JP2018109547A - 結晶の大きさの分布測定装置及び結晶の大きさの分布測定方法 - Google Patents

結晶の大きさの分布測定装置及び結晶の大きさの分布測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶の大きさの分布を非破壊で、正確に得ることのできる結晶の大きさの分布測定装置を提供する。【解決手段】試料に照射されるX線を出射するX線源と、前記試料が設置される試料ステージと、前記試料からのX線回折像を取得する2次元検出器と、演算制御部と、を有し、前記演算制御部は、X線が照射された試料からの2次元のX線回折像を前記2次元検出器により取得し、前記X線回折像より特定された複数の回折スポットの観測位置より回折指数を算出し、前記回折スポットの強度と前記回折指数に基づき、前記回折スポットに対応する結晶子の大きさを算出し、前記複数の回折スポットに対応する結晶子の大きさの分布を得る制御を行うことを特徴とする結晶の大きさの分布測定装置により上記課題を解決する。【選択図】図2

Description

本発明は、結晶の大きさの分布測定装置及び結晶の大きさの分布測定方法に関するものである。
アルカリ乾電池の電極を形成しているZn等の電極材料等は、結晶子の大きさが1〜100μmの多結晶で形成されている。このようなZn等により形成された電極は、使用に伴う劣化により、結晶子の大きさが変化する。このような電極の結晶子の大きさを調べる方法としては、電子顕微鏡や光学顕微鏡等による顕微鏡観察が代表的である。この顕微鏡観察では、電極を形成している結晶子を拡大して観察することができ、結晶子の大きさを直接評価することができる。
特開2003−166953号公報 特開2008−70331号公報
ところで、上記のような顕微鏡観察では、観察対象となる電極を破壊する必要があり、また、観察用の試料に加工するために時間と手間を要していた。また、顕微鏡観察により得られる情報は、電極の局所的な情報であり、必ずしも電極全体の結晶子の大きさの分布を反映しておらず、正確ではない場合がある。
このため、結晶の大きさの分布を非破壊で、正確に得ることのできる結晶の大きさの分布測定装置が求められていた。
本実施の形態の一観点によれば、試料に照射されるX線を出射するX線源と、前記試料が設置される試料ステージと、前記試料からのX線回折像を取得する2次元検出器と、演算制御部と、を有し、前記演算制御部は、X線が照射された試料からの2次元のX線回折像を前記2次元検出器により取得し、前記X線回折像より特定された複数の回折スポットの観測位置より回折指数を算出し、前記回折スポットの強度と前記回折指数に基づき、前記回折スポットに対応する結晶子の大きさを算出し、前記複数の回折スポットに対応する結晶子の大きさの分布を得る制御を行うことを特徴とする。
開示の結晶の大きさの分布測定装置によれば、結晶の大きさの分布を非破壊で、正確に得ることができる。
第1の実施の形態における結晶の大きさの分布測定装置の構造図 第1の実施の形態における結晶の大きさの分布測定方法の説明図 第1の実施の形態において2次元検出器により得られたX線回折像 第1の実施の形態において得られた結晶の大きさの分布図 第1の実施の形態における結晶の大きさの分布測定方法のフローチャート 第2の実施の形態において2次元検出器により得られたX線回折像 構造因子で規格化したX回折強度と回折スポットの数の相関図 第2の実施の形態において得られた結晶の大きさの分布図 第1の条件において得られた結晶の大きさの分布図 第2の条件において得られた結晶の大きさの分布図 第2の実施の形態における結晶の大きさの分布測定方法のフローチャート 第3の実施の形態における結晶の大きさの分布測定方法の説明図 第3の実施の形態における結晶の大きさの分布測定方法のフローチャート 第3の実施の形態において得られた結晶の大きさの分布図
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
