JP2018114605A - ロボット - Google Patents

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ファビオ・ダーラリベラ
Dalla Libera Fabio
貴之 永田
Takayuki Nagata
貴之 永田
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Abstract

【課題】 異なるサイズの対象物を1つの把持部でしっかりと把持することができるアクチュエータ装置を用いるロボットを提供する。【解決手段】 対象物3を把持可能な把持部1と圧力源61とロボット制御部80とを備えるアクチュエータ装置70であって、把持部は、第1の面と第2の面とで規定される中空の筒体のアクチュエータを備え、第1の面は、第1の弾性変形率を有し、第2の面は、第1の弾性変形率よりも小さい第2の弾性変形率を有し、筒体は、筒体長軸に沿って位置する空間16を内部に有し、圧力源は、筒体の空間内に流体を供給し、ロボット制御部は、圧力源から筒体に対する流体を制御して、(a)把持部の位置を、対象物に対向する所定の位置に移動させ、かつ、(b)第1の面から第2の面に向かって、把持部が湾曲することにより対象物を前記把持部で把持させる。【選択図】図1

Description

本発明は、変形可能な把持部で対象物を把持可能なアクチュエータ装置を用いるロボットに関するものである。
従来の変形可能な把持部としては、特許文献1及び非特許文献1に記載されているものがあった。
特許文献1では、第1把持パッドと第2把持パッドとが間隔をあけて対向して配置され、各パッドの面には、多数のピンが突出可能に配置されている。各ピンは把持対象物と接触することにより突出量が決定されて、多数のピンで把持物を把持する構成が開示されている。
非特許文献1では、把持対象物を識別するための抵抗曲げセンサを3本の柔軟な指のそれぞれに内蔵し、それらの3本の柔軟な指で把持対象物を把持する構成が開示されている。
PCT/US2013/069822(WO/2014/078369)
Homberg, Bianca S., Robert K. Katzschmann, Mehmet R. Dogar, and Daniela Rus. "Haptic identification of objects using a modular soft robotic gripper." In 2015 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS), pp. 1698-1705., 2015.
しかしながら、前記特許文献1の構成では、把持面の大きさに応じて把持可能な対象物の大きさが決まってしまう。また、前記非特許文献1の構成では、3本の柔軟な指で囲める大きさの対象物しか把持できず、3本の柔軟な指把持可能な対象物の大きさが決まってしまう。その結果、1つの把持部で、幅広い範囲のサイズの対象物をしっかりと把持することは困難であり、対象物のサイズに応じて異なる構成の把持部を用意する必要があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、異なるサイズの対象物を1つの把持部でしっかりと把持することができるアクチュエータ装置を用いるロボットを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の1つの態様にかかるロボットは、
対象物を把持可能な把持部と圧力源とロボット制御部とを備えるアクチュエータ装置であって、
前記把持部は、第1の面と第2の面とで規定される中空の筒体のアクチュエータを備え、
前記第1の面は、第1の弾性変形率を有し、前記第2の面は、前記第1の弾性変形率よりも小さい第2の弾性変形率を有し、
前記筒体は、前記筒体長軸に沿って位置する空間を内部に有し、
前記圧力源は、前記筒体の前記空間内に流体を供給し、
前記ロボット制御部は、前記圧力源から前記筒体に対する前記流体を制御して、(a)前記把持部の位置を、前記対象物に対向する所定の位置に移動させ、かつ、(b)前記第1の面から前記第2の面に向かって、前記把持部が湾曲することにより前記対象物を前記把持部で把持させる。
本発明の前記態様では、異なるサイズの対象物に対しても、1つのアクチュエータを対象物にしっかりと巻き付ければ、対象物をしっかりと把持することができる。
本発明の第1実施形態にかかる、変形可能なアクチュエータを備えるロボットの斜視図である。 第1実施形態のアクチュエータの背面側の斜視図である。 第1実施形態のアクチュエータの正面側の斜視図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の0%で、第1実施形態のアクチュエータで把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の20%で、第1実施形態のアクチュエータで把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の40%で、第1実施形態のアクチュエータで把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の60%で、第1実施形態のアクチュエータで把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の80%で、第1実施形態のアクチュエータで把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の100%で、第1実施形態のアクチュエータで把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の0%で、アクチュエータが移動することなく把持動作を行うときに生ずる問題を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 