以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態においては、オフセットプリンタおよびデジタルプリンタが混在するシステムにおいて、両方のプリンタを同一のサーバを介して制御可能な画像処理システムについて説明する。このようなシステムは、HWF(Hybrid Work Flow)システムと呼ばれる。そのようなシステムにおいてデジタルプリンタを動作させる場合に、本実施形態においては、デジタルプリンタを制御するDFE(Digital Front End)とサーバとで共通化されたRIP(Raster Image Processor)エンジンを搭載したHWFシステムおよびその制御方法を例に挙げて説明を行う。
図1は、本実施形態に係るHWFシステムの運用形態を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るシステムは、デジタルプリンタ1、オフセットプリンタ2、後処理装置3、HWFサーバ4a、4b(以降、総じて「HWFサーバ4」とする)、クライアント端末5a、5b(以降、総じて「クライアント端末5」とする)がネットワークを介して接続されて構成されている。また、画像データが記憶されたサーバ6などと、ネットワークを介した通信を行ってデジタルプリンタ1もしくはオフセットプリンタ2が画像データを取得し、取得した画像データに基づいて印刷出力を実行する構成であってもよい。
デジタルプリンタ1は、電子写真方式やインクジェット方式等、版を用いずに画像形成出力を行うプリンタであり、DFE100およびデジタルエンジン150を含む。DFE100は、デジタルエンジン150に印刷出力を実行させるための制御部である画像形成出力制御装置として機能する。また、デジタルエンジン150が画像形成装置として機能する。そのため、DFE100は、デジタルエンジン150が印刷出力を実行する際に参照する画像データであるラスターデータを生成するためのRIP(Raster Image Processor)エンジンを含む。ラスターデータが描画情報である。
オフセットプリンタ2は、版を用いて画像形成出力を行うプリンタであり、CTP(Computer To Plate)200およびオフセットエンジン250を含む。CTP200は、ラスターデータに基づいて版を生成する装置である。CTP200によって版が生成されることにより、オフセットエンジン250によるオフセット印刷が可能となる。
後処理装置3は、デジタルプリンタ1、オフセットプリンタ2によって印刷出力された用紙に対してパンチ、ステープル、製本などの後処理を行う装置である。HWFサーバ4は、印刷出力する対象の画像データを含む命令情報であるジョブデータの入力から、印刷出力、後処理まで全てを管理するHWFソフトウェアがインストールされたサーバである。HWFサーバ4は、XML(Extensible Markup Language)が用いられているJDF(Job Definition Format)と呼ばれる情報形式で生成された情報(以降、「JDF情報」とする)により、上述した様々な処理を実行する順番や処理内容の変更などを制御する。すなわち、HWFサーバ4が処理実行制御装置として機能する。
HWFサーバ4は、オフセットプリンタ2を用いてオフセット印刷により印刷出力を行う場合、内部に搭載されたRIPエンジンによりラスターデータを生成し、そのラスターデータをCTP200に送信する。そのため、HWFサーバ4にはRIPエンジン420が搭載されている。
他方、デジタルプリンタ1により印刷出力を行う場合、DFE100にデータを送信する。DFE100には上述したとおり、RIPエンジン120が搭載されているため、HWFサーバ4はRIP処理前の印刷データをDFE100に送信することにより、デジタルプリンタ1に印刷出力を実行させることが可能である。
ここで、同一の印刷データに基づく印刷出力がデジタルプリンタ1、オフセットプリンタ2のそれぞれにおいて実行される場合がある。そのような場合において、両者の印刷出力の結果が異なると、出力物を受け取るユーザに違和感を与えることとなる。
異なるデバイスによる印刷出力の差異は、主にRIP処理によって生じる。そのため、デジタルプリンタ1とオフセットプリンタ2とで処理が共通化されたRIPエンジンを用いることにより、両者の出力結果の差異を減らすことが可能である。
すなわち、本実施形態においてHWFサーバ4に搭載されるRIPエンジン420は、デジタルプリンタ1およびオフセットプリンタ2の両方に対応したRIP処理を行うことができ、それぞれのプリンタに共通して搭載可能なRIPエンジンである。また、DFE100には、HWFサーバ4に搭載されたRIPエンジン420と共通のRIPエンジン120が搭載される。
