JP2018112139A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】着火又は燃焼による機関振動の共鳴周波数をより正確に求め、内燃機関をより正確に制御する。【解決手段】ピストン32の頂面にキャビティ32cが形成されており、圧縮自着火燃焼が行われる内燃機関の制御装置は、燃焼によって生ずる機関振動を検出するための振動センサ40と、複数のクランク角のそれぞれについて、筒内空間38の温度と、クランク角に応じて定まる筒内空間の代表径とを推定するとともに、筒内空間の代表径及び温度から当該クランク角における機関振動の共鳴周波数を推定し、複数のクランク角における振動センサの検出結果から、共鳴周波数における機関振動の振幅をそれぞれ算出し、振幅に基づいて着火時期を制御する、ように構成されている電子制御ユニットと、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は内燃機関の制御装置に関する。
燃焼により生ずる機関振動を検出するノックセンサを備え、ノックセンサの検出結果から着火時期及び燃焼期間を検出し、検出された着火時期及び燃焼期間に基づいて内燃機関の燃焼状態を制御する、内燃機関の制御装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。すなわち、特許文献1では、まず、着火時期における筒内温度があらかじめ推定され、この筒内温度とボア径とから、着火時期における機関振動の共鳴周波数を含む第1の周波数範囲(5〜7kHz)があらかじめ算出される。また、燃焼中における筒内温度があらかじめ推定され、この筒内温度とボア径とから、燃焼中における機関振動の共鳴周波数を含む第2の周波数範囲(8〜9kHz)があらかじめ算出される。次いで、ノックセンサの検出結果のうち第1の周波数範囲における機関振動の振幅の積分値が算出され、この積分値から着火時期が検出される。また、ノックセンサの検出結果のうち第2の周波数範囲における機関振動の振幅の積分値が算出され、この積分値から燃焼期間が検出される。
ところで、燃焼により生ずる機関振動の共鳴周波数は、この燃焼が発生する空間(以下、筒内空間と称する。)の径方向の大きさに依存する。この点、特許文献1では上述したように、機関振動の共鳴周波数を含む周波数範囲がボア径から算出される。そうすると、特許文献1では、筒内空間がピストンの頂面、シリンダヘッドの内壁面、及び、シリンダボアの内壁面により画定される円筒状空間から形成され、筒内空間の径方向の大きさがシリンダボアの内径、すなわちボア径によって表される、と考えているようである。
特開2010−216264号公報
しかしながら、圧縮自着火燃焼が行われる内燃機関では、ピストンの頂面にキャビティ又は凹溝が形成されるのが一般的である。この場合、上述の筒内空間は上述の円筒状空間とキャビティの内部空間とから形成されることになる。ピストンが上死点からかなり離れた位置にあるときには、筒内空間の大部分は円筒状空間から形成されるので、このときの筒内空間の径方向の大きさを表す代表径はボア径であると考えることができる。ところが、ピストンが上死点に近づくにつれて、筒内空間に占めるキャビティ内部空間の割合が高くなる。したがって、ピストンが上死点に近づくにつれて筒内空間の代表径はキャビティの内径に近づく。すなわち、筒内空間の代表径はピストンの位置、すなわちクランク角に応じて変化するのである。特許文献1では筒内空間の代表径をボア径という一定値と考えているので、機関振動の共鳴周波数又は周波数範囲を正確に求めることができないおそれがある。しかも、圧縮自着火燃焼はピストンが上死点周りにあるときに生ずることを考えると、筒内空間の代表径をボア径として算出された機関振動の共鳴周波数又は周波数範囲は正確ではないおそれがある。その結果、着火時期等を正確に検出することができないおそれがあり、燃焼状態をより正確に制御できないおそれがある。
本発明によれば、ピストンの頂面にキャビティが形成されており、圧縮自着火燃焼が行われる内燃機関の制御装置において、燃焼によって生ずる機関振動を検出するための振動センサと、電子制御ユニットであって、複数のクランク角のそれぞれについて、筒内空間の温度と、クランク角に応じて定まる筒内空間の代表径とを推定するとともに、前記筒内空間の代表径及び温度から当該クランク角における前記機関振動の共鳴周波数を推定し、前記複数のクランク角における前記振動センサの検出結果から、前記共鳴周波数における前記機関振動の振幅をそれぞれ算出し、前記振幅に基づいて着火時期を制御する、ように構成されている電子制御ユニットと、を備えた、内燃機関の制御装置が提供される。
着火又は燃焼による機関振動の共鳴周波数をより正確に求めることができ、したがって内燃機関をより正確に制御することができる。
