JP2018112142A - 高周波出力装置および高周波出力方法 - Google Patents

高周波出力装置および高周波出力方法 Download PDF

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Abstract

【課題】点火プラグが劣化しているか否かを精度よく判定することができる高周波出力装置および高周波出力方法を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る高周波出力装置は、出力部と、検出部と、判定部と、を備える。出力部は、内燃機関の燃焼室内で火花放電を発生させる点火プラグをアンテナとして燃焼室内に高周波を照射するために、点火プラグに高周波を出力する。検出部は、火花放電を行っていない場合に、点火プラグに出力された高周波の反射波に基づき、点火プラグのインピーダンスの状態を検出する。判定部は、検出部が検出したインピーダンスの状態が予め設定した設定状態から変化した場合に点火プラグが劣化したと判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波出力装置および高周波出力方法に関する。
従来、自動車エンジン等の内燃機関において、点火プラグを用いて燃焼室内に発生させた火花放電をプラズマの核とし、これに例えばプラズマ生成装置が生成した電磁波を供給することによってプラズマ領域を拡大させて混合気に着火するプラズマ点火型の着火方式が提案されている。
例えば、特許文献1には、電磁波の反射強度が小さくなるようにスタブの短絡位置を調整することで、インピーダンス不整合によって発生する電磁波の反射を抑制する技術が記載されている。
特許第5953532号公報
しかしながら、上述した従来技術では、電磁波(高周波)を放射する点火プラグの劣化について考慮されていない。例えば煤が点火プラグに付着するなどして点火プラグが劣化すると、インピーダンス不整合が生じ、点火プラグから所望の高周波が放射されない場合がある。そのため、点火プラグが劣化しているか否かを精度よく判定できることが望まれる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、点火プラグが劣化しているか否かを精度よく判定することができる高周波出力装置および高周波出力方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る高周波出力装置は、出力部と、検出部と、判定部と、を備える。出力部は、内燃機関の燃焼室内で火花放電を発生させる点火プラグをアンテナとして燃焼室内に高周波を照射するために、点火プラグに高周波を出力する。検出部は、火花放電を行っていない場合に、点火プラグに出力された高周波の反射波に基づき、点火プラグのインピーダンスの状態を検出する。判定部は、検出部が検出したインピーダンスの状態が予め設定した設定状態から変化した場合に点火プラグが劣化したと判定する。
本発明によれば、点火プラグが劣化しているか否かを精度よく判定することができる。
図1は、実施形態に係る点火システムを説明する図である。 図2は、実施形態に係る点火システムの構成を示すブロック図である。 図3は、実施形態に係る高周波発生部の一例を示す図である。 図4は、実施形態にかかる点火プラグのインピーダンスを説明する図である。 図5は、実施形態に係る点火システムの各部の処理を説明するタイムチャートである。 図6は、実施形態に係る高周波出力装置が実行する劣化判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 図7は、実施形態の変形例1に係る高周波出力装置の構成を示すブロック図である。 図8は、実施形態の変形例1に係る可変整合器の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する高周波出力装置および高周波出力方法の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態では、高周波出力装置を含む点火システムが車両用のエンジンの点火を制御する場合を例に挙げて説明するが、点火システムは、船舶や航空機など車両用のエンジン以外の内燃機関の点火を制御することも可能である。その他、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
以下では、実施形態に係る高周波出力装置を備える点火システムの概要について図1を参照して説明した後に、点火システムの詳細について図2〜図6を参照して説明することとする。
(1.点火システムの概要)
まず、点火システム100の概要について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る点火システム100を説明する図である。
図1に示す点火システム100は、エンジンの燃焼室内に発生した火花放電に、点火プラグを介して高周波(マイクロ波)を供給し、プラズマを発生させて混合気に着火する。これにより、点火システム100は、理論空燃比よりも薄い(リーン)混合気にも確実に着火することができる。
また、点火システム100は、火花放電を行っていない場合に点火プラグに高周波を供給し、供給した高周波が点火プラグで反射した反射波に基づき、点火プラグのインピーダンスの状態を検出する。点火システム100は、検出した点火プラグのインピーダンスの状態に基づき、点火プラグの劣化を判定する。
これにより、点火システム100は、例えば煤などが付着することによって発生する点火プラグの劣化を精度よく判定することができる。
図1に示すように点火システム100は、高周波出力装置1と、内燃機関制御装置(点火制御装置)2と、点火コイル3と、点火プラグ4とを備える。
内燃機関制御装置2は、点火信号を生成して点火コイル3に出力する。点火信号は、点火コイル3の通電時間や点火プラグ4による火花放電の発生時期(点火時期)等を制御するための信号である。この点火信号は、高周波出力装置1にも入力される。
