制方法に関する。
本発明によれば、効率よくアオコの増殖を抑制できるアオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法を提供することを目的とする。
ミクロキスティス(NIES−44)及びオオキスティス(NIES−659)の増殖特性を同一のpHで比較したグラフである。 淡水中の二酸化炭素の形態とpHとの関係を示すグラフである。 ミクロキスティス(NIES−44)及びオオキスティス(NIES−659)の増殖特性を同一の水温で比較したグラフである。 岡山県と広島県の県境にある新成羽川ダム貯水池の西谷入江付近を上空からみた図である。 アオコの増殖を抑制する対象となる水域で、アオコが水面に浮上した時間帯における藍藻類密度(フィコシアニン濃度から換算)と水深の関係を示すグラフである。 アオコの増殖を抑制する対象となる水域で、アオコが水面に浮上した時間帯における光透過率と水深の関係を示すグラフである。 アオコの増殖を抑制する対象となる水域で、アオコが水面に浮上した時間帯におけるpHと水深の関係を示すグラフである。 アオコの増殖を抑制する対象となる水域で、アオコが水面に浮上した時間帯における水温と水深の関係を示すグラフである。 本実施形態に係るアオコの増殖抑制システムの全体構成を示す模式図である。 本実施形態に係るアオコの増殖抑制システム1の仮想水域に対する1時間後のシミュレーション結果を示す図である。 本実施形態に係るアオコの増殖抑制システム1の仮想水域に対する3時間後のシミュレーション結果を示す図である。 本実施形態に係るアオコの増殖抑制システム1の仮想水域に対する5時間後のシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明のアオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、アオコの増殖を抑制するメカニズムについて図1〜図8を参照しながら説明する。
同じ藻類であっても、増殖した場合にアオコを形成する藻類(主に藍藻類)と、増殖した場合であってもアオコを形成しない藻類(以下、単に「アオコを形成しない藻類」ともいう)とがあることが知られている。
ここで、アオコを形成する藻類とアオコを形成しない藻類とではそれぞれ増殖しやすい環境が異なると考えられる。アオコを形成する藻類が独占的に増殖する環境を、アオコを形成する藻類とアオコを形成しない藻類(例えば、緑藻類)とが共存できるような環境にすることにより、アオコの増殖を抑制できると考えられる。
藻類が増殖しやすい環境として、pHが影響していることを想定し、藍藻類に属しアオコを形成するミクロキスティスと、緑藻類に属しアオコを形成しないオオキスティスとpHを一定に維持した場合の増殖特性を、培養試験により比較した。なお、培養株として国立研究開発法人国立環境研究所微生物系統保存施設から分譲されたMicrocystis aeruginosa(NIES−44)及びOocystis borgei(NIES−659)が用いられた。図1は、ミクロキスティス及びオオキスティスの増殖特性を同一の設定pHで比較したグラフである。詳細には、図1は、横軸に示すpHをpH緩衝液によりほぼ一定とし、ミクロキスティスと、オオキスティスとをそれぞれ別々に培養した場合の増殖特性を示すグラフである。
図1に示すように、ミクロキスティス(藍藻類)は、pHが9.0である場合に最も高い増殖特性があることが示された。また、ミクロキスティス(藍藻類)は、pHが10.0のアルカリ環境においてもpHが9.0である場合と比較して同程度の増殖特性があることが示された。
これに対して、オオキスティス(緑藻類)は、pHが8.0である場合に最も高い増殖特性があることが示された。また、オオキスティス(緑藻類)は、pHが9.0を上回るアルカリ環境においては、pHが8.0である場合と比較して増殖特性がほとんどないことが示された。なお、このような増殖特性の傾向は、緑藻類以外のアオコを形成しない藻類(例えば、珪藻類)においても同様である。
以上のように図1から、pHが9.0程度の環境でも、アオコを形成する藻類は増殖できるが、アオコを形成しない藻類は増殖が難しいことが示された。図1に示す結果が得られた理由として、試験環境中(流体中)の二酸化炭素の形態が影響していると考えられる。図2は、淡水中の二酸化炭素の形態とpHとの関係を示すグラフである。図2に示すように、pHが9.0付近では、淡水中に炭酸ガスはほとんど存在しないが、重炭酸イオンは多く存在する。
ミクロキスティス、アナベナ等の藍藻類は、炭酸ガス(炭酸)だけでなく、重炭酸イオンを炭素源として光合成できる。具体的には、藍藻類の炭酸脱水酵素において以下の式(1)に示す反応が生じることにより、重炭酸イオンは、藍藻類の細胞内で二酸化炭素に変換される。
HCO3−+H→HCO→CO+HO・・・・(1)
藍藻類は、細胞内で変換された二酸化炭素を炭素源として光合成できる。従って、pHが9.0を上回る場合であっても、藍藻類は、重炭酸イオンを炭素源として光合成できるので、増殖できると考えられる。
これに対して、オオキスティス等の緑藻類(アオコを形成しない藻類)は、炭酸ガス(炭酸)を炭素源として光合成できるが、重炭酸イオンを炭素源として光合成できない。つまり、pHが9.0を上回る場合には、水域中に炭酸ガスはほとんど存在しないため、アオコを形成しない藻類は、光合成できず増殖することが難しいと考えられる。
なお、藍藻類が増殖した場合には、式(1)に示す反応が進行すると考えられる。すると、水域中の水素イオン濃度が低下し、藍藻類が増殖するに従って水域中のpHは高くなると考えられる。そして、水域中のpHが9.0を上回ると、重炭酸イオンを炭素源として光合成できない藻類、即ちアオコを形成しない藻類は、増殖することが難しくなる。
つまり、アオコが独占的に増殖するpHは、9.0程度であり、このpHを上回る環境において、アオコを形成しない藻類は、増殖することが難しくなる。更にアオコが(独占的に)増殖するのに適したpHは、9.5程度であり、このpHを上回る環境において、アオコを形成しない藻類は、更に増殖することが難しくなる。なお、以下においては、アオコが増殖するpHを9.0として説明する。
藍藻類(アオコ)は、昼間には水域の表層付近に集積(浮上)して光合成を盛んに行うため、増殖したアオコが浮上している領域は周りの領域と比較してpHが高くなると考えられる。そして、例えば、9.0程度であったアオコが増殖した位置のpHを8.0程度にまで減少させることで、アオコを形成する藻類が独占的に増殖する環境を、アオコを形成する藻類とアオコを形成しない藍藻類(例えば、緑藻類)とが共存できるようになると考えることができる。
