JP2018115616A - 旋回流発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低抵抗で且つ拡散性に優れた旋回流を発生させることを可能とする。【解決手段】排ガスが流れる排気管と、排気管内に設けられ排ガスに含まれる窒素酸化物を還元浄化する還元触媒と、還元触媒の上流側を流れる排ガスに還元剤を噴射供給する還元剤供給手段と、を備える排ガス浄化装置において、排気管内のうち還元触媒の上流側に配置され、排ガスに旋回流を発生させる旋回流発生装置であって、排気管内に、排気管の中心軸を含む面に関して対称(例えば、左右対称)に配置され、中心軸に対して直交する方向における排気管の断面積の少なくとも40%を閉塞する形状のプレートからなる。【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス浄化装置に用いられる旋回流発生装置に関する。
排ガスと還元剤を混合させ、排ガスに含まれる窒素酸化物を還元触媒にて還元浄化する排ガス浄化装置(適宜、浄化装置と称す)が知られている。例えば、特許文献1に記載された浄化装置は、内燃機関から排出された排ガスが流れる排気管の内部に設けられる還元触媒と、この還元触媒より上流側に配置され、排ガスに旋回流を発生させるための旋回流発生装置と、を備えて構成されている。
図14は、このような従来技術に係る排ガス浄化装置の一例を示し、(a)は模式図、(b)は(a)で示した主要部Vの拡大斜視図である。図14(a)に示すように、排ガス浄化装置5は、排気管1と、還元触媒2と、還元触媒2の上流側を流れる排ガスに還元剤(尿素水など)を噴射供給する還元剤供給手段としての還元剤噴射ノズル3と、排気管1内のうち還元触媒2の上流側(具体的には、還元剤噴射ノズル3によって還元剤が排ガスに噴霧される箇所(同図の「還元剤噴霧部」参照)の上流側)に設けられ排ガスに旋回流を発生させる旋回流発生装置4と、を備えている。
また、図14(b)に示すように、旋回流発生装置4はフィン構造体であり、直線状切り込みと1/4円弧状切り込みとを組み合わせてなる切り込みを複数(この場合、4つずつ)プレートに形成し、この切り込みを引き起こすように折り曲げることで支柱4aと、扇状の羽根(扇状フィン4b)とが形成され、これら4つの扇状フィン4bが円形となるように配置されてなる。
このような浄化装置5では、排ガスが旋回流発生装置4の扇状フィン4bを通過することで乱流または旋回流となり、排ガスに対する還元剤の拡散を促進させる(換言すれば、排ガスと還元剤との混合率を高める)ことができる。その結果、還元触媒2に対して還元剤を均一な状態で供給することが可能となり、排ガス浄化性能が一定以上に確保されることとなるので、排ガス中における窒素酸化物の還元効率の向上を図ることができる。
特開2006−29233号公報
ところで、近年における排ガス規制の強化のため、還元剤の添加量が増大傾向にあり、還元剤の添加量を減少させるべく、より拡散性の優れた旋回流発生装置の開発が望まれている。そして、旋回流発生装置4の旋回能力を向上させることができれば、排ガスに対する還元剤の拡散を促進させることができ、還元触媒に対して還元剤をより均一な状態で供給することが可能となるため、排ガス浄化性能が向上することとなる。そのため、旋回流発生装置4の旋回力を向上させることが望ましい。
一方、排ガスが旋回流発生装置4を通過する際には、旋回流発生装置4によって大きな抵抗が生じることから、圧力損失も大きくなってしまうという問題があった。そこで、旋回流発生装置4によって生じる抵抗を低減させることができれば、旋回流発生装置4における圧力損失も低減させることが可能となる上、内燃機関の燃費を改善することもできる。そのため、旋回流発生装置4によって生じる抵抗を低減させることが望ましい。
しかしながら、旋回流発生装置4の旋回能力を向上させようとすれば、当該旋回流発生装置4に生じる抵抗が増大してしまう傾向にあり、逆に、旋回流発生装置4によって生じる抵抗を低減させようとすれば、当該旋回流発生装置4の旋回能力が低下してしまう傾向にある。
そこで、本発明者は、図15(a)〜図15(c)に示すように、旋回流発生装置(不図示)によって、排気管1内の進行方向へ向けた左右対称に、互いに逆方向に回転しながら流れる双子状の渦流(旋回流A,旋回流B)を発生させることができれば、噴射した還元剤の拡散性を向上させつつ、当該旋回流発生装置にて生じる抵抗を低減させることができると考えた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気管に噴射された還元剤の拡散性を向上させつつ、排ガス流に対する抵抗を抑えることが可能な旋回流発生装置を提供することにある。
前述の目的を達成するため、本発明に係る旋回流発生装置は、
排ガスが流れる排気管と、前記排気管内に設けられ前記排ガスに含まれる窒素酸化物を還元浄化する還元触媒と、前記還元触媒の上流側を流れる前記排ガスに還元剤を噴射供給する還元剤供給手段と、を備える排ガス浄化装置において、前記排気管内における前記還元触媒より上流側に配置され、前記排ガスに旋回流を発生させる旋回流発生装置であって、
前記排気管内に、前記排気管の中心軸を含む面に関して対称に配置され、前記中心軸に対して直交する方向における前記排気管の断面積の少なくとも40%を閉塞するプレートからなることを特徴とする。
これによれば、排気管内を流れる排ガスが、プレートによって上流側から下流側へと導かれながら、その過程で、プレートによってその両側(例えば、左右対称)に分かれ、排気管の内壁に沿って下流側へと流れるため、旋回流が発生する。このため、排気管内の進行方向へ向けた左右対称に、互いに逆方向に回転しながら流れる双子状の渦流(旋回流)を発生させることができ、排気管に噴射された還元剤の拡散性を向上させることができる。このとき、排ガスはプレートに沿って上流側から下流側へと導かれると共に、排気管の内壁に沿って下流側へと流れるため、旋回流発生装置において旋回流を発生させる際の抵抗を低減させることができる。かくして、低抵抗で且つ拡散性に優れた旋回流を発生させることができる。しかも、旋回流となった排ガスに対する還元剤の拡散を促進させることができるため、還元触媒に対して還元剤をより均一な状態で供給することが可能となり、排ガス浄化性能を向上させることができる。
