JP2018123024A - 自己平滑性モルタル - Google Patents

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Abstract

【課題】 例えば5℃といった低温施工環境下でも、床材等として施工しても施工作業終了から24時間以内に使用できるような、施工工期が短く、それでいて適度な施工作業時間が確保できる、性状的にも良好な自己平滑性モルタルを提供する。【解決手段】 ポルトランドセメント100質量部、ポリエーテル系減水剤50〜80質量%と残部ポリカルボン酸系減水剤からなる混合減水剤0.3〜0.9質量部、膨張材10〜15質量部、増粘剤0.2〜0.5質量部、硬化促進剤2.5〜4.5質量部および細骨材150〜200質量部を含有する自己平滑性モルタル。【選択図】 なし

Description

本発明は、セメント系の自己平滑性モルタルに関する。
セメントを結合成分とする高流動のモルタルは、例えば建築構造物の床版などに流し込むと水平な表面を容易に形成できるため、床材に使用されたり、建造物の基礎レベラーとして用いられることが多い。高流動状態のモルタルは、概して混練水が多く含まれる配合になるため、材料分離や乾燥過程でのひび割れが起こり易く、高い強度や内部性状均一性が得難くなる。この対策としてセルロース誘導体、デキストリン、多糖類などを有効成分とした増粘剤が配合されているが、粘性が上昇することから、混練抵抗の増大や流動性低下による施工作業性の悪化および混練時に巻き込んだ気泡が抜け難く表面痕となって残る虞があり、材料分離を十分抑制できる量の増粘剤の使用は容易ではなかった。特に、寒冷地や冬季の低温環境下での施工、例えば5℃程度の低温環境では粘性がかなり上昇するため施工作業性が悪化する他、セメントの水和反応活性が低下し、含有水分の気化も緩慢になることから施工後の硬化が遅くなり、施工の工期が長くかかる等の問題があった。
急硬性材料であるアルミナセメントが配合された自己平滑性モルタル(例えば、特許文献1参照。)では、低温環境下でも施工後の硬化遅れが少ない。しかも材料分離が進む前に凝結が終結するため、材料分離が抑えられ、初期強度も高いものが得やすく、施工の工期短縮策として利用されている。しかしながら、アルミナセメント使用のモルタルは、収縮が概して大きく、ひび割れの発生する可能性が高まる。それに加え、施工作業上必要な可使時間の確保が困難になる。可使時間確保の手段として、凝結遅延剤を併用する方法が知られている。(例えば、特許文献2参照。)この方法では、凝結遅延剤の配合量を増やすに連れ可使時間も延びるが、低温環境下では硬化の進展と初期強度発現性がかなり鈍化するため、工期短縮が難しく、例えば施工作業終了から概ね1日程度で使用できるような良好なモルタル床材は得難い。このため、アルミナセメントを始めとするカルシウムアルミネート系の急硬・速硬成分を使用せずに、低温施工環境下でも施工作業上必要な可使時間を確保できつつ工期短縮が行えるモルタルが望まれている。
特開2009−161360号公報 特開2011−195413号公報
本発明は、5℃程度の低温施工環境下でも、例えば床材等として施工したときに施工作業終了から24時間以内に使用できるような工期が短く、それでいて適度な施工作業時間を確保でき、材料分離やひび割れ発生も抑制されて性状的にも良好な、自己平滑性モルタルの提供を課題とする。
本発明者は、前記課題解決のため検討を行った結果、何れも特定量の、ポリエーテル系分散剤とポリカルボン酸系分散剤からなる混合分散剤と、膨張材と、硬化促進剤とを、少なくともセメントと細骨材を含有するモルタルに配合添加したものが、前記課題を総じて解決できる自己平滑性モルタルになったことから本発明を完成させた。
即ち、本発明は、次の(1)〜(5)で表される自己平滑性モルタルである。
(1)ポルトランドセメント100質量部、ポリエーテル系減水剤50〜80質量%と残部ポリカルボン酸系減水剤からなる混合減水剤0.3〜0.9質量部、膨張材10〜15質量部、増粘剤0.2〜0.5質量部、硬化促進剤2.5〜4.5質量部および細骨材150〜200質量部を含有する自己平滑性モルタル。
