JP2018108919A - ε−酸化鉄型強磁性粉末 - Google Patents

ε−酸化鉄型強磁性粉末 Download PDF

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Abstract

【課題】各種用途への適用に適した保磁力を有し、かつ優れた耐熱性を有するε−酸化鉄型強磁性粉末を提供すること。【解決手段】Fe100.0原子%に対して、1価金属元素および2価金属元素からなる群から選択される金属元素の含有率が0.2〜16.5原子%の範囲であり、5価金属元素の含有率が0.2〜7.5原子%の範囲であり、かつFe以外の金属元素の合計含有率が2.5〜24.0原子%の範囲であるε−酸化鉄型強磁性粉末。【選択図】なし

Description

本発明は、ε−酸化鉄型強磁性粉末に関する。
強磁性粉末は、様々な分野において広く用いられている。かかる強磁性粉末の中で、近年、ε−酸化鉄型強磁性粉末が注目を集めている(例えば特許文献1参照)。
特許第5445843号
ε−酸化鉄型強磁性粉末は、一般に、高い保磁力を有する強磁性粉末と言われている。しかし、保磁力が高いことは、ε−酸化鉄型強磁性粉末を各種用途へ適用することを困難にする傾向がある。例えば一例として、磁気記録用途では、磁気記録媒体に含まれる強磁性粉末の保磁力が高いほど、磁気記録媒体に情報を書き込むことは困難となる(例えば特許文献1の段落0006参照)。
そこで近年、ε−酸化鉄型強磁性粉末の保磁力を下げることが検討されている。しかし一方で、強磁性粉末は、保磁力が低くなると熱に対する磁化の安定性(以下、「耐熱性」ともいう。)は低下する傾向がある。耐熱性に劣る強磁性粉末は、例えば、室温下等の通常の環境下での保存または使用後に磁化の一部が失われることにより、強磁性粉末としての機能を十分に発揮することが困難になる場合がある。
以上の点に関して、特許文献1では、ε−酸化鉄型強磁性粉末について、保磁力の任意調整性と耐熱性とを両立すること(特許文献1の段落0009参照)について検討がなされている。しかし本発明者らは、特許文献1に記載の方法により達成される耐熱性の向上よりも、ε−酸化鉄型強磁性粉末の耐熱性を更に一層向上することができれば、ε−酸化鉄型強磁性粉末の有用性をより高めることができると考えた。
そこで本発明の目的は、各種用途への適用に適した保磁力を有し、かつ優れた耐熱性を有するε−酸化鉄型強磁性粉末を提供することにある。
本発明の一態様は、
Fe100.0原子%に対して、
1価金属元素および2価金属元素からなる群から選択される金属元素(以下、「A元素」という。)の含有率が、0.2〜16.5原子%の範囲であり、
5価金属元素(以下、「B元素」という。)の含有率が、0.2〜7.5原子%の範囲であり、かつ
Fe以外の金属元素の合計含有率が、2.5〜24.0原子%の範囲である、ε−酸化鉄型強磁性粉末、
に関する。
上記強磁性粉末は、ε−酸化鉄型強磁性粉末である。本発明および本明細書において、「ε−酸化鉄型強磁性粉末」とは、X線回折分析によって、主相としてε−酸化鉄型の結晶構造が検出される強磁性粉末をいうものとする。主相とは、X線回折分析によって得られるX線回折スペクトルにおいて最も高強度の回折ピークが帰属する構造をいう。例えば、X線回折分析によって得られるX線回折スペクトルにおいて最も高強度の回折ピークがε−酸化鉄型の結晶構造に帰属される場合、ε−酸化鉄型の結晶構造が主相として検出されたと判断するものとする。X線回折分析によって単一の構造のみが検出された場合には、この検出された構造を主相とする。
後述の「ε−酸化鉄型強磁性体」については、形態が粉末に限定されない点以外、ε−酸化鉄型強磁性粉末に関する上記記載が適用される。
また、本発明および本明細書において、粉末とは、複数の粒子の集合を意味するものとする。例えば、ε−酸化鉄型強磁性粉末とは、複数のε−酸化鉄型強磁性粒子の集合を意味する。集合とは、集合を構成する粒子が直接接触している態様に限定されず、例えば後述する結合剤等が、粒子同士の間に介在している態様も包含される。