このとき、前記プレートは、上流側端部が屈曲されてなり、一対の下流側端部に向けて広がったV字形状をなしてなることが好ましい。また、前記プレートは、前記上流側端部から前記下流側端部に向けた左右一対の面の各々少なくとも上下いずれか一方の辺が、前記排気管の内壁に沿って湾曲してなることが好ましい。さらに、前記プレートは、前記排気管が曲げられた部位における当該排気管内の外径側または内径側の内壁面に沿って配置されることが好ましい。
これらによれば、排ガスの流れを規制することで旋回流を発生させるための構成を簡素化することができる。
また、前記旋回流発生装置において、
前記排ガス浄化装置は、
一端部が前記排気管の上流側に嵌る筒状部と、
前記筒状部の他端部を塞ぐ閉塞部を有するキャップ形状をなし、前記排ガスを前記排気管の下流側に配置された前記還元触媒へ流すための開口を側方に向けて開設したキャップ部材と、を更に備え、
前記プレートは、前記キャップ部材の内側空間における前記開口の手前に配設される
こととしてもよい。
これによれば、プレートをキャップ部材における開口の手前に配置することで、当該プレートを境にして開口側と反対側とで圧力差を生じさせ、この圧力差を利用して開口付近における排ガスに旋回流を生じさせることができる。従って、旋回流を発生させるための構成を簡素化することができる。
このとき、前記開口は、前記排ガスの流れ方向に扁平な形状であり、
前記プレートは、上流側端部が屈曲されてなり、前記開口の長手方向両端側に向かって広がった一対の下流側端部が配置されることが好ましい。
これによれば、扁平形状とされた開口に向かう排ガスの流れ方向を、プレートによって規制することができるので、旋回流を生じさせ易くすることができる。
本発明によれば、低抵抗で且つ拡散性に優れた旋回流を発生させることができる。
第一実施形態に係る旋回流発生装置を有する排ガス浄化装置を示し、(a)はその主要部を概略的に示す斜視図、(b)は主要部を上流側から見て示す断面図である。 図1の旋回流発生装置を有する排ガス浄化装置を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。 第一実施形態の旋回流発生装置を示し、(a)は側面から見た流れ解析結果(流速)、(b)は断面の下流側から見た流れ解析結果(流速)を示す図である。 第二実施形態に係る旋回流発生装置を有する排ガス浄化装置を示し、(a)は排気管の屈曲した部位の外径側に配置される際の下流側から見て示す斜視図、(b)はその下流側から見て示す平面図、(c)はその外径側から見て示す部分的透視図、(d)は側面図である。 図4の排ガス浄化装置における主要部を排気管の内径側から見て示す斜視図である。 第三実施形態に係る旋回流発生装置を有する排ガス浄化装置を示し、(a)は排気管の屈曲した部位の内径側に配置される際の下流側から見て示す斜視図、(b)はその下流側から見て示す平面図、(c)はその外径側から見て示す部分的透視図、(d)は側面図である。 図6の排ガス浄化装置における主要部を排気管の内径側から見て示す斜視図である。 第二実施形態の旋回流発生装置(a)および第三実施形態の旋回流発生装置(b)について、それぞれの流れ解析結果(流速)を示す図である。 第四実施形態における排気ガス浄化装置の全体構成を示す断面図である。 図9の排気ガス浄化装置に用いられた旋回流発生装置を示す斜視図である。 キャップ部材を開口側から見た状態を示す図である。 図9のX部分を示す拡大図である。 キャップ部材の内側空間を示す図である。 従来技術の説明に供し、(a)は排ガス浄化装置の一例を示す概略図、(b)は旋回流発生装置の一例を概略的に示す斜視図である。 双子状の渦流の説明に供し、(a)は排ガス浄化装置の下流側から見て示す概念図、(b)は(a)のa−a矢視図、(c)は(b)のb−b矢視図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る旋回流発生装置の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
<第一実施形態>
<排ガス浄化装置について>
まず、本実施形態の旋回流発生装置が用いられる排ガス浄化装置について説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態の旋回流発生装置10は、従来から知られている排ガス浄化装置5(例えば、図14(a)参照)等に用いられ、エンジン(不図示)からの排ガスを排出するための排気管1内に組み込まれている。この浄化装置5は、排ガスに含まれる窒素酸化物を還元浄化する還元触媒2(図14(a)参照)と、この還元触媒2の上流側を流れる排ガスに還元剤(例えば、アンモニア)を噴射供給する還元剤供給手段としての還元剤噴射ノズル3と、を備えている。そして、この還元剤噴射ノズル3より上流側に、従来の旋回流発生装置4に替えて本実施形態の旋回流発生装置10が配設されることで、排ガスに旋回流を発生させるようになっている。すなわち、排ガス浄化装置5としては、旋回流発生装置10が異なる点を除いて、従来から知られている一般的な排ガス浄化装置5とほぼ同様に構成されている。
<旋回流発生装置について>
次に、本実施形態の旋回流発生装置10について説明する。
具体的に、旋回流発生装置10は、図1(a),(b)および図2(a),(b)に示すように、排気管1の内部に、その中心軸を含む面に関して対称に配置され、中心軸に対して直交する方向(つまり、径方向)における排気管1の断面積の少なくとも40%を閉塞するプレートからなる。