本実施の形態は、アルカリ乾電池の電極材料である多結晶のZn等の結晶子の大きさの分布を測定するものであり、このような電極材料である多結晶のZn等は、結晶子が1μm以上、100μm以下の大きさにより形成されている。尚、多結晶の材料の結晶性等を評価する方法としては、X線回折法があるが、試料を破壊し加工等する必要があることや、結晶子が1μm以上、100μm以下の比較的大きなものの場合、大きさの分布を正確に測定することは困難である。
(結晶の大きさの分布測定装置)
本実施の形態における結晶の大きさの分布測定装置は、X線源10、試料ステージ20、2次元検出器30、演算制御部40、表示部50等を有している。X線源10より出射されるX線は単色X線である。試料ステージ20は、並進軸及び回転軸を有しており、並進軸xs及びysにより動かすことができ、回転軸θsにより傾けることができるものであり、試料ステージ20には、結晶の大きさの分布の測定対象となる試料60が設置される。2次元検出器30は、X線の入射位置(x、y)と強度Iを検出することが可能な2次元型位置敏感型X線検出器であり、並進軸xd、ydにより動かすことができる。
演算制御部40は、位置制御部41、X線検出器42、演算処理部43、記憶部44等を有しており、2次元画像等を表示することのできる表示部50に接続されている。位置制御部41は、試料ステージ20及び2次元検出器30に接続されており、試料ステージ20における並進軸xs、ys及び回転軸θsの制御を行うとともに、2次元検出器30における並進軸xd、ydの制御を行う。X線検出器42は、2次元検出器30に接続されており、2次元検出器30において検出されたX線の入射位置(x、y)と強度Iを検出し測定する。演算処理部43では、X線検出器42は、2次元検出器30において測定されたX線の入射位置(x、y)と強度Iに基づき、結晶子の方位nと結晶子の大きさSが算出される。記憶部44では、演算処理部43において算出された結晶子の方位n及び結晶子の大きさS等の情報を記憶する。表示部50では、2次元検出器30において検出されたX線のスポットの情報等を含む様々な情報を表示することができる。
(結晶の大きさの分布測定方法)
次に、本実施の形態における結晶の大きさの分布測定方法について、図2に基づき説明する。本実施の形態は、1つの結晶子の大きさが1〜100μmと比較的大きな結晶が集合した試料からの回折X線は、粉末試料に見られるような特有のリング状の回折パターンになるのではなく、スポット状の回折パターンになるという発明者の知見に基づくものである。
具体的には、このようなスポット状の回折パターンは、2次元型位置敏感型X線検出器を用いることにより、入射したX線の個々の回折スポットを区別して、強度Iと回折スポットの観測位置r=(x、y)を測定することができる。本実施の形態においては、下記の数1に示される式の関係を用いる。即ち、ある回折指数(h、k、l)の回折スポットの強度I(hkl)が結晶子の体積Vの2乗と、物質の結晶構造を反映する回折指数に依存した結晶構造因子F(hkl)の2乗との積に比例することの関係を用いる。尚、本実施の形態においては、観測された回折スポットの位置(x、y)から回折指数(h、k、l)を決定するため、試料60となる物質の結晶構造は既知であるものとする。
尚、数1に示す式における下付きの添え字「」は、観測されたj番目の回折スポットを示すラベルである。回折スポットの観測位置r=(x、y)から、X線の入射方向と回折X線の出射方向との間の角度を計算することができ、対象となる結晶構造に対応する回折指数(h、k、l)を決定することができる。結晶構造因子F(hkl)を計算することにより、観測された回折スポットに対応する結晶子の体積Vを算出することが可能となる。更に、評価の対象となる結晶子の体積Vから、結晶子の大きさSをS=(V1/3より算出することができる。
次に、本実施の形態における結晶の大きさの分布測定装置を用いて、試料60としてアルカリ乾電池のZn電極を測定した場合について説明する。図3は、試料60がアルカリ乾電池のZn電極である場合の2次元検出器30により得られたX線回折像を示している。図3に示されるX線回折像は、試料60となるZn電極を破壊したり加工等することなく、そのまま分析した結果である。
