JP2018097544A - 評価装置、評価方法、コンピュータプログラム、及び記録媒体 - Google Patents

評価装置、評価方法、コンピュータプログラム、及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】外部から直接観測することが困難な対象物の作動状態を作動波形に基づいて評価する場合、作動波形の変化に柔軟に対応することができることを目的とする。【解決手段】評価装置は、学習アクチュエータを駆動する指令信号の学習指令特徴量及び学習アクチュエータにより作動する学習部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の学習検出特徴量に基づいて生成された識別器を記憶する記憶部と、対象アクチュエータを駆動する指令信号及び対象アクチュエータにより作動する対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号を取得するデータ取得部と、データ取得部に取得された指令信号の対象指令特徴量及び検出信号の対象検出特徴量を抽出する特徴量抽出部と、識別器と特徴量抽出部に抽出された指令信号の対象指令特徴量及び検出信号の対象検出特徴量とに基づいて対象部材の作動状態を評価する評価部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、評価装置、評価方法、コンピュータプログラム、及び記録媒体に関する。
原子炉の制御棒駆動装置(Control Rod Drive Mechanism:CRDM)は、原子力プラントの安全運転のために重要な装置である。制御棒駆動装置を安定して作動させるためには、制御棒駆動装置の作動状態を把握し評価する必要がある。しかし、制御棒駆動装置の作動状態を外部から直接観測することは困難である。そのため、制御棒駆動装置の作動波形を解析することによって制御棒駆動装置の作動状態を評価する方法が採用されている。特許文献1には、作動波形として制御棒駆動装置に供給される電流波形を解析する技術が開示されている。
特開2002−267789号公報
制御棒駆動装置のような外部から直接観測することが困難な対象物の作動状態を作動波形に基づいて正確に解析するためには、作動波形の変化に柔軟に対応できる技術が要望される。
本発明の態様は、外部から直接観測することが困難な対象物の作動状態を作動波形に基づいて評価する場合、作動波形の変化に柔軟に対応することができることを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、学習アクチュエータを駆動する指令信号の学習指令特徴量及び前記学習アクチュエータにより作動する学習部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の学習検出特徴量に基づいて生成された識別器を記憶する記憶部と、対象アクチュエータを駆動する指令信号及び前記対象アクチュエータにより作動する対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号を取得するデータ取得部と、前記データ取得部に取得された前記指令信号の対象指令特徴量及び前記検出信号の対象検出特徴量を抽出する特徴量抽出部と、前記識別器と前記特徴量抽出部に抽出された前記指令信号の対象指令特徴量及び前記検出信号の対象検出特徴量とに基づいて前記対象部材の作動状態を評価する評価部と、を備える評価装置が提供される。
本発明の第1の態様において、前記学習指令特徴量及び前記学習検出特徴量は、前記指令信号の原信号、前記原信号の1次微分値、及び前記検出信号の分散値を含んでもよい。
本発明の第1の態様において、前記学習部材は、前記学習アクチュエータによりステップ動作し、前記識別器を生成するための前記学習指令特徴量及び前記学習検出特徴量は、基準時点からの経過時間と前記ステップ動作のそれぞれにおける前記学習指令特徴量及び前記学習検出特徴量との関係を示す2次元画像化データを含んでもよい。
本発明の第1の態様において、前記学習部材及び前記対象部材は、原子炉の制御棒に連結される駆動シャフトを含み、前記駆動シャフトは、軸方向に一定間隔で設けられた複数の周溝を有し、前記学習アクチュエータ及び前記対象アクチュエータは、前記周溝の保持位置及び開放位置の一方から他方に移動可能なSGラッチを作動するSGコイルと、前記周溝の保持位置及び開放位置の一方から他方に移動可能なMGラッチを作動するMGコイルと、前記MGラッチを前記駆動シャフトの軸方向に移動するLFコイルとを含んでもよい。
本発明の第2の態様に従えば、対象アクチュエータを駆動する指令信号及び前記対象アクチュエータにより作動する対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号を取得する工程と、前記指令信号の対象指令特徴量及び前記検出信号の対象検出特徴量を抽出する工程と、学習アクチュエータを駆動する指令信号の学習指令特徴量及び前記学習アクチュエータにより作動する学習部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の学習検出特徴量に基づいて生成された識別器と前記対象アクチュエータを駆動する指令信号の対象指令特徴量及び前記対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の対象検出特徴量とに基づいて前記対象部材の作動状態を評価する工程と、を含む評価方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、コンピュータに、対象アクチュエータを駆動する指令信号及び前記対象アクチュエータにより作動する対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号を取得する工程と、前記指令信号の対象指令特徴量及び前記検出信号の対象検出特徴量を抽出する工程と、学習アクチュエータを駆動する指令信号の学習指令特徴量及び前記学習アクチュエータにより作動する学習部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の学習検出特徴量に基づいて生成された識別器と前記対象アクチュエータを駆動する指令信号の対象指令特徴量及び前記対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の対象検出特徴量とに基づいて前記対象部材の作動状態を評価する工程と、を実行させるコンピュータプログラムが提供される。
本発明の第4の態様に従えば、コンピュータに、対象アクチュエータを駆動する指令信号及び前記対象アクチュエータにより作動する対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号を取得する工程と、前記指令信号の対象指令特徴量及び前記検出信号の対象検出特徴量を抽出する工程と、学習アクチュエータを駆動する指令信号の学習指令特徴量及び前記学習アクチュエータにより作動する学習部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の学習検出特徴量に基づいて生成された識別器と前記対象アクチュエータを駆動する指令信号の対象指令特徴量及び前記対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の対象検出特徴量とに基づいて前記対象部材の作動状態を評価する工程と、を実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体が提供される。
本発明の態様によれば、外部から直接観測することが困難な対象物の作動状態を作動波形に基づいて評価する場合、作動波形の変化に柔軟に対応することができる。
図1は、第1実施形態に係る原子炉の一例を模式的に示す図である。 図2は、第1実施形態に係る制御棒駆動装置の一部を示す断面図である。 図3は、第1実施形態に係る制御棒駆動装置の一例を示すブロック図である。 図4は、第1実施形態に係る抜去動作において電源制御装置から出力された指令信号に基づいてコイルに供給される電流波形及び加速度センサから出力される加速度波形を示す図である。 図5は、第1実施形態に係る評価装置の一例を示すハードウェア構成図である。 図6は、第1実施形態に係る評価装置の一例を示す機能ブロック図である。 図7は、第1実施形態に係る指令信号の特徴量の抽出方法の一例を示す模式図である。 図8は、第1実施形態に係る検出信号の特徴量の抽出方法の一例を示す模式図である。 図9は、第1実施形態に係る評価方法の一例を示すフローチャートである。 図10は、第1実施形態に係る学習データの一例を模式的に示す図である。 図11は、第1実施形態に係る識別処理の一例を示すフローチャートである。 図12は、第1実施形態に係る学習処理及び識別処理の一例を模式的に示す図である。 図13は、第1実施形態に係る識別処理の一例を模式的に示す図である。 図14は、第2実施形態に係る2次元画像化データの一例を示す図である。 図15は、本実施形態に係る2次元画像化データから作動タイミングを特定する方法を説明するための模式図である。 図16は、本実施形態に係る2次元画像化データから作動タイミングを特定する方法を説明するための模式図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
第1実施形態.