また、本発明および本明細書において、金属元素には、半金属元素も含まれるものとする。1価金属元素としては、Li、Na等が挙げられる。また、2価金属元素としては、Be、Mg、Ca、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、Ag、Cd、Hg、Pb等が挙げられる。5価金属元素としては、Nb、Ta、V、Sb、Bi等が挙げられる。
一態様では、上記1価金属元素および2価金属元素からなる群から選択される金属元素(A元素)は、Li、Mn、Co、NiおよびZnからなる群から選択される1種以上の金属元素を含む。上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、A元素として1価金属元素および2価金属元素からなる群から選択される金属元素を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでもよい。上記ε−酸化鉄型強磁性粉末に2種以上のA元素が含まれる場合、A元素の含有率とは、これら2種以上のA元素の合計含有率をいう。この点は、B元素、C元素等の他の金属元素の含有率についても同様である。
一態様では、上記5価金属元素(B元素)は、V、Nb、Ta、SbおよびBiからなる群から選択される1種以上の金属元素を含む。
一態様では、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、3価金属元素(以下、「C元素」という。)を更に含む。3価金属元素としては、Al、Ga、In、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Tl等が挙げられる。
一態様では、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末において、上記3価金属元素(C元素)の含有率は、Fe100.0原子%に対して0.1〜16.0原子%の範囲である。
一態様では、上記3価金属元素(C元素)は、Al、GaおよびInからなる群から選択される1種以上の金属元素を含む。
一態様では、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末の保磁力Hcは、39kA/m以上400kA/m以下である。
一態様では、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末の転移温度Tcは、450K以上である。
一態様では、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、磁気記録用強磁性粉末である。
一態様では、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、電波吸収用強磁性粉末である。
本発明の一態様によれば、各種用途への適用に適した保磁力を有し、かつ優れた耐熱性を有するε−酸化鉄型強磁性粉末を提供することができる。
保磁力Hcの測定のために実施例3のε−酸化鉄型強磁性粉末について得られたヒステリシス曲線を示す。 転移温度Tcの測定のために実施例3のε−酸化鉄型強磁性粉末について得られた、残留磁化Mrと温度Tとの関係を示す曲線である。
本発明の一態様は、Fe100.0原子%に対して、1価金属元素および2価金属元素からなる群から選択される金属元素(A元素)の含有率が0.2〜16.5原子%の範囲であり、5価金属元素(B元素)の含有率が0.2〜7.5原子%の範囲であり、かつFe以外の金属元素の合計含有率が2.5〜24.0原子%の範囲であるε−酸化鉄型強磁性粉末に関する。
純粋なε−酸化鉄はFe23の組成式で表され、構成元素はFe(鉄)およびO(酸素)である。一方、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、Fe以外の金属元素として、A元素およびB元素をそれぞれ上記含有率で含み、かつFe以外の金属元素の合計含有率が上記範囲である。これにより、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、各種用途への適用に適した保磁力と優れた耐熱性を有することができる。
以下、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末について、更に詳細に説明する。以下に記載の各種元素の含有率は、特記しない限り,Fe100.0原子%に対する含有率である。
