JP2018110611A - 超音波トランスデューサおよび超音波撮像装置 - Google Patents

超音波トランスデューサおよび超音波撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】メンブレンの高周波振動と低電圧駆動を両立させた容量検出型超音波トランスデューサ(CMUT)を実現する。
【解決手段】CMUTは、基板10上に形成された下部電極12と、下部電極12上に形成された2層の絶縁膜13、15との間に形成されたキャビティ20と、絶縁膜15上に形成され、平面視においてキャビティ20と重なるように配置された上部電極16とを有し、上部電極16は、第1の膜厚を有する外縁部および中央部と、外縁部と前記中央部との間に位置し、第1の膜厚よりも薄い第2の膜厚を有する溝部23とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、超音波トランスデューサおよびそれを用いた超音波撮像装置に関する。
超音波トランスデューサ素子は、超音波撮像装置に組み込まれ、超音波を送受信することにより、例えば人体内の腫瘍の診断や、建造物に発生した亀裂の検査などといった様々な用途に用いられている。
従来、超音波撮像装置の超音波トランスデューサ素子としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などに代表される圧電セラミックスが用いられてきたが、近年、圧電セラミックスよりも広い帯域特性を有する容量検出型超音波トランスデューサ(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer;以下、CMUTと略称する)が注目され、研究開発が進められている。
上記CMUTの基本的な構造は、下部電極とその上部に配置した上部電極との間の絶縁層にキャビティ(空洞)を設け、キャビティの上部の絶縁層と上部電極とをメンブレン(ダイヤフラムとも言う)として機能させるものである。超音波を発信する際は、上部電極と下部電極との間に直流電圧と交流電圧とを重畳して印加し、その際に両電極間に生じる静電気力によってメンブレンを交流電圧の周波数で振動させる。一方、受信の際は、メンブレンの表面に到達した超音波の圧力によってメンブレンを振動させ、その際に生じる両電極間の距離の変化を容量変化として電気的に検出する。
この種のCMUTの一例として、特許文献1には、キャビティの半径の70%より外側のメンブレンに、その中心をメンブレンの中心と同じにする同心円の凸型コルゲート領域を設け、メンブレン外周部の実質的な剛性を外周部以外の領域の剛性よりも小さくする技術が開示されている。
特許文献1のCMUTによれば、上部電極と下部電極との間に電圧を印加した場合、メンブレンの外周部以外の比較的広い領域が基板側に平行度を維持した状態で引きつけられるので、送信感度および受信感度の優れたCMUTを得ることができる。
特開2007−074628号公報
上述したCMUTが組み込まれた超音波撮像装置は、カテーテルの先端に内蔵されたCMUTを被検体(患者)の体内に挿入して超音波を送受信するため、高周波帯域で高感度であることと併せて、安全性の面から低電圧駆動が要求される。
CMUTの高周波帯域での感度を高めるためには、メンブレンを高い周波数で振動させる必要があるが、メンブレンの振動周波数を高めようとすると、メンブレンの駆動電圧を高くする必要がある。
しかしながら、メンブレンの共振周波数(f)は、メンブレンのバネ定数(k)の平方根に比例するので、メンブレンの振動周波数を高めるためにはメンブレンのバネ定数(k)を大きくする必要があるが、一方でメンブレンのバネ定数(k)と駆動電圧との間には比例関係があるので、メンブレンのバネ定数(k)を大きくしようとすると、駆動電圧も大きくなってしまう。
このように、従来のCMUTは、メンブレンの高周波振動と低電圧駆動を両立させることが困難であるが、前述の特許文献1に記載されたCMUTは、メンブレンの高周波振動と低電圧駆動を両立させることについては配慮されていない。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
