JP2018098588A - 歪補償装置及び歪補償方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歪補償性能の劣化を抑制できる歪補償装置及び歪補償方法を提供する。
【解決手段】歪補償装置は、一つの態様において、送信信号の平均電力を信号ブロック単位で取得する取得部と、前記取得された平均電力を用いて、ステップ係数の値を算出する算出部と、前記送信信号を増幅するパワーアンプの歪みを補償する歪補償係数を前記算出されたステップ係数の値に応じた更新量で更新する更新部とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】歪補償装置は、一つの態様において、送信信号の平均電力を信号ブロック単位で取得する取得部と、前記取得された平均電力を用いて、ステップ係数の値を算出する算出部と、前記送信信号を増幅するパワーアンプの歪みを補償する歪補償係数を前記算出されたステップ係数の値に応じた更新量で更新する更新部とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、歪補償装置及び歪補償方法に関する。
無線通信の高速化に伴い、送信信号の広帯域化と高ダイナミックレンジ化が進んでいる。このような状況下で、信号品質の劣化を最小限に抑えるために、パワーアンプに高い線形性が要求されている。すなわち、線形性と電力変換効率とを両立させるために、電力変換効率の高い非線形領域でパワーアンプを動作させ、その際に発生する非線形歪を歪補償装置により補償することが行われている。歪補償装置で用いられる歪補償の一形態であるプリディストーション方式(以下、「PD方式」と言う。)は、パワーアンプの非線形歪の逆特性を予め送信信号に乗算することでパワーアンプの出力の線形性を高める技術である。
S. Haykin, Adaptive Filter Theory, Prentice−Hall, Englewood Cliffs, NJ, 1991.
しかしながら、歪補償装置で歪補償係数の更新に使用される係数(ステップ係数)の値が固定されていると、歪補償係数が大きく変動して収束しにくくなることがあり、歪補償性能が劣化する可能性がある。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、歪補償性能の劣化を抑制できる歪補償装置及び歪補償方法を提供することを目的とする。
本願の開示する歪補償装置は、一つの態様において、送信信号の平均電力を信号ブロック単位で取得する取得部と、前記取得された平均電力を用いて、ステップ係数の値を算出する算出部と、前記送信信号を増幅するパワーアンプの歪みを補償する歪補償係数を前記算出されたステップ係数の値に応じた更新量で更新する更新部とを有する。
本願の開示する無線装置の一つの態様によれば、歪補償性能の劣化を抑制できる。
以下に、本願の開示する歪補償装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により開示技術が限定されるものではない。また、実施例において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
実施例にかかる歪補償装置について説明する。基地局において、送信信号をパワーアンプで増幅する際に、パワーアンプの非線形性が時間的に変動し得る。歪補償装置は、パワーアンプの出力に応じた非定常データの歪み補償を行うDPD(デジタルプレディストーション)技術を採用しており、送信信号をパワーアンプで増幅する際におけるパワーアンプの非線形性を適応的に補償できる。
例えば、歪補償装置1は、図1に示すように、BB(ベースバンド)変調処理部100、RF(無線周波数)デジタル部60、RFアナログ部70、及びアンテナ80を有する。RFデジタル部60は、OS(オーバーサンプリング)処理部61、補償部50、フィードバック部40、及び更新部30を有する。RFアナログ部70は、DAC(DAコンバータ)71、ミキサ72、発振器73、PA(パワーアンプ)74、カプラ75、ミキサ76、発振器77、ADC(ADコンバータ)78を有する。図1は、歪補償装置1の基本構成を示す図である。
BB変調処理部100は、所望のデータに対してベースバンド変調を行い、BB(ベースバンド)データs(i)をRFデジタル部60へ出力する。なお、BBデータs(i)は、複素シンボルデータであり、離散時間タイミングでのシンボルデータである。iはサンプルタイミングを示す。
RFデジタル部60は、BB変調処理部100からBBデータs(i)を受け、RFアナログ部70からFB(フィードバック)データy(n)を受ける。RFデジタル部60は、FBデータy(n)に基づいて、BBデータs(i)に対する歪補償を行い歪補償データu(n)を生成しRFアナログ部70へ出力する。
例えば、OS処理部61は、FIRフィルタを有し、BB変調処理部100から出力されたBBデータs(i)に対して、FIRフィルタによる帯域制限および内挿補間処理によりオーバーサンプル処理を行う。OS処理部61は、補償部50への入力データx(n)を出力する。入力データx(n)は、複素シンボルデータであり、離散時間タイミングでのシンボルデータである。nは、iより小さい間隔でのサンプルタイミングを示す。
なお、送信信号の帯域は、BB変調処理部100からの出力データ(サンプル)の周波数成分、サンプリング間隔から決まるナイキスト周波数を最大とする帯域に制限され得る。一方でPA74の歪みは帯域幅を超えて生じ得る。よって、デジタル的に歪み補償を行うため、オーバーサンプル処理によりサンプリング間隔を小さくすることで、より広い帯域幅を表現できる。
補償部50は、OS処理部61によるオーバーサンプル処理を受けた入力データx(n)に対して、歪補償係数(LUT係数)を用いて歪補償処理を行う。歪補償係数は、送信信号を増幅するパワーアンプの歪みを補償するための係数であり、補償部50に設定されている。補償部50は、その結果を歪補償データu(n)としてDAC71及びフィードバック部40へ出力する。
