JP2018113802A - 無効電力調整システム - Google Patents

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Takehiko Yamakawa
岳彦 山川
正拓 山岡
Masahiro Yamaoka
正拓 山岡
瞳 嶺岸
Hitomi Minegishi
瞳 嶺岸
崎山 一幸
Kazuyuki Sakiyama
一幸 崎山
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Abstract

【課題】個別の負荷装置の状態に合わせて無効電力を調整するとともに、個別の負荷装置の故障の有無を判断する無効電力調整システムを提供する。
【解決手段】配電線104を介して配電網内の共通ノードN1にそれぞれ接続された複数の負荷装置106のための無効電力調整システムは、共通ノードと複数の負荷装置との間にそれぞれ設けられた複数の無効電力調整装置105を含む。各無効電力調整装置は、共通ノードから負荷装置に供給される電力及びその力率を測定する力率及び電力測定器111と、共通ノードから負荷装置に供給される電力の力率を調整するように配電線において無効電力を供給又は消費する調相器113と、測定された電力及び力率を記憶するメモリ112mと、調相器を制御する制御回路112とを備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、複数の負荷装置を含む電力システムの無効電力を調整する無効電力調整システムに関する。
配電系統では、負荷によって無効電力が変化し、それにより皮相電力と有効電力との比である力率が変化する。現在の電力会社の電気料金制度では、有効電力が皮相電力と同一となる力率1(100%)に近づくにつれ割引する優遇措置があるので、電力需要家は力率改善を図っている。
特許文献1は、電圧無効電力制御システムを開示している。
特許第5959312号公報
複数の負荷装置を含む電力システムでは、それらの負荷装置のための無効電力を1つの調相器により一括して調整するものがある(一括調相)。しかしながら、このような一括調相を行うと、調相器が接続された点では力率は改善されるが、調相器から各負荷までの区間では力率が悪化し、不要な無効電流が重畳し、配線ロスが増大する。すなわち、一括調相では、個別の負荷装置の状態に合わせて無効電力を調整することができない。また、一括調相では、調相器と負荷との間にある変圧器などの機器として、力率の悪化により増大した皮相電力に耐えられる大きな容量を有する機器を選定しなければならず、機器のコストが増大する。
また、複数の負荷装置を含む電力システムにおいて、各負荷装置の状態をモニタリングし、各負荷装置の故障の有無を判断することが求められる。可能であれば、各負荷装置の状態をモニタリングし、負荷装置が故障する前に必要な調整又は修理を行う予防保全(状態監視保全)を実施することができれば望ましい。
本開示の目的は、個別の負荷装置の状態に合わせて無効電力を調整するとともに、個別の負荷装置の故障の有無を判断することができる無効電力調整システムを提供することにある。
本開示の一態様に係る無効電力調整システムによれば、
配電線を介して配電網内の共通ノードにそれぞれ接続された複数の負荷装置のための無効電力調整システムであって、
前記無効電力調整システムは、前記共通ノードと前記複数の負荷装置との間にそれぞれ設けられた複数の無効電力調整装置を含み、
前記複数の無効電力調整装置のうちの各1つの無効電力調整装置は、
前記共通ノードから前記1つの無効電力調整装置に対応する前記複数の負荷装置のうちの1つの負荷装置に供給される電力及びその力率を測定する測定器と、
前記共通ノードから前記1つの負荷装置に供給される電力の力率を調整するように、前記共通ノードと前記1つの負荷装置との間の配電線において無効電力を供給又は消費する調相器と、
前記測定器によって測定された電力及び力率を記憶する第1のメモリと、
前記測定器によって測定された電力及び力率に基づいて前記調相器を制御する第1の制御回路とを備え、
前記第1の制御回路は、前記測定器によって測定された現在の電力及び力率を、前記第1のメモリに記憶された過去の電力及び力率とそれぞれ比較することにより、前記負荷装置が正常に動作しているか否かを判断する。
本開示に係る無効電力調整システムによれば、個別の負荷装置の状態に合わせて無効電力を調整するとともに、個別の負荷装置の故障の有無を判断することができる。
これらの包括的かつ特定の態様は、システムにより、方法により、又はシステム及び方法の任意の組み合わせにより実現してもよい。
実施形態1に係る無効電力調整システムを含む電力システムの構成を示すブロック図である。 図1の各無効電力調整装置105の制御回路112によって実行される第1の無効電力調整処理を示すフローチャートである。 図1の各無効電力調整装置105の制御回路112によって実行される第2の無効電力調整処理を示すフローチャートである。 図1の各無効電力調整装置105の制御回路112によって実行される第3の無効電力調整処理を示すフローチャートである。 図1の各無効電力調整装置105の制御回路112によって実行される第4の無効電力調整処理を示すフローチャートである。 実施形態2に係る無効電力調整システムを含む電力システムの構成を示すブロック図である。 実施形態3に係る無効電力調整システムを含む電力システムの構成を示すブロック図である。
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
実施形態1.