旋回流発生装置10は、上流側端部10aが屈曲されてなり、一対の下流側端部10b,10cに向けて広がったV字形状に形成されている。また、旋回流発生装置10は、上流側端部10aから下流側端部10b,10cに向けた左右一対の面の各々少なくとも上下いずれか一方の辺(本実施形態の場合、上辺10d,10e)が、排気管1の内壁に沿って湾曲して形成されている。このように構築された旋回流発生装置10では、その外縁に位置する湾曲した上辺10d,10eが、排気管1の内壁面と接触するように構成されている。つまり、旋回流発生装置10は、上辺10d,10eによって排気管1内の流路における上方側を閉塞するように配置されている。
かかる構成の旋回流発生装置10では、排気管1内を流れる排ガスが上流側端部10aにより左右に分かれて導かれ(図2(a),(b)の矢印X,Y参照)、下流側端部10b,10c側へと流れていく過程で、上辺10d,10eによって排気管1内における上方の流路が閉塞されている(排ガスの流れが規制されている)ため、上方から下方へと導かれる(図2(b)の矢印Z参照)。
このように、上流側端部10aによってその両側へと分かれて流れた排ガスが、上辺10d,10eと排気管1の内壁とで囲まれた排ガスの流れを規制する領域Kを介して下方へと導かれることで、旋回流発生装置10の上流側と下流側との圧力差による渦流が発生する。ここで、旋回流発生装置10が左右対称なV字形状であることから、排気管1の内壁に沿った互いに逆回りの双子状の旋回流(図15(a)に示すような下流側から上流側を見て左側の時計回りの旋回流Aと,右側の反時計回りの旋回流B)となる。
そして、これら双子状の旋回流が、旋回を続けつつ下流側へと導かれることにより、下流側へ向けた広い範囲に亘って旋回を持続させることが可能となる。つまり、旋回流発生装置10では、排ガス浄化装置5において噴霧される還元剤を拡散(攪拌)させる拡散性に優れた旋回流を発生させ、且つ、その持続性の向上を図ることが可能となっている。
また、旋回流発生装置10は、上端側端部10aが屈曲されてなり、排気管1内の排ガスの流れに沿って配置されていると共に、一対の下流側端部10b,10cへと延在し外縁に位置する各上辺10d,10eが排気管1の内壁面と接触するように構成されているので、排ガスの流れに対する抵抗を抑えつつ、上流側端部10aによって左右に分かれた排ガスが、上辺10d,10eと排気管1の内壁とで囲まれた領域Kを介して双子状の旋回流となり、排気管1の内壁に沿ってスムーズに流れることとなる。よって、排ガス浄化装置5にて生じる抵抗が小さくなる。
なお、本実施形態において、旋回流発生装置10は、還元剤噴霧部(図14(a)参照)の上流側に設けられている場合について述べたが、本発明はこれに限ることはなく、旋回流発生装置10の配置位置としては、還元触媒2(図14(a)参照)よりも上流側であれば、還元剤噴霧部の下流側に設けられていてもよい。
また、本実施形態では、旋回流発生装置10が排気管1の内部に、その中心軸に関して左右対称となるように配置される場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は排気管1の中心軸を含む面に関して対称に配置されるものであれば、上下や斜め等に対称であってもよい。
以上、説明したような旋回流発生装置10によれば、排気管1内を流れる排ガスが、旋回流発生装置10の上流側端部10aによってその両側(左右)に分かれて下流側へと導かれ、その下流側端部10b,10c側へと流れていく過程で、上辺10d,10eと排気管1の内壁とで囲まれた排ガスの流れを規制する領域Kを介して下方へと導かれながら、排気管1の内壁に沿った互いに逆回りの双子状の渦流(旋回流)として下流側へと流れるため、図3(a)および(b)にその流速を示した流れ解析結果のように、排ガス浄化装置5において噴霧される還元剤を、排気管1内の広範囲に亘って拡散(攪拌)させる拡散性に優れた左右対称の旋回流を発生させることができる。
しかも、旋回流発生装置10を構成するプレートは、外縁に位置する上辺10d,10eが排気管1の内壁面と接触するように構成されると共に、上端側端部10aが排気管1内の排ガスの流れに沿って配置されているので、排ガスの流れに対する抵抗を抑えることができ、双子状の旋回流をプレートに沿ってスムーズに流し、排ガス浄化装置5にて生じる抵抗を低減させることができる。かくして、本実施形態の旋回流発生装置10によれば、低抵抗で且つ拡散性に優れた旋回流を発生させることができる。
また、排ガス浄化装置5において噴霧される還元剤の拡散性、すなわち、旋回流となった排ガスに対する還元剤の拡散を促進させることができるため、還元触媒2(図14(a)参照)に対して還元剤をより均一な状態で供給することが可能となり、排ガス浄化性能を向上させることができる。
さらに、排ガスの流れを規制することで旋回流を発生させる構造を、V字形状のプレートによって構成することができるので、旋回流を発生させるための構成を簡素化することができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について説明する。本発明に係る第二実施形態の旋回流発生装置20は、従来から知られている排ガス浄化装置5(例えば、図14(a)参照)等に用いられる。なお、排ガス浄化装置5において、排気管1のエルボ形状に曲げられた箇所に、還元剤噴霧部(還元剤供給手段としての還元剤噴射ノズル3等)を取り付ける連通部6が配設される点と、旋回流発生装置20の構造が異なる点とを除き、前述した第一実施形態と同様であるため、排ガス浄化装置5に関する詳細な説明については省略する。
本実施形態において、排気管1のエルボ部の外側(図4(d)の右下側)には、排気管1内に還元剤を噴射するための開口部1aが形成されており、連通部6はその内部が開口部1aと連通するように排気管1に設けられている。図4(a)〜(d)および図5に示すように、旋回流発生装置20は、開口部1aを囲むように、排気管1の中心軸を含む面に関して対称に配置され、その中心軸に対して直交する方向(つまり、径方向)における排気管1の断面積の少なくとも40%を閉塞するプレートからなる。
具体的に、旋回流発生装置20は、上流側端部20aを頂部として屈曲されており、一対の下流側端部20b,20cに向けてV字形状に広がって形成されている。また、旋回流発生装置20において、上流側端部20aから下流側端部20b,20cに向けた左右一対の面21,22は、各々排気管1の内壁面と接触する外径側辺21a,22aが、排気管1の内壁に沿った湾曲部をなし、これに対向する内径側辺21b,21bはほぼ直線状をなしており、全体として略半月状に形成されている。
