JP2018099723A - ヒンジ部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動体に好適なヒンジ部材を安価且つ容易に製造し得る製造方法を提供する。
【解決手段】板状金属素材(10)の板面部を屈曲しつつ扱き、その一端部(10a)を薄肉化すると共に、他端部(10b)の所定箇所に増肉部(10c)を形成する第1の工程(M−b)と、板状金属素材を打ち抜き、少なくとも増肉部を含む他端部及び一端部を有する中間部材(10x)を形成する第2の工程(M−c)と、金型内に予め形成され、中間部材を圧縮したときに所定形状を構成するキャビティ内に中間部材の増肉部を配置し、板面部から増肉部側に素材流動させてキャビティ内に充填しつつ、残余素材を板面部側に逃し、前記所定形状の膨出部を他端部に形成する第3の工程(M−d)を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動体のヒンジ部材の製造方法に関し、特に、自動車用ドアヒンジに好適なヒンジ部材の製造方法に係る。
移動体のヒンジ部材として、自動車用ドアヒンジに供されるヒンジ部材については、板状金属素材を屈曲形成して成る「板金製ヒンジ部材」が一般的であるが、上級車種には高剛性の「型鋼製ヒンジ部材」が用いられている。「型鋼製ヒンジ部材」は押出し加工によって形成されたアングル素材を切断、切削して所望のヒンジ形状に形成されたものであるが、製造コストが高いので、小型、軽量化が企図され、熱間鍛造あるいは部分冷間鍛造によって形成された「鍛造製ヒンジ部材」も存在するが、然程のコストダウン効果は得られない。このため、下記の特許文献1及び2においては、鍛造製であっても、板金製並のコストで製造する方法が提案されている。
即ち、下記の特許文献1には、「所定の厚さ、横幅及び高さの板状の鋼製の素材から圧造、パンチング等により自動車用ドアヒンジを製造する方法であって、前記素材の横幅方向の一端に、圧造により水平断面が円形状又は楕円形状に厚さ方向に膨出して高さ方向に膨出柱状となる膨出柱状部を形成する圧造工程と、前記膨出柱状部に軸心を貫通してヒンジ用ピンを挿入する軸孔を第一パンチ及び第一ダイスで形成する軸孔形成工程と、前記軸孔形成工程で形成された前記軸孔に対して、第二パンチ及び第二ダイスで前記第一パンチの加工終端側からパンチングを行う軸孔仕上工程とを有」する方法が開示されている(特許文献1の段落〔0007〕に記載)。また、下記の特許文献2には、「帯板状の取付部と、取付部から屈曲した帯板状の腕部と、腕部の端部にヒンジ用ピンを挿入する軸孔を有する円筒状の係合部とを備えた鋼製の自動車用ドアヒンジを熱間鍛造、パンチング等により製造する方法であって、鋼製の丸棒を熱間鍛造により帯板状の取付部と、取付部から屈曲した帯板状の腕部と、腕部の端部に水平断面が円形状又は楕円形状の柱状部とを形成する熱間鍛造工程と、前記熱間鍛造工程により形成された前記柱状部に軸心を貫通してヒンジ用ピンを挿入する軸孔を第一パンチ及び第一ダイスで形成する軸孔形成工程と、前記軸孔形成工程で形成された前記軸孔に対して、第二パンチ及び第二ダイスで前記第一パンチの加工終端側からパンチングを行う軸孔仕上工程とを有」する方法が開示されている(特許文献2の段落〔0007〕に記載)。
一方、下記の特許文献3には、「板状の素材から、軸方向に突出するボス部と、外周縁の形状が周方向の部分によって異なるフランジ部とを有する外周縁異形フランジ部材を成形する方法であって、前記板状の素材を軸方向に突出させるよう曲げ成形してボス部となる部分を有する粗形材を成形し、該粗形材のフランジ部となる板状の部分の側面を加圧することなく拘束した状態で、ボス部となる部分の端部を軸方向に押圧することにより、材料をフランジ部となる板状の部分の径方向外方に送り出し移動させて、所定形状を有するダイスの内周面にその外周端面を当接させてフランジ部の外周縁を周方向の部分によって異なる形状に成形する」方法が提案されている(特許文献3の段落〔0008〕に記載)。更に、下記の特許文献4には、「一定厚さおよび一定高さの断面矩形状である平角長尺材を形成する引き抜き工程または押し出し工程あるいは圧延工程と、前記平角長尺材を一定幅に切断して平角短尺材を形成する切断工程と、前記平角短尺材を、前記一定厚さおよび前記一定幅のキャビティを具備するダイス内に配置して、端面が幅方向の略中央部においてなめらかに突出している一方のパンチと、端面が幅方向の略中央部においてなめらかに陥入している他方のパンチとによって曲げて挟圧する鍛造工程と、を有し、前記一方のパンチの突出量が前記他方のパンチの陥入量よりも小さいことにより、略中央部の高さが前記一定高さよりも増加した、前記一定厚さで前記一定幅を有するパーキングポールブランクを製造する」の方法が提案されている(特許文献4の段落〔0007〕に記載)。