<上記ε−酸化鉄型強磁性粉末に含まれる金属元素>
上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、ε−酸化鉄型強磁性粉末であるため必須構成元素としてFeおよびO(酸素)を含む。更に上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、A元素およびB元素を含む。
(A元素)
A元素の含有率は、0.2〜16.5原子%の範囲である。A元素の含有率が0.2原子%以上であることが上記ε−酸化鉄型強磁性粉末が各種用途に適した保磁力を有することができることに寄与し、16.5原子%以下であることが上記ε−酸化鉄型強磁性粉末が優れた耐熱性を有することができることに寄与すると本発明者らは考えている。保磁力の観点からは、A元素の含有率は、1.0原子%以上であることが好ましく、1.5原子%以上であることがより好ましい。また、耐熱性の観点からは、A元素の含有率は、12.5原子%以下であることが好ましく、9.5原子%以下であることがより好ましい。
上記ε−酸化鉄型強磁性粉末に含まれる各種元素の含有率は、公知の元素分析法によって求めることができる。例えば、ε−酸化鉄型強磁性粉末を溶解して得られた溶解液を、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)分析装置における分析に付すことにより、ε−酸化鉄型強磁性粉末に含まれる各種元素の含有率を求めることができる。ε−酸化鉄型強磁性粉末の溶解方法の一例とし、ては、後述の実施例における溶解方法を挙げることができる。ただし、後述の実施例における溶解方法に限定されるものではなく、ε−酸化鉄型強磁性粉末を溶解可能な各種方法を使用することができる。また、元素分析のために用いる分析装置によっては、ε−酸化鉄型強磁性粉末を溶解せずに粉末の状態で分析することもできる。
A元素は、1価金属元素および2価金属元素からなる群から選択される金属元素である。A元素としては、先に記載した各種金属元素を挙げることができ、好ましくはLi、Mn、Co、NiおよびZnからなる群から選択される1種以上の金属元素を挙げることができる。
(B元素)
上記ε−酸化鉄型強磁性粉末におけるB元素の含有率は、0.2〜7.5原子%の範囲である。B元素の含有率が0.2原子%以上であることが上記ε−酸化鉄型強磁性粉末が各種用途に適した保磁力を有することおよび優れた耐熱性を有することができることに寄与し、7.5原子%以下であることが上記ε−酸化鉄型強磁性粉末が優れた耐熱性を有することができることに寄与すると本発明者らは考えている。保磁力および耐熱性の観点から、B元素の含有率は、0.3原子%以上であることが好ましく、0.5原子%以上であることがより好ましい。また、耐熱性の観点から、B元素の含有率は、7.0原子%以下であることが好ましく、5.5原子%以下であることがより好ましく、4.5原子%以下であることが更に好ましい。
B元素は、5価金属元素である。B元素としては、先に記載した各種金属元素を挙げることができ、好ましくはV、Nb、Ta、SbおよびBiからなる群から選択される1種以上の金属元素を挙げることができ、NbおよびTaからなる群から選択される1種以上の金属元素がより好ましい。
先に記載したように、純粋なε−酸化鉄はFe23の組成式で表され、FeとOから構成される。これに対し、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末に含まれるA元素およびB元素の一部または全部は、ε−酸化鉄型の結晶構造において、Feのサイトを置換することができる。また、後述のC元素等の任意に含まれ得る金属元素の一部または全部も、ε−酸化鉄型の結晶構造において、Feのサイトを置換することができる。ある強磁性粉末が、X線回折分析によって主相としてε−酸化鉄型の結晶構造が検出され、かつ公知の元素分析法によって分析してFeおよびO以外の元素が検出される場合、通常、かかる元素の一部または全部によってε−酸化鉄型の結晶構造におけるFeのサイトの一部が置換されていると判断することができる。また、FeのサイトがFeおよびO以外の元素によって置換されていることは、例えば一態様では、X線回折分析によって求められるε−酸化鉄型の結晶構造の格子定数が、純粋なε−酸化鉄(ε−Fe23)の格子定数と異なることによって確認することができる。
