以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態(電源供給線に誘導素子を設けた例)
3.第3の実施の形態(電源供給線をアンテナに沿って配置した例)
4.第4の実施の形態(RF回路およびバッテリをアンテナに囲まれた空間に設けた例)
5.第5の実施の形態(RF回路およびバッテリの一方をアンテナに囲まれた空間に設けた例)
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る通信デバイスが用いられる通信システム(通信システム100)の一構成例を表すものである。この通信システム100は、人体や物品に取り付けられた通信装置から情報を取得し、この情報を管理するものである。通信システム100は、複数の通信装置101(この例では2つの通信装置101A,101B)と、複数のハブ装置102(この例では2つのハブ装置102A,102B)と、サーバ装置103とを備えている。
通信装置101は、ハブ装置102との間で無線通信を行うデバイスであり、人体や物品に取り付けることが可能な小型のものである。通信装置101は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)などの低消費電力を実現可能な通信規格を用いて、ハブ装置102との間で通信を行うようになっている。例えば、通信装置101は、複数の通信装置101を互いに識別するための、その通信装置101に固有の識別情報を記憶し、この識別情報をハブ装置102に送信してもよい。また、通信装置101は、例えば人体に取り付ける場合には、体温や脈拍などの生体情報を検出し、この生体情報をハブ装置102に送信してもよい。
ハブ装置102は、通信装置101との間で無線通信を行うものである。ハブ装置102は、通信装置101との間で、例えばBLEなど低消費電力を実現可能な通信規格を用いて通信を行うようになっている。また、ハブ装置102は、サーバ装置103との間では、例えば無線LAN(Local Area Network)を用いて通信を行う機能をも有している。なお、これに限定されるものではなく、ハブ装置102は、サーバ装置103との間で、例えば有線LANを用いて通信を行ってもよい。また、ハブ装置102は、通信装置101から送信された信号を受信する際、RSSI(Received Signal Strength Indication)を検出し、その検出結果をサーバ装置103に供給する機能をも有している。
サーバ装置103は、通信装置101から取得した情報を管理するものである。サーバ装置103は、ハブ装置102との間で、例えば無線LANを用いて通信を行うことにより、通信装置101から送信された情報を取得し、これらの情報を管理するようになっている。
この構成により、通信システム100では、例えば、通信装置101が定期的にビーコン信号を送信する。ハブ装置102は、このビーコン信号を受信し、このビーコン信号の受信結果およびRSSIの検出結果を、サーバ装置103に供給する。これにより、サーバ装置103は、例えば、通信装置101から生体情報などの各種情報を取得するとともに、通信装置101の位置を把握することができるようになっている。
図2は、通信装置101に適用される通信デバイス1の一構成例を表すものである。図3は、図2におけるY方向から見た通信デバイス1の正面図の一例を表すものである。通信デバイス1は、導体11〜13と、接続導体14,15と、基板16と、RF(Radio Frequency)回路17と、バッテリ18とを有している。
導体11〜13および接続導体14,15は、アンテナ10を構成するものである。この導体11〜13および接続導体14,15は、例えば、板金を加工することにより一体として構成することができる。
導体11,12は、XY面内に広がる板状の導体である。導体11,12は、X方向において並設されている。図3に示したように、導体11は、主面11Aと端部11Cとを有しており、導体12は、主面12Aと端部12Cとを有している。
導体11の主面11Aは、導体13に対向している。導体11の端部11Cは、所定の距離だけ離間して、導体12の端部12Cと対向している。すなわち、導体11および導体12は、X方向において端部11Cおよび端部12Cが互いに対向するように並設されている。これにより、端部11Cと端部12Cが対向する位置にギャップGが形成される。導体11は、この例では基板16に接しており、基板16に設けられたビアを介して、RF回路17の基準電位端子17B(後述)に接続されている。導体11は、X方向において導体11における端部11Cから所定の距離だけ離間した位置において、接続導体14に接続されている。
導体12の主面12Aは、導体13と対向している。導体12の端部12Cは、導体11の端部11Cと対向している。導体12は、この例では基板16に接しており、基板16に設けられたビアを介して、RF回路17のRF信号端子17C(後述)に接続されている。また、導体12は、基板16に設けられた別のビアを介して、バッテリ18の陰極端子18B(後述)に接続されている。導体12は、X方向において導体12における端部12Cから所定の距離だけ離間した位置において、接続導体15に接続されている。X方向において、導体12の端部12Cから接続導体15に接続された位置までの距離は、導体11の端部11Cから接続導体14に接続された位置までの距離とほぼ等しくなっている。
導体13は、XY面内に広がる板状の導体である。導体13は、主面13Aを有している。導体13の主面13Aは、導体11の主面11Aに対向するとともに、導体12の主面12Aに対向している。導体13のXY面における外形は、導体11,12のXY面内における合計領域の外形とほぼ同じである。導体13の長手方向(X方向)における一端は接続導体14に接続され、他端は接続導体15に接続されている。
接続導体14,15は、YZ面内に広がる板状の導体である。接続導体14は、導体11と導体13とを接続するものである。接続導体14は、X方向において導体11における端部11Cから所定の距離だけ離間した位置に接続されるとともに、導体13の一端に接続されている。接続導体15は、導体12と導体13とを接続するものである。接続導体15は、X方向において導体12における端部12Cから所定の距離だけ離間した位置に接続されるとともに、導体13の他端に接続されている。
この構成により、アンテナ10は、導体11から、接続導体14、導体13、接続導体15を経て導体12に至る、アルファベットの“C”のような形状を有している。通信デバイス1では、導体11の電位を基準として、導体12にRF信号が印加される。導体11の端部11Cから導体12の端部12Cに至るアンテナ10の全長(アンテナ長)は、アンテナ10の電気長がこのRF信号の波長λの半分(λ/2)と等しくなるように設計されている。
基板16は、RF回路17およびバッテリ18を実装する絶縁性の基板である。基板16の基板面16Aは、導体11および導体12に接している。また、基板16の基板面16Bには、X方向において導体11の端部11Cから見て導体11が設けられた側の領域(以下、導体11に対応する領域ともいう)にRF回路17が実装されるとともに、X方向において導体12の端部12Cから見て導体12が設けられた側の領域(以下、導体12に対応する領域ともいう)にバッテリ18が実装されている。「X方向において導体11の端部11Cから見て導体11が設けられた側の領域」は、例えば、Z方向(導体11の主面11Aに垂直な方向)から見た場合における、導体11の外形が示す領域を含む。同様に、「X方向において導体12の端部12Cから見て導体12が設けられた側の領域」は、例えば、Z方向(導体12の主面12Aに垂直な方向)から見た場合における、導体12の外形が示す領域を含む。
RF回路17は、RF信号を生成する回路であり、この例では、表面実装型のパッケージに封止されている。RF回路17は、基板16の基板面16Bにおける、導体11に対応する領域に実装されている。言い換えれば、RF回路17は、Z方向(導体11の主面11Aに垂直な方向)において、導体11から見て、導体13が設けられた側とは反対側に配置されている。RF回路17は、電源端子17Aと、基準電位端子17Bと、RF信号端子17Cとを有している。