特許第4625974号公報 特許第4792536号公報 特許第4147385号公報 特開2011−183449号公報
上記特許文献1に開示された方法においては、鍛造は膨出部の形成時のみに用いられるので、ヒンジ部材全体としての強度が向上するものではなく、一般的な曲げによる板金製のヒンジ部材と同等である。また、パンチによる開孔を行うため、別途、専用プレス設備が必要であり、パンチの消耗も大で、所期のコストダウンは望めない。一方、上記特許文献2に開示された方法においては、加工や形状の自由度は高いが、金属素材全体に対する熱間鍛造が行われるので、全工程を通じ大きな加工エネルギーが必要となるだけでなく、熱間鍛造特有のバリが多く発生するので、除去作業に時間及びコストが必要となる。更に、上記特許文献1と同様、パンチによる開孔を行うため、別途、専用プレス設備が必要であり、パンチの消耗も大で、所期のコストダウンは望めない。
一方、上記特許文献3及び4に記載の方法によれば、冷間鍛造による効果が期待できるが、大きな押圧力が必要となるので、プレス設備が大型となり、金型の摩耗も大となり、寿命が短く、コストアップ要因となる。特に、特許文献4では「密閉鍛造」と記載されているように、密閉空間内の素材に対し大きな押圧力を付与する必要があるので、プレス設備及び金型が大型となる。
そこで、本発明は、移動体に好適なヒンジ部材を安価且つ容易に製造し得るヒンジ部材の製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するため、本発明は、移動体のヒンジ部材を構成する板状金属素材の板面部を屈曲しつつ扱き、当該板状金属素材の一端部を薄肉化すると共に、該一端部に対し所定角度を成す当該板状金属素材の他端部の所定箇所に増肉部を形成する第1の工程と、前記板状金属素材を打ち抜き、少なくとも前記増肉部を含む前記他端部及び前記一端部を有する中間部材を形成する第2の工程と、金型内に予め形成され、前記中間部材を圧縮したときに所定形状を構成するキャビティ内に前記中間部材の前記増肉部を配置し、前記板面部から前記増肉部側に素材流動させて前記キャビティ内に充填しつつ、残余素材を前記板面部側に逃し、前記所定形状の膨出部を前記他端部に形成する第3の工程とを含むヒンジ部材の製造方法を提供するものである。尚、上記の板面部は本体部あるいは一般部ということもできる。
上記ヒンジ部材の製造方法の前記第1の工程において、前記板状金属素材の他端部に対し、前記所定箇所の周縁部を圧印し、該周縁部から前記所定箇所側に素材流動させて前記増肉部を形成するとよい。
前記第3の工程において、前記板状金属素材に対し前記金型を押圧しながら摺動する際に前記板状金属素材に付与される圧縮力及び摩擦力によって前記素材流動を生じさせるとよい。また、前記第3の工程において、所定の溝が形成された金型を前記板状金属素材に当接するように配置し、前記溝内への前記素材流動によって、前記板面部に前記溝に対応する形状のリブを形成することとしてもよい。
更に、前記第1乃至第3の工程に加え、前記ヒンジ部材の製品形状以外の部分を除去する第4の工程と、前記膨出部を穿孔する第5の工程とを含むものとするとよい。