RFアナログ部70は、デジタルベースバンド信号である歪補償データu(n)をRFデジタル部60から受ける。RFアナログ部70は、歪補償データu(n)をRF処理により、アンテナ80からエアに送信される電磁波信号へと変換する。
例えば、DAC71は、歪補償データu(n)(デジタル信号)を歪補償信号(アナログ信号)へDA変換し、歪補償信号をミキサ72へ供給する。ミキサ72は、歪補償信号(ベースバンド信号)に変調処理を施しRF信号を生成する。すなわち、ミキサ72は、歪補償信号に対して発振器73からの所定周波数のローカル信号を乗算させ、歪補償信号の周波数をベースバンド周波数からRF周波数へアップコンバートする。ミキサ72は、アップコンバート後の歪補償信号をPA74へ供給する。PA74は、歪補償信号に対して電力増幅処理を行い、増幅後の信号をアンテナ80へ出力する。
また、DPDのため、このPA74の出力信号の一部がフィードバック(FB)される。カプラ75は、PA74の出力側に電磁気的に結合され、PA74の出力信号の一部(PA74の出力に応じたフィードバック信号)を取り出しミキサ76へ供給することができる。ミキサ76は、フィードバック信号に復調処理を施しベースバンド信号を生成する。すなわち、ミキサ76は、フィードバック信号に対して発振器77からの所定周波数のローカル信号を乗算させ、フィードバック信号の周波数をRF周波数からベースバンド周波数へダウンコンバートする。ミキサ76は、ダウンコンバート後のフィードバック信号をADC78へ供給する。ADC78は、フィードバック信号(アナログ信号)をFBデータy(n)(デジタル信号)へAD変換し、FBデータy(n)をフィードバック部40及び更新部30へ供給する。
フィードバック部40は、歪補償データu(n)を補償部50から受け、FBデータy(n)をRFアナログ部70から受ける。フィードバック部40は、歪補償データu(n)とFBデータy(n)とに基づいて、誤差データe(n)を生成して更新部30へ供給する。
更新部30は、FBデータy(n)をRFアナログ部70から受け、誤差データe(n)をフィードバック部40から受ける。補償部50にアクセスし、FBデータy(n)と誤差データe(n)とに基づいて、補償部50に設定されている歪補償係数を更新する。
歪補償装置1では、歪補償係数を適応的に更新する。例えば、補償部50は、LUT(ルックアップテーブル)51、アドレス生成部52、及び歪み補償部53を有する。フィードバック部40は、歪み補償部41及び減算器42を有する。更新部30は、係数更新器31を有する。
LUT51は、アドレスと歪補償係数(LUT係数)とが対応付けられた情報を複数の歪補償係数(複数のLUT係数)について格納している。アドレス生成部52は、入力データx(n)の振幅に応じて、歪み補償部53にコピーされるべき歪補償係数に対応したLUT51のアドレスを生成する。LUT51は、アドレス生成部52で生成されたアドレスに対応する歪補償係数を、歪み補償部53にコピーするとともに、歪み補償部41へ供給する。歪み補償部53は、LUT51からコピーされた歪補償係数を入力データx(n)に乗算させて歪補償データu(n)を生成し、歪補償データu(n)をDAC71及び減算器42のそれぞれへ出力する。
一方、歪み補償部41は、LUT51から供給された歪補償係数をFBデータy(n)に乗算させてFB歪補償データv(n)を生成し、FB歪補償データv(n)を減算器42へ出力する。減算器42は、歪補償データu(n)とFB歪補償データv(n)との差分を計算し、その差分を誤差データe(n)として係数更新器31へ出力する。すなわち、誤差データe(n)は、歪み補償部53による歪み補償(DPD1)と歪み補償部41による歪み補償(DPD2)との間の誤差を示す。DPD1とDPD2とは、リアルタイムに並列に行われ得る。
係数更新器31は、誤差データe(n)に応じて、歪補償係数の更新値を演算する。例えば、係数更新器31は、誤差データe(n)の電力が最小となるように歪補償係数の更新値を演算する。係数更新器31は、所定のタイミングで、LUT51におけるアドレス生成部52で決定されたアドレスにアクセスし、そのアドレスに対応した歪補償係数の値を演算された更新値で更新する。これにより、LUT51における各歪補償係数が適応的に更新され得る。
次に、歪補償装置1におけるDPD処理について数式を用いて詳細に説明する。
PA(パワーアンプ)74は、高電力領域では飽和特性を持ち、この領域で動作させることは、信号に非線形歪みを生じることになる。高電力領域を利用することができれば、PA74を高効率で動作させて歪補償装置1の全体の動作電力を低減させることができ、大幅な電力削減効果を得ることができる。DPDは、この目的で、PA74の入力信号に対して歪み補償を行うことで、全体としてPA74の入出力が線形応答となるようにする処理である。
歪補償装置1では、PA74から出力された信号の一部をフィードバックすることで、逆特性モデルの係数を推定し、その結果を送信信号のDPDに用いられる歪補償係数に反映させて利用する適応的なDPDを用いる。このような方式のDPDは、IDL(インダイレクトラーニング)方式と呼ばれる。IDL方式では、PA74の出力に応じた信号をフィードバックすることで、逆特性モデルの係数を推定し(DPD2)、その結果を所定のタイミング毎に、コピーする。これにより、メインストリームにおける、送信信号の歪補償処理(DPD1)を行う。
本明細書では、具体的に記述するため、一貫してIDL方式を使用して説明している。ただし、DL(ダイレクトラーニング)法によっても同様の説明はほぼ成り立つ。
