JP2018117252A - アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】アンテナ特性を向上する技術を提供する。【解決手段】アンテナ100は誘電体基板10を含む。第1グランド素子20aと第2グランド素子20bは、誘電体基板10の裏面14側に配置される。給電素子30は、誘電体基板10の表面12側に配置される。穴部32は、給電素子30の内側に配置される。ランド部34は、穴部32の内側に配置される。回路部36は、給電素子30とランド部34との間に配置され、これらを接続する。【選択図】図1
Description
本発明は、アンテナ技術に関し、特に誘電体基板上に給電素子を配置するアンテナに関する。
アンテナを小型化するための一例がマイクロストリップアンテナである。マイクロストリップアンテナの指向性を可変するために、略矩形のマイクロストリップアンテナの各辺の周辺に複数の無給電素子が配置され、各無給電素子の電気長が切り替えられる(例えば、特許文献1参照)。
マイクロストリップアンテナと無給電素子の間隔が広ければ、無給電素子を配置しても利得の改善効果が小さい。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、アンテナ特性を向上する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のアンテナは、誘電体基板と、誘電体基板の第1面側に配置されるグランド素子と、誘電体基板の第2面側に配置される給電素子と、給電素子の内側に配置される穴部と、穴部の内側に配置されるランド部と、給電素子とランド部との間に配置される回路部と、を備える。
本発明によれば、アンテナ特性を向上できる。
本発明の実施例を具体的に説明する前に、本実施例の概略を説明する。実施例は、誘電体基板の表面に給電素子が配置され、かつ裏面にグランド素子が配置されるアンテナに関する。アンテナの一例は、ETC(Electronic Toll Collection System)車載器に使用されるマイクロストリップアンテナであり、その共振周波数は5.8GHz帯である。前述のごとく、本実施例はアンテナ特性(アンテナ利得、アンテナ効率)を向上することを目的とするが、具体的には次の(1)から(3)の少なくとも1つによって説明される。
(1)ETC車載器にアンテナが接続されたことをETC車載器に通知するための報知回路がアンテナに設けられる。給電素子と給電点とをつなぐマイクロストリップラインの付近に報知回路を設置した場合、給電点を起点とした入力インピーダンスが影響を受けることによって不整合損失が増加し、アンテナ利得が低下する。このように放射源となる給電素子の外縁部の周辺に報知回路を配置すると、アンテナ特性が悪化する。本実施例においては、給電素子の中央部分付近に穴部を設け、給電素子によって囲まれるように報知回路が配置される。これにより、入力インピーダンスへの影響が小さくなるので、アンテナ特性が向上する。
(2)給電素子の周囲に、寄生素子である無給電素子を複数配置する場合、給電素子と無給電素子の間隔が広ければアンテナ利得の改善効果が小さいので、給電素子と無給電素子との間隔はある程度狭くされるべきである。しかしながら、間隔を狭くすると無給電素子も共振周波数で共振してしまうので、無給電素子と給電素子との電磁結合によって実効的な共振周波数が低くなってしまう。その結果、所望の共振周波数におけるアンテナ利得が低下する。本実施例においては、給電素子の共振周波数が所望の共振周波数よりも高くなるように、給電素子のサイズが定められる。そのような給電素子との間隔をある程度狭くしながら複数の無給電素子が配置される。その結果、実効的な共振周波数が所望帯域近傍となり、かつ所望の共振周波数におけるアンテナ利得が向上する。
(3)給電素子は、一般的にグランド素子の中央部分に重複するように配置される。これは、給電素子から放射された電波が均等な距離でグランド素子端部から回折することによって、天頂方向へのアンテナ指向性を形成させるためである。これを考慮して、誘電体基板は略正方形の形状を有する方が好ましい。一方、誘電体基板の表面に給電素子以外の電気回路を実装する場合には、誘電体基板は略正方形ではなく、略長方形の形状を有する。電気回路の実装部分に合わせて、グランド素子も略長方形の形状にした場合、アンテナ素子からグランド素子までの距離が不均一となり、位相の打ち消し合う成分が生じるので、前述の指向性のパターンが崩れ、天頂方向のアンテナ利得が低減する。本実施例においては、グランド素子にスリットを形成することによって、第1グランド素子と第2グランド素子とにグランド電位を分離する。また、第1グランド素子は、略正方形の形状を有するとともに、その中央部分に給電素子を重複させる。さらに、給電点がスリット側に配置される。これにより、誘電体基板の長手方向に流れる電流が低減するので、前述の指向性のパターンが崩れにくくなる。
なお、以下の説明において、「平行」、「直交」は、完全な平行、直交だけではなく、誤差の範囲で平行からずれている場合も含むものとする。また、「略」は、おおよその範囲で同一であるという意味である。
図1(a)−(b)は、本発明の実施例に係るアンテナ100の構造を示す平面図である。図2は、アンテナ100の構造を示す断面図である。図1(a)−(b)、図2に示すように、x軸、y軸、z軸からなる直交座標系が規定される。x軸、y軸は、アンテナ100の平面内において互いに直交する。z軸は、x軸およびy軸に垂直である。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、図1(a)−(b)、図2における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。アンテナ100を形成する2つの主表面であって、かつx−y平面に平行な2つの主表面のうち、z軸の正方向側に配置される主平面が表面12であり、z軸の負方向側に配置される主平面が裏面14である。なお、裏面14を第1面とよぶ場合、表面12は第2面とよばれる。
