JP2018104763A - 溶鋼の精錬方法 - Google Patents
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真空脱ガス処理の終了後、真空槽内に復圧用ガスを供給して、真空槽内の減圧状態を大気圧へ復圧する際、真空槽及び浸漬管内を通過して取鍋内へ降下する溶鋼の下降流速U[m/秒]を0.15m/秒以下に制御して復圧する
ことを特徴とする溶鋼の精錬方法。
P1[Pa]:復圧開始前の真空槽内圧力
G1[Nm3/時間]:溶鋼環流用ガスを吹き込む部位から供給する復圧用ガスの流量
G2[Nm3/時間]:真空槽内に直接供給する部位から供給する復圧用ガスの流量
V[Nm3]:復圧対象領域の体積
ρ[kg/m3]:溶鋼密度
g[m/秒2]:重力加速度
C、Si、Mn、P、及び、Sを含有する溶鋼に真空槽と浸漬管を備える脱ガス装置で真空脱ガス処理を施して、溶鋼を精錬する精錬方法において、
真空脱ガス処理の終了後、真空槽内に復圧用ガスを供給して、真空槽内の減圧状態を大気圧へ復圧する際、真空槽及び浸漬管内を通過して取鍋内へ降下する溶鋼の下降流速U[m/秒]を0.15m/秒以下に制御して復圧する
ことを特徴とする。
P1[Pa]:復圧開始前の真空槽内圧力
G1[Nm3/時間]:溶鋼環流用ガスを吹き込む部位から供給する復圧用ガスの流量
G2[Nm3/時間]:真空槽内に直接供給する部位から供給する復圧用ガスの流量
V[Nm3]:復圧対象領域の体積
ρ[kg/m3]:溶鋼密度
g[m/秒2]:重力加速度
Cは、焼入れ後の鋼の強度や硬さを確保するのに有効な元素である。1.20%を超えると、焼入れ時に割れが発生し、また、硬くなりすぎて、切削工具の寿命が低下したりするので、Cは1.20%以下が好ましい。より好ましくは1.00%以下である。
Siは、焼入れ性を高めて、強度や硬さの確保に有効な元素である。3.00%を超えると、硬くなりすぎて、切削工具の寿命が低下するので、Siは3.00%以下が好ましい。より好ましくは2.50%以下である。
Mnは、焼入れ性を高めて、強度や硬さの確保に有効な元素である。1.60%を超えると、焼入れ時に割れが発生し、また、硬くなりすぎて、切削工具の寿命が低下するので、Mnは1.60%以下が好ましい。より好ましくは1.20%以下である。
Pは、不純物元素であり、靱性を阻害する元素である。Pが0.05%を超えると、靭性が著しく低下するので、Pは0.05%以下が好ましい。より好ましくは0.03%以下である。下限は0%を含むが、Pを0.0001%以下に低減すると、精錬コストが大幅に上昇するので、実用鋼上、0.0001%が実質的な下限である。
Sは、Pと同様に、不純物元素であり、靱性を阻害する元素である。Sが0.05%を超えると、靭性が著しく低下するので、Sは0.05%以下が好ましい。より好ましくは0.03%以下である。下限は0%を含むが、Sを0.0001%以下に低減すると、精錬コストが大幅に上昇するので、実用鋼上、0.0001%が実質的な下限である。
Alは、脱酸元素であり、また、結晶粒を微細化する元素である。0.20%を超えると、粗大な酸化物系介在物が生成し、靭性及び延性が低下するので、Alは0.20%以下が好ましい。結晶粒の微細化効果を確保する点で、0.005%以上が好ましく、0.010%がより好ましい。
Crは、焼入れ性を高めて、強度や硬さの確保に有効な元素である。3.50%を超えると、靱性及び延性が低下するので、3.50%以下が好ましい。より好ましくは2.50%以下である。Crの添加効果を確保する点で、0.01%以上が好ましく、0.05%以上がより好ましい。
Moは、焼入れ性を高めて強度や硬さの確保に有効な元素である。また、Moは、炭化物を形成して、焼戻し軟化抵抗の向上に寄与する元素である。0.85%を超えると、過冷組織が生じ、靱性及び延性が低下するので、Moは0.85%以下が好ましい。より好ましくは0.65%以下である。Moの添加効果を確保する点で、0.005%以上が好ましく、0.010%以上がより好ましい。