代表的な実施の形態によるCMUTは、基板上に第1絶縁膜を介して形成された下部電極と、下部電極上に形成された第2絶縁膜および前記第2絶縁膜上に形成された第3絶縁膜と、前記第2絶縁膜と前記第3絶縁膜との間に形成されたキャビティと、前記第3絶縁膜上に形成され、平面視において前記キャビティと重なるように配置された上部電極と、を有し、前記上部電極は、第1の膜厚を有する外縁部および中央部と、前記外縁部と前記中央部との間に位置し、前記第1の膜厚よりも薄い第2の膜厚を有する溝部とを備えている。
代表的な実施の形態によれば、メンブレンの高周波振動と低電圧駆動を両立させたCMUTを実現することができる。
実施の形態1に係るCMUTの要部平面図である。 (a)は、図1のA−A線断面図、(b)は、図1のB−B線断面図である。 実施の形態1に係るCMUTの全体構成を示す平面図である。 実施の形態1に係るCMUTの上部電極の斜視図である。 (a)、(b)は、実施の形態1に係るCMUTの製造方法の一例を示す要部断面図である。 (a)、(b)は、図5に続くCMUTの製造方法を示す要部断面図である。 (a)、(b)は、図6に続くCMUTの製造方法を示す要部断面図である。 (a)、(b)は、図7に続くCMUTの製造方法を示す要部断面図である。 製造工程中の上部電極の平面図である。 (a)、(b)は、図8に続くCMUTの製造方法を示す要部断面図である。 製造工程中の上部電極の平面図である。 (a)、(b)は、図10に続くCMUTの製造方法を示す要部断面図である。 (a)、(b)は、図12に続くCMUTの製造方法を示す要部断面図である。 (a)、(b)は、図13に続くCMUTの製造方法を示す要部断面図である。 (a)〜(h)は、実施の形態1に係るCMUTの上部電極の別例を示す平面図である。 上部電極に占める溝部の面積比率とメンブレンの共振周波数および駆動電圧との相関関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 上部電極の中心部から外縁部までの距離とメンブレンの共振周波数および駆動電圧との相関関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 (a)〜(d)は、実施の形態1に係るCMUTの上部電極の別例を示す平面図である。 実施の形態1のCMUTを備えた超音波撮像装置の外観を示す斜視図である。 図19に示す超音波撮像装置の機能を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。さらに、実施の形態を説明する図面においては、構成を分かり易くするために、平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係るCMUTの単位セルを示す要部平面図、図2(a)は、図1のA−A線断面図、図2(b)は、図1のB−B線断面図である。なお、図1は、主として上下の電極とそれらの間に形成されたキャビティの平面レイアウトを示し、絶縁膜の図示は省略されている。
CMUTのセルは、単結晶シリコンなどからなる基板10上に形成された絶縁膜11、絶縁膜11上に形成された下部電極12、下部電極12上に形成された2層の絶縁膜13、15、絶縁膜13と絶縁膜15との間に形成されたキャビティ(空洞)20、絶縁膜15の上部に形成された上部電極16、および上部電極16の上部に形成された2層の絶縁膜17、19を備えている。また、最上層の絶縁膜19の上部には、必要に応じてポリイミド樹脂などからなる異物付着防止用の保護膜(図示せず)が設けられる。
ここで、絶縁膜15、上部電極16および絶縁膜17、19のうち、平面視においてキャビティ20と重なっている領域は、超音波の送受信時に振動するメンブレンMとして機能し、メンブレンMとして機能する領域を囲む領域は、メンブレンMを支持する固定部として機能している。
上記キャビティ20を囲む領域の一部には、絶縁膜19、17をエッチングして上部電極16の一部を露出させた外部接続用のパッド21と、絶縁膜19、17、15、13をエッチングして下部電極12の一部を露出させた外部接続用のパッド22とが形成されている。CMUTには、これらのパッド21、22を通じて外部の電源から直流電圧および交流電圧が印加される。なお、図中の符号18は、基板10上にキャビティ20を形成する工程(後述)で絶縁膜15、17に形成された開口を示している。