このような構成により、HWFサーバ4およびDFE100には共通のRIPエンジンが搭載されることとなる。そのため、HWFサーバ4によるRIP処理とDFE100によるRIP処理とを組み合わせて、デジタルプリンタ1に印刷出力を実行させることが可能となる。
クライアント端末5は、システムを使用するオペレータがHWFサーバ4を操作するための情報処理端末であり、一般的なPC(Personal Computer)等によって実現される。オペレータは、クライアント端末5を操作してHWFサーバ4を操作するためのGUI(Graphical User Interface)を表示し、データの入力や上述したJDF情報の設定などを行う。JDF情報が処理設定情報である。
サーバ6は、HWFシステムを用いて印刷出力される画像データが記憶されている記憶部を含む情報処理装置である。HWFサーバ4やDFE100は、サーバ6に記憶されている画像データを取得してデジタルプリンタ1もしくはオフセットプリンタ2に印刷出力を実行させる。
次に、本実施形態に係るDFE100、HWFサーバ4およびクライアント端末5、サーバ6などの情報処理装置のハードウェア構成について図2を参照して説明する。図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)などと同様の構成を含む。
すなわち、本実施形態に係る情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40およびI/F50がバス80を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60および操作部70が接続されている。
CPU10は演算手段であり、情報処理装置全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェアなどのプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラムなどが格納される。
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが情報処理装置の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが情報処理装置に情報を入力するためのユーザインタフェースである。なお、HWFサーバ4、サーバ6は、LCD60や操作部70などのユーザインタフェースを省略して構成されてもよい。
このようなハードウェア構成において、ROM30に格納されたプログラムや、HDD40もしくは光学ディスク等の記憶媒体からRAM20にロードされたプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係るDFE100、HWFサーバ4、クライアント端末5、サーバ6の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、上述したJDF情報について説明する。図3は、JDF情報の例を示す図である。図3に示すように、JDF情報は、ジョブの実行に関する“ジョブ情報”、ラスターデータに関する“エディット情報”、後処理に関する“フィニッシング情報”を含む。また、“RIPステータス”、“RIPデバイス指定”および“デバイス指定”の情報を含む。
“ジョブ情報”は、図3に示すように、“部数”、“ページ数”、“RIP制御モード”、“カタログID”といった情報を含む。“部数”は、出力対象の印刷物の部数を指定する情報である。“ページ数”は、印刷物のページ数を指定する情報である。“RIP制御モード”は、RIP処理の制御モードを示し、「ページモード」、「シートモード」等が指定される。“カタログID”は、用紙属性を指定する情報であり、詳細は後述する。
“エディット情報”は、“向き情報”、“印刷面情報”、“回転”、“拡大/縮小”、“イメージ位置”、“レイアウト情報”、“マージン情報”、“クロップ・マーク情報”を含む。“向き情報”は、「縦」、「横」等の印刷の向きを指定する情報である。“印刷面情報”は、「両面」、「片面」等の印刷面を指定する情報である。
“回転”は、出力対象の画像の回転角度を指定する情報である。“拡大/縮小”は、出力対象の画像の変倍率を指定する情報である。“イメージ位置”の“オフセット”は、出力対象の画像のオフセットを指定する情報である。“位置調整情報”は、出力対象の画像の位置調整の値を指定する情報である。
“レイアウト情報”の“カスタム・インポジション配置”は、カスタム面の配置を指定する情報である。“ページ数”は、用紙1枚のページ数を指定する情報であり、例えば1枚の用紙に2ページを集約する場合には「2in1」等と指定される。“ページ順序情報”は、印刷されるページの順序に関する情報を指定する情報である。“クリープ位置調整”は、クリープ位置の調整に関する値を指定する情報である。
