JP2018119967A - コンピュータ実装方法、データ処理システム、及びデータストレージデバイス - Google Patents

コンピュータ実装方法、データ処理システム、及びデータストレージデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】ヤコビ行列方法論を使用する完全連成完全陰解坑井−油層シミュレーションシステムにおいて、コンピュータ処理時間およびコンピュータ処理結果が改善される。系行列のグリッド間フロー項と同等の正確性および堅牢性で坑井影響行列を扱う近似逆プレコンディショナが提供される。【解決手段】方法論は高度に並列化可能であり、同じ許容可能な許容値に収束するために必要とされるソルバー反復が少ないので、データ処理を高速に実施することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素貯留層のコンピュータシミュレーションに関し、より詳細には、大きい高解像度油層シミュレーションモデルにおける数千の油層グリッドセルと密結合された複合マルチラテラル坑井を有する油層内の掘削孔フローのシミュレーションに関する。
油層シミュレーションは、石油業界において、地下の炭化水素貯留層の挙動をコンピュータ処理することによって分析し、そのような貯留層からの生産を管理および最適化するために、広く使用されている。1つのタイプの油層シミュレーションは、完全連成(fully coupled)完全陰解(fully implicit)坑井−油層シミュレーションとして知られているものである。現在、掘削されるほとんどの坑井は、油層との接点を増やすために長距離が伴うマルチラテラルな横井戸である。同時に、復元プロセス分析の忠実度を高め、将来の油層管理作業をより良好に最適化および計画するために、より精細なグリッド油層シミュレーションモデルが使用される。結果として、数千のグリッドセルを貫通するマルチラテラル坑井を有することは珍しくない。
掘削孔の中および周りのフローの物理的現象を正確にモデル化するために、坑井もセグメント化されて、掘削孔内部のフローの物理的現象を詳細に表すことができる。これは、次に、坑井セルに出入りする流体フローのための流入挙動計算に対する正確な境界条件につながる。
今まで知られているように、最新技術のコンピュータ化された完全連成完全陰解油層シミュレータは、シミュレータの反復ソルバーの事前調整(前処理:preconditioning)ステップの構築において、Rowsum近似またはColsum近似として知られているものを使用している。これは、Rowsum近似またはColsum近似より以前の方法が、油層方程式を使用して坑井方程式を事前に排除すること、または坑井方程式と油層方程式の両方を用いて合成行列に対して事前調整方法を直接適用することのいずれかを使用したからである。しかしながら、これらの以前の方法は、坑井によって貫通されたグリッドセルの数が小さかった場合にのみ適切であった。
そうでない場合、以前の方法の解法行列内の充填項の数は、大きくなりすぎて非現実的であった。以前のソルバー方法は、いくつかの場合でも、坑井方程式および油層方程式のセットが異なる特性および困難さを有していたので、実装するには複雑すぎた。同時に、坑井セグメント当たりの代数方程式の数は、通常、油層グリッドセル当たりの方程式の数とは異なっていた。これにより、プロセッサノードの割当てならびに油層および坑井セルのデータ分布のソルバー簿記が複雑になり、コードの複雑さも低減され、解法アルゴリズムならびにコード効率が影響を受けた。
坑井影響行列を説明するために以前の方法に代わって使用されるようになったRowsum方法またはColsum方法は、実装するのが容易であり、述べられたように、通常、最新の油層シミュレータに使用されていた。残念なことに、この方法は弱体であり、長距離マルチラテラル坑井が、通常の場合、数千のグリッドセルを貫通するかもしれない複雑な問題に対して必要な堅牢性を欠いた。このことは、特に、精細なグリッドでモデル化されたかなり不均一な油層に当てはまり、坑井がクロスフローしているかもしれないとき、坑井の穿孔のうちのいくつかが掘削孔に流入する流体を有する場合があるが、いくつかの他の穿孔が掘削孔から油層への逆流を有する場合があることを意味する。
簡潔に言うと、本発明は、マルチラテラル坑井の掘削孔内の多相流体のフローのコンピュータ油層シミュレーションにおいて、流体の多相フローのフローをシミュレートする新しく改善されたコンピュータ実装方法を提供し、マルチラテラル坑井は、入力された油層データに基づいて油層セルのグリッドに編成された地下の炭化水素貯留層のセルを有する油層内の長さ方向の範囲に沿った複数の位置でフロー交差を有し、油層セルは、その中で起こる多相流体フローを有する。コンピュータ実装方法は、いくつかの隣接するグリッドセルから形成されたグリッド内の複数の油層グリッドセルに油層を区分化し、掘削孔の長さ方向に沿ったいくつかの隣接する掘削孔セルから形成されたグリッド内の複数の掘削孔セルにマルチラテラル掘削孔を区分化する。掘削孔セルとのフロー交差の位置における、油層グリッドセルおよび掘削孔セルとのフロー交差内の状態変化および圧力の表現が確立される。油層グリッドセルとのフロー交差の位置における、掘削孔セルとのフロー交差および油層グリッドセルとのフロー交差の表現が掘削孔セルについて確立される。級数プレコンディショナ(前処理行列:preconditioner)は、油層グリッドセルについての掘削孔セルとのフロー交差の確立された表現およびフロー交差を有する掘削孔セルについての油層グリッドセルとのフロー交差の確立された表現に基づいて、坑井影響項の行列−ベクトル乗算演算(行列ベクトル積:matrix−vector multiplication)による級数ベースの拡張(級数展開:series based expansion)として形成される。油層グリッドセルおよび掘削孔セルの中の多相流体のフローの表現を解き、残差を取得するために、コンピュータにおいて共役残差相互行列解法が適用される。行列−ベクトル乗算演算によって級数プレコンディショナを形成し、コンピュータにおいて共役残差相互行列解法を適用して掘削孔セルの多相流体のフローの表現を解くステップは、取得された残差が確立された正確性の限度内になるまで繰り返される。取得された残差が確立された正確性の限度内であるときの掘削孔セルの多相流体のフローの表現のコンピュータシミュレーションは記憶され、油層内の掘削孔の多相流体のフローの表現の記憶されたコンピュータシミュレーションから、出力表示が形成される。
本発明はまた、マルチラテラル坑井の掘削孔内の多相流体のフローのコンピュータシミュレーション用の新しく改善されたデータ処理システムを提供し、マルチラテラル坑井は、入力された油層データに基づいて油層セルのグリッドに編成された地下の炭化水素貯留層のセルを有する油層内の長さ方向の範囲に沿った複数の位置でフロー交差を有し、油層セルは、その中で起こる多相流体フローを有する。データ処理システムは、いくつかの隣接するグリッドセルから形成されたグリッド内の複数の油層グリッドセルに油層を区分化し、掘削孔の長さ方向に沿ったいくつかの隣接する掘削孔セルから形成されたグリッド内の複数の掘削孔セルにマルチラテラル掘削孔を区分化するプロセッサを含む。プロセッサはまた、油層グリッドセルについて、掘削孔セルとのフロー交差の位置における、油層グリッドセルおよび掘削孔セルとのフロー交差内の状態変化および圧力の表現を確立する。プロセッサはまた、掘削孔セルについて、油層グリッドセルとのフロー交差の位置における、掘削孔セルとのフロー交差および油層グリッドセルとのフロー交差の表現を確立する。プロセッサは、次いで、油層グリッドセルについての掘削孔セルとのフロー交差の確立された表現およびフロー交差を有する掘削孔セルについての油層グリッドセルとのフロー交差の確立された表現に基づいて、坑井影響項の行列−ベクトル乗算演算による級数ベースの拡張として、級数プレコンディショナを形成する。プロセッサは、コンピュータにおいて共役残差相互行列解法を適用して、油層グリッドセルおよび掘削孔セルの中の多相流体のフローの表現を解いて残差を取得する。プロセッサは、次いで、行列−ベクトル乗算演算によって級数プレコンディショナを形成し、コンピュータにおいて共役残差相互行列解法を適用して掘削孔セルの多相流体のフローの表現を解くステップを、取得された残差が確立された正確性の限度内になるまで繰り返す。データ処理システムはまた、取得された残差が確立された正確性の限度内であるときの掘削孔セルの多相流体のフローの表現のコンピュータシミュレーションを記憶するメモリと、油層の掘削孔セルの多相流体のフローの表現の記憶されたコンピュータシミュレーションを表示するディスプレイとを含む。
本発明はまた、マルチラテラル坑井の掘削孔内の多相流体のフローをデータプロセッサにシミュレートさせるためのコンピュータ動作可能命令を非一時的コンピュータ可読媒体に記憶した、新しく改善されたデータストレージデバイスを提供し、マルチラテラル坑井は、入力された油層データに基づいて油層セルのグリッドに編成された地下の炭化水素貯留層のセルを有する油層内の長さ方向の範囲に沿った複数の位置でフロー交差を有し、油層セルは、その中で起こる多相流体フローを有する。記憶された命令は、いくつかの隣接するグリッドセルから形成されたグリッド内の複数の油層グリッドセルに油層を区分化し、掘削孔の長さ方向に沿ったいくつかの隣接する掘削孔セルから形成されたグリッド内の複数の掘削孔セルにマルチラテラル掘削孔を区分化することをプロセッサに行わせる。記憶された命令は、油層グリッドセルについて、掘削孔セルとのフロー交差の位置における、油層グリッドセルおよび掘削孔セルとのフロー交差内の状態変化および圧力の表現を確立し、掘削孔セルについて、油層グリッドセルとのフロー交差の位置における、掘削孔セルとのフロー交差および油層グリッドセルとのフロー交差の表現を確立することをプロセッサに行わせる。記憶された命令はまた、油層グリッドセルについての掘削孔セルとのフロー交差の確立された表現およびフロー交差を有する掘削孔セルについての油層グリッドセルとのフロー交差の確立された表現に基づいて、坑井影響項の行列−ベクトル乗算演算による級数ベースの拡張として、級数プレコンディショナを形成することをプロセッサに行わせる。記憶された命令は、コンピュータにおいて共役残差相互行列解法を適用して、油層グリッドセルおよび掘削孔セルの中の多相流体のフローの表現を解いて残差を取得することをプロセッサに行わせる。記憶された命令は、行列−ベクトル乗算演算によって級数プレコンディショナを形成し、コンピュータにおいて共役残差相互行列解法を適用して掘削孔セルの多相流体のフローの表現を解くステップを、取得された残差が確立された正確性の限度内になるまで繰り返すことをプロセッサに行わせる。記憶された命令は、取得された残差が確立された正確性の限度内であるときの掘削孔の多相流体のフローの表現のコンピュータシミュレーションを記憶し、油層の掘削孔セルの多相流体のフローの表現の記憶されたコンピュータシミュレーションの出力表示を形成することをプロセッサに行わせる。