図4Aに次いで、アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の0%で、アクチュエータが移動することなく把持動作を行うときに生ずる問題を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の10%で、アクチュエータが移動することなく把持動作を行うときに生ずる問題を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の20%で、アクチュエータが移動することなく把持動作を行うときに生ずる問題を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の30%で、アクチュエータが移動することなく把持動作を行うときに生ずる問題を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の40%で、アクチュエータが移動することなく把持動作を行うときに生ずる問題を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の50%で、アクチュエータが移動することなく把持動作を行うときに生ずる問題を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の60%で、アクチュエータが移動することなく把持動作を行うときに生ずる問題を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の70%で、アクチュエータが移動することなく把持動作を行うときに生ずる問題を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の80%で、アクチュエータが移動することなく把持動作を行うときに生ずる問題を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の90%で、アクチュエータが移動することなく把持動作を行うときに生ずる問題を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 アクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の100%で、アクチュエータが移動することなく把持動作を行うときに生ずる問題を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 適切な把持を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 適切な把持を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 適切な把持を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 適切な把持を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 適切な把持を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 適切な把持を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 適切な把持を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 適切な把持を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 適切な把持を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 適切な把持を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 適切な把持を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 適切な把持を示す第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 異なるサイズの対象物を把持するときの第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 異なるサイズの対象物を把持するときの第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 異なるサイズの対象物を把持するときの第1実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 第1実施形態のロボットのロボット制御部の構成を主として示すブロック図である。 第1実施形態のロボットのロボット制御部のデータベースの一例を示す説明図である。 第1実施形態のロボットのロボット制御部の対象物A用データベースの例を示す説明図である。 第1実施形態のロボットのロボット制御部の対象物B用データベースの例を示す説明図である。 第1実施形態のロボットのロボット制御部の対象物C用データベースの例を示す説明図である。 第1実施形態のロボットの動作のフローチャートである。 第1実施形態の変形例にかかるロボットの動作のフローチャートである。 第1実施形態の変形例にかかるロボットの移動装置と把持移動動作とを説明するための斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかるロボットであって、他の実施形態にかかる変形可能なアクチュエータの斜視図である。 図10Aとは異なる角度から見た、本発明の第2実施形態にかかるロボットであって、他の実施形態にかかる変形可能なアクチュエータの斜視図である。 図10Aのアクチュエータの一端開口部分の拡大斜視図である。 図10Aのアクチュエータの把持動作を示す説明図である。 図10Aのアクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の0%で、アクチュエータで把持動作時の上面図である。 図12Aに次いで、図10Aのアクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の0%で、アクチュエータで把持動作時の上面図である。 図10Aのアクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の50%で、アクチュエータで把持動作時の上面図である。 図10Aのアクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の80%で、アクチュエータで把持動作時の上面図である。 図10Aのアクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の80%で、アクチュエータで平行移動及び把持動作時の上面図である。 図10Aのアクチュエータに供給する流体の圧力が最終圧力の100%で、アクチュエータで把持動作時の上面図である。 異なるサイズの対象物を把持するときの第2実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 異なるサイズの対象物を把持するときの第2実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。 異なるサイズの対象物を把持するときの第2実施形態のアクチュエータの把持動作時の上面図である。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1の態様は、