図3に示すように、実際のCMUTは、上記のような単位セルが基板10上に多数配置された構成になっている。
本実施の形態のCMUTは、上部電極16の形状に特徴がある。すなわち、図2(b)に示すように、CMUTの上部電極16は、平面視においてキャビティ20と重なる領域(言い換えると、メンブレンMとして機能する領域)の外縁部と中央部とが相対的に厚い第1の膜厚を有し、この外縁部と中央部との間の領域に第1の膜厚よりも薄い第2の膜厚を有する溝部23が設けられている。
また、図4(上部電極16の斜視図)に示すように、第2の膜厚を有する溝部23は、一端が上部電極16の外縁部と連結され、上部電極16の中央部で互いに交叉する複数の支持部24によって支持されている。これらの支持部24は、上部電極16の外縁部と同じ第1の膜厚を有する。
図4は、上部電極16の中央部で3本の支持部24が互いに交叉する例を示しているが、支持部24の数は3本に限定されない。但し、メンブレンMの振動の均一性を確保する観点から、隣り合う支持部24同士は、互いに等しい間隔で配置されていることが好ましい。すなわち、溝部23は、支持部24によって均等に支持されていることが好ましい。言い換えると、複数の支持部24によって分離された複数の溝部23は、平面視において互いに等しい面積を有していることが好ましい。
次に、図5〜図14を用いて本実施の形態のCMUTの製造方法の一例を説明する。図5〜図8、図10および図12〜図14の各図において、(a)は、図1(a)のA−A線に対応する断面図、(b)は、図1のB−B線に対応する断面図である。また、図9および図11は、それぞれ製造工程中の上部電極の平面図である。
まず、図5に示すように、基板10上に絶縁膜11を形成した後、絶縁膜11上に下部電極12を形成する。絶縁膜11は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposiotion)法または熱酸化法で堆積した膜厚500nm程度の酸化シリコン膜からなる。また、下部電極12は、例えばスパッタリング法で堆積した膜厚100nm程度のアルミニウム合金膜からなる。
次に、図6に示すように、下部電極12の上部に絶縁膜13を形成した後、絶縁膜13上に犠牲層(ダミー層)14を形成する。絶縁膜13は、例えばプラズマCVD法で堆積した膜厚200nm程度の酸化シリコン膜からなる。犠牲層14は、例えば絶縁膜13上にCVD法で多結晶シリコン膜を堆積した後、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いて多結晶シリコン膜をパターニングし、後の工程でキャビティ20が形成される領域に多結晶シリコン膜を残すことによって形成する。
次に、図7に示すように、絶縁膜15を絶縁膜13および犠牲層14の上部に形成した後、絶縁膜15の上部に2層の金属膜16a、16bを形成する。下層の金属膜16aは、例えばスパッタリング法で堆積した膜厚50nm程度のW(タングステン)膜からなり、上層の金属膜16bは、例えばスパッタリング法で堆積した膜厚50nm程度のTiN(窒化チタン)膜からなる。金属膜16a、16bは、エッチングレートが互いに異なる2種以上の金属膜で構成すればよく、W膜とTiN膜の組み合わせに限定されない。
次に、図8および図9に示すように、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いて2層の金属膜16b、16aを順次パターニングし、後の工程で上部電極16が形成される領域に2層の金属膜16a、16bを残す。2層の金属膜16a、16bをパターニングする際は、所定のエッチングガスを用いて上層の金属膜16bを選択的にパターニングした後、エッチングガスを変えて下層の金属膜16aをパターニングする。
次に、図10および図11に示すように、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いて金属膜16bをパターニングし、平面視においてキャビティ20と重なる領域の一部の金属膜16aを露出させることによって溝部23を形成する。溝部23は、2層の金属膜16a、16bのエッチングレートの差を利用し、所定のエッチングガスを用いて上層の金属膜16bのみを選択的に除去することによって形成する。また、このとき、キャビティ20と重なる領域の外縁部よりも内側の領域において、上層の金属膜16bが残された領域は、薄い膜厚の溝部23を支持する支持部24となる。
