JP2018115754A - アクチュエータ、アクチュエータ装置、およびアクチュエータの駆動方法 - Google Patents

アクチュエータ、アクチュエータ装置、およびアクチュエータの駆動方法 Download PDF

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ファビオ・ダーラリベラ
Dalla Libera Fabio
浅井 勝彦
Katsuhiko Asai
勝彦 浅井
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Abstract

【課題】湾曲動作可能であり、螺旋の中心としてのアクチュエータ長軸方向以外の方向への曲げに対する自由な動きを許容できるアクチュエータ、アクチュエータ装置、およびアクチュエータの駆動方法を提供する。
【解決手段】非円筒形状の断面を有する中空の筒体1を備え、筒体は、筒体の長軸に沿って位置する空間を内部に有し、筒体は、アクチュエータ長軸を中心に螺旋に巻回されたコイル形状を有し、筒体の外周面及び内周面の少なくとも一方には溝1gが形成され、溝は、筒体の長軸に沿って捩られたように延びており、筒体は、第1部分14と第2部分15とを有し、第1部分と第2部分とは捩りの方向が反対であり、第1部分と第2部分とは繰り返し位置している。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧力変化を湾曲動作に変換するアクチュエータ、アクチュエータ装置、およびアクチュエータの駆動方法に関するものである。
家庭用ロボットなど人間に近い場所において動作する機械に対する要求の高まりに伴い、人間の筋肉のように軽量かつ柔軟な特徴を備える人工筋肉アクチュエータへの期待も大きくなっている。人工筋肉アクチュエータと呼ばれるアクチュエータには様々な種類があるが、多くのアクチュエータは、軽量かつ柔軟という特徴に適合しやすいゴム状弾性材料の変形を用いたアクチュエータである。
ゴム状弾性材料の変形を用いたアクチュエータの一つとして、流体の圧力により伸縮するマッキベン型のアクチュエータが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
そのような非特許文献1の従来のマッキベン型のアクチュエータは、網組構造で補強されたゴムチューブでアクチュエータを覆うことにより構成されている。圧縮流体がアクチュエータに供給されると、アクチュエータは縮むように動作する(特許文献1参照)。
湾曲動作可能なアクチュエータとしては、繊維状のベロー内にゴムチューブを挿入することによって得られ、ベローの一側部に補強繊維テープを貼り付けて両側部の中の一側部への膨張を規制するものが知られている(非特許文献1参照)。
米国特許 2,844,126号
Noritsugu, Toshiro. "Pneumatic soft actuator for human assist technology." 2005年11月7〜10日に開催された第6回JFPSフルードパワー国際シンポジウムの配布論文
しかしながら、マッキベン型のアクチュエータは、内部の流体圧力を増減させることで軸方向に伸縮するが、ゴムチューブの内部が加圧されると、全方向への自由な動きが阻害されてしまうという問題がある。
また、非特許文献1の膨張規制型のゴムチューブにより湾曲動作可能な前記したアクチュエータでは、内圧が増加するとき、アクチュエータが硬くなってしまい、湾曲方向以外の方向への曲げに対応することができない。
そこで、本発明は、湾曲動作可能であり、螺旋の中心としてのアクチュエータ長軸方向以外の方向への曲げに対する自由な動きを許容できるアクチュエータ、アクチュエータ装置、およびアクチュエータの駆動方法を提供する。
本発明の一態様に係るアクチュエータは、
中空の筒体を備え、
前記筒体は、前記筒体の長軸に沿って位置する空間を内部に有し、
前記筒体は、アクチュエータ長軸を中心に螺旋に巻回されたコイル形状を有し、
前記筒体の外周面及び内周面の少なくとも一方には溝が形成され、
前記溝は、前記筒体の前記長軸に沿って捩られたように延びており、
前記筒体は、第1部分と第2部分とを有し、前記第1部分と前記第2部分とは捩りの方向が反対であり、前記第1部分と前記第2部分とは繰り返し位置している。
なお、これらの包括的かつ特定の態様は、システム、方法、並びに、システム及び方法の任意の組み合わせにより実現してもよい。
本発明の前記態様にかかるアクチュエータ、アクチュエータ装置、およびアクチュエータの駆動方法は、筒体に対する媒体の加減による圧力変化により、捩じり方向の向きが互いに異なる部分のうちの一方の部分の捩じれがきつくなって剛性が高くなり、剛性が高くなった部分が互いに接近する。一方、残りの他方の部分の捩じれが緩んで剛性が低くなる。このような動作により、アクチュエータ長軸に対してアクチュエータが湾曲動作可能となり、螺旋の中心としてのアクチュエータ長軸方向以外の方向への曲げに対する自由な動きを許容できる。
