JP2018105999A - 超解像顕微鏡 - Google Patents

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池滝 慶記
Yoshinori Iketaki
慶記 池滝
英明 加納
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英明 加納
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Abstract

【課題】小型に構成でき、光学調整も容易にできる超解像顕微鏡を提供する。
【解決手段】超解像顕微鏡は、照明光学系と検出光学系とを備える。照明光学系は、光源10と、照明光分波部20と、照明光遅延部30と、照明光合波部40と、を有する。光源10は、有限の連続波長帯成分を含むパルス光を射出する。照明光分波部20は、光源10の射出光から第1の光と第2の光とを分波する。照明光遅延部30は、第1の光に対して第2の光を遅延させる。照明光合波部40は、照明光遅延部30からの第1の光及び第2の光を合波する。検出光学系は、照明光合波部40で合波された第1の光及び第2の光による試料Sからの応答光を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、超解像顕微鏡に関するものである。
超解像顕微鏡として、例えば、少なくとも2以上の励起量子状態をもつ分子を含む試料を、2重共鳴吸収過程を用いて回折限界を超える高い空間分解能で観察可能な蛍光顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1、2に開示の蛍光顕微鏡は、試料中の分子を安定状態、例えば基底状態から第1量子状態に励起するためのポンプ光と分子を更に他の量子状態に遷移させるためのイレース光とを一組として、回折限界以下に収縮した蛍光スポットにより試料面を空間走査する。そして、各計測点の蛍光信号をコンピュータ上で2次元的に配列して画像処理することにより、回折限界の空間分解能を上回る解像度を有する蛍光画像を得ている。
その代表例として、蛍光色素分子を含む試料にポンプ光を照射して、蛍光色素分子を第1量子状態に励起する。さらに、試料にイレース光を照射して、蛍光色素分子を他の量子状態に強制遷移させることで第1量子状態の分子をクェンチする。その結果として、第1量子状態からの蛍光緩和を抑制する。この際、対物レンズによりポンプ光と中空状のイレース光とを試料に同時に照射すれば、蛍光色素で染色された試料面に形成される蛍光スポットは、中心部を残し回折限界以下に収縮される。
特開2001−100102号公報 特開2010−15026号公報
超解像顕微鏡の原理自体は単純である。技術的には、いかにポンプ光と中空状のイレース光とを同軸で試料に集光させるかが重要である。すなわち、ポンプ光の光軸とイレース光の光軸とが多少でもずれると、蛍光スポットのピークが蛍光抑制されて、蛍光スポットの形状が乱れることになる。その結果、空間分解能が低下して、画質が劣化することになる。
ポンプ光とイレース光との光軸ずれの主な原因は、ポンプ光用のレーザ光源とイレース光用のレーザ光源との2台のレーザ光源を用い、これら2台のレーザ光源からの射出光の光軸を同軸に合わせる必要があるからである。
一方、近年では、ポンプ光及びイレース光を共通の1本のシングルモードファイバを経て2色性の位相板に入射させることで、ポンプ光及びイレース光を軸ずれすることなく試料に照射する方法もが考案されている(例えば、Optics Letters Vol. 40, Issue 6, pp. 1057-1060 (2015))。
しかし、上記の場合であっても、ポンプ光用のレーザ光源とイレース光用のレーザ光源とを用いるため、これら複数台のレーザ光源からのポンプ光とイレース光とを合波させて共通のシングルモードファイバに入射させる光学システムが必要となる。また、色素の分光特性に応じてレーザ光源を入れ替えて、ポンプ光とイレース光とを導入する必要がある。そのため、顕微鏡システムの構成が大掛かりになるとともに、色素に応じた光学調整も面倒となり、改善が望まれている。
したがって、かかる観点に鑑みてなされた本発明の目的は、小型に構成でき、光学調整も容易にできる超解像顕微鏡を提供することにある。
