JP2018096911A - 位置推定装置、位置推定プログラム及び位置推定方法 - Google Patents

位置推定装置、位置推定プログラム及び位置推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】見通しの悪い環境においても位置推定検出が可能であり、受信側と送信側との連携が不要な簡易なシステムで構築可能でき、高精度な位置推定が求められている。【解決手段】本発明に係る位置推定装置は、到来波を捕捉する複数の受信部と、各受信部からの各受信信号に含まれている1又は複数の信号波成分を分離する複数の分離処理部と、各分離処理部により分離された各信号波成分の相互相関をとり、各受信部に到来した各信号波の到来時間差を検出する時間差検出部と、各信号波の到来時間差に基づいて各信号波の到来角度を推定する到来角度推定部と、各信号波の到来角度に基づいて各信号波の到来経路を追跡し、各信号波の到来経路の交点を、送信波の送信位置として推定する位置推定部とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、位置推定装置、位置推定プログラム及び位置推定方法に関し、例えば、環境モデルを用いて屋内での反射波の経路を追跡し、その経路を利用して位置を推定する位置推定装置、位置推定プログラム及び位置推定方法に適用し得るものである。
近年、屋内測位技術が注目されている。特にGPS信号が到達しない屋内において、人員の動線検知や、工場内での資材管理などの目的で、屋内測位技術が求められている。
例えば、屋外の建物の影となるところや、屋内の物陰などの見通しが良好でない環境で位置推定技術を利用することが多く、見通しが良好でない環境においても高精度で位置推定できることが強く望まれている。また、位置推定精度については、約50[cm]以内の高い精度が求められている。
特許文献1は、電波による位置推定方式であり、直接波の到来がない見通し外でも、回折波を利用して送信器の到来方向を推定する方式を開示している。
特許文献2は、電波による位置推定方式であり、推定精度を高めるために、電波の照射に指向性を持たせて、受信側で送信器の到来方向を予想、送信アンテナの向きを追従させる方式を開示している。
特許文献3は、音波による位置推定方式であり、直接波に加えて反射波を含めて位置推定を行なう方式を開示している。
国際公開第2010/038468号 特開2006−170698号公報 特開2006−98568号公報
しかしながら、特許文献1の記載技術は、垂直偏波、水平偏波の割合から、到来波の種別を直接波/回折波/反射波の到来波のいずれかであることを推定する。直接波がない場合は、到来方向が直接波とほぼ等しい回折波の方向に送信機が存在すると推定する。特許文献1の記載技術は、回折波のみを使用するため、完全に見通し外での位置推定はできず、見通し外で反射波のみを使用した位置推定ができない。また、特許文献1の記載技術は、回折波の到来方向を発信機の位置と推定するので位置推定精度が不正確となってしまうおそれがある。
特許文献2の記載技術は、レイトレース法と指向性アンテナを使用して、電波の到来方向を精度良く推定する。受信側でドップラ周波数を検知、無線機の移動に追従するように受信側から送信側へ移動方向を電話回線で通知して、送信アンテナの方向を制御する。受信機と送信機が連携した大規模なシステムとなりコストが高い。また、見通し外は考慮していないため、見通し外で移動方向推定の誤差が大きくなった場合、見通し内に戻ってから方向推定が復旧するまでの時間は位置推定精度が不正確となってしまうおそれがある。
特許文献3の記載技術は、直接波を使用することが前提であるため、見通し外での位置推定をできない。また、音源方向への延長領域は、音源方向に沿う直線の周りに角度推定誤差を付加した領域を前提としているために位置推定誤差が大きい。
上記課題に鑑み、本発明は、見通しの悪い環境(見通し外)においても位置推定検出が可能であり、受信側と送信側との連携が不要な簡易なシステムで構築可能でき、さらに従来よりも高精度な位置を推定できる位置推定装置、位置推定プログラム及び位置推定方法を提供する。
かかる課題を解決するために、第1の本発明に係る位置推定装置は、(1)到来波を捕捉する複数の受信部と、(2)各受信部からの各受信信号に含まれている1又は複数の信号波成分を分離する複数の分離処理部と、(3)各分離処理部により分離された各信号波成分の相互相関をとり、各受信部に到来した各信号波の到来時間差を検出する時間差検出部と、(4)各信号波の到来時間差に基づいて各信号波の到来角度を推定する到来角度推定部と、(5)各信号波の到来角度に基づいて各信号波の到来経路を追跡し、各信号波の到来経路の交点を、送信波の送信位置として推定する位置推定部とを備えることを特徴とする。
第2の本発明に係る位置推定プログラムは、複数の受信部がそれぞれ捕捉した到来波に基づいて、送信波の送信位置を推定する位置推定プログラムであって、コンピュータを、(1)各受信部からの各受信信号に含まれている1又は複数の信号波成分を分離する複数の分離処理部と、(2)各分離処理部により分離された各信号波成分の相互相関をとり、各受信部に到来した各信号波の到来時間差を検出する時間差検出部と、(3)各信号波の到来時間差に基づいて各信号波の到来角度を推定する到来角度推定部と、(4)各信号波の到来角度に基づいて各信号波の到来経路を追跡し、各信号波の到来経路の交点を、送信波の送信位置として推定する位置推定部として機能させることを特徴とする。
