以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
図1に示される電池パック1は、例えばローリフトトラックといったフォークリフト等の車両(外部装置)のバッテリーとして用いられる装置であり、所定のバッテリー収容部に収容される。電池パック1は、筐体2と、複数の電池モジュール3と、本体コネクタ4と、出力端子5と、ジャンクションボックス6と、を備えている。
筐体2は、例えば金属によって構成されており、バッテリー収容部の形状に応じた有底の箱型形状をなしている。本実施形態における「金属」は、金属元素単体のみを示すのではなく、炭素鋼又はステンレス鋼等の種々の合金を示してもよい。すなわち、筐体2は、例えば金属又は合金によって構成されてもよい。
電池モジュール3は、ブラケット等を介して筐体2の側板2aに固定されている。電池モジュール3は、複数の電池セルを配列した配列体と、電池セルの配列方向に配列体に拘束荷重を付加する拘束部材と、を含んで構成されている。電池セルは、例えばリチウムイオン電池等の二次電池である。配列体において隣り合う電池セルは、正極端子と負極端子とをバスバー部材等で接続することにより、電気的に直列に接続されている。複数の電池セルにおける直列接続の両端に位置する正極端子及び負極端子は、それぞれハーネスHを介してジャンクションボックス6に接続されている。
本体コネクタ4は、電池パック1の充電を行うためのコネクタ装置であり、例えば筐体2における前板2bの上部の外側に設けられている。本体コネクタ4は、例えばボルト及びナット等の締結部材を用いて筐体2に締結されており、ジャンクションボックス6を介して出力端子5及び電池モジュール3に電気的に接続されている。本体コネクタ4の詳細な構成については後述する。
出力端子5は、各電池モジュール3に蓄積されている電力を車両に出力する端子である。出力端子5は、車両内の装置に接続される正極端子5aと負極端子5bとを含む(図7を参照)。
ジャンクションボックス6は、電池パック1の充放電制御を行う装置であり、本体コネクタ4の位置に対応して前板2bの上部の内側に配置されている。ジャンクションボックス6の詳細、及びジャンクションボックス6の制御の詳細は、後段にて詳述する。
次に、図2〜図5を用いながら本体コネクタの具体的な構成について説明する。図2(a),(b)及び図3に示されるように、本体コネクタ4は、本体部11と、本体部11に装着される3つの接続部材21,31,41と、を備えている。本体部11は、主部12と基部13とを有する筐体であり、接続部材21,31,41を回転自在に支持する。主部12は、有底箱状の部材であり、基部13は、板状の部材である。基部13は、主部12における開口部を覆うように配置されている。主部12と基部13とは、ねじ等による締結部材又は接着等によって互いに固定され一体化されている。一体化された主部12及び基部13には、内空部Sが形成されている。本体部11は、絶縁性材料から形成された、例えば樹脂製の部材である。本体部11を構成する樹脂の例には、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、及びポリアミド(PA)等が含まれる。
ここで、主部12において最も基部13から離れた部分を本体部11の表面部11aとし、当該表面部11aに最も離れて対向している基部13の部分を本体部11の裏面部11bとする。表面部11a及び裏面部11bは、一方向に互いに対向している。表面部11aには、三つの貫通孔14a,15a,16aが形成され、裏面部11bには、三つの貫通孔14b,15b,16bが形成されている。貫通孔14a及び貫通孔14b、貫通孔15a及び貫通孔15b、並びに貫通孔16a及び貫通孔16bはそれぞれ対をなしており、表面部11a及び裏面部11bの対向方向に一直線上に配置されている。すなわち、本体部11には、一対の貫通孔14a,14b、一対の貫通孔15a,15b、及び一対の貫通孔16a,16bの合計三対の貫通孔が形成されている。
貫通孔14a,15a,16aは、互いに離間しており、表面部11aの異なる角部近傍にそれぞれ設けられている。貫通孔14b,15b,16bも、貫通孔14a,15a,16aと同様に互いに離間しており、裏面部11bの異なる角部近傍にそれぞれ設けられている。一対の貫通孔14a,14bには接続部材21が挿入され、一対の貫通孔15a,15bには接続部材31が挿入され、一対の貫通孔16a,16bには接続部材41が挿入されている。以下では、接続部材21,31,41が延在する方向を、単に「延在方向」(一方向)と称する。