対象物を把持可能な把持部と圧力源とロボット制御部とを備えるアクチュエータ装置であって、
前記把持部は、第1の面と第2の面とで規定される中空の筒体のアクチュエータを備え、
前記第1の面は、第1の弾性変形率を有し、前記第2の面は、前記第1の弾性変形率よりも小さい第2の弾性変形率を有し、
前記筒体は、前記筒体長軸に沿って位置する空間を内部に有し、
前記圧力源は、前記筒体の前記空間内に流体を供給し、
前記ロボット制御部は、前記圧力源から前記筒体に対する前記流体を制御して、(a)前記把持部の位置を、前記対象物に対向する所定の位置に移動させ、かつ、(b)前記第1の面から前記第2の面に向かって、前記把持部が湾曲することにより前記対象物を前記把持部で把持させるロボットを提供する。
前記構成よれば、異なるサイズの対象物に対しても、1つのアクチュエータを対象物にしっかりと巻き付ければ、対象物をしっかりと把持することができる。
本発明の第2の態様は、
前記把持部の前記筒体の前記第1の面と前記第2の面とは、筒体長軸と交差する断面の半分ずつでありかつ互いに密閉接合された2本の帯状部材で構成されている、
第1の態様に記載のロボットを提供する。
前記構成よれば、前記第1の面と前記第2の面との前記弾性変形率は、前記第1の面と前記第2の面が構成される材料の選択により決定することができる。
本発明の第3の態様は、
前記把持部を、前記対象物に対向する所定の位置に移動させる移動装置をさらに備えて、
前記ロボット制御部は、前記移動装置を制御して前記把持部を前記対象物に対向する所定の位置に移動させながら前記筒体内の圧力を制御して、前記把持部を湾曲させて前記把持部を前記対象物に巻付けて把持する、
第1又は2の態様に記載のロボットを提供する。
前記構成よれば、前記把持部が湾曲するとき、前記把持部は、前記対象物を把持させるための前記所定の位置に前記移動装置で移動させることができ、把持動作を安定して確実に行うことができる。
本発明の第4の態様は、
前記把持部の位置と、前記筒体内の圧力との関係情報を取得する情報取得部をさらに備えて、
前記ロボット制御部は、前記情報取得部で取得した前記関係情報に基づき前記把持部の把持動作を制御する、
第1〜3のいずれか1つの態様に記載のロボットを提供する。
前記構成よれば、前記把持部は、意図せずに前記対象物に衝突することなく、前記把持部を、湾曲しながら前記対象物に巻付けて把持するように移動させることができる。
本発明の第5の態様は、
把持物体の形状又はサイズと、前記把持部の位置と、前記筒体内の圧力との関係情報を取得する情報取得部をさらに備えて、
前記ロボット制御部は、前記情報取得部で取得した前記関係情報に基づき前記把持部の把持動作を制御する、
第1〜3のいずれか1つの態様に記載のロボットを提供する。
前記構成よれば、異なる形状又はサイズの対象物を前記把持部で把持することができる。
本発明の第6の態様は、
前記筒体は、アクチュエータ長軸を中心に螺旋に巻回された円錐状のコイル形状を有し、
前記筒体の内周面及び外周面の少なくとも一方には溝が形成され、
前記溝は、前記筒体長軸に沿って捩られたように延び、かつ、前記アクチュエータ長軸周りの180度毎に捩じり方向の向きを逆転させるように捩じられており、
前記圧力源は、
(a1)前記筒体の内部の圧力を増加させることにより、前記アクチュエータを前記アクチュエータ長軸沿いの真っ直ぐな状態から前記アクチュエータ長軸に対して湾曲した状態に湾曲動作させ、
(a2)前記筒体の前記内部の前記圧力を減少させることにより、前記アクチュエータを前記湾曲した状態から前記真っ直ぐな状態に戻す、
第1〜5の態様のいずれか1つに記載のロボットを提供する。
前記構成よれば、前記アクチュエータが変形するとき、前記アクチュエータが前記対象物に巻き付くことによって前記対象物を把持することができる。
本発明の第7の態様は、
前記溝は、前記アクチュエータ長軸周りの180度毎に境界部を介して捩じり方向の向きを逆転させるように捩じられており、前記境界部の位置は、前記アクチュエータ長軸沿いに一直線状に配置されている、第6の態様に記載のロボットを提供する。
前記構成よれば、前記アクチュエータの変形を、前記アクチュエータ長軸に沿った変形は無視できるほどであって、前記アクチュエータの前記アクチュエータ長軸と前記境界部との両方に垂直な軸周りの湾曲のみとすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施形態にかるロボット71を示す。
ロボット71は、少なくとも、対象物3を把持する把持部の一例としてのアクチュエータ1と、アクチュエータ1に流体を加減する圧力源61と、圧力源61からアクチュエータ1への流体の加減を制御するロボット制御部80とを備えている。後述するように、ロボット71は、さらに、アクチュエータ1を移動させる移動装置66を備えることもできる。
アクチュエータ1と、圧力源61と、ロボット制御部80の高レベル制御部7の一部である把持部制御部の一例としてのアクチュエータ制御部13とでアクチュエータ装置70を構成している。
アクチュエータ1は、変形可能な長尺部材で構成され、対象物3の側部周囲に巻き付いて対象物3を把持して搬送することができる。アクチュエータ1は、その基端がロボットアーム2の先端と接続されて、ロボットアーム2の後述する腕部2bの進退移動動作により、例えば、予め知られた2つの位置の間で物体を搬送することができる。これらの2つの位置の例としては、図1に示すように、供給側のコンベヤベルト4の供給位置(例えば対象物3の初期位置)65aと、受取側のコンベヤベルト5の受取位置(例えば対象物3の目標位置)65bとである。言いかえれば、ロボット71は、対象物3を供給する供給側のコンベヤベルト4と、対象物3を受け取る受取側のコンベヤベルト5とをさらに備えていてもよい。供給側のコンベヤベルト4からは、対象物3が供給位置65aに到着したトリガー信号をロボット制御部80に送るようにしてもよい。受取側のコンベヤベルト5からは、対象物3を目標位置65bに受取可能である信号をロボット制御部80に送るようにしてもよい。図1では、アクチュエータ1で、供給側のコンベヤベルト4上の対象物3の初期位置65aまで供給された対象物3をアクチュエータ1で巻き付けて把持したのち、受取側のコンベヤベルト5上の対象物3の目標位置65bまで上方に移動させるようにしている。