第3の本発明に係る位置推定方法は、(1)複数の受信部のそれぞれが到来波を捕捉し、(2)複数の分離処理部のそれぞれが、各受信部からの各受信信号に含まれている1又は複数の信号波成分を分離し、(3)時間差検出部が、各分離処理部により分離された各信号波成分の相互相関をとり、各受信部に到来した各信号波の到来時間差を検出し、(4)到来角度推定部が、各信号波の到来時間差に基づいて各信号波の到来角度を推定し、(5)位置推定部が、各信号波の到来角度に基づいて各信号波の到来経路を追跡し、各信号波の到来経路の交点を、送信波の送信位置として推定することを特徴とする。
本発明によれば、見通しの悪い環境においても位置推定検出が可能であり、受信側と送信側との連携が不要な簡易なシステムで構築可能でき、さらに高精度な位置を推定できる。
第1の実施形態に係る受信機の内部構成を示す構成図である。 第1の実施形態に係る位置推定を行なう環境を説明する説明図である。 第1の実施形態に係る送信機の内部構成を示す内部構成図である。 第1の実施形態において、送信機が送信した超音波信号の波形(送信信号)と、受信機が受信した受信信号の波形とを示す図である。 直接波の残響時間中に反射波が埋もれる場合を説明する説明図である。 第1の実施形態に係る分離処理部による反射波を分離する分離処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る超音波信号の信号波形例を示す図である。 反射波が直接波の位相とずれたときの様子を示す図である。 超音波信号のコード拡散変調を説明する説明図である。 コード拡散変調した場合の直接波と反射波の波形を示す図である。 第1の実施形態に係る相関値検出処理及び時間差検出処理を説明する説明図である。 第1の実施形態に係る到来角度推定処理の基本概念を説明する説明図である。 第1の実施形態に係る到来方向推定処理を説明する説明図である。 第1の実施形態に係る位置推定処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る位置推定処理を説明する説明図である。 レイトレース法を用いた送信点の位置推定処理を説明する説明図である。 3次元座標の位置推定処理を説明する説明図である。 複数の交点がある場合の位置推定処理を説明する説明図である。 第1の実施形態に係る反射回数計数部による反射回数の制限処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態において、複数の信号波の中から、信頼性の高い信号波を選択する処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る受信機における受信波を示す図である。 位置推定処理の実測に係る位置推定条件を説明する説明図である。 位置推定処理の実測に係る評価結果を示す図である。 分散処理の実測に係る実施環境の測定条件を示す図である。 分散処理の実測に係る受信信号の波形を示す図である。 分散処理の実測に係る評価結果を示す図である。 指向性を持たせた場合の位置推定処理を説明する説明図である。 第2の実施形態において、指向性を持たせた場合の位置推定処理を説明する説明図である。 第2の実施形態において、複数の送信機2を設けた場合の位置推定処理を説明する説明図である。 第3の実施形態に係るマッピング表示画面の一例を示す画面図である。 第3の実施形態に係る受信機の主な内部構成を示す内部構成図である。
(A)第1の実施形態
以下では、本発明に係る位置推定装置、位置推定プログラム及び位置推定方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、第1の実施形態に係る位置推定を行なう環境を説明する説明図である。
図2に示す環境は、GPS信号が到達しない屋内である場合を例示する。送信機2は例えば超音波を送信するものであり、受信機1は、送信機2が送信した超音波を受信するものである。なお、この実施形態では、超音波を使用する場合を例示するが、超音波に限定されるものではなく、音波、電波などを使用してもよい。
図2は、室内を上から見たときの平面図を例示しているが、環境は三次元空間であってもよい。さらに、図2では、1台の送信機2及び受信機1を示しているが、複数台の送信機2及び受信機1が配置されるようにしてもよい。また、少なくとも送信機2は、移動可能であってもよい。
図2の環境には複数の反射体5が存在する。反射体5は、室内の壁、障害物等のように送信機2からの超音波信号を反射する物体である。
図2では超音波は受信機1に直接受信されない環境を例示する。つまり、直接波は反射体5に遮断され、反射体5に反射した反射波のみが受信機1に到来する場合を例示する。
図3は、第1の実施形態に係る送信機2の内部構成を示す内部構成図である。
図3において、送信機2は、所定の周波数(例えば20[kHz]以上の周波数)のパルス信号を発生するパルス発生器21、パルス発生器21により発生された超音波としてのパルス信号を送信する送信部22とを有する。送信部22は、超音波素子などを有するものを適用できる。
なお、この実施形態では、送信機2が超音波を送信する場合を例示する。しかし、スピーカと組み合わせて送信機2が音波を送信したり、高周波装置と組み合わせて送信機2が電波を送信したりしてもよい。
