JP2018118306A - 箔ベースの付加製造システムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】箔シートから金属部品を製造する付加製造システム、製造方法および作製された部品の提供。【解決手段】付加製造システム10は、材料接合レーザシステム14を用いて、箔シートFを互いに接合して、金属部品を形成する。材料接合レーザシステムは、隣接する箔シートを実質的に均一に互いに接合するように構成されてもよい。製造システムはまた、箔シートの選択された位置から材料を除去して、箔シートを部品の選択的なスライスと対応するように成形する材料除去システム16を含む。材料除去システムは、下地層から材料を除去することなく箔シートから材料を除去するように構成されたレーザシステムといった、レーザシステムであってもよい。非晶質合金部品の製造を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、一般に、付加製造のためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、箔シートから金属部品を製造することに関する。
3次元プリンティングなどの付加製造技術が様々な産業で幅広く用いられており、新たな産業によって、そして新たな用途で正式に採用されている。様々な付加製造技術には、ステレオリソグラフィ、熱溶解積層法(fused deposition modeling)、薄膜積層法(laminated object manufacturing)、選択的レーザ焼結法(selective laser sintering)、選択的レーザ溶融法(selective laser melting)、レーザ直接積層法(laser engineered net shaping)、直接金属堆積法(direct metal deposition)、電子ビーム溶融法等が含まれる。これらの技術を用いて、樹脂、ろう、ポリマー、プラスチック、ABS、ポリカーボネート材料、金属粉末等の様々な材料から物品を製造することができる。金属部品は、他の材料から形成される部品よりも、付加製造技術を用いて製造するのがより困難であることが分かっている。付加製造を用いて、従来の金属機械加工技術によって形成される部品と類似する材料特性を得るように金属部品を製造することは、特に困難である。
大部分の金属付加製造プロセスは、粉末ベースである。選択的レーザ焼結法においては、金属粉末を、得られる部品のスライスと形状において対応する層状に堆積させ、互いに焼結または融着する。レーザは、層ごとに、粉末を溶解して三次元部品を形成する。広範囲の材料を選択的レーザ焼結法に用いることが可能であるが、得られる部品の製造許容差は、粉末化金属粒子の大きさによって制限される。しかも、作製されたままの状態の部品の機械強度は、原材料の機械強度よりもはるかに低い。さらに、粉末ベースのプロセスは、環境、安全性および微粉末の取り扱いに伴う取扱い性の問題を有する。
レーザ直接積層法および直接金属堆積法において、金属部品は、特定の位置に金属粉末を堆積させ、次いで、当該粉末を溶融することによって形成される。これらのプロセスは、ステンレス鋼、ニッケル合金、工具鋼、銅合金およびそれらの組み合わせといった多くの材料に適合されている。レーザ直接積層法のプロセスを用いて、損傷した金属部品を修理することもできる。しかし、これらの粉末溶融技術においては、不均一な加熱プロセスおよび冷却プロセスによって、製造された部品に残留応力が導入される。典型的に、完成部品の表面品質は、さらなる仕上げプロセスを必要とする低いものである。
薄膜積層法は、付加的な技術と除去的な技術を組み合わせて部品を一層ずつ構築する、箔ベースのプロセスである。当初、薄膜積層法のプロセスは、圧力および加熱下で結合剤によって互いに結合された紙から部品を形成していた。この技術は、箔シートを互いに溶着する高出力超音波を用いて、のちに金属箔に拡張された。箔シートを互いに融着した後、ミリング工具を用いて、箔を所望の形状に切削またはトリミングする。薄膜積層法の利点には、部品当たりのコストが低いこと、材料の変形率が低いことおよび拡張性を有していることが含まれる。しかし、材料除去プロセスは、大量の廃棄物を発生させることが知られており、製作された部品の機械強度は、典型的には、本質的に方向性を有しており、通常、垂直軸に沿って(箔表面に垂直な方向に)集中するので、部品は水平軸に沿って比較的脆弱である。
微小構造、加工履歴および組成が、材料特性に主に影響を及ぼす。非晶質金属は、従来の方法で調製された金属に存在する結晶質微細構造を有しない金属である。非晶質金属は、ガラス状合金としても知られている。結晶化金属中の原子が、組織化および構造化された結晶格子として知られる周期的なアレイ状に配置されているのに対し、非晶質金属中の原子は、ランダムかつ無秩序に存在している。非晶質微細構造は、従来の結晶質合金と比較して、ある特定の優れた特性を合金に付与することができる。例えば、非晶質合金は、結晶質合金と比べて、より大きい硬度(耐摩耗性)、耐腐食性および強度ならびにより低い熱膨張率を有し得る。低い熱膨張率は、精密航空宇宙部品などの極端な温度環境での使用向けに製造される部品にとって大きな利点となり得る。
非晶質微細構造を付与するためには、冷却中に結晶化が回避される程度に急速に液体合金を焼入れすることが必要である。しかし、冷却速度は、厚さがより大きい部品においては制限されるので、非晶質微細構造を得るのに十分に早い冷却速度を部品全体に使用して製造し得る部品の厚さが非常に制限される。また、冷却速度は、複雑な形状を有する部品の大部分にわたって不均一である。したがって、従来は、厚さが数ミリ以下の部品の製造においてしか非晶質微細構造を付与することができなかった。したがって、このような製造は、リボン、箔、薄板、ワイヤおよび細いロッドなどの簡単な形状に限定されていた。
したがって、簡潔には、本発明は、第1合金箔シート、第n合金箔シートおよび複数の中間合金箔シートを含む合金箔シートの多数のスライスを含む金属合金部品を製造する方法であって、前記n枚の合金箔シートのそれぞれが、前記n枚の合金箔シートのうちの別の合金箔シートを含む各自の下地層と係合するように、前記n枚の合金箔シートのそれぞれを互いに順次積み重ねる工程と、前記n枚の合金箔シートのそれぞれを、材料接合レーザの合焦したレーザビームを前記箔シートの自由な非遮蔽表面に当てて、各合金箔シートをその各自の下地層に溶融および接合することによって各シートが前記各自の下地層に積み重ねられた後に、前記レーザを用いて前記各自の下地層に接合する工程と、前記n枚の合金箔シートのうちの1つまたは複数から材料を除去して、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数を、前記金属合金部品の1つまたは複数の各自のスライスと形状において対応するように成形する工程とを含む方法に関する。前記n枚の合金箔シートのそれぞれを前記各自の下地層に接合し、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数から合金材料を除去する前記工程は、前記金属合金部品の前記n枚のスライスのそれぞれの形状を示す形状データに基づいて制御される。
別の局面において、本発明は、第1非晶質合金箔シート、第n非晶質合金箔シートおよび複数の中間合非晶質金箔シートを含む非晶質合金箔シートのスライスを含む非晶質金属合金部品を製造する方法であって、前記n枚の非晶質合金箔シートのそれぞれが、前記n枚の非晶質合金箔シートのうちの別の非晶質合金箔シートを含む各自の下地層と係合するように、前記n枚の非晶質合金箔シートのそれぞれを互いに順次積み重ねる工程と、前記n枚の非晶質合金箔シートのそれぞれを、材料接合レーザの合焦したレーザビームを前記箔シートの自由な非遮蔽表面に当てて、各非晶質合金箔シートをその各自の下地層に溶融および接合することによって各シートが前記各自の下地層に積み重ねられた後に、前記レーザを用いて前記各自の下地層に接合する工程と、前記n枚の非晶質合金箔シートのうちの1つまたは複数から材料を除去して、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数を、前記金属合金部品の1つまたは複数の各自のスライスと形状において対応するように成形する工程とを含む方法に関する。前記n枚の合金箔シートのそれぞれを前記各自の下地層に接合し、前記n枚の非晶質合金箔シートのうちの前記1つまたは複数から非晶質合金材料を除去する前記工程は、前記金属非晶質合金部品の前記n枚のスライスのそれぞれの形状を示す形状データに基づいて制御される。
本発明はまた、第1非晶質合金箔シート、第n非晶質合金箔シートおよび複数の中間非晶質合金箔シートを含むn枚の非晶質合金箔シートから得られるn枚のスライスを含む非晶質金属合金部品を製造する方法であって、前記n枚の非晶質合金箔シートのそれぞれが、前記n枚の非晶質合金箔シートのうちの別の非晶質合金箔シートを含む各自の下地層と係合するように、前記n枚の非晶質合金箔シートのそれぞれを互いに順次積み重ねる工程と、各箔シートを前記各自の下地層にスポット溶接によって予備的に付着させる工程と、前記n枚の非晶質合金箔シートのそれぞれを、材料接合レーザの合焦したレーザビームを前記箔シートの自由な非遮蔽表面に当てて、各非晶質合金箔シートをその各自の下地層に溶融および接合することによって各シートが前記各自の下地層に積み重ねられた後に、前記レーザを用いて前記各自の下地層に接合する工程と、前記箔シートをスライスすることにより前記n枚の合金箔シートのうちの1つまたは複数から材料を切削除去し、前記下地層に接合されていない箔シートセグメントを分離して、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数を、前記金属合金部品の1つまたは複数の各自のスライスと形状において対応するように成形する工程を含む方法にも関する。前記接合工程は、少なくとも約マイナス50℃よりも低い内部温度を有する冷却チャンバにおいて行われる。接合中、前記材料接合レーザを前記箔シートの前記自由な非遮蔽表面に、a)順次的な重なり合わない経路で印加して、熱蓄積を低減させるか、あるいは、b)スポット溶接部を、連続する各スポット溶接部が、直前に形成されたスポット溶接部と重なり合わない場所に形成される状態で、前記表面全体に形成することよって、熱蓄積を低減させる。前記n枚の合金箔シートのそれぞれを前記各自の下地層に接合し、前記n枚の非晶質合金箔シートのうちの前記1つまたは複数から非晶質合金材料を除去する前記工程は、前記金属非晶質合金部品の前記n枚のスライスのそれぞれの形状を示す形状データに基づいて制御される。