上記目的を達成する本発明に係る超解像顕微鏡は、
試料中の分子を励起させる第1の光及び前記分子の励起を抑制する第2の光を、少なくとも一部を空間的に重ね合わせて前記試料に集光して照射する照明光学系と、
前記照明光の前記試料への照射による該試料からの応答光を検出する検出光学系と、を備え、
前記照明光学系は、光源と、照明光分波部と、照明光遅延部と、照明光合波部と、を有し、
前記光源は、有限の連続波長帯成分を含むパルス光を射出し、
前記照明光分波部は、前記光源の射出光から前記第1の光と前記第2の光とを分波し、
前記照明光遅延部は、前記第1の光に対して前記第2の光を遅延させ、
前記照明光合波部は、前記照明光遅延部からの前記第1の光及び前記第2の光を合波し、
前記検出光学系は、前記照明光合波部で合波された前記第1の光及び前記第2の光による前記試料からの前記応答光を検出する。
前記光源は、スーパーコンティニュアム光源とするとよい。
前記照明光分波部は、前記光源の射出光から前記第1の光又は前記第2の光を有限の波長帯域に制限して分光してもよい。
前記照明光分波部は第1のファイバカプラを有し、
前記第1のファイバカプラにより前記光源の射出光から前記第1の光及び前記第2の光を分波してもよい。
前記照明光分波部は、前記光源の射出光を2分岐する分岐ファイバと、該分岐ファイバの一方の分岐端に結合された第1のファイバグレーティング及び他方の分岐端に結合された第2のファイバグレーティングと、を有し、
前記第1のファイバグレーティングは前記第1の光を透過し、前記第2のファイバグレーティングは前記第2の光を透過してもよい。
前記照明光分波部は、前記第1のファイバカプラの入射端に結合された第3のファイバグレーティングを有し、
前記第3のファイバグレーティングは、前記第1の光及び前記第2の光を透過してもよい。
前記照明光遅延部は、前記第1の光を導波する第1のファイバと、前記第2の光を導波する第2のファイバと、を有し、
前記第2のファイバにおける前記第2の光の光路長は、前記第1のファイバにおける前記第1の光の光路長よりも長いとよい。
前記照明光遅延部は光サーキュレータを有し、
前記第2の光は前記光サーキュレータを経て前記第1の光の光路長よりも長い光路長を導波してもよい。
前記照明光分波部は、前記光源の射出光を2分岐する分岐ファイバと、該分岐ファイバの一方の分岐端に結合されて前記第1の光を透過する第1のファイバグレーティングと、前記分岐ファイバの他方の分岐端に結合されて前記第2の光を透過する第2のファイバグレーティングと、を有し、
前記照明光遅延部は、前記第1の光を導波する第1のファイバと、前記第2の光を導波する第2のファイバと、を有し、
前記第2のファイバにおける前記第2の光の光路長は、前記第1のファイバにおける前記第1の光の光路長よりも長く、
前記第1のファイバグレーティングは前記第1のファイバに形成され、前記第2のファイバグレーティングは前記第2のファイバに形成されてもよい。
前記照明光合波部は第2のファイバカプラを有し、
前記照明光遅延部からの前記第1の光及び前記第2の光を前記第2のファイバカプラにより合波してもよい。
少なくとも前記照明光分波部及び前記照明光遅延部は、前記照明光学系に対して着脱可能であるとよい。
本発明によれば、小型に構成でき、光学調整も容易にできる超解像顕微鏡を提供することが可能となる。
第1実施の形態に係る超解像顕微鏡の要部の概略構成を模式的に示す図である。 図1のスーパーコンティニュアム光源から射出される白色レーザ光の光スペクトルの一例を示す図である。 図1の空間変調素子の一例の概略構成を示す平面図である。 図3Aの空間変調素子の光学特性を説明するための図である。 図1の空間変調素子の他の例の概略構成を示す平面図である。 図4Aの空間変調素子の光学特性を説明するための図である。 第2実施の形態に係る超解像顕微鏡の要部の概略構成を模式的に示す図である。 ライン発振のレーザ光を用いた場合のイレース光の焦点面における集光パターンの強度分布を示す図である。 白色レーザ光を用いた場合のイレース光の焦点面における集光パターンの強度分布を示す図である。 第3実施の形態に係る超解像顕微鏡の要部の概略構成を模式的に示す図である。 照明光遅延部の変形例を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態に係る超解像顕微鏡の概略構成を模式的に示す図である。本実施の形態に係る超解像顕微鏡は、少なくとも2以上の励起量子状態をもつ蛍光色素で染色された試料Sを観察するもので、蛍光色素を安定状態から第1量子状態に励起するための第1の光(ポンプ光)と蛍光色素を更に他の量子状態に遷移させて蛍光色素の励起を抑制するための第2の光(イレース光)とを照明光として用いる。
