JP2018120757A - グリップセンサ - Google Patents

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【課題】簡単な構成で誤検知の発生を抑えたグリップセンサを提供する。
【解決手段】グリップセンサ100は、ステアリングホイール200のリム210に取り付けられ、手との間の静電容量に応じた信号を出力する複数のセンサ111と、複数のセンサ111のうちの互い隣り合う少なくとも2つのセンサ111のそれぞれの信号に基づく計測値を積算することにより積算値を算出する計算部122と、算出された積算値と閾値Taとを比較することによって、リム210が把持されたか否かを判定する把持判定処理を行う判定部123とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば車両のステアリングホイールなどの把持を検出するグリップセンサに関する。
従来、ステアリングホイール上の手の位置を検出する方法およびそのステアリングホイールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、特許文献1のステアリングホイールを示す図である。
このステアリングホイール1001には、手の位置を検出するセンサ1007および1009が取り付けられている。センサ1007は、複数のセグメント1013に分割され、センサ1009は、複数のセグメント1015に分割されている。つまり、センサ1009の複数のセグメント1015は、ステアリングホイール1001の内側に、そのステアリングホイール1001の周方向に沿って取り付けられている。また、センサ1007の複数のセグメント1013は、ステアリングホイール1001の外側に、そのステアリングホイール1001の周方向に沿って取り付けられている。
このようなステアリングホイール1001は、手によるステアリングホイールの把持を検出するグリップセンサとして利用することができる。
特許第5009473号公報
しかし、このグリップセンサでは、ステアリングホイール1001が把持されている位置(以下、把持位置という)を精度よく検出することができるが、ステアリングホイール1001の構造が複雑である。つまり、把持位置の検出に対して高い精度が要求されていない場合にまで、センサ1007の多くのセグメント1013と、センサ1009の多くのセグメント1015とを配置すると、ステアリングホイール1001の構造が複雑になってしまう。
そのため、ステアリングホイールの周方向に沿ってそのステアリングホイールに取り付けられる複数のセンサを、把持位置の検出に必要な精度に応じた数だけ備えた構成のグリップセンサが考えられる。しかし、このような構成では、誤検知が発生してしまう可能性があるという課題がある。
例えば、ステアリングホイールが把持されたときに、手や指が互いに隣り合うセンサに跨って配置される場合がある。このような場合には、その互いに隣り合うセンサのそれぞれの出力値が小さいために、ステアリングホイールが把持されていないと判断してしまう、すなわち、誤検知が発生してしまうことがある。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、簡単な構成で誤検知の発生を抑えたグリップセンサを提供する。
本発明の一態様に係るグリップセンサは、取付対象物に取り付けられ、手との間の静電容量に応じた信号を出力する複数のセンサと、前記複数のセンサのうちの互い隣り合う少なくとも2つのセンサのそれぞれの前記信号に基づく計測値を積算することにより積算値を算出する計算部と、算出された前記積算値と第1の閾値とを比較することによって、前記取付対象物が把持されたか否かを判定する把持判定処理を行う判定部とを備える。具体的には、前記計算部は、前記複数のセンサのそれぞれの前記信号に基づく計測値を全て積算することによって、前記積算値を算出してもよい。例えば、取付対象物は車両のステアリングホイールである。
これにより、取付対象物において、1つのセンサが取り付けられている部位と、その隣のセンサが取り付けられている部位とに跨って手が配置された場合でも、それらのセンサの積算値と第1の閾値との比較によって、把持が判定される。したがって、1つのセンサの計測値が小さいために、把持されていないと誤って判定してしまうことを抑えることができる。また、把持位置の検出に対して高い精度が要求されていない場合には、取付対象物に多くのセンサが取り付けられていなくても、各センサの計測値を用いることによって、取付対象物のセンサが取り付けられている部位ごとに、手の位置を検出することができる。したがって、簡単な構成で誤検知の発生を抑えることができる。
また、前記計算部は、さらに、前記取付対象物において環状に配列されている前記複数のセンサのそれぞれで、当該センサの前記信号に基づく計測値と、前記複数のセンサのうちの、前記環状の周方向に当該センサと隣り合う他のセンサの前記信号に基づく計測値とを、加算することによって加算値を算出し、前記判定部は、さらに、前記把持判定処理の後に、前記取付対象物の何れの部位が把持されたかを判定する位置判定処理を行い、前記位置判定処理では、前記取付対象物において環状に配列されている前記複数のセンサのそれぞれで、(a)当該センサの前記信号に基づく計測値と第2の閾値とを比較することによって、前記取付対象物において当該センサが取り付けられている部位が把持されたか否かを判定し、(b)当該センサに対して算出された前記加算値と第3の閾値と比較することによって、前記取付対象物において当該センサが取り付けられている部位と、前記他のセンサが取り付けられている部位との境界が把持されたか否かを判定してもよい。
