JP2018118913A - アトモキセチン塩酸塩含有カプセル剤 - Google Patents

アトモキセチン塩酸塩含有カプセル剤 Download PDF

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宏樹 新垣
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史恭 谷口
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史恭 谷口
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順也 山下
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Abstract

【課題】成分の溶出性が改善されたアトモキセチン塩酸塩含有カプセル剤を提供する。
【解決手段】アトモキセチン塩酸塩を含むカプセル剤であり、マンニトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、及びラクチトールからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖アルコールを含むか、又はこの糖アルコールと、デンプン、アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種のデンプン類とを含み、ジメチルポリシロキサンを含まないカプセル剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、主薬の溶出性に優れたアトモキセチン塩酸塩含有カプセル剤に関する。
注意欠陥/多動性障害治療剤であるアトモキセチン塩酸塩を含有する医薬製剤としては、ストラテラカプセル(日本イーライリリー株式会社)、ストラテラ内服液(日本イーライリリー株式会社)が知られている(非特許文献1、2)。アトモキセチン塩酸塩は苦みが強いため、カプセル剤が好まれる。
カプセル剤は、口腔内では崩壊せず、消化管内で崩壊して、効率よく有効成分を生体内に吸収させることが求められる。
ストラテラカプセル 添付文書 ストラテラ内服液 添付文書
本発明は、成分の溶出性が改善されたアトモキセチン塩酸塩含有カプセル剤を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために研究を重ね、以下の知見を得た。
(A) アトモキセチン塩酸塩を含む医薬組成物を充填した従来のカプセル剤を、嚥下困難な患者が内服した場合、口腔内でカプセル内容物が溶出し初め、口腔内で苦みを感じる場合がある。アトモキセチン塩酸塩を含む組成物が、ジメチルポリシロキサンを含まないことにより、カプセル崩壊までの時間を適度に長くすることができ、嚥下困難な患者でも苦みを感じないカプセル剤となる。
(B) アトモキセチン塩酸塩を含む医薬組成物を充填したカプセル剤が、賦形剤として実質的にデンプン類だけ含む場合は、カプセルを高温又は高湿度下で保存すると、カプセルからの成分の溶出が遅延する。このため、消化管内で成分が十分に溶出せず、所期の薬効が得られないが、賦形剤として糖アルコールを含むか、又は糖アルコールとデンプン類を含むことにより、保存による成分の溶出性低下が抑制される。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、下記のアトモキセチン塩酸塩含有カプセル剤を提供する。
項1. アトモキセチン塩酸塩を含む医薬組成物を充填したカプセル剤であり、医薬組成物が、(a)マンニトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、及びラクチトールからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖アルコールを含むか、又はこの糖アルコールと、デンプン、アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種のデンプン類とを含み、かつ(b)ジメチルポリシロキサンを含まないカプセル剤。
項2. 医薬組成物が、デンプン類を含まないか、又は糖アルコールとデンプン類との合計に対して、60重量%を超える糖アルコールを含む項1に記載のカプセル剤。
項3. 医薬組成物が、糖アルコールとデンプン類とを含む項1に記載のカプセル剤。
項4. プラスチック製本体部とポリプロピレンフィルム蓋部とで形成されたPTP包装容器に収容されている項1〜3の何れかに記載のカプセル剤。
アトモキセチン塩酸塩含有医薬組成物を充填したカプセル剤を内服した後、カプセル崩壊開始までの時間が短かすぎると、口腔内で苦みを感じる原因になるが、本発明のアトモキセチン塩酸塩含有カプセル剤は、カプセル崩壊開始までの時間が短すぎず、嚥下困難な患者でも苦みを感じないカプセル剤である。アトモキセチン塩酸塩含有カプセル剤は小児が服用する場合もあるところ、小児はカプセル剤を嚥下し難いため、苦みが抑制されていることは、服薬コンプライアンスを向上させる上で非常に有用な特性である。