数学的な観点では、DPDの特性は、データの入出力応答を示す非線形関数としてモデル化される。対象とするPA74は、メモリ効果を持ち得る。すなわち、出力タイミング(n)に対して、このタイミングでの入力信号だけでなく、いくらか遅延したタイミングでの信号からの影響も受け得る。
PA74が出力タイミング(n)だけでなく遅延したタイミングでの信号からの影響も受け得る場合、DPDの歪補償効果を表現するためのモデルとして、ボルテラ級数モデルを利用することができる。ここでは、簡単のため、さらに、その級数項の限定版である、一般化メモリポリノミアルモデルを用いて説明する。ここで、実装上、非線形性の級数次数、および遅延量は有限数で打ち切られるものとすると、歪補償データu(n)は、次の数式1で表すことができる。
数式1において、Qは遅延信号の最大のタイミングを示し、Kは級数の最大次数を示す。
一般化メモリポリノミアルモデルをそのまま実装すると、入力データに対してのベキを演算しなければならないため処理量や回路規模が大きくなりやすい。これを避けるために、一般化メモリポリノミアルモデルを非線形関数化し、モデルに含まれる級数部分をLUTとして保持するものとする。すなわち、入力データx(n)に対する歪み補償部53の歪み補償(DPD1)で得られる歪補償データu(n)は、次の数式2で表すことができる。
これにより、級数に対してのベキ演算は消去されて、LUT係数Li,j(iは0以上Q以下の整数、jは0以上Q以下の整数)の和と、入力信号あたりに1回の積演算(線形フィルタリング相当)で実現できるようになる。
数式3において、LUT係数Li,jは、|y(n−i)|ではなく|x(n−i)|に依存して決定するものとする。
ただし、ひとたびLi,j(|x(n−i)|)によりLUTとして表現されると、元々それが右辺のベキ級数で表わされていたという情報に縛られない。Li,j(|x(n−i)|)は|x(n−i)|に対して依存する、何らかの非線形関数に対応するものと考えられる。
数式2や数式3のままでは、級数関数を一般的な非線形関数に置き換えただけの表現である。LUT方式では、文字通り、この非線形関数をLUTとして、バッファにより保持するものとする。バッファメモリの各アドレスは、連続信号である|x(n−i)|から離散的なインデックスへ対応づけることで定義され得る。
いくつかの方法が考えられるが、ここでは、一例として、振幅値に対して、予め推定される信号の範囲に対して、規定のバッファサイズに合わせて、等間隔の量子化を行う。
実際の振幅と対応するアドレスとを区別して明確化する場合には、ia=ia(|x(n−i)|)といったマッピング関数を用いる。ただし、誤解がない限りは|x(n−i)|それ自身が、対応するアドレスそのものを表現するものとする。つまり、LUTにおけるLi,j(|x(n−i)|)は、|x(n−i)|に対応するアドレスの要素を意味するものとする。
図1に示すLUT51は、歪み補償処理の初期化動作として、u(n)=x(n)となるようにLUT係数を設定する。従って、LUT51は、次の数式5、数式6に示すように、LUT係数の初期値を設定する。
L0,0(|x(n)|)=1・・・数式5
Li,j(|x(n)|)=0 i≠0あるいはj≠0のとき・・・数式6
L0,0(|x(n)|)=1・・・数式5
Li,j(|x(n)|)=0 i≠0あるいはj≠0のとき・・・数式6
LUT係数は、あるサンプルタイミングnにおいて、このタイミングでの入力データx(n),x(n−1),・・・,x(n−Q)の振幅|x(n)|,|x(n−1)|,・・・,|x(n−Q)|に依存する要素Li,j(|x(n−i)|),i,j=0,1,・・・,Qが更新される。
係数更新量ΔLi,jは、入力信号に対応するFBデータy(n),y(n−1),・・・,y(n−Q)および、誤差信号に依存して推定される。対象となる係数は、単純な累積和によって更新される。すなわち、係数更新器31は、i,j=0,1,・・・,Qのそれぞれに対して、次の数式7に示す計算を行い、LUT係数の更新値Li,j(|x(n−i)|)’を求める。
Li,j(|x(n−i)|)’
=Li,j(|x(n−i)|)+ΔLi,j・・・数式7
Li,j(|x(n−i)|)’
=Li,j(|x(n−i)|)+ΔLi,j・・・数式7
ここで、係数更新量ΔLi,jを生成するための方式として、LMS(Least Mean Square)方式とNLMS(Normalized Least Mean Square)方式とを検討する。LMS方式やNLMS方式は、統計的に定常的なデータに対して適用されることを前提として考案された方式である。これを、非定常データに適用することを試みる。ここでは、非定常データとして、少なくともその平均値(統計量の第1モーメント)が時間と共に変化するものを前提とする。例えば、データが規定の信号ブロックによりフォーマットされ、その信号ブロックの範囲内では統計的に定常的であり、一定の平均電力で特徴付けられるような場合を考える。
LMS方式では、i,j=0,1,・・・,Qのそれぞれに対して、次の数式8に示す計算により係数更新量ΔLi,jを生成する。
ΔLi,j=μ・e(n)・y(n−j)*・・・数式8
ΔLi,j=μ・e(n)・y(n−j)*・・・数式8
数式8において、μは、ステップ係数と呼ばれ、固定された値に設定され得る。μの値が固定されていると、歪補償係数が大きく変動して収束しにくくなる可能性がある。例えば、複数の信号ブロックにおいて、FBデータy(n−j)が大きく変化した場合、その複素共役値y(n−j)*の値も大きく変動する。これにより、数式8に示されるように、係数更新量ΔLi,jの値が大きく変動するので、それにより更新される歪補償係数が大きく変動して収束しにくくなる可能性がある。
また、NLMS方式では、i,j=0,1,・・・,Qのそれぞれに対して、次の数式9に示す計算により係数更新量ΔLi,jを生成する。NLMS方式では、LMS方式より歪補償係数を高速で収束させるために、信号ブロック毎に求めた入力データの電力(|x(n−k)|2)で正規化された係数更新量ΔLi,jを生成する。