アンテナ100は、誘電体基板10、グランド素子20と総称される第1グランド素子20a、第2グランド素子20b、スリット22、給電素子30、穴部32、ランド部34、回路部36、マイクロストリップライン38、給電点40、電気回路部42、無給電素子50と総称される第1無給電素子50a、第2無給電素子50b、第3無給電素子50c、第4無給電素子50d、第5無給電素子50e、第6無給電素子50fを含む。なお、無給電素子50の数は「6」に限定されない。
誘電体基板10は、板状に形成され、y軸方向よりもx軸方向に長い矩形状の表面12と裏面14とを配置する。アンテナ100の裏面14において、x軸の正方向側には第1グランド素子20aが配置され、第1グランド素子20aは略正方形の形状を有する。また、アンテナ100の裏面14において、x軸の負方向側には第2グランド素子20bが配置される。ここで、第1グランド素子20aと第2グランド素子20bとの間にはスリット22が配置される。スリット22はグランド素子20に形成されており、スリット22では誘電体基板10の裏面14が露出する。このように、第2グランド素子20bは、スリット22を境界として、第1グランド素子20aからグランド電位が分離される。
誘電体基板10の表面12において、第1グランド素子20aと重複する部分が第1領域24として定義され、第2グランド素子20bと重複する部分が第2領域26として定義されるので、第1領域24と第2領域26もスリット22を境界として離間する。誘電体基板10の表面12上において、第1領域24の中央部分付近には、略正方形の形状を有した給電素子30が配置される。そのため、給電素子30は、表面12あるいは裏面14と平行な投影面(以下、単に「投影面」という)上において、第1グランド素子20aに重複して配置される。この給電素子30は、マイクロストリップアンテナやパッチアンテナとよばれたりすることもある。
給電素子30の内側における中央部分付近には穴部32が配置され、穴部32の内側における中央部分付近にはランド部34が配置される。ランド部34は円柱形状を有した導体であり、そのz軸方向の高さは給電素子30の厚みに近くされる。また、穴部32は、給電素子30によって円弧状に囲まれるので、ドーナツ形状に開口する。なお、穴部32、ランド部34の形状はこれらに限定されない。ランド部34のz軸の負方向側の面から、第1グランド素子20aのz軸の正方向側の面まで誘電体基板10を貫通するように、導体によって形成されたスルーホール部46が配置され、スルーホール部46は第1グランド素子20aとランド部34とを電気的に接続する。
給電素子30とランド部34との間には回路部36が配置される。回路部36の構成は任意でよいが、例えば、回路部36が報知回路である場合、抵抗素子が回路部36に相当する。なお、回路部36は半導体素子、リアクタンスなどでもよい。このような回路部36によって給電素子30とランド部34は電気的に接続される。また、誘電体基板10の表面12上において、給電素子30の周囲には、複数の無給電素子50が配置される。各無給電素子50の形状は同一でなくてもよい。
給電素子30のx軸の負方向側の外縁部に接続されるマイクロストリップライン38はスリット22の方向に延びる。マイクロストリップライン38のスリット22側端には給電点40が配置される。そのため、給電点40は、マイクロストリップライン38を介して給電素子30に接続されるとともに、給電素子30に対してスリット22側に配置される。給電点40には同軸ケーブル44の一端が接続される。同軸ケーブル44の他端は、例えば、図示しないETC車載器に接続される。このような構成によって、給電素子30は給電点40から給電されるとともに、アンテナ100は、ETCの信号を送受信し、同軸ケーブル44を介して信号をETC車載器に入出力する。
誘電体基板10の表面12上における第2領域26には、略長方形の形状を有した電気回路部42が配置される。そのため、電気回路部42は、投影面上において、第2グランド素子20bに重複して配置される。電気回路部42として任意の回路を使用することが可能である。なお、説明を明瞭にするために、第2領域26の部分を省略した構造もまたアンテナ100とよぶことがある。
これまでは、アンテナ100の基本的な構造を説明した。以下では、アンテナ100の構造をさらに詳細に説明する。特に、ここでは、(1)回路部36の配置、(2)給電素子30および無給電素子50の形状および配置、(3)第2領域26が含まれた構造の順に説明する。なお、以下に示す特性はシミュレーションの結果である。
(1)回路部36の配置
まず、回路部36が配置される場合の穴部32の径について説明する。図3(a)−(b)は、穴部32の径に対する相対利得の変化を示す。図3(a)では、図1(a)の給電素子30の中心に配置した穴部32の径を変化させたときの相対利得の変化が示される。給電素子30の中心とは、給電素子30のx軸方向の中点とy軸方向の中点とを結んだ位置である。ここで、横軸は穴径を示し、縦軸は相対利得を示す。図示のごとく、穴径が3mmより大きくなると、相対利得が低下する。図3(b)は、所望の共振周波数を5.8GHz帯に設定した場合の波長と長さとの関係を示す。これを参照すると、図3(a)をもとに、穴部32の径が、アンテナ100の共振周波数における波長の1/8以下の長さにされる。
まず、回路部36が配置される場合の穴部32の径について説明する。図3(a)−(b)は、穴部32の径に対する相対利得の変化を示す。図3(a)では、図1(a)の給電素子30の中心に配置した穴部32の径を変化させたときの相対利得の変化が示される。給電素子30の中心とは、給電素子30のx軸方向の中点とy軸方向の中点とを結んだ位置である。ここで、横軸は穴径を示し、縦軸は相対利得を示す。図示のごとく、穴径が3mmより大きくなると、相対利得が低下する。図3(b)は、所望の共振周波数を5.8GHz帯に設定した場合の波長と長さとの関係を示す。これを参照すると、図3(a)をもとに、穴部32の径が、アンテナ100の共振周波数における波長の1/8以下の長さにされる。
