JP2018113823A - 回転電機のアウターロータ構造 - Google Patents

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Shinji Wakamatsu
慎司 若松
服部 宏之
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Abstract

【課題】回転電機のアウターロータにおいて、ロータコアを焼嵌めによって固定する際に、ロータコアの保持トルクの不足を抑制することである。【解決手段】回転電機のアウターロータ構造10は、ロータシャフト18から外周側に向かって径方向に張り出す円板部30、及び、円板部30の外周において軸方向に突き出す円環状縁部32を有するフランジ体20を備える。また、フランジ体20と別体であってフランジ体20の円環状縁部32とスプライン構造50によって軸方向にスライド可能に配置され内周側にロータコア配置用の凹部を有するリング部40を備える。また、リング部40のロータコア配置用の凹部に焼嵌めによって固定された状態の環状のロータコア42を備え、円環状縁部32とリング部40との間のスプライン構造50の軸方向変位を拘束する複数の止めピン16を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、回転電機のアウターロータ構造に係り、特に、ロータコアを焼嵌めによって固定する回転電機のアウターロータ構造に関する。
回転電機を構成するロータとしては、ステータの内周側に配置されるインナーロータ型と、ステータの外周側に配置されるアウターロータ型とが知られている。アウターロータ型の回転電機では、ロータコアが取り付けられるリングと呼ばれる環状部と、環状部をロータシャフトに連結する円板状の構造物とが一体となってロータを構成する。
例えば、特許文献1では、アウターロータ型の回転電機において、ロータコアに接着で固定される永久磁石が、接着材が固化するまでの若干の時間の間に、磁性体である鋳物製の円板状の構造物に引きつけられ、軸方向に位置がずれることを指摘している。そこで、ロータコアを構成する複数枚の電磁鋼板の内、円板状の構造物の側に最も近く積層される1枚を張り出させて永久磁石固定部位とすることが開示されている。
特許文献1では、アウターロータ構造のロータの環状部にロータコアを固定する方法について特に述べられていないが、その固定方法としては、接着法、圧入法と共に、焼嵌め法が知られている。焼嵌め法は、環状部を含むロータを予め加熱して環状部の内径を拡張し、その拡径した内周壁に常温状態のロータコアの外周側を宛がい、全体を常温に戻す。これによって環状部の内周が縮径し、その収縮力によってロータコアの外周側に押付力を与えるので、ロータの環状部にロータコアが固定される。
特開2015−195725号公報
アウターロータ構造において、ロータの環状部にロータコアを固定するために焼嵌め法を用いると、接着作業や圧入作業等が不要になるので好適である。ところで、アウターロータ構造では、環状部に円板状の構造物が一体化しているために、焼嵌めから常温に戻すときに環状部の内周が縮径する際、円板状の構造物も縮径する。そのために、環状部の内周壁によってロータコアの外周側に与えられる押付力が軸方向に沿って均一とならず、円板状の構造物の側に、より大きな押付力が生じる。
押付力は、環状部にロータコアが保持される保持力に対応し、回転電機が回転動作するときのアウターロータ構造におけるロータコアの保持トルクに対応する。焼嵌め法によって生じる押付力が軸方向に沿って均一でないときは、ロータコアの保持トルクが不足する箇所が生じる恐れがある。そこで、ロータコアを焼嵌めによって固定する際に、ロータコアの保持トルクが不足することを抑制できる回転電機のアウターロータ構造が望まれる。
本開示に係る回転電機のアウターロータ構造は、軸方向に延びるロータシャフトから外周側に向かって径方向に張り出す円板部、及び、円板部の外周において軸方向に突き出す円環状縁部を有するフランジ体と、フランジ体と別体であってフランジ体の円環状縁部とスプライン構造によって軸方向にスライド可能に配置され内周側にロータコア配置用の凹部を有するリング部と、リング部のロータコア配置用の凹部に焼嵌めによって固定された状態の環状のロータコアと、円環状縁部とリング部との間のスプライン構造の軸方向変位を拘束する複数の止めピンと、を備える。