図2A及び図2Bは、アクチュエータ1の1つの実施例である。アクチュエータ1は、筒体長軸A2と交差(例えば直交)する非円筒形状の断面の半分ずつである2つの長方形の帯状部材36,37が、長方形の一対の長辺の境界部38で密閉され接合されて中空の筒体となり、かつ、圧力供給口39である一端部を除き、他端部の境界部38も密閉され接合されて袋構造となっている。すなわち、この袋構造は、筒体長軸A2に沿って位置する空間16を内部に有している。第1帯状部材36の変形弾性力は、第2帯状部材37の変形弾性力よりも大きい。つまり、第1帯状部材36は第2帯状部材37よりも剛性が大きい。言い換えれば、アクチュエータ1は、第1の面と第2の面とで規定される中空の筒体のアクチュエータであり、第1の面は、第1帯状部材36であって、第1の弾性変形率を有し、第2の面は、第2帯状部材37であって、第1の弾性変形率よりも小さい第2の弾性変形率を有している。
従って、圧力供給口39から流体を袋状のアクチュエータ1の空間16内に供給すると、剛性が高い第1帯状部材36が外側となりかつ剛性が低い第2帯状部材37が内側となるように湾曲して、対象物3の側部の周囲に巻き付く。袋状のアクチュエータ1の空間16内に供給する流体の圧力を高めることにより対象物3に対する巻き付き力が増加して把持力も増加する。袋状のアクチュエータ1の空間16内から流体を排出すれば、対象物3に対する巻き付き力が減少して把持力が低下して把持解放することができる。
なお、対象物3の側部の周囲に巻き付く面には、一例として、摩擦係数が大きくなるよう粗面として、対象物3がアクチュエータ1から滑り落ちにくくしてもよい。
前記した袋状の構成のアクチュエータ1の代わりに、別のアクチュエータとして、径方向に非対称な変形弾性力を持つ任意の種類のパイプで構成することもできる。また、さらに別のアクチュエータとして、異なる厚さの複数の壁を有して筒体長軸A2と交差(例えば直交)する非円筒状の断面において非対称な変形弾性力を持つパイプで構成することもできる。
圧力源61は、圧力供給口39に接続されて、気体又は液体などの流体が、圧力源61から圧力供給口39を介してアクチュエータ1内に供給される。このとき、アクチュエータ1は、流体の圧力に応じて湾曲変形する。圧力がアクチュエータ1に印加されるときにアクチュエータ1の巻付け動作を可能とするように、アクチュエータ1の形状と非対称性とを適切に選択すればよい。
図3A〜図3Fはアクチュエータ1の湾曲動作を示している。図3A〜図3Fに向けて順にアクチュエータ1に対する圧力が増加するとき、アクチュエータ1は対象物3に対して巻付け動作を開始し、対象物3を把持する。図3A〜図3Fは、アクチュエータ1が対象物を把持するために必要な圧力が最終圧力の0%(図3A参照)から最終圧力の100%(図3F参照)まで20%毎の変形状態の過程を示す図である。図3Fは、アクチュエータ1は対象物3に対して巻付けられて対象物3を把持している状態である。
これに対して、図4A〜図4Lは、対象物3に対するアクチュエータ1の位置が適切ではなく、アクチュエータ1の巻き付けによる把持動作が失敗する場合を示している。アクチュエータ1が図4Aの初期位置から図4Bの位置まで対象物3に近づいたとする。以後の状態を、図4B〜図4Lに向けて順にアクチュエータ1に対する圧力が10%ずつ増加するときの、アクチュエータ1の対象物3に対する巻付け動作を示している。まず、図4C〜図4Hに示すように、図4Bの位置からアクチュエータ1の巻き付け動作を開始する。その後、図4I〜図4Lに示すように、アクチュエータ1を対象物3の側部に巻き付けようとしても、アクチュエータ1の先端部分が対象物3の側部に巻き付けられずに衝突してしまい、把持できない状態を示している。これは、アクチュエータ1の先端が巻き始めた巻き付け動作の初期の段階で、アクチュエータ1の先端と対象物3との位置が離れ過ぎていたためであると思われる。このような場合には、アクチュエータ1と対象物3との間の相対的な位置関係を修正する必要がある。
そこで、一例として、アクチュエータ1と対象物3との間の相対的な位置関係が不適切な場合には、その位置関係を修正するように相対的に移動する必要がある。
図5A〜図5Lは、アクチュエータ1の圧力を増加させながらロボットアーム2の適切な移動により、図4A〜図4Lに示した問題が解決される例を示している。図5B〜図5Lに向けて順にアクチュエータ1に対する圧力が10%ずつ増加するときの、アクチュエータ1の対象物3に対する巻付け動作を示している。この例では、図5Hの圧力が最終圧力の60%までは、アクチュエータ1は初期位置の基準線69に対して図5Hの上下方向に移動してはいない。しかしながら、圧力が最終圧力の60%を越えたときからは、図5I〜図Jに示すように、アクチュエータ1は、最初、図5Iの上向きに移動を開始して、アクチュエータ1の先端部分の巻き付け動作部分の円弧領域内に、対象物3が入るように移動する。次いで、対象物3がアクチュエータ1の先端部分の巻き付け動作部分の円弧領域内に入ったのちにさらに巻き付け動作を続けて、対象物3の図5Iの上側までアクチュエータ1の先端部分が巻き付いたのちは、図5K〜図5Lに示すように、アクチュエータ1は、逆に図5Kの下向きに移動して、対象物3の図5Kの上側の側部からアクチュエータ1の基端側に近い側部までアクチュエータ1の先端部分を巻き付けて対象物3をしっかりと把持できるようにする。この結果、図4A〜図4Lの例とは異なり、アクチュエータ1で対象物3をしっかりと把持することができる。
このように、対象物3に対してアクチュエータ1を巻き付けて把持するため、アクチュエータ1の巻き付け動作を開始しながら、アクチュエータ1自体の位置を移動装置66で移動させることにより、アクチュエータ1の巻き付け円弧内に対象物3が入り込むように(例えば基準線69に対して進退動作するように)動作制御することが必要となる場合がある。
アクチュエータ1の移動量は、対象物3の形状とサイズ(すなわち、大きさ)とに応じて予め計画することができる。
アクチュエータ1を移動させる移動装置66の一例としてはロボットアーム2とそのアーム駆動部62などで構成することができる。ロボットアーム2は、上下方向の中心軸周りに正逆回転可能かつ昇降可能な基台部2aと、基台部2aの上部に配置されて上下方向と直交する横方向に進退可能な腕部2bと、基台部2aを正逆回転及び昇降させるモータなどの回転昇降駆動装置2cと、腕部2bを基台部2aに対して進退させるモータなどで構成される直動装置2dとで構成されている。回転昇降駆動装置2cと直動装置2dとでアーム駆動部62が構成されている。アーム駆動部62は、ロボット制御部80の低レベル制御部8の一部であるアーム制御部14によって駆動制御される。
腕部2bの先端には、アクチュエータ1の基端が固定されている。アクチュエータ1の基端には圧力源61が接続されている。
図6A〜図6Cは、印加する圧力を変えることによって、同一のアクチュエータ1で、異なるサイズの対象物3a,3b,3cを把持できることを示している。図6Aは小さいサイズの対象物3a、図6Bは中くらいのサイズの対象物3b、図6Cは大きいサイズの対象物3cをそれぞれアクチュエータ1で把持している。
