JP2018104785A - 金属材料の表面処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗装後に十分な耐食性を付与できる金属材料の表面処理方法を提供する。
【解決手段】金属材料の表面に対し、二酸化チオ尿素(A)と、下式(1):−N−(CHCOOH)(1)で表される基を有するキレート剤若しくは2つのヒドロキシ基を有するベンゼン環構造を有するキレート剤又はその塩(B)と、を含む処理液を接触させた後、化成処理を行い、塗装処理を行う、表面処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属材料の表面処理方法に関する。
従来、塗装後金属材料の耐食性を向上させるために、金属材料の表面に化成皮膜と称されるリン酸亜鉛皮膜やジルコニウムを含む酸化皮膜などを形成し、塗装を行う、金属材料の表面処理方法が提案されている。例えば特許文献1では、ジルコニウムを主成分とする金属表面処理剤を金属材料の表面に接触させることにより、塗装後金属材料の耐食性の向上方法を提案している。
特開2009−41077号公報
しかしながら、特許文献1に記載の組成物等で金属材料の表面を処理した後、塗装後金属材料は十分な耐食性を示さない場合がある。そこで本発明は、塗装後金属材料が十分な耐食性を示す金属材料の表面処理方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、脱脂処理を行い、金属材料の表面に、二酸化チオ尿素(A)と、
下式(1):
−N−(CHCOOH) (1)
で表される基を有するキレート剤若しくは2つのヒドロキシ基を有するベンゼン環構造を有するキレート剤又はその塩(B)と、
を含む処理液を接触させた後、化成処理を行い、塗装を行うことにより、十分な耐食性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
金属材料の表面に対し、
二酸化チオ尿素(A)と、
下式(1):
−N−(CHCOOH) (1)
で表される基を有するキレート剤若しくは2つのヒドロキシ基を有するベンゼン環構造を有するキレート剤又はその塩(B)と、
を含む処理液を接触させた後、化成処理を行い、塗装処理を行うことを特徴とする表面処理方法である。
本発明によれば、塗装後金属材料が十分な耐食性を示す金属材料の表面処理方法を提供することができる。
以下、本発明に係る金属材料の表面処理方法を詳細に説明する。なお、本発明は、その要旨を含む範囲で任意に変更可能であり、下記の実施形態のみに限定されない。
本発明の表面処理方法は、金属材料の表面に対し、二酸化チオ尿素(A)と、
下式(1):
−N−(CHCOOH) (1)
で表される基を有するキレート剤若しくは2つのヒドロキシ基を有するベンゼン環構造を有するキレート剤又はその塩(B)と、
を含む処理液を接触させる工程と、当該処理液を接触させた鋼材表面に対し化成処理を行う工程と、化成処理が行われた金属材料の表面上に塗膜を形成する塗装処理を行う工程とを含む。
(脱脂処理工程)
本発明の表面処理工程前後のいずれか一方、又は両方に、脱脂と称される金属材料の表面上の油分及び付着物の除去を行う脱脂処理工程を含んでいてもよい。脱脂処理は、本発明の表面処理前に行うことが好ましい。脱脂処理の方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。
(酸洗処理工程)
上記脱脂処理工程の前後のいずれか一方、又は両方に、酸洗と称する金属材料の表面近傍の腐食と酸化膜除去を行う酸洗処理工程を行ってもよい。酸洗処理は、本発明の表面処理工程前に行うことが好ましい。酸洗処理工程に用いる酸成分としては、例えば硫酸、塩酸、リン酸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。酸洗処理の方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。
(表面処理液)
本発明の表面処理方法に用いられる処理液を「表面処理液」とする。本発明の表面処理液は、水性溶媒以外に二酸化チオ尿素(A)と、
下式(1):
−N−(CHCOOH) (1)
で表される基を有するキレート剤若しくは2つのヒドロキシ基を有するベンゼン環構造を有するキレート剤又はその塩(B)と、
を含むものであれば特に制限されるものではなく、他の成分をさらに含むものであってもよい。他の成分としては、特に制限されるものではなく、例えば、pH調整剤、防錆成分等の添加剤を挙げることができる。
(水性溶媒)
上記水性溶媒とは、全溶媒の質量を基準とした際、水を50質量%以上含有するものを意味する。水性溶媒に含まれる水以外の溶媒としては、例えば、ヘキサン、ペンタン等のアルカン系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒;エタノール、1−ブタノール、エチルセロソルブ等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブトキシエチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;ヘキサメチルリン酸トリアミド等のリン酸アミド系溶媒;等を挙げることができる。これらの水以外の溶媒は、1種を混合してもよいが、2種以上を組み合わせて混合してもよい。なお、環境上及び経済上の観点から、水のみを用いることが好ましい。
(キレート剤)
本発明の表面処理液に用いられる下式(1):