本発明はまた、地下の炭化水素貯留層内のマルチラテラル坑井の掘削孔内の多相流体のフローのシミュレーションの新しく改善されたコンピュータ実装方法を提供し、マルチラテラル坑井は、入力された油層データに基づいて油層セルのグリッドに編成された地下の油層のセルを有する油層内の長さ方向の範囲に沿った複数の位置で流体の交差を有し、油層セルは、その中で起こる多相流体フローを有する。コンピュータ実装方法は、コンピュータにおいて、マルチラテラル坑井のうちのいくつかとのフロー交差を有する油層セル用の油層データを有する陰解油層方程式(implicit reservoir equations)、圧力方程式、および流動方程式の完全連成非線形セット(fully coupled nonlinear set)を、油層計算行列、油層および流体フローの未知数のベクトル、ならびに油層残差のベクトルに編成し、また、コンピュータにおいて、油層セルのうちのいくつかとのフロー交差を有する掘削孔セル用の坑井データを有する陰解坑井方程式(implicit well equations)および流動方程式の完全連成非線形セットを、掘削孔計算行列、流体フロー未知数のベクトル、および掘削孔残差のベクトルに編成する。コンピュータ実装方法はまた、コンピュータにおいて、掘削孔セルと油層セルのフロー交差に基づく坑井影響行列、ならびに、油層計算行列および掘削孔計算行列を備える全系統計算行列(full system computation matrix)、全系統未知数のベクトル、および全系統残差のベクトルを編成する。コンピュータ実装方法は、油層計算行列および掘削孔計算行列の圧力係数を抽出し、全系統残差から圧力残差を抽出する。コンピュータ実装方法は、次いで、抽出された圧力残差を最小化することにより、全系統計算行列の油層セルおよび掘削孔セル内の圧力についての近似圧力解法を解き、近似圧力解法に基づいて全系統計算行列の油層セルについての流体圧力および残差を更新する。コンピュータ実装方法は、次いで、全系統計算行列、坑井影響行列、ならびに更新された圧力および残差についての近似全系統更新値を計算する。コンピュータ実装方法は、次いで、近似全系統更新値を更新された流体圧力と組み合わせ、全系統残差を更新し、保存方程式の完全連成非線形セットおよび更新された系統残差を使用して全系統計算行列を解くことにより、多相流体フローを決定する。
本発明はまた、地下の炭化水素貯留層内のマルチラテラル坑井の掘削孔内の多相流体のフローのシミュレーションのシミュレーション用の新しく改善されたデータ処理システムを提供し、マルチラテラル坑井は、入力された油層データに基づいて油層セルのグリッドに編成された地下の油層のセルを有する油層内の長さ方向の範囲に沿った複数の位置で流体の交差を有し、油層セルは、その中で起こる多相流体フローを有する。データ処理システムは、コンピュータにおいて、マルチラテラル坑井のうちのいくつかとのフロー交差を有する油層セル用の油層データを有する陰解油層方程式、圧力方程式、および流動方程式の完全連成非線形セットを、油層計算行列、油層および流体フローの未知数のベクトル、ならびに油層残差のベクトルに編成するプロセッサを含む。プロセッサはまた、コンピュータにおいて、油層セルのうちのいくつかとのフロー交差を有する掘削孔セル用の坑井データを有する陰解坑井方程式および流動方程式の完全連成非線形セットを、掘削孔計算行列、流体フロー未知数のベクトル、および掘削孔残差のベクトルに編成する。プロセッサは、次いで、コンピュータにおいて、掘削孔セルと油層セルのフロー交差に基づく坑井影響行列、ならびに、油層計算行列および掘削孔計算行列から形成された全系統計算行列、全系統未知数のベクトル、および全系統残差のベクトルを編成する。プロセッサは、油層計算行列および掘削孔計算行列の圧力係数を抽出し、全系統残差から圧力残差も抽出する。プロセッサは、次いで、抽出された圧力残差を最小化することにより、全系統計算行列の油層セルおよび掘削孔セル内の圧力についての近似圧力解法を解く。プロセッサは、次いで、近似圧力解法に基づいて全系統計算行列の油層セルについての流体圧力および残差を更新する。プロセッサは、全系統計算行列、坑井影響行列、ならびに更新された圧力および残差についての近似全系統更新値を計算し、近似全系統更新値を更新された流体圧力と組み合わせ、全系統残差を更新する。プロセッサは、次いで、保存方程式の完全連成非線形セットおよび更新された系統残差を使用して全系統計算行列を解くことにより、多相流体フローを決定する。
本発明はさらに、地下の炭化水素貯留層内のマルチラテラル坑井の掘削孔内の多相流体のフローのシミュレーションにおけるシミュレーション用の新しく改善されたデータ処理システムを提供し、マルチラテラル坑井は、入力された油層データに基づいて油層セルのグリッドに編成された地下の油層のセルを有する油層内の長さ方向の範囲に沿った複数の位置で流体の交差を有し、油層セルは、その中で起こる多相流体フローを有する。データ処理システムは、コンピュータにおいて、マルチラテラル坑井のうちのいくつかとのフロー交差を有する油層セル用の油層データを有する陰解油層方程式、圧力方程式、および流動方程式の完全連成非線形セットを、油層計算行列、油層および流体フローの未知数のベクトル、ならびに油層残差のベクトルに編成するプロセッサを含む。プロセッサはまた、コンピュータにおいて、油層セルのうちのいくつかとのフロー交差を有する掘削孔セル用の坑井データを有する陰解坑井方程式および流動方程式の完全連成非線形セットを、掘削孔計算行列、流体フロー未知数のベクトル、および掘削孔残差のベクトルに編成する。プロセッサはまた、コンピュータにおいて、掘削孔セルと油層セルのフロー交差に基づいて坑井影響行列を編成し、コンピュータにおいて、油層計算行列および掘削孔計算行列から構成される全系統計算行列、全系統未知数のベクトル、ならびに全系統残差のベクトルを編成する。プロセッサは、油層計算行列および掘削孔計算行列の圧力係数を抽出し、次いで、全系統残差から圧力残差を抽出する。プロセッサは、次いで、抽出された圧力残差を最小化することにより、全系統計算行列の油層セルおよび掘削孔セル内の圧力についての近似圧力解法について解く。プロセッサは、次いで、近似圧力解法に基づいて全系統計算行列の油層セルについての流体圧力および残差を更新する。プロセッサは、次いで、全系統計算行列、坑井影響行列、ならびに更新された圧力および残差についての近似全系統更新値を計算する。プロセッサは、近似全系統更新値を更新された流体圧力と組み合わせ、全系統残差を更新し、保存方程式の完全連成非線形セットおよび更新された系統残差を使用して全系統計算行列を解くことにより、多相流体フローを決定する。
本発明はさらに、地下の炭化水素貯留層内のマルチラテラル坑井の掘削孔内の多相流体のフローをプロセッサにシミュレートさせるためのコンピュータ動作可能命令を非一時的コンピュータ可読媒体に記憶した、新しく改善されたデータストレージデバイスを提供し、マルチラテラル坑井は、入力された油層データに基づいて油層セルのグリッドに編成された地下の油層のセルを有する油層内の長さ方向の範囲に沿った複数の位置で流体の交差を有し、油層セルは、その中で起こる多相流体フローを有する。データストレージデバイスに記憶された命令は、コンピュータにおいて、マルチラテラル坑井のうちのいくつかとのフロー交差を有する油層セル用の油層データを有する陰解油層方程式、圧力方程式、および流動方程式の完全連成非線形セットを、油層計算行列、油層および流体フローの未知数のベクトル、ならびに油層残差のベクトルに編成することをプロセッサに行わせる。記憶された命令はまた、コンピュータにおいて、油層セルのうちのいくつかとのフロー交差を有する掘削孔セル用の坑井データを有する陰解坑井方程式および流動方程式の完全連成非線形セットを、掘削孔計算行列、流体フロー未知数のベクトル、および掘削孔残差のベクトルに編成することをプロセッサに行わせる。記憶された命令はさらに、コンピュータにおいて、掘削孔セルと油層セルのフロー交差に基づいて坑井影響行列を編成し、次いで、コンピュータにおいて、油層計算行列および掘削孔計算行列を備える全系統計算行列、全系統未知数のベクトル、ならびに全系統残差のベクトルを編成することをプロセッサに行わせる。命令は、油層計算行列および掘削孔計算行列の圧力係数を抽出し、全系統残差から圧力残差を抽出することをプロセッサに行わせる。命令は、次いで、抽出された圧力残差を最小化することにより、全系統計算行列の油層セルおよび掘削孔セル内の圧力についての近似圧力解法を解くことをプロセッサに行わせる。命令は、次いで、近似圧力解法に基づいて全系統計算行列の油層セルについての流体圧力および残差を更新し、全系統計算行列、坑井影響行列、ならびに更新された圧力および残差についての近似全系統更新値を計算することをプロセッサに行わせる。命令は、近似全系統更新値を更新された流体圧力と組み合わせ、全系統残差を更新することをプロセッサに行わせる。命令は、次いで、保存方程式の完全連成非線形セットおよび更新された系統残差を使用して全系統計算行列を解くことにより、多相流体フローを決定することをプロセッサに行わせる。