図7Aは、第1実施形態のロボット71のブロック図である。
ロボット71のロボット制御部80は、高レベル制御部7と低レベル制御部8とで構成されている。先に説明したアクチュエータ制御部13とアーム制御部14とは低レベル制御部8を構成している。
ここでは、高レベル制御部7の構成及び作用について主に説明する。
高レベル制御部7は、データベース10と、第1読取部11と、第2読取部12とで構成されている。第1読取部11と第2読取部12とは、それぞれ、情報取得部の一例として機能する。
図1及び図7Aでは、供給側のコンベヤベルト4上の対象物3の初期位置65aの近傍に対象物検出部6が配置されている。
対象物検出部6は、スイッチ、近接センサ、又は(カラー又はモノクロ)カメラなどで構成している。供給側のコンベヤベルト4上の、既知の形状(例えば直方体形状)を有する対象物3の所定の向きで初期位置65aへの到着を検出したとき、対象物検出部6は高レベル制御部7にトリガー信号を送信する。
高レベル制御部7が、供給側のコンベヤベルト4又は対象物検出部6からトリガー信号を受け取ったとき、図示しない表示部などでアクチュエータ1による対象物3の把持動作の開始をユーザに知らせることができる。
データベース10は、把持部圧力プロファイル及び移動装置の移動経路の情報などが予め記憶されており、第1読取部11と第2読取部12とでそれぞれ必要な情報が関係情報として読み取られる。より具体的には、データベース10には、時間毎のロボットアーム2を駆動するモータなどのアーム駆動部62による基台部2a及び腕部2bの各関節部の角度及び昇降位置などのロボットアーム2のアーム移動経路の情報が記憶されている。また、データベース10には、時間毎のアクチュエータ1の流体の圧力の加減動作に関する圧力プロファイルも記憶されている。
第1読取部11は、把持部圧力プロファイル読取部として機能し、データベース10から把持部圧力プロファイルの情報を読み取る機能を持っているとともに、対象物検出部6からの情報が入力される。第1読取部11は、読み取った把持部圧力プロファイルの情報をアクチュエータ制御部13に送る。アクチュエータ制御部13は、第1読取部11から受け取った把持部圧力プロファイルの情報を基に圧力源61を制御して、アクチュエータ1の把持動作を制御する。この把持動作とは、例えば、第1帯状部材36から第2帯状部材37に向かって、アクチュエータ1が湾曲させて対象物3にアクチュエータ1を巻き付けてアクチュエータ1で対象物3を把持させる動作である。
第2読取部12は、アーム移動経路読取部として機能し、データベース10から移動装置の移動経路を読み取る機能を持っているとともに、対象物検出部6からの情報が入力される。第2読取部12は、
読み取ったアーム移動経路の情報をアーム制御部14に送る。アーム制御部14は、第2読取部12から受け取ったアーム移動経路の情報を基にアーム駆動部62を制御して、ロボットアーム2によるアクチュエータ1の移動動作を制御する。このアクチュエータ1の移動動作は、例えば、アクチュエータ1による対象物3の把持動作を行うため、アクチュエータ1を、対象物3に対向する所定の位置に移動させる動作である。
データベース10のアーム位置とアクチュエータ1の圧力のシーケンスの情報には、それぞれ、図8Aに示す以下の3つの動作の情報を含んでいる。3つの段階とは、対象物3の把持動作(ステップS102)と、対象物3の再配置動作(例えば、供給側のコンベヤベルト4の初期位置65aから受取側のコンベヤベルト5の目標位置65bへの再配置動作)(ステップS103)と、対象物3の把持解放動作(ステップS104)とである。
データベース10の一例を図7Bに示す。図7Bのデータベース10では、時間t、t、…、tと時間経過につれて、アクチュエータ1の例えば先端の位置の上下方向と直交する横平面内のx座標がx、x、…、xと移動し、横平面内のy座標がy、y、…、yと移動し、上下方向のz座標がz、z、…、zとするとともに、同時に圧力がp、p、…、pと変動することを意味している。ここで、nは任意の整数とする。ここでは、対象物3としては、同一形状でかつ同一サイズで同一の把持動作で移動させることができる場合を例示している。
一方、データベース10の別の例として、3種類の対象物A,B,C毎のデータベース10を図7C〜図7Eに示す。3種類の対象物A,B,Cとは、互いに形状又は大きさなどが異なっている場合を意味する。従って、これらの図7C〜図7Eのデータベース10を使用する場合には、図8BのステップS100で示すように、ステップS101とステップS102との間において、例えば、第1読取部11で、初期位置65aの対象物3が、3種類の対象物A,B,Cのいずれであるかを識別する識別動作が必要となる。識別動作は、例えば、対象物検出部6がカメラの場合、カメラで取得した対象物3の画像の情報を基に、公知のパターンマッチングなどの手法を使用して、形状又はサイズから3種類の対象物A,B,Cのいずれであるかを識別することができる。第1読取部11では、対象物3を識別したのち、識別した対象物3に対応する、以下のいずれかのデータベース10を読み出して、ステップS102以降のアクチュエータ制御部13及びアーム制御部14での制御を行う。
図7Cの対象物A用のデータベース10では、時間t、t、…、tと時間経過につれて、アクチュエータ1の例えば先端の位置の上下方向と直交する横平面内のx座標がx、x、…、xと移動し、横平面内のy座標がy、y、…、yと移動し、上下方向のz座標がz、z、…、zとするとともに、同時に圧力がp、p、…、pと変動することを意味している。ここで、nは任意の整数とする。
図7Dの対象物B用のデータベース10では、時間t11、t12、…、tと時間経過につれて、アクチュエータ1の例えば先端の位置の上下方向と直交する横平面内のx座標がx11、x12、…、xと移動し、横平面内のy座標がy11、y12、…、yと移動し、上下方向のz座標がz11、z12、…、zとするとともに、同時に圧力がp11、p12、…、pと変動することを意味している。ここで、mは任意の整数とする。
図7Eの対象物C用のデータベース10では、時間t21、t22、…、tと時間経過につれて、アクチュエータ1の例えば先端の位置の上下方向と直交する横平面内のx座標がx21、x22、…、xと移動し、横平面内のy座標がy21、y22、…、yと移動し、上下方向のz座標がz21、z22、…、zとするとともに、同時に圧力がp21、p22、…、pと変動することを意味している。ここで、qは任意の整数とする。
図8Aは、ロボット71の動作のフローチャートである。