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明は、移動体のヒンジ部材を構成する板状金属素材の板面部を屈曲しつつ扱き、当該板状金属素材の一端部を薄肉化すると共に、該一端部に対し所定角度を成す当該板状金属素材の他端部の所定箇所に増肉部を形成する第1の工程と、板状金属素材を打ち抜き、少なくとも増肉部を含む他端部及び一端部を有する中間部材を形成する第2の工程と、金型内に予め形成され、中間部材を圧縮したときに所定形状を構成するキャビティ内に中間部材の増肉部を配置し、板面部から増肉部側に素材流動させてキャビティ内に充填しつつ、残余素材を板面部側に逃し、前記所定形状の膨出部を他端部に形成する第3の工程とを含むヒンジ部材の製造方法であり、中間部材の増肉部がキャビティ内に配置され、中間部材の板面部から増肉部側に素材流動してキャビティ内に充填されるので、容易且つ適切に膨出部を形成できると共に、残余素材は板面部側に逃がされるので、特に大きな押圧力を必要とすることなく、最小限の金型及び加工エネルギーによって所望形状のヒンジ部材を容易に製造することができ、大幅なコストダウンが可能となる。
上記第1の工程において、板状金属素材の他端部に対し、所定箇所の周縁部を圧印し、該周縁部から所定箇所側に素材流動させて増肉部を形成することとすれば、大きな膨出部を有するヒンジ部材を容易に製造することができる。
上記第3の工程において、板状金属素材に対し金型を押圧しながら摺動する際に板状金属素材に付与される圧縮力及び摩擦力によって素材流動を生じさせることとすれば、ヒンジ部材の膨出部を容易に製造することができる。また、第3の工程において、所定の溝が形成された金型を板状金属素材に当接するように配置すれば、溝内への素材流動によって、板面部に溝に対応する形状のリブを、膨出部と同時に形成することができる。
更に、第1乃至第3の工程に加え、ヒンジ部材の製品形状以外の部分を除去する第4の工程と、膨出部を穿孔する第5の工程とを含むものとすれば、所望形状のヒンジ部材を容易且つ円滑に製造することができる。
本発明の一実施形態に係るメールヒンジ部材の製造方法を示す工程図である。 本発明の一実施形態に係る製造方法によって製造されたメールヒンジ部材及びフィメールヒンジ部材を含むヒンジアッシーを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る製造方法によって製造されたメールヒンジ部材及びフィメールヒンジ部材の結合状態を示す側面図である。 本発明の一実施形態におけるメールヒンジ部材の曲げ・扱き・圧印工程の加工前後の状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態におけるメールヒンジ部材の曲げ・扱き・圧印工程の加工前後の状態を示す一部断面斜視図である。 本発明の一実施形態におけるメールヒンジ部材の曲げ・扱き・圧印工程の加工後の状態を示す背面図である。 本発明の一実施形態におけるメールヒンジ部材のトリム工程の加工後の状態を示す平面図である。 本発明の一実施形態におけるメールヒンジ部材の増肉工程の加工経緯を示す断面図である。 本発明の一実施形態におけるメールヒンジ部材の増肉工程の加工前後の状態を示す一部断面斜視図である。 図2に示すヒンジアッシーを構成するフィメールヒンジ部材の製造方法を示す工程図である。 図2に示すフィメールヒンジ部材の増肉工程の加工前後の状態を示す断面図である。 図2に示すフィメールヒンジ部材の扱き工程の加工経緯を示す断面図である。 図2に示すフィメールヒンジ部材の扱き工程の加工経緯を示す一部断面斜視図である。 フィメールヒンジ部材の別の態様を示す側面図である。 フィメールヒンジ部材の別の態様を示す平面図である。
以下、本発明の望ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係るヒンジ部材の製造方法を示す工程図で、図2及び図3は本発明の一実施形態に係る製造方法によって製造された移動体のヒンジ部材として、自動車のドアヒンジアッセンブリ(以下、ドアヒンジアッシーと称する)に供されるヒンジ部材を示す。即ち、図2及び図3に示すように、メールヒンジ部材1とフィメールヒンジ部材2がヒンジピン3によって回転可能に軸支されてドアヒンジアッシーが構成され、メールヒンジ部材1は自動車本体側のボディ部材(図示せず)に取り付けられ、フィメールヒンジ部材2はドア(図示せず)に取付けられる。図2及び図3に示すフィメールヒンジ部材2はドアの下方側に取付けられるものであるが、ドアの上方側に取付けられるフィメールヒンジ部材については、図14及び図15を参照して後述する。尚、特にメールとフィメールを区別する必要がないとき、あるいは両者に共通するときは、単にヒンジ部材とする。
