JP2018114277A - 歩行転倒防止装置、歩行転倒防止装置の制御装置及び制御方法、並びに、歩行転倒防止装置用制御プログラム - Google Patents

歩行転倒防止装置、歩行転倒防止装置の制御装置及び制御方法、並びに、歩行転倒防止装置用制御プログラム Download PDF

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真弓 小松
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Abstract

【課題】 歩行中のユーザの左側への転倒または右側への転倒が防止できる歩行転倒防止装置、歩行転倒防止装置の制御装置及び制御方法、並びに、歩行転倒防止装置用制御プログラムを提供する。【解決手段】 入力インターフェース部200で取得した路面の情報に基づいて、ユーザが装着可能な第1及び第2アシストウェア2a,2b,2cの各脚の股関節又は各足首の左側面に対応する部分に配置されて流体を加減することにより伸縮する第1及び第3アクチュエータ10h,10f,11h,11fと各脚の股関節又は各足首の右側面に対応する部分に配置されて流体を加減することにより伸縮する第2及び第4アクチュエータ10e,10g,11e,11gとをそれぞれ独立してそれぞれの流体の供給量を制御することにより、股関節又は足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標を剛性制御部24で変更する。【選択図】図1

Description

本発明は、ユーザが装着して歩行動作をアシストするときユーザの左側への転倒または右側への転倒を防止する歩行転倒防止装置、歩行転倒防止装置の制御装置及び制御方法、並びに、歩行転倒防止装置用制御プログラムに関する。
近年、パワーアシスト、高齢者又は障害者の動作補助、又は、リハビリ支援などを目的として人が装着するアシスト装置と呼ばれる機器が盛んに開発されるようになってきた。これらの機器は人が装着して動作するため、人と親和性の高い動作方法が求められる。一般的に人が関節を動作させる時、動作に必要な関節のトルクを発生させると同時に、拮抗した筋肉によって剛性を変化させていることがわかっている。そのため、人と親和性の高い動作方法として、人体に伝達する剛性を適切に設定可能な部材を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特開2015-2970号公報 特許5259553号公報
特に人に装着して歩行補助を行う場合、人が安全に歩行を続けるためには歩行の動作方向である前後方向だけではなく、人の横方向すなわち人の左側及び右側の転倒を防止できることが望ましい。
しかし、一般的なアシスト装置においては、アシストが必要な方向、すなわち歩行の場合は、前後方向のアシスト方法のみが考えられていることが多い。
本発明の目的は、前記従来の課題を解決し、歩行中のユーザの左側への転倒及び右側への転倒が防止できる歩行転倒防止装置、歩行転倒防止装置の制御装置及び制御方法、並びに、歩行転倒防止装置用制御プログラムを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の態様としては以下のように構成する。
本発明の1つの態様によれば、ユーザの歩行時における転倒を防止する歩行転倒防止装置であって、
アシスト機構と、
前記アシスト機構の動作を制御する制御装置とを備え、
前記アシスト機構は、
前記ユーザの腰部に固定される腰部ベルトと膝上部に固定される膝上ベルトとを備える第1のアシストウェアと、
前記ユーザの足首上部に固定される足首上ベルトと足首下部に固定される足首下部ベルトとを備える第2のアシストウェアと、
前記ユーザの各脚の股関節の(例えば各太腿の)左側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第1アクチュエータと、
前記各脚の前記股関節の(例えば各太腿の)右側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第2アクチュエータと
各脚の足首の左側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第3アクチュエータと、
前記各脚の前記足首の右側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第4アクチュエータとを備え、
前記制御装置は、
前記ユーザが歩行する路面の情報を取得する入力インターフェース部と、
前記入力インターフェース部で取得した前記路面の情報に基づいて、前記第1〜第4アクチュエータをそれぞれ独立して前記それぞれの流体の供給量を制御することにより、前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とにおける剛性(例えば剛性目標値)を変更するように制御する剛性制御部とを備える、
歩行転倒防止装置を提供する。
これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)などの不揮発性の記録媒体を含む。
本発明の前記態様によれば、路面情報に基づいて歩行中のユーザの左側への転倒または右側への転倒が防止できる。歩行中のユーザの左側への転倒または右側への転倒が防止できる。本開示の一態様の付加的な恩恵及び有利な点は本明細書及び図面から明らかとなる。この恩恵及び/又は有利な点は、本明細書及び図面に開示した様々な態様及び特徴により個別に提供され得るものであり、その1以上を得るために全てが必要ではない。
本発明の第1実施形態における歩行転倒防止装置のアシストパンツのアクチュエータの配置を示す図。 本発明の第1実施形態における歩行転倒防止装置の制御装置及び制御対象を示すブロック図。 第1実施形態における弾性体アクチュエータの一例である空気圧アクチュエータの構造及び動作を示す図。 本発明の第1実施形態におけるフットセンサの配置の一例を示す図。 本発明の第1実施形態における右足の歩行周期を示す図。 本発明の第1実施形態における路面の曲率状態を示す図。 本発明の第1実施形態におけるフットセンサの出力の一例を示す図。 本発明の第1実施形態におけるフットセンサの出力の一例を示す図。 本発明の第1実施形態におけるタイミング判別部の動作の一例を示す図。 本発明の第1実施形態におけるタイミング判別部の動作の一例を示すグラフ。 ユーザの身体における前額面と矢状面とを示す斜視図。 本発明の第1実施形態における剛性目標値出力部の動作の一例を示す図。 本発明の第1実施形態における剛性目標値出力部の動作の一例を示すグラフ。 本発明の第1実施形態における剛性目標値出力部の変形例の一例を示す図。 本発明の第1実施形態における空気圧アクチュエータの配置を示す図。 本発明の第1実施形態における各アクチュエータの目標弾性係数のタイミングチャートの一例を示す図。 本発明の第1実施形態における空気圧アクチュエータの位置関係を示す図。 本発明の第1実施形態における段差の路面形状とユーザの足との関係を説明する図。 本発明の第1実施形態におけるフットセンサの出力の一例を示す図。 本発明の第2実施形態における歩行転倒防止装置の制御装置及び制御対象を示すブロック図。 本発明の第2実施形態における路面状況入力部の一例を示す図。 本発明の第2実施形態における前額剛性目標値出力部の動作の一例を示す図。 本発明の第2実施形態における前額剛性目標値出力部の動作の一例を示す図。 本発明の第2実施形態における前額剛性目標値出力部の動作の一例を示すグラフ。 本発明の第1及び第2実施形態の変形例におけるアシストシステムの概要を示す図。 本発明の第1及び第2実施形態の変形例におけるアシストパンツ内のアクチュエータの配置を示す図。 本発明の第1及び第2実施形態の変形例における股関節及び足首関節のトルクの一例を示す図。 路面曲率に対応したフットセンサ8bの信号モデルの図。 図7及び図8のフットセンサのそれぞれの状態と、図24に示したフットセンサの信号モデルA〜Dとの一致度を示した図。 段差を踏んでしまった場合の信号モデル図。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1の態様によれば、ユーザの歩行時における転倒を防止する歩行転倒防止装置であって、
アシスト機構と、
前記アシスト機構の動作を制御する制御装置とを備え、
前記アシスト機構は、
前記ユーザの腰部に固定される腰部ベルトと膝上部に固定される膝上ベルトとを備える第1のアシストウェアと、
前記ユーザの足首上部に固定される足首上ベルトと足首下部に固定される足首下部ベルトとを備える第2のアシストウェアと、
前記ユーザの各脚の股関節の(例えば各太腿の)左側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第1アクチュエータと、
前記各脚の前記股関節の(例えば各太腿の)右側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第2アクチュエータと
各脚の足首の左側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第3アクチュエータと、
前記各脚の前記足首の右側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第4アクチュエータとを備え、
前記制御装置は、
前記ユーザが歩行する路面の情報を取得する入力インターフェース部と、
前記入力インターフェース部で取得した前記路面の情報に基づいて、前記第1〜第4アクチュエータをそれぞれ独立して前記それぞれの流体の供給量を制御することにより、前記股関節又は前記足首の左右方向、すなわち、左側面と右側面とにおける剛性を変更するように制御する剛性制御部とを備える、
歩行転倒防止装置を提供する。
前記第1の態様によれば、各アクチュエータの流体の供給量は、路面情報に基づいて股関節又は足首の左側面と右側面とにおける剛性を変更するように制御される。これにより歩行中のユーザの左側への転倒及び右側への転倒が防止できる。
本発明の第2の態様によれば、
前記第1〜第4のアクチュエータは、それぞれ、中空を有する管状弾性体であり、
前記剛性制御部で前記中空内へ供給される前記流体を加減することにより前記管状弾性体が伸縮し、
前記剛性制御部で前記中空内へ供給される前記流体の供給量を制御することにより前記管状弾性体の剛性を変更する、
第1の態様に記載の歩行転倒防止装置を提供する。
本発明の第3の態様によれば、
前記剛性制御部で前記中空内へ供給される前記流体を加圧することにより前記管状弾性体を伸張し、前記中空内へ供給される前記流体を減圧することにより前記管状弾性体を収縮し、
前記剛性制御部で前記中空内へ供給される前記流体の前記供給量を所定値以上に維持することにより、前記管状弾性体の前記剛性を高め、
