JP2018102731A - 肌分析方法及び肌分析装置 - Google Patents
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Abstract
Description
中医学では「望診」と呼ばれる診断法がある(非特許文献1参照)。この「望診」は、病人の顔色や形態の変化を見て、その内部変化を観察し、疾病の性質やその予後を判断する診断法である。更に、その診断法の中には「望色」と呼ばれる皮膚の色で診断する色診があり、その「望色」は、皮膚の色が五色の一つに偏って現れているときは、五行論に基づき、その色と関係する臓が病んでいると診断する。
また、特許文献1には、鏡の使用者の顔画像から使用者の顔の肌状態を分析して、その分析結果を通知する手法が開示されている。この手法は、鏡に埋設された撮像手段でその鏡の使用者の顔画像を撮像し、その顔画像に独立成分分析を適用することでヘモグロビン色素成分情報を抽出する。額部領域のヘモグロビン色素成分量を基準にして鼻部領域のヘモグロビン量を比較分析することで、交感神経系活性度が分析結果として得られる。
非特許文献2は、画像ピラミッド法の詳細を開示している。
一方で、特許文献1の手法は、動静脈吻合血管が多く分布する鼻部と自律神経系の影響による血流量の変化がほとんどみられない額部とで、ヘモグロビン色素成分量を比較することで、交感神経系活性度を判断している。
しかしながら、この手法では、顔の局部的な血流量の相違を見ているに過ぎず、血圧検査又は血液検査で得られるような情報を得ることはできない。
各実施形態に係る肌分析方法は、赤み取得工程と、推定工程とを含む。
赤み取得工程は、被験者の肌の赤み情報を取得する工程である。
ここで「肌の赤み情報」とは、被験者の肌の特定部位から視認される赤の色味を示す情報である。「肌の赤み情報」は、例えば、赤色の濃度、又は赤色のムラの度合を示す。
本方法では、肌の赤み情報の取得手法については限定されない。例えば、評価者が被験者の肌を直接目視することにより、肌の赤みを所定スケールで評価する手法であってもよい。また、被験者の肌が写る肌画像(顔画像や肌のみが写る肌画像であってもよい)が評価者により目視されてもよい。
赤み取得工程における他の具体的な取得手法については後述する。
ここで「血圧検査又は血液検査で得られる情報」は、各検査で直接的に得られる血圧値又は血液検査値(空腹時血糖値、赤血球数など)であってもよいし、又は各検査の結果を示す情報(良好、異常など)であってもよい。
また「健康情報」には、そのような情報以外の血液や健康に関連する情報を含んでいてもよい。「健康情報」は、血圧検査又は血液検査で得られる情報に関連する血液関連情報であってもよい。
「赤みサンプルデータ」は、母集団を形成する各人から予め取得された、肌の赤みに関連するデータである。「赤みサンプルデータ」は、健康情報の推定精度を高めるためには、赤み取得工程で取得される赤み情報と同種の情報のデータであることが好ましい。例えば、赤み取得工程で取得される赤み情報が被験者の肌を目視評価することで得られる赤みの強度情報である場合、「赤みサンプルデータ」は、母集団を形成する各人の肌が同様に目視評価されることで得られた赤みの強度情報のデータであることが好ましい。但し、「赤みサンプルデータ」は、赤み取得工程で取得される赤み情報とは他種の、その赤み情報と相関のある情報のデータであってもよい。例えば、赤み取得工程で取得される赤み情報が被験者の肌を目視評価することで得られる赤みの強度情報である場合、「赤みサンプルデータ」は、母集団を形成する各人の肌画像を画像処理することで得られる赤み濃度情報であってもよい。
両サンプルデータの取得元である母集団は、特に制限されない。その母集団は、男性のみ又は女性のみで形成されていてもよいし、特定の年齢層のみで形成されていてもよいし、特定の体格を持つ人のみで形成されていてもよい。
また、本発明の実施形態としては、上述の肌分析方法を実行する肌分析装置、又は上述の肌分析方法を少なくとも一つのコンピュータに実行させる肌分析プログラムが実現され得る。
以下、各実施形態についてより詳細にそれぞれ説明する。
〔肌分析方法〕
図1は、第一実施形態の肌分析方法を示すフローチャートである。
第一実施形態の肌分析方法は、工程(S11)と工程(S12)とを含む。
被験者の肌画像は、被験者の肌が写る画像であればよく、全顔画像のように肌の或る程度広い範囲が写る画像であってもよいし、頬の一部といった肌の局部が写る画像であってもよい。
赤色の濃さ指標の指標値は、赤色の濃さの程度を示す値であり、以降、赤み濃度値と表記される場合もある。赤み濃度値は、濃いか薄いかを2値で示してもよいし、3段階以上の濃さスケールを3値以上で示してもよい。また、赤み濃度値は、赤色の平均的な濃さの程度を示すものであってもよいし、対象範囲の中で最も濃い部分の濃さの程度を示すものであってもよい。
赤色のムラ指標の指標値は、赤色のムラの程度を示す値であり、以降、赤みムラ値と表記される場合もある。赤色のムラとは、赤色の部分的な濃淡を意味する。赤みムラ値は、ムラが多いか少ないかを2値で示してもよいし、3段階以上のムラスケールを3値以上で示してもよい。例えば、赤みムラ値は、人が目視し得る赤色の部分的な濃淡の分散度合を示すことができる。
即ち、本方法は、工程(S11)において、赤み濃度値、赤みムラ値、又は赤み濃度値及び赤みムラ値を赤み情報として取得する。以下、工程(S11)における各指標値の取得手法を例示する。
図2は、ヘモグロビン成分画像の目視による赤み濃度値及び赤みムラ値の評価手法(第一の手法)を概念的に示す図である。図2の例では、被験者の全顔のカラー画像に対して独立成分分析を適用することによりヘモグロビン成分画像が抽出される。この抽出手法には、上述の特許文献1に開示される手法など公知の手法を利用できる。一方で、肌の赤みの濃度及びムラ度合が異なる複数人から同様の手法でヘモグロビン成分画像を予め抽出し、ヘモグロビン成分の濃度とムラとの2軸でフォトスケール(図2下部に例示)を作成しておく。このフォトスケールを用いて、専門評価者に被験者のヘモグロビン成分画像の赤み濃度と赤みムラとを評価させることにより、被験者の赤み濃度値及び赤みムラ値が取得される。
