JP2018114736A - 液体吐出装置および液体吐出装置の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】気体流路を減圧から加圧に移行する際の圧力変化の応答性を維持しつつ、減圧の際には減圧の状態が維持され易くする。【解決手段】液体を吐出するノズルに連通する液体流路と、液体流路の一部を減圧して液体から気泡を取り除くための減圧脱泡室と、減圧脱泡室に連通する気体流路と、気体流路に連通する加圧室と、気体流路を介して減圧脱泡室と加圧室とに連通するポンプと、気体流路から分岐して連通し、ポンプによって減圧されるバッファー室と、を備える液体吐出装置。【選択図】図4
Description
本発明は、インク等の液体を吐出する技術に関する。
ノズルからインク等の液体を吐出する液体吐出装置では、液体を流通させる液体流路の他に、弁などの駆動用の気体を流通させる気体流路を備え、その気体流路が加圧室と減圧室とで兼用される場合がある。例えば特許文献1では、液体流路を減圧して気泡を取り除く減圧脱泡室と、ダイヤフラムが設けられた加圧室と、これら加圧室および減圧脱泡室(減圧室)に連通する気体流路とを備える。気体流路はポンプに連通しているので、気体流路をポンプで減圧すれば、減圧脱泡室が減圧されて、液体流路を流通する液体から気泡を取り除くことができる。また気体流路をポンプで加圧すれば、加圧室が加圧されてダイヤフラムを駆動することができる。
しかしながら、特許文献1のように加圧室と減圧脱泡室とで気体流路を兼用する構成では、減圧から加圧に移行する際に、気体流路の体積を大きくするほど、加圧の到達目標圧力に達するまでに時間がかかり、圧力変化の応答性が低下してしまう。気体流路の体積を小さくすれば、減圧から加圧に移行する際の圧力変化の応答性の低下を抑制できるが、気体流路の体積を小さくすると、減圧を行う際に減圧の状態が維持され難くなってしまう。以上の事情を考慮して、本発明は、気体流路を減圧から加圧に移行する際の圧力変化の応答性を維持しつつ、減圧の際には減圧の状態が維持され易くすることを目的とする。
[態様1]
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様1)に係る液体吐出装置は、液体を吐出するノズルに連通する液体流路と、液体流路の一部を減圧して液体から気泡を取り除くための減圧脱泡室と、減圧脱泡室に連通する気体流路と、気体流路に連通する加圧室と、気体流路を介して減圧脱泡室と加圧室とに連通するポンプと、気体流路から分岐して連通し、ポンプによって減圧されるバッファー室と、を備える。以上の態様によれば、気体流路に連通するバッファー室がポンプによって減圧されるので、減圧の際にはバッファー室の分だけ気体流路の体積を大きくしたのと同様の減圧効果が得られる。したがって、バッファー室がない場合に比較して、気体流路Aの減圧の際、減圧脱泡室の減圧によって気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、バッファー室は気体流路から分岐して連通するので、ポンプによって減圧から加圧に移行する際には、例えばバッファー室までの流路を遮断したり、流路抵抗を高めたりすることで、バッファー室が圧力変化の影響を受け難くすることができる。したがって、気体流路を減圧から加圧へ移行する際の圧力変化の応答性を維持しつつ、減圧の際には減圧の状態が維持され易くすることができる。
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様1)に係る液体吐出装置は、液体を吐出するノズルに連通する液体流路と、液体流路の一部を減圧して液体から気泡を取り除くための減圧脱泡室と、減圧脱泡室に連通する気体流路と、気体流路に連通する加圧室と、気体流路を介して減圧脱泡室と加圧室とに連通するポンプと、気体流路から分岐して連通し、ポンプによって減圧されるバッファー室と、を備える。以上の態様によれば、気体流路に連通するバッファー室がポンプによって減圧されるので、減圧の際にはバッファー室の分だけ気体流路の体積を大きくしたのと同様の減圧効果が得られる。したがって、バッファー室がない場合に比較して、気体流路Aの減圧の際、減圧脱泡室の減圧によって気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、バッファー室は気体流路から分岐して連通するので、ポンプによって減圧から加圧に移行する際には、例えばバッファー室までの流路を遮断したり、流路抵抗を高めたりすることで、バッファー室が圧力変化の影響を受け難くすることができる。したがって、気体流路を減圧から加圧へ移行する際の圧力変化の応答性を維持しつつ、減圧の際には減圧の状態が維持され易くすることができる。
[態様2]
態様1の好適例(態様2)において、気体流路とバッファー室との間に設けられ、気体流路とバッファー室との間を連通または遮断する弁を備える。以上の態様によれば、ポンプによる減圧の際には、弁によって気体流路とバッファー室との間を連通することで、バッファー室の分だけ気体流路の体積を大きくしたのと同様の減圧効果が得られる。したがって、バッファー室がない場合に比較して、気体流路Aの減圧の際、減圧脱泡室の減圧によって気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、ポンプによって減圧から加圧に移行する際には、弁によって気体流路とバッファー室との間を遮断することで、バッファー室を加圧しなくてよくなる。したがって、減圧から加圧に移行する際には、バッファー室が圧力変化の影響を受けなくすることができるので、圧力変化の応答性を維持することができる。また、本態様では、弁によって気体流路とバッファー室との間を連通または遮断することができるので、1つのポンプを気体流路の減圧用と加圧用として用いることができる。
態様1の好適例(態様2)において、気体流路とバッファー室との間に設けられ、気体流路とバッファー室との間を連通または遮断する弁を備える。以上の態様によれば、ポンプによる減圧の際には、弁によって気体流路とバッファー室との間を連通することで、バッファー室の分だけ気体流路の体積を大きくしたのと同様の減圧効果が得られる。したがって、バッファー室がない場合に比較して、気体流路Aの減圧の際、減圧脱泡室の減圧によって気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、ポンプによって減圧から加圧に移行する際には、弁によって気体流路とバッファー室との間を遮断することで、バッファー室を加圧しなくてよくなる。したがって、減圧から加圧に移行する際には、バッファー室が圧力変化の影響を受けなくすることができるので、圧力変化の応答性を維持することができる。また、本態様では、弁によって気体流路とバッファー室との間を連通または遮断することができるので、1つのポンプを気体流路の減圧用と加圧用として用いることができる。
[態様3]
態様1の好適例(態様3)において、気体流路とバッファー室との間に設けられ、気体流路とバッファー室との間を仕切る気体透過膜を備える。以上の態様によれば、気体透過膜を介して気体流路とバッファー室とが連通しているので、ポンプによる減圧の際に、バッファー室の分だけ気体流路の体積を大きくしたのと同様の減圧効果を得られる。このため、減圧脱泡室の減圧による気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、ポンプによって減圧から加圧に移行する際には、気体透過膜によって気体流路からバッファー室に気体が移動する速度を低下させることができるので、バッファー室が圧力変化の影響を受け難くすることができる。したがって、減圧から加圧に移行する際には、気体流路とバッファー室との間を連通または遮断する弁を設けなくても、圧力変化の応答性を維持できる。このような本態様によれば、例えば短時間の加圧に対してはバッファー室への気体の移動を抑制できるので圧力変化の応答性を維持することができ、長時間の減圧に対しては負圧の状態を長く維持することができる。