図1は、実施形態1に係る無効電力調整システムを含む電力システムの構成を示すブロック図である。図1の電力システムは、配電用変電所101、変圧器102、配電盤103、配電線104、複数の無効電力調整装置105、及び複数の負荷装置106を含む。ここで、複数の無効電力調整装置105が、配電線104を介して配電網内の共通ノードN1にそれぞれ接続された複数の負荷装置106のための無効電力調整システムを構成する。
変圧器102の一次側(高圧側)を電力系統と呼び、変圧器102の二次側(低圧側)を配電網という。
図1の無効電力調整システムが、例えば、工場において使用される場合を想定する。配電用変電所101は、送電線(図示せず)を介して発電所(図示せず)に接続される。配電用変電所101は、送電線での電力損失を低減するために、66000V又は22000Vなど、数十kVの電圧で受電する。配電用変電所101で受電された電力は、複数の変圧器102により、いったん6600Vに降圧され、6600Vから110V又は220Vの低圧に降圧される。変圧器102により降圧された110V又は220Vの電力は、配電盤103及び配電線104を介して複数の負荷装置106に供給される。
配電盤103の後段における共通ノードN1と、複数の負荷装置106との間に、複数の無効電力調整装置105がそれぞれ設けられる。共通ノードN1は、配電盤103を介して電力系統(配電用変電所101、変圧器102など)に接続される。無効電力調整装置105のそれぞれは、共通ノードN1から1つの負荷装置106に供給される電力の力率を調整するように、共通ノードN1と1つの負荷装置106との間の配電線104において無効電力を供給又は消費する。従って、各無効電力調整装置105は、変圧器102の二次側であって、配電線104上において各負荷装置106の近傍に配置され、各負荷装置106に対して低圧個別調相動作を行う。
負荷装置106は、例えば、モータなどの誘導性負荷である。
図1等では、図示の簡単化のために、共通ノードN1から各無効電力調整装置105の左側の入力端子までの区間にのみ配電線104を示しているが、実際には、各無効電力調整装置105の右側の出力端子から各負荷装置106まで区間も配電線104により接続される。
各無効電力調整装置105は、力率及び電力測定器111、制御回路112、メモリ112m、調相器113、及びスピーカ114を備える。
力率及び電力測定器111は、負荷装置106が動作しているときに配電線104を流れる電流及び電圧に基づいて、共通ノードN1から1つの負荷装置106に供給される電力及びその力率を測定する。
制御回路112は、力率及び電力測定器111によって測定された電力及び力率に基づいて調相器113を制御する。
調相器113は、制御回路112の制御下で、共通ノードN1から1つの負荷装置106に供給される電力の力率を調整するように(例えば、力率1に近づけるように)、共通ノードN1と1つの負荷装置106との間の配電線104において無効電力を供給又は消費する。このため、制御回路112は、配電線104において供給又は消費する無効電力の供給量又は消費量を計算し、それに応じて調相器113を動作させる。
通常、工場などで使用される負荷装置106は、モータなどの誘導性負荷である場合が多い。誘導性負荷では、電圧の位相に対して電流の位相が遅れ、力率が悪化する。この力率を改善するためには、電流の位相を進ませる必要がある。この場合、調相器113は、所定容量を有する複数の進相コンデンサなどを備え、制御回路112で計算された無効電力の供給量又は消費量に従って配電線104に接続する進相コンデンサの個数を決定し、調相動作を行う。
また、制御回路112は、調相器113によって無効電力を供給及び消費していないとき、かつ、負荷装置106が正常に動作しているときに力率及び電力測定器111によって測定された電力及び力率を、正常な電力及び力率のプロファイルとしてメモリ112mに記憶する。代替又は追加として、制御回路112は、調相器113によって無効電力を供給及び消費しているとき、かつ、負荷装置106及び調相器113が正常に動作しているときに力率及び電力測定器111によって測定された電力及び力率を、正常な電力及び力率のプロファイルとしてメモリ112mに記憶する。メモリ112mは、揮発性又は不揮発性メモリである。
制御回路112は、力率及び電力測定器111によって測定された現在の電力及び力率を、メモリ112mに記憶された過去の正常な電力及び力率とそれぞれ比較することにより、負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断する。現在の電力及び力率が過去の正常な電力及び力率から有意に変動している場合、制御回路112は、負荷装置106が正常に動作していないと判断し、スピーカ114を用いてアラートを発生する。
ここで、電力及び力率に基づいて負荷装置106の故障を判断する例示的な方法について説明する。
第1の例として、負荷装置106がモータである場合に、モータの電気的な故障が発生した場合を考える。モータの力率及び電力には、その巻線のインダクタンス及び抵抗が与える影響が大きい。モータが3相(U相、V相、W相)の巻線を備える場合、例えばU相の巻線内で絶縁皮膜が破れて短絡を生じている場合、U相の巻線の抵抗値が小さくなり、電流値が増加する。また同時に、短絡によりU相の巻数が小さくなる。インダクタンス値は巻数の2乗に依存するので、抵抗値に比べてインダクタンス値がより大きく変化する。つまり、力率及び電力を測定した場合、電流の低下に比べて、力率は顕著に変化する。これにより、モータの巻線の短絡状態を推定して保全することが可能となり、結果として、甚大な機械故障及び製品ロスを低減することができる。