また、内燃機関制御装置2は、高周波出力装置1に対し、例えば2.4GHzのマイクロ波である高周波を出力するよう制御する制御信号を出力する。制御信号は、高周波の出力レベルや照射期間等を制御する信号である。
高周波出力装置1は、内燃機関制御装置2から入力される点火信号および制御信号に基づいて高周波を点火プラグ4に出力する。例えば、高周波出力装置1は、点火信号に応じたタイミングで制御信号に基づいた高周波を生成し、点火プラグ4に出力する。
点火コイル3は、内燃機関制御装置2からの点火信号の入力を受けて、点火プラグ4に火花放電を発生させるために必要な高電圧を発生させる。点火コイル3には、例えば点火信号に応じた時間だけ電流が流れ、これにより点火コイル3に高電圧が発生する。点火コイル3で発生した高電圧は点火プラグ4に供給される。
点火コイル3からの高電圧が点火プラグ4へ印加されることによって、点火プラグ4が火花放電を発生させる。
また、点火プラグ4は、高周波出力装置1から高周波が供給されると、この高周波を燃焼室内に照射する。点火プラグ4から高周波が燃焼室内に照射されると、プラズマが発生し、燃焼室内の混合気が着火される。このように、プラズマによって点火エネルギーを増加させることで、理論空燃比よりも薄い(リーン)混合気でエンジンを駆動する場合などにおいても、混合気を安定して燃焼させることができる。
ここで、混合気を燃焼させてエンジンを駆動すると、燃焼時に発生した煤などが点火プラグ4に付着する。エンジンの駆動期間が長くなると、点火プラグ4の付着物が増え、点火プラグ4が劣化する。
点火プラグ4が劣化すると、高周波出力装置1から点火プラグ4を見たときの点火プラグ4のインピーダンスの状態が、予め設定した状態から変化してしまい、高周波が点火プラグ4から安定して正常に照射されなくなってしまう。
高周波が正常に照射されないと、プラズマが生成されず点火エネルギーを増加させることができなくなり、混合気を安定して燃焼させることができず、内燃機関が失火してしまう恐れがある。
そこで、本実施形態に係る高周波出力装置1では、火花放電を行っていない場合の点火プラグ4のインピーダンスの状態に基づき、点火プラグ4の劣化を判定することとした。
具体的には、高周波出力装置1は、例えば点火システム100のウェイクアップ時など、火花放電を行っていない場合に、点火プラグ4に高周波を出力する。高周波出力装置1は、点火プラグ4に出力された高周波の反射波に基づき、点火プラグ4のインピーダンスの状態を検出する。高周波出力装置1は、例えば反射波をIQ変換して点火プラグ4のインピーダンス値の実部と虚部とをそれぞれ検出する。
高周波出力装置1は、検出したインピーダンス値の実部と虚部とが予め設定した値から一定範囲以上変化した場合に、点火プラグ4が劣化したと判定する。
ここで、火花放電を行っていない場合に点火プラグ4の劣化を判定する。これは、火花放電を行っている場合は、当該火花放電の影響で点火プラグ4のインピーダンスの状態が安定していないためである。
そのため、高周波出力装置1は、インピーダンスの状態が安定している間、すなわち火花放電を行っていない間のインピーダンスの状態に基づいて点火プラグ4の劣化を判定する。これにより、点火プラグ4の劣化を安定して判定することができる。なお、点火プラグ4の劣化判定を行うタイミングの詳細については、図5を用いて後述する。
なお、高周波出力装置1は、点火プラグ4が劣化したと判定した場合、例えば点火プラグ4から放射する高周波の周波数を調整することで、点火プラグ4のインピーダンスの状態を調整する。これにより、点火プラグ4が劣化した場合でも高周波を安定して放射することができる。なお、点火プラグ4のインピーダンスの状態を調整する点については、図5を用いて後述する。
以上のように、高周波出力装置1は、火花放電を行っていない間に検出した点火プラグ4のインピーダンスの状態に基づいて点火プラグ4の劣化を判定することで、点火プラグ4の劣化を安定して判定することができる。
(2.点火システムの詳細)
以下、点火システム100の詳細な構成について、図2〜図5を参照して説明する。図2は、実施形態に係る点火システム100の構成を示すブロック図である。なお、図2では、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
図2に示すように点火システム100は、高周波出力装置1と、内燃機関制御装置2と、点火コイル3と、点火プラグ4とを備える。なお、高周波出力装置1および内燃機関制御装置2は、点火制御システム10として機能する。
(2−1.点火コイル)
点火コイル3は、一次コイルおよび二次コイル(図示せず)を備えており、点火信号に基づいて一次コイルに一次電流を流すとともに、一次電流を遮断することにより誘導現象によって二次コイルに高電圧を発生させる。二次コイルで発生した高電圧は点火プラグ4に供給される。
(2−2.点火プラグ)
点火プラグ4は、中心電極およびかかる中心電極と狭小ギャップを有するように配置された接地電極(図示せず)を備える。点火コイル3からの高電圧が中心電極へ印加されると、狭小ギャップの空間に火花放電が発生する。
また、点火プラグ4は、高周波出力装置1から高周波(マイクロ波)が供給されると、かかる高周波を燃焼室内に照射するアンテナとして機能する。点火プラグ4から高周波が燃焼室内に照射されると、プラズマの核となる火花放電に高周波が供給されてプラズマ領域が拡大し、燃焼室内の混合気に着火する。
これにより理論空燃比よりも薄い(リーン)混合気でエンジンを駆動する場合などにおいても、混合気を安定して燃焼させることができる。
(2−3.内燃機関制御装置)
内燃機関制御装置2は、点火信号や制御信号を生成し、火花放電やプラズマ生成を制御することで、エンジンの点火を制御する。内燃機関制御装置2はエンジンの運転状態等に応じて点火信号および制御信号を生成する。
内燃機関制御装置2は、CPU(Central Processing Unit)や記憶部(図示せず)などを備えたマイクロコンピュータであり、点火システム100全体を制御する。内燃機関制御装置2は、例えばECU(Electric Control Unit)に実装される。内燃機関制御装置2は、信号生成部21と、高周波制御部22と、起動通知部23と、エンジン制御部24と、を備える。