地下油層構造グリッドのコンピュータモデルの等角図である。
油層シミュレーションモデルにおけるいくつかのマルチラテラル坑井および貫通グリッドブロックの3次元ビューの画像の図である。
油層モデルにおいて有限体積グリッドブロックを横断するいくつかのマルチラテラル掘削孔の平面図である。
例示的な小型モデルのための完全連成完全陰解坑井−油層ヤコビ行列の一例の概略図である。 例示的な小型モデルのための完全連成完全陰解坑井−油層ヤコビ行列の一例の概略図である。
完全陰解坑井結合項によって誘導された追加の非ゼロ高密度ブロック導関数を有する縮約系行列の一例の概略図である。 完全陰解坑井結合項によって誘導された追加の非ゼロ高密度ブロック導関数を有する縮約系行列の一例の概略図である。
本発明のいくつかの実施形態による、油層シミュレーションにおける完全連成完全陰解掘削孔モデル化のためのデータ処理ステップの機能ブロック図またはフローチャートである。
本発明の他の実施形態による、油層シミュレーションにおける完全連成完全陰解掘削孔モデル化のためのデータ処理ステップの機能ブロック図またはフローチャートである。
本発明による、コンピュータ処理コアによって処理されるべき、下位領域にさらに分割された油層の小型モデル例の概略図である。
図8のモデルのための、本発明による、区分化された行列およびベクトルのデータの概略図である。
本発明による、処理のテスト例用の地下油層構造のグリッド油層シミュレーションモデルのコンピュータモデルの等角図である。
図8のモデルについての従来技術による処理結果と対照して、本開示による処理結果の比較データプロットの図である。 図8のモデルについての従来技術による処理結果と対照して、本開示による処理結果の比較データプロットの図である。 図8のモデルについての従来技術による処理結果と対照して、本開示による処理結果の比較データプロットの図である。 図8のモデルについての従来技術による処理結果と対照して、本開示による処理結果の比較データプロットの図である。
本発明による、完全連成完全陰解掘削孔モデル化用のコンピュータネットワークの概略図である。
図15のコンピュータネットワークのアプリケーションサーバまたはコンピュータノードの概略図である。
[油層シミュレータ]
導入部として、上記で確認されたタイプの既知のコンピュータ油層シミュレーションのより詳細な説明が提供される。地下油層からの石油およびガスの採取のために、掘削孔は炭化水素流体の採取用にこれらの層に掘削される。採取プロセスの間、水および/またはガスなどの流体は、圧入井に注入され、孔隙内の流体混合物は生産井から生産される。これらの油層の将来の挙動を予測し、代替の開発計画を評価するために、油層シミュレータはシミュレーションモデルを実行するために使用される。これらのモデルは、最初に、既存の生産データを使用して、履歴整合ステップで較正される。較正されたモデルは、次いで、将来の操業シナリオを評価するために使用される。たとえば、履歴整合モデルは、所定の位置に残っている炭化水素のうちの多くを採取するために、さらなる坑井をいつどこで掘削するかを判断するために使用される場合がある。
油層シミュレータは、グリッドブロックごとに離散平衡方程式の系を解くコンピュータ実装ソフトウェア方法論である。離散方程式(分散型方程式:discrete equation)は、通常、油層内の質量、運動量、およびエネルギーの保存方程式を記述する非線形偏微分方程式の支配系の有限体積離散化から形成される。
図1は、数百万の有限体積に離散化された、典型的な油層シミュレーション領域Dを示す。坑井は、油層に掘削されて、その孔隙に流体を注入し、またはその孔隙から流体を生産する。図2は、油層モデルM内で多くのグリッドブロックを貫通するいくつかの多分岐複合坑井20の3Dビューを示し、図4は、多くのマルチラテラル坑井22を有する油層モデルM−1の2D平面図を示す。
坑井方程式は、課された拘束、流体を注入もしくは生産する段階の割合、または坑井の坑底圧力を表し、時々、20および22に示されたような坑井の掘削孔自体の中の質量、運動量、およびエネルギーのバランスも含む。坑井および油層を含む系は、導関数が局所的に解くことを困難にするほど非連続であり得る、密結合された高度非線形系を表す。堅牢性および数的安定性のために、陰解法は、一般に、結合連立方程式を解くために適用される。坑井フロー項は支配的な境界条件を表すので、坑井と油層との間の強固に結合された系用の堅牢な陰解方式は、通常、かなり望ましい。したがって、完全連成完全陰解方法として知られているものは、油層シミュレーションにおいて坑井を扱うための支配的な最新方法論である。しかしながら、その複雑さの故に、結合坑井−油層解法は、解法プロセス中に何らかの近似的な方法で扱われる。本発明は、これらの欠点に対処する方法論を提供する。
サウジアラムコのGigaPOWERS油層シミュレータの背景説明は、Dogruらの(SPE119272、「A Next−Generation Parallel Reservoir Simulator for Giant Reservoirs」、Proceedings of the SPE Reservoir Simulation Symposium、ウッドランズ、テキサス州、米国、2009年2月2〜4日、29ページ)において見つけることができる。多相多成分系の過渡解は、油層の初期状態からの時間ステップのシーケンスにおける質量およびエネルギーの保存の評価を伴う。時間ステップごとに、有限体積ごとの連立非線形離散方程式は、一般化されたニュートンの方法として知られているものを使用して線形化される。
[命名法]
下記に記載される方程式内のシンボルは以下の意味を有する。
p=圧力
q=生産率
=モル分率
=相体積
=相飽和
=化学種iの全体濃度
φ=多孔度
ρ=密度
μ=粘度
ω=質量分率
R=均一反応率
D=分散係数
u=速度
=岩孔体積
=モル総数
上付き文字:
ref=基準
p=流体相
t=合計
下付き文字:
i=成分インデックス
j=相インデックス
[化学種保存]
化学種成分i用の一般的な化学種保存方程式は、
によって与えられる。
ここで、
である。
分散の場合、化学反応および吸収は無視され、化学種方程式は、
と簡略化される。
多孔質媒体の孔隙は存在する流体で満たされなければならないので、細孔体積は合計流体体積に等しくなければならない。これは、
として表すことができる。
ここで、細孔体積Vφは圧力のみの関数であり、
として記述される。
圧力およびモル総数は主要変数である。最後に、使用される他の方程式は、
である。
油層シミュレータにおいて使用される、モル/日単位の炭化水素成分iについての典型的な坑井比率関係は、形式:
を有する。
[レイヤ坑井インデックス]
WIは、通常、レイヤ坑井インデックスと呼ばれる。WIは、坑井の近くの定常状態の圧力プロファイルを介する坑井の坑底圧力に対する坑井セル有限差分グリッド圧力および坑井セルについての相当半径rの決定に関する。Peaceman数式として知られているものは、しばしば、油層シミュレータにおいてレイヤ坑井インデックスを決定するために使用され、これは、後に、異方性矩形グリッドおよび他のより複雑な状況に拡張されている。
式(13)において、λは流体相移動度を表し、γwellは、掘削孔内の流体混合密度に依存する掘削孔重力傾斜である。Pbhは、坑井基準深度における坑底圧力であり、pは坑井セル圧力である。Peaceman坑井インデックスを用いた油層シミュレーションの一般化された形式は、Fungらの「Unconstrained Voronoi Grids for Densely Spaced Complex Wells in Full−Field Reservoir Simulation」、SPE Journal、2014年10月号、ページ803〜815内に補遺Bとして含まれている。
掘削孔のフローおよび拘束は、異なるレベルの詳細において表現することができる。最も簡単な場合、坑井全体は、定常状態条件における単一の貯蔵所として考えられ、流体内容物は、厳密にすべての寄与レイヤからの全流入物の混合である。この場合、完全陰解坑井方程式は、単に、すべての変数が新しい時間レベルにおいて取られる方程式(13)である。次のステップは、坑井用の各流体成分の質量平衡方程式を含めることであるが、坑井全体は、まだ単一の貯蔵所として考えられる。この場合、掘削孔トランジェントを説明することができ、掘削孔網全体のための坑井方程式セットは、nwvar=(nvar+1)方程式を有し、ここで、nvarは流体成分の数である。しかしながら、より詳細な坑井モデルは、いくつかのセグメントに分割された掘削孔を有することができ、そこでは、坑井セグメント流体成分および全質量平衡、プラス坑井拘束方程式は、油層連立方程式と同時に解かれる。熱シミュレーションの場合、坑井セグメントごとのエネルギー平衡方程式も必要とされる。
[完全連成系]
陰解坑井方程式および陰解油層方程式を有する完全連成系は、以下の通りである。
ここで、非線形坑井方程式および非線形油層方程式のヤコビ導関数は、
であり、XおよびXは、坑井変数および油層変数であり、RおよびRは、初期坑井残差および初期油層残差である。各グリッドセルは複数の方程式を有することができ、坑井グリッド用の方程式の数と油層グリッド用の方程式の数は異なるので、nvarはグリッド当たりの油層方程式の数として、nwvarはグリッド当たりの坑井方程式の数として使用される。nvarは、一般に、nwvarと等しくないことを留意されたい。したがって、AWW内の各非ゼロ値は(nwvar*nwvar)の高密度ブロックであり、ARR内の各非ゼロ値は(nvar*nvar)の高密度ブロックであり、AWR内の各非ゼロ値は(nwvar*nvar)の高密度ブロックであり、ARW内の各非ゼロ値は(nvar*nwvar)の高密度ブロックである。