第2の例として、負荷装置106がモータである場合に、モータの機械的な故障が発生した場合を考える。モータの軸受け(ベアリング)に不具合が発生すると、機械ロスが増加する。インダクタンス値としては大きな変化がなく力率変化はないものの、軸受けの不具合によるトルクの低下を補償するために電流が増加される。従って、力率及び電力測定器111で測定した過去の正常な力率及び電力と比較すると、力率に変化はないが、電流値の増加により電力が増加している。これにより、モータの故障を発見することができる。
このように、制御回路112は、力率及び電力に基づいて負荷装置106の故障の徴候を発見してアラートを発生することができる。これにより、重大な事故が起きる前に負荷装置106の必要な調整又は修理を行う予防保全(状態監視保全)を実施することができる。
次に、図2〜図5を参照して、図1の各無効電力調整装置105の制御回路112によって実行される無効電力調整処理について説明する。
図2は、図1の各無効電力調整装置105の制御回路112によって実行される第1の無効電力調整処理を示すフローチャートである。図2の処理では、調相器113によって無効電力を供給及び消費していないときに力率及び電力測定器111によって測定された電力及び力率に基づいて、負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断する。言い換えると、調相器113によって無効電力を供給及び消費していないときに力率及び電力測定器111によって測定された現在の電力及び力率を、調相器113によって無効電力を供給及び消費していないときに力率及び電力測定器111によって測定されてメモリ112mに記憶された過去の電力及び力率とそれぞれ比較することにより、負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断する。その後必要に応じて、調相器113によって無効電力を供給及び消費する。
図2のステップS1において、負荷装置106は動作状態にある。ステップS2において、調相器113によって無効電力を供給及び消費していないとき、制御回路112は、力率及び電力測定器111により、配電線104における力率及び電力を測定する。ステップS3において、制御回路112は、メモリ112mから過去の正常な力率及び電力のプロファイルを読み出す。ステップS4において、制御回路112は、ステップS2で測定された現在の力率及び電力を、ステップS3で読み出された過去の正常な力率及び電力と比較することにより、負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断する。ステップS4において、YESのときはステップS6に進み、NOのときはステップS5に進む。
ステップS5において、制御回路112は、スピーカ114を用いてアラートを発生する。負荷装置106のユーザは、アラートに応じて、負荷装置106の予防保全を実施してもよい。
ステップS6において、制御回路112は、ステップS2で測定された現在の力率及び電力に基づいて、無効電力の供給又は消費が必要であるか否かを判断する。ステップS6において、YESのときはステップS7に進み、NOのときは処理を終了する。ステップS7において、制御回路112は、無効電力の供給量又は消費量を計算する。ステップS8において、制御回路112は、調相器113により無効電力を供給又は消費し、処理を終了する。
図2の処理では、調相器113によって無効電力を供給及び消費していないときに力率及び電力測定器111によって測定された電力及び力率に基づいて、負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断するので、予防保全の要否を簡易に判断することができる。
図3は、図1の各無効電力調整装置105の制御回路112によって実行される第2の無効電力調整処理を示すフローチャートである。図3の処理では、調相器113によって無効電力を供給又は消費しているときに力率及び電力測定器111によって測定された電力及び力率に基づいて、負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断する。言い換えると、調相器113によって無効電力を供給又は消費しているときに力率及び電力測定器111によって測定された現在の電力及び力率を、調相器113によって無効電力を供給又は消費しているときに力率及び電力測定器111によって測定されたメモリ112mに記憶された過去の電力及び力率とそれぞれ比較することにより、負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断する。
図3のステップS11において、負荷装置106は動作状態にある。ステップS12において、調相器113によって無効電力を供給及び消費していないとき、制御回路112は、力率及び電力測定器111により、配電線104における力率及び電力を測定する。ステップS13において、制御回路112は、ステップS12で測定された現在の力率及び電力に基づいて、無効電力の供給又は消費が必要であるか否かを判断する。ステップS13において、YESのときはステップS14に進み、NOのときはステップS17に進む。ステップS14において、制御回路112は、無効電力の供給量又は消費量を計算する。ステップS15において、制御回路112は、調相器113により無効電力を供給又は消費する。