内燃機関制御装置2のCPUは、例えばROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、信号生成部21、高周波制御部22、起動通知部23およびエンジン制御部24として機能する。
また、信号生成部21、高周波制御部22、起動通知部23およびエンジン制御部24の少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
(2−3−1.信号生成部)
信号生成部21は、点火プラグ4による火花放電を制御する点火信号を生成し、点火コイル3に出力することで火花放電を制御する点火制御部である。点火信号は、点火コイル3の通電時間および点火時期を制御するための信号である。
信号生成部21は、後述するエンジン制御部24がエンジンを駆動させると決定した場合に、エンジンの運転状態に基づいて点火信号を生成する。例えば、信号生成部21は、エンジンの運転状態、点火コイル3の通電時間および点火時期を対応付けたマップに基づいて点火信号を生成する。
信号生成部21は、生成した点火信号を点火コイル3および高周波出力装置1に出力する。
(2−3−2.高周波制御部)
高周波制御部22は、高周波出力装置1に対し、高周波の出力レベルや照射タイミング等の設定パラメータを含んだ制御信号を出力する。設定パラメータとして、例えば高周波を照射するタイミング、期間、周期、または回数等が挙げられる。
高周波制御部22は、エンジン制御部24がエンジンを駆動させると決定した場合に、エンジンの運転状態に基づいて制御信号を生成する。例えば、高周波制御部22は、エンジンの運転状態と各設定パラメータとを対応付けたマップに基づいて制御信号を生成する。
(2−3−3.起動通知部)
起動通知部23は、イグニッションスイッチ5がオンされた場合に、高周波出力装置1や内燃機関制御装置2の各部を起動させる起動信号を出力する。これにより、高周波出力装置1や内燃機関制御装置2の各部が起動する。
(2−3−4.エンジン制御部)
エンジン制御部24は、イグニッションスイッチ5がオンされてから一定期間後、換言すると起動通知部23が起動信号を出力してから一定期間後に、エンジンを駆動させる。
エンジン制御部24は、例えば信号生成部21や高周波制御部22に点火信号や制御信号を生成するよう指示する指示信号を出力する。これにより、点火信号や制御信号が生成され、エンジンが駆動する。尚、エンジン制御部24は、エンジンの運転状態に基づいて燃料の噴射制御も行うが、本発明との関連性が低いため詳細な説明は省略する。
(2−4.高周波出力装置)
高周波出力装置1は、内燃機関制御装置2から点火信号および制御信号が入力されると高周波を生成し、点火プラグ4に出力する。高周波出力装置1は、高周波発生部11と、方向性結合器20と、制御部30と、起動制御部50と、を備える。
(2−4−1.高周波発生部)
高周波発生部11は、制御部30の制御に従って点火プラグ4に高周波を出力する。図3に示すように、高周波発生部11は、発振器111と増幅器112とを備える。なお、図3は、実施形態に係る高周波発生部11の一例を示す図である。
発振器111は、例えばPLL(Phase Lock Loop)など後述する制御部30の制御に従って高周波を発振する回路である。発振器111は、制御部30が設定する周波数の高周波を出力する。このように、発振器111は、所定の範囲の周波数の高周波を生成することができる。
増幅器112は、発振器111が生成した高周波を増幅し、方向性結合器20を介して、点火プラグ4に出力する。増幅器112は、出力制御部30aから増幅設定信号が入力されると、ON状態となって高周波を増幅する。また、かかる増幅設定信号には、増幅器112の増幅率を示す情報が含まれており、増幅器112は、増幅設定信号に基づいた増幅率で高周波を増幅し、点火プラグ4に出力する。
(2−4−2.方向性結合器)
図2に戻る。方向性結合器20は、点火プラグ4と高周波発生部11との間に設けられ、高周波発生部11から出力された高周波を点火プラグ4に入力するとともに、かかる高周波が点火プラグ4で反射した反射波を分離する。
例えばアンテナとして動作する点火プラグ4と、高周波出力装置1とのインピーダンスが整合していない場合、高周波出力装置1から点火プラグ4に入力される高周波の一部が点火プラグ4で反射する。
方向性結合器20は、高周波の一部が点火プラグ4で反射した反射波を分離して制御部30に入力する。
(2−4−3.起動制御部)
起動制御部50は、内燃機関制御装置2の起動通知部23から起動信号を受信すると、高周波出力装置1を起動させる。すなわち、起動制御部50は、イグニッションスイッチ5がオンされた場合に高周波出力装置1を起動させる。
(2−4−4.制御部)
制御部30は、内燃機関制御装置2の指示に基づき、高周波発生部11による高周波の出力を制御する。また、制御部30は、高周波出力装置1が起動してからエンジンが駆動するまでの一定の期間内に出力した高周波に基づき、点火プラグ4の劣化を判定する。
これにより、制御部30は、エンジンが駆動する以前、すなわちエンジンが停止しており点火プラグ4による火花放電を行っていない期間において、点火プラグ4の劣化を判定することができる。また、エンジンが停止している場合に劣化判定を行うことで、劣化判定の精度をより向上させることができる。これは、エンジンが駆動していると、エンジンの振動によって高周波出力装置1と点火プラグ4とを接続する接続部にずれ等が生じる場合があるためである。かかる接続部にずれ等によって、点火プラグ4で反射する反射波が変化してしまい、劣化判定の精度が低下する恐れがある。しかしながら、エンジンが停止している場合は、かかる振動による影響を受けることがないため、劣化判定の精度をより向上させることができる。
制御部30は、点火プラグ4が劣化していると判定した場合、高周波の周波数を調整することで、点火プラグ4のインピーダンスマッチングを行う。
制御部30は、エンジンが駆動開始すると、内燃機関制御装置2の指示に基づき、調整後の周波数で高周波を生成し、生成した高周波を点火プラグ4に出力する。