次に、図12に示すように、絶縁膜15および上部電極16の上部にプラズマCVD法で膜厚200nm程度の酸化シリコン膜からなる絶縁膜17を堆積した後、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いて絶縁膜17とその下層の絶縁膜15の各一部を除去することにより、犠牲層14に達する開口18を形成する。
次に、図13に示すように、開口18を通じて犠牲層14の表面に水酸化カリウム水溶液などのウェットエッチング液を接触させる。具体的には、絶縁膜17、15に開口18が形成された基板10をウェットエッチング液中に浸漬する。これにより、犠牲層14がウェットエッチング液によって溶解・消失し、犠牲層14が配置されていた領域にキャビティ20が形成される。
次に、図14に示すように、絶縁膜17の上部にプラズマCVD法で膜厚500nm程度の酸化シリコン膜からなる絶縁膜19を堆積する。これにより、開口18の内部に絶縁膜19が埋め込まれ、絶縁膜13、15、19によって密閉されたキャビティ20が完成する。
その後、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いて絶縁膜19、17の各一部を除去し、上部電極16の一部を露出させることによってパッド21を形成する。また、絶縁膜19、17、15、13の各一部を除去し、下部電極12の一部を露出させることによってパッド22を形成する。ここまでの工程により、図1および図2に示すCMUTが完成する。
なお、上述したCMUTの電極材料や絶縁膜材料は、好ましい一例であって、これらに限定されるものではない。下部電極12の材料としてはアルミニウム合金以外の金属材料、例えばW、Ti、TiN、Al、Cr、Pt、Auや、不純物を高濃度にドープした多結晶シリコンやアモルファスシリコンなどを使用することもできる。また、酸化シリコン膜からなる絶縁膜に代えて、酸窒化シリコン膜、酸化ハフニウム膜、シリコン−ドープド酸化ハフニウム膜などを使用することもできる。犠牲層14も、これらの絶縁膜に対するエッチング選択比が高い材料であれば多結晶シリコン膜に限定されず、例えば金属膜やSOG(Spin-on-Glass)膜などであってもよい。
次に、上部電極16の一部に溝部23を設けた本実施の形態のCMUTの効果について説明する。
図15に示すように、キャビティ20と重なる領域(メンブレンMとして機能する領域)の上部電極16において、溝部23が配置される位置と溝部23が占める面積比率は種々変更可能であるが、溝部23の位置および面積比率によって駆動電圧の大きさとメンブレンMの振動周波数とに差が生じる。
図16は、上部電極16に占める溝部23の面積比率とメンブレンMの共振周波数および駆動電圧との相関関係のシミュレーション結果を示すグラフである。図16に示すグラフの横軸は、キャビティ20と重なる領域の上部電極16の総面積に占める溝部23の面積の比を示し、縦軸はメンブレンMの共振周波数および駆動電圧を示している。
図16から明らかなように、上部電極16に占める溝部23の面積比率が大きくなるほどメンブレンMの共振周波数は高くなり、駆動電圧は低下する。この効果は、上部電極16に占める溝部23の面積比率が20%以上、特に50%以上で顕著になる。
一方、図17は、上部電極16の中心部から外縁部までの距離とメンブレンMの共振周波数および駆動電圧との相関関係のシミュレーション結果を示すグラフである。図17に示すグラフの横軸は、上部電極16の外縁部から中心部までの距離を1としたときの上部電極16の外縁部から溝部23までの距離を示し、縦軸はメンブレンMの共振周波数および駆動電圧を示している。
図17から明らかなように、メンブレンMの駆動電圧は、上部電極16の外縁部から溝部23までの距離が上部電極16の外縁部から中心部までの距離の0.75(=75%)付近で最大となり、それ以上およびそれ以下になると次第に小さくなる。これに対し、上部電極16の外縁部から溝部23までの距離が上部電極16の外縁部から中心部までの距離の約0.66から0.81(=約66%から81%)の範囲内では、メンブレンMの共振周波数は上部電極16の中心部から溝部23までの距離が短くなるにつれて低くなる。