前記剛性制御部で前記中空内へ供給される前記流体の前記供給量を前記所定値未満に減少させることで、前記管状弾性体の前記剛性を低める、
第2の態様に記載の歩行転倒防止装置を提供する。
本発明の第4の態様によれば、前記入力インターフェース部は、
前記ユーザの各足の裏面に複数個配置されて前記ユーザが歩行するときの前記ユーザの各足と前記路面との接地状態情報を取得するフットセンサと、
前記フットセンサの前記接地状態情報に基づき前記路面の曲率の情報を前記路面の情報として取得する路面情報推定部とを備えて、
前記剛性制御部は、前記入力インターフェース部が、前記路面の情報として、閾値以下の路面の曲率を有する路面曲率小のグループであるとの情報を取得したとき、前記第1〜第4のアクチュエータの前記左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を、初期設定された剛性目標値よりも大きくする、
第1〜3のいずれか1つの態様に記載の歩行転倒防止装置を提供する。
て前記第4の態様によれば、閾値以下の路面の曲率を取得して路面が転倒しやすい場合には、ユーザの各脚の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を、それぞれ初期設定された剛性目標値よりも大きくして転倒の防止を行うことができる。また、フットセンサを備えることで、ユーザは自ら自発的に路面情報を入力する必要がなく、歩行転倒防止装置を装着して歩行するだけで、自動で路面情報を入手できる。
本発明の第5の態様によれば、前記入力インターフェース部は、
前記ユーザの各足の裏面に複数個配置されて前記ユーザが歩行するときの前記ユーザの各足と前記路面との接地状態情報を取得するフットセンサと、
前記フットセンサの前記接地状態情報に基づき前記路面の曲率の情報を前記路面の情報として取得する路面情報推定部とを備えて、
前記剛性制御部は、前記入力インターフェース部が、前記路面の情報として、閾値より大きい路面の曲率を有する路面曲率大のグループであるとの情報を取得したとき、前記第1〜第4のアクチュエータの前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を、初期設定された剛性目標値よりも小さくする、
第1〜3のいずれか1つの態様に記載の歩行転倒防止装置を提供する。
前記第5の態様によれば、閾値よりも大きな路面の曲率を取得して路面が転倒しにくい場合には、前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を、初期設定された剛性目標値よりも小さくして股関節又は足首の自由度を高めて動きやすくすることができる。
本発明の第6の態様によれば、前記入力インターフェース部は、
前記ユーザの各足の裏面に複数個配置されて前記ユーザが歩行するときの前記ユーザの各足と前記路面との接地状態情報を取得するフットセンサと、
前記フットセンサの前記接地状態情報のうち前記足の裏が路面に接触しているタイミングの接地状態情報に基づき、前記路面の曲率の情報を前記路面の情報として取得する路面情報推定部とを備える、
第1〜5の態様のいずれか1つに記載の歩行転倒防止装置を提供する。
前記第6の態様によれば、フットセンサで取得した接地状態情報のうち、足の裏が路面に接触しているタイミングの接地状態情報に基づき、前記路面の曲率の情報を前記路面の情報として路面情報推定部で取得することもでき、転倒防止の制御に使用することができる。例えば、ユーザが平らな路面を歩行しているときの足の裏全体が路面に接触しているタイミングの接地状態情報を用いることによって、路面情報をより正確に得ることができる。
本発明の第7の態様によれば、前記入力インターフェース部は、
前記ユーザの各足の裏面に複数個配置されて前記ユーザが歩行するときの前記ユーザの各足と前記路面との接地状態情報を取得するフットセンサと、
前記フットセンサの前記接地状態情報に基づき前記路面の曲率の情報を前記路面の情報として取得する路面情報推定部とを備えて、
前記剛性制御部は、前記路面情報推定部が、前記路面の情報として前記段差が有るという情報を推定したとき、前記第1〜第4のアクチュエータをそれぞれ独立して流体を加えることにより、当該足に対応する前記股関節又は前記足首の前記左側面と右側面とに伝達する剛性目標値を、初期設定の剛性目標値よりも大きくするように制御する、
第1〜6の態様のいずれか1つに記載の歩行転倒防止装置を提供する。
前記第7の態様によれば、ユーザが歩行中に例えば足の裏の半分程度が溝又は開口に差し掛かったとき、前記路面の前記脚が接触している部分に段差が有るという情報を前記路面情報推定部で推定することができ、その結果、前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とに伝達する剛性を変更するように前記剛性制御部で制御して転倒防止を図ることができる。
本発明の第8の態様によれば、前記入力インターフェース部は、
前記ユーザの各足の裏面に複数個配置されて前記ユーザが歩行するときの前記ユーザの各足と前記路面との接地状態情報を取得するフットセンサと、
前記路面の情報として、転倒しやすい路面状況の情報を取得する路面状況取得部とを備えて、
前記剛性制御部は、前記路面状況取得部が、前記路面の情報として前記転倒しやすい路面状況の情報を取得したとき、前記第1〜第4のアクチュエータをそれぞれ独立して流体を加えることにより、当該足に対応する前記股関節又は前記足首の前記左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を、初期設定の剛性目標値よりも大きくするように制御する、
第1〜7の態様のいずれか1つに記載の歩行転倒防止装置を提供する。
第8の態様によれば、転倒しやすい路面状況の情報を路面状況取得部で取得したとき、前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性を変更するように前記剛性制御部で制御して転倒防止を図ることができる。
本発明の第9の態様によれば、ユーザの腰部に固定される腰部ベルトと膝上部に固定される膝上ベルトとを備える第1のアシストウェアと、
前記ユーザの足首上部に固定される足首上ベルトと足首下部に固定される足首下部ベルトとを備える第2のアシストウェアと、
前記ユーザの各脚の股関節の(例えば各太腿の)左側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第1アクチュエータと、
前記各脚の前記股関節の(例えば各太腿の)右側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第2アクチュエータと、
各脚の足首の左側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第3アクチュエータと、
前記各脚の前記足首の右側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第4アクチュエータとを備えるアシスト機構の動作を制御して、前記ユーザの歩行時における転倒を防止する歩行転倒防止装置の制御装置であって、
前記ユーザが歩行する路面の情報を取得する入力インターフェース部と、
前記入力インターフェース部で取得した前記路面の情報に基づいて、前記第1〜第4のアクチュエータをそれぞれ独立して前記それぞれの流体の供給量を制御することにより、前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性を変更するように制御する剛性制御部とを備える、
歩行転倒防止装置の制御装置を提供する。
前記第9の態様によれば、各アクチュエータの流体の供給量は、路面情報に基づいて股関節又は足首の左側面と右側面とにおける剛性を変更するように制御される。これにより歩行中のユーザの左側への転倒及び右側への転倒が防止できる。
本発明の第10の態様によれば、ユーザの腰部に固定される腰部ベルトと膝上部に固定される膝上ベルトとを備える第1のアシストウェアと、
前記ユーザの足首上部に固定される足首上ベルトと足首下部に固定される足首下部ベルトとを備える第2のアシストウェアと、
前記ユーザの各脚の股関節の(例えば各太腿の)左側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第1アクチュエータと、
前記各脚の前記股関節の(例えば各太腿の)右側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第2アクチュエータと、
各脚の足首の左側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第3アクチュエータと、
前記各脚の前記足首の右側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第4アクチュエータとを備えるアシスト機構の動作を制御して、前記ユーザの歩行時における転倒を防止する歩行転倒防止装置の制御方法であって、
前記ユーザが歩行する路面の情報を入力インターフェース部で取得し、
前記入力インターフェース部で取得した前記路面の情報に基づいて、前記第1〜第4のアクチュエータをそれぞれ独立して前記それぞれの流体の供給量を制御することにより、前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性を変更するように剛性制御部で制御する、
歩行転倒防止装置の制御方法を提供する。
前記第10の態様によれば、各アクチュエータの流体の供給量は、路面情報に基づいて股関節又は足首の左側面と右側面とにおける剛性を変更するように制御される。これにより歩行中のユーザの左側への転倒及び右側への転倒が防止できる。
本発明の第11の態様によれば、ユーザの腰部に固定される腰部ベルトと膝上部に固定される膝上ベルトとを備える第1のアシストウェアと、
前記ユーザの足首上部に固定される足首上ベルトと足首下部に固定される足首下部ベルトとを備える第2のアシストウェアと、
前記ユーザの各脚の股関節の(例えば各太腿の)左側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第1アクチュエータと、
前記各脚の前記股関節の(例えば各太腿の)右側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第2アクチュエータと、
各脚の足首の左側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第3アクチュエータと、
前記各脚の前記足首の右側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第4アクチュエータとを備えるアシスト機構の動作を制御して、前記ユーザの歩行時における転倒を防止する歩行転倒防止装置用制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記ユーザが歩行する路面の情報を取得する入力インターフェース部と、