ポンプ光及びイレース光は、光源10の射出光から生成される。光源10は、有限の連続波長帯成分を含むパルス光を射出する。本実施の形態では、光源10として、スーパーコンティニュアム光源が用いられる。スーパーコンティニュアム光源10は、例えばマスターレーザ光源11とシングルモードのフォトニック結晶ファイバ12とを用いて構成される。マスターレーザ光源11としては、例えばハイパワーの超短パルス光を射出するマイクロチップNd:YAGレーザが用いられる。
マイクロチップNd:YAGレーザの射出光をフォトニック結晶ファイバ12に導入すると、非線形光学効果により図2に示すような光スペクトルを有する白色レーザ光が発生する。図2から明らかなように、この場合に発生する光スペクトルは、波長が500nmから2000nmまでと広帯域であり、特に波長1064nmでは、強度の高いマイクロチップNd:YAGレーザの発振光が重複している。
本実施の形態では、試料Sが超解像顕微鏡で実績のあるナイルレッド色素分子で染色されているものとする。この場合、照明光として、波長500nmの領域のポンプ光と波長650nmの領域のイレース光とが用いられる。これらの光を含め、スーパーコンティニュアム光源10からは、全波長領域の白色光が出力される。したがって、この白色光からポンプ光の波長帯域とイレース光の波長帯域とを分光して取り出すことができる。
しかし、一般にフォトニック結晶ファイバ12を含め光学ファイバは、光学定数に関して正の分散特性を有している。そのため、導波する光学ファイバのコアの屈折率は、波長の短いポンプ光のほうが波長の長いイレース光よりも大きくなる。その結果、相対的にポンプ光の光路長が長くなり、ポンプ光及びイレース光のそれぞれの波長や光学ファイバの長さによっては、イレース光パルスがポンプ光パルスよりも先に試料Sに到達する場合がある。
このような照明条件下では、試料Sが第1電子状態に励起される前に、試料Sにイレース光が到達するために蛍光抑制効果を誘導できず、超解像顕微鏡観察ができなくなる。したがって、ポンプ光をイレース光に先行して、試料Sに到達させるための工夫が必要となる。
そこで、本実施の形態では、照明光学系に照明光分波部20と照明光遅延部30と照明光合波部40とを設けて、スーパーコンティニュアム光源10の射出光から、ポンプ光とイレース光とを、ポンプ光がイレース光よりも先行させて同軸で取り出す。
照明光分波部20は、スーパーコンティニュアム光源10の射出光からポンプ光とイレース光とを分光して分波する。照明光分波部20は、例えばファイバカプラ(第1のファイバカプラ)21を用いて構成される。ファイバカプラは、複数のシングルモードファイバのコアを平行に溶着させた構造を有する。異なる波長の光がそれぞれのファイバから入射すると染み出し効果により合波されて、何れかのファイバを共通に伝播する。溶着の長さと夫々の光の波長の定在波が立つ条件で結合比がきまる。ファイバカプラでの光の伝播は可逆的で、反対から多色の光を入射すると、夫々の波長に応じて異なるファイバから分波されて射出される。
本実施の形態では、ファイバカプラ21として、1本の入射ファイバ22と2本の射出ファイバとを有する1×2カプラを用いる。ファイバカプラ21の入射ファイバ22は、FCコネクタ(Fiber Connector)23を介してスーパーコンティニュアム光源10のフォトニック結晶ファイバ12の射出端に着脱自在に結合される。これにより、スーパーコンティニュアム光源10の射出光から、ポンプ光とイレース光とを分光して、ファイバカプラ21の2本の射出ファイバから分波して取り出す。ファイバカプラ21で分波されたポンプ光及びイレース光は、照明光遅延部30に入射される。