“マージン情報”は、フィット・ボックスやガターなどのマージンに関する値を指定する情報である。“クロップ・マーク情報”の“センター・クロップ・マーク情報”は、センター・クロップ・マークに関する値を指定する情報である。“コーナー・クロップ・マーク情報”は、コーナー・クロップ・マークに関する値を指定する情報である。
“フィニッシング情報”は、“Collate情報”、“ステープル/バインド情報”、“パンチ情報”、“折り情報”、“トリム”、“出力トレイ情報”、“入力トレイ情報”、“カバー・シート情報”を含む。“Collate情報”は、文書が複数部数印刷される場合にページ単位で印刷するか文書単位で印刷するかを指定する情報である。
“ステープル/バインド情報”は、ステープル/バインドに関する処理を指定する情報である。“パンチ情報”は、パンチに関する処理を指定する情報である。“折り情報”は、折りに関する処理を指定する情報である。“トリム”は、トリムに関する処理を指定する情報である。
“出力トレイ情報”は、出力トレイを指定する情報である。“入力トレイ”は、入力トレイを指定する情報である。“カバー・シート情報”は、カバー・シートに関する処理を指定する情報である。
“RIPステータス”は、RIP処理に含まれる各処理であるRIP内部処理のそれぞれが実行済みであるか否かを示す実行状態情報である。図3においては、RIP内部処理の項目として“プリフライト”、“ノーマライズ”、“フォント”、“レイアウト”、“マーク”、“CMM”、“Trapping”、“Calibration”、“Screening”といった処理項目が記述されている。そして、それぞれの項目についての処理状態のステータスが記述される。図3においては、未処理であることを示す「NotYet」が設定されており、それぞれの処理が実行されると「Done」に更新される。
“RIPデバイス指定”は、それぞれのRIP内部処理について、HWFサーバ4側において実行するか、DFE100側において実行するかを指定する情報である。“RIPステータス”と同様のRIP内部処理のそれぞれの項目について、「HWFサーバ」と「DFE」とのいずれかが設定される。また、「DFE」が設定される場合、「DFE(エンジンA)」、「DFE(外部処理部121)」のように、DFE100に搭載されている複数のRIPエンジン120もしくはラスターデータを生成する処理を実行するモジュールの内から、いずれかを指定する情報が含まれる。
“デバイス指定”は、印刷ジョブを実行するデバイスを指定する情報であり、図3の例においては、「デジタルプリンタ」が指定されている。なお、JDF情報は図3に示す情報の他にも様々な情報を含む。それらの情報については以降の説明において詳述する。
図3に示すJDF情報は、オペレータがクライアント端末5を介してHWFサーバ4のGUIを表示させ、GUIにおいて各種の項目を設定することにより生成される。そして、HWFサーバ4やDFE100に搭載されるRIPエンジンは、このようなJDF情報に基づいてRIP処理を行う。また、後処理装置3は、このようなJDF情報に基づいて後処理を実行する。
なお、外部のソフトウェアやシステムからHWFサーバ4に対してジョブが入力される場合、JDF情報が付与された状態で入力される場合もある。このような場合の処理について、詳細は後述する。
次に、本実施形態に係るHWFサーバ4の機能構成について図4を参照して説明する。図4に示すように、HWFサーバ4は、HWFコントローラ400およびネットワークI/F401を含む。ネットワークI/F401は、HWFサーバ4がネットワークを介して他の機器と情報をやり取りするためのインタフェースである。
HWFコントローラ400は、印刷対象のデータの取得、印刷ジョブの作成、ワークフローの管理、デジタルプリンタ1およびオフセットプリンタ2へのジョブの振り分け等を管理する。印刷対象のジョブデータがHWFサーバ4に入力され、HWFコントローラ400によって取得される処理が、本システムにおける入力処理である。HWFコントローラ400は、専用のソフトウェアが情報処理装置にインストールされることによって構成される。このソフトウェアがHWFソフトウェアである。
HWFコントローラ400において、システム制御部410は、HWFコントローラ400全体の制御を行う。そのため、システム制御部410は、上述したHWFコントローラ400の各機能の実現に際して、HWFコントローラ400各部に命令を与えて処理を実行させる。データ受信部411は、他のシステムからの印刷物のジョブデータの受信、もしくはオペレータの操作によって入力されるジョブデータの受信を行う。