前記入力インターフェース部で取得した前記路面の情報に基づいて、前記第1〜第4のアクチュエータをそれぞれ独立して前記それぞれの流体の供給量を制御することにより、前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性を変更するように制御する剛性制御部として機能させるための歩行転倒防止装置用制御プログラムを提供する。
前記第11の態様によれば、各アクチュエータの流体の供給量は、路面情報に基づいて股関節又は足首の左側面と右側面とにおける剛性を変更するように制御される。これにより歩行中のユーザの左側への転倒及び右側への転倒が防止できる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかる歩行転倒防止装置の一例としてのアシストシステム1の概要を示す図である。図2は、アシストシステム1の制御装置3及び制御対象を示すブロック図である。
アシストシステム1は、ユーザ100の歩行時における転倒を防止する装置であって、ユーザ100が装着するアシスト機構2と、アシスト機構2の動作を制御する制御装置3とを備えている。
アシスト機構2は、ユーザ100の下半身の少なくとも一部に装着されるアシストウェア例えばアシストパンツ2a又はアシストアンクルバンド2b,2c、又は、それらのいずれかとアシストソックス2j,2kとの組み合わせ、又は、アシストパンツ2aとアシストアンクルバンド2b,2cとアシストソックス2j,2kとの組み合わせなどと、アシストパンツ用アクチュエータ又はアシストアンクルバンド用アクチュエータとで構成されている。アシストパンツ用アクチュエータは第1のアシストウェアの例として機能し、アシストアンクルバンド用アクチュエータは第2のアシストウェアの例として機能する。
アシストパンツ2aは、ユーザ100が下半身に着脱可能に装着するアシストパンツ本体2dと、腰部ベルト4と、左右の膝上ベルト5a、5bと、少なくとも腿アクチュエータ10(10e,10f,10g,10h)とを備えている。制御装置3は、各腿アクチュエータ10に供給する流体の供給量を加減することにより各腿アクチュエータ10の伸縮をそれぞれ動作制御している。
腰部ベルト4は、アシストパンツ本体2dの上端縁に固定された、例えば布ベルトで構成されて、ユーザ100の腰部を着脱可能に拘束している。左右の膝上ベルト5a、5bは、アシストパンツ本体2dの左右の下端縁(裾)に固定された、例えば布ベルトで構成されて、ユーザ100の左右の膝部を着脱可能に拘束している。
各腿アクチュエータ10は、アシストパンツ本体2dの腰部ベルト4と左右の膝上ベルト5a、5bとの間に長手方向沿いに配置されている。具体的には、腿アクチュエータ10は、アシストパンツ本体2dにおいて、ユーザ100の右太腿外側(右太腿右側面)に対応する部分に配置された右太腿右側の腿アクチュエータ10eと、両太腿内側に対応する部分に配置された右太腿左側と左太腿右側との腿アクチュエータ10f、10gと、左太腿外側(左太腿左側面)に対応する部分に配置された左太腿左側の腿アクチュエータ10hとで構成されている。右太腿右側の腿アクチュエータ10eと左太腿右側の腿アクチュエータ10gとはそれぞれ第2アクチュエータの例として機能し、右太腿左側の腿アクチュエータ10fと左太腿左側の腿アクチュエータ10hとはそれぞれ第1アクチュエータの例として機能する。
また、アシストアンクルバンド2b,2cには、ユーザ100が左右の足首に着脱可能に装着するアンクルバンド本体2g,2hと、左右の足首上ベルト6a、6bと、足首下ベルト7a、7bと、足首アクチュエータ11(11e,11f,11g,11h)とを備えている。制御装置3は、各足首アクチュエータ11を、腿アクチュエータ10とは独立して、それぞれ動作制御している。
左右の足首上ベルト6a、6bは、アンクルバンド本体2g,2hの上端縁に固定された、例えば布ベルトで構成されている。足首下ベルト7a、7bは、左右の足首の下端縁に固定された、例えば布ベルトで構成されている。左右の足首上ベルト6a、6bと足首下ベルト7a、7bとで、ユーザ100の左右の足首を着脱可能に拘束している。
各足首アクチュエータ11は、アンクルバンド本体2g,2hの左右の足首上ベルト6a、6bと足首下ベルト7a、7bとの間に長手方向沿いに配置されている。具体的には、足首アクチュエータ11は、ユーザ100の右足首側面に対応する部分に配置された右足右側の足首アクチュエータ11eと、両足首内側に対応する部分に配置された右足左側と左足右側との足首アクチュエータ11f、11gと、左足首側面に対応する部分に配置された左足左側の足首アクチュエータ11hとで構成されている。右足右側の足首アクチュエータ11eと左足右側の足首アクチュエータ11gとはそれぞれ第4アクチュエータの例として機能し、右足左側の足首アクチュエータ11fと左足左側の足首アクチュエータ11hとはそれぞれ第3アクチュエータの例として機能する。
右脚の外側と内側との腿アクチュエータ10eと10fとが拮抗の関係にあり、左脚の内側と外側との腿アクチュエータ10gと10hとが拮抗の関係にある。よって、制御装置3の動作制御により外側と内側との腿アクチュエータ10eと10fに対してそれぞれ独立して流体の供給量を制御して、拮抗関係のペアの右脚の外側と内側との腿アクチュエータ10eと10fとが、それぞれ引っ張り合うように駆動されることで、右脚の太腿に剛性及び右脚股関節の左右のトルクを発生することができる。また、制御装置3の動作制御により外側と内側との腿アクチュエータ10gと10hに対してそれぞれ独立して流体の供給量を制御して、拮抗関係のペアの左脚の内側と外側との腿アクチュエータ10gと10hとが、それぞれ引っ張り合うように駆動されることで、左脚の太腿に剛性及び左脚股関節の左右のトルクを発生することができる。
足首アクチュエータ11も同様に、右足の外側と内側との足首アクチュエータ11eと11fとが拮抗の関係にあり、左足の内側と外側との足首アクチュエータ11gと11hとが拮抗の関係にある。よって、制御装置3の動作制御により、拮抗関係のペアの右足首アクチュエータ11eと11fとが、それぞれ引っ張り合うように駆動されることで、右足首関節の左右のトルクと剛性を発生することができる。また、制御装置3の動作制御により、拮抗関係のペアの左足首アクチュエータ11gと11hとが、それぞれ引っ張り合うように駆動されることで、左足首関節の左右のトルクと剛性を発生することができる。
各腿アクチュエータ10及び各足首アクチュエータ11は、それぞれ、一例として、弾性体アクチュエータの一種である空気圧アクチュエータ80である。図3は空気圧アクチュエータ80の構造及び動作を示す。
空気圧アクチュエータ80は、図3に示すように、ゴム材料で構成された駆動部として機能する、中空を有する管状弾性体、すなわち、管状の中空弾性体81の外表面に、材料的には伸びにくい樹脂又は金属の繊維コードで網目状に編んだ変形方向規制部材82が配設される。変形方向規制部材82は、管状の中空弾性体81の膨張による半径方向の変形が、規制されて半径方向と直交する軸方向の長さの収縮に変換される一方、管状の中空弾性体81の収縮による半径方向の変形が、規制されて軸方向の長さの膨張に変換されるように構成される。管状の中空弾性体81の両端部は、封止部材83でそれぞれ気密封止する。空気圧アクチュエータ80の一方の端部の封止部材83に備えられた管状の流体通過部材84は、内部に空気等の圧縮性流体が通過する流体の流路を有し、流体通過部材84を通して、中空の管状弾性体81の中空内部に対して流体の注入あるいは注出が可能となる。流体通過部材84を通じての空気等の圧縮性流体が、中空の管状弾性体81に供給される。なお、流体通過部材84は、空気圧アクチュエータ80の封止部材83の両方の端部にそれぞれ備えられていてもよい。
供給された圧縮性流体により内圧を中空の管状弾性体81の内部空間に与えると、中空の管状弾性体81が主に半径方向に膨張しようとする。しかしながら、変形方向規制部材82の規制作用により、中空の管状弾性体81の中心軸方向の運動に変換され、全長が収縮するため、直動駆動の弾性体アクチュエータとして利用可能である。すなわち、制御装置3で中空内へ供給される流体を加圧することにより管状弾性体81を伸張し、中空内へ供給される流体を減圧することにより管状弾性体81を収縮するとともに、制御装置3で中空内へ供給される流体の供給量を所定値以上に維持することにより、管状弾性体81の剛性を高め、制御装置3で中空内へ供給される流体の供給量を所定値未満に減少させることで、管状弾性体81の剛性を低めるようにしている。
図2は、本発明の第1実施形態におけるアシストパンツ2a又はアシストアンクルバンド2b,2cの制御装置3及び制御対象であるアシストパンツ2a又はアシストアンクルバンド2b,2cのアクチュエータ10及び制御装置3に対する入力側の入力インターフェース部200を示すブロック図である。入力インターフェース部200は取得器と呼んでもよい。
制御装置3は、この第1実施形態では、一例として、一般的なマイクロコンピュータにより構成されており、制御装置3は、剛性制御部の一例として機能する前額剛性目標値出力部24を有する制御プログラム40と、ユーザ100が歩行する路面の情報を取得する入力インターフェース部200とで構成されている。よって、制御装置3で中空内へ供給される流体を加減することにより、管状弾性体の腿アクチュエータ10又は足首アクチュエータ11が伸縮し、制御装置3で中空内へ供給される前記流体の供給量を制御することにより、管状弾性体の腿アクチュエータ10又は足首アクチュエータ11の剛性を変更する。
前額剛性目標値出力部24は、拮抗関係の腿アクチュエータ10又は足首アクチュエータ11にそれぞれ独立して圧縮性流体を給排して圧力を加減することにより、股関節又は足首のそれぞれの左側面と右側面との剛性を変更可能である。
入力インターフェース部200は、路面情報取得部の一例及びユーザ100の歩行動作の歩行情報を取得する歩行情報取得装置の一例として機能するフットセンサ8a,8bを少なくとも備えている情報取得部の一例として機能している。具体的な例として、入力インターフェース部200は、入出力IF41と、ユーザ100が歩行するときの歩行状態などに関する歩行情報を取得するフットセンサ8a、8bとを備えている。
入出力IF(インターフェース)41は、マイクロコンピュータのPCIバスなどの拡張スロットに接続された、例えば、D/Aボードと、A/Dボードと、カウンタボードとなどを備えるように構成されている。
制御装置3は、出力部の一例としての入出力IF41を介して、アクチュエータ10、11に制御装置3から制御信号を送る。また入力部としてフットセンサ8a,8bからの入力を入出力IF41を介してそれぞれ制御装置3が受け付ける。制御装置3は、具体的な例としては、歩行周期推定部20と、路面情報推定部21と、タイミング判別部23と、前額剛性目標値出力部24と、アクチュエータ設定値設定部26と、アクチュエータ制御部27とを少なくとも備えて構成されている。なお、図2では、トルク目標値設定部25と、矢状剛性目標値出力部28とが含まれて図示されているが、これらは、第1実施形態としては不要であり、変形例として必要な構成であるため、後述する。