次に、回路部36が配置される場合の穴部32の位置について説明する。図4は、穴部32の移動距離に対する相対利得の変化を示す。これは、回路部36の移動距離に対する相対利得の変化ともいえる。ここでは、図1(a)における給電素子30の中心からx軸の正方向(+x軸方向200)、y軸の負方向(−y軸方向202)、y軸の正方向(+y軸方向204)、x軸の負方向(−x軸方向206)に穴部32を移動させた場合の相対利得の変化が示される。なお、相対利得は、給電素子30の中心に穴部32が配置される場合を基準として示される。穴部32あるいは回路部36を中心からずらしていくと相対利得は低下する傾向にある。そのため、穴部32は、給電素子30の中心から約1.2mmまでの移動距離、すなわちアンテナ100の共振周波数における波長の1/20までの長さの範囲内に形成される。
さらに、回路部36として、抵抗素子、半導体素子、リアクタンス等を使用しない場合の構造を説明する。図5は、回路部36の構造例を示し、表面12の上面図を示す。回路部36は、給電素子30から穴部32上を延びるスタブパターンとして形成され、ランド部34に続く。このようなスタブパターンの回路部36は、誘導性リアクタンス成分により所望の周波数帯域でハイインピーダンスとなる。このように回路部36のインピーダンスは高い方が好ましい。
(2)給電素子30および無給電素子50の形状および配置
図6(a)−(f)は、無給電素子50の形状による効果を示す。図6(a)−(c)は、アンテナ100の比較対象となる従来のアンテナ170の構造を示す上面図である。なお、これらのアンテナ170では、図1(a)の第2領域26の部分が省略される。図6(a)のアンテナ170では、誘電体基板110の中央部分に給電素子130が配置される。ここで、誘電体基板110、給電素子130は、誘電体基板10、給電素子30に対応する。給電素子130ではx軸方向の外縁部とy軸方向の外縁部とが交差しており、そのうちの少なくとも1つの長さは、アンテナ170の共振周波数における波長λの1/2の長さにされる。
図6(a)−(f)は、無給電素子50の形状による効果を示す。図6(a)−(c)は、アンテナ100の比較対象となる従来のアンテナ170の構造を示す上面図である。なお、これらのアンテナ170では、図1(a)の第2領域26の部分が省略される。図6(a)のアンテナ170では、誘電体基板110の中央部分に給電素子130が配置される。ここで、誘電体基板110、給電素子130は、誘電体基板10、給電素子30に対応する。給電素子130ではx軸方向の外縁部とy軸方向の外縁部とが交差しており、そのうちの少なくとも1つの長さは、アンテナ170の共振周波数における波長λの1/2の長さにされる。
図6(b)のアンテナ170では、図6(a)の構造に加えて、無給電素子150と総称される第1無給電素子150aから第8無給電素子150hが給電素子130の周囲に配置される。ここで、無給電素子150は、給電素子130に対向する外縁部が長くなるような棒状に形成される。隣接した無給電素子150間に配置されるダイオードは電気的に絶縁された状態であり、給電素子130と無給電素子150との間の距離は、アンテナ170の共振周波数における波長λの約1/4の長さにされる。図6(c)のアンテナ170では、図6(b)における給電素子130と無給電素子150との間の距離が、アンテナ170の共振周波数における波長λの約1/20の長さにされる。つまり、図6(c)では、図6(b)と比較して、給電素子130と無給電素子150との間の距離が狭くされる。
図6(d)では、図6(c)との比較を容易にするために、図1(a)のアンテナ100が変形して示される。ここでは、無給電素子50と総称される第1無給電素子50aから第8無給電素子50hが給電素子30の周囲に配置される。また、給電素子30ではx軸方向の外縁部とy軸方向の外縁部とが交差しており、そのうちの少なくとも1つの長さ、つまりx軸方向とy軸方向の少なくとも1つの長さは、アンテナ100の共振周波数における波長λの1/2の長さよりも短くされる。つまり、x軸方向あるいはy軸方向において、給電素子30の長さは給電素子130の長さよりも短い。さらに、各無給電素子50において、給電素子30に対向する側の外縁部の長さは、当該外縁部と同一方向の給電素子30の長さよりも短くされる。例えば、第1無給電素子50aのx軸方向の長さは、給電素子30のx軸方向の長さの1/2よりも短くされる。なお、このような給電素子30と無給電素子50との間の距離は、図6(c)と同様に、アンテナ100の共振周波数における波長λの約1/20の長さにされる。
以下では、説明を明瞭にするために、図6(a)−(d)のそれぞれを構造A、構造B、構造C、構造Dとよぶ。図6(e)は、周波数を変化させた場合のVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)を示す。VSWRは低いほど特性がよいといえる。また、アンテナ170、アンテナ100の共振周波数を含んだ帯域が所望帯域として示される。一方、図6(f)は、周波数を変化させた場合のアンテナ利得を示す。アンテナ利得は高いほど特性がよいといえる。これらにおいて、構造B特性212は、構造A特性210とほぼ同じになる。これは、図6(b)において給電素子130と無給電素子150との間の距離が広すぎるので、無給電素子150が特性の改善に寄与しないからである。
構造C特性214では、構造A特性210と構造B特性212と比較して、所望帯域よりも低い周波数においてアンテナ利得が向上するが、所望帯域においてアンテナ利得が向上しない。これは、給電素子130と無給電素子150との間の距離が狭いので、給電素子130の実効長が等価的に長くなったように見なせ、これにより実効的な共振周波数が低くなるからである。
