<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、外周壁31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁31に囲繞されて構成される。また、遊技領域32の左側には、外周壁31に沿って設けられ、発射された遊技球を遊技領域32の所定位置まで誘導する誘導路490を形成する誘導壁491が設けられている。
遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図31参照)により検出される。また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下部に配された特別変動入賞装置38の右下部には一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図31参照)により検出される。
センターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36(始動入賞口、始動入賞領域)及び第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口97(始動入賞口、始動入賞領域)を備える入賞装置90が設けられている。この入賞装置90は、上部の流入口91に流入した遊技球を内部で第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分ける振分部材92を備えている。この振分部材92は前後方向に沿った回動軸を中心として回動可能であり、流入する遊技球の重みにより傾倒する方向が変化し、左側の第1始動入賞口36と右側の第2始動入賞口97とに交互に遊技球を振り分けるようになっている。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図31参照)により検出され、第2始動入賞口97に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ97a(図31参照)により検出される。また、入賞装置90の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図31参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図31参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。
普通変動入賞装置37の右方には、前側が透明なカバーで覆われ上下に連通する流下路615が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路615を通って下方へ流下する。この流下路615の下方には誘導部616が設けられている。誘導部616は上面617が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面617で受け止め、特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。また、誘導部616には特図変動表示ゲームに関する情報を表示する情報表示装置630が設けられている。
この情報表示装置630は、第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶の数を表示する第1情報表示部、第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶の数を表示する第2情報表示部を備える。また、表示装置41で第1〜第3図柄により表示される飾り特図変動表示ゲームとは別個に第4図柄により第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームを表示する第3情報表示部や、表示装置41で第1〜第3図柄により表示される飾り特図変動表示ゲームとは別個に第4図柄により第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームを表示する第4情報表示部を備える。
第1情報表示部と第2情報表示部はそれぞれ二つの発光部材で構成され、第3情報表示部と第4情報表示部はそれぞれ一つの発光部材で構成されている。第2表示装置にはこれらの六つの発光部材が三つずつ左右に二列で並んで配されている。右列の上部二つの発光部材は第1情報表示部を構成し、左列の上部二つの発光部材は第2情報表示部を構成している。また、右列の下部一つの発光部材は第3情報表示部を構成し、左列の下部一つの発光部材は第4情報表示部を構成している。
第1情報表示部と第2情報表示部はそれぞれ二つの発光部材で構成されているが、それぞれの情報表示部の周囲には二つの発光部材が関連していることがわかるような意匠が施されており、一見して二つの発光部材で一つの情報表示部が構成されていることがわかるようになっている。また、第3情報表示部と第4情報表示部はそれぞれ一つの発光部材で構成されているが、これらの情報表示部の周囲の意匠はそれぞれ独立していることがわかるような意匠とされており、一見して一つの発光部材で情報表示部が構成されていることがわかるようになっている。なお、発光部材の周囲の意匠は遊技機全体の意匠と一体感のあるものとされ、美観を損なわないようにされている。また、発光部材の周囲の意匠は、シールなどを貼付したものではなく誘導部616を構成する部材に成形されたものであり、製造の際の手間やコストを削減できる。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の右下部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38の構成の詳細については後述するが、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材990が大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材990が退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図31参照)により駆動される開閉部材990によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態(第1特別遊技状態)中や小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図31参照)が配設されている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで入賞装置90の第1始動入賞口36や第2始動入賞口97、一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、LEDランプで構成された各種表示器を備える。各種表示器には、特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器、特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器が含まれている。また、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置の開閉回数)を表示するラウンド表示部、時短状態(普電サポート中、特定遊技状態中)であるかを報知する第1遊技状態表示部、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第2遊技状態表示部が含まれている。また、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)、普図変動表示ゲーム用の普図表示器、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器が含まれている。
特図1表示器51では、第1特図変動表示ゲームの変動時間中においては、予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する特図1変動中表示を繰り返し行う。そして、第1特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、当該第1特図変動表示ゲームの結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する。特図1変動中表示において表示する点灯パターンの各々や結果態様として表示する点灯パターンは、第1特図変動表示ゲームを表示するための識別情報(特図、特別図柄)をなす。
特図2表示器52では、第2特図変動表示ゲームの変動時間中においては、予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する特図2変動中表示を繰り返し行う。そして、第2特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、当該第2特図変動表示ゲームの結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する。特図2変動中表示において表示する点灯パターンの各々や結果態様として表示する点灯パターンは、第2特図変動表示ゲームを表示するための識別情報(特図、特別図柄)をなす。
普図表示器では、普図変動表示ゲームの変動時間中においては、予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で表示する普図変動中表示を繰り返し行う。そして、普図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、当該普図変動表示ゲームの結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する。普図変動中表示において表示する点灯パターンの各々や結果態様として表示する点灯パターンは、普図変動表示ゲームを表示するための識別情報(普図、普通図柄)をなす。
特図1保留表示器は、第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶の数(第1保留数)を複数の発光部の消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器は、第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶の数(第2保留数)を複数の発光部の消灯、点滅、点灯により表示する。普図保留表示器は、普図変動表示ゲームの実行権利である普図始動記憶の数(普図保留数)を複数の発光部の消灯、点滅、点灯により表示する。
ラウンド表示部は、特別遊技状態中でない場合にはすべての発光部を消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応した点灯態様とする。第1遊技状態表示部(時短状態報知部)は、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示部(右打ち報知部)57は、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)にはランプを点灯状態にする。第3遊技状態表示部は、電源投入時に高確率状態である場合にはLEDを点灯し、高確率状態でない場合はLEDを消灯状態にする。
次に、本発明の実施形態の遊技機10における遊技盤30の詳細について説明する。図3に示すように遊技盤30は、略矩形板状の遊技盤本体80と、センターケース40の前側部分を構成する前方構成部材600と、センターケース40の後側部分を構成するとともに遊技盤30に必要な各種部材が取り付けられた後方構成部材700と、を備える。
前方構成部材600は、遊技盤本体80に形成された前後に貫通する開口81に対して前面側から嵌め込まれることで取り付けられるようになっている。この前方構成部材は円環状のベース部材610を有し、このベース部材610に各種の部材が取り付けられている。ベース部材610は、遊技盤本体80に形成された前後に貫通する開口81に挿入され、遊技領域32よりも後方へ窪んだ凹室状の空間における内周壁の前側部分を形成する周囲壁611と、該周囲壁611の前端に周囲壁611に対して垂直に形成された板状の鍔状の取付部612と、を備える。
取付部612のうち、周囲壁611で囲まれた空間より外側に形成された部分は、遊技盤本体80に形成された開口81に前方構成部材600を前面側から挿入した際に、開口81の周縁よりも外側に延出し、遊技盤本体80の前面にその裏面が当接するようになっている。これによって、遊技盤本体80に対する前方構成部材600の前後位置が所定の前後位置に設定されるようになっている。また、この取付部612には複数のねじ穴が形成されており、ねじによって前方構成部材600を遊技盤本体80に固定できるようになっている。さらに、取付部612の一部は遊技盤本体80の前面側であって遊技者から視認可能な位置に配されるものであり、その前面には装飾が施されている。また、ベース部材610には、この他にもねじ穴やねじ止め部、位置決めのためのボス、ボスを受け入れる凹部やリブを受け入れるスリットなどが形成され、各種部材を適切な位置に固定できるようになっている。
ベース部材610の前面には、後述するステージ部620、ワープ流路形成部材614、普通変動入賞装置37が配される部分を除き、規制壁613が設けられている。この規制壁613は、取付部612よりも遊技領域32の前後幅(遊技盤本体80の前面から遊技盤30の前方を覆うカバーガラス(透明部材)14の裏面までの幅)の分だけ前方へ延出するようになっている。よって、前方構成部材600を遊技盤本体80の所定位置に取り付けることで、取付部612よりも前側に位置する規制壁613が遊技領域32内に延出し、遊技領域32を流下する遊技球がセンターケース40内に流入することを規制するようになっている。これにより、表示装置41の視認性を確保するとともにステージ部620への遊技球の流入数を制限するようになっている。
また、ベース部材610の前面側から見て左側の側部には、センターケース40の外側の遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ、ステージ部620へと誘導するワープ流路を形成するワープ流路形成部材614が取り付けられている。ワープ流路形成部材614は、取付部612の前面に取り付けられ、取付部612よりも遊技領域32の前後幅(遊技盤本体80の前面から遊技盤30の前方を覆うカバーガラス(透明部材)14の裏面までの幅)の分だけ前方へ延出するようになっている。また、ワープ流路形成部材614の上端は、ベース部材610の前面側から見て左側の側部において取付部612よりも前方へ延出するように取り付けられた規制壁613の下端に連続するようになっている。
ワープ流路形成部材614により形成されるワープ流路は、遊技球が一列で流下可能な内径を有する筒状の流路であり、センターケース40の左方の遊技領域32に向けて開口し、遊技領域32を流下する遊技球を受入可能となっている。この上流側端部がワープ流路の流入口をなす。さらにワープ流路は、上流側端部から流入した遊技球を右下方へ誘導した後に後方へ誘導するL字状の流路となっている。そして、下流側端部は後方に開口し、ステージ部620の左端部に遊技球を誘導するようになっている。
ステージ部620は遊技球が前後左右に転動可能であり、左右両側が中央に向かって下る傾斜面となっているとともに、入賞装置90の流入口91の直上となる中央部が上向きに突出した略W字状に形成されている。なお、ステージ部620の中央部は上向きに突出しているが左右両端よりは低くなっている。このステージ部620には、左端からワープ流路を通った遊技球が流入し、左右方向に沿って転動するようになっている。また、ステージ部620の下方で跳ねた遊技球も流入可能である。
この略W字状に形成されたステージ部620において、上向きに突出した中央部の両側に位置する最も低くなった部分には、前方に下る傾斜面621が形成されている。この傾斜面621により、ステージ部620上で流下勢が弱まった遊技球はステージ部620の前端から下方の遊技領域32へ誘導される。
また、略W字状に形成されたステージ部620において、上向きに突出した中央部の頂点となる部分には、前後方向に沿って延在し、後方へ向かって下る溝状の流下路622が形成されている。この流下路622は浅い溝となっており、多くの遊技球は溝に嵌らずに左右に転動する。流下路622に嵌った遊技球は後方へ誘導されて図示しない流入口に流入し、ステージ部620の下方に形成された誘導流路623に流入する。誘導流路623は前方へ下る流路であり、下流側端部は入賞装置90の流入口91の直上に位置しており、高い確率で入賞装置90へ流入するようになっている。
また、前方構成部材600の前面側から見た右側には、上下に遊技球が通過可能な普図始動ゲート34が設けられている。普図始動ゲート34には通過する遊技球を検出するゲートスイッチ34aが設けられている。さらに、普図始動ゲート34の下方には可動部材37bを備える普通変動入賞装置37が設けられている。この普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は前方構成部材600の後方へ誘導され、図示しない排出流路へ流入するようになっている。また、普通変動入賞装置37は入賞した遊技球を検出する始動口2スイッチと可動部材37bを駆動する普電ソレノイド37cを備えている。
普通変動入賞装置37の右方には、前側が透明なカバーで覆われ上下に連通する流下路615が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路615を通って下方へ流下する。この流下路615の下方には誘導部616が設けられている。誘導部の上面617は左方へ下る傾斜面となっており、流下路615を下方へ流下する遊技球を上面617で受け止め、左方へ誘導するようになっている。また、誘導部616には特図変動表示ゲームに関する情報を表示する情報表示装置630が設けられている。
図3、図4に示すように後方構成部材700は、前方に開口した凹部711を有する略矩形箱状の後方ベース部材710を有しており、この後方ベース部材710には、ねじ穴やねじ止め部、位置決めのためのボス、ボスを受け入れる凹部やリブを受け入れるスリットなどが形成され、各種部材を適切な位置に固定できるようになっている。また、後方ベース部材710の前端には、側壁712に対して垂直に外側に向かって延出する鍔状の固定部713が形成されており、後方構成部材700を遊技盤本体80の裏面の所定位置に固定できるようになっている。また、後方ベース部材710の後壁714には、前後に貫通する貫通孔715が形成されている。この貫通孔715は、後方ベース部材710の後方に取り付けられる表示装置41の表示面を視認可能とするものである。
後方ベース部材710の後壁714の裏面に取り付けられる表示装置41は、後方ベース部材710の後壁714に形成された貫通孔715の全体を覆うことのできる表示面を有する液晶表示装置を備えている。この表示装置41は、表示面が前側となるように取り付けられることで、後方ベース部材710に形成された貫通孔715を介して表示面の画像が遊技盤30の前方から視認可能となるようにされている。なお、表示装置41は、液晶表示装置を備えるものに限られず、例えば、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
後方ベース部材710の凹部711の内部には動作することによって遊技の演出を行う可動演出装置である盤演出装置44をなす、下可動役物ユニット730、上可動役物ユニット800及び中央可動役物ユニット880が設けられている。
図3に示すように下可動役物ユニット730は、貫通孔715の下方に配される。図5〜図8に示すようにこの下可動役物ユニット730は、幟を模した二つの第1下可動部材740、741と、瓢箪を模した第2下可動部材770を備え、これらの第1下可動部材740、741や第2下可動部材770を表示装置41の前側に出現させるように動作可能である。また、下可動役物ユニット730には、第1下可動部材740、741や第2下可動部材770を動作するための駆動機構や各種部材を取り付けるベース部として、前側に配される第1下ベース部731、中央に配される第2下ベース部732、裏面側に配される第3下ベース部733を備える。
第1下可動部材740、741や第2下可動部材770を駆動するための駆動源をなすモータ734は、第3下ベース部733の前面側から見た右下部に、駆動軸が前後方向に沿うように取り付けられる。下可動役物ユニット730には第1下可動部材740、741と第2下可動部材770が設けられているが、これらは一つのモータ734により駆動される。モータ734からの駆動力は、前後方向に沿った軸を中心に回転可能な第1歯車735と、この第1歯車735と噛み合い前後方向に沿った軸を中心に回転可能な第2歯車737に同時に伝達される。第1歯車735は第1下可動部材740、741を動作するためのもので、前面側には第1下可動部材740、741へ動力を伝達するための第1駆動軸736が前方に延出するように設けられている。
また、第1歯車735の外周には第1遮光板739が径方向へ延出するように設けられている。この第1遮光板739は、第1歯車735に隣接して設けられる第1検出センサ781(図7に図示)により検出可能である。第1検出センサ781は、発光部と受光部とが所定の間隔をおいて対向して配された検出部を備える光センサで、受光部において発光部からの光を検出することでON信号を出力するものであり、検出部における発光部と受光部の間隙が第1歯車735に設けられた第1遮光板739が移動する円周上の位置にあるように配されている。
また、第2歯車737は第2下可動部材770を動作するためのもので、裏面側には第2下可動部材770へ動力を伝達するための第2駆動軸738が後方に延出するように設けられている。後述するように、第1下可動部材740、741はモータ734を所定方向(ここでは前面側から見て時計回り)に駆動した場合に第1駆動軸736を介して駆動力が伝達されて動作し、第2下可動部材770はモータ734を上記の所定方向とは反対方向(ここでは前面側から見て反時計回り)に駆動した場合に第2駆動軸738を介して駆動力が伝達されて動作するように構成されている。
図6に示すように、一方の第1下可動部材740は下端部に軸受部742を備え、この軸受部742が第2下ベース部732の上部に設けられた前後方向沿った回動軸751によって回動可能に軸支されている。軸受部742は歯車となっており、モータ734からの駆動力を受けて第1下可動部材740が回動軸751を中心に動作可能となっている。また、他方の第1下可動部材741も同様に下端部に軸受部743を備え、この軸受部743が第2下ベース部732の上部に設けられた前後方向沿った回動軸752によって回動可能に軸支されている。軸受部743は歯車となっており、モータ734からの駆動力を受けて第1下可動部材741が回動軸752を中心に動作可能となっている。
前方から見て左側の回動軸751で軸支される第1下可動部材740に設けられた軸受部742の歯車は前後に二重になっており、前側の歯車でモータ734からの駆動力を受けるようになっている。そして、後ろ側の歯車は他方の第1下可動部材741に設けられた軸受部743の歯車に駆動力を伝達するようになっており、一つのモータ734で二つの第1下可動部材740、741が同時に動作できるようになっている。
前方から見て左側の回動軸751で軸支される第1下可動部材740に設けられた軸受部742の前側の歯車は、軸受部742の下方に配され前後方向に沿った軸を中心に回転可能な歯車753と噛み合っている。この歯車753は、第2下ベース部732の前面に当該第2下ベース部732に対して左右にスライド可能に設けられたスライド部材760の上部に設けられたラック歯車761と噛み合うようになっており、スライド部材760を左右に動作することで第1下可動部材740、741が動作するようになっている。
スライド部材760は平板状の部材であって、板面が第2下ベース部732の前面に沿うように配されている。スライド部材760には前後に貫通し左右に延在する長円形の被支持部762が形成されおり、この被支持部762に第2下ベース部732の前面に形成された前方へ突出する支持軸754が挿通されることで左右方向にスライド可能に支持される。さらに、第2下ベース部732の前方に取り付けられる第1下ベース部731がスライド部材760を覆うことでスライド部材760が前方に脱落しないように保持される。
また、スライド部材760には、前後に貫通した線状の貫通孔763が形成されている。この貫通孔763は、円弧状部分と、前面側から見て円弧状部分の右端部から下方に延出する直線部分とを備える。この貫通孔763には、第1歯車735に設けられた第1駆動軸736が後方から挿通され、モータ734からの駆動力がスライド部材760に伝達されるようになっている。
図6(a)は第1下可動部材740、741及び第2下可動部材770がいずれも初期位置にある初期状態である。この状態では第1駆動軸736は貫通孔における円弧状部分と直線部分の接続部分に位置している。貫通孔763の円弧状部分における円弧の半径は、第1歯車735の中心から第1駆動軸736の中心までの長さに等しい。そして、初期状態では、第1歯車735の中心と貫通孔763の円弧状部分における円弧を形成する円の中心とが前後に一致した状態となっている。また、このように第1下可動部材740,741が初期位置にある状態では、第1遮光板739は発光部と受光部の間隙から退避して第1検出センサ781での検出結果がONとなっている(図5、図7(a)参照)。
この初期状態から、第1歯車735を前面側から見て時計回り方向に回転すると、第1駆動軸736がスライド部材760を左方に押しながら貫通孔763の直線部分を移動する。これにより、図6(b)に示すようにスライド部材760は左方にスライド移動し、ラック歯車761が歯車753を回転させることにより第1下可動部材740、741が上方へ向けて回動して表示装置41の前側に出現した状態となる。初期状態に戻す際には上述と反対の動作となる。なお、後述するように初期状態から第1歯車735が前面側から見て反時計回り方向に回転するようにモータ734を駆動することで第2下可動部材770を動作させることができる。このとき、第1駆動軸736は貫通孔763の円弧状部分に沿って移動するので、スライド部材760を押圧することがなく、第1下可動部材740、741は動作しない。第2下可動部材770を動作した状態から初期状態に戻す際も同様である。
また、初期状態から第1歯車735を前面側から見て時計回り方向に回転させて第1下可動部材740,741を初期位置から移動させることで、第1遮光板739が発光部と受光部の間隙に侵入し、第1検出センサ781での検出結果がOFFとなる。第1遮光板739は、第1下可動部材740、741が初期位置にない状態では第1検出センサ781の検出部に侵入した状態が維持されるような範囲に設けられており、第1検出センサ781がOFF状態であることに基づき、演出制御装置300は第1下可動部材740、741が初期位置にないことを把握可能である。すなわち第1検出センサ781が盤演出装置44をなす可動演出装置である第1下可動部材740,741の位置を検出可能な位置検出手段をなすとともに、第1下可動部材740、741が初期位置にあることを検出する演出役物スイッチ47をなす。
図5、図7に示すように第2下可動部材770は、下端部に前後方向に沿った回動軸771を備え、この回動軸が第2下ベース部732及び第3下ベース部733により回動可能に支持されている。また、回動軸771の近傍には、前後に貫通した線状の貫通孔772が形成されている。この貫通孔772は、円弧状部分と、図5に示す状態で前面側から見て円弧状部分の左端部から延出する直線部分とを備える。この貫通孔772には、第2歯車737に設けられた第2駆動軸738が前方から挿通され、モータ734からの駆動力が第2下可動部材770に伝達されるようになっている。
また、回動軸771の近傍であって、貫通孔772と回動軸771を挟んで対向する位置には、回転軸の径方向へ延出する第2遮光板773が設けられている。この第2遮光板773は、第2下可動部材770に隣接して設けられる第2検出センサ782(図7に図示)により検出可能である。第2検出センサ782は、発光部と受光部とが所定の間隔をおいて対向して配された検出部を備える光センサで、受光部において発光部からの光を検出することでON信号を出力するものであり、検出部における発光部と受光部の間隙が第2下可動部材770に設けられた第2遮光板773が移動する円周上の位置にあるように配されている。
図7(a)は第1下可動部材740、741及び第2下可動部材770がいずれも初期位置にある初期状態である。この状態では第2駆動軸738は貫通孔772における円弧状部分と直線部分の接続部分に位置している。貫通孔772の円弧状部分における円弧の半径は、第2歯車737の中心から第2駆動軸738の中心までの長さに等しい。そして、初期状態では、第2歯車737の中心と貫通孔772の円弧状部分における円弧を形成する円の中心とが前後に一致した状態となっている。
この状態では、第1遮光板739は第1検出センサ781の検出部から退避して第1検出センサ781はON状態となる。また、第2遮光板773は第2検出センサ782の検出部から退避して第2検出センサ782はON状態となる。このように第1検出センサ781及び第2検出センサ782の両方がON状態であることに基づき、演出制御装置300は第1下可動部材740,741及び第2下可動部材770の両方が初期位置にある初期状態であることを把握可能である。
この初期状態から、第2歯車737を前面側から見て時計回り方向に回転するようにモータ734を駆動すると、第2駆動軸738が第2下可動部材770を上方へ押し上げながら貫通孔772の直線部分を移動する。これにより、図7(b)に示すように第2下可動部材770は上方に回動して表示装置41の前側に出現した状態となる。第2下可動部材770を初期状態に戻す際には上述と反対の動作となる。
また、第2下可動部材770が初期位置から動作することにより、第2遮光板773が第2検出センサ782の検出部に侵入して第2検出センサ782はOFF状態となる。第2遮光板773は、第2下可動部材770が初期位置にない状態では第2検出センサ782の検出部に侵入した状態が維持されるような範囲に設けられており、第2検出センサ782がOFF状態であることに基づき、演出制御装置300は第2下可動部材770が初期位置にないことを把握可能である。すなわち、第2検出センサ782での検出結果により第2下可動部材770の動作状態を検出可能であり、第2検出センサ782が可動演出装置をなす第2下可動部材770の位置を検出可能な位置検出手段をなすとともに、第2下可動部材770が初期位置にあることを検出する演出役物スイッチ47をなす。
なお、第2下可動部材770を初期位置から動作させる際に、第1歯車735は図7(a)に示す状態から前面側から見て反時計回りに回転して図7(b)の状態となる。第1遮光板739は、この過程において第1検出センサ781の検出部に侵入しない状態が維持されるような範囲に設けられており、第1検出センサ781はON状態のままとなる。もちろん第2下可動部材770を初期位置へ戻す過程ではこれと反対の動作となるので第1検出センサ781はON状態のままとなる。
また、上述したように初期状態から第2歯車737が前面側から見て反時計回り方向に回転するようにモータ734を駆動することで第1下可動部材740、741を動作させることができる。このとき、第2駆動軸738は貫通孔772の円弧状部分に沿って移動するので、第2下可動部材770を押圧することがなく、第2下可動部材770は動作しない。第1下可動部材740、741を動作した状態から初期状態に戻す際も同様である。
上述したように第1下可動部材740、741を初期位置から動作する際には、第1歯車735は図7(a)に示す状態から前面側から見て時計回りに回転する。これにより第1遮光板739が第1検出センサ781の検出部に侵入して第1検出センサ781はOFF状態となる。第1遮光板739は、第1下可動部材740、741が初期位置にない状態では第1検出センサ781の検出部に侵入した状態が維持されるような範囲に設けられており、第1検出センサ781がOFF状態であることに基づき、演出制御装置300は第1下可動部材740、741が初期位置にないことを把握可能である。
また、図8に示すように、第2下可動部材770が上方に回動して表示装置41の前側に出現した状態では、表示装置41に第2下可動部材770を強調するエフェクト表示を行うことが可能となっている。もちろん第1下可動部材740、741が表示装置41の前側に出現した状態でも同様にエフェクト表示を行うようにしても良い。またエフェクト表示の表示態様はこれに限られず、表示装置41の前側に出現した可動部材を強調するような表示であれば良い。
また、第2下可動部材770における瓢箪を模した部分には、複数のLEDが設けられており、発光による装飾ができるようになっている。また、「デアルカ」の文字も発光するようになっている。この4つの文字はそれぞれ独立して発光するようになっているが、「ル」については「ノ」の部分と「レ」の部分がさらに独立して発光するようになっている。これにより、図7(b)や図8に示すように、「デ」の部分と、「ル」における「レ」の部分のみを発光させて、「デレ」と表示することが可能となっている。このように文字を分割して異なる情報を表示可能としたことで、斬新な演出を行うことができる。なお、「デレ」の表示は、複数の演出モードのうちの一つであるデレモードであることを報知するものである。このように可動部材における表示により演出モードを報知するようにしたことで、設定されている演出モードを遊技者に対してわかりやすく伝えることができる。
図3に示すように上可動役物ユニット800は、貫通孔715の上方及び両側方に配される。図9に示すようにこの上可動役物ユニット800は、円形の第1上可動部材848と、虎の手を模した第2上可動部材860を備え、これらの第1上可動部材848、第2上可動部材860を動作することで演出を行うものである。
上可動役物ユニット800には、後方ベース部材710に取り付けられるベース部材801と、ベース部材801に対して上下方向に動作可能であり第1上可動部材848を備える可動部材ユニット820と、を備える。ベース部材801は前面側から見てコ字状になっており、貫通孔715の上方に配される上ベース部802と、貫通孔715の前面側から見て左方に配される左ベース部803と、貫通孔715の前面側から見て右方に配される右ベース部804と、からなる。
左ベース部803の右端部及び右ベース部804の左端部には、上下方向に沿って延在する案内部805が設けられている。この案内部805は、可動部材ユニット820を上下方向に沿って案内するものである。また、左ベース部803及び右ベース部804には、可動部材ユニット820を上下に駆動する駆動機構806がそれぞれ備えられている。なお、可動部材ユニット820を上下に駆動する駆動機構806のうち、前面側から見て左側の動作を行う駆動機構806を可動部材ユニット(左)と称し、右側の動作を行う駆動機構806を可動部材ユニット(右)と称することがある。
各駆動機構806は駆動源としてのモータ807を有し、モータ807を駆動することでアームが回動するようになっている。アームの先端には駆動軸809が設けられている。この駆動軸809は、可動部材ユニット820のリンク部材830に接続するものであり、モータ807を駆動することによりリンク部材830を動作して可動部材ユニット820を上下に駆動できるようになっている。
可動部材ユニット820は、駆動機構806と接続されるリンク部材830と、各種部材を取り付けるためのユニットベース部841と、ユニットベース部841の前側に配される第1上可動部材848と、ユニットベース部841の裏面側に配されて第1上可動部材を駆動する第1駆動部(図示略)と第2上可動部材を駆動する第2駆動部(図示略)と、ユニットベース部841の裏面に固定され、左ベース部803及び右ベース部804に設けられた案内部805によって案内される被案内部材842と、を備える。
リンク部材830は、左ベース部803と右ベース部804にそれぞれ回動可能に取り付けられ、互いに対向する方向へ延出するように配される。このリンク部材830は、左ベース部803に設けられた前後方向に沿って前方へ延出する回動軸810又は右ベース部804に設けられた前後方向に沿って前方へ延出する回動軸810が挿通される軸受部831を一端部に備え、左ベース部803又は右ベース部804により回動可能に軸支される。また、リンク部材830には、駆動機構806のアームに設けられた駆動軸809を挿通する長穴である第1案内部832が形成されており、モータ807を駆動してアームを回動することで、駆動軸809が第1案内部832に沿って移動しながらリンク部材830を上下に回動させるようになっている。
左ベース部803により軸支されるリンク部材830の軸受部831の近傍には、回動軸810の径方向へ延出する第3遮光板835が設けられている。この第3遮光板835は、左ベース部803の回動軸810に隣接して設けられる第3検出センサ811により検出可能である。第3検出センサ811は、発光部と受光部とが所定の間隔をおいて対向して配された検出部を備える光センサで、受光部において発光部からの光を検出することでON信号を出力するものであり、検出部における発光部と受光部の間隙は第3遮光板835が移動する円周上の位置にあるように配されている。
右ベース部804により軸支されるリンク部材830の軸受部831の近傍には、回動軸810の径方向へ延出する第4遮光板836が設けられている。この第4遮光板836は、右ベース部804の回動軸810に隣接して設けられる第4検出センサ812により検出可能である。第4検出センサ812は、発光部と受光部とが所定の間隔をおいて対向して配された検出部を備える光センサで、受光部において発光部からの光を検出することでON信号を出力するものであり、検出部における発光部と受光部の間隙は第4遮光板836が移動する円周上の位置にあるように配されている。
さらにリンク部材830における軸受部831が設けられた一端部と対向する他端部には、可動部材ユニット820のユニットベース部841に接続するための接続軸が後方へ延出するように設けられている。また、リンク部材830には、当該リンク部材830の前側を覆うように取り付けられる第2上可動部材860の裏面の一端部に設けられた支持軸を挿通可能な長穴である第2案内部834が形成されており、第2案内部834により第2上可動部材860の一端部を案内及び支持するようになっている。
ユニットベース部841は円形の本体部と、本体部から左右へ延出する被支持部845とを備える。被支持部845には前後に貫通して左右に延在する長穴である第3案内部が形成されており、この第3案内部846には、リンク部材830の接続軸がスライド可能に接続され、モータ807の駆動に基づくリンク部材830の動作に応じてユニットベース部841が上下に動作するようになっている。また、ユニットベース部841の裏面には被案内部材842が取り付けられている。被案内部材842は左右方向に延在するように配される板状の部材で、左右端部には左ベース部803及び右ベース部804に設けられた案内部805によって案内される被案内部843が設けられている。
また、本体部の前側には、円形の第1上可動部材848が設けられている。この第1上可動部材848は、裏面の中心に設けられた前後方向に沿った回転軸が本体部によって回転可能に支持されており、この回転軸を第1駆動部が回転駆動することで、回転軸を中心として回転するようにされている。第1駆動部には、この回転可能な第1上可動部材848が初期位置にあることを検出する第5検出センサが設けられている。
また、本体部に設けられた第2駆動部は、第1上可動部材848とは独立して第2上可動部材860を駆動することが可能となっている。第2駆動部は、第2上可動部材860を駆動する駆動アーム853を備えており、この駆動アーム853を左右に揺動動作することができるようになっている。駆動アーム853の他端部には第2上可動部材860が接続され、駆動アーム853を左右に揺動することで第2上可動部材860が左右に揺動するようになっている。また、第2駆動部には、この揺動可能な第2上可動部材860が初期位置にあることを検出する第8検出センサが設けられている。
図9〜図11には上可動役物ユニット800の動作を示した。なお、説明のために一部の部材を省略している。図9は可動部材ユニット820が動作範囲の上端の初期位置にあり、第1上可動部材848及び第2上可動部材860も初期位置にある初期状態である。また、図10は可動部材ユニット820が動作範囲の下端にあるが第1上可動部材848及び第2上可動部材860は初期位置にある動作状態である。さらに、図11は可動部材ユニット820が動作範囲の下端にあるとともに第1上可動部材848及び第2上可動部材860も初期位置から動作している動作状態である。
図9に示す初期状態では、可動部材ユニット820が動作範囲における上端の位置にある。この状態では、第3遮光板835が第3検出センサ811の検出部に位置するとともに、第4遮光板836が第4検出センサ812の検出部に位置し、第3検出センサ811と第4検出センサ812は何れもOFFとなる。また、第5検出センサ及び第8検出センサもOFFとなる。この初期状態から駆動機構806を動作してアームの先端に設けられた駆動軸809を表示装置41側へ向かうように回動させると、リンク部材830が下方に回動し、可動部材ユニット820が下方へ移動する。そして、可動部材ユニット820が動作範囲の下端にある動作状態では、図10に示すように駆動軸809は回動範囲における下端に位置しており、リンク部材830も回動範囲における下端に位置している。
また、この状態では、第3遮光板835が第3検出センサ811の検出部から退避するとともに、第4遮光板836が第4検出センサ812の検出部から退避し、第3検出センサ811と第4検出センサ812は何れもONとなる。なお、第1上可動部材848及び第2上可動部材860は初期位置にあるので、第5検出センサ及び第8検出センサはいずれもOFFとなる。
すなわち、演出制御装置300は、第3検出センサ811と第4検出センサ812が何れもOFFであることに基づき可動部材ユニット820が初期位置にあることを把握可能である。よって、第3検出センサ811及び第4検出センサ812が、盤演出装置44をなす可動部材ユニット820の初期位置を検出する演出役物スイッチ47をなす。また、第3検出センサ811及び第4検出センサ812が可動演出装置をなす可動部材ユニット820の位置を検出可能な位置検出手段をなす。
なお、ここでは可動部材ユニット820が初期位置からわずかに動作した程度では第3検出センサ811と第4検出センサ812が何れもOFFである状態が継続するが、第3遮光板835と第4遮光板836を設ける範囲を調整することで、可動部材ユニット820が初期位置からわずかに動作した状態で第3検出センサ811と第4検出センサ812が何れもONとなるようにすることも可能である。
第1駆動部を動作させると第1上可動部材848は一方向に回転し、図9に示した初期位置に戻るまでは第5検出センサはONとなる。なお、第1上可動部材848は時計回りと反時計回りの何れにも駆動可能である。また、第2駆動部を動作させると、第2上可動部材860は図10に示すように第1上可動部材848側に寄った状態と、図11に示すように第1上可動部材848から離れた状態との間で左右に動作することを繰り返す。図10に示した初期位置に戻るまでは第8検出センサはONとなる。すなわち、第5検出センサが可動演出装置をなす第1上可動部材848の位置を検出可能な位置検出手段をなすとともに、第1上可動部材848が初期位置にあることを検出する演出役物スイッチ47をなす。また、第8検出センサが可動演出装置をなす第2上可動部材860の位置を検出可能な位置検出手段をなすとともに、第2上可動部材860が初期位置にあることを検出する演出役物スイッチ47をなす。
すなわち、第1上可動部材848が所定の演出動作を行うことが可能な第1演出可動体をなし、駆動機構806やリンク部材830が第1演出可動体を動作するための第1駆動機構部をなし、これらで第1演出装置を構成する。また、第2上可動部材860が所定の演出動作を行うことが可能な第2演出可動体をなし、駆動部850が第2演出可動体を動作するための第2駆動機構部をなし、これらで第2演出装置を構成する。
また、第2上可動部材860は、図9に示す初期位置でも図11に示す動作後の位置でも、リンク部材830を覆って隠すように配され、リンク部材830を覆った状態で動作を行うようになっている。動作する第2上可動部材860でリンク部材830を覆うことで遊技者の意識を第2上可動部材860に引き付けることができ、リンク部材830に視線が行くことを効果的に防止でき、単に動作しない装飾部材で覆う場合に比べて高い隠蔽効果を得られる。また、特に初期位置では図2に示すようにリンク部材830が遊技者から視認できないように覆っている。これにより遊技の大部分を占める初期位置にある状態で遊技者から不要な部分が見えなくなり装飾性が向上する。
以上のことから、所定条件の成立に基づいてゲームを実行し、ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機10において、遊技に関する演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、演出制御手段に制御され、動作することにより遊技に関する演出を行う第1演出装置(第1上可動部材848、駆動機構806、リンク部材830)及び第2演出装置(第2上可動部材860、駆動部850)と、を備え、第1演出装置は、所定の演出動作を行うことが可能な第1演出可動体(第1上可動部材848)と、第1演出可動体を動作するための第1駆動機構部(駆動機構806、リンク部材830)と、を備え、第2演出装置は、所定の演出動作を行うことが可能な第2演出可動体(第2上可動部材860)と、第2演出可動体を動作するための第2駆動機構部(駆動部850)と、を備え、第1駆動機構部を覆うように第2演出可動体が配されていることとなる。
したがって、第1駆動機構部を覆うように第2演出可動体が配されているので、遊技者から不要な部分が見えにくくなり、動作する演出装置による演出効果を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。特に動作する第2演出可動体で第1駆動機構部を覆うことで遊技者の意識を第2演出可動体に引き付けることができ、第1駆動機構部に視線が行くことを効果的に防止でき、単に動作しない装飾部材で覆う場合に比べて高い隠蔽効果を得られる。
また、第2演出可動体(第2上可動部材860)は、少なくとも第1演出可動体(第1上可動部材848)が初期位置にある状態において第1駆動機構部(リンク部材830)が遊技者から視認できないように覆うようにしている。したがって、遊技の大部分を占める初期位置にある状態で遊技者から不要な部分が見えにくくなり、動作する演出装置による演出効果を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。
図3に示すように中央可動役物ユニット880は、貫通孔715の周囲を囲むように配される。図12〜図14に示すようにこの中央可動役物ユニット880は、4つに分割された複数の中央可動演出部材900,910,920,930が表示装置41の前方で組み合わさるように動作することで演出を行うものである。
中央可動役物ユニット880は、後方ベース部材710に取り付けられる可動演出ベース部材881を備える。また、可動演出ベース部材881の前面上側に配されて動作する第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910と、可動演出ベース部材881の前面下側に配されて動作する第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930と、を備える。
可動演出ベース部材881は、表示装置41の上側に位置する部分の左右方向の中央に、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910が取り付けられるようになっている。この部分には、第1中央可動演出部材を回動可能に軸支するための前後方向に沿って前方に延出する第1回動軸882と、第1中央可動演出部材の動作を案内するための前後に貫通する長穴である第1案内部883が設けられている。また、第2中央可動演出部材を回動可能に軸支するための前後方向に沿って前方に延出する第2回動軸884と、第2中央可動演出部材の動作を案内するための前後に貫通する長穴である第2案内部885が設けられている。
そして、可動演出ベース部材881における表示装置41の上側に位置する部分の前面側から見て右側には、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910を動作するための駆動源をなすモータ886が設けられている。可動演出ベース部材881の裏面側であって、第1回動軸882からモータ886にかけての部分にはモータ886の駆動力を第1中央可動演出部材900に伝達するための複数の歯車等を備える駆動機構が配されており、この駆動機構の裏面を覆うように裏面カバー896が取り付けられる。
さらに、可動演出ベース部材881における表示装置41の上側に位置する部分の前面側から見て左側には、第6検出センサ889が設けられている。この第6検出センサ889は、発光部と受光部とが所定の間隔をおいて対向して配された検出部を備える光センサで、受光部において発光部からの光を検出することでON信号を出力するものである。この部分の前側に取り付けられる第2中央可動演出部材910の裏面には、後方へ延出する第6遮光板916が設けられていて、第6検出センサ889の検出部における発光部と受光部の間隙は第6遮光板916が移動する円周上の位置にあるように配されている。
また、可動演出ベース部材881は、表示装置41の下側に位置する部分の左右方向の中央に、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が取り付けられるようになっている。この部分には、第3中央可動演出部材を回動可能に軸支するための前後方向に沿って前方に延出する第3回動軸891と、第3中央可動演出部材の動作を案内するための前後に貫通する長穴である第3案内部892が設けられている。また、第4中央可動演出部材を回動可能に軸支するための前後方向に沿って前方に延出する第4回動軸893と、第4中央可動演出部材の動作を案内するための前後に貫通する長穴である第4案内部894が設けられている。そして、可動演出ベース部材881における表示装置41の下側に位置する部分の前面側から見て左側には第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930を動作する駆動源をなすモータ895が設けられている。
さらに、可動演出ベース部材881における表示装置41の下側に位置する部分の中央には、第7検出センサ897が設けられている。この第7検出センサ897は、発光部と受光部とが所定の間隔をおいて対向して配された検出部を備える光センサで、受光部において発光部からの光を検出することでON信号を出力するものである。この部分の前側に取り付けられる第3中央可動演出部材920の裏面には、後方へ延出する第7遮光板926が設けられていて、第7検出センサ897の検出部における発光部と受光部の間隙は第7遮光板926が移動する円周上の位置にあるように配されている。
右上部に配される第1中央可動演出部材900は、装飾が施されて表示装置41の前面側に出現することとなる装飾部901を備える。また、第1中央可動演出部材900の一端部には、第1回動軸882が挿通される前後に貫通した第1軸受部902が設けられており第1中央可動演出部材900は第1回動軸882を中心として回動可能に軸支される。
また、第1軸受部902の近傍には、第1中央可動演出部材900の回動中心を中心とする扇形の第1扇形歯車903及び第2扇形歯車904が設けられている。第1扇形歯車903は、前面側から見て右側を向くように設けられている。この第1扇形歯車903は、可動演出ベース部材881における第1回動軸882の右側に形成された前後に貫通する貫通部887を通って可動演出ベース部材881の裏面側に臨むようになっている。そして、可動演出ベース部材881の裏面側でモータ886からの駆動力を伝達する歯車と噛み合うようになっている。
また、第2扇形歯車904は、前面側から見て左側を向くように設けられている。この第2扇形歯車904は、第1中央可動演出部材900の左方に隣接して配される第2中央可動演出部材910に設けられた第3扇形歯車913と噛み合うようになっている。これにより、第1扇形歯車903で受けたモータ886からの駆動力が第2扇形歯車904を介して第2中央可動演出部材910にも伝達されるようになる。また、第1中央可動演出部材900の裏面には、後方へ延出する被案内軸905が設けられている。この被案内軸905は第1案内部883に挿通されるようになっており、第1中央可動演出部材900が回動動作する際には第1案内部883の延在方向に沿って案内されることで第1中央可動演出部材900の円滑な動作を可能としている。
左上部に配される第2中央可動演出部材910は、装飾が施されて表示装置41の前面側に出現することとなる装飾部911を備える。また、第2中央可動演出部材910の一端部には、第2回動軸884が挿通される前後に貫通した第2軸受部912が設けられており第2中央可動演出部材910は第2回動軸884を中心として回動可能に軸支される。
また、第2軸受部912の近傍には、第2中央可動演出部材910の回動中心を中心とする扇形の第3扇形歯車913が設けられている。第3扇形歯車913は、前面側から見て右側を向くように設けられている。この第3扇形歯車913は、第2中央可動演出部材910の右方に隣接して配される第1中央可動演出部材900に設けられた第2扇形歯車904と噛み合うようになっている。また、第2中央可動演出部材910の裏面には、後方へ延出する被案内軸914が設けられている。この被案内軸914は第2案内部885に挿通されるようになっており、第2中央可動演出部材910が回動動作する際には第2案内部885の延在方向に沿って案内されることで第2中央可動演出部材910の円滑な動作を可能としている。
また、第2軸受部912の近傍には、後方へ延出する係合部915が設けられている。この係合部915は、可動演出ベース部材881における第2回動軸884の左方に形成された前後に貫通する貫通部888を通って可動演出ベース部材881の裏面側に臨むようになっている。そして、図13(b)に示すように可動演出ベース部材881の裏面側でねじりコイルばね889の一端部が係合するようになっている。このねじりコイルばね889の他端部は、可動演出ベース部材881に形成された係止部890に係止されていて、第2中央可動演出部材910の係合部915が上方へ付勢されるようになっている。これにより、ねじりコイルばね889の付勢力が、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910を動作範囲における上端の位置である初期位置で保持する際の補助となるとともに、下方へ動作した第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910が初期位置へ戻る際の補助となる。
図12に示すように左下部に配される第3中央可動演出部材920は、装飾が施されて表示装置41の前面側に出現することとなる装飾部921を備える。また、第3中央可動演出部材920の一端部には、第3回動軸891が挿通される前後に貫通した第3軸受部922が設けられており第3中央可動演出部材920は第3回動軸891を中心として回動可能に軸支される。
また、第3軸受部922の近傍には、第3中央可動演出部材920の回動中心を中心とする扇形の第4扇形歯車923及び第5扇形歯車924が設けられている。第4扇形歯車923は、前面側から見て左下側を向くように設けられている。この第4扇形歯車923は、可動演出ベース部材881における第3回動軸891の左下部に配されたモータ895の歯車と噛み合うようになっている。
また、第5扇形歯車924は、前面側から見て右側を向くように設けられている。この第5扇形歯車924は、第3中央可動演出部材920の右側に隣接して配される第4中央可動演出部材930に設けられた第6扇形歯車933と噛み合うようになっている。これにより、第4扇形歯車923で受けたモータ895からの駆動力が第5扇形歯車924を介して第4中央可動演出部材930にも伝達されるようになる。また、第3中央可動演出部材920の裏面には、後方へ延出する被案内軸925が設けられている。この被案内軸925は第3案内部892に挿通されるようになっており、第3中央可動演出部材920が回動動作する際には第3案内部892の延在方向に沿って案内されることで第3中央可動演出部材920の円滑な動作を可能としている。
右下部に配される第4中央可動演出部材930は、装飾が施されて表示装置41の前面側に出現することとなる装飾部931を備える。また、第4中央可動演出部材930の一端部には、第4回動軸893が挿通される前後に貫通した第4軸受部932が設けられており第4中央可動演出部材930は第4回動軸893を中心として回動可能に軸支される。
また、第4軸受部932の近傍には、第4中央可動演出部材930の回動中心を中心とする扇形の第6扇形歯車933及び第7扇形歯車934が設けられている。第6扇形歯車933は、前面側から見て左側を向くように設けられている。この第6扇形歯車933は、第4中央可動演出部材930の左側に隣接して配される第3中央可動演出部材920に設けられた第5扇形歯車924と噛み合うようになっている。また、第4中央可動演出部材930の裏面には、後方へ延出する被案内軸935が設けられている。この被案内軸935は第4案内部894に挿通されるようになっており、第4中央可動演出部材930が回動動作する際には第4案内部894の延在方向に沿って案内されることで第4中央可動演出部材930の円滑な動作を可能としている。
また、第7扇形歯車934は、前面側から見て右下側を向くように設けられている。この第7扇形歯車934は、第4中央可動演出部材930の右下に配される付勢機構940に設けられた第8扇形歯車942と噛み合うようになっている。付勢機構940は、前後方向に沿った回動軸941を中心として回動可能であり第8扇形歯車942を備えている。この付勢機構940は、前面側から見て回動軸から左側に延出するように設けられており、図示しない付勢部材により下方(反時計回り方向)に付勢されている。これにより、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が動作範囲における下端の位置である初期位置へ向かう方向へ付勢されることとなる。よって、付勢機構による付勢力が、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930を初期位置で保持する際の補助となるとともに、上方へ動作した第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が初期位置へ戻る際の補助となる。
以上のように構成される中央可動役物ユニット880は、図13に示す初期状態と図14に示す動作完了状態とに変換可能である。図13に示す初期状態では、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910は動作範囲の上端である初期位置にあり、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930は動作範囲の下端である初期位置にあって、略表示装置41の前面から退避した状態となっている。
この初期状態では、第6遮光板916が第6検出センサ889の発光部と受光部の間隙に位置し、第6検出センサ889での検出結果がOFFとなる。また、第7遮光板926が第7検出センサ897の発光部と受光部の間隙に位置し、第7検出センサ897での検出結果がOFFとなる。すなわち、初期状態では、第6検出センサ889と第7検出センサ897が何れもOFFとなる。これに基づき演出制御装置300は第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が初期位置にあることを把握可能である。
