JP2018112595A - 画像投射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光変調素子から投射光学系に取り込まれる光の強度分布が非対称である場合に被投射面上での照度むらを低減する。
【解決手段】画像投射装置は、複数の画素が配列された変調面7aを有し、照明光学系3〜6からの光を複数の画素により変調する光変調素子7と、変調面から取り込んだ光を被投射面に投射する投射光学系とを有する。光変調素子は、照明光学系から変調面に均一強度の光が入射するとともに複数の画素が同一駆動階調で駆動される場合に変調面から投射光学系に取り込まれる光の強度が該変調面の法線に対して一方の側で他方の側より高い非対称な光強度分布特性を有する。投射光学系の全画角から光を取り込まず、投射光学系の光軸近傍から前記一方側からの光を取り込み、投射光学系の周辺部から前記他方の側からの光を取り込む。
【選択図】図7
【解決手段】画像投射装置は、複数の画素が配列された変調面7aを有し、照明光学系3〜6からの光を複数の画素により変調する光変調素子7と、変調面から取り込んだ光を被投射面に投射する投射光学系とを有する。光変調素子は、照明光学系から変調面に均一強度の光が入射するとともに複数の画素が同一駆動階調で駆動される場合に変調面から投射光学系に取り込まれる光の強度が該変調面の法線に対して一方の側で他方の側より高い非対称な光強度分布特性を有する。投射光学系の全画角から光を取り込まず、投射光学系の光軸近傍から前記一方側からの光を取り込み、投射光学系の周辺部から前記他方の側からの光を取り込む。
【選択図】図7
Description
本発明は、光変調素子により変調された光を投射して画像を表示する画像投射装置に関する。
プロジェクタ等の画像投射装置は、照明光学系からの照明光で液晶パネルやマイクロミラーアレイ等の光変調素子を照明し、該光変調素子により変調された光を投射光学系によりスクリーン等の被投射面に投射することで画像を表示する。
表示画像を高解像度化するには、光変調素子における画素の高密度化が必要である。ただし、画素サイズの微小化に伴って回折の影響が顕著となり、この結果、表示画像の明るさの低下、明るさむらおよび色むらが発生する。
特許文献1には、光変調素子が回折格子として作用して発生する色むらを低減する方法が開示されている。具体的には、光変調素子を照明する光の波長ごとのFナンバーを異ならせることで、波長に応じて回折角が異なることに起因する色むらを低減する。
しかしながら、光変調素子が画素の高密度化により回折格子として作用すると、光変調素子から投射光学系に取り込まれる光の強度分布が光変調素子(変調面)の法線に対して非対称となる場合がある。この場合、一般的な投射光学系の開口効率は100%より低いため、被投射面上には非対称な照度分布を有する画像が投射されることになる。特許文献1にて開示された方法によれば、波長ごとの相対強度差が小さくなって色むらは低減するが、照度むらを低減することができない。
本発明は、光変調素子から投射光学系に取り込まれる光の強度分布が非対称である場合に被投射面上での照度むらを低減することができるようにした画像投射装置を提供する。
本発明の一側面としての画像投射装置は、照明光学系と、複数の画素が配列された変調面を有し、照明光学系からの光を複数の画素により変調する光変調素子と、変調面から取り込んだ光を被投射面に投射する投射光学系とを有する。光変調素子は、照明光学系から変調面に均一強度の光が入射するとともに複数の画素が同一駆動階調で駆動される場合に変調面から投射光学系に取り込まれる光の強度が該変調面の法線に対して一方の側で他方の側より高い非対称な光強度分布特性を有する。そして、投射光学系の入射領域のうち、光軸側の中心部より他方の側の周辺部は変調面からの光を取り込まず、中心部より一方の側の周辺部が変調面のうち一方の側からの光を取り込み、中心部が変調面のうち他方の側からの光を取り込むことを特徴とする。
本発明によれば、光変調素子から投射光学系に取り込まれる光の強度分布が非対称である場合でも被投射面上での照度むらが少ない画像を表示することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1である画像投射装置(以下、プロジェクタという)の構成を示す。図1は、図中の座標軸により示すように、照明光学系の光軸10が延びる光軸方向をZ方向としたときのYZ断面を示している。