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)や記憶部(図示せず)などを備えたマイクロコンピュータであり、高周波出力装置1全体を制御する。制御部30は、出力制御部30aと、劣化判定部30bと、を備える。
制御部30のCPUは、例えばROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、出力制御部30aおよび劣化判定部30bとして機能する。
また、出力制御部30aおよび劣化判定部30bの少なくとも一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
(出力制御部)
出力制御部30aは、内燃機関制御装置2から起動信号が入力されると、高周波出力装置1が起動してから一定の期間内に、高周波を出力するよう高周波発生部11を制御する。この場合の高周波は、点火プラグ4の劣化を判定するために出力される。
また、出力制御部30aは、内燃機関制御装置2から点火信号および制御信号が入力されると、かかる点火信号および制御信号に基づいて高周波を出力するよう高周波発生部11を制御する。この場合の高周波は、エンジンの点火を行うために出力される。
出力制御部30aは、出力設定部31と、周波数設定部32と、増幅率設定部33と、を備える。
(出力設定部)
出力設定部31は、内燃機関制御装置2から点火信号が入力されると、点火信号が入力されてから所定時間経過後に、高周波発生部11に対して発振準備信号を出力する。これにより、高周波発生部11は、エンジン点火のための高周波出力を待機する状態となる。
また、出力設定部31は、内燃機関制御装置2から起動信号が入力され、高周波出力装置1が起動すると、高周波発生部11に対して発振準備信号を出力する。これにより、高周波発生部11は、点火プラグ4の劣化判定のための高周波出力を待機する状態となる。
(周波数設定部)
周波数設定部32は、内燃機関制御装置2の高周波制御部22から制御信号が入力されると、入力された制御信号に含まれる高周波の周波数情報に基づいて、発振器111で生成する高周波の周波数を設定する。周波数設定部32は、設定した周波数で発振するよう周波数設定信号を生成し、発振器111に出力する(図3参照)。
なお、後述する周波数調整部134によって周波数が調整されている場合、周波数設定部32は、調整後の周波数で発振するように周波数設定信号を発振器111に出力する。
また、周波数設定部32は、内燃機関制御装置2から起動信号が入力されてから一定の期間の間、点火プラグ4の劣化判定のために予め設定される周波数情報に基づいて周波数設定信号を生成し、発振器111に出力する。
(増幅率設定部)
増幅率設定部33は、制御信号に含まれる出力レベル情報に基づいて、増幅器112の増幅率を設定する増幅設定信号を生成する。増幅率設定部33は、制御信号に含まれる出力タイミング情報に基づき、増幅設定信号を増幅器112に出力する(図3参照)。これにより、高周波発生部11は、エンジンに点火するための高周波を出力する。
また、増幅率設定部33は、内燃機関制御装置2から起動信号が入力されてから一定の期間の間、点火プラグ4の劣化判定のために予め設定される出力レベル情報に基づき、増幅器112の増幅設定信号を生成する。増幅率設定部33は、生成した増幅設定信号を、点火プラグ4の劣化判定のために予め設定される出力タイミング情報に基づき、増幅器112に出力する。これにより、高周波発生部11は、点火プラグ4の劣化を判定するための高周波を出力する。
(劣化判定部)
劣化判定部30bは、内燃機関制御装置2から起動信号が入力されてからエンジンが駆動開始するまでの間に放射された高周波に基づいて点火プラグ4の劣化を判定する。劣化判定部30bは、インピーダンス検出部131と、判定部133と、周波数調整部134と、通知部135と、を備える。
(インピーダンス検出部)
インピーダンス検出部131は、方向性結合器20を介して高周波が点火プラグ4で反射した反射波を取得し、取得した反射波に基づいて点火プラグ4のインピーダンスの状態を検出する。
例えばインピーダンス検出部131は、反射波に基づいて点火プラグ4のインピーダンスを測定することでインピーダンスの状態を検出する。具体的には、例えばインピーダンス検出部131は、取得した反射波にそれぞれ位相が90度異なるI信号およびQ信号をそれぞれ乗算してIQ変換を行うことで、インピーダンスの実部と虚部とを検出する。
インピーダンス検出部131は、測定したインピーダンスを判定部133に出力する。
(判定部)
判定部133は、インピーダンス検出部131が取得したインピーダンスの状態と、予め設定した点火プラグ4のインピーダンスの状態(以下、初期設定状態と記載する)とを比較して、点火プラグ4の劣化を判定する。ここで、図4を用いて、実施例に係る初期設定状態について説明する。図4は、実施形態にかかる点火プラグ4のインピーダンスを説明する図である。
図4の点P1で示すように、アンテナ(点火プラグ4)と後段の回路(高周波出力装置1)とが例えば50Ωで整合している場合、高周波出力装置1から入力された高周波は反射することなく点火プラグ4から放射される。
しかしながら、上述したように、点火プラグ4から火花放電が行われると、点火プラグ4のインピーダンスが変化してしまう。そのため、火花放電を行っていない初期状態で点火プラグ4のインピーダンスを50Ωに整合していたとしても、実際の点火時には火花放電の影響でインピーダンスが50Ωからずれてしまい、点火プラグ4の放射効率が低下する恐れがある。
そこで、本実施形態では、例えば図4の点P2に示すように、点火プラグ4のインピーダンスの状態が火花放電を行った場合に50Ωに近づくように、50Ωとは異なる状態(初期設定状態)に予め設定しておく。
これにより、点火プラグ4で火花放電を行いつつ高周波を出力した場合に、点火プラグ4のインピーダンスを50Ωに近づけることができ、点火プラグ4の放射効率の低下を抑制することができる。
ところが、混合気を燃焼させてエンジンを駆動すると、燃焼時に発生した煤などが点火プラグ4に付着し、点火プラグ4が劣化する。点火プラグ4が劣化すると、点火プラグ4のインピーダンスの状態が、例えば図4の点P3に示すように初期設定状態から変化してしまう。