照明光遅延部30は、照明光分波部20で分波されたポンプ光及びイレース光を、ポンプ光に対してイレース光を遅延させて、ポンプ光をイレース光よりも先行させる。照明光遅延部30は、例えば長さの異なる2本のシングルモードの第1のファイバ31と第2のファイバ32とを有して構成される。本実施の形態において、第1のファイバ31は、第2のファイバ32よりも長さが短い。第1のファイバ31の入射端は、ファイバカプラ21のポンプ光を射出する射出ファイバに結合される。第2のファイバ32の入射端は、ファイバカプラ21のイレース光を射出する射出ファイバに結合される。
第1のファイバ31及び第2のファイバ32は、それぞれの長さを調整して、第2のファイバ32におけるイレース光の光路長を、第1のファイバ31におけるポンプ光の光路長よりも長くする。これにより、ポンプ光及びイレース光に対して異なる所望の遅延を発生させて、ポンプ光に対してイレース光を遅延させる。第1のファイバ31及び第2のファイバ32からそれぞれの射出されるポンプ光及びイレース光は、照明光合波部40に入射される。
照明光合波部40は、照明光遅延部30からのポンプ光及びイレース光を合波する。照明光合波部40は、例えば2本の入射ファイバと1本の射出ファイバ42とを有する2×1のファイバカプラ(第2のファイバカプラ)41を用いて構成される。ファイバカプラ41の一方の入射ファイバは、照明光遅延部30の第1のファイバ31の射出端に結合される。ファイバカプラ41の他方の入射ファイバは、照明光遅延部30の第2のファイバ32の射出端に結合される。これにより、照明光遅延部30で遅延量が調整されたポンプ光及びイレース光を同軸に合波して、射出端から射出させる。
ここで、照明光分波部20を構成するファイバカプラ21の2本の射出ファイバと、照明光遅延部30を構成する第1のファイバ31及び第2のファイバ32とは、それぞれFCコネクタを介して着脱自在に結合することができる。他の例として、第1のファイバ31及び第2のファイバ32を含んでファイバカプラ21を形成することにより、照明光分波部20と照明光遅延部30とを一体に構成することもできる。
また、照明光遅延部30を構成する第1のファイバ31及び第2のファイバ32と、照明光合波部40を構成するファイバカプラ41の2本の入射ファイバとは、それぞれFCコネクタを介して着脱自在に結合することができる。他の例として、第1のファイバ31及び第2のファイバ32を含んでファイバカプラ41を形成することにより、照明光遅延部30と照明光合波部40とを一体に構成することもできる。あるいは、第1のファイバ31及び第2のファイバ32を含んでファイバカプラ21とファイバカプラ41とを形成することにより、照明光分波部20、照明光遅延部30及び照明光合波部40を一体に構成することもできる。
ファイバカプラ41の射出ファイバ42から導入されるポンプ光及びイレース光は、コリメータレンズ51により共通にコリメートされた後、アイリス52及びバンドパスフィルタ53を透過してガルバノミラー光学系54に導入される。バンドパスフィルタ53は、ポンプ光及びイレース光を透過し、試料Sからの蛍光を反射するように構成される。
ガルバノミラー光学系54に導入されたポンプ光及びイレース光は、ガルバノミラー光学系54により二次元方向に偏向走査されて、瞳投影レンズ55及び空間変調素子56を経て顕微鏡対物レンズ57により試料Sに集光される。空間変調素子56は、顕微鏡対物レンズ57により集光されるポンプ光及びイレース光に対し、ポンプ光が光強度の極大値を持ち、イレース光が光強度の極小値を持つように、ポンプ光及びイレース光のいずれか一方の少なくとも一部の偏光状態又は位相状態を変調するように構成される。
例えば、空間変調素子56は、ポンプ光については顕微鏡対物レンズ57により通常のガウスビームとしてビーム整形されることなく集光させる。また、イレース光については顕微鏡対物レンズ57の焦点で強度が最小となる中空状にビーム整形されて集光されるように変調する。これにより、試料Sには、ポンプ光の照射領域の周囲の蛍光発光が抑制された回折限界を超える蛍光スポットが形成される。
空間変調素子56は、例えば図3A及び図3Bに示すように多層膜を用いて構成することができる。図3A及び図3Bは、この場合の空間変調素子56の概略構成を示す平面図及び空間変調素子56の光学特性を説明するための図である。この空間変調素子56は、ガラス基板56a上の入射光束の全領域を変調領域とし、この変調領域に光軸の周りに分割された複数領域、ここでは8領域を有し、その8領域にイレース光の波長λeに対して、λe/8ずつ位相が異なるように多層膜56bが形成されている。