プロジェクタは、光源1およびコリメータレンズ2により構成される光源光学系と、光均一化素子(光学素子)3、コンデンサレンズ4、第1プリズム5および第2プリズム6により構成される照明光学系とを有する。また、プロジェクタは、照明光学系の光軸10に対して直交する法線を有する光変調素子7と、投射光学系としての投射レンズ8とを有する。
光源1は、ランプ、LEDまたはレーザダイオード等により構成され、単独で白色光を発したり複数の光源から互いに波長が異なる複数の色光を発したりするように構成されている。光源1から発せられた発散光束はコリメータレンズ2により平行光束とされて光均一化素子3に向かう。光均一化素子3は、それぞれ複数の球面レンズが2次元配列されたレンズアレイである第1フライアイレンズ3aと第2フライアイレンズ3bとにより構成されている。コリメータレンズ2からの平行光束は、第1フライアイレンズ3aによって分割および集光され、それぞれの分割光束は第2フライアイレンズ3bの近傍に2次光源像を形成する。第1および第2フライアイレンズ3a,3bのそれぞれを構成するレンズセルは、光変調素子7の変調面(被照明面)7aと相似形状である矩形のレンズ形状を有する。第1フライアイレンズ3aの各レンズセルは、光変調素子7と光学的に共役な位置に配置されている。
第2フライアイレンズ3bから出射した複数の分割光束は、コンデンサレンズ4によって集光され、第1プリズム5および第2プリズム6を通過して光変調素子7の変調面7a上にて互いに重ね合わされる。これにより、変調面7aには均一強度の照明光が入射する(すなわち、変調面7aが均一強度の照明光で照明される)。
光変調素子7は、透過型または反射型の液晶パネルやデジタルマイクロミラーデバイス(マイクロミラーアレイ)により構成されている。光変調素子7の変調面7aには、複数の画素(液晶パネルであれば液晶画素、マイクロミラーアレイであれば微小ミラー)が2次元配列されている。本実施例において、「変調面7a」は、複数の画素が2次元配置される基準面としての意味と該複数の画素が配置された領域の意味で用いる。
光変調素子7は、複数の画素によって入射した照明光を画像情報を含んだ画像光に変調する。変調された画像光は、投射レンズ8によってスクリーン等の被投射面20に拡大投射され、これにより被投射面20上に画像が表示される。
ここで、光変調素子7が、画素の高密度化により回折格子として作用する場合について説明する。回折格子としての光変調素子7からは、図2に示すように、光変調素子7の変調面7aの法線11の方向に出射する0次回折光に加えて、±1次から±3次(およびさらに高次)の回折光が互いに異なる回折角で出射する。そして、これら0次および±1次から±3次回折光はそれぞれ、図4に示すように、被投射面20にて異なる照度分布を形成する。この場合、被投射面20に投射される表示画像内での照度分布は、各次数の回折光により形成される照度分布とそれに対応する各次数の回折光強度を乗じ、積分したものとなる。
なお、プロジェクタに用いられる投射光学系として一般的な本実施例の投射レンズ8の開口効率(ここでは投射レンズ8の光軸側の中心部の透過光量に対する周辺部の透過光量の割合であり、ビネッティングともいう)は、図3に示すように100%より低い。つまり、投射レンズ8の周辺部(像高が高い部分)では、中心部(像高が0付近の部分)に比べて光量落ちが大きいため、図4に示すように大きい次数の照度分布が悪くなる。
また、光変調素子には、その変調面に均一強度の光が入射するとともに複数の画素が同一駆動階調で駆動される場合に、図5(a)に示すように、変調面から出射する回折光の強度が変調面の法線に対して対称となる対称な光強度分布特性を有するものがある。具体的には、変調面から出射する光の強度が変調面の法線(0次回折光)に対して一方の側と他方の側とで等しい。
これに対して、光変調素子には、上記と同じ場合に、図5(b)に示すように、変調面から出射する光の強度が変調面の法線に対して一方の側で他方の側より高い非対称な光強度分布特性を有するものもある。つまり、変調面から出射する光の強度が変調面の法線(0次回折光)に対して一方の側(図の右側)で他方の側(図の左側)よりも高くなる。本実施例では、後者のような非対称な光強度分布特性を有する光変調素子を光変調素子7として用いる。以下の説明において、非対称な光強度分布特性を有する光変調素子7のうち変調面7aの法線に対して光強度が高い側(一方の側)を高強度側といい、光強度が低い側(他方の側)を低強度側という。