また、従来のアトモキセチン塩酸塩含有カプセル剤を高温又は高湿度下で保存すると、カプセルからの成分の溶出性が低下して、溶出が遅延する。このため、カプセル内の全量が消化管内に溶出しない場合があり、所期の薬効が得られない。この点、本発明のアトモキセチン塩酸塩含有カプセル剤は、カプセル剤を高温及び/又は高湿度下で保存した場合の、カプセルからの成分の溶出遅延が抑制されている。従って、長期保管に耐えるものとなる。
保管により溶出性が低下するカプセル剤は、超高防湿性の高価なフィルムを用いたPTP包装容器に収容する必要があるが、本発明のカプセル剤は、ポリプロピレンなどの汎用のフィルムを用いたPTP包装に収容することができる。
また、硬カプセル剤は、薬局で、小児などのために内容物をカプセルから出して用量調整される場合がある。従って、カプセル剤に充填される医薬組成物は、それ自体、不快な味がしないことが望ましい。この点、本発明のカプセル剤に充填される医薬組成物は、D−マンニトールを含むことによりアトモキセチン塩酸塩の苦みが抑制されており、それ自体、服用し易いものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカプセル剤は、アトモキセチン塩酸塩を含む医薬組成物を充填したカプセル剤であり、この医薬組成物が、(a)マンニトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、及びラクチトールからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖アルコールを含むか、又はこの糖アルコールと、デンプン、アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種のデンプン類とを含み、かつ(b)ジメチルポリシロキサンを含まないカプセル剤である。
アトモキセチン塩酸塩
アトモキセチン塩酸塩は、化学名が、(3R)−N−メチル―3−(2−メチルフェノキシ)−3−フェニルプロパン−1−アミン モノヒドロクロリドである化合物である。アトモキセチン塩酸塩は、水和物、半水和物、無水物などの何れも使用できる。
アトモキセチン塩酸塩は、例えば、粉体又は粒状のものを使用することができる。何れにしても、例えば、平均粒子径1〜200μm程度のものを使用することができる。特に、平均粒子径50〜80μm程度のものを使用すると、ハンドリング性が良い。即ち、製剤製造時に舞い散ったり、流動性が悪くなることがなく、かつ他成分と混合し易い。
本発明において、アトモキセチン塩酸塩の平均粒子径は、レーザー回折散乱法により測定した値である。
カプセル内に充填される医薬組成物中のアトモキセチン塩酸塩の含有量は、1カプセル当たり、例えば、約1〜200mgとすることができ、具体的には、例えば、5mg、10mg、18mg、25mg、40mg、60mg、80mg、100mgとすることができる。
糖アルコール
カプセルに充填される医薬組成物は、糖アルコールを含む。これにより、カプセル剤を長期保管しても、服用後の内容物の溶出遅延が抑制される。糖アルコールとしては、マンニトール(特に、D−マンニトール)、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、ラクチトール等が挙げられる。中でも、マンニトールがより好ましい。D−マンニトールには、α型、β型、δ型の3種類の結晶形が知られているが、これらの中で最も安定なβ型が好ましい。
糖アルコールは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
糖アルコールは、粉末状のものを用いてもよく、顆粒状のものを用いてもよい。顆粒状のものを用いるときは、医薬組成物の流動性が良くなるため、カプセルに充填し易くなり、カプセルの外側に医薬組成物が付着して苦みの原因となることが抑制される。
何れにしても、糖アルコール(特に、マンニトール、中でも、D−マンニトール)の平均粒子径は、30μm以上が好ましい。また、50μm以上、又は60μm以上とすることもできる。また、糖アルコール(特に、マンニトール、中でも、D−マンニトール)の平均粒子径は、200μm以下が好ましい。また、160μm以下、100μm以下、又は80μm以下とすることもできる。この範囲であれば、医薬組成物の流動性が十分になると共に、他成分と均一に混合し易い。
本発明において、糖アルコールの平均粒子径は、レーザー回折散乱法により測定した値である。
また、糖アルコール(特に、マンニトール、中でも、D−マンニトール)の安息角は、30°以上が好ましい。また、35°以上、又は38°以上とすることもできる。また、糖アルコール(特に、マンニトール、中でも、D−マンニトール)の安息角は、70°以下が好ましい。また、60°以下、50°以下、又は40°以下とすることもできる。この範囲であれば、医薬組成物の流動性が十分になると共に、他成分と均一に混合し易い。