UI(User Interface)制御部412は、クライアント端末5を介したオペレータによる操作を制御する。クライアント端末5にはHWFサーバ4を操作するためのGUIが表示され、UI制御部412は、クライアント端末5において表示されたGUIに対する操作の情報を、ネットワークを介して取得する。
UI制御部412は、このようにしてネットワークを介して取得した操作の情報をシステム制御部410に通知する。クライアント端末5におけるGUIの表示は、クライアント端末5に予めインストールされたソフトウェアや、UI制御部412からネットワークを介してクライアント端末5に提供される情報によって実現される。
オペレータは、クライアント端末5に表示されたGUIを操作することにより入力対象のジョブデータを選択する。これにより、クライアント端末5がHWFサーバ4に対してジョブデータを送信し、データ受信部411がジョブデータを取得する。システム制御部410は、データ受信部411が取得したジョブデータをジョブデータ格納部414に登録する。
クライアント端末5からHWFサーバ4へのジョブデータの送信に際しては、クライアント端末5において選択された文書データや画像データに基づき、クライアント端末5においてジョブデータが生成された上でHWFサーバ4に送信される。ジョブデータは、例えばPDF(Portable Document Format)やPostScript等のPDL(Page Description Language)形式のデータである。
この他、クライアント端末5からHWFサーバ4に対してアプリケーション専用のデータ形式や一般的な画像データの形式のまま印刷対象のデータが送信されても良い。その場合、システム制御部410は、取得したデータに基づいてジョブ制御部413にジョブデータを生成させる。ジョブ制御部413は、RIPエンジン420の機能により印刷対象のデータに基づいてジョブデータを生成させる。
なお、ジョブデータ格納部414に登録された印刷対象のデータは上述したようにPDL情報であるが、このPDL情報は、印刷対象のデータに基づいて生成された一次的なデータの他、途中まで処理が実行された中間データの場合もあり得る。印刷対象のデータに基づいて生成された一次的なデータおよび途中まで処理が実行された中間データが、HWFシステムにおいて印刷出力の対象となる画像の情報である出力対象画像情報として用いられる。中間データがジョブデータ格納部414に格納される場合としては、HWFサーバ4において既に処理が開始された処理途中の状態の他、中間データの状態でHWFサーバ4にジョブデータが登録される場合等があり得る。以降、本実施形態の説明において“PDL情報”と表記した場合は、RIP処理が行われていない一次的なデータを示すものとする。また、同様に、“中間データ”と表記した場合には、途中までRIP処理が実行された処理途中の状態のデータを示すものとする。
また、上述したように、図3において説明したJDF情報はクライアント端末5に表示されるGUIに対するオペレータの操作により設定されて生成される。もしくは、外部のソフトウェアやシステムからHWFサーバ4に対してジョブが入力される場合には、予め付与されている。そのようなJDF情報はジョブデータとしてPDL情報と共にデータ受信部411によって受信される。システム制御部410は、そのようにして取得されたJDF情報とPDL情報とを関連付けてジョブデータ格納部414に登録する。
なお、本実施形態においてはジョブの内容を示す属性情報としてJDF情報を用いる場合を例として説明した。しかしながらこれは一例であり、他の形式、例えばPPF(Print Production Format)情報を用いても良い。
また、システム制御部410は、クライアント端末5に表示されたGUIに対するオペレータの操作に基づき、受信したジョブデータを、ページ単位等の印刷部位毎に分割することができる。そのようにして分割されたジョブデータは、個別のジョブデータとしてジョブデータ格納部414に登録される。
また、分割されたそれぞれのジョブについて、クライアント端末5に表示されたGUIに対するオペレータの操作により出力先のデバイスが選択されると、その選択結果がジョブデータと関連付けてジョブデータ格納部414に保存される。出力先の選択態様としては、例えば表紙部分はデジタルプリンタ1、本文はオフセットプリンタ2といった選択態様があり得る。
デバイス情報管理部416は、デジタルプリンタ1、オフセットプリンタ2、後処理装置3等、システムに含まれる他のデバイスの情報を取得してデバイス情報格納部417に記憶させることにより管理する。他のデバイスの情報としては、デバイスがネットワークに接続された際に割り当てられるネットワークのアドレスや、デバイスの機能の情報である。デバイスの機能の情報とは、例えば印刷速度、使用可能な後処理機能、動作状態等である。