まず、ステップS101では、ロボット71は、対象物検出部6からのトリガー信号の有無により、対象物3が初期位置65aへ到着するのを待つ。もし対象物3が動作開始時に確かな確率で初期位置65aに到着しているならば、このステップS101は省略することができる。対象物検出部6からのトリガー信号を第1読取部11又は第2読取部12で受取り、対象物3が初期位置65aへ到着したと第1読取部11又は第2読取部12で判断すると、ステップS102に進む。
次いで、ステップS102では、初期位置65aの対象物3の把持が行われる。この動作は、対象物3の近傍にアクチュエータ1がロボットアーム2の移動動作で位置決めされ、アクチュエータ1に対する圧力源61による流体の加減動作で対象物3の側部に対する巻き付け動作が行われる。巻き付け動作は、例えば、対象物3の側部の高さ方向の中間部付近(より具体的には中央付近)に対して行われる。アクチュエータ1による対象物3の巻き付け動作の間、図5A〜図5Lに示すように、ロボットアーム2は移動することが必要となる場合もある。一旦、対象物3がアクチュエータ1により、十分にしっかりと把持されると、ステップS103に進む。
次いで、ステップS103では、ロボットアーム2の移動動作で対象物3の移動が行われる。すなわち、アクチュエータ1に巻き付けられて把持された対象物3が、ロボットアーム2の移動動作により、平行移動され、回転され、又は、平行移動と回転とが組み合わせされた動作が行われる。その結果、対象物3が初期位置65aから目標位置65bに到達すると、ステップS104に進む。
次いで、ステップS104では、アクチュエータ1から対象物3の把持解放が行われる。すなわち、アクチュエータ1への圧力源61からの流体の供給を停止し、アクチュエータ1から流体を排出して圧力を減少させ、アクチュエータ1による対象物3の巻き付けを解放する。なお、アクチュエータ1から流体を排出するとき、例えば、圧力源61とアクチュエータ1との間に切換弁を介在させ、切換弁で圧力源側を閉鎖した状態で、アクチュエータ1側を所定時間だけ大気開放すればよい。又は、このような構成の代わりに、流体の排出のときも、流体の供給と同様にデータベース10に予め記憶された情報を基にアクチュエータ制御部13で圧力源61による流体の排出制御を行うようにしてもよい。また、いずれの場合においても、流体の排出とともにロボットアーム2の移動が必要になる場合もある。
なお、把持動作段階においては、アクチュエータ1での圧力を減少させつつロボットアーム2の移動を達成することが必要な場合もある。
前記第1実施形態によれば、異なるサイズの対象物3A,3B,3Cに対しても、1つのアクチュエータ1を対象物3A,3B,3Cの側部にしっかりと巻き付ければ、対象物3A,3B,3Cをしっかりと把持することができる。言い換えれば、アクチュエータ1の巻き付け動作時の内側の面のほとんどが把持面として利用でき、対象物3の側部の長さに自在に対応して巻き付けることにより、把持面を自在に大小に調整して把持することができる。よって、従来のように、予め限られた把持面に対応する対象物3のみしか把持できない場合と比較して、様々な大きさの対象物3の把持を1つのアクチュエータ1で行うことができる。
図9は、第1実施形態の変形例において、移動装置66の別の例として、ロボットアーム2の代わりに、車輪付き移動装置2Bとしてもよいことを示している。
車輪付き移動装置2Bは、4個の車輪2gで前後及び旋回自在に走行することができる。車輪付き移動装置2Bの前端中央には、アクチュエータ1を有するアクチュエータ装置70を配置している。
また、この例では、各対象物A,B,Cの各初期位置と、各対象物A,B,Cの各形状及びサイズと、各対象物A,B,Cの各目標位置とがデータベース10に記憶されており、この情報を基に、把持移動動作を行うものである。
よって、例えば、初期位置65a−1に配置されている対象物Aを、車輪付き移動装置2Bのアクチュエータ1で把持した状態で車輪付き移動装置2Bで走行して、目標位置65b−1の対象物A用の領域に移動させる。同様に、初期位置62aに配置されている対象物Bを、車輪付き移動装置2Bのアクチュエータ1で把持した状態で車輪付き移動装置2Bで走行して、目標位置65bとして対象物B用の領域に移動させることができる。
(実施の形態2)
図10A〜図10Cは、本発明の第2実施形態にかかるロボットのアクチュエータ1Bである。
アクチュエータ1Bは、2本の帯状部材36.37などで構成されたアクチュエータ1とは異なり、円錐状の螺旋形状に巻回されるように構成している。具体的には、図10A及び図10Bに示すように、上端の基端から下端の先端に向かうに従い直径が小さくなるような円錐状の螺旋形状に巻回されている。このような例では、大きくて頑丈な基端部と組み合わせると、先端の質量を小さくすることができる(アクチュエータ1Bの先端がより移動するとき、質量が小さいと、最大速度を大きくしやすい)という利点がある。
アクチュエータ1Bと、圧力源61とでアクチュエータ装置70Bを構成している。アクチュエータ装置70Bは、圧力源61の圧力の加減の変化をアクチュエータ1Bのアクチュエータ長軸A1に対する湾曲動作に変換する。
アクチュエータ1Bは、圧力変化を湾曲動作に変換するために使用する弾性を有する中空の管状構造体である筒体81で構成されている。筒体81は、筒体81の長軸A2に沿って形成されている空間96をその内部に有する。筒体81は、図3に示すように、アクチュエータ1Bのアクチュエータ長軸A1を中心に螺旋形状に巻回されてコイル形状を有している。言い換えると、筒体81はコイルの円錐形状を有するように折り畳まれている。
筒体81の外周面81b及び内周面81aの少なくとも一方には溝81gが形成されている。溝81gは、筒体81の長軸A2に沿って捩られたように延び、かつ、アクチュエータ長軸A1周りの180度毎に捩じり方向の向きを逆転させるように捩じられている。
筒体81の内部には、媒体が充填される。媒体の例は、液体及び気体を含む流体である。液体の一例は水であり、気体の一例は空気である。筒体81の一端は、例えば、シールキャップ83により閉塞されているか、又は、固定具に接続されて閉塞されている。一方、筒体81の他端は、筒体81を配管88に接続している。この配管88は、圧力源61に接続されている。
圧力源61は、流体の例である水などの圧縮流体を筒体81に供給するポンプなどで構成し、流体供給の加減により圧力を制御して、アクチュエータ1Bをアクチュエータ長軸A1沿いに伸縮させることなく、アクチュエータ長軸A1に対する湾曲度合を制御することができる。
このアクチュエータ1Bの構成については、後で詳しく説明する。
圧力源61は、配管88を介してアクチュエータ1Bの筒体81の内部の流体を増加させ又は減少させることで、アクチュエータ1Bの筒体81の内部の圧力を増加又は減少させて、アクチュエータ1Bを湾曲状態IIと真直状態Iとの間で動作させる。