ステップS16において、調相器113によって無効電力を供給及び消費しているとき、制御回路112は、力率及び電力測定器111により、配電線104における力率及び電力を再び測定する。ステップS17において、制御回路112は、メモリ112mから過去の正常な力率及び電力のプロファイルを読み出す。ステップS18において、制御回路112は、ステップS12(ステップS13がNOの場合)又はステップS16(ステップS13がYESの場合)で測定された現在の力率及び電力を、ステップS17で読み出された過去の正常な力率及び電力と比較することにより、負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断する。ステップS18において、YESのときは処理を終了し、NOのときはステップS19に進む。
ステップS19において、制御回路112は、スピーカ114を用いてアラートを発生する。負荷装置106のユーザは、アラートに応じて、負荷装置106の予防保全を実施してもよい。
図3の処理によれば、調相器113によって無効電力を供給又は消費しているときに力率及び電力測定器111によって測定された電力及び力率に基づいて、負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断するので、負荷装置106の実際の動作状態を図2の場合よりも正確に反映して、予防保全の要否を判断することができる。
図3のように、負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断する前に、調相器113により無効電力を供給又は消費する場合(ステップS13がYESの場合)には、代替として、制御回路112は以下の処理を行ってもよい。図3のステップS16において、制御回路112は、力率及び電力測定器111により力率及び電力を測定することに代えて、ステップS14で計算された無効電力の供給量又は消費量に基づいて配電線104における現在の力率及び電力を計算する。ステップS18において、制御回路112は、計算された現在の力率及び電力を、ステップS17で読み出された過去の正常な力率及び電力と比較することにより、負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断する。
図4は、図1の各無効電力調整装置105の制御回路112によって実行される第3の無効電力調整処理を示すフローチャートである。図4の処理では、図2の処理と同様のステップを行うことに加えて、調相器113によって無効電力を供給又は消費しているときに力率及び電力測定器111によって測定された現在の電力及び力率を、メモリ112mに記憶された過去の正常な電力及び力率とそれぞれ比較することにより、調相器113が正常に動作しているか否かを判断する。
図4のステップS21〜S28は、図2のステップS1〜S8と同様である。
ステップS29において、調相器113によって無効電力を供給及び消費しているとき、制御回路112は、力率及び電力測定器111により、配電線104における力率及び電力を再び測定する。ステップS30において、制御回路112は、メモリ112mから過去の正常な力率及び電力のプロファイルを読み出す。ステップS31において、制御回路112は、ステップS29で測定された現在の力率及び電力を、ステップS30で読み出された過去の正常な力率及び電力と比較することにより、調相器113が正常に動作しているか否かを判断する。ステップS31において、YESのときは処理を終了し、NOのときはステップS32に進む。
ステップS32において、制御回路112は、スピーカ114を用いてアラートを発生する。負荷装置106のユーザは、アラートに応じて、調相器113の予防保全を実施してもよい。
図4の処理によれば、負荷装置106及び調相器113の両方について、予防保全の要否を判断することができる。図4の処理によれば、調相器113によって無効電力を供給又は消費しているときに力率及び電力測定器111によって測定された現在の電力及び力率を、メモリ112mに記憶された過去の正常な電力及び力率とそれぞれ比較することにより、調相器113が正常に動作しているか否かを判断するので、調相器113の実際の動作状態を正確に反映して、予防保全の要否を判断することができる。
図4のステップS29では、制御回路112は、図3のステップS16と同様に、力率及び電力測定器111により力率及び電力を測定することに代えて、ステップS27で計算された無効電力の供給量又は消費量に基づいて配電線104における現在の力率及び電力を計算してもよい。この場合、ステップS31において、制御回路112は、計算された現在の力率及び電力を、ステップS30で読み出された過去の正常な力率及び電力と比較することにより、調相器113が正常に動作しているか否かを判断する。
図4では、図2のステップS1〜S8と同様であるステップS21〜S28を実行した後に、ステップS29〜S32を実行する場合について説明したが、図3のステップS11〜S18と同様のステップを実行した後に(ただし、ステップS18がYESの場合)、ステップS29〜S32を実行してもよい。
図5は、図1の各無効電力調整装置105の制御回路112によって実行される第4の無効電力調整処理を示すフローチャートである。図5の処理では、力率及び電力測定器111によって測定された電力及び力率を、正常な電力及び力率のプロファイルとしてメモリ112mに記憶する。
図5のステップS41において、負荷装置106は動作状態にある。
ステップS42において、調相器113によって無効電力を供給及び消費していないとき、制御回路112は、力率及び電力測定器111により、配電線104における力率及び電力を測定する。ステップS43において、制御回路112は、ステップS42で測定された力率及び電力のプロファイルをメモリ112mに記憶する。
ステップS44において、制御回路112は、ステップS42で測定された現在の力率及び電力に基づいて、無効電力の供給又は消費が必要であるか否かを判断する。ステップS44において、YESのときはステップS45に進み、NOのときは処理を終了する。