なお、第1中央可動演出部材900と第2中央可動演出部材910は連動するようになっているので、第6検出センサ889での検出結果により第2中央可動演出部材910が初期位置にあることを検出することで、第1中央可動演出部材900が初期位置にあることも検出可能である。また、第3中央可動演出部材920と第4中央可動演出部材930は連動するようになっているので、第7検出センサ897での検出結果により第3中央可動演出部材920が初期位置にあることを検出することで、第4中央可動演出部材930が初期位置にあることも検出可能である。よって、演出制御装置300は、第6検出センサ889と第7検出センサ897が何れもOFFであること基づき、第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が初期位置にあることを把握可能である。
この初期状態から、モータ886を動作させると、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910が下降するように回動し、モータ895を動作させると第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が上昇するように回動する。これに伴い、第6遮光板916が第6検出センサ889の検出部から退避して第6検出センサ889での検出結果がONとなる。また、第7遮光板926が第7検出センサ897の検出部から退避して第7検出センサ897での検出結果がONとなる。すなわち、演出制御装置300は、第6検出センサ889と第7検出センサ897が何れもOFFであること基づき、第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が初期位置にあることを把握可能である。
よって、第6検出センサ889及び第7検出センサ897が、盤演出装置44をなす第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930の位置を検出可能な位置検出手段をなすとともに、初期位置を検出する演出役物スイッチ47をなす。
そして、図14に示す動作完了状態では、第1中央可動演出部材900の装飾部901、第2中央可動演出部材910の装飾部911、第3中央可動演出部材920の装飾部921及び第4中央可動演出部材930の装飾部931が表示装置41の前面に重なるように配される。また、各装飾部901,911,921,931の端面は、隣接する装飾部901,911,921,931の端面と対向して近接し、全体で一つの円環状の形状を形成するようになっている。なお、各装飾部901,911,921,931は、光を透過しない材質からなり、装飾部901,911,921,931が位置する部分は表示装置41の表示を正面から視認できない状態となる。
次に特別変動入賞装置38の構成について説明する。図2、図15〜図17に示すように特別変動入賞装置38は、遊技盤本体80の前面に沿って配される流路後壁962と、当該流路後壁962の前側に配される流路前壁952とに挟まれて、遊技球が一列で流下可能な流下路38fを備える。この流下路38fは、前面側から見て左へ下るように傾斜しており、遊技球は一列で左方へ向かって一列に流下するようになっている。
図16、図17に示すように、この流下路38fの略中央部分の底面は、前後方向にスライド可能な開閉部材990により構成されている。開閉部材990は、図16、図17(a)に示すように前方へ突出して特別変動入賞装置38(大入賞口38d)に遊技球が入賞できない状態である閉状態と、図17(b)に示すように後方へ退避して大入賞口38dへ遊技球が入賞可能な状態である開状態と、に変換可能となっている。すなわち流下路38fを流下する遊技球は、開閉部材990が閉状態である場合には開閉部材990の上面を流下して大入賞口38dを通過し、開閉部材990が開状態である場合には大入賞口へ流入するようになっている。なお、開閉部材990が閉状態である場合に流路前壁952との間には隙間が存在するが、遊技球が流入できない程度の隙間である。
図18に示すように特別変動入賞装置38は、流路前壁952を備える前壁部材950と、流路後壁962を備える後壁部材960と、開閉部材990などが取り付けられる本体部970と、本体部970の裏面を覆うカバー部材979と、を備える。
前壁部材950は、板状の前面部951を備えている。前面部951の前面はガラス枠15のカバーガラス14の裏面に近接して配されるようになっていて、この前面の前方を遊技球が流下することはないようにされる。また、前面部951の前面は遊技者から視認可能な面であり、装飾が施されているとともに一部が光を透過可能なレンズとされている。この前壁部材950の裏面には装飾手段として図示しないLEDが配されるようになっており、光によって特別変動入賞装置38を装飾することが可能となっている。なお、特別変動入賞装置38を装飾する光の色は、一括表示装置50の発光色とは異なる色とされており、隣接する一括表示装置50の表示がわかりにくくなることを防止している。また、板状の前面部951の上部は、流下路38fの前側の側壁をなす流路前壁952となっている。
図16に示すように流路前壁952の裏面側には、後方に突出する複数の前壁突出部954が設けられている。この前壁突出部954は、左右の側面が斜面となった三角柱状の突出部で、開閉部材990に複数設けられた突出部992のそれぞれの前方に、突出部992に対してわずかに上流側に位置するように設けられている。この前壁突出部954と突出部992は、後述するように流下路38fを流下する遊技球を蛇行させるために、左方へ流下する遊技球を後方へ誘導する機能を有する。すなわち流下路38fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。前壁突出部954がわずかに上流側に位置することで、左方へ流下する遊技球が前壁突出部954で後方へ誘導された後に突出部992でさらに後方へ誘導されるようになり、効果的に遊技球を誘導できるようにされている。
図19に示すように前壁部材950の裏面側は、板状の前面部951の裏面から後方へ延出するリブ状の延出壁953が複数設けられている。この延出壁953は、設けられた場所によりそれぞれ機能が異なっており、流下路38fの底面を形成する底面部953a、大入賞口38dの側壁や底面をなす大入賞口形成部953b、大入賞口38dに入賞した遊技球を誘導する誘導流路955を形成する誘導流路形成部953c、大入賞口スイッチ38aを取り付ける取付部956を形成するスイッチ取付部形成部953d、一般入賞口35を形成する一般入賞口形成部953e、特別変動入賞装置38の周囲を流下する遊技球の内部への侵入を防止する周囲壁953fとしての機能を有する。
流下路38fの底面を形成する底面部953aは、裏面側から見て右側に傾斜する傾斜面となっている。また、大入賞口形成部953bは大入賞口38dに流入した遊技球を誘導流路955へ集めるように傾斜している。誘導流路955へは遊技球が一列で流入可能であり、誘導流路955への流入部分には大入賞口スイッチ38aが設けられている。これにより、大入賞口38dに流入した全ての遊技球は大入賞口スイッチ38aで検出された後に誘導流路955へ流入することとなる。誘導流路形成部953cにより形成される誘導流路955は、大入賞口38dからの遊技球を遊技盤30の裏面側へ誘導する流路であり、前面部951の裏面には遊技球を後方へ誘導するためのリブ957が形成されている。また、一般入賞口形成部953eは特別変動入賞装置38の前面側から見て右方に開口する一般入賞口35を形成するものである。前面部951の裏面にはこの一般入賞口35へ流入した遊技球を後方へ誘導するためのリブ958が形成されている。
図20(a)に示すように後壁部材960は、板状の後面部961を備えている。後面部961の前面には前壁部材950が取り付けられるようになっており、後面部961の前面のうち前壁部材950で隠されない部分には装飾が施されている。後面部961の上部は、流下路38fの後側の側壁をなす流路後壁962となっている。また、流路後壁962の下端となる位置には、開閉部材990を後壁部材960の裏面側から挿通するための前後に貫通した開閉部材挿通部963が形成されている。
また、流路後壁962の前面側には、前方に突出する複数の後壁突出部964が設けられている。図16に示すように後壁突出部964は、左右の側面が斜面となった三角柱状の突出部で、開閉部材990に複数設けられた凹部993に隣接する位置に設けられている。後壁突出部964と凹部993は、後述するように流下路38fを流下する遊技球を蛇行させるために、左方へ流下する遊技球を前方へ誘導する機能を有する。すなわち流下路38fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。後壁突出部964が凹部993に隣接して設けられていることで、凹部993が設けられていない部分で遊技球が流下路38fの右側部分を流下することを防止でき、確実に遊技球を蛇行させることが可能となる。
図20に戻り、後面部961の中央部分であって前壁部材950において誘導流路955が形成された部分と対向する部分には、誘導流路955が後面部961の裏面側に連通するように前後に貫通した貫通部968が形成されている。また、この誘導流路955の上方には、大入賞口スイッチ38aの後部を収容可能に前後に貫通したスイッチ取付部965が形成されている。さらに、後面部961の右側部分であって前壁部材950において一般入賞口35が形成された部分と対向する部分には、一般入賞口35に入賞した遊技球を後壁部材960の裏面側へ誘導する一般入賞口流路966を後面部961の裏面側に連通するように前後に貫通した貫通部966aが形成されている。
図20(b)に示すように後壁部材960の裏面側には、板状の後面部961の裏面から後方へ延出するリブ状の延出壁967が複数設けられている。この延出壁967は設けられた場所によりそれぞれ機能が異なっており、誘導流路955を形成する誘導流路形成部967a、一般入賞口流路966を形成する一般入賞口流路形成部967b、特別変動入賞装置38の周囲を形成する周囲壁967cとしての機能を有する。
誘導流路形成部967aは、貫通部968から裏面側へ誘導された遊技球を下方へ案内するように誘導流路955を形成する。また、後面部961に形成された誘導流路955の下流側端部には、後方へ遊技球を誘導するためのリブ969が形成されている。一般入賞口流路形成部967bは、貫通部966aから裏面側へ誘導された遊技球を下方へ案内するように一般入賞口流路966を形成する。また、後面部961に形成された一般入賞口流路966の下流側端部には、後方へ遊技球を誘導するためのリブ966bが形成されている。
周囲壁967cは、遊技盤本体80における特別変動入賞装置38を取り付ける部分に形成された前後に貫通する貫通部の形状に合わせて形成されており、特別変動入賞装置38を遊技盤本体80に取り付けた際には周囲壁967cは貫通部に挿通された状態となる。また、周囲壁967cよりも外側に位置する後面部961の裏面は、特別変動入賞装置38を遊技盤本体80に取り付けた際に遊技盤本体80の前面に当接した状態となる。この部分には位置決めのためのボスやねじ止めのためのねじ穴が複数形成されている。
図21に示すように本体部970は、後壁部材960の周囲壁967cと前後に一致する周壁971を備える。この本体部970は、後壁部材960の裏面に形成された誘導流路形成部967aと対向し、誘導流路955の後壁をなす後壁部972を備えている。この後壁部972において、後壁部材960に形成された貫通部968と対向する位置には、貫通部968を通って後壁部材960の裏面へ誘導された遊技球を、誘導流路955に沿って右方へ誘導するリブ973が形成されている。また、後壁部972において後壁部材960に形成された誘導流路955の下流側端部と対向する位置には、前後に貫通する貫通部974が形成されている。誘導流路955を流下した遊技球は、後壁部材960に形成されたリブ969により後方へ誘導されて貫通部974を通り、本体部970の裏面側へ誘導されて遊技機の外部へ遊技球を排出する排出流路へ流入するようになっている。
また、後壁部材960に形成された一般入賞口流路966の下流側端部と対向する部分には、一般入賞口流路966を流下する遊技球を本体部970の裏面側へ誘導する貫通部975が形成されている。一般入賞口流路966を流下した遊技球は貫通部975を通って本体部970の裏面側へ誘導されて入賞口スイッチ35aで検出された後、遊技機の外部へ遊技球を排出する排出流路へ流入するようになっている。
また、後壁部材960に形成された開閉部材挿通部963と対向する位置には、前後方向に動作する開閉部材990を案内及び支持する開閉部材保持部976が設けられている。開閉部材保持部976は、本体部970の前後に貫通するスリット状の貫通部であり、開閉部材990の上下左右の面に当接可能であって開閉部材990を案内及び支持することが可能な案内壁977が前後方向に沿って延在するように設けられている。
本体部970の裏面側には、開閉部材990と該開閉部材990を動作する動作機構を備える開閉部材ユニット980が取り付けられている。この開閉部材ユニット980は、各種部材を取り付けるためのユニットベース部材981と、前後方向にスライド動作可能な開閉部材990と、開閉部材990を動作するための大入賞口ソレノイド38bを備える。
この開閉部材ユニット980は、図22(a)に示すように開閉部材990を前方へ突出させた状態として特別変動入賞装置38を閉状態とする状態と、図22(b)に示すように開閉部材990を後方へ退縮させた状態として特別変動入賞装置38を開状態とする状態とに開閉部材990を変換可能である。なお、開閉部材990は、本体部970に形成された開閉部材保持部976や後壁部材960に形成された開閉部材挿通部963を介して大入賞口38dの上方に出現可能となっている。
開閉部材990は、ユニットベース部材981の上部に形成された保持部982に前後にスライド可能に配されている。図23(a)に示すように開閉部材990は、上面における大入賞口38dの上方へ延出する前端部分が一段低くなるようにされて流下路38fの底面をなす流路形成部991とされている。
この流路形成部991には、開閉部材990の前端部分の近傍に上方へ突出する複数の突出部992が形成されている。突出部992の上流側の側面は後方側が下流側へ向くように傾斜しており、右方から流下する遊技球を凹部993へ向けて後方に滑らかに誘導できるようにされている。また、突出部992の下流側の側面は後方側が上流側へ向くように傾斜しており、凹部993から前方へ流出する遊技球が接触した場合に下流側方向へ案内できるようにされている。
また、一段低くなった流路形成部991の段差部分であって、突出部992とスライド方向に対向する部分には、段差部分が後方へ窪んだ凹部993が形成されている。凹部993を形成する段差部分の側面と突出部992の側面の間隔は何れの位置でも遊技球が一列で流下可能な間隔とされている。また、凹部993を形成する段差部分の側面のうち下流側の側面は、前方側が下流側へ向くように斜めに形成されており、凹部993から前方へ遊技球が滑らかに流出できるようにされている。
すなわち、開閉部材990の上面には、突出部992や凹部993のような起伏が設けられている。後述するようにこのような起伏により開閉部材990の上に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされている。
また、図23(b)に示すように、開閉部材990の上面は左側へ下る斜めの面とされており、遊技球を左方へ向けて流下させるようになっている。また、開閉部材990の下面の左右には下方へ延出する摺動部994が形成されている。この摺動部994は前後方向に沿って延在するように形成されており、ユニットベース部材981の上部に形成された保持部982の上面に当接することで開閉部材990が保持部982上で摺動可能となる。
また、図22(a)に示すように開閉部材990の前端部分は、上端よりも下端が後方側に位置するように傾斜する傾斜面996となっている。このように傾斜面996が形成されていることで、開閉部材990を閉状態とする際に開閉部材990と流路前壁952との間に遊技球が存在する場合に、当該遊技球を上方又は下方へ遊技球を逃がすことができる。
また、図24に示すように開閉部材990の下面の中央部分には、開閉部材990を駆動する大入賞口ソレノイド38bからの駆動力を伝達する駆動アーム983が接続される接続部995が形成されている。駆動アーム983は保持部982の下方に位置している。図24(b)に示すように保持部982には駆動アーム983から上方に延出する接続ピン983aを挿通可能な貫通部982aが形成されており、この貫通部982aを通して接続ピン983aが開閉部材990の接続部995に接続されている。また、図24(a)に示すように保持部982には、接続部995の左右に位置し、前後方向に沿って延在する案内リブ982bが形成されている。この案内リブ982bは接続部995を前後方向に案内することで開閉部材990を前後方向に沿って案内するものである。
図25に示すように駆動アーム983の一端は、大入賞口ソレノイド38bに接続された連結部材984に連結している。また、駆動アーム983には上下方向に沿った回動軸983bを備えており、この回動軸983bを中心として回動可能となっている。なお、回動軸983bは、本体部970及び後壁部材960によって前後から挟まれて回動可能に保持される(図18参照)。
図25(a)に示すように特別変動入賞装置38を閉状態とする状態では、大入賞口ソレノイド38bの駆動軸38gが伸長して駆動アーム983が回動範囲の前端に位置する状態となる。この状態では、駆動アーム983が回動軸983bを中心として裏面側から見て時計回り方向に最も回動した状態となり、接続ピン983aが移動範囲の前端に位置している。
この状態から特別変動入賞装置38を開状態とする場合は、大入賞口ソレノイド38bの駆動軸38gを退縮させることで、駆動アーム983が回動軸983bを中心に裏面側から見て反時計回り方向に回動して、接続ピン983aを後方へ向かうように移動させて開閉部材990を後方へ退縮させる。これにより、図25(b)に示すように特別変動入賞装置38を開状態とする状態となる。特別変動入賞装置38を閉状態とする場合は、上述の動作と逆の動作を行う。
図26〜図29には、特別変動入賞装置38における遊技球の流下態様を示した。なお、図28や図29では説明のために前壁部材950の一部を透視した図となっている。流下路38fを右から左へ流下する遊技球は、まず最も上流側に位置する後壁突出部964により斜め前側へ誘導され、開閉部材990における流路形成部991に流入する。そして、前壁突出部954により斜め後方へ誘導されるとともに開閉部材990の突出部992により斜め後方へ誘導されて凹部993へ流入する。凹部993に流入した遊技球は、下流側へ向けて斜めに形成された凹部993の下流側の側面や、下流側に隣接する前壁突出部954により再び斜め前方へ誘導される。
以降、前壁突出部954と突出部992による斜め後方への誘導と、凹部993や後壁突出部964による斜め前方への誘導が繰り返され、流下路38fを流下する遊技球は前後に蛇行しながら流下するようになる。これにより、流下路38fに前壁突出部954や後壁突出部964、突出部992、凹部993などの起伏がなく直線的に流下する場合よりも開閉部材990の上に滞留する時間が長くなることとなる。このため、図28や図29(a)に示すように開閉部材990の上に遊技球が常に存在する状態となり、特別変動入賞装置38の開放時間が短い場合であっても開閉部材990を開放した際に図29(b)に示すように開閉部材990の上に存在している遊技球が落下して大入賞口38dに入賞する可能性が高く、短い開放であっても遊技者に入賞に対する期待感を持たせることができる。なお、短開放となるラウンド前において特別変動入賞装置38を閉状態とするインターバル時間について、遊技球が開閉部材990の上で滞留した状態となるのに必要な時間を確保しておくことが好ましい。
また、図30(a)に示すように、開閉部材990を開放する際に開閉部材990の上に滞留していた遊技球は、開閉部材990に形成された突出部992に接触することで図30(b)に示すように跳ねて大入賞口38dから離れる方向へ誘導される。また、跳ねた遊技球は流路前壁952の前壁突出部954や、流路後壁962の後壁突出部964などに接触することでさらに大入賞口38dから離れることもある。また、開閉部材990に形成された突出部992は遊技球が通過可能な間隔をおいて配されているため、この間隔を通って突出部992に接触せずに落下することもある。なお、後述する短開放となる場合の特別変動入賞装置38開放時間は、上述のように突出部992等に接触して跳ねた遊技球であっても大入賞口38dに流入可能な時間となっている。これにより短開放であっても大入賞口38dへの流入は可能である。
このように突出部992や前壁突出部954、後壁突出部964を備えることで、開閉部材990を開放する際の遊技球の転動態様が多彩となり、遊技の興趣を向上することができる。また、開閉部材990を開放した際に開閉部材990の上に存在している複数の遊技球の大入賞口38dへの流入タイミングをずらすことができ、大入賞口38d内で球詰まりが発生することを防止できる。
なお、流下路38fに起伏として前壁突出部954や後壁突出部964、突出部992、凹部993を設けたが、これ以外のものであっても良い。例えば、起伏として開閉部材990の上面に蛇行する溝を形成し、遊技球が溝に沿って蛇行しながら流下するようにしても良い。また、起伏として開閉部材990の上面に流下方向と略直交するようにリブ状の突出部や溝を設けて、遊技球が流下する際に突出部や溝によって上下方向に動かされながら流下するようにしても良い。
以上のことから、遊技球が流下可能な遊技領域32を備える遊技盤30を備え、遊技領域32に設けられた始動領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技球が入賞不能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態に変換可能であり、特別遊技状態において開状態に変換される特別変動入賞装置38を備え、特別変動入賞装置38は、上方に向いた開口から遊技球が入賞可能であり、閉状態では開口を閉鎖して遊技球の入賞を不能とするとともに開状態では開口を開放して遊技球の入賞を可能とする開閉部材990が備えられ、閉状態においては開閉部材990の上面を遊技球が流下可能に構成され、開閉部材990は、上面に起伏(突出部992、凹部993)が設けられ、当該起伏がない場合よりも当該開閉部材990の上面に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされていることとなる。したがって、特別遊技状態中における遊技球の減少を抑制することができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、開閉部材990の上面により構成される流下路38fの周囲に、当該流下路38fを流下する遊技球が接触可能な接触部(前壁突出部954、後壁突出部964)が設けられていることとなる。したがって、接触部に接触することで開閉部材990の上面に遊技球が滞留する時間が長くなるようになり特別遊技状態中における遊技球の減少を抑制することができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、閉状態においては開閉部材990の上面における左右の端部の一方から他方へ遊技球が流下するように構成され、開閉部材990の上面に形成された起伏は、流下する遊技球を前後に蛇行させるように形成されていることとなる。したがって、開閉部材990の上面に遊技球が滞留する時間が長くなるようになり特別遊技状態中における遊技球の減少を抑制することができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、特別変動入賞装置38は、前後方向にスライド移動する開閉部材990により開閉するものとしたが、閉状態では大入賞口38dを覆うように上面が平行な状態となり、開状態とする場合には下方へ回動するような構成としても良い。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32を備える遊技盤30を備え、遊技領域32に設けられた始動領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技球が入賞不能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態に変換可能であり、特別遊技状態において開状態に変換される特別変動入賞装置38を備え、特別変動入賞装置38は、上方に向いた開口から遊技球が入賞可能であり、閉状態では前方に突出して開口を閉鎖して遊技球の入賞を不能とするとともに開状態では後方に退避して開口を開放して遊技球の入賞を可能とするように前後方向にスライド移動する開閉部材990が備えられ、閉状態においては開閉部材990の上面を遊技球が流下可能に構成され、開閉部材990は、上面に起伏(突出部992、凹部993)が設けられ、当該起伏がない場合よりも当該開閉部材990の上面に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされているとともに、当該開閉部材990の前端部分に、前端に向かってスライド方向に垂直な方向の厚みが減少するような傾斜面996が形成されていることとなる。
したがって、開閉部材990は、上面に起伏が設けられ、当該起伏がない場合よりも当該開閉部材の上面に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされているので、特別遊技状態中における遊技球の減少を抑制することができ、遊技の興趣を高めることができる。また、開閉部材990の前端部分に、前端に向かってスライド方向に垂直な方向の厚みが減少するような傾斜面996が形成されているので、閉鎖の際に遊技球を挟み込むことを防止できる。
また、開閉部材990の前端部分における上面はスライド方向に沿った平面であり、開閉部材990の上面よりも下側の部分が傾斜面996とされていることとなる。したがって、閉鎖の際に遊技球を挟み込むことを防止できるとともに、傾斜面996によって下方へ案内されることで特別遊技状態中における遊技球の減少を抑制することができ、遊技の興趣を高めることができる。
図31は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態(普電サポート状態))、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置450へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置450との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図32を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46や情報表示装置630を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333が設けられている。また、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。本実施形態の遊技機では、盤演出装置44として、第1下可動部材740、741、第2下可動部材770、可動部材ユニット820、第1上可動部材848、第2上可動部材860、第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が設けられている。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44の初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図31参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図31参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してROM111Bに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示器に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示器を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、当りの種類に対応して普図表示器に特別の結果態様をなす第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の何れかとなる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、第1始動入賞口36への入賞球、第2始動入賞口97への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、第1始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。第1始動入賞口36や第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Bに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図1保留表示器や特図2保留表示器に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。さらに情報表示装置630でも表示される。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、開始する特図変動表示ゲームに応じた最先の始動記憶に記憶された大当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理などを行う。さらに、遊技制御装置100のCPU111Aは、実行する特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。
そして、第1特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図1表示器51(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図1変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第1特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、第2特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図2表示器52(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図2変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第2特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41(変動表示装置)や情報表示装置630で特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。また、情報表示装置630における飾り特図変動表示ゲームは、変動表示中は発光部材を点滅させ、停止時間となると発光部材を特図変動表示ゲームの結果に対応した発光態様(点灯、点滅、消灯など)とする。すなわち発光部材の発光態様で構成される飾り特別図柄(第4図柄)により結果態様を表示する。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様となる点灯パターンを表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。また、これに対応して表示装置41や情報表示装置630に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様や小当り結果態様となる。
特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置100のCPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材990を開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動時間よりも短い第2変動時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
なお、特図1表示器51と特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、本実施形態の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図33及び図34に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図37に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図33及び図34に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図34のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、図34のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図34のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、まず、機種指定コマンドを送信し、さらに特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、停電復旧コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、まず、機種指定コマンドを送信し、さらに、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。すなわち、停電復旧の場合もRAMが初期化された場合も機種指定コマンドが演出制御装置300に対して最初に送信されるようになっており、この機種指定コマンドが遊技機の電源投入後に演出制御装置300に対して最初に送信される情報となる。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図35には、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS19、S43)を示した。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し(ステップS51)、繰り返し数を設定し(ステップS52)、算出値として「0」を設定する(ステップS53)。繰り返し数には使用しているRAMのバイト数が設定される。
その後、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(ステップS54)、算出アドレスを+1更新して(ステップS55)、繰り返し数を−1更新し(ステップS56)、チェックサムの算出が終了したかを判定する(ステップS57)。算出が終了していない場合(ステップS57;N)は、ステップS54へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(ステップS57;Y)は、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図36には、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS35)を示した。この初期値乱数更新処理では、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新し(ステップS61)、小当り図柄初期値乱数を+1更新する(ステップS62)。そして、当り初期値乱数を+1更新し(ステップS63)、当り図柄初期値乱数を+1更新して(ステップS64)、初期値乱数更新処理を終了する。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では当然存在しない。また、機種によっては、当り図柄初期値乱数が存在しない遊技機もある。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図37に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図37のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップS103)の詳細について説明する。図38に示すように、入力処理においては、まず入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップS121)。そして、8ビットのポート(入力ポート1)のうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS122)。
続いて、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)し(ステップS123)、入力ポート2、すなわち、第2入力ポート123のアドレスを準備して(ステップS124)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(ステップS125)。その後、8ビットのポート(入力ポート2)のうち未使用ビットがあればそのビットデータを準備し(ステップS126)、8ビットのポート(入力ポート2)のうち反転するビットがあればそのビットデータを準備して(ステップS127)、スイッチ読み込み処理(ステップS128)を行う。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
次に、入力ポート3、すなわち、第3入力ポート124のアドレスを準備して(ステップS129)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する(ステップS130)。その後、8ビットのポート(入力ポート3)のうち未使用ビットがあればそのビットデータを準備し(ステップS131)、8ビットのポート(入力ポート3)のうち反転するビットがあればそのビットデータを準備して(ステップS132)、スイッチ読み込み処理(ステップS133)を行い、入力処理を終了する。
なお、未使用のビットデータや反転するビットデータは、入力ポート毎に準備されている。
したがって、ステップS126で準備する入力ポート2の未使用ビットデータと、ステップS131で準備する入力ポート3の未使用ビットデータとは、異なるデータであるが、結果として同じ値のデータである可能性もある。
また、ステップS127で準備する入力ポート2の反転するビットデータと、ステップS132で準備する入力ポート3の反転するビットデータとは、異なるデータであるが、結果として同じ値のデータである可能性もある。
〔スイッチ読み込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読み込み処理(ステップS128、S133)の詳細について説明する。図39に示すように、スイッチ読み込み処理においては、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS141)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS142)、反転の必要なビットを反転(ステップS143)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップS144)。その後、2回目の読み込みまでのディレイ時間(例えば約100μ秒)が経過するのを待つ(ステップS145)。
ディレイ時間が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読み込みを行う(ステップS146)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS147)、反転の必要なビットを反転(ステップS148)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態2にセーブ(格納)する(ステップS149)。その後、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(ステップS150)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップS151)。
次に、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップS152)、未確定ビットパターンと前回割込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップS153)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回の確定状態としてセーブして(ステップS154)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブし(ステップS155)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読み込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2m秒)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読み込みを行って前回の読み込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行えないおそれがある。これに対し、本実施形態のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読み込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS104)の詳細について説明する。図40に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力する出力ポート135にオフデータを出力(リセット)する(ステップS161)。次に、普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38bのデータを出力する出力ポート134に出力するデータを合成し、出力する(ステップS162)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップS163)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS164)。本実施形態の場合、デジットカウンタの値は0から3の範囲で+1更新される。次いで、取得したデータと外部情報データを合成して(ステップS165)、合成したデータ(例えば、「扉・枠開放」のデータ、「セキュリティ信号」のデータ)をデジット・外部情報出力用の出力ポート136に出力する(ステップS166)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS167)、ロードしたデータをセグメント出力用の出力ポート135に出力する(ステップS168)。本実施形態では、例えば、一括表示装置50に設けられる各種表示器である、特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器、特図1保留表示器、特図2保留表示器、普図保留表示器、ラウンド表示部及び第2遊技状態表示部をダイナミック点灯させる。
続いて、外部情報の各種出力データを合成し(ステップS169)、合成したデータ(例えば、「大当り信号1」のデータ、「大当り信号2」のデータ、「大当り信号3」のデータ、「大当り信号4」のデータ、「図柄確定回数信号」のデータ、「始動口信号」のデータ、「メイン賞球信号」のデータ)と発射許可の出力データを合成して(ステップS170)、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の出力ポート137へ出力する(ステップS171)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS172)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS173)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS174)。さらに、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS175)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力し(ステップS176)、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS105)の詳細について説明する。図41に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(本実施形態の場合、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
具体的には、本実施形態の場合、入賞数カウンタ領域1の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ65535入賞まで記憶することができ、入賞数カウンタ領域2の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ255入賞まで記憶することができるよう構成されている。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する。
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算し(ステップS186)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果から10を減算して(ステップS188)、減算結果が0以上かを判定し(ステップS189)、0以上でない場合(ステップS189;N)は、ステップS192の処理に移行する。また、0以上である場合(ステップS189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新する(ステップS190)。すなわち、賞球残数が10個になる度に、メイン賞球信号の出力回数を+1更新する。
そして、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップS191)、ステップS188の処理に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ここで、ステップS181〜S191の処理は、メイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、ステップS192〜S201の処理は、払出コマンドを送信する処理である。
ステップS192では、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップS192)、払出コマンド送信タイマが「0」になったかを判定する(ステップS193)。払出コマンド送信タイマが「0」でない場合(ステップS193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが「0」である場合(ステップS193;Y)は、払出ビジー信号フラグをチェックして、払出ビジー信号がビジー状態であるかを判定する(ステップS194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。
この払出ビジー信号がビジー状態である場合(ステップS194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。すなわち、本実施形態では、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間が経過し(払出コマンド送信タイマの値が0になり)、且つ、払出制御装置200側が賞球を払い出せる状態である場合に、払出コマンドを送信するよう構成されている。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)になる条件は、例えば、払出動作中、球貸し動作中、シュート球切れエラー中、オーバーフローエラー中、枠電波不正発生中、払出球検出スイッチ(払い出された球を監視するスイッチ)の異常中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中、払出制御装置200のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)等である。
払出ビジー信号がビジー状態でない場合(ステップS194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、カウント数がない場合(ステップS195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS197;N)と判定すると、ステップS195へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新する。
また、上記ステップS195で、カウント数がある(ステップS195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得する(ステップS199)。そして、取得した払出数コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップS200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として、例えば200m秒が設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
〔乱数更新処理1〕
図42には、タイマ割込み処理における乱数更新処理1(ステップS106)を示した。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。この乱数更新処理1では、まず、大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS211)。
大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS211;N)は、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS214)。また、大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS211;Y)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS212)、ロードした大当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS213)。その後、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS214)。
小当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS214;N)は、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS217)。また、小当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS214;Y)は、次回初期値として小当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS215)、ロードした小当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS216)。その後、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS217)。
普図の当り乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS217;N)は、普図の当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS220)。また、普図の当り乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS217;Y)は、次回初期値として当り初期値乱数をロードし(ステップS218)、ロードした普図の当り乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS219)。その後、普図の当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS220)。
普図の当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS220;N)は、乱数更新処理1を終了する。また、普図の当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS220;Y)は、次回初期値として当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS221)、ロードした普図の当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップS222)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図43には、タイマ割込み処理における乱数更新処理2(ステップS107)を示した。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。すなわち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
この乱数更新処理2では、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップS231)。本実施形態の場合、乱数更新スキャンカウンタの値は0から3の範囲で更新される。そして、乱数更新スキャンカウンタの値が「0」のときは変動パターン乱数1(上位)が更新され、「1」のときは変動パターン乱数1(下位)が更新され、「2」のときは変動パターン乱数2が更新され、「3」のときは変動パターン乱数3が更新される。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(ステップS232)。
次いで、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップS234)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、すなわち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、例えば本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているCPUには、DRAMのリフレッシュ等のため使用されるリフレッシュレジスタ(以下、「Rレジスタ」と称する)が設けられておらず、その代わりに、Rレジスタと同等の動作をする「M1カウンタ」というカウンタを内蔵しているが、そのM1カウンタの値をロードする(ステップS234)。M1カウンタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。次に、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得し、M1カウンタの値をマスクする(ステップS235)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかを判定する(ステップS236)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合(ステップS236;Y)は、加算値として、上位1バイトをマスク値によってM1カウンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これを「マスクした値」と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(ステップS237)、ステップS239に進む。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合(ステップS236;N)は、加算値として、上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定して(ステップS238)、ステップS239に進む。なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、更新する乱数領域が2バイト乱数かを判定し(ステップS239)、2バイト乱数である場合(ステップS239;Y)は、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して(ステップS240)、ステップS242に進む。また、更新する乱数領域が2バイト乱数でない場合(ステップS239;N)は、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(ステップS241)、ステップS242へ進む。
ステップS242では、乱数値にステップS237又はS238で決定した加算値を加算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がステップS233で取得した上限判定値よりも大きいかを判定する(ステップS243)。そして、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合(ステップS243;N)は、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS245)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合(ステップS243;Y)は、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(ステップS244)、この値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS245)。
次に、更新した乱数領域が2バイト乱数であるかを判定し(ステップS246)、2バイト乱数でない場合(ステップS246;N)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイト乱数である場合(ステップS246;Y)は、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(ステップS247)、乱数更新処理2を終了する。
本実施形態の場合、演出乱数更新テーブル上に、上限判定値や、M1カウンタのマスク値、更新する乱数領域の種別情報(1バイト乱数、2バイト乱数(上位)、2バイト乱数(下位))、更新領域のアドレスなどが、更新する乱数の種類分(4ブロック)定義されている。