電源端子17Aは、電源供給線PLを介してバッテリ18の陽極端子18A(後述)に接続されている。電源供給線PLは、この例では、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cをまたぐように配置され、RF回路17の電源端子17Aとバッテリ18とを、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cをまたいで接続している。すなわち、電源供給線PLは、接続導体14、および接続導体15に沿わないように配置されている。言い換えれば、電源供給線PLは、導体13よりも導体11および導体12に近い位置で、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cをまたぐようになっている。これにより、通信デバイス1では、RF回路17とバッテリ18とを短い距離で接続することができる。また、このように接続することにより、構成をシンプルにすることができ、その結果、通信デバイス1を製造しやすくすることができる。基準電位端子17Bは、基板16に設けられたビアを介して導体11に接続されている。すなわち、基準電位端子17Bは、アンテナ10を介してバッテリ18の陰極端子18B(後述)に接続されている。
RF信号端子17Cは、RF信号伝送線RFLを介して導体12に接続されている。RF信号伝送線RFLは、所定の特性インピーダンス(例えば50オーム)を有する伝送線路、および基板16に設けられたビアを用いて構成されている。このRF信号伝送線RFLは、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cをまたぐように配置され、RF回路17のRF信号端子17Cと導体12とを、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cをまたいで接続している。このRF回路17は、導体12に近い位置に実装することが望ましい。これにより、RF信号伝送線RFLの長さを短くすることができる。
バッテリ18は、RF回路17に対して電力を供給するものであり、例えばコイン電池を用いて構成される。バッテリ18は、基板16の基板面16Bにおける、導体12に対応する領域に実装されている。言い換えれば、バッテリ18は、Z方向(導体12の主面12Aに垂直な方向)において、導体12から見て、導体13が設けられた側とは反対側に配置されている。バッテリ18は、陽極端子18Aと、陰極端子18Bとを有している。陽極端子18Aは、電源供給線PLを介してRF回路17の電源端子17Aに接続されている。陰極端子18Bは、基板16に設けられたビアを介して導体12に接続されている。
図4は、通信デバイス1の一具体例に係る通信デバイス1Aの一例を表すものである。図5は、図4におけるY方向から見た通信デバイス1Aの正面図の一例を表すものである。この例では、両面にパターンを形成可能なプリント基板を用いて、導体11,12、電源供給線PL、およびRF信号伝送線RFLを構成している。通信デバイス1Aは、バッテリソケットBSを有している。バッテリソケットBSは、バッテリ18を固定するとともに、バッテリ18の陽極端子18Aと電源供給線PLとを接続するものである。バッテリソケットBSは、基板16の基板面16Bにおける、導体12に対応する領域に実装されている。
導体11は、導体111,112を含んでいる。図5に示したように、導体11の主面11Aは、導体111の主面であり、導体11の端部11Cは、導体111,112の端部である。導体111は、基板16の基板面16Aの、X方向において導体11の端部11Cから見て導体11が設けられた側の領域の全面に形成されている。導体112は、基板16の基板面16Bの、X方向において導体11の端部11Cから見て導体11が設けられた側の領域のうちの、RF回路17、RF信号伝送線RFL、および電源供給線PLが設けられた領域以外の領域に主に形成されている。導体111および導体112は、基板16に設けられたビアVを介して互いに接続されている。
導体12は、導体121,122を含んでいる。図5に示したように、導体12の主面12Aは、導体121の主面であり、導体12の端部12Cは、導体121,122の端部である。導体121は、基板16の基板面16Aの、X方向において導体12の端部12Cから見て導体12が設けられた側の領域の全面に形成されている。導体122は、基板16の基板面16Bの、X方向において導体12の端部12Cから見て導体12が設けられた側の領域のうちの、電源供給線PLが設けられた領域以外の領域に主に形成されている。導体121および導体122は、基板16に設けられたビアVを介して互いに接続されている。
RF回路17の電源端子17Aは電源供給線PLおよびバッテリソケットBSを介してバッテリ18の陽極端子18Aに接続され、基準電位端子17Bは導体112に接続され、RF信号端子17CはRF信号伝送線RFLを介して導体122に接続されている。バッテリ18の陽極端子18AはバッテリソケットBSおよび電源供給線PLを介してRF回路17の電源端子17Aに接続され、陰極端子18Bは導体122に接続されている。
電源供給線PLは、基板16の基板面16Bに導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cをまたぐように配置され、RF回路17の電源端子17AとバッテリソケットBSとを、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cをまたいで接続している。
RF信号伝送線RFLは、基板16の基板面16Bに導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cをまたぐように配置され、所定の特性インピーダンス(例えば50オーム)を有する伝送線路を用いて構成されている。このRF信号伝送線RFLは、RF回路17のRF信号端子17Cと導体122とを、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cをまたいで接続している。
接続導体14は、導体14Aと、導体14Bとを含んでいる。導体14Aは、YZ面内に広がる板状の導体である。導体14Bは、XY面内に広がる板状の導体であり、導体14Aを導体11の導体111に接続するものである。同様に、接続導体15は、導体15Aと、導体15Bとを含んでいる。導体15Aは、YZ面内に広がる板状の導体である。導体15Bは、XY面内に広がる板状の導体であり、導体15Aを導体12の導体121に接続するものである。
通信デバイス1Aでは、接続導体14,15および導体13は、例えば、板金を加工することにより一体として構成することができる。
図6Aは、基板面16Bに形成されたパターンの一例を表すものである。図6Bは、図6AにおけるI−I矢視方向の断面図を表すものであり、図6Cは、図6AにおけるII−II
矢視方向の断面図を表すものである。この例では、RF回路17の底面に、電源端子17A、基準電位端子17B、およびRF信号端子17Cが形成されている。また、基板16の基板面16Bにおける、RF回路17が実装される領域には、これらの3つの端子に対応するパターンが形成されている。RF回路17は、電源端子17A、基準電位端子17B、およびRF信号端子17Cがこれらのパターンにそれぞれ接続されるように実装される。これにより、RF回路17の電源端子17Aは電源供給線PLに接続され、基準電位端子17Bは導体11の導体112に接続され、RF信号端子17CはRF信号伝送線RFLに接続されるようになっている。
ここで、導体11は、本開示における「第1の導体」の一具体例に対応する。導体12は、本開示における「第2の導体」の一具体例に対応する。導体13は、本開示における「第3の導体」の一具体例に対応する。接続導体14は、本開示における「第1の接続導体」の一具体例に対応する。接続導体15は、本開示における「第2の接続導体」の一具体例に対応する。
[動作および作用]