構造D特性216では、構造A特性210から構造C特性214と比較して、所望帯域においてVSWRとアンテナ利得がともに改善する。これは、所望帯域において放射パターンを変化させずにアンテナ利得が向上するともいえる。ここでも、給電素子30と無給電素子50との間の距離が狭いので、給電素子30の実効長が等価的に長くなったように見なせる。しかしながら、給電素子30の長さが所望帯域よりも高い共振周波数となるように設定されているので、無給電素子50が配置された際に所望帯域で共振する。このように、給電素子30におけるx軸方向あるいはy軸方向の長さは、アンテナ100の共振周波数における波長λの1/2の長さよりも短くされる。また、各無給電素子50において、給電素子30に対向する側の外縁部の長さは、当該外縁部と同一方向の給電素子30の長さよりも短くされる。
図7(a)−(c)は、図1(a)の無給電素子の配置による効果を示す図である。図7(a)において、給電素子30と無給電素子50との間の距離をアンテナ100の共振周波数における波長λの約1/20の長さとしている。また、図7(b)において、給電素子30と無給電素子50との間の距離をアンテナ100の共振周波数における波長λの約1/5の長さとしている。ここでは、この距離について説明する。図7(c)は、無給電素子50の配置による効果を示しており、横軸が、波長λを単位とした距離を示し、縦軸が、無給電素子50が配置されていない場合に対するアンテナ利得改善量を示す。なお、各無給電素子50において、給電素子30に対向する側の外縁部の長さは、アンテナ100の共振周波数における波長λの1/4に設定されている。距離の増加とともにアンテナ利得改善量が小さくなる。そのため、複数の無給電素子50のそれぞれと給電素子30との間隔は、アンテナ100の共振周波数における波長の1/10の長さより短くされる。
次に、給電素子30とは非対向側の無給電素子50の外縁部の長さを説明する。これは、図6(d)における第1無給電素子50aのy軸方向の長さに相当する。図8は、無給電素子50のサイズによる効果を示しており、横軸が、波長λを単位とした長さを示し、縦軸が、無給電素子50が配置されていない場合に対するアンテナ利得改善量を示す。ここでは、給電素子30と無給電素子50との距離は、アンテナ100の共振周波数における波長λの1/50の長さとされ、給電素子30に対向する側の無給電素子50の外縁部の長さは、アンテナ100の共振周波数における波長λの1/4の長さとされる。このような状況下において、給電素子30とは非対向側の無給電素子50の外縁部の長さが長くなるにつれて、アンテナ利得改善量は大きくなる。また、長さが0.38λである場合に、アンテナ利得改善量は最大になる。さらに、長さが波長λの1/2に近づくと、アンテナ利得改善量は急激に減少する。
これは、給電素子30とは非対向側の無給電素子50の長さが波長λの1/4程度であれば、無給電素子50は所望帯域で共振せず、等価的に給電素子30の一部として給電素子30の近傍に電界が集中するが、当該長さが波長λの1/2程度になれば、無給電素子50は所望帯域で共振するアンテナとして動作するため無給電素子50にも電界が強く分布してしまい、電流分布に影響を及ぼし、放射パターンの乱れやアンテナのインピーダンスに影響が生じてしまうからである。これをまとめると、給電素子30とは非対向側の無給電素子50の長さは、x軸方向とy軸方向の少なくとも1つの給電素子30の長さよりも短くされるとともに、アンテナ100の共振周波数における波長の1/5以上の長さにされる。
次に、無給電素子50の配置を説明する。図9(a)−(f)は、無給電素子50の配置とサイズによる別の効果を示す。図9(a)は図6(a)に対応し、図9(b)は図6(c)に対応し、図9(c)は図6(d)に対応する。なお、図9(a)−(b)において、給電素子130のx軸方向あるいはy軸方向の長さは、図6(d)と同様に、アンテナ170の共振周波数における波長λの1/2の長さよりも短くされる。ここでは、説明を明瞭にするために、図9(a)−(c)のそれぞれも構造A、構造C、構造Dとよぶ。
図9(d)では、図9(c)と比較して第7無給電素子50g、第8無給電素子50hが追加される。具体的には、給電素子30におけるx軸の正方向側およびy軸の正方向側の角部C1に接するように第7無給電素子50gが配置される。また、給電素子30におけるx軸の正方向側およびy軸の負方向側の角部C2に接するように第8無給電素子50hが配置される。つまり、第2無給電素子50b、第7無給電素子50g、第3給電素子30cは、給電素子30の角部C1を囲むように配置され、第4無給電素子50d、第8無給電素子50h、第5無給電素子50eは、給電素子30の角部C2を囲むように配置される。このように図9(d)では、図9(c)よりも無給電素子50の数が多くなり、無給電素子50の素子面積の合計が大きくなる。ここでは、図9(d)を構造Eとよぶ。
図9(e)は、構造Aに対する構造C、構造D、構造Eのアンテナ利得改善量を示し、図9(f)は、構造Aに対する構造C、構造D、構造Eの効率改善量を示す。構造Dでは、構造Cと比較して、アンテナ利得改善量および効率改善量が大きくなっている。また、構造Eでは、構造Dと比較して、アンテナ利得改善量が同程度であるが、効率改善量が大きくなっている。そのため、無給電素子50の素子面積を拡大することにより、アンテナ利得および効率が改善する。
次に、無給電素子50のサイズを説明する。図10(a)−(e)は、無給電素子50のサイズによる別の効果を示す。図10(a)は、図9(e)に示された無給電素子50を、図1(a)の無給電素子50の形状に近づけた構造を示す。前述のごとく、給電素子30に対向する側の無給電素子50の外縁部の長さは、当該外縁部と同一方向の給電素子30の長さよりも短くされる。そのため、第1無給電素子50a、第5無給電素子50eのx軸方向の長さは、給電素子30のx軸方向の長さよりも短くされ、第3無給電素子50cのy軸方向の長さは、給電素子30のy軸方向の長さよりも短くされる。ここでは、図10(a)を構造Fとよぶ。
図10(b)は、図10(a)の比較対象なるアンテナ170の構造を示す。給電素子130に対向する側の無給電素子150の外縁部の長さは、当該外縁部と同一方向の給電素子130の長さに等しくされる。そのため、第1無給電素子150a、第5無給電素子150eのx軸方向の長さは、給電素子130のx軸方向の長さに等しくされ、第5無給電素子150cのy軸方向の長さは、給電素子130のy軸方向の長さに等しくされる。ここでは、図10(b)を構造Gとよぶ。