Niは、焼入れ性を高めて、強度や硬さの確保に有効な元素である。4.50%を超えると、靱性及び延性が低下するので、Niは4.50%以下が好ましい。より好ましくは3.50%以下である。Niの添加効果を確保する点で、0.005%以上が好ましく、0.010%以上がより好ましい。
Nbは、炭化物、窒化物、及び/又は、炭窒化物を形成し、結晶粒の粗大化抑制や焼戻し軟化抵抗の向上に寄与する元素である。0.20%を超えると、靱性及び延性が低下するので、Nbは0.20%以下が好ましい。より好ましくは0.10%以下である。Nbの添加効果を確保する点で、0.005%以上が好ましく、0.010%以上がより好ましい。
Vは、炭化物、窒化物、及び/又は、炭窒化物を形成し、結晶粒の粗大化抑制や焼戻し軟化抵抗の向上に寄与する元素である。0.45%を超えると、靱性及び延性が低下するので、Vは0.45%以下が好ましい。より好ましくは0.35%以下である。Vの添加効果を確保する点で、0.005%以上が好ましく、0.010%以上がより好ましい。
Wは、焼入れ性を高めて、強度や硬さの確保に有効な元素である。また、Wは、炭化物を形成して、焼戻し軟化抵抗の向上に寄与する元素である。0.30%を超えると、過冷組織が生じ、靱性及び延性が低下するので、Wは0.30%以下が好ましい。より好ましくは0.25%以下である。Wの添加効果を確保する点で、0.005%以上が好ましく、0.010%以上がより好ましい。
Bは、焼入れ性を高め、強度の向上に寄与する元素である。また、Bは、オーステナイト粒界に偏析して、Pの粒界偏析を抑制し、疲労強度の向上に寄与する元素である。0.006%を超えると、靱性が低下するので、Bは0.006%以下とする。好ましくは0.004%以下である。Bの添加効果を確保する点で、0.0005%以上が好ましく、0.001%以上がより好ましい。
Nは、微細な窒化物を形成して結晶粒を微細化し、強度及び靭性の向上に寄与する元素である。0.060%を超えると、窒化物が過剰に生成して、靱性が低下するので、Nは0.060%以下が好ましい。より好ましくは0.040%以下である。Nの添加効果を確保する点で、0.001%以上が好ましく、0.005%以上がより好ましい。
Tiは、微細なTi窒化物を形成して結晶粒を微細化し、強度及び靭性の向上に寄与する元素である。0.25%を超えると、Ti窒化物が過剰に生成し、靱性が低下するので、Tiは0.25%以下が好ましい。より好ましくは0.15%以下である。Tiの添加効果を確保する点で、0.005%以上が好ましく、0.010%以上がより好ましい。
Cuは、耐食性の向上に寄与する元素である。0.50%を超えると、熱間延性が低下し、割れや疵が発生するので、Cuは0.50%以下が好ましい。より好ましくは0.30%以下である。Cuの添加効果を確保する点で、0.01%以上が好ましく、0.05%以上がより好ましい。
Pbは、快削性の向上に寄与する元素である。0.45%を超えると、靱性が低下するので、Pbは0.45%以下が好ましい。より好ましくは0.30%以下である。Pbの添加効果を確保する点で、0.005%以上が好ましく、0.010%以上がより好ましい。
Biは、快削性の向上に寄与する元素である。0.20%を超えると、靱性が低下するので、Biは0.20%以下が好ましい。より好ましくは0.16%以下である。Biの添加効果を確保する点で、0.005%以上が好ましく、0.010%以上がより好ましい。
Teは、快削性の向上に寄与する元素である。0.010%を超えると、靱性が低下するので、Teは0.010%以下が好ましい。より好ましくは0.006%以下である。Teの添加効果を確保する点で、0.005%以上が好ましく、0.010%以上がより好ましい。
Sbは、耐硫酸性及び耐塩酸性を主体とする耐食性の向上、及び、快削性の向上に寄与する元素である。0.20%を超えると、靱性が低下するので、Sbは0.20%以下が好ましい。より好ましくは0.15%以下である。Sbの添加効果を確保する点で、0.01%以上が好ましく、0.03%以上がより好ましい。
Mgは、快削性の向上に寄与する元素である。0.010%を超えると、靱性が低下するので、Mgは0.010%以下が好ましい。より好ましくは0.006%以下である。Mgの添加効果を確保する点で、0.0005%以上が好ましく、0.0010%以上がより好ましい。