そこで、判定部133は、インピーダンス検出部131が検出したインピーダンスの状態(図4の点P3)が初期設定状態(図4の点P2)からどれくらい変化したかに基づいて点火プラグ4の劣化を判定する。
例えば、点火プラグ4のインピーダンス値が初期設定状態におけるインピーダンス値(以下、初期設定値と記載する)を含む所定範囲内であるか否かに応じて点火プラグ4に異常が発生したか否かを判定する。判定部133は、点火プラグ4のインピーダンス値(図4のP3)と初期設定値(図4の点P2)との差をレジスタンス(実部)およびリアクタンス(虚部)に分けて算出する。判定部133は、算出した差が所定閾値以下である場合、点火プラグ4は正常であると判定し、算出した差が所定閾値より大きい場合、点火プラグ4は異常(劣化)であると判定する。
(周波数調整部)
周波数調整部134は、点火プラグ4が異常であると判定部133が判定した場合に、周波数を変更して高周波を出力するよう高周波発生部11を制御する。なお、判定部133は、周波数変更後の高周波が点火プラグ4で反射した反射波に基づいて、点火プラグ4の異常の有無を判定する。
周波数調整部134は、所定の周波数範囲(例えば2.4GHz〜2.5GHzの範囲)で周波数を変更する。周波数調整部134は、所定の周波数範囲で周波数を変更しながら高周波を照射した場合に、判定部133が正常と判定した周波数を点火プラグ4と整合する周波数に決定する。
このように、周波数調整部134は、高周波の周波数を変更することで、インピーダンスを調整する。これにより、周波数調整部134は、高周波の周波数を点火プラグ4と整合する周波数に調整することができる。
周波数調整部134は、決定した周波数を周波数設定部32に出力する。周波数調整部134から周波数が入力された場合、周波数設定部32は、高周波制御部22の制御信号に含まれる周波数情報によらず、入力された周波数の高周波が出力されるよう周波数設定信号を生成する。
なお、点火プラグ4と整合する周波数が複数存在する場合、周波数調整部134は、インピーダンス値が初期設定状態に最も近い周波数を周波数設定部32に出力する。
あるいは、周波数調整部134が複数の周波数全てを周波数設定部32に出力するようにしてもよい。この場合、周波数設定部32は、例えば周波数調整部134から入力された複数の周波数のうち、高周波制御部22の制御信号に含まれる周波数情報に最も近い周波数の高周波が出力されるよう周波数設定信号を生成する。
また、周波数調整部134は、点火プラグ4と整合する周波数がない、すなわち、全ての周波数範囲において、点火プラグ4が異常であると判定部133が判定した場合、点火プラグ4が劣化したとして、通知部135に通知する。
(通知部)
通知部135は、周波数調整部134から点火プラグ4が劣化したとする通知を受け取った場合に、ユーザにその旨を通知する。例えば、通知部135は、車両のコントロールパネル(図示せず)に点火プラグ4の劣化を示すアイコンを表示するなどして、点火プラグ4の劣化をユーザに通知する。
なお、ここでは、周波数調整部134が全ての周波数範囲で周波数を変更することでインピーダンスを調整しても、点火プラグ4と整合しない場合に、点火プラグ4が劣化したと判定し、ユーザに通知しているが、これに限定されない。
例えば、判定部133が点火プラグ4の異常を判定した時点、すなわち周波数調整部134が周波数の調整を行う前に点火プラグ4が劣化したと判定し、ユーザに通知してもよい。
また、ここでは、高周波出力装置1の通知部135が点火プラグ4の劣化をユーザに通知するとしたが、これに限定されない。例えば内燃機関制御装置2がユーザに通知するようにしてもよい。この場合、通知部135は、点火プラグ4の劣化を内燃機関制御装置2に通知するものとする。
(劣化判定のタイミング)
続いて、図5を用いて、点火システム100が行う劣化判定のタイミングについて説明する。図5は、実施形態に係る点火システム100の各部の処理を説明するタイムチャートである。
図5(a)に示すように、時刻t1でイグニッションスイッチ5がオンされると、内燃機関制御装置2の起動通知部23は起動信号を出力する。これにより点火システム100の各部が起動する。
また、図5(b)に示すように、内燃機関制御装置2のエンジン制御部24は、イグニッションスイッチ5がオンされた時刻t1から一定期間T1経過後の時刻t2にエンジンを駆動させるために指示信号を生成する。これにより、点火プラグ4から火花放電や高周波の放射が行われることで混合気が着火し、エンジンが駆動する。
図5(c)に示すように、高周波出力装置1の増幅率設定部33は、一定期間T1の間に一定間隔T2で増幅設定信号を生成する。
図5(d)に示すように、高周波出力装置1の周波数設定部32は、時刻t3において、点火プラグ4の劣化を判定するために予め設定された周波数(初期周波数)を指定する周波数設定信号を生成する。これにより、初期周波数の高周波が一定間隔T2で出力される。
また、図5(e)および図5(f)に示すように、高周波出力装置1のインピーダンス検出部131は、一定間隔T2で高周波が出力されるごとに、当該高周波の反射波に基づき、点火プラグ4のインピーダンス値を検出する。なお、図5(e)がインピーダンス値の実部(レジスタンス)を示し、図5(f)がインピーダンス値の虚部(リアクタンス)を示している。
高周波出力装置1の判定部133は、図5(e)および図5(f)に示すインピーダンス値の実部および虚部の少なくとも一方が、所定範囲R内であるか否かを判定する。図5(g)に示すように、判定部133は、所定範囲R内でないと判定した場合、異常カウンタを「1」増やす。判定部133は、異常カウンタが所定閾値を超えると、点火プラグ4が異常であると判定する。なお、図5(g)では、所定閾値は「3」であり、判定部133は、時刻t4で点火プラグ4が異常であると判定する。
時刻t4で、判定部133が点火プラグ4を異常と判定すると、周波数調整部134は、図5(d)に示すように、高周波の周波数を初期周波数から例えば第1周波数に変更する。これにより、点火プラグ4から第1周波数の高周波が出力される。また、判定部133は、異常カウンタを「0」に戻す。