ミクロキスティス及びオオキスティスの増殖特性と水温の関係について説明する。図3は、ミクロキスティス及びオオキスティスの増殖特性を同一の水温で比較したグラフである。図3では、横軸に示す水温で、ミクロキスティスとオオキスティスとをそれぞれ別々に培養した場合の増殖特性が示されている。
図3に示すように、ミクロキスティス(藍藻類)は、水温が25℃である場合に最も高い増殖特性があることが示された。また、ミクロキスティス(藍藻類)は、水温が31〜32℃の高温環境においても水温が25℃である場合と比較して同程度の増殖特性があることが示された。
これに対して、オオキスティス(緑藻類)は、水温が25℃である場合に最も高い増殖特性があることが示された。また、オオキスティス(緑藻類)は、水温が31〜32℃を上回る高温環境においては、水温が25℃である場合と比較して増殖特性が劣ることが示された。なお、このような増殖特性の傾向は、緑藻類以外のアオコを形成しない藻類(例えば、珪藻類)においても同様と考えられる。
以上のように、図3より、アオコを形成する藻類は、31〜32℃を上回る高温環境でも増殖特性を示すが、アオコを形成しない藻類は31〜32℃を上回る高温環境で増殖特性を示さないことが示された。
つまり、アオコが(独占的に)増殖する水温は、31〜32℃程度であり、この水温を上回る環境において、アオコを形成しない藻類は、増殖することが難しくなる。更にアオコが(独占的に)増殖するのに適した水温は、35℃程度であり、この水温を上回る環境において、アオコを形成しない藻類は、更に増殖することが難しくなる。
ここで、アオコを形成する藻類は、細胞内に多数のガス胞を有し、密集して群体として増殖する性質があるため、アオコを形成しない藻類(例えば、緑藻類に属するクロレラ)と比較すると、光透過率が低いことが知られている。
上述のように、アオコを形成する藻類は、昼間には水域の表層付近に集積(浮上)して光合成を盛んに行う。この場合、アオコを形成する藻類は、光エネルギーを全面的に吸収する。また、水域の表層付近の水温は外気の気温に影響を受けやすいと考えられる。そのため、藍藻類の増殖している表層付近(例えば、表層から0〜3mの領域)の水温は高くなりやすい。
一方で、光透過率が低く密集したアオコを形成する藻類によって太陽光が遮断されるため、太陽光の届きにくい中層〜底層(例えば、表層から3mよりも深い領域)の水温は低くなりやすい。
これらのことから、藍藻類が集積している位置は、それよりも深い位置と比較して水温が高くなると考えられる。また、例えば31〜32℃であったアオコが集積した位置の水温を、25℃程度にまで減少させることで、アオコを形成する藻類が独占的に増殖する環境を、アオコを形成する藻類とアオコを形成しない藍藻類(例えば、緑藻類)とが共存できるようになると考えることもできる。
図1及び図3に示す結果から、実際に増殖したアオコが浮上する時間帯に水域の環境(藍藻類密度、pH、水温、及び光透過率)を測定した。図4は、岡山県と広島県の県境にある新成羽川ダム貯水池の西谷入江付近を上空からみた図である。9月11日の14時〜15時に、図4に示すA地点、B地点、C地点で、水域2内の環境を測定した。図4に示すA地点は、アオコの侵入を防ぐアオコフェンスに対して下流側に位置する。また、B地点は、西谷橋(不図示)の下流側でアオコフェンスの上流側に位置する。また、C地点は、立木橋(不図示)の下流側でアオコフェンスの上流側に位置する。
計測時において、A地点では、アオコの浮上が観察されなかった。また、B地点及びC地点では、増殖したアオコの水面への浮上が観察された。なお、C地点はB地点よりも多くのアオコの浮上が観された。
図5〜図8は、図4に示す水域2において増殖したアオコがB地点及びC地点の水面に浮上している時間帯での環境(藍藻類密度、pH、水温、及び光透過率)と水深の関係を示すグラフである。
図5は、アオコの増殖を抑制する対象となる水域で、アオコがB地点及びC地点の水面に浮上した時間帯における藍藻類密度(フィコシアニン濃度から換算)と水深の関係を示すグラフである。なお、B地点及びC地点において、計測時には表層水においてミクロキスティス属の藍藻類のみが優占していた。図5に示すように、いずれの地点においても水深が3mを下回る(3mよりも浅い)領域(以下、水深が3mを下回る領域を「表層領域」ともいう)では、藍藻類密度は高くなる。反対に、水深が表層領域よりも深い領域(水深が3mを上回る領域)では、藍藻類密度は、ほぼ0になる。つまり、水域の表層領域に藍藻類が浮上していると考えられる。
図6は、アオコの増殖を抑制する対象となる水域で、アオコがB地点及びC地点の水面に浮上した時間帯における光透過率と水深の関係を示すグラフである。図6に示すように、水深が深くなるにつれて光透過率は減少する。A地点においては、例えば水深が3mとなっても光透過率は10%程度の値である。このような位置であれば、例えばアオコを形成しない藻類が光合成を行うことが可能とも考えられる。これに対し、B地点及びC地点においては、表層領域よりも深い領域では光透過率が低くなる(およそ0に近い値になる)。そのため、このような位置であれば、藻類が光合成を行うには適さないと考えられる。
図7は、アオコの増殖を抑制する対象となる水域で、アオコがB地点及びC地点の水面に浮上した時間帯におけるpHと水深の関係を示すグラフである。図7に示すように、A地点においては、pHが最大でも9程度である。そのため、A地点においては水深に係らず、アオコを形成する藻類が単独で増殖しにくいとも考えられる。また、B地点及びC地点においては、表層領域では、pHが10程度となる。つまり、緑藻類や珪藻類が増殖不可能なpHとなる。そして、例えば、水深が4m〜6mとなる領域では、pHが、7〜8程度となる。つまり、緑藻類や珪藻類が増殖可能なpHとなる。
従って、表層領域の流体と、表層領域よりも深い領域(例えば、水深が4m〜6mとなる領域)の流体とを撹拌することにより表層領域のpHを表層領域よりも深い領域のpH程度にまで減少させることができると考えられる。また、表層領域の流体と、大気とを接触させることにより、表層領域の流体と大気との平衡状態にできるとも考えられる。このように表層領域の流体を、撹拌し、大気と接触させることにより、表層領域のpHを例えば8.0程度に減少させることができ、表層領域の環境(pH)を藍藻類だけでなくアオコを形成しない藻類(例えば、緑藻類、珪藻類)も増殖しやすい環境(pH)にできると考えられる。つまり、図7は、表層領域のように、アオコが増殖しやすい位置(以下、「対象位置」ともいう)のpHを低下させることで、藍藻類だけでなくアオコを形成しない藻類も増殖しやすい環境(pH)にできることを示唆している。