態様1の好適例(態様3)において、気体流路とバッファー室との間に設けられ、気体流路とバッファー室との間を仕切る気体透過膜を備える。以上の態様によれば、気体透過膜を介して気体流路とバッファー室とが連通しているので、ポンプによる減圧の際に、バッファー室の分だけ気体流路の体積を大きくしたのと同様の減圧効果を得られる。このため、減圧脱泡室の減圧による気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、ポンプによって減圧から加圧に移行する際には、気体透過膜によって気体流路からバッファー室に気体が移動する速度を低下させることができるので、バッファー室が圧力変化の影響を受け難くすることができる。したがって、減圧から加圧に移行する際には、気体流路とバッファー室との間を連通または遮断する弁を設けなくても、圧力変化の応答性を維持できる。このような本態様によれば、例えば短時間の加圧に対してはバッファー室への気体の移動を抑制できるので圧力変化の応答性を維持することができ、長時間の減圧に対しては負圧の状態を長く維持することができる。
[態様4]
態様3の好適例(態様4)において、気体流路とバッファー室との間を連通または遮断する弁を備え、バッファー室の一端と他端が別々に気体流路に連通し、バッファー室の一端は、気体透過膜を介して気体流路に連通し、バッファー室の他端は、弁を介して気体流路に連通する。以上の態様によれば、ポンプによる減圧の際には、弁によって気体流路とバッファー室との間を連通することで、気体流路を減圧する際の圧力変化の応答性を維持することができる。また、気体流路とバッファー室との間を弁により遮断しても、気体透過膜を介して気体流路とバッファー室とが連通しているので、バッファー室の分だけ気体流路の体積を大きくしたのと同様の減圧効果を得られる。このため、バッファー室がない場合に比較して、減圧脱泡室の減圧による気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、ポンプによって減圧から加圧に移行する際には、弁によって気体流路とバッファー室との間を遮断することで、バッファー室を加圧しなくてよくなる。さらに気体透過膜によって気体流路からバッファー室に気体が移動する速度を低下させることもできるので、バッファー室が圧力変化の影響を受け難くできる。したがって、気体透過膜と弁の一方だけを備える場合に比較して、減圧から加圧に移行する際の圧力変化の応答性を維持できる。また、本態様では、弁によって気体流路とバッファー室との間を連通または遮断できるので、1つのポンプを減圧用と加圧用として用いることができる。
態様3の好適例(態様4)において、気体流路とバッファー室との間を連通または遮断する弁を備え、バッファー室の一端と他端が別々に気体流路に連通し、バッファー室の一端は、気体透過膜を介して気体流路に連通し、バッファー室の他端は、弁を介して気体流路に連通する。以上の態様によれば、ポンプによる減圧の際には、弁によって気体流路とバッファー室との間を連通することで、気体流路を減圧する際の圧力変化の応答性を維持することができる。また、気体流路とバッファー室との間を弁により遮断しても、気体透過膜を介して気体流路とバッファー室とが連通しているので、バッファー室の分だけ気体流路の体積を大きくしたのと同様の減圧効果を得られる。このため、バッファー室がない場合に比較して、減圧脱泡室の減圧による気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、ポンプによって減圧から加圧に移行する際には、弁によって気体流路とバッファー室との間を遮断することで、バッファー室を加圧しなくてよくなる。さらに気体透過膜によって気体流路からバッファー室に気体が移動する速度を低下させることもできるので、バッファー室が圧力変化の影響を受け難くできる。したがって、気体透過膜と弁の一方だけを備える場合に比較して、減圧から加圧に移行する際の圧力変化の応答性を維持できる。また、本態様では、弁によって気体流路とバッファー室との間を連通または遮断できるので、1つのポンプを減圧用と加圧用として用いることができる。
[態様5]
態様1から態様4の何れかの好適例(態様5)において、ポンプは、第1ポンプと第2ポンプとを含み、第1ポンプは、バッファー室を介さずに気体流路に連通し、第2ポンプは、バッファー室を介して気体流路に連通する。以上の態様によれば、第1ポンプはバッファー室を介さずに気体流路に連通し、第2ポンプはバッファー室を介して気体流路に連通するから、例えば第2ポンプでバッファー室を減圧し、第1ポンプで気体流路を減圧することができる。したがって、1つのポンプでバッファー室と気体流路を減圧させる場合に比較して、各ポンプの負担を減らすことができるので、各ポンプの構成を簡素化できる。
態様1から態様4の何れかの好適例(態様5)において、ポンプは、第1ポンプと第2ポンプとを含み、第1ポンプは、バッファー室を介さずに気体流路に連通し、第2ポンプは、バッファー室を介して気体流路に連通する。以上の態様によれば、第1ポンプはバッファー室を介さずに気体流路に連通し、第2ポンプはバッファー室を介して気体流路に連通するから、例えば第2ポンプでバッファー室を減圧し、第1ポンプで気体流路を減圧することができる。したがって、1つのポンプでバッファー室と気体流路を減圧させる場合に比較して、各ポンプの負担を減らすことができるので、各ポンプの構成を簡素化できる。
[態様6]
態様5の好適例(態様6)において、第1ポンプで加圧し、第2ポンプで減圧する。以上の態様によれば、第1ポンプで加圧し、第2ポンプで減圧するから、1つのポンプで加圧と減圧を行う場合に比較して、ポンプの構成を簡素化できる。また、加圧用の第1ポンプと減圧用の第2ポンプを設けることで、加圧と減圧を別々に行うことができるので、気体流路において加圧と減圧の両方の状態を維持し易い。
態様5の好適例(態様6)において、第1ポンプで加圧し、第2ポンプで減圧する。以上の態様によれば、第1ポンプで加圧し、第2ポンプで減圧するから、1つのポンプで加圧と減圧を行う場合に比較して、ポンプの構成を簡素化できる。また、加圧用の第1ポンプと減圧用の第2ポンプを設けることで、加圧と減圧を別々に行うことができるので、気体流路において加圧と減圧の両方の状態を維持し易い。
[態様7]
態様1から請求項6の好適例(態様7)において、装置本体を備え、バッファー室は、装置本体内に配置される。以上の態様によれば、液体吐出装置の装置本体内(例えば脚部内の空間などの空きスペース)にバッファー室を配置することで、バッファー室を大型化することができる。
態様1から請求項6の好適例(態様7)において、装置本体を備え、バッファー室は、装置本体内に配置される。以上の態様によれば、液体吐出装置の装置本体内(例えば脚部内の空間などの空きスペース)にバッファー室を配置することで、バッファー室を大型化することができる。
[態様8]