先述のとおり、被投射面20に投射される表示画像内での照度分布は、各次数の回折光により形成される照度分布とそれに対応する各次数の回折光強度を乗じ、積分したものとなる。
このため、投射レンズ8の光軸12(図1)と対称な光強度分布特性を有する光変調素(変調面)の中心とを一致させた場合には、図4に示す回折次数毎の照度分布と図5(a)に示した対称な光強度分布とが乗じられて、図6(a)に示すような対称な照度分布が得られる。
しかし、投射レンズ8の光軸12と非対称な光強度分布特性を有する光変調素子7(変調面7a)の中心とを一致させると、図4に示す回折次数毎の照度分布と図5(b)に示した非対称な光強度分布とが乗じられて、図6(b)に示すように極端に非対称な照度分布が得られる。これは、図5(b)に示すように変調面から出射する光の強度が変調面の法線(0次回折光)に対して一方の側(図の右側)で他方の側(図の左側)よりも高くなることが原因である。この場合、光変調素子7に入射する照明光の強度分布を均一にしても被投射面20に投射される表示画像内での照度むらが目立つ。
このため、本実施例では、図7に示すように、光変調素子7の変調面(有効像高)7aに対してイメージサークルが大きい投射レンズ8を用いている。そして、この投射レンズ8の光軸12を、変調面7aの中心(法線11)に対して光強度が高い側(一方の側)の光を取り込めるようにシフトさせている。
これにより、非対称な光強度分布特性を有する光変調素子7を用いる場合でも、被投射面20に投射される表示画像における照度むらを低減することができ、高品位な表示画像を投射可能なプロジェクタを実現することができる。
図8は、本発明の実施例2を示している。実施例1では、投射レンズ8の光軸12を光変調素子7の変調面7aの中心に対してシフトさせるとともに、光変調素子7の変調面7aの全域からの光を投射レンズ8に取り込む場合について説明した。これに対して、本実施例では、光変調素子7の変調面7aのうち実施例1で説明した低強度側(他方の側)の一部領域7cを光変調に用いない(そこからの光を投射レンズ8に取り込まない)非変調領域とする。これにより、光変調素子7の変調面7aのうち光変調に用いられる変調領域7bの中心の法線11′が変調面7aの本来の中心の法線11から投射レンズ8のうち一方の側にシフトする。
すなわち、光変調素子7aの変調面7aを部分的に限定して使用することで、投射レンズ8の光軸12を変調面7aの本来の中心に対してシフトさせることなく投射レンズ8の入射領域のうち他方の側の周辺部に相当する部分を不使用部分としている。
実施例1のように光変調素子7の変調面7aに対して大きなイメージサークルを有する投射レンズ8を用いる場合に、投射レンズ8の大型化が懸念される。これに対して、本実施例では、光変調素子7の変調面7a内で光変調に使用する領域11aを限定することによりこのような懸念のないプロジェクタを実現することができる。
なお、光変調素子7の変調領域7bを限定する場合に、光変調素子7における照明光が入射する領域である照明領域も変調領域7bと相似形状とすることで、明るさの向上を図ることができる。すなわち、変調面7aのうち非変調領域7cを除いた変調領域7bにのみ照明光学系からの照明光を入射させる(非変調領域7cには照明光を入射させない)ことが望ましい。この構成を実現するためには、光変調素子7と光学的に共役になっている第1フライアイレンズ3aの各レンズセルの形状を変調領域7bの形状と相似とすればよい。
本実施例でも、非対称な光強度分布特性を有する光変調素子7を用いる場合でも、被投射面20に投射される表示画像における照度むらを低減することができ、高品位な表示画像を投射可能なプロジェクタを実現することができる。
