JP2018120697A - Led点灯装置及びled照明装置 - Google Patents

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祐哉 山崎
伸一 野月
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Abstract

【課題】所定の故障モードにおいてLEDアレイへの過電力印加の継続を確実に防止するLED点灯装置を提供する。【解決手段】LED点灯装置100は、インダクタ5、スイッチング素子6及びスイッチング素子6をスイッチングする駆動制御部9を含む昇圧チョッパ回路120と、LEDアレイ200に直列接続されるインダクタ15及びスイッチング素子16を含む降圧チョッパ回路130と、昇圧チョッパ回路120の主電流経路に挿入接続されたサイリスタ21、サイリスタ21に並列接続された抵抗素子22、及びインダクタ5に設けられた補助巻線5sに発生する電圧に基づいてサイリスタ21にトリガ電流を供給するトリガ回路23〜26を含む抑制回路140と、スイッチング素子16のスイッチング動作に応じて生成される検出電圧が所定値未満となった場合に駆動制御部9にスイッチング素子6のスイッチング動作を停止させる保護回路150を含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、LED点灯装置及びそれを用いたLED照明装置に関する。
特許文献1のLED点灯装置は、昇圧チョッパ回路と、昇圧チョッパ回路制御部と、昇圧チョッパ回路の出力電圧を検出する電圧検出回路と、昇圧チョッパ回路の出力電圧を降圧した電圧をLEDアレイに供給する降圧チョッパ回路と、降圧チョッパ回路制御部と、突入電流防止回路を備える。突入電流防止回路は、昇圧チョッパ回路のインダクタの補助巻線及び降圧チョッパ回路のインダクタの補助巻線に生じる電圧を駆動電源とするサイリスタと、サイリスタに並列接続される限流素子を有し、昇圧チョッパ回路の入力電流経路に設けられる。また、突入電流防止回路では、電圧検出回路の検出結果が閾値未満である場合には昇圧チョッパ回路の補助巻線に生じる電圧のみがサイリスタの駆動電源に設定され、電圧検出回路の検出結果が閾値以上である場合には降圧チョッパ回路の補助巻線に生じる電圧のみがサイリスタの駆動電源に設定される。上記構成の開示によると、昇圧チョッパ回路を確実に昇圧動作させるとともに、降圧チョッパ回路のスイッチング素子の短絡時におけるLEDアレイへの過電力供給を防止することが意図されている。すなわち、降圧チョッパ回路のスイッチング素子が短絡故障すると同補助巻線に電圧が発生しなくなり、サイリスタがオフして限流素子による保護が実行されることが開示されている。
特開2014−32881号公報
しかし、上記構成によると、降圧チョッパ回路のスイッチング素子が短絡してもサイリスタがオフしない可能性がある。サイリスタは通常、ゲート−カソード間にトリガ電流が供給されることによってオン状態となり、その後はアノード−カソード間に所定値以上の通過電流(保持電流)が供給される限りはそのオン状態を維持する。言い換えると、一旦オン状態となったサイリスタは、その保持電流が遮断されない限りはオン状態を維持する。したがって、上記構成においては、降圧チョッパ回路のスイッチング素子の短絡故障時に、同補助巻線からサイリスタへのトリガ電流が絶たれるものの、サイリスタには昇圧チョッパ回路の入力電流が保持電流として供給され得るため、サイリスタが確実にオフしない可能性がある。そのため、上記短絡故障時にLEDアレイへの過電力供給が停止されずに継続するおそれがある。
そこで、本発明は、所定の故障モードにおいてLEDアレイへの過電力印加の継続を確実に防止することを可能とするLED点灯装置及びそれを用いたLED照明装置を提供することを課題とする。
第1の形態のLED点灯装置は、入力電流が供給される第1のインダクタ、第1のスイッチング素子及びこの第1のスイッチング素子をスイッチングする駆動制御部を含み、第1のスイッチング素子のスイッチング動作によって第1のインダクタの入力電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路と、第2のインダクタ及び第2のスイッチング素子を含み、昇圧チョッパ回路の出力電圧が第2のインダクタ、第2のスイッチング素子及びLEDアレイの直列回路に印加されて第2のスイッチング素子がスイッチングされるように構成された降圧チョッパ回路と、昇圧チョッパ回路の主電流経路に挿入接続されたサイリスタ、サイリスタに並列接続された抵抗素子、及び第1のインダクタに設けられた第1の補助巻線に発生する電圧に基づいてサイリスタにトリガ電流を供給するトリガ回路を含む抑制回路と、第2のスイッチング素子のスイッチング動作に応じて生成される検出電圧が所定値未満となった場合に駆動制御部に第1のスイッチング素子のスイッチング動作を停止させるように構成された保護回路とを備える。
上記第1の形態のLED点灯装置によると、第2のスイッチング素子のスイッチング動作に応じて生成される検出電圧が所定値未満となった場合に、保護回路が駆動制御部に第1のスイッチング素子のスイッチング動作を停止させる。すなわち、第2のスイッチング素子の短絡故障時に第1のスイッチング素子のスイッチング動作が停止され、これにより第1のインダクタ及びサイリスタに流れる電流が停止してサイリスタがオフし、昇圧チョッパ回路の主電流経路に抵抗素子が介在する構成が形成される。したがって、昇圧チョッパ回路の出力電圧が抵抗素子の電圧降下によって低下し、LEDアレイへの過電力の供給が停止される。すなわち、LED点灯装置において、上記故障モードにおいてLEDアレイへの過電力印加の継続を確実に防止することが可能となる。
一例では、検出電圧は、第2のインダクタに設けられた第2の補助巻線に発生する電圧を整流、平滑及び分圧した電圧である。これにより、第2のスイッチング素子の短絡故障によって第2のインダクタにおける電流変化がなくなると、第2の補助巻線から得られる検出電圧が低下する。したがって、確実に第2のスイッチング素子の短絡故障などによるスイッチング動作の停止を検出して第1のスイッチング素子のスイッチング動作を停止させることが可能となる。