次に、本実施の形態の通信システム100の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず最初に、図1〜3を参照して、通信システム100の動作を説明する。通信デバイス1のバッテリ18は、電源供給線PLを介して、RF回路17の電源端子17Aに電源電圧を供給する。RF回路17は、導体11の電位を基準として、RF信号伝送線RFLを介して、導体12にRF信号を印加する。これにより、アンテナ10は、電磁波を放射する。このようにして、例えば、通信デバイス1が定期的にビーコン信号を送信すると、ハブ装置102がこのビーコン信号を受信し、このビーコン信号の受信結果およびRSSIの検出結果を、サーバ装置103に供給する。これにより、サーバ装置103は、例えば、通信デバイス1から生体情報などの各種情報を取得するとともに、通信デバイス1の位置を把握する。
(詳細動作)
次に、通信デバイス1の動作について詳細に説明する。RF回路17は、導体11の電位を基準にして、導体12にRF信号を印加する。導体11の端部11Cから、接続導体14、導体13、接続導体15を経て導体12の端部12Cに至るアンテナ10の全長(アンテナ長)は、アンテナ10の電気長がこのRF信号の波長λの半分(λ/2)と等しくなるように設計されている。これにより、アンテナ10では、共振が生じる。
図7は、アンテナ10における、導体11の端部11Cから導体12の端部12Cに至る各位置での電界強度分布を模式的に表したものである。この図7において、左端が導体11の端部11Cにおける電界強度を示し、中央が導体13の中央付近における電界強度を示し、右端が導体12の端部12Cにおける電界強度を示す。アンテナ10で共振が生じると、この図7に示したように、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cが電界の腹に対応し、導体13の中央付近は電界の節に対応する。この振る舞いは、半波長ダイポールアンテナと同様である。このアンテナ10は、半波長ダイポールアンテナを折り曲げて、アルファベットの“C”のような形状にしたものである。通信デバイス1では、このような折れ曲がった形状により、半波長ダイポールアンテナとほぼ同じアンテナ長を実現しつつ、通信デバイス1の長手方向の長さを短くすることができ、通信デバイス1のサイズを小さくすることができる。
図8は、アンテナ10の周囲に生じる電気力線の一例を表すものである。図7に示したように、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cが電界の腹に対応する。すなわち、電界は、導体11の端部11C付近および導体12の端部12C付近において強くなる。また、導体11の端部11Cにおける電界の極性は、導体12の端部12Cにおける電界の極性と、互いに異なる。よって、図8に示したように、導体11の端部11Cと、導体12の端部12Cとの間に、多くの電気力線が集中して生じる。そして、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cから離れるに従い、図7に示したように電界強度が弱くなるので、電気力線の数も減少する。
このように、通信デバイス1では、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cが、互いに対向するようにしたので、電波を外部空間に放射しやすくすることができ、電波の放射効率を高めることができる。すなわち、例えば、逆L型アンテナのような構成では、電界の腹に対応する陽極側のアンテナ導体および陰極側の接地導体が、互いに平行になって対向する。よって、例えば、この逆L型アンテナを薄くしようとすると、いわゆる平行平板コンデンサのように電界が2つの導体の間の空間に集中してしまうので、電波を外部空間に放射しにくくなってしまう。一方、通信デバイス1では、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cが、互いに対向するようにした。言い換えれば、例えば、導体11の主面11Aおよび導体12の主面12Aが、互いに対向しないようにした。これにより、図8に示したように、アンテナ10を薄くした場合でも、電界が外部空間に形成されるため、電波の放射効率を高めることができる。
通信デバイス1は、人体の表面や、例えば液体が入った容器の表面などに貼り付ける場合には、図8に示したように、導体13が人体や容器の近くに位置し、導体11,12が人体や容器から遠くに位置するように貼り付けることが望ましい。すなわち、図7,8に示したように、通信デバイス1では、導体11,12の近傍は電界強度が強いため、電波は導体11,12の側の空間に放射されやすい。一方、導体13の近傍では電界強度が弱いため、電波は導体13の側の空間には放射されにくい。言い換えれば、この導体13はシールド導体として機能する。このように、電波は、導体13の側の空間には放射されにくいので、導体13が人体や容器の近くに位置し、導体11,12が人体や容器から遠くに位置するように通信デバイス1を貼り付けることにより、人体や液体に電波が放射されにくくなる。これにより、通信デバイス1では、電波が人体や液体により吸収されることによる損失が抑制されるので、電波の放射効率を高めることができる。
また、通信デバイス1では、図8に示したように、電気力線は、主に導体11と導体12との間に生じるので、電界のX方向の成分が大きい。すなわち、例えば、導体13が人体や容器の近くに位置し、導体11,12が人体や容器から遠くに位置するように通信デバイス1を貼り付ける場合には、電波は、人体の表面や容器の表面に対して平行な方向(X方向)に強く放射される。これにより、導体13の側の空間における、人体や容器よりもさらに遠くの空間に回りこむ電波の量を増やすことができる。このようにして、通信デバイス1は、様々な方向に電波を放射することができる。すなわち、例えば、逆L型アンテナのような構成において、接地導体が人体の近くに位置するようにした場合には、電波は人体の表面に対して垂直な方向に強く放射される。よって、この場合には、電波は、人体により吸収されてしまうため、人体よりもさらに遠くの空間おける電波の量が少なくなってしまう。一方、通信デバイス1では、電波は、人体の表面や容器の表面に対して平行な方向に強く放射されるので、人体よりもさらに遠くの空間に回りこむ電波の量を増やすことができる。よって、通信デバイス1は、様々な方向に電波を放射することができる。その結果、例えば、ハブ装置102が、通信デバイス1から送信された電波に基づいてRSSIの検出を行い、サーバ装置103がそのRSSIの検出結果に基づいて通信デバイス1の位置を検出する場合に、その位置の検出精度を高めることができる。
特に、通信デバイス1では、X方向において、アンテナ10の構成を略対称にした。具体的には、例えば、導体12における、端部12Cから接続導体15に接続された位置までの距離を、導体11における、端部11Cから接続導体14に接続された位置までの距離とほぼ等しくした。これにより、通信デバイス1では、図8に示したように、生成される電気力線を、X方向において略対称にすることができるので、対称性良く電波を放射することができる。
また、通信デバイス1では、X方向(導体11および導体12が並設された方向)において、導体11の端部11Cから見て導体11が設けられた側にRF回路17を配置するとともに、導体12の端部12Cから見て導体12が設けられた側にバッテリ18(バッテリソケットBS)を配置した。ここで、“バッテリ18(バッテリソケットBS)”は、図2に示した構成ではバッテリ18を示し、図4に示した構成ではバッテリ18およびバッテリソケットBSを示す。これにより、例えば、RF回路17やバッテリ18(バッテリソケットBS)を配置するためのスペースを別途設ける必要がないため、通信デバイス1のサイズを小さくすることができる。
以上のように、通信デバイス1では、電波の放射効率を高めつつ、小型にすることができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、導体11と、導体11の端部11Cと対向する端部12Cを有する導体12と、導体11の主面11Aおよび導体12の主面12Aに対向する主面13Aを有する導体13と、接続導体14と、接続導体15とを有するようにしたので、通信デバイスのサイズを小さくすることができる。