[原子炉]
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る原子炉1の一例を模式的に示す図である。原子炉1は、加圧水型原子炉(Pressurized Water Reactor:PWR)である。原子炉1は、原子炉容器10と、原子炉容器10の内部に配置される炉心20と、制御棒30と、制御棒駆動装置70とを備える。
原子炉容器10は、本体11と、本体11の上部に設けられる上蓋12とを有する。本体11は、一次冷却水が供給される入口ノズル13と、一次冷却水が排出される出口ノズル14とを有する。
炉心20は、円筒状の炉心槽21と、炉心槽21の上部に接続される上部炉心板22と、炉心槽21の下部に接続される下部炉心板23と、炉心槽21の内部に配置される複数の燃料集合体24とを有する。上部炉心板22は、炉心支持ロッド25を介して炉心支持板26に支持される。炉心支持板26は、本体11に固定される。下部炉心板23は、複数のラジアルキー27を介して本体11に固定される。
制御棒30は、複数の燃料集合体24の間に挿入可能である。複数の制御棒30の上端部は、制御棒クラスタ31に連結される。制御棒クラスタ31は、案内管32に上下方向に案内される。案内管32は、上部炉心板22に支持される。
制御棒駆動装置70は、制御棒クラスタ31を介して原子炉1の制御棒30と連結される駆動シャフト2を有する。駆動シャフト2の少なくとも一部は、案内管32の内部に配置される。制御棒駆動装置70は、駆動シャフト2を上下方向に移動して、制御棒30を上下方向に移動させる。制御棒駆動装置70により制御棒30が上下方向に移動されることにより、燃料集合体24に対する制御棒30の挿入量が調整される。燃料集合体24に対する制御棒30の挿入量が調整されることにより、炉心20における核分裂反応が制御される。
[制御棒駆動装置]
図2は、本実施形態に係る制御棒駆動装置70の一部を示す断面図である。制御棒駆動装置70は、駆動シャフト2を案内する案内管3と、駆動シャフト2を間欠的に保持して移動可能な保持機構4と、駆動シャフト2を上下方向に移動する駆動機構5と、駆動シャフト2、案内管3、保持機構4、及び駆動機構5を収容するハウジング6と、駆動シャフト2の作動状態を検出するセンサ7とを備える。
駆動シャフト2は、上下方向に長い。駆動シャフト2の中心軸は、上下方向に延在する。制御棒駆動装置70により、駆動シャフト2は、駆動シャフト2の軸方向に移動する。駆動シャフト2の表面に周溝2Rが設けられる。周溝2Rは、駆動シャフト2の中心軸を囲むように設けられる。周溝2Rは、駆動シャフト2の軸方向に一定間隔で複数設けられる。
保持機構4は、駆動シャフト2の周溝2Rの保持位置及び開放位置の一方から他方に移動可能な固定取手ラッチ(SGラッチ)42と、固定取手ラッチリンク(SGリンク)43を介してSGラッチ42と連結される固定取手アーマチャ(SGアーマチャ)44と、SGアーマチャ44を介してSGラッチ42を作動する固定取手コイル(SGコイル)45とを有する。
駆動機構5は、駆動シャフト2の周溝2Rの保持位置及び開放位置の一方から他方に移動可能な可動取手ラッチ(MGラッチ)52と、可動取手ラッチリンク(MGリンク)53を介してMGラッチ52と連結される可動取手アーマチャ(MGアーマチャ)54と、MGアーマチャ54を介してMGラッチ52を作動する可動取手コイル(MGコイル)55とを有する。
また、駆動機構5は、リフトアーマチャ(LFアーマチャ)64と、リフトアーマチャ64を上下方向に移動させることによりMGアーマチャ54及びMGラッチ52を駆動シャフト2の軸方向に移動するリフトコイル(LFコイル)65とを有する。
保持機構4は、上下方向に移動する駆動シャフト2を間欠的に保持する。保持機構4は、SGラッチ42を周溝2Rの保持位置に配置することによって、駆動シャフト2を保持する。駆動シャフト2は、保持機構4に保持されることにより、上下方向に移動せずに静止する。
駆動機構5は、MGラッチ52を周溝2Rの保持位置に配置することによって、駆動シャフト2を保持する。駆動シャフト2がMGラッチ52に保持された状態で、LFコイル65の作動によりLFアーマチャ64が上下方向に移動することにより、駆動シャフト2が上下方向に移動する。
SGコイル45によりSGアーマチャ44が励磁されると、SGラッチ42が周溝2Rの保持位置に移動する。SGコイル45によるSGアーマチャ44の励磁が解除されると、SGラッチ42が周溝2Rの開放位置に移動する。
MGコイル55によりMGアーマチャ54が励磁されると、MGラッチ52が周溝2Rの保持位置に移動する。MGコイル55によるMGアーマチャ54の励磁が解除されると、MGラッチ52が周溝2Rの開放位置に移動する。
[制御棒駆動装置の動作]
次に、本実施形態に係る制御棒駆動装置70の動作の一例について説明する。図3は、本実施形態に係る制御棒駆動装置70の一例を示すブロック図である。SGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65は、保持機構4及び駆動機構5を作動するアクチュエータである。保持機構4及び駆動機構5は、SGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65により作動する部材である。
制御棒駆動装置70は、SGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65を駆動する指令信号を出力する電源8を有する。電源8は、SGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65に指令信号として電流を出力する。SGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65は、電源8から供給される電流に基づいて保持機構4及び駆動機構5を作動させることで駆動シャフト2を作動させる。
電源8は、SGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65に対する電流の供給を制御して、駆動シャフト2及び制御棒30を静止させる静止動作、駆動シャフト2を上昇して制御棒30を炉心20から引き抜く抜去動作、及び駆動シャフト2を下降して制御棒30を炉心20に挿入する挿入動作の少なくとも一つを実施する。
センサ7は、SGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65により作動する保持機構4及び駆動機構5の作動状態を検出する。本実施形態において、センサ7は、保持機構4及び駆動機構5の作動状態として保持機構4及び駆動機構5において発生する振動を検出する。保持機構4及び駆動機構5の振動は、保持機構4及び駆動機構5において発生する音を含む。本実施形態において、センサ7は、保持機構4及び駆動機構5の加速度を検出する加速度センサを含む。加速度センサは、保持機構4及び駆動機構5の振動を検出可能である。なお、センサ7は、保持機構4及び駆動機構5において発生する振動又は音を検出可能であればよい。センサ7は、例えば、圧力センサ、振動センサ、ジャイロセンサ、及び斜行角センサの少なくとも一つを含んでもよい。
電源8からSGコイル45に電流が供給され、SGアーマチャ44が励磁されると、SGラッチ42は周溝2Rの保持位置に配置される。電源8からSGコイル45に供給される電流が低減又は停止され、SGアーマチャ44の励磁が解除されると、SGラッチ42は周溝2Rの開放位置に配置される。
電源8からMGコイル55に電流が供給され、MGアーマチャ54が励磁されると、MGラッチ52は周溝2Rの保持位置に配置される。電源8からMGコイル55に供給される電流が低減又は停止され、MGアーマチャ54の励磁が解除されると、MGラッチ52は周溝2Rの開放位置に配置される。