主部12は、基部13が筐体2に装着される際に当該筐体2の外側に位置する部分であり、基部13から突出している。主部12には、表面部11aの中央領域から延在方向に沿って窪んでいる凹部17が設けられている。凹部17は、後述する充電器の充電コネクタC1(図8を参照)、及び後述するジャンパコネクタC2(図9を参照)に設けられる突起部(不図示)と嵌合する部分であり、延在方向から見たときに円形状を有している。凹部17と上記突起部とが嵌合することにより、本体コネクタ4と、充電コネクタC1又はジャンパコネクタC2との接続に際し、がたつき等が発生することを抑制できる。なお、凹部17の縁には、上記突起部と位置合わせをするための一対の窪み17a,17bが設けられている。
基部13は、延在方向から見たときに矩形状を有しており、その各角部は、延在方向に沿って見て主部12よりも外側に位置している。基部13の各角部には、対応する孔(不図示)が延在方向に沿って設けられている。これらの図示しない孔には、本体コネクタ4を筐体2に装着するためのボルトが挿入される。また、基部13は凸部19を有している。この凸部19は、円柱形状を有しており、基部13の中央領域において裏面部11bから延在方向に沿って突出している。また、基部13は、後段にて詳述するハーネス26を挿通する挿通孔が形成されている。
図3及び図4に示されるように、接続部材21は、外部接続部22と、外部接続部22に設けられる圧着端子23と、圧着端子23と異なる位置にて外部接続部22に設けられるブラケット(抜け防止部材)24と、ブラケット24に設けられる温度検知素子25と、温度検知素子25及びジャンクションボックス6を接続するハーネス26と、温度検知素子25をブラケット24に締結する締結部材27と、を備えている。
外部接続部22は、充電器等の外部装置に直接接触する外部端子22aと、外部端子22aに接続される配線22bと、を有している。外部端子22aは、貫通孔14a,14bに内挿されている筒状の雌端子である。外部端子22aの外周面は、貫通孔14a,14bを形成する面に接触している。外部端子22aが高い導電性及び伝熱性を備える観点から、外部端子22aは、例えば銅によって構成されていることが好ましい。また、外部端子22aの裏面部11b側の一部は、本体部11から露出している。
外部接続部22における配線22bは、外部端子22aとジャンクションボックス6とを電気的に接続させるための配線であり、裏面部11b側から本体部11の外側に延在している。配線22bの一端は、外部端子22aにおける裏面部11b側の端部内に挿入されている。外部端子22aにおいて配線22bが挿入されている端部がかしめられている。配線22bと他の装置等との短絡を防止するために、配線22bの少なくとも一部は絶縁性のチューブ22cによって被覆されている。高い導電性及び伝熱性を備える観点から、配線22bとして、例えば銅配線が用いられることが好ましい。
圧着端子23は、チューブ22cから露出した配線22bの他端に圧着されている端子である。圧着端子23は、例えばジャンクションボックス6の端子部等に取り付けられる。
ブラケット24は、表面部11aと裏面部11bとの間、すなわち本体部11の内空部Sにおいて外部接続部22の外周面から突出するように設けられ、外部接続部22が本体部11(貫通孔14a,14b)から抜け出ることを防止する部材である。外部端子22aの外周面には、周方向に延在する溝部22dが形成されており、ブラケット24は、溝部22dに嵌合されて固定されている。ブラケット24は、例えば金属製又は合金製の板から形成されている。図3〜図5に示されるように、ブラケット24は、外部端子22aに形成される溝部22dの周面に巻き付けられているクランプ部28と、外部接続部22と離間した状態でクランプ部28から連続して上記延在方向に延在するフランジ部29と、を有している。
ここで、図6を用いながら接続部材21の一部になる前のブラケット24について説明する。図6は、配線22bに巻きつけられる前の板状部材を示す平面図である。図6に示されるように、後にブラケット24となる板状部材51は、後にクランプ部28となる長方形状の第1部分52と、後にフランジ部29となるL字板状の第2部分53と、を有している。
第1部分52は、その長辺方向に沿って環状に丸められることによってクランプ部28を形成する。このとき、第1部分52において、第2部分53側の端部52aと、上記長辺方向において端部52aの反対側に位置する端部52bとが、互いに圧着されている。
第2部分53は、長方形状の主部54、及び主部54と第1部分52とをつなぐ接続部55を有している。主部54の長辺は、第1部分52の長辺と直交するように延在している。接続部55は、第1部分52の端部52aから主部54の第1部分52側の端部54aに向かって延在している。