(2)ポリエーテル系減水剤がカルボキシル基を有することを特徴とする前記(1)の自己平滑性モルタル。
(3)さらに、アルカリ金属の硫酸塩を含有する前記(1)又は(2)の自己平滑性モルタル。
(4)さらに、消泡剤を含有する前記(1)〜(3)何れかの自己平滑性モルタル。
(5)床材に用いる前記(1)〜(4)何れかの自己平滑性モルタル。
本発明により、例えば5℃のような低温下で床材用に施工しても、施工作業に適した作業時間を確保できて、施工作業終了から24時間以内に使用を開始できるような、材料分離やひび割れの発生が抑制され性状的にも良好な、自己平滑性モルタルが得られる。
本発明の自己平滑性モルタルは、結合相形成成分としてポルトランドセメントを使用する。ポルトランドセメントの種類は特に限定されず、例えば、普通、早強、超早強、中庸熱、低熱、耐硫酸塩等の各種ポルトランドセメントの他、該ポルトランドセメントを含む高炉セメントやフライアッシュセメント等の混合セメントでも良い。また2種類以上のポルトランドセメントの併用も可能である。好ましくは、施工時のシマリが良好になることから、普通ポルトランドセメントと早強ポルトランドセメントを併用するのが良い。併用する場合の各ポルトランドセメントの混合割合は制限されないが、好ましくは、普通ポルトランドセメントと概ね等量の早強ポルトランドセメントを用いるのが適当である。
また、本発明の自己平滑性モルタルは、ポリエーテル系減水剤50〜80質量%と残部ポリカルボン酸系減水剤からなる混合減水剤を含有する。かかる減水剤は、モルタル・コンクリート用の、分散剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤又は流動化剤と称されているものでも良い。前記混合減水剤を使用することで、両者の分散作用特性の違いから、注水直後の混練段階のモルタル分散性と例えば流し込み施工時点のモルタル分散性を共に確保できるため、可使時間中を通して安定した分散状態を維持できるため、材料分離が生じ難く、自己平滑化に適した流動性が保たれる。混合減水剤中のポリエーテル系減水剤の含有質量割合が、50%未満では急硬性や初期強度発現性が低めになるので好ましくなく、また80%を越えると注水混練終了時から早々と材料分離が生じる虞があるので好ましくない。また、ポリエーテル系減水剤やポリカルボン酸系減水剤は、特に限定されず、例えば市販品なら何れのものでも使用できる。好ましくは、ポリエーテル系減水剤については、カルボキシル基を有するポリエーテル系減水剤を使用することで、セメントへの吸着速度が速まり、注水から余り時間が経っていなくても、高い分散性が得られるので良い。本モルタル中の混合減水剤の含有量は、ボルトランドセメント含有量100質量部に対し、固形分換算で、0.3〜0.9質量部とする。好ましくは、固形分換算で、0.4〜0.8質量部とする。0.3質量部未満では含水割合を高めることなく施工に適した分散性や流動性を確保することが困難になるので好ましくなく、また0.9質量部を超えると凝結遅延や硬化不良を起こす虞れがあるので適当ではない。
また、本発明の自己平滑性モルタルは、膨張材を含有する。膨張材はモルタルやコンクリートに使用できるものなら特に限定されない。好ましくは、生石灰系やエトリンガイト系のような水和反応で体積膨張する膨張材を配合使用する。生石灰系の膨張材としては、例えば遊離生石灰を生成させたクリンカの粉砕物、石灰石の焼成粉砕物を有効成分とするもの等を挙げることができる。またエトリンガイト系の膨張材とは、水と反応してエトリンガイト相を生成するものなら限定されず、例えばカルシウムサルホアルミネートを有効成分とするものを挙げることができる。生石灰系とエトリンガイト系の膨張材を併用しても良い。膨張材により硬化〜乾燥期に渡る比較的規模の大きな収縮が抑制され、特に初期ひび割れの発生を防ぐことができる。本モルタル中の膨張材の含有量はポルトランドセメント含有量100質量部に対し、10〜15質量部とする。10質量部未満では硬化時の収縮を十分抑えられず、また15質量部を超えると過膨張による膨張亀裂の虞があるので好ましくない。