本実施の形態では、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cが互いに対向するようにしたので、電界が外部空間に形成されるため、電波の放射効率を高めることができる。特に、導体13が人体や容器の近くに位置し、導体11,12が人体や容器から遠くに位置するように通信デバイス1を貼り付けることにより、電波が人体や液体により吸収されることによる損失が抑制されるので、電波の放射効率を高めることができる。また、このように端部11Cおよび端部12Cが対向することにより、電波は、人体の表面や容器の表面に対して平行な方向に強く放射されるため、人体よりもさらに遠くの空間に回りこむ電波の量を増やすことができ、その結果、様々な方向に電波を放射することができる。
本実施の形態では、X方向(導体11および導体12が並設された方向)において、導体11の端部11Cから見て導体11が設けられた側にRF回路を配置するとともに、導体12の端部12Cから見て導体12が設けられた側にバッテリ(バッテリソケット)を配置したので、通信デバイスのサイズを小さくすることができる。
[変形例1−1]
上記実施の形態では、図2,4に示したように、RF回路17のRF信号端子17Cを、RF信号伝送線RFLを介して導体12に直接接続したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、図9に示す通信デバイス1Bのように、伝送線路RFLAおよび整合回路19を含むRF信号伝送線RFL1を介して導体12に接続してもよい。整合回路19は、導体11の端部11Cと導体12の端部12Cとが対向する位置(ギャップGの位置)において、伝送線路RFLAおよび導体122の間に挿設されている。整合回路19としては、例えば容量素子や、複数の容量素子を互いに直列または互いに並列に接続したものなどが挙げられる。
[変形例1−2]
上記実施の形態では、図2,3に示したように、バッテリ18の陽極端子18Aを、電源供給線PLを介してRF回路17の電源端子17Aに接続するとともに、陰極端子18Bを導体12に接続したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、バッテリ18の陰極端子18Bを、電源供給線PLを介してRF回路17の電源端子17Aに接続するとともに、陽極端子18Aを導体12に接続してもよい。この場合には、RF回路17は、例えば、負の電源電圧で動作する回路を用いることができる。
[変形例1−3]
上記実施の形態では、図2,3に示したように、RF回路17を、基板16の基板面16Bにおける、導体11に対応する領域に実装するとともに、RF回路17の基準電位端子17Bに接続されたビア(接続線)を導体11に接続したが、これに限定されるものではない。導体11、導体12、導体13、接続導体14および接続導体15は、互いに直流的には等電位であるので、これに代えて、例えば、基準電位端子17Bに接続された接続線を導体13に接続してもよいし、基準電位端子17Bに接続された接続線を導体12に接続してもよいし、基準電位端子17Bに接続された接続線を接続導体14に接続してもよいし、基準電位端子17Bに接続された接続線を接続導体15に接続してもよい。また、上記実施の形態では、図2,3に示したように、バッテリ18を、基板16の基板面16Bにおける、導体12に対応する領域に実装するとともに、バッテリ18の陰極端子18Bに接続されたビア(接続線)を導体12に接続し、上記変形例1−2では、バッテリ18の陽極端子18Aに接続されたビア(接続線)を導体12に接続したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、陰極端子18B(または陽極端子18A)に接続された接続線を導体13に接続してもよいし、陰極端子18B(または陽極端子18A)に接続された接続線を導体11に接続してもよいし、陰極端子18B(または陽極端子18A)に接続された接続線を接続導体14に接続してもよいし、陰極端子18B(または陽極端子18A)に接続された接続線を接続導体15に接続してもよい。つまり、陰極端子18B(または陽極端子18A)は、導体11、導体12、導体13、接続導体14および接続導体15のうちの1以上の導体を介して基準電位端子17Bに接続されていればよい。
[変形例1−4]
上記実施の形態では、基板16に、RF回路17およびバッテリ18を実装したが、これに限定されるものではなく、例えば、容量素子、誘導素子、抵抗素子、整合回路などの各種部品をさらに実装してもよい。具体的には、例えば、導体11と導体12との間に容量素子を挿入し、導体11と導体12との間のカップリングを調節してもよい。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る通信デバイス2について説明する。本実施の形態は、RF回路17の電源端子17Aと、バッテリ18の陽極端子18Aとの間の接続が、上記第1の実施の形態と異なるものである。なお、上記第1の実施の形態に係る通信デバイス(特に通信デバイス1B)と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図10は、通信デバイス2の一構成例を表すものである。図11は、図10におけるY方向から見た通信デバイス2の正面図の一例を表すものである。図12は、基板面16Bに形成されたパターンの一例を表すものである。通信デバイス2は、RF回路17と、バッテリ18と、容量素子22,23とを有している。
RF回路17の電源端子17Aは、電源供給線PL2を介してバッテリ18の陽極端子18Aに接続されている。電源供給線PL2は、パターン配線PLA2と、誘導素子21とを含んでいる。
パターン配線PLA2は、パターン配線PLA21,PLA22を含んでいる。パターン配線PLA21は、基板16の基板面16Bにおける、導体11に対応する領域に形成されており、RF回路17の電源端子17Aに接続されている。パターン配線PLA22は、基板16の基板面16Bにおける、導体12に対応する領域に形成されており、バッテリソケットBSに接続されるとともに、このバッテリソケットBSを介してバッテリ18の陽極端子18Aに接続されている。すなわち、パターン配線PLA2は、導体11の端部11Cと導体12の端部12Cとが対向する位置(ギャップGの位置)で途切れており、パターン配線PLA2のうちのRF回路17に接続された部分がパターン配線PLA21であり、バッテリソケットBSに接続された部分がパターン配線PLA22である。ここで、パターン配線PLA21は、本開示における「第1の電源線」の一具体例に対応し、パターン配線PLA22は、本開示における「第2の電源線」の一具体例に対応する。
誘導素子21は、導体11の端部11Cと導体12の端部12Cとが対向する位置(ギャップGの位置)において、パターン配線PLA21とパターン配線PLA22との間に挿設されたものである。これにより、パターン配線PLA21、誘導素子21、およびパターン配線PLA22は、この順に直列に接続される。その結果、RF回路17の電源端子17A、およびバッテリソケットBSは、この誘導素子21を介して接続されるようになっている。