陰解油層系用の解法は、通常、非対称で悪い状態の大規模疎行列に適した事前調整反復法である。直列限定並列間系(serial to limited parallel system)の場合、ネスト化因数分解(nested factorization:NF法)、または付加シュワルツ法などの領域分解法を用いた、定義されたレベルの不完全下位−上位ILU(k)三角因数分解が、一般的に使用される。2段階プレコンディショナとして、拘束圧残差(constraint pressure residual:CPR)法として知られている圧力予測−補正法も、従来技術ではよく知られている。最新技術においてしばしば使用される非対称系行列用のクリロフ部分空間法は、ORTHOMINアルゴリズムおよびGMRESアルゴリズムである。代替として、BICGSTABアルゴリズムも使用されるが、反復当たりの作業係数が高いためにあまり普及していない。
上記で指摘されたように、Rowsum近似またはColsum近似より前の2つの以前の方法は、複雑な坑井および大規模結合連立方程式に適用するには不十分かつ複雑であった。これらは、事前調整反復法を直接用い、完全縮約系行列を事前調整することによって縮約系を解く、完全連成系の解法である。それらは、小規模結合坑井−油層シミュレーションシステムの連続計算に有用であり得るが、堅牢なシミュレータの大規模並列アプリケ−ションには非現実的である。
[事前調整反復法を直接使用して完全連成系を解くこと]
この方法では、複合行列が直接解かれた。すなわち、行列方程式は
と設定された。
ここで、
である。
この手法は、共に完全系を解き、同時に解ベクトル[X,X]を取得する。図4は、完全連成完全陰解坑井−油層ヤコビ行列の小型の例示的なモデルである。15個のグリッドセル40、および中央にある5つのグリッドセルを貫通する掘削孔42を有する小型油層モデルM−2の一例が図4に示されている。図4の行列44は、油層(ARR)にあるセル40と掘削孔(ARW)の42との接続性を概略的に描写する。図4の行列の中の文字w、x、wr、およびrwは、坑井セグメント導関数、油層グリッド導関数、坑井−油層結合導関数、および油層−坑井結合導関数用の密度部分行列の非ゼロ値を表す。この方法は、小型サイズから中型サイズのモデルにおける少しの坑井を有する小さい問題に使用される場合がある。それは、何年も前に連続計算において普及した方法である。
この方法は、fillレベルの不完全下位−上位ILU(k)三角因数分解法などの代数的事前調整方法における実装により適合する。それは、ネスト化因数分解(NF)法などの構造化グリッドベースの事前調整方法には適していないと分かっている。セル割当ておよび行列編成の簿記は、因数分解されるべき不規則な高密度ブロック、ならびに並列領域分割法上の否定的な含みに起因してより複雑である。これは、因数分解し、解くためにより多くのネットワーク通信を必要とする複数の下位領域を坑井が横断することができるからである。
完全縮約系行列を事前調整することによって縮約系を解くこと
この解法は、最初に油層方程式から坑井方程式を切り離して縮約系を形成する。
縮約系は油層変数[X]を見つけるために解かれる。坑井方程式のための解法は、油層変数を取得するために縮約系が解かれた後に、以下の逆解法ステップによって取得される。
図5は、式(16)による縮約系行列50を有する、図4の油層モデルM−2の同じ例を示す。図5は、完全陰解坑井結合項によって誘導された追加の非ゼロ高密度ブロック導関数を有する縮約系行列の小さな例である。モデル内の坑井が非常に少ないグリッドセルを貫通するとき、この方法は許容できる可能性がある。しかしながら、油層内の坑井が多くのグリッドセルを貫通する場合、縮約系行列50内の追加の非ゼロ値の数は過剰になり、この方法の魅力を失う。これは、縮約系行列
が多くの坑井誘導非ゼロ項を有していたためであって、坑井項がない油層行列と比較して、解くことをはるかに高価にする。
[RowsumまたはColsumの事前調整を使用して縮約系を解くこと]
現在のシミュレータにおいて使用される完全陰解結合系解法用の最新の技術の始まりの主要な方法は、RowsumまたはColsumのいずれかの事前調整方法である。この方法は、簡単で、適当な数の坑井が穴を開けたグリッドセルを有する坑井に適しているが、シミュレーションモデルが、複雑な異成分を有し、非常に高い穿孔多相フローレートを有する数千のグリッドセルに穴を開ける場合がある多くの複合マルチラテラル長距離坑井を含んでいるとき、それは全ソルバーに対して収束が遅くて正常に動かなくなるか、または収束に失敗する場合がある。これらの複雑な状況では、結合ソルバーは、セル間のフロー項に対してわずかに事前調整されているだけの過剰な坑井影響係数の結合に起因して、失速するか、または全く収束できない可能性がある。
縮約系行列
は、元のARR行列よりもかなり多くの非ゼロ値を有することができるので、それは明示的に計算されない。事前調整のために、最新技術は、列和(Colsum)または行和(Rowsum)のいずれかを行って坑井影響行列を対角化する。ネスト化因数分解(NF)事前調整アルゴリズムでは、NFは、行列:
に適用される。
Colsum行列は、ブロック(nvar*nvar)を有するブロック対角行列であり、ここで、nvarは油層グリッドセル当たりの解かれるべき方程式の数である。不完全下位上位(ILU)三角因数分解事前調整アルゴリズムでは、ILUは、行列:
に適用される。
Rowsum行列は、ブロック(nvar*nvar)を有するブロック対角行列であり、ここで、nvarは油層グリッドセル当たりの解かれるべき方程式の数である。
行列−ベクトル積は、積が必要なときはいつでも、一連の行列−ベクトル乗数として計算される。
RowsumおよびColsumの事前調整は、各々、以前使用された完全系行列を事前調整するよりもはるかに少ない演算しか必要としない。しかしながら、坑井が高いフローレートで多くの不均一な層を貫通する場合、ソルバーの収束は影響を受ける。最新のシミュレーションでは、フルフィールドモデルは、図2および図3において見ることができるように、数千の坑井を有する場合があり、各坑井は数千のグリッドセルを貫通することができる。そのようなフィールドモデルでは、最新のRowsumおよびColsumの事前調整は、いくつかの問題のために、不十分な収束を有するか、または収束できない場合がある。
上述された完全系行列の以前の事前調整は、ひどく高価になるが、完全結合系の直接解の他の以前の方法は、複雑で、高価でもあり、複数のプロセッサに対して並列化することが困難である。したがって、今まで知られているように、従来方法のどれも、大規模並列油層シミュレーションに対して十分に堅牢および効率的ではなかった。
[本発明]
前述の困難を克服するために、本発明は、縮約系行列用の高度に並列化可能なプレコンディショナに基づく、堅牢で、さらに計算するのに効率的である、コンピュータ実装方法論を提供する。本発明は、炭化水素貯留層の挙動を分析し、それらの開発を評価するために使用される、油層シミュレーションの既存の技術的プロセスに対する改善点を提供する。本発明はまた、シミュレータ処理において不十分な収束または収束の失敗に起因して失われる処理時間を削減することにおいて、およびデータ処理システムのネットワーク内の通信の複雑さを低減することにおいても、油層シミュレーションの挙動におけるコンピュータの機能化を改善する。式(16)において、
である。
本発明は、3つの実施形態の形式を取る。1番目は、均一1レベルプレコンディショナに基づく。2番目の実施形態は、均一2レベルCPR型プレコンディショナである。3番目の実施形態は、不均一結合性事前調整方法である。3つの実施形態の方法論において使用されるプレコンディショナは、並列化GCR(k)法、GMRES法、またはBICGSTAB法などの、クリロフ部分空間反復アルゴリズムのうちの1つのためのアクセラレータとして働く。本発明は、油層シミュレーションの結合解法の収束における加速をもたらす。本発明はまた、良好な近似更新ベクトルを生成して、結合坑井−油層問題の残差を削減する能力をもたらす。したがって、本発明の方法論は、高速、堅牢、かつ、高度に並列化可能で、正解に近い近似解を計算し、生成するのに効率的である。
[命名法]
RR=油層グリッドヤコビ行列
WR=坑井から油層への結合ヤコビ行列
RW=油層からの坑井への結合ヤコビ行列
WW=マルチセグメント坑井ヤコビ行列
=圧力係数ヤコビ行列
C=圧力係数セレクタ
=圧力係数セレクタの移項
=油層グリッドヤコビ行列の残余成分
=坑井影響係数ヤコビ行列
−1=全系統プレコンディショナ
=油層グリッドヤコビ行列の区分化成分
R,r=残差ベクトル
W=圧力減結合演算子行列
X=解ベクトル
添字:
C=補正
P=圧力
R=油層
W=坑井
T=合計
[実施形態1]
坑井結合および油層グリッド非ゼロ値充填項用の可変次数を用いた並列1レベル線解べき級数(LSPS)事前調整
均一1レベル事前調整方法は、以下のように記載される。
この方法では、以下の置換が行われる。
RR=[P+E](21)
したがって、
である。
そして、縮約系残差は、
である。
これは、縮約系行列方程式の簡略化された形式:
を与える。
さらに、
である。
次いで、
である。
線形系のよく知られた形式を取得するために、
である。
上記の縮約系方程式では、Pは、LU因子を生成するために非ゼロ値が使用されるARRの一部であり、その結果、
の結果は簡単に計算することができる。たとえば、Pの1つの適切な選択は、Z線で順序付けられた油層連立方程式用のブロック三重対角行列である。
別の可能な選択は、油層行列の最大接続因子で順序付けされたブロック三重対角部分である。破砕二重多孔度二重浸透性系または破砕(フラクチャー型:fractured)マルチモーダル多孔度系では、同じ空間位置およびZ線または最大接続因子を有する方向にあるすべての孔隙区分のすべての接続因子は、すべてPの部分である。
N項べき級数
を使用する近似逆プレコンディショナは、
と書くことができる。
さらに、E成分の異なる重要性に起因して、EおよびE用の項を様々な次数まで保持して作業結果を保存する場合、
である。