フットセンサ8a、8bは、アシストパンツ2aに備えられている。具体的には、フットセンサ8a、8bは、アシストソックス2j,2kの足裏面などに備えられている。フットセンサ8a、8bは、ユーザ100の両足の接地状態をそれぞれ検出して、入出力IF41を介して歩行周期推定部20と路面情報推定部21とに路面情報を出力する。両足の接地状態のうち、足の裏又は裏全体が接地したときの両足の接地状態は、接地している接地面、例えば路面の状態も表すことになり、路面の情報をそれぞれ検出していることにもなる。フットセンサ8a、8bをアシストシステム1に備える場合には、フットセンサ8a、8bを設けたアシストソックス2j,2kを、アシストパンツ2a又はアシストアンクルバンド2b,2cとは別個に備えるか、アシストアンクルバンド2b,2cと一体的にアシストソックス2j,2kを備えることができる。
図4は、左足のアシストソックス2kの足裏面の多数のフットセンサ8bの配置の一例を示す図である。右足のアシストソックス2jの足裏面にも、図4の左足と同様に、多数のフットセンサ8aが配置されている。
フットセンサ8a、8bとしては、左足のみでL1〜L26までの26個が配置され、右足には対称に同じくR1〜R26までの26個が配置されており(図示せず)、フットセンサ8a、8bの配置されている部分が路面と接地していると、フットセンサ8a、8bからONの信号がそれぞれ出力され、フットセンサ8a、8bの配置されている部分が路面と接地していないと、フットセンサ8a、8bからOFFの信号がそれぞれ出力される。52個のフットセンサ8a、8bの識別情報(例えば、踵、つま先などの位置情報など)と52個のフットセンサ8a、8bのON/OFFとをすべてをまとめて、接地状態情報と呼ぶ。この接地状態情報には、路面情報とは、フットセンサ8a、8bの識別情報とフットセンサ8a、8bのON/OFFの情報とを含むため、例えば、足の踵が路面に接地しているか否かの情報、及び、路面の凹凸状態の情報などが、路面情報又は路面凹凸状態情報として、抽出可能となっている。
歩行周期推定部20には、フットセンサ8a、8bからの左右の足の接地状態情報が、それぞれ入出力IF41を介して入力される。歩行周期推定部20は、フットセンサ8a、8bからの接地状態情報と内部のタイマーから取得しかつフットセンサ8a,8bのいずれかがオン信号状態になったときからの時間情報(歩行時間)とに基づき、アシストパンツ2a又はアシストアンクルバンド2b,2cを着用しているユーザ100の歩行周期を算出する。一例として、図5に右足の歩行周期を示す。図5に示すように、歩行周期推定部20は、右足の踵接地時を歩行周期が0%として、左足が路面から完全に離れた時を歩行周期が10%であり、右足の踵が路面から離れた時を歩行周期が30%であり、左足踵の接地時が歩行周期が50%であり、右足が路面から完全に離れた時を歩行周期が60%であり、右足踵が再び接地した時を歩行周期が100%=0%であると、それぞれ定義する。そして、歩行周期推定部20は、ユーザ100の歩行が現時点で何%の状態にあるかの情報とユーザ100の歩行時間とを、歩行周期情報として、タイミング判別部23と、トルク目標値設定部25と、路面情報推定部21と、矢状剛性目標値出力部28とにそれぞれ出力する。なお、歩行周期としては、足が接地した瞬間が0%であるとし、0個のフットセンサ8a及び8bがONの状態から、1つのフットセンサ8a又は8bでもONの状態になったときが0%と瞬時に決まる。その後、例えば、前周期(もしくは前数周期分)の情報から、1周期あたりの時間を算出して、0%から加算していくことで、歩行周期を定義することができる。
路面情報推定部21は、右左のフットセンサ8a,8bからそれぞれ入力された足の接地状態情報と歩行周期推定部20から入力された歩行周期情報とを基に、ユーザ100の足が接地している路面の曲率Rを曲率情報として推定し、推定した路面の曲率Rの情報(曲率情報)を前額剛性目標値出力部24に出力する。すなわち、路面情報推定部21は、足の裏又は裏全体が路面に接地したときのフットセンサ8a,8bのオンオフ信号に基づき、路面の曲率Rの情報を路面情報として取得する。
図6の(a)及び(b)は、それぞれ、路面の拡大断面状態を概略的に示す図である。図6の(a)の状態では、細かい凸凹が路面に存在している状態であるのに対し、図6の(b)の状態では、細かい凸凹はなく、路面はほぼ平坦の状態である。これらの状態の路面の表面の凸の曲率を曲率半径Rで表現する。一般に、図6の(b)のように、細かい凸凹はなく、路面はほぼ平坦の状態である場合には、ユーザ100は転倒しにくいため、剛性がさほど高くしなくてもよいが、図6の(a)のように、細かい凸凹が路面に存在している状態である場合には、ユーザ100は転倒しやすいため、先の場合よりも剛性を高くするように、制御装置3で動作制御する。
図7は、図6の(a)の状態の路面上にユーザ100の足がある時のフットセンサ8bの状態を示す図である。ハッチングされたフットセンサ8bは、路面との接触でON状態を示し、ハッチング無しのフットセンサ8bは、路面との接触でOFF状態を示す。図6の(a)の状態の路面は、細かい凸凹が路面にあり、足の裏と路面とが点接触する部分が多いため、ユーザ100の足と路面との接触部分が踵及びつま先で、まばらになっている。
図8は、図6の(b)の状態の路面上にユーザ100の足がある時のフットセンサ8bの状態を示す図である。図7と同じく、ハッチングされたセンサ8bは路面との接触でON状態を示し、ハッチング無しのフットセンサ8bは、路面との接触でOFF状態を示す。図6の(b)の状態の路面はほぼ平坦であり、足の裏と路面とが面接触する部分が多いため、踵及びつま先で多くのフットセンサ8bが隣接するフットセンサ8bと共にON状態になっている。
従って、図7のように隣接するフットセンサ8bでもオン信号状態とオフ信号状態とが入り混じっている状態であることは、図8のように隣接するフットセンサ8b同士が同じオン信号状態となっている状態と比較して、図6の(a)の状態の曲率Rが、図6の(b)の状態の曲率Rよりも小さくなっていることを意味している。このため、図6の(a)の状態、言い換えれば、図7のような隣接するフットセンサ8bでもオン信号状態とオフ信号状態とが入り混じっている状態では、脚の股関節又は足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性を大きくするように制御装置3で制御しようとしている。
路面情報推定部21は、具体的には次のようにして路面情報を取得する。路面情報推定部21は、図24に示すような路面曲率に対応したフットセンサ8bの信号モデルを予め持っている。図24の一例では、信号モデルAが最も路面曲率が大きく、信号モデルAから信号モデルDに向かうに従い路面曲率が小さくなり、信号モデルDが最も小さい。また、信号モデルA、信号モデルBを、それぞれ、「路面R大のグループ」(路面曲率大のグループ)と、「路面R小のグループ」(路面曲率小のグループ)と、予め決めておく。入力されたフットセンサ8bの信号に対して、それぞれの信号モデルAと、信号モデルBとのそれぞれの一致度を計算する。図7及び図8のフットセンサ8bの状態図を例に説明する。図25は、図7及び図8のフットセンサ8bのそれぞれの状態と、図24に示したフットセンサ8bの信号モデルA〜Dとの一致度を示した図である。これによると、図7のフットセンサ8bの状態は信号モデルCと最も一致度が高い。そのため、図7の信号が入力された時、路面曲率の状態は信号モデルCと路面情報推定部21で判定し、この場合は路面小グループに分けられると路面情報推定部21で判定する。次に、図8のフットセンサ8bの状態は信号モデルBと最も一致度が高い。そのため、図8の信号が入力された時、路面曲率の状態はBと路面情報推定部21で判定し、この場合は路面大グループに分けられると路面情報推定部21で判定する。このようにして、路面情報推定部21は曲率Rがどの程度であるかを判定して、判定した情報を出力する。
なお、図24の一例では、信号モデルA,B,C,Dの路面状態に対してそれぞれ信号モデルを1つ示したが、足が前後左右に少しずれた場合の信号モデルを用意し、それぞれの路面状態に対して複数の信号モデルを事前に用意しておくことを想定している。また、この例ではON/OFFの二値のモデルを例として挙げたが必ずしもそれに限るものではなく、フットセンサ8bが段階的に出力するものの場合、一般的な画像のマッチング技術等を用いることで一致度を出すことも出来る。
足の裏又は裏全体が路面に接触しているタイミングの足の接地状態情報は路面情報であるため、例えば、歩行周期推定部20から入力された歩行周期情報に基づいて歩行周期情報が10%〜15%の間の右足又は左足の接地状態情報から、路面の曲率Rの概算を路面情報推定部21で路面情報として推定して、推定した路面情報すなわち曲率情報を路面情報推定部21から前額剛性目標値出力部24に出力する。
タイミング判別部23は、歩行周期推定部20から出力された歩行周期情報に基づき、前額剛性目標値出力部24に剛性(例えば剛性目標値)を変更する指令(すなわち、剛性変更タイミング信号又は剛性変更タイミング情報)を出力することにより、前額剛性目標値出力部24で左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を変更するタイミングを制御する。一例として、図9A及び図9Bにタイミング判別部23の動作を示し、「Up」は剛性を上げる信号を剛性変更タイミング信号として出力すること、「Down」は剛性を下げる信号を剛性変更タイミング信号として出力することを意味する。図9A及び図9Bの例では、右足は歩行周期が0%〜60%未満では、タイミング判別部23は剛性を上げる信号を出力する。歩行周期が60%〜98%未満では、タイミング判別部23は剛性を下げる信号を出力する。98%〜100%(=0%)では、タイミング判別部23は剛性を上げる信号を出力する。左足は、0%〜10%未満では、タイミング判別部23は剛性を上げる信号を出力する。10%〜48%未満では、タイミング判別部23は剛性を下げる信号を出力する。48%〜100%(=0%)では、タイミング判別部23は剛性を上げる信号を出力する。