これにより、複数のセンサのそれぞれで、センサの計測値と第2の閾値との比較によって、そのセンサの部位が把持されたか否かが判定される。さらに、複数のセンサのそれぞれで、センサの計測値とその隣のセンサの計測値との加算値と、第3の閾値との比較によって、そのセンサの部位と隣のセンサの部位との境界が把持されたか否かが判定される。したがって、取付対象物に取り付けられるセンサの数が少なくても、取付対象物を把持する手の位置を高精度に検出することができる。
例えば、前記第3の閾値は、前記第2の閾値と等しくてもよい。
これにより、取付対象物においてセンサが取り付けられている部位での把持に対する感度と、取付対象物における2つの部位の境界での把持に対する感度とが同じである場合に、取付対象物を把持する手の位置を高精度に検出することができる。
または、前記第3の閾値は、前記第2の閾値よりも小さくてもよい。
これにより、取付対象物においてセンサが取り付けられている部位での把持に対する感度よりも、取付対象物における2つの部位の境界での把持に対する感度が低い場合に、取付対象物を把持する手の位置を高精度に検出することができる。
また、前記複数のセンサは、5つ以上のセンサであって、前記計算部は、前記5つ以上のセンサのそれぞれの前記信号によって示される出力値のうち、絶対値が最小の出力値を用いて、前記5つ以上のセンサのそれぞれの前記出力値を補正することによって、前記5つ以上のセンサのそれぞれの補正値を前記計測値として算出してもよい。
これにより、5つ以上のセンサが取付対象物に取り付けられているため、取付対象物における2つの部位の境界が左手によって把持され、さらに、他の2つの部位の境界が右手によって把持されても、取付対象物には、把持されておらず、かつ、センサが取り付けられている部位が残されている。この把持されていない部位のセンサは、キャリブレーション後の出力値の変化量(以下、出力変化量という)の絶対値が最小となる出力値を示す信号を出力すると想定できる。また、この出力変化量の絶対値が最小の出力値は、5つ以上のセンサの周囲温度などの環境の変動にも応じた値であって、5つ以上のセンサの信号に共通なノイズ成分を含んでいると考えられる。したがって、この出力変化量の絶対値が最小となる出力値を用いて、5つ以上のセンサのそれぞれの出力値が補正されることによって、把持のみに起因する値を計測値として取得することができる。つまり、S/Nを向上することができる。そして、この計測値に基づいて把持判定処理が行われることによって、誤検知の発生をより抑制することができる。または、その計測値に基づいて位置判定処理が行われることによって、取付対象物を把持する手の位置をより高精度に検出することができる。
また、前記5つ以上のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、前記取付対象物であるステアリングホイールのスポークに取り付けられ、残りのセンサは、前記ステアリングホイールのリムに取り付けられてもよい。
これにより、通常、スポークは把持されないため、センサが取り付けられている複数の部位のうち、把持されていない部位がステアリングホイールに残されている確率を向上することができる。その結果、各センサの出力値を補正するための、出力変化量の絶対値が最小の出力値を、適切に取得することができる。
また、前記判定部は、さらに、前記絶対値が最小の出力値と第4の閾値とを比較することによって、異常があるか否かを判定する異常判定処理を行ってもよい。
これにより、例えば、ステアリングホイールである取付対象物に人が覆いかぶさってしまうことによって、全てのセンサのそれぞれの出力値の絶対値が第4の閾値よりも大きくなった場合には、異常があると判定することができる。
また、前記判定部は、さらに、算出された前記積算値と第4の閾値とを比較することによって、異常があるか否かを判定する異常判定処理を行ってもよい。
これにより、例えば、ステアリングホイールである取付対象物に人が覆いかぶさってしまうことによって、全てのセンサの積算値が第4の閾値よりも大きくなった場合には、異常があると判定することができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明のグリップセンサは、簡単な構成で誤検知の発生を抑えることができる。
図1は、従来のステアリングホイールを示す図である。 図2は、実施の形態におけるグリップセンサが配置された車両の車室の一例を示す図である。 図3Aは、実施の形態におけるグリップセンサの一部の構成例を示す図である。 図3Bは、実施の形態におけるグリップセンサの一部の他の構成例を示す図である。 図4は、実施の形態におけるセンサが取り付けられたリムの断面の一例を示す図である。 図5は、実施の形態におけるステアリングホイールのセンサが取り付けられている部位を示す図である。 図6は、実施の形態におけるグリップセンサの構成例を示すブロック図である。 図7Aは、実施の形態における5つのセンサのそれぞれの出力値の変化の一例を示す図である。 図7Bは、実施の形態における5つのセンサのそれぞれの出力値の変化の一例を示す図である。 図7Cは、実施の形態における5つのセンサのそれぞれの出力値の変化の一例を示す図である。 図8は、実施の形態における4つのセンサのそれぞれの補正値の変化の一例を示す図である。 図9は、実施の形態における5つのセンサの積算値の変化の一例を示す図である。 図10は、実施の形態におけるグリップセンサの全体の処理動作を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態におけるグリップセンサの把持判定処理の詳細な一例を示すフローチャートである。 図12は、実施の形態におけるグリップセンサの把持判定処理の詳細な他の例を示すフローチャートである。 図13は、実施の形態におけるグリップセンサの位置判定処理の詳細な一例を示すフローチャートである。 図14は、実施の形態の変形例におけるグリップセンサの把持判定処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