デンプン類
カプセルに充填される医薬組成物は、糖アルコールに加えて、デンプン類を含むことができる。デンプン類を含む場合は、口腔内でのカプセル内容物の溶出による苦みが効果的に抑制される。デンプン類としては、デンプンの他、アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)等のデンプン誘導体が挙げられる。中でも、デンプン、部分アルファ化デンプンが好ましく、部分アルファ化デンプンがより好ましい。デンプン類は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
デンプン類のデンプンの由来としては、例えば、トウモロコシ、バレイショ、コメ、コムギなどが挙げられる。
部分アルファ化デンプンのアルファ化度は、約1〜20%が好ましく、約3〜15%がより好ましく、約10〜15%がさらにより好ましい。本発明において、アルファ化度はグルコアミラーゼ法により測定した値である。
糖アルコール・デンプン類の含有量
医薬組成物が、糖アルコールとデンプン類の両方を含む場合、医薬組成物の全量に対する、糖アルコールとデンプン類の合計量は、例えば、10重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、70重量%以上、又は90重量%以上とすることができる。医薬組成物の全量に対する、糖アルコールとデンプン類の合計量の上限は、通常、99重量%程度である。この範囲であれば、本発明の効果が十分に得られる。
また、医薬組成物がデンプン類を含まない場合、医薬組成物の全量に対する、糖アルコールの量は、例えば、10重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、70重量%以上、又は90重量%以上とすることができる。医薬組成物の全量に対する、糖アルコールの量の上限は、通常、99重量%程度である。この範囲であれば、本発明の効果が十分に得られる。
糖アルコールとデンプン類の比率
医薬組成物が、糖アルコールとデンプン類の両方を含む場合、糖アルコールとデンプン類の合計量に対する糖アルコールの量の比率は、60重量%を超えることが好ましい。また、70重量%以上、80重量%以上、又は90重量%以上とすることができる。この範囲であれば、カプセル剤を長期保管することによる溶出性低下が一層効果的に抑制される。デンプン類を含まない場合は、長期保管による溶出性低下が、特に効果的に抑制される。
また、糖アルコールとデンプン類の両方を含む場合、糖アルコールとデンプン類の合計量に対する糖アルコールの量の比率は、100重量%未満であればよいが、95重量%以下、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、又は40重量%以下とすることができる。この範囲であれば、カプセル剤が口中で崩壊し始めて苦みを感じることが一層効果的に抑制される。
その他の添加剤
医薬組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、糖アルコール及びデンプン類以外の賦形剤を含むことができる。このような賦形剤として、乳糖水和物、白糖、マルトース、果糖、ブドウ糖(デキストロース)、トレハロースのような糖類、デキストリン、結晶セルロースなどが挙げられる。結晶セルロースを配合するときは、医薬組成物をカプセルの形状に緩く成形することができ、カプセルに充填し易くなる。糖アルコール及びデンプン類以外の賦形剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、医薬組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品に使用可能な添加物を含むことができる。このような添加物として、乳化剤、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、防腐剤、酸味料、甘味料、香料、増粘剤、色素、キレート剤等が挙げられる。
添加物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
医薬組成物は、造粒せずに混合末としてカプセルに充填することができ、或いは、造粒してカプセルに充填することもできる。医薬組成物が顆粒状である場合は、さらに、結合剤、崩壊剤、滑沢剤などを含むことができる。
結合剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウムのようなセルロース類;ポビドン;デンプン;ゼラチン;トラガントゴム;ポリビニルアルコールなどが挙げられる。結合剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