本発明の一実施形態のアクチュエータ装置の概略図 アクチュエータ装置のアクチュエータの詳細図 アクチュエータ装置のアクチュエータの上方から見た斜視図 図3とは異なる角度の上方から見た斜視図 アクチュエータの上面図 アクチュエータ装置の動作のフローチャート アクチュエータの湾曲動作の説明図 アクチュエータの湾曲動作の説明図 アクチュエータの湾曲動作の説明図 アクチュエータの湾曲動作の説明図 アクチュエータの湾曲動作の説明図 アクチュエータの湾曲動作の説明図 アクチュエータの湾曲動作の説明図 アクチュエータの湾曲動作の発生原因を説明するための説明図 アクチュエータの湾曲動作の発生原因を説明するための説明図 螺旋の長軸沿いの外力に対する動作の原理の説明図 螺旋の長軸沿いの外力に対する動作の原理の説明図 本発明の別の実施形態のアクチュエータの異なる変形状態を説明するための動作図 本発明の別の実施形態のアクチュエータの異なる変形状態を説明するための動作図 本発明の別の実施形態のアクチュエータの異なる変形状態を説明するための動作図 本発明のさらに別の実施形態のアクチュエータの非円筒形状の筒体の螺旋形状を示す説明図 本発明のさらに別の実施形態のアクチュエータの非円筒形状の例を示す説明図 本発明のさらに別の実施形態のアクチュエータの非円筒形状の例を示す説明図 本発明のさらに別の実施形態のアクチュエータの非円筒形状の例を示す説明図 本発明のさらに別の実施形態のアクチュエータの非円筒形状の例を示す説明図 本発明のさらに別の実施形態のアクチュエータの非円筒形状の例を示す説明図 本発明のさらに別の実施形態のアクチュエータの非円筒形状の例を示す説明図
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1の態様によれば、
中空の筒体を備え、
前記筒体は、前記筒体の長軸に沿って位置する空間を内部に有し、
前記筒体は、アクチュエータ長軸を中心に螺旋に巻回されたコイル形状を有し、
前記筒体の外周面及び内周面の少なくとも一方には溝が形成され、
前記溝は、前記筒体の前記長軸に沿って捩られたように延びており、
前記筒体は、第1部分と第2部分とを有し、前記第1部分と前記第2部分とは捩りの方向が反対であり、前記第1部分と前記第2部分とは繰り返し位置している。
この構成によれば、筒体に対する媒体の加減による圧力変化により、捩じり方向の向きが互いに異なる部分のうちの一方の部分の捩じれがきつくなって剛性が高くなり、剛性が高くなった部分が互いに接近する。一方、残りの他方の部分の捩じれが緩んで剛性が低くなる。このような動作により、アクチュエータ長軸に対してアクチュエータが湾曲動作可能となり、螺旋の中心としてのアクチュエータ長軸方向以外の方向への曲げに対する自由な動きを許容できる。
本発明の第2の態様によれば、
前記筒体に対する媒体を加減して圧力変化を、前記筒体の前記アクチュエータ長軸に対する湾曲動作に変換する、第1の態様に記載のアクチュエータを提供する。
本発明の第3の態様によれば、
前記溝は、前記アクチュエータ長軸周りの180度毎に境界部を介して捩じり方向の向きを逆転させるように捩じられており、前記境界部の位置は、前記アクチュエータ長軸沿いに一直線状に配置されている、第1又は2の態様に記載のアクチュエータを提供する。
この構成によれば、アクチュエータ長軸に沿ったアクチュエータの変形では、アクチュエータの内部空間の体積の変動が限定される一方、境界部間での角度を変更するアクチュエータの変形では、アクチュエータの内部体積を大きく変動させることができる。このため、アクチュエータ内の圧力が変わると、アクチュエータは湾曲動作(境界部間での角度の変化など)として反応し、アクチュエータのアクチュエータ長軸に沿った動きはない。
本発明の第4の態様によれば、
前記筒体は、基端と先端とでは厚さが異なる、第1〜3のいずれか1つの態様に記載のアクチュエータを提供する。
この構成によれば、筒体の基端と先端とで厚さを異ならせることにより、先端での変形量を調整することができる。さらに、筒体の基端を先端よりも厚くして頑丈にすれば、アクチュエータの動作時に振動が少なくなる一方、先端が基端より薄いので、例えばアクチュエータが把持に使用されるときなど先端が外部の物体に接触するとき、安全でかつより穏やかな動作を保証できる。
本発明の第5の態様によれば、
前記筒体の前記非円筒形状は、断面形状に溝部を有し、前記溝部の深さが基端と先端とでは異なる、第1〜3のいずれか1つの態様に記載のアクチュエータを提供する。
この構成によれば、筒体の基端と先端とで溝の深さを異ならせることにより、先端での変形量を調整することができる。また、溝は、アクチュエータのいずれの側が、より強く変形するかについての容易な視覚的な手がかりとなり、アクチュエータを頻繁に取り換える必要があるとき、メインテナンス動作を単純化することができる。
本発明の第6の態様によれば、
前記筒体のコイル形状の外形は円錐形状である、第1〜5のいずれか1つの態様に記載のアクチュエータを提供する。
この構成によれば、大きくて頑丈な基端部と組み合わせると、先端の質量を小さくすることができる効果がある。
本発明の第7の態様によれば、
アクチュエータと圧力源とを備えるアクチュエータ装置であって、
前記アクチュエータは、中空の筒体を備え、
前記筒体は、前記筒体の長軸に沿って位置する空間を内部に有し、
前記筒体は、アクチュエータ長軸を中心に螺旋に巻回されたコイル形状を有し、
前記筒体の外周面及び内周面の少なくとも一方には溝が形成され、
前記溝は、前記筒体の前記長軸に沿って捩られたように延びており、
前記筒体は、第1部分と第2部分とを有し、前記第1部分と前記第2部分とは捩りの方向が反対であり、前記第1部分と前記第2部分とは繰り返し位置し、
前記圧力源は、
(a1)前記筒体の内部の圧力を増加させることにより、前記アクチュエータを前記アクチュエータ長軸沿いの真っ直ぐな状態から前記アクチュエータ長軸に対して湾曲した状態に湾曲動作させ、
(a2)前記筒体の前記内部の前記圧力を減少させることにより、前記アクチュエータを前記湾曲した状態から前記真っ直ぐな状態に戻す、