上記構成によれば、フランジ体とは別体のリング部にロータコアが焼嵌めによって固定されており、フランジ体の熱収縮等とは無関係の状態で、ロータコアがリング部に焼嵌めされている。したがって、環状部であるリングとフランジ体とが一体となっている従来技術と異なり、リング部にロータコアを焼嵌めによって固定する際のロータコアの保持トルクにフランジ体は影響を及ぼさず、ロータコアの保持トルクが不足することが抑制される。
上記構成の回転電機のアウターロータ構造によれば、ロータコアを焼嵌めによって固定する際に、ロータコアの保持トルクが不足することを抑制できる。
実施の形態に係る回転電機のアウターロータ構造の断面図である。 図1において、軸方向の一方側から見た図である。 図1におけるロータコアの近傍部分の拡大図である。図3(a)は、図1のA部の拡大図であり、(b)は、図1のB部の拡大図である。 実施の形態に係る回転電機のアウターロータ構造において、フランジ体とリング部との間のスプライン構造を示す図である。 実施の形態に係る回転電機のアウターロータ構造におけるリング部にロータコアが焼嵌めによって固定される手順を示す図である。図5(a)は、加熱した状態のリング部と常温状態のままのロータコアとの関係を示す図であり、(b)は、リング部に焼嵌めされた状態のロータコアを示す図である。図5(c),(d)は、焼嵌めによってリング部がロータコアに与える押付力Fの軸方向分布を示す図である。 比較例として、フランジ体とリング部が別体でなく一体構造のカップ形状部を構成する従来技術におけるロータコアの焼嵌めを示す図である。図6(a)は、図5(a)に対応し、一体となって加熱されたカップ形状部と常温状態のままのロータコアとの関係を示す図である。(b)は、図5(b)に対応し、リング部に焼嵌めされた状態のロータコアを示す図である。(c),(d)は、図5(c),(d)に対応し、焼嵌めによってカップ形状部がロータコアに与える押付力F’の軸方向分布を示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下で述べる寸法、形状、材質、磁極数、1つの磁極を構成する永久磁石の数等は、説明のための例示であり、回転電機のアウターロータ構造の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
アウターロータ構造10は、回転電機の回転子の構造である。図1は、回転電機のアウターロータ構造10の構成を示す断面図である。図2は、回転電機のアウターロータ構造10の開口空間部31側から見た平面図である。以下では、回転電機のアウターロータ構造10を、特に断らない限り、アウターロータ構造10と呼ぶ。アウターロータ構造10が用いられる回転電機では、ステータ8の外周側にアウターロータ構造10が配置される。図1において、ステータ8を二点鎖線で示す。ステータ8は回転電機の固定子であって、図示しないモータケースに固定される。ステータ8は、ステータコアに所定のステータコイルが配置され、図示しない駆動回路からの駆動電力によって回転磁界を発生する。
図1、図2に、アウターロータ構造10の軸方向、周方向、径方向を示す。軸方向は、アウターロータ構造10のロータシャフト18の中心軸CLが延びる方向である。以下において、軸方向の両方向を区別するときは、紙面上において下方側を軸方向の一方側とし、上方側を軸方向の他方側と呼ぶ。軸方向の一方側は、アウターロータ構造10においてステータ8が配置される開口空間部31側の方向である。径方向は、軸方向に垂直な面内で中心軸CLを通る放射状の方向であり、周方向は、中心軸CLを中心として円周方向に沿った方向である。図2は、軸方向の一方側から見た図であり、図1は、図2のA−B線に沿った断面図に相当する。
アウターロータ構造10は、ロータシャフト18、フランジ体20、リング部40、ロータコア42、及び、複数の止めピン16を含む。フランジ体20とリング部40とで囲まれた空間が開口空間部31で、ここにステータ8が配置される。
ロータシャフト18は、図示しないモータケースにアウターロータ構造10が回転自在に保持されてステータ8と共に回転電機を構成するときの出力軸である。ロータシャフト18の軸方向に沿った他方側には鍔部19が設けられ、一方側の外周にはおねじ21が刻まれる。