このように、CPU111Aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。従って、CPU111Aは、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図44には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブルを準備し(ステップS303)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。そして、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36aや始動口3スイッチ97a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS308)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS309)。本実施形態の場合、の状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS310)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS311)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常1信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS312)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS313)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップS314)、エラースキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS314;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS314;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS315)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS316)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常2信号に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップS315からS317の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップS315からS317の処理が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図45には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS302,S304,S306)を示した。この不正&入賞監視処理は、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a及び普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aに対して行われる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS321)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップS322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ38aである場合は特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置37の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップS322;Y)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップS323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップS332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS323;Y)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS324)、更新後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上であるかを判定する(ステップS325)。
本実施形態の場合、エラー監視対象の入賞口スイッチの種類にかかわらず、不正発生判定個数を5個に設定しているが、不正発生個数は、入賞口スイッチの種類毎に異なる個数を定義することもできる。判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球が大入賞口スイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上でない場合(ステップS325;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップS330)。また、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上である場合(ステップS325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000m秒)をセーブする(ステップS327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS328)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップS329)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS338)。
一方、不正監視期間中でない場合(ステップS322;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップS330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS331)を行う。そして、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップS332)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップS333)、値が0でない場合(ステップS333;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップS333;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS334)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS335)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップS336)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップS336;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップS337)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS338)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップS336;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS338)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS338;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS338;N)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS339)、演出コマンド設定処理を行い(ステップS340)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図46には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS308,S331)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップS351)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップS352)。
対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS352;N)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS352;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップS353)、ロードした値を+1更新して(ステップS354)、オーバーフローするか判定する(ステップS355)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブし(ステップS356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS355;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。本実施形態の場合、ステップS354では、賞球(払出コマンド送信)のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは2バイト(0〜65535の範囲)である。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップS357)した後、ロードした値を+1更新して(ステップS358)、オーバーフローするか判定する(ステップS359)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS359;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップS360)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS359;Y)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。本実施形態の場合、ステップS358では、メイン賞球信号のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは1バイト(0〜255の範囲)である。
全スイッチの監視が終了していない場合(ステップS362;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップS352)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップS362;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
〔遊技機状態チェック処理〕
図47には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップS311,S313,S316)を示した。この遊技機状態チェック処理では、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得し(ステップS371)、監視対象である信号がオンであるかを判定する(ステップS372)。
状態監視テーブル(入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備した遊技機状態監視テーブル)には、状態スキャンカウンタに対応した情報が定義されている。この情報としては、例えば、状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス、対象の信号情報が保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス、対象の信号のビットだけを取り出すマスクデータ、信号オンの判定データ、状態オフコマンド(エラー系の場合はエラー報知終了コマンドをなす)、状態オンコマンド(エラー系の場合はエラー報知開始コマンドをなす)、状態オフ監視タイマ比較値、状態オン監視タイマ比較値が含まれる。
対象の信号がオンでない場合(ステップS372;N)は、状態フラグとして状態オフフラグを準備して(ステップS373)、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(ステップS374)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップS375)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS379)。対象の信号がオンでない場合(ステップS372;N)とは、エラー系の信号ではエラーでない(正常である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていないことを示す状態である。
一方、対象の信号がオンである場合(ステップS372;Y)は、状態フラグとして状態オンフラグを準備して(ステップS376)、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(ステップS377)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップS378)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS379)。対象の信号がオンである場合(ステップS372;Y)とは、エラー系の信号ではエラーである(異常や不正である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていることを示す状態である。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップS379;Y)、すなわち信号の状態が変化していない場合は、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS382)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップS383)。また、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップS379;N)、すなわち信号の状態が変化した場合は、対象の信号制御領域に今回の信号状態をセーブする(ステップS380)。そして、対象の状態監視タイマをクリアし(ステップS381)、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS382)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップS383)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップS383;N)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上である場合(ステップS383;Y)は、状態監視タイマを−1更新し、比較値−1の値に留めて(ステップS384)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップS385)。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップS385;Y)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップS385;N)は、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブし(ステップS386)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS387)、遊技機状態チェック処理を終了する。これにより、ステップS374で準備した状態オフコマンド又はS377で準備した状態オンコマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図48には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を示した。この払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるかを判定する(ステップS391)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない場合にオン状態とされるようになっている。
払出ビジー信号がオンである場合(ステップS391;Y)は、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備して(ステップS392)、オン確定監視タイマ比較値(例えば32m秒)を設定し(ステップS393)、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致するかを判定する(ステップS396)。また、払出ビジー信号がオンでない場合(ステップS391;N)は、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備して(ステップS394)、オフ確定監視タイマ比較値(例えば32m秒)を設定し(ステップS395)、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致するかを判定する(ステップS396)。これにより、同じ状態が、複数回のタイマ割込み分継続しているかチェックすることができる。
ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致しない場合(ステップS396;N)には、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブし(ステップS397)、ビジー信号監視タイマを0クリアして(ステップS398)、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS399)。また、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致する場合(ステップS396;Y)には、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS399)。
次に、ビジー信号監視タイマの値が、ステップS393又はステップS395で設定した監視タイマ比較値以上であるかを判定し(ステップS400)、監視タイマ比較値以上でない場合(ステップS400;N)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。また、監視タイマ比較値以上である場合(ステップS400;Y)は、ビジー信号監視タイマを−1更新し、比較値−1の値に留めて(ステップS401)、ステップS392又はステップS394で準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブし(ステップS402)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
この処理により、払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータスが設定される。この際に、払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号ステータスを変更せず、信号確定時間に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号ステータスを変更するようにしており、ノイズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号ステータスがクリアされるので、何れかの信号状態が信号確定時間に亘り継続するまではビジー信号ステータスは設定されず不定状態となる。これにより、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図49に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図50に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図1の始動口である第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(第1始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(第1始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口2スイッチ37a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図2の始動口である第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
ステップA113では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば、5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でないと判定した場合(ステップA113;N)は、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行った後、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。また、ステップA113にて、普電不正発生中であると判定した場合(ステップA113;Y)は、ステップA116の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、第3始動口(第2始動入賞口97)入賞監視テーブルを準備し(ステップA116)、ハード乱数取得処理(ステップA117)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口3スイッチ97a)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、特図2の始動口である第3始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA118)。
ステップA118にて、第3始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA118;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA118にて、第3始動口への入賞があると判定した場合(ステップA118;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA119)。
ステップA119にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA119;N)には、ステップA122の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA119にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA119;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120)、演出コマンド設定処理(ステップA121)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA120)、演出コマンド設定処理(ステップA121)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第3始動口(第2始動入賞口97)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第3始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第3始動口(第2始動入賞口97)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA122)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA123)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102,A110,A117)の詳細について説明する。図51に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(第1始動入賞口36)、第2始動口(普通変動入賞装置37)、及び第3始動口(第2始動入賞口97)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA131)、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA132)。
そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA132;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。
一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA132;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA133)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA134)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA134;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。
また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA134;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA135)。そして、第1始動口(第1始動入賞口36)、第2始動口(普通変動入賞装置37)、及び第3始動口(第2始動入賞口97)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA136)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108,A115,A123)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図52に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA141)、ロードした値を+1更新して(ステップA142)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA143)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA143;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA144)、ステップA145の処理に移行する。
一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA143;Y)は、ステップA145の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定して、セーブしないよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ97aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA145)。
更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA145;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA145;Y)は、更
新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA146)、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA149)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA150)、ステップA102,A110,A117のハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA151)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA152)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA153)。この大当り図柄乱数は、特図保留情報判定処理(ステップA160)で使用する。
次いで、変動パターン乱数(本実施形態の場合、変動パターン乱数1から3)を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップA154)。そして、第1始動口(第1始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA155)。ステップA155にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA155;N)には、ステップA158の処理に移行する。一方、ステップA155にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA155;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA156)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA157)。ステップA158では、特図1保留数と特図2保留数の合計に対応する変動順序フラグ格納領域のアドレス(保留1から8までの何れかの場所)を算出し(ステップA158)、算出した領域に対象(特図1または特図2)の変動順序フラグをセーブし(ステップA159)、特図保留情報判定処理(ステップA160)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、特図1の始動口である第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、特図2の始動口である第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA160)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図53に示すように、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA161)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA162;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA163)、ステップA152にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA164)、ステップA171の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA162;N)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA165)。
ステップA165にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA165;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA170)、ステップA171の処理に移行する。
一方、ステップA165にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA165;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA166)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA167;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA170)、ステップA171の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA167;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA168)、ステップA156にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA169)、ステップA171の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA171)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA172)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA173)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA174)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA175)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA176)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA173における特図情報設定処理、ステップA174における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図54に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるかを判定する(ステップA201)。大入賞口開放中処理中である場合(ステップA201;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合は(ステップA202;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合は(ステップA205;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるかを判定する(ステップA203)。小当り中処理中である場合は(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(ステップA203;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA204)。特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
小当り残存球処理中でない場合(ステップA204;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。そして、入賞カウンタに「0」をセットして(ステップA205)、大入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップA206)。
大入賞口スイッチに入力がない場合(ステップA206;N)は、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。また、大入賞口スイッチに入力がある場合(ステップA206;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA207)、演出コマンド設定処理(ステップA208)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA209)、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。
入賞カウンタの値が「0」であるかの判定(ステップA214)において、入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップA214;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
また、入賞カウンタの値が「0」でない場合(ステップA214;N)は、大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA215)。
大入賞口残存球処理中である場合(ステップA215;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA215;N)は、小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA216)。
小当り残存球処理中である場合(ステップA216;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(ステップA216;N)は、入賞カウンタの値を大入賞口カウント数に加算し(ステップA217)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったかを判定する(ステップA218)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップA218;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップA218;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップA219)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA220)、小当り中処理中であるかを判定する(ステップA221)。小当り中処理中でない場合(ステップA221;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(ステップA221;Y)は、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(ステップA222)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図55に示すように、特図普段処理では、先ず、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であるか判定する(ステップA301)。
ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」でないと判定した場合(ステップA301;N)には、変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)からフラグをロードして(ステップA302)、今回の変動が特図1の変動であるか判定する(ステップA303)。
ステップA303で、今回の変動が特図1の変動であると判定した場合(ステップA303;Y)には、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA304)、演出コマンド設定処理(ステップA305)を行い、特図1変動開始処理(ステップA306)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図1保留数は−1更新されていないが、ステップA304では、−1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
一方、ステップA303で、今回の変動が特図1の変動でないと判定した場合(ステップA303;N)、すなわち今回の変動が特図2の変動である場合には、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA307)、演出コマンド設定処理(ステップA308)を行い、特図2変動開始処理(ステップA309)を行って、特図普段処理を終了する。なお、この時点では、特図2保留数は−1更新されていないが、ステップA307では、−1更新された値に対応するコマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。
また、ステップA301で、特図1保留数及び特図2保留数は共に「0」であると判定した場合(ステップA301;Y)には、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA310)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA310;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA311)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA312)、演出コマンド設定処理(ステップA313)を行う。
次いで、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップA314)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブして(ステップA315)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA316)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA317)、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA306)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図56に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA321)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA329)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、52m秒)をセーブし(ステップA333)、特図1変動図柄番号領域に初期値(例えば、0)をセーブして(ステップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA309)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図56に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図57に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA349)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA351)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、104m秒)をセーブし(ステップA353)、特図2変動図柄番号領域に初期値(例えば、0)をセーブして(ステップA354)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図58には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(ステップA361)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA362)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA363)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA364)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA365)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA365)の判定結果が大当りである場合(ステップA366;Y)は、ステップA362にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA367)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA365)の判定結果が大当りでない場合(ステップA366;N)は、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA368)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップA368)の判定結果が小当りである場合(ステップA369;Y)は、ステップA361にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップA370)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップA368)の判定結果が小当りでない場合(ステップA369;N)は、大当りフラグ1領域にも小当りフラグ領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、第1特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当り」、及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図59には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA371)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA372)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA372)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA374)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りである場合(ステップA375;Y)は、ステップA371にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA375)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りでない場合(ステップA375;N)は、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、第2特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
図60には、上述の特図保留情報判定処理、大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA161、A365、A374)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA381)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA382)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA365)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、小当り又ははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当り又ははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA382;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA383)。
そして、高確率状態である場合(ステップA383;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップA384)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。また、高確率状態でない場合(ステップA383;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA357)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA365)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、小当り又ははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当り又ははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA386;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA388)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図61には、上述の特図保留情報判定処理及び大当りフラグ1設定処理における小当り判定処理(ステップA166、A368)を示した。この小当り判定処理では、まず、小当り下限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップA391)。なお、大当り判定と同一の乱数(大当り乱数)を用いて小当り判定を行う。すなわち、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。無論、大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は被らないよう設定されている。
大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップA391;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップA391;N)は、小当り上限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップA392)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップA392;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップA392;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップA394)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図62には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップA401)、大当りである場合(ステップA401;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA402)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定して(ステップA403)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA404)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA405)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA406)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA407)、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブして(ステップA408)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA409)。
これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。本実施形態の場合、当りを契機に演出モードが移行し、当り図柄の種類(大当り図柄の種類、又は小当り)に応じて当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化する。また、特図1における大当りのうち特定の大当り図柄(例えば、4R確変図柄)となる場合は、遊技状態が確変中であるか否かに応じて、移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなるのか、確変であるか否か区別が困難な演出モードに移行するかが決定される。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA401;N)は、小当りフラグが小当りかを判定し(ステップA410)、小当りである場合(ステップA411;Y)は、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップA411)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA412)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA413)。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA414)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA415)。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
また、小当りフラグが小当りでない場合(ステップA410;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA416)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA417)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA419)、演出コマンド設定処理(ステップA420)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA421)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップA422)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA423)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図63には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示した。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップA431)、大当りである場合(ステップA431;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定して(ステップA433)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA434)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA435)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA436)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA437)、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、確率変動判定データ領域にセーブして(ステップA438)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA439)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA431;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA440)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA441)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA443)、演出コマンド設定処理(ステップA444)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA445)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA446)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA173、A324、A344)の詳細について説明する。本実施形態の場合、確率状態(低/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
図64に示すように特図情報設定処理では、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA451)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA452)。
次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA453)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA454)。
次いで、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA455)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(ステップA456)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次いで、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA457)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA458)。
次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA459)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA460)。