本発明はまた、第1合金箔シート、第n合金箔シートおよび複数の中間合金箔シートを含むn枚の合金箔シートから得られるn枚のスライスを含む金属合金部品を製造する方法であって、前記n枚の合金箔シートのそれぞれが、前記n枚の合金箔シートのうちの別の合金箔シートを含む各自の下地層と係合するように、前記n枚の合金箔シートのそれぞれを互いに順次積み重ねる工程と、前記n枚の合金箔シートのそれぞれを前記各自の下地層に予備的に付着させて、前記各箔シートの位置を前記下地層上に固定する工程と、前記n枚の合金箔シートのそれぞれを、各シートが前記各自の下地層に積み重ねられた後に、材料接合レーザを用いて前記各自の下地層に接合する工程と、前記n枚の合金箔シートのうちの1つまたは複数から材料を除去して、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数を、前記金属合金部品の1つまたは複数の各自のスライスと形状において対応するように成形する工程とを含む方法にも関する。前記n枚の合金箔シートのそれぞれを前記各自の下地層に接合し、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数から合金材料を除去する前記工程は、前記金属合金部品の前記n枚のスライスのそれぞれの形状を示す形状データに基づいて制御される。
別の局面において、本発明は、第1合金箔シート、第n合金箔シートおよび複数の中間合金箔シートを含むn枚の合金箔シートから得られるn枚のスライスを含む金属合金部品を製造する方法であって、前記n枚の合金箔シートのそれぞれが、前記n枚の合金箔シートのうちの別の合金箔シートを含む各自の下地層と係合するように、前記n枚の合金箔シートのそれぞれを互いに順次積み重ねる工程と、前記n枚の合金箔シートのそれぞれを、各シートが前記各自の下地層に積み重ねられた後に、材料接合レーザを用いて前記各自の下地層に接合する工程と、前記箔シートをスライスすることにより前記n枚の合金箔シートのうちの1つまたは複数から材料を切削除去し、前記下地層に接合されていない箔シートセグメントを分離して、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数を、前記金属合金部品の1つまたは複数の各自のスライスと形状において対応するように成形する工程を含む方法に関する。前記n枚の合金箔シートのそれぞれを前記各自の下地層に接合し、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数から合金材料を除去する前記工程は、前記金属合金部品の前記n枚のスライスのそれぞれの形状を示す形状データに基づいて制御される。
以下、他の目的および特徴について、その一部を明らかにするとともに、その一部を指摘する。
付加製造システムの概略ブロック図である。
箔シートの積層体と、付加製造システムを用いて当該箔シートから製造した部品とを比較する斜視図である。
付加製造システムのより詳細な概略ブロック図である。
箔シートを基材に接合する付加製造システムによって形成された溶接部の断面を示す写真である。
付加製造システムによって下地層に溶接された後の箔シートの上面を示す写真である。
付加製造システムによって第2箔シートに接合された後の第1箔シートの断面の写真である。
付加製造システムによって切削された後の箔シートの縁部の写真である。
付加製造システムを用いて金属部品を製造する方法のステップおよび判定ブロックを示すフローチャートである。
付加製造システムを用いて形成された金属部品の写真である。
付加製造システムによって形成された立方体部品および当該部品の材料である未加工箔に対して行われた微小硬さ試験の結果を示す表であり、立方体部品の断面写真を表の上に重ねて示したものである。
付加製造システムを用いて形成された別の金属部品の写真である。
付加製造システムを用いて形成された別の金属部品の写真である。
付加製造システムを用いて形成された別の金属部品の写真である。
接合操作において使用されるマスクの概略図である。
冷却プレートの概略上面図である。
冷却チャンバ床部の概略上面図である。
冷却チャンバを備える製造システムの概略図である。
冷却チャンバの概略上面図である。
非晶質合金部品の光学写真を示す図である。
非晶質立方体および当該立方体内の様々な位置に対応するX線回折パターンを示す図である。
4つの非晶質合金部品を示す図である。
図面全体を通じて、対応する参照符号は対応する部分を示す。
図1および図2を参照すると、三次元金属部品Pを製造するための付加製造システムが概して参照符号10で示される。以下にさらに詳細に説明するように、製造システム10は、複数の箔シートFを互いに積み重ね、成形し、接合することにより、部品Pを形成する。製造システム10は、箔シートFから部品Pを形成するために協働する箔シート位置決めシステム(概して12で示す)、材料接合システム(概して14で示す)および材料除去システム(概して16で示す)を備える。コントローラ20は、システム10を制御して、部品の三次元モデルに基づいて部品Pを製造するように、箔シート位置決めシステム12、材料接合システム14および材料除去システム16に連動連結されている。
図2を参照すると、三次元部品Pは、部品を形成する材料のn枚のスライスSとして特徴付けられ得る。各スライスSは、z軸に沿った厚さと、z軸に直交して向けられたx軸およびy軸によって画定される水平面に沿った形状とを有する。以下にさらに詳細に説明するように、製造システム10は、互いに接合され、金属部品の各自のスライスSと形状において対応するように成形されたn枚の箔シートFを部品Pから製造するように構成されている。箔シートFのそれぞれは、部品PのスライスSのうちの1つと同じ厚さを有する。箔シートFは、使用時に箔がどのように積層されているかを示す図2において、矩形シートの積層体として示されている。しかし、典型的には、箔シートFは、1つまたは複数のロールから切り取られる。図示のシートFは同じ寸法を有しているが、本発明の範囲を逸脱することなく、異なる寸法のシートを用いてもよい。部品の構築に用いられる各層の厚さは、同じでなくともよい。例えば、n枚の箔シートのうちの1つまたは複数の箔シートが、当該n枚の箔シートのうちの他の箔シートと異なる厚さを有していてもよい。加えて、n枚の箔シートのうちの1つまたは複数の箔シートが、当該n枚の箔シートのうちの他の箔シートと異なる材料から形成されていてもよい。部品PのスライスSが異なる位置において異なる材料を含む場合、材料が異なる箔シートを用いて個々のスライスを形成してもよい。
本開示全体を通じて、変数「n」は、部品Pの少なくとも一部分を形成するスライスSの数を指すために用いられ、この部分は、「n」枚の箔シートFを互いに積層、成形および接合することによって製造される。いくつかの実施形態において、「n」枚の箔シートは、互いに接合されて部品P全体を形成してもよい。他の実施形態において、「n」枚の箔シートは、部品Pの一部のみを形成するように互いに接合され、別のもの(例えば、n枚の箔シートに含まれない箔シート、基材等)にさらに接合されて部品全体を形成してもよい。一般に、製造システム10は、第1箔シート、第n箔シートおよび第1箔シートと第n箔シートとの間に積層された複数の中間箔シートを含む、4枚以上の箔シートF(すなわち、n≧4、例えば、4〜約25、4〜約40、4〜約50、4〜約75、4〜約100、4〜約150、4〜約200、4〜約500、4〜約1000、4〜約5000、4〜約10,000、4〜約25,000以上)から部品Pを製造する。しかし、特に厚みの小さい部品は、本発明の範囲を逸脱することなく、4枚より少ない数のシートから製造することができる。
箔シートFは、任意の適した金属材料を含んでいてもよい。ある特定の実施形態において、箔シートFは、AISI 1010鋼などの鋼を含む。例示的な鋼箔は、イリノイ州ダウナーズグローブのPrecision Brand Products,Inc.から入手可能な1010鋼(UPC番号16850)である。1つまたは複数の好適な実施形態において、箔シートFは、約50μm〜約750μm(例えば、約150μm)の厚さを有する。本発明の範囲を逸脱することなく、他の厚さの箔シートを用いてもよい。
再び図1を参照すると、箔位置決めシステム12は、部品Pを形成する箔シートFを支持するように構成されたベース22を備える。好適な実施形態において、ベース22は、プラットフォームを含み、プラットフォームは当該プラットフォームをx軸およびy軸に沿って移動させるための移動ステージ23に連動連結されている。他の実施形態において、プラットフォームは、本発明の範囲を逸脱することなく、静止状態としてもよく、あるいはx軸、y軸およびz軸のうちのいずれか1つ、2つまたは3つに沿って移動させてもよい。
ある特定の実施形態において、n枚の箔シートFがベース22上で積層される前に、接合用基材Jが当該ベースに配置される。第1箔シートFは、当該第1箔シートが1つの層を形成し、基材Jが下地層を形成するように、基材に積み重ねられる。基材Jは、溶接によって第1箔シートFに接合されるのに適していることが好ましい。基材Jは、箔シートFのそれぞれよりも厚くてもよい。例えば、1つまたは複数の実施形態において、基材Jは、約2mm〜約25mm(例えば、約3mm)の厚さを有する。基材Jは、本発明の範囲を逸脱することなく、より厚くてもより薄くてもよい。基材Jが箔シートFに接合される場合、当該基材は、金属部品Pの一部に対応するように成形されるか、あるいは作製後に部品から除去されるのが好ましい。いくつかの実施形態において、製造システム10は、基材Jを、プラットフォーム22に配置した後に成形することができる。他の実施形態において、基材Jは、プラットフォーム22上に配置される前に成形される。