図8は、アオコの増殖を抑制する対象となる水域で、アオコがB地点及びC地点の水面に浮上した時間帯における水温と水深の関係を示すグラフである。図8に示すように、C地点における水深が0mの位置では、水温が26℃程度となり、A地点における水深が0mの水温(23℃)と比較しておよそ3℃の差があることが確認された。また、いずれの地点においても水深が深くなるにつれて急激に水温が低下し、表層領域よりも深い領域では水温が18〜20℃程度(水深が0mの位置よりも5〜7℃程度低い水温)に収束することが確認された。
表層へのアオコの集積により、アオコがない場合と比較して表層が暖まりやすくなり、表層領域の水温は外気の気温と同程度かそれ以上になると考えられるため、例えば、外気の気温が31〜32℃の高温となった場合には、表層領域(例えば、水面の位置)の水温も同程度かそれ以上になると考えられる。つまり、アオコを形成しない藻類が増殖する水温を上回ると考えられる。これに対し、例えば、水深が4m〜6mとなる領域では、外気の気温よりも5〜7℃程度低い水温に収束すると考えられる。従って、水温は25℃程度となると考えられる。
外気の気温が31〜32℃の高温となった場合には、表層領域の流体と、表層領域よりも深い領域(例えば、水温が25℃程度となる領域)の流体とを撹拌することにより、表層領域の水温を、例えば25℃程度に減少させることで、表層領域の環境(水温)を藍藻類だけでなくアオコを形成しない藻類(例えば、緑藻類)も増殖しやすい環境(水温)にできると考えることもできる。つまり、図8は、対象位置(例えば、表層領域)の水温を低下させることで、藍藻類だけでなくアオコを形成しない藻類も増殖しやすい環境(水温)にできることを示唆している。
以上のように、同じ藻類であっても、増殖した場合にアオコを形成する藻類(主に藍藻類)と、アオコを形成しない藻類とがあると考えられることから、それぞれの藻類が増殖しやすい環境として、pHと水温とを想定した。この想定に基づいて、図1及び図3に示す比較試験を行うことでpHが9.0程度の環境でアオコを形成する藻類は増殖特性を示すが、アオコを形成しない藻類は増殖特性を示さないこと(図1を参照)、及び31〜32℃を上回る環境でアオコを形成する藻類は増殖特性を示すが、アオコを形成しない藻類は増殖特性を示さないこと(図3を参照)が示された。
更に、実際に増殖したアオコが浮上する時間帯に水域の環境(藍藻類密度、pH、水温、及び光透過率)を測定することで、対象位置(アオコが増殖しやすい位置)の例えばpHや水温を減少させることで、藍藻類だけでなくアオコを形成しない藻類も増殖しやすい環境(pHや水温)にできることを示唆する結果(図7及び図8を参照)が得られた。
従って、アオコを形成する藻類が独占的に増殖する環境を、アオコを形成する藻類とアオコを形成しない藍藻類(例えば、緑藻類)とが共存できるような環境にすることで、窒素、リン、微量金属類等の増殖に必要な栄養分をアオコに独占させることを防止し、アオコの独占的な増殖を抑制し、アオコの増殖を抑制できると考えられる。
次に、本発明の好ましい一実施形態に係るアオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法の構成について、図9を用いて具体的に説明する。図9は、本実施形態に係るアオコの増殖抑制システムの全体構成を示す模式図である。本実施形態においては、図9に示すように、アオコの増殖抑制システム1は、水域2と、対象位置3と、放出位置4と水質検出手段30と、マイクロバブル発生装置40と、マイクロバブル発生制御部50とを備える。
水域2は、本実施形態に係るアオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法が適用される領域である。アオコの増殖抑制システムにおいては、水域2は、水深とpHとの関係が取得されているアオコの増殖を抑制する対象となる水域である。また、アオコの増殖抑制方法においては、水域2は、pH取得工程により水深とpHとの関係が取得されているアオコの増殖を抑制する対象となる水域である。本実施形態においては、例えば図7に示すように、アオコの増殖を抑制する対象となる水域2で、アオコが水面に浮上した時間帯におけるpHと水深の関係が予め測定されている。
対象位置3は、アオコが増殖しやすい位置である。対象位置3の水深(対象水深d1)は、例えば1mである。本実施形態においては、図7に示すように対象位置3のpHは、予め10.0と取得されていて、対象位置3のpHはアオコを形成しない藻類が増殖可能なpHを上回ることが想定される。また、対象位置3の付近に水質検出手段30が設置される。
放出位置4は、マイクロバブルが放出される位置である。放出位置4は、設定水深d2(例えば6m)となる水深に設定される。アオコの増殖抑制システムにおいては、設定水深d2は、アオコが増殖するpHに基づいて設定された深さに設定される。また、アオコの増殖抑制方法においては、設定水深d2は、水深設定工程によりアオコが増殖するpHに基づいて設定された深さに設定される。本実施形態においては、図7に示すように放出位置4のpHは、予め8.0と取得されていて、放出位置4のpHはアオコが独占的に増殖するpHを下回ることが想定される。このように、アオコが独占的に増殖するpHに基づいて、アオコが独占的に増殖するpHよりも低いpHが取得された深さに放出位置4が設定される。また、放出位置4から水平方向に向けてマイクロバブルが放出されるように、マイクロバブル発生装置40が設置される。
水質検出センサ30は、水域2の水質を検出するセンサである。本実施形態においては、水質検出センサ30は、対象位置3付近に設置される。また、水質検出センサ30は、pH検出手段としてのpHセンサ31と、フィコシアニン濃度検出手段としてのフィコシアニン濃度センサ32と、を備える。水質検出センサ30は、マイクロバブル発生制御部50と電気的に接続される。水質検出センサ30で検出される水域の水質(pH、又はフィコシアニン濃度)は、検出信号としてマイクロバブル発生制御部50に送信される。