図2は、本実施の形態におけるグリップセンサが配置された車両の車室の一例を示す図である。
車両1は、ステアリングホイール200、スピーカ301、および液晶ディスプレイ等の表示装置302を備えている。スピーカ301および表示装置302は例えば注意喚起装置として構成される。
ステアリングホイール200は、車両1を操舵するためのものである。ステアリングホイール200は、リング形状を有するリム210と、リム210の内周面に一体的に形成された略T字状のスポーク202と、スポーク202の中央部に配置されたホーンスイッチ(図示せず)を覆うホーンスイッチカバー203とを有している。
グリップセンサ100は、手によるステアリングホイール200の把持を検出する装置であって、図2に示すように、車両1のステアリングホイール200に備えられている。具体的には、グリップセンサ100は、ステアリングホイール200のリム210に埋設される複数のセンサからなるセンサ群110と、センサ群110からの信号に基づいて把持を検出する制御回路部120と、センサ群110と制御回路部120を電気的に接続するハーネス130とを備えている。制御回路部120は、例えばスポーク202に埋設されている。このようなグリップセンサ100は、ステアリングホイール200のリム210の把持を検出する。
センサ群110では、車両1の運転者がステアリングホイール200のリム210を把持しているか否かに応じて静電容量が変化する。制御回路部120は、そのセンサ群110の静電容量に応じた値を計測し、その値に基づいて、運転者の手によるリム210の把持を検出する。そして、制御回路部120は、車両1が運転されているにもかかわらず、把持を検出していない場合には、運転者への注意喚起を注意喚起装置に実行させる。例えば、注意喚起装置のスピーカ301は、警告音または音声によって、運転者に注意を喚起する。表示装置302は、運転者にステアリングホイール200をしっかり握るように促す注意喚起のメッセージを表示する。これにより、交通事故を減少させることができる。
図3Aは、本実施の形態におけるグリップセンサ100の一部の構成例を示す図である。
グリップセンサ100は、上述のように、センサ群110と、制御回路部120と、ハーネス130とを備える。センサ群110は、複数のセンサ111からなる。センサ111は、図3Aに示すように、基材112に保持されている。
基材112は、例えば不織布からなり長尺状に形成されている。なお、本実施の形態では、その基材112の長手方向をX軸方向と称し、基材112に平行な面においてX軸方向と垂直な方向をY軸方向と称す。また、Y軸方向における、基材112の一端側(図3Aの下端側)を負側と称し、他端側(図3Aの上端側)を正側と称す。同様に、X軸方向における、基材112の一端側(図3Aの左端側)を負側と称し、他端側(図3Aの右端側)を正側と称す。
センサ111は、金属線(例えば銅線)として、ジグザグ形状のパターンが形成されるように、基材112に縫い付けられている。また、センサ111の一端は開放され、他端は制御回路部120に電気的に接続されている。
センサ111は、基材112の長手方向に沿うようにその基材112に縫い付けられている。具体的には、センサ111では、X軸方向に沿う直線状の複数の線部のそれぞれが互いにY軸方向に略等間隔だけ離れるように配列され、その複数の線部のそれぞれは、互いに隣の線部と直列に接続されている。このような複数の線部の配列および接続によってジグザグ形状のパターンが形成されている。
なお、センサ111は、基材112に縫い付けられているが、熱圧着などによって基材112に固定されていてもよい。
図3Bは、本実施の形態におけるグリップセンサ100の一部の他の構成例を示す図である。
センサ111のパターンは、図3Aに示す例に限らず、どのようなパターンであってもよい。例えば、図3Bに示すように、センサ111における、Y軸方向に沿う直線状の複数の線部のそれぞれが、互いにX軸方向に略等間隔だけ離れるように配列され、その複数の線部のそれぞれが、互いに隣の線部に直列に接続されていてもよい。
図4は、センサ111が取り付けられたリム210の断面の一例を示す図である。
リム210は、金属製の円環状の芯である芯金210bと、その芯金210bを覆うウレタン樹脂などからなる樹脂層210aとを有する。
図3Bに示すようにセンサ111が縫い付けられた基材112は、そのセンサ111と反対側の面が樹脂層210a側に向くように、樹脂層210aに巻き付けられる。なお、このように巻き付けられた基材112におけるセンサ111側の面は、革、木材、または樹脂等からなる表層によって覆われる。
リム210に配置されるセンサ111は、芯金210bとの間に静電容量を形成する。この静電容量は比較的小さい。ここで、リム210においてセンサ111が配置されている部位が、運転者の手によって把持されると、センサ111とその手との間にも静電容量が形成される。したがって、制御回路部120は、その静電容量に応じてセンサ111から出力される信号から、手によるリム210の把持を検出することができる。
このように、本実施の形態におけるグリップセンサ100は、それぞれ取付対象物であるステアリングホイール200のリム210に取り付けられ、手との間の静電容量に応じた信号を出力する複数のセンサ111を備える。なお、図3A、図3Bおよび図4に示すセンサ111のパターンなどは一例であって、どのようなパターンであってもよい。
図5は、ステアリングホイール200におけるセンサ111が取り付けられている部位を示す図である。なお、図5では、ステアリングホイール200を簡略化して、リム210の外観のみを示す。
例えば、センサ群110は5つのセンサ111からなる。この場合、図5の(a)に示すように、ステアリングホイール200のリム210は、それぞれセンサ111が取り付けられる第1〜第5の部位211〜215からなる。舵角が0であるときのステアリングホイール200において、第1の部位211は左上側にあり、第2の部位212は左下側にあり、第3の部位213は右下側にあり、第4の部位214は右上側にあり、第5の部位215は上側にある。なお、ステアリングホイール200の舵角が0であるときには、車両1は直進する。