図10(c)は、構造Fに対して周波数を変化させた場合のVSWRを示す。無給電素子50はP1付近で共振する。このP1の周波数は所望帯域から離れているので、所望帯域におけるVSWRに影響を及ぼさない。一方、図10(d)は、構造Gに対して周波数を変化させた場合のVSWRを示す。無給電素子150による共振はP2付近、つまり給電素子130の共振周波数近傍で共振する。このため、無給電素子150の共振により、所望帯域におけるVSWRが悪化する。図10(e)は、構造F、構造Gに対する所望帯域におけるアンテナ利得改善量を示す。ここで、アンテナ利得改善量が0dBよりも小さい場合は特性が劣化していることを示す。前述と同様の理由によって、構造Fのアンテナ利得改善量は構造Gのアンテナ利得改善量よりも大きい。
これまで説明したアンテナ100のさまざまな変形例を説明する。図11(a)−(d)は、アンテナ100の別の構造を示す斜視図である。図11(a)は、1つ目の変形例に係るアンテナ100を表面12から見た場合の斜視図であり、図11(b)は、1つ目の変形例に係るアンテナ100を裏面14から見た場合の斜視図である。これらにはマイクロストリップライン138が使用されず、給電点40による給電が裏面14側からなされる。
図11(c)は、2つ目の変形例に係るアンテナ100を表面12から見た場合の斜視図であり、図11(d)は、3つ目の変形例に係るアンテナ100を表面12から見た場合の斜視図である。これらでは、給電素子30における対角線上で対向した角部に第1摂動部60a、第2摂動部60bが設けられる。第1摂動部60a、第2摂動部60bは、摂動部60と総称され、給電素子30の角部を切り欠いた形状を有する。摂動部60によって、アンテナ100から放射される電波が円偏波となる。なお、図11(c)ではマイクロストリップライン38が配置され、図11(d)ではマイクロストリップライン38が使用されず、給電点40による給電が裏面14側からなされる。
図12(a)−(b)は、アンテナ100の構造を示す斜視図であり、具体的には、図12(a)が4つ目の変形例に係るアンテナ100を示し、図12(b)が5つ目の変形例に係るアンテナ100を示す。これまでは、複数の無給電素子50が給電素子30の周囲の少なくとも一部に一重で配置される。一方、図12(a)−(b)では、複数の無給電素子50が給電素子30の周囲の少なくとも一部に二重で配置される。例えば、図12(a)において、給電素子30からy軸の正方向に向かって、第1無給電素子50aと第7無給電素子50gの2つの無給電素子50が並んで配置される。このような構造により、誘電体基板10の端部の近くまで無給電素子50が配置され、アンテナ利得が改善される。なお、図12(a)ではマイクロストリップライン38が配置され、図12(b)ではマイクロストリップライン38が使用されず、給電点40による給電が裏面14側からなされる。
(3)第2領域26が含まれた構造
これまでの説明では、図1(a)のアンテナ100から第2領域26を省略していた。以下では、第2領域26を含めたアンテナ100の構造を説明する。図13は、給電点40とスリット22の配置による効果を示す。ここでは、4つの構造を説明する。構造Hから構造Jは、アンテナ100の比較対象となるアンテナ170の構造を示す。構造Hは、図6(a)、図9(a)と同様の構造を有したアンテナ170である。マイクロストリップライン138は、給電素子130からy軸の負方向に延び、給電素子130側とは反対の端部において給電点140を接続する。また、誘電体基板110において給電素子130とは反対側にグランド素子120が配置される。ここで、グランド素子120、マイクロストリップライン138、給電点140は、グランド素子20、マイクロストリップライン38、給電点40に対応する。構造Hの電流分布によって、前述のごとく、天頂方向へのアンテナ指向性が形成される。
これまでの説明では、図1(a)のアンテナ100から第2領域26を省略していた。以下では、第2領域26を含めたアンテナ100の構造を説明する。図13は、給電点40とスリット22の配置による効果を示す。ここでは、4つの構造を説明する。構造Hから構造Jは、アンテナ100の比較対象となるアンテナ170の構造を示す。構造Hは、図6(a)、図9(a)と同様の構造を有したアンテナ170である。マイクロストリップライン138は、給電素子130からy軸の負方向に延び、給電素子130側とは反対の端部において給電点140を接続する。また、誘電体基板110において給電素子130とは反対側にグランド素子120が配置される。ここで、グランド素子120、マイクロストリップライン138、給電点140は、グランド素子20、マイクロストリップライン38、給電点40に対応する。構造Hの電流分布によって、前述のごとく、天頂方向へのアンテナ指向性が形成される。
構造Iにおける誘電体基板110は、図1(a)の誘電体基板10と同様に、y軸方向よりもx軸方向に長い形状を有する。また、グランド素子120も、誘電体基板110の形状に合わせてx軸方向に長い形状を有する。構造Iの電流分布では、給電点140の近傍のグランド電流(A3)が、x軸方向に延びた誘電体基板110の外縁部に沿ってx軸の負方向に流れる(A1、A2)。グランド電流によるA1、A2、A3からの電波の放射では、前述の通り、アンテナ素子の放射端からグランド素子の回折端までの距離が不均一となるため、位相の打ち消し合う成分が生じる。その結果、天頂方向へのアンテナ指向性が崩れ、天頂方向のアンテナ利得が低減する。