代替例として、検出電圧は、第2のスイッチング素子に印加される電圧を分圧及び積分した電圧であってもよい。これにより、第2のスイッチング素子が短絡故障すると検出電圧が低下する。したがって、確実に第2のスイッチング素子の短絡故障などによるスイッチング動作の停止を検出して第1のスイッチング素子のスイッチング動作を停止させることが可能となる。
ここで、保護回路が、第2のスイッチング素子のスイッチング動作が停止してから所定時間経過後に、駆動制御部に第1のスイッチング素子のスイッチング動作を停止させるように構成されることが好ましい。これにより、電源入力電圧側の瞬時停電によって第2のスイッチング素子のスイッチング動作が停止した場合でも、その瞬時停電が上記の所定時間未満であれば、第1のスイッチング素子のスイッチング動作は停止されない。したがって、瞬時停電によってサイリスタの通過電流が停止してサイリスタがオフ状態となっても、電源復帰時に第1の補助巻線の電圧及びそれによるトリガ電流が発生してサイリスタがオンされ、瞬時停電がLED点灯装置の動作に与える影響が最小化される。
第2の形態のLED点灯装置は、入力電流が供給される第1のインダクタ、第1のスイッチング素子及びこの第1のスイッチング素子をスイッチングする第1の駆動制御部を含み、第1のスイッチング素子のスイッチング動作によって第1のインダクタの入力電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路と、第2のインダクタ、第2のスイッチング素子及びこの第2のスイッチング素子をスイッチングする第2の駆動制御部を含み、昇圧チョッパ回路の出力電圧が第2のインダクタ、第2のスイッチング素子及びLEDアレイの直列回路に印加されるように構成され、かつ電源入力電圧の降下電圧が第2の駆動制御部の起動電源として供給されるように構成された降圧チョッパ回路と、昇圧チョッパ回路の主電流経路に挿入接続されたサイリスタ、サイリスタに並列接続された抵抗素子、及び第2のインダクタに設けられた補助巻線に発生する電圧に基づいてサイリスタにトリガ電流を供給するトリガ回路を含む抑制回路と、第2のスイッチング素子のスイッチング動作に応じて、第1の駆動制御部の動作を可能とする制御電源を供給する補助電源/保護回路とを備える。
上記第2の形態のLED点灯装置によると、補助電源/保護回路が、第2のスイッチング素子のスイッチング動作に応じて、第1の駆動制御部の動作を可能とする制御電源を生成する。すなわち、第2のスイッチング素子の短絡故障によって制御電源の生成が停止すると、第1の駆動制御部の動作が停止することによって第1のスイッチング素子のスイッチング動作が停止する。そして、第1のインダクタ及びサイリスタに流れる電流が停止してサイリスタがオフし、昇圧チョッパ回路の主電流経路に抵抗素子が介在する構成が形成される。したがって、昇圧チョッパ回路の出力電圧が抵抗素子の電圧降下によって低下し、LEDアレイへの過電力の供給が停止される。すなわち、LED点灯装置において、上記故障モードにおいてLEDアレイへの過電力印加の継続を確実に防止することが可能となる。また、制御電源生成のための回路と保護動作のための回路とが統合された構成によって回路の簡素化が可能となる。
また、上記第1及び第2の形態において、抵抗素子はPTCサーミスタであることが好ましい。これにより、上記動作によってサイリスタがオフされた後に、PTCサーミスタの抵抗値が上昇してその通過電流が低減され、保護動作中の消費電力が減少する。
本発明のLED照明装置は、上記いずれかのLED点灯装置と、LEDアレイとを備える。これにより、所定の故障モードにおいてLEDアレイへの過電力印加の継続を確実に防止可能な高い信頼性のLED照明装置が実現される。
第1の実施形態によるLED点灯装置及びそれを含むLED照明装置の回路図である。 第1の実施形態のLED点灯装置の動作を説明する図である。 第1の実施形態の変形例によるLED点灯装置を示す回路図である。 第2の実施形態によるLED点灯装置及びそれを含むLED照明装置の回路図である。 第2の実施形態のLED点灯装置の動作を説明する図である。 本発明の変形例によるLED点灯装置を示す回路図である。 本発明の変形例によるLED点灯装置の一部を示す回路図である。
<第1の実施形態>
図1に、本発明の第1の実施形態によるLED点灯装置100及びそれを含むLED照明装置300の回路図を示す。LED照明装置300は、LED点灯装置100及びLEDアレイ200を含む。LED点灯装置100は、商用電源等の交流電源ACからの交流電圧を受けて直流電力をLEDアレイ200に供給する。LEDアレイ200は、直列接続された複数のLED素子を含む。
LED点灯装置100は、入力回路110、昇圧チョッパ回路120、降圧チョッパ回路130、抑制回路140、保護回路150及び補助電源回路160を備える。入力回路110は、電流ヒューズ1及び2、ノイズフィルタ3並びに整流回路4を含む。整流回路4は、ダイオードブリッジ(不図示)及びそのダイオードブリッジの出力端子間に接続された入力コンデンサ(不図示)を含み、交流電源ACからの交流電圧を全波整流する。以下の説明において、整流回路4の出力電圧、すなわち全波整流電圧を電源入力電圧Vinというものとする。また、整流回路4の低電位側出力端と同電位の回路点をグランドGという。
昇圧チョッパ回路120は、インダクタ5、スイッチング素子6(以下、「FET6」という)、ダイオード7、平滑コンデンサ8、駆動制御部9及びその周辺回路10〜14を含み、力率改善回路(PFC)を構成する。駆動制御部9は、PFC制御用ICからなる(以下、「制御IC9」という)。なお、上記周辺回路とは、制御IC9の動作のために必要な抵抗、コンデンサ、ダイオード等をいい、図示する構成要素10〜14以外のものも適宜含むものとする。