崩壊剤としては、クロスポビドン;カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウムのようなセルロース類;デキストリン;ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。崩壊剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
医薬組成物は、乾式造粒、湿式造粒、流動層造粒などの公知の造粒法で造粒することができる。
医薬組成物は、造粒せずに混合末とする場合も、造粒して顆粒とする場合も、約1〜200μm、中でも約10〜200μm、中でも約30〜160μmの範囲内の粒度分布を有することが好ましい。特に、平均粒子径が約50〜80μmのものは、カプセルに充填し易く、ハンドリング性が良い点で好ましい。
また、平均粒子径が約50〜80μmのアトモキセチン塩酸塩を用いて混合末とする場合には、医薬組成物の平均粒子径を約50〜80μmとすることが特に好ましく、これにより、各成分を均一に混合し易くなり、本発明の効果が最大限発揮される。
本発明において、医薬組成物からなる混合末または顆粒の平均粒子径は、第十七改正日本薬局方の「粒度測定法 第2法 ふるい分け法」に規定される方法に従い測定した値である。
医薬組成物からなる混合末または顆粒は、カプセル充填前に滑沢剤と混合することができる。滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸塩(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛など)、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、酒石酸ナトリウムカリウム、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
カプセル皮膜
カプセル皮膜は、硬カプセルを用いる。硬カプセルの基剤としては、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどが挙げられる。
ゼラチンの由来は特に限定されず、例えば、牛ゼラチン、豚ゼラチン、魚ゼラチン、これらの混合物などが挙げられる。
カプセルは、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、合成着色料(青色二号など)、天然着色料、界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)、水溶性高分子、乳化剤、低級アルコール類、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、増粘剤、キレート剤等の添加剤を含むことができる。
カプセルのサイズは、特に限定されず、例えば、2〜4号のカプセルを使用できる。中でも、3号カプセルがより好ましい。
用途・用法・用量
本発明のカプセル剤は、注意欠陥/多動性障害の治療のために用いることができる。その用法・用量は、市販品と同じにすることができる。
カプセル剤の嚥下が困難な場合や、小用量の服薬が必要な場合に、医師の指示により、薬局でカプセルを開けて中の医薬組成物が調剤されることがある。このような使用方法を想定し、本発明のカプセル剤に充填される医薬組成物からなる混合末または顆粒を、カプセルに充填せずに、調剤用の散剤または細粒として供給することもできる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(1)カプセル剤の製造
実施例1
アトモキセチン塩酸塩68.57g(平均粒子径62.6μm)にD−マンニトール(グラニュトールF、フロイント産業株式会社、平均粒子径60.0μm)228.44g、及びステアリン酸マグネシウム3.00gを加え、タンブラー型混合機(TM−3S、昭和化学機械工作所)で混合することにより、混合末を得た。得られた混合末の平均粒子径は、63.0μmであった。
卓上型カプセル充填システム(ProFiller1100、カプスゲル・ジャパン株式会社)を用いて、この混合末からカプセル剤を調整した。カプセルは、ゼラチン製の3号カプセルを用いた。
実施例2〜5
実施例1において、D−マンニトールの一部を、表1に示す比率で部分アルファ化デンプン(スターチ1500G、日本カラコン製)に置き換えた他は、実施例1と同様にして、カプセル剤を調製した。実施例2〜5において、D−マンニトールと部分アルファ化デンプンの合計重量は、実施例1のD−マンニトール重量と同じである。
比較例1
実施例1において、D−マンニトールに代えて同重量の部分アルファ化デンプン(スターチ1500G、日本カラコン製)を用いた他は、実施例1と同様にして、カプセル剤を調製した。
比較例2
実施例1において、D−マンニトールに代えて同重量の部分アルファ化デンプン(スターチ1500G、日本カラコン製)225.44gを用い、ジメチルポリシロキサン3.00mgを添加した他は、実施例1と同様にして、カプセル剤を調製した。
比較例3
実施例1において、D−マンニトールに代えて同重量の部分アルファ化デンプン(PCS PC−10、旭化成ケミカルズ製)を用いた他は、実施例1と同様にして、カプセル剤を調整した。