主部54の端部54aには、孔56が設けられている。クランプ部28が形成される場合、第1部分52は、孔56に重ならないように丸められる。また、主部54の長辺方向において端部54aの反対側に位置する端部54bには、長方形状を有する板状の突出部57が設けられている。突出部57の一方の端部57aは固定端である一方で、突出部57の他方の端部57bは自由端になっている。このため、突出部57は、端部57aを基点として、しなることができる。
図5に戻って、クランプ部28は、上述したように溝部22dの周面を覆うように巻きつけられており、当該一部に接触する部分である。このクランプ部28は、外部接続部22の中心軸を軸とし、板状部材51の第1部分52(図6参照)を配線22bの一部に巻きつけることによって形成されている。なお、第1部分52においてクランプ部28を構成する部分は、溝部22dの周面に沿って環状に丸められると共に、標準状態で延びている。これにより、クランプ部28は、溝部22dの周面を圧迫するように、溝部22dに対して強固に巻きつけられる。したがって、溝部22dに対するクランプ部28の密着力が向上する。
フランジ部29は、温度検知素子25が設置される部分であり、ブラケット24を構成する板状部材51において溝部22dに巻き付けられない部分である。このため、フランジ部29は、板状部材51の第2部分53(図6参照)に相当し、L字形状を有している。上述したように、第1部分52の端部52bは孔56に重なっていないので、フランジ部29にて孔56が露出している。フランジ部29は、延在方向から見た場合に外部接続部22の外周面から突出している。フランジ部29は、本体部11の内空部Sにおいて外部接続部22の外周面から突出するように設けられているので、外周面に接する貫通孔14a,14bを通過することはできない。したがって、外部接続部22が本体部11から抜け出ることを防止することができる。このように、本実施形態のブラケット24は、温度検知素子25が設置される部材であると共に、外部接続部22が本体部11から抜け出ることを防止する部材でもある。
温度検知素子25は、ブラケット24を介して外部端子22aの温度を検知するための素子である。温度検知素子25は、フランジ部29の温度を検知する温度検知部25aと、温度検知部25aが取り付けられる端子部25bと、を有している。温度検知部25aとしては、例えばサーミスタが用いられる。端子部25bは、例えばブラケット24を構成する材料と同一の材料から構成されている。端子部25bには、ブラケット24の孔56に重なる開口部が設けられている。この開口部の径は、ブラケット24に設けられる孔56の径と略同一である。
ハーネス26は、温度検知部25aによる検知結果を当該ジャンクションボックス6に伝達する導線である。ハーネス26の一端は温度検知部25aに接続されており、ハーネス26の他端はジャンクションボックス6に接続されている。ハーネス26は、ブラケット24に設けられる突出部57によってフランジ部29に押さえ付けられている。これにより、ハーネス26の動きに伴う温度検知部25aの位置ずれを防止できる。
締結部材27は、ブラケット24に設けられる孔56、及び温度検知素子25の端子部25bの開口部に挿入されるボルト27aと、ボルト27aのねじ頭と端子部25bとの間に挟まれるワッシャー27bと、ボルト27aの先端に取り付けられるナット27cとを有している。ボルト27aがナット27cに締結されることによって、温度検知素子25がフランジ部29にねじ止めされる。これにより、温度検知素子25がフランジ部29上に良好に固定される。締結部材27の締結力を維持する観点から、締結部材27を構成する材料は、ブラケット24を構成する材料と同一であることが好ましい。
接続部材31は、接続部材21と同様の構成を有している。したがって、接続部材31は、外部端子32a及び配線32bを有する外部接続部32と、外部接続部32に設けられる圧着端子33と、圧着端子33と異なる位置にて外部接続部32に設けられるブラケット34と、ブラケット34に設けられる温度検知素子35と、温度検知素子35及びジャンクションボックス6を接続するハーネス36と、温度検知素子35をブラケット34に締結する締結部材37と、を備えている。配線32bの少なくとも一部は、絶縁性のチューブ32cによって被覆されている。
また、ブラケット34は、外部端子32aに形成される溝部32dの周面に巻き付けられているクランプ部38と、外部接続部32と離間した状態でクランプ部38から連続して上記延在方向に延在するフランジ部39と、を有している。フランジ部39は、延在方向から見た場合に外部接続部32の外周面から突出している。フランジ部39は、上述したように、本体部11の内空部Sにおいて外部接続部32の外周面から突出するように設けられているので、外周面に接する貫通孔15a,15bを通過することはできない。したがって、外部接続部32が本体部11から抜け出ることを防止することができる。このように、本実施形態のブラケット34は、温度検知素子35が設置される部材であると共に、外部接続部32が本体部11から抜け出ることを防止する部材でもある。