pHセンサ31は、水域2のpHを検出する。フィコシアニン濃度センサ32は、水域2のフィコシアニン濃度を検出する。なお、藍藻類は、フィコシアニンやフィコエリトリン等の特有の色素を持ち、これらはクロロフィルとは異なる蛍光を発することが知られている。そのため、フィコシアニン濃度センサ32は、水域2のフィコシアニン濃度を検出することで、アオコ(藍藻類)の密度を正確に検出できる。
マイクロバブル発生装置40は、放出位置4から、水平方向に向けてマイクロバブルを放出する装置である。アオコの増殖抑制システムにおいては、マイクロバブル発生装置40は、設定水深d2から水平方向に向けてマイクロバブルを放出する。
また、アオコの増殖抑制方法においては、マイクロバブル発生装置40は、マイクロバブル放出工程により設定水深d2から水平方向に向けてマイクロバブルを放出する。また、マイクロバブル発生装置40は、マイクロバブル発生制御部50と電気的に接続される。
以上説明したアオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法では、アオコが独占的に増殖するpHに基づいて設定された設定深さとしての設定水深から、水平方向に向けてマイクロバブルを放出することにより、対象位置(アオコの増殖しやすい位置)のpHを減少させて効率よくアオコの増殖を抑制できる。
対象位置のpHを減少させられる第1の理由は、対象位置以外の位置の流体と、対象位置の流体とを撹拌させることで、対象位置のpHを減少させられるからである。また、第2の理由は、外気を含むマイクロバブルを対象位置に供給することで、アオコ増殖により大きく偏ってしまった気体の溶け込み状態を大気との平衡状態に近づけ、対象位置のpHを減少させられるからである。対象位置のpHが減少すると、アオコを形成する藻類とアオコを形成しない藍藻類(例えば、緑藻類)とが共存できるようになり、アオコの増殖を効率よく抑制できるのである。
また、マイクロバブルは、粒子径が小さくなる程、水域で安定性が高くなる(崩壊しにくくなる)。また、粒子径の小さいマイクロバブルの流体内での上昇速度は、ストークスの式に従い低下する。そのため、粒子径が小さくなる程、マイクロバブルは、流体内を長期間かけて浮上するようになる。従って、水平方向に長距離にわたって拡散し、マイクロバブルの粒子一つあたりの流体を撹拌する効果は高くなる。マイクロバブルによる高い撹拌効果により、少ないポンプ動力でもアオコの増殖の抑制が実現されるのである。また、粒子径が小さくなる程、空気体積当たりの表面積が大きくなるため、気体の溶解効率(大気との平衡状態に近づける効果)が高まる。
本実施形態においては、マイクロバブルの平均粒子径は、0.2mm以下であることが好ましい。上記の範囲であれば、マイクロバブルの粒子一つあたりの流体を撹拌する効果がより一層高くなると考えられる。
また、本実施形態においては、マイクロバブルは、外気(二酸化炭素を含んだ水域2の外部の空気)を主成分としている。そのため、マイクロバブル発生装置40は、アオコを形成しない藻類が光合成できるように、二酸化炭素をマイクロバブルとして対象位置3に供給できる。
また、本実施形態においては、マイクロバブル発生装置40は、1mLあたり1,000〜10,000個のマイクロバブルを含む水を放出する。上記の範囲であれば、流体を撹拌する効果と、流体に外気を供給する効果とが十分に得られると考えられる。
また、本実施形態においては、マイクロバブル発生装置40として、4つのYJノズルと水中ポンプを備えたマイクロバブル発生装置が用いられる。4つのYJノズルは水平方向に、それぞれ90度の角度を隔てて向けられている。そのため、マイクロバブル発生装置40が運転されると、4つのYJノズルの先端を放出口とし、水平方向に4方に向けてマイクロバブルが放出される。また、マイクロバブル発生装置40は、ノズルにYJノズルを用いることにより強い対流を生じさせながらマイクロバブル(マイクロナノバブル)を放出する。水域2の内部で強い対流が生じることで、水域2の水が勢いよく撹拌される。
マイクロバブル発生装置40がマイクロバブルを放出すると、放出位置4(設定水深d2:6m)から水平方向に向けてマイクロバブルが放出されることにより、対象位置3(対象水深d1:1m)の流体をまきこむように水域2の水平方向に向けた対流が発生する(図3を参照)。これにより、対象位置3以外の領域の流体(例えば、放出位置4の水平方向に位置する流体)と対象位置3(水深d1:1m)の流体とが撹拌される。
つまり、設定水深d2からマイクロバブルが水平方向に放出されることで、対象位置3以外の領域の流体と対象位置3の流体とが撹拌され、対象位置3のpH(及び水温)が減少する。
なお、詳細は後述するが、放出位置4の水平方向に位置する流体と対象位置3の流体とが十分に撹拌されるために、放出位置4の水深d2と、対象位置3の水深d1との差が0〜6mの範囲となるように、放出位置4が設定されることが好ましい。
本実施形態においては、マイクロバブルは外気を主成分としている。そのため、マイクロバブル発生装置40がマイクロバブルを放出すると、マイクロバブルとして放出された外気は、対流によって対象位置3に供給される。すると、外気との接触により、対象位置3のpHは低下する。
つまり、設定水深d2から外気を含むマイクロバブルが設定水深d2の水とともに水平方向に放出されることで、外気を含むマイクロバブルが対象位置3に供給され、対象位置3のpH(及び水温)が減少する。
なお、水平方向に放出されたマイクロバブルは、流体内で浮力の影響を受けるため、時間の経過とともに浮上する。従って、効率よく放出位置4から外気を含むマイクロバブルを対象位置3に供給するために、放出位置4は、放出位置4の水深d2が、対象位置3の水深d1よりも深くなる位置に設定されることが好ましい。
マイクロバブル発生制御部50は、マイクロコンピュータ等により構成される。マイクロバブル発生制御部50は、設定時間帯制御部51と、pH制御部52と、フィコシアニン濃度制御部53とを備える。本実施形態においては、マイクロバブル発生制御部50は、後述するようにマイクロバブル発生装置40の作動の開始/停止(ON/OFF)を制御する。
アオコの増殖抑制システム1の制御に係る構成について説明する。アオコを形成する藻類には、昼間(アオコが浮上する時間帯)には水域2の表層に浮上し、夜間(アオコが沈降する時間帯)には水域2の中層(例えば、表層から4〜10mの位置)に沈降すると考えられる生態が確認されている。そのため、対象位置3付近にアオコが集積していない状態でマイクロバブル発生装置40を制御することは非効率的である。