−N−(CHCOOH) (1)
で表される基を有するキレート剤若しくは2つのヒドロキシ基を有するベンゼン環構造を有するキレート剤(B)の好ましい態様として、上式(1)で表される基が結合するキレート剤の他の部分は、カルボキシアルキル基(アルキルは通常C1〜C6)、ヒドロキシアルキル基(アルキルは通常C1〜C6)又はモノ若しくはジ(カルボキシアルキル)アミノアルキル基(アルキル基は通常C1〜C6であり、ヒドロキシ基で置換されていてもよい)である。また、上記2つのヒドロキシ基を有するベンゼン環構造を有するキレート剤の好ましい態様としては、2つのヒドロキシ基が結合する炭素原子以外の4つの炭素原子が、互いに独立して水素原子又は他の置換基によって置換されていてもよく、このようなベンゼン環に結合する置換基としては、アルキル基(アルキルは通常C1〜C6)、アルコキシ基(アルコキシは通常C1〜C6)、アルデヒド基、カルボニル基、アリル基(アリルは通常C1〜C6)、アルキルオキシカルボニル基(アルキルは通常C1〜C6)ヒドロキシ基、スルホ基、ニトロ基、アミノ基又はアミノアルキル基(アルキルは通常C1〜C6)が好ましく、より好ましくは、スルホ基又はアミノアルキル基である。
さらに上式(1)の具体例としては、
例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、トリエチレンテトラミン−N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−カテコール(TTHA)、1,3−プロパンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(PDTA)、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)グリシン(DHEG)、ピロガロール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、4−メチルカテコール、4−メトキシカテコール、5−メチルピロガロール、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、4−tert−ブチルピロカテコール、3,4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド、3’、4’−ジヒドロキシアセトフェノン、3,4−ジヒドロキシベンジルアルコール、2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒド、4−アリルピロカテコール、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシチラミン、3,4−ジヒドロキシ安息香酸メチル、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸等の化合物あるいはその塩を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのキレート剤(B)は、塩の形態であってもよく、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩の形態をとることができ、具体的には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩であってもよい。
(pH調整剤)
上記pH調整剤としては、pHを上げる際には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液、等のアルカリ、また、pHを下げる際には、炭酸ガス、硝酸水溶液、等の酸を挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。
(表面処理液のpH)
また、pH調整剤を添加する場合には、通常pHは、6.0以上12.5以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、pHが8.5以上12.5以下の範囲内であり、特に好ましくは、pHが約11.0である。なお、pHを6.0以上とすることにより処理後の発錆を効果的に抑制しうる。ここで、本明細書におけるpHは、45℃の処理液に対し、市販のpHメーターを用いて測定した値を示す。
(防錆成分)
防錆成分としては、N含有塩基性化合物やその他防錆添加剤等を挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。N含有塩基性化合物としては、分子中にN原子を含有する塩基性化合物であれば特に制限されるものではないが、アンモニア又はアミン類を用いることが好適である。アミン類としては、例えば、ヒドラジン化合物;ヒドロキシルアミン;モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、オクチルアミン、ナフチルアミン等の脂肪族アミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類、脂環・芳香環を有するアミン、その他高沸点アミン等が挙げられ、これらの中でも、アンモニア、ヒドラジン化合物、ヒドロキシルアミン、脂肪族アミン類及びアルカノールアミン類が好ましい。