数式9において、μは、ステップ係数と呼ばれ、固定された値に設定され得る。μの値が固定されていると、歪補償係数が大きく変動して収束しにくくなる可能性がある。例えば、複数の信号ブロックにおいて、入力データの電力(|x(n−k)|2)が大きく変化した場合、数式9に示されるように、係数更新量ΔLi,jの値が大きく変動する。このため、それにより更新される歪補償係数が大きく変動して収束しにくくなる可能性がある。
歪補償係数が大きく変動して収束しにくくなると、歪補償性能が劣化する可能性がある。例えば、入出力特性が非線形なままPA74が動作し続けると、信号送信の隣接チャネル漏えい電力比(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio)が劣化し得る。ACLRが劣化した場合、隣接するチャネルで行われる通信に与える影響が大きくなり、通信品質が劣化するおそれがある。
そこで、実施例では、歪補償装置1において、信号ブロック毎に求めた送信信号の平均電力を用いて係数更新量ΔLi,jが一定になるようにステップ係数μs(k)の値をスケーリングする。そして、そのステップ係数μs(k)から求めた係数更新量ΔLi,jで歪補償係数Li,jを更新することで、歪補償性能の劣化の抑制を図る。
具体的には、図1に示すように、RFデジタル部60は、取得部10及び算出部20をさらに有する。送信信号は、複数の信号ブロックを含むものとする。取得部10は、送信信号の平均電力を信号ブロック単位で取得し算出部20へ供給する。
算出部20は、送信信号の平均電力を用いて、ステップ係数μs(k)の値を算出する。算出部20は、複数の信号ブロックの間で係数更新量ΔLi,jが略均等になるようにステップ係数μs(k)の値をスケーリングして算出する。算出部20は、算出されたステップ係数μs(k)の値を更新部30へ供給する。
更新部30は、ステップ係数μs(k)の値に応じた係数更新量ΔLi,jを求める。更新部30は、求められた係数更新量ΔLi,jでLUT係数(歪補償係数)Li,jを更新する。更新部30は、複数の信号ブロックの境界に対応したタイミングにおいて、係数更新量ΔLi,jでLUT係数(歪補償係数)Li,jを更新する。
ここで、各信号ブロックは、平均電力が求められる信号の単位を示し、平均電力を求めることに適した単位であれば、送信信号における任意の大きさに設定可能である。
送信信号は、任意の通信仕様に従って構成され得るが、移動通信システムの標準化仕様であるLTEをベースとして構成される場合、図2に示す構成を有する。図2は、送信信号の構成を示す図である。送信信号のフォーマットとして、LTEのFDD(周波数分割輻輳)のDL信号を想定することができる。例えば、各処理単位が大きいものから順に次のように定義され得る。
1.フレーム:10ms単位。
2.サブフレーム:1ms単位⇒ 1フレーム=10サブフレーム。
3.スロット:0.5ms単位⇒ 1サブフレーム=2スロット。
4.OFDMシンボル(Cyclic Prefix(CP) を含む): 1スロット=7OFDMシンボル。
1.フレーム:10ms単位。
2.サブフレーム:1ms単位⇒ 1フレーム=10サブフレーム。
3.スロット:0.5ms単位⇒ 1サブフレーム=2スロット。
4.OFDMシンボル(Cyclic Prefix(CP) を含む): 1スロット=7OFDMシンボル。
このとき、平均電力が求められる信号の単位としての信号ブロックは、図2に示すフレームであってもよいし、サブフレームであってもよいし、スロットであってもよいし、OFDMシンボルであってもよい。以下では、主として、信号ブロックがOFDMシンボルである場合を想定した説明を例示的に行う。
取得部10は、平均シンボル電力取得部11を有する。算出部20は、ステップ係数算出部21を有する。平均シンボル電力取得部11は、送信信号の平均電力を信号ブロック単位(OFDMシンボル単位)で取得してステップ係数算出部21へ供給する。ステップ係数算出部21は、信号ブロック単位(OFDMシンボル単位)ごとに、平均電力に応じたステップ係数を算出する。
また、歪補償装置1は、図3に示すように、動作する。図3は、歪補償装置1の基本動作を示すフローチャートである。
歪補償装置1では、取得部10、補償部50、PA74による動作(S1〜S5)と算出部20、更新部30による動作(S11〜S14)とが互いに並行に行われ得る。補償部50は、歪み補償処理の初期化動作を行い、数式5、数式6に示すように、LUT係数の初期値を設定する(S1)。取得部10は、フレームが継続していれば(S2でYes)、送信信号の平均電力に応じた値を信号ブロック単位(OFDMシンボル単位)で取得して算出部20へ供給する(S3)。
算出部20は、フレームが継続していれば(S11でYes)、送信信号の平均電力に応じた値により、ステップ係数μs(k)の値を算出し(S12)、算出されたステップ係数μs(k)の値を更新部30へ供給する。
更新部30は、ステップ係数μs(k)の値に応じた係数更新量ΔLi,jを求める(S13)。更新部30は、LUT51にアクセスし、求められた係数更新量ΔLi,jでLUT係数(歪補償係数)Li,jを更新する(S14)。
補償部50は、更新されたLUT係数(歪補償係数)Li,jを用いて歪補償処理を行い(S4)、歪補償データu(n)を生成してDAC71及びミキサ72経由でPA74へ出力する。PA74は、歪補償データu(n)に応じた歪補償信号を電力増幅する(S5)。
S2〜S5のループは、送信信号のフレームが継続しなくなるまで(S2でYes)繰り返され、送信信号のフレームが継続しなくなると(S2でNo)、終了する。同様に、S11〜S14のループは、送信信号のフレームが継続しなくなるまで(S11でYes)繰り返され、送信信号のフレームが継続しなくなると(S11でNo)、終了する。