接続部材41は、接続部材21,31と異なり、温度検知素子、及びハーネスを備えていない。したがって、接続部材41は、外部端子42a及び配線42bを有する外部接続部42と、外部接続部42に設けられる圧着端子43と、圧着端子43と異なる位置にて外部接続部42に設けられるブラケット44と、を備えている。なお、接続部材41の配線42bの長さは、配線22b,42bよりも短くなっている。
また、ブラケット44は、外部端子42aに形成される溝部42dの周面に巻き付けられているクランプ部48と、外部接続部42と離間した状態でクランプ部48から連続して上記延在方向に延在するフランジ部49と、を有している。フランジ部49は、延在方向から見た場合に外部接続部42の外周面から突出している。フランジ部49は、上述したように、本体部11の内空部Sにおいて外部接続部42の外周面から突出するように設けられているので、外周面に接する貫通孔16a,16bを通過することはできない。したがって、外部接続部42が本体部11から抜け出ることを防止することができる。このように、本実施形態のブラケット44は、温度検知素子45が設置される部材であると共に、外部接続部42が本体部11から抜け出ることを防止する部材でもある。
次に、図7を用いながら、本体コネクタ4、出力端子5、及びジャンクションボックス6の接続態様について説明する。図7に示されるように、ジャンクションボックス6は、電池制御ECU(Electronic Control Unit)61、リレーR1及び配線L1〜L3等を収容する。電池制御ECU61は、電池パック1の制御を行う制御部である。電池制御ECU61は、本体コネクタ4に装着されているコネクタの種類に応じて、電池パック1の制御を行う。コネクタの種類に応じた制御の詳細は後述する。
配線L1は、各電池モジュール3の正極端子が接続されたバスバー(不図示)と、接続部材21の外部端子22aと、を電気的に接続している。配線L2は、各電池モジュール3の負極端子が接続されたバスバー(不図示)と外部端子32aとをリレーR1を介して電気的に接続している配線L21と、配線L21から分岐し、負極端子5bに接続される配線L22と、を含む。配線L3は、外部端子42aと正極端子5aとを電気的に接続している。なお、配線L1の少なくとも一部は、図2等に示される配線22bである。同様に、配線L2の少なくとも一部は配線32bであり、配線L3の少なくとも一部は配線42bである。
リレーR1は、各電池モジュール3と本体コネクタ4とを電気的に接続するオン状態(導通状態)、及び各電池モジュール3と本体コネクタ4とを電気的に切り離すオフ状態(遮断状態)を切り替え可能である。リレーR1は、例えば、メカニカルリレーであり、電池制御ECU61からの制御信号によって、オン状態及びオフ状態の切替え動作を行う。
また、電池制御ECU61は、ハーネス26を介して配線L1に設けられた温度検知素子25に接続されていると共に、ハーネス36を介して配線L2に設けられた温度検知素子35に接続されている。このため、電池制御ECU61は、温度検知素子25,35の検知結果に基づいて、例えばリレーR1のオン状態及びオフ状態の切替え動作の制御信号、又は電池モジュール3同士の通電停止動作の制御信号を出力する。
次に、図8及び図9を参照して、コネクタの種類に応じた電池制御ECU61の処理について詳細に説明する。図8では、本体コネクタ4及び充電コネクタC1の端子の延在方向に沿った断面が示されている。図8に示される充電器100は、電池パック1の各電池モジュール3を充電するための装置である。充電器100は、充電コネクタC1を備えている。充電コネクタC1は、本体コネクタ4に嵌合可能な形状を呈しており、2つの端子101,102を有している。端子101,102は、いずれも雄端子である。端子101は、電池パック1に電力を供給するための正極端子である。端子102は、電池パック1に電力を供給するための負極端子である。
充電コネクタC1が本体コネクタ4に装着されることによって、端子101,102は外部端子22a,32aにそれぞれ挿入されて電気的に接続される。なお、充電コネクタC1が本体コネクタ4に装着される場合、外部端子42aには何らの端子も挿入されていない。