アクチュエータ装置を提供する。
この構成によれば、第1の態様と同様な効果を奏することができる。
本発明の第8の態様によれば、
前記圧力源は、
前記(a1)において、前記筒体の前記内部に媒体を注入することにより、前記アクチュエータの圧力を増加させ、
前記(a2)において、前記筒体の前記内部から前記媒体を排出することにより、前記アクチュエータの圧力を減少させる、
第7の態様に記載のアクチュエータ装置を提供する。
この構成によれば、圧力変化を、アクチュエータの変形に変換することができる。
本発明の第9の態様によれば、
アクチュエータの駆動方法であって、
(b1)アクチュエータを準備し、
前記アクチュエータは、中空の筒体を備え、
前記筒体は、前記筒体の長軸に沿って位置する空間を内部に有し、
前記筒体は、アクチュエータ長軸を中心に螺旋に巻回されたコイル形状を有し、
前記筒体の外周面及び内周面の少なくとも一方には溝が形成され、
前記溝は、前記筒体の前記長軸に沿って捩られたように延びており、
前記筒体は、第1部分と第2部分とを有し、前記第1部分と前記第2部分とは捩りの方向が反対であり、前記第1部分と前記第2部分とは繰り返し位置し、
(b2)前記筒体の内部の媒体の圧力を増加させて、前記アクチュエータを前記アクチュエータ長軸沿いの真っ直ぐな状態から前記アクチュエータ長軸に対して湾曲した状態に湾曲動作させる、
を含む、アクチュエータの駆動方法を提供する。
この構成によれば、第1の態様と同様な効果を奏することができる。
本発明の第10の態様によれば、
さらに、(b3)前記筒体の内部の媒体の圧力を減少させて、前記アクチュエータを前記湾曲した状態から前記真っ直ぐな状態に戻す、
を含む、第9の態様に記載のアクチュエータの駆動方法を提供する。
この構成によれば、アクチュエータの内部の流体を加圧するときのみ外部の圧力源が必要となる。反対方向の流体の移動は、アクチュエータが元の変形していない形状にアクチュエータが戻ることによって達成される。
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した、マッキベン型のアクチュエータに関し、以下の問題が生じることを見出した。
マッキベン型のアクチュエータは、ゴムチューブで構成されているため、元々、曲げ方向に対する柔軟性を備えているが、この柔軟性はゴムチューブの内圧が高まるほど減少し、曲げに対する剛性が高まっていく。曲げ剛性が高くなるのは、アクチュエータを曲げることで、ゴムチューブの内部空間に容積変化を引き起こすためであると考えられる。アクチュエータを曲げるには、内部空間の流体を圧縮すると共に、その圧縮力に応じた変形をゴムチューブに発生させなければならず、曲げに必要な力は、内部空間の圧力が高いほど増加する。
このような特性は、曲げ剛性を利用した物体の把持動作などでは有用だが、例えば、アクチュエータを衣服状のアシストウェアに備え付けた場合に問題となる。すなわち、アクチュエータを腕又は脚などの人体形状に沿って曲げて取り付けた場合において、アクチュエータを伸縮させようとして流体を加圧すると、軸方向の力だけでなく、人体形状に沿った曲げを解消する力も発生する。そのため、このアクチュエータを備え付けることで、軸方向への力をアシストすることはできるが、曲げ方向への自由な動きが阻害されるという問題がある。
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係るアクチュエータは、
中空の筒体を備え、
前記筒体は、前記筒体の長軸に沿って位置する空間を内部に有し、
前記筒体は、アクチュエータ長軸を中心に螺旋に巻回されたコイル形状を有し、
前記筒体の外周面及び内周面の少なくとも一方には溝が形成され、
前記溝は、前記筒体の前記長軸に沿って捩られたように延びており、
前記筒体は、第1部分と第2部分とを有し、前記第1部分と前記第2部分とは捩りの方向が反対であり、前記第1部分と前記第2部分とは繰り返し位置している。
この構成によれば、筒体に対する媒体の加減による圧力変化により、捩じり方向の向きが互いに異なる部分のうちの一方の部分の捩じれがきつくなって剛性が高くなり、剛性が高くなった部分が互いに接近する。一方、残りの他方の部分の捩じれが緩んで剛性が低くなる。このような動作により、アクチュエータ長軸に対してアクチュエータが湾曲動作可能となり、螺旋の中心としてのアクチュエータ長軸方向以外の方向への曲げに対する自由な動きを許容できる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
まず、図1〜図4を参照しながらアクチュエータ装置72の全体構成を説明する。図1に示すアクチュエータ装置72は、アクチュエータ71と、圧力源7とを備える。アクチュエータ装置72は、圧力源7の圧力の加減の変化をアクチュエータ71のアクチュエータ長軸A1に対する湾曲動作に変換する。
アクチュエータ71は、圧力変化を湾曲動作に変換するために使用する弾性を有する中空の管状構造体である筒体1で構成されている。筒体1は、筒体1の長軸A2に沿って形成されている空間6をその内部に有する。筒体1は、図3に示すように、アクチュエータ71のアクチュエータ長軸A1を中心に螺旋形状に巻回されてコイル形状を有している。言い換えると、筒体1はコイルの形状を有するように折り畳まれている。コイルの形状の一例は、円筒である。