本発明の好適な態様(態様8)に係る液体吐出装置の駆動方法は、液体吐出装置の駆動方法であって、液体吐出装置は、液体を吐出するノズルに連通する液体流路と、液体流路の一部を減圧して液体から気泡を取り除くための減圧脱泡室と、減圧脱泡室に連通する気体流路と、気体流路に連通する加圧室と、気体流路を介して減圧脱泡室と加圧室とに連通するポンプと、気体流路から分岐して連通し、気体流路の減圧によって減圧されるバッファー室と、気体流路とバッファー室との間に設けられ、気体流路とバッファー室との間を連通または遮断する弁と、を備え、弁で気体流路とバッファー室との間を連通して、ポンプによる減圧を行い、弁で気体流路とバッファー室との間を遮断して、ポンプによる加圧を行う。以上の態様によれば、弁で気体流路とバッファー室との間を連通して、ポンプによる減圧を行うことで、バッファー室の分だけ気体流路の体積を大きくしたのと同様の減圧効果が得られる。したがって、バッファー室がない場合に比較して、気体流路Aの減圧の際、減圧脱泡室の減圧による気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、弁で気体流路とバッファー室との間を遮断して、ポンプによる加圧を行うことで、ポンプによって減圧から加圧に移行する際には、バッファー室を加圧しなくてよくなる。したがって、減圧から加圧に移行する際には、バッファー室が圧力変化の影響を受けなくすることができるので、圧力変化の応答性を維持できる。
本発明の好適な態様(態様8)に係る液体吐出装置の駆動方法は、液体吐出装置の駆動方法であって、液体吐出装置は、液体を吐出するノズルに連通する液体流路と、液体流路の一部を減圧して液体から気泡を取り除くための減圧脱泡室と、減圧脱泡室に連通する気体流路と、気体流路に連通する加圧室と、気体流路を介して減圧脱泡室と加圧室とに連通するポンプと、気体流路から分岐して連通し、気体流路の減圧によって減圧されるバッファー室と、気体流路とバッファー室との間に設けられ、気体流路とバッファー室との間を連通または遮断する弁と、を備え、弁で気体流路とバッファー室との間を連通して、ポンプによる減圧を行い、弁で気体流路とバッファー室との間を遮断して、ポンプによる加圧を行う。以上の態様によれば、弁で気体流路とバッファー室との間を連通して、ポンプによる減圧を行うことで、バッファー室の分だけ気体流路の体積を大きくしたのと同様の減圧効果が得られる。したがって、バッファー室がない場合に比較して、気体流路Aの減圧の際、減圧脱泡室の減圧による気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、弁で気体流路とバッファー室との間を遮断して、ポンプによる加圧を行うことで、ポンプによって減圧から加圧に移行する際には、バッファー室を加圧しなくてよくなる。したがって、減圧から加圧に移行する際には、バッファー室が圧力変化の影響を受けなくすることができるので、圧力変化の応答性を維持できる。
[態様9]
本発明の好適な態様(態様9)に係る液体吐出装置の駆動方法は、液体吐出装置の駆動方法であって、液体吐出装置は、液体を吐出するノズルに連通する液体流路と、液体流路の一部を減圧して液体から気泡を取り除くための減圧脱泡室と、減圧脱泡室に連通する気体流路と、気体流路に連通する加圧室と、気体流路を介して減圧脱泡室と加圧室とに連通するポンプと、気体流路から分岐して連通し、気体流路の減圧によって減圧されるバッファー室と、気体流路とバッファー室との間に設けられ、気体流路とバッファー室との間を閉塞する気体透過膜と、を備え、ポンプは、バッファー室を介さずに気体流路に連通する第1ポンプとバッファー室を介して気体流路に連通する第2ポンプとを含み、第2ポンプで減圧し、第1ポンプで加圧する。以上の態様によれば、気体透過膜を介して気体流路とバッファー室とが連通しているので、第2ポンプによる減圧の際に、バッファー室の分だけ気体流路の体積を大きくしたのと同様の減圧効果を得られる。このため、減圧脱泡室での気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、第1ポンプによる加圧の際には、気体透過膜によって気体流路からバッファー室に気体が移動する速度を低下させることができるので、バッファー室が圧力変化の影響を受け難くすることができる。したがって、減圧から加圧に移行する際には、気体流路とバッファー室との間を連通または遮断する弁を設けなくても、圧力変化の応答性を維持できる。
本発明の好適な態様(態様9)に係る液体吐出装置の駆動方法は、液体吐出装置の駆動方法であって、液体吐出装置は、液体を吐出するノズルに連通する液体流路と、液体流路の一部を減圧して液体から気泡を取り除くための減圧脱泡室と、減圧脱泡室に連通する気体流路と、気体流路に連通する加圧室と、気体流路を介して減圧脱泡室と加圧室とに連通するポンプと、気体流路から分岐して連通し、気体流路の減圧によって減圧されるバッファー室と、気体流路とバッファー室との間に設けられ、気体流路とバッファー室との間を閉塞する気体透過膜と、を備え、ポンプは、バッファー室を介さずに気体流路に連通する第1ポンプとバッファー室を介して気体流路に連通する第2ポンプとを含み、第2ポンプで減圧し、第1ポンプで加圧する。以上の態様によれば、気体透過膜を介して気体流路とバッファー室とが連通しているので、第2ポンプによる減圧の際に、バッファー室の分だけ気体流路の体積を大きくしたのと同様の減圧効果を得られる。このため、減圧脱泡室での気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、第1ポンプによる加圧の際には、気体透過膜によって気体流路からバッファー室に気体が移動する速度を低下させることができるので、バッファー室が圧力変化の影響を受け難くすることができる。したがって、減圧から加圧に移行する際には、気体流路とバッファー室との間を連通または遮断する弁を設けなくても、圧力変化の応答性を維持できる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置10の部分的な構成図である。第1実施形態の液体吐出装置10は、液体の例示であるインクを印刷用紙等の媒体11に吐出するインクジェット方式の印刷装置である。図1に示す液体吐出装置10は、脚部104を有する略箱状の装置本体102を備える。脚部104は、装置本体102の底部に設けられ、装置本体102を支持する。図1では、液体吐出装置10の左右に2つの脚部104を備える場合を例示したが、液体吐出装置10の4つの角部にそれぞれ1つずつ合計4つの脚部104を備えるようにしてもよい。装置本体102内には、制御装置12と搬送機構15とキャリッジ18と液体吐出ヘッド20とが配置される。装置本体102には、インクを貯留する液体容器14が装着される。
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置10の部分的な構成図である。第1実施形態の液体吐出装置10は、液体の例示であるインクを印刷用紙等の媒体11に吐出するインクジェット方式の印刷装置である。図1に示す液体吐出装置10は、脚部104を有する略箱状の装置本体102を備える。脚部104は、装置本体102の底部に設けられ、装置本体102を支持する。図1では、液体吐出装置10の左右に2つの脚部104を備える場合を例示したが、液体吐出装置10の4つの角部にそれぞれ1つずつ合計4つの脚部104を備えるようにしてもよい。装置本体102内には、制御装置12と搬送機構15とキャリッジ18と液体吐出ヘッド20とが配置される。装置本体102には、インクを貯留する液体容器14が装着される。
液体容器14は、液体吐出装置10の本体に着脱可能な箱状の容器からなるインクタンクタイプのカートリッジである。なお、液体容器14は、箱状の容器に限られず、袋状の容器からなるインクパックタイプのカートリッジであってもよい。液体容器14には、インクが貯留される。インクは、黒色インクであってもよく、カラーインクであってもよい。液体容器14に貯留されるインクは、液体吐出ヘッド20に圧送される。
制御装置12は、液体吐出装置10の各要素を統括的に制御する。搬送機構15は、制御装置12による制御のもとで媒体11をY方向に搬送する。液体吐出ヘッド20は、液体容器14から供給されるインクを制御装置12による制御のもとで複数のノズルNの各々から媒体11に吐出する。