判定部133は、第1周波数の高周波に基づいて、時刻t3から時刻t4の期間と同様に点火プラグ4の異常を判定する。高周波出力装置1は、高周波の周波数を第1周波数から第n周波数まで所定の周波数範囲で変更しながら点火プラグ4の異常を判定することで、点火プラグ4の劣化判定を行う。
(3.劣化判定処理)
次に、図6を用いて、実施形態に係る高周波出力装置1が実行する劣化判定処理の処理手順について説明する。図6は、実施形態に係る高周波出力装置1が実行する劣化判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
高周波出力装置1は、例えば内燃機関制御装置2から起動信号を受信すると図6の劣化判定処理手順を実行する。
図6に示すように、高周波出力装置1は、まずエンジンが駆動しているか否かを判定する(ステップS101)。高周波出力装置1は、例えば内燃機関制御装置2がエンジン駆動信号を出力しているか否かに応じてエンジンが駆動しているか否かを判定する。
エンジンが駆動している場合(ステップS101;Yes)、高周波出力装置1は処理を終了する。一方、エンジンが駆動していない場合(ステップS101;No)、高周波出力装置1は、点火プラグ4の劣化判定が完了したか否かを判定する(ステップS102)。劣化判定が完了している場合(ステップS102;Yes)、高周波出力装置1は処理を終了する。
一方、劣化判定が完了していない場合(ステップS102;No)、高周波出力装置1は、火花放電が行われていない状態で高周波を出力する(ステップS103)。
次に、高周波出力装置1は、高周波の反射波に基づき、点火プラグ4のインピーダンス値を検出する(ステップS104)。高周波出力装置1は、検出したインピーダンス値が所定範囲R内であるか否かを判定する(ステップS105)。
検出したインピーダンス値が所定範囲内である場合(ステップS105;Yes)、高周波出力装置1は、点火プラグ4は正常であると判定し(ステップS106)、処理を終了する。
一方、検出したインピーダンス値が所定範囲R内にない場合(ステップS105;No)、高周波出力装置1は、点火プラグ4に異常が発生したとし、所定の周波数範囲に含まれる周波数のうち変更していない周波数があるか否かを判定する(ステップS107)。
変更していない、すなわち点火プラグ4の異常判定を行っていない周波数が存在する場合(ステップS107;Yes)、高周波出力装置1は、高周波の周波数を変更して(ステップS108)、ステップS103に戻る。
一方、全ての周波数範囲で周波数を変更した場合(ステップS107;No)、高周波出力装置1は、点火プラグ4が劣化していると判定し(ステップS109)、処理を終了する。
なお、図6では、点火プラグ4が正常であると判定した場合に高周波出力装置1が処理を終了するとしているが、これに限定されない。例えば、点火プラグ4が正常であると判定した場合も、周波数を全探索する、すなわち全ての周波数で点火プラグ4の異常の有無を判定するようにしてもよい。この場合、高周波出力装置1は、全ての周波数で点火プラグ4が異常であると判定された場合に、点火プラグ4が劣化したと判定する。
以上のように、実施形態に係る高周波出力装置1は、火花放電を行っていない間に検出した点火プラグ4のインピーダンスの状態に基づいて点火プラグ4の劣化を判定することで、点火プラグ4の劣化を安定して判定することができる。
(4.変形例)
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施形態および以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
(4−1.変形例1)
図7および図8を用いて、実施形態に係る変形例1について説明する。図7は、変形例1に係る高周波出力装置1Aの構成を示す図である。変形例に係る高周波出力装置1Aは、周波数を調整する代わりに、可変整合器40を調整してインピーダンスマッチングを行う点で、図2に示す高周波出力装置1と異なる。それ以外の構成および動作は、図2に示す高周波出力装置1と同じであるため、同一符号を付し、説明を省略する。
変形例に係る高周波出力装置1Aは、可変整合器40と、可変整合器40を調整する調整部136とを備える。可変整合器40は、例えば高周波発生部11と、方向性結合器20との間に配置される。
可変整合器40は、例えば図8に示すように、互いに直列に接続された可変インダクタ回路Lと可変コンデンサ回路Cとを備える直列可変LC回路である。なお、図8は、変形例に係る可変整合器40の一例を示す図である。
図8の例では、可変インダクタ回路Lは、インダクタンス値がそれぞれ異なるインダクタL1〜L5と、各インダクタL1〜L5と直列に接続されたスイッチS11〜S15とを備える。また、可変コンデンサ回路Cは、容量値がそれぞれ異なるコンデンサC1〜C5と、各コンデンサC1〜C5と直列に接続されたスイッチS21〜S25とを備える。
判定部133によって点火プラグ4が異常であると判定された場合、調整部136は、スイッチS11〜S15、S21〜S25の少なくとも1つのオン・オフを切り替えることで、点火プラグ4のインピーダンスマッチングを行う。
なお、ここでは、可変整合器40を直列の可変LC回路としたが、これに限定されない。可変整合器40は、例えば並列の可変LC回路であってもよく、可変LCR回路であってもよい。また、可変整合器40が例えば可変コンデンサ回路であってもよい。
このように、可変整合器40を用いることで点火プラグ4のインピーダンスマッチングを行うことができる。
(4−2.その他の変形例)
なお、上記実施形態および変形例1では、エンジンが停止している間に点火プラグ4の劣化を高周波出力装置1が判定するとしたが、これに限定されない。
火花放電が行われていない状態で放射された高周波に基づいて劣化を判定できればよく、エンジンが駆動している状態であっても火花点火が行われていない間に劣化判定を行ってもよい。