FET6は、制御IC9によってスイッチング(PWM駆動)される。FET6のオン期間には、電源入力電圧Vinを電源として、抑制回路140→インダクタ5→FET6→電流検出抵抗12→グランドGに電流が流れ、インダクタ5にエネルギーが蓄えられる。そして、FET6のオフ期間には、電源入力電圧Vin及びインダクタ5に蓄えられたエネルギーを電源として、抑制回路140→インダクタ5→ダイオード7→平滑コンデンサ8→グランドGに電流が流れ、昇圧された電圧が平滑コンデンサ8に充電される。以降において、昇圧チョッパ回路120から降圧チョッパ回路130への出力電圧、すなわち平滑コンデンサ8の電圧を出力電圧Vdc又は平滑電圧Vdcというものとする。
制御IC9は、一般的なPFC制御用ICであればよい。例えば、制御IC9は、少なくとも端子P1(電源端子)、P2(グランド端子)、P3(電流検出端子)、P4(電圧フィードバック端子)、P5(ゲート出力端子)及びP6(イネーブル端子)を有する。また、制御IC9は、それぞれ不図示の電圧補償用端子、マルチプライヤ入力端子、及びゼロ電流検出端子又は電流補償用端子を有するものとする。端子P6は、制御ICの仕様に応じて、電圧補償用端子、マルチプライヤ入力端子又はゼロ電流検出端子のいずれかであればよい。
端子P1(電源端子)には、例えば、電源入力電圧Vinを起動抵抗10によって降下させた電圧及び補助電源回路160からの電圧がコンデンサ11によって平滑されて供給され、これが制御IC9の動作のための制御電源となる。制御IC9は、端子P1の電圧が動作開始電圧Vonを超えると動作を開始し、端子P1の電圧が動作中に動作下限電圧Voff(Voff<Von)を下回ると動作を停止する。端子P2(グランド端子)は、グランドGに接続される。
端子P3(電流検出端子)には、FET6に直列接続された電流検出抵抗12(低抵抗素子)に発生する電圧が入力される。端子P3の内部回路において、端子P3の電圧に基づいてPWM制御における各サイクルのオン期間終了時が決定される。
端子P4(電圧フィードバック端子)には、抵抗13及び14による平滑電圧Vdcの分圧値が入力される。制御IC9の内蔵オペアンプの反転入力端子に端子P4の電圧が入力され、非反転入力端子には内部基準電圧が入力される。この内蔵オペアンプはエラーアンプとして機能し、この誤差出力に応じてPWM制御における各サイクルのオン幅又はオンデューティが決定され、平滑電圧Vdcが設定値Vsetに一定に維持される。
端子P5(ゲート出力端子)からFET6のゲートにゲート信号が出力され、これによりFET6がスイッチングされる。
端子P6が電圧補償用端子兼イネーブル端子である場合、端子P6は上記の内蔵オペアンプの出力端子に接続され、内蔵オペアンプの動作補償用の端子として機能する。端子P6とグランドGの間又は端子P6と端子P4の間にコンデンサ(不図示)が接続され得る。そして、端子P6の電圧がローレベルとされることによって(例えばグランドGに短絡されることによって)端子P5からのゲート信号が停止される。
また、端子P6がマルチプライヤ入力端子兼イネーブル端子である場合、端子P6には、電源入力電圧Vinの分圧値が抵抗分圧回路(不図示)によって入力され、この入力値が端子P3の入力値に乗算される。そして、端子P6の電圧がローレベルとされることによって(例えばグランドGに短絡されることによって)低入力電圧に対する保護動作として、端子P5からのゲート信号が停止される。
あるいは、端子P6がゼロ電流検出端子兼イネーブル端子である場合、インダクタ5の補助巻線(不図示)の電圧が入力され、この入力値に基づいてPWM制御におけるオン期間の開始時が制御される。そして、端子P6の電圧がローレベルとされることによって(例えばグランドGに短絡されることによって)端子P5からのゲート信号が停止される。
降圧チョッパ回路130は、インダクタ15、スイッチング素子16(以下、「FET16」という)、ダイオード17、コンデンサ18、駆動制御部19及び電流検出抵抗20(低抵抗素子)を含み、バック型の降圧コンバータを構成する。駆動制御部19はDC/DCコンバータ制御用IC(以下、「制御IC19」という)からなる。FET16は、制御IC19によってスイッチング(PWM駆動)される。FET16のオン期間において、平滑電圧Vdcを電源として、LEDアレイ200→インダクタ15→FET16→電流検出抵抗20→グランドGに電流が流れ、コンデンサ18がこの電流をフィルタリングする。FET16のオフ期間において、インダクタ15に蓄えられたエネルギーを電源として、ダイオード17→LEDアレイ200→インダクタ15に電流が流れ、コンデンサ18がこの電流をフィルタリングする。
制御IC19は、少なくとも端子P1(電源端子)、P2(グランド端子)、P3(電流検出端子)及びP4(ゲート出力端子)を有する。端子P1には補助電源回路160から制御電源Vccが供給され、端子P1の電圧が動作開始電圧Vonを超えると、制御IC19が動作を開始する。端子P2は、グランドGに接続される。端子P3には、FET16に直列接続された電流検出抵抗20に発生する電圧が入力される。制御IC19は、エラーアンプとして動作する内蔵オペアンプによって端子P3の電圧(電流検出抵抗20に発生する電圧)が一定となるようにFET16をPWM駆動し、これによりLEDアレイ200に流れるLED電流が定電流制御される。なお、制御IC19には、不図示の抵抗、コンデンサ、ダイオードなどの周辺回路が適宜接続されるものとする。
抑制回路140は、サイリスタ21、抵抗素子22、インダクタ5の補助巻線5s、ダイオード23、抵抗24、抵抗25及びコンデンサ26を含む。ダイオード23、抵抗24、抵抗25及びコンデンサ26をまとめてトリガ回路というものとする。本実施形態では、抵抗素子22はPTCサーミスタである(以下、「PTCサーミスタ22」という)。PTCサーミスタ22は、素子温度の上昇とともに抵抗値が増加する感温素子であり、例えばポジスタ(登録商標)である。サイリスタ21とPTCサーミスタ22は並列接続され、この並列回路が昇圧チョッパ回路120の主電流経路(入力電流経路)に挿入接続される。補助巻線5sの一端がサイリスタ21のカソードに接続され、補助巻線5sの他端がトリガ回路に接続され、トリガ回路がサイリスタ21のゲート−カソード間に接続される。
