JP2018103289A - リーマ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リーマ1は、外周面に設けられた複数の砥粒固定部2と、該砥粒固定部2間に設けられた溝部3と、軸心Cに設けられた切削油供給路6と、軸方向に沿う複数箇所に傾斜状に設けられ、切削油供給路6と溝部3の底面4とを連通する連通路5とを備え、各溝部3の底面4が、基端側から先端側に向かって浅くなるように形成されている。
【選択図】図2
Description
砥石部は、短冊状の砥石により構成され、ボデーの外周面に等間隔に設けられている。砥石は、ボデーの外周面に砥粒を電着した電着砥石である。ボデーの砥石部間には溝が形成されている。ボデーの軸心には、クーラント孔が軸方向に延在して設けられている。クーラント孔と各溝とは連結路により連通されており、各連結路は、各溝の底面に噴出口を有している。リーマ部において荒加工を行い、砥石部にて仕上げ加工が行われる。砥石部にて仕上げ加工を行う際、噴出口から噴出される切削油により被削材の切り屑が砥石部から除去されると共に、加工部が冷却される。
以下、図1〜図4を参照して、本発明のリーマの第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明のリーマの第1の実施形態の断面図であり、図2は、図1に図示されたリーマの側面図であり、軸心から上半部側を断面図として示す側面図である。
リーマ1は、先端側と、後端側である基端側とを有し、軸状に形成されている。
リーマ1の基端側の後端部は、ストレートシャンクやテーパシャンク形状とされ(図示せず)、工具ホルダを介して工作機械に取付けられる。
切削油供給路6と溝部3の底面4とは、複数の連通路5により連通されている。各連通路5は、基端側から先端側に向けて軸心Cから離間する方向に傾斜されている。各連通路5は、溝部3の底面4に切削油が吐出される切削油吐出口5aを有し、軸方向に沿って配列されている。
切削油供給路6の基端側から不図示の切削油供給装置により切削油を送り込むことにより、切削油供給路6および各連通路5を介して、各切削油吐出口5aから切削油が吐出される。連通路5は、基端側から先端側に向けて軸心Cから離間する方向に傾斜されているため、切削油吐出口5aから吐出される切削油は、基端側から先端面1a側に向けて流れる。なお、切削油供給路6には、例えば、1.0〜7.0MPa程度の圧力の切削油を供給する。切削油としては、油性切削油や水溶性切削油を使用することができる。
リーマ1本体の砥粒固定部2の外表面には、ダイヤモンドやCBN等の超硬質の砥粒13が固定材14により固定されている。砥粒13は、電着やろう付け等により砥粒固定部2の外表面に固定される。砥粒13は、切削油が砥粒13の間に入り込み易く、かつ、切り屑を流れ易くするために、砥粒13は均等なサイズを用いることが好ましく、また、砥粒13がほぼ等間隔に配列された構造とすることが好ましい。しかし、これに限らず、不均一なサイズの砥粒を用いたり、ランダムな配置にしたりしてもよい。砥粒サイズは、例えば、数十μm〜数百μmである。砥粒13の間隔は、用いる砥粒サイズより大きくするのが好ましい。
溝部3の深さは、例えば、0.3mm〜2.0mm程度に設定する。好ましい一例として、溝部3の深さは、基端側で1.5mm程度、先端側で0.5mm程度とすることができる。なお、溝部3の深さは、固定材14が固着される前の砥粒固定部2の砥粒固定面(外表面)から溝部3の底面4までの径方向の長さとして定義される。
なお、前者の場合においても、ダイヤモンド砥石等を用いて砥粒の先端の高さを揃えるツルーイングと呼ばれる加工が行われる。
まず、リーマ1の基端側のシャンク部(図示せず)を工具ホルダ(図示せず)で把持して、工作機械の回転駆動装置(図示せず)に装着する。そして、切削油供給路6に切削油供給装置(図示せず)を接続する。軸心廻りの振れ量を調整可能な機構を有する工具ホルダを用い、リーマ1の基端側のシャンク部を工具ホルダで把持した状態で、リーマ1の軸心Cの振れ量を小さくしておくと、加工する穴の真円度や円筒度を小さくするのに効果的である。