次に、係数更新量ΔLi,jを生成するための方式としてNLMS方式が採用されている場合についての歪補償装置1aのより具体的な構成例について図4を用いて説明する。図4は、歪補償装置1aの具体的構成を示す図である。図4に示す歪補償装置1aは、取得部10、算出部20(図1参照)の具体的な構成例として、演算部10a、算出部20aを有する。演算部10aは、平均シンボル電力演算部11aを有する。算出部20aは、NLMSステップ係数生成部21a、乗算器22a、及びスケーリング部23aを有する。
平均シンボル電力演算部11aは、BBデータs(i)をBB変調処理部100から受ける。平均シンボル電力演算部11aは、BBデータs(i)に対して、信号ブロック(OFDMシンボル)毎の平均電力を求める。BBデータs(i)の平均電力は、入力データx(n)の平均電力に対応している。例えば、平均シンボル電力演算部11aは、BBデータs(i)に対して、次の数式10に示すように、k番目のOFDMシンボルの先頭サンプルタイミングn(k)から規定のサンプル数Navに渡って電力の平均を求めることができる。先頭サンプルタイミングn(k)から規定のサンプル数Navに渡る期間は、OFDMシンボルの期間より短くてもよいし、OFDMシンボルの期間と均等であってもよい。
ただし、平均シンボル電力演算部11aは、FBデータy(n)としてバッファに保存されるデータに対応する、OFDMシンボルに対して電力の測定を行い、これをまた、バッファに保持しておくことができる。平均シンボル電力演算部11aは、求められた平均電力をスケーリング部23aへ供給する。
数式11において、Prefは参照基準電力である。すなわち、スケーリング部23aは、NLMS方式に応じて、参照基準電力Prefの値に対するk番目のOFDMシンボルの平均電力<|s|2>n(k)の相対値に応じたスケーリング値ms(k)を求める。参照基準電力Prefは、複数の信号ブロック(複数のOFDMシンボル)の間における平均電力の最大値とされ得る。例えば、数式11では、フレームにおける先頭のOFDMシンボルが最大電力であると仮定して、Prefが次の数式12で表されるものとする。
Pref=<|s|2>n(0)・・・数式12
Pref=<|s|2>n(0)・・・数式12
スケーリング部23aは、先頭以降のOFDMシンボルに対して、数式12で表される参照基準電力Prefを固定的に用いることができる。スケーリング部23aは、k番目のOFDMシンボルに対して、数式12で表される参照基準電力Prefを用いて数式11に示すスケーリング値ms(k)を求めることができる。
乗算器22aは、固定されたステップ係数(固定された係数値)〜μを受け、スケーリング値ms(k)をスケーリング部23aから受ける。乗算器22aは、次の数式13に示すように、固定されたステップ係数〜μにスケーリング値ms(k)を乗算してステップ係数μs(k)の値を求める。
すなわち、算出部20aは、複数の信号ブロックの間で係数更新量ΔLi,jが略均等になるようにスケーリング値ms(k)の値をスケーリングして算出する。乗算器22aは、算出されたスケーリング値ms(k)の値をNLMSステップ係数生成部21aへ供給する。NLMSステップ係数生成部21aは、ステップ係数μs(k)の値にアドレス生成部52で生成されたアドレスを対応付ける。NLMSステップ係数生成部21aは、アドレスが対応付けられたステップ係数μs(k)を更新部30の係数更新器31へ供給する。
数式14に示す計算では、ステップ係数μs(k)が可変になっている点が数式9に示す計算と異なる。係数更新器31は、i,j=0,1,・・・,Qのそれぞれに対して、数式7に示す計算を行い、LUT係数の更新値Li,j(|x(n−i)|)’を求める。
歪補償装置1aでは、固定のステップ係数〜μに対して、信号ブロック単位で、平均電力に依存するスケーリングを行いステップ係数μs(k)の値を変化させる。すなわち、図5に示すように、係数更新量ΔLi,jが略一定となるようにステップ係数μs(k)の値を変化させる。図5は、歪補償装置1aの具体的動作を示す波形図である。
算出部20aは、数式11に示すように、参照基準電力Prefの値に対するBBデータs(i)の平均電力|s|2の相対値に応じたスケーリング値ms(k)を求める。そして、算出部20aは、数式13に示すように、固定されたステップ係数〜μにスケーリング値ms(k)を乗算してステップ係数μs(k)の値を求める。
BB変調処理部100から出力されるBBデータs(i)の振幅|s(i)|が図5(a)に示すように変化した場合、スケーリング値ms(k)は、数式11に示すように、振幅|s(i)|が大きくなれば大きくなる。スケーリング値ms(k)は、数式11に示すように、振幅|s(i)|が小さくなれば小さくなる。このため、ステップ係数μs(k)の値は、数式13に示すように、振幅|s(i)|が大きくなれば大きくなり、振幅|s(i)|が小さくなれば小さくなり、図5(b)に示すように変化する。
例えば、1番目の信号ブロックに対応した期間TBLK−1において、演算部10aが1番目の信号ブロックの平均電力を演算し、算出部20aがその平均電力を用いてステップ係数μs(k)の値を算出する。1番目の信号ブロックと2番目の信号ブロックとの境界に対応したタイミングt12において、更新部30は、ステップ係数μs(k)の値に応じた更新量で歪補償係数を更新する。その後、2番目の信号ブロックに対応した期間TBLK−2において、演算部10aが2番目の信号ブロックの平均電力を演算し、算出部20aがその平均電力を用いてステップ係数μs(k)の値を算出する。2番目の信号ブロックと3番目の信号ブロックとの境界に対応したタイミングt23において、更新部30は、ステップ係数μs(k)の値に応じた更新量で歪補償係数を更新する。