内燃機関の全体図である。 内燃機関の部分縦断面図である。 クランク角CA及びクランク角範囲RCA(CA)の一例を示す線図である。 代表径D(CA)を示す線図である。 周波数解析結果FT(CA)の一例を示す線図である。 周波数解析結果FT(CA)、対応する周波数範囲RF(CA)、及び振幅A(CA)の一例を示す線図である。 実際の周波数解析結果FT(CA)及び基準周波数解析結果FTref(CA)の一例を示す線図である。 実際の周波数解析結果FT(CA)及び基準周波数解析結果FTref(CA)の一例を示す線図である。 本発明による第1実施例の着火時期制御ルーチンを示すフローチャートである。 着火遅れtau、主燃料噴射時刻tinj及び着火時刻tignの関係を示すタイムチャートである。 本発明による第2実施例の着火時期制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による第2実施例の着火時期制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による第3実施例の着火時期制御ルーチンを示すフローチャートである。 主燃料の着火時期を表す共鳴周波数fm、パイロット燃料の着火時期を表す共鳴周波数fp、及び、共鳴周波数偏差diffの一例を示す線図である。 本発明による第4実施例の着火時期制御ルーチンを示すフローチャートである。 振幅Aと共鳴周波数比との関係の一例を示す線図である。 学習値KGの第1算出例を実行するためのルーチンを示すフローチャートである。 学習値KGの第2算出例を実行するためのルーチンを示すフローチャートである。 筒内空間での圧力分布を模式的に示す図である。
図1を参照すると、本発明による第1実施例の内燃機関1は、複数、例えば4つの気筒2aを含む機関本体2を備える。気筒2aは吸気枝管3を介してサージタンク4に連結され、サージタンク4は吸気ダクト5を介して排気過給器6のコンプレッサ6cの出口に連結される。コンプレッサ6cの入口は吸気導入管7を介してエアクリーナ8に連結される。吸気導入管7内には吸入空気量を検出するためのエアフローメータ9が配置される。吸気ダクト5には吸入空気を冷却するための冷却器10と、スロットル弁11とが順次配置される。
また、気筒2aは排気マニホルド12及び排気管13を順次介して排気過給器6のタービン6tの入口に連結される。タービン6tの出口は排気管14を介して触媒15に連結される。タービン6t上流の排気管13とタービン6t下流の排気管14とはウエストゲート弁16によって互いに連結される。また、サージタンク4と排気マニホルド12とは、排気ガス再循環(以下、EGRという。)通路17によって互いに連結される。EGR通路17内には、EGRガス量を制御するためのEGR制御弁18と、EGRガスを冷却するための冷却器19とが配置される。
図2は、本発明による第1実施例の機関本体2を詳細に示している。図2を参照すると、30はシリンダブロック、31はシリンダブロック30内に形成された円筒状のシリンダボア、32はピストン、33はシリンダヘッド、34は吸気ポート、35は吸気弁、36は排気ポート、37は排気弁をそれぞれ示す。ピストン32の頂面32tには、円形状の開口を有するキャビティ32cが形成される。本発明による第1実施例では、ピストン32の頂面32t、シリンダボア31の内壁面31i、及びシリンダヘッド33の内壁面33iによって画定される円筒状の空間と、キャビティ32cの内部空間とによって形成される空間38を筒内空間と称している。シリンダヘッド33には、筒内空間38内に位置するように配置された電子制御式の燃料噴射弁39が取り付けられる。なお、図2において、Dbはシリンダボア31の内径、すなわちボア径を表しており、Dcはキャビティ32cの内径、すなわちキャビティ径を表している。
本発明による第1実施例では、更に、燃焼による機関振動を検出するための振動センサ40が設けられる。図2に示される実施例では、振動センサ40は、筒内空間38内の圧力である筒内圧を検出するための筒内圧センサから構成される。この筒内圧センサは筒内空間38内に配置される。別の実施例(図示しない)では、振動センサ40は、シリンダブロック30又はシリンダヘッド33の外面に取り付けられたノックセンサから構成される。この場合、ノックセンサは筒内圧センサよりも安価であるので好ましい。なお、振動センサ40は少なくとも1箇所に設けられる。
再び図1を参照すると、電子制御ユニット50はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス51によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)52、RAM(ランダムアクセスメモリ)53、CPU(マイクロプロセッサ)54、入力ポート55及び出力ポート56を具備する。エアフローメータ9及び振動センサ40の出力電圧はそれぞれ対応するA/D変換器57を介して入力ポート55に入力される。更に、アクセルペダル59にはアクセルペダル59の踏み込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ60が接続され、負荷センサ60の出力電圧は対応するAD変換器57を介して入力ポート55に入力される。更に、クランク角を検出するためのクランク角センサ61が入力ポート55に接続される。CPU54ではクランク角センサ61からの出力パルスに基づいて機関回転数が算出される。一方、出力ポート56はそれぞれ対応する駆動回路58を介して、気筒2aの燃料噴射弁39、スロットル弁11のアクチュエータ、ウエストゲート弁16、及び、EGR制御弁18にそれぞれ接続される。