ここで、図5の(b)に示すように、運転者の左手が第1の部位211を把持し、右手が第4の部位214を把持する。このとき、第1の部位211に取り付けられているセンサ111は、運転者の左手による把持に応じた信号を出力し、第4の部位214に取り付けられているセンサ111は、運転者の右手による把持に応じた信号を出力する。
また、図5の(c)に示すように、運転者の左手が第1の部位211と第2の部位212との境界を把持し、運転者の右手が第3の部位213と第4の部位214との境界を把持する。すなわち、左手は、第1の部位211と第2の部位212とに跨り、右手は、第3の部位213と第4の部位214とに跨る。このとき、第1の部位211に取り付けられているセンサ111は、運転者の把持している左手の一部のみによって生じる静電容量に応じた信号を出力するため、その信号によって示される出力変化量の絶対値は、図5の(b)に示す場合の出力変化量の絶対値よりも小さい。第2の部位212、第3の部位213、および第4の部位214のそれぞれに取り付けられたセンサ111も、同様に、運転者の把持している手の一部のみによって生じる静電容量に応じた信号を出力するため、その信号によって示される出力変化量の絶対値は小さい。
本実施の形態における制御回路部120は、このように隣り合う部位の境界が把持された場合であっても、境界以外の部位が把持された場合と同様に、運転者の手によるリム210の把持を適切に検出する。
図6は、グリップセンサ100の構成例を示すブロック図である。
グリップセンサ100は、5つのセンサ111と、制御回路部120とを備える。制御回路部120は、信号処理部121と、計算部122と、判定部123とを備える。
信号処理部121は、5つのセンサ111から出力される信号のそれぞれが示す出力値に対して周期的に信号処理を行う。例えば、信号処理はキャリブレーションである。つまり、車両1のイグニッションスイッチがオンされると、信号処理部121は、そのときの5つのセンサ111の出力変化量を0に設定(すなわちキャリブレーション)する。また、信号処理部121は、センサ111ごとに、周期的にその出力値を取得し、複数の出力値からフィルタ処理を行う。出力変化量は手や指による把持やタッチによる出力値の変化分、および周囲温度などの環境の変化による出力値の変化分を示す。なお、この信号処理部121は、リム210が運転者によって把持されたときには、リム210の把持されている部位にあるセンサ111から正の出力変化量を取得する。つまり、本実施の形態において、出力変化量は正の値である。
計算部122は、5つのセンサ111のそれぞれの信号処理後の出力値を用いて計算を行い、その計算によって得られた値を判定部123に出力する。具体的には、計算部122は、5つのセンサ111のうちの互い隣り合う少なくとも2つのセンサ111のそれぞれの信号に基づく計測値を積算することにより積算値を算出する。より具体的には、5つのセンサ111の全ての信号に基づく計測値を積算することによって、積算値を算出する。そして、計算部122は、その積算値を判定部123に出力する。ここで、計測値は、出力値または出力変化量であってもよく、補正された出力値または補正された出力変化量(以下、補正値という)であってもよい。計測値が、補正値である場合、計算部122は、5つセンサ111のそれぞれの信号によって示される出力値のうち、出力変化量の絶対値が最小となる出力値を用いて、5つセンサ111のそれぞれの出力値を補正することによって、5つセンサ111のそれぞれの補正値を算出する。
また、計算部122は、取付対象物であるステアリングホイール200のリム210において環状に配列されている5つのセンサ111のそれぞれで、加算値を算出する。つまり、計算部122は、5つのセンサ111のそれぞれで、そのセンサ111の信号に基づく計測値と、環状の周方向の一方側にそのセンサ111と隣り合う他のセンサ111の信号に基づく計測値とを、加算することによって加算値を算出する。そして、計算部122は、その加算値を判定部123に出力する。
判定部123は、上述の積算値と第1の閾値とを比較することによって、取付対象物であるステアリングホイール200のリム210が把持されたか否かを判定する把持判定処理を行う。さらに、判定部123は、その把持判定処理の後に、取付対象物の何れの部位が把持されたかを判定する位置判定処理を行う。この位置判定処理では、判定部123は、取付対象物において環状に配列されている5つのセンサ111のそれぞれについて、2つの判定を行う。すなわち、1つ目の判定では、判定部123は、そのセンサ111の信号に基づく計測値と第2の閾値とを比較することによって、取付対象物においてそのセンサ111が取り付けられている部位が把持されたか否かを判定する。2つ目の判定では、判定部123は、そのセンサ111に対して算出された加算値と第3の閾値と比較することによって、取付対象物においてそのセンサ111が取り付けられている部位と、上述の他のセンサ111が取り付けられている部位との境界が把持されたか否かを判定する。
図7A、図7Bおよび図7Cは、5つのセンサ111のそれぞれの出力値の変化の一例を示す図である。ここで、5つのセンサ111のうち、リム210における第1の部位211に取り付けられているセンサ111を、センサ[1]と記載し、第2の部位212に取り付けられているセンサ111を、センサ[2]と記載する。同様に、リム210における第3の部位213、第4の部位214、および第5の部位215のそれぞれに取り付けられているセンサ111を、センサ[3]、センサ[4]、およびセンサ[5]と記載する。また、出力値は、上述の信号処理後の値である。