ここで、多層膜56bは、図3Bにポンプ光及びイレース光の位相分布を模式的に示すように、イレース光に対してはラゲール・ガウシアンビームとなるように段階的に位相が増加し、全体で2π周回する様に設計される。一方、ポンプ光に対しては、多層膜56bは、波長分散性により各領域でポンプ光の波長λpに対して2πの整数倍の位相変化が発生するように設計される。
空間変調素子56は、例えば図3Aの多層膜56bに代えて、各領域に独立に単層膜をコートして、ポンプ光とイレース光とに位相差(光路差)を与えるように構成することもできる。また、空間変調素子56は、例えば図3Aの多層膜56bに代えて、ガラス基板56aを放射線状に分割し、各領域のエッチングの深さを調整して、ポンプ光とイレース光とに対して独立の位相差を与えるように構成することもできる。
空間変調素子56は、例えば図4A及び図4Bに示すように波長板を用いて構成することもできる。図4A及び図4Bは、この場合の空間変調素子56の概略構成を示す平面図及び光学特性を説明するための図である。この空間変調素子56は、同心円状に接合された円柱基板56c及び輪帯基板56dを有する。
円柱基板56c及び輪帯基板56dは、それぞれ直交する進相軸(実線矢印で示す)及び遅相軸(破線矢印で示す)を有する例えば水晶基板からなり、円柱基板56cの進相軸と輪帯基板56dの進相軸とが直交するよう接合される。円柱基板56c及び輪帯基板56dは、イレース光に対しては半波長板、ポンプ光に対しては1波長板となるように、それぞれの厚みが調整されて、ポンプ光及びイレース光の偏光状態を変調する。
図4Aの空間変調素子56は、図4Bに示すように、ポンプ光は同相で透過し、イレース光は位相が反転されて透過する。この空間変調素子56を透過したポンプ光は、顕微鏡対物レンズ57で集光されると、通常のガウスビームに近い形で集光される。これに対し、空間変調素子56を透過したイレース光は、顕微鏡対物レンズ57で集光されると、干渉により焦点のみで電場相殺されるので、3次元的な中空ビームとして集光される。したがって、この場合は、光軸方向にも蛍光スポットを収縮できるので、3次元的な超解像効果が得られる。
空間変調素子56は、例えばフォトニック結晶材料からなる結晶基板に回折限界の微小なホール又はピットパターンを配列して構成することもできる。ホール又はピットパターンは、そのサイズ及び/又は間隔を調整することで、特定の波長に対する屈折率を調整することができる。
例えば、ホール又はピットパターンを、結晶基板の平面内で直交する方向に対して、異なるサイズ及び/又は間隔で配列すると、直交方向で異なる屈折率を与えることができる。この特性を利用することで、ポンプ光及びイレース光に対して独立に異なる屈折率を与えることができる。これにより、空間変調素子56を透過したポンプ光及びイレース光を、顕微鏡対物レンズ57により、同様に、ポンプ光は光強度の極大値を持ち、イレース光は光強度の極小値を持つように、試料Sに集光させることができる。
一方、ポンプ光の照射により試料Sから発生する蛍光は、ポンプ光及びイレース光の照明光の光路を逆に辿ってバンドパスフィルタ53に入射され、該バンドパスフィルタ53で反射されて照明光学系の光路から分離される。バンドパスフィルタ53で反射された蛍光は、ブロックフィルタ58で蛍光のみが取り出された後、集光レンズ59に集光されて、ピンホール60を経てフォトマルチプライヤ等の光検出器61で受光される。
上記構成において、照明光学系は、スーパーコンティニュアム光源10、照明光分波部20、照明光遅延部30、照明光合波部40、コリメータレンズ51、空間変調素子56及び顕微鏡対物レンズ57を含んで構成される。検出光学系は、バンドパスフィルタ53、ブロックフィルタ58、集光レンズ59、ピンホール60、光検出器61を含んで構成される。
本実施の形態によると、ポンプ光及びイレース光を、スーパーコンティニュアム光源10から射出される有限の連続波長帯成分を含むパルス光から取り出している。したがって、ポンプ光及びイレース光を別々の光源から得る場合と比較して、超解像顕微鏡全体を小型に構成できるとともに、光学調整も容易にできる。