電源8からLFコイル65に電流が供給され、LFアーマチャ64が励磁されると、LFアーマチャ64は上方に移動する。電源8からLFコイル65に供給される電流が低減又は停止され、LFアーマチャ64の励磁が解除されると、LFアーマチャ64は下方に移動する。
(静止動作)
静止動作について説明する。駆動シャフト2を静止させるとき、電源8は、SGアーマチャ44を励磁する。SGアーマチャ44が励磁されることにより、SGラッチ42が周溝2Rの保持位置に配置される。SGラッチ42が周溝2Rの保持位置に配置されることにより、駆動シャフト2及び制御棒30は上下方向に移動せずに静止する。
(抜去動作)
次に、抜去動作について説明する。制御棒30を炉心20から引き抜くとき、電源8は、SGラッチ42が周溝2Rの保持位置に配置された状態で、MGアーマチャ54を励磁する。MGアーマチャ54が励磁されることにより、MGラッチ52が周溝2Rの保持位置に配置される。MGラッチ52が周溝2Rの保持位置に配置された後、電源8は、SGアーマチャ44の励磁を解除する。SGアーマチャ44の励磁が解除されることにより、SGラッチ42が周溝2Rの開放位置に配置される。MGラッチ52が周溝2Rの保持位置に配置され、SGラッチ42が周溝2Rの開放位置に配置された後、電源8は、LFアーマチャ64を励磁する。LFアーマチャ64が励磁されることにより、LFアーマチャ64は上方に移動する。LFアーマチャ64が上方に移動すると、LFアーマチャ64の爪64FとMGアーマチャ54の一部とが接触し、LFアーマチャ64と一緒にMGアーマチャ54が周溝2Rの1ピッチ分だけ上方に移動する。これにより、駆動シャフト2が周溝2Rの1ピッチ分だけ上昇する。駆動シャフト2が上昇した後、電源8は、SGアーマチャ44を励磁する。SGアーマチャ44が励磁されることにより、SGラッチ42が周溝2Rの保持位置に配置される。SGラッチ42が周溝2Rの保持位置に配置された後、電源8は、MGアーマチャ54の励磁を解除し、LFアーマチャ64の励磁を解除する。MGアーマチャ54の励磁が解除されることにより、MGラッチ52が周溝2Rの開放位置に配置される。また、LFアーマチャ64の励磁が解除されることにより、LFアーマチャ64は下方に移動する。LFアーマチャ64が下方に移動すると、LGアーマチャ64の爪64FはMGアーマチャ54から離れる。上述の動作が繰り返されることにより、駆動シャフト2は周溝2Rの1ピッチ分ずつ上昇し、駆動シャフト2に連結された制御棒30が1ピッチ分ずつ炉心20から引き抜かれる。
(挿入動作)
次に、挿入動作について説明する。制御棒30を炉心20に挿入するとき、電源8は、SGラッチ42が周溝2Rの保持位置に配置された状態で、MGラッチ52が周溝2Rの開放位置に配置される。MGラッチ52が周溝2Rの開放位置に配置された後、電源8は、LFアーマチャ64を励磁する。LFアーマチャ64が励磁されることにより、LFアーマチャ64は上方に移動する。LFアーマチャ64が上方に移動すると、LFアーマチャ64の爪64FとMGアーマチャ54の一部とが接触し、LFアーマチャ64と一緒にMGアーマチャ54が周溝2Rの1ピッチ分だけ上方に移動する。LFアーマチャ64及びMGアーマチャ54が周溝2Rの1ピッチ分だけ上方に移動した後、電源8は、MGアーマチャ54を励磁する。MGアーマチャ54が励磁されることにより、MGラッチ52が周溝2Rの保持位置に配置される。MGラッチ52が周溝2Rの保持位置に配置された後、電源8は、SGアーマチャ44の励磁を解除し、LFアーマチャ64の励磁を解除する。SGアーマチャ44の励磁が解除されることにより、SGラッチ42が周溝2Rの開放位置に配置される。また、LFアーマチャ64の励磁が解除されることにより、LFアーマチャ64は下方に移動する。LFアーマチャ64が下方に移動すると、LFアーマチャ64と一緒にMGアーマチャ54が周溝2Rの1ピッチ分だけ下方に移動する。これにより、駆動シャフト2が周溝2Rの1ピッチ分だけ下降する。駆動シャフト2が下降した後、電源8は、SGアーマチャ44を励磁する。SGアーマチャ44が励磁されることにより、SGラッチ42が周溝2Rの保持位置に配置される。上述の動作が繰り返されることにより、駆動シャフト2は周溝2Rの1ピッチ分ずつ下降し、駆動シャフト2に連結された制御棒30が1ピッチ分ずつ炉心20に挿入される。
以下の説明においては、駆動シャフト2を周溝2Rの1ピッチ分だけ上昇させる動作又は下降させる動作を適宜、1ステップ動作、と称する。
[電流信号及び加速度信号]
次に、本実施形態に係るSGコイル45、MGコイル55、及びLFコイル65のそれぞれを駆動する指令信号である電流信号、及びセンサ7の検出信号である加速度信号について説明する。図4は、本実施形態に係る抜去動作においてSGコイル45、MGコイル55、及びLFコイル65のそれぞれに供給される電流波形、及びセンサ7から出力される加速度波形の一例を示す図である。電流波形は、電源8からSGコイル45、MGコイル55、及びLFコイル65のそれぞれに供給される電流の時間的変化を示す。加速度波形は、センサ7から出力される加速度信号の時間的変化を示す。
図4は、1ステップ動作における電流波形及び加速度波形を示す。図4に示すグラフにおいて、横軸は、1ステップ動作が開始されてからの経過時間を示す。縦軸は、SGコイル45に供給される電流値、MGコイル55に供給される電流値、LFコイル65に供給される電流値、及びセンサ7から出力される加速度値を示す。なお、図4は、便宜上、SGコイル45に供給される電流値、MGコイル55に供給される電流値、LFコイル65に供給される電流値、及びセンサ7から出力される加速度値を1本の縦軸で示しているが、それぞれ別の値である。
1ステップ動作の開始時点においては、制御棒駆動装置70は静止動作している。1ステップ動作の開始時点においては、SGコイル45に電流が供給され、SGラッチ42が周溝2Rの保持位置に配置される。
駆動シャフト2を周溝2Rの1ピッチ分だけ上方に移動させるとき、電源8からMGコイル55に電流が供給される。MGコイル55に電流が供給されることにより、MGアーマチャ54が励磁され、MGラッチ52が周溝2Rの保持位置に移動する。
MGコイル55に電流を供給した時点をTMin−Sとし、MGラッチ52が周溝2Rの保持位置に配置された時点をTMin−Eとする。MGコイル55に電流が供給されてからMGラッチ52が周溝2Rの保持位置に配置されるまでの間にタイムラグTMinが生じる。また、MGラッチ52が周溝2Rの保持位置に配置され、MGラッチ52と周溝2Rの内面とが接触したとき、振動(音)が発生する。センサ7は、時点TMin−Eにおいて発生した振動を示す加速度信号を出力する。
MGコイル55に電流を供給した後、電源8は、SGコイル45に対する電流の供給を低減又は停止する。SGコイル45に対する電流の供給が低減又は停止されることにより、SGアーマチャ44の励磁が解除され、SGラッチ42が周溝2Rの開放位置に移動する。
SGコイル45に対する電流の供給が低減又は停止した時点をTSout−Sとし、SGラッチ42が周溝2Rの開放位置に配置された時点をTSout−Eとする。SGコイル45に対する電流の供給が低減又は停止されてからSGラッチ42が周溝2Rの開放位置に配置されるまでの時間にタイムラグTSoutが生じる。また、SGラッチ42が周溝2Rの開放位置に移動するとき、振動(音)が発生する。センサ7は、時点TSout−Eにおいて発生した振動を示す加速度信号を出力する。