(2)溶出性の評価
各カプセル剤を調製した直後、及び55℃、相対湿度75%の下で2週間放置した後に、各カプセル剤を溶出試験に供した。
溶出試験は、日本薬局方のパドル法で行った。装置は、自動溶出試験装置(NTR−6100A、富山産業)を用い、パドルの回転数は50rpmとし、溶出液として溶出試験第2液を900mL用いて、恒温槽中を37℃に維持した。
各サンプルの溶出液中のアトモキセチン塩酸塩の濃度を、高速液体クロマトグラフ法により測定した。高速液体クロマトグラフの条件は以下の通りである。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)
カラム:内径4.6mm、長さ7.5cmのステンレス管に3.5μmの液体クロマトグラフィー用オクチルシリル化シリカゲルを充てんする。
カラム温度:35℃
移動相:リン酸二水素カリウム5.8gに水1000mLを加えて溶かし、トリエチルアミン3mLを加え、リン酸でpH2.5に調整する。この液600mLにアセトニトリル400mLを加える。
流量:アトモキセチンの保持時間が約2分になるように調整する。
各サンプルの溶出液中のアトモキセチン塩酸塩濃度を、カプセル内のアトモキセチン塩酸塩の全量が溶出した場合の溶出液中のアトモキセチン塩酸塩濃度を100とした場合の相対値で表した。結果を表1、表2に示す。表中の値は、3回溶出試験を行った測定値の相対値の平均値±標準偏差である。
Figure 2018118913
Figure 2018118913
表1から明らかなように、ジメチルポリシロキサンを含む比較例2のカプセルは、溶出試験開始5分後に、大量のアトモキセチン塩酸塩が溶出した。これは、内服直後に口腔内でアトモキセチン塩酸塩が溶出することを意味する。
これに対して、ジメチルポリシロキサンを含まない各実施例及び比較例1のカプセルは、溶出開始が早すぎず、かつ溶出試験開始15分後には、カプセルに内包される殆どのアトモキセチン塩酸塩が溶出した。これは、内服直後に口腔内でアトモキセチン塩酸塩が溶出することが抑制されており、かつ消化管内で殆どのアトモキセチン塩酸塩が溶出することを意味する。
ジメチルポリシロキサンを含まないことにより、口中での苦みが抑制されることが分かる。
また、表1の比較例1と比較例3とを対比すると、比較例3は比較例1よりも、溶出試験開始5分後の溶出率が高く、かつ溶出試験開始15分後の溶出率がやや低い。即ち、口腔内での溶出が多く、かつ消化管内での溶出がやや少ない。このことから、本発明のカプセル剤中の医薬組成物がD−マンニトールと部分アルファ化デンプンを含む場合は、部分アルファ化デンプンは、PCS PC−10(旭化成ケミカルズ製)よりスターチ1500G(日本カラコン製)の方が好ましいことが分かる。これらの部分アルファ化デンプンは、アルファ化度が異なる。
また、表1と表2との対比から明らかなように、D−マンニトールもジメチルポリシロキサンも含まない比較例1のカプセル、及びD−マンニトールを含まずジメチルポリシロキサンを含む比較例2のカプセルは、高温高湿度下で保存することにより、アトモキセチン塩酸塩の溶出が著しく低下した。
これに対して、D−マンニトールを含みジメチルポリシロキサンを含まない各実施例のカプセルは、高温高湿度下で保存しても、アトモキセチン塩酸塩の溶出が低下し難かった。また、D−マンニトール含有量が多いほど溶出低下が強く抑制された。D−マンニトールを含むことにより、溶出遅延による薬効の低下が抑制されることが分かる。
本発明のカプセル剤は、口腔内でのアトモキセチン塩酸塩の溶出による苦味が抑制されている。従って、嚥下困難な患者や小児にも服用し易いものである。また、カプセル剤を長期保管しても成分の溶出性が低下し難く、所期の薬効が得られる。従って、実用性の高いものである。

Claims (4)

  1. アトモキセチン塩酸塩を含む医薬組成物を充填したカプセル剤であり、医薬組成物が、(a)マンニトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、及びラクチトールからなる群より選ばれる少なくとも1種の糖アルコールを含むか、又はこの糖アルコールと、デンプン、アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種のデンプン類とを含み、かつ(b)ジメチルポリシロキサンを含まないカプセル剤。
  2. 医薬組成物が、デンプン類を含まないか、又は糖アルコールとデンプン類との合計に対して、60重量%を超える糖アルコールを含む請求項1に記載のカプセル剤。
  3. 医薬組成物が、糖アルコールとデンプン類とを含む請求項1に記載のカプセル剤。
  4. プラスチック製本体部とポリプロピレンフィルム蓋部とで形成されたPTP包装容器に収容されている請求項1〜3の何れかに記載のカプセル剤。
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