すなわち、信号ブロックに対応した期間に計算された信号ブロックの平均電力に応じて、その直後のブロック間境界に対応したタイミングでステップ係数μs(k)の値を変化させることができる。これにより、数式11、数式14に示すように、係数更新量ΔLi,jを正規化するための電力が実質的に参照基準電力Prefの値に維持されるので、係数更新量ΔLi,jは、図5(c)に示すように、略一定に維持され得る。
また、歪補償装置1aは、具体的な動作例として、図6に示すような動作を行う。図6は、歪補償装置1aの具体的動作を示すフローチャートである。
図6では、平均シンボル電力取得(S3)、ステップ係数値算出(S13)、更新量生成(S14)(図3参照)の具体的な動作例として、平均シンボル電力演算(S3a)、ステップ係数値算出(12a)、NLMS更新量生成(S13a)が行われる。
平均シンボル電力演算(S3a)において、演算部10aは、k番目の信号ブロックのBBデータs(i)を取得すると、信号ブロックの先頭位置をn(k−1)からn(k)に更新し(S31a)、k番目の信号ブロックの電力|s|2を演算する(S32a)。演算部10aは、数式10に示すように、演算された電力|s|2を先頭位置n(k)から所定のサンプル数Navについて平均化し、平均電力<|s|2>n(k)を求めて(S33a)算出部20aへ供給する。算出部20aは、平均電力<|s|2>n(k)を用いて、数式11に示すように、スケーリング値ms(k)を求めて算出部20aへ供給する(S34a)。
算出部20aは、フレームが継続していれば(S11でYes)、数式13に示すように、固定されたステップ係数〜μにスケーリング値ms(k)を乗算してステップ係数μs(k)の値を算出する(S12a)。算出部20aは、算出されたステップ係数μs(k)の値を更新部30へ供給する。
更新部30は、数式14に示すように、NLMS方式に従って、ステップ係数μs(k)の値に応じた係数更新量ΔLi,jを求める(S13a)。更新部30は、LUT51にアクセスし、求められた係数更新量ΔLi,jでLUT係数(歪補償係数)Li,jを更新する(S14)。
以上のように、実施例では、歪補償装置1(歪補償装置1a)において、信号ブロック毎に求めた送信信号の平均電力を用いて係数更新量ΔLi,jが一定になるようにステップ係数μs(k)の値をスケーリングする。そして、そのステップ係数μs(k)から求めた係数更新量ΔLi,jで歪補償係数Li,jを更新する。これにより、送信信号の電力(入力データの電力)が大きく変化した場合に、係数更新量ΔLi,jの変動を抑制でき、それにより更新される歪補償係数の変動を抑制できる。この結果、歪補償係数を期待の収束値へ容易に収束させることができ、歪補償性能の劣化を抑制できる。例えば、ACLRの特性を改善でき、通信品質の劣化を抑制できる。
また、実施例では、歪補償装置1(歪補償装置1a)において、信号ブロック単位で送信信号の平均電力値を取得し、それに基づいてステップ係数μs(k)を信号フロック間の境界に対応したタイミングで変化させる。これにより、送信信号の電力(入力データの電力)の変化に迅速に追従して係数更新量ΔLi,jの変動を抑制できる。
(変形例1)
なお、歪補償装置1bは、平均電力を示す電力情報を取得することで信号ブロックの平均電力を信号ブロック単位で取得してもよい。例えば、歪補償装置1bは、図7に示すように、取得部10(図1参照)の具体的な構成例として、取得部10bを有していてもよい。取得部10bは、電力情報I/F11bを有する。
なお、歪補償装置1bは、平均電力を示す電力情報を取得することで信号ブロックの平均電力を信号ブロック単位で取得してもよい。例えば、歪補償装置1bは、図7に示すように、取得部10(図1参照)の具体的な構成例として、取得部10bを有していてもよい。取得部10bは、電力情報I/F11bを有する。
BB変調処理部100は、所望のデータに対してベースバンド変調を行ってBBデータs(i)を生成する際に、BBデータs(i)の平均電力を求めてその平均電力を示す情報を保持している。そのため、電力情報I/F11bは、BBデータs(i)の平均電力を示す電力情報をBB変調処理部100から取得することができる。電力情報I/F11bは、電力情報に応じて、信号ブロック毎の平均電力を特定することができる。
例えば、電力情報I/F11bは、電力情報に応じて、k番目の信号ブロック(k番目のOFDMシンボル)の平均電力P(k)を特定すると、その平均電力P(k)をスケーリング部23aへ供給する。
数式15において、Prefは参照基準電力である。参照基準電力Prefは、複数の信号ブロック(複数のOFDMシンボル)の間における平均電力の最大値とされ得る。例えば、数式15では、フレームにおける先頭のOFDMシンボルが最大電力であると仮定して、Prefが数式12で表されるものとする。
また、歪補償装置1bは、具体的な動作例として、図8に示すような動作を行う。図8は、歪補償装置1bの具体的動作を示すフローチャートである。
図8では、図6に示す処理に対して、平均シンボル電力演算(S3a)が平均シンボル電力取得(S3b)に置き換えられている。平均シンボル電力取得(S3b)において、取得部10bは、電力情報を取得すると、電力情報に応じて、k番目の信号ブロックの平均電力P(k)を特定して(S32b)算出部20aへ供給する。算出部20aは、平均電力P(k)を用いて、数式15に示すように、スケーリング値ms(k)を求めて算出部20aへ供給する(S34a)。
このように、歪補償装置1bは、平均電力を示す電力情報を取得することで信号ブロックの平均電力を信号ブロック単位で取得するので、平均電力を演算する場合に比べて、取得部10bの構成及び処理を簡略化できる。
(変形例2)