構造Jにおける誘電体基板110は、構造Iにおける誘電体基板110と同じ形状を有する。一方、グランド素子120の代わりに、第1グランド素子120aと第2グランド素子120bとが配置され、これらはスリット122によりグランド電位が分離される。また、第1グランド素子120a側が第1領域124とされ、第2グランド素子120b側が第2領域126とされる。ここで、第1グランド素子120a、第2グランド素子120b、スリット122、第1領域124、第2領域126は、第1グランド素子20a、第2グランド素子20b、スリット22、第1領域24、第2領域26に対応する。構造Jの電流分布では、スリット122による第1グランド素子120aと第2グランド素子120bへの分離によって、x軸方向に延びた誘電体基板110の外縁部に沿ってx軸の負方向に流れるグランド電流(A1、A2)が、構造Iの場合よりも小さくなる。その結果、打ち消し合う成分が小さくなり、天頂方向へのアンテナ指向性の崩れが抑制される。
構造Kは、図1(a)のアンテナ100から無給電素子50を省略した構造に相当する。マイクロストリップライン38は、給電素子30からx軸の負方向に延び、給電素子30側とは反対の端部において給電点40を接続する。構造Kの電流分布では、スリット22の付近に給電点40を配置したことによって、スリット22の付近のグランド電流(A4)が増加する。しかしながら、x軸方向に延びた誘電体基板10の外縁部に沿ってx軸の負方向に流れるグランド電流(A1、A2)が構造Jの場合よりも小さくなる。その結果、打ち消し合う成分がさらに小さくなるとともに、天頂方向へのアンテナ指向性の崩れがさらに抑制されることによって、天頂方向のアンテナ利得が構造Hの場合に近くなる。
本実施例によれば、回路部が給電素子に囲まれるので、回路部を配置する場合であっても、入力特性および放射特性の乱れを抑制できる。また、入力特性および放射特性の乱れが抑制されるので、アンテナ特性(アンテナ利得、アンテナ効率)を向上できる。また、スルーホール部が配置されるので、グランド素子とランド部とを電気的に接続できる。また、穴部の径を、本アンテナの共振周波数における波長の1/8以下の長さにするので、本アンテナの電磁界への影響を低減できる。また、本アンテナの電磁界への影響が低減されるので、穴部による影響を低減できる。また、穴部の径を、本アンテナの共振周波数における波長の1/8以下の長さにするので、入力特性および放射特性を高く維持できる。また、入力特性および放射特性が高く維持されるので、穴部による影響を低減できる。
また、回路部のインピーダンスを高くするので、給電素子とグランド素子とを高周波的に切り離すことができる。また、給電素子とグランド素子とを高周波的に切り離すので、入力特性および放射特性の乱れを抑制できる。また、給電素子の中心から、本アンテナの共振周波数における波長の1/20までの長さの範囲内に穴部を形成するので、本アンテナの共振周波数の変化を低減できる。また、本アンテナの共振周波数の変化が低減されるので、入力特性および放射特性の乱れを抑制できる。また、スタブパターンとして回路部を形成するので、アンテナ特性を維持しつつ、回路部品数を減少できる。また、回路部品数が減少するので、コストを低減できる。
また、給電素子の長さを本アンテナの共振周波数における波長の1/2の長さより短く、かつ無給電素子の長さを給電素子の長さよりも短くするので、共振周波数における給電素子と無給電素子との共振を抑制できる。また、共振周波数における給電素子と無給電素子との共振が抑制されるので、アンテナ特性を向上できる。また、無給電素子と給電素子との間隔を、本アンテナの共振周波数における波長の1/10の長さより短くするので、無給電素子を反射板として使用できる。また、無給電素子が反射板として使用されるので、アンテナ特性を向上できる。また、給電素子とは非対向側の無給電素子の外縁部の長さは給電素子の長さよりも短いので、共振周波数における給電素子と無給電素子との共振を抑制できる。また、給電素子とは非対向側の無給電素子の外縁部の長さは、本アンテナの共振周波数における波長の1/5以上の長さであるので、アンテナ特性を向上できる。また、給電素子の角部を囲むように無給電素子を配置するので、素子面積を増加できる。また、摂動部を追加するので、円偏波に対応できる。
また、グランド素子にスリットを形成し、かつスリット側に給電素子を配置するので、グランド電流を低減できる。また、グランド電流が低減されるので、位相の打ち消し合う成分の放射が低減される。また、打ち消し合う成分の放射が低減されるので、アンテナ特性を向上できる。また、スリットの幅をある程度広くするので、第2グランド素子に流れるグランド電流を低減できる。また、第2グランド素子に流れるグランド電流が低減されるので、天頂方向のアンテナ特性を向上できる。また、第1グランド素子と第2グランド素子とにグランド電位を分離するので、打ち消し合う成分を放射するようなグランド電流が低減されて、アンテナ特性を向上できる。また、第2グランド素子に重複する領域に電気回路部を実装するので、アンテナの使用用途を拡大できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。
(項目1−1)
誘電体基板と、
前記誘電体基板の第1面側に配置されるグランド素子と、
前記誘電体基板の第2面側に配置される給電素子と、
前記給電素子の内側に配置される穴部と、
前記穴部の内側に配置されるランド部と、
前記給電素子と前記ランド部との間に配置される回路部と、
を備えることを特徴とするアンテナ。
(項目1−1)
誘電体基板と、
前記誘電体基板の第1面側に配置されるグランド素子と、
前記誘電体基板の第2面側に配置される給電素子と、
前記給電素子の内側に配置される穴部と、
前記穴部の内側に配置されるランド部と、
前記給電素子と前記ランド部との間に配置される回路部と、
を備えることを特徴とするアンテナ。
この態様によると、入力インピーダンスに影響を与えない位置に回路部を配置するため、アンテナ特性を向上できる。
(項目1−2)
前記誘電体基板を貫通し、前記グランド素子と前記ランド部とを接続するスルーホール部をさらに備えることを特徴とする項目1−1に記載のアンテナ。この場合、スルーホール部が配置されるので、グランド素子とランド部とを電気的に接続できる。
(項目1−3)