(任意に含まれ得る金属元素)
上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、Fe以外の金属元素として、A元素およびB元素を、先に記載した範囲の含有率で含む。上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、Fe以外の金属元素として、A元素およびB元素のみを含んでもよく、A元素およびB元素以外の他の1種以上の金属元素を含んでもよい。A元素およびB元素以外の他の金属元素としては、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末の保磁力の調整容易性の観点から、3価元素(C元素)が好ましい。3価元素としては、先に記載した各種金属元素を挙げることができ、好ましくはAl、GaおよびInからなる群から選択される1種以上の金属元素を挙げることができ、Gaがより好ましい。
上記ε−酸化鉄型強磁性粉末におけるC元素の含有率は、保磁力の調整容易性の観点からは、0.1原子%以上であることが好ましく、0.5原子%以上であることがより好ましく、2.5原子%以上であることがより好ましい。また、耐熱性の観点からは、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末におけるC元素の含有率は、16.0原子%以下であることが好ましく、13.0原子%以下であることがより好ましく、11.0原子%以下であることが更に好ましい。
(Fe以外の金属元素の合計含有率)
上記ε−酸化鉄型強磁性粉末において、Fe以外の金属元素の合計含有率は、2.5〜24.0原子%の範囲である。Fe以外の金属元素の合計含有率が2.5原子%以上であることが上記ε−酸化鉄型強磁性粉末が各種用途に適した保磁力を有することに寄与し、24.0原子%以下であることが上記ε−酸化鉄型強磁性粉末が優れた耐熱性を有することに寄与すると、本発明者らは考えている。保磁力の観点からは、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末におけるFe以外の金属元素の合計含有率は、5.5原子%以上であることが好ましく、7.5原子%以上であることがより好ましい。また、耐熱性の観点からは、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末におけるFe以外の金属元素の合計含有率は、23.5原子%以下であることが好ましく、17.5原子%以下であることがより好ましく、14.5原子%以下であることがより好ましい。
上記ε−酸化鉄型強磁性粉末に含まれるFe以外の金属元素は、少なくともA元素およびB元素であり、好ましくはA元素、B元素およびC元素である。また、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、Fe以外の金属元素として、A元素、B元素およびC元素以外の金属元素を含んでもよく、含まなくてもよい。
<各種物性>
(保磁力Hc)
本発明の一態様にかかる強磁性粉末は、各種用途への適用に適した保磁力Hcを有することができる。各種用途への適用に適した保磁力とは、好ましくは、純粋なε−酸化鉄の保磁力より低い保磁力であり、好ましくは400kA/m以下であり、より好ましくは380kA/m以下であり、更に好ましくは360kA/m以下である。また、各種用途への適用に適した保磁力とは、例えば39kA/m以上であり、150kA/m以上であり、または200kA/m以上である。
保磁力Hcは、公知の振動試料型磁束計によって測定することができる。本発明および本明細書において、保磁力Hcとは、測定温度25℃±1℃にて測定される値である。測定温度とは、保磁力測定時の強磁性粉末周囲の雰囲気温度である。
(転移温度Tc)
強磁性粉末の耐熱性の指標としては、転移温度Tcを挙げることができる。転移温度Tcは、一般に、キュリー点、キュリー温度等とも呼ばれる。転移温度Tcが高い強磁性粉末ほど、耐熱性に優れる強磁性粉末ということができる。本発明の一態様にかかるε−酸化鉄型強磁性粉末は、優れた耐熱性を有することができ、好ましくは転移温度Tcが450K以上であり、457K以上であることがより好ましく、465K以上であることが更に好ましい。また、転移温度Tcは、例えば485K以下であることができる。ただし転移温度は高いほど耐熱性の観点から好ましいため、上記例示した上限を超えてもよい。