図1は、第1の実施形態に係る受信機1の内部構成を示す構成図である。
図1において、受信機1は、少なくとも2系統の受信処理部11(11−1、11−2)、相関値検出部12、時間差検出部13、到来角度推定部14、位置推定部15、電力検出部16を有する。また、各受信処理部11(11−1、11−2)は、受信部111、信号増幅器112、分離処理部113を有する。
なお、分離処理部113、相関値検出部12、時間差検出部13、到来角度推定部14、位置推定部15、電力検出部16は、例えばマイクロコンピュータによる実装するようにしてもよい。つまり、CPUが、ROMに格納される処理プログラム(位置推定プログラム)を実行することにより、各種機能が実現される。
受信機1は、到来した各反射波の遅延時間に基づいて各反射波の到来角度を推定し、レイトレース法を用いて各反射波の到来経路を推定して、超音波の送信点(すなわち、送信機2の位置)を推定するものである。
なお、受信機1は、送信機2からの直接波も受信可能であり、直接波を用いて送信機2の位置を推定することも可能であるが、この実施形態では、特に反射波のみで送信機2の位置を推定する場合を説明する。
受信部111は、到来した超音波を受信して、超音波素子により電気信号に変換した信号を増幅器112に与える。
信号増幅器112は、受信部111からの受信信号を増幅して、分離処理部113に与えるものである。
分離処理部113は、信号増幅器112により増幅された受信信号に基づいて、直接波と反射波、もしくは、複数の送信機2の分離処理を行なうものである。例えば、受信信号には直接波の信号成分と反射波の信号成分とが含まれ得る。分離処理部113は、受信信号から反射波の信号成分を分離する。
なお、受信機1は、予め設定された直接波の信号成分を保持したり、又は送信機2との通信により直接波の信号成分を保持したりして、直接波の信号成分を認識することができる。
相関値検出部12は、各信号処理部11−1及び11−2による分離結果に基づいて、受信処理部11−1及び受信処理部11−2のそれぞれで受信した受信信号の相関をとるものである。これにより、受信処理部11−1及び受信処理部11−2で受信した信号波を検出できる。
時間差検出部13は、相関値検出部12による相関結果に基づいて、受信処理部11−1の受信部111で受信した反射波と、受信処理部11−2の受信部111で受信した反射波との間の時間差(遅延時間)を検出するものである。
到来角度推定部14は、時間差は検出部13により検出された反射波の時間差に基づいて、各反射波の経路(以下、これを「レイ」とも呼ぶ。)の到来角度を推定する。
電力検出部16は、相関値検出部12により得られた相関値に基づいて、各レイの相関値の電力値を検出するものである。
位置推定部15は、到来角度推定部14により推定された各反射波の到来経路の到来角度と、予め設定された環境モデル(周辺に配置されている物体の配置モデル)とを利用して、各反射波の経路(各レイ)の交点を求めることで、送信機2の位置を推定する。
位置推定部15は、各レイの反射回数をカウントする反射回数計数部151を有する。
以下では、第1の実施形態に係る受信機1における分離処理、相関値検出処理、時間差検出処理、到来角度推定処理、位置推定処理を、図面を参照して説明する。
(A−2)分離処理
電波、音波を使用する位置推定技術では、直接波と反射波の行路差が少ない場合に、直接波の信号成分と反射波の信号成分とが重畳することがあるため、信号成分を分離処理する必要がある。また、複数の送信機2からの信号を受信機1が受信する場合、各信号が重畳することがあり、その場合も送信機2毎の各信号を分離処理する必要がある。
以下に、分離処理部113における超音波を使用した場合の各信号の分離処理を説明する。
超音波を使用する場合、超音波振動子の残響現象によって、反射波が検出できない場合がある。
残響とは、超音波振動子が減衰振動を行っている間に発生する振動余韻である。残響は、駆動開始から減衰するまで、送信信号時間を超えた時間がかかる。
図4は、第1の実施形態において、送信機2が送信した超音波の波形(送信信号)と、受信機1が受信した受信信号の波形とを示す図である。
図4において、横軸は時間であり、送信信号は送信時刻を基準としている。図4に示すように、送信信号の駆動時間に対して、受信信号の駆動時間が残響により長くなっていることが分かる。
例えば、直接波と反射波が観測できる環境で、直接波と反射波の経路差が少ない場合に、直接波の残響時間中に反射波が到来して、反射波の信号成分が直接波の信号成分に埋もれてしまい、反射波の信号成分を検出できない場合などが考えられる。
図5は、直接波の残響時間中に反射波が埋もれる場合を説明する説明図である。
図5(A)は、受信信号が直接波のみを含む場合を示し、図5(B)は、受信信号が、直接波と反射波とを含む場合を示す。
図5(B)に示すように、「送信点−反射点−受信点」の位置関係上、送信時刻から7.0[ms]で反射波を検出するはずであるが、反射波の信号成分(波形)が直接波の信号成分(波形)に埋もれてしまい、反射波の信号成分を検出できていない。
受信信号に反射波のみが含まれる場合も、同じ現象が見られて、反射波どうしの行路差が小さい場合に、先着の反射波の残響時間中に後着の反射波が到来して後着の反射波が分離できない場合がある。
反射波の分離方法として、あらかじめ直接波の波形データを保持しておき、受信信号から直接波のデータを減算して、反射波を抽出する方法が考えられる。