この状態で回転駆動装置と切削油供給装置とを駆動して、切削油を連通路5の切削油吐出口5aから吐出させながら、リーマ1を軸心C廻りに回転させ、この状態で、被削材の加工孔(図示せず)にリーマ1の食いつき部10側から挿入する。リーマ1を被削材の加工孔の深さ方向に直進させ、砥粒固定部2の砥粒13で加工孔の内周面を切削していく。これにより、被削材の加工孔の内周面が仕上げられる。
このように、切り屑の主な発生領域となる食いつき部10と最大径部Rmaxに流速の高い切削油が大量に供給されるため、切り屑を砥粒固定部2の外部へ排出させることができ、砥粒13間に切り屑が堆積するのを抑制することができる。
図4において、黒丸は、溝部3の底面4が傾斜面となっている本実施形態の場合であり、白三角は溝部3の底面4が平坦(傾斜無し)にされた比較例の場合である。図4における流速は、溝部3の底面4が平坦(傾斜無し)のリーマ1の先端面1aからの距離0mmの値を1.0として示している。
流体解析には、ANSYS CFX(サイバーネット社)を用いた。リーマ1は、直径25mm、砥粒固定部の長さ30mm、溝部3の数は8個、溝部3と砥粒固定部2の幅(周方向の長さ)は同一、基端側の溝部3の深さは1.5mmとした。これらの条件は、本実施形態と比較例とで共通である。溝部3の底面4の深さが、基端側から先端側まで一定の比較例と、基端側に対し先端側で1.0mm浅くなる傾きを有する本実施形態とを比較した。なお、砥粒固定部2には砥粒13は形成せず、切削油の切削油供給路6への供給圧力は3.0MPa、リーマ1の食いつき部10の長さは3mmとした。
図4を参照すると下記の事項を確認することができる。
食いつき部10の先端面1aからの距離3mmまでを比較すると、比較例に比べて、本実施形態では、流速が約5〜15倍程度高い。これにより、先端側の溝部3の深さを浅くすることにより、切り屑の発生量の大きいリーマ1の先端側の砥粒固定部2を流れる切削油の流速を向上できることが確認された。同一断面積の流路では、流速が高くなれば流量が増加する。つまり、切り屑の発生量の大きい先端側の砥粒固定部2に供給される切削油の流量を増大させることができる。このため、リーマ1の砥粒固定部2の先端側の切り屑の堆積が抑制される。これにより、長期にわたって安定した高精度な加工孔の仕上げ加工等が可能となる。
(1)リーマ1は、外周面に設けられた複数の砥粒固定部2と、該砥粒固定部2間に設けられた溝部3と、軸心Cに設けられた切削油供給路6と、軸方向に沿う複数箇所に、基端側から先端側に向けて軸心Cから離間する方向に傾斜する傾斜状に設けられ、切削油供給路6と溝部3の底面4とを連通する連通路5とを備え、各溝部3の底面4が、基端側から先端側に向かって浅くなるように形成されている。溝部3の底面4の深さは、基端側から先端側に向かって浅くなるように形成されているため、先端側ほど流路の断面積が減少している。このため、リーマ1の先端側における切削油の流速が高められる。また、各溝部3に複数の連通路5が設けられ、かつ、各連通路5は基端側から先端側に向かって傾斜して形成されている。このため、各連通路5の切削油吐出口5aから吐出された切削油が先端側に向かって溝部3内を流れ、これにより先端側に向かうほど切削油の供給量が増加する。従って、リーマ1の先端側において、流速の高い切削油が溝部3から溢れ出して、砥粒固定部2に供給される。上記2つの要因が相俟って、切り屑を砥粒固定部2の外部へ排出させる作用が大幅に向上し、砥粒13間に切り屑が堆積するのを長期にわたりに抑制することができる。
なお、溝部3の底面4を、基端側から先端側に向かって浅くなる構造とするには、上記実施形態以外に種々の態様がある。以下に、他の態様の例を示す。
図5は、本発明のリーマの第2の実施形態を示し、軸心から上半部側を断面図として示す側面図である。
第2の実施形態は、各溝部21の底面22a〜22cを、段状に構成した一例を示す。
この実施形態では、各溝部21には、2つの段差部23a、23bと、各段差部23a、23bの端部から軸心と平行に延在される平坦な底面22a、22b、22cが形成されている。底面22aは段差部23aの下端から基端側に延在されており、底面22bは段差部23aの上端と段差部23bの下端との間に延在され、底面22cは段差部23bの上端からリーマ1の先端面1aまで延在されている。底面22cの長手方向の領域に対応するリーマ1本体の外周面に、図3に図示される食いつき部10と砥粒固定部2の最大径部Rmaxが設けられている。