図2及び図3において、メールヒンジ部材1は、板状の取付部1aと、これと一体的に所定角度(例えば90°)を以って屈曲形成され、所定間隔で並設された一対の腕部1b、1bを有する。各腕部1bは、中間に膨出部1dを有すると共に、先端に係止用の突起部1sを有し、膨出部1dにヒンジ孔1hが穿設されている。一方、フィメールヒンジ部材2は、板状の取付部2aと、これと一体的に所定角度(例えば90°)を以って屈曲形成された単一の腕部2bを有し、先端に膨出部2dを有すると共に、腕部2bの両側面に係止部2s(図3に一方のみが表れている)を有し、膨出部2dにはヒンジ孔(図示せず)が穿設されている。この腕部2bはメールヒンジ部材1の一対の腕部1b、1bの間に嵌合され、ヒンジ孔1hにブッシュ(図示せず)を介してヒンジピン3が挿入されると、メールヒンジ部材1とフィメールヒンジ部材2が回転可能に結合される。そして、例えばフィメールヒンジ部材2に対しメールヒンジ部材1がヒンジピン3を中心に回転し、突起部1sが係止部2sに当接すると、それ以上の回転が阻止される。尚、取付部2aには取付孔2f、2fが穿設されており、取付部1aにも取付孔1f(他方の取付孔は図に表れていない)が穿設されている。
以下、上記のメールヒンジ部材1を板状金属素材の冷間鍛造によって製造する方法について、図1に示す工程図に従って概要を説明した後、図4乃至図9を参照しながら各工程について説明する。先ず、ブランキング工程(M−a)において、所定厚の板状金属素材(図示せず)をブランキングし、メールヒンジ部材1を構成する板状金属素材10(図1では一部を切断して示している)を得る。この板状金属素材として本実施形態ではSPH材(熱間圧延鋼板)を用いたが、本発明の製造方法に適用可能でドアヒンジアッシーとして機能し得る材質であれば、これに限るものではない。
次に、本発明の第1の工程たる曲げ・扱き・圧印工程(M−b)において、板状金属素材10の板面部10pを屈曲しつつ扱き、板状金属素材10の一端部である第1部分10aを薄肉化すると共に、この第1部分10aに対し所定角度(例えば90°)を成す他端部である第2部分10bの所定箇所に増肉部10cを形成する。具体的には、第2部分10bに対し、(増肉部10cが形成されるべき)所定箇所の周縁部を圧印し(即ち、所謂コイニングを行い)、その周縁部から所定箇所側に素材流動させて増肉部10cを形成する。尚、板面部10pは、板状金属素材10に対する増肉加工対象部分ではない部分(本体部あるいは一般部)を意味し、第1部分10a及び第2部分10bの当該部分についても、同様の趣旨で用いる。
続いて、本発明の第2の工程たるトリム工程(M−c)において、板状金属素材10を打ち抜き、少なくとも増肉部10cを含む第2部分10b及び第1部分10aを有する中間部材10xを形成する。そして、本発明の第3の工程たる増肉工程(M−d)において、金型(後述)内に予め形成され、板状金属素材10を圧縮したときに所定形状を構成するキャビティ(後述)内に中間部材10xの増肉部10cを配置し、板面部10pから増肉部10c側に素材流動させ、当該キャビティ内に充填しつつ、残余素材を板面部10p側に逃し、前記所定形状の膨出部10dを形成する。
更に、本発明の第4及び第5の工程たる成形・穿孔工程(M−e)において、メールヒンジ部材1としての製品形状以外の部分(バリ等)を除去すると共に、膨出部10d(1d)を例えばドリルによって穿孔し、ヒンジ孔1hを形成する。尚、第1部分10aの外形及び取付孔1fの形成については独立の工程を設定してもよいし、前述のトリム工程(M−c)において行うこととしてもよい。又、第4及び第5の工程の順序は逆に行うこととしてもよい。
上記のメールヒンジ部材1を製造するための曲げ・扱き・圧印工程(M−b)は、本実施形態では図4乃至図6に示すように行われる。尚、図4以降において(A)は加工前の状態を示すと共に、(B)は加工後の状態を示す。各図のハッチングは二分割された部分の対称面を表し、「F」は金型に付与される押圧力を表すが、その押圧対象及び方向は、加工対象に対する各金型の相対的な関係で決まるので、図示の「F」及び矢印は一例である。また、金型の構成も一例であり、各図に示された構成に限るものではなく、種々の態様が可能である。