そして、旋回流発生装置20は、一対の面21,22が排気管1の内部に、その中心軸を含む面に関して対称となるように、それぞれ外径側辺21a,22aを排気管1の内壁面と接触するように配置されることで、これら面21,22によって開口部1aの周囲を囲むと共に、排気管1の曲げ部分内における流路の外径側を閉塞する。
かかる構成の旋回流発生装置20では、排気管1内の外径側を流れる排ガスが上流側端部20aを起点に左右に分かれて導かれ(図4(c),図5の矢印X,Y参照)、下流側端部20b,20c側へと流れていく過程で、外径側辺21a,22aが排気管1の内壁と接触して配置される面21,22によって排気管1内における外径側の流路が閉塞されている(排ガスの流れが規制されている)ため、外径側から内径側へと導かれる(図4(d)の矢印Z参照)。
このように、上流側端部20aによってその両側へと分かれて流れた排ガスが、面21,22と排気管1の内壁とで囲まれた排ガスの流れを規制する領域Kを介して内径側へと導かれることで、旋回流発生装置20の上流側と下流側との圧力差による渦流が発生する。ここで、旋回流発生装置20が左右対称なV字形状であることから、排気管1の内壁に沿った互いに逆回りの双子状の旋回流となり、旋回を続けつつ下流側へと流れる。なお、この場合、前述の第一実施形態における図15(a)に示す旋回流A,Bとは真逆の配置となる下流側から上流側を見て左側に反時計回りの旋回流Bが発生し、右側に時計回りの旋回流Aが発生する。
そして、これら双子状の旋回流が、旋回を続けつつ下流側へと導かれることにより、下流側へ向けた広い範囲に亘って旋回を持続させることが可能となる。つまり、旋回流発生装置20では、排ガス浄化装置5において排気管1の開口部1aを介して噴霧される還元剤を拡散(攪拌)させる拡散性に優れた旋回流を発生させ、且つ、その持続性の向上を図ることが可能となっている。
また、旋回流発生装置20は、上端側端部20aが屈曲されてなり、排気管1内の排ガスの流れに沿って配置されていると共に、一対の下流側端部20b,20cへと延在する面21,22の外径側に位置する各外径側辺21a,22aが排気管1の内壁面と接触するように構成されているので、排ガスの流れに対する抵抗を抑えつつ、上流側端部20aによって左右に分かれた排ガスが、面21,22と排気管1の内壁とで囲まれた領域Kを介して双子状の旋回流となり、排気管1の内壁に沿ってスムーズに流れることとなる。よって、排ガス浄化装置5にて生じる抵抗が小さくなる。
なお、本実施形態において、旋回流発生装置20は、還元剤噴霧部(図14(a)参照)の上流側に設けられている場合について述べたが、本発明はこれに限ることはなく、旋回流発生装置20の配置位置としては、還元触媒2(図14(a)参照)よりも上流側であれば、還元剤噴霧部の下流側に設けられていてもよい。
また、本実施形態では、旋回流発生装置20が排気管1の内部に、その中心軸に関して左右対称となるように配置される場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は排気管1の中心軸を含む面に関して対称に配置されるものであれば、上下や斜め等に対称であってもよい。
以上、説明したような旋回流発生装置20によれば、排気管1内の外径側を流れる排ガスが、旋回流発生装置20の上流側端部20aによってその両側(左右)に分かれて下流側へと導かれ、その下流側端部20b,20c側へと流れていく過程で、面21,22と排気管1の内壁とで囲まれた排ガスの流れを規制する領域Kを介して内径側へと導かれながら、排気管1の内壁に沿った互いに逆回りの双子状の渦流(旋回流)として下流側へと流れるため、図8(a)にその流速を示した流れ解析結果のように、排ガス浄化装置5において噴霧される還元剤を、排気管1内の広範囲に亘って拡散(攪拌)させる拡散性に優れた左右対称の旋回流を発生させることができる。
しかも、旋回流発生装置20を構成するプレートは、外縁に位置する外径側辺21a,22aが排気管1の内壁面と接触するように湾曲して構成されると共に、上端側端部20aが排気管1内の排ガスの流れに沿って配置されているので、排ガスの流れに対する抵抗を抑えることができ、双子状の旋回流を面21,22に沿ってスムーズに流し、排ガス浄化装置5にて生じる抵抗を低減させることができる。かくして、本実施形態の旋回流発生装置20によれば、低抵抗で且つ拡散性に優れた旋回流を発生させることができる。
また、排ガス浄化装置5において噴霧される還元剤の拡散性、すなわち、旋回流となった排ガスに対する還元剤の拡散を促進させることができるため、還元触媒2(図14(a)参照)に対して還元剤をより均一な状態で供給することが可能となり、排ガス浄化性能を向上させることができる。
さらに、排ガスの流れを規制することで旋回流を発生させる構造を、V字形状のプレートによって構成することができるので、旋回流を発生させるための構成を簡素化することができる。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について説明する。本発明に係る第三実施形態の旋回流発生装置30は、従来から知られている排ガス浄化装置5(例えば、図14(a)参照)等に用いられる。なお、排ガス浄化装置5において、旋回流発生装置30の構造が異なる点とを除き、前述した第二実施形態と同様であるため、排ガス浄化装置5に関する詳細な説明については省略する。
旋回流発生装置30は、図4(a)〜(d)および図5との対応部分に同一符号を付した図6(a)〜(d)および図7に示すように、排気管1における曲げ部分の内径側において、開口部1aを囲むように、排気管1の中心軸を含む面に関して対称に配置され、その中心軸に対して直交する方向(つまり、径方向)における排気管1の断面積の少なくとも40%を閉塞するプレートからなる。