フランジ体20は、ロータシャフト18から外周側に向かって径方向に張り出す円板部30と、円板部30の外周において軸方向に突き出す円環状縁部32と、内周側に中心穴を有する円筒部34とを備える。全体としては、中心円筒部を有する縁付フランジ状の形状を有する。円筒部34の中心穴にはロータシャフト18が通され、円筒部34の軸方向に沿った他方側の端面でロータシャフト18の鍔部19が受け止められる。円筒部34の軸方向に沿った一方側に突き出たロータシャフト18のおねじ21には締結ナット22が噛み合わされる。このように、ロータシャフト18の鍔部19とおねじ21を用いて、ロータシャフト18とフランジ体20とは、締結ナット22によって締結されて一体化する。
かかるフランジ体20は、適当な金属材料を用いて成形されたものが用いられる。金属材料に鋳鉄を用いて、円板部30、円環状縁部32、円筒部34を一体化成形することができる。一体化成形に代えて、複数の部材を組立ててフランジ体20としてもよい。
リング部40は、フランジ体20と別体の円環状部品で、内周側にロータコア配置用の凹部52(図5参照)を有する。図1に示すように、リング部40は、フランジ体20の円環状縁部32を軸方向の一方側に延ばした位置に配置され、フランジ体20の円環状縁部32とリング部40とを一体化すれば1つの環状部となる。換言すれば、従来技術のアウターロータ構造11においてロータコア42が配置される環状部62(図6参照)が、図1のアウターロータ構造10においては、フランジ体20の円環状縁部32とリング部40とが別体として分離している。フランジ体20の円環状縁部32とリング部40との一体化は、スプライン構造50と複数の止めピン16によって行われるが、これらについては後述する。
ロータコア42は、アウターロータ構造10の磁極を形成する複数の永久磁石44を含む環状磁性体である。ロータコア42は、焼嵌めによって固定された状態で、リング部40のロータコア配置用の凹部52(図5参照)に配置される。焼嵌めの詳細については後述する。
ロータコア42は、所定枚数の磁性体薄板43を積層した積層体である。磁性体薄板43は、内径及び外径で規定される環状外形と、複数の磁石孔とを含んで、磁性体の薄板シートを打ち抜き加工等で所定の形状に成形したものが用いられる。磁性体薄板43の両面には電気的な絶縁処理が施される。複数の磁性体薄板43は、適当なカシメ等によって互いに密着して固定され、積層体を構成する。磁性体薄板43の材質としては、珪素鋼板の一種である電磁鋼板を用いることができる。磁性体薄板43の積層体に代えて、磁性粉末を一体化成形したものをロータコア42としてもよい。
ロータコア42には、周方向に予め定められた数の磁極Pが設けられる。図2の例では、磁極数は8つである。ロータコア42を磁極数で区分した扇形の部分には、磁石孔が設けられる。磁石孔の中には磁極Pを形成する永久磁石44が挿入され、磁石固定部材によって磁石孔と永久磁石44とが固定される。磁石固定部材としては、絶縁樹脂が用いられる。例えば、エポキシ系樹脂を用いることができる。アウターロータ構造10においてロータコア42は外周側に配置されるので、1つの磁極Pの周方向に沿った長さは、インナーロータ型のロータコアに比べ長くなり、1つの永久磁石44で1つの磁極Pを形成すると周方向に沿って湾曲した磁石形状となる。図2では、1つの磁極Pについて矩形断面形状の永久磁石44を5つ用いてこれらを周方向に沿ってロータコア42の内周側に配置する。1つの磁極P当りの永久磁石44の数=5は説明のための例示であって、アウターロータ構造10の全体寸法等に基づいて、5つ以外の数であってもよい。
永久磁石44は、軸方向に延びる棒状磁石で、各磁石孔に1つずつ配置される。永久磁石44の軸方向の長さは、ロータコア42の軸方向の長さと同じかやや短めとして、ロータコア42の軸方向の端面から永久磁石44が突き出ないようにすることが好ましい。永久磁石44の着磁は、平面図における矩形断面形状の長辺面について行われ、一方側の長辺面がN極のとき他方側の長辺面がS極になるように着磁される。1つの磁極Pについての5つの永久磁石44は、いずれも同じ着磁方向で着磁される。ロータコア42の周方向に沿って隣接する磁極Pの間では、着磁方向が互いに逆になるように配置される。すなわち、内周側を向く磁極の極性は、周方向に沿って、N,S,N,S,N,S,N,Sの順に配置されて一周する。
かかる永久磁石44の材質としては、ネオジムと鉄とホウ素を主成分とするネオジム磁石、サマリウムとコバルトを主成分とするサマリウムコバルト磁石等の希土類磁石が用いられる。これ以外にフェライト磁石、アルニコ磁石等を用いてもよい。
上記では、磁極Pを形成する永久磁石44をロータコア42に埋め込む埋込磁石型を述べたが、永久磁石44がロータコア42の内周壁に露出する配置でもよい。また、ロータコア42について、周方向に沿ってリラクタンスが変化するリラクタンス型の磁極としてもよい。リラクタンスの変化と永久磁石44とを併用してもよい。