デバイス情報通信部415は、ネットワークI/F401を介して、システムに含まれる他のデバイスの情報を定期的に取得する。これにより、デバイス情報管理部416は、デバイス情報格納部417に格納されている他のデバイスの情報を定期的に更新するため、他のデバイスの情報が動的に変化したとしてもデバイス情報格納部417に格納された情報が正確に保たれる。
ワークフロー制御部418は、ジョブデータ格納部414に登録されたジョブデータをシステム上で処理する際の各処理の実行順を決定し、その情報をワークフロー情報格納部419に記憶させる。ワークフローに定められた各処理は予めその実行順序が決められており、順序性を保つため、前の処理が完了すると次の処理に進むように制御される。
すなわち、ワークフロー情報格納部419に格納されているのは、HWFシステムにおいて実行可能なそれぞれの処理が指定された順番通りに組み合わせられたワークフロー情報である。図5は、ワークフロー情報の例を示す図である。これに対して、それぞれの処理が実行される際のパラメータは上述したとおりJDF情報において指定される。ワークフロー情報格納部419には、クライアント端末5に表示されたGUIに対するオペレータの操作に基づいて設定されたワークフロー情報が予め登録されている。
HWFサーバ4に登録されたジョブデータに対する実行指示は、クライアント端末5に表示されたGUIに対するオペレータの操作に基づきUI制御部412を介してシステム制御部410に通知される。これにより、システム制御部410は、上述した出力先デバイスの選択を行う。
上述したように、クライアント端末5に表示されたGUI上で出力先デバイスを選択する態様の場合、システム制御部410は指定の内容に従って出力先デバイスを選択する。この他、ジョブの内容とデバイスの特性との比較に基づいて自動的に選択する態様も可能である。
ジョブの内容とデバイスの特性との比較に基づいて出力先デバイスを自動的に選択する場合、システム制御部410は、利用可能なデバイスの情報をデバイス情報管理部416から取得する。このようにして出力先デバイスを決定すると、システム制御部410は、決定した出力先デバイスを示す情報をJDF情報に付与する。
出力先デバイスを決定した後、システム制御部410はワークフロー制御部418に対してジョブの実行指示を行う。この際、オペレータの操作に基づいてワークフロー情報格納部419に予め登録されているワークフロー情報を用いても良いし、オペレータの操作に従って設定された内容に基づいて新たなワークフロー情報が生成されても良い。
ワークフロー制御部418は、システム制御部410から実行指示を受け付けると、指定されたワークフロー情報もしくは新たに生成したワークフロー情報に従い、指定された実行順に従ってジョブ制御部413に各処理の実行指示を行う。すなわち、ワークフロー制御部418が処理実行制御部として機能する。
実行指示を受けたジョブ制御部413は、上述したPDL情報およびJDF情報をRIPエンジン420に入力してRIP処理を実行させる。JDF情報には、RIPエンジンによって行われる複数のRIP内部処理それぞれについて、HWFサーバ4、DFE100のいずれにおいて実行するかを示す情報が含まれる。
ジョブ制御部413は、JDF情報に含まれる情報のうち、RIP処理の振り分けの情報を参照し、ワークフロー制御部418から指示された処理がHWFサーバ4において実行するべき処理であれば、RIPエンジン420に対して指定された処理を実行させる。RIPエンジン420は、ジョブ制御部413からの指示に従い、JDF情報において指定されたパラメータに基づいてRIP処理を実行する。
このようにしてRIP処理を実行したRIPエンジン420は、処理を実行したRIP処理のRIPステータスを更新する。これにより、複数のRIP内部処理のうちHWFサーバ4において実行されたRIP内部処理については、ステータスが「Done」に変更される。RIPエンジン420が、制御側描画情報生成部として機能する。
RIP処理が実行されることによって生成されるRIP実行結果データは、PDL情報、中間データ、ラスターデータのいずれかである。これらはRIP内部処理の内容によって異なるが、処理が進むことによって、HWFサーバ4に入力された際にはPDL情報であったデータに基づいて中間データが生成され、最終的にラスターデータが生成される。RIP実行結果データは、実行中のジョブに関連付けられてジョブデータ格納部414に格納される。
1つのRIP内部処理が完了すると、RIPエンジン420がジョブ制御部413に完了を通知し、ジョブ制御部413がワークフロー制御部418に通知する。これにより、ワークフロー制御部418が、ワークフロー情報に従って次の処理の制御を開始する。