図7Aに示す例では、センサ[1]〜[5]のそれぞれの出力値が、例えば周囲温度などの環境の変化によって、時刻t1からゆっくりと上昇している。また、図7Bに示す例のように、センサ[1]〜[5]のそれぞれの出力値が、環境の変化によって、時刻t1から上昇して閾値を超えることがある。このような場合、各センサ111の出力値と閾値とを単純に比較するだけでは、運転者がリム210を把持していないにもかかわらず、周囲温度などの環境の変化によって、把持を誤って検出してしまうことがある。
図7Cに示す例では、上述と同様に、環境の変化によって、センサ[1]〜[5]のそれぞれの出力値が、時刻t1からゆっくりと上昇する。ここで、例えば図5の(c)に示すように、運転者が第1の部位211と第2の部位212との境界を一時的に把持するとともに、第3の部位213と第4の部位214との境界を一時的に把持する。このとき、センサ[1]〜[4]のそれぞれの出力値が、一時的に上昇する。しかし、運転者がリム210を把持していないときにも、センサ[1]〜[5]のそれぞれの出力値が上昇しているため、例えばセンサ[4]の出力値が閾値を超えてしまうことがある。このような場合にも、各センサ111の出力値と閾値とを単純に比較するだけでは、運転者がリム210を把持していないにもかかわらず、周囲温度などの環境の変化によって、把持を誤って検出してしまうことがある。
そこで、本実施の形態では、計算部122は、上述のように、センサ[1]〜[5]のそれぞれの信号によって示される出力値のうち、出力変化量の絶対値が最小となる出力値を用いて、センサ[1]〜[5]のそれぞれの出力値を補正する。これにより、センサ[1]〜[5]のそれぞれの補正値が算出される。
図8は、4つのセンサ111のそれぞれの補正値の変化の一例を示す図である。例えば、5つのセンサ111の出力値が、図7Cに示す例のように変化している場合、計算部122は、センサ[1]〜[5]のそれぞれの出力値のうち、センサ[5]の出力値を、出力変化量の絶対値が最小となる出力値として選択する。そして、計算部122は、センサ[1]〜[5]のそれぞれの出力値のそれぞれから、センサ[5]の出力値を減算することによって、センサ[1]〜[5]のそれぞれの出力値を補正する。この補正された出力値を補正値と称し、出力値および補正値を総称して計測値という。この補正値は、周囲温度などの環境による影響を受けない値である。なお、上述の例の場合、センサ[5]の補正値は0である。
本実施の形態では、判定部123が、把持判定処理または位置判定処理において、センサ[1]〜[5]のそれぞれの補正値を用いた処理を行うことによって、周囲温度などの環境の変化による影響を受けることなく、適切に把持または把持位置を検出することができる。ここで、図8に示すように、各センサ111の補正値は、2つの出力値の差分である。判定部123が把持判定処理を行うために、計算部122は、センサ[1]〜[5]のそれぞれの補正値を積算することによって積算値を算出する。
図9は、センサ[1]〜[5]の積算値の変化の一例を示す図である。
積算値は、運転者によるステアリングホイール200のリム210の把持によって大きく上昇する。したがって、判定部123は、補正値の値が小さくても、積算値に閾値を設けることによって、閾値を超える積算値が得られたときに、ステアリングホイール200のリム210が把持されたことを適切に検出することができる。
また、本実施の形態では、センサ群110が奇数個のセンサ111を備え、そのうちの1つのセンサ111を、リム210の上部に取り付けている。リム210の上部は、リム210の各部位のうち運転者によって最も把持され難い部位であるため、その上部に取り付けられているセンサ111を、出力変化量の絶対値が最小の出力値を示す信号を出力するセンサとして有効に用いることができる。
なお、積算値は、全てのセンサ111の補正値が積算された値でなくてもよく、互いに隣り合うセンサ[2]とセンサ[3]のそれぞれの補正値が積算された値であってもよい。このような積算値であっても、図5の(c)に示すように、運転者がリム210の第1の部位211と第2の部位212との境界を左手で把持したときには、その把持を適切に検出することができる。また、積算値は、各センサの補正値が積算された値であっても、各センサの出力値が積算された値であってもよい。
図10は、本実施の形態におけるグリップセンサ100の全体の処理動作を示すフローチャートである。
グリップセンサ100は、まず、運転者によってステアリングホイール200のリム210が把持されたか否かを判定する把持判定処理を行う(ステップS100)。この把持判定処理において、把持されたと判定すると、つまり、運転者によるリム210の把持を検出すると、グリップセンサ100は、リム210の何れの部位が把持されたかを判定する位置判定処理を行う(ステップS200)。
図11は、本実施の形態におけるグリップセンサ100の把持判定処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
グリップセンサ100の計算部122は、センサ[1]〜[n]のそれぞれで、信号処理部121を介してセンサ[i]から、センサ[i]の出力値Diを取得する(ループAのステップS101)。なお、iは、1〜nまでの整数の変数であって、nは、2以上の整数であり、上述の例では5である。また、ステップS101では、出力値Diを取得しているが、これは、センサ[i]の出力変化量として取得してもよい。以下、出力値Diを取得した場合について説明する。
次に、計算部122は、そのセンサ[1]〜[n]のそれぞれの出力値Diを積算することによって、積算値Sを算出する(ステップS102)。次に、判定部123は、その積算値Sが閾値Ta(すなわち第1の閾値)よりも大きいか否かを判定する(ステップS103)。ここで、積算値Sが閾値Taよりも大きいと判定すると(ステップS103のYes)、判定部123は、運転者によるステアリングホイール200のリム210の把持を検出する(ステップS104)。一方、積算値Sが閾値Ta以下であると判定すると(ステップS103のNo)、判定部123は、運転者によってステアリングホイール200のリム210が把持されていないこと、つまり非把持を検出する(ステップS105)。