M≧2、N>Mを満たし、そうでない場合、上記の行列方程式内のそれぞれの項は、恒等行列[I]である。いくつかの特殊ケースを以下のように示すことができる。
たとえば、E用の一次項のみを保持することにより、
である。
とE用の同じ次数が保持される場合、プレコンディショナは、
になる。
Nが2に設定され、E用の一次項のみが保持される場合、
である。
近似逆行列を直接構築することは必要でない。縮約結合完全陰解系用の近似逆プレコンディショナは、近似解更新値が必要とされるときはいつでも、一連の行列−ベクトル乗算として適用される。プレコンディショナのこの実施形態は、坑井影響係数から発生する誤差成分の平滑化に、直接だが適当な追加コストで対処し、それは、結合系解法の速度および堅牢さにとって望ましい最適なレベルに制御することができる。これは、坑井と油層との間の著しい結合を有する大規模複合シミュレーションシステムが存在するとき、過剰なソルバー反復または収束失敗がかかる可能性がある、従来の技法を超える利点である。述べられたように、Rowsum法またはColsum法は、弱すぎて効果的ではない。
縮約系方程式(25)を解くための事前調整クリロフ部分空間アルゴリズムは、以下のように、一般化された拘束残差GCR(k)法を使用して下記に示される。
s=0の場合、上記のアルゴリズムは、一般化された拘束ベースまたはGCRベースである。s=max(0,j−k+1)の場合、アルゴリズムはORTHOMINベースである。GCR(k)は、GCRの再起動バージョンにすぎない。GMRESアルゴリズムおよびBICGSTABアルゴリズムは、代替として同様に使用することもできる。
図6のフローチャート60は、図15のSに示されたようなデータ処理システムまたはデータ処理コンピュータに実装された、並列レベル線解べき級数事前調整実施形態のための本発明の論理構造を示す。フローチャートは、本発明に従って機能する集積回路上の論理回路を含む、コンピュータプログラムコード要素の構造を示すことを、当業者なら諒解されよう。明らかに、本発明は、示されたそれらに対応する機能ステップのシーケンスを実施するように、デジタル処理装置(すなわち、コンピュータ)に命令する形式にプログラムコード要素を変える機械構成部品により、その基本的な実施形態において実践される。
本発明は、十分に機能的なコンピュータシステムのコンテキストで記載されており、記載され続けるが、本発明が様々な形態のプログラム製品として分配されることが可能であること、および、本発明が、分配を実際に行うために利用される特定のタイプの非一時的信号関連媒体にかかわらず等しく適用されることを、当業者なら諒解することに留意することは重要である。非一時的信号関連媒体の例には、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、およびCD ROMなどの記録可能型媒体が含まれる。
本明細書に記載された処理は、様々な他のタイプの油層シミュレータに実装できることを理解されたい。それは、シングルCPU、共有メモリ並列もしくは大規模並列処理コンピュータ、分散メモリスーパーコンピュータ、および、自製PCクラスタまたは製品PCクラスタなどの様々なPCクラスタなどの、様々なコンピュータプラットフォーム上で実行することができる。
図6のシーケンスでは、フローチャート60は、本発明による処理ステップのシーケンスを示す。処理シーケンスは、本明細書に記載されたタイプのメイン油層シミュレータ処理シーケンスから、ステップ61において入る。第1の処理ステップ61の間、非線形坑井および油層方程式のために、方程式(15)による複合ヤコビ行列が構築される。
次いで、ステップ63の間、反復カウンタiが0に設定され、行列計算
=b−[A]x
が行われ得るように推定値xが選択される。
ステップ65において、坑井結合および油層グリッド非ゼロ値充填項用の可変次数を用いた並列1レベル線解べき級数(LSPS)が、方程式(29)から(33)とともに上述されたように適用され、方程式(30)は、方程式(29)に記載されたプレコンディショナの一般形式であり、方程式(31)、(32)、(33)は、プレコンディショナの形式の具体例である。
ステップ65において、近似解ベクトル
が方程式(28)に従い、その成分は、完全連成完全陰解坑井影響ヤコビ行列を伴う方程式(21)から(27)によって詳述されている。近似逆プレコンディショナは、記載されるように、クリロフ部分空間反復法内で適用される。
この計算は、上述された方式で、切頭されたノイマン級数展開を使用して実施される。並列計算アレイが使用されている場合、隣接するプロセッサ間の通信は、下記に記載される方式で、ステップ65の間に行われる。
次に、ステップ67の間、方程式(34)から(41)の方法論とともに上述されたように、坑井および油層方程式の系を解くために、切頭された汎用共役残差法すなわちGCR(k)法が適用される。再び、並列計算アレイが使用されている場合、隣接するプロセッサ間の通信が実施される。GCR(k)に加えて、GMRES法およびBICGSTAB法の並列バージョンなどの、代替のクリロフ部分空間反復法が、このステップにおいて使用される場合もある。
ステップ69において、ステップ67の間に取得された残差結果が、ユーザ指定された残差の許容値と比較される。取得された残差結果がユーザ指定された許容値内にないとき、反復カウンタが増分され、処理は、次の反復について上述された方式で、別の処理サイクルのためにステップ65に戻る。油層解ベクトルが計算された後、行列方程式(17)を使用して、坑井解ベクトルが計算される。
処理は、反復サイクルのステップ67の間に、ユーザ指定された許容値範囲内で残差用の解値が見つかるまで、前述の方式で進む。このときに、グリッドセル内の満足のいく残差をもたらす流体の坑井および油層方程式について取得された結果が、図6の命令ステップに従って進む1つまたは複数のプロセッサのメモリに記憶される。1つまたは複数のプロセッサの制御は、次いで、メイン油層シミュレータシーケンスに戻る。図6による満足のいく処理の結果の表示が、ユーザ要求に対して行われる。
方法の連続アプリケーションと並列アプリケーションの両方に対して、手順は同じである。方法の並列アプリケーションでは、行列−ベクトル乗算より前にプロセッサ間通信ステップが実施され、データ区分の境界に位置する中間解ベクトルの要素は、内部領域境界を共有するプロセッサ間で交換される必要がある。
[実施形態2]
[並列CPR型線解べき級数事前調整]
拘束圧残差CPR事前調整方法として知られているものは、Wallis,J.R.らの「Constrained Residual Acceleration of Conjugate Residual Methods」、SPE 13563、Proceedings of the 8th SPE Reservoir Simulation Symposium、ダラス、米国、1985年2月10〜13日に最初に記載された。CPR法の変形形態は、FungおよびDogruの「Parallel Unstructured Solver Methods for Simulation of Complex Giant Reservoirs」、SPE(2008年12月)、ページ440〜446においてさらに説明された。
結合坑井−油層系を解くために、拘束圧残差手順が適用および改善され、使用される行列項は、命名定義に従って定義されている。本発明によるCPR事前調整は、圧力予測−補正ステップを伴い、
と書くことができる。
ここで、
である。
そして、圧力行列は、
である。
Cは、
によって与えられる。
各セルについて圧力が第1の未知数であると仮定すると、eをnvar×1のベクトルにし、ここで、nvarは、グリッドセル当たりの方程式の数である。
Wの目的は、Aに対してIMPES法のような減少ステップを実施することである。たとえば、Wは、
W=DIAG−1(A)(47)
として計算される。
記号DIAG(A)は、Aの主対角線nvar*nvarサブ行列ブロックを表記する。Wは、PAMGが圧力ソルバーとして良好に働くために
がもう少しで正定値になるように選択される必要があることに留意されたい。これは、LSPS、またはILU変形形態のうちのいずれかに対する要件ではない。
したがって、CPR事前調整ステップ
は以下のように略述することができる。
1.全系統残差を圧力系に限定する。
=C (48)

2.圧力系を繰り返し解く。
=r (49)

3.圧力解を全系統に拡張する。
s=Cx (50)

4.圧力残差から全系統残差を補正する。
=r−A・s (51)

5.第2段階の事前調整を使用して全系統を解く。
Mx=r (52)

6.圧力解から全系統解を補正する。
=x+s (53)

7.圧力系事前調整は、並列代数マルチグリッド法(parallel algebraic multi−grid)すなわちPAMG法、または、上記の実施形態1に記述されたILU(k)法もしくはLSPS法の使用を含む、いくつかの方法で遂行することができる。
好ましい全系統事前調整方法はLSPS法である。圧力系ソルバーは、通常、GCR(k)法もしくはGMRES法、またはBICGSTAB法の少ないクリロフ部分空間反復に限定される。PAMG法の場合、それは、通常、単一ローカルベクトルVのマルチグリッドサイクルに限定される。方程式(52)における全系統事前調整解も、方程式(34)から(41)において概説されたクリロフ部分空間法のうちの1つを使用する。
図7は、本発明の第2の実施形態による、並列拘束圧残差またはCPR型線形ソルバーべき級数事前調整のためのソルバー法についての概略の流れ図70を示す。近似解ベクトルを決定する際に使用される近似逆事前調整方法は、圧力解法と全系統解法の両方の間のクリロフ部分空間反復アルゴリズムのうちの1つの中で適用される完全連成坑井影響行列
を伴う。油層解ベクトルが計算された後、行列方程式(17)を使用して、坑井解ベクトルが計算される。図7に示された処理は、図15のデータ処理システムにおいて実施される。