抑制回路140は、通常は、交流電源ACの投入時に平滑コンデンサ8に流れ込む突入電流を抑制する突入電流抑制回路として機能する。交流電源ACの投入時において、サイリスタ21及びFET6はオフ状態であるので、入力電流はPTCサーミスタ22、インダクタ5及びダイオード7を介して平滑コンデンサ8に流れる。ここで、PTCサーミスタ22の抵抗値は、通過電流による自己発熱によって当初の抵抗値から上昇していくため、平滑コンデンサ8への突入電流が抑制される。この際、制御IC9は、起動抵抗10を介して供給される起動電源に応じてFET6のスイッチング動作を開始し、このスイッチング動作によってインダクタ5の電流変化(電圧変化)が生じる。このインダクタ5の電流変化に誘導されて補助巻線5sに電圧が発生し、ダイオード23及び抵抗24を介して、コンデンサ26が充電される。コンデンサ26の電圧によってサイリスタ21のゲート−カソード間にトリガ電流が供給されると、サイリスタ21はオンする。サイリスタ21は、一旦オンすると、整流回路4から昇圧チョッパ回路120へ向かうアノード−カソード間の通過電流を保持電流としてオン状態を維持する。サイリスタ21がオンすることによってPTCサーミスタ22に電流が流れなくなり、その後は入力電流がサイリスタ21を通過する通常動作(定常状態)が得られる。
保護回路150は、インダクタ15の補助巻線15s、ダイオード27、コンデンサ28、抵抗29及び30、スイッチ素子31(以下、「FET31」という)、抵抗32、コンデンサ33、抵抗34及び35並びにスイッチ素子36(以下、「トランジスタ36」という)を含む。補助巻線15sがダイオード27を介してコンデンサ28に接続され、コンデンサ28に並列接続された分圧抵抗29及び30の分圧点がFET31のゲートに接続される。これにより、補助巻線15sに発生する補助巻線電圧がダイオード27及びコンデンサ28によって整流及び平滑され、この整流平滑電圧が分圧抵抗29及び30によって分圧され、この分圧値が検出電圧となる。FET31のドレインは抵抗32を介して制御電源Vccに接続され、FET31のドレイン−ソース間(以下、「D−S間」という)にはコンデンサ33が接続される。コンデンサ33が抵抗34及び35を介してトランジスタ36のベース−エミッタ間に接続され、トランジスタ36のコレクタが制御IC9の端子P6に接続される。
上記構成によると、降圧チョッパ回路130のFET16がスイッチング動作を行っている場合、インダクタ15の電流変化(電圧変化)に誘導されて補助巻線15sに電圧が発生する。この補助巻線電圧から得られる検出電圧、すなわちFET31のゲート−ソース間(以下、「G−S間」という)の電圧がFET31の動作閾値を超えると、FET31がオンする。FET31がオン状態である場合には、コンデンサ33が充電されないため、トランジスタ36にベース電流は供給されない。したがって、制御IC9の端子P6はハイレベル(又はオープン)に維持され、FET6のスイッチング動作が継続される。
一方、例えば降圧チョッパ回路130のFET16が短絡故障した場合など、FET16がスイッチング動作を停止した場合には、インダクタ15の電流変化が停止して巻線15sに電圧が発生しなくなる。これにより、コンデンサ28の電圧は抵抗29及び30を介して、コンデンサ28の容量と抵抗29及び30の直列抵抗値によって決まる時定数に従って放電される。FET31のG−S間電圧(検出電圧)が動作閾値を下回ると、FET31はオフし、コンデンサ33が抵抗32を介して充電される。コンデンサ33からトランジスタ36に充分なベース電流が供給されると、トランジスタ36がオンして制御IC9の端子P6がローレベルに切り換えられ(グランドGに短絡され)、FET6のスイッチング動作が停止される。また、インダクタ15が短絡故障した場合にも上記と同様の動作を得ることができる。
なお、本例では、分圧抵抗29及び30(分圧回路)がコンデンサ28の後段に配置される構成を示すが、分圧回路はダイオード27の後段でかつコンデンサ28の前段に配置されてもよいし、ダイオード27の前段に配置されてもよい。また、本例では、補助巻線15sの一端にダイオード27が接続されて補助巻線電圧の半波整流電圧がコンデンサ28に充電される構成を示すが、補助巻線15sの両端にダイオードブリッジが接続されて補助巻線電圧の全波整流電圧がコンデンサ28に充電されるようにしてもよい。
補助電源回路160は、各回路に供給される制御電源Vccを生成するための回路である。補助電源回路160は、インダクタ5の他の補助巻線(不図示)に発生する電圧をダイオードによって整流し、その整流電圧を電圧レギュレータ回路(シリーズレギュレータ、三端子レギュレータ、ツェナーダイオードなど)によって定電圧化する回路などであればよい。なお、補助電源回路160から昇圧チョッパ回路120(制御IC9)、降圧チョッパ回路130(制御IC19)及び保護回路150に供給されるそれぞれの制御電源Vccは、同じ電圧値であってもよいし、異なる電圧値であってもよい。
図2を用いて、LED点灯装置100の動作を説明する。上段から(a)FET31のG−S間電圧、(b)FET31のD−S間電圧、(c)FET31の動作状態、(d)トランジスタ36の動作状態、(e)サイリスタ21の動作状態、(f)PTCサーミスタ22の抵抗値、(g)平滑電圧Vdc、及び(h)LEDアレイ200のLED電流を示す。横軸は時間を示す。LEDアレイ200の順方向電圧Vfが電源入力電圧Vinのピーク値以下である場合を想定する。なお、図は説明のための模式図であり、各線図の縮尺は図面通りとは限らない。
時刻t0において、交流電源ACが投入され、電源入力電圧VinがPTCサーミスタ22、インダクタ5及びダイオード7を介して平滑コンデンサ8に充電されていく。この入力電流に伴い、PTCサーミスタ22の抵抗値が上昇していく。また、起動抵抗10を介して制御IC9の起動電源が供給開始される。
時刻t1において、制御IC9が動作を開始し、FET6のスイッチング動作が開始される。これにより、制御電源Vccが生成され、降圧チョッパ回路130においても制御IC19が動作を開始し、FET16のスイッチング動作が開始される。これに伴い、補助巻線15sからの給電によってFET31のG−S間電圧が上昇を開始し、制御電源Vccからの給電によってFET31のD−S間電圧が上昇を開始する。ただし、時刻t1の直後に、FET31のG−S間電圧がその動作閾値を超えることによってFET31はオンし、そのD−S間電圧はゼロとなる。この間にトランジスタ36にはベース電流は供給されず、トランジスタ36はオンしない。言い換えると、交流電源ACの投入時にトランジスタ36がオンしないように、保護回路150内の各回路定数が設定されるものとする。