続いて、充電コネクタC1の装着時の動作について説明する。電池制御ECU61は、本体コネクタ4にいずれのコネクタも装着されていない場合、リレーR1をオフ状態とするようにリレーR1に制御信号を出力している。電池制御ECU61は、充電コネクタC1が本体コネクタ4に装着されたことを検出すると、リレーR1をオン状態とするようにリレーR1に制御信号を出力する。これにより、電池パック1は、本体コネクタ4を介して充電可能な状態となる。
電池モジュール3の充電中、電池制御ECU61は、温度検知素子25,35によって検知される温度を監視する。温度検知素子25,35の少なくとも何れかによって検知される温度が所定の閾値(例えば100℃〜200℃の任意の温度)を超えていると判定された場合、電池制御ECU61は、電池モジュール3の充電が完了していなくてもリレーR1をオフ状態とするようにリレーR1に制御信号を直ちに出力する。あるいは、電池制御ECU61は、電池モジュール3同士の通電停止動作の制御信号を直ちに出力する。
また、充電コネクタC1が本体コネクタ4に装着されていることが認識された後、充電コネクタC1が本体コネクタ4から外されたことを検出した場合、電池制御ECU61は、リレーR1をオフ状態とするようにリレーR1に制御信号を出力する。
図9では、本体コネクタ4及びジャンパコネクタC2の端子の延在方向に沿った断面が示されている。図9に示されるジャンパコネクタC2は、正極端子5aと各電池モジュール3の正極端子とを電気的に接続し、車両に電力を出力可能とするためのコネクタである。ジャンパコネクタC2は、本体コネクタ4に嵌合可能な形状を呈し、2つの端子111,112を有している。端子111,112は、いずれも雄端子である。端子111及び端子112は、互いに電気的に短絡されており、各電池モジュール3の正極端子と正極端子5aとを電気的に接続するための端子である。
ジャンパコネクタC2が本体コネクタ4に装着されることによって、端子111,112は外部端子22a,42aにそれぞれ挿入されて電気的に接続される。なお、ジャンパコネクタC2が本体コネクタ4に装着される場合、外部端子32aには何らの端子も挿入されていない。
上述のように、電池制御ECU61は、本体コネクタ4にいずれのコネクタも装着されていない場合、リレーR1をオフ状態とするようにリレーR1に制御信号を出力している。そして、ジャンパコネクタC2が本体コネクタ4に装着されたことを検出すると、電池制御ECU61は、リレーR1を引き続きオフ状態とする制御信号を出力する。これにより、電池パック1は、車両に電力を良好に出力可能な状態となる。なお、リレーR1をオン状態としても、電池パック1は車両に電力を出力可能な状態となるが、リレーR1をオフ状態とすることによって、不必要な個所に供給されることをより確実に防止している。
電池モジュール3の放電中、電池制御ECU61は、温度検知素子25によって検知される温度を監視する。温度検知素子25によって検知される温度が所定の閾値(例えば100℃〜200℃の任意の温度)を超えていると判定された場合、電池制御ECU61は、電池モジュール3同士の通電停止動作の制御信号を直ちに出力する。
以上に説明した本実施形態の本体コネクタ4では、図3に示されるように、接続部材21におけるフランジ部29が、温度検知素子25が設置される部材と、外部接続部22が本体部11から抜け出ることを防止する部材と、を兼ねている。すなわち、本実施形態の本体コネクタ4では、本体部11を形成する表面部11aと裏面部11bとの間に配置されるブラケット24に温度検知素子25が配置されるので、温度検知素子25が配置されるブラケット24とは別に、抜け防止機能を有する部材を設ける場合とは異なり、外部接続部22の挿通方向において温度検知素子25の配置が妨げられることはない。また、ブラケット24は、本体部11を形成する表面部11aと裏面部11bとの間に配置されるので、裏面部11bの背面に配置される場合と比べ、外部接続部22の表面部11a側の先端に近い位置に配置される。したがって、当該ブラケット24に配置される温度検知素子25を、外部装置の接続端子が接続される外部接続部22の表面部11a側の先端に温度検知素子25を近接させて配置することが可能となる。
また、同様に、本実施形態の本体コネクタ4では、接続部材31におけるフランジ部39が、温度検知素子35が設置される部材と、外部接続部32が本体部11から抜け出ることを防止する部材と、を兼ねている。すなわち、本実施形態の本体コネクタ4では、本体部11を形成する表面部11aと裏面部11bとの間に配置されるブラケット34に温度検知素子35が配置されるので、温度検知素子35が配置されるブラケット34とは別に抜け防止機能を有する部材を設ける場合とは異なり、外部接続部32の挿通方向において温度検知素子35の配置が妨げられることはない。また、ブラケット34は、本体部11を形成する表面部11aと裏面部11bとの間に配置されるので、裏面部11bの背面に配置される場合と比べ、外部接続部32の表面部11a側の先端に近い位置に配置される。したがって、当該ブラケット34に配置される温度検知素子35を、外部装置の接続端子が接続される外部接続部32の表面部11a側の先端に温度検知素子35を近接させて配置することが可能となる。