ステップ71は、図7に示されたように、ブロック対角逆数により系行列のブロック行をスケーリングする。各下位領域の全ブロック行用のデータストアはローカルなので、このステップは完全に並列であり、同期を必要としない。ステップ72は、示されたように、[P]用の上位分解および下位分解[L][U]を計算する。[P]行列は、方程式(25)に記載された区分化されたヤコビ行列
であり、逆数
は、方程式(29)から(33)におけるように、[U]−1[L]−1として計算される。
ステップ73は、全系統係数行列から圧力係数行列を抽出する。[C]および[C]は、代数抽出プロセスにおける制限演算子および延長演算子である。ステップ74は、単に、全系統反復プロセスを初期化する。
ステップ75は、全系統残差から圧力残差を抽出する。ステップ76は、近似圧力解法を実施する。解法は、事前調整されたクリロフ部分空間法である。プレコンディショナは、方程式(29)に示された並列線解べき級数法、または並列代数マルチグリッド法PAMGであり得る。圧力解は、大まかな近似解を必要とするだけである。ステップ76は、各行列−ベクトル乗算におけるMPI通信法を含む。この方法は、並列スケーラビリティを高める通信隠蔽戦略を含む。圧力解は、全系統残差を抑制して全系統解を速めるために使用される。
ステップ77は、圧力解ベクトルを全系統解ベクトルに拡張する。これは、ステップ78において全系統残差を削減するために使用される。ステップ79において、削減された全系統残差は、次いで、示された行列方程式を使用して近似全系統更新値を計算するために使用される。圧力系と全系統の両方から合成された更新値は、ステップ80において計算される。ステップ81は、残差が最小化されるように全系統更新値に対して最適化する、並列GCR(k)アルゴリズムまたはGMRES(k)アルゴリズムの全系統バージョンである。ステップ82は、全系統収束の確認である。ステップ74から82のiでインデックス付けされた反復ループは、全系統反復解法ループである。
ステップ76、78、79、および81は、通信隠蔽アルゴリズムを有するMPI通信を伴う組込み型行列−ベクトル乗算を使用する。内部セル用の行列−ベクトル乗算は、MPI通信と同時に行われる。通信が完了すると、ローカルベクトルVは、次に、すべてのゴーストセル情報を包含し、行列−ベクトル乗算は、残りの境界セルに対して行うことができる。ステップ76および81は、MPI削減演算を必要とする分散されたベクトルドット積を伴う。他のステップは、完全並列ステップである。
[実施形態3]
[並列結合事前調整]
この不均一事前調整方法は、坑井影響係数行列に対して上記の実施形態1による事前調整を使用するが、油層係数行列用の異なる方法を含む。これは、油層項と坑井影響項に対して異なるプレコンディショナを適用するために必要とされる場合の助けになる。結合プレコンディショナは、
と書かれる。
坑井影響項プレコンディショナの一般形式は、
と書くことができる。
しばしば、収束を改善するために低次近似のみが必要とされる。
は、油層項向けの別の効果的なプレコンディショナであり得る。たとえば、並列アプリケーションのための適切な領域分解法を有するA行列の油層部向けのILU(k)またはILUTが、ここで選ばれる場合がある。
がILU(k)プレコンディショナである場合、
である。
データ処理システムSにおける本発明の実施形態3による処理は、ステップ65に従って適用されるプレコンディショナが上記の方程式(54)から(56)に従うことを除き、図6の方法論に従って実施される。
再び、並列結合事前調整において、2段階CPRプレコンディショナを等しく適用することができる。このアプリケーションでは、圧力系事前調整方法は、並列代数マルチグリッドすなわちPAMGであり得るが、全系統事前調整方法は、並列結合事前調整方法であり得る。この方法は、クリロフ部分空間反復アルゴリズムにおける事前調整方法として使用される。
1つのそのようなアルゴリズムGCR(k)は、方程式(34)から(41)において前に説明された。GCR(k)アルゴリズムを使用するクリロフ部分空間法は、完全連成完全陰解坑井影響ヤコビ行列
を伴う近似解ベクトルを計算するための近似逆事前調整方法を含む。近似逆プレコンディショナは、クリロフ部分空間反復アルゴリズム内で適用される。
[完全連成完全陰解坑井−油層解法のための分散並列方法]
図8および図9は、それぞれ、図2および図3の20および22に示されたような結合陰解掘削孔用のデータを処理するために、図1の領域Dの油層グリッドの非構造化部分領域の分散並列処理のためのグリッドデータの構成を概略的に示す。油層領域向けの分散並列処理用のデータは、構造化グリッドおよび非構造化グリッドのために複数の部分領域に区分化され、異なる計算プロセスに割り当てられた各部分領域は、それぞれ、米国特許第8,433,551号および米国特許第8,386,227号に記載されており、それらの各々において、出願人は発明者と呼ばれる。完全連成完全陰解坑井−油層解法のための分散並列処理は、以下の方式で遂行される。
坑井20および22の各々について、モデル内の活動中の坑井の完全セットは、データ処理システムSの参加中の計算プロセスに分散される。たとえば、簡略化されたモデルとして、4つの坑井および4つの計算プロセスが存在する場合、各坑井はデータ処理システムSの異なる計算コア上で実行され、計算コアは油層グリッドブロックおよび坑井の完全連成シミュレーションモデルを一緒に解く。したがって、各処理コアおよびその関連するデータストレージは、坑井の各々についてのデータに対して動作し、それらを記憶する。
別の例では、図8に示されたように2つの坑井であるが、それらのための4つの処理コアが存在する場合、2つのプロセッサ用のプロセッサコアは、それぞれ、2つの坑井用のデータを受信するが、残りのコアは坑井向けのいかなる処理の所有権も有していない。図8は、油層グリッドブロックが区分化される4つの下位領域88を示し、2つの複合坑井20は、示されたように下位領域88のうちのいくつかを貫通する。領域Dの油層グリッドは、2つの複合坑井20を有する。坑井1は、下位領域1、3、および4の中のグリッドブロックを横断する。坑井2は、下位領域2の中のグリッドブロックを横断する。図9は、図8の坑井−油層結合モデルの解法のための行列データおよびベクトルデータの割当ておよび分散を概略的に示す。図9に示された行列は、図4および図5に示された行列と同等であり、図4および図5は、直列事例について行列高密度ブロックを詳細に示すが、図9は、各々の名前付きブロックが多くの内部高密度ブロックの行列を表す高水準概略レイアウトを示す。ブロック上のラベルは、その中に含まれる高密度ブロックのタイプを示す。たとえば、ラベルW1.D1は、内部に含まれる高密度ブロックが坑井1と下位領域1との間の接続を処置するべきことなどを示す。下位領域1、2、3、および4の各々についてのデータは、処理コアP1、P2、P3、およびP4に割り振られる。坑井1はP1に割り振られ、坑井2はP2に割り振られる。
図9に示されたベクトルは、解法プロセス内の残差ベクトル、解ベクトル、または他のブロック長ベクトルのいずれかを表す。図9では、各横長ボックス90は、計算プロセスP1、P2、P3、またはP4に属する収集データを概略的に表す。図9の坑井データグループW1、W1.D1、W1.D3、およびW1.D4は、プロセスP1において記憶された坑井セグメント内部データおよび坑井セグメント間データ、ならびに坑井グリッド間データを表す。坑井データグループW1.D1は、坑井1に属する坑井セグメント間の相互作用項の行列データ、および下位領域1に属する穿孔グリッドセルデータを表すなどである。グリッドデータグループD1.W1、D1、D1.D2、およびD1.D3は、この例示的な下位領域2および3における、下位領域1内および下位領域1と別の下位領域との間の、グリッド坑井間データ、グリッドセル内部データ、グリッド間相互作用データである。図9に示されたグリッドデータグループD1.D2は、下位領域2の境界に隣接する下位領域1の境界上のグリッドセルのヤコビ行列内のブロック間フロー項導関数を表す。グリッドデータグループD1.D2のブロック間フロー項導関数もプロセスP1において記憶される。
同じ計算プロセスに属さない、下位領域の境界または坑井グリッド間、グリッド坑井間の相互作用項を表すヤコビ行列の一部を構築するために、本発明により、プロセス間通信が提供される。プロセス間通信はまた、得られた連立代数方程式を解くために提供される。たとえば、図9に示された坑井グリッド間ヤコビ項W1.D3は、それらを計算するために坑井1によって貫通されたP3内のグリッドブロックデータのプロセスP1への転送を示し、プロセスP1からの坑井1用のデータは、D3.W1向けの処理を行うためにプロセスP3によって必要とされる、などである。別のプロセスによって部分的に所有される情報を伴う結合項は、したがって、結合項の構築を完了させるために局所的に転送されたデータを有する。
同様に、下位領域の境界に位置するグリッドブロック用のグリッド間フロー項のためのプロセス間通信も提供される。それぞれの下位領域境界に隣接するグリッドセル用のグリッドデータグループD2.D1およびD1.D2の構築のために、プロセスP1とP2との間のデータ交換が実現される。同様に、グリッドデータグループD1.D3およびD3.D1の構築のために、プロセスP1とP3との間のデータ交換が実現される、などである。
解法プロセスにおいて、行列−ベクトル演算によって必要とされるベクトル内のデータ要素は、行列成分の処理所有権を有するプロセッサPにプロセス間通信される。たとえば、VD3およびVD4からのベクトル成分は、行列成分W1.D3およびW1.D4との行列−ベクトル演算のためにプロセスP1に通信される。VW1からの必要なベクトル成分も、D3.W1およびD4.W1との行列−ベクトル演算のためにP3およびP4に通信される。ベクトルは、部分的に完了した行列−ベクトル乗算シーケンスから得られた中間解ベクトル、または残差ベクトル、または中間積であり得る。