筒体1の外周面1a及び内周面1bの少なくとも一方には溝1gが形成されている。溝1gは、筒体1の長軸A2に沿って捩られたように延び、かつ、アクチュエータ長軸A1周りの180度毎に捩じり方向の向きを逆転させるように捩じられている。言い換えれば、筒体1は、第1部分と第2部分とを有している。第1部分と第2部分とは捩りの方向が反対であり、第1部分と第2部分とは繰り返し位置するように構成している。このように、180度毎に捩じり方向の向きを逆転させる場合には、例えば、各第1部分を湾曲動作時の内側部分とし、各第2部分を湾曲動作時の外側部分とすることができて、安定した湾曲動作を繰り返し発揮することができ、優れた湾曲特性を発揮することができる。これに対して、180度とは異なる角度毎に捩じり方向の向きを逆転させている場合には、湾曲動作時に、アクチュエータ長軸方向沿いに伸び縮みが発生してしまうとともに、アクチュエータ長軸に外力を与えると、前記180度の場合ほど、柔軟性を持てないものとなる。
筒体1の内部には、媒体が充填される。媒体の例は、液体及び気体を含む流体である。液体の一例は水であり、気体の一例は空気である。筒体1の一端は、例えば、シールキャップ13により閉塞されているか、又は、固定具に接続されて閉塞されている。一方、筒体1の他端は、流体供給用接続部として、接続金具12で、筒体1を配管8に接続している。この配管8は、圧力源7に接続されている。
圧力源7は、流体の例である水などの圧縮流体(図2参照)を筒体1に供給するポンプなどで構成し、流体供給の加減により圧力を制御して、アクチュエータ71をアクチュエータ長軸A1沿いに伸縮させることなく、アクチュエータ長軸A1に対する湾曲度合を制御することができる。
このアクチュエータ71の構成については、後で詳しく説明する。
圧力源7は、配管8を介してアクチュエータ71の筒体1の内部の流体を増加させ又は減少させることで、アクチュエータ71の筒体1の内部の圧力を増加又は減少させて、アクチュエータ71を湾曲状態IIと真直状態Iとの間で動作させる。
圧力源7の一例は、ポンプである。ポンプの具体例としては、シリンジポンプ(往復ポンプ)などが用いられる。シリンジポンプの一例は、円筒形のシリンジと、可動式の押子と、押子の位置を制御する制御部とを有するポンプである。シリンジ及び押子は注射器のように作用する。シリンジ内部を押子で加圧して、シリンジの内部空間から流体を送り出す。また、シリンジ内部を押子で減圧して流体を回収する。シリンジポンプを作動することで、アクチュエータ71の筒体1の内部に充填される流体の量を調節(変化)して、筒体1の内部の圧力を調節することができる。
「筒体1の内部に充填される流体の量を調節(変化)する」とは「筒体1の内部に充填される流体の単位体積あたりの密度を調整(変化)する」と解してもよい。「流体の圧力を増加させること」は、「単位体積あたりの流体の量を増やすこと」であってもよい。「流体の圧力を減少させること」は、「単位体積あたりの流体の量を減らすこと」であってもよい。
配管8は、圧力源7とアクチュエータ71を接続して、流体の流出入の経路となるチューブ状の部材である。配管8は、アクチュエータ71の作動時の応答性を上げるため、アクチュエータ71よりも耐圧性を有するものを用いることができる。なお、圧力源7とクチュエータ71を直結する場合は、配管8を用いなくてもよい。また、配管8を分岐し、1つの圧力源7に複数のアクチュエータ71を連結してもよい。
次に、本実施の形態に係るアクチュエータ71について、より詳細に説明する。
図2〜図4にアクチュエータ71の具体例を示す。
アクチュエータ71は、弾性を有する中空の筒体1が、螺旋に巻回されたコイル形状(すなわち、螺旋形状)をしている。
図2に示すように、アクチュエータ71の筒体1の軸心A2と直交する面の断面形状は非円形の外形2とし、筒体1を非円筒状部材としている。非円形の外形2の一例としては、桜の花のような形状であって、筒体1の内周面1aと外周面1bの両方に互い違いになるように、内向き凸部1cと外向き凸部1dとを交互に周方向に設けている。このように非円形の外形2とする理由は、筒体1を円筒で構成してしまうと、流体を筒体内に加減して供給するとき、筒体1の長軸A2周りの360度の全ての部分に均等に圧力が作用してしまい、筒体1がアクチュエータ長軸A1に対して湾曲するように曲がる動作を発揮できないためである。筒体1を非円形とすることで、流体を筒体内に加減して供給するとき、筒体1の長軸A2周りにおいて不均一に圧力が作用し、筒体1がアクチュエータ長軸A1に対して湾曲するように曲がる動作を発揮することができる。
また、図3及び図4に示すように、例えば、筒体1は、アクチュエータ71の長軸A1を中心に上端から下端に向かって反時計回り(左巻き)に巻回されてコイル形状を形成している。一例として、コイル形状の外形は円筒状としている。なお、筒体1の螺旋形状は、左巻きに限定するものではなく、右巻きとすることもできる。
筒体1の外周面1bには、筒体1の軸心A2を中心軸として、螺旋状に捩じれた溝1gが複数設けられている。言い換えると、溝1gは、筒体1の長軸の周りに沿って捩られたように延びている。本実施の形態では、筒体1の螺旋形状はアクチュエータ長軸A1に対して左巻きであり、螺旋状に捩じれた溝1gは、軸心A2に対して左巻きに捩じられた円弧部分14と、軸心A2に対して右巻きに捩じられた円弧部分15とが交互に配置されて構成されている。すなわち、筒体1の螺旋形状の巻き方向と溝1gの捩じり方向とが一致している部分14と、逆になっている部分15とが、アクチュエータ長軸A1回りの180度の円弧部分毎に交互に配置されて、溝1gが構成されている。