図示の実施形態において、箔シートFは、基材Jに手動で載置される。例えば、ロールから取り出された箔シートFを1枚ずつ基材J上に配置する。以下にさらに詳細に説明するように、各シートFがプラットフォーム22に載置された後、材料接合システム14および材料除去システム16を用いて、シートを下地層に接合し、シートを部品PのスライスSと形状において対応するように成形する。本発明の範囲を逸脱することなく、自動化シート載置システム(図示せず)を用いて箔シートFをベースに配置することができることが理解される。
図3を参照すると、図示の実施形態において、接合システム14は、材料接合レーザ26を発生させるように構成された材料接合レーザシステムである。他の実施形態において、本発明の範囲を逸脱することなく、他の種類の材料接合システムを用いてもよい。材料接合レーザシステムは、n枚の箔シートFのそれぞれを下地層に接合するよう構成された材料接合レーザ26を発生させるように構成されている。箔シートFのそれぞれについて、「下地層」は、基材または各自の箔シートと係合するとともに、各自の箔シート直下にある下地箔シートを含むことができる。以下にさらに詳細に説明するように、材料接合レーザシステム14は、好ましくは、n枚の箔シートのそれぞれをその各自の下地層に実質的に均一に接合するように、コントローラ20によって制御される。これにより、強度が方向に依存しない高強度金属部品のための、部品PのスライスS間の強い接合力が発生する。
任意の適した接合レーザシステム(例えば、気体レーザシステム、固体レーザシステム等)を材料接合レーザシステム14に用いることができる。接合レーザシステムの種類の選択は、コスト、所望の溶接品質、箔の種類等といった要因に依存し得る。図示の材料接合レーザシステム14は、レーザ発生器30、光ファイバー32、レーザ結合器33およびビーム拡大器34を備える。レーザ発生器30は、定波長レーザ26を生成するように構成されるのが好ましい。いくつかの実施形態において、レーザ発生器は、連続波モードにおいて約355nm〜約10,640nm(例えば、約1070nm)の波長(例えば、定波長)を有する材料接合レーザ26を発生させるように構成されている。ある特定の好適な実施形態において、材料接合レーザ発生器30は、ファイバレーザ発生器である。1つまたは複数の実施形態において、レーザ発生器30は、約200W〜約2000W(例えば、約1000W)の最大出力を有する材料接合レーザ26を発生させるように構成することができる。1つの適したレーザ発生器30は、マサチューセッツ州オックスフォードのIPG Photonics Corporationから入手可能なIPG YLR−1000 CWファイバレーザ発生器である。
図示の実施形態において、光ファイバー32は、材料接合レーザ26をレーザ発生器からレーザ結合器に送出するために、レーザ発生器30とレーザ結合器33との間に光学的に結合されている。材料接合レーザ26の最初のセグメント26aは、概ねy軸に沿ってレーザ結合器33からビーム拡大器34まで延び、ビーム拡大器34は、レーザ26の第2のセグメント26bのビームサイズを増大させる。第2のセグメント26bは、さらにy軸に沿って走査器40に向かって延びる。以下にさらに詳細に述べるように、走査器40は、材料接合レーザ26の第3の(接合)セグメント26cを概ねz軸に沿って延びるように向けるとともに、当該接合セグメントをx軸およびy軸に沿って移動させるように構成されている。接合セグメント26cは、材料接合レーザ26をビームスポットに合焦させる合焦レンズ42を通過する。
合焦レンズ42は、箔シートFのそれぞれをその各自の下地層に溶接するための材料接合レーザ26を合焦させるように構成されている。合焦レンズ42は、z軸に沿って合焦レンズ42から離間したビームスポット上に接合セグメント26cを合焦させる焦点距離を有する。ある特定の実施形態において、焦点距離は、約10cm〜約580cm(例えば、約33cm)である。材料接合レーザ26のビームスポットは、スポット径を有する。好ましくは、スポット径は、箔シートFのそれぞれの厚さ以下である。例えば、1つまたは複数の実施形態において、箔シートの厚さとスポット径の比は、約0.1〜約10である。
図示の実施形態において、合焦レンズ42および走査器40は、合焦レンズ42および走査器40をプラットフォーム22に対してz軸に沿って移動させるように構成されたz移動ステージ44に装着される。好ましくは、コントローラは、連続する各箔シートに当該シートがプラットフォーム22に積み重ねられる際に、ビームスポットを自動動作可能に整列させるように、z移動ステージ44に連動連結されている。よって、z移動ステージ44は、好ましくは、新たな箔シートFがプラットフォーム22に積み重ねられるたびに、合焦レンズ42および走査器40をz軸に沿って上方に移動させる。z移動ステージは、プラットフォーム22および材料接合レーザ26をx軸、y軸およびz軸に沿って互いに対して選択的に移動させるように構成された材料接合移動システムの一部であると広義においては理解される(材料接合移動システムのx移動部品およびy移動部品については、後に詳述する)。ベースおよび材料接合レーザをz軸に沿って互いに対して移動させて、材料接合レーザのビームスポットを、連続する各箔シートと当該シートがベースに追加される際に動作可能に整列させる他の方法を、本発明の範囲を逸脱することなく用いてもよい。したがって、ベースに対してレーザがz方向に移動する実施形態、レーザに対してベースがz方向に移動する実施形態、ベースおよびレーザの両方が互いに対してz方向に移動する実施形態が存在する。
材料接合レーザ26は、好ましくは、キーホール貫通モードにおいてn枚の箔シートFのそれぞれを貫通するように構成される(すなわち、材料接合レーザ26は、約1×10W/cmよりも大きいレーザ強度、例えば、1.1×10W/cm)のレーザ強度を有する)。図示の実施形態において、材料接合レーザシステム14は、材料接合性を向上させるために遮蔽ガスをビームスポットに向けて分配供給する遮蔽ガスディスペンサ43を備える。遮蔽ガス(例えば、アルゴン、ヘリウム等)は、酸化を防ぐために、溶接時に分配供給される。図示の材料接合レーザシステム14は、連続する箔シートFを互いに実質的に均一に接合するのに適したシステムの一つの例示的な実施形態に過ぎないことが理解される。他の種類のレーザ溶接システムといった他の適した材料接合システムを、本発明の範囲を逸脱することなく用いてもよい。
図4を参照すると、材料接合レーザシステム14によって形成された例示的な溶接部W1は、箔シートF1を基材層J1に接合する。溶接部W1は、箔シートF1の厚さtよりも大きい深さd1を有する。溶接部W1の大きさおよび形状は、接合される材料、レーザ出力、レーザ波長、走査速度、ビームスポットの大きさ、遮蔽ガスの種類等といった様々な要因によって決まることが理解される。1つまたは複数の好適な実施形態において、溶接部W1の深さd1は、箔シートF1の厚さtの少なくとも約130%である。図示の例において、溶接部W1は、箔シートF1の厚さtの約130%である。溶接部W1は、箔シートF1の上面において幅Wiを有する。1つまたは複数の実施形態において、幅Wiは、箔シートF1の厚さtの約80%〜約200%である。図示の例において、幅Wiは、厚さtの約175%である。溶接部W1はまた、箔シートF1と下地層J1との境界面において幅Wiiを有する。1つまたは複数の実施形態において、幅Wiiは、箔シートF1の厚さtの約80%〜約150%である。図示の例において、幅Wiiは、厚さtの約115%である。他の実施形態において、材料接合システムは、本発明の範囲を逸脱することなく、他の形状および寸法を有する溶接部を形成するように構成される。
図示の実施形態において、走査器40は、材料接合レーザ26とベース22との間のx軸およびy軸の移動を制御する。よって、図示の実施形態において、走査器40およびz移動ステージ44は、プラットフォーム22および材料接合レーザ26をx軸、y軸およびz軸に沿って互いに対して選択的に移動させて、材料接合レーザの位置をプラットフォームに配置された箔シートFに対して制御するように構成された材料接合移動システムとして、共に機能する。図示の実施形態においてはxy軸移動を制御するためにレーザ走査器が用いられるが、他の実施形態では、本発明の範囲を逸脱することなく、xy軸の他の種類の制御、例えば、xy移動ステージを使用することによるもの等を用いた材料接合移動システムを含むことができる。好適な実施形態において、材料接合移動システムは、ベース22および材料接合レーザ26の一方を、約350mm/分〜約700mm/分の速度で他方に対して移動させる。
各箔シートFを下地層に実質的に均一に接合する前に、付加製造システム10は、箔シートを下地層に一時的にまたは予備的に固着または付着させるように構成されている。1つまたは複数の実施形態においては、箔シートFがプラットフォーム22に載置されるたびに、コントローラ20は、新たな箔シートを下地層にスポット溶接するようにレーザ発生器30および走査器40を制御するように構成されている。走査器40は、材料接合レーザ26をx軸およびy軸に沿って移動させ、レーザ発生器30は、材料接合レーザ26を送給して、それぞれの箔シートFに沿って離間した位置にスポット溶接部を形成する。スポット溶接部により、箔シートFとその下地層との間に一時的な付着が生じる。一つのこのようなスポット溶接操作の詳細については、非晶質合金部品の製造の記述との関連において後に示す。箔シートをその下地層に一時的にまたは予備的に付着させる他の方法(例えば、型締め、機械的な締結、ねじ留め等)を、本発明の範囲を逸脱することなく用いてもよい。したがって、本発明は、合金箔シートのそれぞれを各自の下地層に予備的にまたは一時的に付着させ、その後の接合操作に備えて、各箔シートの位置を下地層上において固定することを含む。この付着の一つの目的は、新しい箔を下層に密着させて固定し、互いに溶接される層の間の間隙を無くすことである。これは、その後の接合操作で溶融を行われ、焼損が起こらないことを確実にするために必要である。また、この予備的な付着により、付着されている箔層が熱応力によって上方に湾曲することが防止される。いくつかの実施形態において、付着は、クランプ、または最終的な層同士の結合の一部を形成しない他のシステムという意味で一時的である。他の実施形態において、付着は、スポット溶接、または最終的な層同士の結合を形成するか、あるいは少なくとも当該結合に一体化される他のシステムという意味で予備的である。