従って、マイクロバブル発生制御部50は、対象位置3付近にアオコが集積された場合に、対象位置3のpHを減少させられるように、効率よくマイクロバブル発生装置40を制御する必要がある。本実施形態においては、マイクロバブル発生制御部50は以下に示すいずれかのマイクロバブル放出制御を適宜に選択することにより、マイクロバブル発生装置40の作動の開始/停止(ON/OFF)を制御する。
<1.設定時間帯制御>
<2.pH制御>
<3.フィコシアニン濃度制御>
マイクロバブル放出制御により、マイクロバブル発生制御部50は、対象位置3付近にアオコが集積された場合に、対象位置3のpHを減少させられるように、効率よくマイクロバブル発生装置40を制御できる。マイクロバブル放出制御の一例について以下に詳細を示す。
<1.設定時間帯制御>
前述のとおり、アオコを形成する藻類には、昼間(アオコが浮上する時間帯)には水域2の表層に浮上し、夜間(アオコが沈降する時間帯)には水域2の中層に沈降すると考えられる生態が確認されている。そして、アオコが対象位置3に集積する時間帯は、日照時間、気温、降雨量等の気象情報から予測できると考えられる。
設定時間帯制御において、設定時間帯制御部51は、例えば、インターネットやラジオ等から気象情報を取得する。設定時間帯制御部51は、取得した情報に基づいて、対象位置3に増殖したアオコが集積する時間帯を予測し、予測した時間帯に基づいて、マイクロバブルを放出、又は放出を停止する設定時間帯を設定する。マイクロバブル発生制御部50(設定時間帯制御部51)は、増殖したアオコが集積する設定時間帯に基づいて、マイクロバブルを放出、又は放出を停止するようにマイクロバブル発生装置40の作動の開始/停止(ON/OFF)を制御する。
例えば、対象位置3が水域2の表層に設定される場合には、設定時間帯制御部51によって予測されるアオコが浮上する(アオコが対象位置3に集積する)時間よりも所定時間(例えば、30分、好ましくは、1時間)以上前から、マイクロバブル発生制御部50(pH制御部52)は、マイクロバブル発生装置40の作動を開始(ON)するようにマイクロバブル発生装置40を制御する。これにより、アオコが対象位置3に集積すると予測される時間帯よりも早い時間帯からマイクロバブルが放出される。
そして、設定時間帯制御部51によって予測されるアオコが沈降する時間から所定時間(例えば、30分、好ましくは、1時間)以上経過後に、マイクロバブル発生制御部50(pH制御部52)は、マイクロバブル発生装置40の作動を停止(OFF)するようにマイクロバブル発生装置40を制御する。これにより、アオコが対象位置3に集積すると予測される時間帯よりも遅い時間帯までマイクロバブルが放出される。
<2.pH制御>
アオコが集積した領域付近にはpHが高く検出される(例えば、10程度)傾向が確認されている(図7参照)。反対に、アオコが集積していない領域付近にはpHが低く検出される(例えば、7程度)傾向が確認されている(図7参照)。従って、アオコが対象位置3に集積しているか否かは、水域2のpHを検出することにより把握できる。
pH制御において、pH制御部52は、pHセンサ31で検出されるpHを取得する。マイクロバブル発生制御部50(pH制御部52)は、pHセンサ31で検出されるpHに基づいて、マイクロバブルが放出されるようにマイクロバブル発生装置40の作動の開始/停止(ON/OFF)を制御する。
pHセンサ31で検出されるpHが所定値(例えば、9.5、好ましくは、10.0)を上回る場合には、マイクロバブル発生制御部50(pH制御部52)は、マイクロバブル発生装置40の作動を開始(ON)するようにマイクロバブル発生装置40を制御する。これにより、対象位置3のpHが所定の値を上回る状態でマイクロバブルの放出が開始される。
そして、pHセンサ31で検出されるpHが所定値(例えば、8.5、好ましくは、8.0)を下回った場合には、マイクロバブル発生制御部50(pH制御部52)は、マイクロバブル発生装置40の作動を停止(OFF)するようにマイクロバブル発生装置40を制御する。これにより、対象位置3のpHが所定の値に減少するまでマイクロバブルが放出される。
<3.フィコシアニン濃度制御>
アオコが集積した領域付近にはフィコシアニン濃度が高く検出される(図5参照)。反対に、アオコが集積していない領域付近にはフィコシアニン濃度が検出されない(図5参照)。従って、アオコが対象位置3に集積しているか否かは、水域2のフィコシアニン濃度を検出することにより把握できる。
フィコシアニン濃度制御において、フィコシアニン濃度制御部53は、フィコシアニン濃度センサ32で検出されるフィコシアニン濃度を取得する。マイクロバブル発生制御部50(フィコシアニン濃度制御部53)は、フィコシアニン濃度センサ32で検出されるフィコシアニン濃度に基づいて、マイクロバブルが放出されるようにマイクロバブル発生装置40の作動の開始/停止(ON/OFF)を制御する。
フィコシアニン濃度センサ32で検出されるフィコシアニン濃度が所定値(例えば、3000cells/mL、好ましくは、4000cells/mL)を上回る場合には、マイクロバブル発生制御部50(フィコシアニン濃度制御部53)は、マイクロバブル発生装置40の作動を開始(ON)するようにマイクロバブル発生装置40を制御する。これにより、対象位置3にアオコが増殖した状態でマイクロバブルの放出が開始される。
そして、フィコシアニン濃度センサ32で検出されるフィコシアニン濃度が所定値(例えば、2000cells/mL、好ましくは、1000cells/mL)を下回った場合には、マイクロバブル発生制御部50(フィコシアニン濃度制御部53)は、マイクロバブル発生装置40の作動を停止(OFF)するようにマイクロバブル発生装置40を制御する。これにより、対象位置3のフィコシアニン濃度が所定の値に減少するまでマイクロバブルが放出される。
図10〜図12を参照して、アオコの増殖抑制システム1により、水域2の水が撹拌されることを説明する。図10〜図12は、それぞれ本実施形態に係るアオコの増殖抑制システム1の仮想水域に対する1時間後、3時間後、及び5時間後のシミュレーション結果を示す図である。