図16のシミュレーション結果と図17のシミュレーション結果とから、上部電極16の一部に相対的に膜厚の薄い溝部23を設けることにより、メンブレンMを低電圧かつ高周波数で駆動させることができるという効果が得られる。また、上部電極16の中心部から外縁部までの距離の75%以上の位置で上部電極16に占める溝部23の面積比率を最大にすることにより、上記の効果が顕著に得られることが分かる。
このように、上部電極16の一部に溝部23を設けることにより、低電圧かつ高周波数駆動が可能なCMUTを実現することができる。
上部電極16の溝部23は、上部電極16の下面(底面)、あるいは上部電極16の上面と下面(底面)の双方に設けることもできるが、本実施の形態のように、上部電極16の上面側に設けることが望ましい。言い換えると、上部電極16の下面は、図2に示すように、平坦になっていることが望ましい。
上部電極16の下面が平坦になっている場合は、キャビティ20の全領域において上部電極16と下部電極12との距離が均等になるのに対して、溝部23が上部電極16の下面側に設けられている場合は、上部電極16と下部電極12との距離が大きくなる領域が局所的に生じる。従って、上部電極16の下面が平坦になっている場合の方が上部電極16の下面に段差がある場合に比べて一定の駆動電圧で生じる両電極間の静電気力を大きくすることができる。
また、溝部23を支持する支持部24の材料は導電材料に限られるものではなく、絶縁材料であってもよい。但し、支持部24を絶縁材料で構成した場合は、支持部24を導電材料で構成した場合に比べて上部電極16の電気抵抗が増加し、また、上部電極16の製造工程が複雑になる。
さらに、本実施の形態では、キャビティ20の平面形状およびキャビティ20と重なる領域の上部電極16の平面形状を六角形としたが、キャビティ20および上部電極16のそれぞれの平面形状は六角形に限定されるものではなく、例えば円形、楕円形、四角形、八角形などであってもよい。これらの場合においても、メンブレンMの振動の均一性を確保する観点から、隣り合う支持部24同士は、図18に示すように、互いに等しい間隔で配置されていることが好ましい。すなわち、溝部23は、支持部24によって均等な面積に分割されていることが好ましい。
(実施の形態2)
図19は、前記実施の形態1のCMUTを備えた超音波撮像装置の外観を示す斜視図、図20は、図19に示す超音波撮像装置の機能を示すブロック図である。
超音波撮像装置301は、超音波の送受信を行う超音波送受信回路や超音波送受信回路が受信したエコー信号を処理し、検査対象の超音波画像を生成する信号処理回路などを収納する本体305と、本体305に接続され、超音波画像や操作者とのインターフェイスを行うためのGUIを表示する表示部303と、操作者が操作する入力部304と、カテーテル接続部306を介して本体305に接続されたカテーテル302とを備えている。カテーテル302は、被検体(患者)の体内に挿入され、被検体との間で超音波を送受信する装置であり、その先端には、本体305内の超音波送受信回路に接続されるCMUT307が内蔵されている。CMUT307は、前記実施の形態1の単位CMUTを数百〜1万個程度の範囲で1次元または2次元のアレイ状に配置して構成されている。
なお、図19では、一例として本体305の底部にキャスタ308を備えた可動式の超音波撮像装置を示しているが、本実施の形態の超音波撮像装置301は、検査室に固定された超音波撮像装置、ノート型やボックス型などの携帯型超音波撮像装置、その他公知の超音波撮像装置に適用することができる。
図20に示すように、超音波撮像装置301の本体305は、超音波送受信部411、信号処理部412、制御部413、メモリ部414、電源装置415、および補助装置416を備えている。
超音波送受信部411は、CMUT307から超音波を送信するための駆動電圧を発生させたり、CMUT307からエコー信号を受信するものであり、遅延回路、フィルタ、ゲイン調整回路などを備えている。
信号処理部412は、受信したエコー信号に対し、LOG圧縮、深度補正などの補正や画像作成などに必要な処理を行うものであり、DSC(デジタルスキャンコンバータ)、カラードプラ回路、FFT解析部などを含んでいてもよい。信号処理部412による信号処理は、アナログ信号処理およびデジタル信号処理のいずれもが可能であり、一部はソフトウェアで実現でき、またASIC(application specific integrated circuit)やFPGA(field-programmable gate array)で実現することも可能である。