前額剛性目標値出力部24は、路面情報推定部21から出力された路面情報としての路面の曲率情報を基に、剛性を上げたときの前額方向の運動の剛性目標値を決定し、次に、タイミング判別部23から出力された剛性変更タイミング信号により、決定した剛性目標値が、現在(すなわち、アシストする前)の剛性値よりも高い剛性値であるか又は低い剛性値であるかを選択する。前額方向とは前額面内の方向を意味し、前額面151とは、図10に示すようにユーザ100の身体を左右に貫く面で縦に切った面を意味する。すなわち、前額方向とは、おおむね、ユーザ100の体の左右方向である。なお、前額面151と直交する身体を前後に貫く面で縦に切った面は矢状面152である。図11A及び図11Bに、前額剛性目標値出力部24の動作の一例として右足の剛性目標値の出力を示す。図11A及び図11Bの「R」とは、足の裏全体が接地したときの路面の表面のフットセンサ8a,8bでオン信号として検出した凸部の曲率であり、「路面R大のグループ」とは、第1の所定値の一例として予め決められた路面の曲率Rの閾値Roよりも、推定した路面の曲率Rが大きい方のグループを意味し、例えば信号モデルA,Bである。「路面R小のグループ」とは、路面の曲率Rの閾値Roよりも、推定した路面の曲率Rが小さい方のグループを意味し、例えば信号モデルC,Dである。信号モデルC,Dは、信号モデルA,Bよりも足の接地状態がより悪化しているため、信号モデルC,Dでは、信号モデルA,Bよりも、より高剛性とする。閾値Rの一例としては1mとする。この閾値Rの値は、一例として、成人の足裏の幅を100mm弱とし、足裏の右端縁から左端縁までの間で路面が5mm程度下がる曲率である。
具体的には、前額剛性目標値出力部24は、まず、路面情報推定部21から出力された路面の曲率Rの情報から、高剛性のタイミングでの剛性目標値を決定する。言い換えれば、図11A及び図11Bにおいて、閾値Rを基に、路面R大のグループの信号モデルA又はBか、又は、路面R小のグループの信号モデルC又はDであるかを決定する。
次に、前額剛性目標値出力部24は、タイミング判別部23から出力された剛性を変更する信号により、現在(すなわち、アシストする前)の剛性目標値を決定する。言い換えれば、前額剛性目標値出力部24は、図9Aより剛性変更タイミング信号が「Up」か又は「Down」かを決定して、図11Aの第1行の「上げた時」の行か、又は、第2行の「下げた時」の行かを決定する。そして、この決定した剛性目標値をアクチュエータ設定値設定部26に出力する。例えば、前額剛性目標値出力部24は、図11A及び図11Bにおいて、路面情報推定部21で推定された曲率Rが「路面R大のグループ」でかつ「上げた時」の場合には、剛性目標値として「30」をアクチュエータ設定値設定部26に出力する。また、路面情報推定部21で推定された曲率Rが「路面R大のグループ」でかつ「下げた時」の場合には、剛性目標値として「10」をアクチュエータ設定値設定部26に出力する。一方、路面情報推定部21で推定された曲率Rが「路面R小のグループ」でかつ「上げた時」の場合には、剛性目標値として「50」をアクチュエータ設定値設定部26に出力する。また、路面情報推定部21で推定された曲率Rが「路面R小のグループ」でかつ「下げた時」の場合には、剛性目標値として「10」をアクチュエータ設定値設定部26に出力する。
これにより、前額剛性目標値出力部24でアシスト用の剛性目標値が決定し、この決定した剛性目標値を前額剛性目標値出力部24からアクチュエータ設定値設定部26に出力する。なお、前額方向の運動とは、右脚の外側と内側との腿アクチュエータ10eと10fのペアによって発生する右股関節の左右の運動と、左脚の内側と外側との腿アクチュエータ10gと10hのペアによって発生する左股関節の左右の運動と、右足首の外側と内側との足首アクチュエータ11eと11fのペアによって発生する右足首関節の左右の運動と、左足首の内側と外側との足首アクチュエータ11gと11hのペアによって発生する左足首関節の左右の運動とを指す。なお、剛性値とは、アクチュエータ10,11の引っ張り剛性の値を意味し、単位はN/mである。なお、図12に歩行周期が98%〜100%で剛性の値を上げるとき及び歩行周期が60%付近で剛性の値を下げるときに示すように、剛性の値の変化は滑らかに発生してもよい。
アクチュエータ設定値設定部26は、前額剛性目標値出力部24から出力された剛性の目標値に基づき、腿アクチュエータ10e,10f,10g,10h又は足首アクチュエータ11e,11f,11g,11hの設定値を設定し、設定した腿アクチュエータ10e,10f,10g,10h又は足首アクチュエータ11e,11f,11g,11hの設定値をアクチュエータ設定値設定部26からアクチュエータ制御部27に出力する。
図13は、一例として右股関節の左右のアクチュエータ10e,10fの配置を示している。以下に、この図13を用いて、アクチュエータ10eとアクチュエータ10fの両方によって発生する左右方向のトルクτと剛性の弾性係数Kとの求め方について説明する。なお、他の各アクチュエータ10,11の左右方向のトルクτと剛性の弾性係数Kとも、同様に求めることができる。
この図13において、Oはユーザ100の股関節の回転中心、Aは右太腿右側の腿アクチュエータ10eの作用点、Dは右太腿左側の腿アクチュエータ10fの作用点、Aはアクチュエータ10eの起点、Dはアクチュエータ10fの起点、rは点Oと点Aの距離(言い換えれば、点Oと点Dの距離)、θは線分OAがX軸となす角、θは線分ODがX軸となす角とする。xA0とyA0とは点Aのx座標とy座標である。距離r、点Aの位置、及び、点Dの位置はアシストパンツ2aの設計値から予め算出し、アクチュエータ設定値設定部26が記憶している。
このとき、回転中心Oに対するアクチュエータ10eによるトルクτは、
Figure 2018114277
とおくと、
Figure 2018114277
(ただし、Kはアクチュエータ10eの直動方向における弾性係数、laはアクチュエータ10eの自然長とする。)であり、アクチュエータ10eによる回転方向の弾性係数Kθaは、
Figure 2018114277
である。
また、アクチュエータ10eとアクチュエータ10fの両方によって発生する左右方向のトルクτは、
Figure 2018114277
である。ただし、τは回転中心Oに対するアクチュエータ10fによるトルクであり、τと同様に算出できる。また、アクチュエータ10eとアクチュエータ10fの両方によって発生する剛性の弾性係数Kは、
Figure 2018114277
で表すことができる。ただし、Kθdはアクチュエータ10fの回転方向の弾性係数であり、Kθaと同様に算出できる。
図14に右足の腿アクチュエータ10の歩行周期と目標弾性係数との関係の一例を示す。図14は横軸は右足の歩行周期であり、縦軸は剛性の大きさを示している。
上から3番目のグラフに示すように、股関節の横方向では、アシストトルクを発生させず、剛性のみをアシストするため、左右のアクチュエータである右脚の外側と内側との腿アクチュエータ10eと10fとの弾性係数を同時に上げて剛性が同時に上がるように、前額剛性目標値出力部24で制御している。
また、上から6番目のグラフに示すように、足首の横方向でも、アシストトルクを発生させず、剛性のみをアシストするため、左右の足首アクチュエータである右足首の外側と内側との足首アクチュエータ11eと11fの弾性係数を同時に上げて剛性が同時に上がるように、前額剛性目標値出力部24で制御している。
図15は、各アクチュエータ10,11の一例である空気圧アクチュエータの特性を示した図である。
アクチュエータ設定値設定部26は、この図15をモデル化して内部記憶部に記憶しており、上記式より求められる各アクチュエータ10,11の目標弾性係数に基づき、目標内部空気圧圧力値をアクチュエータ設定値設定部26で計算する。この値をアクチュエータの設定値として、アクチュエータ設定値設定部26からアクチュエータ制御部27に出力する。
アクチュエータ制御部27は、アクチュエータ設定値設定部26から入力されたアクチュエータ設定値に基づき、アクチュエータ10,11の制御を行う。この結果、例えば、左右それぞれの足において、足の踵接地時から足が完全に路面から完全に離れた時までの区間の股関節又は足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性が、他の区間の剛性よりも大きくなるように前額剛性目標値出力部24でアクチュエータ10,11を制御することができる(例えば、図14の10e,10fのグラフを参照。)。すなわち、前額剛性目標値出力部24は、路面情報及びユーザ100の歩行周期情報に基づいて、第1の剛性目標値よりも第2の剛性目標値を小さくするとともに、足が路面に接地する直前に第2の剛性目標値から第1の剛性目標値に変更して左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性を大きくすることができる。ここで、第1の剛性目標値は、ユーザ100の足が路面に接触しているときの左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性の目標値であり、第2の剛性目標値は、ユーザ100の足が路面に接触していないときの左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性の目標値である。このように剛性目標値を大きく変更することにより、左右方向への移動が規制されて足首の左右の側面が両方同時に剛体で支持されるかのような状態となり、歩行中のユーザ100の左側への転倒と右側への転倒とを防止することができる。
以上のように、第1実施形態は、ユーザ100の各脚の股関節又は各足首の左側面に対応する部分に配置されて、流体を加減することにより伸縮する左太腿左側と右太腿左側との腿アクチュエータ10h,10f又は左足首左側と右足首左側との足首アクチュエータ11h,11fと、脚の股関節又は足首の右側面に対応する部分に配置されて、流体を加減することにより伸縮する左太腿右側と右太腿右側との腿アクチュエータ10e,10g又は左足首右側と右足首右側との足首アクチュエータ11e,11gとを備えている。また、制御装置3は、アクチュエータ10,11をそれぞれ独立してそれぞれの流体の供給量を制御することにより、少なくともフットセンサ8a,8bからの接地状態情報に基づいて、例えば、左右それぞれの足において、歩行周期が0%の足の踵接地時から歩行周期が60%の足が完全に路面から完全に離れた時までの股関節又は足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を、他の区間の剛性目標値よりも大きくなるように前額剛性目標値出力部24で変更して、足首の左右の側面が両方同時に剛体で支持されるかのような状態となり、歩行中のユーザ100の左右方向への転倒を防止することができる。