図3に示されるX線回折像では、リング状の回折パターンと、破線の四角で囲まれたスポット状の回折パターンを確認することができる。リング状の回折パターンは、結晶子の大きさが1μm未満のZnOにおける回折パターンであり、スポット状の回折パターンは、結晶子の大きさが1〜100μmのZnにおける回折パターンである。本実施の形態においては、測定の対象となるものは、Znにおけるスポット状の回折パターンである。本実施の形態においては、破線の四角で囲まれた各々の回折スポットについて、それぞれの強度Iと回折指数(h、k、l)を測定し、数1に示す式に基づき測定した結果により各々の構造因子を得る。このように得られた構造因子により規格化したX線回折強度と回折スポットの数との関係を得ることにより、図4に示されるように結晶子の大きさと結晶子の数との関係が得られる。
本実施の形態における結晶の大きさの分布測定方法について、図5に示されるフローチャートに基づき説明する。
最初に、ステップ102(S102)に示すように、試料ステージ20を動かすことにより、X線源10より出射され試料60に入射する角度を角度θにして、試料60にX線を照射する。
次に、ステップ104(S104)に示すように、2次元検出器30により、試料60の2次元のX線回折像を得る。
次に、ステップ106(S106)に示すように、図3に示されるような2次元検出器30により得られたX線回折像より、スポット状の回折パターンとなる回折スポットを特定する。本実施の形態においては、特定される回折スポットの数は、k個であるものとする。
次に、ステップ110(S110)に示すように、特定されたk個の回折スポットについて、スポット位置と回折指数を算出する。具体的には、ステップ112(S112)でk個の回折スポットのうちj番目の回折スポットについて、回折スポットの観測位置(x、y)より回折指数(h、k、l)を算出し、ステップ114(S114)で強度Iより結晶子の大きさSを算出する。これを1番目の回折スポットからk番目の回折スポットまで繰り返す。尚、得られた情報は、記憶部44に記憶される。
次に、ステップ120(S120)に示すように、ステップ110において得られた結果に基づき、図4に示されるような結晶子の大きさSと結晶子の数との相関を示す分布を得る。これにより、結晶の大きさの分布を測定することができる。
以上により、本実施の形態における結晶の大きさの分布の測定をすることができる。本実施の形態においては、測定対象となる試料を破壊することなく、また、局所的ではなく試料の全体の結晶の大きさの分布を測定することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、試料に入射するX線の角度を変えて2次元のX線回折像を取得し、取得された2次元のX線回折像に基づき結晶の大きさの分布を測定するものである。これにより、より正確に試料の結晶の大きさの分布を測定することができる。尚、本実施の形態においては、第1の実施の形態における結晶の大きさの分布測定装置が用いられる。
図6は、試料60がアルカリ乾電池のZn電極の場合の2次元検出器30により得られたX線回折像であって、試料60に入射するX線の角度の異なる第1の条件と第2の条件で測定した結果である。図7は、図6に示される条件の異なるX線回折像の破線の四角で囲んだ回折スポットについて、各々の強度Iと回折指数(h、k、l)を測定した後、数1に示す式より得られた構造因子で規格化したX線回折強度と回折スポットの数との関係を示している。図7に示される図は、異なる回折指数を有する回折スポットを用いているため、横軸はX線回折強度の回折指数に依存する部分である結晶構造因子の2乗で規格化されている。従って、図7の横軸は、X線回折強度の結晶子の大きさに依存する値である。
図8は、図7に基づき得られた結晶子の大きさと結晶子の数との関係を示す。図8は、第1の条件で測定した結果と、第2の条件で測定した結果の和であり、例えば、第1の条件で測定して得られた結果を図9とし、第2の条件で測定した結果を図10とした場合に、これらを合わせたものである。従って、1つの条件で測定した結果よりも、試料60に入射する角度を変えて複数の条件で測定した結果から結晶子の大きさと結晶子の数との関係を得ることにより、より正確に試料の結晶の大きさの分布を測定することができる。