Caは、脱酸元素であり、脱酸反応で、凝集合し易い低融点のCaO−Al2O3系介在物を形成する元素である。0.010%を超えると、Al2O3系介在物が、低融点のCaO−Al2O3系介在物に複合化して粗大化する。粗大化したCaO−Al2O3系介在物は、圧延温度で液相化せず、粗大なまま鋼中に残存するので、Caは0.010%以下が好ましい。より好ましくは0.006%以下である。
REM(希土類元素、La、Ce、Pr、及び、Ndの1種又は2種以上)は、Al又はAl−Siで十分に脱酸した溶鋼において、溶鋼中のCaOや、介在物中のCaOを還元して、CaO−Al2O3系介在物を改質する作用をなす元素である。0.010%を超えると、介在物中に、REM濃度の高い低融点の化合物相が出現し、介在物の凝集合が助長されて、粗大な介在物が生成するので、REMは0.010%以下が好ましい。より好ましくは0.007%以下である。
Oは、酸化物を形成する元素である。0.003%を超えると、粗大な酸化物が生成し、転動疲労寿命が低下するので、Oは0.003%以下が好ましい。より好ましくは0.002%以下である。下限は0%を含むが、Oを0.0001%以下に低減すると、精錬コストが大幅に上昇するので、実用鋼上、0.0001%が実質的な下限である。
表1に示す成分組成の溶鋼に、転炉による一次精錬、LF処理及びRH処理による二次精錬を施し、連続鋳造して鋼を製造した。
Claims (7)
- C、Si、Mn、P、及び、Sを含有する溶鋼に真空槽と浸漬管を備える脱ガス装置で真空脱ガス処理を施して、溶鋼を精錬する精錬方法において、
真空脱ガス処理の終了後、真空槽内に復圧用ガスを供給して、真空槽内の減圧状態を大気圧へ復圧する際、真空槽及び浸漬管内を通過して取鍋内へ降下する溶鋼の下降流速U[m/秒]を0.15m/秒以下に制御して復圧する
ことを特徴とする溶鋼の精錬方法。 - 前記復圧の際、復圧用ガスを、溶鋼環流ガスを吹き込む部位、及び、真空槽内に直接供給する部位の一方又は両方から供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶鋼の精錬方法。
- 前記復圧の際、溶鋼環流ガスを吹き込む部位から供給する復圧用ガスの流量を、真空脱ガス処理時の溶鋼還流ガスの流量より少なくすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶鋼の精錬方法。
- 前記復圧用ガスが不活性ガスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶鋼の精錬方法。
- 前記溶鋼が、質量%で、C:1.20%以下、Si:3.00%以下、Mn:1.60%以下、P:0.05%以下、S:0.05%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶鋼の精錬方法。
- 前記溶鋼が、さらに、質量%で、Al:0.20%以下、Cr:3.50%以下、Mo:0.85%以下、Ni:4.50%以下、Nb:0.20%以下、V:0.45%以下、W:0.30%以下、B:0.006%以下、N:0.060%以下、Ti:0.25%以下、Cu:0.50%以下、Pb:0.45%以下、Bi:0.20%以下、Te:0.010%以下、Sb:0.20%以下、Mg:0.010%以下、Ca:0.010%以下、REM:0.010%以下、O:0.003%以下の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項6に記載の溶鋼の精錬方法。
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CN111304410A (zh) * | 2020-03-24 | 2020-06-19 | 山信软件股份有限公司 | 一种钢水精炼防吸渣方法和系统 |
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2016
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