前記穴部の径は、本アンテナの共振周波数における波長の1/8以下の長さであることを特徴とする項目1−1または項目1−2に記載のアンテナ。この場合、穴部の径を、本アンテナの共振周波数における波長の1/8以下の長さにするので、穴部による影響を低減できる。
(項目1−4)
前記穴部は、前記給電素子の中心から、本アンテナの共振周波数における波長の1/20までの長さの範囲内に形成されることを特徴とする項目1−1から項目1−3のいずれかに記載のアンテナ。この場合、給電素子の中心から、本アンテナの共振周波数における波長の1/20までの長さの範囲内に穴部を形成するので、穴部による影響を低減できる。
(項目1−5)
前記回路部は、スタブパターンとして形成されることを特徴とする項目1−1から項目1−4のいずれかに記載のアンテナ。この場合、スタブパターンとして回路部を形成するので、回路部品数を減少できる。
前記誘電体基板を貫通し、前記グランド素子と前記ランド部とを接続するスルーホール部をさらに備えることを特徴とする項目1−1に記載のアンテナ。この場合、スルーホール部が配置されるので、グランド素子とランド部とを電気的に接続できる。
(項目1−3)
前記穴部の径は、本アンテナの共振周波数における波長の1/8以下の長さであることを特徴とする項目1−1または項目1−2に記載のアンテナ。この場合、穴部の径を、本アンテナの共振周波数における波長の1/8以下の長さにするので、穴部による影響を低減できる。
(項目1−4)
前記穴部は、前記給電素子の中心から、本アンテナの共振周波数における波長の1/20までの長さの範囲内に形成されることを特徴とする項目1−1から項目1−3のいずれかに記載のアンテナ。この場合、給電素子の中心から、本アンテナの共振周波数における波長の1/20までの長さの範囲内に穴部を形成するので、穴部による影響を低減できる。
(項目1−5)
前記回路部は、スタブパターンとして形成されることを特徴とする項目1−1から項目1−4のいずれかに記載のアンテナ。この場合、スタブパターンとして回路部を形成するので、回路部品数を減少できる。
(項目2−1)
アンテナであって、
誘電体基板と、
前記誘電体基板の一面側に配置される給電素子と、
前記給電素子の周囲に配置される複数の無給電素子とを備え、
前記給電素子において交差する2つの外縁部のうちの少なくとも1つの方向における前記給電素子の長さは、本アンテナの共振周波数における波長の1/2の長さより短く、
前記複数の無給電素子のそれぞれにおいて、前記給電素子に対向する側の外縁部の長さは、前記給電素子の長さよりも短いことを特徴とするアンテナ。
アンテナであって、
誘電体基板と、
前記誘電体基板の一面側に配置される給電素子と、
前記給電素子の周囲に配置される複数の無給電素子とを備え、
前記給電素子において交差する2つの外縁部のうちの少なくとも1つの方向における前記給電素子の長さは、本アンテナの共振周波数における波長の1/2の長さより短く、
前記複数の無給電素子のそれぞれにおいて、前記給電素子に対向する側の外縁部の長さは、前記給電素子の長さよりも短いことを特徴とするアンテナ。
この態様によると、給電素子の長さを本アンテナの共振周波数における波長の1/2の長さより短く、かつ無給電素子の長さを給電素子の長さよりも短くするので、アンテナ特性を向上できる。
(項目2−2)
前記複数の無給電素子のそれぞれと前記給電素子との間隔は、本アンテナの共振周波数における波長の1/10の長さより短いことを特徴とする項目2−1に記載のアンテナ。この場合、無給電素子と給電素子との間隔を、本アンテナの共振周波数における波長の1/10の長さより短くするので、無給電素子を反射板として使用できる。
(項目2−3)
前記複数の無給電素子のそれぞれにおいて、前記給電素子とは非対向側の外縁部の長さは、前記給電素子の長さよりも短いことを特徴とする項目2−1または項目2−2に記載のアンテナ。この場合、給電素子とは非対向側の無給電素子の外縁部の長さは給電素子の長さよりも短いので、アンテナ特性を向上できる。
(項目2−4)
前記複数の無給電素子のそれぞれにおいて、前記給電素子とは非対向側の外縁部の長さは、本アンテナの共振周波数における波長の1/5以上の長さであることを特徴とする項目2−3に記載のアンテナ。この場合、給電素子とは非対向側の無給電素子の外縁部の長さは、本アンテナの共振周波数における波長の1/5以上の長さであるので、アンテナ特性を向上できる。
(項目2−5)
前記無給電素子は、前記給電素子の角部を囲むように配置されることを特徴とする項目2−1から項目2−4のいずれかに記載のアンテナ。この場合、給電素子の角部を囲むように無給電素子を配置するので、素子面積を増加できる。
前記複数の無給電素子のそれぞれと前記給電素子との間隔は、本アンテナの共振周波数における波長の1/10の長さより短いことを特徴とする項目2−1に記載のアンテナ。この場合、無給電素子と給電素子との間隔を、本アンテナの共振周波数における波長の1/10の長さより短くするので、無給電素子を反射板として使用できる。
(項目2−3)
前記複数の無給電素子のそれぞれにおいて、前記給電素子とは非対向側の外縁部の長さは、前記給電素子の長さよりも短いことを特徴とする項目2−1または項目2−2に記載のアンテナ。この場合、給電素子とは非対向側の無給電素子の外縁部の長さは給電素子の長さよりも短いので、アンテナ特性を向上できる。
(項目2−4)
前記複数の無給電素子のそれぞれにおいて、前記給電素子とは非対向側の外縁部の長さは、本アンテナの共振周波数における波長の1/5以上の長さであることを特徴とする項目2−3に記載のアンテナ。この場合、給電素子とは非対向側の無給電素子の外縁部の長さは、本アンテナの共振周波数における波長の1/5以上の長さであるので、アンテナ特性を向上できる。
(項目2−5)
前記無給電素子は、前記給電素子の角部を囲むように配置されることを特徴とする項目2−1から項目2−4のいずれかに記載のアンテナ。この場合、給電素子の角部を囲むように無給電素子を配置するので、素子面積を増加できる。
(項目3−1)
誘電体基板と、
前記誘電体基板の第1面側に配置されるグランド素子と、
前記グランド素子に形成されるスリットと、