次いで、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA461)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA462)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理、及び特図2変動開始における変動パターン設定処理(ステップA174、A326、A346)の詳細について説明する。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
図65に示すように変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA471)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA472)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA473)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(ステップA474)、はずれである場合(ステップA474;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップA475)を行って、ステップA477の処理に移行する。また、はずれでない場合(ステップA474;N)には、振り分け処理(ステップA476)を行って、ステップA477の処理に移行する。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA477)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA478)。そして、振り分け処理(ステップA479)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA480)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA481)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA482)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA483)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA484)。その後、振り分け処理(ステップA485)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(ステップA486)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔振り分け処理〕
図66には、上述の変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップA476、A479、A485)を示した。振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて、後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択したり、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブルから特図変動表示ゲームの後半変動パターン(後半変動番号)を選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブルから特図変動表示ゲームの前半変動パターン(前半変動番号)を選択したりするための処理である。
この振り分け処理では、まず、対象の選択テーブル(ステップA472にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA477にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA483にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2201)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2202;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2202;N)は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2203)。
続けて、ステップA473やA478やA484にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA2203にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2204)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2205)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2205;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2206)、ステップA2203の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2203)、その後、前回のステップA2205にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2204)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2205)。
上記の処理をステップA2205にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2205;Y)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、ステップA2205にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2205;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
〔2バイト振り分け処理〕
図67には、上述の変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップA475)を示した。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、選択テーブル(ステップA472にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2301)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2302;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2302;N)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2303)。
続けて、ステップA473にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA2303にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2304)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2305)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2305;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2306)、ステップA2303の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2303)、その後、前回のステップA2305にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2304)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2305)。
上記の処理をステップA2305にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2305;Y)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。
そして、ステップA2305にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2305;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
図66に示す振り分け処理の構成と、図67に示す2バイト振り分け処理の構成とは、基本的に同じであるが、振り分けに使用する乱数のサイズが1バイトであるか、2バイトであるかという点で異なるため、計算するためのプログラム命令が異なっている。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA327、A347)の詳細について説明する。図68に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA491)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA497)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA498)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA499)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA500)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(ステップA501)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA502)。次いで、乱数格納領域をシフトし(ステップA503)、シフト後の空き領域をクリアする(ステップA504)。さらに、変動順序フラグ格納領域をシフトし(ステップA505)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA506)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。図69に示すように、特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準備して(ステップA601)、演出コマンド設定処理(ステップA602)を行う。次いで、停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として2000m秒を設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として2000m秒を設定する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
そして、処理番号として特図表示中処理にかかる「2」を設定し(ステップA605)、その処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA606)。さらに、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA607)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA608)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば、256m秒)をセーブする(ステップA609)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA610)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA611)、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図70及び図71に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「4」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1(4R確変(突確))以外)である場合にはON、出玉のない大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1(4R確変(突確)))である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。
ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、時間短縮変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行って、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA728)。
ステップA728にて、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA728;N)には、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、ステップA733の処理に移行する。
また、ステップA728にて、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、ステップA733の処理に移行する。このように、本実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。その後、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、時間短縮変動回数更新処理(ステップA735)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA736)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA737)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA738)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA738;N)には、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA738;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA739)、演出コマンド設定処理(ステップA740)を行った後に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(ステップA726、A735)の詳細について説明する。図72に示すように、時間短縮変動回数更新処理では、まず、特図高確率中(高確率状態中)であるかを判定する(ステップA751)。特図高確率中である場合(ステップA751;Y)は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図高確率中でない場合(ステップA751;N)は、時短中であるかを判定する(ステップA752)。そして、時短中でない場合(ステップA752;N)は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、時短中である場合(ステップA752;Y)は、時間短縮変動回数を−1更新して(ステップA753)、時間短縮変動回数が「0」となったかを判定する(ステップA754)。
時間短縮変動回数が「0」でない場合(ステップA754;N)には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、時間短縮変動回数が「0」となった場合(ステップA754;Y)には、時短終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブする。次いで、時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA757)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA758)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA759)。次いで、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA760)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA761)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、上述の特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(ステップA727、A736)の詳細について説明する。図73に示すように、演出モード情報チェック処理では、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるかを判定する(ステップA771)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(ステップA771;Y)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(ステップA771;N)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(ステップA772)、演出残り回転数が「0」となったかを判定する(ステップA773)。演出残り回転数が「0」となっていない場合(ステップA773;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が「0」となった場合(ステップA773;Y)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップA774)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA775)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA677)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA678)。その後、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA779)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA780)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA780;Y)、すなわち確率の状態が変化していない場合には、演出モード情報チェック処理を終了する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA780;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA782)、演出コマンド設定処理(ステップA782)を行う。
次いで、新しく設定された演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA783)、演出コマンド設定処理(ステップA784)を行う。
次いで、時間短縮変動回数に対応する時間短縮変動回数コマンドを準備して(ステップA785)、演出コマンド設定処理(ステップA786)を行う。
次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(ステップA787)、左打ちするモードでない場合(ステップA787;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、左打ちするモードである場合(ステップA787;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA788)、演出コマンド設定処理(ステップA789)を行って、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。このように遊技制御装置100で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)の詳細について説明する。図74に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力)、大当り4信号をON(大当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA793)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA796)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA797)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA799)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数領域をクリアする(ステップA802)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA803)、演出残り回転数領域をクリアして(ステップA804)、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブする(ステップA805)。そして、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA806)、右打ち中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA807)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理における小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)の詳細について説明する。
図75に示すように、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA811)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA812)。
次いで、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA813)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA814)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA815)。
次いで、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA816)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA817)。
次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA818)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA819)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図76に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA901)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA902)、演出コマンド設定処理(ステップA903)を行う。
その後、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA904)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA905)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA906)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA906;Y)は、短開放(第2開放態様)用の大入賞口開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA907)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA906;N)は、長開放(第1開放態様)用の大入賞口開放時間(例えば29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA908)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
ここで、本実施形態においては、大当りパターンとして、16R確変A(全て長開放)、16R確変B(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)、16R通常A(全て長開放)、16R通常B(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)、4R確変(全て短開放)が設定されている。なお、確変とは特別遊技状態の終了後の確率状態が高確率状態となる大当りであり、通常とは特別遊技状態の終了後の確率状態が低確率状態となる大当りである。したがって、大入賞口動作判定テーブルには、16R確変Aデータと開放切替判定値「0」、16R確変Bデータと開放切替判定値「4」、16R通常Aデータと開放切替判定値「0」、16R通常Bデータと開放切替判定値「4」、4R確変データと開放切替判定値「0」が対応付けて記憶されている。そして、ラウンド数が開放切替判定値以下である間は長開放、ラウンド数が開放切替判定値を上回ると短開放となる開放動作を行うようになっている。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理〕
図77には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(ステップA911)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA912)。その後、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA913)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA914)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA915)、大入賞口開放中処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図78に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1001)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップA1001;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1002)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1003)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA1004)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1004;Y)には、短閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.4秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1005)、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1004;N)には、長閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1006)、インターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
一方、最終ラウンドである場合(ステップA1001;Y)は、最終用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1008)、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA1009)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
図79には上述の大入賞口開放中処理における大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を示した。この大入賞口残存球処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定して(ステップA1021)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1022)。そして、特別変動入賞装置38の開閉部材990を閉鎖するために、大入賞口ソレノイド38bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップA1023)、大入賞口残存球処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA13)の詳細について説明する。図80に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1101)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA1101;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1102)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1103)、通常用のインターバル時間(例えば0.1秒)を設定する(ステップA1104)。
次いで、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定し(ステップA1105)、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1105;Y)には、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1105;N)には、大入賞口開放情報はランクダウン演出系の値であるかを判定する(ステップA1106)。
ここで、ランクダウン演出とは、以降のラウンドが短開放ラウンドとなることを報知する演出が該当する。具体的には、大当りパターンとして、16R確変A(全て長開放)、16R確変B(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)、16R通常A(全て長開放)、16R通常B(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)の何れかが選択された場合に、大当りラウンドの1R〜3Rまで表示装置41の表示画面に所定の大当りラウンド演出を表示し、4R目でラウンド継続報知演出を実行する。選択された大当りパターンが16R確変A又は16R通常B(全て長開放)であれば、ラウンド継続報知演出において長開放が継続することが報知され、5R目以降のラウンドにおいても大入賞口が長開放で開放される。また、選択された大当りパターンが16R確変B又は16R通常B(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)であれば、ラウンド継続報知演出においてランクダウン演出が行われて短開放となることが報知され、5R目以降のラウンドにおいて大入賞口が短開放で開放されることとなる。
大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値でない場合(ステップA1106;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値である場合(ステップA1106;Y)は、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値(例えば、4R)であるかを判定する(ステップA1107)。
ラウンド数が特殊演出ラウンドの値でない場合(ステップA1107;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値である場合(ステップA1107;Y)、例えばラウンド数が4Rである場合は、ランクダウン演出用のインターバル時間(例えば3.6秒)を設定して(ステップA1108)、ステップA1109の処理に移行する。なお、特殊ラウンド数は1種類に限らず、例えば4Rと8Rというように複数種類設けても良い。
そして、ステップA1104又はA1108にて設定したインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1109)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA1101;Y)は、特別結果が導出された際の演出モードを記憶する特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1111)、ロードしたフラグと大入賞口開放情報と停止図柄パターンとに対応するエンディング時間を設定して(ステップA1112)、設定したエンディング時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1113)。その後、大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2〕
図81には、上述の大入賞口残存球処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA1121)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA1122)。
次に、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA1123)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を終了する。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図82には、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(ステップA1131)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1132)。その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1133)。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1134)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップA1135)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップA1136)。そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップA1137)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップA1138)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について説明する。図83に示すように、この大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データかを判定する(ステップA1201)。
高確率データでない場合(ステップA1201;N)は、大当り終了設定処理1を行い(ステップA1202)、高確率データである場合(ステップA1201;Y)は、大当り終了設定処理2を行って(ステップA1203)、特図ゲームモードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1204)、コマンド設定処理(ステップA1205)を行う。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、停止図柄パターンに対応する演出モード情報設定テーブルを設定する(ステップA1206)。そして、設定された演出モード情報設定テーブルを参照して、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブする(ステップA1207)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブし(ステップA1208)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1209)。
その後、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(ステップA1210)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブして(ステップA1211)、コマンド設定処理(ステップA1212)を行う。そして、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA1213)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
図84には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA1202)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA1221)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1222)。
次に、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(ステップA1223)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短フラグをセーブする(ステップA1224)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(ステップA1225)、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(例えば100)をセーブして(ステップA1226)、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば100)をセットすることで、所定回数(例えば100回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
〔大当り終了設定処理2〕
図85には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA1203)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、高確率の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA1231)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1232)。
次に、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(ステップA1233)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短フラグをセーブする(ステップA1234)。その後、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし(ステップA1235)、時間短縮変動回数領域をクリアして(ステップA1236)、大当り終了設定処理2を終了する。以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに次回の特別結果態様の導出まで時短状態となる。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、普通変動入賞装置37を開状態とする期間を延長する特定遊技状態(時短状態)を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
図86には上記した大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理2(ステップA1219)を示した。この特図普段処理移行設定処理2においては、まず、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA1241)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1242)。
その後、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1243)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1244)。続いて、時間短縮判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1245)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA1246)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(ステップA1247)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(ステップA1248)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1249)、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップA15)の詳細について説明する。図87(a)に示すように、小当りファンファーレ中処理では、小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)を行う。
〔小当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の小当りファンファーレ中処理における小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)の詳細について説明する。図87(b)に示すように、小当り中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り中処理にかかる「8」を設定して(ステップA1311)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1312)。
次いで、小当り遊技における大入賞口の開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1313)、小当り動作の開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1314)。
次いで、特別変動入賞装置38の開閉部材990を開放するために、大入賞口ソレノイド38bをオンさせるためのオンデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップA1315)。
次いで、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1316)、小当り中制御ポインタ領域に小当り動作初期値(例えば「0」)をセーブして(ステップA1317)、小当り中処理移行設定処理を終了する。
〔小当り中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り中処理(ステップA16)の詳細について説明する。図88に示すように、小当り中処理では、まず、小当り中制御ポインタの値をロードして(ステップA1401)、ロードした値が小当り動作終了値(例えば「6」)以上であるかを判定する(ステップA1402)。
ロードした値が小当り動作終了値以上でない場合(ステップA1402;N)には、小当り中制御ポインタを+1更新し(ステップA1403)、小当り動作移行設定処理(ステップA1404)を行って、小当り中処理を終了する。
一方、ロードした値が小当り動作終了値以上である場合(ステップA1402;Y)には、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1405)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1406)。これにより、特図高確率中での小当りかを判定する。なお、ここでは、時短状態中であるか否かは問わない。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグである場合(ステップA1406;Y)には、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。また、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1406;N)には、小当り終了画面のコマンドを準備し(ステップA1407)、演出コマンド設定処理(ステップA1408)を行って、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り動作移行設定処理(ステップA1404)の詳細について説明する。図89に示すように、小当り動作移行設定処理では、制御ポインタ(小当り中制御ポインタ)に応じて分岐処理(ステップA1411)を行う。
ステップA1411にて、制御ポインタが「0」,「2」,「4」の場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間(例えば1500m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1412)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1413)、小当り動作移行設定処理を終了する。
また、ステップA1411にて、制御ポインタが「1」,「3」,「5」の場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間(例えば200m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1414)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA1415)、小当り動作移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態の場合、300m秒の小当りファンファーレ時間の後に、200m秒の開放と1500m秒の閉鎖とを交互に行い、開放の終了時及び閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが順次更新される。
具体的には、1回目の200m秒開放の終了時(すなわち、1回目の200m秒開放から1回目の1500m秒閉鎖への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「0」に更新され、1回目の1500m秒閉鎖の終了時(すなわち、1回目の1500m秒閉鎖から2回目の200m秒開放への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「1」に更新され、2回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「2」に更新され、2回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「3」に更新され、3回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「4」に更新され、3回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「5」に更新される。そして、4回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「6」に更新され、1900m秒の小当り残存球時間と、その後の100m秒の小当りエンディング時間との経過後に、小当り状態が終了する。したがって、4回目の200m秒開放の後に、2000m秒間閉鎖されるので、見た目のエンディング時間は2000m秒となる。
〔小当り残存球処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)の詳細について説明する。図90に示すように、小当り残存球処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り残存球処理にかかる「9」を設定して(ステップA1421)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1422)。
次いで、小当り残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1423)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1424)、小当り残存球処理移行設定処理を終了する。
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA17)の詳細について説明する。図91(a)に示すように、小当り残存球処理では、小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)を行う。
〔小当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り残存球処理における小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)の詳細について説明する。図91(b)に示すように、小当り終了処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り終了処理にかかる「10」を設定して(ステップA1511)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1512)。
次いで、小当りエンディング時間(例えば0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1513)、小当り動作の終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1514)。
次いで、大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1515)、小当り中制御ポインタ領域の情報をクリア(例えば0クリア)して(ステップA1516)、小当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA18)の詳細について説明する。図92に示すように、小当り終了処理では、まず、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1601)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1602)。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1602;N)は、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1603)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1604)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RAM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1606)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1607)。その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1608)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA1609)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA1609;Y)は、ステップA1619の処理に移行する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA1609;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1610)、演出コマンド設定処理(ステップA1611)を行う。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1612)、演出コマンド設定処理(ステップA1613)を行う。
次いで、時間短縮変動回数に対応する時間短縮変動回数コマンドを準備して(ステップA1614)、演出コマンド設定処理(ステップA1615)を行う。
次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(ステップA1616)、左打ちするモードでない場合(ステップA1616;N)には、ステップA1619の処理に移行する。また、左打ちするモードである場合(ステップA1616;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA1617)、演出コマンド設定処理(ステップA1618)を行った後に、ステップA1619の処理に移行する。
そして、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1619)、ロードしたフラグが特図時短中(時短状態中)に関するフラグであるかを判定する(ステップA1620)。
ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグである場合(ステップA1620;Y)には、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)を行って、小当り終了処理を終了する。
また、ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグでない場合(ステップA1620;N)には、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1621)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1622)、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)を行い、小当り終了処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、上述の小当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)の詳細について説明する。図93に示すように、特図普段処理移行設定処理では、まず、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA1631)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1632)。
次いで、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1633)、小当りの終了に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1634)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1635)、演出モード移行情報領域の情報をクリアして(ステップA1636)、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアする(ステップA1637)。
次いで、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1638)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
次に、タイマ割込み処理中に実行される各処理における演出コマンド設定処理の詳細について説明する。図94に示すように、演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2001)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2002)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2002;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2001)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2002;N)は、コマンドデータ(MODE)を演出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップA2003)。
次いで、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2004)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2005)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2005;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2004)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2005;N)は、コマンドデータ(ACTION)を演出用シリアル送信バッファに書き込んで(ステップA2006)、演出コマンド設定処理を終了する。
なお、演出コマンド設定処理のことを、単に「コマンド設定処理」と称することもある。
〔図柄変動制御処理〕