先ず、図4の(A)に示すように、中央パンチCPが摺動可能に保持されたホルダH1とパンチP1との間に、板状金属素材10が保持された状態で、ダイD1が下降駆動されると共に、中央パンチCPが下降駆動される。このとき、ダイD1とパンチP1との間隙(t1)が板状金属素材10の板厚(t0)より小(t1<t0)となるように配置され、中央パンチCPは(増肉部10cが形成されるべき)所定箇所の周縁部(代表して10fで表す)を圧印するように配置される。また、ホルダH1には、増肉部10cを収容し得る空間(H1s)が形成されている。
而して、図4及び図5に示すように、板状金属素材10の板面部10pが屈曲されながら、第1部分10aに対し扱きが行われ、第1部分10aに付与される摩擦力によって素材流動が生じ、薄肉化されると共に、第2部分10bに対し(増肉部10cが形成されるべき)所定箇所の周縁部10fが圧印され(コイニングが行われ)、周縁部10fから所定箇所(増肉部10cが形成される箇所)側に素材流動し、図4の(B)及び図6に示すように、板面部10pの表面から突出して高さ(h)の増肉部10cが形成される。尚、図6に示す延出部10bxは、上記の圧印により第2部分10bの外縁部が素材流動して形成されたものであるが、後段のトリム工程(M−c)にて切除される(但し、図7では省略)。
次に、第2の工程たるトリム工程(M−c)において、板状金属素材10が図示しないパンチ等によって打ち抜かれ、図7に示すように、増肉部10cを含む一対の第2部分10b(腕部1bに対応)及び第1部分10a(取付部1aに対応)を有する中間部材10xが形成される。尚、上記のパンチP1、ダイD1及びホルダH1等は、図示は省略するが一般的なプレス装置に装着され、以下の各工程においても同様である。また、以下の各工程においては、工程毎に異なる符合(P2、D2等)を付しているが、各工程で共用し得るものもあり、各工程で適宜段取りが行われる。
そして、第3の工程たる増肉工程(M−d)においては、図8の(A)に示すように、パンチP2、ダイD2、ガイドG2、ホルダH2及びワークホルダW2によって本実施形態の金型が構成されている。本実施形態では、ガイドG2とホルダH2が夫々の所定位置で固定されており、ホルダH2は初期設定で位置決めされた状態を表している。先ず、パンチP2及びダイD2内に予め形成され、圧縮時に所定形状(膨出部10dの外形)を構成するキャビティ(図8にキャビティの壁面P2c及びD2cを示す)内に中間部材10xの増肉部10cが配置され、ワークホルダW2とダイD2に中間部材10xが保持された状態で、ワークホルダW2が下降駆動される。これにより、中間部材10x及びダイD2が一体となって下降駆動され、その下降過程で、第2部分10bの先端がホルダH2に当接すると、中間部材10xが屈曲し始め、ダイD2が下面(図8の(A)に一点鎖線で示す)に到達すると、図8及び図9の(B)に示す状態となる。
この状態で、パンチP2が下降駆動されると、第2部分10bの板面部10pから増肉部10c側に素材流動し、図8及び図9の(C)に示すように、キャビティ(P2c及びD2c)内に素材が充填されつつ、残余素材は板面部10p側に逃されるので、前記所定形状、即ち、図8及び図9の(C)に示す壁面P2c及びD2cで郭成されるキャビティと同形状の膨出部10dが形成される。この間、残余素材は板面部10p側(ひいては第1部分10a)に逃されるので、密閉空間に対する素材充填に要求される大きな圧力は必要ではなく、適切に膨出部10dを形成することができる。而して、図1の成形・穿孔工程(M−e)を経て、上記の第1部分10aがメールヒンジ部材1の取付部1aとなり、第2部分10bが腕部1bとなり、膨出部10dが膨出部1dとなる。