複数の止めピン16は、フランジ体20の円環状縁部32とリング部40とを一体化して固定するためのピンであるが、ここで、フランジ体20の円環状縁部32とリング部40との間のスプライン構造50について、図3、図4を用いて説明する。
図3(a),(b)は、それぞれ、図1のA部とB部についての拡大図である。図1のA部、B部は、図2におけるA−B線に沿った断面において、A側とB側の断面図である。A−B線のA側は、隣接する磁極Pの間のロータコア42を通り、永久磁石44を通らないので、ロータコア42の断面のみが示される。止めピン16は、隣接する磁極Pの間の領域において、径方向に配置される。隣接する磁極Pの間の領域の数は、磁極Pの数=8と同じであるが、止めピン16は、その内の数箇所に配置される。図2の例では、4箇所に配置され、A部はその内の1つである。したがって、図3(a)では、止めピン16の断面が示される。B側は、1つの磁極Pを構成する複数の永久磁石44の内の1つを通り、ロータコア42に埋め込まれた永久磁石44の断面図が示される。なお、止めピン16の配置位置、その個数は、説明のための例示であって、上記以外の配置位置、個数であってもよい。
「スプライン構造」とは、2つの物体が軸方向に沿って互いに可動できるように、2つの物体の向かい合う面のそれぞれに、軸方向に沿って凹凸溝を設けた構造である。図4に、図3(a)のC−C線に沿って軸方向の一方側を見た断面図を示す。フランジ体20の円環状縁部32と、リング部40とは、周方向に沿って略三角形の凹凸溝を噛み合わせたスプライン構造50によって軸方向にスライド可能に配置される。略三角形の凹凸溝は、フランジ体20の円環状縁部32の全周に渡って設けられ、同様に、リング部40の全周に渡って設けられる。円環状縁部32に設けられる凹凸溝と、リング部40に設けられる凹凸溝との間に形成される隙間の大きさを適当に設定することで、周方向に沿った変位を小さくできる。これにより、フランジ体20の円環状縁部32に、リング部40を適切に噛み合わせることができる。図4においては、スプライン構造50の略三角形の凹凸溝の周期は、永久磁石44の配置周期と異なっているが、永久磁石44の配置周期に合わせてもよい。
止めピン16は、スプライン構造50を径方向に貫くように設けられたピン孔に挿入され、リング部40と円環状縁部32との間でスプライン構造50が軸方向に変位しないように拘束するピンである。止めピン16はピン孔から外れないように、両端をカシメ処理が行われる。カシメ処理に代えて、ねじ止めによる固定を用いてもよい。
リング部40とロータコア42とは焼嵌めによって一体化されるが、ここで、リング部40とロータコア42とにおける「焼嵌め」について図5を用いて説明する。
「焼嵌め」とは、軸と穴の嵌め合い法のひとつで、常温下では軸の外径より小さい内径を有する穴を加熱膨張させることで軸と穴とを嵌め合わせ、常温に戻すことで軸と穴とを堅く結合させるものである。図5は、図1のアウターロータ構造10において、リング部40とロータコア42とが焼嵌めによって一体化された部分を焼嵌め組立体41として抜き出して示す図である。ここで、永久磁石44の図示は省略した。
図5(a)の焼嵌め組立体41(θ)は、焼嵌めにおいて、リング部40を常温から温度θに加熱して、軸方向及び径方向に膨張させた状態のリング部40(θ)と、常温のままのロータコア42との組合せを示す図である。ここでは、軸方向及び径方向の膨張を誇張して示す。
リング部40には、内周側にロータコア42を配置するための凹部52が設けられるが、温度θの加熱によって径方向及び軸方向に沿って膨張し、凹部52(θ)となる。図5(a)では、常温状態のままのロータコア42の外径をD0と示し、温度θにおける凹部52(θ)の内径をD(θ)と示す。凹部52(θ)と、常温状態のままのロータコア42との間には、径方向に沿って{D(θ)−D0}/2の大きさの隙間が生じる。つまり、リング部40のみを温度θに加熱した焼嵌め直前の状態を示す焼嵌め組立体41(θ)においては、リング部40とロータコア42とを向い合せると、隙間が生じていて、互いに分離した状態である。この隙間が焼嵌めにおける焼嵌め代である。この隙間に、常温状態のままのロータコア42を嵌め込み、全体を常温に戻す。温度θから常温に戻すことで、リング部40(θ)は、径方向及び軸方向に沿って縮み、常温状態のリング部40に戻り、凹部52(θ)も隙間が消滅した凹部52に戻る。