あるいは、歪補償装置1bは、基準電力となる最大電力となるシンボルを特定しにくい場合、参照基準電力が現時点での最大電力となるように、演算された信号ブロックの平均電力に対して、逐次的に最大値検索を行ってもよい。例えば、歪補償装置1cは、図9に示すように、取得部10(図1参照)の具体的な構成例として、演算部10cを有していてもよい。図9は、歪補償装置1cの具体的構成を示す図である。演算部10cは、平均シンボル電力演算部11c及び最大値更新部12cを有する。
あるいは、歪補償装置1bは、基準電力となる最大電力となるシンボルを特定しにくい場合、参照基準電力が現時点での最大電力となるように、演算された信号ブロックの平均電力に対して、逐次的に最大値検索を行ってもよい。例えば、歪補償装置1cは、図9に示すように、取得部10(図1参照)の具体的な構成例として、演算部10cを有していてもよい。図9は、歪補償装置1cの具体的構成を示す図である。演算部10cは、平均シンボル電力演算部11c及び最大値更新部12cを有する。
また、歪補償装置1cは、具体的な動作例として、図10に示すような動作を行う。図10は、歪補償装置1cの具体的動作を示すフローチャートである。
例えば、最大値更新部12cは、S33aで演算された信号ブロック(OFDMシンボル)の平均電力<|s|2>n(k)を平均シンボル電力演算部11cから取得する。最大値更新部12cは、現在の参照基準電力Prefの値と信号ブロックの平均電力<|s|2>n(k)の値とを比較する。最大値更新部12cは、Pref≦<|s|2>n(k)であれば、Prefの値を<|s|2>n(k)の値で置き換えて更新する。最大値更新部12cは、更新後の参照基準電力Prefを保持する。平均シンボル電力演算部11cは、最大値更新部12cに保持された参照基準電力Prefをスケーリング部23cへ供給できる。スケーリング部23cは、更新後の参照基準電力Prefを用いてスケーリング値ms(k)を求めることができる。
なお、図10では、最大値の更新(S6c)が係数のスケーリング(S34a)の後に行われる場合が例示されているが、最大値の更新(S6c)は、係数のスケーリング(S34a)の前に行われてもよい。
このように、複数の信号ブロックにおける平均電力の最大値が特定しにくい場合に、信号ブロックの平均電力の最大値を検索して更新するので、係数のスケーリングを適正に行うことができる。
(変形例3)
あるいは、歪補償装置1dは、図11に示すように、係数更新量ΔLi,jを生成するための方式としてLMS方式が採用されていてもよい。図11は、歪補償装置1dの具体的構成を示す図である。図11に示す歪補償装置1dは、取得部10、算出部20(図1参照)の具体的な構成例として、演算部10a、算出部20dを有する。演算部10aは、平均シンボル電力演算部11aを有する。算出部20dは、LMSステップ係数生成部21d、乗算器22a、及びスケーリング部23dを有する。
あるいは、歪補償装置1dは、図11に示すように、係数更新量ΔLi,jを生成するための方式としてLMS方式が採用されていてもよい。図11は、歪補償装置1dの具体的構成を示す図である。図11に示す歪補償装置1dは、取得部10、算出部20(図1参照)の具体的な構成例として、演算部10a、算出部20dを有する。演算部10aは、平均シンボル電力演算部11aを有する。算出部20dは、LMSステップ係数生成部21d、乗算器22a、及びスケーリング部23dを有する。
平均シンボル電力演算部11aは、BBデータs(i)に対して、数式10に示すように、k番目のOFDMシンボルの先頭サンプルタイミングn(k)から規定のサンプル数Navに渡って電力の平均を求めることができる。平均シンボル電力演算部11aは、求められた平均電力をスケーリング部23dへ供給する。
数式16において、Prefは参照基準電力である。すなわち、スケーリング部23dは、LMS方式に応じて、参照基準電力Prefの逆数に対するk番目のOFDMシンボルの平均電力<|s|2>n(k)の逆数の相対値に応じたスケーリング値ms(k)を求める。
乗算器22aは、固定されたステップ係数(固定された係数値)〜μを受け、スケーリング値ms(k)をスケーリング部23dから受ける。乗算器22aは、数式13に示すように、固定されたステップ係数〜μにスケーリング値ms(k)を乗算してステップ係数μs(k)の値を求める。
すなわち、算出部20dは、複数の信号ブロックの間で係数更新量ΔLi,jが略均等になるようにスケーリング値ms(k)の値をスケーリングして算出する。乗算器22aは、算出されたスケーリング値ms(k)の値をLMSステップ係数生成部21dへ供給する。LMSステップ係数生成部21dは、ステップ係数μs(k)の値にアドレス生成部52で生成されたアドレスを対応付ける。LMSステップ係数生成部21dは、アドレスが対応付けられたステップ係数μs(k)を更新部30の係数更新器31へ供給する。
係数更新器31は、数式8に代えて、次の数式17に示す計算を行い、係数更新量ΔLi,jを生成する。
ΔLi,j=μs(k)・e(n)・y(n−j)*・・・数式17
ΔLi,j=μs(k)・e(n)・y(n−j)*・・・数式17
数式17に示す計算では、ステップ係数μs(k)が可変になっている点が数式8に示す計算と異なる。係数更新器31は、i,j=0,1,・・・,Qのそれぞれに対して、数式7に示す計算を行い、LUT係数の更新値Li,j(|x(n−i)|)’を求める。
歪補償装置1dでは、固定のステップ係数〜μに対して、信号ブロック単位で、平均電力に依存するスケーリングを行いステップ係数μs(k)の値を変化させる。すなわち、図12に示すように、係数更新量ΔLi,jが略一定となるようにステップ係数μs(k)の値を変化させる。図12は、歪補償装置1dの具体的動作を示す波形図である。
BB変調処理部100から出力されるBBデータs(i)の振幅|s(i)|が図12(a)に示すように変化した場合、スケーリング値ms(k)は、数式16に示すように、振幅|s(i)|が大きくなれば小さくなる。スケーリング値ms(k)は、数式16に示すように、振幅|s(i)|が小さくなれば大きくなる。このため、ステップ係数μs(k)の値は、数式13に示すように、振幅|s(i)|が大きくなれば小さくなり、振幅|s(i)|が小さくなれば大きくなり、図12(b)に示すように変化する。