液体吐出ヘッド20はキャリッジ18に搭載される。図1では、キャリッジ18に1つの液体吐出ヘッド20を搭載した場合を例示したが、これに限られず、キャリッジ18に複数の液体吐出ヘッド20を搭載してもよい。制御装置12は、Y方向に交差(図1では直交)するX方向にキャリッジ18を往復させる。媒体11の搬送とキャリッジ18の往復との反復に並行して液体吐出ヘッド20が媒体11にインクを吐出することで媒体11の表面に所望の画像が形成される。なお、キャリッジ18には、複数の液体吐出ヘッド20を搭載してもよい。X−Y平面(媒体11の表面に平行な平面)に垂直な方向をZ方向と表記する。
図2は、液体吐出ヘッド20の分解斜視図である。図3は、図2に示す液体吐出ヘッド20のIII−III断面図である。図2および図3に示すように、液体吐出ヘッド20は、弁機構ユニット41と流路ユニット42と液体吐出部44と流路部品46とを備える。液体吐出部44は、複数のノズルNからインクを吐出する。流路ユニット42は、弁機構ユニット41を経由したインクを液体吐出部44に供給する液体流路Dが内部に形成された構造体である。液体吐出部44は、液体容器14から流路部品46および流路ユニット42を介して供給されるインクを媒体11に吐出する。弁機構ユニット41は、流路部品46から供給されるインクの液体流路Dの開閉を制御する後述の開閉弁Bを内包する。弁機構ユニット41は、流路ユニット42に、その側面からX方向に張り出すように設置される。他方、流路部品46は、流路ユニット42の側面に対向するように設置される。流路部品46の上面と弁機構ユニット41の底面とは、Z方向に相互に間隔をあけて対向する。流路部品46内の液体流路Dと弁機構ユニット41内の液体流路Dとは相互に連通する。
液体吐出部44は、圧力室基板482と振動板483と圧電素子484と筐体部485と封止体486とが流路基板481の一方側に配置されるとともに、他方側にノズル板487および緩衝板488が配置された構造体である。流路基板481と圧力室基板482とノズル板487とは例えばシリコンの平板材で形成され、筐体部485は例えば樹脂材料の射出成形で形成される。複数のノズルNはノズル板487に形成される。ノズル板487のうち流路基板481とは反対側の表面が吐出面(液体吐出部44のうち媒体11との対向面)に相当する。
複数のノズルNは、第1ノズル列L1と第2ノズル列L2とに区分される。第1ノズル列L1および第2ノズル列L2の各々は、Y方向に沿って配列された複数のノズルNの集合である。第1ノズル列L1と第2ノズル列L2とは、X方向に相互に間隔をあけて並列する。なお、第1ノズル列L1の各ノズルNと第2ノズル列L2の各ノズルNとでY方向の位置を相違させること(いわゆる千鳥配置またはスタガ配置)も可能である。
図3に示すように、本実施形態の液体吐出部44は、第1ノズル列L1に対応する構造(図3の左側部分)と第2ノズル列L2に対応する構造(図3の右側部分)とが、X方向の仮想線O−Oに対して略線対称に形成され、両構造は実質的に共通する。このため、以下では、主に第1ノズル列L1に対応する構造(図3の仮想線O−Oよりも左側部分)に着目して説明する。
流路基板481には、開口部481Aと分岐流路(絞り流路)481Bと連通流路481Cとが形成される。分岐流路481Bおよび連通流路481CはノズルN毎に形成された貫通孔であり、開口部481Aは複数のノズルNにわたり連続する開口である。緩衝板488は、流路基板481のうち圧力室基板482とは反対側の表面に設置されて開口部481Aを閉塞する平板材(コンプライアンス基板)である。開口部481A内の圧力変動は緩衝板488により吸収される。
筐体部485には、流路基板481の開口部481Aに連通する共通液室(リザーバー)SRが形成される。図3の左側の共通液室SRは、第1ノズル列L1を構成する複数のノズルNに供給されるインクを貯留する空間であり、これら複数のノズルNにわたり連続する。図3の右側の共通液室SRは、第2ノズル列L2を構成する複数のノズルNに供給されるインクを貯留する空間であり、これら複数のノズルNにわたり連続する。各共通液室SRには、上流側から供給されるインクが流入する流入口Rinが形成される。
圧力室基板482にはノズルN毎に開口部482Aが形成される。振動板483は、圧力室基板482のうち流路基板481とは反対側の表面に設置された弾性変形可能な平板材である。圧力室基板482の各開口部482Aの内側で振動板483と流路基板481とに挟まれた空間は、共通液室SRから分岐流路481Bを介して供給されるインクが充填される圧力室(キャビティ)SCとして機能する。各圧力室SCは、流路基板481の連通流路481Cを介してノズルNに連通する。
振動板483のうち圧力室基板482とは反対側の表面にはノズルN毎に圧電素子484が形成される。各圧電素子484は、相互に対向する電極間に圧電体を介在させた駆動素子である。駆動信号の供給により圧電素子484が変形することで振動板483が振動すると、圧力室SC内の圧力が変動して圧力室SC内のインクがノズルNから吐出される。封止体486は、複数の圧電素子484を保護する。なお、圧電素子484は、不図示のフレキシブルプリントケーブル(FPC:Flexible Printed Circuit)やチップオンフィルム(COF:Chip On Film)などを経由して制御装置12に接続される。
弁機構ユニット41と流路ユニット42とは、液体流路Dと気体流路Aを備えた流路構造体として機能する。液体流路Dは、ノズルNに連通する流路である。気体流路Aは、液体流路Dの開閉弁Bの制御を行う加圧室RCと、気体透過膜MA、MB、MCを介して液体流路Dの脱泡(インクから気泡を取り除く動作)を行う減圧脱泡室Qに連通する。
先ず、開閉弁Bと加圧室RCについて説明する。弁機構ユニット41の内部には、液体流路Dの一部を構成する上流側流路R1と下流側流路R2と、気体流路Aに連通する加圧室RCとが形成される。上流側流路R1は、流路部品46を介して液体圧送機構16に接続される。液体圧送機構16は、液体容器14に貯留されたインクを加圧状態で液体吐出ヘッド20に供給(すなわち圧送)する機構である。上流側流路R1と下流側流路R2との間には開閉弁Bが設置され、下流側流路R2と加圧室RCとの間には可撓膜71が介在する。
開閉弁Bは、液体吐出部44にインクを供給する液体流路Dを開閉する弁機構である。開閉弁Bは、弁体Vを備える。弁体Vは、上流側流路R1と下流側流路R2との間に設けられ、上流側流路R1と下流側流路R2とを連通(開状態)または遮断(閉状態)する。弁体Vには、上流側流路R1と下流側流路R2とが遮断される方向に付勢するバネSpが設けられている。したがって、弁体Vに力が作用していないときには、上流側流路R1と下流側流路R2とが遮断される。他方、バネSpの付勢力に抗して弁体Vに力がかかってZ方向の正側に移動することで、上流側流路R1と下流側流路R2とが連通する。
加圧室RCには袋状体73が設置される。袋状体73は、ゴム等の弾性材料で形成された袋状の部材である。袋状体73は、気体流路Aの加圧により膨張するとともに減圧により収縮する。袋状体73は、流路部品46内の気体流路Aを介して圧力調整機構50に接続される。本実施形態の圧力調整機構50は、気体流路Aの加圧と減圧を行うポンプ(例えば後述する図4のポンプP)を備える。ポンプは、加圧用と減圧用とを兼用する1つのポンプで構成してもよく、加圧用のポンプと減圧用のポンプなどのように複数のポンプで構成してもよい。ポンプは、制御装置12からの指示に応じて複数のシーケンスから選択されたシーケンスにより駆動される。複数のシーケンスには、気体流路Aに空気を供給する加圧シーケンスと、気体流路Aから空気を吸引する減圧シーケンスとが含まれる。加圧シーケンスによって気体流路Aが加圧(空気が供給)されることで袋状体73は膨張し、減圧シーケンスによって気体流路Aが減圧(空気が吸引)されることで袋状体73は収縮する。なお、圧力調整機構50の具体的な構成については後述する。