<製造方法>
上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、先に記載した含有率および合計含有率で各種金属元素を含むものであればよく、その製造方法は限定されるものではない。上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、ε−酸化鉄型強磁性粉末の製造方法として公知の方法によって製造することができる。製造方法については、例えば、特開2008−174405号公報の段落0017〜0027および同公報の実施例、WO2016/047559A1の段落0025〜0054および同公報の実施例、WO2008/149785A1の段落0037〜0045および同公報の実施例等の公知技術を参照できる。一例として、例えば、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、
酸化鉄型強磁性体の前駆体を調製すること(以下、「前駆体調製工程」とも記載する。)、
上記ε−酸化鉄型強磁性体の前駆体を被膜形成処理に付すこと(以下、「被膜形成工程」とも記載する。)、
上記被膜形成処理後の上記前駆体に熱処理を施すことにより、上記前駆体をε−酸化鉄型強磁性体に転換すること(以下、「熱処理工程」とも記載する。)、および
上記ε−酸化鉄型強磁性体を被膜除去処理に付すこと(以下、「被膜除去工程」とも記載する)、
を経てε−酸化鉄型強磁性粉末を得る製造方法によって得ることができる。以下に、かかる製造方法について更に説明する。ただし以下に記載する製造方法は例示であって、本発明の一態様にかかるε−酸化鉄型強磁性粉末は、以下に例示する製造方法によって製造されたものに限定されるものではない。
(前駆体調製工程)
ε−酸化鉄型強磁性体の前駆体とは、加熱されることによりε−酸化鉄型の結晶構造を主相として含むものとなる物質をいう。前駆体は、例えば、鉄および先に記載した金属元素を含有する水酸化物、オキシ水酸化物(酸化水酸化物)等であることができる。かかる前駆体の調製方法は公知であり、上記製造方法における前駆体調製工程は、公知の方法によって行うことができる。例えば、前駆体調製工程は、共沈法、逆ミセル法等を利用して行うことができる。例えば、前駆体の調製方法については、特開2008−174405号公報の段落0017〜0021および同公報の実施例、WO2016/047559A1の段落0025〜0046および同公報の実施例、WO2008/149785A1の段落0038〜0040、0042、0044〜0045および同公報の実施例等の公知技術を参照できる。本発明の一態様にかかるε−酸化鉄型強磁性粉末は、先に記載したようにFe以外の金属元素を含む。かかるε−酸化鉄型強磁性粉末は、前駆体調製工程において、ε−酸化鉄におけるFeの供給源となる化合物の一部を、上記金属元素の化合物に置換すればよい。その置換量によって、得られるε−酸化鉄型強磁性粉末の組成(各種金属元素の含有率および合計含有率)を制御することができる。Feおよび各種金属元素の供給源となる化合物としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩、塩化物等の無機塩(水和物であってもよい。)、ペンタキス(シュウ酸水素)塩等の有機塩(水和物であってもよい。)、水酸化物、オキシ水酸化物等を挙げることができる。
(被膜形成工程)