一方、フィメールヒンジ部材2については、図10に示すように、先ずブランキング工程(F−a)において、所定厚の板状金属素材(図示せず)をブランキングし、フィメールヒンジ部材2を構成する板状金属素材20を得る。次に、曲げ工程(F−b)において板状金属素材20の板面部20pを屈曲し、一端部である第2部分20aと、これに対し所定角度(例えば90°)を成す他端部である第2部分20bを形成する。そして、増肉工程(F−c)において、金型(後述)内に予め形成され、板状金属素材20を圧縮したときに所定形状を構成するキャビティ(後述)内に板状金属素材20の第2部分20b側を配置し、その板面部20pからキャビティ側に素材流動させ、キャビティ内に充填しつつ、残余素材を板面部20p側から外部に逃し、前記所定形状の膨出部20dを形成する。更に、扱き工程(F−d)において、板状金属素材20の第1部分20a側を扱いて薄肉化した後、成形・穿孔工程(F−e)において、フィメールヒンジ部材2としての製品形状以外の部分(バリ等)を除去すると共に、膨出部20d(2d)を例えばドリルによって穿孔してヒンジ孔2hを形成する。
上記の板状金属素材20に対する増肉工程(F−c)は、図11の(A)に示すように、本実施形態の金型を構成するパンチP3及びワークホルダW3内に予め形成され、圧縮時に所定形状を構成するキャビティ(図11にキャビティの壁面P3c及びW3cを示す)内に板状金属素材20の第2部分20b側が配置された状態で、カム3及びパンチP3が下降駆動され、カム3は二点鎖線で示す初期位置から下降する。これに伴い、ワークホルダW3がカム3に押圧されて二点鎖線で示す初期位置から水平方向(図11の右方)に移動し、そのワークホルダW3によって水平方向に押圧される第2部分20bに対し、下降するパンチP3によって扱きが行われる。尚、第1部分20aの端面を保持するホルダH3には逃し孔H3sが形成されている。
而して、第2部分20bの板面部20pからキャビティ側に素材流動し、図11の(B)に示すように、キャビティ(P3c及びW3c)内に素材が充填されつつ、残余素材は板面部20p側から逃し孔H3sを介して外部に逃されるので、キャビティ(P3c及びW3c)と同形状の膨出部20dが形成される。即ち、パンチP3が下降駆動され、板状金属素材20に対しパンチP3が押圧しながら摺動する際に、板状金属素材20に付与される圧縮力及び摩擦力によって素材流動が生じ、膨出部20dが形成される。また、第1部分20aから第2部分20bに至る曲面部分は、その曲面部分とパンチP3とダイD3との間の空間が素材流動によって充填され、図11の(B)に示す角部形状に成形される。このときの残余素材は板面部20p側からホルダH3の逃し孔H3sを介して外方に逃され延出部20eとなるので、メールヒンジ部材1の製造時と同様、密閉空間に対する素材充填に必要な大きな圧力でなくても、適切に膨出部20dを形成することができる。また、第2部分20bにはバリ20fも形成されるが、何れも後段の成形・穿孔工程(F−e)にて適切に除去される。
更に、図10に示す板状金属素材20に対する扱き工程(F−d)において、本実施形態では図12及び図13に示すように行われる。即ち、増肉工程(F−c)後の板状金属素材20は、その第1部分20a側がダイD4に当接するように、ダイD4、パンチP4、ホルダH4a及びH4bに保持された状態で、図12及び図13の(A)乃至(C)のようにダイD4が前進駆動され、ダイD4の傾斜面Dsが第1部分20a側を押圧しながら摺動し、これに付与される圧縮力及び摩擦力によって素材流動が生じ、第1部分20aが薄肉化される。また、ダイD4の前進移動に伴う素材流動によって、図12及び図13の(C)に示すように成形され、図3に示すフィメールヒンジ部材2特有の角部形状(図12及び図13に20jで示す)となる。尚、図13においては、図12のホルダH4bを省略して示している。而して、図10の成形・穿孔工程(F−e)を経て、上記の第1部分20aがフィメールヒンジ部材2の取付部2aとなり、第2部分20bが腕部2bとなり、膨出部20dが膨出部2dとなる。
上記のように、本実施形態のフィメールヒンジ部材2の製造時には、前述の曲げ・扱き・圧印工程(M−b)のように、増肉部(10c)を形成するための圧印(コイニング)を行う必要はないが、膨出部20d(2d)を更に大きくする必要がある場合には、フィメールヒンジ部材2の製造に際しても前述の曲げ・扱き・圧印工程(M−b)と同様の工程を設定すればよい。即ち、上記の増肉工程(F−c)に代えて前述の増肉工程(M−d)と同様の工程を設定すればよい。