このように、本実施の形態では、計算部122は、複数のセンサ111のそれぞれの信号の出力値Diを積算することによって、積算値を算出する。そして、判定部123は、算出された積算値と第1の閾値とを比較することによって、リム210が把持されたか否かを判定する。
これにより、リム210において、1つのセンサ111が取り付けられている部位と、その隣のセンサ111が取り付けられている部位とに跨って手が配置された場合でも、それらのセンサ111の積算値Sと第1の閾値Taとの比較によって、把持が判定される。したがって、周囲温度などの環境の変化が出力値に影響を与えていない場合には、誤検知の発生を抑えることができる。つまり、2つのセンサ111に跨って把持することに起因して、1つのセンサ111の出力値が小さくなるために、把持されていないと誤って判定してしまうことを抑えることができる。
図12は、本実施の形態におけるグリップセンサ100の把持判定処理の詳細な他の例を示すフローチャートである。
グリップセンサ100の計算部122は、センサ[1]〜[n]のそれぞれで、信号処理部121を介してセンサ[i]から、センサ[i]の出力値Diを取得する(ループAのステップS101)。次に、計算部122は、センサ[1]〜[n]のそれぞれから取得された、n個の出力値Diの中から最小出力値Dminを選択する(ステップS111)。なお、最小出力値Dminは、出力変化量の絶対値が最小となる出力値である。判定部123は、最小出力値Dminが閾値Tb(すなわち第4の閾値)よりも大きいか否かを判定する(ステップS112)。ここで、最小出力値Dminが閾値Tbよりも大きいと判定すると(ステップS112のYes)、判定部123は、異常を検出する(ステップS113)。
一方、計算部122は、判定部123によって、最小出力値Dminが閾値Tb以下であると判定されると(ステップS112のNo)、センサ[1]〜[n]のそれぞれの補正値ΔSiを算出する(ループBのステップS114)。つまり、計算部122は、センサ[1]〜[n]のそれぞれで、センサ[i]の出力値Diから最小出力値Dminを減算することによって、補正値ΔSiを算出する。そして、計算部122は、センサ[1]〜[n]のそれぞれの補正値ΔSiを積算することによって、積算値Sdを算出する(ステップS115)。
次に、判定部123は、その積算値Sdが閾値Taよりも大きいか否かを判定する(ステップS116)。ここで、積算値Sdが閾値Taよりも大きいと判定すると(ステップS116のYes)、判定部123は、運転者によるステアリングホイール200のリム210の把持を検出する(ステップS117)。一方、積算値Sdが閾値Ta以下であると判定すると(ステップS116のNo)、判定部123は、運転者によってステアリングホイール200のリム210が把持されていないこと、つまり非把持を検出する(ステップS118)。
このように、本実施の形態では、判定部123は、ステップS112において、最小出力値Dminと第4の閾値Tbとを比較することによって、異常があるか否かを判定する異常判定処理を行う。
これにより、例えば、取付対象物であるステアリングホイール200に人が覆いかぶさってしまい、全てのセンサ111のそれぞれの出力値が第4の閾値Tbよりも大きい場合には、異常があると判定することができる。
また、本実施の形態では、計算部122は、複数のセンサ111のそれぞれの信号に基づく補正値ΔSiを積算することによって、積算値を算出する。そして、判定部123は、算出された積算値と第1の閾値Taとを比較することによって、リム210が把持されたか否かを判定する。
これにより、リム210において、1つのセンサ111が取り付けられている部位と、その隣のセンサ111が取り付けられている部位とに跨って手が配置された場合でも、それらのセンサ111の積算値Sdと第1の閾値Taとの比較によって、把持が判定される。したがって、周囲温度などの環境の変化が出力値に影響を与えている場合であっても、図11に示す処理動作と同様、誤検知の発生を抑えることができる。
図13は、本実施の形態におけるグリップセンサ100の位置判定処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
グリップセンサ100の判定部123は、変数iを1に初期化し(ステップS201)、センサ[i]の補正値ΔSiが閾値Tc(すなわち第2の閾値)よりも大きいか否かを判定する(ステップS202)。ここで、補正値ΔSiが閾値Tcよりも大きいと判定すると(ステップS202のYes)、判定部123は、リム210においてセンサ[i]が取り付けられている部位が把持されたことを検出する(ステップS203)。ステップS201で補正値ΔSiが閾値Tc以下であると判定されたとき(ステップS202のNo)、または、ステップS203の処理が行われた後には、判定部123は、変数iをインクリメントする(ステップS204)。そして、判定部123は、その変数iがn以下であるか否かを判定し(ステップS205)、n以下であると判定すると(ステップS205のYes)、ステップS202からの処理を繰り返し実行する。
一方、判定部123は、その変数iがn以下でないと判定すると(ステップS205のNo)、再び変数iを1に初期化する(ステップS206)。次に、判定部123は、センサ[i]の補正値ΔSiと、センサ[f]の補正値ΔSfとの加算値が、閾値Td(すなわち第3の閾値)よりも大きいか否かを判定する(ステップS207)。ここで、センサ[f]は、リム210において環状に配列されているn個のセンサ111のうち、環状の周方向の一方側にセンサ[i]と隣り合う他のセンサ111である。具体的には、センサ[i]がセンサ[1]である場合、センサ[f]はセンサ[2]であり、センサ[i]がセンサ[2]である場合、センサ[f]はセンサ[3]である。また、センサ[i]がセンサ[n]である場合、センサ[f]はセンサ[1]である。