図6は、第1の実施形態に係る分離処理部113による反射波を分離する分離処理を示すフローチャートである。
分離処理部113は、直接波の波形データを保持する(S11)。直接波の波形データは、予め設定するようにしてもよいし、送信機2と受信機1との間の通信により直接波の波形データを授受して受信機1が保持するようにしてもよい。
分離処理部113は、信号処理部112から受信信号を取得すると、受信信号のデータと直接波の波形データとの相関を取り、相関値が最大値となる位置を直接波の先頭位置として検出する(S12)。分離処理部113は、直接波の先頭位置を検出すると、受信信号データから直接波の波形データを減算して(S13)、反射波の波形データを抽出する(S14)。
上記のように、分離処理部113は、推定した直接波の波形の先頭位置から、受信信号に対して直接波データを減衰して反射波データを抽出する。この処理は反射波のみの分離時にも有効である。
反射波の分離方法として、直接波を減算する以外にも、送信波形に対してコード拡散などの変調処理を施して、受信時に該当コードで相関をとることで、直接波から反射波を分離することが可能である。
図7は、第1の実施形態に係る超音波信号の信号波形例を示す図である。図8は、反射波が直接波の位相とずれたときの様子を示す図である。
図7では、超音波送信信号が例えば40[kHz]である場合を示している。図7に示すような送信信号が送信機2から送信され、図8に示すように、直接波に対して位相がずれた反射波が直接波に埋もれて受信機1に受信されることがある。
反射波は直接波に対して位相がずれているが、反射波の信号波形は直接波の信号波形に近似しているため、反射波の信号波形と直接波の波形データとの相関値が大きくなり、反射波の分離処理が難しいという問題がある。
これに対して、以下に示すように、超音波信号にコード拡張変調を行なうことにより反射波を分離することができる。
図9は、超音波信号のコード拡散変調を説明する説明図である。図10は、コード拡散変調した場合の直接波と反射波の波形を示す図である。
図9に示すように、図9(A)に例示する信号波形に、所定周期でcode”0”とcode”1”とを交互にかけると、図9(B)に例示する信号波形となる。code”1”をかけた区間の信号も位相はそのままだが、code”0”をかけた区間の信号は周波数を変更させるものとする。
図10に示すように、信号波形にcodeをかけることにより、直接波に対して反射波の位相がずれた場合でも、反射波の信号波形は直接波の信号波形に近似しなくなるので、反射波の信号波形と直接波の波形データとの相関値は小さくなるので、反射波を分離することができる。
なお、この場合、送信機2がcodeをかけた場合は、受信機1がcodeを共有することが必要であり、分離処理部113は、送信機2が使用したcodeで変調した波形で相関をとる。例えば、送信機2と受信機1との間で、送信機2が使用したコード情報を含む制御情報を授受することにより、送信機2と受信機1はcodeを共有できる。
なお、超音波信号のコード拡散変調を利用する変形実施形態として、各送信機2が使用するcodeを送信機2毎に割り当てるようにしてもよい。これにより、各送信機2が使用するcodeが異なるため、各送信機2がユニークなコードで変調させることができる。その結果、受信機1は、codeに基づいて受信した信号の送信先である送信機2を特定することができ、各送信機2が使用したcodeを用いて復調する。
(A−3)相関値検出処理、時間差検出処理
図11は、第1の実施形態に係る相関値検出処理及び時間差検出処理を説明する説明図である。
相関値検出部12及び時間差検出部13は、各分離処理部113により分離された複数の受信波形を用いて相関値及び時間差検出を行なう。
相関値検出部12は、各分離処理部113により分離処理された信号を取得する。すなわち、各分離処理部113により直接波の波形データが減算されて、直接波と反射波とをから直接波の波形データを減算した受信信号を取得する。
相関値検出部12は、各受信波形を現状の先頭位置からシフトしていき、お互いの相互相関値を検出していく。先頭から相互相関値のピーク(最大値)を検出する。そして、時間差検出処理部13は、一方の信号波形の先頭位置から相互相関値の最大値となる時間を、複数の受信波形の時間差として検出する。
(A−4)到来角度推定処理
図12は、第1の実施形態に係る到来角度推定処理の基本概念を説明する説明図である。
到来角度推定部14は、例えば、既知技術であるMUSIC法や、複数の受信機の到来時間差を使って到来方向を推定などの手段を用いて、反射波の到来方向を推定する。
図12では、アレイ受信として、受信処理部11−1及び11−2のそれぞれの受信部111を線形ベクトルに配置した場合の例である。
2つの受信部111間の到来時間差をτ、超音波信号の到来速度をc、2つの受信部111の間の距離長をd、超音波信号の到来方向(角度)をθとすると、式(1)が成り立つ。
Figure 2018096911
図12に示すように、2つの受信部111が距離長dだけ離れた状態で、角度θの方向から超音波信号が各受信部111に到来した場合、それぞれの受信部111における超音波信号の到来時間は異なる。すなわち、一方の受信部111に超音波信号は到来し、到来時間差(遅延時間)τ後に、他方の受信部111に超音波信号が到来する。式(1)は、図12に例示する関係より、到来方向θを導出する関係式である。