また、上記実施形態および変形例1では、エンジンが停止している間として、例えばイグニッションスイッチ5がオンになってから一定期間の間に劣化判定を行うとしたが、これに限定されない。例えばイグニッションスイッチ5がオフになってから一定時間(例えば数時間)後に、高周波出力装置1を起動させて、点火プラグ4の劣化を判定するようにしてもよい。
内燃機関制御装置2は、例えばイグニッションスイッチ5がオフになってから一定時間後に、燃料タンク(図示せず)からの燃料の蒸散を防止する燃料蒸散防止装置(エバポレータ、図示せず)からの気化燃料の漏れを検出する穴あき検査(リークチェック)を行う。かかるリークチェックを行うタイミングで、高周波出力装置1を起動させ、点火プラグ4の劣化判定を行うようにしてもよい。
例えば、内燃機関制御装置2の起動通知部23は、イグニッションスイッチ5のオフ後、ソークタイマにより計測した数時間後に、リークチェックを行う処理部(図示せず)を起動させると共に、高周波出力装置1に起動信号を出力する。高周波出力装置1の起動制御部50は、起動信号を受信すると高周波出力装置1を起動する。
このように、イグニッションスイッチ5がオフになり、車両が完全に停止している間に、点火プラグ4の劣化を判定することで、長い時間をかけて劣化判定処理を行うことができ、劣化判定の精度を向上させることができる。
また、上述した実施形態および変形例1では、点火プラグ4の反射波をIQ変換することで、インピーダンスの状態を取得したが、インピーダンスの状態を取得する方法はこれに限定されない。
例えば点火プラグ4の反射波の大きさに基づいてインピーダンスの状態を取得してもよい。この場合、判定部133は、反射波の大きさが所定範囲外である場合、点火プラグ4が異常であると判定する。また周波数調整部134は、反射波の大きさが所定範囲内になるように、周波数を調整するものとする。
このように、インピーダンス値を検出する代わりに、反射波の大きさに基づいて点火プラグ4の劣化を判定するようにしてもよい。
また、上述した実施形態および変形例1では、高周波出力装置1および内燃機関制御装置2をそれぞれ別の構成としたが、これに限定されない。例えば高周波出力装置1および内燃機関制御装置2を1つの点火制御システム10としてECUに実装してもよい。
また、上述した実施形態および変形例1では、1つの点火プラグ4の劣化判定について説明した、すなわち1気筒のエンジンにおける点火プラグ4の劣化判定について説明したが、気筒数は1つに限定されない。例えば4気筒など、エンジンが複数の気筒を有していてもよい。
また、エンジンが複数の気筒を有する場合、点火システム100が各気筒に配置される点火プラグ4ごとに複数の高周波出力装置1を備えてもよく、あるいは、1つの高周波出力装置1が複数の点火プラグ4に対してそれぞれ高周波を出力するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、高周波出力装置1の周波数調整部134が高周波の周波数を調整するとしたが、これに限定されない。例えば高周波出力装置1の周波数設定部32が判定部133の判定結果に基づいて周波数を調整してもよい。あるいは、内燃機関制御装置2の高周波制御部22が高周波の周波数を調整するようにしてもよい。
(5.効果)
上記実施形態および変形例1に係る高周波出力装置1、1Aは、出力部(高周波生成部)11と、検出部(インピーダンス検出部)131と、判定部133と、を備える。出力部11は、内燃機関(エンジン)の燃焼室内で火花放電を発生させる点火プラグ4をアンテナとして燃焼室内に高周波を照射するために、点火プラグ4に高周波を出力する。検出部131は、火花放電を行っていない場合に、点火プラグ4に出力された高周波の反射波に基づき、点火プラグ4のインピーダンスの状態を検出する。判定部133は、検出部131が検出したインピーダンスの状態が予め設定した設定状態から変化した場合に点火プラグ4が劣化したと判定する。
これにより、高周波出力装置1、1Aは、点火プラグ4が劣化しているか否かを精度よく判定することができる。
上記実施形態に係る高周波出力装置1の検出部131は、インピーダンスの状態として、点火プラグ4のインピーダンス値を検出する。
これにより、高周波出力装置1は、点火プラグ4が劣化しているか否かを精度よく判定することができる。
上記変形例1に係る高周波出力装置1Aの検出部131は、インピーダンスの状態として、反射波の大きさを検出する。
これにより、高周波出力装置1Aは、点火プラグ4が劣化しているか否かを精度よく判定することができる。
上記実施形態および変形例1に係る高周波出力装置1、1Aの検出部131は、内燃機関(エンジン)の停止中に出力された高周波の反射波に基づき、点火プラグ4のインピーダンスの状態を検出する。
これにより、高周波出力装置1、1Aは、火花放電が行われない間に点火プラグ4の劣化を判定することができ、劣化判定の精度を向上させることができる。
上記実施形態および変形例1に係る高周波出力装置1、1Aの検出部131は、イグニッションスイッチ5がオンされてから一定の間(一定期間T1)に出力された高周波の反射波に基づき、点火プラグ4のインピーダンスの状態を検出する。
これにより、高周波出力装置1、1Aは、火花放電が行われない間に点火プラグ4の劣化を判定することができ、劣化判定の精度を向上させることができる。
上記実施形態および変形例1に係る高周波出力装置1、1Aは、イグニッションスイッチ5がオフの間に高周波出力装置1、1Aを起動する起動制御部50をさらに備える。検出部131は、起動制御部50によって高周波出力装置1、1Aが起動した後に出力された高周波の反射波に基づき、点火プラグ4のインピーダンスの状態を検出する。
これにより、高周波出力装置1、1Aは、火花放電が行われない間に点火プラグ4の劣化を判定することができ、劣化判定の精度を向上させることができる。
上記実施形態および変形例1に係る高周波出力装置1、1Aは、点火プラグ4が劣化したと判定部133が判定した場合、点火プラグ4のインピーダンスを調整する調整部(周波数調整部134、調整部136)をさらに備える。
これにより、高周波出力装置1、1Aは、点火プラグ4が劣化している場合でもインピーダンスマッチングを行うことができ、高周波を安定して出力することができる。