左巻きに捩じられた円弧部分14と右巻きに捩じられた円弧部分15との境界部の一例である境界面5は、筒体1の長軸A2に対して直交するのではなく傾斜した傾斜面としている。境界面5の位置は、傾斜角度が180度毎に交互に傾きが変わるような傾斜面となっているが、大まかに言えば、図4に示すように、アクチュエータ長軸A1沿いに一直線状に配置されている。ここで、「一直線状に配置」とは、大略一直線状に配置していることを意味する。
本実施の形態では、筒体1の材料の例としてナイロンが用いられている。ただし、本発明では、この材料に限られるものではなく、各種樹脂材料又は金属材料を用いることができる。筒体1の材料は、必要とされる耐圧性、柔軟性、又は流体に対する耐性(耐薬品性、耐溶剤性、又は耐油性)などを考慮して適宜選択される。例えば、筒体1の材料として、剛性の高いエンジニアリングプラスチック又は金属材料を用いることで、アクチュエータ71の動作を高圧でかつ低流量で行うことができ、流体の流れに伴う損失を低減できる。
非円筒の外形の具体的な例を図2に示している。筒体1は、半径1.8mmを有しかつ5個の180°の円弧形状の凸部1dを内から外向きに形成するように曲げられた0.6mm厚さの材料のシートを筒体にして構成されている。これらの円弧形状の凸部1dの円弧半径の中心は、筒体1の長軸A2周りの半径3.3mmの円周上に等間隔に配置されている。筒体1の外周面には、螺旋形状の180度の円弧部分毎に、6回だけ所定方向に捩じられる部分と、それとは逆方向に捩じられる部分とで溝1gが構成されている。捩じりは、半径40mmでピッチは24mmで形成されている。
次に、アクチュエータ71の駆動方法について概略説明する。
図6は、アクチュエータ71の駆動方法を示すフローチャートであり、図7A〜図7Gは、アクチュエータ71の湾曲動作を示す模式的な説明図である。
アクチュエータ71の駆動方法は、アクチュエータ71を湾曲させる工程S1と、アクチュエータ71を真っ直ぐにさせる工程S2とを備えている。
まず、アクチュエータ71を湾曲させる工程S1において、アクチュエータ71の内部に流体を供給して加圧する前は、図7Aに示すように、アクチュエータ71は定常状態にある。定常状態とは、アクチュエータ71の内部の流体に予圧をかけていない状態(すなわち、0MPa)であり、アクチュエータ71はアクチュエータ長軸A1沿いに真っすぐな状態Iとなっている。
そして、図7Aに示す状態に対して、圧力源7を用いて流体を、例えば0.85MPaで加圧するようにアクチュエータ71内にさらに流体を供給する。これにより、図7Bに示すように、アクチュエータ71が湾曲する(図6のS1)。圧力に応じて、アクチュエータ71が異なる外形を持つことになる。例えば、湾曲させる工程S1では、図7A、図7B、図7C及び図7Dは、それぞれ、0Pa、0.85MPa、0.9MPa及び1MPaの圧力のときの状態である。
次いで、圧力源7で流体を減圧することで、アクチュエータ71を元の真っすぐな状態Iに戻す(図6のS2)。この真っ直ぐさせる工程S2では、図7E、図7F、及び図7Gは、それぞれ、0.9Pa、0.85MPa、及び0MPaの圧力のときの状態である。
これらのステップS1とS2とを繰り返すことで、アクチュエータ71の曲率を変化させる。なお、湾曲する動作(ステップS1)及び真っすぐにする動作(ステップS2)は一方でもよいし、順序を逆にしてもよい。また、湾曲する動作(ステップS1)及び真っすぐにする動作(ステップS2)を複数回繰り返してもよい。
次に、アクチュエータ71の湾曲動作の駆動メカニズムについて説明する。
図8Aは、アクチュエータ71に圧力をかけていないときの真っ直ぐな状態Iのアクチュエータ71の図である。図8Bは、アクチュエータ71に圧力をかけたときの湾曲した状態IIのアクチュエータ71の図である。
ここで、角度αは、螺旋形状の巻き方向と同じ巻き(捩じり)方向の筒体1の左巻きに捩じられた円弧部分14の両端部の端面間で形成される角度である。角度βは、螺旋形状の巻き方向と反対の巻き(捩じり)方向の筒体1の右巻きに捩じられた円弧部分15の両端部の端面間で形成される角度である。
図8Aに示すように、アクチュエータ71に圧力をかけていないときは、筒体1の左巻きに捩じられた円弧部分14と右巻きに捩じられた円弧部分15とには、流体から何ら圧力が作用してないため、角度α=角度βとなる。
図8Bに示すように、アクチュエータ71に圧力がかけられると、螺旋形状と同じ巻き(捩じり)方向に捩じられた部分の捩じれが緩む。捩じれが緩むことは、アクチュエータ71の内部空間6に流体が供給されて内部容積が増加することになる。すると、左巻きに捩じられた円弧部分14の両端部の端面間で形成される角度αが、図8Aの場合よりも小さくなって、角度α’となる(すなわち、α’<αとなる)。同時に、螺旋形状と反対の巻き(捩じり)方向に捩じられた部分の捩じれがきつくなる。捩じれがきつくなることは、アクチュエータ71の内部空間6に流体が供給されて内部容積が減少することになる。すると、右巻きに捩じられた円弧部分15の両端部の端面間で形成される角度βが、図8Aの場合よりも大きくなって、角度β’となる(すなわち、β’>βとなる)。
すなわち、筒体1内に流体を供給して内部空間6を加圧すると、図8Aにおいて、アクチュエータ71の右半分側に配置された、右巻きに捩じられた円弧部分15のそれぞれの捩じれがきつくなって、アクチュエータ長軸A1沿いに隣接する右巻きに捩じられた円弧部分15が互いに接近する。一方、図8Aにおいて、アクチュエータ71の左半分側に配置された、左巻きに捩じられた円弧部分14のそれぞれの捩じれは緩んでアクチュエータ長軸A1沿いに隣接する左巻きに捩じられた円弧部分14が互いに離れるように動作する。この結果、図8Aのアクチュエータ長軸A1に沿った真っ直ぐな状態Iから、図8Bのアクチュエータ長軸A1に対して湾曲した状態IIまで、湾曲する動作を行うことができる。