シミュレーションの条件について説明する。解析ソフトウェアとして、市販の解析ソフトウェア(具体的には、Steam Ver.12(ソフトウェアクレイドル社製)16並列版等)を使用した。解析の条件として、仮想水域は、水面が300m×50m、深さが20mの立方体状に設定された。また、仮想水域の水温分布は、図8に示す水温と水深に基づいて設定された。また、マイクロバブルの粒子径は、0.2mmと設定された。また、マイクロバブルの1秒当たりの放出個数は、ポンプ自吸引空気量が190リットル/minであるという条件と、マイクロバブルの粒子径が0.2mm(設定値)という条件から算出することにより設定された。また、マイクロバブルの初速(粒子初速)は、ポンプ自吸引空気量が190リットル/minであるという条件と、マイクロバブル放出口の面積が8.04cmという条件から算出され、4m/sec(粒子初速が4m/secという条件は、4kWの水中ポンプ1台の粒子初速に相当する。)と設定された。放出位置4は、水深(設定水深d2)が6mとなる位置に設定された。マイクロバブルの消滅条件は、マイクロバブルが水面に達した場合に設定された。
図10〜図12に示すように、1時間、3時間、5時間と経過するにつれて、水域2の水温が均一になることが確認された。具体的には、3時間の運転を行うことにより、水域2のほぼ全面にわたり水面の水温の低下が確認された。また、5時間の運転を行うことにより、水域2の水温が均一になることが確認された。そのため、シミュレーションの条件においては、5時間程度マイクロバブル発生装置を運転すれば水域2の撹拌効果が十分に期待できる。また、pHに係る流体の撹拌についても図10〜図12と同等の効果が確認できると考えられる。
つまり、放出位置4の水深d2と、対象位置3の水深d1との差が0〜6mの範囲であれば、放出位置4の水平方向に位置する流体と対象位置3の流体とが十分に撹拌される効果が期待できると考えられる。
なお、本実施形態に係るマイクロバブル発生装置40は、水域2に対して4つの放出口(YJノズルの先端)によって4方にマイクロバブルを放出する。従って、本実施形態においては、シミュレーション結果と同等又はそれ以上の水域2の撹拌効果が期待できると考えられる。
以上説明したように構成された本実施形態によれば、次に記載する作用効果を奏する。
アオコの増殖抑制システム1は、水深とpHとの関係が取得されているアオコの増殖を抑制する対象となる水域2で、アオコが増殖するpHに基づいて設定された設定深さd2から水平方向に向けてマイクロバブルを放出するマイクロバブル発生装置40を備える。設定水深d2からマイクロバブルが水平方向に放出されることで、対象位置3以外の領域の流体と対象位置3の流体とが撹拌され、対象位置3のpH(及び水温)が減少する。これにより、効率よくアオコの増殖を抑制できる。
また、マイクロバブルは外気を主成分としている。設定水深d2から外気を含むマイクロバブルが水平方向に放出されることで、外気を含むマイクロバブルが対象位置3に供給され、対象位置3のpH(及び水温)が減少する。これにより、効率よくアオコの増殖を抑制できる。
また、マイクロバブルの主成分である外気は二酸化炭素を含む。そのため、マイクロバブル発生装置40は、アオコを形成しない藻類が光合成できるように、二酸化炭素をマイクロバブルとして対象位置3に供給できる。対象位置3に二酸化炭素が供給されることにより、藍藻類(アオコ)が独占的に増殖する環境を、アオコを形成しない藻類(重炭酸イオンを光合成に利用できない藻類)が増殖できる環境に近づけることができる。これにより、対象位置3に重炭酸イオンを光合成に利用できない藻類が増殖可能になり、アオコの増殖を抑制できる。
また、マイクロバブル発生装置40は、増殖したアオコが集積する設定時間帯に基づいて、マイクロバブルを放出、又は放出を停止する。これにより、設定時間帯(予測値)に基づいて、より効率よくアオコの増殖を防止できる。
また、アオコの増殖抑制システム1は、水域2のpHを検出するpHセンサ31と、pHセンサ31で検出されるpHに基づいて、マイクロバブル放出制御を行うpH制御部52とを更に備える。これにより、pH(測定値)に基づいて、効率よくアオコの増殖を防止できる。
また、アオコの増殖抑制システム1は、水域2のフィコシアニン濃度を検出するフィコシアニン濃度センサ32と、フィコシアニン濃度センサ32で検出されるフィコシアニン濃度に基づいて、マイクロバブル放出制御を行うフィコシアニン濃度制御部53とを更に備える。これにより、フィコシアニン濃度(測定値)に基づいて、効率よくアオコの増殖を防止できる。
また、アオコの増殖抑制方法は、アオコの増殖を抑制する対象となる水域2で水深とpHとの関係を取得するpH取得工程と、アオコが増殖するpHに基づいて設定された深さに設定水深d2を設定する水深設定工程と、設定水深d2から水平方向に向けてマイクロバブルを放出するマイクロバブル放出工程と、を含む。設定水深d2からマイクロバブルが水平方向に放出されることで、対象位置3以外の領域の流体と対象位置3の流体とが撹拌され、対象位置3のpH(及び水温)が減少する。これにより、効率よくアオコの増殖を抑制できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、水域2における水深とpHとの関係は、予め測定されたものではなくてもよい。具体的には、水深とpHとの関係は、pHセンサ等の検出器によってタイムリーに測定(取得)されてもよく、水域2の形状(水域2の規模、水域2の水深等)から予測(取得)されてもよい。
また、水質検出センサ30は、pH、フィコシアニン濃度以外の水域の環境(例えば、水温等)を検出してもよい。また、マイクロバブル発生装置40は、pH、フィコシアニン濃度以外の水域の環境(例えば、水温等)に基づいて、マイクロバブルを放出してもよい。
また、対象位置3は対象水深d1が1mとなる位置に、放出位置4は設定水深d2が6mとなる位置に、それぞれ設定される例について説明した。つまり、放出位置4が対象位置よりも深い位置に設定される例について説明したが、これに限定されない。例えば、放出位置4は、対象位置3のpHを減少させられる位置であれば、対象位置3よりも深くない位置(同等の深さの位置、又は浅い位置)に設定されてもよい。
また、アオコが増殖するpHに基づいて、アオコが増殖するpHよりも低いpHが取得された深さに放出位置4が設定される例について説明したが、これに限定されない。例えば、放出位置4は、対象位置3のpHを減少させられる位置であれば、対象位置3よりもpHが低くない位置(pHが同程度の位置、又はpHが高い位置)に設定されてもよい。
また、マイクロバブル発生装置40として、4つのYJノズルを備えたマイクロバブル発生装置が用いられる例について説明したが、これに限定されない。マイクロバブル発生装置40は、設定水深(設定深さ)から水平方向に向けてマイクロバブルを放出できる装置であればYJのノズルを備えていなくてもよく、ノズルの数も4つではなくてもよい。例えば、マイクロバブル発生装置40は、YJノズル以外のノズルを備えたいわゆるエジェクタ方式の装置であってもよい。