上記実施形態に係る高周波出力装置1の調整部(周波数調整部134)は、高周波の周波数を変更することでインピーダンスを調整する。
これにより、高周波出力装置1は、点火プラグ4が劣化している場合でもインピーダンスマッチングを行うことができ、高周波を安定して出力することができる。
上記実施形態および変形例1に係る高周波出力装置1、1Aの検出部131は、調整部134、136がインピーダンスを調整した後に出力された高周波の反射波に基づき、点火プラグ4のインピーダンスの状態を検出する。判定部133は、調整部134、136がインピーダンスを調整した後に検出部131が検出したインピーダンスの状態に基づき、点火プラグ4が劣化したか否かを判定する。
これにより、高周波出力装置1、1Aは、インピーダンスマッチングを行った結果に基づいて点火プラグ4の劣化を判定することができ、インピーダンスマッチングにより正常に戻る可能性があるにもかかわらず劣化と判定してしまうことを防止できる。
上記実施形態および変形例1に係る高周波出力装置1、1Aは、点火プラグ4が劣化したと判定部133が判定した場合に、点火プラグ4の劣化をユーザに通知する通知部135をさらに備える。
これにより、高周波出力装置1、1Aは、点火プラグ4の劣化をユーザに通知することができる。
上記実施形態および変形例1に係る高周波出力装置1、1Aの通知部135は、調整部134、136がインピーダンスを調整しても、点火プラグ4が劣化したと判定部133が判定した場合に、ユーザに通知する。
これにより、高周波出力装置1、1Aは、点火プラグ4の劣化をユーザに通知することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 高周波出力装置
2 内燃機関制御装置
3 点火コイル
4 点火プラグ
10 点火制御システム
11 高周波発生部
20 方向性結合器
23 起動通知部
32 周波数設定部
33 増幅率設定部
40 可変整合器
131 インピーダンス検出部
133 判定部
134 周波数調整部
135 通知部
136 調整部

Claims (12)

  1. 内燃機関の燃焼室内で火花放電を発生させる点火プラグをアンテナとして前記燃焼室内に高周波を照射するために、前記点火プラグに前記高周波を出力する出力部と、
    前記火花放電を行っていない場合に、前記点火プラグに出力された前記高周波の反射波に基づき、前記点火プラグのインピーダンスの状態を検出する検出部と、
    前記検出部が検出した前記インピーダンスの前記状態が予め設定した設定状態から変化した場合に前記点火プラグが劣化したと判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする高周波出力装置。
  2. 前記検出部は、
    前記インピーダンスの状態として、前記点火プラグのインピーダンス値を検出すること
    を特徴とする請求項1に記載の高周波出力装置。
  3. 前記検出部は、
    前記インピーダンスの状態として、前記反射波の大きさを検出すること
    を特徴とする請求項1に記載の高周波出力装置。
  4. 前記検出部は、
    前記内燃機関の停止中に出力された前記高周波の反射波に基づき、前記点火プラグの前記インピーダンスの前記状態を検出すること
    を特徴とする請求項1、2または3に記載の高周波出力装置。
  5. 前記検出部は、
    イグニッションスイッチがオンされてから一定の間に出力された前記高周波の反射波に基づき、前記点火プラグの前記インピーダンスの前記状態を検出すること
    を特徴とする請求項1、2または3に記載の高周波出力装置。
  6. イグニッションスイッチがオフの間に前記高周波出力装置を起動する起動制御部をさらに備え、
    前記検出部は、
    前記起動制御部によって前記高周波出力装置が起動した後に出力された前記高周波の反射波に基づき、前記点火プラグの前記インピーダンスの前記状態を検出すること
    を特徴とする請求項1、2または3に記載の高周波出力装置。
  7. 前記点火プラグが劣化したと前記判定部が判定した場合、前記点火プラグの前記インピーダンスを調整する調整部をさらに備えること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高周波出力装置。
  8. 前記調整部は、
    前記高周波の周波数を変更することで前記インピーダンスを調整すること
    を特徴とする請求項7に記載の高周波出力装置。
  9. 前記検出部は、
    前記調整部が前記インピーダンスを調整した後に出力された前記高周波の前記反射波に基づき、前記点火プラグの前記インピーダンスの前記状態を検出し、
    前記判定部は、
    前記調整部が前記インピーダンスを調整した後に前記検出部が検出した前記インピーダンスの前記状態に基づき、前記点火プラグが劣化したか否かを判定すること
    を特徴とする請求項7または8に記載の高周波出力装置。
  10. 前記点火プラグが劣化したと前記判定部が判定した場合に、前記点火プラグの劣化をユーザに通知する通知部をさらに備えること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の高周波出力装置。
  11. 前記通知部は、
    調整部が前記インピーダンスを調整しても、前記点火プラグが劣化したと前記判定部が判定した場合に、前記ユーザに通知すること
    を特徴とする請求項10に記載の高周波出力装置。
  12. 内燃機関の燃焼室内で火花放電を発生させる点火プラグをアンテナとして前記燃焼室内に高周波を照射するために、前記点火プラグに前記高周波を出力する工程と、
    前記火花放電を行っていない前記点火プラグに出力された前記高周波の反射波に基づき、前記点火プラグのインピーダンスの状態を検出する工程と、
    検出した前記インピーダンスの前記状態が予め設定した設定状態から変化した場合に前記点火プラグが劣化したと判定する工程と、
    を含むことを特徴とする高周波出力方法。
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