また、制御装置3は、一例として、歩行周期推定部20と、路面情報推定部21と、タイミング判別部23と、前額剛性目標値出力部24と、アクチュエータ設定値設定部26と、アクチュエータ制御部27と、を備えて構成している。前額剛性目標値出力部24は、路面情報推定部21からの路面情報とタイミング判別部23からの剛性変更タイミング情報とに基づき、股関節又は足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を決定し、アクチュエータ設定値設定部26とアクチュエータ制御部27との働きにより、左右の太腿アクチュエータ10h,10f,10e,10g又は左右の足首アクチュエータ11h,11f,11e,11gによる股関節又は足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性を剛性目標値通りに制御することが可能となる。これによりアシストシステム1はアシスト対象者であるユーザ100が歩行中に転倒することを可能な限り防止することができる。
また、路面情報推定部21により路面の曲率Rを推定し、推定した曲率Rが路面R小のグループであると路面情報推定部21で判定したときは、初期設定の剛性目標値よりも大きくアクチュエータ設定値設定部26で設定して、転倒防止を行うことが可能となる。逆に、推定した曲率Rが路面R大のグループであると路面情報推定部21で判定したときは、初期設定の剛性目標値以下にアクチュエータ設定値設定部26で設定して、脚の股関節又は足首が比較的自由に動かしやすくすることが可能となる。
ここで、一例として、最大剛性値を100%とするとき、例えば、初期設定の剛性目標値を50%と設定し、路面が平坦でなく転倒しやすい凹凸がある場合には、アクチュエータ設定値設定部26で設定する剛性目標値を最大剛性値である100%近くに高く設定する一方、路面が平坦で転倒しにくい場合には、アクチュエータ設定値設定部26で設定する剛性目標値を30%近くに低く設定することができる。なお、初期設定の剛性目標値として、50%ではなく、30%と低めに設定するようにしてもよい。
また、図16に示すように、ユーザ100が右足100aで路面90の段差91がある場所(例えば、溝など)を踏んでしまった場合、図17のフットセンサ8bの出力状態となる。図17では、例えば、一点鎖線で示す段差91の左側が溝の空間部分であり、段差91の右側が溝の縁部分の路面90であると推定される。ここでは、溝の空間部分に対応する右足の裏の左側のハッチング無しのフットセンサ8bは、オフ状態の信号を出力しており、溝の縁部分の路面に対応する右足の裏の右側のハッチングされたフットセンサ8bは、オン状態の信号を出力している。このように、片側(すなわち、図17では左側)にON状態のフットセンサ8bが偏り、反対の片側がOFF状態のフットセンサ8bが偏った場合、路面情報推定部21では「段差」と判定し、R=0とする。
このようなフットセンサ8bの偏りは、路面情報推定部21に偏りのある信号モデルを予め持たせておき、偏りのある信号モデルとの一致度から判定する。図26は、それぞれ、段差91を踏んでしまった場合の信号モデル図の一例である。このような信号モデル図を、複数個、路面情報推定部21に予め持たせておき、複数個の信号モデル図との一致度が、予め決めておいた閾値(一例として95%等)を超えた場合に、段差と路面情報推定部21で判定し、路面情報推定部21でR=0とする。例えば図17のフットセンサ8bの信号の状態は、図26の左から2番目の信号モデル図と100%一致するため、段差と路面情報推定部21で判定できる。
タイミング判別部23は、歩行周期推定部20から出力されるユーザの歩行情報の一例である歩行周期情報に基づき、ユーザ100が足を接地する直前から路面から離れるまでの間だけ剛性を上げることにより、足首の左右の側面が両方同時に剛体で支持されるかのような状態となって転倒防止すると同時に、足が宙に浮いている時には足の関節の動きを阻害しないように剛性を小さくすることができる。これにより、例えば、路面に障害物があるようなときに、ユーザ100が足を置く場所を調整しながら歩行するケースにおいて、ユーザ100の足の動きを阻害することなく、転倒防止することができる。
以上のように、前記第1実施形態では、路面情報に基づいて、路面の表面に凹凸が多く転倒しやすい状態では、剛性を上げることにより、足首の左右の側面が両方同時に剛体で支持されるかのような状態となって歩行中のユーザの左側への転倒または右側への転倒が防止できる一方、路面の表面に凹凸が少なく平坦で転倒しにくい状態では、剛性を下げることにより、歩行しやすくすることができる。また、ユーザ100が歩行中に例えば足の裏の半分程度が溝又は開口に差し掛かったとき、路面の曲率Rがゼロとなって脚が接触している部分が段差91であるという情報を路面情報推定部21で推定することができ、その結果、股関節又は足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を大きくするように剛性目標値出力部24で制御して転倒防止を図ることができる。
(第2実施形態)
図18は、本発明の第2実施形態における歩行転倒防止装置の一例としてのアシストシステム1における制御装置3及び制御対象を示すブロック図である。
制御装置3は、歩行周期推定部20と、タイミング判別部23と、剛性目標値出力部24と、アクチュエータ設定値設定部26と、アクチュエータ制御部27とを少なくとも備えて構成している。
アシストパンツ2には、入力インターフェース部200の構成要素の一部として、路面状況(例えば転倒しやすい路面状況)の情報を路面情報として取得する路面状況取得部の一例としての路面状況入力部29を備えている。路面状況入力部29は、情報取得部の一例として機能する。具体的には、例えば、路面状況入力部29は、アシストパンツ2に装着されて制御装置3と接続されたタッチパネル、又は、アシストパンツ2とは別体に設けられて制御装置3と接続可能なスマートフォンなどの携帯機器で構成することができる。
路面状況入力部29は、現在(すなわち、歩行開始時又は歩行時)の路面状況をユーザ100が入力する入力部を備えており、ユーザ100が入力した現在(すなわち、歩行開始時又は歩行時)の路面状況の情報を前額剛性目標値出力部24に出力する。例えば、路面状況入力部29には、転倒しやすい路面状況として、例えば、天候が雪又は雨などの場合、路面が濡れている場合、路面が滑りやすい素材で出来ている場合、その他の転倒しやすい路面状況である場合に、ユーザ100がそのような路面状況の情報を入力する装置である。
図19は、路面状況入力部29の一例としてタッチパネル12の表示画面12aを示した図である。転倒しやすい状況の場合の例として、天候が雪の場合、雨の場合、路面が濡れている場合、路面が滑りやすい素材で出来ている場合に、ユーザ100がそのときの路面の状況を選択可能としている。この図19の例では、ユーザ100が「雪」のボタンを選択して、「決定」ボタンを押すことにより、「雪」であるとの路面状況の情報を前額剛性目標値出力部24に出力できる状態を示している。路面状況入力部29は、ユーザ100により選択された情報を路面情報として、前額剛性目標値出力部24に出力する。
前額剛性目標値出力部24は、路面状況入力部29から入力された路面情報を基に、剛性を上げたときの前額方向の運動の剛性目標値を決定し、次に、タイミング判別部23から出力された剛性変更タイミング信号により、決定した剛性目標値が、現在(歩行時又は歩行開始時)の剛性値よりも高い剛性値であるか又は低い剛性値であるかを選択する。
一例として、図20A〜図20Cに、剛性目標値出力部24の動作の一例として右足の剛性の出力を示す。
図20A〜図20Cの例では、まず、図20Aに路面状況と剛性値の上昇率との関係情報を示す。この図20Aに示すように、通常時の剛性値に比較して、高い剛性値を何倍に決定するかを剛性目標値出力部24自体で予め記憶している。例えば、通常時が1.0倍のとき、雪が選択された例では、通常時に比べ、剛性値を1.5倍に剛性目標値出力部24で決定する。
次に、図20Bに示すように、右足において通常時の剛性を上げた時の剛性値を記憶している。この例では、今回の歩行周期の98%〜次の歩行周期の60%までが高い剛性値である。この例では、路面状況として「雪」が選択されていて、上昇率が1.5倍なので、通常時の高い剛性値は30であるのに対して、「雪」のときの剛性値は、その1.5倍の45であると剛性目標値出力部24で計算される。
右足の歩行周期に対して出力する剛性値を、通常時の場合と雪の場合とで比較したものが図20Cである。
その他の構成及び動作については、前記第1実施形態と同様である。
このように第2実施形態によれば、路面状況入力部29で取得された、滑りやすいといった路面状況の路面情報を基に、アクチュエータ10,11をそれぞれ独立して前記それぞれの流体の供給量を制御して股関節又は足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を大きくなるように前額剛性目標値出力部24で変更することができて、歩行中のユーザ100の左右方向への転倒を防止することができる。
前記第1及び第2実施形態では、一例として股関節と足首関節との左側面と右側面とにおける剛性をアシストする歩行アシストパンツ2aを例に説明を行ったが、これに限られるわけではない。
前記第1及び第2実施形態では、一例としてアクチュエータ10,11を空気圧アクチュエータに説明を行ったが、これに限られるわけではなく、例えばモータとプーリとワイヤとの組み合わせなどでもよい。
(変形例)
前記第1及び第2実施形態の1つの変形例として、ユーザ100の前後方向の歩行動作についてアシスト機能を付加する場合には、腿アクチュエータ10に右脚股関節前後のアクチュエータ10a,10dと左脚股関節前後のアクチュエータ10b,10cとをさらに追加することができる。また、同様な目的で、足首アクチュエータ11に右足首前後のアクチュエータ11a,11dと左足首前後のアクチュエータ11b,11cとをさらに追加することができる。制御装置3は、ユーザ情報と歩行情報とに基づいて、追加した腿アクチュエータ10a,10d,10b,10cと追加した足首アクチュエータ11a,11d,11b,11cとをそれぞれ独立して前記それぞれの流体の供給量を制御することにより、前記股関節又は前記足首の前後方向のアシスト力を変更するように制御している。
具体的には、図21及び図22に示すように、アシストパンツ2aには、追加の腿アクチュエータ10として、アシストパンツ本体2dの右脚と左脚の前面に対応する部分に配置された前面側の腿アクチュエータ10a、10bと、右脚と左脚の後面に対応する部分に配置された背中側の腿アクチュエータ10d、10cとを備えている。また、アシストアンクルバンド2b,2cには、追加の足首アクチュエータ11として、アンクルバンド本体2g,2hの足首の前面に対応する部分に配置された前面側の足首アクチュエータ11a、11bと、アンクルバンド本体2g,2hの足首の後面に対応する部分に配置された背中側の足首アクチュエータ11d、11cとを備えている。
腿アクチュエータ10aと10dが拮抗の関係にあり、腿アクチュエータ10bと10cが拮抗の関係にある。よって、制御装置3の動作制御により、拮抗関係のペアの右脚の前側と後側との腿アクチュエータ10aと10dとが、それぞれ引っ張り合うように駆動されることで、右脚の太腿に右脚股関節の前後のトルクを発生することができる。また、制御装置3の動作制御により、拮抗関係のペアの左脚の前側と後側との腿アクチュエータ10bと10cとが、それぞれ引っ張り合うように駆動されることで、左脚の太腿に左脚股関節の前後のトルクを発生することができる。