本発明による第1実施例では、内燃機関1において圧縮自着火燃焼、例えば拡散燃焼が行われる。この場合、圧縮上死点周りで主燃料が噴射される。また、機関運転状態に応じて、主燃料噴射よりも前の圧縮行程に少なくとも1回のパイロット燃料が噴射される場合もある。別の実施例(図示しない)では予混合圧縮自着火(PCCI,Premixed Charge Compression Ignition))燃焼が行われる。
燃焼が開始されると、すなわち着火が生じると、筒内空間38内に圧力振動が生じる。この圧力振動は機関本体2、具体的にはシリンダブロック30、シリンダヘッド33等に伝達され、機関本体2が振動する。本明細書ではこのような圧力振動や機関本体2の振動を機関振動と称している。なお、主燃料に加えてパイロット燃料が噴射される場合には、主燃料の着火とパイロット燃料の着火とが生ずる。以下では、主燃料の着火について説明する。しかしながら、以下の説明はパイロット燃料の着火にも適用できる。
機関振動には種々の周波数成分が含まれており、ある周波数成分は筒内空間38内で共鳴を生ずる。共鳴が生ずると機関振動の振幅又は強度が大きくなる。この共鳴周波数は筒内空間38の径方向の大きさ又はクランク角に応じて定まる。逆に言うと、クランク角が決まれば、このクランク角における共鳴周波数が決まる。したがって、あるクランク角における共鳴周波数(例えば、一次共鳴周波数)を推定し、当該クランク角において検出された振動の周波数成分のうち、この共鳴周波数における振幅を検出すれば、着火が生じたか否かを知ることができる。すなわち、例えば、目標着火時期よりも前のクランク角での共鳴周波数における振幅があらかじめ定められた基準値よりも大きいときには、実際の着火時期は目標着火時期よりも前であることがわかる。これに対し、当該振幅が基準値よりも小さいときには、実際の着火時期は目標着火時期よりも後であるか、又は失火もしくは失火に近い状態にあることがわかる。そこで本発明による第1実施例では、共鳴周波数における振幅を検出し、振幅に基づいて着火時期を制御するようにしている。
具体的に説明すると、本発明による第1実施例では、複数のクランク角CAが設定される。一例では、クランク角CAは初期値CA0から最大値CAmaxまで、間隔dでもって順次設定される(dは例えば小さな一定値)。クランク角CA0からクランク角CAmaxまでのクランク角範囲は、着火が生ずると予想されるクランク角範囲をカバーするように設定される。また、設定されたクランク角CAをそれぞれ含む複数のクランク角範囲RCA(CA)が設定される。一例では、クランク角範囲RCA(CA)はCA−dCAからCAまでの範囲に設定される(dCAは例えば小さな一定値)。図3には、クランク角CAがCA0からCA5まで設定され、クランク角範囲RCA(CA)がRCA(CA0)からRCA(CA5)まで設定された例が示されている。図3に示される例では、例えば、クランク角CA1はCA0+dであり、クランク角CA2はCA1+dである。また、例えば、クランク角範囲RCA(CA0)はCA0−dCAからCA0までのクランク角範囲であり、クランク角範囲RCA(CA1)はCA1−dCAからCA1までのクランク角範囲である。なお、図3に示される例では、クランク角範囲RCA(CA)は互いに重なっている(dCA>d)。別の例(図示しない)ではクランク角RCA(CA)は互いに重なることなく連続する。
その上で、複数のクランク角CAにおける機関振動の共鳴周波数f(CA)がそれぞれ推定される。あるクランク角CAにおける機関振動の共鳴周波数f(CA)は例えば次式(1)により表される。
f(CA)=α・C(CA)/D(CA) …(1)
ここで、αは共鳴の次数に応じて定まる定数(例えば、共鳴一次の場合には0.586)、C(CA)はクランク角CAにおける筒内空間38での音速、D(CA)はクランク角CAにおける筒内空間38の径方向の大きさを表す代表径、をそれぞれ表している。
クランク角CAにおける筒内空間38での音速C(CA)は例えば次式(2)により表される。
C(CA)=√(κ・R・T(CA)) …(2)
ここで、κは比熱比、Rはガス定数、T(CA)はクランク角CAにおける筒内空間38の温度、すなわち筒内温度をそれぞれ表している。
圧縮行程において断熱圧縮が行われると仮定すると、クランク角CAにおける筒内温度T(CA)は例えば次式(3)により表される。
T(CA)=Tb・(Vcyl/V(CA))^(κ−1) …(3)
ここで、Tbはサージタンク4における吸気の温度、Vcylはピストン32が下死点にあるときの筒内空間38の体積、V(CA)はクランク角CAにおける筒内空間38の体積、をそれぞれ表している。本発明による第1実施例では、筒内空間38の体積V(CA)はクランク角CAの関数としてあらかじめ求められており、マップの形でROM52内に記憶されている。
一方、クランク角CAにおける筒内空間38の代表径D(CA)は図4に示されるように、クランク角CAが上死点TDCから遠ざかるにつれてボア径Dbに近づき、クランク角CAが上死点TDCに近づくにつれてキャビティ径Dcに近づき、クランク角CAが上死点TDCのときにはキャビティ径Dcよりもわずかに大きい値となる。筒内空間38の代表径D(CA)はクランク角CAの関数としてあらかじめ求められており、図4に示されるマップの形でROM52内に記憶されている。