図13A〜13Dは、誘導素子21およびパターン配線PLA21,PLA22の配置の具体例を表すものである。図13A〜13Dは、図10におけるZ方向から見た図であり、誘導素子21およびその周辺を描いている。この図13A〜13Dでは、容量素子22,23の図示を省略している。誘導素子21が、導体11の端部11Cと導体12の端部12Cとが対向する位置において、パターン配線PLA21とパターン配線PLA22との間に挿設されている例は、例えば、このような図13A〜13Dに示した例を含む。図13Aに示した例では、誘導素子21は、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cの両方をまたいでいない。この例では、パターン配線PLA21が導体11の端部11Cをまたいでおり、パターン配線PLA22が導体12の端部12Cをまたいでいる。図13Bに示した例では、誘導素子21は、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cの両方をまたいでいる。この例では、パターン配線PLA21は導体11の端部11Cをまたいでおらず、パターン配線PLA22は導体12の端部12Cをまたいでいない。図13Cに示した例では、誘導素子21は、導体11の端部11Cをまたいでいるが、導体12の端部12Cをまたいでいない。この例では、パターン配線PLA21は導体11の端部11Cをまたいでおらず、パターン配線PLA22は導体12の端部12Cをまたいでいる。図13Dに示した例では、誘導素子21は、導体11の端部11Cをまたいでおらず、導体12の端部12Cをまたいでいる。この例では、パターン配線PLA21は導体11の端部11Cをまたいでおり、パターン配線PLA22は導体12の端部12Cをまたいでいない。
容量素子22は、パターン配線PLA21と導体112との間に挿設されている。同様に、容量素子23は、パターン配線PLA22と、導体122との間に挿設されている。なお、この例では、2つの容量素子22,23を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、どちらか一方を設けてもよい。
このように、通信デバイス2では、電源供給線PL2に誘導素子21を設けるようにしたので、アンテナ10の帯域特性を向上させることができる。すなわち、例えば、上記第1の実施の形態に係る通信デバイス1A(図4)では、導体11および導体12が、電源供給線PLを介して互いに結合してしまうおそれがある。具体的には、電源供給線PLと導体112との間の寄生容量により電源供給線PLと導体11とが結合するとともに、電源供給線PLと導体122との間の寄生容量により電源供給線PLと導体12とが結合した場合には、導体11および導体12が電源供給線PLを介して互いに結合することが有り得る。この結合が強い場合には、本来はアンテナ10を経由して流れるべきRF電流が電源供給線PLを経由して流れてしまうため、例えばアンテナ10の帯域が減少するおそれがある。
一方、本実施の形態に係る通信デバイス2では、電源供給線PL2において、ギャップGの位置に誘導素子21を設けるようにした。これにより、パターン配線PLA21とパターン配線PLA22との間の、RF信号の周波数におけるインピーダンスを高くすることができるので、導体11および導体12が電源供給線PLを介して互いに結合するおそれを低減することができる。その結果、通信デバイス2では、アンテナ10の帯域特性を向上させることができる。
また、この誘導素子21の素子値(インダクタンス値)を適切に設定することにより、パターン配線PLA21と導体112との間の結合、パターン配線PLA22と導体122との間の結合、およびこの誘導素子21を、整合回路として機能させてもよい。このように、これらの結合および誘導素子21を整合回路として積極的に利用することにより、通信デバイス2のアンテナ特性を向上させることができる。
また、通信デバイス2では、パターン配線PLA21と導体112との間に容量素子22を挿設するとともに、パターン配線PLA22と導体122との間に容量素子23を挿設するようにしたので、電波の放射効率を高めることができる。具体的には、例えば、容量素子22により、パターン配線PLA21および導体112が互いに結合され、容量素子23により、パターン配線PLA22および導体122が互いに結合される。これにより、パターン配線PLA21と導体112との間の寄生容量、パターン配線PLA22と導体122との間の寄生容量、およびRF回路17やバッテリ18などの負荷に起因する損失の影響を受けにくくなるため、電波の放射効率が向上する。また、このように、パターン配線PLA21と導体112とを結合するとともに、パターン配線PLA22と導体122とを結合することにより、パターン配線PLA21,PLA22において意図しない共振が生じるおそれを低減することができる。
容量素子22は、パターン配線PLA21における誘導素子21に近い位置に設けることが望ましい。同様に、容量素子23は、パターン配線PLA22における誘導素子21に近い位置に設けることが望ましい。これにより、導体11から、容量素子22、誘導素子21、容量素子23、導体12に至る経路を短くすることができるため、パターン配線PLA21と導体112との間の寄生容量の影響や、パターン配線PLA22と導体122との間の寄生容量の影響を受けにくくすることができるため、電波の放射効率を高めることができる。
以上のように本実施の形態では、電源供給線に誘導素子を設けるようにしたので、導体11と導体12とが電源供給線を介して結合するおそれを低減することができるので、アンテナの帯域特性を向上させることができる。
本実施の形態では、パターン配線PLA21と導体112との間に容量素子を挿設するとともに、パターン配線PLA22と導体122との間に容量素子を挿設するようにしたので、電波の放射効率を向上することができる。
その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態に係る通信デバイス3について説明する。本実施の形態は、電源供給線を形成する場所が、上記第1の実施の形態と異なるものである。なお、上記第1の実施の形態に係る通信デバイス(特に通信デバイス1,1A)と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図14は、通信デバイス3の一構成例を表すものである。図15は、図14におけるY方向から見た通信デバイス3の正面図の一例を表すものである。通信デバイス3は、RF回路17と、バッテリ18とを有している。RF回路17の電源端子17Aは、電源供給線PL3を介してバッテリ18の陽極端子18Aに接続されている。この電源供給線PL3は、この例では、アンテナ10の外側において、接続導体14、導体13、および接続導体15に沿うように配置されている。すなわち、上記第1の実施の形態に係る通信デバイス1,1A(図2,4)では、RF回路17の電源端子17Aとバッテリ18とを、導体11の端部11Cおよび導体12の端部12Cをまたぐように配置された電源供給線PLを介して接続したが、本実施の形態に係る通信デバイス3では、アンテナ10に沿うように配置された電源供給線PL3を介して接続している。
図16,17は、通信デバイス3の一具体例に係る通信デバイス3Aの一構成例を表すものであり、図16は、Y方向から見た通信デバイス3Aの正面図を示し、図17は、Z方向から見た通信デバイス3Aの平面図を示す。
導体11は、導体111,113を含んでいる。図16に示したように、導体11の主面11Aは、導体111の主面であり、導体11の端部11Cは、導体111,113の端部である。導体113は、基板16の基板面16Bの、X方向において導体11の端部11Cから見て導体11が設けられた側の領域のうちの、RF回路17、RF信号伝送線RFL、電源供給線PLの一部のパターン配線PLA31(後述)が設けられた領域以外の領域に主に形成されている。導体111および導体113は、基板16に設けられたビアVを介して互いに接続されている。
導体12は、導体121,123を含んでいる。図16に示したように、導体12の主面12Aは、導体121の主面であり、導体12の端部12Cは、導体121,123の端部である。導体123は、基板16の基板面16Bの、X方向において導体12の端部12Cから見て導体12が設けられた側の領域のうちの、電源供給線PLの一部のパターン配線PLA32(後述)が設けられた領域以外の領域に主に形成されている。導体121および導体123は、基板16に設けられたビアVを介して互いに接続されている。