本発明の場合、図9に示されたように、他の下位領域と境界を共有しないグリッドブロックおよび接続が最初に順序付けされるようにデータを編成することにより、通信隠蔽が実現される。それらの後に内部ハローと呼ばれるこの下位領域に属する境界グリッドセルが続き、最後に外部ハローと呼ばれる隣接下位領域に属する境界グリッドセルが続く。同様に、内部セル間接続およびそれらの接続因子が最初に順序付けされ、この下位領域内のセルと隣接下位領域に属するセルとの間のセル間接続は、各隣接下位領域の連続バンク内の終端に編成される。内部グリッドブロック用の計算ならびに接続および通信は、同時に遂行することができるが、下位領域間接続用の計算は、プロセス間通信が完了した後だけ開始することができる。
図6および図7の処理および方法ステップは、様々な今日のHPCハードウェア上の展開に適している。これらは、通常、マルチコアアーキテクチャを用いて複数のCPUを包含するいくつかのコンピュータノードを有する、ラックマウントされたハードウェアである。ノードは、従来の低遅延高帯域幅ネットワーク、スイッチ、およびルータと相互接続される。
本シミュレーションシステムとともに使用するための典型的なHPC環境は、今日のマルチノード、マルチCPU、マルチコアコンピュータクラスタである。そのようなクラスタの一例は、図15および図16のデータ処理システムS内のCに示されている。クラスタCは、1つまたは複数のルータサーバ154により、矢印152によって示されたように並行してデータが供給される、複数のコンピュータノード150(図15および図16)から形成される。必要な場合、いくつかのそのようなルータサーバがこの目的に使用される場合がある。上述されたタイプの元のシミュレーションデータまたは入力データは、適切な数のデータストレージ/ファイルサーバ156に記憶される。メモリに記憶されたコンピュータコード155の制御下のルータサーバ154は、ストレージサーバ156から並行して入力されたシミュレーションデータ、ならびに矢印158によって示されたシミュレーション処理結果を、クラスタCのコンピュータノード150との間で転送する。本発明によるプログラムコード155は、データをインデックス付け、順序付け、および転送することを1つまたは複数のサーバ154に行わせる、非一時的コンピュータ動作可能命令の形態である。通常、データ処理システムDは、ネットワーク159によってシステムに接続される、適切な従来型の1組のワークステーション157を含む。
クラスタCのコンピュータノード150は、コンピュータノード150のメモリ164に記憶されたコンピュータコードまたはプログラム製品162の命令下で並列に動作する、図6に示されたタイプの複数のプロセッサまたはコア160を含む。本発明によるプログラムコード162は、孔隙がマルチ連続体として特徴付けされた破砕地下貯留層内の流体フローをデータプロセッサ160にシミュレートさせる、非一時的コンピュータ動作可能命令の形態である。
プログラムコード155および162は、データ処理システムDの機能を制御し、その動作を指示する順序付けられた演算の特定のセットを提供する、マイクロコード、プログラム、ルーチン、または記号コンピュータ動作可能言語の形態であり得ることに留意されたい。プログラムコード155および162の命令は、サーバ154もしくはプロセッサノード150のメモリに、またはコンピュータディスケット、磁気テープ、従来のハードディスクドライブ、電子読取り専用メモリ、光ストレージデバイス、または、非一時的コンピュータ使用可能媒体を格納した他の適切なデータストレージデバイスに記憶される場合がある。プログラムコード160は、示されたように、コンピュータ可読媒体としてサーバ156などのデータストレージデバイスに含まれる場合もある。
RAMおよびキャッシュメモリは分散され、各コンピュータノードに局所化され、各ノード上の処理コアによって共有される。本発明のシステムによってシミュレートされる物理的現象は、実際は対流と拡散の両方である、密結合された広範囲な多相フロー問題である。したがって、プロセス間通信のオーバーヘッドを最小化するために、高帯域幅低遅延ネットワークが好ましい。メッセージパッシングインターフェース(MPI)規格は、プロセス間通信動作に使用されるが、MPI−2は並列I/O動作に使用される。シミュレーションデータまたはモデルデータおよび処理出力結果用のディスクストレージは、通常、集中型NAS、SAN、GPFS、または他の並列ファイルシステムである。より小型の並行化の場合、クラスタ上に存在するローカルハードディスクストレージも使用することができる。並列分散I/O方法は、シミュレーション中にディスクからのリードライト時間を最小化するために使用される。
図11、12、13、および14は、上述された従来のRowsum/Colsum事前調整による処理に対する、本発明による図10に示された油層シミュレーションモデルRの処理の比較データプロットである。油層モデルは、2,095個の坑井を有する、1,190万グリッドセル(399*607*49)の3相ブラックオイル貯留層モデルであった。図11は、経時的な静止坑井圧の比較結果を示し、図12は、経時的な試錐孔圧すなわちBHPの比較結果を示し、図13および図14は、それぞれ、オイルレートおよびウォーターカットの経時的な比較結果を示す。
図11から図14では、完全陰解坑井解法(FIW)が予想される静止坑井圧および試錐孔圧の値を生成することが示されるが、従来技術の方法(SIW)は正しい値を与えなかった。さらに、完全陰解坑井解法(FIW)および従来技術(SIW)は、この特定の坑井用のオイルレートおよびウォーターカットについての同等の結果を生成する。
本発明の場合、解法起動の初期段階において[P]の[L][U]分解を生成することによりソルバープレコンディショナを使用することが好ましい。方程式(29)、(42)、または(54)に表されたソルバー事前調整演算の間に逆数が必要とされるときはいつでも、解を生成するために前方−後方置換が使用される。方程式(30)から(33)は、級数項の数が行列EとEに対して異なる場合がある、プレコンディショナ方程式(29)のインスタンスである。行列−ベクトル演算は、必要な近似解ベクトルを生成するために必要とされる計算およびプロセス間通信として、右から左への順番で行われる。
前述から、本発明が、グリッド間フロー項と同等の正確性および堅牢性で、坑井影響係数行列を扱う方法論を提供することが分かる。方法は、高度に並列化可能であり、従来の方法よりも高速に実行され、同じ許容値に収束するためにより少ないソルバー反復しか必要としない。
本発明は、堅牢で、油層グリッドセルとともに数千の相互作用項を有する複雑な坑井に特に適用可能な油層シミュレーションにおいて、完全連成完全陰解掘削孔モデル化用の並列解法を提供する。それは、高度に並列化可能であり、最新のHPCハードウェアにおける実装にかなり適している。
本発明は、油層のモデル化およびシミュレーションの分野の平均知識を有する人が、本明細書の発明に述べられた結果を再現および取得することができるように、十分に説明された。それにもかかわらず、いかなる当業者も、本明細書の要求に記載されていない修正を遂行して、これらの修正を決定された構造および方法論に適用するか、またはそれらの使用および実践において、以下の特許請求の範囲内の請求項を要求することができ、そのような構造およびプロセスは、本発明の範囲内に入るべきである。
添付特許請求の範囲に記載される本発明の要旨または範囲から逸脱することなく、上記に詳細に記載された本発明から行われる改善および修正が存在し得ることを留意および理解されたい。

Claims (27)

  1. 地下の炭化水素貯留層内のマルチラテラル坑井の掘削孔内の多相流体のフローのシミュレーションのコンピュータ実装方法であって、前記マルチラテラル坑井が、入力された油層データに基づいて油層セルのグリッドに編成された地下の油層のセルを有する前記油層内の長さ方向の範囲に沿った複数の位置で流体の交差を有し、前記油層セルが、その中で起こる多相流体フローを有し、
    前記コンピュータにおいて、前記マルチラテラル坑井のうちのいくつかとのフロー交差を有する油層セル用の油層データを有する陰解油層方程式、圧力方程式、および流動方程式の完全連成非線形セットを、油層計算行列、油層および流体フローの未知数のベクトル、ならびに油層質量平衡残差のベクトルに編成するステップと、
    前記コンピュータにおいて、前記油層セルのうちのいくつかとのフロー交差を有する掘削孔セル用の坑井データを有する陰解坑井方程式および流動方程式の完全連成非線形セットを、掘削孔計算行列、流体フロー未知数のベクトル、ならびに掘削孔質量および運動量平衡残差のベクトルに編成するステップと、
    前記コンピュータにおいて、前記掘削孔セルと前記油層セルの前記フロー交差に基づいて坑井影響行列を編成するステップと、
    前記コンピュータにおいて、前記油層計算行列および前記掘削孔計算行列を備える全系統計算行列、全系統未知数のベクトル、および全系統残差のベクトルを編成するステップと、
    前記油層計算行列および前記掘削孔計算行列の圧力係数を抽出するステップと、
    前記全系統残差から圧力残差を抽出するステップと、
    前記抽出された圧力残差を最小化することにより、前記全系統計算行列の前記油層セルおよび掘削孔セル内の圧力についての近似圧力解法を解くステップと、
    前記近似圧力解法に基づいて前記全系統計算行列の前記油層セルについての流体圧力および前記残差を更新するステップと、
    前記全系統計算行列、前記坑井影響行列、ならびに前記更新された圧力および残差についての近似全系統更新値を計算するステップと、
    前記近似全系統更新値を前記更新された流体圧力と組み合わせるステップと、
    前記全系統残差を更新するステップと、
    保存方程式の前記完全連成非線形セットおよび前記更新された系統残差を使用して前記全系統計算行列を解くことにより、前記多相流体フローを決定するステップと
    を備える、コンピュータ実装方法。
  2. 前記コンピュータ実装方法が、各々が並行して動作する複数のコンピュータコアを備える複数のコンピュータノードを有するプロセッサ内で実施され、