また、本発明の自己平滑性モルタルは、増粘剤を含有する。使用する増粘剤はモルタルやセメントで使用できる水溶性の増粘剤なら何れのものでも使用できる。好ましくは、20℃の粘性が1500〜35000mPa・sのセルロース誘導体を含有使用する。前記セルロース誘導体としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等が、20℃での粘性が1500〜35000mPa・sのものを容易に調整することができるので推奨される。前記粘性の増粘剤の含有により、適度な流動性を確保できつつ、性材料分離の抑止と、床などの施工後のモルタルの乾燥によるひび割れ、反りおよび表層剥離の抑止に寄与する。前記好適な増粘剤の20℃の粘性値が1500mPa・s未満ではかような作用効果が十分得らないことがあり、35000mPa・sを越えると流動性低下による自己平滑性の減退や施工作業性低下の虞がある。増粘剤の本モルタル中の含有量は、ポルトランドセメント含有量100質量部に対し、0.2〜0.5質量部(液状増粘剤のときは固形分換算量)とする。0.2質量部未満では材料分離やひび割れを十分抑えられないことがあって好ましくなく、また0.5質量部を超えると粘性が上昇し、所望の流動性が得られず、施工作業性が低下するので好ましくない。
また、本発明の自己平滑性モルタルは、硬化促進剤を含有する。硬化促進剤は、JIS A 6204「コンクリート用化学混和剤」の硬化促進剤(I種)の規定に適合するものを使用する。この規定に該当する市販品なら何れのものでも使用できる。このような硬化促進剤を含有することで、例えば5℃程度の低温環境でもモルタルの硬化が早く進み、早強化がなされるため、高い初期強度発現性が得られ、工期の短縮に大きく寄与する。硬化促進剤の本モルタル中への含有量は、ボルトランドセメント含有量100質量部に対し、2.5〜4.5質量部とする。含有量が2.5質量部未満では、硬化が十分促進され難いため、例えば床材として使用可能な強度に達するまで時間がかかり過ぎるので好ましくない。また含有量が4.5質量部を越えると、スラリーの固化速度が速くなり過ぎて、施工作業上必要な可使時間を確保できないため、好ましくない。
また、本発明の自己平滑性モルタルは、細骨材を含有する。使用する細骨材は、最大粒径5mm以下であってモルタルに使用できるものなら、材質を含め特に限定されない。具体的には、例えば、山砂、川砂、海砂等の天然砂、砕石粉、人工普通骨材を挙げることができるが、多孔質や発泡性骨材等の軽量骨材は、概して強度的に脆弱なため、例えば床材用モルタルへの使用には適当では無い。好ましくは、粒度範囲の異なる複数の種類の細骨材を使用すると、材料分離の抑制と収縮量の低減によるひび割れが発生の抑制が行い易くなるので推奨される。より好ましくは、複数種の細骨材の一つが、概ね粒径100μm未満の微細骨材から構成されているものであると、より緻密な組織が得られ、かつ平滑な床表面が得やすいので良い。この場合、他の少なくとも一種の細骨材は、粒径約0.5mm以上のもので構成され、前記微細骨材と同等以上の含有量であると、収縮がさらに抑制されてひび割れ抑制が向上するので、最も好ましい。細骨材の本モルタルへの含有量は、ボルトランドセメント含有量100質量部に対し、150〜200質量部とする。150質量部未満では、モルタルの収縮が大きくなり過ぎて収縮ひび割れが発生する虞があるので好ましくなく、200質量部を越えると強度が低下するので好ましくない。
また、本発明の自己平滑性モルタルは、さらに消泡剤を含有するのが好ましい。消泡剤は、モルタルやコンクリートに使用できるものなら、何れのものでも良く、例えば市販の消泡剤、脱泡剤、抑泡剤等が使用できる。消泡剤の含有により、内部残存気泡も無く、表面に気泡痕の無い美麗な床を形成し易くなる。消泡剤を含有する場合、他の性状に支障を及ぼさずに前記効能発現に必要な消泡剤の本モルタル中の含有量は、ボルトランドセメント含有量100質量部に対し、0.1〜0.3質量部が好ましい。