複数のクランク角CAにおける共鳴周波数f(CA)がそれぞれ算出されると、共鳴周波数f(CA)を含む周波数範囲Rf(CA)がそれぞれ設定される。一例では、周波数範囲Rf(CA)は、f(CA)−dfからf(CA)+dfまでの範囲に設定される(dfは例えば小さな一定値)。本発明による第1実施例では、周波数範囲Rf(CA)は5から8kHzの範囲内にある。なお、共鳴周波数f(CA)は、クランク角CAが上死点TDCから遠ざかるにつれて小さくなり、クランク角CAが上死点TDCに近づくにつれて大きくなる。
一方、上述したクランク角範囲RCA(CA)ごとに、クランク角範囲RCA(CA)において得られた振動センサ40の出力又は検出結果を用いて、例えば短時間フーリエ変換のような周波数解析が行われ、解析結果FT(CA)が得られる。すなわち、周波数と振幅又は強度との関係が算出される。図5には、周波数解析結果FT(CA)の一例が示される。図5において、FT(CA0),FT(CA1),…,FT(CA5)はそれぞれ、クランク角範囲RCA(CA0),RCA(CA1),…,RCA(CA5)における振動センサ40の出力の周波数解析結果を示している。
図5に示される例では、クランク角範囲RCA(CA0),RCA(CA1),RCA(CA2)における周波数解析結果FT(CA0),FT(CA1),FT(CA2)にはピークが表れていない。一方、クランク角範囲RCA(CA3),RCA(CA4),RCA(CA5)における周波数解析結果FT(CA3),FT(CA4),FT(CA5)にはピークがそれぞれ表れている。したがって、クランク角範囲RCA(CA3),RCA(CA4),RCA(CA5)のうち最も早いクランク角範囲RCA(CA3)内において着火が生じており、着火による振動がクランク角範囲RCA(CA4),RCA(CA5)においても残っていることがわかる。なお、周波数解析結果FT(CA3),FT(CA4),FT(CA5)のピークには相関があり、例えば図5に示される例では、これらピークを直線LPで結ぶことができる。したがって、この直線LPを用いれば、ピークが発生した時期、すなわち着火時期をより正確に求めることができる。
次いで、周波数解析結果FT(CA)のそれぞれにおいて、対応する周波数範囲Rf(CA)内の振幅を積算することにより積算値POA(CA)が算出される(パーシャルオーバーオール)。次いで、積算値POA(CA)から、共鳴周波数f(CA)における振幅Aが算出される。一例では、振幅Aは積算値POA(CA)とされる。図6には、クランク角CA又はクランク角範囲RCA(CA)における周波数解析結果FT(CA)、対応する周波数範囲RF(CA)、及び振幅A(CA)の一例が示される。
一方、クランク角範囲RCA(CA)又は周波数解析結果FT(CA)に応じて、基準振幅Aref(CA)がそれぞれ算出される。この基準振幅Aref(CA)は、例えば、着火が目標着火時期に生じたと仮定したときに、クランク角範囲RCA(CA)の周波数解析FT(CA)の共鳴周波数f(CA)において生ずる振幅である。すなわち、例えば、目標着火時期がクランク角範囲RCA(CA3)内にあるときには、それよりも前のクランク角範囲RCA(CA0),RCA(CA1),RCA(CA2)では着火が生じていない。したがって、クランク角範囲RCA(CA0)の周波数解析結果FT(CA0)における、共鳴周波数f(CA0)での振幅は比較的小さくなる。周波数解析結果FT(CA1),FT(CA2)における共鳴周波数f(CA1),f(CA2)での振幅も同様である。このため、基準振幅Aref(CA0),Aref(CA1),Aref(CA2)は比較的小さく設定される。これに対し、クランク角範囲RCA(CA3)の周波数解析結果FT(CA3)における、共鳴周波数f(CA3)での振幅は比較的大きくなる。FT(CA4),FT(CA5)における共鳴周波数f(CA4),f(CA5)での振幅も同様である。このため、基準振幅Aref(CA3),Aref(CA4),Aref(CA5)は比較的大きく設定される。基準振幅Aref(CA)は例えば、クランク角CAと、機関運転状態(例えば、機関負荷及び機関回転数)との関数としてあらかじめ求められており、マップの形でROM52内に記憶されている。
次いで、例えば、最も小さいクランク角CAから順に、振幅A(CA)が対応する基準振幅Aref(CA)と比較される。振幅A(CA)が基準振幅Aref(CA)に等しいときには、次に大きいクランクCAに対応する振幅A(CA)が対応する基準振幅Aref(CA)と比較される。振幅A(CA)が基準振幅Aref(CA)に等しい限り、クランク角CAが最大値CAmaxまで順次増大され、このような比較が繰り返される。すなわち、まず、初期値CA0に対応する振幅A(CA0)が対応する基準振幅Aref(CA0)と比較される。振幅A(CA0)が基準振幅Aref(CA0)に等しいときには、次に大きいクランク角CA1に対応する振幅A(CA1)が対応する基準振幅Aref(CA1)と比較される。振幅A(CA1)が基準振幅Aref(CA1)に等しいときには、次に大きいクランク角CA2に対応する振幅A(CA2)が対応する基準振幅Aref(CA2)と比較される。このような比較が最大値CAmaxまで行われる。