また、FET6がスイッチング動作を開始したことに応じて、補助巻線5s及びトリガ回路23〜26からのトリガ電流の給電によってサイリスタ21がオンする。これにより、PTCサーミスタ22には電流が流れなくなり、その抵抗値は減少に転じる。そして、昇圧チョッパ回路120が動作を開始することによって平滑電圧Vdcが上昇し、その後設定値Vsetで一定となる。また、降圧チョッパ回路130が動作を開始することによって、LED電流が設定値Iset(定格電流値)で一定となる。これにより、定常状態が得られる。
時刻t2において、FET16が短絡故障したものとする。この場合、昇圧チョッパ回路120の出力電圧(平滑電圧)Vdcが、LEDアレイ200、インダクタ15、短絡したFET16及び電流検出抵抗20に印加される。インダクタ15は直流抵抗をほとんど有しないため、実質的に平滑電圧VdcがLEDアレイ200に印加されることになり、LED200には過大な電流Iaが供給されることになる。ここで、時刻t2以降は、補助巻線15sに電圧が発生しなくなるため、コンデンサ28の電圧が放電されて減少していく。
時刻t3において、FET31のG−S間電圧がその動作閾値Vthを下回ると、FET31がオフしてそのD−S間電圧が制御電源Vccレベルとなる。これに伴い、コンデンサ33が充電されることにより、トランジスタ36にベース電流が供給され、トランジスタ36がオフからオンに遷移する。これにより、制御IC9がFET6のスイッチング動作を停止し、すなわち昇圧チョッパ回路120が動作を停止する。
FET6のスイッチング動作が停止すると、インダクタ5及びFET6による昇圧動作が停止し、平滑電圧VdcがLEDアレイ200、インダクタ15、短絡したFET16及び電流検出抵抗20によって放電されて低下していく。また、平滑電圧Vdcが電源入力電圧Vinのピーク値以上である間においてはダイオード7がオフするため、サイリスタ21には通過電流(保持電流)が供給されず、補助巻線5sからのトリガ電流も供給されないことから、サイリスタ21はオフ状態となる。なお、FET6及びダイオード7がオフしている間にはサイリスタ21及びPTCサーミスタ22に電流は流れない。また、グラフ(a)〜(d)について、時刻t3以降では、補助電源回路160から制御電源Vccが供給されずにトランジスタ36がオフ状態となることを示しているが、制御IC9における保護状態(すなわち、端子P6のグランド短絡に起因するFET6の停止状態)はラッチされるものとする。
時刻t4において、平滑電圧Vdcが電源入力電圧Vinのピーク値まで低下する。これにより、ダイオード7がオンする期間が発生し、入力電流がPTCサーミスタ22を介して流れ始め、PTCサーミスタ22の抵抗値が自己発熱によって上昇する。したがって、PTCサーミスタ22によって入力電流が制限されるとともに、その電圧降下によって平滑電圧Vdcはさらに低下する。
そして、時刻t5において、平滑電圧VdcがLEDアレイ200の順方向電圧Vfを下回ると、LEDアレイ200は消灯する。その後、PTCサーミスタ22の自己発熱による抵抗値と入力電流との関係が均衡し、平滑電圧Vdcが充分に低い状態での保護状態が維持される。なお、上記の均衡状態において平滑電圧Vdcが電源入力電圧Vinのピーク値未満、好ましくはLEDアレイ200の順方向電圧Vf未満となるようにPTCサーミスタ22の特性が選択されるものとする。
上記説明から分かるように、仮に、抑制回路140が設けられていても保護回路150がなかったとした場合、FET16が短絡故障するとLEDアレイ200には電流Iaが供給され続けることになる。この電流IaはLEDアレイ200に対しては過大であるが、電流ヒューズ1及び2の溶断をもたらすものではなく、このLED過電流状態が継続することによって装置の異常な発熱がもたらされてしまう。また仮に、保護回路150が設けられていても抑制回路140がなかったとした場合、FET16が短絡故障してFET6のスイッチングが停止されても平滑電圧Vdcは電源入力電圧Vinのピーク値までしか低下しない。この場合、LEDアレイ200には、やはり設定電流Isetを超える電流Ibの供給が継続してしまうことになる。したがって、適切な保護動作のためには、抑制回路140及び保護回路150の双方が必要となる。
また、図1及び図2に示すように、コンデンサ28の容量並びに抵抗29及び30の抵抗値を調整することによって期間t2〜t3の時間を調整することができる。すなわち、保護回路150において、FET16のスイッチング動作が停止してから所定時間(t2〜t3)経過後に制御IC9がFET6のスイッチング動作を停止するように構成することができる。これにより、電源入力電圧側、すなわち交流電源ACの瞬時停電によってFET16のスイッチング動作が停止した場合でも、その瞬時停電が上記所定時間未満(例えば、制御電源Vccが保持される期間)であれば、昇圧チョッパ回路120(FET6)は停止されない。したがって、瞬時停電によってサイリスタ21の通過電流が停止してサイリスタ21がオフ状態となっても、電源復帰時に補助巻線5sの電圧及びそれによるトリガ電流が発生してサイリスタ21がオンされ、瞬時停電がLED点灯装置100の動作に与える影響が最小化される。なお、上記所定時間(t2〜t3)は、1秒〜5秒程度であればよい。
以上のように、本実施形態のLED点灯装置100は、入力電流が供給されるインダクタ5、FET6及び制御IC9を含み、FET6のスイッチング動作によってインダクタ5の入力電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路120と、インダクタ15及びFET16を含み、昇圧チョッパ回路120の出力電圧Vdcがインダクタ15、FET16及びLEDアレイ200の直列回路に印加されてFET16がスイッチングされるように構成された降圧チョッパ回路130と、昇圧チョッパ回路120の入力電流経路に挿入接続されたサイリスタ21、サイリスタ21に並列接続されたPTCサーミスタ22、及びインダクタ5に設けられた補助巻線5sに発生する電圧に基づいてサイリスタ21にトリガ電流を供給するトリガ回路23〜26を含む抑制回路140と、FET16のスイッチング動作に応じて生成される検出電圧が所定値未満となった場合に制御IC9にFET6のスイッチング動作を停止させるように構成された保護回路150を備える。