袋状体73が収縮した状態では、下流側流路R2内の圧力が所定の範囲内に維持されている場合には、弁体VがバネSpに付勢されて上方(Z方向の負側)に押しつけられ、上流側流路R1と下流側流路R2とが遮断される。他方、液体吐出部44によるインクの吐出や外部からの吸引に起因して下流側流路R2内の圧力が所定の閾値を下回る数値まで低下すると、弁体VがバネSpによる付勢力に対抗して下方(Z方向の正側)に移動し、上流側流路R1と下流側流路R2とが連通される。また、圧力調整機構50による加圧で袋状体73が膨張すると、袋状体73による押圧によって、バネSpの付勢力に抗して可撓膜71が弁体Vを押し下げて、Z方向の正側に移動する。したがって、可撓膜71による押圧により弁体Vが移動して開閉弁Bが開放される。すなわち、下流側流路R2内の圧力の高低に関わらず、圧力調整機構50による加圧で強制的に開閉弁Bを開放することが可能である。圧力調整機構50による加圧で強制的に可撓膜71を可動して開閉弁Bを開放するのは、例えば液体吐出ヘッド20に最初にインクを充填(以下「初期充填」という)する場合、クリーニングの際にノズルNからインクを排出する場合が挙げられる。
次に、気体透過膜MA、MB、MCと減圧脱泡室Qについて説明する。流路ユニット42には、鉛直空間RVに連通するフィルター室RFと減圧脱泡室Qとが形成されている。減圧脱泡室Qは、液体流路Dの一部を減圧してインクから気泡を取り除くための空間である。減圧脱泡室Qは、インクから取り除かれた気泡(気体)が一時的に滞留する脱泡空間として機能する。なお、減圧脱泡室Qは、互いに連通する減圧室と脱泡室との2つの空間に分けて構成し、減圧室と脱泡室との連通部分に開閉弁または逆止弁を設けるようにしてもよい。
フィルター室RFには、フィルターFが設けられている。フィルターFは、液体吐出部44に液体流路Dを横断するように設置され、インクに混入した気泡や異物を捕集する。具体的には、フィルターFは、空間RF1と空間RF2とを仕切るように設置される。上流側の空間RF1は弁機構ユニット41の下流側流路R2に連通し、下流側の空間RF2は鉛直空間RVに連通する。
鉛直空間RVは、インクを一時的に貯留するための空間である。鉛直空間RVには、フィルターFを通過したインクが空間RF2から流入する流入口Vinと、インクがノズルN側に流出する流出口Voutとが形成される。流入口Vinは、流出口Voutと比較して鉛直方向の上方(Z方向の負側)に位置する。このような構成によれば、空間RF2内のインクは、流入口Vinを介して鉛直空間RVに流入し、鉛直空間RV内のインクは流出口Voutを介して共通液室SRに流入する。共通液室SRに流入したインクは、開口部481Aを経由して各圧力室SCに供給されて、各ノズルNから吐出される。
気体透過膜MA、MB、MCは減圧脱泡室Qと液体流路Dの複数の箇所を仕切るように設置される。ただし、気体透過膜の配置位置や数は例示したものに限られない。例えば液体流路Dの1カ所の部分(例えば気体透過膜MCの部分)だけに気体透過膜を設けるようにしてよい。気体透過膜MAは、鉛直空間RVと減圧脱泡室Qとの間に介在する。気体透過膜MBは、共通液室SRと減圧脱泡室Qとの間に介在する。気体透過膜MCは、空間RF1と減圧脱泡室Qとの間に介在する。気体透過膜MA〜MCは、気体(空気)は透過させるけれどもインク等の液体は透過させない気体透過性の膜体(気液分離膜)であり、例えば公知の高分子材料で形成される。フィルターFで捕集された気泡は、気体透過膜MCを透過することで減圧脱泡室Qに排出され、インクから取り除かれる。またフィルターFを通過してしまった気泡も、空間RF1から流入口Vinを介して鉛直空間RVに流入し、鉛直空間RVに流入する。したがって、鉛直空間RVに流入した気泡も気体透過膜MAを透過することで、減圧脱泡室Qに排出される。
また、共通液室SRには排出口Routが形成される。排出口Routは、共通液室SRの天井面49に形成された流路である。共通液室SRの天井面49は、流入口Rin側から排出口Rout側にかけて高くなる傾斜面(平面または曲面)である。したがって、流入口Rinから進入した気泡も排出口Rout側に誘導され、気体透過膜MBを透過することで、減圧脱泡室Qに排出される。
減圧脱泡室Qは、気体流路Aに連通しているので、圧力調整機構50で気体流路Aを減圧することで、減圧脱泡室Qが減圧される。減圧脱泡室Qが減圧されると、液体流路D内の気泡が気体透過膜MA、MB、MCを通過する。気体透過膜MA、MB、MCを通過して減圧脱泡室Qに移動した気体は、気体流路Aを通って装置外部に排出される。こうして、液体流路Dから気泡が取り除かれる。
なお、本実施形態の液体流路Dは、流路ユニット42から弁機構ユニット41を経由して流路部品46の内部に至る排出経路76を有する。排出経路76は、流路ユニット42の内部流路(具体的には液体吐出部44にインクを供給するための流路)に連通する経路である。具体的には、排出経路76は、各液体吐出部44の共通液室SRの排出口Routと鉛直空間RVとに連通する。
排出経路76の弁機構ユニット41側の端部は、閉塞弁78に接続される。閉塞弁78が設置される位置は任意であるが、図3では流路部品46内に閉塞弁78を設置した構成を例示している。閉塞弁78は、通常状態では排出経路76を閉塞し(ノーマリークローズ)、一時的に排出経路76を大気に開放可能な弁機構である。
上述のとおり、本実施形態の液体吐出ヘッド20では、気体流路Aが加圧室RCと減圧脱泡室Qに連通している。したがって、圧力調整機構50によって気体流路Aを加圧することで、加圧室RCの袋状体73を膨張させて開閉弁Bを開放出来ると共に、圧力調整機構50によって気体流路Aを減圧することで、減圧脱泡室Qを減圧させて液体流路Dから気体を取り除くことができる。
ところで、本実施形態のように、加圧室RCと減圧脱泡室Qとで気体流路Aを兼用する構成では、気体流路Aを減圧から加圧に移行する際に、気体流路Aの体積を大きくするほど、加圧の到達目標圧力に達するまでに時間がかかり、圧力変化の応答性が低下してしまう。気体流路Aの体積を小さくすれば、減圧から加圧に移行する際の圧力変化の応答性の低下を抑制できるが、気体流路Aの体積を小さくすると、減圧を行う際に減圧の状態が維持され難くなってしまう。
そこで、第1実施形態の圧力調整機構50は、例えば後述する図4に示すように、気体流路Aから分岐して連通するバッファー室54を備え、バッファー室54がポンプPによって減圧されるようにすることで、減圧の際にはバッファー室54の分だけ気体流路Aの体積を大きくしたのと同様の減圧効果が得られるようにしている。すなわち、本実施形態によれば、バッファー室54を設けることで、気体流路A自体の体積を大きくすることなく、減圧の際に気体流路Aの体積を大きくしたのと同様の減圧効果(圧力の減衰速度の低下)が得られる。バッファー室54は気体流路Aから分岐して連通するので、ポンプPによって減圧から加圧に移行する際には、例えばバッファー室54までの流路を遮断したり、流路抵抗を高めたりすることで、バッファー室54が圧力変化の影響を受け難くすることができる。したがって、気体流路Aを減圧から加圧へ移行する際の圧力変化の応答性を維持しつつ、減圧の際には減圧の状態が維持され易くすることができる。なお、バッファー室54は、装置本体102のうち液体吐出ヘッド20以外の空きスペース(例えば装置本体102内の空間や脚部104内の空間)に配置することで、バッファー室54を大型化することができる。ただし、バッファー室54を液体吐出ヘッド20に配置してもよい。