圧力源61の一例は、ポンプである。ポンプの具体例としては、シリンジポンプ(往復ポンプ)などが用いられる。シリンジポンプの一例は、円筒形のシリンジと、可動式の押子と、押子の位置を制御する制御部とを有するポンプである。シリンジ及び押子は注射器のように作用する。シリンジ内部を押子で加圧して、シリンジの内部空間から流体を送り出す。また、シリンジ内部を押子で減圧して流体を回収する。シリンジポンプを作動することで、アクチュエータ1Bの筒体81の内部に充填される流体の量を調節(変化)して、筒体81の内部の圧力を調節することができる。
「筒体81の内部に充填される流体の量を調節(変化)する」とは「筒体81の内部に充填される流体の単位体積あたりの密度を調整(変化)する」と解してもよい。「流体の圧力を増加させること」は、「単位体積あたりの流体の量を増やすこと」であってもよい。「流体の圧力を減少させること」は、「単位体積あたりの流体の量を減らすこと」であってもよい。
配管88は、圧力源61とアクチュエータ1Bを接続して、流体の流出入の経路となるチューブ状の部材である。配管88は、アクチュエータ1Bの作動時の応答性を上げるため、アクチュエータ1Bよりも耐圧性を有するものを用いることができる。なお、圧力源61とクチュエータ1Bを直結する場合は、配管88を用いなくてもよい。
次に、本実施の形態に係るアクチュエータ1Bについて、より詳細に説明する。
アクチュエータ1Bは、弾性を有する中空の筒体81が、螺旋に巻回された円錐状のコイル形状(すなわち、螺旋形状)をしている。
図10Cに示すように、アクチュエータ1Bの筒体81の筒体長軸A2と直交する面の断面形状は非円形の外形とし、筒体81を非円筒状部材としている。非円形の外形の一例としては、桜の花のような形状であって、筒体81の内周面81aと外周面81bの両方に互い違いになるように、内向き凸部81cと外向き凸部81dとを交互に周方向に設けている。このように非円形の外形とする理由は、筒体81を円筒で構成してしまうと、流体を筒体内に加減して供給するとき、筒体81の長軸A2周りの360度の全ての部分に均等に圧力が作用してしまい、筒体81がアクチュエータ長軸A1に対して湾曲するように曲がる動作を発揮できないためである。筒体81を非円形とすることで、流体を筒体内に加減して供給するとき、筒体81の長軸A2周りにおいて不均一に圧力が作用し、筒体81がアクチュエータ長軸A1に対して湾曲するように曲がる動作を発揮することができる。
また、例えば、筒体81は、アクチュエータ1Bの長軸A1を中心に上端から下端に向かって反時計回り(左巻き)に巻回されて円錐状のコイル形状を形成している。なお、筒体81の螺旋形状は、左巻きに限定するものではなく、右巻きとすることもできる。
筒体81の外周面81bには、筒体81の軸心A2を中心軸として、螺旋状に捩じれた溝81gが複数設けられている。言い換えると、溝81gは、筒体81の長軸の周りに沿って捩られたように延びている。本実施の形態では、筒体81の螺旋形状はアクチュエータ長軸A1に対して左巻きであり、螺旋状に捩じれた溝81gは、筒体長軸すなわち軸心A2に対して左巻きに捩じられた円弧部分84と、軸心A2に対して右巻きに捩じられた円弧部分85とが交互に配置されて構成されている。すなわち、筒体81の螺旋形状の巻き方向と溝81gの捩じり方向とが一致している部分84と、逆になっている部分85とが、アクチュエータ長軸A1回りの180度の円弧部分毎に交互に配置されて、溝81gが構成されている。
左巻きに捩じられた円弧部分84と右巻きに捩じられた円弧部分85との境界部の一例である境界面86は、筒体81の長軸A2に対して直交するのではなく傾斜した傾斜面としている。境界面86の位置は、傾斜角度が180度毎に交互に傾きが変わるような傾斜面となっているが、大まかに言えば、図10Bに示すように、アクチュエータ長軸A1沿いに一直線状に配置されている。ここで、「一直線状に配置」とは、大略一直線状に配置していることを意味する。
本実施の形態では、筒体81の材料の例としてナイロンが用いられている。ただし、本発明では、この材料に限られるものではなく、各種樹脂材料又は金属材料を用いることができる。筒体81の材料は、必要とされる耐圧性、柔軟性、又は流体に対する耐性(耐薬品性、耐溶剤性、又は耐油性)などを考慮して適宜選択される。例えば、筒体81の材料として、剛性の高いエンジニアリングプラスチック又は金属材料を用いることで、アクチュエータ1Bの動作を高圧でかつ低流量で行うことができ、流体の流れに伴う損失を低減できる。
非円筒の外形の具体的な例を図10Cに示している。筒体81は、半径1.8mmを有しかつ5個の180°の円弧形状の凸部1dを内から外向きに形成するように曲げられた0.6mm厚さの材料のシートを筒体にして構成されている。これらの円弧形状の凸部81dの円弧半径の中心は、筒体81の長軸A2周りの半径3.3mmの円周上に等間隔に配置されている。筒体81の外周面には、螺旋形状の180度の円弧部分毎に、6回だけ所定方向に捩じられる部分と、それとは逆方向に捩じられる部分とで溝81gが構成されている。捩じりは、半径40mmでピッチは24mmで形成されている。
次に、アクチュエータ1Bの駆動方法について概略説明する。
図11は、アクチュエータ1Bの湾曲動作を示す模式的な説明図である。
アクチュエータ1Bの駆動方法は、アクチュエータ1Bを湾曲させる工程と、アクチュエータ1Bを真っ直ぐにさせる工程とを備えている。
まず、アクチュエータ1Bを湾曲させる工程において、アクチュエータ1Bの内部に流体を供給して加圧する前は、図11の(a)に示すように、アクチュエータ1Bは定常状態にある。定常状態とは、アクチュエータ1Bの内部の流体に予圧をかけていない状態(すなわち、0MPa)であり、アクチュエータ1Bはアクチュエータ長軸A1沿いに真っすぐな状態Iとなっている。
そして、図11の(a)に示す状態に対して、圧力源61を用いて流体を、例えば0.85MPaで加圧するようにアクチュエータ1B内にさらに流体を供給する。これにより、図11の(b)に示すように、アクチュエータ1Bが湾曲する。圧力に応じて、アクチュエータ1Bが異なる外形を持つことになる。例えば、湾曲させる工程では、図11の(a)、(b)、(c)及び(d)は、それぞれ、0Pa、0.85MPa、0.9MPa及び1MPaの圧力のときの状態である。
次いで、圧力源61で流体を減圧することで、アクチュエータ1Bを元の真っすぐな状態Iに戻す。この真っ直ぐさせる工程S2では、図(c)、(b)、及び(a)は、それぞれ、0.9Pa、0.85MPa、及び0MPaの圧力のときの状態である。
これらの2つのステップを繰り返すことで、アクチュエータ1Bの曲率を変化させる。なお、湾曲する動作及び真っすぐにする動作は一方でもよいし、順序を逆にしてもよい。また、湾曲する動作及び真っすぐにする動作を複数回繰り返してもよい。