箔シートFを下地層に予備的にまたは一時的に固着させた後、材料接合レーザシステム14は、箔シートを下地層に実質的に均一に接合するように構成されている。図5に示すように、コントローラ20は、材料接合レーザ26の接合セグメント26cを溶接経路Qに沿って箔シートF2に対して移動させるように走査器を制御するように走査器40に連動連結されている。溶接経路Qは、材料接合レーザ26を、箔シートFとz軸に沿って動作可能に整列した状態で当該溶接経路に沿って適当な走査速度にて進行させることにより、材料接合レーザが、箔シートを下地層に実質的に均一に接合する溶接部を箔シート全体にわたって形成するように好ましくは構成されている。
図示の実施形態において、溶接経路Qは、複数の平行なセグメントを有する。各セグメントは、x軸に沿って延び、セグメントは、y軸に沿って隣接するセグメントから離間している。箔シートF2の一端の外部から開始して、走査器40は、レーザ26が箔シートの反対側の端部上方を通過するまで、ある走査速度でx軸に沿って第1の方向xiに材料接合レーザ26を移動させる。走査器40は、次いで、材料接合レーザ26をy軸に沿って距離d2移動させてから、x軸に沿って反対の第2の方向xiiに走査する。走査器40は、材料接合レーザ26が箔シートF2の第1の端部上方を通過するまで材料接合レーザ26を第2の方向xiiに移動させ、次いで、当該レーザをy軸に沿って距離d2だけ再び移動させる。走査器40は、溶接経路Qが、y軸に沿って箔シートF2の全距離にわたって延びるまで、これらのステップを繰り返す。
分かりやすさのため、図示の溶接経路Qは、隣接する経路セグメントを順次横断するものとして示される。しかし、ある特定の好適な実施形態においては、溶接経路は、第1経路セグメントに沿って進行し、続いて、第1経路セグメントから1つまたは複数の介在セグメントだけ離間した第2経路セグメントに沿って進行し、このパターンが繰り返され、材料接合レーザ26は、箔シートF全体に跨る経路セグメントに沿って走査される。例えば、部品Pにおける熱蓄積、熱応力および歪みを最小限とするため、各溶接経路Qは、箔シートFの両端に隣接するセグメントに沿った走査を交互に繰り返すことができる。
他の実施形態においては、平行な溶接セグメントを含む連続した溶接経路に沿って材料接合レーザ26を走査することによって箔シートFを下地層に溶接する代わりに、箔シートは、その幅に沿って互いに重なり合うスポット溶接部のマトリックスを箔シートの表面に沿ってスポット溶接することにより、実質的に均一に下地層に接合される。この変形例についは、非晶質合金部品の製造との関連において後に詳述する。
図4および図5を参照し、接合レーザがスポット溶接部ではなく連続した溶接部を形成する連続経路を進行する実施形態に戻ると、隣接する経路セグメント間の溶接寸法および距離d2は、好ましくは、各溶接経路セグメントの箔シートFの上面における溶接部の幅Wiの少なくとも約40%(例えば、約50%)が、隣接する溶接経路セグメントの箔シートの上面における溶接部の幅と重なり合うようなものとするのが好ましい。同様に、隣接する経路セグメント間の溶接寸法および距離は、溶接部が各自の箔シートFの底面にわたってほぼ連続して延びるようなものとすることが好ましい。例えば、各経路セグメントにおける溶接部の幅Wiiと隣接するセグメントとの間には、少なくともごくわずかな量の重なりが存在する。得られる溶接部は、各箔シートFを各自の下地層に実質的に均一に接合し、これにより、製造されら部品Pのx軸、y軸およびz軸に沿って良好な強度が得られる。
図5の写真は、下地層に溶接された後の箔シートF2の上面における凝固パターンを示す。溶接パターンが見えるものの、溶接後の上面はかなり平滑なままである。表面粗さは、約10μmのレベルであると測定された。よって、1つまたは複数の実施形態において、材料接合レーザシステム14は、約20μm未満の未仕上げ表面粗さを有する被溶接面を有する部品Pを形成するように構成されている。
図6を参照すると、上記の例示的な材料接合条件およびシステムを用いて、第1箔シートF3を第2箔シートF4に接合した。図6は、互いに融着させた後の箔シートF3およびF4の断面の写真を示す図である。この写真から明らかなように、第1箔シートは、第2箔シートF4に実質的に均一に融着された。はっきりとした孔や微小割れは存在せず、2枚の箔シートF3およびF4は、ほとんと区別できない。しかし、箔シートが下地層に実質的に均一に接合されるのに、微小割れや孔が明らかに存在しないことおよび箔シートと下地層との完全な融着は、狭義には重要ではない。
図3を再び参照すると、材料除去システム16は、n枚の箔シートFのいずれか1つまた複数から材料を除去して、箔シートを部品Pとして成形するように構成されている。より具体的には、コントローラ20は、部品Pのn枚のスライスSのそれぞれの形状を示す形状データを用いてシートFから材料を除去して、シートのそれぞれをスライスSのうちの1枚である各自のスライスと形状において対応するように成形するよう材料除去システム16に連動連結されている。図示の実施形態において、材料除去システム16は、材料除去レーザ46を発生させるように構成された材料除去レーザシステムである。しかし、他の実施形態においては、本発明の範囲を逸脱することなく、他の種類の材料除去システム(例えば、多軸ミルといった機械加工システム等)を用いてもよい。
材料除去レーザシステム16としては、任意の適した材料除去レーザシステムを用いてもよい。図示の実施形態において、材料除去レーザシステム16は、Qスイッチレーザ発生器50、半波長板52およびビーム拡大器54を備える。Qスイッチレーザ発生器以外の他のレーザ発生器を用いてもよいが、箔シートFのクリーンな切削のための高い瞬間出力のレーザ46を生成するには、Qスイッチレーザ発生器が好ましい。1つまたは複数の実施形態において、レーザ発生器50は、パルス材料除去レーザ46を発生させるように構成されている。例えば、材料除去レーザは、パルス持続時間が約10ns〜約600ns(例えば、約30ns)であるパルスを有することができる。より短いパルス持続時間では、レーザ46の箔に対する熱影響を低減することにより、箔シートFに形成される切削部の品質を向上させると考えられる。ある特定の実施形態において、レーザ発生器50は、紫外線波長を有する材料除去レーザ46を発生させるように構成されている。いくつかの実施形態において、材料除去レーザ発生器50は、約266nm〜約10,640nm(例えば約355nm)の波長を有する材料除去レーザ46を発生させるように構成されている。1つまたは複数の適切な実施形態において、レーザ発生器50は、約3W〜約800W(例えば、約10W)の最大出力、約50μJ〜約150μJ(例えば、約75μJ)のレーザパルスエネルギーおよび約5kHz〜約100kHz(例えば、約20kHz)のパルス繰返し数を有する材料除去レーザ46を発生させるように構成されていてもよい。材料除去レーザ発生器50の1つの適した実施形態は、カリフォルニア州サンタクララのCoherent Inc.から入手可能なCoherent AVIA−355Xレーザ発生器である。この材料除去レーザは、最上層(1つまたは複数)を貫通する切削部を、当該切削部の一方の側にある合金材料が他方の側にある材料から物理的に分離されるとともに、物理的に除去され得るように形成することにより、材料の除去を容易にする。したがって、本プロセスは、箔シートをスライスすることにより合金箔シートのうちの1つまたは複数から材料を切削除去し、下地層に接合されていない箔シートセグメントを分離して、合金箔シートを、金属合金部品の1つまたは複数の各自のスライスと形状において一致するように成形することを含む。これは、材料を削摩させる、すなわち、蒸発によって除去することにより作用するものではない。レーザビームが衝突した材料の10%未満の蒸発といった、若干の蒸発は起こり得るものの、除去機構は切削によるものであるため、この意味において、本材料除去レーザは、削摩レーザではなく、切削レーザとして適切に特徴付けられる。
材料除去レーザ46の第1のセグメント46aは、レーザ発生器50からy軸に沿って半波長板52まで延びる。半波長板52は、第2のセグメント46bにおいてレーザ46の極性を変化させる。第2のセグメント46bは、ビーム拡大器34までy軸に沿ってさらに延び、ビーム拡大器34は、レーザ46の大きさを第3のセグメント46cにおいて拡大する。第3のセグメント46cは、回転反射器56までy軸に沿って延びる。回転反射器56は、第4のセグメント46dがz軸に沿って回転反射器56から離れる方向に延びるようにレーザ46を回転させる。材料除去レーザ46の第4のセグメント46dは、合焦レンズ58によって受光され、合焦レンズ58は、第5の(切削)セグメント46eを焦点に合焦させる。1つまたは複数の実施形態において、合焦レンズ58は、材料除去レーザ46の切削セグメント46eを合焦レンズからz軸に沿って離間したビームスポットに合焦させる焦点距離を有する。ある特定の実施形態において、焦点距離は、約5cm〜約20cm(例えば、約10cm)である。
切削セグメント46eおよび接合セグメント26cの焦点距離ならびに合焦レンズ42および58のz軸位置合わせは、それぞれのレーザ46および26のビームスポットが、z軸に沿って互いに整列されるようなものであるのが好ましい。合焦レンズ58は、合焦レンズ42と同様、z軸に沿った連帯移動のために、z移動ステージ44に装着される。以下にさらに詳細に説明するように、材料除去レーザ46のビームスポットは、好ましくは、プラットフォーム22に配置されたそれぞれの新たな箔シートFとz軸に沿って整列され、箔シートのそれぞれから材料を順次除去する。2つのレーザ26および46のビームスポットを整列させることにより、z移動ステージ44を調整することなく、材料接合レーザ26と材料除去レーザ46とをそれぞれの箔シートFにおいて交互に使用することが可能となる。