前駆体を被膜形成処理後に加熱すると、被膜下で前駆体がε−酸化鉄型強磁性体に転換する反応を進行させることができる。また、被膜は、加熱時に焼結が起こることを防ぐ役割を果たすこともできると考えられる。被膜形成処理は、被膜形成の容易性の観点からは、溶液中で行うことが好ましく、前駆体を含む溶液に被膜形成剤(被膜形成のための化合物)を添加して行うことがより好ましい。例えば、前駆体調製に引き続き同じ溶液中で被膜形成処理を行う場合には、前駆体調製後の溶液に被膜形成剤を添加し攪拌することにより、前駆体に被膜を形成することができる。溶液中で前駆体に被膜を形成することが容易な点で好ましい被膜としては、ケイ素含有被膜を挙げることができる。ケイ素含有被膜を形成するための被膜形成剤としては、例えば、アルコキシシラン等のシラン化合物を挙げることができる。シラン化合物の加水分解によって、好ましくはゾル−ゲル法を利用して、前駆体にケイ素含有被膜を形成することができる。シラン化合物の具体例としては、テトラエトキシシラン(TEOS;Tetraethyl orthosilicate)、テトラメトキシシランおよび各種シランカップリング剤を例示できる。被膜形成処理については、例えば、特開2008−174405号公報の段落0022および同公報の実施例、WO2016/047559A1の段落0047〜0049および同公報の実施例、WO2008/149785A1の段落0041、0043および同公報の実施例等の公知技術を参照できる。なお被膜は前駆体の表面の全部を覆ってもよく、前駆体表面の一部に被膜によって被覆されていない部分があってもよい。
(熱処理工程)
上記被膜形成処理後の前駆体に熱処理を施すことにより、前駆体をε−酸化鉄型強磁性体に転換することができる。熱処理は、例えば被膜形成処理を行った溶液から採取した粉末(被膜を有する前駆体の粉末)に対して行うことができる。熱処理工程については、例えば、特開2008−174405号公報の段落0023および同公報の実施例、WO2016/047559A1の段落0050および同公報の実施例、WO2008/149785A1の段落0041、0043および同公報の実施例等の公知技術を参照できる。
(被膜除去工程)
上記熱処理工程を行うことにより、被膜を有する前駆体はε−酸化鉄型強磁性体に転換される。こうして得られるε−酸化鉄型強磁性体には被膜が残留しているため、好ましくは、被膜除去処理を行う。被膜除去処理については、例えば、特開2008−174405号公報の段落0025および同公報の実施例、WO2008/149785A1の段落0053および同公報の実施例等の公知技術を参照できる。ただし本発明の一態様にかかるε−酸化鉄型強磁性粉末は、被膜除去処理を経ずに製造されたもの、即ち被膜を有するものであってもよい。また、被膜除去処理において完全に被膜が除去されず、一部の被膜が残留しているものでもよい。
以上記載した各種工程の前および/または後に、公知の工程を任意に実施することもできる。かかる工程としては、例えば、洗浄、乾燥等の各種の公知の工程を挙げることができる。
<各種用途>
以上説明した本発明の一態様にかかるε−酸化鉄型強磁性粉末は、各種用途への適用に適した保磁力を有することができ、かつ優れた耐熱性を有することができる。したがって、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、様々な分野における各種用途に適用することができる。例えば、磁気記録分野では、情報が記録される記録媒体(磁気記録媒体)の磁性層に含まれる強磁性粉末の保磁力が高いことは、情報の書き込み(記録)を困難にする。これは、磁性層に含まれる強磁性粉末の保磁力が高いほど、情報の書き込みのために用いる磁気ヘッドとして、より高い飽和磁束密度を有する磁気ヘッドを使用して強い磁場を発生させて情報を書き込まなければならないためである。また、磁性層に含まれる強磁性粉末の耐熱性が低い磁気記録媒体は記録された情報の保持性が低いため、磁気記録媒体の使用中ないし保管中に、磁気記録媒体に記録された情報の一部または全部が消失する現象が発生する場合がある。これに対し、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末を磁性層に用いることにより、情報の記録に適し、しかも記録された情報の保持性に優れる磁気記録媒体を提供することが可能となる。したがって、上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、一態様では、磁気記録用強磁性粉末であることができる。また、本発明の一態様にかかる強磁性粉末は、磁気記録分野における用途以外にも、ε−酸化鉄型強磁性粉末を使用可能な各種用途に用いることができる。そのような用途の一例としては、電波吸収用途を挙げることができる。したがって、本発明の一態様にかかるε−酸化鉄型強磁性粉末は、電波吸収体(電波吸収用強磁性粉末)として使用することもできる。電波吸収用途においても、ε−酸化鉄型強磁性粉末が、純粋なε−酸化鉄より保磁力が低く、かつ耐熱性に優れることは好ましい。本発明および本明細書において、電波とは、3000GHz以下の周波数の電磁波をいう。更に、本発明の一態様にかかるε−酸化鉄型強磁性粉末は、各種電子材料、磁石材料、生体分子標的剤、薬剤キャリア等の、ε−酸化鉄型強磁性粉末を使用可能な様々な用途に適用することもできる。