図95に、前述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA20,A22)、後述の普図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップB15)を示した。図柄変動制御処理は、特別図柄(第1特図、第2特図等)や普通図柄(普図)の変動の制御と特別図柄や普通図柄の表示データの設定を行う処理である。
この図柄変動制御処理では、まず、制御対象の図柄(例えば、第1特図、第2特図、及び普図の何れか)にかかる変動制御フラグが変動中であるかチェックする(ステップA2101)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、変動制御フラグ領域の下位アドレス、点滅制御タイマの初期値、変動図柄番号上限判定値、表示テーブル2(停止用)のアドレス、表示テーブル1(変動用)のアドレスが定義されている。
制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中である場合(ステップA2102;Y)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(ステップA2103)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(変動用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の点滅制御タイマを−1更新し(ステップA2104)、更新後の点滅制御タイマが「0」であるかを判定して(ステップA2105)、更新後の点滅制御タイマが「0」でない場合(ステップA2105;N)は、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
また、更新後の点滅制御タイマが「0」である場合(ステップA2105;Y)は、対象の点滅タイマ領域に対応する点滅制御タイマ初期値をセーブし(ステップA2106)、制御対象の変動図柄番号を対応する範囲で+1更新して(ステップA2107)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中でない場合(ステップA2102;N)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップA2109)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(停止用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップA2110)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
ステップA2106でセーブする点滅制御タイマ初期値は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された値がセーブされる。ここでは、第1特図(第1特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値として52msに相当する値が定義されており、第2特図(第2特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値として104msに相当する値が定義されており、普図(普図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値として52msに相当する値が定義されている。この点滅制御タイマ初期値は、一括表示装置50において変動時間中に点灯パターンを更新する間隔である。
また、ステップA2107における対応する範囲は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された変動図柄番号上限判定値により規定される。ステップA2107において変動図柄番号を+1更新することで変動図柄番号上限値に達した場合は変動図柄番号を0にするようにされており、変動図柄番号は0〜(変動図柄番号上限判定値−1)の範囲で順次更新される。ステップA2108、A2111ではこの変動図柄番号に応じた表示データ(点灯パターン)を取得して表示する設定を行うようになっており、変動図柄番号上限判定値に等しい回数の点灯パターンの更新(変更)が行われることで一巡する表示が繰り返し行われることとなる。
ここでは、第1特図(第1特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて変動図柄番号上限判定値として8が定義されており、変動図柄番号を0〜7の範囲で更新可能である。よって、第1特図変動表示ゲームの変動表示中に繰り返し表示する特図1変動中表示は8回の点灯パターンの更新で一巡することとなる。また、第2特図(第2特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて変動図柄番号上限判定値として2が定義されており、変動図柄番号を0と1で交互に更新可能である。よって、第2特図変動表示ゲームの変動表示中に繰り返し表示する特図2変動中表示は2回の点灯パターンの更新で一巡することとなる。また、普図(普図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて変動図柄番号上限判定値として4が定義されており、変動図柄番号を0〜3の範囲で更新可能である。よって、普図変動表示ゲームの変動表示中に繰り返し表示する普図変動中表示は4回の点灯パターンの更新で一巡することとなる。
このように処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値と変動図柄番号上限値を定義することで、一括表示装置50において点灯パターンを更新させる間隔や表示が一巡する更新回数をゲームごとに設定することができる。
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS110)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
図96に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップB4)。
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、或いは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(ステップB1)の詳細について説明する。図97に示すように、ゲートスイッチ監視処理では、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるかを判定する(ステップB101)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(ステップB101;Y)は、右打ちする遊技状態(例えば、大当り中、小当り中、特図時短中(普電サポート中))であるかを判定する(ステップB102)。
右打ちする遊技状態である場合(ステップB102;Y)は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば「4」)未満であるかを判定する(ステップB105)。また、右打ちする遊技状態でない場合(ステップB102;N)は、左打ち指示コマンドを準備し(ステップB103)、演出コマンド設定処理(ステップB104)を行った後に、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値未満(例えば「4」)であるかを判定する(ステップB105)。
普図保留数が上限値未満である場合(ステップB105;Y)は、普図保留数を+1更新し(ステップB106)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(ステップB107)。そして、当り乱数を抽出し、RWMの当り乱数格納領域にセーブして(ステップB108)、当り図柄乱数を抽出し、RWMの当り図柄乱数格納領域にセーブして(ステップB109)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
また、ステップB101にてゲートスイッチ34aに入力がないと判定した場合(ステップB101;N)や、ステップB105にて普図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップB105;N)は、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)の詳細について説明する。図98に示すように、普電入賞スイッチ監視処理では、まず、普図当り中か、すなわち普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数の開放動作を実行中であるかを判定する(ステップB201)。そして、普図当り中である場合(ステップB201;Y)は、始動口2スイッチ37aに入力があるかを判定し(ステップB202)、始動口2スイッチ37aに入力がある(ステップB202;Y)と判定すると、普電カウンタのカウント数を+1更新する(ステップB203)。
次に、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば「6」)以上であるかを判定して(ステップB204)、カウント数が上限値以上である(ステップB204;Y)と判定すると、普図当り中制御ポインタ領域に当り動作終了の値(例えば「4」)セーブし(ステップB205)、普図ゲーム処理タイマを0クリアして(ステップB206)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合は、その時点で普図の当り状態が途中で終了するようにする。
また、ステップB201にて普図当り中でないと判定した場合(ステップB201;N)、ステップB202にて始動口2スイッチ37aに入力がないと判定した場合(ステップB202;N)、又はステップB204にて普電カウント数が上限値以上でないと判定した場合(ステップB204;N)は、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。図99に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるかを判定し(ステップB301)、普図保留数が「0」である場合(ステップB201;Y)は、普図普段処理移行設定処理1(ステップB321)を行い、普図普段処理を終了する。また、普図保留数が「0」でない場合(ステップB301;N)は、RWMの当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし(ステップB302)、当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップB303)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率(すなわち、普図低確率)よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態中であるかを判定する(ステップB304)。
普図高確率中でない場合(ステップB304;N)は、普図低確率時の下限判定値(低確率下限判定値)を設定し(ステップB305)、普図高確率中である場合(ステップB304;Y)は、普図高確率時の下限判定値(高確率下限判定値)を設定する(ステップB306)。
その後、当り乱数の値が上限判定値以上であるかを判定し(ステップB307)、当り乱数の値が上限判定値以上でない場合(ステップB307;N)、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満であるかを判定する(ステップB308)。
当り乱数の値が上限判定値以上である場合(ステップB307;Y)や、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満である場合(ステップB308;Y)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB309)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB310)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB311)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB315)。
一方、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満でない場合(ステップB308;N)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB312)、ステップB302にてロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB313)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB314)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB315)。
本実施形態の場合、普図低確率時における当りの確率は0/251、普図高確率時における当りの確率は250/251であり、上限判定値は「251」、低確率下限判定値は「251」、高確率下限判定値は「1」である。
したがって、普図低確率時は、当り乱数の値が「0」〜「250」全ての場合ではずれとなる。
また、普図高確率時は、当り乱数の値が「1」〜「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」である場合がはずれとなる。
停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブ(ステップB315)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB316)。
その後、当り乱数格納領域をシフトし(ステップB317)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップB318)、普図保留数を−1更新する(ステップB319)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
そして、普図変動中処理移行設定処理(ステップB320)を行って、普図普段処理を終了する。
〔普図普段処理移行設定処理1〕
図100には、前述の普図普段処理での普図普段処理移行設定処理1(ステップB321)、後述の普図表示中処理での普図普段処理移行設定処理1(ステップB508)を示した。この普図普段処理移行設定処理1では、まず、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(ステップB331)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB332)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB333)、普図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
図101には、上述の普図普段処理での普図変動中処理移行設定処理(ステップB320)を示した。この普図変動中処理移行設定処理では、まず、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(ステップB341)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB342)。
その後、普図変動時間(例えば500m秒。本実施形態の場合、普図低確率状態と普図高確率状態とで普図変動時間は共通となっている。)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB343)、普図変動表示ゲームの開始に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB344)、普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする(ステップB345)。
そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(ここでは52ms)を普図点滅制御タイマ領域にセーブして(ステップB346)、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB9)の詳細について説明する。図102(a)に示すように、普図変動中処理では、普図表示中処理移行設定処理(ステップB401)を行う。
〔普図表示中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図変動中処理における普図表示中処理移行設定処理(ステップB401)の詳細について説明する。図102(b)に示すように、普図表示中処理移行設定処理では、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(ステップB411)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB412)。その後、普図表示器における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB413)、普図の変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB414)、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB415)、普図表示中処理移行設定処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。図103に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、普図普段処理に移行するための普図普段処理移行設定処理1(ステップB508)を行って、普図表示中処理を終了する。
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、当り中処理設定テーブルを設定して(ステップB504)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタの値(例えば、「0」,「2」,「4」の何れか)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップB505)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば、500m秒又は1700m秒)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB506)。その後、普図当り中処理移行設定処理(ステップB211)を行って、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理移行設定処理〕
図104には、上述の普図表示中処理における普図当り中処理移行設定処理(ステップB507)を示した。この普図当り中処理移行設定処理では、まず、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(ステップB511)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB512)。その後、普図変動表示ゲームの当りに関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をON)と、普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB513)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB514)。
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアして(ステップB515)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB516)。そして、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB517)、普図当り中処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図105に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードし、準備して(ステップB601)、ロードした普図当り中制御ポインタの値が上限値以上であるかを判定する(ステップB602)。
そして、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上でない場合(ステップB602;N)は、普図当り中制御ポインタを+1更新し(ステップB603)、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
また、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上である場合(ステップB602;Y)は、ステップB603における普図当り中処理制御ポインタ領域を+1更新する処理を行わずに、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
図106には、上述の普図当り中処理における普電作動移行設定処理(ステップB604)を示した。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタ(普図当り中制御ポインタ)の値に応じて処理を分岐するようにしている。この普電作動移行設定処理では、まず、制御ポインタの値に応じた分岐処理を行う(ステップB611)。
制御ポインタの値が「0」又は「2」であった場合は、ステップB612へ移行して、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB612)、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB613)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「1」又は「3」であった場合は、ステップB614へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB614)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB615)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「4」であった場合は、ステップB616へ移行して、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理を行うため、処理番号として「4」を設定する(ステップB616)。そして、この処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB617)、普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB619)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB619)、普電作動移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態では、例えば、ステップB612にてウェイト時間として200m秒を、ステップB614にて普電開放時間として1700m秒を、ステップB618にて普電残存球処理時間として600m秒をセーブする。
さらに、普図停止図柄が「当り図柄1」である場合は、図103に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「4」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、普電開放時間として「500m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「500m秒」であるため普電(普通変動入賞装置37)が500m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「4」であるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
また、普図停止図柄が「当り図柄2」である場合は、図103に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「2」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「2」であるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
また、普図停止図柄が「当り図柄3」である場合は、図103に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「0」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「0」であるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「1」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「2」に更新されるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
〔普電残存球処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電残存球処理(ステップB12)の詳細について説明する。図107(a)に示すように、普電残存球処理では、普図当り終了処理移行設定処理(ステップB701)を行う。
〔普図当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の普電残存球処理における普図当り終了処理移行設定処理(ステップB701)の詳細について説明する。図107(b)に示すように、普図当り終了処理移行設定処理では、まず、普図当り終了処理に係る処理番号「5」を設定して(ステップB711)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB712)。
その後、普図エンディング時間(例えば100m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB713)、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB714)、普通変動入賞装置37への入賞数を計数する普電カウント数領域をクリアする(ステップB715)。そして、普図当り中制御ポインタ領域をクリアして(ステップB716)、普図当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り終了処理(ステップB13)の詳細について説明する。図108(a)に示すように、普図当り終了処理では、普図普段処理移行設定処理2(ステップB801)を行う。
〔普図普段処理移行設定処理2〕
次に、上述の普図当り終了処理における普図普段処理移行設定処理2(ステップB801)の詳細について説明する。図108(b)に示すように、普図普段処理移行設定処理2では、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定して(ステップB811)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB812)。
その後、普図変動表示ゲームの当り終了に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB813)、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB814)、普図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップS111)の詳細について説明する。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器、特図2保留表示器、普図保留表示器、第1遊技状態表示部、第2遊技状態表示部、ラウンド表示部を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
図109に示すように、セグメントLED編集処理では、まず、点滅制御タイマを+1更新して(ステップS501)、点滅制御タイマの特定ビットが1か否かによって、出力オンタイミングであるかを判定する(ステップS502)。本実施形態では、点滅制御タイマのビット5が1である場合に出力オンタイミングであると判定することで、128m秒の点滅周期を作っている。
出力オンタイミングである場合(ステップS502;Y)は、普図保留表示器での表示態様が規定された普図保留数表示テーブル1,2のうちの、普図保留数表示テーブル1を設定し(ステップS503)、出力オンタイミングでない場合(ステップS502;N)は、普図保留数表示テーブル2を設定する(ステップS504)。
そして、設定した普図保留数表示テーブルから普図保留数に対応する表示データを取得し、普図保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS505)。本実施形態では、普図保留数が「0」〜「2」の何れかであれば、どちらの普図保留数表示テーブルが設定された場合であっても、表示データは同じになる。
次に、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップS506)、出力オンタイミングである場合(ステップS506;Y)は、特図1保留表示器での表示態様が規定された特図1保留数表示テーブル1,2のうちの、特図1保留数表示テーブル1を設定し(ステップS507)、出力オンタイミングでない場合(ステップS506;N)は、特図1保留数表示テーブル2を設定する(ステップS508)。
そして、設定した特図1保留数表示テーブルから特図1保留数に対応する表示データを取得し、特図1保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS509)。
その後、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップS510)、出力オンタイミングである場合(ステップS510;Y)は、特図2保留表示器での表示態様が規定された特図2保留数表示テーブル1,2のうちの、特図2保留数表示テーブル1を設定し(ステップS511)、出力オンタイミングでない場合(ステップS510;N)は、特図2保留数表示テーブル2を設定する(ステップS512)。
そして、設定した特図2保留数表示テーブルから特図2保留数に対応する表示データを取得し、特図2保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS513)。
さらに、ラウンド表示部での表示態様が規定されたラウンド表示テーブルを設定して(ステップS514)、ラウンド表示LEDポインタに対応する表示データを取得し、ラウンド表示部のセグメント領域にセーブする(ステップS515)。
次に、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定して(ステップS516)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得し、第1遊技状態表示部のセグメント領域にセーブする(ステップS517)。本実施形態では、1個のLEDからなる第1遊技状態表示部を、通常中には消灯させ、特図時短中(普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
その後、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第2遊技状態表示部での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定して(ステップS518)、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得し、第2遊技状態表示部のセグメント領域にセーブして(ステップS519)、セグメントLED編集処理を終了する。本実施形態では、1個のLEDからなる第2遊技状態表示部を、通常打ち(左打ち)時には消灯させ、右打ち時(本実施形態の場合、大当り中、小当り中、普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
〔磁石不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップS112)の詳細について説明する。磁石不正監視処理では、磁気センサ61からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図110に示すように、磁石不正監視処理では、まず、磁気センサ61から出力されて第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁気センサ61がオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップS601)。磁気センサ61がオンである場合(ステップS601;Y)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新して(ステップS602)、当該タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップS603)。本実施形態の場合、磁石不正監視タイマが32m秒以上である場合にタイムアップしたと判定する。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップS603;Y)、すなわち異常な磁気を一定期間継続して検出した場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップS604)、磁石不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS605)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップS606)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備して(ステップS607)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS613)。すなわち、磁気センサ61が一定期間(例えば、8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、磁気センサ61がオンでない場合(ステップS601;N)、すなわち異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップS608)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS609)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、磁石不正報知タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS610)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップS603;N)も、ステップS609の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマの値が「0」でない場合(ステップS610;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマの値が「0」である場合(ステップS610;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップS611)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備して(ステップS612)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS613)。
そして、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップS613;Y)は、磁石不正監視処理を終了する。また、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致しない場合(ステップS613;N)は、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップS614)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS615)、磁石不正監視処理を終了する。
ここで、「ステップS601;N」→「ステップS608」→「ステップS609」→「ステップS610;Y」→「ステップS611」→「ステップS612」→「ステップS613;Y」が正常ルートである。
〔盤電波不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(ステップS113)の詳細について説明する。電波不正監視処理では、盤電波センサ62からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図111に示すように、電波不正監視処理では、まず、盤電波センサ62から出力されて近接I/F121を経由して第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、盤電波センサ62がオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるかを判定する(ステップS701)。電波センサがオンである場合(ステップS701;Y)、すなわち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS702)。
そして、盤電波不正報知のコマンドを準備し(ステップS703)、盤電波不正フラグとして盤電波不正発生フラグを準備して(ステップS704)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS709)。すなわち、磁気不正の場合は、磁気センサ61のオンが所定回数検出された時点で異常が発生していると判定する一方、盤電波不正の場合は、盤電波センサ62のオンが1回検出された時点で異常が発生していると判定するようにしている。
一方、盤電波センサ62がオンでない場合(ステップS701;N)、すなわち異常な電波を検出していない場合は、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS705)。なお、電波不正報知タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、電波不正報知タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS706)。
電波不正報知タイマの値が「0」でない場合(ステップS706;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、盤電波不正監視処理を終了する。また、電波不正報知タイマの値が「0」である場合(ステップS706;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、盤電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップS707)、盤電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備して(ステップS708)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS709)。
そして、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップS709;Y)は、盤電波不正監視処理を終了する。また、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致しない場合(ステップS709;N)は、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし(ステップS710)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS711)、盤電波不正監視処理を終了する。
ここで、「ステップS701;N」→「ステップS705」→「ステップS706;Y」→「ステップS707」→「ステップS708」→「ステップS709;Y」が正常ルートである。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS114)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS105)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)、磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波不正監視処理(ステップS113)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図112及び図113に示すように、外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中でもなく(ステップS801;N)、本体枠開放エラーの発生中でもない場合(ステップS802;N)には、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS803)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS804)、ステップS807の処理に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップS801;Y)、あるいは、本体枠開放エラーの発生中である場合(ステップS802;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS805)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS806)、ステップS807の処理に移行する。
そして、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256m秒)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS807)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、メイン処理においてRAMクリアで起動したときのRAM初期値設定時に設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS808)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS808;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS809)、ステップS810の処理に移行する。また、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」である場合(ステップS808;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ステップS809の処理を行わずに、ステップS810の処理に移行する。
そして、磁石不正の発生中である場合(ステップS810;Y)、盤電波不正の発生中である場合(ステップS811;Y)、枠電波不正の発生中である場合(ステップS812;Y)、普電不正の発生中である場合(ステップS813;Y)、あるいは、大入賞口不正の発生中である場合(ステップS814;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS816)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS817)、ステップS818の処理に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。
一方、磁石不正の発生中でもなく(ステップS810;N)、盤電波不正の発生中でもなく(ステップS811;N)、枠電波不正の発生中でもなく(ステップS812;N)、普電不正の発生中でもなく(ステップS813;N)、大入賞口不正の発生中でもない場合(ステップS814;N)は、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS815)、ステップS818の処理に移行する。
そして、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS818)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS819)を行う。
次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS820)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS821)。
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップS821;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS822)、外部情報編集処理を終了する。
また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS821;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS823)、外部情報編集処理を終了する。
〔メイン賞球信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理(ステップS818)の詳細について説明する。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(本実施形態の場合、10個)になる毎に生成されるメイン賞球信号を外部装置へ出力する処理である。
図114に示すように、メイン賞球信号編集処理では、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS831)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS832)。メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」である場合(ステップS832;Y)は、メイン賞球信号出力回数が「0」であるかを判定する(ステップS833)。
そして、メイン賞球信号出力回数が「0」でない場合(ステップS833;N)は、メイン賞球信号出力回数を−1更新し(ステップS834)、メイン賞球信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップS835)。このメイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば128m秒)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば64m秒)とのうちの、オン状態の時間(例えば128m秒)となっている。その後、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS837)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
また、メイン賞球信号出力回数が「0」である場合(ステップS833;Y)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS838)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
一方、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS832;N)は、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップS836)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」でないことである。メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップS836;Y)は、ステップS837の処理に移行する。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップS836;N)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS838)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
本実施形態では、遊技制御装置100からは、遊技球の払出予定個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力され、払出制御装置200からは、遊技球の払出個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力されるよう構成されている。
具体的には、遊技制御装置100は、10個の払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)に、メイン賞球数信号出力回数を+1更新(払出コマンド送信処理内のサブルーチン)し、更新(設定)されている出力回数分、メイン賞球信号を出力する。
予定毎に出力されるメイン賞球信号に対し、払出制御装置200からは実際に10個の払出が行われる毎に賞球信号が送信されるので、予定と結果の整合をとることができ、不正な払出に対応することができる。また、大当り期間中に入賞しても、球切れ等で払出が遅れ、大当り終了後に払い出された場合にも、入賞時に出力されるメイン賞球信号によって、ホールコン(ホールコンピュータ)が正確な情報を収集(判断)することができる。
〔始動口信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理における始動口信号編集処理(ステップS819)の詳細について説明する。始動口信号編集処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図115に示すように、始動口信号編集処理では、まず、始動口信号出力制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS841)。なお、始動口信号出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、始動口信号出力制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS842)。始動口信号出力制御タイマの値が「0」である場合(ステップS842;Y)は、始動口信号出力回数が「0」であるかを判定する(ステップS843)。
そして、始動口信号出力回数が「0」でない場合(ステップS843;N)は、始動口信号出力回数を−1更新し(ステップS844)、始動口信号出力制御タイマ領域に始動口信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップS845)。この始動口信号出力制御タイマ初期値は、始動口信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば128m秒)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば64m秒)とのうちの、オン状態の時間(例えば128m秒)となっている。その後、始動口信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS847)、始動口信号編集処理を終了する。
また、始動口信号出力回数が「0」である場合(ステップS843;Y)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS848)、始動口信号編集処理を終了する。
一方、始動口信号出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS842;N)は、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップS846)。なお、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、始動口信号出力制御タイマの値が「0」でないことである。始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップS846;Y)は、ステップS847の処理に移行する。また、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップS846;N)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS848)、始動口信号編集処理を終了する。
次に、遊技における演出と、この演出を制御する演出制御装置300での制御について説明する。図116、図117には、特別遊技状態での演出の一例を示した。ここでは、短開放を含む16R確変B大当りが発生した場合を示した。
特図変動表示ゲームで大当りの結果態様が導出された後に、図116(a)に示すように大当り種類に応じたファンファーレ演出が行われた後、ラウンド遊技が開始される。図116(b)に示すように表示装置41では、ラウンド数を示すラウンド数表示41a、飾り特図変動表示ゲームで導出された大当り図柄を表示する図柄表示41b、右打ちを指示する右打ち指示表示41c、長開放で獲得した賞球数を示す獲得遊技球数表示41dが表示される。
そして、図116(c)に示すように長開放となるラウンドで特別変動入賞装置38へ遊技球が入賞して賞球を獲得すると、当該賞球数が賞球数表示41eとして表示されるとともに、獲得遊技球数表示41dに加算される。ラウンドが終了してインターバルとなると図116(d)に示すようにインターバル演出が行われる。ここでは次回のラウンドも長開放であるので、長開放用のインターバル演出が行われる。
また、ラウンド遊技が進行して、特別遊技状態の終了時の報知態様や特別遊技状態の終了後の演出態様を選択可能なモード移行選択ラウンドとなると、図116(e)に示すようにモード移行選択画面41fが表示される。このモード移行選択画面41fでは、第1モードをなす通常モードと第2モードをなすデレモードを選択可能であり、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することにより指を模したカーソルを移動させることで選択を行う。
また、次回から短開放となる可能性のあるラウンドのインターバル演出、すなわち、ここでは4R終了後のインターバル演出では、次回以降も長開放が継続するか否かを報知するラウンド継続演出41gが行われる。このラウンド継続演出41gでは、図117(a)に示すように「短」、「長」の文字が交互に点滅し、最終的に点灯した文字により結果を示すものであり、ここでは大当り種類が16R確変Bなので短開放となることが報知されている。さらに、短開放となることが報知された場合にはインターバル演出として図117(b)に示すように特別変動入賞装置38を狙うように促す促進演出41hが行われる。なお、例えば大当り種類が16R確変A(全て長開放)の場合は、ラウンド継続演出41gでは「長」の文字が点灯して長開放となることが報知される。
図117(c)に示すように短開放でのラウンドでも促進演出41hは継続される。さらに、特別変動入賞装置38が開放していることを強調する強調演出41iが行われる。この強調演出41iは、特別変動入賞装置38から光が照射されているかのような表示となっている。なお、特別変動入賞装置38は発光による装飾を行う装飾手段を備えているが、この装飾手段による発光態様と、強調演出41iの表示態様とで、発光タイミングや発光強度、発光色などを関連付けるように同期させても良いし、同期させないようにしても良い。
また、短開放でのラウンドが開始されると、長開放で獲得した賞球数を示す獲得遊技球数表示41dとは別に短開放で獲得した賞球数を示す短開放獲得遊技球数表示41jが表示される。また、ラウンド数表示41aでは残り開放回数を表示する。ここでは、実行中のラウンドを含めて残り12ラウンドがあって各ラウンドで1回開放されるので、あと12回開放と表示されている。その後、図117(d)に示すように短開放でのラウンドが終了してインターバル時間となると促進演出41hは継続されが、特別変動入賞装置38が開放していることを強調する強調演出41iは一旦終了し、図117(e)に示すように次のラウンドが開始されると強調演出41iが再開される。
そして、最終ラウンドが終了すると図117(f)、(g)に示すようにエンディング演出が行われる。このエンディング演出では、図117(f)に示すように長開放で獲得した賞球数を示す獲得遊技球数表示41dに、短開放で獲得した賞球数を示す短開放獲得遊技球数表示41jでの値が加算される演出が行われ、図117(g)に示すように特別遊技状態で獲得した賞球数の総数を表示する総数表示41kが行われる。
また、エンディング演出では特別遊技状態の終了後の確率状態を示唆する表示である状態示唆表示41mが行われる。この状態示唆表示の内容は、遊技者がモード移行選択ラウンドにおいて選択した演出モードによって異なるようになっており、図118に示すように特別遊技状態の終了後の確率状態に応じて(1)〜(4)のキャラクタが所定の選択率に応じて選択されるようになっている。図118(a)に示すように第1モードをなす通常モードが選択された場合には、高確率状態となる場合に(1)のキャラクタのみが選択され、低確率状態となる場合に(2)のキャラクタのみが選択される。また、図118(b)に示すように第2モードをなすデレモードが選択された場合には、確率状態に応じて(1)〜(4)のキャラクタが選択率に応じて選択されるようになっている。なお、キャラクタ画像だけでなく、セリフなどの文字情報によっても確率状態を示唆するようにしても良い。
〔メイン処理〕
上述のような演出を行うために本実施形態の遊技機では、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって図119に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。図119に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC17)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行う。そして、可動演出装置の初期動作の設定を行う初期動作処理を行い(ステップC20)、演出モードを管理するための演出モード管理処理を行って(ステップC21)、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図120には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図121には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、或いは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(或いはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔単発系コマンド処理〕