第2の実施形態の他の構造は、第1の実施形態と同様である。
加えて、第2の実施形態では、溝部21に段差部23a、23bが設けられているため、連通路5の切削油吐出口5aから吐出した切削油が段差部23a、23bに衝突し、切削油の流れが、軸心Cと直交する方向に変化する。つまり、切削油がリーマ1の円周方向の砥粒固定部2に向かって流れる。これにより、砥粒固定部2の食いつき部10と最大径部Rmaxの近傍を流れる切削油の供給量が増大し、流速が一層高まるという作用が生じる。
図6は、本発明のリーマの第3の実施形態を示し、軸心から上半部側を断面図として示す側面図である。
第3の実施形態は、各溝部31に、1つの段差部33を設け、段差部33の基端側および先端側の底面32a、32bが、それぞれ、先端側に向けて浅くなる傾斜状に形成された構造を有する。
第3の実施形態の他の構造は、第1の実施形態と同様である。
図7は、本発明のリーマの第4の実施形態を示し、軸心から上半部側を断面図として示す側面図である。
第4の実施形態は、図5に図示された第2の実施形態に対し、段差部43a〜43cの数を多くし、連通路5の数を削減した構造を有する。
このため、第4の実施形態においても、第2の実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
2 砥粒固定部
3 溝部
4 底面
5 連通路
6 切削油供給路
13 砥粒
21、31、41、 溝部
22a〜22c,32a、32b、42a〜42d 底面
23a、23b、33、43a〜43c 段差部(段部)
C 軸心
Claims (5)
- 基端側と先端側とを有する軸形状の本体と、
前記本体の外周面に設けられた複数の砥粒固定部と、
前記本体の前記砥粒固定部間に設けられた溝部と、
前記本体の軸心に設けられた切削油供給路と、
前記本体の軸方向に沿う複数箇所に傾斜状に設けられ、前記切削油供給路と前記溝部の底面とを連通する連通路とを備え、
前記各溝部の底面が、前記基端側から前記先端側に向かって浅くなるように形成されている、リーマ。 - 請求項1に記載のリーマにおいて、
前記各溝部の底面は、前記基端側から前記先端側に向かって浅くなるように形成された少なくとも1つの傾斜面を有する、リーマ。 - 請求項1に記載のリーマにおいて、
前記各溝部は、前記基端側から前記先端側にかけて1つ以上の段部を有する、リーマ。 - 請求項3に記載のリーマにおいて、
前記各溝部の、前記基端側から前記段部まで、前記段部間または前記段部から前記先端側までの底面のうち、少なくとも1つは軸心と平行である、リーマ。 - 請求項3に記載のリーマにおいて、
前記各溝部の、前記基端側から前記段部まで、前記段部間または前記段部から前記先端側までの底面のうち、少なくとも1つは、前記基端側から前記先端側に向かって浅くなるように形成された傾斜面である、リーマ。
Priority Applications (1)
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JP2016250587A JP2018103289A (ja) | 2016-12-26 | 2016-12-26 | リーマ |
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JP2016250587A JP2018103289A (ja) | 2016-12-26 | 2016-12-26 | リーマ |
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JP2016250587A Pending JP2018103289A (ja) | 2016-12-26 | 2016-12-26 | リーマ |
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2016
- 2016-12-26 JP JP2016250587A patent/JP2018103289A/ja active Pending
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