材料を除去する箔シートFにおいて、様々な材料除去雰囲気を生成することができる。レーザシステム16の構成によっては、例えば、周囲空気、圧縮空気、周囲アルゴン、圧縮アルゴン等の雰囲気が適し得る。図示の実施形態において、レーザシステム16は、合焦レンズ58の遠位端に同軸ガスノズル60を備える。ガスノズル60は、材料除去レーザの切削セグメント46eとともに、圧縮補助ガスの同軸流をz軸に沿って分配供給するように構成されている。本発明の範囲を逸脱することなく、アルゴンなどの任意の補助ガスを用いることができる。このガスは、好ましくは、材料除去中に発生したドロスおよびデブリを吹き払い、クリーンな切削を実現し、酸化を防ぐ。
材料接合レーザシステム14の場合と同様、材料を箔シートFの指定された位置から除去して箔シートを部品PのスライスSと形状において対応するように成形するために、コントローラに連動連結された任意の適した材料除去移動システムを用いて材料除去レーザ46およびプラットフォーム22を互いに対して移動させてもよい。図示の実施形態において、材料除去移動システムは、xy軸移動ステージ23およびz軸移動ステージ44を備える。合焦レンズおよび同軸ガス分配供給ノズルを箔シートの比較的近くに装着することができるように、xy移動ステージは、材料除去レーザシステム用のレーザ走査器に好ましい。前述のように、xy軸移動ステージは、プラットフォーム22をx軸およびy軸に沿って移動させるようにプラットフォーム22に連動連結されており、z軸移動ステージ44は、合焦レンズをz軸に沿って移動させるように合焦レンズ58に連動連結されている。合焦レンズ58がz軸に沿って移動することにより、材料除去レーザ46がプラットフォーム22に対してz軸に沿って移動し、さらに、材料除去レーザ46のビームスポットが、プラットフォーム22に積み重ねられた箔シートFに対して移動する。
材料除去レーザがベースに対してz方向に移動する実施形態、ベースが材料除去レーザに対してz方向に移動する実施形態およびベースおよび材料除去レーザの両方が互いに対してz方向に移動する実施形態がある。ここで図示される実施形態においては、コントローラ20は、各箔シートFがプラットフォーム22に配置された後に当該箔シートFから材料を順次除去するように、材料除去レーザシステム16、xy軸移動ステージ23およびz軸移動ステージ44を制御するよう構成されている。例えば、一実施形態において、コントローラ20は、各箔シートを予備的に下地層に付着させた後であって、材料接合システム14がそれぞれのシートをその下地層に永久的に融着する前に、当該シートから材料を除去するように、製造システム10を制御するよう構成されている。他の実施形態において、コントローラ20は、各箔シートFが材料接合レーザシステム14によって下地層が永久的に融着された後に、当該シートから材料を除去するように、製造システム10を制御するよう構成されている。好適な実施形態において、コントローラ20は、新たな箔シートFがプラットフォーム22に積層されるたびにz軸移動ステージ44を調整して、ビームスポットをz軸に沿ってそれぞれの箔シートと動作的に整列させるように構成されている。1つまたは複数の実施形態において、コントローラ20は、部品PのスライスSのそれぞれの形状データを受信し、各スライスの形状データを用いて、xy移動ステージ23を制御して、それぞれのシートFから材料を除去し、それにより、当該シートを各自のスライスと形状において対応するように成形するように構成されている。好適な実施形態において、xy移動ステージ23は、約50mm/分〜約350mm/分(例えば、約200mm/分)の速度でプラットフォーム22を材料除去レーザ46に対して移動させる。
材料除去レーザシステム16の切削速度は、得られる部品Pの品質に影響を及ぼす。図7を参照すると、例示的な実施形態において、材料除去レーザシステム16は、材料が除去される位置を画定する、箔シートFの1つまたは複数の縁部マージンに沿って1つまたは複数の切削部62を形成するように構成されている。好ましくは、材料除去レーザ46は、下地層に損傷を与えることなく動作可能に整列させる切削部を箔シートFに形成するように構成されている。材料がレーザによって箔から除去される場合、切削部62の縁部マージンに沿って熱影響ゾーン64が発生する。1つまたは複数の実施形態において、熱影響ゾーン64は、約25μm(例えば、約20μm)未満の幅w3を有する。図7に示すように、熱影響ゾーンの幅が比較的小さいと、焼けおよび目に見える熱影響が最小である比較的クリーンな切削部62が形成される。より高速な切削速度で材料除去レーザ46を箔シートFの上方を複数回通過させることによってより高品質な切削部62が形成されると考えられる。
図8を参照し、付加製造システム10を用いた例示的な方法100について以下に説明する。以下の記述においては、箔シート位置決めシステム12、材料接合システム14および材料除去システム16の様々な態様を制御するコントローラ20について言及する。2つ以上の制御モジュールを用いて、方法100を制御することができることが理解される。例えば、別々の制御モジュール(例えば、別々のコントローラ)を用いて、材料接合レーザシステム14、材料除去システム16、xy移動ステージ23およびz移動ステージ44を制御することができる。あるいは、本発明の範囲を逸脱することなく、単一の制御モジュールを用いて、制御システム全体を実現してもよい。さらに、コントローラ20によって行われるものとして説明される方法100の様々な態様は、本発明の範囲を逸脱することなく、手動で行ってもよい。
方法100の最初のステップ110において、コントローラ20は、部品Pの三次元モデルを受信する。モデルを受信した後、ステップ112において、コントローラ20は、形状スライスソフトウェアを用いてモデルの形状データを生成する。形状データは、三次元モデルを、部品PのスライスSの別々のモデルに分割する。コントローラ20は、さらに、形状データを、製造システム10を制御するための機械命令に変換する。コントローラ20は、三次元モデルを用いて独自の形状データおよび機械命令をコンパイルする代わりに、形状データまたは機械命令を別の送信元から受信することができることが理解される。
ステップ114において、システム10のユーザは、基材Jをプラットフォーム22に載置する。基材Jをプラットフォーム22に載置した後、ユーザは、n枚の箔シートFの1枚目シートを基材J(すなわち、第1シートの下地層)に載置する(ステップ116)。自動載置システムを使用する場合、コントローラ20は、ステップ116を実行する際に当該システムを制御することができる。第1箔シートFが基材Jに載置された後、コントローラは、z移動ステージ44を操作して、材料接合レーザ26および材料除去レーザ46を新たに載置された箔シートと動作可能に整列させる(ステップ118)。次いで、コントローラ20は、材料接合レーザシステム14を操作して、箔シートFを基材Jに予備的に付着させる(ステップ120)。上述のように、図示の付加製造システム10は、箔シートFをその下地層にスポット溶接によって予備的に付着させるが、本発明の範囲を逸脱することなく、予備的にまたは一時的に付着させる他の方法を用いてもよい。
箔シートFを基材Jに一時的にまたは予備的に付着させた状態で、コントローラ20は、材料接合レーザシステム12を制御して、当該シートを下地層に実質的に均一に接合する(ステップ122)。上述のように、コントローラ20は、レーザ発生器30および走査器40を操作して、材料接合レーザ26を溶接経路Qに沿って移動させ、それにより、箔シートFと下地層との間に実質的に連続した融着をその境界面にわたって生じさせる。好ましくは、コントローラ20は、材料接合レーザシステム14が箔シートFを下地層に接合するように動作している間に、材料除去レーザシステム16が材料除去レーザ46を発生させるのを防止する。
箔シートFを下地層に接合した後、コントローラ20は、材料除去レーザシステム16を制御して、箔シートから材料を除去し、箔シートを部品Pの対応するスライスSと形状において対応するように成形する(ステップ124)。コントローラ20は、好ましくは、ステップ124の間、材料接合レーザシステム14が材料接合レーザ26を発生させるのを防止する。ステップ122と124とは、本発明の範囲を逸脱することなく、逆にすることができると理解される。ステップ124の間、コントローラ20は、スライスSの形状データを用いてxy移動ステージ23を移動させて、材料除去レーザ46を、材料が除去されなければならない箔シートFに沿った位置に配置する。機械上に残存する切削された箔の廃棄物は、手動であるいは自動的に箔載置システム12から除去することができる。
判定ブロック126において、部品Pが完全には製造されていないとコントローラ20が判定した場合、方法100は、ステップ116に戻る。別のシートFが、プラットフォーム22の下地層に載置される。コントローラ20は、n枚の箔シートが部品Pのn枚のスライスを形成するまで、それぞれの箔シートFについてステップ116〜124を繰り返す。方法100の例示的な実施形態において、得られる部品Pは、実質的な方向依存性を有さない良好な強度特性を有する。
実施例1
図9は、付加製造システム10を用いて方法100を行うことによって形成された例示的な部品200の写真である。部品200は、材料が除去されて、それぞれのスライスと形状において対応するように成形された各自の箔シートFからそれぞれ形成されたn枚のスライス202を含む。スライス202は、z軸に沿って基材層204に積み重ねられている。そして、上述したように、各スライス202は、溶接経路Qに沿って延びる溶接部によって下地層に接合されている。図示の部品200には、センサ206が埋設されている。センサ埋設部品200を形成するためのプロセスは、部品Pについて上述したものと実質的に同じである。z軸のある1つのセグメントに沿った箔シートを、センサ206を収容するための溝部を形成するように成形する。溝部が部分的に形成された状態で、センサ206を部品200上に配置し、次の箔シートをセンサの上部に形成して、センサを部品に封入する。場合によっては、センサを溝部内に配置する前に、センサに緩衝被覆を施すことが望ましい。溝部をセンサよりも若干大きい寸法とし、部品とセンサとの間に小さい間隙を形成することも望ましい場合がある。