ステップS45において、制御回路112は、無効電力の供給量又は消費量を計算する。ステップS46において、制御回路112は、調相器113により無効電力を供給又は消費する。
ステップS47において、調相器113によって無効電力を供給及び消費しているとき、制御回路112は、力率及び電力測定器111により、配電線104における力率及び電力を測定する。ステップS48において、制御回路112は、ステップS47で測定された力率及び電力のプロファイルをメモリ112mに記憶する。
図2〜図4の処理は、測定又は計算された現在の電力及び力率を、メモリ112mに記憶された過去の正常な電力及び力率とそれぞれ比較することにより、負荷装置106又は調相器113が正常に動作しているか否かを判断し、予防保全の要否を判断する「予防保全モード」の処理である。一方、図5の処理は、測定された電力及び力率を、正常な電力及び力率のプロファイルとしてメモリ112mに記憶する「登録モード」の処理である。図5の処理は、図2〜図4の処理の前に実行される。
図5の処理は、例えば、負荷装置106及び無効電力調整装置105を始めて導入したとき、1日のうちの始業時に図1の電力システムを起動したとき、又は、負荷装置106の動作条件(回転数、温度、など)が変更されたとき、電力システムのうちのいずれかの構成要素が増減又は交換されたとき、などに実行される。従って、図5の処理を実行する時点では、負荷装置106及び調相器113の故障はまだ発生せず、負荷装置106及び調相器113は正常に動作している可能性が高いと考えられる。図5の処理では、制御回路112は、調相器113によって無効電力を供給及び消費していないとき、かつ、負荷装置106が正常に動作しているときに力率及び電力測定器111によって測定された電力及び力率を、正常な電力及び力率のプロファイルとしてメモリ112mに記憶する(ステップS43)。図5の処理では、さらに、制御回路112は、調相器113によって無効電力を供給及び消費しているとき、かつ、負荷装置106及び調相器113が正常に動作しているときに力率及び電力測定器111によって測定された電力及び力率を、正常な電力及び力率のプロファイルとしてメモリ112mに記憶する(ステップS48)。
制御回路112は、図5の処理の実行後、図2〜図4のうちのいずれかの処理を行うように自動的に切り換える。この切り換えを自動的に行うことにより、人為的なミスもなくすことができる。
以上説明したように、実施形態1の無効電力調整システムによれば、個別の負荷装置106の状態に合わせて無効電力を調整するとともに、個別の負荷装置106の故障の有無を判断することができる。
従来の予防保全では、負荷装置などに深刻な故障が発生するまで故障を発見することができず、故障が発生した場合には、調整又は修理のために工場などの製造ラインを停止しないとならなかった。一方、実施形態1に係る無効電力調整システムによれば、力率及び電力に基づいて負荷装置106の故障の徴候を発見してアラートを発生することができるので、製造ラインを停止することなく予防保全を実施することができる。これにより、製造ラインを停止することが不要になるので、生産性が向上する。また、従来は一定期間に1度の予防保全の実施することしかできなかったところ(時間計画保全)、実施形態1に係る無効電力調整システムによれば、各負荷装置106の状態をモニタリングし、負荷装置106が故障する前に必要な調整又は修理を行う予防保全(状態監視保全)を実施するためのすぐれた手段を提供することができる。従って、実施形態1に係る無効電力調整システムによれば、製造ラインが通常動作中でも予防保全を実施可能であり、不具合及び故障などを迅速かつ初期に発見することができ、短絡などによる負荷装置106の損傷などを回避することが可能となる。
実施形態1の無効電力調整システムによれば、力率の調整と同様に、配電線104における電圧を一定に調整することもできる。
従来の無効電力調整システムでは、変圧器の2次側(低圧側)に1つの無効電力調整装置が設けられた低圧一括調相、又は、変圧器の1次側(高圧側)に1つの無効電力調整装置が設けられた高圧一括調相が採用される場合が多かった。しかしながら、従来の構成では、複数の負荷装置の力率及び電力が互いに重畳した状態を測定することしかできず、各負荷装置の個別の力率及び電力を把握することができない。また、従来の構成では、一括調相により無効電力が各負荷装置まで各配電線を伝送されるので、配線ロスが増大するだけでなく、無効電力調整装置から負荷装置までに介在する変圧器及び他の各機器において、無効電力を含む大きな皮相電力に対応した設備が必要となる。一方、実施形態1の無効電力調整システムによれば、配電系統の低圧系において、負荷装置106ごとに無効電力調整装置105を分散配置して個別調相を行う。これにより、個別の負荷装置106の状態に合わせて無効電力を調整することができ、各無効電力調整装置105の電流、電圧、及び電力に係る要件を緩和することができる。
力率及び電力測定器111で測定される力率及び電力は、負荷装置106が同じ仕事を行っていても、温度などの周囲環境により多少のばらつきが発生することがある。従って、図2のステップS4などにおいて、測定された現在の力率及び電力を、メモリ112mから読み出された過去の正常な力率及び電力と比較するとき、ある程度のずれを許容してもよい。例えば1%以上の差異が発生したときにアラートを発生させるなど、適宜に故障の判断基準を調整することにより、予防保全の精度をさらに向上することができる。