赤み濃度値=log(255/平均輝度値)
画像ピラミッド法には、ガウシアンピラミッド、ラプラシアンピラミッド、スティーラブルピラミッド等、様々な種類が存在し、赤みムラの分布特性などに応じて適切な手法が選択されればよい。また、空間周波数帯域は、撮影倍率等に応じて適宜定めることができる。画像ピラミッド法の詳細については上記非特許文献2に記載されている。
図3は、被験者の肌画像に対する画像解析による赤み濃度値及び赤みムラ値の算出手法(第三の手法)を概念的に示す図である。図3に例示される手法は、被験者の全顔のSP偏光画像から検査領域を切り出し、この検査領域に対して独立成分分析を適用することにより当該検査領域のヘモグロビン成分画像を抽出する。このヘモグロビン成分画像をグレースケール化した後、画像ピラミッド法により空間周波数帯域の異なる5層の画像L1からL5に分解し、分解された画像における必要な画像の輝度の標準偏差又は平均輝度値を算出する。一方で、肌の赤みの濃度及びムラ度合が異なる複数人のヘモグロビン成分画像から同様の手法で5層の画像をそれぞれ抽出し、各画像の輝度の標準偏差及び平均輝度値を説明変数候補とし、各人の赤み濃度値又は赤みムラ値を目的変数とする回帰式を求めておく。各人の赤み濃度値及び赤みムラ値は、例えば、目視スコアで決められる。本実施形態では、赤み濃度値を目的変数とする重回帰式及び赤みムラ値を目的変数とする重回帰式が算出される。例えば、前者は、画像L5の平均輝度値及び輝度の標準偏差を目的変数とする重回帰式であり、後者は、画像L4及びL5の輝度の標準偏差を目的変数とする重回帰式である。各重回帰式に、所定の空間周波数帯域の被験者の画像から上述のように得られた輝度の標準偏差又は平均輝度値を適用することにより、被験者の赤み濃度値及び赤みムラ値を算出する。
また、肌画像の特定された赤み主成分の次数の寄与率を赤み指標とすることもできる。
例えば、「画像」を用いない場合として、専門評価者が被験者の肌を直接目視することにより、濃さ又はムラを所定スケールで評価する手法であってもよい。また、この手法では、被験者の肌が写る肌画像(顔画像や肌のみが写る局部肌画像であってもよい)が専門評価者により目視されてもよい。この手法では、専門評価者により決められた目視スコアが赤み濃度値又は赤みムラ値とされる。
ここで「血圧値」とは、血圧検査で測定される血圧を示す値であり、収縮期血圧若しくは拡張期血圧、又はその両方を示す値である。
「血液検査値」とは、血液自体を検査する血液検査で得られる一種以上の検査項目の検査結果を示す値である。
本方法は、工程(S12)において、このように導出された回帰式に工程(S11)で取得された赤み濃度値及び赤みムラ値の少なくとも一方を適用することにより、血圧値及び血液検査値の少なくとも一方を推定することができる。
当該統計情報は、血圧値又は血液検査値の軸と赤み濃度値又は赤みムラ値の軸との2軸に、上述のように母集団から得られたサンプルデータに対する統計解析により得られる回帰直線を重畳したグラフであってもよい。また、血圧値又は血液検査値の軸と赤み濃度値の軸と赤みムラ値の軸との3軸に、当該統計解析により得られる回帰平面を重畳したグラフであってもよい。この場合、工程(S12)は、工程(S11)で得られた赤み濃度値及び赤みムラ値の少なくとも一方とそのグラフ上の回帰直線又は回帰平面とを比べることにより、被験者の血圧値及び血液検査値の少なくとも一方を推定することができる。
更に、肌画像の特定された赤み主成分の次数の寄与率からその対象者の血中成分を推定することもできる。この場合は、複数人の肌画像に対する主成分分析により複数の赤み主成分画像とその寄与率を予め導出しておき、その上で、あらかじめ測定しておいた血中成分値のうち特定の血中成分値と相関の高い赤み主成分の次数を特定しておく。評価対象者については、肌画像の特定された赤み主成分の次数の寄与率からその対象者の血中成分を推定することができる。
次に、第一実施形態の肌分析装置について図4及び図5を用いて説明する。
図4は、第一実施形態の肌分析装置10のハードウェア構成例を概念的に示す図である。
肌分析装置10は、いわゆるコンピュータであり、例えば、バスで相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、入出力インタフェース(I/F)13、通信ユニット14等を有する。肌分析装置10を形成する各ハードウェア要素の数はそれぞれ制限されず、これらハードウェア要素は情報処理回路と総称することもできる。また、肌分析装置10は、図4に図示されないハードウェア要素を含んでもよく、そのハードウェア構成は制限されない。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
入出力I/F13は、出力装置15、入力装置16等のユーザインタフェース装置と接続可能である。出力装置15は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのような、CPU11等により処理された描画データに対応する画面を表示する装置、印刷装置などの少なくとも一つである。入力装置16は、キーボード、マウス等のようなユーザ操作の入力を受け付ける装置である。出力装置15及び入力装置16は一体化され、タッチパネルとして実現されてもよい。
通信ユニット14は、他のコンピュータとの通信網を介した通信や、他の機器との信号のやりとり等を行う。通信ユニット14には、可搬型記録媒体等も接続され得る。また、通信ユニット14には、被験者の肌を撮影するカメラ(図示せず)が接続されてもよい。
また、肌分析装置10は、カメラを内蔵する機器であってもよい。