次に、本実施の形態における結晶の大きさの分布測定方法について、図11に示されるフローチャートに基づき説明する。
最初に、ステップ202(S202)に示すように、試料ステージ20を動かすことにより、X線源10より出射され試料60に入射する角度を第1の条件の角度θ1にして、試料60にX線を照射する。
次に、ステップ204(S204)に示すように、2次元検出器30により、第1の条件における試料60の2次元のX線回折像を得る。
次に、ステップ206(S206)に示すように、図6の第1の条件に示される2次元検出器30により得られたX線回折像より、スポット状の回折パターンとなる回折スポットを特定する。本実施の形態においては、特定される回折スポットの数は、p個であるものとする。
次に、ステップ210(S210)において、ステップ212からステップ216をp回繰り返す。即ち、特定されたp個の回折スポットについて、スポット位置と回折指数を算出し、この情報を結晶子の大きさと結晶子の数との相関を示す分布図に加える。具体的には、第1の条件のjα番目の回折スポットについて、ステップ212(S212)で、回折スポットの観測位置(xjα、yjα)より回折指数(hjα、kjα、ljα)を算出する。この後、ステップ214(S214)で、強度Ijαより結晶子の大きさSjαを算出する。ステップ216(S216)では、ステップ214で得られた結晶子の大きさSjαの情報を、結晶子の大きさと結晶子の数との相関を示す分布図に加える。この工程を第1の条件において測定された1番目の回折スポットからp番目の回折スポットまで繰り返す。尚、結晶子の大きさと結晶子の数との相関を示す分布図は、記憶部44に記憶されている。
次に、ステップ222(S222)に示すように、試料ステージ20を動かすことにより、X線源10より出射され試料60に入射する角度を第2の条件の角度θ2にして、試料60にX線を照射する。
次に、ステップ224(S224)に示すように、2次元検出器30により、第2の条件における試料60の2次元のX線回折像を得る。
次に、ステップ226(S226)に示すように、図6の第2の条件に示される2次元検出器30により得られたX線回折像より、スポット状の回折パターンとなる回折スポットを特定する。本実施の形態においては、特定される回折スポットの数は、q個であるものとする。
次に、ステップ230(S230)に示すように、ステップ232からステップ236をq回繰り返す。即ち、特定されたq個の回折スポットについて、スポット位置と回折指数を算出し、この情報を結晶子の大きさと結晶子の数との相関を示す分布図に加える。具体的には、ステップ232(S232)で、第2の条件のjβ番目の回折スポットについて、回折スポットの観測位置(xjβ、yjβ)より回折指数(hjβ、kjβ、ljβ)を算出する。この後、S234(S234)で、強度Ijβより結晶子の大きさSjβを算出する。ステップ236(S236)では、ステップ234で得られた結晶子の大きさSjβの情報を、結晶子の大きさと結晶子の数との相関を示す分布図に加える。この工程を第2の条件において測定された1番目の回折スポットからq番目の回折スポットまで繰り返す。これにより、結晶の大きさの分布を測定することができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。ところで、回折スポットの観測位置(x、y)からは、対象となる結晶子に対応する回折指数(h、k、l)を決定するだけではなく、対象となる結晶子の方位nを得ることができる。具体的には、結晶子の方位nは、ある特定の結晶軸が鉛直方向から見てどの方位にあるか、天頂角及び方位角で表現される。本願においては、結晶子の方位nとは、その結晶子の結晶の(001)面の方向が3次元空間において、どちらを向いているかを示すものであり、その面方位の向きを意味するものである。
例えば、ある結晶子に対し、X線の照射条件や2次元検出器30の位置を変えて測定を行った場合に、同一の結晶子が回折条件を複数回満たし、回折スポットが観測される可能性がある。この場合は、異なる条件の回折スポットの情報を足し合わせてしまうと、同じ結晶子の情報が重複して含まれてしまう。