力率及び電力測定器111で測定された力率及び電力をメモリ112mに記憶するとき、これに関連付けて、負荷装置106の動作状態を記憶してもよい。負荷装置106の動作状態は、例えば、負荷装置106がさまざまな製品に応じてさまざまな金型を交換して使用可能な加工機械である場合には、負荷装置106に使用している金型番号、製品もしくは試作品の品番などである。力率及び電力測定器111によって測定された現在の電力及び力率を、メモリ112mに記憶された過去の正常な電力及び力率とそれぞれ比較するとき、負荷装置106の動作状態を考慮することにより、精度の高い予防保全を実施することができる。
アラートを発生するために、無効電力調整装置105は、スピーカ114に限らず、ブザー、LED、回転灯などを備えてもよい。また、アラートを発生するために、無効電力調整装置105又は負荷装置106の近傍にスピーカなどを設けてもよい。
調相器113の一例として進相コンデンサを挙げたが、これは一例であってこの限りではない。負荷装置106によっては、遅相に調相する分路リアクトルであってもよく、また、進相にも遅相にも連続的に調相可能な無負荷で運転される同期電動機である同期調相機であったり、インバータを用いた静止型無効電力補償装置(STATCOM:Static Synchronous Compensator)であってもよい。いずれの調相器であっても、以上の説明と同様の効果を得ることができる。
図1では、3つの負荷装置106及び3つの無効電力調整装置105を示しているが、電力システムは、4つ以上の負荷装置106及び対応する4つ以上の無効電力調整装置105を備えていてもよい。
図1では、負荷装置106ごとに無効電力調整装置105を設けている場合を示しているが、力率変動に大きな影響を与える大きな無効電力を有する負荷装置106だけに無効電力調整装置105をもうけてもよい。これにより、力率調整の効果を得ることができ、無効電力調整装置105を配置した負荷装置106の予防保全を実施しながら、無効電力調整装置105の設置費用を低減することができる。
以上の説明では、無効電力調整システムが工場において使用される場合を想定したが、これに限らず、無効電力調整システムは、家庭又は店舗などの負荷装置のために使用されてもよい。無効電力調整装置を接続可能な負荷装置を有する施設であれば、以上の説明と同様に予防保全を実施して、同様の効果を得ることができる。
実施形態2.
以下、実施形態2を説明する。実施形態1と共通の構成要素についての説明は、適宜、省略する。
図6は、実施形態2に係る無効電力調整システムを含む電力システムの構成を示すブロック図である。図6の電力システムは、図1の電力システムの複数の無効電力調整装置105に代えて複数の無効電力調整装置105Aを備える。
各無効電力調整装置105Aは、図1の無効電力調整装置105の制御回路112に代えて制御回路122Aを備え、さらに、負荷装置106に関連付けられた物理量を測定するセンサ121と、調相器113に関連付けられた物理量を測定するセンサ122とを備える。
センサ121は、1つの無効電力調整装置105Aに対応する1つの負荷装置106に関連付けられた物理量であって、温度、加速度、回転数、及び周波数のうちの少なくとも1つを含む物理量を測定する。メモリ112mは、センサ121によって測定された物理量をさらに記憶する。
センサ122は、調相器113に関連付けられた物理量であって、温度、加速度、回転数、及び周波数のうちの少なくとも1つを含む物理量を測定する。メモリ112mは、センサ122によって測定された物理量をさらに記憶する。
センサ121,122は、例えば、温度センサでもよく、回転数をモニタするセンサでもよく、振動を検知する加速度センサでもよく、様々な物理量を検出するものであればよい。
制御回路122Aは、図1の制御回路112と同様に動作することに加えて、センサ121によって測定された現在の物理量を、メモリ112mに記憶された過去の物理量と比較することにより、負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断する。また、制御回路112Aは、センサ122によって測定された現在の物理量を、メモリ112mに記憶された過去の物理量と比較することにより、調相器113が正常に動作しているか否かを判断する。
例えば、力率及び電力測定器111で測定された現在の力率及び電力が、メモリ112mから読み出された過去の正常な力率及び電力とほぼ同じであるにも関わらず、負荷装置106のセンサ121により測定された温度が、過去の正常な温度よりも大きく上昇している場合を考える。この温度上昇を検出することにより、発熱部品(例えば、電力用半導体デバイスなど)、放熱部品(例えば、半導体デバイスのグリス、放熱フィンなど)、冷却機構(例えば、ファン、水冷ポンプなど)の不良を検知することができる。また、加速度センサにより、モータなどである負荷装置106の振動の変化を検出することにより、負荷装置106の故障の徴候を早期に検出することもできる。
力率及び電力測定器111で測定される力率及び電力は、負荷装置106の動作状況によって変化することがある。力率及び電力測定器111で測定された力率及び電力を、センサ121により測定された物理量(負荷装置106の温度及び回転数など)に関連付けてメモリ112mに登録しておくことにより、負荷装置106の故障を更に高精度で判断することができ、良好な予防保全を実施することができる。同様に、力率及び電力測定器111で測定された力率及び電力を、センサ122により測定された調相器113の物理量に関連付けてメモリ112mに登録しておくことにより、調相器113の故障を更に高精度で判断することができ、良好な予防保全を実施することができる。
以上の構成によれば、上述の実施形態1で説明された効果を奏することができる。
また、実施形態2においては、上述の実施形態1にて説明された付加的な構成が、適宜、採用される。
実施形態3.