式(1)を変形すると、到来方向(角度)θは式(2)となる。
Figure 2018096911
図13は、第1の実施形態に係る到来方向推定処理を説明する説明図である。
図13に示すように、送信機2からの超音波信号は、直接波として各受信部111に到来したり、反射体5に反射された反射波として各受信部111に到来したりする。
到来角度推定部14は、時間差検出部13により検出された各受信波形(すなわち、直接波、反射波)の時間差を到来時間差τとして、式(2)に従って、各信号波形の到来方向を推定する。
ここで、式(2)において、2つの受信部111の間の距離長d、超音波信号の到来速度cは予め設定することができる。従って、各信号波形の到来時間差τが分かれば、各信号波形の到来方向を推定することができる。
なお、図13では、直接波が到来する場合を例示しているが、反射波のみが受信機1に到来する場合も、同様に反射波の到来方向を推定することができる。
(A−5)位置推定処理
(A−5−1)基本的な概念
図14は、第1の実施形態に係る位置推定処理を示すフローチャートである。図15は、第1の実施形態に係る位置推定処理を説明する説明図である。
図14において、位置推定部15は、位置推定に係る環境モデルを設定し(S21)、環境モデルにおける受信機1の位置を設定する(S22)。
環境モデルは、例えば、室内フロアモデル(縦、横、高さ)や、反射体5の位置、形状、大きさ(縦、横、高さ)等を含む二次元空間、三次元空間のモデルである。環境モデルは、予め受信機1に設定されるようにしてもよいし、適宜変更可能であってもよい。例えば、室内に移動可能な物体がある場合には、反射体5の位置関係が変更され得るが、その場合には環境モデルの内容を変更するようにしてもよい。いずれにしても位置推定時の室内フロアモデル、反射体15の位置関係を示すモデルを使用する。
また、環境モデルは、二次元座標、三次元座標で構成されており、その基準点に対して、受信機1の位置をセットする。これにより、設定された環境モデルにおける受信機1の位置を決めることができる。
位置推定部15は、環境モデルにおける受信機1の位置を基点とし、到来角度推定部14により推定された各信号波の到来方向θを設定し(S23)、レイトレース法を用いて、各信号波の到来経路を追跡する(S24)。レイトレース法は、各レイの到来方向と、室内であればフロアモデル、障害物などのデータからレイの交点を求める処理である。
位置推定部15は、各信号波の到来経路を追跡していき、各線(レイ)の交点を送信点(すなわち、送信機2の位置)として推定する(S25)。
図16は、レイトレース法を用いた送信点の推定処理を説明する説明図である。
図16では、説明を容易にするため、基点(受信機1の位置)から2つのレイ(レイ3、レイ4)を、トレース場合を例示している。
図16(A)において、位置推定部15は、基点1から到来方向の延長線上にレイ3を伸ばしていく。このとき、レイ3が反射体5とぶつかった点を「交点31」とする。レイ3が反射体5にぶつかったとき、位置推定部15は反射体5に対する角度(反射角)を求め、「交点31」から反射角と等しい入射角に向けてレイ3を伸ばしていく。
同様に、図16(B)に示すように、位置推定部15は、基点1から到来方向の延長線上にレイ4を伸ばしていく。そして、レイ3とレイ4とが交差する点を送信点の位置と推定できる。
上記では、X−Y水平面上の2次元での位置推定処理を説明したが、図17に示すように、3次元での位置推定を行なうようにしてもよい。この場合、到来角度推定部14が水平方向の到来角度推定に加えて、垂直方向の角度の方向を推定して、3次元での到来方向を推定する。そして、位置推定部15が、各信号波の3次元の到来方向に基づいてレイトレースを行ない、3次元での位置推定を実施するようにしてもよい。
(A−5−2)複数の交点がある場合の位置推定処理
図18は、複数の交点がある場合の位置推定処理を説明する説明図である。
図18に示すように、レイトレース法により、複数の信号波の到達経路(レイ)を追跡していくと、複数の反射回数が生じるときには、複数の交点(図18の交点61、交点62)が生じることがある。つまり、複数の送信点候補が生じることになる。この場合、複数の交点(交点61、交点62)のうち、どの交点を送信点として推定するかが問題となる。
この実施形態では、位置推定部15が、各レイの反射回数をカウントする反射回数計数部151を有し、反射回数計数部151が、各レイの反射回数に基づいて、各レイの作成を制限するようにしてもよい。
図19は、反射回数計数部151による反射回数の制限処理を示すフローチャートである。
図19において、まず、反射回数計数部151は、各レイの反射回数を初期化する(S31)。そして、位置推定部15が、レイトレース法により、環境モデルにおいて各レイを作成する。このとき、反射回数計数部151は、各レイが反射体5と反射するか否かを監視し(S32)、各レイが反射体5に反射する場合、S33に進む。
反射回数計数部151は、各レイの生成を制限するための閾値が設定されており、各レイの反射回数と閾値を比較し、各レイの反射回数が閾値以下であるか否かを判定する(S33)。
このとき、各レイの反射回数が閾値以下の場合、当該レイの反射回数をインクリメント(すなわち、「1」を加算)し(S34)、入射角が反射角と等しいレイを作成する(S35)。
一方、各レイの反射回数が閾値以下でない場合、当該レイの作成を終了する。