    並列に動作するコンピューティングコアの数に従って、前記油層データおよび前記坑井データをいくつかの並列データ下位領域に区分化するステップと、
    前記区分化されたデータ下位領域を割り当てて、並列データ下位領域を形成するステップと
    をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
  3. 前記陰解坑井方程式が坑井レート方程式を備える、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
  4. 前記陰解油層方程式が物質収支方程式を備える、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
  5. 前記陰解油層方程式が相飽和平衡を備える、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
  6. 前記陰解油層方程式が相平衡方程式を備える、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
  7. 前記油層が百万セルよりも大きいグリッドブロックの領域に編成される、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
  8. 前記決定された多相流体フローの出力表示を形成するステップ
    をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
  9. 前記決定された多相流体フローの記録を形成するステップ
    をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
  10. 地下の炭化水素貯留層内のマルチラテラル坑井の掘削孔内の多相流体のフローのシミュレーションのシミュレーション用のデータ処理システムであって、前記マルチラテラル坑井が、入力された油層データに基づいて油層セルのグリッドに編成された地下の油層のセルを有する前記油層内の長さ方向の範囲に沿った複数の位置で流体の交差を有し、前記油層セルが、その中で起こる多相流体フローを有し、
    前記コンピュータにおいて、前記マルチラテラル坑井のうちのいくつかとのフロー交差を有する油層セル用の油層データを有する陰解油層方程式、圧力方程式、および流動方程式の完全連成非線形セットを、油層計算行列、油層および流体フローの未知数のベクトル、ならびに油層残差のベクトルに編成するステップと、
    前記コンピュータにおいて、前記油層セルのうちのいくつかとのフロー交差を有する掘削孔セル用の坑井データを有する陰解坑井方程式および流動方程式の完全連成非線形セットを、掘削孔計算行列、流体フロー未知数のベクトル、および掘削孔残差のベクトルに編成するステップと、
    前記コンピュータにおいて、前記掘削孔セルと前記油層セルの前記フロー交差に基づいて坑井影響行列を編成するステップと、
    前記コンピュータにおいて、前記油層計算行列および前記掘削孔計算行列を備える全系統計算行列、全系統未知数のベクトル、および全系統残差のベクトルを編成するステップと、
    前記油層計算行列および前記掘削孔計算行列の圧力係数を抽出するステップと、
    前記全系統残差から圧力残差を抽出するステップと、
    前記抽出された圧力残差を最小化することにより、前記全系統計算行列の前記油層セルおよび掘削孔セル内の圧力についての近似圧力解法を解くステップと、
    前記近似圧力解法に基づいて前記全系統計算行列の前記油層セルについての流体圧力および前記残差を更新するステップと、
    前記全系統計算行列、前記坑井影響行列、ならびに前記更新された圧力および残差についての近似全系統更新値を計算するステップと、
    前記近似全系統更新値を前記更新された流体圧力と組み合わせるステップと、
    前記全系統残差を更新するステップと、
    保存方程式の前記完全連成非線形セットおよび前記更新された系統残差を使用して前記全系統計算行列を解くことにより、前記多相流体フローを決定するステップと
    を実施するプロセッサ
    を備える、データ処理システム。
  11. プロセッサが、各々が並行して動作する複数のコンピューティングコアから構成される複数のコンピュータノードを備え、前記コンピューティングコアが、
    並列に動作するコンピューティングコアの数に従って、前記油層データおよび前記坑井データをいくつかの並列データ下位領域に区分化するステップと、
    前記区分化されたデータ下位領域を割り当てて、並列データ下位領域を形成するステップと
    を実施する、請求項10に記載のデータ処理システム。
  12. 前記陰解坑井方程式が坑井レート方程式を備える、請求項10に記載のデータ処理システム。
  13. 前記保存方程式が物質収支方程式を備える、請求項10に記載のデータ処理システム。
  14. 前記保存方程式が相飽和平衡を備える、請求項10に記載のデータ処理システム。
  15. 前記保存方程式が相平衡方程式を備える、請求項10に記載のデータ処理システム。
  16. 前記油層が百万セルよりも大きいグリッドブロックの領域に編成される、請求項10に記載のデータ処理システム。
  17. 前記決定された多相流体フローの出力表示を形成するワークステーション
    をさらに含む、請求項10に記載のデータ処理システム。
  18. 前記決定された多相流体フローの記録を記憶するデータメモリ
    をさらに含む、請求項10に記載のデータ処理システム。
  19. 地下の炭化水素貯留層内のマルチラテラル坑井の掘削孔内の多相流体のフローをプロセッサにシミュレートさせるためのコンピュータ動作可能命令を、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶したデータストレージデバイスであって、前記マルチラテラル坑井が、入力された油層データに基づいて油層セルのグリッドに編成された地下の油層のセルを有する前記油層内の長さ方向の範囲に沿った複数の位置で流体の交差を有し、前記油層セルが、その中で起こる多相流体フローを有し、前記データストレージデバイスに記憶された前記命令が、
    前記コンピュータにおいて、前記マルチラテラル坑井のうちのいくつかとのフロー交差を有する油層セル用の油層データを有する陰解油層方程式、圧力方程式、および流動方程式の完全連成非線形セットを、油層計算行列、油層および流体フローの未知数のベクトル、ならびに油層残差のベクトルに編成するステップと、
    前記コンピュータにおいて、前記油層セルのうちのいくつかとのフロー交差を有する掘削孔セル用の坑井データを有する陰解坑井方程式および流動方程式の完全連成非線形セットを、掘削孔計算行列、流体フロー未知数のベクトル、および掘削孔残差のベクトルに編成するステップと、
    前記コンピュータにおいて、前記掘削孔セルと前記油層セルの前記フロー交差に基づいて坑井影響行列を編成するステップと、
    前記コンピュータにおいて、前記油層計算行列および前記掘削孔計算行列を備える全系統計算行列、全系統未知数のベクトル、および全系統残差のベクトルを編成するステップと、
    前記油層計算行列および前記掘削孔計算行列の圧力係数を抽出するステップと、
    前記全系統残差から圧力残差を抽出するステップと、
    前記抽出された圧力残差を最小化することにより、前記全系統計算行列の前記油層セルおよび掘削孔セル内の圧力についての近似圧力解法を解くステップと、
    前記近似圧力解法に基づいて前記全系統計算行列の前記油層セルについての流体圧力および前記残差を更新するステップと、
    前記全系統計算行列、前記坑井影響行列、ならびに前記更新された圧力および残差についての近似全系統更新値を計算するステップと、
    前記近似全系統更新値を前記更新された流体圧力と組み合わせるステップと、
    前記全系統残差を更新するステップと、
    保存方程式の前記完全連成非線形セットおよび前記更新された系統残差を使用して前記全系統計算行列を解くことにより、前記多相流体フローを決定するステップと
    を前記プロセッサに実施させる、データストレージデバイス。
  20. 前記コンピュータ実装方法が、各々が並行して動作する複数のコンピューティングコアを備える複数のコンピュータノードを有するプロセッサ内で実施され、前記命令が、
    並列に動作するコンピューティングコアの数に従って、前記油層データおよび前記坑井データをいくつかの並列データ下位領域に区分化するステップと、
    前記区分化されたデータ下位領域を割り当てて、並列データ下位領域を形成するステップと
    を前記コンピュータコアに実施させる命令をさらに備える、請求項19に記載のデータストレージデバイス。
  21. 前記陰解坑井方程式が坑井レート方程式を備える、請求項19に記載のデータストレージデバイス。
  22. 前記保存方程式が物質収支方程式を備える、請求項19に記載のデータストレージデバイス。
  23. 前記保存方程式が相飽和平衡を備える、請求項19に記載のデータストレージデバイス。
  24. 前記保存方程式が相平衡方程式を備える、請求項19に記載のデータストレージデバイス。
  25. 前記油層が百万セルよりも大きいグリッドブロックの領域に編成される、請求項19に記載のデータストレージデバイス。
  26. 前記データストレージデバイスに記憶された前記命令が、
    前記決定された多相流体フローの出力表示を形成するステップ
    を前記コンピュータコアにさらに実施させる、請求項19に記載のデータストレージデバイス。
  27. 前記データストレージデバイスに記憶された前記命令が、
    前記決定された多相流体フローの記録を形成するステップ
    を前記コンピュータコアにさらに実施させる、請求項19に記載のデータストレージデバイス。

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