足首アクチュエータ11も同様に、足首アクチュエータ11aと11dが拮抗の関係にあり、足首アクチュエータ11bと11cが拮抗の関係にある。よって、制御装置3の動作制御により、拮抗関係のペアの右足首アクチュエータ11aと11dとが、それぞれ引っ張り合うように駆動されることで、右足首の前後のトルクを発生することができる。また、制御装置3の動作制御により、拮抗関係のペアの左足首アクチュエータ11bと11cとが、それぞれ引っ張り合うように駆動されることで、左足首の前後のトルクを発生することができる。
この変形例の場合には、制御装置3の一例としては、アシスト歩行のために、トルク目標値設定部25と矢状剛性目標値出力部28とをさらに備えることができる。
トルク目標値設定部25は、歩行周期推定部20から出力された歩行周期情報に基づき、歩行をアシストするトルク目標値を出力する。トルク目標値設定部25は、歩行周期情報に対しての目標トルク値を予め記憶しており、それに基づいて歩行をアシストするトルク値、すなわち、左右の脚を前後方向に動かす矢状方向のトルクの目標値を決定し、決定した矢状方向のトルクの目標値をアクチュエータ設定値設定部26に出力する。左右の脚を前後方向に動かす矢状方向のトルクとは、腿アクチュエータ10aと10dのペアによって発生する右股関節の前後のトルクと、腿アクチュエータ10bと10cのペアによって発生する左股関節の前後のトルクと、足首アクチュエータ11aと11dのペアによって発生する右足首関節の前後のトルクと、足首アクチュエータ11bと11cのペアによって発生する左足首関節の前後のトルクとを指す。トルク目標値設定部25は、前額方向の運動に対しては、トルク目標値0を出力する。
図23は、足の股関節と足首関節とのそれぞれの前後の動きに対するトルク目標値(言い換えれば、股関節の前後のアシストトルクと足首関節の前後のアシストトルク)の一例を示す図である。股関節の前後のアシストトルクとは、アクチュエータ10aとアクチュエータ10dのペア及びアクチュエータ10bとアクチュエータ10cのペアによってそれぞれ発生する股関節前後運動のアシストトルクのことを示す。また、足首関節の前後のアシストトルクとは、アクチュエータ11aとアクチュエータ11dのペア及びアクチュエータ11bとアクチュエータ11cのペアによってそれぞれ発生する足首関節前後運動のアシストトルクのことを示す。図23の例では、アクチュエータ10aとアクチュエータ10dのペア及びアクチュエータ10bとアクチュエータ10cのペアによって、歩行周期において左足が路面に接地したときから路面から離れるときまでの区間で、左足を屈曲させたのち伸展させて、アシスト力を発生させている。同様に、アクチュエータ11aとアクチュエータ11dのペア及びアクチュエータ11bとアクチュエータ11cのペアによって、歩行周期において左足が路面に接地したときから路面から離れるときまでの区間で、左足首を屈曲させて、アシスト力を発生させている。
矢状剛性目標値出力部28は、歩行周期推定部20から出力された歩行周期情報を基に矢状方向の運動の剛性目標値を決定し、決定した矢状方向の運動の剛性目標値を矢状剛性目標値出力部28からアクチュエータ設定値設定部26に出力する。矢状方向の運動の剛性目標値は、歩行周期情報の関数として予め決定し、矢状剛性目標値出力部28が記憶している。
アクチュエータ設定値設定部26は、第1及び第2実施形態と同様に前額剛性目標値出力部24から出力された剛性の目標値と共に、矢状剛性目標値出力部28から出力された剛性目標値と、トルク目標値設定部25から出力されたトルク目標値とに基づき、腿と足首のアクチュエータ10,11の設定値を設定し、設定した腿と足首のアクチュエータ10,11の設定値をアクチュエータ設定値設定部26からアクチュエータ制御部27に出力する。
図14に右足の腿アクチュエータ10の歩行周期と目標弾性係数との関係の一例を示す。
図14の1番目と2番目のグラフに示すように、アクチュエータ10aと10dは、股関節前後のトルク及び剛性をアシストするアクチュエータであり、前後には剛性をアシストせずトルクのみをアシストした例である。この場合、歩行周期の情報に基づいて脚を後ろに振る伸展方向へのアシストトルクが必要な時は、股関節後側のアクチュエータであるアクチュエータ10dの弾性係数が上がって剛性が上がるとともに、歩行周期の情報に基づいて逆向きの時は、股関節前側のアクチュエータであるアクチュエータ10aの弾性係数が上がって剛性が上がるように、前額剛性目標値出力部24で制御している。
図14の4番目と5番目のグラフに示すように、足首も同様に、足首を屈曲させるアシストトルクを発生させる時に、歩行周期の情報に基づいて足首を後ろに曲げて伸展方向へのアシストトルクが必要な時は、足首の後側のアクチュエータであるアクチュエータ11dの弾性係数が上がって剛性が上がり、歩行周期の情報に基づいて逆向きの時は、足首の前側のアクチュエータであるアクチュエータ11aの弾性係数が上がって剛性が上がるように、前額剛性目標値出力部24で制御している。
この変形例によれば、ユーザ100の前後方向の歩行アシストと、左側面と右側面とにおける剛性アシストとを同時に達成することができる。
なお、本発明を第1及び第2実施形態及び変形例に基づいて説明してきたが、本発明は、前記の第1及び第2実施形態及び変形例に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
前記制御装置3の一部又は全部は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニットなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各部は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
なお、前記第1及び第2実施形態又は変形例における制御装置を構成する要素の一部又は全部を実現するソフトウェアは以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、ユーザの腰部に固定される腰部ベルトと膝上部に固定される膝上ベルトとを備える第1のアシストウェアと、
前記ユーザの足首上部に固定される足首上ベルトと足首下部に固定される足首下部ベルトとを備える第2のアシストウェアと、
前記ユーザの各脚の股関節の(例えば各太腿の)左側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第1アクチュエータと、
前記各脚の前記股関節の(例えば各太腿の)右側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第2アクチュエータと、
各脚の足首の左側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第3アクチュエータと、
前記各脚の前記足首の右側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第4アクチュエータとを備えるアシスト機構の動作を制御して、前記ユーザの歩行時における転倒を防止する歩行転倒防止装置用制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記ユーザが歩行する路面の情報を取得する入力インターフェース部と、
前記入力インターフェース部で取得した前記路面の情報に基づいて、前記第1〜第4のアクチュエータをそれぞれ独立して前記それぞれの流体の供給量を制御することにより、前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を変更するように制御する剛性制御部として機能させるための歩行転倒防止装置用制御プログラムである。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスク、磁気ディスク、又は、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
なお、上記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明の歩行転倒防止装置、歩行転倒防止装置の制御装置及び制御方法、並びに、歩行転倒防止装置用制御プログラムは、ユーザが装着してユーザの動作をアシストする歩行転倒防止装置、歩行転倒防止装置の制御装置及び制御方法、並びに、歩行転倒防止装置用制御プログラムとして有用である。
1 アシストシステム
2 アシスト機構
2a アシストパンツ
2b,2c アシストアンクルバンド
2d アシストパンツ本体
2g,2h アンクルバンド本体
2j,2k アシストソックス
3 制御装置
4 腰部ベルト
5a、5b 膝上ベルト
6a、6b 足首上ベルト
7a、7b 足首下ベルト
8a、8b フットセンサ
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h、10i、10g、 腿アクチュエータ
11、11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g、11h、11i、11g、 足首アクチュエータ
12 タッチパネル
12a 表示画面
20 歩行周期推定部
21 路面情報推定部
23 タイミング判別部
24 前額剛性目標値出力部
25 トルク目標値設定部
26 アクチュエータ設定値設定部
27 アクチュエータ制御部
28 矢状剛性目標値出力部
29 路面状況入力部
40 制御プログラム(制御器)
41 入出力IF
80 空気圧アクチュエータ
81 管状の中空弾性体
82 変形方向規制部材
83 封止部材
84 流体通過部材
90 路面
91 段差
100 ユーザ
100a 足
151 前額面
152 矢状面
200 入力インターフェース部

Claims (11)

  1. ユーザの歩行時における転倒を防止する歩行転倒防止装置であって、
    アシスト機構と、
    前記アシスト機構の動作を制御する制御装置とを備え、
    前記アシスト機構は、
    前記ユーザの腰部に固定される腰部ベルトと膝上部に固定される膝上ベルトとを備える第1のアシストウェアと、
    前記ユーザの足首上部に固定される足首上ベルトと足首下部に固定される足首下部ベルトとを備える第2のアシストウェアと、
    前記ユーザの各脚の股関節の左側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第1アクチュエータと、
    前記各脚の前記股関節の右側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第2アクチュエータと、