さらに、例えば、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸ソーダ等の亜硝酸塩;フタル酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、ドデカン酸アンモニウム、デカン酸アンモニウム、セバシン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム、チオグリコール酸アンモニウム等のカルボン酸アンモニウム;尿素、メチル尿素、エチル尿素、プロピル尿素、チオ尿素、グアニルチオ尿素、ウロトロピン等の尿素系化合物;ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、アミノベンゾトリアゾール、アミノメルカプトトリアゾール、ジヒドロオキソトリアゾール、メチル−5−ヒドロキシピラゾール、アミノテトラゾール、メチルメルカプトテトラゾール、フェニルテトラゾール、メルカプトフェニルテトラゾール、メチルヒドロキシトリアゾロピリダジン、フェニルヒドロキシトリアゾロピリダジン、ヒドロキシメチルトリアザインドリジンイミダゾール、メチルイミダゾール、メチルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、メルカプトベンゾチアゾール、フェニルイミダゾール、ジフェニルイミダゾール、ウンデシルイミダゾール、トリアジンチオール、トリメルカプトトリアジン、ピラゾール、ジメチルピラゾール、メチルピラゾロン、アミノメチルピラゾール、カテコール、3−メチルカテコール、3−メトキシカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、フェノール、3−アミノフェノール、ピロガロール、フロログルシノール、没食子酸、若しくはこれらの塩、又はこれらの類似化合物が挙げられる。これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(表面処理液の製造)
本発明の表面処理液は、添加させる成分を混合することにより製造することができる。例えば、水性溶媒に、二酸化チオ尿素(A)と、
下式(1):
−N−(CHCOOH) (1)
で表される基を有するキレート剤若しくは2つのヒドロキシ基を有するベンゼン環構造を有するキレート剤又はその塩(B)と、
必要に応じて1種又は2種以上の上記添加剤とを混合することにより、製造することができる。
表面処理液中の二酸化チオ尿素(A)の質量濃度は特に限定されるものではないが、表面処理液の全量に対して0.01g/L以上含まれていることが好ましく、0.1g/L以上含まれていることがより好ましく、1.0g/L以上含まれていることがさらに好ましい。上記キレート剤(B)の質量濃度についても特に限定されるものではなく、表面処理液の全量に対して0.1g/L以上含まれていることが好ましく、0.5g/L以上含まれていることがより好ましく、1.0g/L以上含まれていることがさらに好ましい。また、これらの成分の含有量の上限は、各成分の水溶性が確保される量まで理論的に含有させることが可能である。
(表面処理液の接触方法)
上記表面処理液の接触は、従来の接触方法、例えば、スプレー法、ディップ法、又はこれらの組み合わせ等の方法によって行うことができるが、これらに限定されるものではない。
(表面処理液温度及び接触条件)
上記表面処理液の接触は、所定の温度範囲で一定時間行うことが好ましい。表面処理液を接触する際の温度は、20℃以上60℃以下の範囲内であることが好ましく、35℃以上45℃以下の範囲内であることがより好ましい。なお、接触時間は、表面処理液の濃度によって適宜調整すればよく、30秒以上600秒以下の範囲内であり、好ましくは120秒以上240秒以下の範囲内である。
(化成処理工程)
上記化成処理は、例えば、公知の、リン酸塩化成処理、ジルコニウム化成処理、チタン化成処理、ハフニウム化成処理、バナジウム化成処理等の表面処理を金属材料の表面上に、常法により接触させることにより行うことができる。なお、ジルコニウム化成処理、チタン化成処理、ハフニウム化成処理、バナジウム化成処理等の表面処理の際には、下記の表面調整処理を行わなくてもよい。
(リン酸塩処理液及び処理工程)
上記リン酸塩化成処理としては、リン酸塩による公知の化成処理を用いることが出来る。より具体的には、リン酸イオン(0.1〜50g/L)と、亜鉛イオン(0.01〜3.0g/L)とを含むpH3.0〜6.0のリン酸亜鉛処理液を用いて、25〜55℃で10〜300秒間、浸漬処理及び/又はスプレー処理を、金属材料に対して施すことにより行われる。なお、リン酸塩化成処理工程の前に、リン酸塩化成処理の反応性向上を目的とした表面調整処理工程を、金属材料の表面に対して施してもよい。
(表面調整処理)
本発明における表面調整処理は、例えば、公知の2価ないし4価の金属を含むリン酸塩のうち、少なくとも1種を含む処理液を、脱脂処理及び脱脂後水洗処理を行った金属鉄材料の表面上に、常法により接触させることにより行うことができる。
上記ジルコニウム化成処理としては、ジルコニウム化成処理剤による公知の化成処理を用いることができる。また、上記チタン化成処理としては、チタン化成処理剤による公知の化成処理を用いることができる。上記ハフニウム化成処理としては、ハフニウム化成処理剤による公知の化成処理を用いることができる。上記バナジウム化成処理としては、バナジウム化成処理剤による公知の化成処理を用いることができる。これらの化成処理は、例えば、ジルコニウムイオン、チタンイオン、ハフニウムイオン及び/又はバナジウムイオンを0.005〜5.0g/Lで含むpH3.0〜6.0の処理液を用いて、25〜55℃で10〜300秒間、浸漬処理及び/又はスプレー処理を、金属材料に対して施すことにより行われる。