制御部413は、本体305の各回路や本体305に接続された機器の制御を行う。メモリ部414には、信号処理や制御に必要な情報やパラメータおよび処理結果が記憶される。電源装置415は、超音波撮像装置の各部に必要な電力を供給する。補助装置416は、上述した各部の他に、超音波撮像装置301に付随する機能、例えば音声発生などを実現するためのものであり、必要に応じて適宜追加される。
本実施の形態の超音波撮像装置301は、カテーテル302のCMUT307として、前記実施の形態1のCMUTを用いているので、被検体(患者)の体内に挿入しても安全な低電圧で超音波を高感度に送受信することができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
本発明のCMUTは、超音波撮像装置のみならず、LSIパッケージのクラック検査や建造物に発生した亀裂の検査などといった様々な用途に適用することができる。
10 基板
11 絶縁膜
12 下部電極
13 絶縁膜
14 犠牲層
15 絶縁膜
16 上部電極
16a 金属膜
16b 金属膜
17 絶縁膜
18 開口
19 絶縁膜
20 キャビティ
21 パッド
22 パッド
23 溝部
24 支持部
M メンブレン
301 超音波撮像装置
302 カテーテル
303 表示部
304 入力部
305 本体
306 カテーテル接続部
307 CMUT
308 キャスタ
411 超音波送受信部
412 信号処理部
413 制御部
414 メモリ部
415 電源装置
416 補助装置

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板上に第1絶縁膜を介して形成された下部電極と、
    前記下部電極上に形成された第2絶縁膜および前記第2絶縁膜上に形成された第3絶縁膜と、
    前記第2絶縁膜と前記第3絶縁膜との間に形成されたキャビティと、
    前記第3絶縁膜上に形成され、平面視において前記キャビティと重なるように配置された上部電極と、
    を有し、
    前記上部電極は、第1の膜厚を有する外縁部および中央部と、前記外縁部と前記中央部との間に位置し、前記第1の膜厚よりも薄い第2の膜厚を有する溝部とを備える、超音波トランスデューサ。
  2. 請求項1記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記上部電極の総面積に占める前記溝部の面積の比率は、20%以上である、超音波トランスデューサ。
  3. 請求項1記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記上部電極の中心部から前記溝部までの距離は、前記上部電極の中心部から前記外縁部までの距離の75%以上である、超音波トランスデューサ。
  4. 請求項1記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記溝部は、前記第1の膜厚を有し、前記外縁部と前記中央部とを連結する支持部によって支持されている、超音波トランスデューサ。
  5. 請求項4記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記支持部によって複数の領域に分離された前記溝部のそれぞれは、互いに等しい面積を有する、超音波トランスデューサ。
  6. 請求項1記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記上部電極の下面は平坦である、超音波トランスデューサ。
  7. 請求項1記載の超音波トランスデューサにおいて、
    前記上部電極の前記外縁部および前記中央部は、エッチングレートが互いに異なる2種類の導電膜の積層膜で構成され、前記溝部は、前記2種類の導電膜のうちの下層の導電膜で構成されている、超音波トランスデューサ。
  8. 請求項1記載の超音波トランスデューサを備えた、超音波撮像装置。
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