このように、各レイの反射回数に基づいて各レイの作成を制限することにより、複数のレイの交点の数を1点することができる。
レイは、その反射回数が増すほどに経路距離が増し、経路距離が増すほど減衰により不正確な信号となる。この実施形態では、反射回数計数部151を備えることにより、レイトレース時の各レイの反射回数を制限することで、交点1を1点とすることができ、送信点を確定することができる。
なお、この実施形態では、反射回数に基づいてレイの作成を制限する場合を例示したが、これに限定されるものではない。
例えば、閾値を用いて、レイトレース法により作成する各レイの長さを制限するようにしてもよい。この方法によっても、レイの長さを制限することで、各レイの交点の数を制限することができ、送信点を1点とすることができる。また例えば、複数のレイの最初の交点が生じたときに、その交点を送信点と推定するようにしてもよい。また、3つ以上のレイがある場合には、3つ以上のレイの交点を送信点として推定するようにしてもよい。
(A−5−3)信頼性の高いレイの選択
直接波が到来しない見通し外の環境では、反射波のみを使用して位置推定処理を実施する場合を説明した。
しかし、送信機2が移動するような場合には、見通し外の環境だけではなく、見通し内と見通し外とが逐次変わり得る。見通し内の環境の場合、受信機1における受信信号は、直接波/反射波/回折波が混在することになる。
そこで、この実施形態では、位置推定部15が、電力検出部16により検出された信号波の電力値に基づいて高い電力値の信号波を選択し、その信号波の到来角度を用いてレイトレースする。これにより、信頼性の高いレイを選択して、送信点を推定することができる。
図20は、第1の実施形態において、複数の信号波の中から、信頼性の高い信号波を選択する処理を示すフローチャートである。
まず、相関値検出部12は、上述したように、受信処理部11−1及び受信処理部11−2のそれぞれの受信部111で受信した各信号波(受信波)の相関を取り、受信波を検出する。
図21は、受信処理部11−1の受信部111で受信した受信波と、受信処理部11−2の受信部111で受信した受信波を示す図である。図21では、直接波と、2つの反射波1と反射波2とが検出された場合を示している。
電力検出部16は、受信処理部11−1の受信部111の各信号波の波形と、受信処理部11−2の受信部111の各信号波の波形の時間関係に基づいて、各波形の関連付けを行なう。例えば、図21において、受信処理部11−1の受信部111で受信した受信波と、受信処理部11−2の受信部111で受信した受信波の受信波形では、3つの信号波が検出されているので、最初の信号波を直接波、次の信号波を反射波1、最後の信号波を反射波2と推定する。さらに、電力検出部16は、各信号波(直接波、反射波1、反射波2)の電力値(振幅値)を検出する。なお、電力値は、波形区間の平均電力値であってもよいし、最大電力値であってもよい。
図20において、位置推定部15は、電力検出部16から各信号波の電力値を取得し(S41)、各信号波の電力値と予め設定された閾値を比較し、電力値が閾値を超えるか否かを判定する(S42)。そして、電力値が閾値を超える場合、位置推定部15はその信号波を選択し(S43)、電力値が閾値以下の場合、位置推定部15はその信号波を使用しない(S44)。
位置推定部15は、選択した信号波の到来角度を用いて、レイトレース法によりレイを作成し、当該信号波の到来方向を追跡する(S45)。そして、各レイの交点を送信点として推定する(S46)。
なお、上記では、レイの選択を行なう指標として、信号波の電力値を用いる場合を例示したがこれに限定されるものではない。例えば、各レイの交点までの到達経路としてもよい。
(A−6)位置推定の実施例
[位置推定精度の確認]
見通し外の環境において、反射波のみを用いた位置推定精度を実測した実施例を説明する。
図22は、送信機2としてスピーカを用いた。受信機1として2個のマイクロフォンを有するアレイを用いた。2個のマイクロフォン間の距離は200[cm]とした。2個のマイクロフォンの中間点を原点[0,0]と設定する。
2個のマイクロフォン(原点)より到来角度推定を実施して、2種類の反射波(反射波1、反射波2)の到来角度を推定する。
各反射波のトレースを追うと反射板にぶつかり、その入射角と反射角を等しく置いて入射波のトレースを追うと交点を結ぶ。その交点をスピーカの推定位置とする。
図23は、評価結果である。図23において、送信点の「期待位置の座標」は[−200cm,−3.5cm]であるところ、送信点の「推定位置の座標」は[−208cm,−6.9cm]であった。送信点の位置推定誤差は8.7[cm]と、高精度な位置推定が可能であった。
[分離処理の確認]
超音波を使った位置推定で、あらかじめ直接波の波形データを保持しておき、直接波の残響に反射波が埋もれている波形に対して、受信信号から直接波のデータを減算して反射波を抽出する方法での精度を確認した。
図24は実施環境の測定条件を示す。図24に示すように、スピーカとマイクロフォンとの間の距離が200[cm]とした。この場合、直接波と反射波との行路差が小さいので、直接波の残響部分に反射波が埋もれている状態である。
ここで、あらかじめ直接波の波形データを保持しておき、受信信号と直接波の相関をとり、最大値となる位置から保持しておいた直接波を減算した。