また、マイクロバブル発生制御部50が、マイクロバブル放出制御によってマイクロバブル発生装置40の作動の開始/停止(ON/OFF)を制御する例について説明したが、マイクロバブル発生制御部50が制御する対象は、マイクロバブル発生装置40の作動の開始/停止(ON/OFF)に限定されない。例えば、マイクロバブル発生制御部50は、マイクロバブル発生装置40が放出するマイクロバブルの1秒当たりの放出個数を制御してもよい。
また、マイクロバブル発生制御部50は、設定時間帯制御、pH制御、又はフィコシアニン濃度制御のいずれかのマイクロバブル放出制御を適宜に選択する例について説明したが、これに限定されない。例えば、マイクロバブル発生制御部50は、設定時間帯制御、pH制御、又はフィコシアニン濃度制御を適宜に組み合わせてもよい。具体的には、マイクロバブル発生制御部50(pH制御部52)は、設定時間帯に基づいて、マイクロバブル発生装置40の作動を開始(ON)し、水質検出センサ30(pHセンサ31又はフィコシアニン濃度センサ32)で検出される対象位置3の水質に基づいて、マイクロバブル発生装置40の作動を停止(OFF)するようにマイクロバブル放出制御を行ってもよい。
また、マイクロバブル発生制御部50は、設定時間帯制御、pH制御、又はフィコシアニン濃度制御以外の他の制御を行ってもよく、マイクロバブル発生制御部50は、設定時間帯制御、pH制御、フィコシアニン濃度制御又は他の制御を適宜に組み合わせてもよい。
1 アオコの増殖抑制システム
2 水域
3 対象位置
4 放出位置
31 pHセンサ
32 フィコシアニン濃度センサ
40 マイクロバブル発生装置
50 マイクロバブル発生制御部
52 pH制御部
53 フィコシアニン濃度制御部
d1 対象水深
d2 設定水深(設定深さ)

Claims (5)

  1. 水深とpHとの関係が取得されているアオコの増殖を抑制する対象となる水域で、アオコが増殖するpHに基づいて設定された設定深さから水平方向に向けてマイクロバブルを放出するマイクロバブル発生装置を備える、アオコの増殖抑制システム。
  2. 前記マイクロバブル発生装置は、増殖したアオコが集積する設定時間帯に基づいて、マイクロバブルを放出、又は放出を停止する、請求項1に記載のアオコの増殖抑制システム。
  3. 前記アオコの増殖を抑制する対象となる位置のpHを検出するpH検出手段と、
    前記pH検出手段で検出されるpHに基づいて、マイクロバブル放出制御を行うpH制御部と、を更に備える、請求項1又は2に記載のアオコの増殖抑制システム。
  4. 前記アオコの増殖を抑制する対象となる位置のフィコシアニン濃度を検出するフィコシアニン濃度検出手段と、
    前記フィコシアニン濃度検出手段で検出されるフィコシアニン濃度に基づいて、マイクロバブル放出制御を行うフィコシアニン濃度制御部と、を更に備える、請求項1〜3のいずれかに記載のアオコの増殖抑制システム。
  5. アオコの増殖を抑制する対象となる水域で水深とpHとの関係を取得するpH取得工程と、
    アオコが増殖するpHに基づいて設定された深さに設定深さを設定する水深設定工程と、
    前記設定深さから水平方向に向けてマイクロバブルを放出するマイクロバブル放出工程と、を含むアオコの増殖抑制方法。
JP2017015476A 2017-01-31 2017-01-31 アオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法 Active JP6797377B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017015476A JP6797377B2 (ja) 2017-01-31 2017-01-31 アオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017015476A JP6797377B2 (ja) 2017-01-31 2017-01-31 アオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018123538A true JP2018123538A (ja) 2018-08-09
JP6797377B2 JP6797377B2 (ja) 2020-12-09

Family

ID=63109437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017015476A Active JP6797377B2 (ja) 2017-01-31 2017-01-31 アオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6797377B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110414051A (zh) * 2019-06-27 2019-11-05 长江水资源保护科学研究所 一种抑制河流水华的生态需水核算方法
CN110683664A (zh) * 2019-09-26 2020-01-14 河海大学 一种用于河流修复的曝气系统

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63194721A (ja) * 1987-02-09 1988-08-11 Nakayama Kankyo Enji Kk 貯留水の撹拌装置
JPH05172728A (ja) * 1991-12-24 1993-07-09 Hitachi Ltd 水圏観察、監視及び浄化システム
JPH05301096A (ja) * 1991-06-11 1993-11-16 Kaiyo Kogyo Kk 間欠空気揚水装置における管理方法及び管理システム
JPH06296972A (ja) * 1993-04-15 1994-10-25 Tatsumi Eng Kk 閉鎖水域の浄化方法及び浄化設備
JP2001083094A (ja) * 1999-09-13 2001-03-30 Toshiba Corp 藻類濃度測定システム
JP3286813B2 (ja) * 1996-07-11 2002-05-27 社団法人マリノフォーラム二十一 閉鎖性水域の混合拡散による浄化方法および混合拡散装置