このように、FET16のスイッチング動作に基づいて生成される検出電圧が所定値未満となった場合に保護回路150が制御IC9にFET6のスイッチング動作を停止させる。すなわち、FET16の短絡故障時にFET6のスイッチング動作が停止され、これによりインダクタ5及びサイリスタ21に流れる電流が停止してサイリスタ21がオフし、昇圧チョッパ回路120の入力電流経路にPTCサーミスタ22が介在する構成が形成される。したがって、昇圧チョッパ回路120の出力電圧(平滑電圧)Vdcが、PTCサーミスタ22の電圧降下によって電源入力電圧Vinのピーク値未満、さらにはLEDアレイ200の順方向電圧Vf未満となり、LEDアレイ200への過電力の供給が停止される。すなわち、上記故障モードにおいてLEDアレイ200への過電力印加の継続を確実に防止することができるLED点灯装置100及びそれを含む高い信頼性のLED照明装置300が実現される。
特に本実施形態では、検出電圧は、インダクタ15に設けられた補助巻線15sに発生する電圧を整流、平滑及び分圧した電圧である。これにより、FET16の短絡故障などによってインダクタ15における電流変化がなくなると、補助巻線15sから得られる検出電圧が低下する。したがって、確実にFET16の短絡故障などによるスイッチング動作の停止を検出してFET6のスイッチング動作を停止させることが可能となる。
<第1の実施形態の変形例>
上記実施形態では、FET16のスイッチング動作が補助巻線15sによって検出される構成を示した。これは、降圧チョッパ回路130における種々の接続構成(例えば、平滑電圧Vdcの高電位側からグランドGまで、FET16、インダクタ15及びLEDアレイ200の順に接続され、ダイオード17がFET16とインダクタ15の接続点とグランドGとの間に接続される構成など)にも実施可能な構成として有用である。一方、一変形例として、FET16がグランドG側に接続される構成においては、FET16のスイッチング動作が抵抗分圧回路によって検出される構成が採用されてもよい。
図3に、本変形例のLED点灯装置100の回路図を示す。本変形例において、上記実施形態と実質的に同様の構成には同じ符号を付し、その重複する説明を省略する。本変形例と上記実施形態とは、保護回路150のみが異なる。
保護回路150は、上記実施形態と同様の構成のFET31、抵抗32、コンデンサ33、抵抗34及び35並びにトランジスタ36に加えて、抵抗37〜39及びコンデンサ40を含む。抵抗37及び38は分圧回路を構成し、FET16のドレインとグランドGとの間の電位差、すなわち、実質的にFET16に印加される電圧を抵抗値に応じた分圧比で分圧する。抵抗39及びコンデンサ40は積分回路を構成し、上記分圧の積分出力値(検出電圧)をFET31のG−S間に印加する。定常動作時において、検出電圧は、平滑電圧VdcにPWM制御におけるオンデューティ及び上記分圧比を乗じた電圧の積分値となる。定常動作時の検出電圧がFET31の動作閾値を超えるように分圧比などが設定されるものとする。また、FET16が短絡故障した場合には、上記積分値(FET31のG−S間電圧)はゼロとなり、FET31がオフされることによりトランジスタ36がオンされ、これにより制御IC9がFET6のスイッチング動作を停止する。
このように本変形例では、検出電圧は、FET16に印加される電圧を分圧及び積分した電圧である。これにより、FET16が短絡故障すると検出電圧が低下する。したがって、FET16の短絡故障によるスイッチング動作の停止を確実に検出してFET6のスイッチング動作を停止させることが可能となる。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、サイリスタ21のトリガ電流が昇圧チョッパ回路120における補助巻線5sから供給される構成を示したが、本実施形態では、サイリスタ21のトリガ電流が降圧チョッパ回路130における補助巻線15sから供給される構成を示す。
図4に、本実施形態のLED点灯装置100及びそれを含むLED照明装置300の回路図を示す。本実施形態において、第1の実施形態と実質的に同様の構成には同じ符号を付し、その重複する説明を省略する。本実施形態では、上記第1の実施形態の保護回路150及び補助電源回路160の代わりに、補助電源/保護回路155が設けられる。
本実施形態のLED点灯装置100は、入力回路110、昇圧チョッパ回路120、降圧チョッパ回路130、抑制回路140及び補助電源/保護回路155を備える。本実施形態では、起動抵抗10は制御IC19の端子P1(電源端子)に接続され、抑制回路140のトリガ回路23〜26は降圧チョッパ回路130のインダクタ15の補助巻線15sに接続される(インダクタ15の一次巻線と補助巻線15sとは、分離して図示されているが磁気結合されている)。
補助電源/保護回路155は、定常状態においては補助電源回路として作用する。補助電源/保護回路155は、コンデンサ41、ダイオード42〜44及びコンデンサ45を含む。コンデンサ41は、スナバ回路に使用されるような比較的小容量のコンデンサである。コンデンサ41がダイオード42のカソードに接続され、ダイオード42のアノードがグランドGに接続される。ダイオード42のカソードにはダイオード43及び44のアノードが接続される。ダイオード43のカソードは、コンデンサ45及び制御IC19の端子P1に接続される。ダイオード44のカソードは、コンデンサ11及び制御IC9の端子P1に接続される。