本実施の形態においては、異なる条件で測定した情報より、重複している結晶子の情報を取り除くことにより、より正確に結晶の大きさの分布を得るものである。即ち、測定条件を変えて2次元検出器30により測定された回折スポットのそれぞれに対し、結晶子の方位nを考慮することなく結晶子の大きさの分布を得た場合、複数回カウントされる結晶子が発生する。このため、本実施の形態においては、異なる条件で測定した場合には、結晶子の方位nが一致する結晶子については、結晶子の大きさの分布を得る際に、重複してカウントしないようにする。これにより、より正確な結晶子の大きさの分布を得ることができる。尚、本実施の形態においては、第1の実施の形態における結晶の大きさの分布測定装置が用いられる。
具体的には、図12(a)に示されるように第1の条件で測定し、図12(b)に示されるように第2の条件で測定した場合を考える。この場合、第1の条件の回折スポットの観測位置(x、y)より回折指数(h、k、l)、方位nの結晶子の情報が得られ、第2の条件の回折スポットの観測位置(x、y)より回折指数(h、k、l)、方位nの結晶子の情報が得られる。この場合、方位nと方位nとが同じである場合、同じ結晶子である可能性が極めて高いことから、得られた情報のうちのいずれか一方を、この試料の結晶の大きさの分布図に加えないようにする。
次に、本実施の形態における結晶の大きさの分布測定方法について、図13に示されるフローチャートに基づき説明する。
最初に、ステップ302(S302)に示すように、試料ステージ20を動かすことにより、X線源10より出射され試料60に入射する角度を第1の条件の角度θ1にして、試料60にX線を照射する。
次に、ステップ304(S304)に示すように、2次元検出器30により、第1の条件における試料60の2次元のX線回折像を得る。
次に、ステップ306(S306)に示すように、図6の第1の条件に示される2次元検出器30により得られたX線回折像より、スポット状の回折パターンとなる回折スポットを特定する。本実施の形態においては、特定される回折スポットの数は、p個であるものとする。
次に、ステップ310(S310)において、ステップ312からステップ318をp回繰り返す。即ち、特定されたp個の回折スポットについて、スポット位置と回折指数を算出し、一致する方位njαが存在しない場合には、この情報を結晶子の大きさと結晶子の数との相関を示す分布図に加え、存在している場合には、この回折スポットの情報は除かれる。具体的には、ステップ312(S312)で、第1の条件におけるp個の回折スポットのjα番目の回折スポットについて、回折スポットの観測位置(xjα、yjα)より、方位njα、回折指数(hjα、kjα、ljα)を算出する。この後、ステップ314(S314)で、方位njαがjα−1番目までの回折スポットについて算出した方位に存在しているか否かを判断する。一致する方位njαが存在していない場合には、ステップ316(S316)で、強度Ijαより結晶子の大きさSjαを算出する。ステップ318(S318)では、ステップ316で得られた結晶子の大きさSjαの情報を、結晶子の大きさと結晶子の数との相関を示す分布図に加える。一致する方位njαが存在している場合には、次の回折スポットに移る。この工程を第1の条件において測定された1番目の回折スポットからp番目の回折スポットまで繰り返す。尚、結晶子の大きさと結晶子の数との相関を示す分布図は、記憶部44に記憶されている。
次に、ステップ322(S322)に示すように、試料ステージ20を動かすことにより、X線源10より出射され試料60に入射する角度を第2の条件の角度θ2にして、試料60にX線を照射する。
次に、ステップ324(S324)に示すように、2次元検出器30により、第2の条件における試料60の2次元のX線回折像を得る。
次に、ステップ326(S326)に示すように、図6の第2の条件に示される2次元検出器30により得られたX線回折像より、スポット状の回折パターンとなる回折スポットを特定する。本実施の形態においては、特定される回折スポットの数は、q個であるものとする。