SGコイル45に対する電流の供給を低減又は停止した後、電源8は、LFコイル65に電流を供給する。LFコイル65に電流が供給されることにより、LFアーマチャ54が励磁され、LFアーマチャ64は上方に移動する。LFアーマチャ64が上方に移動すると、LFアーマチャ64の爪64FとMGアーマチャ54の一部とが接触し、LFアーマチャ64と一緒にMGアーマチャ54が周溝2Rの1ピッチ分だけ上方に移動する。これにより、駆動シャフト2が周溝2Rの1ピッチ分だけ上昇する。
LFコイル65に電流を供給した時点をTLin−Sとし、駆動シャフト2が周溝2Rの1ピッチ分だけ上昇した時点をTLin−Eとする。LFコイル65に電流が供給されてから駆動シャフト2が周溝2Rの1ピッチ分だけ上昇し終えるまでの間にタイムラグTLinが生じる。また、駆動シャフト2が周溝2Rの1ピッチ分だけ上昇したとき、振動(音)が発生する。センサ7は、時点TLin−Eにおいて発生した振動を示す加速度信号を出力する。
LFコイル65に電流を供給した後、電源8は、SGコイル45に電流を供給する。SGコイル45に電流が供給されることにより、SGアーマチャ44が励磁され、SGラッチ42が周溝2Rの保持位置に移動する。
SGコイル45に電流を供給した時点をTSin−Sとし、SGラッチ42が周溝2Rの保持位置に配置された時点をTSin−Eとする。SGコイル45に電流が供給されてからSGラッチ42が周溝2Rの保持位置に配置されるまでの間にタイムラグTSinが生じる。また、SGラッチ42が周溝2Rの保持位置に配置され、SGラッチ42と周溝2Rの内面とが接触したとき、振動(音)が発生する。センサ7は、時点TSin−Eにおいて発生した振動を示す加速度信号を出力する。
SGコイル45に電流を供給した後、電源8は、MGコイル55に対する電流の供給を低減又は停止する。MGコイル55に対する電流の低減又は供給が停止されることにより、MGアーマチャ54の励磁が解除され、MGラッチ52が周溝2Rの開放位置に移動する。
MGコイル55に対する電流の供給を低減又は停止した時点をTMout−Sとし、MGラッチ52が周溝2Rの開放位置に配置された時点をTMout−Eとする。MGコイル55に対する電流の供給が低減又は停止されてからMGラッチ52が周溝2Rの開放位置に配置されるまでの間にタイムラグTMoutが生じる。また、MGラッチ52が周溝2Rの開放位置に移動するとき、振動(音)が発生する。センサ7は、時点TMout−Eにおいて発生した振動を示す加速度信号を出力する。
MGコイル55に対する電流の供給を低減又は停止した後、電源8は、LFコイル65に対する電流の供給を低減又は停止する。LFコイル65に対する電流の供給が低減又は停止されることにより、LFアーマチャ64の励磁が解除され、LFアーマチャ64は、周溝2Rの1ピッチ分だけ下方に移動する。
LFコイル65に対する電流の供給を低減又は停止した時点をTLout−Sとし、LFアーマチャ64が周溝2Rの1ピッチ分だけ下方に移動した時点をTLout−Eとする。LFコイル65に対する電流の供給が低減又は停止されてからLFアーマチャ64が周溝2Rの1ピッチ分だけ下方に移動し終えるまでの間にタイムラグTLoutが生じる。また、LFアーマチャ64が周溝2Rの1ピッチ分だけ下方に移動するとき、振動(音)が発生する。センサ7は、時点TLout−Eにおいて発生した振動を示す加速度信号を出力する。
[評価装置の概要]
図3に示すように、本実施形態において、制御棒駆動装置70は、評価装置100と接続される。評価装置100は、電源8及びセンサ7のそれぞれと接続される。評価装置100は、電源8からSGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65のそれぞれに出力される電流信号(指令信号)を取得する。また、評価装置100は、センサ7から駆動シャフト2の加速度信号(検出信号)を取得する。評価装置100は、SGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65を駆動するために電源8から出力される電流信号と、センサ7で検出された加速度信号とに基づいて、駆動シャフト2を含む制御棒駆動装置70の作動状態を評価する。
駆動シャフト2において、周溝2Rは、駆動シャフト2の軸方向に、例えば200[個]以上300[個]以下の数だけ設けられる。制御棒駆動装置70は、駆動シャフト2を、200[ステップ]以上300[ステップ]以下の数だけステップ動作させる。本実施形態においては、駆動シャフト2のステップ数が、一例として200[ステップ]であることとする。
制御棒駆動装置70の検査において、保持機構4のSGラッチ42及び駆動機構5のMGラッチ52が全ての周溝2Rの保持位置に移動するように制御棒駆動装置70が作動される。評価装置100は、抜去動作及び挿入動作のそれぞれにおける制御棒駆動装置70の作動状態を解析し評価する。
評価装置100は、電流信号及び加速度信号に基づいて、SGラッチ42の作動とMGラッチ52の作動とLFアーマチャ64の作動とが適切な順序で実施されたか否かを評価する。また、評価装置100は、電流信号及び加速度信号に基づいて、SGラッチ42の作動タイミング、MGラッチ52の作動タイミング、及びLFアーマチャ64の作動タイミングが適切であるか否かを評価する。
以下の説明においては、加速度信号が出力された時点(時点TMin−E、時点TSout−E、時点TLin−E、時点TSin−E、時点TMout−E、時点TLout−E)を総称して適宜、作動タイミングTb、と称し、電流信号が供給又は供給停止された時点(時点TMin−S、時点TSout−S、時点TLin−S、時点TSin−S、時点TMout−S、時点TLout−S)を総称して適宜、指令タイミングTc、と称する。
加速度信号は、ノイズを含む場合がある。また、加速度信号は、制御棒駆動装置70の経年変化に起因して変化する可能性がある。例えば、制御棒駆動装置70の機構そのものの動作時間が変化するために、その結果として作動完了を示す加速度信号のタイミングが変化する可能性がある。また、加速度信号は、制御棒駆動装置70の作動条件に起因して変化する可能性がある。また、加速度信号は、制御棒駆動装置70の作動環境に起因して変化する可能性がある。また、加速度信号は、装置毎(駆動シャフト2ごと、制御棒駆動装置70ごと、又は原子炉1ごと)に異なる可能性がある。このような状況下においては、作動タイミングTbを特定することが困難となる可能性がある。指令タイミングTcについても同様である。
本実施形態において、評価装置100は、上述の状況下においても、作動タイミングTb及び指令タイミングTcを精度良く特定できるように、機械学習を用いて、電流信号及び加速度信号を解析し評価する。
[評価装置のハードウェア構成]
図5は、本実施形態に係る評価装置100の一例を示すハードウェア構成図である。評価装置100は、コンピュータシステムを含む。図5に示すように、評価装置100は、演算処理装置101と、記憶装置102と、ドライブ装置103とを備える。
演算処理装置101は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む。記憶装置102は、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む。ドライブ装置103は、フラッシュメモリ又はハードディスクのようなストレージを含む。記憶装置102には、演算処理装置101の演算処理において実行されるコンピュータプログラム104が記憶される。コンピュータプログラム104は、演算処理装置101に読み込まれて実行される。
記録媒体105は、CD−ROM、フレキシブルディスク、又は光磁気ディスクのような、光学的、電気的、又は磁気的に情報を記録する記録媒体でもよいし、ROM又はフラッシュメモリのような、電気的に情報を記録する半導体メモリでもよい。