肌分析装置10は、赤み取得部21、推定部22、出力処理部23等を有する。これら処理モジュールは、ソフトウェア要素であり、例えば、メモリ12に格納されるプログラムがCPU11により実行されることにより実現される。このプログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから入出力I/F13又は通信ユニット14を介してインストールされ、メモリ12に格納されてもよい。
肌分析装置10は、赤み取得部21、推定部22及び出力処理部23の動作により上述の肌分析方法を実現する。換言すれば、肌分析装置10は、インストールされたプログラムを実行することにより上述の肌分析方法を実行することができる。
赤み取得部21は、被験者に関する赤み濃度値又は赤みムラ値を外部のコンピュータ、機器などから入出力I/F13又は通信ユニット14を介して取得することができる。
また、赤み取得部21は、被験者の肌画像又はその肌画像を処理することで得られた画像(ヘモグロビン成分画像、画像ピラミッド法で分解された画像など)を外部から取得し、取得された画像を工程(S11)における取得手法と同様に処理することにより、被験者に関する赤み濃度値又は赤みムラ値を算出することもできる。
推定部22は、母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液サンプルデータの統計情報を予め保持していてもよい。また、外部のコンピュータが保持するそれらの統計情報を通信により参照利用してもよい。
出力処理部23による出力形態は制限されない。例えば、出力処理部23は、当該健康情報を電子ファイルとして出力可能に保持してもよいし、その電子ファイルを通信ユニット14を介して他のコンピュータに送信してもよい。また、出力処理部23は、当該健康情報を入出力I/F13を介して出力装置15に表示又は印刷させてもよい。
従って、第一実施形態によれば、被験者の肌画像を撮像するだけで、血液検査や血圧検査を受けることもなく、被験者の血圧値及び血液検査値の少なくとも一方を容易に取得することができる。
第二実施形態は、被験者の体格指標情報(例えば、BMI(Body Mass Index))を更に用いることで、被験者の健康情報の推定精度を向上させる。以下、第二実施形態に係る肌分析方法及び肌分析装置について、第一実施形態と異なる内容を中心に説明する。以下の説明では、第一実施形態と同様の内容については適宜省略する。
図6は、第二実施形態の肌分析方法を示すフローチャートである。
図6に示されるように、第二実施形態の肌分析方法は、被験者の体格指標情報を取得する工程(S21)と、被験者の肌の赤み情報を取得する工程(S22)と、被験者の健康情報を推定する工程(S23)とを含む。但し、本方法において、工程(S21)と工程(S22)とは並列に実行されてもよいし、逆の順番で実行されてもよい。
ここで「体格指標情報」は、人の全体的な体つきを示し得る情報であり、例えば、体重、身長、BMI、体脂肪率、筋肉量などである。工程(S21)で取得される被験者の体格指標情報は、BMIのみ、体脂肪率のみなどといった一種の指標値であってもよいし、BMI及び体脂肪率といった複数種の指標値であってもよい。
工程(S21)は、被験者の体格指標を測定することを含んでもよいし、含まなくてもよい。本方法がコンピュータにより実行される場合、工程(S21)では、ユーザの入力操作に応じて当該体格指標情報を取得することができる。また、体格指標情報がBMIである場合、工程(S21)では、ユーザ操作で入力されたBMI値そのものを取得してもよいし、ユーザ操作で入力された身長データ及び体重データを取得し、それらに基づいて、BMI値を算出してもよい。
このように工程(S21)における体格指標情報の取得手法は制限されない。
工程(S23)において、本方法は、母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液サンプルデータの統計情報、工程(S21)で取得された体格指標情報、並びに工程(S22)で取得された被験者の赤み情報を用いて、被験者の健康情報を推定する。例えば、工程(S23)では、当該統計情報に加えて、工程(S22)で取得された被験者の赤み濃度値及び赤みムラ値の少なくとも一方、及び工程(S21)で取得された被験者のBMI値を用いて、被験者の血圧値及び血液検査値の少なくとも一方を推定する。
工程(S23)における体格指標情報の利用の仕方は様々である。
ここで「健康情報の異常可能性」は、平常状態ではない(健康ではない)可能性が高いか低いかを示してもよいし、平常状態とは異なる(健康ではない)可能性の程度(異常の可能性60%など)であってもよい。ここで、平常状態は、例えば、健診等で使用される標準値であってもよい。
実施例の項で説明しているとおり、本発明者らは、体格指標情報に関する体格指標範囲と赤み情報に関する赤み範囲との特定の組み合わせにおいて、血圧値又は血圧検査値が基準値範囲外(異常値)となる被験者の割合に一定の関係性があることを見出した。
そこで、本方法では、この一定の関係性に基づいて、複数の体格指標範囲及び複数の赤み範囲の中の特定の組み合わせの各々について、一種以上の指標に関する健康情報の異常可能性を示す情報が関連付けられたデータテーブルが予め生成される。工程(S23)では、このデータテーブルを参照することで、被験者の体格指標情報が属する体格指標範囲と、被験者の肌の赤み情報が属する赤み範囲とを選択し、この選択された組み合わせに関連付けられた一種以上の指標に関する健康情報の異常可能性を特定することができる。
即ち、本方法は、被験者の体格指標情報に基づいて、その被験者が肥満体格を含む特定体格群に属するか否かを判定する工程を更に含み、この判定結果に応じて、工程(S23)の推定を実行するかしないかを決める。具体的には、本方法は、被験者が当該特定体格群に属する場合に、工程(S23)を実行し、被験者が当該特定体格群に属さない場合には、工程(S23)を実行しない。体格指標情報としてBMIを用いる場合、例えば、特定体格群は、推定精度の観点から、25以上のBMI値範囲により特定されることが好ましく、25以上28以下のBMI値範囲により特定されることが更に好ましい。