図122には、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理を示した。この単発系コマンド処理では、まず、MODEは遊技制御装置100に設定された機種に関する情報を含む機種指定コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC261)。そして、MODEは機種指定コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC261;Y)は、内部情報をコマンドに対応する機種情報に書き換える機種設定処理を行い(ステップC262)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC261で、MODEは機種指定コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC261;N)は、RAM111Cの初期化を行ったことを示すRAM初期化コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC263)。そして、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC263;Y)には、RAM初期化処理を行い(ステップC264)、単発系コマンド処理を終了する。RAM初期化処理(ステップC264)では、初期化の必要な領域を初期化し、RAM初期化画面情報を設定する。さらに、RAM初期化が行われた際の演出を行うためにRAM初期化用シナリオデータを設定する。
また、ステップC263で、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC263;N)は、MODEはRAM111Cの初期化を行わずに停電から復旧したことを示す停電復旧コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC265)。そして、MODEは停電復旧コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC265;Y)には、停電復旧処理を行い(ステップC266)、単発系コマンド処理を終了する。停電復旧処理(ステップC266)では、初期化の必要な領域を初期化し、停電復旧画面を表示するための復旧画面情報を設定する。さらに、停電復旧の際の演出を行うために停電復旧用シナリオデータを設定する。
また、ステップC265で、MODEは停電復旧コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC265;N)は、MODEは客待ちデモの開始を示す客待ちデモコマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC267)。そして、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC267;Y)には、客待ちデモ処理を行い(ステップC268)、単発系コマンド処理を終了する。客待ちデモ処理(ステップC268)では、P機(パチンコ機)状態を客待ちデモ中に設定し、客待ち演出を行うために客待ち用シナリオデータを設定する。
また、ステップC267で、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC267;N)には、MODEは特図1保留であるかを判定する(ステップC269)。そして、MODEは特図1保留である場合(ステップC269;Y)には、発生した保留に対応する飾り始動記憶表示を表示装置41に表示する処理などを行う特図1保留情報設定処理を行い(ステップC270)、単発系コマンド処理を終了する。また、ステップC269で、MODEは特図1保留に対応するものでないと判定した場合(ステップC269;N)には、MODEは特図2保留であるかを判定する(ステップC271)。そして、MODEは特図2保留である場合(ステップC271;Y)には、発生した保留に対応する飾り始動記憶表示を表示装置41に表示する処理などを行う特図2保留情報設定処理を行い(ステップC272)、単発系コマンド処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、個々の始動記憶に対応した始動記憶表示(飾り始動記憶表示)により始動記憶に関する情報を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶表示手段をなす。
また、ステップC271で、MODEは特図2保留でない場合(ステップC271;N)には、MODEは確率情報であるかを判定する(ステップC273)。そして、MODEは確率情報である場合(ステップC273;Y)には、現在の確率状態に関する設定を行う確率情報設定処理を行い(ステップC274)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC273で、MODEは確率情報でない場合(ステップC273;N)には、MODEはエラー/不正であるかを判定する(ステップC275)。そして、MODEはエラー/不正である場合(ステップC275;Y)には、エラー報知を行うなどの対応する処理を行うエラー/不正設定処理を行い(ステップC276)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC275で、MODEはエラー/不正でない場合(ステップC275;N)には、MODEは演出モード切替であるかを判定する(ステップC277)。そして、MODEは演出モード切替である場合(ステップC277;Y)には、演出モードを切り替える処理を行う演出モード切替設定処理を行い(ステップC278)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC277で、MODEは演出モード切替でない場合(ステップC277;N)には、MODEは図柄停止であるかを判定する(ステップC279)。そして、MODEは図柄停止でない場合(ステップC279;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEは図柄停止である場合(ステップC279;Y)には、正常なコマンドであるかを判定する(ステップC280)。正常なコマンドであるかの判定では、例えば図柄停止コマンドの対象が現在変動中の特図を対象としたものであるかを判定する。
そして、正常なコマンドでない場合(ステップC280;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、正常なコマンドである場合(ステップC280;Y)は、対応する特図の停止設定を行い(ステップC281)、全図柄が停止したなら遊技状態フラグを通常状態に設定して(ステップC282)、単発系コマンド処理を終了する。これにより、対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示が停止する。遊技状態フラグは現在の遊技状態を示すフラグであり、通常状態の他、変動中、大当り中、小当り中などの状態を示すフラグがあり、状況に応じて適切なフラグが設定される。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
図123には、上述の受信コマンド解析処理における先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を示した。この先読み図柄系コマンド処理では、まず、最新の保留情報が特図1保留であるかを判定する(ステップC301)。最新の保留情報が特図1保留である場合(ステップC301;Y)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図1保留に関するものである場合は、コマンドを特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC302)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
また、最新の保留情報が特図1保留でない場合(ステップC301;N)、すなわち、受信した先読み図柄系コマンドが特図2保留に関するものである場合は、コマンドを特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブし(ステップC303)、先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。ステップC304で先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットするのは、先読み図柄コマンドと先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)とがセット(ペア)のためである。
〔先読み変動系コマンド処理〕
図124には、上述の受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を示した。この先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動コマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC311)。ここでは、上述の先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動コマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。先読み変動コマンド受信待ち中でない場合(ステップC311;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み変動コマンド受信待ち中である場合(ステップC311;Y)は、先読み変動コマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC312)。
その後、ステップC313〜C316の処理では、遊技制御装置100から受信した先読み変動コマンド(先読み変動パターンコマンド)を、演出制御装置300での処理に便利なように変換する処理を行う。まず、最新保留情報の図柄の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定する処理(ステップC313)を行って、今回受信した先読み変動系コマンドに対応する始動記憶の特図種別の情報と当該特図種別の現在の保留数とに応じて、MODEを変換するためのMODE変換テーブルを設定する。
次いで、設定したMODE変換テーブルを参照して、先読み変動コマンドのMODEに対応するサブ内先読み変動コマンドMODEを取得する(ステップC314)。さらに、先読み変動ACT変換テーブルを設定して(ステップC315)、先読み変動コマンドのACTに対応するサブ内先読み変換コマンドACTを取得する(ステップC316)。
MODEには前半変動の情報が含まれているが、このMODEに基づき設定される前半変動の内容や時間は判定時における保留数によって変化するので、事前判定時の判定と特図変動表示ゲーム開始時の判定とで判定結果が異なる場合がある。よって、判定時の保留数に影響されずに先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにするために、現在の保留数に応じた変換態様でMODEを変換し、判定時の保留数によらずに共通して扱うことができるようにしている。例えば、リーチなしはずれ変動であって保留の状況によっては短い前半変動時間になる可能性があるものや、リーチなしはずれ変動であって保留の状況にかかわらず長い前半変動時間となるもののように、先読み予告演出の設定で考慮する事項で区分けしたMODEに変換しておき、先読み予告演出の処理を容易かつ確実に行うことができるようにする。
また、ACTにはリーチの有無やリーチの種類などの後半変動の情報が含まれている。このACTに基づき設定される後半変動の内容は判定時の保留数によって変化することはない。しかし、例えばノーマルリーチでも、最終停止図柄がリーチ図柄の1コマ手前で停止するはずれと、1コマ先で停止するはずれと、当りの場合とが設定されているように、同種のリーチでも様々な態様があり、このそれぞれに対応したACTが設定されているため、値の範囲が広いものとなっている。このため、同一系統のリーチに対応するACTを同一のACTに変換することで数を減らし、先読み予告演出の処理におけるチェックなどの処理負担を軽減するようにしている。
次いで、変換後のMODE、ACTは共に0以外であるかを判定する(ステップC317)。変換後のMODE、ACTは共に0以外でない場合(ステップC317;N)は、異常なコマンド値であるので先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、変換後のMODE、ACTは共に0以外である場合(ステップC317;Y)は、変換後コマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域にセーブして(ステップC318)、MODEとACTの組合せ(コマンド組合せ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC319)を行う。
先読みコマンド整合チェック処理(ステップC319)の結果、コマンド組合せが正常でない場合(ステップC320;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、コマンド組合せが正常である場合(ステップC320;Y)は、先読み予告演出の実行を抽選する先読み抽選処理(ステップC321)を行い、先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC322)。
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC322;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み予告演出を発生する場合(ステップC322;Y)は、当該発生する先読み予告演出(すなわち、先読み抽選処理(ステップC321)で選出された先読み予告演出)が、直ちに開始する演出であるかを判定する(ステップC323)。直ちに開始する演出とは、例えば、表示装置41に表示される飾り始動記憶表示の表示態様を現時点から変更する保留変化予告である。また、直ちに開始しない演出とは、特図変動表示ゲームの実行中に行う先読み予告演出であって、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタによって予告を行う演出、飾り始動記憶表示の表示態様を現時点よりも後のタイミングで変更する保留変化予告などである。なお、このような直ちに開始しない演出の実行を開始するタイミングとしては、特図変動表示ゲームの実行中であればその特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームの実行が開始されるタイミングなどが該当する。
直ちに開始する演出でない場合(ステップC323;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。この場合は、先読み予告演出を実行する特図変動表示ゲームの開始時などに予告の設定を行う。一方、直ちに開始する演出である場合(ステップC323;Y)は、選出された先読み予告演出に対応する表示を設定し(ステップC324)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
図125には、上述の受信コマンド解析処理における図柄系コマンド処理(ステップC240)を示した。この図柄系コマンド処理では、まず、MODEに対応する特図種別(特図1か特図2の何れか)を設定し(ステップC351)、MODEとACTの組み合わせに対応する図柄種別を設定してセーブし(ステップC352)、図柄系コマンド処理を終了する。
図柄種別とは、はずれ図柄、16R確変A大当り図柄、16R確変B大当り図柄、16R通常A大当り図柄、16R通常B大当り図柄、4R確変大当り図柄、小当り図柄等の図柄のカテゴリであり、ACTのデータと対応付けられている。特図1と特図2で図柄の割合が変わるので(確変割合は同じ)、MODE毎にこの図柄種別設定テーブルを分けて設けており、複数ある図柄種別設定テーブルからMODEのデータに対応するものを選択し、さらに当該テーブルを参照してACTに対応する図柄種別を設定する。
〔変動系コマンド処理〕
図126には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC363;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R確変A大当り図柄、16R確変B大当り図柄、16R通常A大当り図柄、16R通常B大当り図柄、4R確変大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R確変A大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC367)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
図127には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC365)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC381;Y)は、機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは低確モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC385)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389)。
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC391)。これにより、飾り特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告が決定されることとなる。さらに、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内容も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC392)。
次に、初期動作において動作不良があった可動演出部材に替えて他の可動演出部材を動作するように設定する動作代替処理を行う(ステップC393)。動作代替処理の詳細については後述する。そして、変動演出の表示設定を行い(ステップC394)、予告演出の表示設定を行う(ステップC395)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示ゲームでの演出や予告が実行可能となる。その後、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(ステップC396)。この処理では特図変動表示ゲームを開始する際に対応する始動記憶の減少に対応して飾り特図始動記憶表示を減少させる設定を行う。
そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC397)、特図種別に対応する飾り特図変動(識別情報の変動表示)の表示設定を行う(ステップC398)。さらに、情報表示装置630において、識別情報の変動表示とは別に飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄の変動表示を設定するために、特図種別に対応する第4図柄変動の表示設定を行い(ステップC399)、変動演出設定処理を終了する。
〔大当り系コマンド処理〕
図128には、上述の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(ステップC238)を示した。この大当り系コマンド処理では、まず、MODEはファンファーレであるかを判定する(ステップC401)。すなわち、受信したコマンドが図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドや小当りファンファーレコマンドであるかを判定する。そして、MODEはファンファーレである場合(ステップC401;Y)は、大当り種類や小当りに応じたファンファーレ表示画像の設定などを行うファンファーレ演出設定処理を行い(ステップC402)、P機状態をファンファーレ中に設定して(ステップC403)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはファンファーレでない場合(ステップC401;N)は、MODEはラウンドであるかを判定する(ステップC404)。すなわち、受信したコマンドが特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドであるかを判定する。そして、MODEはラウンドである場合(ステップC404;Y)は、ラウンド数表示情報の更新などを行うラウンド演出設定処理を行い(ステップC405)、P機状態をラウンド中に設定し(ステップC406)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはラウンドでない場合(ステップC404;N)は、MODEはインターバルであるかを判定する(ステップC407)。すなわち、受信したコマンドがラウンド間のインターバルに関するインターバルコマンドであるかを判定する。そして、MODEはインターバルである場合(ステップC407;Y)は、インターバル中の演出の設定を行うインターバル演出設定処理を行い(ステップC408)、P機状態をインターバル中に設定し(ステップC409)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはインターバルでない場合(ステップC407;N)は、MODEはエンディングであるかを判定する(ステップC410)。すなわち、受信したコマンドが最終ラウンド終了後のエンディングに関するエンディングコマンドであるかを判定する。
MODEはエンディングである場合(ステップC410;Y)は、例えば、特別遊技状態の終了後に高確率状態になる場合には、高確率状態となる旨の報知を行う画面情報を設定するなど、大当り終了後の遊技状態に対応する画面情報の設定などを行うエンディング演出設定処理を行い(ステップC411)、P機状態をエンディング中に設定し(ステップC412)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはエンディングでない場合(ステップC410;N)は、MODEはカウントであるかを判定する(ステップC413)。すなわち、受信したコマンドが特別変動入賞装置38への入賞に基づく大入賞口カウントコマンドであるかを判定する。
MODEはカウントでない場合(ステップC413;N)は、大当り系コマンド処理を終了する。MODEはカウントである場合(ステップC413;Y)は、特別変動入賞装置38への入賞に対応した演出を設定するカウント演出設定処理(ステップC414)を行い、大当り系コマンド処理を終了する。
〔カウント演出設定処理〕
図129には、上述の大当り系コマンド処理におけるカウント演出設定処理(ステップC414)を示した。このファンファーレ演出設定処理では、まず、開放可能時間が所定時間以下である短開放ラウンドであるかを判定する(ステップC421)。なお、本実施形態では、短開放ラウンドは開放可能時間が0.2秒であり、長開放ラウンドでは開放可能時間が29秒である。
そして、短開放ラウンドでない場合(ステップC421;N)、すなわち長開放ラウンドである場合は、大入賞口カウントコマンドに基づいて獲得遊技球数カウンタを更新し(ステップC422)、獲得遊技球数カウンタに基づいた獲得遊技球数表示41dの表示設定を行って(ステップC423)、カウント演出設定処理を終了する。獲得遊技球数カウンタは、長開放ラウンドにおける特別変動入賞装置38への入賞により払い出される賞球数をカウントするものであり、ステップC422では入賞に基づき払い出される賞球数を加算する更新が行われ、ステップC423で更新後の値が表示される。
また、短開放ラウンドである場合(ステップC421;Y)は、大入賞口カウントコマンドに基づいて短開放パターン用カウンタを更新し(ステップC424)、短開放パターン用カウンタに基づいた短開放獲得遊技球数表示41jの表示設定を行って(ステップC425)、カウント演出設定処理を終了する。短開放パターン用カウンタは、短開放ラウンドにおける特別変動入賞装置38への入賞により払い出される賞球数をカウントするものであり、ステップC424では入賞に基づき払い出される賞球数を加算する更新が行われ、ステップC425で更新後の値が表示される。
これにより、長開放における特別変動入賞装置38への入賞数と、短開放における特別変動入賞装置38への入賞数が別々に計数され、表示されることとなる。すなわち、演出制御装置300が、特別変動入賞装置38への入賞が、第1開放態様(長開放)と第2開放態様(短開放)との何れにおける入賞であるかを判別する入賞判別手段をなす。また、演出制御装置300が、入賞判別手段による入賞の判別に基づき、第1開放態様(長開放)における特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数と、第2開放態様(短開放)における特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数と、を別々に計数する計数手段をなす。
〔ファンファーレ演出設定処理〕
図130には、上述の大当り系コマンド処理におけるファンファーレ演出設定処理(ステップC402)を示した。このファンファーレ演出設定処理では、まず、ACTは大当りファンファーレであるかを判定する(ステップC431)。すなわち、ファンファーレコマンドが16R確変A、16R確変B、16R通常A又は16R通常Bの何れかに対応するファンファーレコマンドであるかを判定する。
ACTは大当りファンファーレである場合(ステップC431;Y)は、大当り回数を+1更新し(ステップC432)、確率状態、大当り回数に基づいて大当りファンファーレ演出の表示内容を決定する(ステップC433)。なお、大当り回数は、高確率状態や時短状態でない通常遊技状態となることに基づき0クリアされる。すなわち、いわゆる連チャン回数を計数するものである。その後、決定した内容に対応するファンファーレ演出の表示設定を行い(ステップC434)、大当りは短開放を含むかを判定する(ステップC435)。短開放を含まない場合(ステップC434;N)、すなわち全てのラウンドが長開放である場合は、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定し(ステップC447)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。また、短開放を含む場合(ステップC434;Y)は、短開放大当り情報をセットし(ステップC436)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定して(ステップC447)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。
ACTは大当りファンファーレでない場合(ステップC431;N)は、ACTは突確ファンファーレであるかを判定する(ステップC437)。すなわち、ファンファーレコマンドが4R確変(突確)に対応するものであるかを判定する。ACTは突確ファンファーレである場合(ステップC437;Y)は、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続して実行される演出である連続演出からの当りであるかを判定する(ステップC438)。
連続演出からの当りでない場合(ステップC438;N)は、確率状態に対応する突確専用演出の表示設定を行い(ステップC439)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定し(ステップC447)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。確率状態に対応する突確専用演出は、低確率状態において4R確変となった場合には特別遊技状態の後に高確率状態となるので、その旨を報知又は示唆する演出を行う。また、高確率状態において4R確変となった場合には特別遊技状態の後も高確率状態が継続するので、その旨を報知又は示唆する演出を行う。
また、連続演出からの当りである場合(ステップC438;Y)は、今回の変動中演出(連続演出)に関連する突確演出パターンの中から実行する突確演出を抽選し(ステップC440)、決定した突確演出の表示設定を行い(ステップC441)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定し(ステップC447)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。すなわち、連続演出からの4R確変の場合は、特別遊技状態でも連続演出に関連した演出が行われることとなる。なお、4R確変の場合も大当り回数を+1更新するようにしても良い。
ACTは突確ファンファーレでない場合(ステップC437;N)は、ACTは小当りファンファーレであるかを判定する(ステップC442)。すなわち、ファンファーレコマンドが小当りに対応するものであるかを判定する。ACTは小当りファンファーレでない場合(ステップC442;N)は、ファンファーレ演出設定処理を終了する。また、ACTは小当りファンファーレである場合(ステップC442;Y)は、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続して実行される演出である連続演出からの当りであるかを判定する(ステップC443)。
連続演出からの当りでない場合(ステップC443;N)は、確率状態に対応する小当り専用演出の表示設定を行い(ステップC444)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定し(ステップC447)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。小当りの場合は小当りの前後で確率状態に変化はないため、確率状態に対応する小当り専用演出では、小当り発生時の確率状態が維持されることを報知又は示唆する演出を行う。
また、連続演出からの当りである場合(ステップC442;Y)は、今回の変動中演出(連続演出)に関連する小当り演出パターンの中から実行する小当り演出を抽選し(ステップC445)、決定した小当り演出の表示設定を行い(ステップC446)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定し(ステップC447)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。すなわち、連続演出からの小当りの場合は、特別遊技状態でも連続演出に関連した演出が行われることとなる。
連続演出からの4R確変や小当りの場合、4R確変や小当りが導出される際(突確や小当りとなる特図変動表示ゲームの終了の際)に結果態様を明確に示さずに、4R確変や小当りに基づく特別遊技状態中に何れであるかを示す演出を行う。例えば、敵キャラクタと味方キャラクタが戦う演出を連続演出として行い、結果態様の導出時では依然として戦いの決着がついていない状態とする。そして、特別遊技状態において、4R確変の場合は味方キャラクタが勝利する演出(突確演出)を行い、小当りの場合は敵キャラクタが勝利する演出(小当り演出)を行う。
〔ラウンド演出設定処理〕
図131には、上述の大当り系コマンド処理におけるラウンド演出設定処理(ステップC405)を示した。このラウンド演出設定処理では、まず、右打ち指示の表示設定を行い(ステップC461)、小当り又は突確(4R確変)に基づく特別遊技状態であるかを判定する(ステップC462)。
小当り又は突確に基づく特別遊技状態である場合(ステップC462;Y)は、小当り・突確ラウンド演出の表示設定を行い(ステップC474)、ステップC475に移行する。また、小当り又は突確に基づく特別遊技状態でない場合(ステップC462;N)は、ラウンドコマンドからラウンド数を導出し(ステップC463)、短開放ラウンドを含む大当りの場合に設定される短開放大当り情報があるかを判定する(ステップC464)。
短開放大当り情報がない場合(ステップC464;N)、すなわち、長開放ラウンドのみの特別遊技状態である場合は、ラウンド数の表示設定を行い(ステップC465)、長開放パターンのラウンド演出の表示設定を行う(ステップC466)。次に、長開放パターンに基づいたBGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定する(ステップC467)。
その後、特別遊技状態の終了時の報知態様や、特別遊技状態の終了後の演出態様を選択可能なモード移行選択ラウンドであるかを判定する(ステップC468)。モード移行選択ラウンドでない場合(ステップC468;N)は、ラウンド演出設定処理を終了する。また、モード移行選択ラウンドである場合(ステップC468;Y)は、モード移行選択画面の表示設定を行って(ステップC469)、ラウンド演出設定処理を終了する。
一方、短開放大当り情報がある場合(ステップC464;Y)、すなわち、短開放ラウンドを含む特別遊技状態である場合は、ラウンド数は短開放ラウンドとなる所定値であるかを判定する(ステップC470)。そして、ラウンド数は短開放ラウンドとなる所定値でない場合(ステップC470;N)、すなわち長開放となるラウンドである場合は、ステップC465に移行する。
また、ラウンド数は短開放ラウンドとなる所定値である場合(ステップC470;Y)、すなわち短開放となるラウンドである場合は、短開放パターンのラウンド演出の表示設定を行い(ステップC471)、ラウンド数上限値情報とラウンド数から残り開放回数を算出する(ステップC472)。そして、短開放で開放される回数である残り開放回数の表示設定を行い(ステップC473)、特別変動入賞装置38への入賞を狙うことを促す強調演出の表示設定を行う(ステップC475)。その後、強調演出に基づいたBGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC476)、ラウンド演出設定処理を終了する。
すなわち、短開放となるラウンドや、短開放である小当りや4R確変のラウンドにおいては、長開放のラウンドとは異なる演出が行われる。上述したように特別変動入賞装置38は開閉部材990に遊技球を滞留させやすくなっており、短開放であっても入賞を狙うことが可能であるので、遊技者に入賞を狙うように促す強調演出41iを行う。
〔インターバル演出設定処理〕
図132には、上述の大当り系コマンド処理におけるインターバル演出設定処理(ステップC408)を示した。このインターバル演出設定処理では、まず、長開放用インターバルのBGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC481)、短開放ラウンドを含む大当りの場合に設定される短開放大当り情報があるかを判定する(ステップC482)。
短開放大当り情報がない場合(ステップC482;N)、すなわち長開放ラウンドのみの特別遊技状態である場合は、インターバル演出設定処理を終了する。この場合は、図116(d)に示したような長開放用インターバルが設定された状態となる。また、短開放大当り情報がある場合(ステップC482;Y)、すなわち短開放ラウンドを含む特別遊技状態である場合は、ラウンド数は所定値であるかを判定する(ステップC483)。ここでの所定値とは長開放となる最後のラウンド数であり、本実施形態では4である。
ラウンド数は所定値である場合(ステップC483;Y)、すなわち次回から短開放となるラウンドである場合は、ラウンド継続報知演出の表示設定を行い(ステップC484)、ラウンド継続報知演出に基づいたBGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定して(ステップC485)、インターバル演出設定処理を終了する。これにより、図117(a)、(b)に示したようなラウンド継続報知演出が設定される。
一方、ラウンド数は所定値でない場合(ステップC483;N)は、ラウンド数は所定値よりも大きいかを判定する(ステップC486)。ラウンド数は所定値よりも大きくない場合(ステップC486;N)は、インターバル演出設定処理を終了する。この場合は、次回も長開放となるラウンドである場合であり、長開放用インターバルが設定されたままとなる。
また、ラウンド数は所定値よりも大きい場合(ステップC486;Y)は、短開放用インターバルの表示設定を行い(ステップC487)、短開放用インターバルのBGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC488)、インターバル演出設定処理を終了する。この場合は、図117(d)に示したような短開放用インターバルが設定されることとなる。なお、短開放用インターバルでは促進演出41hが行われるが強調演出41iは行われない。ただし、ラウンド中と同様に強調演出41iも行うようにしても良いし、インターバル専用の強調演出を行うようにしても良い。
〔エンディング演出設定処理〕
図133には、上述の大当り系コマンド処理におけるエンディング演出設定処理(ステップC411)を示した。このエンディング演出設定処理では、まず、今回の特別遊技状態の発生の契機となった大当り種類の情報である大当り種類情報をロードし(ステップC491)、大当り種類情報と第1モードでの選択率(図118(a)参照)から状態示唆表示の設定を行う(ステップC492)。
次に、モード移行フラグがあるかを判定する(ステップC493)。特別遊技状態の終了後の演出モードには第1モードと第2モードがあり、遊技者が選択可能となっている。第1モードと第2モードは確率状態を示唆する表示である状態示唆表示41mの内容や、特図変動表示ゲームの演出などが異なる演出モードである。この演出モードの選択は、モード移行選択ラウンドにおいて表示されるモード移行選択画面41fにて行うことが可能であり、遊技者は演出ボタン25やタッチパネル29を操作することにより選択を行う。そして、遊技者が第1モードを選択した場合にはモード移行フラグはセットされず、遊技者が第2モードを選択した場合にはモード移行フラグがセットされるようになっている。
モード移行フラグがない場合(ステップC493;N)、すなわち第1モードが設定される場合は、ステップC495に移行する。この場合はステップC492で設定された状態示唆表示となる。また、モード移行フラグがある場合(ステップC493;Y)、すなわち第2モードが設定される場合は、第2モードでの選択率(図118(b)参照)に基づく状態示唆表示を設定し(ステップC494)、ステップC495に移行する。
その後、獲得遊技球数カウンタと短開放パターン用カウンタから合計の獲得遊技球数を算出し(ステップC495)、合計の獲得遊技球数に基づいた加算演出の表示設定を行う(ステップC496)。そして、獲得遊技球数カウンタと短開放パターン用カウンタをリセットし(ステップC497)、短開放大当り情報をリセットして(ステップC498)、エンディング演出設定処理を終了する。以上の処理により、遊技者が選択した演出モードに応じた状態示唆表示41mが特別遊技状態の終了時に行われるとともに、特別遊技状態において獲得した遊技球数が総数表示41kとして表示されることとなる。
図134には、特別遊技状態における演出の変形例を示した。図134(a)〜(c)に示すように右打ちを指示する右打ち指示表示41cを表示画面の左から右へ流れるように表示しても良い。この場合、飾り特図変動表示ゲームで導出された大当り図柄を表示する図柄表示41bに重ならない位置で右打ち指示表示41cを流れるように表示する。また、図柄表示41bに重なる位置で右打ち指示表示41cを流れるように表示しても良いが、図柄表示41bの裏側を右打ち指示表示41cが流れるように表示し、図柄表示41bは常に視認可能な状態とする。なお、図柄表示41b以外の表示である、ラウンド数を示すラウンド数表示41aや強調演出41iなどは右打ち指示表示41cで隠されても良いし、隠されないようにしても良い。
また、図134(d)〜(f)に示すように特別変動入賞装置38を狙うように促す促進演出41hを特別変動入賞装置38に向かって流れるように表示しても良い。この場合、飾り特図変動表示ゲームで導出された大当り図柄を表示する図柄表示41bに重なる場合には、図134(d)に示すように図柄表示41bの裏側を促進演出41hが流れるように表示し、図柄表示41bは常に視認可能な状態とする。また、図柄表示41bに重ならない位置で促進演出41hを流れるように表示するようにしても良い。なお、図柄表示41b以外の表示である、ラウンド数を示すラウンド数表示41aや強調演出41i、短開放獲得遊技球数表示41jなどは促進演出41hで隠されても良いし、隠されないようにしても良い。また、図134(a)〜(c)のように右打ち指示表示41cを動作する表示と、図134(d)〜(f)のように促進演出41hを動作する表示とを同時に行うようにしても良い。
図135にも、特別遊技状態における演出の変形例を示した。図135(a)に示すように、特別変動入賞装置38を狙うように促す促進演出41hや特別変動入賞装置38が開放していることを強調する強調演出41iとして、操作部24や特別変動入賞装置38の画像を用い、操作部24を大きく右へ回すように指示したり特別変動入賞装置38を狙うように指示したりするようにしても良い。このようにすることで、遊技者がより理解しやすくなる。特に、複数の特別変動入賞装置38を備える場合にはどの特別変動入賞装置38を狙うべきかを明確に指示できる。また、表示装置41の右下方に位置する実際の特別変動入賞装置38での発光態様と、表示装置41に表示した特別変動入賞装置38の画像での発光態様を同期させており、一見して狙うべき特別変動入賞装置38がわかるようになっている。もちろん操作部24の発光態様についても同様に同期させても良い。
なお、画像としては、模式的なアニメーションでも良いし実際の特別変動入賞装置38を写した動画でも良い。また、表示装置41に表示した操作部24や特別変動入賞装置38の画像において、実際の操作部24や特別変動入賞装置38での発光演出と同期した表示を行うようにしたがしなくても良い。また、表示装置41に表示した操作部24や特別変動入賞装置38の画像は静止画としても良い。
また、右打ち指示表示41cや促進演出41hに含まれる文字情報や矢印の画像については、上述したように流れるような表示を行うようにしても良い。この場合、操作部24や特別変動入賞装置38の画像の前側を移動するようにしても良いし、後側を移動するようにしても良い。また、操作部24や特別変動入賞装置38の画像に一括表示装置50が表示される場合、実際の一括表示装置50の表示態様と同期した表示を行うようにしても良いし、同期しない表示としても良い。同期しない表示態様とする場合はどのような表示態様であっても良いが、例えば、全て点灯又は消灯した状態や、特定の点灯態様(7セグの場合には「7」などの大当りを連想させる特定の数字を点灯する。LEDの集合体の場合には大当り発生時に特有の点灯態様として大当りを連想させる等)とする。
また、右打ちとする遊技状態が開始される場合に、操作部24を大きく右へ回すように指示したり普通変動入賞装置37を狙うように指示したりする画像を表示するようにしても良い。また、左打ちとする遊技状態が開始される場合に、操作部24を小さく右へ回すように指示したり入賞装置90を狙うように指示したりする画像を表示するようにしても良い。
また、図135(b)に示すように、最終ラウンドの終了までの残り時間を表示する残時間表示41nを行うようにしても良い。短開放の場合に成立するラウンドの終了条件は、特別変動入賞装置38へ所定数の遊技球が入賞するよりも開放可能時間が経過する場合の方がほとんどであり、ラウンドが一定の時間で終了する。よって、以降のラウンドが短開放となる場合は、最終ラウンドの終了までのラウンドの時間とインターバルの時間を積算することで最終ラウンドの終了までの残り時間を算出することができる。このように残り時間を表示することで、残りラウンド数で報知する場合とは異なる印象を与え、遊技の興趣を向上することができる。すなわち、特別遊技状態の終了までの残り時間を算出する残時間算出手段(遊技制御装置100又は演出制御装置300)を備え、当該残時間算出手段により算出された残り時間を報知可能であることとなる。
なお、上述の実施形態では、第1開放態様を継続して開状態となる時間が所定時間以上である長開放とし、第2開放態様を継続して開状態となる時間が所定時間以下である短開放として説明したがこれに限られるものではなく、第1開放態様と第2開放態様が異なるものであればどのような開放態様であっても良い。また、遊技機として、始動領域への入賞に基づき変動表示ゲームを実行する遊技機を挙げたが、これ以外の遊技機であっても良い。例えば始動領域への入賞に基づき補助遊技装置への入賞が可能となり、当該補助遊技装置に入賞した遊技球が特定領域に流入することに基づき遊技者に有利な特別遊技状態を発生するいわゆる羽根物(旧2種タイプ)の遊技機でも良い。
以上のことから、遊技球が流下可能な遊技領域32を備える遊技盤30を備え、遊技領域32に設けられた始動領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機10において、遊技球が入賞不能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態に変換可能であり、特別遊技状態において開状態に変換される特別変動入賞装置38と、遊技に関する演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様には、第1開放態様(長開放)と、該第1開放態様とは異なる第2開放態様(短開放)と、があり、演出制御手段は、第2開放態様が実行される際に、特別変動入賞装置38へ向けた遊技球の発射を促す促進演出41hを実行可能であることとなる。したがって、特別遊技状態中における遊技球の減少を抑制し、遊技の興趣を高めることができる。
また、遊技者が操作して遊技球の発射勢を調節するための発射操作部(操作部24)と、遊技に関する情報を表示可能な表示装置41と、特別変動入賞装置38を発光により装飾する装飾手段と、を備え、演出制御手段は、促進演出41hとして、特別変動入賞装置38へ向けて遊技球を発射するための発射勢とするのに必要な発射操作部の操作方法の表示と、装飾手段による特別変動入賞装置38の装飾態様の表示と、を表示装置41で行うようにしている。したがって、遊技者が促進演出41hの内容を理解しやすくなる。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32を備える遊技盤30を備え、遊技領域32に設けられた始動領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機10において、遊技球が入賞不能な閉状態と遊技球が入賞可能な開状態に変換可能であり、特別遊技状態において開状態に変換される特別変動入賞装置38を備え、特別遊技状態における特別変動入賞装置38の動作態様には、第1開放態様(長開放)と、該第1開放態様とは異なる第2開放態様(短開放)と、があり、特別変動入賞装置38への入賞が、第1開放態様と第2開放態様との何れにおける入賞であるかを判別する入賞判別手段(演出制御装置300)を備えている。したがって、入賞判別手段による情報に基づき遊技の演出や進行を制御でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、特別変動入賞装置38への入賞に基づき所定数の賞球を払い出すように構成され、入賞判別手段による入賞の判別に基づき、第1開放態様における特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数と、第2開放態様における特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数と、を別々に計数する計数手段(演出制御装置300)を備えている。したがって、計数手段による情報に基づき遊技の演出や進行を制御でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、遊技に関する演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、計数手段による計数結果に基づき、第1開放態様における特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数と、第2開放態様における特別変動入賞装置38への入賞に基づく賞球数と、を別々に報知可能であることとなる。したがって、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、計数手段による計数結果の一部のみを報知した後に、所定のタイミングで未だ報知されていない計数結果を報知することが可能であることとなる。したがって、遊技の興趣を向上することができる。
次に、遊技機の電源投入に基づく可動演出装置の初期動作について説明する。初期動作は、可動演出装置をなす盤演出装置44の動作を確認するためのものであり、初期動作の開始前における検出センサの状態に応じて初期動作の内容が設定されるようになっている。
〔初期動作処理〕
図136には、上述のメイン処理(図119参照)における初期動作処理(ステップC20)を示した。この初期動作処理では、まず、初期動作フラグがあるかを判定する(ステップC101)。初期動作フラグは、遊技機の電源投入に基づいて演出制御装置300で行われる初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする処理(ステップC7)で設定されるようになっている。すなわち、電源の投入に基づき設定されるフラグである。
この初期動作フラグがない場合(ステップC101;N)は、ステップC108に移行する。また、初期動作フラグがある場合(ステップC101;Y)は、初期動作フラグをクリアし(ステップC102)、検出センサの状態を取得する(ステップC103)。そして、検出センサの状態が全て通常検出状態であるかを判定する(ステップC104)。通常検出状態とは可動演出装置が初期位置にある状態での検出センサの検出状態であり、全て通常検出状態であるとは全ての可動演出装置が初期位置にある状態であって、電源投入時の可動演出装置の状態として異常がない状態である。
検出センサの状態が全て通常検出状態である場合(ステップC104;Y)は、通常初期動作のみを行う初期動作テーブルを設定し(ステップC105)、初期動作実行中フラグを設定する(ステップC107)。また、検出センサの状態が全て通常検出状態でない場合(ステップC104;N)は、検出状態に応じた特別初期動作を行う初期動作テーブルを設定し(ステップC106)、初期動作実行中フラグを設定する(ステップC107)。初期動作テーブルは、初期動作の実行内容が定義されたテーブルであり、このテーブルの内容に従い初期動作が実行される。
その後、初期動作実行中フラグがあるかを判定し(ステップC108)、初期動作実行中フラグがない場合(ステップC108;N)は、初期動作処理を終了する。また、初期動作実行中フラグがある場合(ステップC108;Y)、すなわち初期動作の実行中である場合は、実行中の初期動作において異常が発見されたかを判定する(ステップC109)。実行中の初期動作において異常が発見されていない場合(ステップC109;N)は、全ての初期動作が完了したかを判定する(ステップC113)。また、実行中の初期動作において異常が発見された場合(ステップC109;Y)は、異常が発見された可動演出装置に対応する動作不良エラーフラグをセットし(ステップC110)、当該可動演出装置の初期動作に替えて行う初期動作である代替初期動作があるかを判定する(ステップC111)。
代替初期動作がない場合(ステップC111)は、ステップC113に移行する。また、代替初期動作がある場合(ステップC111)は、代替初期動作をセットし(ステップC112)、ステップC113に移行する。そして、全ての初期動作が完了していない場合(ステップC113;N)は、初期動作処理を終了する。また、全ての初期動作が完了した場合(ステップC113;Y)は、初期動作実行中フラグをクリアし(ステップC114)、初期動作処理を終了する。
上述したように各可動演出装置に対応して動作状態を検出するための検出センサが設けられており、それぞれが初期位置にある状態での検出状態(通常検出状態)は図137に示す状態である。初期動作の開始前に全ての検出センサが図137に示す通常検出状態であれば図140(a)に示す通常初期動作のみを行う初期動作テーブルが設定され、この初期動作テーブルに従い初期動作が行われることとなる。
この初期動作では可動演出装置を初期位置から動作完了位置まで動作した後に初期位置へ戻す通常初期動作を、図137に示した初期動作グループごとに行うようになっている。各初期動作グループには優先順位が設定されており、優先順位が最も高いグループAから初期動作を行い、当該グループAの初期動作が完了すると次の優先順位であるグループBの初期動作を行う。同様に、グループBの初期動作が完了した後にグループCの初期動作を行う。そして、グループCの初期動作が完了すると初期動作が終了する。
具体的には、まずグループAの初期動作として、中央可動役物ユニット880の初期動作を行う。この初期動作では、各中央可動部材が初期位置にある状態(図13参照)から各中央可動部材が動作完了位置に移動した状態(図14参照)とし、その後、初期位置にある状態(図13参照)に戻す動作を行う。このグループAの初期動作が完了した後にグループBの初期動作として、上可動役物ユニット800の初期動作を行う。この初期動作では、可動部材ユニット820、第1上可動部材848及び第2上可動部材860が初期位置にある状態(図9参照)から、可動部材ユニット820を下降させて動作完了位置まで移動させた状態(図10参照)とするとともに、第1上可動部材848を動作させる(図11参照)。その後、初期位置にある状態(図9参照)に戻す動作を行う。
このグループBの初期動作が完了した後にグループCの初期動作として、下可動役物ユニット730の第1下可動部材740、741及び第2下可動部材770の初期動作を行う。この初期動作では、第2下可動部材770が初期位置にある状態(図7(a)参照)から、第2下可動部材770を動作完了位置まで動作した状態(図7(b)参照)とし、その後、初期位置にある状態(図7(a)参照)に戻す動作を行う。さらに、第1下可動部材740、741が初期位置にある状態(図6(a)参照)から、第1下可動部材740、741を動作完了位置まで動作した状態(図6(b)参照)とし、その後、初期位置にある状態(図6(a)参照)に戻す動作を行う。このグループCの初期動作が完了すると、通常初期動作が完了する。
なお、グループBに含まれる可動演出装置の動作には、可動部材ユニット820の上下動作、第1上可動部材848の回転動作及び第2上可動部材860の揺動動作が含まれ、何れも遊技において実行される可能性のある動作であるが、グループBの通常初期動作において、第2上可動部材860の揺動動作は行わない。第1上可動部材848の回転動作は第2上可動部材860の揺動動作よりも遊技者にとって期待度が高いことを示す動作であり、実行頻度の低い動作である。通常初期動作においては遊技者の期待感が最も高まる場面において実行される動作が実行可能であるかを確認するようにして、当該場面において遊技の興趣が損なわれないようにしている。
また、上述の通常初期動作は、表示装置41と重なる領域が大きい動作を含むグループから順に行うようにしている。すなわち、図138(a)に示すグループAの初期動作が最も表示装置41と重なる領域が大きく、次いで図138(b)に示すグループBの初期動作が表示装置41と重なる領域が大きく、図138(c)、(d)に示すグループCの初期動作が最も表示装置41と重なる領域が小さい。
また、グループCの初期動作においては、図138(d)に示す第1下可動部材740,741の初期動作と図138(c)に示す第2下可動部材770の初期動作のうち、表示装置41と重なる領域が大きい第2下可動部材770の初期動作を先に行うようにしている。このように表示装置41と重なる領域が大きい動作を先に行うことで、電源投入から一定時間経過後に表示装置41の表示が開始された際に、可動演出装置により表示内容が見えない状態となることを防止できる。
このような順で初期動作を行うことは、特に特図変動表示ゲームの実行中に停電が発生した場合に効果的である。図139には特図変動表示ゲームの実行中に停電が発生した場合の一例を示した。この例では、まず、特図変動表示ゲーム及び飾り特図変動表示ゲームが実行されており、表示装置では図139(b)に示すような遊技中の画面が表示されている。なお、ここでは変動表示中であるので、飾り特図変動表示ゲーム表示部85や第2飾りゲーム表示部88は変動表示された状態となっている。
この特図変動表示ゲームを実行している状態で停電が発生すると(t11)、遊技制御装置100では実行中の特図変動表示ゲームを中断してバックアップ処理が行われ、停電発生時の状態を保持するための処理が行われる。また、演出制御装置300はバックアップの機能を備えないため実行中の飾り特図変動表示ゲームの情報は失われる。また、停電中では表示装置41は表示されない状態となる。
その後、停電から復旧すると(t12)、遊技制御装置100ではバックアップされた情報に基づき停電発生時の状態から遊技を再開するための処理を行う。そして、バックアップされたデータに基づき正常に停電復旧した場合には停電復旧コマンドを演出制御装置300に送信するとともに、中断されていた特図変動表示ゲームを再開する(t13)。
演出制御装置300は、停電復旧に伴い表示装置41に図139に示す初期画面を表示する(t12)。また、停電復旧に伴い可動演出装置の初期動作を開始する。そして、停電復旧コマンドの受信に基づき停電復旧であることを把握できるため、図139(d)にその旨を示す停電復旧画面を表示する(t13)。
特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、遊技制御装置100は演出制御装置300に図柄停止コマンドを送信する。演出制御装置300では停電発生により飾り特図変動表示ゲームの情報が失われているので飾り特図変動表示ゲームは再開することができないため、特図変動表示ゲームの実行中でも表示装置41では停電復旧画面の表示が継続される。そして、この図柄停止コマンドの受信に伴い特図変動表示ゲームの終了を把握できるため、図139(b)に示すような遊技中の画面の表示を開始して結果を表示する(t14)。これにより、表示においても正常に遊技を行っている状態に復帰することとなる。結果を表示する停止時間が経過すると、新たな特図変動表示ゲームが開始される(t16)。