演算処理装置101の演算処理において実行されるコンピュータプログラム104が、記録媒体105に記録され、ドライブ装置103を介して演算処理装置101にインストールされてもよい。なお、演算処理装置101の演算処理において実行されるコンピュータプログラム104が、サーバから演算処理装置101に送信されインストールされてもよい。
評価装置100は、センサ7、電源8、記録媒体105、入力装置106、及び出力装置107と接続される。
入力装置106は、操作者に操作されることにより入力データを生成する。入力装置106で生成された入力データは、演算処理装置101に出力される。入力装置106は、例えばコンピュータ用キーボード、マウス、及びタッチパネルの少なくとも一つを含む。
出力装置107は、例えば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)又は有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display:OELD)のようなフラットパネルディスプレイを含み、演算処理装置101で生成された表示データを表示する。表示データは、画像データでもよいし文字データでもよい。なお、出力装置107が、印刷装置及び音声データを出力するスピーカ装置の少なくとも一方を含んでもよい。
[機能構成]
図6は、本実施形態に係る評価装置100の一例を示す機能ブロック図である。図6に示すように、評価装置100は、データ解析部200と、データ記憶部300と、出力制御部400とを有する。
データ解析部200は、データ取得部210と、特徴量抽出部220と、評価部230とを有する。データ解析部200の機能は、演算処理装置101及び記憶装置102に含まれる。
データ記憶部300は、記憶部310を有する。データ記憶部300の機能は、記憶装置102に含まれる。
データ取得部210は、SGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65を駆動する電流信号(指令信号)と、SGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65により作動する駆動シャフト2の作動状態を検出したセンサ7の加速度信号(検出信号)を取得する。
特徴量抽出部220は、データ取得部210に取得された電流信号の特徴量及び加速度信号の特徴量を抽出する。電流信号の特徴量は、電流信号に含まれる特徴量の集合(特徴量ベクトル)を含む。同様に、加速度信号の特徴量は、加速度信号に含まれる特徴量の集合(特徴量ベクトル)を含む。
記憶部310は、SGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65を駆動する電流信号の特徴量と、SGコイル45、MGコイル55、及びLGコイル65により作動する駆動シャフト2の作動状態を検出したセンサ7の加速度信号の特徴量に基づいて生成された識別器を記憶する。
評価部230は、記憶部310に記憶されている識別器と、特徴量抽出部220に抽出された電流信号の特徴量及び加速度信号の特徴量とに基づいて、駆動シャフト2の作動状態を評価する。駆動シャフト2の作動状態の評価は、作動タイミングTbの特定及び指令タイミングTcの特定を含む。
[特徴量]
次に、本実施形態に係る特徴量の一例について説明する。図7は、本実施形態に係る電流信号(指令信号)の特徴量の抽出方法の一例を示す模式図である。図8は、本実施形態に係る加速度信号(検出信号)の特徴量の抽出方法の一例を示す模式図である。図7に示すように、本実施形態において、特徴量抽出部220は、電流信号の特徴量として、電流信号の原信号、及びその原信号の1次微分値を抽出する。また、図8に示すように、本実施形態において、特徴量抽出部220は、加速度信号の特徴量として、加速度信号の分散値又は標準偏差値を抽出する。
図7を参照しながら、電流信号の特徴量について説明する。駆動シャフト2を含む制御棒駆動装置70の評価のために、指令タイミングTcを特定する必要がある。図7に示すように、特徴量抽出部220は、電流信号の原信号を1次微分する。これにより、電流の供給が開始される時点を示す指令タイミングTc、及び電流の供給停止が開始される時点を示す指令タイミングTcが精度良く抽出される。
特徴量抽出部220は、SGコイル45に対する電流信号の原信号、MGコイル55に対する電流信号の原信号、及びLFコイル65に対する電流信号の原信号のそれぞれについて1次微分値を抽出する。また、特徴量抽出部220は、異なる複数の時間ΔT[msec]のそれぞれについて電流信号を1次微分する。本実施形態においては、1次微分値として差分値が導出される。時間ΔTは、差分時間間隔である。例えば、時間ΔTが10[msec]、20[msec]、40[msec]、80[msec]、100[msec]、及び200[msec]のそれぞれについて差分値が算出される。
また、電流信号の特徴量は、電流信号の原信号も含む。図7に示すように、電流信号は、SGコイル45、MGコイル55、及びLFコイル65をオン状態にするための電流信号及びオフ状態にするための電流信号のみならず、中間状態にするための電流信号を含む場合がある。中間状態にするための電流値は、オン状態にするための電流値とオフ状態にするための電流値との間の電流値である。このように、電流信号は、オン状態及びオフ状態にするための電流信号のみならず、中間状態にするための電流信号を含む場合がある。換言すれば、電流信号自体に特徴がある。そのため、本実施形態においては、電流信号の特徴量として、1次微分された電流信号のみならず、原信号も抽出される。
次に、図8を参照しながら、加速度信号の特徴量について説明する。駆動シャフト2を含む制御棒駆動装置70の評価のために、作動タイミングTbを特定する必要がある。図8に示すように、特徴量抽出部220は、加速度信号の原信号について分散値又は標準偏差値を抽出する。これにより、保持機構4及び駆動機構5の振動が開始される時点を示す作動タイミングTbが精度良く抽出される。
振動を示す加速度波形は、プラスの値とマイナスの値とを往復する波形となる。そのため、加速度信号の原信号から振動が開始される時点を示す作動タイミングTbを抽出することが困難となる可能性が高い。本実施形態においては、加速度波形の分散値が抽出される。図8に示すように、分散値を示す分散波形は、ゼロからプラスの値に立ち上がるように変化する。したがって、分散波形が算出されることにより、保持機構4及び駆動機構5の振動が開始される時点を示す作動タイミングTbは精度良く抽出される。
また、特徴量抽出部220は、異なる複数の時間ΔT[msec]のそれぞれについて加速度信号の分散値を抽出する。時間ΔTは、分散値を算出するときの時間幅である。例えば、時間ΔTが5[msec]、10[msec]、20[msec]、30[msec]、及び40[msec]のそれぞれについて分散値が算出される。
なお、加速度波形にノイズが含まれている場合、そのノイズの影響が分散波形に現れる可能性がある。そのため、本実施形態においては、分散波形についてローパスフィルタ処理が実施される。ローパスフィルタ処理が実施されることにより、ノイズの影響が低減された分散波形が生成される。これにより、作動タイミングTbは、より精度良く抽出される。
なお、特徴量抽出部220は、特徴量として、電流信号の2次微分値を抽出してもよいし、加速度信号を高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)して特徴量を抽出してもよい。また、特徴量抽出部220は、例えばHOG(Histograms of Oriented Gradients)のような公知の特徴量算出方法を用いて、電流信号の特徴量及び加速度信号の特徴量を抽出してもよい。
[評価方法]