写真に示すように、システム10および方法100により、比較的平滑な上面および側面を有する部品100が製造された。上面の表面粗さは、約10μmのレベルであると測定された。側面は、箔シートFをz軸に沿って手動で重ね合わせることによって生じる欠陥により、上面よりも粗い。側面の平滑性は、自動箔積層システムを組み込むことによって改善が可能であると考えられる。
実施例2
図10を参照すると、方法100に係る付加製造システム10によって別の4ミリ立方体300を製造した。高強度部品の製造における製造システムおよび方法の有効性を評価するため、立方体300を微小硬さ試験に供した。微小硬さ試験は、小型試料用に適合させた、ASTM E8/E8M規格(2009年版、6ページ)に準じて概ね行われた。未加工箔の微小硬さを、作製された立方体300のその断面の64個の異なる点のマトリックスにおける微小硬さと共に測定した。微小硬さ試験の結果を図10に示す。作製された部品300の平均微小硬さは339.8kgf/mm(ビッカース硬さ、Hv0.1/5)であり、標準偏差は20.8kgf/mmである。未加工箔の場合、平均微小硬さは283.8kgf/mmであり、標準偏差は13.9kgf/mmである。よって、作製された部品の微小硬さは、未加工箔と比べて改善されていた。作製された部品の微小硬さは、部品の体積全体にわってかなり均一であり、作製された部品の微小硬さが原材料と比べて若干増加しているのは、高速冷却およびレーザ溶接における凝固によって粒径および配向が変化したことによるものである。
硬さに加えて、システム10および方法100を用いて作製された部品Pの様々な試料の引張強度を試験した。試験結果は、xy平面における部品の引張強度は、元の箔の引張強度よりも大きいことを示した。例えば、約551MPaのAISI 1010引張強度を有する未加工箔の場合、作製された部品の試験引張強度は、950MPa〜約1015MPaであることが分かった。垂直z軸に沿って、試験部品は、未加工箔と比べて改善された引張強度も示した。例えば、約551MPaのAISI 1010引張強度を有する未加工箔の場合、作製された部品のz軸に沿った試験引張強度は、約700MPa〜約750MPaであることが分かった。z軸引張強度は、隣接する箔層間の未溶接の間隙を最小化するようにプロセスを最適化することによってさらに改善することが可能であると考えられる。
実施例3
図11〜図13に示すように、付加製造システム10および方法100を用いて、様々な形状、大きさおよび配置構成を有する金属部品400、500および600を形成することができる。
非晶質合金部品
本システムおよび方法の一つの好適な実施形態は、非晶質合金部品の製造に関する。本実施形態の主要な特徴は、各層の下地層への溶接が、非晶質微細構造の保持および付与に必要である急速焼入れを促進するために、過冷却チャンバにおいて行われることである。本実施形態で使用する箔層は、厚さ50〜500μmの範囲といった、例えば、厚さ約100μmなどの、75〜200μmの厚さの非晶質合金の薄片である。この種の箔は、米国カリフォルニア州のLiquidmetal Technologies,Inc.から入手可能である。上述のような溶接操作中、レーザの高熱により、合金は、その融点を超える温度に加熱され、その下地層に融着させるのに十分に軟化する。その時点で、合金を空冷または単にゆっくりと冷却させると、その原子は結晶構造へと配列化することになる。しかし、合金を、例えば、1°K/秒または10°K/秒より高い速度で急速焼き入れすると、材料が凝固する前に原子が結晶構造へと配列化する時間がない。したがって、過冷却環境を本明細書に記載の特定のレーザ接合技術と組み合わせて使用することにより、元の非晶質合金箔の不規則でランダムな微小構造が保持され、それにより、部品に非晶質微細構造が付与される。
一つの好適な実施形態において、各箔シートは、マスキング装置およびスポット溶接によって下地層に一時的に固定される。マスクは、約1〜約15mm、好ましくは、約5〜約10mmのプレートで構成される。マスクは、スポット溶接レーザを上層における離間した位置に送出する一連の貫通孔を含む。一例において、マスクは、図14に示す構成の金属プレートである。マスクは、下層に固定される上層に被せられる。マスクの厚さは、本発明にとって狭義には重要でない。マスクは、箔層を、その下方にある層に、両者間に間隙を生じさせることなく、均一性良く接触させるのに十分な重さである必要がある。錘またはクランプを用いて、マスクによって加えられる力を補うことができる。孔の大きさは、様々であってよく、孔のパターンについても同様である。レーザを、マスクの孔の一部またはすべてを介してかつ上層へと下方に向けて、上層を下層にスポット溶接する。一実施形態において、このスポット溶接レーザは、箔層と下層との間に均一な結合を形成するために使用される材料接合レーザと同じ出力および波長パラメータを用いたパルスレーザモードで操作される。
本発明に係る1つの方法において、急冷は、ベースの下方で熱交換器を使用することによって促進される。このような熱交換器の一例を図15に示す。鋼板には銅管が埋め込まれ、銅管に液体窒素や液体アルゴンなどの冷流体を循環させる。液体アルゴンに対してコストにおいて有利であるため、液体窒素が好適である。
適切な冷却環境を形成するため、本発明の好適な実施形態は、冷却ガスをチャンバに流入させ、被加工物の周囲に流動させる孔を有する図16に示すようなチャンバ床部を含む冷却チャンバを用いる。チャンバ床部を冷却ガス供給源に接続する冷却ガス供給ラインがある。組み立て後のチャンバを、図17の50で示す。ここで、チャンバ50はチャンバ床部52に載置された側壁を有することが分かる。図18に示すチャンバの上面図において、チャンバ天井部には、レーザがそれを通じて被加工物に直接アクセスすることができる窓54があることが分かる。好適な実施形態において、この窓は、コーティングされたガラスである。窓は、レーザビームがこの窓を通過する際に溶融しない。なぜなら、レーザビームの経路のこの位置においては、ガラスを溶融させるほどには強くない程度に焦点から十分に離れているからである。好ましい実施形態において、冷却ガスは、アルゴン蒸気である。冷却に加え、アルゴン蒸気により、溶接操作および切削操作の際、被加工物が酸素に晒されることから遮蔽される。冷却・遮蔽ガスとして窒素を用いてもよいが、一部の合金は窒素の影響を受けやすい。好適な実施形態において、被加工物の周囲の雰囲気温度は、約マイナス50℃よりも低い、例えば、約マイナス100℃よりも低い温度である。勿論、被加工物の直接の温度は、溶接中のスポット、未溶接スポットまたはつい最近溶接されたスポットのいずれの温度を測定するかによって異なる。ここで例示される実施形態では、本質的に被加工物のみを含むチャンバにおける冷却・遮蔽環境を示しているが、被加工物に加えてレーザ装置の部品あるいさらにはレーザ装置全体を含む、非常に大きなチャンバを用いることも可能である。
チャンバ50の頂部の窓54を通過する際、レーザビームは、被加工物から依然として遠く離れており、したがって脱焦状態であり、まだ合焦されていない。このことは重要である。なぜなら、本発明によれば、合焦した溶接レーザビームおよび切削レーザビームは、被加工物においてまたはその付近(例えば、その5cm以内)においては、ガラス、ポリマーもプラスチック材料も透過しないからである。合焦したレーザビームの被加工物への直接的なアクセスは、様々な理由で重要である。第一に、レーザビームは、合金材料を溶接および切削するほど高い強度を有する。したがって、レーザビームは、それが合焦状態で通過して向けられる場合があるガラス、ポリマーまたはプラスチック材料を破壊してしまう。したがって、本プロセスは、このようなあらゆる透過を積極的に回避する。また、材料を透過することは、レーザを偏向または屈折させる傾向があり、したがって、接合操作および切削操作の精度に悪影響を与え得る。合焦したレーザビームが溶接される合金箔シートに当たる箇所においてレーザとの干渉が無いことも重要である。したがって、被加工物表面から遠く離れたガラス窓54は、レーザビームが被加工物に当たる前に通過する最後の材料である。したがって、本プロセスは、合金箔シートのそれぞれを、材料接合レーザの合焦したレーザビームを箔シートの自由な非遮蔽表面に衝突させて、各合金箔シートをその各自の下地層に溶融および接合させることによって、各シートがその各自の下地層に積み重ねられた後に、当該レーザを用いて、各自の下地層に接合することを含む。これは重要である。なぜなら、被加工物に当接し、合焦したビームが通過するガラスまたはポリマーが存在した場合、当該ガラスまたはポリマーは、溶融する傾向があるか、あるいは少なくとも被加工物の溶融金属を付着するからである。このガラスまたはポリマーは、レーザビームを偏向させる恐れもあり、したがって、精度を低下させる。よって、本実施形態および非晶質合金を必ずしも含まない他の実施形態において、合焦したレーザビームが当たる表面は、自由な非遮蔽表面である。
レーザ溶接およびその後のレーザ切削は、いずれも、被加工物を加熱することを含むため、接合操作およびレーザ切削操作の両方を本明細書に記載の過冷却雰囲気において行うことが好ましい。