これらの比較を行っていく途中で、図7に示されるように、振幅A(CA)が基準振幅Aref(CA)よりも大きくなっているときには、実際の着火時期が目標着火時期よりも早いと判断される。なお、図7において、実線は実際の周波数解析結果FT(CA)を示しており、破線は着火が目標着火時期に生じたと仮定したときの周波数解析結果である基準周波数解析結果FTref(CA)を示している。すなわち、目標着火時期よりも前のクランク角CA又はクランク角範囲RCA(CA)では、対応する共鳴周波数f(CA)での振幅は比較的小さいはずである。にもかかわらず、振幅A(CA)が基準振幅Aref(CA)よりも大きいということは、当該クランク角CAにおいてすでに着火が生じており、実際の着火時期が目標着火時期よりも早い、ということを意味している。この場合には、例えば、パイロット燃料量の減少、主燃料の噴射時期の遅角、吸気中の酸素濃度の減少のうちの少なくとも1つが行われ、それにより実際の着火時期が目標着火時期になるように着火時期が制御される。なお、吸気中の酸素濃度の調節は例えば、過給圧力、EGRガス量、スロットル開度の少なくとも1つを調節することにより行われる。
これに対し、図8に示されるように、振幅A(CA)が基準振幅Aref(CA)よりも小さくなっているときには、実際の着火時期が目標着火時期よりも遅いか又は失火もしくは失火に近い状態にあると判断される。なお、図8において、実線は実際の周波数解析結果FT(CA)を示しており、破線は着火が目標着火時期に生じたと仮定したときの周波数解析結果である基準周波数解析結果FTref(CA)を示している。すなわち、目標着火時期又はそれ以降のクランク角CA又はクランク角範囲RCA(CA)では、対応する共鳴周波数f(CA)での振幅は比較的大きいはずである。にもかかわらず、振幅A(CA)が基準振幅Aref(CA)よりも小さいということは、当該クランク角CAにおいて着火が生じておらず、実際の着火時期が目標着火時期よりも遅い又は失火もしくは失火に近い状態にある、ということを意味している。この場合には、例えば、パイロット燃料量の増大、主燃料の噴射時期の進角、吸気中の酸素濃度の増大のうちの少なくとも1つが行われ、それにより実際の着火時期が目標着火時期になるように着火時期が制御される。
一方、クランク角最大値CAmaxに対応する振幅A(CAmax)と対応する基準振幅Aref(CAmax)との比較まで進み、振幅A(CAmax)が基準振幅Aref(CAmax)に等しいときには、実際の着火時期が目標着火時期に一致していると判断される。この場合には、現在の制御が維持され、それにより実際の着火時期が目標着火時期に維持されるように着火時期が制御される。
なお、上述の説明では、複数のクランク角CA又はクランク角範囲RCA(CA)についての共鳴周波数f(CA)、周波数解析、振幅A(CA)、基準振幅Aref(CA)等の算出がまとめて行われる。しかしながら、実際の計算では、これらの算出は、振幅A(CA)と基準振幅Aref(CA)との比較に必要な限りで行われる。
図9は上述した本発明による第1実施例の着火時期制御を実行するためのルーチンを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。図9を参照すると、ステップ100では、クランク角CAが初期値CA0に設定される。続くステップ101では、クランク角CAにおける筒内空間38の体積V(CA)が算出される。続くステップ102では、クランク角CAにおける筒内温度T(CA)が算出される。続くステップ103では、クランク角CAにおける音速C(CA)が算出される。続くステップ104では、クランク角CAにおける筒内空間38の代表径D(CA)が算出される。続くステップ105では、クランク角CAにおける基準共鳴周波数f(CA)が算出される。続くステップ106では、周波数範囲Rf(CA)における周波数解析が実行される。続くステップ107では、積算値POA(CA)が算出される。続くステップ108では、振幅A(CA)が算出される。続くステップ109では、基準振幅Aref(CA)が算出される。続くステップ110では、振幅A(CA)と基準振幅Aref(CA)とが比較される。A(CA)=Aref(CA)のときには次いでステップ111に進み、クランク角CAが最大値CAmaxになったか否かが判別される。CA<CAmaxのときには次いでステップ112に進み、クランク角CAが一定値dだけ増大される。次いでステップ101に戻る。
ステップ110においてA(CA)>Aref(CA)又はA(CA)<Aref(CA)のときには、次いでステップ113に進み、着火時期が制御される。具体的には、例えば、パイロット燃料量、主燃料の噴射時期、吸気中の酸素濃度のうちの少なくとも1つが調節される。一方、ステップ111においてCA=CAmaxのときには処理サイクルを終了する。この場合は現在の制御が維持される。
次に、本発明による第2実施例を説明する。以下では、本発明による第1実施例との相違点を説明する。これまでの説明からわかるように、着火が生じる前のクランク角CA又はクランク角範囲RCA(CA)における周波数解析結果FT(CA)にはピークが生じないけれども、着火が生じたクランク角CA又はクランク角範囲RCA(CA)以降における周波数解析結果FT(CA)にはピークが生じる。したがって、クランク角CAの小さい方から見て、初めて周波数解析結果FT(CA)にピークが生じたクランク角CAが着火時期であるということになる。