上記、脱脂処理工程、酸洗処理工程、表面処理工程、化成処理工程、表面調整工程の後に水洗工程、又は水洗処理及び乾燥工程などを行ってもよいし、行わなくてもよい。
本発明における塗装処理工程は、アニオン電着塗装、カチオン電着塗装、粉体塗装、溶剤塗装、水系塗装などの公知の塗料組成物を化成処理した金属材料の表面上に、常法により接触させることにより行うことができる。
(金属材料)
本処理工程を適用する金属材料としては、例えば、炭素鋼板、合金鋼板及びめっき鋼板等、より具体的には、冷延鋼板、熱延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム含有亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、亜鉛ニッケルめっき鋼板、亜鉛コバルトめっき鋼板、蒸着亜鉛めっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、スズめっき鋼板、ステンレス鋼板等;アルミニウム板、銅板、チタン板、マグネシウム板等の鋼板以外の金属板等の公知の金属材料を用いることができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
[塗装後金属材料の試験片の作製]
<金属材料>
金属材料として、JIS G3131で規格された熱間圧延軟鋼板(SPHC:横70mm×縦150mm×厚さ1.8mm)を使用した。
<金属材料に対する脱脂処理>
上記金属材料を、アルカリ脱脂剤(商品名:ファインクリーナーE2093、日本パーカライジング株式会社製)の24g/L水溶液に45℃で2分間浸漬し、金属材料の表面上における油分や汚れを取り除いた。その後、金属材料の表面を水洗した。
<金属材料に対する酸洗処理>
上記脱脂処理を施した金属材料を、水準により10g/Lの硫酸水溶液に25℃で60秒間浸漬させて試験片を作製した。
<金属材料に対する表面処理>
上記脱脂処理又は脱脂処理と酸洗処理のいずれもを施した金属材料を、各種表面処理液(実施例1〜13及び比較例1〜2、4〜7の処理液)に45℃で120秒間浸漬させて試験片を作製した。なお、pH調整には、炭酸ガス又は水酸化ナトリウム水溶液を用いた。また、処理浴は1Lのガラストールビーカーとした。
<金属材料に対する表面調整処理>
上記処理を施した金属材料(金属材料の表面に実施例1〜10、13及び比較例1〜3、8の処理液が適用された金属材料)を水洗し、表面調整剤(商品名:プレパレンX、日本パーカライジング株式会社製)の3.0g/L水溶液に25℃で30秒間浸漬させた。
<金属材料に対するリン酸亜鉛処理>
上記表面調整処理を施した金属材料を、リン酸亜鉛化成処理液(商品名:パルボンドSX35、日本パーカライジング株式会社製)の50g/L水溶液に35℃で120秒間浸漬して、リン酸亜鉛化成皮膜が形成された金属材料を作製した。
<金属材料に対するジルコニウム化成処理>
上記金属材料の表面に表面処理工程の処理を施した金属材料のうち実施例11、12及び比較例4〜6を水洗し、ジルコニウム化成処理液(パルミナ1000、日本パーカライジング株式会社製)の50g/L水溶液に40℃で120秒間浸漬して、ジルコニウム化成皮膜が形成された金属材料を作製した。
<金属材料に対する電着塗装処理>
上記リン酸亜鉛皮膜又はジルコニウム化成皮膜が金属材料の表面に施された金属材料を陰極とし、電着塗料(GT−100、関西ペイント社製)を用いて、180秒間定電圧陰極電解して金属板の全表面に塗膜成分を析出させた。その後、水洗し、170℃で20分間焼き付けて塗料後金属材料を作製し、以下の複合サイクル試験を実施した。なお、塗膜厚は20μmとなるように調整した。
表1〜3に示した6つの成分はそれぞれ下記の通り。添加量の単位はg/Lとした。
A:二酸化チオ尿素
B1: エチレンジアミン四酢酸
B2:ニトリロ三酢酸
B3:ヒドロキシエチルイミノ二酢酸
B4:4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸
B5:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸
Figure 2018104785
Figure 2018104785
Figure 2018104785
[試験片の評価]
<耐食性又は耐食性能>
塗装後金属材料(No.1〜21の試験片)の耐食性又は耐食性能を確認するため、鋭利なカッターでクロスカットを入れた各試験片を、複合サイクル試験機に入れ、JASO−M609−91に則り複合サイクル試験を100サイクル実施した。100サイクル実施後のカット部からの最大膨れ幅を測定し、以下に示す評価基準に従って評価した。結果を表4に示す。
(評価基準)
◎:最大膨れ幅が2.5mm未満
○:最大膨れ幅が2.5mm以上3.0mm未満
△:最大膨れ幅が3.0mm以上5.0mm未満
×:最大膨れ幅が5.0mm以上
Figure 2018104785

Claims (1)

  1. 金属材料の表面に対し、
    二酸化チオ尿素(A)と、
    下式(1):
    −N−(CHCOOH) (1)
    で表される基を有するキレート剤若しくは2つのヒドロキシ基を有するベンゼン環構造を有するキレート剤又はその塩(B)と、
    を含む処理液を接触させた後、化成処理を行い、塗装処理を行うことを特徴とする表面処理方法。

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