具体的に、旋回流発生装置30は、上流側端部30aを頂部として屈曲されており、一対の下流側端部30b,30cに向けてV字形状に広がって形成されている。また、旋回流発生装置30において、上流側端部30aから下流側端部30b,30cに向けた左右一対の面31,32は、各々排気管1の内壁面と接触する内径側辺31a,32aが、排気管1の内壁に沿った湾曲部をなし、これに対向する外径側辺31b,31bがほぼ直線状をなしていると共に、これら外径側辺31b,31bと上流側端部30aとを結ぶ連通部31c,32cが排気管1の内壁に沿った湾曲部をなしている。
そして、旋回流発生装置30は、一対の面31,32が排気管1の内部に、その中心軸を含む面に関して対称となるように、それぞれ内径側辺31a,32aと、連通部31c,32cとを排気管1の内壁面と接触するように配置されることで、これら面31,32によって開口部1aの周囲を囲むと共に、排気管1の曲げ部分内における流路の内径側を閉塞する。
かかる構成の旋回流発生装置30では、排気管1内を流れる排ガスが上流側端部30aを起点に左右に分かれて導かれ(図6(c),図7の矢印X,Y参照)、下流側端部30b,30c側へと流れていく過程で、内径側辺31a,32aと連通部31c,32cとが排気管1の内壁と接触して配置される面31,32によって排気管1内における流路が狭められている(排ガスの流れが規制されている)ため、内径側から外径側へと導かれる(図6(d)の矢印Z参照)。
このように、上流側端部30aによってその両側へと分かれて流れた排ガスが、面31,32と排気管1の内壁とで囲まれた排ガスの流れを規制する領域Kを介して外径側へと導かれることで、旋回流発生装置30の上流側と下流側との圧力差による渦流が発生する。ここで、旋回流発生装置30が左右対称なV字形状であることから、排気管1の内壁に沿った互いに逆回りの双子状の旋回流(図15(a)に示すような下流側から上流側を見て左側の時計回りの旋回流Aと,右側の反時計回りの旋回流B)となる。
そして、これら双子状の旋回流が、旋回を続けつつ下流側へと導かれることにより、下流側へ向けた広い範囲に亘って旋回を持続させることが可能となる。つまり、旋回流発生装置30では、排ガス浄化装置5において排気管1の開口部1aを介して噴霧される還元剤を拡散(攪拌)させる拡散性に優れた旋回流を発生させ、且つ、その持続性の向上を図ることが可能となっている。
また、旋回流発生装置30は、上端側端部30aが屈曲されてなり、排気管1内の排ガスの流れに沿って配置されていると共に、一対の下流側端部30b,30cへと延在する面31,32の内径側に位置する各内径側辺31a,32aが排気管1の内壁面と接触するように構成されているので、排ガスの流れに対する抵抗をを抑えつつ、上流側端部30aによって左右に分かれた排ガスが、面31,32と排気管1の内壁とで囲まれた領域Kを介して双子状の旋回流となり、排気管1の内壁に沿ってスムーズに流れることとなる。よって、排ガス浄化装置5にて生じる抵抗が小さくなる。
なお、本実施形態において、旋回流発生装置30は、還元剤噴霧部(図14(a)参照)の上流側に設けられている場合について述べたが、本発明はこれに限ることはなく、旋回流発生装置30の配置位置としては、還元触媒2(図14(a)参照)よりも上流側であれば、還元剤噴霧部の下流側に設けられていてもよい。
また、本実施形態では、旋回流発生装置30が排気管1の内部に、その中心軸に関して左右対称となるように配置される場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は排気管1の中心軸を含む面に関して対称に配置されるものであれば、上下や斜め等に対称であってもよい。
以上、説明したような旋回流発生装置30によれば、排気管1内を流れる排ガスが、旋回流発生装置30の上流側端部30aによってその両側(左右)に分かれて下流側へと導かれ、その下流側端部30b,30c側へと流れていく過程で、面31,32と排気管1の内壁とで囲まれた排ガスの流れを規制する領域Kを介して外径側へと導かれながら、排気管1の内壁に沿った互いに逆回りの双子状の渦流(旋回流)として下流側へと流れるため、図8(b)にその流速を示した流れ解析結果のように、排ガス浄化装置5において噴霧される還元剤を、排気管1内の広範囲に亘って拡散(攪拌)させる拡散性に優れた左右対称の旋回流を発生させることができる。
しかも、旋回流発生装置30を構成するプレートは、外縁に位置する内径側辺31a,32aが排気管1の内壁面と接触するように湾曲して構成されると共に、上端側端部30aが排気管1内の排ガスの流れに沿って配置されているので、排ガスの流れに対する抵抗を抑えることができ、双子状の旋回流を面31,32に沿ってスムーズに流し、排ガス浄化装置5にて生じる抵抗を低減させることができる。かくして、本実施形態の旋回流発生装置30によれば、低抵抗で且つ拡散性に優れた旋回流を発生させることができる。
また、排ガス浄化装置5において噴霧される還元剤の拡散性、すなわち、旋回流となった排ガスに対する還元剤の拡散を促進させることができるため、還元触媒2(図14(a)参照)に対して還元剤をより均一な状態で供給することが可能となり、排ガス浄化性能を向上させることができる。
さらに、排ガスの流れを規制することで旋回流を発生させる構造を、V字形状のプレートによって構成することができるので、旋回流を発生させるための構成を簡素化することができる。
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態について説明する。まず、排ガス浄化装置の全体構成について説明する。図9に示すように、排ガス浄化装置100は、エンジン(図示せず)からの排ガスを排出するための排気通路に組み込まれている。この排ガス浄化装置100は、酸化触媒101と、上流側ケーシング102と、上流側キャップ部材103と、上流側接続部材104と、連通管105と、下流側接続部材106と、下流側キャップ部材107と、還元触媒108と、下流側ケーシング109とを有している。