本発明による第2実施例では、それぞれ対応する共鳴周波数f(CA)における振幅A(CA)があらかじめ定められたしきい値A0(CA)よりも大きいときにピークが生じていると判断される。このしきい値A0(CA)は例えば、クランク角CAと、機関運転状態(例えば、機関負荷及び機関回転数)との関数としてあらかじめ求められており、マップの形でROM52内に記憶されている。したがって、クランク角CAの小さい方から、振幅A(CA)が対応するしきい値A0(CA)よりも大きいか否かを順次判断し、初めてA(CA)>A0(CA)となったクランク角CAが着火時期であるということになる。
着火時期であるクランク角CAが算出されると、このクランク角CAから着火時刻tignが算出される。次いで、主燃料が噴射されてから主燃料が着火するまでに要した時間、すなわち着火遅れtauが、主燃料噴射時刻tinj及び着火時刻tignから算出される(tau=tinj−tign)。図10には着火遅れtau、主燃料噴射時刻tinj及び着火時刻tignの関係が示される。
次いで、基準着火遅れtaurefが算出される。基準着火遅れtaurefは、パイロット燃料が3回噴射される場合には、例えば次式(4)により表される。
tauref=a・Pc^b・COXc^c・Pinj^d・Qpi1^e・Qpi2^f・Qpi3^g・exp(h/T) …(4)
ここで、Pcは主燃料が噴射された時期での筒内空間38における圧力、COXは筒内空間38における酸素濃度、Pinjは燃料噴射圧、Qpi1,Qpi2,Qpi3はそれぞれ1回目,2回目,3回目のパイロット燃料量、Tは主燃料が噴射された時期での筒内温度、a,b,c,d,e,f,g,hは偏回帰係数、をそれぞれ表している。
次いで、基準着火遅れtaurefに対する、実際の着火遅れtauの偏差、すなわち着火遅れ偏差diftauが算出される(diftau=tau−tauref)。次いで、着火遅れ偏差diftauに応じて着火時期が制御される。一例では、着火遅れ偏差diftauがゼロでないときには、パイロット燃料量が正規の量から逸脱していると考えられるので、着火遅れ偏差dtaがゼロになるように、パイロット燃料量が調節される。
なお、いずれのクランク角CAにおける周波数解析結果FT(CA)にもピークが発生していないと判断されたときには、失火している。この場合には、着火が生じるように、例えばパイロット燃料量が調節される。
図11及び図12は上述した本発明による第2実施例の着火時期制御を実行するためのルーチンを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。図11及び図12を参照すると、ステップ200では、クランク角CAが初期値CA0に設定される。続くステップ201では、クランク角CAにおける筒内空間38の体積V(CA)が算出される。続くステップ202では、クランク角CAにおける筒内温度T(CA)が算出される。続くステップ203では、クランク角CAにおける音速C(CA)が算出される。続くステップ204では、クランク角CAにおける筒内空間38の代表径D(CA)が算出される。続くステップ205では、クランク角CAにおける基準共鳴周波数f(CA)が算出される。続くステップ206では、周波数範囲Rf(CA)における周波数解析が実行される。続くステップ207では、積算値POA(CA)が算出される。続くステップ208では、振幅A(CA)が算出される。続くステップ209では、しきい値A0(CA)が算出される。続くステップ210では、振幅A(CA)がしきい値A(CA)よりも大きいか否かが判別される。A(CA)≦A0(CA)のときには次いでステップ211に進み、クランク角CAが最大値CAmaxになったか否かが判別される。CA<CAmaxのときには次いでステップ212に進み、クランク角CAが一定値dだけ増大される。次いでステップ201に戻る。
ステップ210においてA(CA)>A0(CA)のときには、次いでステップ213に進み、着火時刻tignが算出される。続くステップ214では着火遅れtauが算出される。続くステップ215では基準着火遅れtaurefが算出される。続くステップ216では着火遅れ偏差diftauが算出される。続くステップ217では着火遅れ偏差diftauに基づいて着火時期が制御される。一例では、パイロット燃料量が調節される。一方、ステップ211においてCA=CAmaxのときにはステップ218に進み、失火判定が行われる。次いでステップ217に進み、着火が生じるように、例えばパイロット燃料量が調節される。
次に、本発明による第3実施例を説明する。以下では、本発明による第2実施例との相違点を説明する。本発明による第2実施例では、クランク角CAの小さい方から、周波数解析結果FT(CA)にピークが生じたか否かが順次判断され、周波数解析結果FT(CA)に初めてピークが生じたクランク角CAが着火時期とされる。ここで、上述の説明からわかるように、共鳴周波数f(CA)はクランク角CAが上死点に近づくにつれて大きくなる。したがって、周波数解析結果FT(CA)に初めて生じたピークを与える共鳴周波数f(CA)は、着火時期を表している。このように着火時期を表す共鳴周波数は周波数解析FT(CA)から算出することができる。