このように、アクチュエータ71において、捩じれが緩む部分14ときつくなる部分15との両方が同時に存在する結果、角度αと角度βとが角度α’と角度β’とにそれぞれ変動する。これらの部分14,15での変形動作により、アクチュエータ71の湾曲動作が発生する。
逆に、筒体1内から流体を排出して内部空間6を減圧すると、図8Aにおいて、アクチュエータ71の右半分側に配置された、右巻きに捩じられた円弧部分15のそれぞれの捩じれが緩くなって、アクチュエータ長軸A1沿いに隣接する右巻きに捩じられた円弧部分15が互いに離れる。一方、図8Aにおいて、アクチュエータ71の左半分側に配置された、左巻きに捩じられた円弧部分14のそれぞれの捩じれの緩みが元の通常状態まで戻り、アクチュエータ長軸A1沿いに隣接する左巻きに捩じられた円弧部分14が互いに接近するように動作する。この結果、図8Bのアクチュエータ長軸A1に対して湾曲した状態IIから、図8Aのアクチュエータ長軸A1に沿った真っ直ぐな状態Iまで、復帰する動作を行うことができる。
次に、アクチュエータ71に外力75を加えて伸び変形させる場合について、図9A及び図9Bを基に説明する。
アクチュエータ71は、螺旋形状の長軸A1に沿って外力75を加えた場合でも、流体の圧力に関係なく、アクチュエータ71自体の弾性で伸び変形させられる点にも特徴がある。
図9Aは、外力75を加える前の、湾曲した状態IIのアクチュエータ71を示す模式図であり、図9Bは、図9Aの湾曲した状態IIのアクチュエータ71に外力75を加えた後の、アクチュエータ71をアクチュエータ71を伸ばした状態を示す模式図である。一例として、外力75は、筒体1の下端端面において、螺旋形状の湾曲した長軸A1沿いに、すなわち、端面沿いに、言い換えれば、筒体1の長軸A2と直交する方向()に引っ張るように力を加えている。
外力75により筒体1の下端が筒体1の長軸A2と直交する方向沿いに引っ張られるとき、螺旋形状の巻き方向と同じ巻き(捩じり)方向の筒体1の左巻きに捩じられた円弧部分14はさらに捩じられる一方、螺旋形状の巻き方向と逆の巻き(捩じり)方向の筒体1の右巻きに捩じられた円弧部分15の捩じれが緩められる。この結果、図9Aから図9Bに示すように、アクチュエータ71を、アクチュエータ71を容易に伸ばすことができる。
逆に、もし外力75により筒体1の下端が筒体1の長軸A2と直交する方向沿いに押されるとき、螺旋形状の巻き方向と同じ巻き(捩じり)方向の筒体1の左巻きに捩じられた円弧部分14の捩じれが緩められる一方、螺旋形状の巻き方向と逆の巻き(捩じり)方向の筒体1の右巻きに捩じられた円弧部分15はさらに捩じられる。この結果、図9Bから図9Aに示すように、アクチュエータ71を、アクチュエータ71を容易に縮めることができる。
従って、この例では、アクチュエータ71を曲げる方向に外力75を加えた場合に、筒体1の所定方向(例えば左巻)の捩じれにより筒体内部空間6の容積が増える箇所と、逆方向(例えば右巻)の捩じれにより筒体内部空間6の容積が減る箇所との両方ができる。そのため、筒体内部空間6の全体としての容積変化が少なくなり、アクチュエータ71を容易に曲げることができる。
すなわち、この実施形態では、アクチュエータ71の容積の増加と減少とが同時に発生しているので、アクチュエータ71の内部の全体としての容積変化が少なくなり、アクチュエータ71を図9Aから図9Bに示すように、容易に伸ばすことができる。
つまり、アクチュエータ71を伸ばして変形させる際の剛性は、流体に作用する圧力にはほぼ依存しないことになり、アクチュエータ71自体の持つ剛性が支配的となる。よって、アクチュエータ71として柔軟な材質のものを適用すれば、容易に伸び変形することが可能なアクチュエータ71を実現できる。
次に、アクチュエータ71の製造方法について説明する。
マッキベン型のアクチュエータとは異なり、本実施形態のアクチュエータ71は、単一の材料、例えばナイロンで構成することができる。その理由は、3Dプリンターのような積層造形技術で容易に製造することができるためである。
以上、一つまたは複数の態様に係るアクチュエータ71について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、前述した実施の形態では、流体として水を用いているが、これに限るものではなく、あらゆる既知の液体でも実施可能である。また、液体に限らず圧縮性の流体である各種気体に対しても実施可能である。
また、前述した実施の形態では、圧力源7としてシリンジポンプを用いているが、これに限るものではなく、流体を内部空間に出し入れ可能な圧力源であれば、あらゆる公知技術及びその組み合わせが実現可能である。
また、前述した実施の形態では、筒体1の一端を封止した他端から水を流出入させているが、これに限るものではなく、筒体1の一端からも水を流出入させたり、筒体1の途中に水の流出入口を設けたりしてもよい。水の流出入口を増やすことで、アクチュエータ71の応答性を高めることができる。