次に、本実施形態に係る評価方法の一例について説明する。図9は、本実施形態に係る評価方法の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、本実施形態に係る評価方法は、過去の電流信号の特徴量(学習指令特徴量)及び過去の加速度信号の特徴量(学習検出特徴量)に基づいて機械学習により生成された識別器を用いて未知の電流信号及び未知の加速度信号を識別する識別処理(ステップS10)と、識別された電流信号及び加速度信号から指令タイミングTc及び作動タイミングTbを特定する数値解析処理(ステップS20)とを含む。
(学習処理)
学習処理は、過去において取得された、学習アクチュエータであるSGコイル45、MGコイル55、及びLFコイル65を駆動する電流信号の特徴量(学習指令特徴量)、及びそのSGコイル45、MGコイル55、及びLFコイル65により作動する学習部材である駆動シャフト2の作動状態を検出したセンサ7の加速度信号の特徴量(学習検出特徴量)に基づいて、識別器を生成する処理である。学習処理においては、学習指令特徴量と、学習検出特徴量と、正解データ(正解時間)とに基づいて、識別器が生成される。学習処理に使用される過去の電流信号及び過去の加速度信号は、例えば制御棒駆動装置70の検査において取得され、記憶部310に記憶される。正解データ(正解時間)については、検査において評価結果に誤りがあった場合でも、作業者により手作業で評価結果の修正が行われる。そのため、常に正解データ(正解時間)が得られる。
識別器とは、学習アクチュエータを駆動する過去の電流信号の特徴量(学習指令特徴量)及び学習アクチュエータにより作動する学習部材の作動状態を検出したセンサ7の過去の加速度信号の特徴量(学習検出特徴量)を入力データとして、未知の電流信号に対応する特徴量(対象指令特徴量)及び未知の加速度信号を対応する特徴量(対象検出特徴量)のクラスに分類する機能を提供する機能部をいう。
学習処理において、特徴量抽出部220は、過去の電流信号及び過去の加速度信号から、作動タイミングTb及び指令タイミングTcの分析に有効な信号を抽出する。本実施形態において、特徴量抽出部220は、記憶部310に記憶されている過去の電流信号の特徴量及び過去の加速度信号の特徴量(学習指令特徴量及び学習検出特徴量)を抽出する。図7及び図8を参照して説明したように、本実施形態において、特徴量は、電流信号の原信号、その原信号の1次微分値、及び加速度信号の分散値を含む。特徴量抽出部220は、過去の電流信号の原信号、原信号の1次微分値、及び過去の加速度信号の分散値を特徴量として抽出する。
特徴量抽出部220は、複数の電流信号及び複数の加速度信号それぞれから特徴量を抽出する。これにより、複数の特徴量を含むデータセットである学習データが生成される。複数の学習データがデータベースとして記憶部310に記憶される。
図10は、本実施形態に係る学習データの一例を模式的に示す図である。図10に示すように、1ステップ動作における複数の時点と特徴量と特定された作動タイミングTb(時点TMin−E、時点TSout−E、時点TLin−E、時点TSin−E、時点TMout−E、時点TLout−E)とが対応付けられてデータ化されている。
本実施形態において、1ステップ動作に要する時間は、一例として900[msec]であることとする。1[msec]ごとの複数の時点のそれぞれに、特徴量(学習指令特徴量及び学習検出特徴量)である電流信号の原信号、原信号の1次微分値、及び加速度信号の分散値が対応付けられる。また、特定された6つの作動タイミングTb(時点TMin−E、時点TSout−E、時点TLin−E、時点TSin−E、時点TMout−E、時点TLout−E)が、6つの時点のそれぞれに対応付けられる。
なお、学習データは、複数の時点のそれぞれに対応付けられた全ての特徴量を含んでもよいし、選定された一部の時点に対応付けられた特徴量で構成されてもよい。
学習データが生成された後、機械学習アルゴリズムが選定される。機械学習アルゴリズムとして、決定木(Decision Tree)、ランダムフォレスト(Random Forest)、ブーティング(Booting)、及びサポートベクターマシン(Support Vector Machine:SVM)などが例示される。本実施形態においては、ランダムフォレストが選定される。評価装置100は、選定された機械学習アルゴリズムに基づいて学習データを学習する。これにより、識別器が生成される。生成された識別器は、記憶部310に記憶される。
(識別処理)
次に、識別処理について説明する。図11は、本実施形態に係る識別処理の一例を示すフローチャートである。データ取得部210は、対象アクチュエータであるSGコイル45、MGコイル55、及びLFコイル65を駆動する電流信号、及びそのSGコイル45、MGコイル55、及びLFコイル65により作動する対象部材である保持機構4及び駆動機構5の作動状態を検出したセンサ7の加速度信号を取得する(ステップS11)。
特徴量抽出部220は、データ取得部210に取得された電流信号の特徴量(対象指令特徴量)及び加速度信号の特徴量(対象検出特徴量)を抽出する(ステップS12)。図7及び図8を参照して説明したように、本実施形態において、特徴量は、電流信号の原信号、その原信号の1次微分値、及び加速度信号の分散値を含む。特徴量抽出部220は、電流信号の原信号、原信号の1次微分値、及び加速度信号の分散値を特徴量(対象指令特徴量及び対象検出特徴量)として抽出する。
評価部230は、記憶部310に記憶されている識別器と、特徴量抽出部220に抽出された電流信号の特徴量(対象指令特徴量)及び加速度信号の特徴量(対象検出特徴量)とに基づいて、取得した未知の電流信号及び未知の加速度信号を識別する(ステップS13)。
図12は、本実施形態に係る学習処理及び識別処理の一例を模式的に示す図である。上述のように、選定された機械学習アルゴリズムに基づいて学習データが機械学習され、識別器が生成される。未知データである電流信号及び加速度信号が識別器に入力される。識別器は、学習データを用いて未知データを識別するためのルールを含む。識別処理においては、未知データに対して識別器のルールに基づく演算が実施され、正解データの確率分布が導出される。これにより、データ取得部210に取得された電流信号及び加速度信号がどのような電流信号及び加速度信号なのかを識別することができる。識別器のルールに基づく演算が実施されることにより、例えばデータ取得部210に取得された電流信号及び加速度信号がノイズを含んでいても、学習データに基づいて、電流信号(電流信号の1次微分)及び加速度信号(加速度信号の分散)が抽出される。評価部230は、識別された電流信号及び加速度信号から作動タイミングTbを特定することができる。また、識別器を使って指令タイミングTcが特定されてもよい。識別された電流信号及び加速度信号を含む識別データは、出力制御部400から出力装置107に出力される。
図13は、本実施形態に係る識別処理の一例を模式的に示す図である。識別器は、ランダムフォレストを含む。図13に示すように、1つの識別器は、複数の弱識別器を有する。複数の弱識別器はそれぞれ、決定木(Decision Tree)を含む。複数の弱識別器は、複数の学習データのそれぞれに基づいて生成される。
図13に示すように、第1弱識別器の決定木は、非終端ノードに付される判定ラベル81と、複数の終端ノードのそれぞれに付される複数のクラス82とを有する。同様に、第2弱識別器から第M弱識別器の決定木はそれぞれ、非終端ノードに付される判定ラベル81と、複数の終端ノードのそれぞれに付される複数のクラス82とを有する。