以下、このような第1実施形態における圧力調整機構50の具体的な構成について説明する。図4は、第1実施形態の圧力調整機構50の構成を説明するための図である。なお、図4では、加圧室RCや減圧脱泡室Qなどの各部の構成を簡略的に示している(後述する図6乃至図9においても同様である)。図4に示すように、第1実施形態の圧力調整機構50は、気体流路Aの減圧と加圧が可能なポンプPと、気体流路Aから分岐して連通するバッファー室54とを備える。気体流路Aとバッファー室54との間には、気体流路Aとバッファー室54との間を連通または遮断する弁56が設けられている。具体的には、バッファー室54と気体流路Aとは、気体流路Aから分岐する流路52で接続されており、この流路52に弁56が設けられている。図4の弁56は、開閉弁で構成され、制御装置12によって制御される。
このような構成の圧力調整機構50によれば、ポンプPによる減圧の際には、弁56によって気体流路Aとバッファー室54との間を連通することで、バッファー室54の分だけ気体流路Aの体積を大きくしたのと同様の減圧効果が得られる。したがって、バッファー室54がない場合に比較して、気体流路Aの減圧の際、減圧脱泡室Qの減圧によって図4の矢印のように気泡Buの排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。
他方、ポンプPによって減圧から加圧に移行する際には、弁56によって気体流路Aとバッファー室54との間を遮断することで、バッファー室54を加圧しなくてよくなる。したがって、減圧から加圧に移行する際には、バッファー室54が圧力変化の影響を受けなくすることができるので、圧力変化の応答性を維持できる。
ここで、バッファー室54を設けた場合の減圧脱泡室Qの減圧状態を、バッファー室54を設けない場合と比較しながら説明する。図5は、ポンプPにより減圧脱泡室Qを減圧するための減圧シーケンスを示す図である。図5では、バッファー室54を設けた第1実施形態の減圧シーケンスを実線で示し、バッファー室54を設けない比較例の減圧シーケンスを破線で示している。図5において、横軸は1時間単位の経過時間[h]であり、縦軸は減圧脱泡室Qの圧力[kPa]である。所定時間後の減圧脱泡室Qの圧力(脱泡圧力)は、ボイルの法則によって算出できる。
本実施形態の減圧シーケンスは、ポンプPの駆動が開始されてから目標とする到達圧力Tまでと、その到達圧力Tから次にポンプPの駆動が開始されるまでを1つのシーケンスとする。図5では、1つの減圧シーケンスを示しており、実際のポンプPの駆動では、所定時間ごと(例えば1時間ごと)に減圧シーケンスを繰り返して、液体流路Dから気泡Buを排出する。
図5に示すように、本実施形態の減圧シーケンスでは、減圧脱泡室Qの圧力が0の状態から、ポンプPを駆動して減圧する。そして、減圧脱泡室Qの圧力が目標の到達圧力T(例えば−30kPa〜−60kPa)に到達すると、ポンプPを停止する。その後は、減圧脱泡室Qでの脱泡が進み、減圧脱泡室Qへ気体が流入するので徐々に圧力が減衰(上昇)する。バッファー室54を設けた場合(実線)には、バッファー室54を設けない場合(破線)に比較して、到達圧力Tまで減圧した後に減圧脱泡室Qでの脱泡が進んでも、減圧脱泡室Qの圧力の減衰速度が小さくなる(上昇速度が緩やかになる)ことが分かる。したがって、バッファー室54を設けた場合(実線)には、バッファー室54を設けない場合(破線)に比較して、減圧の状態が維持され易くなる。
このように、本実施形態の圧力調整機構50によれば、気体流路Aを減圧から加圧へ移行する際の圧力変化の応答性を維持しつつ、減圧の際には減圧の状態が維持され易くすることができる。なお、図4の構成によれば、弁56によって気体流路Aとバッファー室54との間を連通または遮断できるので、1つのポンプPを気体流路Aの減圧用と加圧用として用いることができる。
(第1実施形態の変形例)
図6は、第1実施形態の変形例における圧力調整機構50の構成を説明するための図である。以下に例示する各変形例および各実施形態において作用や機能が同様である要素については、図1乃至図5の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。図6の構成では、加圧用の第1ポンプP1と減圧用の第2ポンプP2とで、ポンプPを構成する。図6の弁56は、三方弁により構成され、制御装置12によって制御される。弁56は、気体流路Aのうちバッファー室54よりも下流側に設けられている。弁56は、弁56は、この弁56よりも上流側の流路A0と下流側における第1ポンプP1が設けられる流路A1とを連通するか、流路A0と第2ポンプP2が設けられる流路A2とを連通するかを切り替える切替弁である。制御装置12によって弁56の駆動が制御される。
図6は、第1実施形態の変形例における圧力調整機構50の構成を説明するための図である。以下に例示する各変形例および各実施形態において作用や機能が同様である要素については、図1乃至図5の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。図6の構成では、加圧用の第1ポンプP1と減圧用の第2ポンプP2とで、ポンプPを構成する。図6の弁56は、三方弁により構成され、制御装置12によって制御される。弁56は、気体流路Aのうちバッファー室54よりも下流側に設けられている。弁56は、弁56は、この弁56よりも上流側の流路A0と下流側における第1ポンプP1が設けられる流路A1とを連通するか、流路A0と第2ポンプP2が設けられる流路A2とを連通するかを切り替える切替弁である。制御装置12によって弁56の駆動が制御される。
図6のバッファー室54は、第2ポンプP2が設けられる流路A2に連通する。したがって、第1ポンプP1は、バッファー室54を介さずに気体流路Aに連通し、第2ポンプP2は、バッファー室54を介して気体流路Aに連通する。
このような構成によれば、制御装置12は、第2ポンプP2でバッファー室54を減圧し、第1ポンプP1で気体流路Aを加圧することができる。したがって、1つのポンプでバッファー室54と気体流路Aを加減圧させる場合に比較して、各ポンプP1、P2の負担を減らすことができるので、各ポンプP1、P2の構成を簡素化できる。
また、図6の構成では、減圧の際には、制御装置12は弁56で流路A0と流路A2とを連通し、流路A0と流路A1とを遮断して、第2ポンプP2によりバッファー室54を減圧しながら、気体流路Aの減圧を行う。これにより、減圧の際にはバッファー室54の分だけ気体流路Aの体積を大きくしたのと同様の減圧効果が得られる。したがって、バッファー室54がない場合に比較して、気体流路Aの減圧の際、減圧脱泡室Qの減圧によって気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。
他方、減圧から加圧に切り替える際には、制御装置12は弁56で流路A0と流路A1とを連通し、流路A0と流路A2とを遮断して、第1ポンプP1により気体流路Aの加圧を行う。これにより、減圧から加圧に移行する際には、バッファー室54を加圧しなくてよくなる。したがって、減圧から加圧に移行する際には、バッファー室54が圧力変化の影響を受けなくすることができるので、圧力変化の応答性を維持できる。また、図6の構成では、加圧用のポンプP1と減圧用の第2ポンプP2を設けることで、加圧と減圧を別々に行うことができるので、気体流路Aにおいて加圧と減圧の両方の状態を維持し易い。このような図6の構成によれば、例えば短時間の加圧に対してはバッファー室54への気体の移動を抑制できるので圧力変化の応答性を維持することができ、長時間の減圧に対しては負圧の状態を長く維持することができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。図7は、第2実施形態における圧力調整機構50を説明するための図であり、図4に対応する。図7の構成において、図4の構成と異なるのは、弁56を設ける代わりに、気体流路Aとバッファー室54との間を仕切る気体透過膜58を設けた点である。気体透過膜58は、所定の透過率で気体(空気)は透過させることができる気体透過性の膜体(気液分離膜)であり、例えば公知の高分子材料で形成される。なお、第2実施形態の気体透過膜58としては、上述した気体透過膜MA、MB、MCと同様の膜で構成してもよく、気体透過膜MA、MB、MCとは異なる膜で構成してもよい。第2実施形態の気体透過膜58は、少なくとも気体透過膜58を設けない場合に比較して、減圧脱泡室Qの圧力の減衰速度が緩やかになるような気体透過率を有する膜を用いる。なお、気体透過膜58の気体透過率に応じて、減圧脱泡室Qの圧力の減衰速度を変えることができる。