非晶質合金箔を含むここでの好適な実施形態において、材料接合レーザ26を平行な溶接セグメントを含む連続溶接経路に沿って走査することによって箔シートFを下地層に溶接する代わりに、箔シートは、幅に沿って互いに重なり合うスポット溶接部のマトリックスを箔シートの表面に沿ってスポット溶接することによって、実質的に均一に下地層に接合される。最終的な接続は、層上のあらゆる位置がレーザによる衝突を受け、溶接スポットのすべてが互いに重なりあっており、その結果、層全体が溶接されているという点で、均一である。しかし、一実施形態においては、レーザ打撃それ自体(一連の瞬間的な溶接打撃に伴うオンオフ、オンオフ、オンオフ)が連続的な直線状に逐次印加されない。むしろ、第1打痕(strike)は、第1位置にあり、第2打痕は、第1位置に隣接しない第2位置にあり、第3打痕は、第2位置に隣接しない第3位置にあり、第n打痕は、第n−1位置に隣接しない第n位置にある。2つの連続するスポット溶接部同士の間隔を大きく離しておくことにより、熱蓄積が最小化され、冷却速度が最大化される。そして、2つの隣接する/重なり合うスポット溶接部同士の時間間隔を大きく離しておくことにより、熱蓄積が最小化され、冷却速度が最大化される。したがって、第1溶接打痕、第2溶接打痕、第3溶接打痕等によって層に形成される各連続スポット溶接部は、その直前または直後に形成されたスポット溶接と重なり合わない。勿論、若干の例外は存在するため、全てのスポット溶接が必ずしもこのように行われるものではない。しかし、好ましい実施形態において、層上に形成されたスポット溶接部の少なくとも約80%または90%が、その直前または直後に形成されたスポット溶接部と隣接しないかあるいは重なり合わないというこのような基準を満たす。しかし、プロセスの最後までには、指定された領域内の層の実質的に全表面領域が下地層に溶接される。この特定の実施形態は、非晶質合金部品の製造において特に好適である。なぜなら、これにより、連続する各溶接スポットの急冷が容易となるからである。第2スポット溶接部は、第1スポット溶接部と重なり合わずかつ隣接しない位置に形成させるため、第1スポット溶接部は、より迅速に冷却される。第2回目のスポット溶接によって加熱される材料は、第1回目のスポット溶接に供される材料と重なり合わず、かつ隣接しない。したがって、第1スポット溶接部は、その形成直後のクリティカルな数マイクロ秒または数秒の間、直後のスポット溶接を受けない冷却材料によってのみ完全に囲まれている。これにより、第1スポット溶接部からの熱は、より早く放散することができる。第3スポット溶接部等〜第nスポット溶接部についても同様である。したがって、各スポット溶接部は、好ましくは、当該スポット溶接部からの熱が前のスポット溶接部に著しい影響を与えることのない程度に前のスポット溶接部から十分に離れた位置に形成される。例えば、一実施形態において、各スポット溶接部(またはスポット溶接部の少なくとも約80%または90%)は、直前のスポット溶接部から少なくとも約5mm、例えば、少なくとも約10mm離れた位置に形成される。また、隣接する、重なり合うまたは接触する各スポット溶接部(または、このようなスポット溶接部の少なくとも約80%または90%)は、少なくとも約1秒、時間的に離れているのが好ましい。これはつまり、新たな各スポット溶接部は、形成されてから1秒未満の隣接するかあるいは重なり合うスポット溶接部を有しないことを意味する。したがって、新たな各スポット溶接部は、a)形成されてからの時間が1秒を超える他のスポット溶接部のみと接触している(すなわち、形成されてから1秒未満の溶接スポットとは接触していない)またはb)他のいかなるスポット溶接部とも接触していない、のいずれかの配置となる。2つの重なり合う溶接スポットの間の時間は、冷却条件に依存する。したがって、冷却をより効率的に行うことにより、重なり合うスポットを大きな時間間隔を空けずに形成することができる。
このスポット溶接方法は熱蓄積を回避するが、これは、図5に関連して上述した連続経路溶接プロセスよりも遅い。これら2つの方法の妥協案は、図5に示すような連続溶接経路を使用することであるが、各直線パスはその直前の直線パスから離間させる。図5を見ると、例えば、5本のパスが示されている。この変形例においては、第1パスは最も下の右から左へのパスであり、第2パスは、第1パスに対して重ならずかつ隣接しない材料を溶接する、等である。したがって、第2パスは、最も下のパスの真上のパスではなく、むしろ、(図5を参照すると)下から3番目、4番目または5番目のパスである。したがって、第1パスの後の各パスは、直前のパスと重なり合わない。したがって、この方法は、それぞれがその直前の経路と重なり合わない、第2パス、第3パス、第4パス、第5パス等が後に続く第1の直線溶接パスを層の表面にわたって形成することを含む。
材料溶接/接合レーザを材料除去/切削レーザと比較すると、1つの好適な実施形態において、溶接/接合レーザは、約10〜約2000ワット、例えば、約300ワットの出力で印加され、一方、除去/切削レーザは、約1〜約100ワット、例えば、約10ワットの出力で印加される。一実施形態において、溶接/接合レーザは、好ましくは、約355〜約10640nm、例えば、約1064nmの波長で印加され、一方、除去/切削レーザは、約248〜約10640nm、例えば、約355nmの波長で印加される。一般に、切削レーザは、連続モードの接合レーザよりも、パルスモードでの平均出力が低く、波長が短い。
前述のように、本発明のいくつかの実施形態において、層は、主要な溶接/接合レーザの印加の前に、スポット溶接操作および図16の光学マスクを用いることにより、離間した位置で下層に予備的に固定される。非晶質合金層の下層に対する予備付着のためのこのような手順の一つにおいて用いられるスポット溶接レーザは、約50〜約1000ワット、例えば、約150ワットの出力で印加され、約355〜約10640nm、例えば、約1064nmの波長で印加される。
実施例4
合金LM−105(Zr65.7Ti3.3Al3.7Ni11.8Cu15.6(重量%)の厚さ100μmの非晶質箔層を、厚さ0.75mmの合金LM−105非晶質プレート上に溶接し、次いで、続くs枚の厚さ100μmの非晶質箔を順次溶接した。100枚の層を追加して、厚さ10mmの立方体の試験試料を形成した。試料の作製条件は、Δt=4msのレーザパルスモード、P=200Wのレーザ出力およびD=430μm(式中、Dは、被加工物材料との衝突面におけるスポットサイズ、すなわち、スポット径)を使用した。レーザ溶接雰囲気は、室温のアルゴン遮蔽チャンバであった。
図19は、試験試料の上面(19a)および断面(19b)の写真である。19aの挿入図は、接合レーザのスポット溶接順序を示し、第1回目のスポット溶接を1、第2回目のスポット溶接を2、等として示す。各スポット溶接が直前のスポット溶接から離して行われたことが分かる。5で示す第5回目のスポット溶接は、これが重なり合っている1で示す第1回目のスポット溶接の4秒後の時点で行われた。19aに示す表面は、隣接する溶接スポット同士の重なりが67%程度だったことを示している。19bに示す断面は、割れやボイドの無い、高度に一体的な接合を示している。試料の密度は、アルキメデス法によって6.607g/cmであると測定され、これは、元の箔の密度の測定値である6.599g/cmに近い。
試験試料全体にわたる様々な位置でX線回折パターンを生成してその微細構造を決定した。これを図20に示す。曲線5は、供給業者から受け取ったままの状態の厚さ0.75mmの非晶質合金プレートのパターンを示す。曲線6は、供給業者から受け取ったままの状態の非晶質合金箔のパターンである。曲線1(上面)、2(中心線)および3〜4(断面)は、曲線5および6とほぼ整列している。全ての曲線が、ブロードなハロー回折ピークをわずかしか含んでおらず、これは、結晶相の量(存在する場合)がX線回折の検出限界(〜2%)内であることを示している。示差走査熱分析試験により、作製された試験試料が元のプレートと同じ非晶質微細構造を有していたことが確認された。
元のプレートおよび試験部品の断面の両方について微小硬さ試験を行った。印加された荷重は0.1kgfであり、押込み(indenting)時間は10秒であった。元のプレートの微小硬さは、588.56±25.5Hvであったが、これは、試験部品の場合の570±30.6Hvに非常に近い。したがって、微小硬さのデータにより、作製された3D試験部品は非晶質微細構造のままであることが確認された。
実施例5
上記実施例の完全に非晶質な10mm立方体試料をスポット溶接によって正常に作成した後、同じパラメータを用いて、図21に示すようないくつかの大型3D非晶質合金部品を構築した。部品における熱蓄積を避けるため、パルス繰返し数は1Hzに設定した。材料除去/レーザ切削プロセスの場合、平滑でクリーンな切削縁を得るために、パルス持続時間が30ns、パルスエネルギーが100mJ、繰返数が5kHzのUVレーザ用いた。
図21aに示す試料は、楕円パターンの連続回転によって作成された「金属フジッリパスタ」部品の側面図である。図21bは、ミズーリ工科大学の厚さ3mmの非晶質「S&T」ロゴを示す図である。図21cは、4つの正方形のステージと頂部に1つの半球状のカバーとを含む5段3Dテーブルを示す図である。部品の全高は、11.3mmであると測定された。図21dは、合計位置ずれが13mmのすべり(slipped)円筒を示す図である。
したがって、本システムおよび方法により、非晶質合金から厚みのある複雑な部品を製造することが容易となることが分かる。従来、非晶質合金からより厚さの大きい部品を作製することは不可能であった。なぜなら、より厚さの大きい部品は、非晶質微細構造を維持するのに十分に急速には冷却することができない(部品内部からの熱移動が遅すぎる)からである。しかし、この新規な方法による各薄(<500μm)層は、非晶質微細構造を維持し付与するのに十分迅速に冷却することが可能であるため、非晶質微細構造の厚い部品は一層ずつ構築される。したがって、本方法によれば、発明者らは、合金の固有の冷却速度限界を回避し、x軸方向、y軸方向およびz軸方向のいずれにもサイズ制限を実質的に有しない非晶質合金部品を製造する方法を見出した。これらには、例えば、x軸方向、y軸方向およびz軸方向のすべてにおいて厚さが1cmより大きい、例えば、全方向において4cmより大きい厚さ、例えば、各方向において1〜50cm、例えば、各方向において4〜50cmの厚さを有する部品が含まれる。この方法により、9cmより大きい、例えば、64cmより大きい、例えば、9〜1000cmの嵩体積を有する、実質的な体積制限のない非晶質合金部品の製造が容易となる。