上記ε−酸化鉄型強磁性粉末は、例えば、結合剤と、任意に溶媒および各種添加剤と混合して調製された組成物(塗布液)の塗布膜の形態で、各種用途に用いることができる。または、粉末の形態もしくは溶液等の液状物の形態で、各種用途に用いることができる。結合剤としては、1種以上の樹脂が用いられる。樹脂には、合成された、または天然の、各種重合体が包含される。重合体は、ホモポリマー(単独重合体)であってもコポリマー(共重合体)であってもよい。また、樹脂には合成または天然のゴムも包含される。ε−酸化鉄型強磁性粉末と併用される結合剤は、各種用途のために公知の結合剤を使用することができる。この点は、溶媒および各種添加剤についても同様である。
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし本発明は、実施例に示す態様に限定されるものではない。以下に記載の操作は、特記しない限り、大気雰囲気中、室温下で行われた。室温は、25℃であった。
[実施例1]
<手順1>
(溶液Aの調製)
純水24.3mLをテフロン(登録商標)製のフラスコに入れ、そこに、硝酸鉄(III)9水和物(Fe供給源)2.85mmol、硝酸コバルト(II)6水和物(A元素供給源)0.1mmol、シュウ酸水素ニオブ(V)17水和物(B元素供給源)0.05mmolを添加した。添加が完了したら、これらを撹拌して溶解させ、溶液Aを得た。
(溶液Bの調製)
濃度25質量%アンモニア水2.0mLを純水22.3mLに投入して撹拌し、溶液Bを得た。
<手順2>
溶液Aへ、溶液Bを滴下した。滴下終了後、得られた混合液を30分間撹拌し続けた。
<手順3>
手順2で得られた混合液を撹拌しながら、この混合液へテトラエトキシシラン0.49mLを添加した。添加後、約1日間、撹拌を継続した。
<手順4>
手順3で得られた混合液を濾過し、沈殿物を採取して純水で洗浄した。
<手順5>
手順4で得られた沈殿物を乾燥させた後、大気雰囲気の炉内(炉内雰囲気温度1050℃)にて4時間熱処理を施し、熱処理粉を得た。
<手順6>
手順5で得られた熱処理粉を、濃度2mol/LのNaOH水溶液へ投入し、24時間撹拌し、熱処理粉の粒子表面に存在するシリカ(被膜)の除去処理を行った。シリカ(被膜)の除去処理に次いで、ろ過、水洗および乾燥を行い、強磁性粉末を得た。
[実施例2〜35、比較例1〜11]
手順1において使用する各種元素の供給源の種類および/または使用量(仕込み量とも呼ぶ。)を、表1に示すように変更した点以外、実施例1と同様の方法により、実施例2〜33および比較例1〜11の各強磁性粉末を得た。
各種元素の供給源としては、下記供給源を使用した。
Fe供給源:Fe(NO33・9H2O(硝酸鉄(III)9水和物)
Co供給源:Co(NO32・6H2O(硝酸コバルト(II)6水和物)
Mn供給源:Mn(NO32・6H2O(硝酸マンガン(II)6水和物)
Li供給源:LiOH(水酸化リチウム)
Zn供給源:Zn(NO32・6H2O(硝酸亜鉛(II)6水和物)
Ni供給源:Ni(NO32・6H2O(硝酸ニッケル(II)6水和物)
Nb供給源:Nb(HC245・17H2O(ペンタキス(しゅう酸水素)ニオブ(V)17水和物)
Ta供給源:K8Ta6O19・21H2O(六タンタル酸カリウム21水和物)
Ga供給源:Ga(NO33・8H2O(硝酸ガリウム(III)8水和物)
Ti供給源:Ti(SO42(30質量%硫酸チタン水溶液)
表1に、実施例1〜35および比較例1〜11における手順1での各種元素の供給源の使用量(仕込み量)を示し、表2に、仕込み量から算出されるFe100.0原子%に対する各種金属元素の割合を示す。
[評価方法]
(1)X線回折分析
上記で得られた強磁性粉末から試料粉末を採取しX線回折分析した。分析の結果、上記手順によって得られた実施例および比較例の各強磁性粉末が、ε−酸化鉄型強磁性粉末であることが確認された。