本発明の第2実施形態について説明する。図7は、第2実施形態における圧力調整機構50を説明するための図であり、図4に対応する。図7の構成において、図4の構成と異なるのは、弁56を設ける代わりに、気体流路Aとバッファー室54との間を仕切る気体透過膜58を設けた点である。気体透過膜58は、所定の透過率で気体(空気)は透過させることができる気体透過性の膜体(気液分離膜)であり、例えば公知の高分子材料で形成される。なお、第2実施形態の気体透過膜58としては、上述した気体透過膜MA、MB、MCと同様の膜で構成してもよく、気体透過膜MA、MB、MCとは異なる膜で構成してもよい。第2実施形態の気体透過膜58は、少なくとも気体透過膜58を設けない場合に比較して、減圧脱泡室Qの圧力の減衰速度が緩やかになるような気体透過率を有する膜を用いる。なお、気体透過膜58の気体透過率に応じて、減圧脱泡室Qの圧力の減衰速度を変えることができる。
図7の気体透過膜58は、流路52に設けられている。また、図7の構成では、加圧と減圧を行う第1ポンプP1と減圧を行う第2ポンプP2とで、ポンプPを構成する。第2ポンプP2は、流路52’を介してバッファー室54に連通する。第1ポンプP1と第2ポンプP2とは減圧脱泡室Qの目標とする到達圧力Tが異なり、第2ポンプP2による到達圧力の方が、第1ポンプP1による到達圧力よりも低い。例えば第1ポンプP1の減圧脱泡室Qの到達圧力Tを−30kPaとし、第2ポンプP2の減圧脱泡室Qの到達圧力を−60kPaとする。
図7の構成によれば、気体透過膜58を介して気体流路Aとバッファー室54とが連通しているので、第2ポンプP2による減圧の際に、バッファー室54の分だけ気体流路Aの体積を大きくしたのと同様の減圧効果を得られる。このため、減圧脱泡室Qでの気泡の排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。また、第1ポンプP1による加圧の際には、気体透過膜58によって気体流路Aからバッファー室54に気体が移動する速度を低下させることができるので、バッファー室54が圧力変化の影響を受け難くすることができる。したがって、減圧から加圧に移行する際には、図4のような弁56を設けなくても、圧力変化の応答性を維持できる。
また、図7の構成によれば、減圧脱泡室Qの到達圧力Tに応じて、第1ポンプP1と第2ポンプP2を使い分けることができる。例えば減圧脱泡室Qの到達圧力Tが高い第1ポンプP1を用いることで、ポンプの寿命を延ばすことができる。他方、減圧脱泡室Qの到達圧力Tが低い第2ポンプP2を用いることで、脱泡速度を速めることができる。しかも減圧脱泡室Qの到達圧力Tが低い第2ポンプP2による減圧の際にバッファー室54も減圧され、減圧脱泡室Qの到達圧力が高い第1ポンプP1による減圧の際にはバッファー室54は減圧されない。これによれば、減圧脱泡室Qの到達圧力Tが低い方が、減圧脱泡室Qの到達圧力が高い場合よりも減衰速度が大きくなるので、それを抑えることで減圧状態を長く保つことができる。
(第2実施形態の変形例)
図8は、第2実施形態の変形例における圧力調整機構50の構成を説明するための図であり、図7に対応する。図8の構成では、図7の第2ポンプP2をシリンジポンプで構成した場合を例示する。図8の第2ポンプP2は、シリンダーP2AとピストンP2Bを備える。ピストンP2Bは、シリンダーP2A内をスライド可能である。図8の構成では、シリンダーP2AとシリンダーP2Aとの間の空間がバッファー室54として機能する。
図8は、第2実施形態の変形例における圧力調整機構50の構成を説明するための図であり、図7に対応する。図8の構成では、図7の第2ポンプP2をシリンジポンプで構成した場合を例示する。図8の第2ポンプP2は、シリンダーP2AとピストンP2Bを備える。ピストンP2Bは、シリンダーP2A内をスライド可能である。図8の構成では、シリンダーP2AとシリンダーP2Aとの間の空間がバッファー室54として機能する。
図8の構成では、例えば第2ポンプP2で減圧する際には、ピストンP2Bを駆動することによって、減圧脱泡室Qを減圧することができる。このような図8の構成によっても、第2実施形態と同様の効果を奏することができる。また、図8では、第2ポンプP2をシリンジポンプで構成するので、圧力調整機構50の構成を簡素化できる。なお、ピストンP2Bは、制御装置12によって制御されるモーター(図示略)によって駆動してもよく、また手動で駆動してもよい。手動でピストンP2Bを駆動するようにすれば、モーターなどが不要となるので、部品点数を少なくできる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態における圧力調整機構50を説明するための図であり、図4に対応する。図9では、弁56と気体透過膜58の両方を備える圧力調整機構50を例示する。ポンプPは、図4と同様に、減圧と加圧が可能なポンプである。図9の圧力調整機構50は、バッファー室54の一端と他端が別々に気体流路Aに連通し、バッファー室54の一端は、気体透過膜58を介して気体流路Aに連通し、バッファー室54の他端は、弁56を介して気体流路Aに連通する。
本発明の第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態における圧力調整機構50を説明するための図であり、図4に対応する。図9では、弁56と気体透過膜58の両方を備える圧力調整機構50を例示する。ポンプPは、図4と同様に、減圧と加圧が可能なポンプである。図9の圧力調整機構50は、バッファー室54の一端と他端が別々に気体流路Aに連通し、バッファー室54の一端は、気体透過膜58を介して気体流路Aに連通し、バッファー室54の他端は、弁56を介して気体流路Aに連通する。
具体的には、気体流路Aから分岐する流路52を介して、バッファー室54の一端が気体流路Aに連通し、気体流路Aから分岐する流路53を介して、バッファー室54の他端が気体流路Aに連通する。流路52に弁56が設けられ、流路53に気体透過膜58が設けられる。なお、図9では、弁56が設けられる流路52の方が、気体透過膜58が設けられる流路53よりも上流側に配置される場合を例示しているが、これに限られず、弁56が設けられる流路52の方が、気体透過膜58が設けられる流路53よりも下流側に配置されるようにしてもよい。
図9の構成によれば、ポンプPによる減圧の際には、弁56によって気体流路Aとバッファー室54との間を連通することで、気体流路Aを減圧する際の圧力変化の応答性を維持することができる。また、気体流路Aとバッファー室54との間を弁56により遮断しても、気体透過膜58を介して気体流路Aとバッファー室54とが連通しているので、バッファー室54の分だけ気体流路Aの体積を大きくしたのと同様の減圧効果を得られる。このため、バッファー室54がない場合に比較して、減圧脱泡室Qの減圧による気泡Buの排出が進んでも、減圧の状態が維持され易くなる。
また、ポンプPによって減圧から加圧に移行する際には、弁56によって気体流路Aとバッファー室54との間を遮断することで、バッファー室54を加圧しなくてよくなる。さらに気体透過膜58によって気体流路Aからバッファー室54に気体が移動する速度を低下させることもできるので、バッファー室54が圧力変化の影響を受け難くできる。したがって、気体透過膜58と弁56の一方だけを備える場合に比較して、減圧から加圧に移行する際の圧力変化の応答性を維持できる。また、弁56によって気体流路Aとバッファー室54との間を連通または遮断できるので、1つのポンプPを減圧用と加圧用として用いることができる。