RF回路17の電源端子17Aは、電源供給線PL3およびバッテリソケットBSを介してバッテリ18の陽極端子18Aに接続されている。この例では、バッテリソケットBSは、X方向において、バッテリ18から見て、端部12Cが設けられた側とは反対側に配置されている。電源供給線PL3は、パターン配線PLA31と、配線PLB3と、パターン配線PLA32とを含んでいる。パターン配線PLA31は、基板16の基板面16Bにおける、導体11に対応する領域に形成されており、一端はRF回路17の電源端子17Aに接続されており、他端は配線PLB3の一端に接続されている。パターン配線PLA32は、基板16の基板面16Bにおける、導体12に対応する領域に形成されており、一端はバッテリソケットBSに接続されており、他端は配線PLB3の他端に接続されている。配線PLB3は、この例では、接続導体14、導体13、および接続導体15に沿うように配置されている。配線PLB3の一端はパターン配線PLA31の他端に接続され、他端はパターン配線PLA32の他端に接続されている。すなわち、パターン配線PLA31、配線PLB3、およびパターン配線PLA32は、この順に直列に接続されている。
このように、通信デバイス3では、接続導体14、導体13、および接続導体15に沿うように電源供給線PL3を配置した。これにより、電波の放射効率を高めることができる。すなわち、例えば、上記第1の実施の形態に係る通信デバイス1A(図4)では、上述したように、導体11および導体12が、電源供給線PLを介して結合してしまうおそれがある。この結合が強い場合には、本来は、アンテナ10を経由して流れるべきRF電流が電源供給線PLを経由して流れてしまうおそれがある。一方、本実施の形態に係る通信デバイス3では、アンテナ10に沿うように電源供給線PL3を形成したので、アンテナ10を経由して流れるべきRF電流が電源供給線PLを経由して流れてしまうおそれを低減することができる。その結果、通信デバイス3では、電波の放射効率を高めることができる。
以上のように本実施の形態では、接続導体14、導体13、および接続導体15に沿うように電源供給線を配置したので、アンテナを経由して流れるべきRF電流が電源供給線を経由して流れてしまうおそれを低減することができるので、電波の放射効率を高めることができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態に係る通信デバイス4について説明する。本実施の形態は、RF回路17およびバッテリ18を実装する場所が、上記第1の実施の形態と異なるものである。なお、上記第1の実施の形態に係る通信デバイス(特に通信デバイス1,1A)と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図18は、通信デバイス4の一構成例を表すものである。図19は、図18におけるY方向から見た通信デバイス4の正面図の一例を表すものである。図20はZ方向から見た通信デバイス4の平面図の一例を表すものである。通信デバイス4は、導体43と、基板46とを有している。導体11,12,43および接続導体14,15は、アンテナ40を構成している。
導体43は、XY面内に広がる板状の導体である。導体43は、主面43Aを有している。導体43の主面43Aは、導体11の主面11Aに対向するとともに、導体12の主面12Aに対向している。この例では、導体43のXY面における外形を、導体11,12のXY面内における合計領域の外形よりも大きくしている。具体的には、この例では、図20に示したように、導体43の外形は、X方向の両端において、導体11,12の合計領域の外形よりも、それぞれ距離dだけ大きく、Y方向の両端において、導体11,12の合計領域の外形よりも、それぞれ距離dだけ大きくしている。なお、この4つの距離dのうちの一部またはすべてが異なっていてもよい。この場合でも、導体11の端部11Cから、接続導体14、導体43、および接続導体15を経由して導体12の端部12Cに至るアンテナ40の全長(アンテナ長)は、アンテナ40の電気長がこのRF信号の波長λの半分(λ/2)と等しくなるように設計されている。ここで、導体43は、本開示における「第3の導体」の一具体例に対応する。
基板46は、RF回路17およびバッテリ18を実装する絶縁性の基板である。基板46の基板面46Aには、導体11に対応する領域にRF回路17が実装されるとともに、導体12に対応する領域にバッテリ18が実装される。基板46の基板面46Bは、導体11および導体12に接している。
RF回路17は、基板46の基板面46Aにおける、導体11に対応する領域に実装されている。すなわち、上記第1の実施の形態に係る通信デバイス1,1A(図2,4)では、RF回路17を、Z方向において、導体11から見て、導体13が設けられた側とは反対側に配置したが、本実施の形態に係る通信デバイス4では、RF回路17を、Z方向において、導体11から見て、導体43が設けられた側に配置している。言い換えれば、通信デバイス4では、RF回路17を、アンテナ40によって囲まれた空間に配置している。RF回路17の電源端子17Aは電源供給線PLを介してバッテリ18の陽極端子18Aに接続され、基準電位端子17Bは基板46に設けられたビアを介して導体11に接続され、RF信号端子17Cは、伝送線路および基板46に設けられた別のビアを含むRF信号伝送線RFLを介して導体12に接続されている。
バッテリ18は、基板46の基板面46Aにおける、導体12に対応する領域に実装されている。すなわち、通信デバイス4では、バッテリ18を、Z方向において、導体12から見て、導体43が設けられた側に配置している。言い換えれば、通信デバイス4では、バッテリ18を、アンテナ40によって囲まれた空間に配置している。バッテリ18の陽極端子18Aは電源供給線PLを介してRF回路17の電源端子17Aに接続され、陰極端子18Bは、基板46に設けられたビアを介して導体12に接続されている。
図21は、通信デバイス4の一具体例に係る通信デバイス4Aの一構成例を表すものであり、Y方向から見た通信デバイス4Aの正面図の一例である。導体11は、導体111,112を含んでいる。図21に示したように、導体11の主面11Aは、導体112の主面である。導体12は、導体121,123を含んでいる。図21に示したように、導体12の主面12Aは、導体122の主面である。すなわち、通信デバイス4Aでは、上記第1の実施の形態に係る通信デバイス1A(図5)における、RF回路17、バッテリ18、およびバッテリソケットBSが実装された基板16を、Z方向において反転している。基板面16Bに形成されたパターンは、通信デバイス1Aにおけるパターン(図6A)と同様である。接続導体14の導体14Aは導体43に接続され、導体14Bは導体11の導体112に接続されている。同様に、接続導体15の導体15Aは導体43に接続され、導体15Bは導体12の導体122に接続されている。この例でも、導体43のXY面における外形を、導体11,12のXY面内における合計領域の外形よりも大きくしている。
このように、通信デバイス4では、RF回路17を、Z方向(導体11の主面11Aに垂直な方向)において、導体11から見て、導体43が設けられた側に配置するとともに、バッテリ18を、Z方向(導体12の主面12Aに垂直な方向)において、導体12から見て、導体43が設けられた側に配置した。言い換えれば、RF回路17およびバッテリ18を、アンテナ40によって囲まれた空間に配置した。特に、RF回路17およびバッテリ18は、通信デバイス4に実装される部品のうち、体積が大きい部品である。通信デバイス4では、このようにRF回路17およびバッテリ18を、アンテナ40によって囲まれた空間に配置したので、通信デバイス4のZ方向における高さを低くすることができ、通信デバイス4を薄くすることができる。
また、通信デバイス4では、Z方向(導体43の主面43Aに垂直な方向)から見た場合における、導体43のXY面における外形を、導体11,12のXY面内における合計領域の外形よりも大きくした。これにより、導体43がシールド導体として機能するため、電波が導体43の側の空間に放射しにくくすることができる。よって、通信デバイス4を人体の表面や液体が入った容器の表面に貼り付ける際、導体43が人体や容器の近くに位置し、導体11,12が人体や容器から遠くに位置するように貼り付ける場合には、電波が人体や液体により吸収されることによる損失が抑制されるので、アンテナ40の放射効率が低下するおそれを低減することができる。図20に示した距離dは、例えば、通信デバイス4のZ方向における高さと同程度またはそれ以上にすることが望ましい。