(2)各種金属元素の含有率
実施例および比較例の各ε−酸化鉄型強磁性粉末から試料粉末を12mg採取し、4mol/L塩酸10mlを入れた容器に加えた。
上記容器を設定温度80℃のホットプレート上で3時間保持して粉末の溶解液を得た。溶解液を目視で観察したところ、固形分は確認されなかったことから、粉末が完溶したと判断した。
上記溶解液を孔径0.1μmのメンブレンフィルタでろ過した。こうして得られたろ液の元素分析を誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)−AES(Auger Electron Spectroscopy)分析装置によって行い、得られた元素組成から各種金属元素のFe100.0原子%に対する含有率および合計含有率を求めた。
(3)保磁力Hc
実施例および比較例の各ε−酸化鉄型強磁性粉末の保磁力Hcを、振動試料型磁束計(東英工業社製)を用いて磁場強度3580kA/mで測定し、得られたヒステリシス曲線(「M−H曲線」と呼ばれる。)から保磁力Hcを求めた。
一例として、実施例3のε−酸化鉄型強磁性粉末について得られたヒステリシス曲線を図1に示す。
(4)転移温度Tc
振動試料型磁束計(東英工業社製)を用いて、1190kA/mの磁場強度で磁場をかけた後、磁場強度を0に戻した時の磁化(残留磁化)を223K、248K、273K、298K、323K、373K、423Kおよび473Kの各温度で測定し、残留磁化Mrと温度Tとの関係を示す曲線を描き、残留磁化が0となる温度をTcとした。
一例として、実施例3のε−酸化鉄型強磁性粉末について得られた残留磁化Mrと温度Tとの関係を示す曲線を、図2に示す。
以上の結果を、表3に示す。
表3に示す実施例と比較例との対比から、実施例のε−酸化鉄型強磁性粉末は、各種用途への適用に適した保磁力と優れた耐熱性とを兼ね備えていることが確認できる。
本発明は、ε−酸化鉄型強磁性粉末を使用可能な様々な技術分野において有用である。

Claims (10)

  1. Fe100.0原子%に対して、
    1価金属元素および2価金属元素からなる群から選択される金属元素の含有率が、0.2〜16.5原子%の範囲であり、
    5価金属元素の含有率が、0.2〜7.5原子%の範囲であり、かつ
    Fe以外の金属元素の合計含有率が、2.5〜24.0原子%の範囲である、ε−酸化鉄型強磁性粉末。
  2. 前記1価金属元素および2価金属元素からなる群から選択される金属元素は、Li、Mn、Co、NiおよびZnからなる群から選択される1種以上の金属元素を含む、請求項1に記載のε−酸化鉄型強磁性粉末。
  3. 前記5価金属元素は、V、Nb、Ta、SbおよびBiからなる群から選択される1種以上の金属元素を含む、請求項1または2に記載のε−酸化鉄型強磁性粉末。
  4. 3価金属元素を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のε−酸化鉄型強磁性粉末。
  5. Fe100.0原子%に対して、前記3価金属元素の含有率が0.1〜16.0原子%の範囲である、請求項4に記載のε−酸化鉄型強磁性粉末。
  6. 前記3価金属元素は、Al、GaおよびInからなる群から選択される1種以上の金属元素を含む、請求項4または5に記載のε−酸化鉄型強磁性粉末。
  7. 保磁力Hcが39kA/m以上400kA/m以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のε−酸化鉄型強磁性粉末。
  8. 転移温度Tcが450K以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のε−酸化鉄型強磁性粉末。
  9. 磁気記録用強磁性粉末である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のε−酸化鉄型強磁性粉末。
  10. 電波吸収用強磁性粉末である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のε−酸化鉄型強磁性粉末。
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