再開された特図変動表示ゲームの変動時間の残り時間が少ない場合は、この例のように結果の表示タイミング(t14)より後に初期動作が終了(t15)する場合があり、結果の表示中に表示装置41の前方に可動演出装置が存在することもある。しかし、初期動作を表示装置41と重なる領域が大きい動作から順に行うことで、特図変動表示ゲームの結果が表示される際には、可動演出装置により表示装置41が隠される領域がなるべく少なくなっているようになり、結果の視認を妨げないようにすることができる。また、停電復旧時に表示される表示における情報の重要性は、図139(c)に示す初期画面に表示される情報の重要性が最も低く、次いで図139(d)に示す停電復旧画面の情報の重要性が高く、図139(b)に示す遊技中画面における結果の情報の重要性が最も高い。よって、初期動作を表示装置41と重なる領域が大きい動作から順に行うことで、より重要な情報の視認性を高めることができる。
また、再開された特図変動表示ゲームの結果の視認性を高めるという観点からは、表示装置41の表示領域の略中央に位置する飾り特図変動表示ゲームの表示領域である飾り特図変動表示ゲーム表示部85と重なる領域が大きい動作から順に初期動作を行うようにしても良い。ここでは、図138(b)に示したグループBの初期動作が最も飾り特図変動表示ゲーム表示部85と重なる領域が大きいため初期動作の優先順位を最も高くする。以下、図138(c)や(d)に示したグループC、図138(a)に示したグループAの順に飾り特図変動表示ゲーム表示部85と重なる領域が小さくなるのでこの順で初期動作の優先順位が低くなるように設定する。これにより特図変動表示ゲームの結果が表示される際に可動演出装置により表示装置41が隠される領域がなるべく少なくなっているようにでき、結果の視認を妨げないようにすることができる。
以上のことから、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、所定の演出動作を行う可動演出装置(第1下可動部材740,741、第2下可動部材770、可動部材ユニット820、第1上可動部材848、第2上可動部材860、第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920、第4中央可動演出部材930)と、遊技に関する画像を表示可能な表示装置41と、可動演出装置及び表示装置を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、電源投入に基づき可動演出装置の初期動作を行うように構成され、初期動作に含まれる複数種類の動作のうち、可動演出装置が表示装置41を隠す割合が多い動作から順に行うようにしたこととなる。したがって、電源の投入の際に表示される情報の視認を妨げないようにすることができる。
また、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、所定の演出動作を行う可動演出装置と、ゲームに対応した飾りゲームを所定領域に表示可能な表示装置41と、可動演出装置及び表示装置41を制御する演出制御手段と、を備え、演出制御手段は、電源投入に基づき可動演出装置の初期動作を行うように構成され、初期動作に含まれる複数種類の動作のうち、可動演出装置が前記表示装置における所定領域を隠す割合が多い動作から順に行うようにしたこととなる。したがって、電源の投入の際に所定領域に表示される情報の視認を妨げないようにすることができる。
一方、初期動作の開始前に通常検出状態でない検出センサがある場合、すなわち、初期位置にない可動演出装置がある場合には、検出状態に応じた特別初期動作を行う初期動作テーブルが設定されて初期動作が行われる。この初期動作テーブルでは、まず、通常検出状態でない検出センサに対応する可動演出装置に対して特別初期動作を行う。特別初期動作では、初期位置にない可動演出装置を初期位置に戻す復帰動作を行う。そして、この特別初期動作を行った可動演出装置については通常初期動作は行わない。すなわち、復帰動作を行った可動演出装置については、復帰動作により動作することが確認可能であるため初期動作が省略され、この点で通常初期動作の一部が省略されて初期動作にかかる時間を短縮することができる。つまり、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない場合には、初期動作として通常初期動作に替えて通常初期動作の一部を省略した特別初期動作を行うこととなる。
この特別初期動作を行った後に、検出センサの状態が通常検出状態でなかった可動演出装置が含まれない初期動作グループについては通常初期動作を行う。また、検出センサの状態が通常検出状態でなかった可動演出装置が含まれている初期動作グループであって、特別初期動作の対象外であった可動演出装置がある初期動作グループについては、特別初期動作を行った可動演出装置以外の初期動作を行う。なお、属する全ての可動演出装置について特別初期動作を行った初期動作グループについては、この特別初期動作以外の初期動作を行わない。
図140(b)から(d)、図141には、特別初期動作を行う初期動作テーブルの一例を示した。図140(b)には、第7検出センサが通常検出状態でない場合、すなわち、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が初期位置にない場合の初期動作テーブルを示した。この場合、まず特別初期動作として第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930を初期位置に戻す復帰動作を行う。次に、特別初期動作を行った第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が含まれる初期動作グループであるグループAの次の優先順位となるグループBについて通常初期動作を行う。
その後、優先順位に従いグループCの初期動作を行う。そして、優先順位が最も高いグループAに戻って初期動作を行うが、グループAのうち特別初期動作を行っていない可動演出装置である第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910についてのみ初期動作を行う。この初期動作は通常初期動作と同じく初期位置から動作完了位置まで動作して初期位置に戻す動作である。すなわちこの場合、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930については、通常初期動作に替えて通常初期動作の一部を省略した特別初期動作を初期動作としている。
図140(c)には、第2検出センサが通常検出状態でない場合、すなわち、第2下可動部材770が初期位置にない場合の初期動作テーブルを示した。この場合、まず特別初期動作として第2下可動部材770を初期位置に戻す復帰動作を行う。次に、特別初期動作を行った第2下可動部材770が含まれる初期動作グループであるグループCが最も優先順位が低いため、優先順位が最も高いグループAに戻って通常初期動作を行う。
次にグループBの通常初期動作を行い、グループCのうち特別初期動作を行っていない可動演出装置である第1下可動部材740、741についてのみ初期動作を行う。この初期動作は通常初期動作と同じく初期位置から動作完了位置まで動作して初期位置に戻す動作である。すなわちこの場合、第2下可動部材770については、通常初期動作に替えて通常初期動作の一部を省略した特別初期動作を初期動作としている。
なお、グループCである下可動役物ユニット730の第1下可動部材740、741及び第2下可動部材770は、一つの駆動源で駆動可能な構成となっているので、一方の可動演出装置について特別初期動作を行った場合には、他方の可動演出装置についても動作可能であるとみなすことができるので、改めて他方の初期動作を行わないようにしても良い。すなわち、図140(c)の例において、実行順序4番目の第1下可動部材740、741の初期動作を省略しても良い。
図140(d)には、第5検出センサが通常検出状態でない場合、すなわち、第1上可動部材848が初期位置にない場合の初期動作テーブルを示した。この場合、まず特別初期動作として第1上可動部材848を初期位置に戻す復帰動作を行う。次に、特別初期動作を行ったグループBの次の優先順位となるグループCについて通常初期動作を行う。
その後、優先順位が最も高いグループAに戻って通常初期動作を行う。そして、グループBのうち、特別初期動作を行っていない可動演出装置である可動部材ユニット820について初期動作を行う。この初期動作は通常初期動作と同じく初期位置から動作完了位置まで動作して初期位置に戻す動作である。すなわちこの場合、第1上可動部材848については、通常初期動作に替えて通常初期動作の一部を省略した特別初期動作を初期動作としている。
なお、第8検出センサが通常検出状態でない場合、すなわち第2上可動部材860が初期位置にない場合には、当該第2上可動部材860を初期位置に戻す復帰動作を行うようにしても良い。この場合、第2上可動部材860は通常初期動作において動作を行わないため、グループBについては通常初期動作を行うようにする。もちろん第8検出センサが通常検出状態であるか否かを判定しなくても良い。第2上可動部材860は左右に揺動動作するのみであるので、初期位置になくても遊技に影響を与えることがないためである。
以上のように特別初期動作を行った場合は、当該特別初期動作を行った可動演出装置が含まれる初期動作グループの次の優先順位となる初期動作グループについての通常初期動作を順次行うようになっている。また、最も優先順位が低いグループCについての初期動作を行った後は最も優先順位が高いグループAに戻り、全ての可動演出装置について初期動作が行われるまで優先順位に従い初期動作を行う。
また、複数の可動演出装置が初期位置にない場合にはそれぞれを一つずつ初期位置に戻す復帰動作を行う。この場合に図137に示す特別初期動作での復帰優先順位が高いものから順に一つずつ復帰動作を行う。この復帰優先順位は表示装置41に近いものから順に設定されており、表示装置41に最も近い第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910と、第3中央可動演出部材920、第4中央可動演出部材930の順位が高く、最も遠い第1下可動部材740、741、第2下可動部材770の順位が低くなっている。
図141(a)には、第6検出センサ及び第7検出センサが通常検出状態でない場合、すなわち、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910と、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が初期位置にない場合の初期動作テーブルを示した。この場合、まず復帰優先順位が上位の第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910を初期位置に戻す特別初期動作(復帰動作)を行い、当該特別初期動作が完了した後に、復帰優先順位が下位の第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930を初期位置に戻す特別初期動作(復帰動作)を行う。
そして、最後に特別初期動作を行った第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930が含まれる初期動作グループであるグループAの次の優先順位となるグループBについて通常初期動作を行う。その後、優先順位に従いグループCの通常初期動作を行う。この場合は、グループAについては特別初期動作を行ったことで当該グループAに属する可動演出装置の全てを初期動作したこととなるので、グループAについての通常初期動作は行わない。すなわちこの場合、グループAについては、通常初期動作に替えて通常初期動作の一部を省略した特別初期動作を初期動作としている。
図141(b)には、第7検出センサ及び第2検出センサが通常検出状態でない場合、すなわち、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930と、第2下可動部材770が初期位置にない場合の初期動作テーブルを示した。この場合、まず特別初期動作として復帰優先順位が上位の第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930を初期位置に戻す特別初期動作を行い、当該特別初期動作が完了した後に、復帰優先順位が下位の第2下可動部材770を初期位置に戻す特別初期動作を行う。
そして、最後に特別初期動作を行った第2下可動部材770が含まれる初期動作グループであるグループCが最も優先順位が低いため、優先順位が最も高いグループAに戻って初期動作を行う。グループAについては第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930の特別初期動作を行っているので、初期動作を行っていない第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910の初期動作のみを行う。
次にグループBの通常初期動作を行い、グループCの初期動作を行う。グループCについては第2下可動部材770を初期位置に戻す復帰動作を行っているので、初期動作を行っていない第1下可動部材740,741の初期動作のみを行う。すなわちこの場合、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930及び第2下可動部材770については、通常初期動作に替えて通常初期動作の一部を省略した特別初期動作を初期動作としている。
図141(c)には、第3検出センサ811及び第4検出センサ812が通常検出状態でない場合、すなわち、可動部材ユニット820が初期位置にない場合の初期動作テーブルを示した。可動部材ユニット820のうち、左側の動作を行う駆動機構806である可動部材ユニット(左)と、右側の動作を行う駆動機構806である可動部材ユニット(右)については、基本的に同時に動作させる必要がある。よって、これらの動作状態を検出する第3検出センサ811と第4検出センサ812の両方が通常検出状態でない場合には、まず特別初期動作としてとして可動部材ユニット(左)と可動部材ユニット(右)を同時に動作させて可動部材ユニット820を初期位置に戻す復帰動作を行う。
そして、特別初期動作を行った可動部材ユニット820が含まれる初期動作グループであるグループBの次の優先順位となるグループCについて通常初期動作を行う。その後、最も優先順位が高いグループAに戻り優先順位に従い全ての可動演出装置について初期動作を行うが、グループBについては可動部材ユニット820の特別初期動作を行っているので、初期動作を行っていない第1上可動部材848のみの初期動作を行う。すなわちこの場合、可動部材ユニット820については、通常初期動作に替えて通常初期動作の一部を省略した特別初期動作を初期動作としている。
図141(d)には、第3検出センサ811が通常検出状態でない場合、すなわち、可動部材ユニット(左)のみが初期位置にない場合の初期動作テーブルを示した。この場合、まず特別初期動作として可動部材ユニット(左)を初期位置に戻す復帰動作を行う。次に、特別初期動作を行った可動部材ユニット(左)が含まれる初期動作グループであるグループBの次の優先順位となるグループCについて通常初期動作を行う。
その後、優先順位が最も高いグループAに戻り通常初期動作を行い、次に、グループBの通常初期動作を行う。ここではグループBのうち、可動部材ユニット(左)については特別初期動作を行っているが、可動部材ユニット(右)と可動部材ユニット(左)については同時に動作させる必要があるため、グループBについて通常初期動作を行う。
すなわち、第3検出センサ811と第4検出センサ812の何れか一方が通常検出状態でない場合には、まず、通常検出状態でない検出センサに対応する可動部材ユニット(左又は右)のみ復帰動作を行う。この場合、他方の可動部材ユニット(左又は右)については特別初期動作を行っていないため、後に復帰動作を行った可動部材ユニット(左又は右)を含めて両方の可動部材ユニット(左及び右)について通常初期動作を行う。
なお、復帰優先順位を表示装置41から近い順としたが、これ以外の順であっても良い。例えば、動作範囲が重なるなど互いに干渉する可動演出装置がある場合には、復帰優先順位を干渉による不具合が生じないように設定しても良い。例えば、二つの可動演出装置が初期位置にない場合に、一方の可動演出装置を先に復帰動作すると他方の可動演出装置と衝突するような場合には、他方の可動演出装置が先に復帰動作するように復帰優先順位を高く設定する。
また、表示装置41と重なる領域が大きい可動演出装置から順に復帰動作を行うように復帰優先順位を設定しても良い。本実施形態の場合は、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910が最も表示装置41と重なる領域が大きいため、復帰優先順位を最も高くする。以下、可動部材ユニット820、第2下可動部材770、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930、第1下可動部材740,741の順に表示装置41と重なる領域が小さくなるのでこの順で復帰優先順位が低くなるように設定する。このようにすることで表示装置41の表示が開始された際に可動演出装置により表示内容が見えない状況を素早く解消することができる。
また、表示装置41の表示領域の略中央において識別情報を変動表示する飾り特図変動表示ゲームの表示領域である飾り特図変動表示ゲーム表示部85と重なる領域が大きい可動演出装置から順に復帰動作を行うように復帰優先順位を設定しても良い。本実施形態の場合は、可動部材ユニット820が最も飾り特図変動表示ゲームの表示領域と重なる領域が大きいため、復帰優先順位を最も高くする。以下、第2下可動部材770、第1下可動部材740,741、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930の順に飾り特図変動表示ゲームの表示領域と重なる領域が小さくなるのでこの順で復帰優先順位が低くなるように設定する。このようにすることで、飾り特図変動表示ゲームの視認性を妨げる状況を素早く解消することができる。
また、飾り特図変動表示ゲームとして、表示装置41の表示領域の略中央に設けられる飾り特図変動表示ゲーム表示部85において識別情報を変動表示する第1飾り特図変動表示ゲームと、当該第1飾り特図変動表示ゲームよりも表示領域の周囲に近い位置に設けられた第2飾りゲーム表示部88において識別情報を変動表示する第2飾り特図変動表示ゲームとを実行する場合に、何れか一方の飾り特図変動表示ゲームのみに重なる領域に応じて復帰優先順位を設定するようにしても良いし、両方の飾り特図変動表示ゲームについて重なる領域を考慮して復帰優先順位を設定するようにしても良い。例えば、電源投入後に第1飾り特図変動表示ゲームよりも第2飾り特図変動表示ゲームを先に表示するような場合には、第2飾り特図変動表示ゲームのみに重なる領域に応じて復帰優先順位を設定することが好ましい。
また、特別初期動作を行った場合に、特別初期動作を行った可動演出装置が含まれる初期動作グループの次の優先順位となる初期動作グループについて通常初期動作を行うようにしたが、これに限られるものではない。例えば、特別初期動作を行った後に優先順位が1番目のグループAから優先順位に従って順次初期動作を行うようにしても良い。また、特別初期動作を行った直後に、当該特別初期動作を行った可動演出装置が含まれる初期動作グループについて初期動作を行うようにしても良い。また、表示領域41と重なる領域の多いグループから、又は飾り特図変動表示ゲーム表示部85と重なる領域の多いグループから初期動作を行うようにしても良い。
次に、初期動作中に動作不良があった場合に行われる代替初期動作について説明する。本実施形態では、グループBの初期動作において動作不良があった場合に、当該グループBにおける他の動作を初期動作として代替することが可能となっている。
図142(a)にはグループBの通常初期動作を示した。この通常初期動作では、まず、過程1として、可動部材ユニット820、第1上可動部材848及び第2上可動部材860が初期位置にある状態(図9参照)から、可動部材ユニット820を下降させて動作完了位置まで移動させた状態(図10参照)とする。次に、過程2として第1上可動部材848を回転動作させ(図11参照)、過程3として第1上可動部材848を初期位置へ復帰させる(図10参照)。その後、過程4として可動部材ユニット820を初期位置(図9参照)に戻す動作を行う。
このグループBの通常初期動作において、過程1において可動部材ユニット820が動作完了位置へ下降しない動作不良があった場合は、可動部材ユニット820の動作不良エラーフラグを設定するとともに代替初期動作を設定する。この場合は、図142(b)に示した代替初期動作1が設定される。この代替初期動作1では、まず、過程5として第1上可動部材848を回転動作させ、過程6として第1上可動部材848を初期位置へ復帰させる。その後、過程7として可動部材ユニット820を初期位置に戻す動作を行う。なお、過程7については、可動部材ユニット820が初期位置から動作したが動作完了位置まで動作しない動作不良である場合に行い、可動部材ユニット820が初期位置から動作しない動作不良である場合には行わない。
また、グループBの通常初期動作における過程2又は代替初期動作1における過程5において第1上可動部材848が回転しない動作不良があった場合は、第1上可動部材848の動作不良エラーフラグを設定するとともに代替初期動作を設定する。この場合は、図142(c)に示した代替初期動作2が設定される。この代替初期動作2では、まず、過程8として第2上可動部材860を揺動動作させ、過程9として第2上可動部材860を初期位置へ復帰させる。その後、過程10として可動部材ユニット820を初期位置に戻す動作を行う。なお、過程10については、可動部材ユニット820が初期位置から動作しない動作不良を発生している場合には行わない。
また、グループBの代替初期動作2における過程8において第2上可動部材860が揺動しない動作不良があった場合は、第2上可動部材860の動作不良エラーフラグを設定するとともに代替初期動作を設定する。この場合は、図142(d)に示した代替初期動作3が設定される。この代替初期動作3では、過程11として可動部材ユニット820を初期位置に戻す動作を行う。なお、可動部材ユニット820が初期位置から動作しない動作不良を発生している場合には行わない。
これ以外の過程において動作不良があった場合は、代替初期動作がないものとして扱う。例えば、通常初期動作における過程3において第1上可動部材848が初期位置へ復帰しない動作不良があった場合は、第1上可動部材848の動作不良エラーフラグを設定するが代替初期動作は設定せず、過程4に移行する。また、通常初期動作における過程4において可動部材ユニット820が初期位置へ上昇しない動作不良があった場合は、可動部材ユニット820の動作不良エラーフラグを設定するが代替初期動作は設定しない。この場合、可動部材ユニット820の上昇を断念してグループCの初期動作を行うようにしても良いし、エラー報知を行って初期動作を中止するようにしても良い。なお、動作不良があった場合にすぐに代替初期動作を行うようにしても良いし、動作不良である動作について数回リトライした後に代替初期動作を行うようにしても良い。
すなわち、第1上可動部材848を回転させる動作が第1初期動作をなし、当該第1初期動作を正常に実行できなかった場合には、第2上可動部材860を揺動動作させる第2初期動作を実行するようにしていることとなる。また、第1上可動部材848を回転させる第1初期動作を正常に実行できた場合は、第2上可動部材860を揺動動作させる第2初期動作を実行しないこととなる。
〔動作代替処理〕
図143には、上述の変動演出設定処理(図127参照)における動作代替処理(ステップC393)を示した。この動作代替処理では、上述した代替初期動作が行われた場合に、動作不良であった動作を代替動作に置き換えることが可能である。この動作代替処理では、まず、予告演出や変動演出などの演出として設定された演出動作に動作不良エラーフラグの対象があるかを判定する(ステップC501)。動作不良エラーフラグは初期動作において動作不良であった可動部材に対応して設定される。この動作不良エラーフラグが設定されている可動部材は正常に動作できないことを示している。
演出動作に動作不良エラーフラグの対象がない場合(ステップC501;N)は、動作代替処理を終了する。また、演出動作に動作不良エラーフラグの対象がある場合(ステップC501;Y)は、代替動作があるかを判定する(ステップC502)。本実施形態での代替動作には、第1上可動部材848が動作不良である場合において第2上可動部材860が動作可能である場合の当該第2上可動部材860の動作が相当する。また、第1上可動部材848及び第2上可動部材860が動作不良である場合の可動部材ユニット820を上下させるのみの動作が相当する。
代替動作がある場合(ステップC502;Y)は、動作不良エラーフラグの対象の動作を代替動作に置き換え(ステップC503)、動作代替処理を終了する。また、代替動作がない場合(ステップC502;N)は、動作代替処理を終了する。すなわち、第1上可動部材848が動作不良である場合に、当該第1上可動部材848を動作する演出動作が選択された場合には、第2上可動部材860が動作可能であれば第1上可動部材848の動作に替えて第2上可動部材860の動作を行う。この場合、第2上可動部材860も動作不良である場合は、可動部材ユニット820を上下させるのみの動作を行う。さらに可動部材ユニット820も動作不良である場合は代替動作がないので第1上可動部材848、第2上可動部材860及び可動部材ユニット820の動作を行わない。
また、第1上可動部材848以外の可動部材が動作不良である場合に当該可動部材の動作が選択された場合は、代替動作がないので当該可動部材の動作を行わないようにするが、他の可動演出装置の動作を代替動作として設定できるようにしても良い。例えば第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920又は第4中央可動演出部材930が動作不良である場合には、可動部材ユニット820、第1上可動部材848又は第2上可動部材860の動作を代替動作に設定できるようにしても良い。また、可動演出装置により代替動作を行うとしたが、表示装置41の表示やLEDの発光、音声の出力などにより代替演出を行うようにしても良い。
なお、多くの動作態様がある場合は、第2初期動作が正常に実行できなかった場合の第3初期動作やそれ以降の初期動作を設定しても良い。また、通常初期動作や代替初期動作は、遊技において実行される可能性のある動作としたが、遊技において実行される可能性のない動作を初期動作に含んでも良い。
また、一旦設定された演出を動作代替処理において変更するのではなく、動作不良エラーフラグがある場合には、当該動作不良エラーフラグに対応する動作が選択肢に含まれないテーブルを用いて演出を選択するようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、所定の演出動作を行う可動演出装置(第1下可動部材740,741、第2下可動部材770、可動部材ユニット820、第1上可動部材848、第2上可動部材860、第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920、第4中央可動演出部材930)と、可動演出装置の動作を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、電源投入に基づき可動演出装置の初期動作を行うように構成され、初期動作には第1初期動作と、当該第1初期動作とは異なる第2初期動作と、があり、初期動作において、第1初期動作を正常に実行できた場合は第2初期動作を行わず、第1初期動作を正常に実行できなかった場合には第2初期動作を実行可能であることとなる。したがって、初期動作を簡略化することができ、初期動作に係る時間を短縮することができて迅速に遊技を開始できるようになる。
また、第1初期動作及び第2初期動作は、遊技の演出において実行可能な動作であり、第1初期動作は、第2初期動作よりも遊技者にとって有利な状態であることを示唆する動作であることとなる。したがって、まず遊技者にとって有利な状態であることを示唆する動作についての動作確認を行うことができる。
また、演出制御手段は、初期動作において第1初期動作が正常に終了しなかったが第2初期動作が正常に終了した場合に、遊技の演出において第1初期動作に相当する動作が選択された場合には、当該第1初期動作に相当する動作に替えて第2初期動作に相当する動作を行うこととなる。したがって、遊技の演出への影響を最小限にすることができ、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、遊技状態によって存在する位置が異なるような可動演出装置については、状況に応じて初期動作を行わないようにしても良い。例えば、遊技状態の一つである確率状態について、低確率状態である場合には初期位置にあり、高確率状態である場合には初期位置にないように動作が制御される可動演出装置の場合、電源投入時に初期位置にない場合であっても、演出制御装置300で確率状態が高確率状態であることが把握できた場合には特別初期動作(復帰動作)を含む初期動作を行わないようにして、当該可動演出装置をそのままの位置に留めるようにしても良い。これにより、初期動作を省略して遊技を早く再開することが可能となる。
確率状態が高確率状態であることが把握できた場合とは、例えば、遊技制御装置100から停電発生前の状態に正常に復帰したことを示す停電復旧コマンドを受信した場合や、確率状態の情報として高確率状態であることを示す情報を受信した場合が挙げられる。また逆に、RAM初期化コマンドを受信した場合は確率状態が低確率状態となるので、初期位置にない場合には特別初期動作を行うようにする。なお、遊技状態としては確率状態の他、時短状態であるか否かや、演出モード、潜伏確変状態であるか否かなどが挙げられる。これらの状態に応じて存在する位置が異なる可動演出装置についても、遊技状態が把握できた場合には特別初期動作を含む初期動作を行わないようにして、当該可動演出装置をそのままの位置に留めるようにしても良い。
また、遊技状態に応じて初期動作させないようにするだけではなく、遊技状態に応じて復帰優先順位を変更しても良い。すなわち、遊技状態に応じた初期動作テーブルを設けても良い。本実施形態の遊技機では、第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930は、高確率状態中や時短状態中である場合には表示装置41の前側に重なる動作完了位置に配され、リーチ状態が発展した場合などに一時的に初期位置へ戻るように制御される。また、高確率状態中や時短状態中でない場合には初期位置に配され、リーチ状態が発展した場合などに一時的に動作完了位置へ動作するように制御される。なお、このように長時間に亘り動作完了位置に配されることがあるため、各中央可動演出部材においては、隣接する中央可動演出部材と対向する端面に磁石が設けられ、磁石の吸着力により各中央可動演出部材が動作完了位置に維持されることを補助するようにしている。
これら各中央可動演出部材が初期動作の開始前に初期位置にない場合に、高確率状態中や時短状態中であることが把握できた場合には、復帰優先順位が最も低くなるようにし、この復帰優先順位に応じた初期動作が定義された初期動作テーブルを選択するようにする。この場合は、各中央可動演出部材が初期位置になくても良い状態であるので、そのままの状態として何ら問題がなく、むしろ他の可動演出装置の復帰動作等を優先した方が良いため、各中央可動演出部材の復帰優先順位が最も低くなるようにする。
また、高確率状態中や時短状態中であることが把握できない場合やこれらの状態でない(通常確率状態でありかつ時短状態でない)ことを把握した場合には、復帰優先順位が最も高くなるようにし、この復帰優先順位に応じた初期動作が定義された初期動作テーブルを選択するようにする。この場合は、各中央可動演出部材が初期位置になくてはならない状態であり、各中央可動演出部材は表示装置41に近いとともに覆う面積も多いため、復帰動作を優先して行う必要があり、各中央可動演出部材の復帰優先順位が最も高くなるようにする。
また、電源投入時には常に初期動作を行うとしたが、所定の条件を満たした場合には初期動作を行わないようにしても良い。例えば、電源投入時に停電復旧コマンドを受信した場合には正常に停電復旧しているので可動演出装置についても問題ないものとして初期動作を行わないようにし、電源投入時にRAM初期化コマンドを受信した場合のみ初期動作を行うようにしても良い。
また、特図変動表示ゲームの実行中に停電が発生して復旧した場合には、停電の復旧に伴い再開される特図変動表示ゲームの中で初期動作を行うようにしても良い。また、停電復旧後に新たに開始される特図変動表示ゲームの中で初期動作を行うようにしても良い。この場合に、演出の進行に関係なく初期動作を行うようにしても良いし、演出の進行に対応して初期動作を行うようにしても良い。さらに、一の特図変動表示ゲームで全ての初期動作を行うようにしても良いし、複数の特図変動表示ゲームに亘って初期動作を分散して行うようにしても良い。演出の進行に対応して初期動作を行うようにする場合には、特図変動表示ゲームの演出として初期動作としての動作が実行できるような可動演出装置の動作を含む特定の演出を設定するようにする。また、特図変動表示ゲームの実行中に停電が発生して復旧した場合でなくとも、電源の投入があったことだけを条件として初期動作を行うのではなく、電源の投入後に特図変動表示ゲームが実行される場合に当該特図変動表示ゲームの中で初期動作を行うようにしても良い。
また、初期動作の開始前に通常検出状態でない可動演出装置についての特別初期動作として、当該可動演出装置が停止している位置から通常初期動作に合流するように動作しても良い。通常初期動作は初期位置から最大動作位置まで動作した後に初期位置へ戻す動作である。よって、初期動作の開始前に通常検出状態でない可動演出装置はこの通常初期動作を行う過程の途中で停止している状態である。そこで、通常初期動作のうち、初期位置から可動演出装置が停止している位置までの動作を省略して残りの動作を行うようにしても良い。
また、検出センサは可動演出装置が初期位置にあることを検出可能としたが、初期位置だけでなく他の特定の位置にあることも検出可能なものであっても良いし、動作範囲の全範囲に亘ってどの位置にあるかを検出可能なものであっても良く、検出した位置に応じて初期動作の態様を設定するようにしても良い。また、通常検出状態は可動演出装置が初期位置にある場合の検出状態としたが、電源投入時に可動演出装置が存在するべき位置にある場合の検出状態を通常検出状態とすればよく、この位置は必ずしも初期位置でなくても良い。
また、ここでは遊技盤30に設けられた盤演出装置44の初期動作について説明したが、前面枠12やガラス枠15に可動演出装置を設けた場合には、この可動演出装置についても適用可能である。また、パチンコ遊技機について説明したが、スロットマシンなど他の遊技機についても可動演出装置を有するものであれば適用可能である。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、所定の演出動作を行う可動演出装置(第1下可動部材740,741、第2下可動部材770、可動部材ユニット820、第1上可動部材848、第2上可動部材860、第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920、第4中央可動演出部材930)と、可動演出装置の位置を検出可能な位置検出手段(第1〜第7検出センサ781、782、811,812、858、889,897)と、可動演出装置の動作を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、電源投入に基づき可動演出装置の初期動作を行うように構成され、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が予め定められた通常検出状態である場合には初期動作として通常初期動作を行い、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない場合には初期動作として通常初期動作に替えて通常初期動作の一部を省略した特別初期動作を行うことが可能であるようにしたこととなる。したがって、初期動作にかかる時間を短縮することができる。
また、可動演出装置を複数備えるとともに、各可動演出装置のそれぞれに対応する位置検出手段を備え、演出制御手段は、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が通常検出状態である可動演出装置については初期動作として通常初期動作を行い、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない可動演出装置については初期動作として通常初期動作に替えて特別初期動作を行うことが可能であるようにしたこととなる。したがって、初期動作にかかる時間を短縮することができる。
また、演出制御手段は、初期動作の開始前における各位置検出手段による検出結果の全てが通常検出状態である場合には、複数の可動演出装置を所定の順序で通常初期動作させるようにし、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果のうち少なくとも一つが通常検出状態でない場合には、位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない可動演出装置について特別初期動作させた後に、順次他の可動演出装置を初期動作させるようにしたこととなる。したがって、正常な位置にない可動演出装置から動作することで他の可動演出装置と干渉するなどの不都合を防止できる。また、一つずつ特別初期動作させることで動作を一つずつ確認でき、異常状態の把握が容易になる。
また、位置検出手段は、可動演出装置が初期位置にあることを検出可能であり、可動演出装置が初期位置にあることを検出している状態を通常検出状態とし、演出制御手段は、通常初期動作として、初期位置から動作させた後に初期位置へ戻す動作を行い、特別初期動作として、初期位置へ戻す動作のみを行うようにしたこととなる。したがって、初期動作にかかる時間を短縮することができる。
また、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、所定の演出動作を行う複数の可動演出装置と、各々の可動演出装置の位置を検出可能な位置検出手段と、可動演出装置の動作を制御する演出制御手段と、を備え、演出制御手段は、電源投入に基づき可動演出装置の初期動作を行うように構成され、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果のうち複数が通常検出状態でない場合には、位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない可動演出装置を一つずつ通常検出状態となるように動作するようにしたこととなる。したがって、遊技機の異常状態の把握を容易にすることができる。
また、遊技に関する演出表示を行う表示装置41を備え、演出制御手段は、位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない可動演出装置を一つずつ通常検出状態となるように動作する際に、表示装置41に近い可動演出装置から動作するように予め定められた順序に従い動作を行うようにしたこととなる。したがって、表示の視認性を妨げる状況を素早く解消することができる。これにより、表示装置41における飾り特図変動表示ゲームが視認可能となるタイミングが早くなって遊技の再開を早めることができるとともに、表示装置41における異常報知が視認可能となるタイミングも早くなって異常の把握を早く行うことができる。
また、演出制御手段は、位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない可動演出装置を一つずつ通常検出状態となるように動作する際に、他の可動演出装置と干渉しないように予め定められた順序に従い動作を行うようにしたこととなる。したがって、動作により他の可動演出装置と干渉する不都合を防止できる。
また、遊技に関する演出表示を行う表示装置41を備え、演出制御手段は、ゲームに対応して複数の識別図柄を変動表示した後に結果態様を停止表示する飾り変動表示ゲームを表示装置41に表示可能であり、位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない可動演出装置を一つずつ通常検出状態となるように動作する際に、飾り変動表示ゲームの表示領域と重なる範囲が大きい可動演出装置から動作するように予め定められた順序に従い動作を行うようにしたこととなる。したがって、ゲームの視認性を妨げる状況を素早く解消することができる。
また、遊技に関する演出表示を行う表示装置41を備え、演出制御手段は、位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない可動演出装置を一つずつ通常検出状態となるように動作する際に、表示装置41と重なる範囲が大きい可動演出装置から動作するように予め定められた順序に従い動作を行うようにしたこととなる。したがって、表示(飾り特図変動表示ゲームや異常報知など)の視認性を妨げる状況を素早く解消することができる。
次に、予告演出が実行されている状態での演出モードの変更について説明する。表示装置41における演出について説明する。図144(a)に示すように表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。表示領域の左上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲームを表示する第2飾りゲーム表示部88が設けられている。この第2飾りゲーム表示部88に表示される第2飾りゲームは、飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示される第1飾りゲームと同様に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示するようになっている。
また、表示領域の中央下部には始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表示部83が設けられる。記憶表示部83には、第1始動記憶を表示する第1記憶表示部83aと、第2始動記憶を表示する第2記憶表示部83bとが設けられている。第1記憶表示部83aに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、ここでは4つの第1始動記憶があることを示している。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。
また、それぞれの始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。なお、図144(a)では、消化順序が1番目、3番目及び4番目の第1始動記憶について飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる先読み演出が行われている。また、第2記憶表示部83bでは第1記憶表示部83aと同様に第2始動記憶と一対一に対応した飾り特図始動記憶表示を表示する。ここでは第2始動記憶が0であることを示している。
第1記憶表示部83aの左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部84には、特図変動表示ゲームの開始時に第1記憶表示部83a又は第2記憶表示部83bの左端にある飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。
表示領域の右上部には、始動記憶数を表示する始動記憶数表示部86が設けられる。この始動記憶数表示部86には、第1始動記憶の数を表示する第1始動記憶数表示部86aと、第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部86bとが設けられている。また、表示領域の中央上部には、現在の演出モードを表示する演出モード表示部89が設けられる。ここでは、確変モードの第1モードであることを示している。
図144(a)に示す状態から第1始動記憶が消化されて減少すると、図144(b)に示すように第1記憶表示部83aの左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84へ流入する表示が行われる。ここでは、実行中記憶表示部84においても先読み演出と同様の態様で特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等が示唆されている。また、始動記憶数表示部86では、第1始動記憶数表示部86aの数値が1つ減少する。
そして、飾り特図変動表示ゲーム表示部85では第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。また、第2飾りゲーム表示部88においても第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。
その後、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に識別情報が仮停止する。仮停止している状態では識別情報が揺れるように表示され、完全に停止していないことが示される。すなわち、仮停止している状態は変動表示中と同等である。左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が停止するとリーチ状態となりリーチ演出が開始される。もちろん左変動表示領域と右変動表示領域で異なる識別情報が停止してリーチ状態とならない場合もある。リーチ状態で右変動表示領域が仮停止するまでが前半変動であり、以降が後半変動となる。リーチとならない場合は前半変動のみとなる。
変動時間が終了すると図144(c)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。第2飾りゲーム表示部88では、変動時間中は左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が継続され、変動時間の終了に伴い左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が終了して識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。すなわち、第1飾りゲームと第2飾りゲームは、第1飾りゲームで一の変動表示領域で識別情報が仮停止した時点から変動表示が終了して識別情報が停止した状態となるまでは非同期となる。このようにすることで、演出の差替えによりリーチ演出を行わないようにした場合でも第2飾りゲームについては変更の処理を行う必要がなく、処理が簡単になる。さらに、変動時間の終了に伴い実行中記憶表示部84の表示が消去される。そして、結果態様を表示する停止時間が終了すると特図変動表示ゲーム及び飾り特図変動表示ゲームが終了し、次の飾り特図変動表示ゲームを開始可能な状態となる。
この例では、変動表示中に演出モードを第1モードから第2モードへ変更するモード変更操作が行われている。変動表示中にモード変更操作が行われた場合は実行中の特図変動表示ゲームが終了したタイミングで演出モードを変更するようになっている。すなわち、モード変更操作が行われても図144(c)に示す停止時間が終了するまでの段階では演出モードは確変モードの第1モードのままであり、この停止時間が終了すると確変モードの第2モードに変更され、図144(d)に示すように次の特図変動表示ゲームは確変モードの第2モードで実行される。
図144(e)から(h)には、確変モードの第2モードから第1モードに変更される例を示した。基本的には図144(a)から(d)に示した場合と同様であるが、図144(h)の状態では、消化順序が1番目の第1始動記憶についての先読み演出が終了している点が異なる。
本実施形態の予告演出には、複数の演出モードにおいて同一の実行態様で実行可能であるが、各演出モードで当該予告演出が示唆する内容が異なる特定予告演出が含まれている。この特定予告演出を実行している状態で演出モードが変更された場合には、一定の条件を満たす場合に当該特定予告演出を終了可能となっている。この一定の条件は、変更前の演出モードにおいて当該特定予告演出が示唆する内容よりも、変更後の演出モードにおいて同一の表示態様の特定予告演出が示唆する内容の方が遊技者にとって不利な内容である場合であり、かつ、当該特定予告演出の対象である始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合である。すなわち、演出モードの変更によって特定予告演出が示唆する大当りとなる信頼度が低くなる場合である。このような場合は、予告が格下げされた印象を遊技者に与えることとなるので、予告演出自体を終了するようにしている。
図145には、飾り特図始動記憶表示の表示態様と、各表示態様が各演出モードにおいて示す大当りとなる信頼度を示した。なお、大当りとなる信頼度とは、当該表示態様で表示された飾り特図始動記憶表示に対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで結果が特別結果となる確率である。よって、信頼度が高いほど特別結果となる可能性が高いことを示すこととなる。
演出モードには、低確率状態かつ時短状態でないことを明確に示す低確モードと、高確率状態かつ時短状態であることを明確に示す確変モードと、低確率状態かつ時短状態であることを明確に示す時短モードと、低確率状態と高確率状態の何れであるかを明確に示さず時短状態であることを示す潜伏モードとがある。さらに、これらの演出モードには、第1モードと第2モードがある。
低確モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードは、特別結果の種類や当該特別結果が導出された際の演出モードに応じて選択されるようになっている。すなわち、この低確モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードの遷移は遊技者の意思によらず行われる。これに対して各演出モードにおける第1モードと第2モードは、遊技者によるモード選択操作(例えば演出ボタン25の操作)に基づき選択されるようになっている。すなわち第1モードと第2モードの遷移は遊技者の意思により行うことができる。
白色の表示態様1は先読み予告演出が実行されていない状態であり、その他の表示態様2から5は先読み予告演出が実行されている状態である。また、先読み予告演出のうち黒色の三角形で示す表示態様2の先読み予告演出は、いずれの演出モードでも同じ信頼度が設定されている。これ以外の先読み予告演出は同一の表示態様であっても演出モードに応じて信頼度が異なる場合がある。この演出モードに応じて信頼度が異なる場合がある予告演出が、各演出モードで示唆する内容が異なる特定予告演出をなす。
そして、この特定予告演出が実行されている状態で演出モードが変更される際には、図145に示した信頼度を変更の前後で比較し、変更前よりも変更後の演出モードにおける信頼度が低い場合であって、対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合には、特定予告演出を終了するようにしている。
図144に示した例において、図144(a)から(d)は確変モードの第1モードから確変モードの第2モードに変化する場合である。白色の星形の表示態様である特定予告演出については、変更前の演出モードである確変モードの第1モードでの信頼度が15%であり、変更後の演出モードである確変モードの第2モードでの信頼度が35%である。よって、変化により信頼度が高くなるため、変更後の演出モードでも図144(d)に示すように当該特定予告演出が継続される。なお、黒色の三角形で示す先読み予告演出は、何れの演出モードでも信頼度が同じであるため変更後の演出モードでも継続される。
図144(e)から(h)は確変モードの第2モードから確変モードの第1モードに変化する場合である。白色の星形の表示態様である特定予告演出については、変更前の演出モードである確変モードの第2モードでの信頼度が35%であり、変更後の演出モードである確変モードの第1モードでの信頼度が15%である。また、ここでは当該予告の対象である始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれとなるものである。よって、変更後の演出モードへの変更に伴い図144(h)に示すように当該特定予告演出を終了する。
〔演出モード管理処理〕
図146には、上述のメイン処理(図119参照)における演出モード管理処理(ステップC21)を示した。この演出モード管理処理では、遊技者によるモード変更操作に基づく演出モードの変更を管理している。この演出モード管理処理では、まず、演出選択可能期間であるかを判定する(ステップC511)。演出選択可能期間とは、モード変更操作に基づく演出モードの変更を受け付けている期間である。本実施形態の遊技機では、飾り特図変動表示ゲーム表示部85で最初に識別情報が仮停止してから停止時間が終了するまでの期間を除く期間が演出選択可能期間である。もちろん演出選択可能期間は任意に設定可能である。
この演出選択可能期間でない場合(ステップC511;N)は、ステップC514に移行する。また、演出選択可能期間である場合(ステップC511;Y)は、モード変更操作があったかを判定する(ステップC512)。モード変更操作がなかった場合(ステップC512;N)は、ステップC514に移行する。また、モード変更操作があった場合(ステップC512;Y)は、モード変更操作に対応する変更予約フラグを設定し(ステップC512)、ステップC514に移行する。
上述したように、変動表示中である場合にはモード変更操作があっても特図変動表示ゲームの終了まで演出モードを変更しないようにしているため、モード変更操作があった場合には変更予約フラグを設定するようにしている。また、本実施形態では、モード変更操作により変更可能な演出モードは第1モードと第2モードであり、変更予約フラグは何れの演出モードへの変更を待機しているかを示す情報も含んでいる。変更予約フラグを設定する際に、未だ変更予約フラグが設定されていない状態でモード変更操作があった場合は、現在の演出モードと異なる演出モードへの変更に対応する変更予約フラグを設定する。また、すでに変更予約フラグが設定されている状態でモード変更操作があった場合には、設定されている変更予約フラグに対応する演出モードとは異なる演出モードへの変更に対応する変更予約フラグを設定する。すなわち、モード変更操作を行うごとに異なる演出モードに対応する変更予約フラグが設定される。
次に、変更予約フラグがあるかを判定し(ステップC514)、変更予約フラグがない場合(ステップC514;N)は、演出モード管理処理を終了する。また、変更予約フラグがある場合(ステップC514;Y)は、演出モードを変更可能な状態であるかを判定する(ステップC515)。演出モードを変更可能な状態とは、結果の停止時間が終了したタイミングや客待ち状態である場合である。この演出モードを変更可能な状態でない場合(ステップC515;N)は、演出モード管理処理を終了する。また、この演出モードを変更可能な状態である場合(ステップC515;Y)は、変更予約フラグに対応する演出モードと、現在の演出モードとを比較し(ステップC516)、同一であるかを判定する(ステップC517)。
そして、同一である場合(ステップC517;Y)は、変更予約フラグをクリアして(ステップC520)、演出モード管理処理を終了する。この場合は、遊技者がモード変更操作を偶数回行ったことにより、現在の演出モードと同一の演出モードを選択した場合である。また、同一でない場合(ステップC517;N)は、変更予約フラグに対応する演出モードを設定し(ステップC518)、特定予告演出の終了の処理等を行う予告変更処理を行う(ステップC519)。その後、変更予約フラグをクリアして(ステップC520)、演出モード管理処理を終了する。この場合は、遊技者がモード変更操作を奇数回行ったことにより、現在の演出モードと異なる演出モードを選択した場合である。
〔演出モード切替設定処理〕
図147には、上述の単発系コマンド処理(図122参照)における演出モード切替設定処理(ステップC278)を示した。この演出モード切替設定処理では、遊技制御装置100における選択による演出モードの変更を管理している。この演出モード切替設定処理では、まず、コマンドに対応する演出モードを設定し(ステップC521)、特定予告演出の終了の処理等を行う予告変更処理を行って(ステップC522)、演出モード切替設定処理を終了する。
〔予告変更処理〕
図148には、上述の演出モード管理処理及び演出モード切替設定処理における予告変更処理(ステップC519、C522)を示した。この予告変更処理では、まず、特定予告演出の実行中であるかを判定する(ステップC531)。そして、特定予告演出の実行中でない場合(ステップC531;N)は、予告変更処理を終了する。また、特定予告演出の実行中である場合(ステップC531;Y)は、処理対象の特定予告演出を選択する(ステップC532)。処理対象の特定予告演出の選択において、特定予告演出を実行している飾り特図始動記憶表示が複数ある場合は、ステップC533以降の処理を行っていない特定予告演出のうちの一つを設定する。これにより、各特定予告演出について順次処理が行われるようになる。
次に、演出モード変更前後の信頼度を比較し(ステップC533)、変更後の信頼度の方が低いかを判定する(ステップC534)。変更後の信頼度の方が低くない場合(ステップC534;N)は、ステップC537に移行する。この場合は処理対象の特定予告演出の変更は行われない。また、変更後の信頼度の方が低い場合(ステップC534;Y)は、結果は大当りであるかを判定する(ステップC535)。そして、結果は大当りである場合(ステップC535;Y)は、ステップC537に移行する。この場合は処理対象の特定予告演出の変更は行われない。
また、結果は大当りでない場合(ステップC535;N)は、対象の特定予告演出の終了を設定する(ステップC536)。その後、すべての特定予告演出について処理を行ったかを判定し(ステップC537)、処理済でない場合(ステップC537;N)は、ステップC532に戻る。また、処理済である場合(ステップC537;Y)は、予告変更処理を終了する。
なお、以上の説明では、飾り特図始動記憶表示における先読み予告演出の変更を行う場合について説明したが、これ以外の予告演出についても変更を行うようにしてもよい。例えば、複数の特図変動表示ゲームにわたり実行する連続予告の実行中に演出モードを変更した場合は、当該連続予告について変更や終了の処理を行うようにしてもよい。また、変動時間中でもモード変更操作に伴い演出モードを変更可能とした場合は、実行中の特図変動表示ゲームに対して当該特図変動表示ゲームの開始以降に開始された予告演出についても演出モードの変更に伴い変更したり終了したりするようにしても良い。
また、図148に示した予告変更処理では、結果がはずれとなる始動記憶であって演出モード変更後の信頼度の方が低い場合に対象の特定予告演出を終了するようにしたが、信頼度の値の低下が一定値以上の場合に特定予告演出を終了するようにしても良い。例えば、変化の前後で図145に示した信頼度の値の低下が10より大きい場合は特定予告演出を終了するようにする。一例として確変モードの第2モードから第1モードに変更される場合に、白色の星形で示す表示態様3については値の低下が20であるため特定予告演出を終了するが、黒色の星形で示す表示態様4については値の低下が10であるため特定予告演出を継続するようにする。
また、信頼度が低下する場合に特定予告演出を終了するようにしたが、信頼度が高くなる場合に特定予告演出を終了するようにしても良いし、両方の場合すなわち信頼度が変化する場合に特定予告演出を終了するようにしても良い。この場合に、信頼度の値の変化量が一定値以上の場合に特定予告演出を終了するようにしても良く、信頼度が高くなる場合の一定値と信頼度が低くなる場合の一定値を異なる値としても良い。
また、モード変更可能状態でない場合における遊技者によるモード変更操作により、変更予約フラグが設定されているが未だ演出モードの変更が行われていない状態で、新たな始動記憶が発生した場合には、変更予約中専用のテーブルを用いて予告演出を選択するようにしても良い。