また、少なくとも照明光分波部20及び照明光遅延部30は、照明光学系に対して着脱自在に構成することができる。したがって、種々の色素分子に対応する照明光分波部20及び照明光遅延部30を用意しておくことで、観察に用いる色素分子に応じた照明光分波部20及び照明光遅延部30を、FCコネクタ等の脱着だけで簡単かつ迅速に交換して最適化することが可能となり、光軸調整の手間も不要となる。
例えば、キサンテン系の色素分子の場合は、ナイルレッド色素分子の場合と同様に、イレース光の波長はポンプ光の波長よりも長くなる。これに対し、フォトクロミック系の色素分子の場合は、イレース光の波長はポンプ光の波長よりも短くなる。このような場合でも、観察に用いる色素分子に応じて超解像顕微鏡を容易に最適化することが可能となる。
(第2実施の形態)
図5は、第2実施の形態に係る超解像顕微鏡の要部の概略構成を模式的に示す図である。本実施の形態に係る超解像顕微鏡は、図1において、照明光分波部20の構成が異なるものである。以下、異なる点について説明する。
照明光分波部20は、分岐ファイバ25と、第1のファイバグレーティング26と、第2のファイバグレーティング27と、を有して構成される。分岐ファイバ25は、2分岐ファイバで構成され、1つの入射端がFCコネクタ23を介してスーパーコンティニュアム光源10のフォトニック結晶ファイバ12の射出端に着脱自在に結合される。
第1のファイバグレーティング26は、入射端が分岐ファイバ25の一方の分岐端に結合され、射出端が照明光遅延部30の第1のファイバ31の入射端に結合される。第2のファイバグレーティング27は、入射端が分岐ファイバ25の他方の分岐端に結合され、射出端が照明光遅延部30の第2のファイバ32の入射端に結合される。
第1のファイバグレーティング26及び第2のファイバグレーティング27は、光ファイバコア内の周期的な屈折率変調により波長選択的な反射フィルタとして機能する。本実施の形態では、第1のファイバグレーティング26がポンプ光の波長帯域を選択的に透過して、その他の波長帯域を反射し、第2のファイバグレーティング27がイレース光の波長帯域を選択的に透過して、その他の波長帯域を反射する。これにより、スーパーコンティニュアム光源10の射出光から、ポンプ光とイレース光とが分光されて、照明光遅延部30の第1のファイバ31及び第2のファイバ32にそれぞれ入射される。
なお、第1のファイバグレーティング26及び第2のファイバグレーティング27は、照明光遅延部30を構成する第1のファイバ31及び第2のファイバ32にそれぞれ形成してもよい。他の例として、第1のファイバグレーティング26及び第2のファイバグレーティング27は、分岐ファイバ25を構成する2本の射出ファイバにそれぞれ形成してもよい。
本実施の形態によれば、第1実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態によると、ファイバグレーティングを用いて白色レーザ光からポンプ光及びイレース光をそれぞれ分光するので、ファイバグレーティングの溝、間隔等を調整することにより、ライン発振のレーザ光とは異なり、有限の帯域幅を持ったポンプ光及びイレース光を取り出すことができる。
図6Aは、ライン発振のレーザ光を用いた場合のイレース光の焦点面における集光パターンの強度分布を示す図である。図6Bは、白色レーザ光を用いた場合のイレース光の焦点面における集光パターンの強度分布を示す図である。図6Aは、イレース光の波長λeが、646nm<λe<647nmの場合である。図6Bは、波長λeの中心波長が647nmで、帯域幅が約30nmである634nm<λe<660nmの場合である。なお、いずれの場合も、図1に示した空間変調素子56は、図4A及び図4Bに示した輪帯型波長板で変調した。
図6A及び図6Bの比較から明らかなように、白色レーザ光から帯域幅を有するイレース光を分光する場合でも、焦点面に集光されるイレース光の中心部の強度はゼロとなる。したがって、超解像顕微鏡のイレース光として十分使用することができ、白色レーザ光の特徴を生かして、試料Sを効率的に照明することができる。
(第3実施の形態)
図7は、第3実施の形態に係る超解像顕微鏡の要部の概略構成を模式的に示す図である。本実施の形態に係る超解像顕微鏡は、図1において、照明光分波部20の構成が異なるものである。以下、異なる点について説明する。