図25は、受信信号の波形と、受信信号から直接波のデータを減算して反射波を抽出した波形である。図25に示すように、受信信号の2個目の山が、反射波であるが、直接波に埋もれて先頭位置が分からない。一方、減算後の波形は抽出された反射波の先頭が明確に分かる。
図26は、評価結果である。図26に示すように、直接波と反射波の期待行路差は28.25[cm]であるところ、直接波と反射波の推定行路差26.27[cm]であった。推定誤差は2[cm]と高精度な行路推定が可能であった。
(A−7)第1の実施形態の効果
上述したように、第1の実施形態によれば、反射波のみを使用することで見通し外環境位置推定を行うことが可能である。
また、第1の実施形態によれば、行路差が少ない受信信号は分離処理を実施するとともに、レイトレースを実施することで正確な位置推定を行なうことが可能である。
さらに、第1の実施形態によれば、見通し内/見通し外環境でも受信レベルなどで信頼性の高いレイを選択することで、より正確な位置推定を行うことが可能である。
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る位置推定装置、位置推定プログラム及び位置推定方法の第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
第2の実施形態では、送信機2と受信機1のいずれか又は両方に指向性を持たせる点で、第1の実施形態と異なる。
それ以外は、第1の実施形態と同様であり、第2の実施形態に係る受信機1は、第1の実施形態の図1に示す内部構成を有し、第2の実施形態に係る送信機2は、第1の実施形態の図3に示す内部構成を有する。
送信機2が指向性を持たせて超音波信号を送信し、受信機1が指向性を持たせて超音波信号を受信することにより、受信機1は、より高い精度で送信機2の位置を推定することができる。
なお、送信機2及び受信機1が、電波、超音波信号について指向性を持たせる指向性技術は、既存技術を広く適用することができるため、ここでの詳細な説明は省略する。特に超音波信号の送信に係る指向性技術として、例えば、ホーンなど機構的な手段でより指向性を高めることが可能である。
図27は、指向性を持たせた場合の位置推定処理を説明する説明図である。
図27(A)は、受信機1が、送信機2の指向性の範囲内に存在している場合を示し、図27(B)は、受信機1が、送信機2の指向性の範囲外に存在している場合を示す。
従来、見通し外の環境で、受信機1が送信機2の位置を推定することが難しいという課題がある。
例えば、送信機2が移動可能であるとする。図27(A)に示すように、受信機1が、送信機2の指向性範囲内に存在している場合には、受信機1は、直接波を受信することができるため、送信機2の位置を推定することができる。
しかし、図27(B)に示すように、受信機1が、送信機2の指向性の範囲外にある場合、受信機1は、直接波を受信できず、送信機2の位置を推定できないことがある。
従来、受信機と送信機とを連動させて、送信機のアンテナ/スピーカを受信機側に向かせる方法もある。しかし、受信機と送信機とを連携させる場合、大規模システムとなり、コストが高くなる。
本発明は、見通し外において、反射波のみでも位置推定を実施可能であるため、送信機2が移動し、受信機1が送信機2の指向性範囲外となっても、送信機2及び受信機1が指向性を追従することなしに、受信機1が送信機1の位置を推定することができる。
図28は、第2の実施形態において、指向性を持たせた場合の位置推定処理を説明する説明図である。
図28(A)に示すように、受信機1が送信機2の指向性範囲内の場合(見通し内)の場合は、当然、受信機1は送信機2の位置を推定できる。
また、図28(B)に示すように、受信機1が送信機2の指向性範囲外であり、見通し外のときでも、周辺の壁などの反射体5に反射した反射波が受信機1に到来することができれば、受信機1は反射波のみを利用して送信機2の位置を推定することができる。
図29は、第2の実施形態において、複数の送信機2を設けた場合の位置推定処理を説明する説明図である。
例えば、指向性を持たせた複数の送信機2を送信側の装置に搭載させることにより、直接波、反射波などが受信機1に到来するため、より確実に位置推定を行なうことができる。
図29(A)に示すように、受信機1がある送信機2の指向性範囲内の存在する時には、直接波と、反射体5に反射した反射波が受信機1に到来する可能性がある。また図29(B)に示すように、送信機2が移動したときでも、別の送信機2の指向性範囲に受信機1が存在する可能性が高くなるので、この場合にも、直接波、反射波が受信機1に到来すれば、受信機1は位置推定を行なうことができる。
なお、第2の実施形態では、送信機2が、指向性を持たせて送信信号を送信する場合を例示した。しかし、当然、受信機1に指向性を持たせても同様な効果がある。
また、第2の実施形態では、直接波と反射波の例を示したが、当然、回折波も含めた様々な種類の到来波の組み合わせでも同様な効果がある。
(C)第3の実施形態
次に、本発明に係る位置推定装置、位置推定プログラム及び位置推定方法の第3の実施形態を、図面を参照して説明する。
第3の実施形態は、受信機1は、送信機1の推定位置をマッピング表示する機能を有する。
図31は、第3の実施形態に係る受信機1の主な内部構成を示す内部構成図である。図30は、第3の実施形態に係るマッピング表示画面の一例を示す画面図である。