ジョブ制御部413は、ワークフロー制御部418から受け取ったジョブの内容が、他システムに対する要求である場合、ジョブ送受信部421に対して、他システムに応じた形でジョブデータを入力し、ジョブデータを送信させる。オフセットプリンタ2へのジョブデータの送信の場合、印刷対象のデータはラスターデータに変換された上でジョブデータとして送信される。
他方、デジタルプリンタ1へのジョブデータの送信の場合、ジョブ制御部413は、DFE100に含まれる複数のRIPエンジン120のうち、RIPエンジン420に対応した同一のRIPエンジン120を指定してジョブ送受信部421にジョブデータを入力する。これにより、ジョブ送受信部421は、RIPエンジン420に対応した同一のRIPエンジン120を指定してDFE100にジョブデータを送信する。
ジョブ送受信部421は、PDL情報または中間データと、JDF情報とをパッケージしたジョブデータをDFE100に送信する。なお、ジョブデータの送信態様として、PDL情報または中間データを外部リソースデータとし、JDF情報内にPDL情報または中間データの格納先を示すURLを記述する態様でも良い。この場合、JDF情報を受信した側でURLにアクセスし、PDL情報または中間データを取得する。
次に、本実施形態に係るDFE100の機能構成について図6を参照して説明する。DFE100は、HWFサーバ4からジョブデータを受信し、受信したジョブの制御、RIP処理の実行制御およびデジタルエンジン150の制御を行う。HWFサーバ4は、DFE100にジョブデータを送信することにより、デジタルエンジン150による印刷出力を実行させる。すなわち、DFE100は、HWFサーバ4に対してデジタルプリント機能を提供するためのサーバとして機能する。
DFE100が提供するジョブの制御機能とは、ジョブデータの受け付け、JDF情報の解析、ラスターデータの作成およびデジタルエンジン150による印刷出力等の一連の動作の制御機能である。RIP処理の実行制御とは、JDF情報とPDL情報の解析によって生成された情報に基づいてRIPエンジン120にラスターデータを生成するRIP処理を実行させる制御である。
JDF情報の解析によって生成される情報とは、図3において説明したJDF情報のうち、RIP処理に用いられる情報が抽出され、DFE100において解読可能な形式に変換された情報であり、“DFE内ジョブ属性”と呼ばれる。このDFE内ジョブ属性とPDL情報を参照してRIP処理が実行されることにより、中間データ、ラスターデータが作成される。
デジタルエンジン150の制御機能とは、デジタルエンジン150にラスターデータおよび上述したDFE内ジョブ属性の一部を送信して印刷出力を実行させる機能である。これらの機能は、図6に示す各ブロックによって実現される。図6に示す各ブロックは、図2において説明したように、RAM20にロードされたプログラムやROM30に格納されたプログラムに従ってCPU10が演算処理を行い、他のハードウェアを動作させることにより実現される。
DFE100は、内部に複数のRIPエンジン120を搭載している。これは、HWFシステムにおいてDFE100にジョブを送信する可能性のある他のデバイスのRIPエンジンにそれぞれ対応して搭載されたものである。本実施形態においては、複数のHWFサーバ4a、4bにそれぞれ異なるRIPエンジン420が含まれているため、DFE100にはそれぞれのRIPエンジン420に対応して複数のRIPエンジン120が搭載されている。
ジョブ受信部111は、内部に複数の個別ジョブ受信部112を含む命令情報受信部である。個別ジョブ受信部112は、ネットワークI/F101を介してHWFサーバ4からジョブデータを受信する。複数の個別ジョブ受信部112は、DFE100に搭載されている複数のRIPエンジン120にそれぞれ対応している。
上述したように、HWFサーバ4からのDFE100へのジョブデータの送信に際しては、対応するRIPエンジン120が指定されて送信される。そのため、ジョブ受信部111においては、JDF情報において指定されたRIPエンジン120に対応した個別ジョブ受信部112がジョブデータを受信する。
なお、DFE100へのジョブデータの入力は、HWFサーバ4からネットワークを介した入力の他、USBメモリ等の可搬型記憶媒体を介して入力することも可能である。本実施形態においてはジョブデータにJDF情報が含まれる場合を例として説明するが、JDFが含まれていない場合、ジョブ受信部111はダミーのJDFを作成して、ジョブデータにJDF情報を付与する。
個別ジョブ受信部112は、上述したそれぞれのRIPエンジン120に対応して設けられる場合の他、予めジョブの内容が設定された仮想プリンタとしても機能する。すなわち、DFE100に搭載されたRIPエンジン120およびジョブの内容を設定した個別ジョブ受信部112を設け、複数の個別ジョブ受信部112のいずれかを指定することにより、予め設定された内容でジョブを実行させることが可能となる。