酸化触媒101は、排ガスに含まれる窒素化合物を酸化するものであり、例えば、ガスの流れ方向に沿って無数のガス流路が形成された円柱状の担持基材と、このガス流路の表面にコーティングされたPt−Al23系触媒層とを有している。
上流側ケーシング102は、酸化触媒101を収容する筒状部材であり、本実施形態では排ガスの流れ方向に並べられた2つの酸化触媒101を収容する円形のステンレス管で構成されている。上流側ケーシング102における図中下側の端部は、エンジンからの排ガスが流入する流入部102a(上流側端部)である。この流入部102aは、エンジンからの排気管110と酸化触媒101を収容する本体部分102bとを接続する部分であり、酸化触媒101側に向けて次第に直径が拡大する漏斗形状に作製されている。一方、図中上側の端部は酸化触媒101を通った排ガスが排出される排出部102c(下流側端部)である。この排出部102cは、酸化触媒101の周囲を囲む円形状になっている。
上流側キャップ部材103および上流側接続部材104は、酸化触媒101で処理された排ガスを連通管105に導くための流路部材である。これらの部材103,104および、上流側キャップ部材103に取り付けられた旋回流発生装置としての圧力調整プレート111によって、排ガスを旋回流にして連通管105に導いている。また、上流側接続部材104には還元剤(例えば尿素水)を供給するための還元剤供給口112が設けられている。なお、上流側キャップ部材103、上流側接続部材104および、圧力調整プレート111の詳細については後述する。
連通管105は、酸化触媒101の排気下流側と還元触媒108の排気上流側の間に配設され、酸化触媒101で処理された排ガスを還元剤とともに還元触媒108側へ流すための流路部材である。本実施形態における連通管105は、上流側ケーシング102や下流側ケーシング109よりも細い直径のステンレス製円管で作製されている。この連通管105の軸線方向は、上流側ケーシング102を流れる排ガスの流れ方向に揃えられている。すなわち、この連通管105と、上流側キャップ部材103および上流側接続部材104とにより、酸化触媒101で処理された排ガスは、上流側ケーシング102の流入部102aに向けて折り返される。
下流側接続部材106および下流側キャップ部材107は、連通管105を通過した還元剤と排ガス(酸化触媒2で処理された排ガス)の混合ガスを還元触媒108に導入するための部材である。
下流側接続部材106は、還元剤供給口112が設けられていない点で相違しているが、他の構成は上流側接続部材104と同じである。下流側キャップ部材107は、圧力調整プレート111が設けられていない点で相違しているが、他の構成は上流側キャップ部材103と同じである。このため、上流側キャップ部材103、および、上流側接続部材104の説明をもってこれらの部材の説明に代えることとする。
還元触媒108は、混合ガスに含まれる窒素酸化物を還元して浄化するものであり、例えば、ガスの流れ方向に沿って無数のガス流路が形成された円柱状の担持基材と、このガス流路の表面にコーティングされたCe−Ti−SO4−Zr系触媒層とを有している。
下流側ケーシング109は、還元触媒108を収容する筒状部材であり、本実施形態では排ガスの流れ方向に並べられた2つの還元触媒108を収容する円形のステンレス管で構成されている。そして、下流側ケーシング109における図中下側の端部は、混合ガスが導入される導入部109a(上流側端部)であり、下流側キャップ部材107が被せられる。また、下流側ケーシング109における図中上側の端部は、処理後の排気ガスを放出する放出部109b(下流側端部)である。この放出部109bは、下流側(還元触媒108から遠い側)に向けて次第に直径が縮小する漏斗形状に作製されている。
次に、上流側キャップ部材103について説明する。上流側キャップ部材103は、上流側ケーシング102と上流側接続部材104との間に介在し、酸化触媒101で処理された排ガスの流れ方向をほぼ直角に曲げて上流側接続部材104へと流す。図10〜図12に示すように、この上流側キャップ部材103は、筒状部121と、天井部122と、開口筒部123とを有している。
筒状部121は、上流側ケーシング102の端部が嵌る部分であり、開放端の内径が上流側ケーシング102における排出部102cの外径に揃えられた短尺の円筒状部材で作製されている。天井部122は、筒状部121における開放端とは反対側の端部を塞ぐ円盤状部材であり、閉塞部に相当する。図11に示すように、この天井部122は、開口筒部123に近い側から遠くなるほど内部空間が浅くなるように斜めに取り付けられている。これにより、天井部122の内表面はスロープ形状に形成されている。そして、筒状部121と天井部122とによって底の浅いキャップ形状の部材が構成される。
開口筒部123は、筒状部121や天井部122と一体に設けられる部分であり、上流側接続部材104と接続されて排ガスを案内する。この開口筒部123は、端部の開口123aが、上流側ケーシング102の軸線方向(酸化触媒101を流れる排ガスの方向)と交差する側方に向くように設けられている。図10に示すように、この開口123aは、上流側ケーシング102(図9,11参照)の軸線方向に扁平な形状とされる。具体的には、長方形の短辺を外側に凸の半円(湾曲)形状に置き換えた長円形状とされる。
次に、本発明に係る第四実施形態の旋回流発生装置である圧力調整プレート111について説明する。図9〜図12に示すように、上流側キャップ部材103の内側空間には、旋回流発生装置としての圧力調整プレート111が取り付けられている。この圧力調整プレート111は、開口123aの手前に配設されており、内側空間に圧力差を生じさせるための板状部材である。本実施形態の場合、圧力調整プレート111は、ステンレス製の板材を用いて形成されている。