ここで、加算値が閾値Tdよりも大きいと判定すると(ステップS207のYes)、判定部123は、リム210におけるセンサ[i]の部位と、センサ[f]の部位との境界が把持されたことを検出する(ステップS208)。ステップS207で加算値が閾値Td以下であると判定されたとき(ステップS207のNo)、または、ステップS208の処理が行われた後には、判定部123は、変数iをインクリメントする(ステップS209)。そして、判定部123は、その変数iがn以下であるか否かを判定し(ステップS210)、n以下であると判定すると(ステップS210のYes)、ステップS207からの処理を繰り返し実行する。
このように、本実施の形態では、計算部122は、リム210において環状に配列されているn個のセンサ111のそれぞれで、そのセンサ111の信号に基づく補正値と、環状の周方向の一方側にそのセンサ111と隣り合う他のセンサ111の信号に基づく補正値とを、加算することによって加算値を算出する。そして、判定部123は、把持判定処理(ステップS100)の後に、ステップS200の位置判定処理を行うときには、その加算値を用いる。つまり、判定部123は、位置判定処理では、リム210において環状に配列されているn個のセンサ111のそれぞれで、そのセンサ111の信号に基づく補正値と第2の閾値Tcとを比較することによって、リム210においてそのセンサ111が取り付けられている部位が把持されたか否かを判定する(ステップS203)。さらに、判定部123は、n個のセンサ111のそれぞれで、そのセンサ111に対して算出された加算値と第3の閾値Tdと比較することによって、リム210においてそのセンサ111が取り付けられている部位と、他のセンサ111が取り付けられている部位との境界が把持されたか否かを判定する(ステップS208)。
これにより、n個のセンサ111のそれぞれで、センサ111の補正値と第2の閾値Tcとの比較によって、そのセンサ111の部位が把持されたか否かが判定される。さらに、n個のセンサ111のそれぞれで、センサ111の補正値とその隣のセンサ111の補正値との加算値と、第3の閾値Tdとの比較によって、そのセンサ111の部位と隣のセンサ111の部位との境界が把持されたか否かが判定される。したがって、取付対象物であるステアリングホイール200に取り付けられるセンサ111の数が少なくても、取付対象物を把持する手の位置を高精度に検出することができる。したがって、簡単な構成で誤検知の発生を抑えることができる。
ここで、第3の閾値Tdは、第2の閾値Tcと等しくてもよい。これにより、リム210においてセンサ111が取り付けられている部位での把持に対する感度と、リム210における2つの部位の境界での把持に対する感度とが同じである場合に、リム210を把持する手の位置を高精度に検出することができる。
また、第3の閾値Tdは、第2の閾値Tcよりも小さくてもよい。これにより、リム210においてセンサ111が取り付けられている部位での把持に対する感度よりも、リム210における2つの部位の境界での把持に対する感度が低い場合に、リム210を把持する手の位置を高精度に検出することができる。
(変形例)
上記実施の形態では、図12のステップS112において、最小出力値Dminと閾値Tbとを比較することによって、異常があるか否かを判定したが、積算値SまたはSdと閾値(例えば、第4の閾値)とを比較することによって、異常があるか否かを判定してもよい。
図14は、本変形例におけるグリップセンサ100の把持判定処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
グリップセンサ100は、図11に示す処理動作と同様、ステップS101〜S103の処理を行う。判定部123は、ステップS103において、積算値Sが閾値Ta以下であると判定すると(ステップS103のNo)、非把持を検出する(ステップS105)。一方、積算値Sが閾値Taよりも大きいと判定すると(ステップS103のYes)、判定部123は、さらに、その積算値Sが閾値Teよりも小さいか否かを判定する(ステップS106)。ここで、積算値が閾値Teよりも小さいと判定すると(ステップS106のYes)、運転者によるステアリングホイール200のリム210の把持を検出する(ステップS104)。一方、積算値が閾値Te以上であると判定すると(ステップS106のNo)、異常を検出する(ステップS107)。
このような積算値Sを用いても、例えば、ステアリングホイール200である取付対象物に人が覆いかぶさってしまった場合には、異常があると判定することができる。なお、積算値Sの代わりに、補正値に基づく積算値Sdを用いてもよい。この場合には、周囲温度などの環境の変化による影響を受けることなく、適切に異常を検出することができる。
(その他の変形例)
以上、一つまたは複数の態様に係るグリップセンサについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものも、本発明の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記実施の形態では、n個(例えば5個)のセンサ111の全てがステアリングホイール200のリム210に取り付けられているが、少なくとも1つのセンサ111がスポーク202に取り付けられていてもよい。つまり、5つ以上のセンサ111のうちの1つのセンサ111は、取付対象物であるステアリングホイール200のスポーク202に取り付けられ、残りのセンサ111は、ステアリングホイール200のリム210に取り付けられる。