さらに、圧力印加時のアクチュエータ71の変形は、アクチュエータ71の長さにかかわらず、一定である必要はない。変形量は、筒体1の材料又は厚さ又は長さ方向の形状を変えることによって調整することができる。例えば、アクチュエータ71の基端16と比較して先端17の材料を柔らかくするか、又は、厚さを薄くするなどすれば、先端での変形量を大きくすることができる。変形量を変えることによって、異なる様式で湾曲するアクチュエータ71を得ることができる。図10A〜図10Cはその一例である。より具体的には、図10Aでは、変形量が、アクチュエータ71の基端16から先端17に向けて直線的に増加する場合を示している。図10Bでは、変形量が、アクチュエータ71の全体にわたって一定である場合を示している。図10Cでは、変形量が、アクチュエータ71の先端17から基端16に向けて直線的に増加する場合を示している。これらの3つの場合の平均の変形量は同じである。しかしながら、図10Cでのアクチュエータ71の先端17での変形量は、図10Aでのアクチュエータ71の基端16での変形量の4倍大きい。図10Cでのアクチュエータ71の基端16での変形量は、図10Cでのアクチュエータ71の先端17での変形量の4倍小さい。
圧力がかけられていないときのアクチュエータ71の初期形状9は、最大圧力(例えば、1Mpa)が作用するときの最終形状10まで、点線の移動経路11に沿って変化する。
これら3つの場合の図10A〜図10Cのアクチュエータ71の最終形状10を比較すると、変形量の分布に応じて異なる様式でアクチュエータ71に湾曲動作を行わせることができることがわかる。圧力が0から最大圧力まで増加したときに先端17が移動する移動経路11は、3つの場合で異なっている。用途に応じて、タスクの仕様に最も適合するアクチュエータ71の湾曲動作形状と先端17の軌跡とを得るように、アクチュエータ71の変形量を調整することができる。
アクチュエータ71の変形量の変化は、アクチュエータ71の長さに沿って直線的に増減するものに限らないことは明らかである。用途に応じて、具体的に様々な変形量を選択することができる。例えば、もしアクチュエータ71が患者の指の動作のサポートに使用されるならば、サポートされる指の自然な動きに適合した変形量を選択することができる。
さらに、アクチュエータ71は円筒状の螺旋形状に巻回されるものに限られない。例えば、図11に示すように、アクチュエータ71は、円錐状の螺旋形状に巻回されるようにしてもよい。図11は、基端から先端に向かうに従い直径が小さくなるような円錐状の螺旋形状に巻回されるアクチュエータ71の例である。このような例では、大きくて頑丈な基端部と組み合わせると、先端の質量を小さくすることができる(アクチュエータ71が移動するとき、先端がより移動するとき、質量が小さいと最大速度を大きくしやすい)という利点がある。
前記実施形態によれば、筒体1に対する流体の加減による圧力変化により、捩じり方向の向きが互いに異なる部分のうちの一方の部分15の捩じれがきつくなって剛性が高くなり、剛性が高くなった部分15が互いに接近する。一方、残りの他方の部分14の捩じれが緩んで剛性が低くなる。このような動作により、アクチュエータ長軸A1に対してアクチュエータ71が湾曲動作可能となり、螺旋の中心としてのアクチュエータ長軸A1方向以外の方向への曲げに対する自由な動きを許容できる。
より詳しく説明すれば、例えば、筒体1の内部空間6に対して流体を加えて圧力を増加させるとき、筒体1が外側又は内側に弾性変形して、筒体1の溝1gのうち、螺旋形状の巻方向と溝1gの捩じれ方向が同じ部分14では捩じれが緩くなり、筒体1の内部空間6の体積が増加する。一方、螺旋形状の巻方向と溝1gの捩じれ方向が反対の部分15では捩じれがきつくなり、筒体1の内部空間6の体積が減少する。このため、捩じれがきつくなった部分15が湾曲内側となるように、筒体1がアクチュエータ長軸A1に対して湾曲した湾曲状態IIとなる。逆に、筒体1の内部空間6から流体を排出して圧力を減少させるとき、筒体1が内側又は外側に弾性変形して加圧前の元の形状に戻ろうとし、筒体1の溝1gのうち、螺旋形状の巻方向と溝1gの捩じれ方向が同じ部分14では、捩じれが緩んでいた状態から元の非加圧状態に戻り、筒体1の内部空間6の体積が、増加分だけ減少する。一方、螺旋形状の巻方向と溝1gの捩じれ方向が反対の部分15では、きつく捩じれていたのが緩んで元の非加圧状態に戻り、筒体1の内部空間6の体積が、減少分だけ増加する。このため、捩じれがきつくなった部分15の湾曲動作が解消され、筒体1がアクチュエータ長軸A1沿いに真っ直ぐな状態Iに戻る。
この結果、アクチュエータ長軸A1に対してアクチュエータ71が湾曲可能となり、螺旋の中心としてのアクチュエータ長軸A1方向に伸縮することなく、このアクチュエータ長軸A1方向以外の方向へ自由に湾曲する動きを許容できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
例えば、前記した変形量を調整するため、例えば、図12A〜図12Cに示すように、筒体1の基端16と先端17とで厚みを異ならせることもできる。
また、前記した変形量を調整するため、例えば、図13A〜図13Cに示すように、筒体1の基端16と先端17とで溝1gの深さを異ならせることもできる。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明の前記態様に係るアクチュエータ、アクチュエータ装置、およびアクチュエータの駆動方法は、人間に近い場所において動作する機械を駆動する人工筋肉アクチュエータとして利用可能であり、衣服のようなウェアラブルなアシスト機器の分野に応用できる。本発明の前記態様は、それ以外にも、外力に対する柔軟性を備えたアクチュエータ、アクチュエータ装置、およびアクチュエータの駆動方法として、また、軽量なアクチュエータ、アクチュエータ装置、およびアクチュエータの駆動方法として利用可能である。