図13に示すように、圧力調整プレート111は、それぞれ一対の屈曲部分111aと、短尺部分111bと、長尺部分111cとを有しており、中央部111dを中心とした左右対称の略W字状に屈曲されてなる(図12参照)。下縁部分111eは、上流側キャップ部材103の装着状態において、酸化触媒101の端面に対向するので(図11参照)、直線状に形成されている。また、上縁部分111fは、天井部122や開口筒部123の内面に当接することに伴い(図11参照)、屈曲部分111aを頂部とした山形状に湾曲して形成されている(図10参照)。具体的に、屈曲部分111aについては短尺部分111bや長尺部分111cよりも高さが高くなっており、短尺部分111bおよび長尺部分111cについては、天井部122のスロープ形状にあわせ、屈曲部分111aから離れるほどに高さが低くなっている。
このような形状を有する圧力調整プレート111は、図12に示すように、長円開口123aの長手方向端部から中心側に向かう程に、この長円開口123aからの距離が遠くなるように配設されている。この圧力調整プレート111によって、上流側キャップ部材103の内部空間が、長円開口123aに近い側の第1部分103Aと、長円開口123aから遠い側の第2部分103Bとに区画されている。
このように、圧力調整プレート111が介在することで、第1部分103Aにおける排ガスの圧力が、第2部分103Bにおける排ガスの圧力よりも低くなるように、圧力差が付与される。また、第2部分103Bの排ガスの一部については、上流側ケーシング102の軸線方向における高さの高い屈曲部分111aから長尺部分111cを通り、これら長尺部分111c同士の頂部であり、その高さの低い中央部111dを回り込む経路で第1部分103Aへと流入される。
そして、第1部分103Aと第2部分103Bに圧力差を与えることで、上流側接続部材104に流入する排ガスを旋回流にすることができる。また、第2部分103Bから第1部分103Aへ流れる排ガスの経路を規制することで、排ガスを効率よく旋回流にすることができる。なお、これらの点については後述する。
次に、上流側接続部材104について説明する。図9に示すように、上流側接続部材104は、上流側キャップ部材103の長円開口123aと連通管105の上流側端部とを接続する部材である。このため、上流側接続部材104における上流側キャップ部材103との接続部分(キャップ接続部分131)は、長円状の扁平流路を内部に有する長円筒状に形成されている。一方、上流側接続部材104における連通管105との接続部分(管接続部分132)は、連通管105と同様に円筒状に形成されている。
キャップ接続部分131と管接続部分132との間には、排ガスの流路を連通管105の上流端に向けて曲げるための屈曲部分133が設けられている。この屈曲部分133の内部には、連通管105に近付く程に流路幅が狭められた狭窄流路が形成されている。この狭窄流路の断面形状は、上流側から下流側に向かうにつれて長円形状から円形状に変化する。この場合、狭窄流路の下流側端部はテーパー面になるため、狭窄流路を流れる排ガスは、このテーパー面に沿って流れることで旋回流が生じ易くなる。
また、図9および図11に示すように、屈曲部分133には還元剤供給口112が設けられている。この還元剤供給口112は、酸化触媒101で処理された後の排ガスへ還元剤を供給するためのものであり、連通管105の排気上流端を臨む位置に設けられている。例えば、図11に仮想線で示す供給ノズル134を還元剤供給口112に挿入し、上流側接続部材104を流れる排ガスに対し、この供給ノズル134を通じて還元剤を供給する。供給された還元剤は、排ガスと混ざりつつ連通管105を流れる。
以上の構成を有する排ガス浄化装置100では、エンジンからの排ガスが流入部102aから流入する。そして、排ガスに含まれる一酸化窒素が酸化触媒101によって酸化されて二酸化窒素になる。酸化触媒101で処理された排ガスは、上流側キャップ部材103および上流側接続部材104を通って連通管105に導入される。その際、排ガスは旋回流となり、上流側接続部材104の還元剤供給口112を通じて供給された還元剤と混合される。連通管105を通過した混合ガスは、下流側接続部材106および下流側キャップ部材107を通じて還元触媒108に導入される。還元触媒108は、混合ガスに含まれる二酸化窒素を窒素に還元する。還元触媒108で処理された混合ガスは、放出部109bを通じて大気に放出される。
そして、この排ガス浄化装置100では、上流側キャップ部材103の内部空間に圧力調整プレート111を配設しているので、排ガスを旋回流にして連通管105に導入させることができる。また、上流側接続部材104の内部空間を、連通管105に近付く程に流路幅を狭くするように構成しているので、この点でも排気ガスを旋回させ易くできる。以下、これらの点について説明する。
酸化触媒101を通過した排ガスは、上流側キャップ部材103の内部空間を長円開口123aに向けて流れる。また、排ガスは、圧力調整プレート111によって流れ方向を規制され、長円開口123aに対して斜め方向から多くの量が流入する。このとき、排ガスが通る流路の断面積が次第に狭くなっていくことから、酸化触媒101から長円開口123aまでの第1範囲と、上流側接続部材104に対応する第2範囲と、連通管105に対応する第3範囲に分けた場合、第1範囲の流速が最も遅く、第2範囲で加速され、第3範囲でさらに加速される。
また、圧力調整プレート111を境に、長円開口側の第1部分103Aと反対側の第2部分103Bとで大きな圧力差が生じる。このような大きな圧力差が圧力調整プレート111の近傍で生じると、流速が高められた排ガスが、圧力調整プレート111に沿って回り込むように流れる。そして、圧力調整プレート111における長円開口側の表面に排ガスが流れ込んでくると、この排ガスは、圧力調整プレート111や開口筒部123の内表面等に沿って多く流れる。その結果、排ガスは旋回流となって、上流側接続部材104の狭窄流路および連通管105の内部を流れる。その際、排ガスは、狭窄流路にてテーパー面に沿って流れるため、旋回流をさらに強めることができる。
このように、本実施形態の旋回流発生装置である圧力調整プレート111では、排ガス浄化装置100において、連通管105を流れる排ガスに旋回流を発生させることができるので、還元剤供給口112を通じて供給された還元剤を、排ガスに対して拡散させた状態(より均質に近い状態)で混合することができる。その結果、還元触媒108で二酸化窒素を窒素に還元する際の反応性を高めることができ、排ガスの浄化性能を高めることができる。