本発明による第3実施例では、着火時期を表す共鳴周波数fが算出される。次いで、着火時期における筒内温度Tが算出される。次いで、筒内温度Tと上述の式(2)とから、着火時期における音速Cが算出される。次いで、音速Cと上述の式(1)とから、着火時期における代表径Dが算出される。次いで、代表径Dと図4のマップとから、着火時期を表すクランク角CAignが算出される。次いで、目標着火時期を表すクランク角CAtgtに対する、着火時期を表すクランク角CAignのクランク角偏差difCAが算出される(difCA=CAign−CAtgt)。次いで、クランク角偏差difCAに基づいて着火時期が制御される。この場合、例えば、クランク角偏差difCAがゼロになるように、着火時期が制御される。なお、目標着火時期を表すクランク角CAtgtは例えば機関運転状態の関数としてあらかじめ求められており、マップの形でROM52内に記憶されている。このように代表径Dから着火時期を求めることにより、着火時期制御をより正確にかつより簡単に行うことができる。
図13は上述した本発明による第3実施例の着火時期制御を実行するためのルーチンを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。図13を参照すると、ステップ300では、着火時期を表す共鳴周波数fが算出される。続くステップ301では筒内温度Tが算出される。続くステップ302では音速Cが算出される。続くステップ303では、代表径Dが算出される。続くステップ304では、着火時期を表すクランク角CAignが算出される。続くステップ305では目標着火時期を表すクランク角CAtgtが算出される。続くステップ306ではクランク角偏差difCAが算出される。続くステップ307では、クランク角偏差difCAに基づいて着火時期が制御される。具体的には、例えば、パイロット燃料量、主燃料の噴射時期、吸気中の酸素濃度のうちの少なくとも1つが調節される。
次に、本発明による第4実施例を説明する。以下では、本発明による第2実施例との相違点を説明する。本発明による第3実施例において説明したように、着火時期を表す共鳴周波数は周波数解析FT(CA)から算出することができる。
本発明による第4実施例では、主燃料の着火時期を表す共鳴周波数fmと、パイロット燃料の着火時期を表す共鳴周波数fpとが算出される。次いで、共鳴周波数偏差diff(=|fm−fp|)が算出される。図14には、主燃料の着火時期を表す共鳴周波数fm、パイロット燃料の着火時期を表す共鳴周波数fp、及び、共鳴周波数偏差diffの一例が示される。
次いで、共鳴周波数偏差diffがあらかじめ定められた設定値diff0よりも小さいか否かが判別される。diff<diff0のときには、例えば、パイロット燃料と主燃料とがほぼ同時に着火しているおそれがある。あるいは、パイロット燃料が圧縮上死点近傍で着火し、主燃料が遅角側で着火しているおそれがある。
前者の場合、例えば、パイロット燃料量が増大され、それによりパイロット燃料の着火時期が進角される。後者の場合、例えば、主燃料の着火時期が更に遅角される。いずれにしても共鳴周波数偏差diffが大きくされる。一方、diff≧diff0のときには現在の制御が維持される。
図15は上述した本発明による第4実施例の着火時期制御を実行するためのルーチンを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。図15を参照すると、ステップ400では、主燃料の着火時期を表す共鳴周波数fmが算出される。続くステップ401ではパイロット燃料の着火時期を表す共鳴周波数fpが算出される。続くステップ402では共鳴周波数偏差diffが算出される。続くステップ403では、共鳴周波数偏差diffが設定値diff0よりも小さいか否かが判別される。diff<diff0のときにはついでステップ404に進み、着火時期が制御される。これに対し、diff≧diff0のときには処理サイクルを終了する。この場合は、現在の制御が維持される。
ところで、本発明による各実施例では、周波数解析結果FT(CA)を得るための振動センサ40の出力として、振動センサ40の実際の出力を補正したものが用いられる。その結果、振動センサ40を用いて機関振動をより正確に検出することができる。この場合、振動センサ40の出力OPTは例えば次式(5)によって表される。
OPT=OPTa+KG …(5)
ここで、OPTaは振動センサ40の実際の出力を、KGは学習値(補正係数)を、それぞれ表している。
学習値KGは種々の方法により算出することができる。まず、学習値KGの第1算出例を説明する。パイロット燃料が噴射される場合、主燃料の燃焼による機関振動と、パイロット燃料の燃焼による機械振動との一次共鳴による振幅Aは、主燃料の着火時期を表す一次共鳴周波数fmとパイロット燃料の着火時期を表す一次共鳴周波数fpとの比である共鳴周波数比(例えば、fm/fp)によって表される。図16は、共鳴周波数比と振幅Aとの関係の一例を示している。図6に示されるように、振幅Aは、共鳴周波数比が1のときに最大となり、共鳴周波数比が1から小さくなるにつれて又は大きくなるにつれて小さくなる。
したがって、共鳴周波数比を変更することにより、振幅Aを変更することができる。この場合、騒音を変化させることなく、振幅Aを増大させることができる。共鳴周波数比は例えば、主燃料の着火時期及びパイロット燃料の着火時期の一方又は両方を調節することにより変更することができる。