JP2007263893A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Chugoku Electric Power Co Inc:The プランクトン分布調査船
JP2015188822A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 国立研究開発法人産業技術総合研究所 ナノバブルを含む水の製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63194721A (ja) * 1987-02-09 1988-08-11 Nakayama Kankyo Enji Kk 貯留水の撹拌装置
JPH05301096A (ja) * 1991-06-11 1993-11-16 Kaiyo Kogyo Kk 間欠空気揚水装置における管理方法及び管理システム
JPH05172728A (ja) * 1991-12-24 1993-07-09 Hitachi Ltd 水圏観察、監視及び浄化システム
JPH06296972A (ja) * 1993-04-15 1994-10-25 Tatsumi Eng Kk 閉鎖水域の浄化方法及び浄化設備
JP3286813B2 (ja) * 1996-07-11 2002-05-27 社団法人マリノフォーラム二十一 閉鎖性水域の混合拡散による浄化方法および混合拡散装置
US6428711B1 (en) * 1996-07-11 2002-08-06 Tokyo Kyuei Co., Ltd Purification method by mixing/diffusion of closed water zone and mixing/diffusion apparatus
JP2001083094A (ja) * 1999-09-13 2001-03-30 Toshiba Corp 藻類濃度測定システム
JP2007263893A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Chugoku Electric Power Co Inc:The プランクトン分布調査船
JP2015188822A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 国立研究開発法人産業技術総合研究所 ナノバブルを含む水の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110414051A (zh) * 2019-06-27 2019-11-05 长江水资源保护科学研究所 一种抑制河流水华的生态需水核算方法
CN110414051B (zh) * 2019-06-27 2023-04-18 长江水资源保护科学研究所 一种抑制河流水华的生态需水核算方法
CN110683664A (zh) * 2019-09-26 2020-01-14 河海大学 一种用于河流修复的曝气系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP6797377B2 (ja) 2020-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6056919A (en) Method of sequestering carbon dioxide
US6200530B1 (en) Method of sequestering carbon dioxide with spiral fertilization
MX2011013710A (es) Sistemas, metodos y medios para generar circulacion de fluido en un estanque de cultivo de algas.
CN206955735U (zh) 一种浮式光伏生物曝气机
JP2018123538A (ja) アオコの増殖抑制システム及びアオコの増殖抑制方法
WO2018151282A1 (ja) 養殖システム及び水産生物の生産方法
JP2009195163A (ja) 藻類培養装置
KR20210121088A (ko) 근해 자유 부유식 거대 조류 양식을 위한 장치 및 방법
JP3957721B2 (ja) 魚類の養殖装置並びにその方法
Kumagai et al. Effect of cyanobacterial blooms on thermal stratification
CN105075925A (zh) 一种适用于海洋藻类和鱼类的礁体
CN112625891A (zh) 一种在宽广水域漂浮的大型光生物反应器
CN110963563A (zh) 一种菌床对流增氧设备
JP2006181565A (ja) 水浄化システム及び水流発生撹拌混合機
Asadollahzadeh et al. Efficient storage and utilization of CO2 in open raceway ponds for cultivation of microalgae
CN105174470A (zh) 一种种植载体和一种种植沉水植物的装置
ES2307510T3 (es) Procedimiento de secuestro de dioxido de carbono.
CN108077148A (zh) 高产量的贝类养殖装置
TW202038710A (zh) 藻類培養裝置以及藻類培養方法
CN208228001U (zh) 一种多功能的海藻养殖设备
CN112680331A (zh) 一种在大型水体中运行的光生物反应器
JP2005333910A (ja) カキ等の貝類の養殖方法
JP2008220204A (ja) 水産物水上養殖設備および水産物水上養殖方法
Sato et al. Ammonia-nitrogen uptake by seaweed for water quality control in intensive mariculture ponds
CN205170502U (zh) 一种种植载体和一种种植沉水植物的装置

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20170301

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6797377

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250