このように特定体格群に属する被験者に絞ることにより、健康情報の推定精度を向上させることができ、本方法の信頼性を高く維持することができる。
この場合、特定体格群に属するか否かの判定工程は、図6の例では、工程(S22)の前に実行されることが好ましい。但し、この判定工程は、少なくとも工程(S23)の前に実行されればよい。
図7は、第二実施形態の肌分析装置10の処理構成例を概念的に示す図である。第二実施形態の肌分析装置10は、第一実施形態の構成に加えて、体格指標取得部25を更に有する。体格指標取得部25についても他の処理モジュールと同様に実現される。
体格指標取得部25は、入出力I/F13又は通信ユニット14に体格指標の測定器(体重計、体脂肪計など)が接続されている場合、その測定器から当該体格指標情報を取得することができる。また、体格指標取得部25は、可搬型記録媒体、他のコンピュータ等から通信ユニット4を経由して当該体格指標情報を取得することもできる。体格指標取得部25は、体格指標情報の入力画面に対する入力装置16を用いたユーザ操作に応じて入力された体格指標情報を取得してもよい。また、体格指標取得部25は、体重データ及び身長データを取得して、体格指標情報としてのBMI値を算出することもできる。
推定部22は、上述の工程(S23)を実行する。
推定部22は、複数の体格指標範囲及び複数の赤み範囲の中の特定の組み合わせの各々について一種以上の指標に関する健康情報の異常可能性を示す情報が関連付けられたデータテーブルを予め保持していてもよい。また、そのようなデータテーブルが他のコンピュータに格納されている場合には、推定部22は、当該他のコンピュータ上のそのデータテーブルを参照してもよい。
更に、推定部22は、上述のように、被験者が肥満体格を含む特定体格群に属するか否かを判定し、この判定結果で健康情報を推定するか否かを切り替えてもよい。
上述の第一及び第二実施形態に係る肌分析方法は、飲食品や生活習慣改善手法の効果提示方法、推奨方法などのように応用することができる。以下、他の実施形態としての飲食品又は生活習慣改善手法の効果提示方法及び推奨方法について上述の各実施形態と異なる内容を中心に説明する。以下の説明では、上述の各実施形態と同様の内容については適宜省略する。
図8は、飲食品又は生活習慣改善手法の効果提示方法を示すフローチャートである。
以降、効果を提示すべき対象となる飲食品を対象飲食品と表記し、同対象となる生活習慣改善手法を対象手法と表記する。対象飲食品は、食品、飲料などであり、その具体的な品種及び品名は限定されない。対象手法は、生活習慣を改善させるために被験者に提案される生活習慣メニューであり、例えば、一日の食事メニューや運動メニュー、食事時間や食事回数、運動時間などであり、その具体的な内容は限定されない。
本効果提示方法は、対象飲食品の摂取前後の被験者又は対象手法の実施前後の被験者に関して上述の肌分析方法を実施する工程(S31及びS32)、(S31)及び(S32)でそれぞれ推定された健康情報を比較する工程(S33)、(S33)での比較結果に基づく対象飲食品又は対象手法の効果情報を提示する工程(S34)を含む。
工程(S33)では、例えば、血圧値同士、血液検査値同士が比較される。血液検査値として複数種の検査項目の検査値が推定されている場合には、同一検査項目の検査値同士が比較される。
工程(S34)における効果情報の提示方法は限定されない。例えば、工程(S34)では、効果情報が表示装置に表示されてもよいし、印刷されてもよいし、音声で読み上げられてもよい。
これにより、被験者は、対象飲食品又は対象手法に関する自身への効果、言い換えれば、効果を得るために対象飲食品又は対象手法が自身に合うかどうかを容易に確認することができる。一方で、対象飲食品の製造元又は対象手法の提案者は、複数の被験者に関して本方法を適用することで、飲食品自体又は対象手法の総合的な効き目を容易に把握することができる。
図9は、飲食品又は生活習慣改善手法の効果提示方法を実現する肌分析装置10の処理構成例を概念的に示す図である。図9に示されるように、肌分析装置10は、上述の第一実施形態の構成に加えて、比較部27を更に備える。比較部27についても他の処理モジュールと同様に実現されればよい。また、図9に示される構成とは異なるが、肌分析装置10は、上述の第二実施形態の構成に加えて、図9と同様の比較部27を更に備えてもよい。
赤み取得部21は、対象飲食品の摂取前後の被験者に関して当該赤み情報をそれぞれ取得する。
推定部22は、対象飲食品の摂取前後の被験者又は対象手法の実施前後の被験者に関して健康情報をそれぞれ推定する。即ち、赤み取得部21及び推定部22は、工程(S31)及び工程(S32)を実行する。
比較部27は、推定部22により推定された当該対象飲食品の摂取前後又は対象手法の実施前後の各健康情報を比較する。即ち、比較部27は、工程(S33)を実行する。
出力処理部23は、比較部27による比較結果に基づく対象飲食品又は対象手法の効果情報を出力する。即ち、出力処理部23は、工程(S34)を実行する。
図10は、飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法を示すフローチャートである。
飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法は、被験者に関して上述の肌分析方法を実施する工程(S41)、工程(S41)で推定された健康情報に基づいて、特定の飲食品又は特定の生活習慣改善手法を選択する工程(S42)、工程(S42)で選択された飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を提示する工程(S43)を含む。
工程(S41)で実施される肌分析方法は、上述の第一実施形態に係る方法であってもよいし、第二実施形態に係る方法であってもよい。