    各脚の足首の左側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第3アクチュエータと、
    前記各脚の前記足首の右側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第4アクチュエータとを備え、
    前記制御装置は、
    前記ユーザが歩行する路面の情報を取得する入力インターフェース部と、
    前記入力インターフェース部で取得した前記路面の情報に基づいて、前記第1〜第4アクチュエータをそれぞれ独立して前記それぞれの流体の供給量を制御することにより、前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とにおける剛性を変更するように制御する剛性制御部とを備える、
    歩行転倒防止装置。
  2. 前記第1〜第4のアクチュエータは、それぞれ、中空を有する管状弾性体であり、
    前記剛性制御部で前記中空内へ供給される前記流体を加減することにより前記管状弾性体が伸縮し、
    前記剛性制御部で前記中空内へ供給される前記流体の供給量を制御することにより前記管状弾性体の剛性を変更する、
    請求項1に記載の歩行転倒防止装置。
  3. 前記剛性制御部で前記中空内へ供給される前記流体を加圧することにより前記管状弾性体を伸張し、前記中空内へ供給される前記流体を減圧することにより前記管状弾性体を収縮し、
    前記剛性制御部で前記中空内へ供給される前記流体の前記供給量を所定値以上に維持することにより、前記管状弾性体の前記剛性を高め、
    前記剛性制御部で前記中空内へ供給される前記流体の前記供給量を前記所定値未満に減少させることで、前記管状弾性体の前記剛性を低める、
    請求項2に記載の歩行転倒防止装置。
  4. 前記入力インターフェース部は、
    前記ユーザの各足の裏面に複数個配置されて前記ユーザが歩行するときの前記ユーザの各足と前記路面との接地状態情報を取得するフットセンサと、
    前記フットセンサの前記接地状態情報に基づき前記路面の曲率の情報を前記路面の情報として取得する路面情報推定部とを備えて、
    前記剛性制御部は、前記入力インターフェース部が、前記路面の情報として、閾値以下の路面の曲率を有する路面曲率小のグループであるとの情報を取得したとき、前記第1〜第4アクチュエータの前記左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を、初期設定された剛性目標値よりも大きくするように制御する、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の歩行転倒防止装置。
  5. 前記入力インターフェース部は、
    前記ユーザの各足の裏面に複数個配置されて前記ユーザが歩行するときの前記ユーザの各足と前記路面との接地状態情報を取得するフットセンサと、
    前記フットセンサの前記接地状態情報に基づき前記路面の曲率の情報を前記路面の情報として取得する路面情報推定部とを備えて、
    前記剛性制御部は、前記入力インターフェース部が、前記路面の情報として、閾値よりも大きい路面の曲率を有する路面曲率大のグループであるとの情報を取得したとき、前記第1〜第4アクチュエータの前記左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を、初期設定された剛性目標値よりも小さくするように制御する、
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の歩行転倒防止装置。
  6. 前記入力インターフェース部は、
    前記ユーザの各足の裏面に複数個配置されて前記ユーザが歩行するときの前記ユーザの各足と前記路面との接地状態情報を取得するフットセンサと、
    前記フットセンサの前記接地状態情報のうち前記足の裏が路面に接触しているタイミングの接地状態情報に基づき、前記路面の曲率の情報を前記路面の情報として取得する路面情報推定部とを備える、
    請求項1〜5のいずれか1つに記載の歩行転倒防止装置。
  7. 前記入力インターフェース部は、
    前記ユーザの各足の裏面に複数個配置されて前記ユーザが歩行するときの前記ユーザの各足と前記路面との接地状態情報を取得するフットセンサと、
    前記フットセンサの前記接地状態情報に基づき前記路面の段差の有無の情報を前記路面の情報として取得する路面情報推定部とを備えて、
    前記剛性制御部は、前記路面情報推定部が、前記路面の情報として前記段差が有るという情報を推定したとき、前記第1〜第4アクチュエータをそれぞれ独立して流体を加えることにより、当該足に対応する前記股関節又は前記足首の前記左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値を、初期設定の剛性目標値よりも大きくするように制御する、
    請求項1〜6のいずれか1つに記載の歩行転倒防止装置。
  8. 前記入力インターフェース部は、
    前記ユーザの各足の裏面に複数個配置されて前記ユーザが歩行するときの前記ユーザの各足と前記路面との接地状態情報を取得するフットセンサと、
    前記路面の情報として、転倒しやすい路面状況の情報を取得する路面状況取得部とを備えて、
    前記剛性制御部は、前記路面状況取得部が、前記路面の情報として前記転倒しやすい路面状況の情報を取得したとき、前記第1〜第4アクチュエータをそれぞれ独立して流体を加えることにより、当該足に対応する前記股関節又は前記足首の前記左側面と右側面とにそれぞれ伝達する剛性目標値とを、初期設定の剛性目標値よりも大きくするように制御する、
    請求項1〜7のいずれか1つに記載の歩行転倒防止装置。
  9. ユーザの腰部に固定される腰部ベルトと膝上部に固定される膝上ベルトとを備える第1のアシストウェアと、
    前記ユーザの足首上部に固定される足首上ベルトと足首下部に固定される足首下部ベルトとを備える第2のアシストウェアと、
    前記ユーザの各脚の股関節の左側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第1アクチュエータと、
    前記各脚の前記股関節の右側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第2アクチュエータと、
    各脚の足首の左側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第3アクチュエータと、
    前記各脚の前記足首の右側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第4アクチュエータとを備えるアシスト機構の動作を制御して、前記ユーザの歩行時における転倒を防止する歩行転倒防止装置の制御装置であって、
    前記ユーザが歩行する路面の情報を取得する入力インターフェース部と、
    前記入力インターフェース部で取得した前記路面の情報に基づいて、前記第1〜第4アクチュエータをそれぞれ独立して前記それぞれの流体の供給量を制御することにより、前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とにおける剛性を変更するように制御する剛性制御部とを備える、
    歩行転倒防止装置の制御装置。
  10. ユーザの腰部に固定される腰部ベルトと膝上部に固定される膝上ベルトとを備える第1のアシストウェアと、
    前記ユーザの足首上部に固定される足首上ベルトと足首下部に固定される足首下部ベルトとを備える第2のアシストウェアと、
    前記ユーザの各脚の股関節の左側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第1アクチュエータと、
    前記各脚の前記股関節の右側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第2アクチュエータと、
    各脚の足首の左側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第3アクチュエータと、
    前記各脚の前記足首の右側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第4アクチュエータとを備えるアシスト機構の動作を制御して、前記ユーザの歩行時における転倒を防止する歩行転倒防止装置の制御方法であって、
    前記ユーザが歩行する路面の情報を入力インターフェース部で取得し、
    前記入力インターフェース部で取得した前記路面の情報に基づいて、前記第1〜第4アクチュエータをそれぞれ独立して前記それぞれの流体の供給量を制御することにより、前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とにおける剛性を変更するように剛性制御部で制御する、
    歩行転倒防止装置の制御方法。
  11. ユーザの腰部に固定される腰部ベルトと膝上部に固定される膝上ベルトとを備える第1のアシストウェアと、
    前記ユーザの足首上部に固定される足首上ベルトと足首下部に固定される足首下部ベルトとを備える第2のアシストウェアと、
    前記ユーザの各脚の股関節の左側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第1アクチュエータと、
    前記各脚の前記股関節の右側面に対応する部分に配置され、前記腰部ベルトと前記膝上ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第2アクチュエータと、
    各脚の足首の左側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第3アクチュエータと、
    前記各脚の前記足首の右側面に対応する部分に配置され、前記足首上ベルトと前記足首下部ベルトとの端部に連結されて、流体を加減することにより伸縮する第4アクチュエータとを備えるアシスト機構の動作を制御して、前記ユーザの歩行時における転倒を防止する歩行転倒防止装置用制御プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記ユーザが歩行する路面の情報を取得する入力インターフェース部と、
    前記入力インターフェース部で取得した前記路面の情報に基づいて、前記第1〜第4アクチュエータをそれぞれ独立して前記それぞれの流体の供給量を制御することにより、前記股関節又は前記足首の左側面と右側面とにおける剛性を変更するように制御する剛性制御部として機能させるための歩行転倒防止装置用制御プログラム。
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