照明光分波部20は、ファイバカプラ21の入射ファイバ22に結合された第3のファイバグレーティング28を有する。第3のファイバグレーティング28は、入射端がFCコネクタ23を介してフォトニック結晶ファイバ12の射出端に着脱自在に結合される。第3のファイバグレーティング28は、スーパーコンティニュアム光源10から射出される白色レーザ光から、ポンプ光及びイレース光の2つの有限波長帯域の透過率を高め、他の波長領域の光をカットするように、溝の間隔及び周期が最適化された2バンド透過フィルタとして機能する。
第3のファイバグレーティング28を選択的に透過するポンプ光及びイレース光は、ファイバカプラ21で分波されて、ポンプ光が第1のファイバ31に入射され、イレース光が第2のファイバ32に入射されて、ポンプ光に対してイレース光が遅延される。その他の構成は、第1実施の形態と同様である。
本実施の形態によれば、第2実施の形態と同様の効果が得られる。なお、第3のファイバグレーティング28は、射出端がFCコネクタを介してファイバカプラ21の入射ファイバ22に結合されてもよい。他の例として、第3のファイバグレーティング28は、ファイバカプラ21の入射ファイバ22に一体に形成されてもよい。
なお、本発明は上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形又は変更が可能である。例えば、照明光遅延部30は、図8に示すように光サーキュレータ35を用いて構成することもできる。図8に示す光サーキュレータ35は、第1ポート36−1、第2ポート36−2及び第3ポート36−3を有する。
第1ポート36−1は、FCコネクタ等を介して照明光分波部20の一方の射出端に結合される。第2ポート36−2は、FCコネクタ等を介してファイバ37の一端に結合される。ファイバ37の他端には、反射部材38が配置される。第3のポート36−3は、FCコネクタ等を介して照明光合波部40の一方の入射端に結合される。
これにより、照明光分波部20で分波される例えばイレース光は、第1ポート36−1に入射されて第2ポート36−2からファイバ37に導波される。ファイバ37に導波されたイレース光は、反射部材38で反射されてファイバ37を逆方向に導波して、第3ポート36−3を経て照明光合波部40に入射される。
図8に示すような光サーキュレータ35を用いれば、第2ポート36−2に結合されるファイバ37の長さを適宜変更することにより、ポンプ光に対するイレース光の遅延量を容易に最適化することができる。
また、上記実施の形態では、スーパーコンティニュアム光源10を用いて白色レーザ光を得ている。この場合、白色レーザ光のスペクトルには、図2に示したようにショートパルスの尖頭値の高いマスターレーザ光源11の発振光が重複している。このショートパルスの光は、多光子励起を誘導することができる。したがって、このショートパルスを利用することで、1台のスーパーコンティニュアム光源10を用いて、光を分けることなく多光子励起を併用した超解像顕微鏡を実現することもできる。
10 光源(スーパーコンティニュアム光源)
11 マスターレーザ光源
12 フォトニック結晶ファイバ
20 照明光分波部
21 ファイバカプラ(第1のファイバカプラ)
23 FCコネクタ
25 分岐ファイバ
26 第1のファイバグレーティング
27 第2のファイバグレーティング
28 第3のファイバグレーティング
30 照明光遅延部
31 第1のファイバ
32 第2のファイバ
35 光サーキュレータ
40 照明光合波部
41 ファイバカプラ(第2のファイバカプラ)
53 バンドパスフィルタ
54 ガルバノミラー光学系
56 空間変調素子
57 顕微鏡対物レンズ
58 ブロックフィルタ
59 集光レンズ
60 ピンホール
61 光検出器
S 試料

Claims (11)

  1. 試料中の分子を励起させる第1の光及び前記分子の励起を抑制する第2の光を、少なくとも一部を空間的に重ね合わせて前記試料に集光して照射する照明光学系と、
    前記照明光の前記試料への照射による該試料からの応答光を検出する検出光学系と、を備え、
    前記照明光学系は、光源と、照明光分波部と、照明光遅延部と、照明光合波部と、を有し、
    前記光源は、有限の連続波長帯成分を含むパルス光を射出し、
    前記照明光分波部は、前記光源の射出光から前記第1の光と前記第2の光とを分波し、