図14及び図15は、ドア(図示せず)の上方側に取付けられるフィメールヒンジ部材2xを示すもので、前述のフィメールヒンジ部材2との相違点は、取付部2aの形状が平面視T字状であるのに対し、取付部2xaの形状がI字状であり、取付孔2f、2fは取付部2xaの長手方向に並設されている。更に、腕部2xbと取付部2xaの一部に一対のリブ2xrが平行に突出形成されている。
上記のフィメールヒンジ部材2xを製造する場合には、その金型を構成する前述のパンチP3及びワークホルダW3に、リブ2xrを画定する溝(図示せず)が形成され、それらが板状金属素材20に当接するように配置される。而して、当該溝内への素材流動によって、板面部(腕部2xbと取付部2xaの一部)に当該溝に対応する凸部形状のリブ2xrが形成される。その他はフィメールヒンジ部材2の製造方法と実質的に同じであり、図10乃至図13に示す工程はフィメールヒンジ部材2xに対しても同様に行われる。また、上記のリブ2xrに限らず、素材流動によって任意形状のリブを同時に形成できるので、従来のように切削加工(素材からの削り出し)によって当該リブを形成する必要はなくなるというメリットは勿論、当該リブによって向上する強度(断面係数)分だけ余肉を削減すること(それ以外の部分を薄く形成する等)が可能となり、ドアアッシーとして、更なる高強度及び軽量化の両立が達成可能となる。
前述の角部20jを必要としないフィメールヒンジ部材については、図14に二点鎖線で示すように滑らかな曲面部2xkとしてもよい。また、前述のメールヒンジ部材1及びフィメールヒンジ部材2にも上記のリブ2xrと同様にリブを形成することとしてもよい。尚、本発明によって製造されるヒンジ部材の用途は自動車用ドアに限らず、自動車における開閉可能な蓋部材の全てに適用可能であり、更には、航空機、船舶、建設機械等、ヒンジ部材に高強度と軽量化が要求されるあらゆる移動体の蓋部材に適用可能である。
1 メールヒンジ部材
2 フィメールヒンジ部材
3 ヒンジピン
1a、2a、2xa 取付部
1b、2b、2xb 腕部
1d、2d、2xd 膨出部
1f、2f、2xf 取付孔
1h、2h ヒンジ孔
2xr リブ
10、20 板状金属素材
10a、20a 第1部分(一端部)
10b、20b 第2部分(他端部)
10c、20c 増肉部
10d、20d 膨出部
10p、20p 板面部

Claims (5)

  1. 移動体のヒンジ部材を構成する板状金属素材の板面部を屈曲しつつ扱き、当該板状金属素材の一端部を薄肉化すると共に、該一端部に対し所定角度を成す当該板状金属素材の他端部の所定箇所に増肉部を形成する第1の工程と、
    前記板状金属素材を打ち抜き、少なくとも前記増肉部を含む前記他端部及び前記一端部を有する中間部材を形成する第2の工程と、
    金型内に予め形成され、前記中間部材を圧縮したときに所定形状を構成するキャビティ内に前記中間部材の前記増肉部を配置し、前記板面部から前記増肉部側に素材流動させて前記キャビティ内に充填しつつ、残余素材を前記板面部側に逃し、前記所定形状の膨出部を前記他端部に形成する第3の工程とを含む、
    ヒンジ部材の製造方法。
  2. 前記第1の工程において、前記板状金属素材の他端部に対し、前記所定箇所の周縁部を圧印し、該周縁部から前記所定箇所側に素材流動させて前記増肉部を形成する請求項1記載のヒンジ部材の製造方法。
  3. 前記第3の工程において、前記板状金属素材に対し前記金型を押圧しながら摺動する際に前記板状金属素材に付与される圧縮力及び摩擦力によって前記素材流動を生じさせる請求項1記載のヒンジ部材の製造方法。
  4. 前記第3の工程において、所定の溝が形成された金型を前記板状金属素材に当接するように配置し、前記溝内への前記素材流動によって、前記板面部に前記溝に対応する形状のリブを形成する請求項1記載のヒンジ部材の製造方法。
  5. 前記第1乃至第3の工程に加え、
    前記ヒンジ部材の製品形状以外の部分を除去する第4の工程と、
    前記膨出部を穿孔する第5の工程とを含む請求項1記載のヒンジ部材の製造方法。
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