図5(b)は、常温状態に戻したときのリング部40とロータコア42の関係を示す図で、図1の状態に対応する。この状態においては、リング部40の凹部52に嵌め込まれたロータコア42の外周面は、リング部40の縮径によって、押付力Fを受け、ロータコア42の外径は常温下における自由状態の外径D0よりもやや小さいD0’となる。押付力Fは、ロータコア42の外周の全面に一様に懸る。押付力Fは、リング部40にロータコア42が保持される保持力に対応し、回転電機が回転動作するときのアウターロータ構造10におけるロータコア42の保持トルクに対応する。このようにして、焼嵌めによって、ロータコア42はリング部40に固定され一体化される。
リング部40は、軸方向の他方側にスプライン構造50の部分を有するが、ほぼ理想的な円環形状であり、ロータコア42も円環形状である。円形の穴に円柱を焼嵌めするときの保持力の軸方向に沿った分布は均一であることが知られているので、図5(c),(d)に示すように、押付力Fの軸方向に沿った分布は、ほぼ均一分布に近い。
アウターロータ構造10の製造方法は、以下の手順に従って行われる。最初に、永久磁石44が配置されたロータコア42を準備する(ロータコア準備工程)。次に、リング部40を準備し、所定の温度θに加熱する(リング部の加熱工程)。ロータコア42は常温状態のままである。温度θの下のリング部40(θ)と、常温状態のロータコア42との関係は、図5(a)に示す通りである。加熱されたリング部40(θ)の凹部52(θ)に、ロータコア42を嵌め込む(嵌め込み工程)。そして、全体を常温に戻して、焼嵌め組立体41を得る(焼嵌め組立体を得る工程)。焼嵌め組立体41においては、環状のロータコア42は、リング部40のロータコア配置用の凹部52に焼嵌めによって固定された状態である。焼嵌め組立体41が得られると、フランジ体20の円環状縁部32と、焼嵌め組立体41のリング部40とを、スプライン構造50の軸方向に沿って合わせる(スプライン構造の組立工程)。そして、止めピン16を用いて、フランジ体20の円環状縁部32と、焼嵌め組立体41のリング部40とが軸方向に変位しないように固定する(止めピンによる固定工程)。最後に、フランジ体20の円筒部34の中心穴に軸方向の他方側からロータシャフト18を挿入し、円筒部34の肩部にロータシャフト18の鍔部19を突き当てる(ロータシャフトの挿入工程)。そして、円筒部34の軸方向の一方側に突き出たロータシャフト18のおねじ21に締結ナット22を噛み合わせて、ロータシャフト18をフランジ体20に締結する(締結工程)。
上記製造方法によれば、ロータコア42をリング部40に固定する処理は、リング部40とロータコア42との間の焼嵌めによって行われるが、その時点ではリング部40はフランジ体20と分離している。したがって、リング部40がロータコア42に与える押付力Fの軸方向に沿った分布に対して、フランジ体20は何の影響も与えない。その結果、リング部40がロータコア42に与える押付力Fの軸方向に沿った分布は、ほぼ均一分布に近くなる。この均一な押付力Fに基づいて焼嵌めにおける焼嵌め代を設定することで、軸方向の全領域に渡って均一な焼嵌めとでき、軸方向に沿って押付力Fの不足する箇所が生じることを抑制できる。
アウターロータ構造10においては、フランジ体20とリング部40とが別体として分離されているが、これらが一体化して1つのカップ形状部60を形成している従来技術のアウターロータ構造11を比較例として図6に示す。図6は、従来技術のアウターロータ構造11におけるカップ形状部60とロータコア42との間の焼嵌めを示す図である。カップ形状部60は、円板部30と円筒部34と環状部62とを含む。環状部62は、円板部30の外周縁において軸方向に延びる環状部分であり、ロータコア42が焼嵌めによって固定される部分である。図6においては、図5と同様に、永久磁石44の図示は省略した。
図6(a)は、焼嵌めにおいて、カップ形状部60の全体を常温から温度θに加熱して、軸方向及び径方向に膨張させた状態のカップ形状部60(θ)と、常温のままのロータコア42とを示す図である。図5(a)と同様に、軸方向及び径方向の膨張を誇張して示す。