本方法は、工程(S42)において、被験者の健康情報において改善すべき指標を特定した上で、上述のリストを参照して、この特定された指標の血液状態を改善させ得る飲食品又は生活習慣改善手法を選択する。工程(S42)では、一つの飲食品又は生活習慣改善手法が選択されてもよいし、複数の飲食品又は生活習慣改善手法が選択されてもよい。また、被験者の健康情報が優良な血液状態を示す場合には、工程(S42)では飲食品又は生活習慣改善手法が選択されなくてもよい。
工程(S43)で提示される推奨情報は、工程(S42)で選択された飲食品又は生活習慣改善手法を特定可能な情報(名称、写真、改善メニュー内容など)を少なくとも含むものであればよい。その推奨情報は、そのような識別情報に加えて、原材料や摂取方法、効能などのその飲食品に関する詳細情報又は生活習慣改善手法の詳細情報を更に含んでもよい。
工程(S43)における推奨情報の提示方法は限定されない。例えば、工程(S43)では、推奨情報が表示装置に表示されてもよいし、印刷されてもよいし、音声で読み上げられてもよい。
図11は、飲食品又は生活習慣改善手法の推奨方法を実現する肌分析装置10の処理構成例を概念的に示す図である。図11に示されるように、肌分析装置10は、上述の第一実施形態の構成に加えて、選択部29を更に備える。選択部29についても他の処理モジュールと同様に実現されればよい。また、図11に示される構成とは異なるが、肌分析装置10は、上述の第二実施形態の構成に加えて、図11と同様の選択部29を更に備えてもよい。
赤み取得部21及び推定部22は、工程(S41)を実行する。
選択部29は、推定部22により推定された健康情報に基づいて、特定の飲食品又は特定の生活習慣改善手法を選択する。即ち、選択部29は、工程(S42)を実行する。
出力処理部23は、選択部29により選択された飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を出力する。即ち、出力処理部23は、工程(S43)を実行する。
以下、第三実施形態に係るメタボリックシンドローム推定方法について説明する。以下の説明では、上述した内容と同様の内容については適宜省略する。
「メタボリックシンドローム」とは、内臓脂肪が多い内臓肥満の人が、高血圧、高血糖、脂質代謝異常を併せ持つことで、動脈硬化性疾患をまねき易い病態を意味する。以降、この「メタボリックシンドローム」を「メタボ」と略称する。
現在では、生活習慣病を未然に防ぐためにメタボ健診が義務化されている。ウエスト周囲長が基準値を超え、かつ、収縮期血圧及び/又は拡張期血圧、空腹時血糖、HDLC及び/又は中性脂肪(TG)のうちの2つ以上が基準値を超えることが、メタボの診断条件とされている。
ところが、血圧、血糖及び血清脂質を測定するためには、血圧検査及び血液検査を行う必要があり、検査結果を得るのに或る程度の時間を要する。
そこで、第三実施形態により、血圧検査も血液検査もすることなく、メタボの可能性の程度を推定する技術を実現した。ここでの「メタボの可能性の程度を推定する」とは、医療行為とは異なるため、メタボの可能性の程度を評価する、又は、メタボの状態を推定若しくは評価すると言い換えることもできる。
図12に示されるように、本方法は、被験者の肌状態情報を取得する工程(S51)、被験者の体格指標情報を取得する工程(S52)、被験者のメタボの可能性の程度を推定する工程(S53)を有する。
工程(S51)では、専用の皮膚測定装置から測定結果としての肌状態情報(皮脂量、水分量、角層剥離量など)を取得することができる。他の手法として、カメラにより撮像された画像データから、肌の赤みの状態を示す情報(上述の赤み濃度値又は赤みムラ値など)、肌の黄色みの状態を示す情報などを取得することができる。
本方法がコンピュータにより実行される場合には、コンピュータが自動で肌状態情報を取得してもよいし、ユーザ操作により入力された肌状態情報を取得してもよい。
工程(S53)では、本方法は、工程(S52)で体格指標情報として取得された体格指標値が肥満を示す所定値域に属する場合に、その工程(S52)で取得された肌状態情報に基づいて被験者のメタボの可能性の程度を推定する。
ここで「メタボの可能性の程度」(メタボ可能性とも表記される)とは、メタボへの適合度合い又は適合の可能性の程度を意味する。
これにより、工程(S53)では、体格指標値が所定値域に属する場合における、特定の肌状態とメタボ可能性に関わる血圧値又は血液検査値との相関性に基づく統計情報を用いて、工程(S52)で取得された肌状態情報に基づいてメタボ可能性に関わる血圧値又は血液検査値が推定され、この推定された値を用いて、メタボの可能性の程度が決定される。
また、メタボ可能性に関わる血圧値又は血液検査値としては、収縮期血圧、拡張期血圧、空腹時血糖、HDLC(善玉コレステロール)、中性脂肪(TG)、腹囲、Non−HDLC、γ−GT(γ−GTP)、高感度CRPなどがある。このうち、収縮期血圧、拡張期血圧、空腹時血糖、HDLC、中性脂肪、及び腹囲は、メタボの診断条件で用いられるため、この診断条件に合致していれば可能性の程度を1に決定してもよい。この場合、メタボの進行により引き起こされ得る疾患の重さに応じて、メタボ診断条件に合致し、かつ、Non−HDLC、又はγ−GTが基準値を超える場合に、可能性の程度を2に決定し、高感度CRPが基準値を超える場合に、可能性の程度を最高値の3に決定してもよい。また、メタボの診断条件に合致した場合に可能性の程度を最高値に決定してもよく、この場合には、メタボの診断条件に含まれる血圧値又は血液検査値のうち基準値を超えるものの数に応じて、可能性の程度を2又は1に決定してもよい。
メタボの可能性の程度は、例えば、メタボに適合するかしないか、又は、メタボへの適合度合が2以上の段階で示されてもよい。
工程(S53)におけるメタボの可能性の程度の推定は、コンピュータにより自動的に実施されてもよいし、部分的に人により実施されてもよい。後者の場合、例えば、コンピュータが、肌状態情報に基づいて推定された血圧値又は血液検査値を基準値と並べて出力し、この出力に基づいて、人が、基準値を超える血圧値又は血液検査値の存在を確認し、最終的にメタボの可能性の程度を推定してもよい。