これにより、FET16がスイッチングされると、FET16のオフ時に、平滑電圧Vdcに基づく電圧がコンデンサ41及びダイオード43を介してコンデンサ45に充電されるとともに、ダイオード44を介してコンデンサ11に充電される。FET16のオン時に、ダイオード42がオンし、コンデンサ41の電圧がFET16及び電流検出抵抗20を介して放電される。この反復によってコンデンサ45及び11が充電され、制御IC19及び制御IC9の制御電源Vccがそれぞれ供給される。すなわち、本実施形態では、降圧チョッパ回路130が昇圧チョッパ回路120よりも先に駆動開始されるとともにサイリスタ21のトリガ電流が降圧チョッパ回路130における補助巻線15sから供給される。
図5を用いて、LED点灯装置100の動作を説明する。上段から(i)コンデンサ45の電圧、(j)コンデンサ11の電圧、(e)サイリスタ21の動作状態、(f)PTCサーミスタ22の抵抗値、(g)平滑電圧Vdc、及び(h)LEDアレイ200のLED電流を示す。横軸は時間を示す。LEDアレイ200の順方向電圧Vfは、電源入力電圧Vinのピーク値以下であるものとする。なお、図は説明のための模式図であり、各線図の縮尺は図面通りとは限らない。
時刻t0において、交流電源ACが投入され、電源入力電圧VinがPTCサーミスタ22、インダクタ5及びダイオード7を介して平滑コンデンサ8に充電され、この入力電流に伴い、PTCサーミスタ22の抵抗値が上昇していく。また、起動抵抗10を介して制御IC19の起動電源が供給開始される。
時刻t11において、コンデンサ45の電圧が制御IC19の動作開始電圧Vonを超えると、制御IC19が動作を開始し、FET16がスイッチング動作を開始する。これにより、上述のように補助電源/保護回路155によって制御電源Vccが生成される。また、コンデンサ11の電圧が制御IC9の動作開始電圧Vonを超えると、昇圧チョッパ回路120においても制御IC9が動作を開始し、FET6がスイッチング動作を開始する。
また、FET16がスイッチング動作を開始したことに応じて、補助巻線15s及びトリガ回路23〜26からのトリガ電流の給電によってサイリスタ21がオンする。これにより、PTCサーミスタ22の抵抗値は減少に転じる。そして、昇圧チョッパ回路120が動作を開始することによって平滑電圧Vdcが上昇し、その後設定値Vsetで一定となる。また、降圧チョッパ回路130の動作によって、LED電流が設定値Iset(定格電流値)で一定となる。これにより、定常状態が得られる。
時刻t12において、FET16が短絡故障したものとする。この場合、昇圧チョッパ回路120の出力電圧(平滑電圧Vdc)が、LEDアレイ200、インダクタ15、短絡したFET16及び電流検出抵抗20に印加される。ここで、コンデンサ41及びダイオード42は、短絡したFET16によって実質的に短絡されるため、コンデンサ11及び45の電圧は充電されずに減少する。
時刻t13において、コンデンサ11の電圧が制御IC9の動作停止電圧Voffを下回ると、制御IC9が動作を停止し、これによりFET6のスイッチング動作が停止する。FET6がスイッチング動作を停止すると、インダクタ5及びFET6による昇圧動作が停止し、平滑電圧VdcがLEDアレイ200、インダクタ15、短絡したFET16及び電流検出抵抗20によって放電され、低下していく。平滑電圧Vdcが電源入力電圧Vinのピーク値以上である間においてはダイオード7がオフするためにサイリスタ21には通過電流(保持電流)が供給されず、インダクタ15における電流変化もないために補助巻線15sからのトリガ電流も供給されなくなり、サイリスタ21はオフ状態となる。なお、FET6及びダイオード7がオフしている間にはサイリスタ21及びPTCサーミスタ22に電流は流れない。
時刻t14において、平滑電圧Vdcが電源入力電圧Vinのピーク値まで低下する。これにより、ダイオード7がオンする期間が発生し、入力電流がPTCサーミスタ22を介して流れ始め、PTCサーミスタ22の抵抗値が自己発熱によって上昇する。したがって、PTCサーミスタ22によって入力電流が制限されるとともに、その電圧降下によって平滑電圧Vdcはさらに低下する。
そして、時刻t15において、平滑電圧VdcがLEDアレイ200の順方向電圧Vfを下回ると、LEDアレイ200は消灯する。その後、PTCサーミスタ22の自己発熱による抵抗値と入力電流との関係が均衡し、平滑電圧Vdcが充分に低い状態での保護状態が維持される。
以上のように、本実施形態のLED点灯装置100は、入力電流が供給されるインダクタ5、FET6及び制御IC9を含み、FET6のスイッチング動作によってインダクタ5の入力電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路120と、インダクタ15、FET16及び制御IC19を含み、昇圧チョッパ回路120の出力電圧Vdcがインダクタ15、FET16及びLEDアレイ200の直列回路に印加されるように構成され、かつ電源入力電圧Vinの降下電圧が制御IC19の起動電源として供給されるように構成された降圧チョッパ回路130と、昇圧チョッパ回路120の入力電流経路に挿入接続されたサイリスタ21、サイリスタ21に並列接続されたPTCサーミスタ22、及びインダクタ15に設けられた補助巻線15sに発生する電圧に基づいてサイリスタ21にトリガ電流を供給するトリガ回路23〜26を含む抑制回路140と、FET16のスイッチング動作に応じて、制御IC9の動作を可能とする制御電源Vccを供給する補助電源/保護回路155を備える。
これによると、補助電源/保護回路155が、FET16のスイッチング動作に応じて、制御IC9の動作を可能とする制御電源Vccを生成する。これにより、FET16の短絡故障によって制御電源Vccの生成が停止すると、制御IC9の動作及びFET6のスイッチング動作が停止する。すなわち、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、上記故障モードにおいてLEDアレイ200への過電力印加の継続を確実に防止することができるLED点灯装置100及びそれを含む高い信頼性のLED照明装置300が実現される。また、制御電源生成のための回路と保護動作のための回路とが補助電源/保護回路155に統合された構成によって、回路構成の簡素化が可能となる。