以上のように本実施の形態では、RF回路を、Z方向(導体11の主面11Aに垂直な方向)において、導体11から見て、導体43が設けられた側に配置するとともに、バッテリを、Z方向(導体12の主面12Aに垂直な方向)において、導体12から見て、導体43が設けられた側に配置したので、通信デバイスを薄くすることができる。
本実施の形態では、Z方向(導体43の主面43Aに垂直な方向)から見た場合における導体43の外形を、導体11,12の合計領域の外形よりも大きくしたので、電波が導体43の側の空間に放射しにくくすることができるため、電波の放射効率が低下するおそれを低減することができる。
その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
[変形例4−1]
上記実施の形態では、RF回路17およびバッテリ18を、アンテナ40によって囲まれた空間に配置するとともに、導体43のXY面における外形を、導体11,12のXY面内における合計領域の外形よりも大きくしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、第1の実施の形態に係る通信デバイス1(図2)と同様に、導体43のXY面における外形を、導体11,12のXY面内における合計領域の外形とほぼ同じにしてもよい。
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態に係る通信デバイス5について説明する。本実施の形態は、RF回路17およびバッテリ18(バッテリソケットBS)のうちの一方を実装する場所が、上記第1の実施の形態と異なるものである。なお、上記第1の実施の形態に係る通信デバイス(特に通信デバイス1B)と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図22は、通信デバイス5の一構成例を表すものである。図23は、図22におけるY方向から見た通信デバイス5の正面図の一例を表すものである。図24Aは、基板面16Bに形成されたパターンの一例を表すものである。図24Bは、図24AにおけるIII−III矢視方向の断面図を表すものである。通信デバイス5は、導体51,52と、RF回路17と、バッテリ18とを有している。導体51,52,13および接続導体14,15は、アンテナ50を構成している。
導体51は、上記第1の実施の形態の導体11に対応するものである。導体51は、導体511,512を含んでいる。図23に示したように、導体51の主面51Aは、導体511の主面であり、導体51の端部51Cは、導体511,512の端部である。導体511は、基板16の基板面16Aの、X方向において導体51の端部51Cから見て導体51が設けられた側の領域のうちの、電源供給線PL5の電源ビアPLV(後述)が形成された領域以外の領域に主に形成されている。導体512は、基板16の基板面16Bの、X方向において導体51の端部51Cから見て導体51が設けられた側の領域のうちの、RF回路17、RF信号伝送線RFLの伝送線路RFLA、および電源供給線PL5のパターン配線PLA5(後述)が設けられた領域以外の領域に主に形成されている。導体511および導体512は、基板16に設けられたビアVを介して互いに接続されている。
導体52は、導体521,522を含んでいる。図23に示したように、導体52の主面52Aは、導体521の主面であり、導体52の端部52Cは、導体521,522の端部である。導体521は、基板16の基板面16Aの、X方向において導体52の端部52Cから見て導体52が設けられた側の領域の全面に形成されている。導体522は、基板16の基板面16Bの、X方向において導体52の端部52Cから見て導体52が設けられた側の領域の全面に形成されている。導体521および導体522は、基板16に設けられたビアVを介して互いに接続されている。
RF回路17は、基板16の基板面16Bにおける、X方向において導体51の端部51Cから見て導体51が設けられた側の領域(以下、導体51に対応する領域ともいう)に実装されている。言い換えれば、RF回路17は、Z方向(導体51の主面51Aに垂直な方向)において、導体51から見て、導体13が設けられた側とは反対側に配置されている。RF回路17の電源端子17Aは電源供給線PL5およびバッテリソケットBSを介してバッテリ18の陽極端子18Aに接続され、基準電位端子17Bは導体512に接続され、RF信号端子17CはRF信号伝送線RFL1を介して導体522に接続されている。バッテリ18およびバッテリソケットBSは、基板16の基板面16Aにおける、導体51に対応する領域に実装されている。言い換えれば、バッテリ18およびバッテリソケットBSは、Z方向(導体51の主面51Aに垂直な方向)において、導体51から見て、導体13が設けられた側に配置されている。すなわち、この例では、バッテリ18およびバッテリソケットBSを、導体51から見て、RF回路17が配置された側とは反対側に配置している。バッテリ18の陽極端子18Aは、バッテリソケットBSおよび電源供給線PL5を介してRF回路17の電源端子17Aに接続され、陰極端子18Bは、導体511に接続されている。
電源供給線PL5は、パターン配線PLA5と、電源ビアPLVとを含んでいる。パターン配線PLA5は、RF回路17の電源端子17Aと電源ビアPLVとを接続している。電源ビアPLVは、基板16に設けられたビアであり、パターン配線PLA5とバッテリソケットBSとを接続している。
ここで、導体51は、本開示における「第1の導体」の一具体例に対応する。導体52は、本開示における「第2の導体」の一具体例に対応する。
以上のように構成しても、上記第1の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
[変形例5−1]
上記実施の形態では、図23に示したように、RF回路17を基板面16Bに実装するとともに、バッテリ18およびバッテリソケットBSを基板面16Aに実装したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、RF回路17を基板面16Aに実装するとともに、バッテリ18およびバッテリソケットBSを基板面16Bに実装してもよい。
[変形例5−2]
上記実施の形態では、図22,23に示したように、両面にパターンを形成可能なプリント基板を用いて、導体51,52、電源供給線PL5、およびRF信号伝送線RFLを構成したが、これに限定されるものではない。これに代えて、3層以上の多層基板を用いて、導体、電源供給線、およびRF信号伝送線RFLの伝送線路RFLAを構成してもよい。以下に、本変形例に係る通信デバイス6について詳細に説明する。
図25は、通信デバイス6の一構成例を表すものである。図26は、図25におけるY方向から見た通信デバイス6の正面図の一例を表すものである。図27Aは、基板面に形成されたパターンの一例を表すものである。図27Bは、図27AにおけるIV−IV矢視方
向の断面図を表すものである。通信デバイス6は、基板66と、導体61,62と、RF回路17と、バッテリ18とを有している。導体61,62,13および接続導体14,15は、アンテナ60を構成している。
基板66は、両面および内部に3層のパターンを形成可能なプリント基板である。
導体61は、上記第1の実施の形態の導体11に対応するものである。導体61は、導体611〜613を含んでいる。図26に示したように、導体61の主面61Aは、導体611の主面であり、導体61の端部61Cは、導体611,612の端部である。導体611は、基板66の基板面66Aの、X方向において導体61の端部61Cから見て導体61が設けられた側の領域のうちの、電源供給線PL6の電源ビアPLV(後述)が形成された領域以外の領域に主に形成されている。導体612は、基板66の基板面66Bの、X方向において導体61の端部61Cから見て導体61が設けられた側の領域のうちの、RF回路17、RF信号伝送線RFL1の伝送線路RFLA、および電源供給線PL6のパターン配線PLA6(後述)が設けられた領域以外の領域に主に形成されている。導体613は、基板66の内部の層の、X方向において導体61の端部61Cから見て導体61が設けられた側の領域のうちの、電源供給線PL6の電源ビアPLV(後述)が形成された領域以外の領域に主に形成されている。導体611および導体613は、ビアV1を介して互いに接続されており、導体612および導体613は、ビアV2を介して互いに接続されている。