以下、実施形態3を説明する。実施形態1及び2と共通の構成要素についての説明は、適宜、省略する。
図7は、実施形態3に係る無効電力調整システムを含む電力システムの構成を示すブロック図である。図7の電力システムは、図1の電力システムの複数の無効電力調整装置105に代えて複数の無効電力調整装置105Bを備え、さらに、外部制御装置であるデータセンタ130を備える。データセンタ130は、有線又は無線により、複数の無効電力調整装置105Bと通信可能に接続される。
各無効電力調整装置105Bは、図1の制御回路112に代えて制御回路112Bを備え、さらに、通信回路115を備える。制御回路112Bは、図1の制御回路112と同様に動作することに加えて、力率及び電力測定器111で測定された力率及び電力を、通信回路115によってデータセンタ130に送信する。
データセンタ130は、通信回路131、制御回路132、及びメモリ132mを備える。制御回路132は、通信回路131によって各無効電力調整装置105Bと通信可能に接続される。メモリ132mは、各無効電力調整装置105Bの力率及び電力測定器111によって測定されて各無効電力調整装置105Bから受信された電力及び力率を記憶する。メモリ132mは、揮発性又は不揮発性メモリである。制御回路132は、各無効電力調整装置105Bの力率及び電力測定器111によって測定されて各無効電力調整装置105Bから受信された現在の電力及び力率を、メモリ132mに記憶された過去の正常な電力及び力率とそれぞれ比較することにより、複数の負荷装置106が正常に動作しているか否かを判断する。現在の電力及び力率が過去の正常な電力及び力率から有意に変動している場合、制御回路132は、負荷装置106が正常に動作していないと判断し、音又は光の出力装置を用いてアラートを発生する。また、制御回路132は、任意の通信回線を介して、負荷装置106の管理者、責任者、又は設備導入業者などに対して電子メールでアラートを通知してもよい。
データセンタ130の制御回路132は、各無効電力調整装置105Bの制御回路112Bに代わって、図2〜図5の無効電力調整処理を行ってもよい。また、データセンタ130の制御回路132と、各無効電力調整装置105Bの制御回路112Bとの両方が、図2〜図5の無効電力調整処理を行ってもよい。
データセンタ130は、力率及び電力を長期間にわたって安定的に保存することができ、また、複数の無効電力調整装置105Bを一元的に管理及び制御することができ、負荷装置106に故障が発生したときのアラートも集中的に管理することができる。
データセンタ130は、パーソナルコンピュータ又はタブレット端末装置などであってもよい。
データセンタ130のメモリ132mは、各無効電力調整装置105Bのメモリ122mに比較して大容量を確保しやすいので、メモリ132mは、例えば1年前又は2年前に各無効電力調整装置105Bの力率及び電力測定器111によって測定された力率及び電力を保持していてもよい。制御回路132は、現在の電力及び力率を、メモリ132mに記憶された1年前又は2年前の正常な電力及び力率とそれぞれ比較することにより、各負荷装置106が劣化しているか否かを判断することができる。また、このように各負荷装置106の劣化を判断するために、測定された力率及び電力をメモリ132mに記憶する場合、これに関連付けて、負荷装置106の動作条件(例えば、負荷装置106に使用する金型、動作時間、モータの回転数、など)も記憶してもよい。その後、実際に各負荷装置106の劣化を判断するとき、この動作条件を負荷装置106に設定し、この動作条件下で力率及び電力測定器111によって測定された現在の電力及び力率を、メモリ112mに記憶された過去の正常な電力及び力率とそれぞれ比較する。これにより、負荷装置106の故障を更に高精度で判断することができ、良好な予防保全を実施することができる。
また、データセンタ130は各無効電力調整装置105Bよりもセキュリティを確保しやすいので、測定された力率及び電力を長期間にわたって記憶する場合、各無効電力調整装置105Bのメモリ112mに記憶するよりも、データセンタ130のメモリ132mに記憶するほうがセキュリティの観点からは好ましい。
以上の構成によれば、上述の実施形態1及び2で説明された効果を奏することができる。
また、実施形態3においては、上述の実施形態1及び2にて説明された付加的な構成が、適宜、採用される。
なお、上述の実施形態1から3に記載の構成は、それぞれ、適宜、組み合わされてもよい。
特許請求の範囲に記載された本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、各種変形及び変更を行うことも可能である。
本開示に係る無効電力調整システムは、例えば、工場内設備、家庭内設備、店舗内設備、又は公共機関などに応用可能である。
101…配電用変電所、
102…変圧器、
103…配電盤、
104…配電線、
105,105A,105B…無効電力調整装置、
106…負荷装置、
111…力率及び電力測定器、
112,112A,112B…制御回路、
112m…メモリ、
113…調相器、
114…スピーカ、
115…通信回路、
121,122…センサ、
130…データセンタ、
131…通信回路、
132…制御回路、
132m…メモリ。