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
(1)抑制回路140の接続位置の変形
上記各実施形態では、抑制回路140が、昇圧チョッパ回路120の主電流経路のうちの入力電流経路(すなわち、昇圧チョッパ回路120の前段)に挿入される構成を示した。一方、図6に示すように、抑制回路140は、昇圧チョッパ回路120のダイオード7の位置(すなわち、インダクタ5とFET6の接続点と平滑コンデンサ8との間)に配置されてもよい。またさらに、図7に示すように、PTCサーミスタ22とダイオード7の直列回路がサイリスタ21に並列接続されるようにしてもよく、これにより定常状態におけるダイオード7の損失を実質的になくすことができ、効率が向上し得る。なお、図6及び図7に示す例では、第1の実施形態を基に本変形例が構成されているが、本変形例は第1の実施形態の変形例及び第2の実施形態を基にしても同様に構成され得る。
(2)抑制回路140のトリガ回路の変形
上記各実施形態では、トリガ回路において、ダイオード23が補助巻線5s又は15sの一端に接続され、サイリスタ21へのトリガ電流が補助巻線電圧の半波整流電圧から供給される構成を示した。一方、ダイオード23の代わりにダイオードブリッジが補助巻線5s又は15sの両端に接続され、サイリスタ21へのトリガ電流が補助巻線電圧の全波整流電圧から供給されるようにしてもよい。
(3)各素子に関する変形
上記各実施形態において、抵抗素子22としてPTCサーミスタを用いた。これにより、上述した保護動作中の消費電力を低減できる。一方、抵抗素子22としてPTCサーミスタの代わりに、例えば、セメント抵抗などの固定抵抗器を用いる構成も可能である。また、スイッチング素子6及び16としてMOSFETを用いる構成を示したが、スイッチング素子6及び16はIGBTなどの他の種類のトランジスタであってもよい。また、スイッチング素子16は、制御IC19に内蔵されていてもよい。また、スイッチ素子31としてMOSFETを用い、スイッチ素子36としてバイポーラトランジスタを用いる構成を示したが、各回路定数を適宜設定することによって、スイッチ素子31及び36をMOSFET又はバイポーラトランジスタのいずれとすることもできる。
5、15 インダクタ
5s、15s 補助巻線
6、16 スイッチング素子(FET)
9、19 駆動制御部(制御IC)
21 サイリスタ
22 抵抗素子(PTCサーミスタ)
23〜26 トリガ回路
100 LED点灯装置
120 昇圧チョッパ回路
130 降圧チョッパ回路
140 抑制回路
150 保護回路
155 補助電源/保護回路
200 LEDアレイ
300 LED照明装置

Claims (7)

  1. 入力電流が供給される第1のインダクタ、第1のスイッチング素子及び該第1のスイッチング素子をスイッチングする駆動制御部を含み、前記第1のスイッチング素子のスイッチング動作によって前記第1のインダクタの入力電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路と、
    第2のインダクタ及び第2のスイッチング素子を含み、前記昇圧チョッパ回路の出力電圧が前記第2のインダクタ、前記第2のスイッチング素子及びLEDアレイの直列回路に印加されて前記第2のスイッチング素子がスイッチングされるように構成された降圧チョッパ回路と、
    前記昇圧チョッパ回路の主電流経路に挿入接続されたサイリスタ、該サイリスタに並列接続された抵抗素子、及び前記第1のインダクタに設けられた第1の補助巻線に発生する電圧に基づいて前記サイリスタにトリガ電流を供給するトリガ回路を含む抑制回路と、
    前記第2のスイッチング素子のスイッチング動作に応じて生成される検出電圧が所定値未満となった場合に前記駆動制御部に前記第1のスイッチング素子のスイッチング動作を停止させるように構成された保護回路と
    を備えたLED点灯装置。
  2. 前記検出電圧が、前記第2のインダクタに設けられた第2の補助巻線に発生する電圧を整流、平滑及び分圧した電圧である、請求項1に記載のLED点灯装置。
  3. 前記検出電圧が、前記第2のスイッチング素子に印加される電圧を分圧及び積分した電圧である、請求項1に記載のLED点灯装置。
  4. 前記保護回路が、前記第2のスイッチング素子のスイッチング動作が停止してから所定時間経過後に、前記駆動制御部に前記第1のスイッチング素子のスイッチング動作を停止させるように構成された、請求項1から3のいずれか一項に記載のLED点灯装置。
  5. 入力電流が供給される第1のインダクタ、第1のスイッチング素子及び該第1のスイッチング素子をスイッチングする第1の駆動制御部を含み、前記第1のスイッチング素子のスイッチング動作によって前記第1のインダクタの入力電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路と、
    第2のインダクタ、第2のスイッチング素子及び該第2のスイッチング素子をスイッチングする第2の駆動制御部を含み、前記昇圧チョッパ回路の出力電圧が前記第2のインダクタ、前記第2のスイッチング素子及びLEDアレイの直列回路に印加されるように構成され、かつ電源入力電圧の降下電圧が前記第2の駆動制御部の起動電源として供給されるように構成された降圧チョッパ回路と、
    前記昇圧チョッパ回路の主電流経路に挿入接続されたサイリスタ、該サイリスタに並列接続された抵抗素子、及び前記第2のインダクタに設けられた補助巻線に発生する電圧に基づいて前記サイリスタにトリガ電流を供給するトリガ回路を含む抑制回路と、
    前記第2のスイッチング素子のスイッチング動作に応じて、前記第1の駆動制御部の動作を可能とする制御電源を供給する補助電源/保護回路と
    を備えたLED点灯装置。
  6. 前記抵抗素子がPTCサーミスタである、請求項1から5のいずれか一項に記載のLED点灯装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のLED点灯装置と、前記LEDアレイとを備えたLED照明装置。

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