    前記照明光遅延部は、前記第1の光に対して前記第2の光を遅延させ、
    前記照明光合波部は、前記照明光遅延部からの前記第1の光及び前記第2の光を合波し、
    前記検出光学系は、前記照明光合波部で合波された前記第1の光及び前記第2の光による前記試料からの前記応答光を検出する、
    超解像顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の超解像顕微鏡において、
    前記光源は、スーパーコンティニュアム光源である、
    超解像顕微鏡。
  3. 請求項1又は2に記載の超解像顕微鏡において、
    前記照明光分波部は、前記光源の射出光から前記第1の光又は前記第2の光を有限の波長帯域に制限して分光する、
    超解像顕微鏡。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記照明光分波部は第1のファイバカプラを有し、
    前記第1のファイバカプラにより前記光源の射出光から前記第1の光及び前記第2の光を分波する、
    超解像顕微鏡。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記照明光分波部は、前記光源の射出光を2分岐する分岐ファイバと、該分岐ファイバの一方の分岐端に結合された第1のファイバグレーティング及び他方の分岐端に結合された第2のファイバグレーティングと、を有し、
    前記第1のファイバグレーティングは前記第1の光を透過し、前記第2のファイバグレーティングは前記第2の光を透過する、
    超解像顕微鏡。
  6. 請求項4に記載の超解像顕微鏡において、
    前記照明光分波部は、前記第1のファイバカプラの入射端に結合された第3のファイバグレーティングを有し、
    前記第3のファイバグレーティングは、前記第1の光及び前記第2の光を透過する、
    超解像顕微鏡。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記照明光遅延部は、前記第1の光を導波する第1のファイバと、前記第2の光を導波する第2のファイバと、を有し、
    前記第2のファイバにおける前記第2の光の光路長は、前記第1のファイバにおける前記第1の光の光路長よりも長い、
    超解像顕微鏡。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記照明光遅延部は光サーキュレータを有し、
    前記第2の光は前記光サーキュレータを経て前記第1の光の光路長よりも長い光路長を導波される、
    超解像顕微鏡。
  9. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記照明光分波部は、前記光源の射出光を2分岐する分岐ファイバと、該分岐ファイバの一方の分岐端に結合されて前記第1の光を透過する第1のファイバグレーティングと、前記分岐ファイバの他方の分岐端に結合されて前記第2の光を透過する第2のファイバグレーティングと、を有し、
    前記照明光遅延部は、前記第1の光を導波する第1のファイバと、前記第2の光を導波する第2のファイバと、を有し、
    前記第2のファイバにおける前記第2の光の光路長は、前記第1のファイバにおける前記第1の光の光路長よりも長く、
    前記第1のファイバグレーティングは前記第1のファイバに形成され、前記第2のファイバグレーティングは前記第2のファイバに形成されている、
    超解像顕微鏡。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    前記照明光合波部は第2のファイバカプラを有し、
    前記照明光遅延部からの前記第1の光及び前記第2の光を前記第2のファイバカプラにより合波する、
    超解像顕微鏡。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の超解像顕微鏡において、
    少なくとも前記照明光分波部及び前記照明光遅延部は、前記照明光学系に対して着脱可能である、
    超解像顕微鏡。
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