導体62は、導体621,622を含んでいる。図26に示したように、導体62の主面62Aは、導体621の主面であり、導体62の端部62Cは、導体621,622の端部である。導体621は、基板66の基板面66Aの、X方向において導体62の端部62Cから見て導体62が設けられた側の領域の全面に形成されている。導体622は、基板66の基板面66Bの、X方向において導体62の端部62Cから見て導体62が設けられた側の領域の全面に形成されている。導体621および導体622は、基板66に設けられたビアVを介して互いに接続されている。
RF回路17は、基板66の基板面66Bにおける、X方向において導体61の端部61Cから見て導体61が設けられた側の領域(以下、導体61に対応する領域ともいう)に実装されている。具体的には、基板面66Bには、RF回路17の電源端子17A、基準電位端子17B、およびRF信号端子17Cに対応するパターンが形成されており、RF回路17は、電源端子17A、基準電位端子17B、およびRF信号端子17Cがこれらのパターンにそれぞれ接続されるように実装される。RF回路17の電源端子17Aは電源供給線PL6およびバッテリソケットBSを介してバッテリ18の陽極端子18Aに接続され、基準電位端子17Bは導体612に接続され、RF信号端子17CはRF信号伝送線RFL1を介して導体622に接続されている。バッテリ18およびバッテリソケットBSは、基板66の基板面66Aにおける、導体61に対応する領域に配置されている。バッテリ18の陽極端子18Aは、バッテリソケットBSおよび電源供給線PL6を介してRF回路17の電源端子17Aに接続され、陰極端子18Bは、導体611に接続されている。
電源供給線PL6は、パターン配線PLA6と、電源ビアPLVとを含んでいる。パターン配線PLA6は、RF回路17の電源端子17Aと電源ビアPLVとを接続している。電源ビアPLVは、基板66の基板面66Aと基板面66Bとの間と貫通するビアであり、パターン配線PLA6とバッテリソケットBSとを接続している。
ここで、導体61は、本開示における「第1の導体」の一具体例に対応する。導体62は、本開示における「第2の導体」の一具体例に対応する。
このように、通信デバイス6では、基板66を3層の多層基板を用いて構成し、基板66内に導体613を設けたので、アンテナ60の構成を略対称にすることができる。すなわち、例えば、上記実施の形態に係る通信デバイス5(図22,23)では、導体51の2つの導体511,512のうちの1つの導体511は、X方向において導体51の端部51Cから見て導体51が設けられた側の領域の全面に形成され、導体52の2つの導体521,522は、X方向において導体52の端部52Cから見て導体52が設けられた側の領域の全面に形成される。よって、通信デバイス5のアンテナ50では、対称性が低下してしまう。一方、本実施の形態に係る通信デバイス6(図25,26)では、導体61の3つの導体611〜613のうちの2つの導体611,613は、X方向において導体61の端部61Cから見て導体61が設けられた側の領域のほぼ全面に形成され、導体62の2つの導体621,622は、X方向において導体62の端部62Cから見て導体62が設けられた側の領域の全面に形成される。よって、通信デバイス6のアンテナ60では、対称性を高めることができる。その結果、通信デバイス6では、対称性良く電波を放射することができる。
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記の各実施の形態に係る技術を組み合わせてもよい。具体的には、例えば、第1の実施の形態、第2の実施の形態、および第3の実施の形態に係る通信デバイスにおける導体13のXY面における外形を、第4の実施の形態に係る導体43(例えば図18)のように、導体11,12のXY面内における合計領域の外形よりも大きくしてもよい。同様に、第5の実施の形態に係る通信デバイスにおける導体13のXY面における外形を、導体51,52のXY面内における合計領域の外形よりも大きくしてもよい。
また、例えば、図28,29に示す通信デバイス7のように、第3の実施の形態に係る技術と、第4の実施の形態に係る技術を組み合わせてもよい。図28は、Y方向から見た通信デバイス7の正面図を示し、図29は、基板面16Bに形成されたパターンの一例を示す。この通信デバイス7は、RF回路17、バッテリ18、およびバッテリソケットBSを、アンテナによって囲まれた空間に配置するとともに、電源供給線PL7を、接続導体14、導体13、および接続導体15に沿うように配置している。
導体11は、導体111,114を含んでいる。図28に示したように、導体11の主面11Aは、導体114の主面であり、導体11の端部11Cは、導体111,114の端部である。導体114は、基板16の基板面16Bの、X方向において導体11の端部11Cから見て導体11が設けられた側の領域のうちの、RF回路17、RF信号伝送線RFL、電源供給線PL7の一部のパターン配線PLA71(後述)が設けられた領域以外の領域に主に形成されている。導体111および導体114は、基板16に設けられたビアVを介して互いに接続されている。
導体12は、導体121,124を含んでいる。図28に示したように、導体12の主面12Aは、導体124の主面であり、導体12の端部12Cは、導体121,124の端部である。導体124は、基板16の基板面16Bの、X方向において導体12の端部12Cから見て導体12が設けられた側の領域のうちの、電源供給線PL7の一部のパターン配線PLA72(後述)が設けられた領域以外の領域に主に形成されている。導体121および導体124は、基板16に設けられたビアVを介して互いに接続されている。
RF回路17の電源端子17Aは、電源供給線PL7およびバッテリソケットBSを介してバッテリ18の陽極端子18Aに接続されている。電源供給線PL7は、パターン配線PLA71と、配線PLB7と、パターン配線PLA72とを含んでいる。パターン配線PLA71は、基板16の基板面16Bにおける、導体11に対応する領域に形成されており、一端はRF回路17の電源端子17Aに接続されており、他端は配線PLB7の一端に接続されている。パターン配線PLA72は、基板16の基板面16Bにおける、導体12に対応する領域に形成されており、一端はバッテリソケットBSに接続されており、他端は配線PLB7の他端に接続されている。配線PLB7は、この例では、アンテナの内側において、接続導体14、導体13、および接続導体15に沿うように配置されている。
また、例えば、上記の各実施の形態に係る通信デバイスを樹脂で覆ってもよい。図30は、本変形例に係る通信デバイス8の一構成例を表すものである。通信デバイス8は、第4の実施の形態に係る通信デバイス4(例えば図18,19)と同様に、RF回路17およびバッテリ18を、アンテナによって囲まれた空間に配置したものである。この通信デバイス8では、周囲を樹脂で覆うとともに、このアンテナによって囲まれた空間も樹脂で満たしている。
また、例えば、上記の各実施の形態に係る通信デバイスは、バッテリ18が永続的に固定されるように構成されてもよいし、バッテリ18が着脱できるように構成されてもよい。
また、上記の各実施の形態では、各通信デバイスを、ビーコン信号を送信する通信装置101に適用したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、各通信デバイスを、信号を受信する通信装置に適用してもよい。この場合、RF回路17は、例えば、アンテナからRF信号伝送線を介して供給されたRF信号に基づいて復調処理を行う機能を有するものを用いることができる。また、RF回路17は、信号を送信する機能および受信する機能の両方を有していてもよい。