これにより、通常、スポーク202は把持されないため、センサ111が取り付けられている複数の部位のうち、把持されていない部位がステアリングホイール200に残されている確率を向上することができる。その結果、各センサ111の出力値を補正するための、出力変化量の絶対値が最小の出力値を、適切に取得することができる。
また、上記実施の形態では、センサ111から信号処理部121を介して取得される出力値は正の値であるが、負の値であってもよい。この場合には、負の出力値の代わりに、その出力値の絶対値を用いることによって、上記実施の形態と同様の処理を行うことができる。
また、上記実施の形態では、図11に示すように、n個のセンサ111の全ての出力値Diの積算値を算出したが、全ての出力値Diの積算値に限定されることはない。つまり、計算部122は、n個のセンサ111のうちの互い隣り合う少なくとも2つのセンサ111のそれぞれの信号に基づく計測値を積算することにより積算値を算出してもよい。なお、計測値は出力値、出力変化量、または補正値のいずれであってもよい。
また、上記実施の形態では、図13に示すように、位置判定処理において補正値ΔSiを用いたが、補正値ΔSiの代わりに出力値Diを用いてもよい。この場合には、周囲温度などの環境の変化による影響を受けることがない状況において、適切に把持位置を検出することができる。また、この場合には、補正値ΔSiを算出する必要がないため、図11に示す把持判定処理の後に、出力値Diに基づく位置判定処理を行うことができる。
また、上記実施の形態では、信号処理部121は、各センサ111の出力値の利得を調整してもよい。例えば、各センサ111の大きさまたは形状などによって、センサ111自体の把持に対する感度が不均一であったとしても、信号処理部121は、利得を調整することによって、感度を均一にしてもよい。
本発明のグリップセンサは、簡単な構成で誤検知の発生を抑えることができるという効果を有し、例えば、車両のステアリングホイールもしくはドアハンドル、またはバイクのグリップなどに適用可能である。
1 車両
100 グリップセンサ
110 センサ群
111 センサ
112 基材
120 制御回路部
121 信号処理部
122 計算部
123 判定部
130 ハーネス
200 ステアリングホイール
202 スポーク
210 リム
211 第1の部位
212 第2の部位
213 第3の部位
214 第4の部位
215 第5の部位
301 スピーカ
302 表示装置
Ta、Tb、Tc、Td 閾値

Claims (9)

  1. 取付対象物に取り付けられ、手との間の静電容量に応じた信号を出力する複数のセンサと、
    前記複数のセンサのうちの互い隣り合う少なくとも2つのセンサのそれぞれの前記信号に基づく計測値を積算することにより積算値を算出する計算部と、
    算出された前記積算値と第1の閾値とを比較することによって、前記取付対象物が把持されたか否かを判定する把持判定処理を行う判定部と
    を備えるグリップセンサ。
  2. 前記計算部は、
    前記複数のセンサのそれぞれの前記信号に基づく計測値を全て積算することによって、前記積算値を算出する
    請求項1に記載のグリップセンサ。
  3. 前記計算部は、さらに、
    前記取付対象物において環状に配列されている前記複数のセンサのそれぞれで、当該センサの前記信号に基づく計測値と、前記複数のセンサのうちの、前記環状の周方向に当該センサと隣り合う他のセンサの前記信号に基づく計測値とを、加算することによって加算値を算出し、
    前記判定部は、さらに、
    前記把持判定処理の後に、前記取付対象物の何れの部位が把持されたかを判定する位置判定処理を行い、
    前記位置判定処理では、
    前記取付対象物において環状に配列されている前記複数のセンサのそれぞれで、
    (a)当該センサの前記信号に基づく計測値と第2の閾値とを比較することによって、前記取付対象物において当該センサが取り付けられている部位が把持されたか否かを判定し、
    (b)当該センサに対して算出された前記加算値と第3の閾値と比較することによって、前記取付対象物において当該センサが取り付けられている部位と、前記他のセンサが取り付けられている部位との境界が把持されたか否かを判定する
    請求項1または2に記載のグリップセンサ。
  4. 前記第3の閾値は、前記第2の閾値と等しい
    請求項3に記載のグリップセンサ。
  5. 前記第3の閾値は、前記第2の閾値よりも小さい
    請求項3に記載のグリップセンサ。
  6. 前記複数のセンサは、5つ以上のセンサであって、
    前記計算部は、
    前記5つ以上のセンサのそれぞれの前記信号によって示される出力値のうち、絶対値が最小の出力値を用いて、前記5つ以上のセンサのそれぞれの前記出力値を補正することによって、前記5つ以上のセンサのそれぞれの補正値を前記計測値として算出する
    請求項1〜5の何れか1項に記載のグリップセンサ。
  7. 前記5つ以上のセンサのうちの少なくとも1つのセンサは、前記取付対象物であるステアリングホイールのスポークに取り付けられ、残りのセンサは、前記ステアリングホイールのリムに取り付けられる
    請求項6に記載のグリップセンサ。
  8. 前記判定部は、さらに、
    前記絶対値が最小の出力値と第4の閾値とを比較することによって、異常があるか否かを判定する異常判定処理を行う
    請求項6または7に記載のグリップセンサ。
  9. 前記判定部は、さらに、
    算出された前記積算値と第4の閾値とを比較することによって、異常があるか否かを判定する異常判定処理を行う
    請求項2に記載のグリップセンサ。

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