Claims (10)

  1. 配電線を介して配電網内の共通ノードにそれぞれ接続された複数の負荷装置のための無効電力調整システムであって、
    前記無効電力調整システムは、前記共通ノードと前記複数の負荷装置との間にそれぞれ設けられた複数の無効電力調整装置を含み、
    前記複数の無効電力調整装置のうちの各1つの無効電力調整装置は、
    前記共通ノードから前記1つの無効電力調整装置に対応する前記複数の負荷装置のうちの1つの負荷装置に供給される電力及びその力率を測定する測定器と、
    前記共通ノードから前記1つの負荷装置に供給される電力の力率を調整するように、前記共通ノードと前記1つの負荷装置との間の配電線において無効電力を供給又は消費する調相器と、
    前記測定器によって測定された電力及び力率を記憶する第1のメモリと、
    前記測定器によって測定された電力及び力率に基づいて前記調相器を制御する第1の制御回路とを備え、
    前記第1の制御回路は、前記測定器によって測定された現在の電力及び力率を、前記第1のメモリに記憶された過去の電力及び力率とそれぞれ比較することにより、前記負荷装置が正常に動作しているか否かを判断する、
    無効電力調整システム。
  2. 前記第1の制御回路は、前記調相器によって無効電力を供給及び消費していないときに前記測定器によって測定された現在の電力及び力率を、前記調相器によって無効電力を供給及び消費していないときに前記測定器によって測定されて前記第1のメモリに記憶された過去の電力及び力率とそれぞれ比較することにより、前記負荷装置が正常に動作しているか否かを判断する、
    請求項1記載の無効電力調整システム。
  3. 前記第1の制御回路は、前記調相器によって無効電力を供給及び消費していないときに前記測定器によって測定された電力及び力率を前記第1のメモリに記憶する、
    請求項2記載の無効電力調整システム。
  4. 前記第1の制御回路は、前記調相器によって無効電力を供給又は消費しているときに前記測定器によって測定された現在の電力及び力率を、前記調相器によって無効電力を供給又は消費しているときに前記測定器によって測定されて前記第1のメモリに記憶された過去の電力及び力率とそれぞれ比較することにより、前記負荷装置が正常に動作しているか否かを判断する、
    請求項1記載の無効電力調整システム。
  5. 前記第1の制御回路は、前記調相器によって無効電力を供給及び消費しているときに前記測定器によって測定された電力及び力率を前記第1のメモリに記憶する、
    請求項4記載の無効電力調整システム。
  6. 前記第1の制御回路は、前記調相器によって無効電力を供給又は消費しているときに前記測定器によって測定された現在の電力及び力率を、前記第1のメモリに記憶された過去の電力及び力率とそれぞれ比較することにより、前記調相器が正常に動作しているか否かを判断する、
    請求項2〜5のうちの1つに記載の無効電力調整システム。
  7. 前記複数の無効電力調整装置のうちの各1つの無効電力調整装置は、前記1つの無効電力調整装置に対応する1つの負荷装置に関連付けられた物理量であって、温度、加速度、回転数、及び周波数のうちの少なくとも1つを含む物理量を測定する第1のセンサをさらに備え、
    前記第1のメモリは、前記第1のセンサによって測定された物理量をさらに記憶し、
    前記第1の制御回路は、前記第1のセンサによって測定された現在の物理量を、前記第1のメモリに記憶された過去の物理量と比較することにより、前記負荷装置が正常に動作しているか否かを判断する、
    請求項1〜6のうちの1つに記載の無効電力調整システム。
  8. 前記複数の無効電力調整装置のうちの各1つの無効電力調整装置は、前記調相器に関連付けられた物理量であって、温度、加速度、回転数、及び周波数のうちの少なくとも1つを含む物理量を測定する第2のセンサをさらに備え、
    前記第1のメモリは、前記第2のセンサによって測定された物理量をさらに記憶し、
    前記第1の制御回路は、前記第2のセンサによって測定された現在の物理量を、前記第1のメモリに記憶された過去の物理量と比較することにより、前記調相器が正常に動作しているか否かを判断する、
    請求項1〜7のうちの1つに記載の無効電力調整システム。
  9. 前記無効電力調整システムは、前記複数の無効電力調整装置と通信可能に接続された外部制御装置をさらに備え、
    前記外部制御装置は、
    前記各無効電力調整装置の測定器によって測定されて前記各無効電力調整装置から受信された電力及び力率を記憶する第2のメモリと、
    前記各無効電力調整装置の測定器によって測定されて前記各無効電力調整装置から受信された現在の電力及び力率を、前記第2のメモリに記憶された過去の電力及び力率とそれぞれ比較することにより、前記複数の負荷装置が正常に動作しているか否かを判断する第2の制御回路とを備える、
    請求項1〜8のうちの1つに記載の無効電力調整システム。
  10. 前記共通ノードは、配電盤を介して電力系統に接続される、
    請求項1〜9のうちの1つに記載の無効電力調整システム。
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