例えば、先読み予告演出については、図124に示した先読み変動系コマンド処理における先読み抽選処理(ステップC321)において選択が行われるが、この選択においては現在の演出モードに応じた選択率が規定された選択テーブルを用いて選択を行っている。この例外として変更予約フラグがある場合には選択テーブルとして、変更予約中専用のテーブルを用いるようにする。
この変更中専用のテーブルでは一部の表示態様のみを選択可能とする。この一部の表示態様としては、現在の演出モードと変更予約されている演出モードで信頼度が同じ表示態様のみ選択可能とし、演出モードの変更があっても表示態様の変更が行われないようにする。例えば、低確モードであれば表示態様2と表示態様3のみ選択可能とする。また、低確モード以外では表示態様2のみ選択可能とする。また、一部の表示態様としては、これ以外の設定としても良く、例えば信頼度が高い表示態様4及び表示態様5は選択できないようにするとしても良いし、表示態様1のみ選択可能とするとしても良い。また、表示態様1と表示態様5のみ選択可能としても良い。
また、変更予約フラグがある場合に変更中専用のテーブルを用いるのではなく、変更予約フラグの内容に応じた選択テーブルを用いて予告演出を選択しても良い。例えば、確変モードの第1モードである場合に、第2モードへの変更が予約されている場合には、第2モードの選択テーブルを用いて予告演出を選択するようにしても良い。
また、変更予約フラグがある場合だけでなく、遊技状態の変化により演出モードが変化することが判明している場合にも同様に変更後の演出モードの選択テーブルを用いて予告演出を選択するようにしても良い。例えば、時短モードにおいて新たに発生した始動記憶が時短状態の終了後に実行される始動記憶であって低確モードで実行されるものである場合は、低確モードの選択テーブルを用いて予告演出を選択する。なお、遊技状態の変更により演出モードが変化する場合に、第1モードと第2モードについては、変更前の演出モードが設定される。例えば、時短状態の終了時に時短モードの第1モードであった場合には低確モードの第1モードが設定される。
また、特定予告演出について演出モードの変更に伴い終了可能としたが、特定予告演出ではない予告演出についても演出モードの変更に伴い終了可能としても良い。また、演出モードの変更に伴い終了した予告演出を、元の演出モードに戻った際に再開するようにしても良い。この場合、終了した際の表示態様で再開するようにしても良いし、新たに選択した表示態様で再開するようにしても良い。
また、演出モードを変更した際に、変更前の演出モードにおける予告演出と変更後の演出モードにおける予告演出の両方を表示可能としても良い。また、表示領域を二分して、一方には第1モードの表示を行って当該第1モードにおける予告演出を実行可能とし、他方には第2モードの表示を行って当該第2モードにおける予告演出を実行可能としても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、複数の演出モードから一の演出モードを選択し、当該演出モードに従い遊技の演出を実行するように構成され、ゲームに関する予告演出を実行している状態で演出モードが変更された場合には、当該予告演出を終了可能であることとなる。したがって、予告演出の内容が矛盾するなどの不都合を防止し、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、演出制御手段は、予告演出を実行している状態で演出モードが変更された場合に、変更前の演出モードにおいて当該予告演出が示唆する内容よりも、変更後の演出モードにおいて当該予告演出が示唆する内容の方が遊技者にとって有利な内容である場合には、当該予告演出を継続して実行するようにしたこととなる。したがって、遊技者に期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
演出制御手段は、予告演出を実行している状態で演出モードが変更された場合に、当該予告演出の予告対象のゲームが特別結果となる場合は、当該予告演出を継続して実行するようにしたこととなる。したがって、遊技者に期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、予告演出において、予告対象のゲームが特別結果となる可能性の高さを示唆するようにしたこととなる。したがって、遊技者に期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
ゲームに関する予告演出には、複数の演出モードにおいて同一の実行態様で実行可能であるが、各演出モードで当該予告演出が示唆する内容が異なる特定予告演出が含まれ、当該特定予告演出を実行している状態で演出モードが変更された場合には、当該特定予告演出を終了可能であることとなる。したがって、予告演出の内容が矛盾するなどの不都合を防止し、遊技の興趣の低下を防止できる。
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、演出モードの変更に伴い予告演出の再選択を行うようにしている。
〔予告変更処理〕
本変形例の遊技機では、図148に示した予告変更処理に替えて図149に示す予告変更処理を行う。この予告変更処理では、まず、処理対象の始動記憶を選択(ステップC541)する。ここではすべての始動記憶について再選択を行うようにしているが、上述の第1実施形態のように実行中の特定予告演出のみを対象として再選択を行うようにしても良い。
次に、変更後の演出モードにおける選択率で再選択を行う(ステップC542)。そして、再選択された表示態様の方が演出モードの変更前の表示態様よりも信頼度が高いかを判定する(ステップC543)。再選択された表示態様の方が演出モードの変更前の表示態様よりも信頼度が高い場合(ステップC543;Y)は、再選択した表示態様を設定し(ステップC545)、ステップC546に移行する。この場合は、より高い信頼度の表示態様に変更されるため、遊技者の期待感を高めて興趣を向上することができる。
また、再選択された表示態様の方が演出モードの変更前の表示態様よりも信頼度が高くない場合(ステップC543;N)、すなわち、再選択された表示態様の信頼度の方が低いまたは同じである場合は、結果は大当りであるかを判定する(ステップC544)。そして、結果が大当りでない場合(ステップC544;N)は、ステップC546に移行する。また、結果が大当りである場合(ステップC544;Y)は、再選択した特定予告演出を設定し(ステップC545)、ステップC546に移行する。
再選択された表示態様の信頼度の方が低いまたは同じである場合は、基本的には変更前の演出モードで表示されていた表示態様が維持される。再選択された表示態様の信頼度の方が低くなる場合は、遊技者の興趣を低下させるおそれがあるため変更は行わない。しかし、結果が大当りとなる場合には再選択された表示態様への変更を行う。これにより、信頼度が低い表示態様に変更されることが大当りとなることを確定的に報知するものとなる。また、再選択によって同じ表示態様が選択された場合は、大当りであるか否かにかかわらず表示態様が維持されるが、遊技者にとっては大当りである可能性を含むことから期待感を持ち、表示態様が変更されない場合でも高い期待感を持たせることができる。
なお、ステップC544の判定を行わず、再選択された表示態様の信頼度の方が高い場合のみ表示態様の変更を行うようにしても良い。また、ステップC543、C544の判定を行わず、常に再選択した表示態様を設定するようにしても良い。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、演出モードが変更された場合に、変更後の演出モードにおける選択率に従い予告演出を再選択するようにしたこととなる。これにより、複数回切り替えることでより詳細な信頼度を把握することも可能となり、遊技の興趣が向上する。また、再選択された予告演出が示唆する内容の方が、変更前の予告演出が示唆する内容よりも遊技者にとって有利な内容である場合には、当該再選択された予告演出を実行するようにしたこととなる。
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、現在の演出モードにかかわらず各演出モードの選択率で予告演出を選択するようにしている。
図150には、演出制御装置300のRAMに設けられる先読み情報記憶領域の内容を示した。図150(a)に示すように、先読み情報記憶領域には、第1始動記憶(特図1)と第2始動記憶(特図2)のそれぞれについて、始動記憶1から4のそれぞれに対応する先読み情報を記憶する領域である領域1から8が設けられている。始動記憶1から4はそれぞれの特図種類における消化順序を示すものであり、消化順序が最も早いものが始動記憶1であり、始動記憶2、3、4の順に消化される。一方の特図種類で始動記憶が消化された場合は、消化された特図種類における以降の領域の情報が一つずつ繰り上げられるとともに始動記憶4に対応する領域の情報が消去される。例えば、第1始動記憶が一つ消化された場合は、領域2から4の情報が領域1から3に一つずつ繰り上げられ、領域4の情報が消去される。
図150(b)には、各領域に記憶される内容を示した。各領域には、全ての演出モードについての先読み結果を格納する領域が設けられている。そして、図124に示した先読み変動系コマンド処理における先読み抽選処理(ステップC321)においては、対応する始動記憶について遊技制御装置100からの先読み情報に基づき、各演出モードの選択率で予告演出を選択し、その結果をそれぞれ対応する領域に格納する。
〔予告変更処理〕
本変形例の遊技機では、図148に示した予告変更処理に替えて図151に示す予告変更処理を行う。この予告変更処理では、まず、処理対象の始動記憶を選択(ステップC551)する。ここではすべての始動記憶について再選択を行うようにしているが、上述の第1実施形態のように実行中の特定予告演出のみを対象として再選択を行うようにしても良い。
次に、変更後の演出モードについての選択結果を取得する(ステップC552)。上述したように各演出モードの選択率で予告演出を選択した結果が先読み情報記憶領域に格納されているので、ここから対応する情報を取得する。そして、取得した表示態様の方が演出モードの変更前の表示態様よりも信頼度が高いかを判定する(ステップC553)。
取得した表示態様の方が演出モードの変更前の表示態様よりも信頼度が高い場合(ステップC553;Y)は、取得した表示態様を設定し(ステップC555)、ステップC556に移行する。この場合は、より高い信頼度の表示態様に変更されるため、遊技者の期待感を高め、興趣を向上することができる。
また、取得した表示態様の方が演出モードの変更前の表示態様よりも信頼度が高くない場合(ステップC553;N)、すなわち、取得した表示態様の信頼度の方が低いまたは同じである場合は、結果は大当りであるかを判定する(ステップC554)。そして、結果が大当りでない場合(ステップC554;N)は、ステップC556に移行する。また、結果が大当りである場合(ステップC554;Y)は、取得した表示態様を設定し(ステップC555)、ステップC556に移行する。
取得した表示態様の信頼度の方が低いまたは同じである場合は、基本的には変更前の演出モードで表示されていた表示態様が維持される。取得した表示態様の信頼度の方が低くなる場合は、遊技者の興趣を低下させるおそれがあるため変更は行わない。しかし、結果が大当りとなる場合には取得した表示態様への変更を行う。これにより、信頼度が低い表示態様に変更されることが大当りとなることを確定的に報知するものとなる。また、取得した表示態様の信頼度が変更前と同じである場合は、大当りであるか否かにかかわらず当該表示態様が維持されるが、遊技者にとっては大当りである可能性を含むことから期待感を持ち、表示態様が変更されない場合でも高い期待感を持たせることができる。
なお、ステップC554の判定を行わず、取得した表示態様の信頼度の方が高い場合のみ表示態様の変更を行うようにしても良い。また、ステップC553、C554の判定を行わず、常に取得した表示態様を設定するようにしても良い。
また、図124に示した先読み変動系コマンド処理における先読み抽選処理(ステップC321)においては各演出モードの選択率で予告演出を選択するとしたが、変更の可能性のある演出モードについてのみ予告演出を選択するようにしても良い。例えば、現在の演出モードにおける第1モードと第2モードについてのみ予告演出を選択しても良い。また、時短状態の終了間際など遊技状態が変更されることにより演出モードが変更されることが判明している場合は、変更後の演出モードにおける第1モードと第2モードについても予告演出を選択するようにしても良い。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、演出モードが変更された場合に、変更後の演出モードにおける選択率に従い予め選択されていた予告演出を取得して設定可能であることとなる。これにより、複数回切り替えることでより詳細な信頼度を把握することも可能となり、遊技の興趣が向上する。また、取得した予告演出が示唆する内容の方が、変更前の予告演出が示唆する内容よりも遊技者にとって有利な内容である場合には、当該取得した予告演出を実行するようにしたこととなる。
〔第3変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、変動パターンの示唆を行う予告演出が可能である。
図152(a)には、飾り特図始動記憶表示の表示態様と、各表示態様が示す内容を示した。本変形例の遊技機では、演出モードに応じてSPリーチの演出の基本的な内容を定める系統が異なるようにされている。例えばSP1リーチが選択された場合に、低確モードの第1モードである場合にはAリーチ系統のSP1Aリーチが行われ、低確モードの第2モードである場合にはBリーチ系統のSP1Bリーチが行われる。SP1AリーチとSP1BリーチはいずれもSP1リーチであるが演出内容は異なるものである。すなわち系統が異なる場合は同じリーチ種類であっても演出内容が異なる。
飾り特図始動記憶表示で行う先読み予告演出では、対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームのリーチ種類のような変動パターンやその他の演出内容などの変動態様を予告する変動態様予告演出を実行可能である。図152(b)には、このような変動態様予告演出の一例を示した。この例では、演出モードが確変モードの第1モードである場合に、第1始動記憶で消化順序が2番目の始動記憶についてSP1リーチとなることが示される例を示した。演出モードが確変モードの第1モードである場合にはSP1リーチとしてSP1Cリーチが行われるため、変動態様予告演出では「1C」と表示される。その他の演出モードやSP2リーチ又はSP3リーチが行われる場合については、図152(a)に示す表示態様とされる。
そして、このような変動態様予告演出が行われている場合に演出モードが変更された場合には、変動態様予告演出の内容も変更後の演出モードにおける内容に変更するようにしている。例えば、図153(a)では、確変モードの第1モードである場合に第1始動記憶で消化順序が2番目の始動記憶についてSP1Cリーチとなることを示す変動態様予告演出が行われている。この状態から次のゲームが開始されて確変モードの第2モードに変更されると、図153(b)に示すように変動態様予告演出の内容が変更後の演出モードに対応するSP1Dリーチの予告に変更される。
〔予告変更処理〕
本変形例の遊技機では、図148に示した予告変更処理に替えて図154に示す予告変更処理を行う。この予告変更処理では、まず、変動態様予告演出の実行中であるかを判定する(ステップC561)。そして、変動態様予告演出の実行中でない場合(ステップC561;N)は、予告変更処理を終了する。また、変動態様予告演出の実行中である場合(ステップC561;Y)は、処理対象の変動態様予告演出を選択する(ステップC562)。
次に、演出モード変更後の変動態様を取得し(ステップC563)、取得した変動態様に対応する変動態様予告演出を設定する(ステップC564)。その後、すべての変動態様予告演出について処理を行ったかを判定し(ステップC565)、処理済でない場合(ステップC565;N)は、ステップC562に戻る。また、処理済である場合(ステップC565;Y)は、予告変更処理を終了する。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、一の始動記憶に基づく変動表示ゲームについて演出モードに応じて異なる演出を選択可能であり、当該始動記憶について現在の演出モードにおいて選択される演出を予告する変動態様予告演出を実行可能であり、演出モードが変更された場合には、実行中の変動態様予告演出を変更後の演出モードにおいて選択される演出を予告するものに変更可能であることとなる。
なお、図145に示したような予告演出と、図152に示したような変動態様予告演出のいずれも行うことができるようにしても良い。また、演出モードの変更に伴い変動態様予告演出を終了可能としても良い。また、一の演出モードにおいてSP1リーチとして複数のリーチ演出の中から選択するなど、一のリーチ種類について複数のリーチ演出から選択を行う場合は、演出モードの変更に伴い第1変形例と同様にリーチ演出の再選択を行って変動態様予告演出を変更するようにしても良いし、第2変形例と同様に始動記憶の発生時に予め各演出モードについてのリーチ演出の選択を行っておき、選択結果に基づき変動態様予告演出を変更するようにしても良い。
また、変動態様予告演出に、演出モードの種類によらない表示態様を設けても良い。例えばSP1リーチとなることを予告する表示態様として「SP1」と表示する表示態様を設けても良い。このような表示態様である場合は演出モードの変更に伴う表示態様の変更を行わないようにしても良い。また、変動パターンとして演出パターンによらず同じ内容の演出を行う変動パターンがある場合には、当該変動パターンの内容を示す表示態様で予告を行い、このような表示態様である場合は演出モードの変更に伴う表示態様の変更を行わないようにしても良い。
〔第4変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、停電により中断された初期動作を停電復旧後に再開可能である。
本変形例の遊技機は、演出制御装置300に停電時にも記憶内容を保持可能な記憶手段を備えている。停電時にも記憶内容を保持可能な記憶手段とはFeRAM323のような電力の供給がなくても記憶内容を保持可能な不揮発性のRAMで構成しても良いし、電力の供給がないと記憶内容を保持不能な揮発性のRAM322であっても遊技制御装置100と同様にバックアップ電源からの電力の供給により停電時にも記憶内容を保持可能とすることで構成しても良い。
この停電時にも記憶内容を保持可能な記憶手段には、少なくとも初期動作の情報及び当該初期動作における可動演出装置の動作状態を記憶可能とされている。そして、初期動作の実行中に停電が発生して初期動作が中断した場合に、停電復旧後に中断した初期動作を再開することが可能となっている。
〔初期動作処理〕
本変形例の遊技機では、図136に示した初期動作処理に替えて図155に示す初期動作処理を行う。この初期動作処理では、まず、電源投入フラグがあるかを判定する(ステップC121)。本変形例の遊技機では、遊技機の電源投入に基づいて演出制御装置300で行われる初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする処理(ステップC7)で初期動作フラグを設定せずに電源投入フラグを設定するようになっている。すなわち、電源投入フラグは電源の投入に基づき設定されるフラグである。この電源投入フラグがない場合(ステップC121;N)は、ステップC101に移行する。また、電源投入フラグがある場合(ステップC121;Y)は、バックアップ情報は正当であるかを判定する(ステップC122)。
停電時にも記憶内容を保持可能な記憶手段については電源の投入時に記憶されている内容(バックアップ情報)が正当なものであるかを判定する処理を行うようになっている。この判定方法としては遊技制御装置100での処理と同様に電源遮断時と電源投入時のチェックサムを比較することなどが挙げられる。そして、バックアップ情報が正当であればRAMに記憶されている情報をそのまま使用し、バックアップ情報が正当でなければRAMを初期化するようになっている。すなわち、演出制御装置300が、停電復旧時に記憶手段(RAM322、FeRAM323)に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段をなす。
バックアップ情報は正当である場合(ステップC122;Y)は、初期動作実行中フラグがあるかを判定する(ステップC124)。そして、初期動作実行中フラグがある場合(ステップC124;Y)はステップC109に移行する。この場合は初期動作の実行中に停電が発生して初期動作が中断した場合である。記憶手段には停電発生前の情報が正しく保持されているので、この情報をそのまま使用して停電復旧後に中断した初期動作を再開する。また、初期動作実行中フラグがない場合(ステップC124;N)は、初期動作フラグをセットする(ステップC125)。この場合は初期動作の実行中でない場合に停電が発生しており、今回の電源投入に基づき初期動作を行うようにする。
一方、バックアップ情報は正当でない場合(ステップC122;N)は、初期動作実行中フラグをクリアし(ステップC123)、初期動作フラグをセットする(ステップC125)。この場合は記憶手段に停電発生前の情報が正しく保持されていないため、初期動作の実行中に停電が発生して初期動作が中断した場合であったとしても初期動作を改めて開始するように設定する。なお、バックアップ情報の正当性をチェックする処理において正当でないと判定された場合に記憶手段の記憶内容は初期化されるので、この初期化により初期動作実行中フラグがクリアされるとともに、初期動作フラグがセットされるようにしても良い。
なお、バックアップ情報として、RTC338の情報に基づき電源遮断時の時刻を記憶しておき、電源投入時の時刻と比較して電源の遮断時間を取得できるようにし、バックアップ情報が正当であって電源の遮断時間が所定時間未満である場合には中断された初期動作を再開可能とし、バックアップ情報が正当であっても電源の遮断時間が所定時間以上である場合には初期動作を最初から行うようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、所定の演出動作を行う可動演出装置(第1下可動部材740,741、第2下可動部材770、可動部材ユニット820、第1上可動部材848、第2上可動部材860、第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920、第4中央可動演出部材930)と、可動演出装置の動作を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、演出制御手段に備えられ、停電時にも記憶内容を保持可能な記憶手段(RAM322、FeRAM323)と、を備え、演出制御手段は、電源投入に基づき可動演出装置の初期動作を行うように構成され、初期動作の情報及び当該初期動作における可動演出装置の動作状態を記憶手段に記憶可能であり、初期動作の実行中に停電が発生して初期動作が中断した場合には、停電復旧後に中断した初期動作を再開可能であることとなる。したがって、初期動作にかかる時間を短縮することができる。
また、可動演出装置の位置を検出可能な位置検出手段(第1〜第7検出センサ781、782、811,812、858、889,897)を備え、演出制御手段は、停電復旧時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段(演出制御装置300)を備え、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合に、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が予め定められた通常検出状態である場合には初期動作として通常初期動作を行い、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない場合には初期動作として通常初期動作に替えて通常初期動作の一部を省略した特別初期動作を行うことが可能であるようにしたこととなる。したがって、初期動作にかかる時間を短縮することができる。
〔第5変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、復帰動作に要した移動量に応じて初期動作を設定可能である。
〔初期動作処理〕
本変形例の遊技機では、図136に示した初期動作処理に替えて図156に示す初期動作処理を行う。この初期動作処理では、初期動作実行中フラグがある場合(ステップC108;Y)、すなわち初期動作の実行中である場合に、特別初期動作の完了タイミングであるかの判定を行う(ステップC131)。特別初期動作の完了タイミングとは、初期位置への復帰動作を行う特別初期動作により検出センサが通常検出状態となったタイミングである。複数の可動演出装置について特別初期動作を行う場合はそれぞれの可動演出装置について検出センサが通常検出状態となったタイミングである。
特別初期動作の完了タイミングでない場合(ステップC131;N)は、ステップC109に移行する。また、特別初期動作の完了タイミングである場合(ステップC131;Y)は、初期位置までの移動量は所定量以上であったかを判定する(ステップC132)。移動量の検出には、可動演出装置を動作するステッピングモータが当該可動演出装置を初期位置に戻すまでに要したステップ数を利用可能である。この他に、初期位置に戻すまでにかかった時間に基づき移動量を検出するようにしても良い。
そして、初期位置までの移動量は所定量以上であった場合(ステップC132;Y)は、ステップC109に移行する。この場合は復帰動作での移動量が十分あり、この復帰動作により当該可動演出装置の動作を確認できたことから第1実施形態と同様に当該可動演出装置のさらなる初期動作を省略する。また、初期位置までの移動量は所定量以上でなかった場合(ステップC132;N)は、当該可動演出装置についての通常初期動作を設定する(ステップC133)。この場合は復帰動作での移動量が十分ではなく、当該可動演出装置の通常初期動作を改めて行うように設定する。
例えば、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930と第2下可動部材770が初期位置にない場合は、ステップC106の処理で図141(b)の初期動作テーブルが設定される。そして、まず第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930の特別初期動作が行われ、この特別初期動作が完了したタイミングで初期位置までの移動量は所定量以上であったかを判定する。
第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930を初期位置に戻すまでの移動量が所定量以上であれば図141(b)の初期動作テーブルをそのまま使用する。一方、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930を初期位置に戻すまでの移動量が所定量未満であれば、ステップC133の処理において図141(b)の実行順序の3番目における初期動作をグループA全体での通常初期動作を行うものに変更する。
同様に、第2下可動部材770についての特別初期動作が行われた場合に、当該特別初期動作が完了したタイミングで初期位置までの移動量は所定量以上であったかを判定する。そして、第2下可動部材770を初期位置に戻すまでの移動量が所定量以上であれば図141(b)の初期動作テーブル又は第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930の特別初期動作により変更された初期動作テーブルをそのまま使用する。一方、第2下可動部材770を初期位置に戻すまでの移動量が所定量未満であれば、ステップC133の処理において図141(b)の実行順序の5番目における初期動作をグループC全体での通常初期動作を行うものに変更する。
なお、上述の第4変形例の構成と組み合わせた場合に、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない可動演出装置について、バックアップ情報から可動演出装置が通常検出状態となるまでに要する動作量を算出し、その算出結果に応じて通常初期動作を行うか否かを設定するようにしても良い。なお、第4変形例では少なくとも初期動作の情報及び当該初期動作における可動演出装置の動作状態を記憶可能としたが、初期動作以外における可動演出装置の動作状態も記憶可能として常に可動演出装置が通常検出状態となるまでに要する動作量を算出可能としても良い。
〔初期動作処理〕
このように第4変形例と組み合わせる場合は、図156に示した初期動作処理に替えて図157に示す初期動作処理を行う。ステップC121〜C125の処理は第4変形例と同様である。また、この初期動作処理では、検出センサの状態が全て通常検出状態でない場合(ステップC104;N)に、検出状態に応じた特別初期動作を行う初期動作テーブルを設定(ステップC106)した後に、通常初期動作を行うかを設定する処理を行う。
この処理では、まず、特別初期動作を行う可動演出装置についてバックアップ情報から初期位置までの移動量を算出する(ステップC135)。なお、複数の可動演出装置が初期位置にない場合には、それぞれの可動演出装置について算出を行う。すなわち、演出制御装置300が、記憶手段に記憶された情報に基づき可動演出装置が通常検出状態となるまでに要する動作量を算出する算出手段をなす。
次に、初期位置までの移動量は全て所定量以上であるかを判定する(ステップC136)。初期位置までの移動量は全て所定量以上である場合(ステップC136;Y)は、ステップC107に移行する。この場合は復帰動作での移動量が十分あり、この復帰動作により当該可動演出装置の動作を確認できたことから当該可動演出装置のさらなる初期動作を省略する。
また、初期位置までの移動量は全て所定量以上でない場合(ステップC136;N)、すなわち、少なくとも一つの可動演出装置の初期位置までの移動量が所定量以上でない場合は、移動量が所定量未満の可動演出装置について通常初期動作も行う初期動作テーブルに変更し(ステップC137)、ステップC107に移行する。この場合は復帰動作での移動量が十分ではない可動演出装置があり、当該可動演出装置の初期動作を改めて行うように設定する。
例えば、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930と第2下可動部材770が初期位置にない場合は、ステップC106の処理で図141(b)の初期動作テーブルが設定される。そして、それぞれについて算出された初期位置に戻すのに必要な移動量が、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930については所定量以上であり、第2下可動部材770については所定量未満であった場合、ステップC137の処理において図141(b)の実行順序の5番目における初期動作がグループC全体での通常初期動作を行うものとされた初期動作テーブルに変更するようにする。
なお、バックアップ情報が正当なものでなかった場合には移動量が不明となるが、この場合は初期位置までの移動量が所定量未満であるものとみなし、初期位置にない当該可動演出装置についても復帰動作の後に通常初期動作を行うようにする。また、図155、図156、図157においては、図136におけるステップC110からC112の処理を省略しているが、図136と同様に行うようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、所定の演出動作を行う可動演出装置(第1下可動部材740,741、第2下可動部材770、可動部材ユニット820、第1上可動部材848、第2上可動部材860、第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920、第4中央可動演出部材930)と、可動演出装置の位置を検出可能な位置検出手段(第1〜第7検出センサ781、782、811,812、858、889,897)と、可動演出装置の動作を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、電源投入に基づき可動演出装置の初期動作を行うように構成され、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が予め定められた通常検出状態である場合には初期動作として通常初期動作を行い、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない場合には通常検出状態となるまで当該可動演出装置を動作させ、当該通常検出状態となるまでに要した動作量が所定量以上である場合には当該動作を初期動作として当該可動演出装置について通常初期動作を行わず、当該通常検出状態となるまでに要した動作量が所定量未満である場合には、当該動作の終了後に当該可動演出装置について通常初期動作を行うようにしたこととなる。したがって、初期動作にかかる時間を短縮することができる。
また、可動演出装置を複数備えるとともに、各可動演出装置のそれぞれについて位置検出手段を備え、演出制御手段は、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が通常検出状態である可動演出装置については初期動作として通常初期動作を行い、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない可動演出装置については、通常検出状態となるまで当該可動演出装置を動作させ、当該通常検出状態となるまでに要した動作量が所定量以上である場合には、当該動作を当該可動演出装置の初期動作として当該可動演出装置について通常初期動作を行わず、当該通常検出状態となるまでに要した動作量が所定量未満である場合には、当該動作の終了後に当該可動演出装置について通常初期動作を行うようにしたこととなる。したがって、初期動作にかかる時間を短縮することができる。
また、演出制御手段は、停電時にも記憶内容を保持可能な記憶手段(RAM322、FeRAM323)を備え、可動演出装置の動作状態を記憶手段に記憶可能であり、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない場合に、記憶手段に記憶された情報に基づき可動演出装置が通常検出状態となるまでに要する動作量を算出する算出手段(演出制御装置300)を備え、算出手段により算出された動作量が所定量以上である場合には、通常検出状態となるまで当該可動演出装置を動作することを初期動作として当該可動演出装置について通常初期動作を行わず、算出手段により算出された動作量が所定量未満である場合には、通常検出状態となるまで当該可動演出装置を動作した後に通常初期動作を行うようにしたこととなる。したがって、初期動作にかかる時間を短縮することができる。
〔第6変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技制御手段からの制御情報を受信することに基づき初期動作を行うようにしている。
〔単発系コマンド処理〕
本変形例の遊技機では、図122に示した単発系コマンド処理に替えて図158に示す単発系コマンド処理を行う。この単発系コマンド処理では、MODEは機種指定コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC261;Y)に、内部情報をコマンドに対応する機種情報に書き換える機種設定処理(ステップC262)を行った後、初期動作フラグをセットし(ステップC141)、電源投入フラグをクリアして(ステップC142)、単発系コマンド処理を終了する。機種指定コマンドは遊技機の電源投入時において遊技制御装置100から必ず最初に演出制御装置300に送信されるコマンドであり、電源投入に基づいて遊技制御装置100から送信される電源投入時の制御情報をなすものである。
なお、本変形例の遊技機では、初期動作フラグを遊技機の電源投入に基づいて演出制御装置300で行われる初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする処理(ステップC7)で設定せず、ここで設定するのみとされている。よって、初期動作は機種指定コマンドを受信した場合のみ行われることとなる。また、演出制御装置300が機種指定コマンドを受信できなかった場合は、初期動作処理において初期動作が設定されることがなく初期動作が行われないこととなる。さらに、本変形例の遊技機では、初期動作フラグを遊技機の電源投入に基づいて演出制御装置300で行われる初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする処理(ステップC7)で、電源の投入があったことを示す電源投入フラグを設定する。
〔受信コマンド解析処理〕
また、図121に示した受信コマンド解析処理に替えて図159に示す受信コマンド解析処理を行う。この受信コマンド解析処理では、正しいコマンドを受信した場合に復帰動作処理(ステップC150)を行うようにしている。
〔復帰動作処理〕
図160には、上述の受信コマンド解析処理における復帰動作処理(ステップC150)を示した。この復帰動作処理では、まず、電源投入フラグがあるかを判定し(ステップC151)、電源投入フラグがない場合(ステップC151;N)は、復帰動作処理を終了する。また、電源投入フラグがある場合(ステップC151;Y)は、電源投入フラグをクリアし(ステップC152)、検出センサの状態を取得して(ステップC153)、検出センサの状態が全て通常検出状態であるかを判定する(ステップC154)。そして、検出センサの状態が全て通常検出状態である場合(ステップC154;Y)は、復帰動作処理を終了する。また、検出センサの状態が全て通常検出状態でない場合(ステップC154;N)は、通常検出状態でない可動演出装置の特別初期動作(復帰動作)を設定し(ステップC155)、復帰動作処理を終了する。
上述したように電源投入フラグは、遊技機の電源投入に基づく演出制御装置300の電源投入に基づき設定されるフラグであり、演出制御装置300が最初に遊技制御装置100から受信する機種指定コマンドを受信した場合にクリアされるものである。また、機種指定コマンドを受信した場合には初期動作フラグがセットされて可動演出装置の初期動作が行われる。
しかし、何らかの原因により演出制御装置300が機種指定コマンドを取りこぼした場合には、初期動作フラグがセットされず電源投入フラグがセットされたままとなる。このような状況で機種指定コマンド以外のコマンドを受信した場合は、初期位置にない可動演出装置を初期位置に戻す復帰動作が行われることとなる。これにより、電源投入時に機種指定コマンドの取りこぼしが発生した場合には初期動作が省略されて復帰動作のみとなり、正常に遊技を開始できる時期が初期動作の実行によって遅れることがないようにできるとともに、復帰動作を行って可動演出装置が異常な位置にあって遊技に影響してしまうことがないようにすることができる。
なお、復帰動作を行う契機となるコマンドを機種指定コマンド以外の全てのコマンドとしたが、特定のコマンドに限定しても良く、任意に設定可能である。例えば、特図変動表示ゲームに関する所定の制御情報を受信した場合にのみ復帰動作処理(ステップC150)を行うようにしても良い。特図変動表示ゲームに関する所定の制御情報としては、特図変動表示ゲームの開始時に送信されるコマンドである変動系コマンドや図柄系コマンドが挙げられる。
このように特図変動表示ゲームの開始時に復帰動作を行うようにすれば、可動演出装置が異常な位置にあることで当該特図変動表示ゲームの実行に影響することを防止できる。すなわち、演出制御装置300が機種指定コマンドを受信できずに初期動作が行われなかった場合であって、可動演出装置が初期位置にない状態で特図変動表示ゲームが開始される場合には可動演出装置を初期位置に戻して当該特図変動表示ゲームの実行に影響しないようにすることができる。
なお、この他に特図変動表示ゲームに関する所定の制御情報として、図柄停止コマンドや保留数の増減に関するコマンド、保留の先読み処理の結果に関するコマンド、大当り系コマンドなどが挙げられ任意に選択可能である。また、初期動作を行わずに復帰動作のみを行った場合、客待ち状態となったことに基づき初期動作を行うようにしても良い。このようにすることで特図変動表示ゲームの実行に影響を与えずに初期動作を行うことが可能となる。
また、演出制御装置300が機種指定コマンドを受信できずに初期動作が行われなかった場合であって可動演出装置が初期位置にない場合に、特図変動表示ゲームに関するコマンドを受信した場合は、当該特図変動表示ゲームにおいては当該可動演出装置又は全ての可動演出装置を動作させないようにしても良い。この場合、当該特図変動表示ゲームが終了したことが把握できた際に復帰動作を行い初期位置に戻すようにして次の特図変動表示ゲームから可動演出装置の動作を可能としても良い。特図変動表示ゲームが終了したことを把握するとは、例えば、当該特図変動表示ゲームについての図柄停止コマンドを受信した場合や、次の特図変動表示ゲームの開始に関するコマンドを受信した場合である。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、所定の演出動作を行う可動演出装置(第1下可動部材740,741、第2下可動部材770、可動部材ユニット820、第1上可動部材848、第2上可動部材860、第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920、第4中央可動演出部材930)と、可動演出装置の位置を検出可能な位置検出手段(第1〜第7検出センサ781、782、811,812、858、889,897)と、遊技制御手段からの制御情報に基づき可動演出装置の動作を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、電源投入に基づいて遊技制御手段から送信される電源投入時の制御情報に基づき可動演出装置の初期動作を行うように構成され、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が予め定められた通常検出状態である場合には初期動作として通常初期動作を行い、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が通常検出状態でない場合には初期動作として通常初期動作に替えて通常初期動作の一部を省略した特別初期動作を行うことが可能であるようにしたこととなる。したがって、初期動作にかかる時間を短縮することができる。
また、演出制御手段は、電源投入に基づいて遊技制御手段から送信される電源投入時の制御情報を受信しなかった場合には、可動演出装置の初期動作を行なわないようにしたこととなる。したがって、初期動作の開始タイミングを逸した場合に初期動作を行わないことで遊技を開始可能となるまでの時間を短縮することができる。
また、演出制御手段は、遊技制御手段からゲームに関する所定の制御情報を受信した場合に、可動演出装置を初期位置に戻す動作を行うようにしたこととなる。したがって、初期動作が省略されて遊技が開始された場合に、正常な位置にない可動演出装置を初期位置に戻すことができる。
〔第7変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、可動役物装置が遊技における動作範囲よりも広い動作範囲で動作可能となっている。
図161に示すように第2下可動部材770は、遊技の演出において図161(a)に示す初期位置から、図161(b)に示す動作完了位置へ動作するようになっており、遊技の演出においては図161(a)から図161(b)の範囲で回動するようになっている。
本変形例の遊技機では、第2下可動部材770は図161(b)の状態からさらに図161(c)に示す最大動作位置まで回動可能となっており、第2下可動部材770の実際の回動可能範囲は図161(a)から図161(c)の範囲となっている。すなわち、遊技の演出における動作範囲は動作可能範囲よりも狭いものとなっている。なお、図161(b)から(c)の範囲は、単に構造に遊びがあることで回動可能となっているものではなく、演出制御装置300がモータ734を制御することにより動作させることで回動可能な範囲である。なお、この例において最大動作位置に達したことは、第2遮光板773が第2検出センサ782の検出部から退避して検出状態がOFFからONに変化することで検出可能である。
この第2下可動部材770の通常初期動作では、図161(a)に示す初期位置から、図161(c)に示す最大動作位置まで動作させた後、図161(a)に示す初期位置に戻す動作を行うようになっている。このようにすることで、初期動作により遊技の演出における動作範囲での動作を確実に保証することができる。
なお、ここでは第2下可動部材770について示したが、他の可動演出装置についても同様に遊技の演出における動作範囲を動作可能範囲よりも狭いものとし、初期動作では最大動作位置まで動作させるようにしても良い。ただし、第1中央可動演出部材900及び第2中央可動演出部材910と、第3中央可動演出部材920及び第4中央可動演出部材930のように同時に最大動作位置まで動作させると干渉する構成の場合は、干渉しないように初期動作における動作の順序を設定する。
また、初期動作の開始前における第2検出センサ782による検出結果が通常検出状態(所定の検出状態)でない場合に特別初期動作を行う場合には、まず、初期位置へ戻す方向とは逆に動作して図161(c)に示す最大動作位置まで動作させた後に、図161(a)に示す初期位置へ戻すようにしても良い。また、初期動作で図161(c)に示す最大動作位置まで動作させることは特別初期動作でのみ行い、通常初期動作である場合は図161(a)から(b)の範囲で行うようにしても良い。
また、初期動作の開始前における第2検出センサ782による検出結果が通常検出状態(所定の検出状態)でない場合に、初期位置へ戻すための特別初期動作を行うが、この際に特別初期動作中に何らかのトラブルによって初期位置に戻るのに時間がかかる場合を想定して、初期位置へ戻るまでの時間を計測する計測手段を備え、計測結果が所定時間より長かった場合にはその後に最大動作位置まで動作するようにしても良い。ここで言う所定時間とは、最大動作位置から初期位置まで戻すのに必要な時間であり、この時間よりも長い場合は可動演出装置が引っ掛かるなどの不具合が生じている場合と考えられるため、初期位置に戻した後に最大動作位置まで動作して動作を確認するようにする。また、この場合において初期位置へ戻した後に最大動作位置まで動作する際に、上記の所定時間よりも長い時間をかけて最大動作位置に到達するようにゆっくり可動演出装置を動作させるようにしても良い。なお、遊技の演出における動作範囲と初期動作での動作範囲が一致する上述の第1実施形態や他の変形例についても適用可能である。
以上のことから、始動条件の成立に基づき、識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、所定の演出動作を行う可動演出装置(第1下可動部材740,741、第2下可動部材770、可動部材ユニット820、第1上可動部材848、第2上可動部材860、第1中央可動演出部材900、第2中央可動演出部材910、第3中央可動演出部材920、第4中央可動演出部材930)と、可動演出装置の動作を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、可動演出装置は、遊技の演出における動作範囲よりも広い範囲で動作可能であり、演出制御手段は、電源投入に基づき可動演出装置の初期動作を行うように構成され、初期動作における可動演出装置の動作範囲を、遊技の演出における可動演出装置の動作範囲よりも広くすることが可能であることとなる。したがって、初期動作における可動演出装置の動作範囲を、遊技の演出における可動演出装置の動作範囲よりも広くしたことで、遊技の演出における動作範囲での動作を確実に保証することができる。
また、可動演出装置の位置を検出可能な位置検出手段(第1〜第7検出センサ781、782、811,812、858、889,897)を備え、初期動作の開始前における位置検出手段による検出結果が所定の検出状態でない場合には、遊技の演出における可動演出装置の動作範囲よりも広い動作範囲で初期動作を行うことが可能であるようにしたこととなる。したがって、可動演出装置が異常な状態である場合に遊技の演出における動作範囲での動作が可能であること確認でき、遊技の演出における動作範囲での動作を確実に保証することができる。
〔第8変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第8変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、複数種類の予告演出を実行可能であり、演出モードが変更された際の処理が予告演出によって異なる。
図162には、本変形例での予告演出の実行態様の一例を示した。図162(a)に示す状態では、確変モードの第2モードであり第1始動記憶が4つ存在している状態で特図変動表示ゲームが終了した状態となっている。このうち、消化順序が4番目の第1始動記憶の発生時に、当該第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの情報を示唆又は報知する演出として、複数の特図変動表示ゲームにわたる連続的な演出である連続演出の実行が決定されている。
この連続演出として、複数の特図変動表示ゲームにわたり飾り特図変動表示ゲームの停止結果を特定結果態様とする図柄停止予告が決定されている。また、別の連続演出として、複数の特図変動表示ゲームにわたりキャラクタ99が登場するキャラクタ予告の実行も決定されている。この図柄停止予告及びキャラクタ予告は、飾り特図変動表示ゲームの表示態様により行う第1予告演出をなすものである。
さらに、当該消化順序が4番目の第1始動記憶については、飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる先読み演出である保留予告演出が行われている。なお、消化順序が1番目及び3番目の第1始動記憶についても飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる先読み演出が行われている。この保留予告演出は、飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる第2予告演出をなすものである。
次の特図変動表示ゲームが開始されると、まず、図162(b)に示すようにキャラクタ99が登場するキャラクタ予告の1回目が行われる。そして、当該特図変動表示ゲームが終了する際には、図162(c)に示すように図柄停止予告の1回目として飾り特図変動表示ゲームの結果態様が特定結果態様である「123」とされる。次の特図変動表示ゲームでもキャラクタ予告や図柄停止予告は継続して実行されるようになっており、図162(d)に示すようにキャラクタ99が登場するキャラクタ予告の2回目が行われ、当該特図変動表示ゲームが終了する際には図柄停止予告の2回目として図162(e)に示すように飾り特図変動表示ゲームの結果態様が特定結果態様である「123」とされる。
さらに、次の特図変動表示ゲームでもキャラクタ予告や図柄停止予告は継続して実行されるようになっており、図162(f)に示すようにキャラクタ99が登場するキャラクタ予告の3回目が行われ、当該特図変動表示ゲームが終了する際には図柄停止予告の3回目として図162(g)に示すように飾り特図変動表示ゲームの結果態様が特定結果態様である「123」とされる。
そして、予告対象となっている特図変動表示ゲームでは、図162(h)に示すようにキャラクタ99が登場するキャラクタ予告の4回目が行われる。その後、図162(i)に示すように当該特図変動表示ゲームの結果が導出される。ここでは結果としてはずれ結果が導出されている。なお、図柄停止予告は停止結果により行う演出であるため、予告対象の特図変動表示ゲームでは実行されない。
飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる第2予告演出については、図162(a)から(g)に示したように対象の始動記憶の発生から当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始まで継続可能である。さらに、図162(h)、(i)に示すように対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは実行中記憶表示部84において当該演出を継続して実行可能である。
図163には、第1予告演出及び第2予告演出の実行中に演出モードの変更が行われる場合の例を示した。この例では図162と同様に、図163(a)の時点では確変モードの第2モードであり第1始動記憶が4つ存在している状態で特図変動表示ゲームが終了した状態となっている。このうち、消化順序が4番目の第1始動記憶の発生時に、当該第1始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの情報を示唆又は報知する演出として、複数の特図変動表示ゲームにわたる連続的な演出である連続演出の実行が決定されている。ここでは連続演出として、キャラクタ予告、図柄停止予告及び保留予告演出の実行が決定されている。
そして、図163(d)までは図162(d)と同様に予告演出が実行される。その後、図162(d)に示すようにキャラクタ予告が実行されている状態でモード変更操作が行われている。本変形例の遊技機では、変動表示中であっても演出モードの変更を即座に行うことが可能となっており、モード変更操作に伴い図163(e)に示すように演出モードが確変モードの第1モードに変更される。
この演出モードの変更に伴い実行中のキャラクタ予告は終了し、図163(e)に示すようにキャラクタ99の表示が終了する。また、以降の特図変動表示ゲームでも継続して実行する予定であったキャラクタ予告も終了するようになっており、図163(g)に示すように次の特図変動表示ゲームでもキャラクタ予告は行われないようになる。さらに、演出モードの変更に伴い図柄停止予告についても終了し、図163(f)に示すように当該特図変動表示ゲームの終了時の停止結果は特定結果態様である「123」ではない結果態様とされる。また、以降の特図変動表示ゲームでも継続して実行する予定であった図柄停止予告についても終了するようになっている。すなわち、飾り特図変動表示ゲームの表示態様により行う第1予告演出については、モード変更操作による演出モードの変更と同時に終了するようになっている。
一方、飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる第2予告演出については、上述した第1実施形態と同様に、モード変更操作のあった特図変動表示ゲームの次の特図変動表示ゲームの開始に伴い終了するようにされている。よって、図163(e)、(f)の時点では飾り特図始動記憶表示を白色の星形とする予告演出が継続して実行され、図163(g)の時点で予告演出が終了して飾り特図始動記憶表示が白色の丸形になっている。ここでは、図163(g)の時点での消化順序が1番目の始動記憶については、第1実施形態と同様に結果がはずれであって演出モード変更後の信頼度の方が低くなるため予告演出を終了しているが、結果や信頼度に係らず終了するようにしても良い。また、全ての保留予告演出について終了するようにしても良いし、特定予告演出のみ終了可能としても良い。
なお、以上の説明では、図柄停止予告については飾り特図変動表示ゲームの停止結果を特定結果態様(例えば「123」)とするとしたが、特定結果態様はこれに限られるものではない。例えば、通常の停止結果の表示では用いられない特定の識別情報を停止することで特定結果態様としても良いし、識別情報の色彩を通常の停止結果の表示とは異なる色彩とすることで特定結果態様としても良い。また、図柄停止予告とキャラクタ予告は同時に実行可能であるが、何れか一方のみ実行することも可能である。
また、特図変動表示ゲームの表示態様による予告演出を第1予告演出とし、飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる予告演出を第2予告演出としたが、これに限られるものではない。モード変更操作が行われた場合の予告演出の終了タイミングが異なるものの一方を第1予告演出とし他方を第2予告演出としたものであって、対応する予告演出の種類は任意に設定可能である。
また、各予告演出の終了タイミングも上述したタイミング以外に任意に設定可能である。例えば、保留予告演出はモード変更操作と同時に終了するが、キャラクタ演出についてはモード変更操作のあった特図変動表示ゲームの終了までは実行するようにしても良い。また、キャラクタ予告を事前判定手段による先読み結果を示唆又は報知する予告演出としたが、特図変動表示ゲームの開始時に当該特図変動表示ゲームについて行った判定の結果を示唆又は報知する予告演出であっても良い。また、キャラクタ予告は変動表示中に実行する予告演出の一例であってキャラクタ99が登場しないものであっても良い。
また、図柄停止予告については、モード変更操作と同時に終了するようにしているが、実際に終了していることを遊技者が把握できるタイミングはモード変更操作があった特図変動表示ゲームの変動終了時であり、この特図変動表示ゲームの変動終了時が演出の終了タイミングとも言える。すなわち、上述の例では、キャラクタ予告についてはモード変更操作と同時に終了する第1予告演出であり、保留予告演出についてはモード変更操作のあった特図変動表示ゲームの次の特図変動表示ゲームの開始に伴い終了する第2予告演出であり、図柄停止予告についてはモード変更操作のあった特図変動表示ゲームの変動終了時に終了する第3予告演出であるとも言える。
また、上述の説明では、確変モードにおいて第2モードから第1モードに変更する場合について説明したが、第1実施形態と同様の演出モードを設け、これらの演出モードについても変更に伴う予告演出の終了を同様に制御することが可能である。すなわち、確変モード、低確モード、時短モード及び潜伏モードの間で相互に演出モードを変更する場合や、各演出モード内で第1モードと第2モードを相互に変更する場合でも同様に制御することが可能である。
以上のことから、始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、遊技者による操作を受け付け可能な操作手段(演出ボタン25、タッチパネル29)と、を備え、演出制御手段は、複数の演出モードから一の演出モードを選択し、当該演出モードに従い遊技の演出を実行するように構成され、操作手段においてモード変更操作が行われることに応じて演出モードを変更可能であり、ゲームの予告演出として、第1予告演出と、当該第1予告演出とは異なる第2予告演出を実行可能であり、第1予告演出は、モード変更操作による演出モードの変更と同時に終了可能であり、第2予告演出は、モード変更操作があったゲームの次のゲームの開始に伴い終了可能であることとなる。したがって、演出モードに応じた予告の実行態様とすることができ、遊技の興趣の低下を防止できる。また、予告演出の実行態様によって適切な終了タイミングを設定できる。
始動条件の成立に基づき前記ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、遊技に関する情報を表示可能な表示装置41と、を備え、演出制御手段は、ゲームに対応した飾りゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)と、始動記憶に対応した始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)と、を表示装置41に表示可能であり、第1予告演出は、飾りゲームの表示態様により行うものであり、第2予告演出は、始動記憶表示の表示態様により行うものであることとなる。また、第1予告演出は、複数のゲームにわたって連続的に行うものであることとなる。したがって、予告演出の実行態様によって適切な終了タイミングを設定できる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。