なお、図13は、第1弱識別器のクラス82が、属性A、属性B、及び属性Cを含み、第2弱識別器のクラス82が、属性B、属性C、及び属性Dを含み、第M弱識別器のクラス82が、属性A、属性B、属性C、及び属性Dを含む例を示す。本実施形態においては、第1弱識別器から第M弱識別器のクラス82はそれぞれ、属性Aから任意の属性Xまでの属性を含む。
評価部230は、複数の弱識別器のそれぞれにおいて、決定木分析により、決定木の複数のクラス82の中から、電流信号及び加速度信号の属性を決定する。評価部230は、複数の弱識別器のそれぞれにおいて決定された電流信号及び加速度信号に基づいて、電流信号及び加速度信号の最終的な属性を決定する。これにより、電流信号及び加速度信号が識別される。
(数値解析処理)
本実施形態においては、評価部230は、識別データである電流信号及び加速度信号から指令タイミングTc及び作動タイミングTbを特定するために数値解析を実施する。これにより、指令タイミングTc及び作動タイミングTbは、より精度良く特定される。本実施形態においては、評価部230は、識別された電流波形及び加速度波形の一部について微分処理を行って、指令タイミングTc及び作動タイミングTbを特定する。評価部230は、例えば、識別器が出力する指令タイミングTc及び作動タイミングTbの候補位置から数値解析処理を行う範囲を決定し,その対象範囲内の波形、分散処理結果を微分することにより変化点を抽出し、指令タイミングTc及び作動タイミングTbを特定する。ここで、対象範囲を決定する方法として,識別器の出力する確率の最も高い時間を中心に一定の時間幅を対象範囲としてもよいし、識別器の出力する確率が予め設定した確率以上となる範囲を対象範囲とするなどとしてもよい。
[作用及び効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、特徴量が既知である過去の電流信号及び加速度信号に基づいて識別器が生成され、生成された識別器と電流信号及び加速度信号の特徴量とに基づいて、電流信号及び加速度信号についての作動タイミングTbの特定及び指令タイミングTcの特定を含む評価が実施される。これにより、電流信号及び加速度信号がノイズを含んでいたり、電流信号及び加速度信号の性状が制御棒駆動装置70の経年変化、作動条件、及び作動環境などに起因して変化したり、装置間で異なったりしても、電流信号及び加速度信号の変化に柔軟に対応して、作動タイミングTb及び指令タイミングTcを精度良く特定することができる。また、本実施形態においては、電流信号及び加速度信号を取得するだけで、制御棒駆動装置70のような外部から直接観測することが困難な装置を精度良く評価することができる。
また、原子炉1には駆動シャフト2が複数(例えば50本)設けられる。そのため、制御棒駆動装置70の検査は多大な労力及び時間を要する。また、原子炉1が複数設けられている場合、検査に要する労力及び時間は更に多大となる。本実施形態においては、取得された電流信号及び加速度信号の性状が変化しても、容易に作動タイミングTb及び指令タイミングTcを特定することができる。
第2実施形態.
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については説明を簡略又は省略する。
上述の実施形態においては、学習データは、図10を参照して説明したように数値データであることとした。本実施形態においては、識別器を生成するための特徴量(学習指令特徴量及び学習検出特徴量)を含む学習データが、基準時点からの経過時間と駆動シャフト2のステップ動作のそれぞれにおける電流信号の特徴量(学習指令特徴量)又は加速度信号の特徴量(学習検出特徴量)との関係を示す2次元画像化データを含む例について説明する。
上述の実施形態と同様、駆動シャフト2は、周溝2Rの1ピッチ分だけ上昇又は下降するステップ動作を実施する。1つの駆動シャフト2のステップ数が例えば200[ステップ]である場合、識別器を生成するための特徴量を含む学習データは、1ステップ動作の開始時点からの経過時間と200[ステップ]のステップ動作のそれぞれにおける電流信号の特徴量又は加速度信号の特徴量との関係を示す2次元画像化データを含む。
図14は、本実施形態に係る2次元画像化データの一例を示す図である。図14において、2次元画像化データは、時間とステップとの関係を示すコンター図(等値線図)を含む。横軸は、1ステップ動作に要する時間を示す。本実施形態においては、一例として900[msec.]とする。縦軸は、駆動シャフト2のステップ数である。本実施形態においては、制御棒駆動装置100は、200[ステップ]分だけ駆動シャフト2を移動可能であることとする。
図14は、一例として、加速度信号のコンター図を示す。異なる複数の加速度が異なる色彩で表現される。例えば、加速度が低値の場合、青色で表現され、加速度が高値の場合、赤色で表現される。また、低値と高値との間の加速度の中間値は、異なる複数の加速度の値ごとに段階的に異なる色彩(例えば、藍色、緑色、黄色、及び橙色など)で表現される。なお、異なる複数の加速度が濃淡で表現されてもよい。
図14に示すように、色彩が変化しているところは、振動が発生する作動タイミングTb(時点TMin−E、時点TSout−E、時点TLin−E、時点TSin−E、時点TMout−E、時点TLout−E)を示す。
図14は、単一の駆動シャフト2を駆動したときの2次元画像化データである。各ステップ動作における駆動シャフト2の振動状態が均一であれば、作動タイミングTbを示す色彩の変化部分は、縦に細く表示される。一方、各ステップ動作における駆動シャフト2の振動状態が不均一であれば、作動タイミングTbを示す色彩の変化部分は、乱れて表示されたり横に広く表示されたりする。本実施形態によれば、2次元画像化データにより、各ステップ動作における駆動シャフト2の振動状態が均一か否かを相対的に把握することができる。
なお、図14は、加速度信号の分散値についてのコンター図を示す。電流信号についても同様のコンター図が生成される。
次に、図14に示した2次元画像化データから作動タイミングTbを特定する方法について説明する。図15及び図16は、本実施形態に係る2次元画像化データから作動タイミングTbを特定する方法を説明するための模式図である。
図15に示すように、複数の2次元画像化データが生成される。複数の2次元画像化データは、例えば、加速度信号の分散値についての2次元画像化データ、SGコイル45に供給される電流信号の2次元画像化データ、MGコイル55に供給される電流信号の2次元画像化データ、及びLFコイル65に供給される電流信号の2次元画像化データなどを含む。図15は、一例として、3つの2次元画像化データDA,DB,DCの模式図を示す。
2次元画像化データDA,DB,DCのそれぞれからサブ領域が抽出される。サブ領域は、2次元画像化データの一部の領域である。サブ領域は、ランダムな2点を探索する領域である。図15に示すように、サブ領域は、現在識別しようとしている時間tを基準にして、プラス方向及びマイナス方向に範囲PT及び範囲PSで定義された領域である。範囲PTは、時間方向へ探索する範囲(単位:msec)である。範囲PSは、ステップ方向へ探索する範囲(単位:ステップ数)である。
次に、図16に示すように、抽出したサブ領域の範囲内で、n組の2点をランダムに取得し、和、差、及び差の絶対値等を取得する。ランダムな2点は、同一の2次元画像化データから取得される2点、及び異なる2次元画像化データのそれぞれから取得する2点の両方を含む。例えば、2次元画像化データDAから2点が取得される場合と、2次元画像化データDAから1点が取得され2次元画像化データDBから1点が取得される場合とがある。なお、nは定数である。以下の説明においては、ランダムな2点の一方の点を適宜、注目点、と称し、他方の点を適宜、参照点、と称する。