環状部62には、内周側にロータコア42を配置するための凹部53が設けられるが、温度θの加熱によって径方向及び軸方向に沿って膨張し、凹部53(θ)となる。凹部53(θ)と、常温状態のままのロータコア42との間には隙間が生じる。この隙間に、常温状態のままのロータコア42を嵌め込み、全体を常温に戻す。図6(a)において、図5と同様に、常温状態のままのロータコア42の外径をD0と示し、温度θにおける凹部53(θ)の内径をD(θ)と示す。{D(θ)−D0}/2が焼嵌めにおける焼嵌め代である。温度θから常温に戻すことで、カップ形状部60(θ)は、径方向及び軸方向に沿って縮み、常温状態のカップ形状部60に戻る。
図6(b)は、常温状態に戻したときのカップ形状部60とロータコア42の関係を示す図で、図1、図5(b)の状態に対応する。この状態において、環状部62の凹部53に嵌め込まれたロータコア42の外周面は、環状部62の縮径によって、押付力F’を受け、ロータコア42の外径は常温下における自由状態の外径D0よりもやや小さいD0’’となる。
押付力F’は、ロータコア42の外周の全面に一様に懸るが、理想的に近い円環部材の熱収縮である図5(b)の場合と異なり、環状部62は軸方向の一方側が自由端であるが他方端は、熱容量の大きな円板部30と円筒部34に一体化して接続されている。そのため、環状部62における押付力F’は、図6(c),(d)に示すように、自由端側で小さな値となり、熱容量の大きな円板部30と円筒部34の側で大きな値となる。したがって、押付力F’の最大値に基づいて焼嵌め代を設定すると、自由端における押付力F’が不足する。押付力F’は、カップ形状部60の環状部62にロータコア42が保持される保持力に対応し、回転電機が回転動作するときのアウターロータ構造11におけるロータコア42の保持トルクに対応する。したがって、円板部30と円筒部34と環状部62とが分離されずに一体化したカップ形状部60を形成する従来技術においては、アウターロータ構造11におけるロータコア42の保持トルクが不足する箇所が生じる恐れがある。図1のアウターロータ構造10によれば、軸方向に沿った押付力Fはほぼ均一であり、この均一な押付力Fに基づいて焼嵌めにおける焼嵌め代を設定するので、アウターロータ構造10におけるロータコア42の保持トルクが不足することを抑制できる。
本実施の形態に係る回転電機のアウターロータ構造10は、軸方向に延びるロータシャフト18から外周側に向かって径方向に張り出す円板部30、及び、円板部30の外周において軸方向に突き出す円環状縁部32を有するフランジ体20を備える。さらに、フランジ体20と別体であってフランジ体20の円環状縁部32とスプライン構造50によって軸方向にスライド可能に配置され内周側にロータコア配置用の凹部52を有するリング部40を備える。さらに、リング部40のロータコア配置用の凹部52に焼嵌めによって固定された状態の環状のロータコア42を備え、フランジ体20の円環状縁部32とリング部40との間のスプライン構造50の軸方向変位を拘束する複数の止めピン16を備える。
上記構成の回転電機のアウターロータ構造10によれば、リング部40に対しロータコア42を焼嵌めによって固定する際に、ロータコア42の保持トルクが不足することを抑制できる。これにより、焼嵌め代を適正に小さくした焼嵌めが可能になり、加工費や材料費の低減を図ることができる。また、焼嵌め代を適正にできるので、リング部40やロータコア42における残留応力を抑制でき、回転電機の出力トルクを増加でき、さらに、残留応力対策等のためのコストが低減できる。
8 ステータ、10,11 (回転電機の)アウターロータ構造、16 止めピン、18 ロータシャフト、19 鍔部、20 フランジ体、21 おねじ、22 締結ナット、30 円板部、31 開口空間部、32 円環状縁部、34 円筒部、40 リング部、41 焼嵌め組立体、42 ロータコア、43 磁性体薄板、44 永久磁石、50 スプライン構造、52,53 凹部、60 カップ形状部、62 環状部。

Claims (1)

  1. 軸方向に延びるロータシャフトから外周側に向かって径方向に張り出す円板部、及び、前記円板部の外周において前記軸方向に突き出す円環状縁部を有するフランジ体と、
    前記フランジ体と別体であって前記フランジ体の前記円環状縁部とスプライン構造によって前記軸方向にスライド可能に配置され内周側にロータコア配置用の凹部を有するリング部と、
    前記リング部の前記ロータコア配置用の凹部に焼嵌めによって固定された状態の環状のロータコアと、
    前記円環状縁部と前記リング部との間の前記スプライン構造の軸方向変位を拘束する複数の止めピンと、
    を備える、回転電機のアウターロータ構造。
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