次に、ステップ330(S330)において、ステップ332からステップ338をq回繰り返す。即ち、特定されたq個の回折スポットについて、スポット位置と回折指数を算出し、方位njβが第1の角度条件θ1で観測された回折スポットから算出されたp個の方位、及び第2の角度条件θ2で観測されたjβ−1番目までの回折スポットについて算出した方位に存在しない場合には、この情報を結晶子の大きさと結晶子の数との相関を示す分布図に加え、存在している場合には、この回折スポットの情報は除かれる。具体的には、ステップ332(S332)で、第2の条件におけるq個の回折スポットのjβ番目の回折スポットについて、回折スポットの観測位置(xjβ、yjβ)より、方位njβ、回折指数(hjβ、kjβ、ljβ)を算出する。この後、ステップ334(S334)で、一致する方位njβが存在しているか否かを判断する。一致する方位njβが存在していない場合には、S336(S336)で、強度Ijβより結晶子の大きさSjβを算出する。ステップ338(S338)では、ステップ336で得られた結晶子の大きさSjβの情報を、結晶子の大きさと結晶子の数との相関を示す分布図に加える。一致する方位njβが存在している場合には、次の回折スポットに移る。この工程を第2の条件において測定された1番目の回折スポットからq番目の回折スポットまで繰り返す。尚、結晶子の大きさと結晶子の数との相関を示す分布図は、記憶部44に記憶されている。図14は、本実施の形態における結晶の大きさの分布測定方法により得られた結晶子の大きさと結晶子の数との関係を示す。
尚、上記以外の内容については、第2の実施の形態と同様である。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
試料に照射されるX線を出射するX線源と、
前記試料が設置される試料ステージと、
前記試料からのX線回折像を取得する2次元検出器と、
演算制御部と、
を有し、
前記演算制御部は、X線が照射された試料からの2次元のX線回折像を前記2次元検出器により取得し、前記X線回折像より特定された複数の回折スポットの観測位置より回折指数を算出し、前記回折スポットの強度と前記回折指数に基づき、前記回折スポットに対応する結晶子の大きさを算出し、前記複数の回折スポットに対応する結晶子の大きさの分布を得る制御を行うことを特徴とする結晶の大きさの分布測定装置。
(付記2)
前記試料に照射されるX線の角度を変えて、各々の角度に対応した2次元のX線回折像を前記2次元検出器により取得するものであって、
前記演算制御部により、前記X線回折像の各々より得られる結晶子の大きさの分布の情報を合わせることにより、結晶子の大きさの分布を得ることを特徴とする付記1に記載の結晶の大きさの分布測定装置。
(付記3)
前記試料に照射されるX線の角度を変えて、各々の角度に対応した2次元のX線回折像を前記2次元検出器により取得するものであって、
前記演算制御部は、前記回折スポットの観測位置より、前記回折スポットに対応する結晶子の方位を算出し、
前記演算制御部により、一方のX線回折像により得られた結晶子の向きと、他方のX線回折像により得られた結晶子の向きとが同じである場合には、いずれか一方を除き、前記X線回折像の各々より得られる結晶子の大きさの分布の情報を合わせることにより、結晶子の大きさの分布を得ることを特徴とする付記1に記載の結晶の大きさの分布測定装置。
(付記4)
試料にX線を照射し、前記試料からの2次元のX線回折像を2次元検出器により取得する工程と、
前記X線回折像より複数の回折スポットを特定する工程と、
前記回折スポットの観測位置より回折指数を得る工程と、
前記回折スポットの強度と前記回折指数に基づき、前記回折スポットに対応する結晶子の大きさを算出する工程と、
前記複数の回折スポットに対応する結晶子の大きさの分布を得る工程と、
を有することを特徴とする結晶の大きさの分布測定方法。
(付記5)
前記試料に照射されるX線の角度を変えて、各々の角度に対応した2次元のX線回折像を前記2次元検出器により取得し、
前記X線回折像の各々より得られる結晶子の大きさの分布の情報を合わせることにより、結晶子の大きさの分布を得ることを特徴とする付記4に記載の結晶の大きさの分布測定方法。
(付記6)
前記回折スポットの観測位置より、前記回折スポットに対応する結晶子の方位を算出する工程を有し、