図13は、メタボ推定方法を実現する肌分析装置30の処理構成例を概念的に示す図である。図13に示されるように、肌分析装置30は、肌状態取得部31、体格指標取得部32、推定部33、出力処理部34等を有する。これら各処理モジュールは、上述の各実施形態の処理モジュールと同様に実現される。
また、肌状態取得部31は、上述の赤み取得部21と同様の処理により、被験者に関する赤み濃度値又は赤みムラ値を肌状態情報として算出することもできる。肌状態取得部31は、肌状態情報の入力画面に対する入力装置16を用いたユーザ操作に応じて入力された肌状態情報を取得してもよい。
推定部33は、肌状態取得部31により取得された肌状態情報及び体格指標取得部32により取得された体格指標情報を用いて、被験者のメタボの可能性の程度を推定する。即ち、推定部33は、上述の工程(S53)を実行する。推定部33は、体格指標値が所定値域に属する場合における、特定の肌状態とメタボ可能性に関わる血圧値又は血液検査値との相関性に基づく統計情報を予め保持していてもよいし、外部のコンピュータが保持するその統計情報を通信により参照利用してもよい。
出力処理部34は、推定部33により推定されたメタボの可能性の程度を出力する。出力処理部34による出力形態は制限されない。例えば、出力処理部34による出力形態は、上述の各実施形態における出力処理部23と同様である。
肌の赤みを示す情報としては、第一実施形態における第一の手法(図2参照)、第二及び第三の手法で得られる赤み濃度値又は赤みムラ値が用いられ、母集団の各人から赤み濃度値、BMI、血圧検査値、及び血液検査値が取得された。以下の説明では、このような血圧検査値及び血液検査値、並びにBMIを調査指標値と表記する場合もある。
図14、図15(a)、図15(b)、及び図15(c)は、上記調査結果を示している。
本調査では、次のような複数手法により複数タイプの肌の赤み情報が取得された。
「赤み評価法A」は、上述の第一の手法(図2参照)で取得された赤み濃度値である。
「赤み評価法B」は、上述の第一の手法(図2参照)で取得された赤みムラ値である。
「赤み評価法C」は、上述の第二の手法で取得された赤み濃度値である。
「赤み評価法D」は、上述の第三の手法(図3参照)で取得された赤み濃度値である。
「赤み評価法E」は、上述の第三の手法(図3参照)で取得された赤みムラ値である。
血圧検査値として収縮期血圧及び拡張期血圧が示されており、空腹時血糖、空腹時インスリン、HOMA−Rなど残りの指標値が血液検査値として示されている。
表中の数値は、各タイプの肌の赤み情報と各調査指標値との相関係数であり、5%有意水準及び10%有意水準の背景には、パターンが付されている。
図14に示されるように、当該赤み濃度値又は赤みムラ値は、血圧、糖代謝、脂質代謝、血液一般、尿酸等の生理指標と相関があり、特に、BMI、収縮期血圧、拡張期血圧、空腹時血糖、空腹時インスリン、HOMA−R、LDLC、HDLC、non−HDLC、TG、尿酸、白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値とは5%有意水準において相関があることが確認された。この相関性を用いることで、上述の実施形態で述べたように、被験者の肌の赤み濃度値又は赤みムラ値に基づいて、その被験者の血圧検査値又は血液検査値を推定することができる。
これら各図は、赤みムラ値(赤み評価法E)の高低と血圧検査値又は血液検査値の基準値範囲外者の割合との関係を示している。各図では、赤みムラ値の中央値で高グループと低グループとに区分けされている。
図示されるように、BMIの低いグループよりもBMIの高いグループのほうが、赤みムラ値の高低での血圧検査値又は血液検査値の基準値範囲外者の割合の差が大きくなっている。特に、25以上のBMIグループにおいて、血圧検査値又は血液検査値の基準値範囲外者の割合の差が、赤みムラ値の高低で顕著になっている。なお、18.5未満のBMIは低体重と定義され、18.5以上25.0未満のBMIは標準体重と定義され、25.0以上のBMIは肥満と定義される。
図15(a)、図15(b)及び図15(c)によれば、肥満体格を示すBMI値(25.0以上)を持つ被験者において、それよりも低いBMI値を持つ者に比べて、肌の赤み情報から血圧検査又は血液検査で得られる情報を高精度に推定可能であることが確認される。
この調査の結果が、図16、図17、図18、及び図19に示されている。
図17は、赤み濃度値(赤み評価法D)とBMI値との関係を示すグラフである。図17の母集団は、初期(0M)時の33名の被験者群である。この図では、BMI値25から28の範囲が破線で示されている。
本発明者らは、このようなグラフを観察することにより、BMI値が25から28の範囲の肌の赤み情報及び肌状態情報は、他の範囲と比べて、バラついていることを見付け出し、このバラつきがメタボ可能性に関わる血圧値又は血液検査値の異常から影響を受けているのではないかとの着想を得た。そして、BMI値が25から28の範囲の被験者に絞って、赤み濃度値と、メタボ可能性に関わる血圧値又は血液検査値との関係を調査した。この調査結果が図18及び図19に示される。
赤み濃度値が低い代表被験者群は、BMI値は標準範囲を超えているが、血圧検査値及び血液検査値は、non−HDLCを除き、ほとんど基準値内である。一方、赤み濃度値が高い代表被験者群は、BMI値が標準範囲を超え、更に、血圧検査値及び血液検査値の多くが基準値を超えており、メタボが進行した状態であった。
赤み濃度値が改善することに伴い、血圧検査値及び血液検査値のほとんどが改善していた。これらにより、上述の第三実施形態のように、赤み濃度値のような肌状態からメタボ可能性に関連する血圧検査値又は血液検査値を推定することができ、それに基づいて、メタボの可能性の程度を推定可能であることが確認された。
母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液サンプルデータの統計情報、及び前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて、前記被験者に関する、血圧検査又は血液検査で得られる情報を少なくとも含む健康情報を推定する推定工程と、