本実施形態の本体コネクタ4では、外部接続部22の外周面には、周方向に延在する溝部22dが形成されており、ブラケット24は、溝部22dに嵌合された状態で固定されている。このため、ブラケット24を外部接続部22に、より強固に固定することができる。同様に、本実施形態の本体コネクタ4では、外部接続部32の外周面には、周方向に延在する溝部32dが形成されており、ブラケット34は、溝部32dに嵌合された状態で固定されている。このため、ブラケット34を外部接続部32に、より強固に固定することができる。
本実施形態の本体コネクタ4では、ブラケット24,34は金属材料から形成されているので、熱伝導性に優れ、上記外部接続部22,32の温度変化を適切に計測することができる。
本実施形態の本体コネクタ4では、本体部11は、絶縁性材料により形成されているので、電池パック1と外部装置との間の絶縁を確保することができる。また、本実施形態のように、ブラケット24,34が金属材料から形成されている場合であっても、外部接続部22,32と電池パック1内部との絶縁を確保することができる。
以上、一実施形態について詳細に説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されない。
上記実施形態では、温度検知素子25は、金属材料からなるブラケット24に固定されている例を挙げて説明したが、例えば、図10(a)及び図10(b)に示されるような形状を有する樹脂材料からなるブラケット124に固定されてもよい。ブラケット124は、延在方向から見たときに、接続部材21(又は接続部材21の溝部22d)の外周面に沿って延在する周縁部124aと、平坦な面を有する平坦部124bと、を有している。平坦部124bには、温度検知素子25が配置される。
上記変形例に係るブラケット124は、樹脂材料により形成されるので、図10(b)に示されるように、一部に平坦部124bが形成されるような特殊な形状であっても容易に形成することができる。また、温度検知素子25は平坦な面である平坦部124bに形成されるので、温度検知素子25をブラケット124に容易に固定することができる。また、温度検知素子35が固定されるブラケットについても、上述のブラケット124と同様の構成にすることができる。なお、接続部材41に設けられるブラケットは、少なくとも抜け止め防止の機能を有しておればよい。
また、上記変形例のようにブラケットが樹脂材料により形成される場合であっても、上記実施形態のブラケット24,34のように延在方向に延在するフランジ部が形成されてもよい。また、上記実施形態における接続部材21,31ごとに、上記実施形態に係るブラケットと、変形例に係るブラケットとが選択的に配置されてもよい。
また、上記実施形態及び変形例では、温度検知素子25は、締結部材27を介してフランジ部29に締結されているが、これに限られない。例えば、温度検知素子25は、はんだ等によってフランジ部29上に固定されてもよい。この場合、フランジ部29には孔56が設けられなくてもよい。
また、上記実施形態及び変形例において、ブラケット24を構成する材料は、配線22bからの熱伝導性の観点から、配線22bを構成する材料と同一材料であることが好ましい。この場合、外部端子22aを構成する材料と、配線22bを構成する材料とが、互いに同一であることがより好ましい。なお、ブラケット24を構成する材料と、温度検知素子25の端子部25bを構成する材料とは、互いに異なってもよい。例えば、ブラケット24を構成する材料は鉄系材料であり、端子部25bを構成する材料は銅であってもよい。
また、上記実施形態及び変形例では、抜け防止部材として、外部接続部32(42,52)の外周面に嵌る構成の部材(いわゆるブラケット)を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。抜け防止部材は、本体部11の表面部11aと裏面部11bとの間において外部接続部22(32)の外周面から突出するように設けられ、外部接続部22(32)が本体部11(言い換えれば、貫通孔14a,14b(15a,15b))から抜け出ることを防止すると共に温度検知素子25(35)が設置可能であればよく、その形状又は外部接続部22(32)への固定方法を問うものではない。例えば、外部接続部22(32)に両面テープ等で固定された四角柱又は円柱形状の部材である抜け防止部材に温度検知素子25(35)が固定される構成としてもよい。