また、本発明の自己平滑性モルタルは、好ましくは、さらにアルカリ金属の硫酸塩を含有する。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムを挙げることができる。アルカリ金属の硫酸塩は一般に凝結促進作用を具備するが、本発明の自己平滑性モルタルでは、施工作業に必要な幾分長めの可使時間を確保させた上で、硬化を早めるのに有用である。アルカリ金属の硫酸塩を含有する場合、前記効能発現に必要なアルカリ金属の硫酸塩の本モルタル中の含有量は、ボルトランドセメント含有量100質量部に対し、0.4〜0.8質量部が好ましい。
また、本発明の自己平滑性モルタルは、本発明の効果を実質喪失させない範囲で、前記以外の成分を含有しても良い。このような成分として、乾燥収縮低減剤、白華防止剤、撥水剤、粘土鉱物、ポリマーセメント用ポリマー、顔料等を挙げることができるが、掲示例に限定されるものではない。
また、本発明の自己平滑性モルタルの混練の際に添加される混練水の量は、特に制限されるものではない。施工対象、施工環境及びモルタル配合等に応じて適宜定めれば良い。一例を挙げると、5℃で混練し、施工する場合、流し込み施工に適した良好な流動性と、良好な強度発現性を具備する上で、本発明の自己平滑性モルタルに含まれるセメントと細骨材の合計質量の25〜28%に相当する質量の水を混練水として使用するのが望ましい。
また、本発明の自己平滑性モルタルの製造方法は特に限定されない。一例を挙げれば、混練水以外の配合材料を混練器に投入し、好ましくは混合しながら混練水を加え、さらに量に応じて1〜2分程度混練すれば得ることができる。また、本モルタルは床版などの床面への流し込みによる施工に適したものであり、流し込み後は必要に応じて、トンボなどで施工物表面を均しても良い。
以下、実施例により本発明を具体的に詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。また、特記無い限り、以下の実施例は評価も含め、5(±0.5)℃の環境下で行った。
次に表す各材料を表1の配合となるよう、混練容器に投入し、次いで混合しながら水を加え、水添加後に約90秒間混練を行い、高流動のモルタルを作製した。
セメント;以下のC1又はC2を使用。
C1;普通ポルトランドセメント(市販品、ブレーン約3200cm2/g)
C2;普通ポルトランドセメント(市販品、ブレーン約3200cm2/g)50質量%と早強ポルトランドセメント(市販品、ブレーン約3300cm2/g)50質量%からなるポルトランドセメント
減水剤;以下のD1〜D6の何れかを使用
D1;カルボキシル基を有するポリエーテル系粉末状高性能減水剤(市販品)
D2;ポリカルボン酸系粉末状高性能減水剤(市販品)
D3;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物系粉末状高性能減水剤(市販品)
D4;前記D1を50質量%と前記D2を50質量%からなる混合減水剤
D5;前記D1を63質量%と前記D2を37質量%からなる混合減水剤
D6;前記D1を80質量%と前記D2を20質量%からなる混合減水剤
膨張材;以下のE1を使用。
E1;生石灰系膨張材(太平洋マテリアル社製市販品)
増粘剤;以下のV1を使用。
V1;20℃での粘性が約30000mPa・sのヒドロキシプロピルメチルセルロース系増粘剤(市販品)
硬化促進剤;以下のH1を使用。
H1;無機硝酸塩系硬化促進剤(市販品)
細骨材;次のS1又はS2を使用。
S1;珪砂5号26.4質量%、珪砂6号34.7質量%、炭酸カルシウム粒(75μm篩目通過率>98%)17.4質量%及び石灰石砕石(平均粒径0.4mm)21.5質量%からなる細骨材
S2;珪砂5号13.2質量%、珪砂6号42.7質量%、炭酸カルシウム粒(75μm篩目通過率>98%)25.4質量%及び石灰石砕石(平均粒径0.4mm)18.7質量%からなる細骨材。
S3;炭酸カルシウム粒(75μm篩目通過率>98%)30.0質量%及び石灰石砕石(平均粒径0.4mm)70.0質量%からなる細骨材。
アルカリ金属の硫酸塩;次のA1を使用
A1;硫酸ナトリウム(市販試薬)
消泡剤;次のA2を使用
A2;シリカ−ポリエーテル系抑泡剤(市販品)
Figure 2018123024
[モルタルの流動性評価]