前記誘電体基板の第2面側に配置される給電素子と、
前記給電素子に接続される給電点とを備え、
前記給電点は、前記給電素子に対して前記スリット側に配置されることを特徴とするアンテナ。
誘電体基板と、
前記誘電体基板の第1面側に配置されるグランド素子と、
前記グランド素子に形成されるスリットと、
前記誘電体基板の第2面側に配置される給電素子と、
前記給電素子に接続される給電点とを備え、
前記給電点は、前記給電素子に対して前記スリット側に配置されることを特徴とするアンテナ。
この態様によると、グランド素子にスリットを形成し、かつスリット側に給電素子を配置するので、位相の打ち消し合う成分を放射するようなグランド電流が低減されて、アンテナ特性を向上できる。
(項目3−2)
前記グランド素子は、
第1グランド素子と、
前記スリットを境界として、前記第1グランド素子からグランド電位が分離された第2グランド素子とを備え、
前記第1グランド素子は、前記第1面あるいは前記第2面と平行な投影面上において、前記給電素子に重複して配置されることを特徴とする項目3−1に記載のアンテナ。この場合、第1グランド素子と第2グランド素子とにグランド電位を分離するので、打ち消し合う成分を放射するようなグランド電流が低減されて、アンテナ特性を向上できる。
(項目3−3)
前記誘電体基板の第2面側に形成される電気回路部をさらに備え、
前記電気回路部は、前記第1面あるいは前記第2面と平行な投影面上において、前記第2グランド素子に重複して配置されることを特徴とする項目3−2に記載のアンテナ。この場合、第2グランド素子に重複する領域に電気回路部を実装するので、アンテナの使用用途を拡大できる。
前記グランド素子は、
第1グランド素子と、
前記スリットを境界として、前記第1グランド素子からグランド電位が分離された第2グランド素子とを備え、
前記第1グランド素子は、前記第1面あるいは前記第2面と平行な投影面上において、前記給電素子に重複して配置されることを特徴とする項目3−1に記載のアンテナ。この場合、第1グランド素子と第2グランド素子とにグランド電位を分離するので、打ち消し合う成分を放射するようなグランド電流が低減されて、アンテナ特性を向上できる。
(項目3−3)
前記誘電体基板の第2面側に形成される電気回路部をさらに備え、
前記電気回路部は、前記第1面あるいは前記第2面と平行な投影面上において、前記第2グランド素子に重複して配置されることを特徴とする項目3−2に記載のアンテナ。この場合、第2グランド素子に重複する領域に電気回路部を実装するので、アンテナの使用用途を拡大できる。
本発明の実施例において、給電素子30には、穴部32、ランド部34が形成され、回路部36が接続される。しかしながらこれに限らず例えば、穴部32、ランド部34、回路部36が含まれなくてもよい。本変形例によれば、アンテナ100の構造を簡易にできる。
本発明の実施例において、給電素子30の周囲には複数の無給電素子50が配置される。しかしながらこれに限らず例えば、複数の無給電素子50が配置されなくてもよい。本変形例によれば、アンテナ100の構造を簡易にできる。
本発明の実施例において、誘電体基板10には、第2グランド素子20b、第2領域26、電気回路部42が配置される。しかしながらこれに限らず例えば、第2グランド素子20b、第2領域26、電気回路部42が配置されなくてもよい。その際、誘電体基板10は略正方形の形状を有する。本変形例によれば、アンテナ100の構造を簡易にできる。
本実施例において、スリット22は、誘電体基板10をy軸方向に貫通するように形成される。しかしながらこれに限らず例えば、スリット22が誘電体基板10をy軸方向に貫通しなくてもよい。その際、第1グランド素子20aと第2グランド素子20bの一部は接続される。本変形例によれば、構造の自由度を向上できる。
本発明の実施例において、アンテナ100はETC車載器に使用され、かつアンテナ100の共振周波数は5.8GHz帯であるとされている。しかしながらこれに限らず例えば、アンテナ100の使用用途および共振周波数はこれら以外であってもよい。本変形例によれば、アンテナ100の適用範囲を拡大できる。
10 誘電体基板、 12 表面、 14 裏面、 20 グランド素子、 22 スリット、 24 第1領域、 26 第2領域、 30 給電素子、 32 穴部、 34 ランド部、 36 回路部、 38 マイクロストリップライン、 40 給電点、 42 電気回路部、 44 同軸ケーブル、 46 スルーホール部、 50 無給電素子、 60 摂動部、 100 アンテナ。
Claims (5)
- 誘電体基板と、
前記誘電体基板の第1面側に配置されるグランド素子と、
前記誘電体基板の第2面側に配置される給電素子と、
前記給電素子の内側に配置される穴部と、
前記穴部の内側に配置されるランド部と、
前記給電素子と前記ランド部との間に配置される回路部と、
を備えることを特徴とするアンテナ。 - 前記誘電体基板を貫通し、前記グランド素子と前記ランド部とを接続するスルーホール部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
- 前記穴部の径は、本アンテナの共振周波数における波長の1/8以下の長さであることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
- 前記穴部は、前記給電素子の中心から、本アンテナの共振周波数における波長の1/20までの長さの範囲内に形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアンテナ。
- 前記回路部は、スタブパターンとして形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のアンテナ。
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Legal Events
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