第1実施形態に示されたアクチュエータ1と同様に、第2実施形態のアクチュエータ1Bの変形でも、把持動作の間、ロボットアーム2の移動が必要となる場合がある。
図12A〜図12Fにその一例を示す。
図12Aは、概略の初期状態である。まず、ロボットアーム2が、図12Bに示されるように把持動作の最終段階の位置まで移動したと仮定する。
その後、アクチュエータ1Bに圧力が徐々に印加されて、アクチュエータ1Bに把持のための巻き付けを行わせる。
次いで、図12Cは、圧力が最終把持圧力の50%になったときのアクチュエータ1Bの形状を示している。もしロボットアーム2が移動することなく、アクチュエータ1Bの圧力が最終把持圧力の80%まで増加したとき、図12Dに示すように、アクチュエータ1Bは対象物3に巻き付くことなく、単に衝突することになる。
このような把持失敗動作を避けるために、もし、ロボットアーム2によりアクチュエータ1Bを図12Dの上向きに移動させるとともにアクチュエータ1Bの圧力を増加させると、図12Eに示されるように、対象物3と衝突することなく、アクチュエータ1Bの最終把持圧力の80%まで増加させて巻き付けを開始することができる。
次いで、引き続き下向きの移動により、図12Fに示された最終形状に到達する。この最終形状では、アクチュエータ1Bが対象物3の側部に巻き付いてしっかりと把持している状態を示している。なお、解放するときは、第1実施形態にかかるアクチュエータ1と同様である。
図13A〜図13Cは、印加する圧力を変えることによって、同一のアクチュエータ1Bで、異なるサイズの対象物3a,3b,3cを把持できることを示している。図13Aは小さいサイズの対象物3a、図13Bは中くらいのサイズの対象物3b、図13Cは大きいサイズの対象物3cをそれぞれアクチュエータ1Bで把持している。
このように、第2実施形態にかかるアクチュエータ1Bでも、第1実施形態にかかるアクチュエータ1と同様に、把持動作及び解放動作等を行うことができる。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明にかかるロボットは、異なるサイズの対象物を1つの把持部でしっかりと把持することができ、搬送装置等として有用である。
1,1B アクチュエータ
2 ロボットアーム
2B 車輪付き移動装置
2a 基台部
2b 腕部
2c 回転昇降駆動装置
2d 直動装置
2g 車輪
3,3a,3b,3c 対象物
4 供給側のコンベヤベルト
5 受取側のコンベヤベルト
6 対象物検出部
7 高レベル制御部
8 低レベル制御部
10 データベース
11 第1読取部
12 第2読取部
13 アクチュエータ制御部
14 アーム制御部
16 空間
36,37 帯状部材
38 境界部
39 圧力供給口
61 圧力源
62 アーム駆動部
65a,65a−1 対象物の初期位置
65b,65b−1 対象物の目標位置
66 移動装置
69 基準線
70,70B アクチュエータ装置
71 ロボット
80 ロボット制御部
81 筒体
81a 内周面
81b 外周面
81c 内向き凸部
81d 外向き凸部
81g 溝
83 シールキャップ
84 左巻きに捩じられた円弧部分
85 右巻きに捩じられた円弧部分
86 境界面
88 配管
96 空間

Claims (7)

  1. 対象物を把持可能な把持部と圧力源とロボット制御部とを備えるアクチュエータ装置であって、
    前記把持部は、第1の面と第2の面とで規定される中空の筒体のアクチュエータを備え、
    前記第1の面は、第1の弾性変形率を有し、前記第2の面は、前記第1の弾性変形率よりも小さい第2の弾性変形率を有し、
    前記筒体は、前記筒体長軸に沿って位置する空間を内部に有し、
    前記圧力源は、前記筒体の前記空間内に流体を供給し、
    前記ロボット制御部は、前記圧力源から前記筒体に対する前記流体を制御して、(a)前記把持部の位置を、前記対象物に対向する所定の位置に移動させ、かつ、(b)前記第1の面から前記第2の面に向かって、前記把持部が湾曲することにより前記対象物を前記把持部で把持させる、
    ロボット。
  2. 前記把持部の前記筒体の前記第1の面と前記第2の面とは、筒体長軸と交差する断面の半分ずつでありかつ互いに密閉接合された2本の帯状部材で構成されている、
    請求項1に記載のロボット。
  3. 前記把持部を、前記対象物に対向する所定の位置に移動させる移動装置をさらに備えて、
    前記ロボット制御部は、前記移動装置を制御して前記把持部を前記対象物に対向する所定の位置に移動させながら前記筒体内の圧力を制御して、前記把持部を湾曲させて前記把持部を前記対象物に巻付けて把持する、
    請求項1又は2に記載のロボット。
  4. 前記把持部の位置と、前記筒体内の圧力との関係情報を取得する情報取得部をさらに備えて、
    前記ロボット制御部は、前記情報取得部で取得した前記関係情報に基づき前記把持部の把持動作を制御する、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載のロボット。
  5. 把持物体の形状又はサイズと、前記把持部の位置と、前記筒体内の圧力との関係情報を取得する情報取得部をさらに備えて、
    前記ロボット制御部は、前記情報取得部で取得した前記関係情報に基づき前記把持部の把持動作を制御する、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載のロボット。
  6. 前記筒体は、アクチュエータ長軸を中心に螺旋に巻回された円錐状のコイル形状を有し、
    前記筒体の内周面及び外周面の少なくとも一方には溝が形成され、
    前記溝は、前記筒体長軸に沿って捩られたように延び、かつ、前記アクチュエータ長軸周りの180度毎に捩じり方向の向きを逆転させるように捩じられており、
    前記圧力源は、
    (a1)前記筒体の内部の圧力を増加させることにより、前記アクチュエータを前記アクチュエータ長軸沿いの真っ直ぐな状態から前記アクチュエータ長軸に対して湾曲した状態に湾曲動作させ、
    (a2)前記筒体の前記内部の前記圧力を減少させることにより、前記アクチュエータを前記湾曲した状態から前記真っ直ぐな状態に戻す、
    請求項1〜5のいずれか1つに記載のロボット。
  7. 前記溝は、前記アクチュエータ長軸周りの180度毎に境界部を介して捩じり方向の向きを逆転させるように捩じられており、前記境界部の位置は、前記アクチュエータ長軸沿いに一直線状に配置されている、請求項6に記載のロボット。
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