作製したモルタルの流動性の評価として、日本建築学会規格JASS 15M−103のフロー試験方法に準じてフローを測定した。フロー測定は、混練終了直後(注水から約2分経過時点)のモルタルに対して行った。この結果を表2に表す。
[モルタルの材料分離に関する評価]
また、前記の作製したモルタルを、地面に水平に設置した内寸縦13cm、横8.5cm、高さ1.8cmのブラスチック製容器に、流動状態のモルタルを、高さ5mmとなるよう流し込んだ。このモルタルの材料分離に関する評価として、容器中に流し込んでから30分間放置した施工物表面に、ブリーディング水が発生しているか否かを目視で調べた。ブリーディング水の発生が見られなかったものを材料分離が「無」と判断し、それ以外の状況となったものを材料分離が「有」と判断した。結果を表2に表す。
[モルタルの水平性評価]
また、前記の流し込み施工から24時間経過後のモルタル施工物に対し、表面の4箇所の隅部付近と中央部の計5箇所を水準器(気泡管水準器)を置いて、水平面が形成されているかを調べた。5箇所全てが、不陸を生じることなく、水平になっていたものを、水平性が「良好」と判断し、1箇所でもそれ以外の状況になったものを、水平性が「不良」と判断した。結果を表2に表す。
[平滑性の評価]
次に、前記施工物の表面の平滑性を目視で調べた。表面にに気泡膨れ、ピンホール、しわ、成膜の浮きの何れも見られなかったものを表面平滑性「良好」と判断し、それ以外は「不良」と判断した。また、ひび割れの発生有無や施工物の剥離の有無も目視で確認した。尚、大規模なひび割れが発生し、破断したものは、表面平滑性および前記の水平性の評価は中止した。以上の結果を表2に表す。
Figure 2018123024
[可使時間の評価]
また、前記の如く作製した注水後のモルタルに対し、JIS A 1147に準じた方法でプロクター貫入試験を行った。プロクター貫入抵抗値が28N/mm2に達したモルタルの注水時からの経過時間(分)を終結時間とし、この終結までの時間をもって可使時間とした。尚、プロクター針は断面積0.125cm2の針を使用した。この結果を表3に表す。また、プロクター貫入抵抗値が3.5N/mm2以下の状態が注水から12時間以上続くモルタルは、凝結が実質起こらないものと見なし、「×」と表示した。
[強度発現性の評価]
また、前記の如く作製した注水後のモルタルを、作製後直ちに、内寸40×40×160mmの成形用型枠に充填した。これを空気中に9時間静置して脱型した。脱型物は、所定の材齢となるまで5℃(±0.5℃)恒温庫に入れて、それぞれ材齢24時間と材齢7日の供試体を得た。各供試体の一軸圧縮強度をアムスラー式圧縮強度試験機で測定した。この結果を表3に表す。尚、所定材齢で未硬化だったものは供試体作成不能のため強度測定を行えず、表中に「×」と記した。
Figure 2018123024
表2から、本発明による自己平滑性モルタルは、材料分離抵抗性を具備しつつ高い流動性もあるため、流し込み施工で水平面を容易に形成でき、その表面も良好な平滑面が得られることがわかる。また、このような施工性状の本発明による自己平滑性モルタルは、表3から十分な可使時間を確保できるものであるにもかかわらず、高い早期強度発現性も具備し、材齢1日で実用に耐えうる圧縮強度(床材の場合、概ね2.5N/mm2以上)に到達できることがわかる。

Claims (5)

  1. ポルトランドセメント100質量部、ポリエーテル系減水剤50〜80質量%と残部ポリカルボン酸系減水剤からなる混合減水剤0.3〜0.9質量部、膨張材10〜15質量部、増粘剤0.2〜0.5質量部、硬化促進剤2.5〜4.5質量部および細骨材150〜200質量部を含有する自己平滑性モルタル。
  2. ポリエーテル系減水剤がカルボキシル基を有することを特徴とする請求項1記載の自己平滑性モルタル。
  3. さらに、アルカリ金属の硫酸塩を含有する請求項1又は2記載の自己平滑性モルタル。
  4. さらに、消泡剤を含有する請求項1〜3何れか記載の自己平滑性モルタル。
  5. 床材に用いる請求項1〜4何れか記載の自己平滑性モルタル。
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