<変形例>
以上に例示した各実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
以上に例示した各実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)上述した実施形態では、液体吐出ヘッド20を搭載したキャリッジ18をX方向に沿って反復的に往復させるシリアルヘッドを例示したが、液体吐出ヘッド20を媒体11の全幅にわたり配列したラインヘッドにも本発明を適用可能である。
(2)上述した実施形態では、圧力室SCに機械的な振動を付与する圧電素子484を利用した圧電方式の液体吐出ヘッド20を例示したが、加熱により圧力室の内部に気泡を発生させる発熱素子を利用した熱方式の液体吐出ヘッドを採用することも可能である。
(3)上述した実施形態で例示した液体吐出装置10は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体吐出装置10の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する液体吐出装置10は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する液体吐出装置10は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。
10…液体吐出装置、102…装置本体、104…脚部、11…媒体、12…制御装置、14…液体容器、15…搬送機構、16…液体圧送機構、18…キャリッジ、20…液体吐出ヘッド、41…弁機構ユニット、42…流路ユニット、44…液体吐出部、46…流路部品、481…流路基板、481A…開口部、481B…流路、481C…連通流路、482…圧力室基板、482A…開口部、483…振動板、484…圧電素子、485…筐体部、486…封止体、487…ノズル板、488…緩衝板、49…天井面、50…圧力調整機構、52、52’…流路、53…流路、54…バッファー室、56…弁、58…気体透過膜、71…可撓膜、73…袋状体、76…排出経路、78…閉塞弁、A…気体流路、A0…流路、A1…流路、A2…流路、B…開閉弁、Bu…気泡、D…液体流路、F…フィルター、L1…第1ノズル列、L2…第2ノズル列、MA、MB、MC…気体透過膜、N…ノズル、O−O…仮想線、P…ポンプ、P1…第1ポンプ、P2…第2ポンプ、P2A…シリンダー、P2B…ピストン、Q…減圧脱泡室、Rin…流入口、Rout…排出口、R1…上流側流路、R2…下流側流路、RC…加圧室、RF…フィルター室、RF1…空間、RF2…空間、RV…鉛直空間、Sp…バネ、SC…圧力室、SR…共通液室、V…弁体、Vin…流入口、Vout…流出口、T…到達圧力。
Claims (9)
- 液体を吐出するノズルに連通する液体流路と、
前記液体流路の一部を減圧して前記液体から気泡を取り除くための減圧脱泡室と、
前記減圧脱泡室に連通する気体流路と、
前記気体流路に連通する加圧室と、
前記気体流路を介して前記減圧脱泡室と前記加圧室とに連通するポンプと、
前記気体流路から分岐して連通し、前記ポンプによって減圧されるバッファー室と、を備える
液体吐出装置。 - 前記気体流路と前記バッファー室との間に設けられ、前記気体流路と前記バッファー室との間を連通または遮断する弁を備える
請求項1の液体吐出装置。 - 前記気体流路と前記バッファー室との間に設けられ、前記気体流路と前記バッファー室との間を仕切る気体透過膜を備える
請求項1の液体吐出装置。 - 前記気体流路と前記バッファー室との間を連通または遮断する弁を備え、
前記バッファー室の一端と他端が別々に前記気体流路に連通し、
前記バッファー室の一端は、前記気体透過膜を介して前記気体流路に連通し、
前記バッファー室の他端は、前記弁を介して前記気体流路に連通する
請求項3の液体吐出装置。 - 前記ポンプは、第1ポンプと第2ポンプとを含み、
前記第1ポンプは、前記バッファー室を介さずに前記気体流路に連通し、
前記第2ポンプは、前記バッファー室を介して前記気体流路に連通する
請求項1から請求項4の何れかの液体吐出装置。 - 前記第1ポンプで加圧し、前記第2ポンプで減圧する
請求項5の液体吐出装置。 - 装置本体を備え、
前記バッファー室は、前記装置本体内に配置される
請求項1から請求項6の何れかの液体吐出装置。 - 液体吐出装置の駆動方法であって、
前記液体吐出装置は、
液体を吐出するノズルに連通する液体流路と、
前記液体流路の一部を減圧して前記液体から気泡を取り除くための減圧脱泡室と、
前記減圧脱泡室に連通する気体流路と、
前記気体流路に連通する加圧室と、
前記気体流路を介して前記減圧脱泡室と前記加圧室とに連通するポンプと、
前記気体流路から分岐して連通し、前記気体流路の減圧によって減圧されるバッファー室と、
前記気体流路と前記バッファー室との間に設けられ、前記気体流路と前記バッファー室との間を連通または遮断する弁と、を備え、
前記弁で前記気体流路と前記バッファー室との間を連通して、前記ポンプによる減圧を行い、
前記弁で前記気体流路と前記バッファー室との間を遮断して、前記ポンプによる加圧を行う
液体吐出装置の駆動方法。 - 液体吐出装置の駆動方法であって、
前記液体吐出装置は、
液体を吐出するノズルに連通する液体流路と、
前記液体流路の一部を減圧して前記液体から気泡を取り除くための減圧脱泡室と、
前記減圧脱泡室に連通する気体流路と、
前記気体流路に連通する加圧室と、
前記気体流路を介して前記減圧脱泡室と前記加圧室とに連通するポンプと、
前記気体流路から分岐して連通し、前記気体流路の減圧によって減圧されるバッファー室と、
前記気体流路と前記バッファー室との間に設けられ、前記気体流路と前記バッファー室との間を閉塞する気体透過膜と、を備え、
前記ポンプは、前記バッファー室を介さずに前記気体流路に連通する第1ポンプと、前記バッファー室を介して前記気体流路に連通する第2ポンプとを含み、
前記第2ポンプで減圧し、前記第1ポンプで加圧する
液体吐出装置の駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017008895A JP2018114736A (ja) | 2017-01-20 | 2017-01-20 | 液体吐出装置および液体吐出装置の駆動方法 |
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JP2017008895A Pending JP2018114736A (ja) | 2017-01-20 | 2017-01-20 | 液体吐出装置および液体吐出装置の駆動方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020151874A (ja) * | 2019-03-18 | 2020-09-24 | 株式会社リコー | 液体吐出ヘッド、ヘッドモジュール、ヘッドユニット、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置 |
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2017
- 2017-01-20 JP JP2017008895A patent/JP2018114736A/ja active Pending
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