すなわち、NLMS方式(図5)の場合と同様に、信号ブロックに対応した期間に計算された信号ブロックの平均電力に応じて、その直後のブロック間境界に対応したタイミングでステップ係数μs(k)の値を変化させることができる。これにより、数式16、数式14に示すように、係数更新量ΔLi,jを正規化するための電力が実質的に参照基準電力Prefの値に維持されるので、係数更新量ΔLi,jは、図12(c)に示すように、略一定に維持され得る。
また、歪補償装置1dは、基本的に図6と同様の動作を行うが、図13に示すように、次の点で実施例と異なる動作を行う。図13は、歪補償装置1dの具体的動作を示すフローチャートである。
平均シンボル電力演算(S3d)において、算出部20dは、平均電力<|s|2>n(k)を用いて、数式16に示すように、スケーリング値ms(k)を求めて算出部20dへ供給する(S34d)。
算出部20dは、フレームが継続していれば(S11でYes)、数式13に示すように、固定されたステップ係数〜μにスケーリング値ms(k)を乗算してステップ係数μs(k)の値を算出する(S12a)。算出部20dは、算出されたステップ係数μs(k)の値を更新部30へ供給する。
更新部30は、数式17に示すように、LMS方式に従って、ステップ係数μs(k)の値に応じた係数更新量ΔLi,jを求める(S13d)。更新部30は、LUT51にアクセスし、求められた係数更新量ΔLi,jでLUT係数(歪補償係数)Li,jを更新する(S14)。
このように、係数更新量ΔLi,jを生成するための方式としてLMS方式が採用された場合に、信号ブロック毎に求めた送信信号の平均電力を用いて係数更新量ΔLi,jが一定になるようにステップ係数μs(k)の値をスケーリングする。そして、そのステップ係数μs(k)から求めた係数更新量ΔLi,jで歪補償係数Li,jを更新する。これにより、送信信号の電力(入力データの電力)が大きく変化した場合に、係数更新量ΔLi,jの変動を抑制でき、それにより更新される歪補償係数の変動を抑制できる。
1,1a,1b,1c,1d 歪補償装置
10 取得部
20 算出部
30 更新部
10 取得部
20 算出部
30 更新部
Claims (11)
- 送信信号の平均電力を信号ブロック単位で取得する取得部と、
前記取得された平均電力を用いて、ステップ係数の値を算出する算出部と、
前記送信信号を増幅するパワーアンプの歪みを補償する歪補償係数を前記算出されたステップ係数の値に応じた更新量で更新する更新部と、
を有する
ことを特徴とする歪補償装置。 - 前記送信信号は、複数の信号ブロックを含み、
前記取得部は、前記複数の信号ブロックのそれぞれについて、前記平均電力を取得し、
前記算出部は、前記複数の信号ブロックのそれぞれについて、前記取得された平均電力を用いて、ステップ係数の値を算出し、
前記更新部は、前記複数の信号ブロックのそれぞれについて、前記算出されたステップ係数の値に応じた更新量で歪補償係数を更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の歪補償装置。 - 前記更新部は、前記複数の信号ブロックの境界に対応したタイミングにおいて、前記算出されたステップ係数の値に応じた更新量で歪補償係数を更新する
ことを特徴とする請求項2に記載の歪補償装置。 - 前記算出部は、前記取得された平均電力に応じて、前記複数の信号ブロックの間で前記更新量が略均等になるようにステップ係数の値を算出する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の歪補償装置。 - 前記算出部は、固定された係数値に前記取得された平均電力に応じた値を乗算してステップ係数の値を算出する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の歪補償装置。 - 前記算出部は、固定された係数値に前記取得された平均電力の逆数に応じた値を乗算してステップ係数の値を算出する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の歪補償装置。 - 前記算出部は、基準電力の値に対する前記取得された平均電力の相対値に応じたスケーリング値を求め、前記固定された係数値に前記求められたスケーリング値を乗算してステップ係数の値を算出する
ことを特徴とする請求項5に記載の歪補償装置。 - 前記算出部は、基準電力の逆数の値に対する前記取得された平均電力の逆数の相対値に応じたスケーリング値を求め、前記固定された係数値に前記求められたスケーリング値を乗算してステップ係数の値を算出する
ことを特徴とする請求項6に記載の歪補償装置。 - 前記基準電力の値は、前記複数の信号ブロックの間における平均電力の最大値とされている
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の歪補償装置。 - 前記基準電力の値は、前記取得された平均電力の値が前記基準電力の値より大きい場合、前記取得された平均電力の値に更新される
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の歪補償装置。 - 送信信号の平均電力を信号ブロック単位で取得することと、
前記取得された平均電力を用いて、ステップ係数の値を算出することと、
前記送信信号を増幅するパワーアンプの歪みを補償する歪補償係数を前記算出されたステップ係数の値に応じた更新量で更新することと、
を有することを特徴とする歪補償方法。
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