なお、図1に示した光均一化素子3は、実施例1のようなフライアイインテグレータ方式ではなく、柱状の光学素子内を多重反射させることにより均一化するロッドインテグレータ方式でもよい。ロッドインテグレータ方式を用いる場合は、コリメータレンズ2は不要となり、もしくはコリメータレンズ2の後に集光レンズを配置する。また、この場合において、実施例2で説明したように変調面7aの変調領域7bと相似形状の照明領域を形成するには、光変調素子7と光学的に共役なロッド出射端を変調領域7bと相似形状とすればよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
3 光均一化素子
3a 第1フライアイレンズ
3b 第2フライアイレンズ
4 コンデンサレンズ
5 第1プリズム
6 第2プリズム
7 光変調素子
8 投射レンズ
20 被投射面
3a 第1フライアイレンズ
3b 第2フライアイレンズ
4 コンデンサレンズ
5 第1プリズム
6 第2プリズム
7 光変調素子
8 投射レンズ
20 被投射面
Claims (7)
- 照明光学系と、
複数の画素が配列された変調面を有し、前記照明光学系からの光を前記複数の画素により変調する光変調素子と、
前記変調面から取り込んだ光を被投射面に投射する投射光学系とを有し、
前記光変調素子は、前記照明光学系から前記変調面に均一強度の光が入射するとともに前記複数の画素が同一駆動階調で駆動される場合に前記変調面から前記投射光学系に取り込まれる光の強度が該変調面の法線に対して一方の側で他方の側より高い非対称な光強度分布特性を有し、
前記投射光学系の全画角から光を取り込まず、前記投射光学系の光軸近傍から前記一方の側からの光を取り込み、前記投射光学系の周辺部から前記他方の側からの光を取り込むことを特徴とする画像投射装置。 - 前記投射光学系の開口効率が100%より小さいことを特徴とする請求項1に記載の画像投射装置。
- 前記投射光学系の光軸が、前記変調面の中心に対して前記一方の側にシフトしていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像投射装置。
- 前記変調面のうち一部に光変調を行わない非変調領域を設け、前記光変調を行う面の中心を法線とした場合、前記投射光学系の光軸が、前記光変調を行う面の中心の法線に対し、一方の側にシフトしていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像投射装置。
- 前記変調面のうち、前記非変調領域を除いた、前記光変調を行う変調領域に前記照明光学系からの光を入射させることを特徴とする請求項4に記載の画像投射装置。
- 前記照明光学系は、前記変調領域に光を入射させ、前記非変調領域に光を入射させないようにする光学素子を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像投射装置。
- 前記光変調素子は、デジタルマイクロミラーデバイスであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像投射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017001531A JP2018112595A (ja) | 2017-01-10 | 2017-01-10 | 画像投射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017001531A JP2018112595A (ja) | 2017-01-10 | 2017-01-10 | 画像投射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018112595A true JP2018112595A (ja) | 2018-07-19 |
Family
ID=62912019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017001531A Pending JP2018112595A (ja) | 2017-01-10 | 2017-01-10 | 画像投射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018112595A (ja) |
-
2017
- 2017-01-10 JP JP2017001531A patent/JP2018112595A/ja active Pending
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