1 筒体
1a 筒体の内周面
1b 筒体の外周面
1c 内向き凸部
1d 外向き凸部
1g 溝
2 非円筒形状の外形
5 境界部
6 内部空間
7 圧力源
8 配管
9 アクチュエータの初期形状
10 アクチュエータの最終形状
11 アクチュエータの先端の移動経路
12 接続金具
13 シールキャップ
14 左巻きに捩じられた円弧部分
15 右巻きに捩じられた円弧部分
16 アクチュエータの基端
17 アクチュエータの先端
71 アクチュエータ装置
72 アクチュエータ
75 外力

Claims (10)

  1. 中空の筒体を備え、
    前記筒体は、前記筒体の長軸に沿って位置する空間を内部に有し、
    前記筒体は、アクチュエータ長軸を中心に螺旋に巻回されたコイル形状を有し、
    前記筒体の外周面及び内周面の少なくとも一方には溝が形成され、
    前記溝は、前記筒体の前記長軸に沿って捩られたように延びており、
    前記筒体は、第1部分と第2部分とを有し、前記第1部分と前記第2部分とは捩りの方向が反対であり、前記第1部分と前記第2部分とは繰り返し位置している、
    アクチュエータ。
  2. 前記筒体に対する媒体を加減して圧力変化を、前記筒体の前記アクチュエータ長軸に対する湾曲動作に変換する、請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記溝は、前記アクチュエータ長軸周りの180度毎に境界部を介して捩じり方向の向きを逆転させるように捩じられており、前記境界部の位置は、前記アクチュエータ長軸沿いに一直線状に配置されている、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記筒体は、基端と先端とでは厚さが異なる、請求項1〜3のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
  5. 前記筒体の前記非円筒形状は、断面形状に溝部を有し、前記溝部の深さが基端と先端とでは異なる、請求項1〜3のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
  6. 前記筒体のコイル形状の外形は円錐形状である、請求項1〜5のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
  7. アクチュエータと圧力源とを備えるアクチュエータ装置であって、
    前記アクチュエータは、非円筒形状の断面を有する中空の筒体を備え、
    前記筒体は、前記筒体の長軸に沿って位置する空間を内部に有し、
    前記筒体は、アクチュエータ長軸を中心に螺旋に巻回されたコイル形状を有し、
    前記筒体の外周面及び内周面の少なくとも一方には溝が形成され、
    前記溝は、前記筒体の前記長軸に沿って捩られたように延びており、
    前記筒体は、第1部分と第2部分とを有し、前記第1部分と前記第2部分とは捩りの方向が反対であり、前記第1部分と前記第2部分とは繰り返し位置し、
    前記圧力源は、
    (a1)前記筒体の内部の圧力を増加させることにより、前記アクチュエータを前記アクチュエータ長軸沿いの真っ直ぐな状態から前記アクチュエータ長軸に対して湾曲した状態に湾曲動作させ、
    (a2)前記筒体の前記内部の前記圧力を減少させることにより、前記アクチュエータを前記湾曲した状態から前記真っ直ぐな状態に戻す、
    アクチュエータ装置。
  8. 前記圧力源は、
    前記(a1)において、前記筒体の前記内部に媒体を注入することにより、前記アクチュエータの圧力を増加させ、
    前記(a2)において、前記筒体の前記内部から前記媒体を排出することにより、前記アクチュエータの圧力を減少させる、
    請求項7に記載のアクチュエータ装置。
  9. アクチュエータの駆動方法であって、
    (b1)アクチュエータを準備し、
    前記アクチュエータは、非円筒形状の断面を有する中空の筒体を備え、
    前記筒体は、前記筒体の長軸に沿って位置する空間を内部に有し、
    前記筒体は、アクチュエータ長軸を中心に螺旋に巻回されたコイル形状を有し、
    前記筒体の外周面及び内周面の少なくとも一方には溝が形成され、
    前記溝は、前記筒体の前記長軸に沿って捩られたように延びており、
    前記筒体は、第1部分と第2部分とを有し、前記第1部分と前記第2部分とは捩りの方向が反対であり、前記第1部分と前記第2部分とは繰り返し位置し、
    (b2)前記筒体の内部の媒体の圧力を増加させて、前記アクチュエータを前記アクチュエータ長軸沿いの真っ直ぐな状態から前記アクチュエータ長軸に対して湾曲した状態に湾曲動作させる、
    を含む、アクチュエータの駆動方法。
  10. さらに、(b3)前記筒体の内部の媒体の圧力を減少させて、前記アクチュエータを前記湾曲した状態から前記真っ直ぐな状態に戻す、
    を含む、請求項9に記載のアクチュエータの駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112518803A (zh) * 2020-12-16 2021-03-19 合肥工业大学 一种弯曲扭转结合软体致动器

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