本実施形態においては、注目点と参照点との差に基づいて、作動タイミングTbが特定される。例えば、6つの作動タイミングTbのうち、ある1つの作動タイミングTbを特定する場合、作動タイミングTbを示す点であると推測される注目点と、その注目点の近傍の参照点との和、差、及び差の絶対値等が算出される。注目点と参照点との和、差、及び差の絶対値等が算出されることにより、注目点と参照点との相対関係が導出される。注目点と参照点との相対関係は、同一の2次元画像化データにおける相対関係のみならず、異なる2次元画像化データにおける相対関係も含む。したがって、注目点の確からしさがより正確に導出される。また、参照点は注目点から離れた位置に指定されず、サブ領域から指定されるので、注目点と参照点との和、差、及び差の絶対値等に基づいて、作動タイミングTbを軽負担で特定することができる。
なお、上述の各実施形態においては、制御棒駆動装置70の作動状態を評価する例について説明した。上述の各実施形態で説明した評価装置100及び評価方法は、制御棒駆動装置70のみならず、外部から直接観測することが困難であり、アクチュエータによりステップ動作(繰り返し動作)する部材を有する任意の対象装置に適用可能である。
1…原子炉、2…駆動シャフト、2R…周溝、3…案内管、4…保持機構、5…駆動機構、6…ハウジング、7…センサ、8…電源、10…原子炉容器、11…本体、12…上蓋、13…入口ノズル、14…出口ノズル、20…炉心、21…炉心槽、22…上部炉心板、23…下部炉心板、24…燃料集合体、25…炉心支持ロッド、26…炉心支持板、27…ラジアルキー、30…制御棒、31…制御棒クラスタ、32…案内管、42…固定取手ラッチ(SGラッチ)、43…固定取手ラッチリンク(SGリンク)、44…固定取手アーマチャ(SGアーマチャ)、45…固定取手コイル(SGコイル)、52…可動取手ラッチ(MGラッチ)、53…可動取手ラッチリンク(MGリンク)、54…可動取手アーマチャ(MGアーマチャ)、55…可動取手コイル(MGコイル)、64…リフトアーマチャ(LFアーマチャ)、64F…爪、65…リフトコイル(LFコイル)、70…制御棒駆動装置、81…判定ラベル、82…クラス、100…評価装置、101…演算処理装置、102…記憶装置、103…ドライブ装置、104…コンピュータプログラム、105…記録媒体、106…入力装置、107…出力装置、200…データ解析部、210…データ取得部、220…特徴量抽出部、230…評価部、300…データ記憶部、310…記憶部、400…出力制御部。

Claims (7)

  1. 学習アクチュエータを駆動する指令信号の学習指令特徴量及び前記学習アクチュエータにより作動する学習部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の学習検出特徴量に基づいて生成された識別器を記憶する記憶部と、
    対象アクチュエータを駆動する指令信号及び前記対象アクチュエータにより作動する対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号を取得するデータ取得部と、
    前記データ取得部に取得された前記指令信号の対象指令特徴量及び前記検出信号の対象検出特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記識別器と前記特徴量抽出部に抽出された前記指令信号の対象指令特徴量及び前記検出信号の対象検出特徴量とに基づいて前記対象部材の作動状態を評価する評価部と、
    を備える評価装置。
  2. 前記学習指令特徴量及び前記学習検出特徴量は、前記指令信号の原信号、前記原信号の1次微分値、及び前記検出信号の分散値を含む、
    請求項1に記載の評価装置。
  3. 前記学習部材は、前記学習アクチュエータによりステップ動作し、
    前記識別器を生成するための前記学習指令特徴量及び前記学習検出特徴量は、基準時点からの経過時間と前記ステップ動作のそれぞれにおける前記学習指令特徴量及び前記学習検出特徴量との関係を示す2次元画像化データを含む、
    請求項1又は請求項2に記載の評価装置。
  4. 前記学習部材及び前記対象部材は、原子炉の制御棒に連結される駆動シャフトを含み、
    前記駆動シャフトは、軸方向に一定間隔で設けられた複数の周溝を有し、
    前記学習アクチュエータ及び前記対象アクチュエータは、前記周溝の保持位置及び開放位置の一方から他方に移動可能なSGラッチを作動するSGコイルと、前記周溝の保持位置及び開放位置の一方から他方に移動可能なMGラッチを作動するMGコイルと、前記MGラッチを前記駆動シャフトの軸方向に移動するLFコイルとを含む、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の評価装置。
  5. 対象アクチュエータを駆動する指令信号及び前記対象アクチュエータにより作動する対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号を取得する工程と、
    前記指令信号の対象指令特徴量及び前記検出信号の対象検出特徴量を抽出する工程と、
    学習アクチュエータを駆動する指令信号の学習指令特徴量及び前記学習アクチュエータにより作動する学習部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の学習検出特徴量に基づいて生成された識別器と前記対象アクチュエータを駆動する指令信号の対象指令特徴量及び前記対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の対象検出特徴量とに基づいて前記対象部材の作動状態を評価する工程と、
    を含む評価方法。
  6. コンピュータに、
    対象アクチュエータを駆動する指令信号及び前記対象アクチュエータにより作動する対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号を取得する工程と、
    前記指令信号の対象指令特徴量及び前記検出信号の対象検出特徴量を抽出する工程と、
    学習アクチュエータを駆動する指令信号の学習指令特徴量及び前記学習アクチュエータにより作動する学習部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の学習検出特徴量に基づいて生成された識別器と前記対象アクチュエータを駆動する指令信号の対象指令特徴量及び前記対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の対象検出特徴量とに基づいて前記対象部材の作動状態を評価する工程と、
    を実行させるコンピュータプログラム。
  7. コンピュータに、
    対象アクチュエータを駆動する指令信号及び前記対象アクチュエータにより作動する対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号を取得する工程と、
    前記指令信号の対象指令特徴量及び前記検出信号の対象検出特徴量を抽出する工程と、
    学習アクチュエータを駆動する指令信号の学習指令特徴量及び前記学習アクチュエータにより作動する学習部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の学習検出特徴量に基づいて生成された識別器と前記対象アクチュエータを駆動する指令信号の対象指令特徴量及び前記対象部材の作動状態を検出したセンサの検出信号の対象検出特徴量とに基づいて前記対象部材の作動状態を評価する工程と、
    を実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体。
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