を含む肌分析方法。
<1>に記載の肌分析方法。
<3> 前記推定工程では、前記健康情報として、前記被験者の血圧値及び血液検査値の少なくとも一方を推定する、
<1>又は<2>に記載の肌分析方法。
<4> 前記被験者の体格指標情報を取得する体格取得工程、
を更に備え、
前記推定工程では、前記体格取得工程で取得された体格指標情報を更に用いて、前記被験者の前記健康情報を推定する、
<1>から<3>のいずれか一つに記載の肌分析方法
<5> 前記推定工程では、前記体格指標情報が属する体格指標範囲と前記赤み情報が属する赤み範囲との組み合わせに基づいて、一種以上の指標に関する健康情報の異常可能性を前記健康情報として推定する、
<4>に記載の肌分析方法。
<6> 前記取得された体格指標情報に基づいて、前記被験者が肥満体格を含む特定体格群に属するか否かを判定する工程、
を更に備え、
前記推定工程では、前記被験者が前記特定体格群に属する場合に、前記特定体格群の母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液サンプルデータの統計情報、及び前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて、前記被験者の前記健康情報を推定する、
<4>又は<5>に記載の肌分析方法。
<7> <1>から<6>のいずれか一つに記載の肌分析方法を含み、
対象飲食品の摂取前後又は対象生活習慣改善手法の実施前後の前記被験者に関して前記肌分析方法を実行することにより、前記推定工程により推定された当該対象飲食品の摂取前後又は当該生活習慣改善手法の実施前後の各健康情報を比較する比較工程と、
前記比較工程での比較結果に基づく前記対象飲食品又は前記対象生活習慣改善手法の効果情報を提示する提示工程と、
を更に含む飲食品又は生活習慣改善手法の効果を提示する方法。
<8> <1>から<6>のいずれか一つに記載の肌分析方法を含み、
前記推定工程で推定された健康情報に基づいて、特定の飲食品又は特定の生活習慣改善手法を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を提示する提示工程と、
を更に含む飲食品又は生活習慣改善手法を推奨する方法。
<9> 被験者の肌状態情報を取得する第一取得工程と、
前記被験者の体格指標情報を取得する第二取得工程と、
前記第二取得工程で体格指標情報として取得された体格指標値が肥満を示す所定値域に属する場合に、前記第一取得工程で取得された肌状態情報に基づいて、前記被験者のメタボリックシンドロームの可能性の程度を推定する推定工程と、
を含むメタボリックシンドローム推定方法。
<10> 前記肌状態情報は、肌の赤み情報であり、
前記体格指標値は、BMI値である、
<9>に記載の方法。
<11> 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得手段と、
母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液サンプルデータの統計情報、及び前記赤み取得手段により取得された赤み情報を用いて、前記被験者に関する、血圧検査又は血液検査で得られる情報を少なくとも含む健康情報を推定する推定手段と、
を備える肌分析装置。
<12> 前記赤み取得手段は、前記被験者の肌画像を処理することにより、赤色の濃さ指標及びムラ指標の少なくとも一方の指標値を前記赤み情報として取得する、
<11>に記載の肌分析装置。
<13> 前記推定手段は、前記健康情報として、前記被験者の血圧値及び血液検査値の少なくとも一方を推定する、
<11>又は<12>に記載の肌分析装置。
<14> 前記被験者の体格指標情報を取得する体格指標取得手段、
を更に備え、
前記推定手段は、前記体格指標取得手段により取得された体格指標情報を更に用いて、前記被験者の前記健康情報を推定する、
<11>から<13>のいずれか一つに記載の肌分析装置。
<15> 前記推定手段は、前記体格指標情報が属する体格指標範囲と前記赤み情報が属する赤み範囲との組み合わせに基づいて、一種以上の指標に関する健康情報の異常可能性を前記健康情報として推定する、
<14>に記載の肌分析装置。
<16> 前記推定手段は、前記体格指標取得手段により取得された体格指標情報に基づいて、前記被験者が肥満体格を含む特定体格群に属するか否かを判定し、前記被験者が前記特定体格群に属する場合に、前記特定体格群の母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液サンプルデータの統計情報、及び前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて、前記被験者の前記健康情報を推定する、
<14>又は<15>に記載の肌分析装置。
<17>
前記赤み取得手段は、対象飲食品の摂取前後又は対象生活習慣改善手法の実施前後の前記被験者に関して前記赤み情報をそれぞれ取得し、
前記推定手段は、対象飲食品の摂取前後又は対象生活習慣改善手法の実施前後の前記被験者に関して前記健康情報をそれぞれ推定し、
前記推定手段により推定された当該対象飲食品の摂取前後又は対象生活習慣改善手法の実施前後の各健康情報を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づく前記対象飲食品又は前記対象生活習慣改善手法の効果情報を出力する出力処理手段と、
を更に備える<11>に記載の肌分析装置。
<18> 前記推定手段により推定された健康情報に基づいて、特定の飲食品又は特定の生活習慣改善手法を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を出力する出力処理手段と、
を更に備える<11>又は<17>に記載の肌分析装置。