前記試料に照射されるX線の角度を変えて、各々の角度に対応した2次元のX線回折像を前記2次元検出器により取得し、
一方のX線回折像により得られた結晶子の向きと、他方のX線回折像により得られた結晶子の向きとが同じである場合には、いずれか一方を除いて、前記X線回折像の各々より得られる結晶子の大きさの分布の情報を合わせることにより、結晶子の大きさの分布を得ることを特徴とする付記4に記載の結晶の大きさの分布測定方法。
(付記7)
前記試料における結晶子の大きさは、1μm以上、100μm以下であることを特徴とする付記4から6のいずれかに記載の結晶の大きさの分布測定方法。
10 X線源
20 試料ステージ
30 2次元検出器
40 演算制御部
41 位置制御部
42 X線検出器
43 演算処理部
44 記憶部
50 表示部
60 試料

Claims (6)

  1. 試料に照射されるX線を出射するX線源と、
    前記試料が設置される試料ステージと、
    前記試料からのX線回折像を取得する2次元検出器と、
    演算制御部と、
    を有し、
    前記演算制御部は、X線が照射された試料からの2次元のX線回折像を前記2次元検出器により取得し、前記X線回折像より特定された複数の回折スポットの観測位置より回折指数を算出し、前記回折スポットの強度と前記回折指数に基づき、前記回折スポットに対応する結晶子の大きさを算出し、前記複数の回折スポットに対応する結晶子の大きさの分布を得る制御を行うことを特徴とする結晶の大きさの分布測定装置。
  2. 前記試料に照射されるX線の角度を変えて、各々の角度に対応した2次元のX線回折像を前記2次元検出器により取得するものであって、
    前記演算制御部により、前記X線回折像の各々より得られる結晶子の大きさの分布の情報を合わせることにより、結晶子の大きさの分布を得ることを特徴とする請求項1に記載の結晶の大きさの分布測定装置。
  3. 前記試料に照射されるX線の角度を変えて、各々の角度に対応した2次元のX線回折像を前記2次元検出器により取得するものであって、
    前記演算制御部は、前記回折スポットの観測位置より、前記回折スポットに対応する結晶子の方位を算出し、
    前記演算制御部により、一方のX線回折像により得られた結晶子の向きと、他方のX線回折像により得られた結晶子の向きとが同じである場合には、いずれか一方を除き、前記X線回折像の各々より得られる結晶子の大きさの分布の情報を合わせることにより、結晶子の大きさの分布を得ることを特徴とする請求項1に記載の結晶の大きさの分布測定装置。
  4. 試料にX線を照射し、前記試料からの2次元のX線回折像を2次元検出器により取得する工程と、
    前記X線回折像より複数の回折スポットを特定する工程と、
    前記回折スポットの観測位置より回折指数を得る工程と、
    前記回折スポットの強度と前記回折指数に基づき、前記回折スポットに対応する結晶子の大きさを算出する工程と、
    前記複数の回折スポットに対応する結晶子の大きさの分布を得る工程と、
    を有することを特徴とする結晶の大きさの分布測定方法。
  5. 前記試料に照射されるX線の角度を変えて、各々の角度に対応した2次元のX線回折像を前記2次元検出器により取得し、
    前記X線回折像の各々より得られる結晶子の大きさの分布の情報を合わせることにより、結晶子の大きさの分布を得ることを特徴とする請求項4に記載の結晶の大きさの分布測定方法。
  6. 前記回折スポットの観測位置より、前記回折スポットに対応する結晶子の方位を算出する工程を有し、
    前記試料に照射されるX線の角度を変えて、各々の角度に対応した2次元のX線回折像を前記2次元検出器により取得し、
    一方のX線回折像により得られた結晶子の向きと、他方のX線回折像により得られた結晶子の向きとが同じである場合には、いずれか一方を除いて、前記X線回折像の各々より得られる結晶子の大きさの分布の情報を合わせることにより、結晶子の大きさの分布を得ることを特徴とする請求項4に記載の結晶の大きさの分布測定方法。
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