学習値KGの第1算出例では、共鳴周波数比が一時的に変化され、振幅が一時的に増大される。この状態において、学習値KGを用いることなく振動センサ40の出力を用いて、振幅Aが算出される。また、この状態における振幅の予測値Aprdが式(6)を用いて算出される。次いで、算出された振幅Aと、振幅予測値Aprdとに基づいて学習値KGが算出される。なお、算出された振幅Aと、振幅予測値Aprdと、学習値KGとの関係はあらかじめ求められており、マップの形でROM52内に記憶されている。
このように学習値KGの第1算出例では、振幅が増大された振動を振動センサ40が検出し、この検出結果に基づいて学習値KGが算出されるので、学習値KGの精度をより高めることができる。
図17は学習値KGの第1算出例を実行するためのルーチンを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。図17を参照すると、ステップ500では学習値KGの算出条件が成立しているか否かが判別される。第1算出例では、例えば、機関運転状態が定常状態にあり、かつ、振動センサ40の暖機が完了しているときに、条件成立と判断され、それ以外は条件不成立と判断される。条件不成立と判断されたときには処理サイクルを終了する。条件成立と判断されたときには次いでステップ501に進み、振幅が一時的に増大される。続くステップ502では、振動センサ40の出力を用いて振幅Aが算出される。続くステップ503では振幅予測値Aprdが算出される。続くステップ504では振幅A及び振幅予測値Aprdに基づいて学習値KGが算出される。
次に、学習値KGの第2算出例を説明する。学習値KGの第2算出例では、フューエルカット時(機関減速運転時における燃料噴射停止時)に学習値KGを用いることなく振動センサ40の出力を用いて、振幅Aが算出される。また、この状態における振幅の予測値Aprdが算出される。この場合の振幅予測値Aprdは例えば機関回転数の関数としてあらかじめ求められており、マップの形でROM52内に記憶されている。次いで、算出された振幅Aと、振幅予測値Aprdとに基づいて学習値KGが算出される。なお、算出された振幅Aと、振幅予測値Aprdと、学習値KGとの関係はあらかじめ求められており、マップの形でROM52内に記憶されている。
図18は学習値KGの第2算出例を実行するためのルーチンを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。図18を参照すると、ステップ550では学習値KGの算出条件が成立しているか否かが判別される。第2算出例では、例えば、フューエルカット状態にあり、かつ、振動センサ40の暖機が完了しているときに、条件成立と判断され、それ以外は条件不成立と判断される。条件不成立と判断されたときには処理サイクルを終了する。条件成立と判断されたときには次いでステップ551に進み、振動センサ40の出力を用いて振幅Aが算出される。続くステップ552では振幅予測値Aprdが算出される。続くステップ553では振幅A及び振幅予測値Aprdに基づいて学習値KGが算出される。
このように学習値KGの第2算出例では、燃焼が行われていないときの振動を振動センサ40が検出し、この検出結果に基づいて学習値KGが算出されるので、学習値KGの精度をより高めることができる。
図19(A),19(B),19(C)はそれぞれ、シリンダ軸線に垂直な断面内における、筒内空間38での圧力分布を模式的に示している。具体的には、図19(A)は筒内共鳴一次振動モードを、図19(B)は筒内共鳴二次振動モードを、図19(C)は筒内共鳴三次振動モードを、それぞれ示している。図19(A),19(B),19(C)において、「+」は平均圧力よりも圧力が高い領域を、「−」は平均圧力よりも圧力が低い領域を、それぞれ表している。燃焼期間中は、圧力分布はランダムに発生する。燃焼が終了した後は、筒内空間38内に形成されるシリンダ軸線周りのガス流れ、すなわちスワール流によって圧力分布はシリンダ軸線回りに回転する。筒内共鳴一次振動モードでは、筒内空間38をほぼ二分する圧力分布が発生するので、筒内空間38内の圧力を検出する場合には、検出が容易である。機関本体2の振動を検出する場合でも、振動伝達系が簡易となるので、検出が容易である。
1 内燃機関
2 機関本体
30 シリンダブロック
31 シリンダボア
32 ピストン
32c キャビティ
33 シリンダヘッド
38 筒内空間
40 振動センサ
50 電子制御ユニット

Claims (1)

  1. ピストンの頂面にキャビティが形成されており、圧縮自着火燃焼が行われる内燃機関の制御装置において、
    燃焼によって生ずる機関振動を検出するための振動センサと、
    電子制御ユニットであって、
    複数のクランク角のそれぞれについて、筒内空間の温度と、クランク角に応じて定まる筒内空間の代表径とを推定するとともに、前記筒内空間の代表径及び温度から当該クランク角における前記機関振動の共鳴周波数を推定し、
    前記複数のクランク角における前記振動センサの検出結果から、前記共鳴周波数における前記機関振動の振幅をそれぞれ算出し、
    前記振幅に基づいて着火時期を制御する、
    ように構成されている電子制御ユニットと、
    を備えた、内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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