<19> 被験者の肌状態情報を取得する肌状態取得手段と、
前記被験者の体格指標情報を取得する体格指標取得手段と、
前記体格指標取得手段により体格指標情報として取得された体格指標値が肥満を示す所定値域に属する場合に、前記肌状態取得手段により取得された肌状態情報に基づいて、前記被験者のメタボリックシンドロームの可能性の程度を推定する推定手段と、
を備えるメタボリックシンドローム推定装置。
<20> 前記肌状態情報は、肌の赤み情報であり、
前記体格指標値は、BMI値である、
<19>に記載のメタボリックシンドローム推定装置。
11 CPU
12 メモリ
13 入出力I/F
14 通信ユニット
15 出力装置
16 入力装置
21 赤み取得部
22 推定部
23 出力処理部
25 体格指標取得部
27 比較部
29 選択部
31 肌状態取得部
32 体格指標取得部
33 推定部
34 出力処理部
Claims (13)
- 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得工程と、
母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液サンプルデータの統計情報、及び前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて、前記被験者に関する、血圧検査又は血液検査で得られる情報を少なくとも含む健康情報を推定する推定工程と、
を含む肌分析方法。 - 前記赤み取得工程では、前記被験者の肌画像を処理することにより、赤色の濃さ指標及びムラ指標の少なくとも一方の指標値を前記赤み情報として取得する、
請求項1に記載の肌分析方法。 - 前記推定工程では、前記健康情報として、前記被験者の血圧値及び血液検査値の少なくとも一方を推定する、
請求項1又は2に記載の肌分析方法。 - 前記被験者の体格指標情報を取得する体格取得工程、
を更に備え、
前記推定工程では、前記体格取得工程で取得された体格指標情報を更に用いて、前記被験者の前記健康情報を推定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の肌分析方法。 - 前記推定工程では、前記体格指標情報が属する体格指標範囲と前記赤み情報が属する赤み範囲との組み合わせに基づいて、一種以上の指標に関する健康情報の異常可能性を前記健康情報として推定する、
請求項4に記載の肌分析方法。 - 前記取得された体格指標情報に基づいて、前記被験者が肥満体格を含む特定体格群に属するか否かを判定する工程、
を更に備え、
前記推定工程では、前記被験者が前記特定体格群に属する場合に、前記特定体格群の母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液サンプルデータの統計情報、及び前記赤み取得工程で取得された赤み情報を用いて、前記被験者の前記健康情報を推定する、
請求項4又は5に記載の肌分析方法。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の肌分析方法を含み、
対象飲食品の摂取前後又は対象生活習慣改善手法の実施前後の前記被験者に関して前記肌分析方法を実行することにより、前記推定工程により推定された当該対象飲食品の摂取前後又は当該生活習慣改善手法の実施前後の各健康情報を比較する比較工程と、
前記比較工程での比較結果に基づく前記対象飲食品又は前記対象生活習慣改善手法の効果情報を提示する提示工程と、
を更に含む飲食品又は生活習慣改善手法の効果を提示する方法。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の肌分析方法を含み、
前記推定工程で推定された健康情報に基づいて、特定の飲食品又は特定の生活習慣改善手法を選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を提示する提示工程と、
を更に含む飲食品又は生活習慣改善手法を推奨する方法。 - 被験者の肌状態情報を取得する第一取得工程と、
前記被験者の体格指標情報を取得する第二取得工程と、
前記第二取得工程で体格指標情報として取得された体格指標値が肥満を示す所定値域に属する場合に、前記第一取得工程で取得された肌状態情報に基づいて、前記被験者のメタボリックシンドロームの可能性の程度を推定する推定工程と、
を含むメタボリックシンドローム推定方法。 - 前記肌状態情報は、肌の赤み情報であり、
前記体格指標値は、BMI値である、
請求項9に記載の方法。 - 被験者の肌の赤み情報を取得する赤み取得手段と、
母集団から予め取得された赤みサンプルデータ及び血液サンプルデータの統計情報、及び前記赤み取得手段により取得された赤み情報を用いて、前記被験者に関する、血圧検査又は血液検査で得られる情報を少なくとも含む健康情報を推定する推定手段と、
を備える肌分析装置。 - 前記赤み取得手段は、対象飲食品の摂取前後又は対象生活習慣改善手法の実施前後の前記被験者に関して前記赤み情報をそれぞれ取得し、
前記推定手段は、対象飲食品の摂取前後又は対象生活習慣改善手法の実施前後の前記被験者に関して前記健康情報をそれぞれ推定し、
前記推定手段により推定された当該対象飲食品の摂取前後又は対象生活習慣改善手法の実施前後の各健康情報を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づく前記対象飲食品又は前記対象生活習慣改善手法の効果情報を出力する出力処理手段と、
を更に備える請求項11に記載の肌分析装置。 - 前記推定手段により推定された健康情報に基づいて、特定の飲食品又は特定の生活習慣改善手法を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された飲食品又は生活習慣改善手法の推奨情報を出力する出力処理手段と、
を更に備える請求項11又は12に記載の肌分析装置。
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