本発明またはその好適な実施形態の要素を導入する際、「a」、「an」、「the」および「said」という冠詞は、当該要素が1つまたは複数存在することを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在することを意味することを意図している。
上記に鑑みれば、本発明のいくつかの目的が達成されるとともに、他の有利な結果が得られることが理解される。
上記の構成、製品および方法においては、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更が可能であり、上記の説明に含まれ、添付の図面に示される全ての事項は、限定ではなく、例示として解釈されることを意図している。

Claims (23)

  1. 第1合金箔シート、第n合金箔シートおよび複数の中間合金箔シートを含むn枚の合金箔シートから得られるn枚のスライスを含む金属合金部品を製造する方法であって、
    前記n枚の合金箔シートのそれぞれが、前記n枚の合金箔シートのうちの別の合金箔シートを含む各自の下地層と係合するように、前記n枚の合金箔シートのそれぞれを互いに順次積み重ねる工程と、
    前記n枚の合金箔シートのそれぞれを、材料接合レーザの合焦したレーザビームを前記箔シートの自由な非遮蔽表面に当てて、各合金箔シートをその各自の下地層に溶融および接合することによって各シートが前記各自の下地層に積み重ねられた後に、前記レーザを用いて前記各自の下地層に接合する工程と、
    前記n枚の合金箔シートのうちの1つまたは複数から材料を除去して、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数を、前記金属合金部品の1つまたは複数の各自のスライスと形状において対応するように成形する工程とを含み、
    前記n枚の合金箔シートのそれぞれを前記各自の下地層に接合し、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数から合金材料を除去する前記工程は、前記金属合金部品の前記n枚のスライスのそれぞれの形状を示す形状データに基づいて制御される方法。
  2. 前記金属合金は、非晶質金属合金である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記材料接合レーザを順次的な重なり合わない経路で前記箔シートの前記自由な非遮蔽表面に印加して、熱蓄積を低減させる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記材料接合レーザを前記箔シートの前記自由な非遮蔽表面に印加して、スポット溶接部を、連続する各スポット溶接部が直前に形成されたスポット溶接部と重なり合わない場所に形成される状態で前記表面全体に形成することによって、熱蓄積を低減させる、請求項1または2に記載の方法。
  5. 各スポット溶接部は、前記直前に形成されたスポット溶接部の位置から少なくとも5mm離れた位置に形成される、請求項4に記載の方法。
  6. 各スポット溶接部は、前記スポット溶接部が、形成されてから1秒未満であるいずれの先行するスポット溶接部とも重なり合わない位置において前記自由な非遮蔽表面に形成される、請求項4に記載の方法。
  7. 前記接合工程は、冷却チャンバにおいて行われる、請求項2に記載の方法。
  8. 前記冷却チャンバは、アルゴンガスまたは窒素ガスを含有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記冷却チャンバは、約マイナス50℃よりも低い内部温度を有する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記冷却チャンバは、約マイナス100℃よりも低い内部温度を有する、請求項8に記載の方法。
  11. 前記接合工程の前に、各箔シートを前記各自の下地層に予備的にまたは一時的に付着させる工程を含む、請求項1または2に記載の方法。
  12. 各箔シートを前記各自の下地層にスポット溶接によって予備的に付着させる工程を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 金属合金が非晶質金属合金である請求項1に記載の方法であって、
    n枚の非晶質合金箔シートのそれぞれを、前記n枚の非晶質合金箔シートのそれぞれが、前記n枚の非晶質合金箔シートのうちの別の非晶質合金箔シートを含む各自の下地層と係合するように、互いに順次積み重ねる工程と、
    前記n枚の非晶質合金箔シートのそれぞれを、材料接合レーザの合焦したレーザビームを前記箔シートの自由な非遮蔽表面に当てて、各非晶質合金箔シートをその各自の下地層に溶融および溶接することによって各シートが前記各自の下地層に積み重ねられた後に、前記レーザを用いて前記各自の下地層に接合する工程と、
    前記n枚の非晶質合金箔シートのうちの1つまたは複数から材料を除去して、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数を、前記金属合金部品の1つまたは複数の各自のスライスと形状において対応するように成形する工程とを含み、
    前記n枚の合金箔シートのそれぞれを前記各自の下地層に接合し、前記n枚の非晶質合金箔シートのうちの前記1つまたは複数から非晶質合金材料を除去する前記工程は、前記金属非晶質合金部品の前記n枚のスライスのそれぞれの形状を示す形状データに基づいて制御される方法。
  14. 前記接合する工程は、冷却チャンバにおいて行われる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記冷却チャンバは、アルゴンガスまたは窒素ガスを含有する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記冷却チャンバは、約マイナス50℃よりも低い内部温度を有する、請求項14に記載の方法。
  17. 前記冷却チャンバは、約マイナス100℃よりも低い内部温度を有する、請求項14に記載の方法。
  18. 前記材料接合レーザを順次的な重なり合わない経路で前記箔シートの前記自由な非遮蔽表面に印加して、熱蓄積を低減させる、請求項13に記載の方法。
  19. 前記材料接合レーザを前記箔シートの前記自由な非遮蔽表面に印加して、スポット溶接部を、連続する各スポット溶接部が直前に形成されたスポット溶接部と重なり合わない場所に形成される状態で前記表面全体に形成することによって、熱蓄積を低減させる、請求項13に記載の方法。
  20. 前記順次積重ね工程のそれぞれの後であって、前記接合工程のそれぞれの前に、各箔シートを前記各自の下地層にスポット溶接によって予備的に付着させる工程を含む、請求項13に記載の方法。
  21. 前記順次積重ね工程のそれぞれの後であって、前記接合工程のそれぞれの前に、各箔シートを前記各自の下地層にスポット溶接によって予備的に付着させる工程を有する方法であって、
    前記接合する工程が、少なくとも約マイナス50℃よりも低い内部温度を有する冷却チャンバにおいて行われ、
    接合中、前記材料接合レーザを前記箔シートの前記自由な非遮蔽表面に、a)順次的な重なり合わない経路で印加して、熱蓄積を低減させるか、あるいは、b)スポット溶接部を、連続する各スポット溶接部が、直前に形成されたスポット溶接部と重なり合わない場所に形成される状態で、前記表面全体に形成することよって、熱蓄積を低減させる工程と、
    前記箔シートをスライスすることにより前記n枚の合金箔シートのうちの1つまたは複数から材料を切削除去し、前記下地層に接合されていない箔シートセグメントを分離して、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数を、前記金属合金部品の1つまたは複数の各自のスライスと形状において対応するように成形する工程を有し、
    前記n枚の合金箔シートのそれぞれを前記各自の下地層に接合し、前記n枚の非晶質合金箔シートのうちの前記1つまたは複数から非晶質合金材料を除去する前記工程は、前記金属非晶質合金部品の前記n枚のスライスのそれぞれの形状を示す形状データに基づいて制御される、請求項13に記載の方法。
  22. 前記接合工程の後に、前記箔シートをスライスすることにより前記n枚の合金箔シートのうちの1つまたは複数から材料を切削除去し、前記下地層に接合されていない箔シートセグメントを分離して、前記n枚の合金箔シートのうちの前記1つまたは複数を、前記金属合金部品の1つまたは複数の各自のスライスと形状において対応するように成形する工程を含む、請求項13に記載の方法。
  23. 第1箔シート、第n箔シートおよび複数の中間箔シートを含むn枚の箔シートから得られるn枚のスライスを含む三次元金属部品を製造するためのシステムであって、
    基材層および前記n枚の箔シートを支持するように構成され、前記n枚の箔シートのそれぞれが前記1つの基材層と前記n枚の箔シートのうちの別の箔シートを含む各自の下地層と係合するように、前記n枚の箔シートのそれぞれが前記基材層に別層として順次積み重ねられるベースと、
    前記n枚の箔シートのいずれかを前記各自の下地層に接合するために構成された材料接合レーザを発生させるように構成された材料接合レーザシステムと、
    前記n枚の箔シートのいずれかから材料を除去するように構成された材料除去レーザを発生させるように構成された材料除去レーザシステムと、
    前記三次元金属部品の前記n枚のスライスのそれぞれの形状を示す形状データを受信するように構成されたコントローラであって、前記n枚の箔シートのそれぞれが前記各自の下地層に積み重ねられた後に、以下の工程を行うようにさらに構成されたコントローラとを備えるシステム:
    前記材料接合レーザシステムを制御して、前記材料接合レーザを用いて前記それぞれの箔シートを前記各自の下地層に接合する工程および
    前記形状データを用いて、前記材料除去レーザシステムを制御して、前記それぞれの箔シートから材料を除去して、前記各自の箔シートを、前記材料除去レーザを用いて、前記金属部品の各自のスライスと形状において対応するように成形する工程。
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