図31において、第3の実施形態に係る受信機1は、図1に示す構成要素に加えて、表示制御部17、表示部18を有する。
表示制御部17は、位置推定部15により推定された位置推定情報と、環境モデルのデータを取得し、環境モデルに基づく室内環境において、送信点の位置をマッピング表示制御するものである。
表示部18は、例えばディスプレイ等の表示部であり、表示制御部17からのマッピングデータに基づいて、例えば図30に例示するような、送信機2の推定位置を含む地図画面を表示する。
受信機1の位置推定部15が推定した位置推定情報及び環境モデルのデータが表示制御部17に与えることができれば、表示制御部17及び表示部18は、受信機1に搭載されている必要はない。表示制御部17及び表示部18が受信機1に対して遠隔の場所にあり、受信機1から離れた位置で送信機1の位置を表示するようにしてもよい。
また、表示制御部17及び表示部18は、複数の受信機1と接続しており、多数の送信機1の推定位置を、1つの地図上にマッピング表示するようにしてもよい。
第3の実施形態によれば、位置推定部15が推定した推定位置を、レイトレースで使用する環境モデルに基づく地図上にマッピング表示することができる。
また、第3の実施形態によれば、例えば屋内の壁などにより、見通すことができない送信機2の位置を、正確に地図上にマッピングして表示させることができる。
1…受信機、11(11−1、11−2)…受信処理部、12…相関値検出部、13…時間差検出部、14…到来角度推定部、15…位置推定部、16…電力検出部、17…表示制御部、18…表示部、111…受信部、112…信号増幅器、113…分離処理部、
2…送信機、21…パルス発生器、22…送信部。

Claims (9)

  1. 到来波を捕捉する複数の受信部と、
    上記各受信部からの各受信信号に含まれている1又は複数の信号波成分を分離する複数の分離処理部と、
    上記各分離処理部により分離された各信号波成分の相互相関をとり、上記各受信部に到来した各信号波の到来時間差を検出する時間差検出部と、
    上記各信号波の到来時間差に基づいて各信号波の到来角度を推定する到来角度推定部と、
    上記各信号波の到来角度に基づいて各信号波の到来経路を追跡し、各信号波の到来経路の交点を、送信波の送信位置として推定する位置推定部と
    を備えることを特徴とする位置推定装置。
  2. 上記位置推定部が、位置推定に係る環境モデル情報を用いて、レイトレース法により、上記各信号波の到来経路を追跡することを特徴とする請求項1に記載の位置推定装置。
  3. 上記位置推定部が、レイトレース法による各信号波の到来経路の追跡を制限することを特徴とする請求項2に記載の位置推定装置。
  4. 上記位置推定部が、上記環境モデル情報における反射体に、各信号波の到来経路が反射する反射回数を計数し、その反射回数に基づいて到来経路の追跡を制限することを特徴とする請求項3に記載の位置推定装置。
  5. 上記各分離処理部が、送信波データを有し、上記受信信号から上記送信波データを減算して、少なくとも反射体に反射した反射波成分を分離することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位置推定装置。
  6. 送信側の送信する送信信号が拡散符号変調信号であり、
    上記各分離処理部が、各受信信号に含まれる拡散変調された各信号波成分を分離することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の位置推定装置。
  7. 上記各信号波成分の電力値を検出する電力検出部を備え、
    上記位置推定部が、上記各信号波成分のうち、電力値が閾値を超える信号波の到来経路を追跡して、上記送信点の位置を推定する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の位置推定装置。
  8. 複数の受信部がそれぞれ捕捉した到来波に基づいて、送信波の送信位置を推定する位置推定プログラムであって、
    コンピュータを、
    上記各受信部からの各受信信号に含まれている1又は複数の信号波成分を分離する複数の分離処理部と、
    上記各分離処理部により分離された各信号波成分の相互相関をとり、上記各受信部に到来した各信号波の到来時間差を検出する時間差検出部と、
    上記各信号波の到来時間差に基づいて各信号波の到来角度を推定する到来角度推定部と、
    上記各信号波の到来角度に基づいて各信号波の到来経路を追跡し、各信号波の到来経路の交点を、送信波の送信位置として推定する位置推定部と
    して機能させることを特徴とする位置推定プログラム。
  9. 複数の受信部のそれぞれが到来波を捕捉し、
    複数の分離処理部のそれぞれが、上記各受信部からの各受信信号に含まれている1又は複数の信号波成分を分離し、
    時間差検出部が、上記各分離処理部により分離された各信号波成分の相互相関をとり、上記各受信部に到来した各信号波の到来時間差を検出し、
    到来角度推定部が、上記各信号波の到来時間差に基づいて各信号波の到来角度を推定し、
    位置推定部が、上記各信号波の到来角度に基づいて各信号波の到来経路を追跡し、各信号波の到来経路の交点を、送信波の送信位置として推定する
    ことを特徴とする位置推定方法。
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