以上説明したように、本実施形態の旋回流発生装置である圧力調整プレート111によれば、排ガス浄化装置100において、上流側キャップ部材103の内側空間における開口123aの手前に配置されることで、開口側の空間と反対側の空間との間に圧力差を生じさせるので、この圧力差を利用して開口付近における排気ガスに旋回流を生じさせることができる。すなわち、旋回流を発生させるための構成を簡素化することができる。
また、この圧力調整プレート111では、排ガス浄化装置100において扁平な長円開口123aの長手方向一端側から他端側へ向かう程に、長円開口123aからの距離が遠くなるように配設されているので、長円開口123aに向かう排気ガスの流れ方向を、圧力調整プレート111によって規制することができる。その結果、旋回流を生じさせ易くすることができる。
加えて、開口筒部123と連通管105との間に、狭窄流路を形成する上流側接続部材104を設けているので、狭窄流路を通ることによっても旋回流を発生させ易くすることができる。
さらに、還元剤供給口112は、連通管105の排気上流端を臨む位置に設けられているので、旋回流となった排気ガスに対して還元剤を供給することができる。
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。例えば、次のように構成してもよい。
圧力調整プレート111に関し、前述の実施形態では、屈曲部分111aが長円開口123aの近傍位置に配置されていたが、この形状に限定されるものではない。例えば、屈曲部分111aを前述の実施形態よりも長円開口123aから遠い側に配置してもよい。要するに、圧力調整プレート111に関しては、上流側キャップ部材103の内側空間に圧力差を生じさせる板状部材であればよい。
また、上流側キャップ部材103が有する開口筒部123に関し、前述の実施形態における開口筒部123は、扁平な長円開口123aを区画するものであったが、矩形開口や六角形開口としてもよい。要するに扁平な開口であればよい。
さらに、還元剤に関し、前述の実施形態では、還元剤として尿素水溶液が用いられていたが、これに限定されることはない。例えば、アンモニア水溶液であってもよい。し、炭化水素を主成分とする軽油を用いてもよい。
1,11…排気管
2,108…還元触媒
3,134…還元剤噴霧ノズル
5,100…排ガス浄化装置
10,20,30…旋回流発生装置
10a,20a,30a…上流側端部
10b,10c,20b,20c,30b,30c…下流側端部
10d,10e…上辺
21,22,31,32…面
21a,22a,31b,32b…外径側辺
21b,21b,31a,32a…内径側辺
31c,32c…連通部
K…領域
101…酸化触媒
102…上流側ケーシング
102a…流入部
102b…本体部分
102c…排出部
103…上流側キャップ部材
103A…第1部分
103B…第2部分
104…上流側接続部材
105…連通管
106…下流側接続部材
107…下流側キャップ部材
108…還元触媒
109…下流側ケーシング
109a…導入部
109b…放出部
111…圧力調整プレート(旋回流発生装置)
111a…屈曲部分
111b…短尺部分
111c…長尺部分
111d…中央部
111e…下縁部分
111f…上縁部分
112…還元剤供給口
121…筒状部
122…天井部(閉塞部)
123…開口筒部
123a…長円開口(端部開口)
131…上流側接続部材のキャップ接続部分
132…上流側接続部材の管接続部分
133…上流側接続部材の屈曲部分
134…供給ノズル

Claims (6)

  1. 排ガスが流れる排気管と、前記排気管内に設けられ前記排ガスに含まれる窒素酸化物を還元浄化する還元触媒と、前記還元触媒の上流側を流れる前記排ガスに還元剤を噴射供給する還元剤供給手段と、を備える排ガス浄化装置において、前記排気管内における前記還元触媒より上流側に配置され、前記排ガスに旋回流を発生させる旋回流発生装置であって、
    前記排気管内に、前記排気管の中心軸を含む面に関して対称に配置され、前記中心軸に対して直交する方向における前記排気管の断面積の少なくとも40%を閉塞するプレートからなる
    ことを特徴とする旋回流発生装置。
  2. 前記プレートは、上流側端部が屈曲されてなり、一対の下流側端部に向けて広がったV字形状をなしてなることを特徴とする請求項1に記載の旋回流発生装置。
  3. 前記プレートは、前記上流側端部から前記下流側端部に向けた左右一対の面の各々少なくとも上下いずれか一方の辺が、前記排気管の内壁に沿って湾曲してなる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の旋回流発生装置。
  4. 前記プレートは、前記排気管が曲げられた部位における当該排気管内の外径側または内径側の内壁面に沿って配置される
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の旋回流発生装置。
  5. 前記排ガス浄化装置は、
    一端部が前記排気管の上流側に嵌る筒状部と、
    前記筒状部の他端部を塞ぐ閉塞部を有するキャップ形状をなし、前記排ガスを前記排気管の下流側に配置された前記還元触媒へ流すための開口を側方に向けて開設したキャップ部材と、を更に備え、
    前記プレートは、前記キャップ部材の内側空間における前記開口の手前に配設される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の旋回流発生装置。
  6. 前記開口は、前記排ガスの流れ方向に扁平な形状であり、
    前記プレートは、上流側端部が屈曲されてなり、前記開口の長手方向両端側に向かって広がった一対の下流側端部が配置される
    ことを特徴とする請求項5に記載の排気ガス浄化装置。
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