個別ジョブ受信部112が仮想プリンタとして機能する場合、本実施形態においては、入力されたジョブに対して適用させるJDF記述変換プログラム128の情報を個別ジョブ受信部112ごとに設定しておく。そして、HWFサーバ4から個別ジョブ受信部112を指定して、ジョブを入力することにより、ジョブデータに含まれるJDF情報をDFE100が処理可能な形式に変換する。したがって、個別ジョブ受信部112は、それぞれ、出力側命令情報受信部として機能する。
システム制御部113は、個別ジョブ受信部112が受信したジョブデータをジョブデータ格納部114に格納し、もしくはジョブ制御部116に受け渡す。DFE100においてジョブデータを格納する設定がされている場合、システム制御部113はジョブデータをジョブデータ格納部114に格納する。また、ジョブデータ格納部114に格納するか否かがJDF情報に記述されている場合、システム制御部113はその記述に従う。
ジョブデータ格納部114にジョブデータを格納する場合とは、例えばDFE100において印刷内容のプレビューを行う場合や、ジョブデータに含まれるJDF情報をDFE100が処理可能な形式に変換する場合などである。
DFE100において印刷内容のプレビューを行う場合、システム制御部113は、ジョブデータに含まれる印刷対象のデータ、すなわちPDL情報や中間データを、ジョブデータ格納部114から取得してプレビューデータを生成してUI制御部115に受け渡す。これにより、UI制御部115は、印刷内容のプレビューをディスプレイ102に表示させる。
ジョブデータに含まれるJDF情報をDFE100が処理可能な形式に変換する場合、システム制御部113は、ジョブデータを一度ジョブデータ格納部114に格納する。システム制御部113は、格納されたジョブデータに含まれるJDF情報をジョブ変換部126に受け渡し、ジョブ変換部126は、受け取ったJDF情報に対してJDF記述変換プログラム128を実行し、JDF情報をDFE100が処理可能な形式に変換する。
ジョブ変換部126は、ジョブデータ格納部114から受け取ったJDF情報に対してJDF記述変換プログラム128を実行し、JDF情報に含まれているテキスト記述を置換する、または、JDF情報で階層構造のデータの属性の記述をDFE100が処理可能な形式に変換する。すなわち、ジョブ変換部126は、JDF記述変換プログラム128に、処理設定情報であるJDF情報の記述を変換させる処理設定情報記述変換制御部として機能する。ジョブ変換部126によるJDF情報の記述の変換態様については、後述する。
プレビューデータの生成に際して、システム制御部113はジョブ制御部116に印刷対象のデータを受け渡してプレビューデータの生成を要求する。ジョブ制御部116はRIP部118に印刷対象のデータを受け渡してプレビューデータを生成させ、生成されたプレビューデータをシステム制御部113に受け渡す。
また、DFE100においてオペレータの操作によって印刷を行う際の設定が変更されると、その変更に従ってJDF情報が変更されたジョブデータがジョブデータ格納部114に格納される。この場合、システム制御部113は、JDF情報をジョブデータ格納部114から取得してUI制御部115に受け渡す。これにより、ディスプレイ102にジョブデータのJDF情報が表示され、オペレータが印刷を行う際の設定を変更する操作が可能となる。
オペレータがDFE100を操作してJDF情報を変更した場合、UI制御部115は変更内容を受け付けてシステム制御部113に通知する。システム制御部113は、受け付けた変更内容を対象のJDF情報に反映して更新し、更新後のJDF情報をジョブデータ格納部114に記憶させる。
そして、システム制御部113は、ジョブ実行の指示を受け付けると、ジョブデータ格納部114に格納されたジョブデータをジョブ制御部116に受け渡す。ジョブ実行の指示は、HWFサーバ4からネットワークを介して入力される場合や、DFE100に対するオペレータの操作によって入力される。また、例えば、JDF情報にジョブの実行時刻が設定されている場合、システム制御部113は、設定時刻になるとジョブデータ格納部114に格納されたジョブデータをジョブ制御部116に受け渡す。
ジョブデータ格納部114は、このようにジョブデータを格納するための記憶領域であり、図2において説明したHDD40等によって実現される。この他、DFE100にUSBインタフェース等を介して接続された記憶装置や、ネットワークを介して接続された記憶装置であっても良い。
UI制御部115は、上述したようにディスプレイ102への情報の表示や、DFE100に対するオペレータの操作を受け付ける。上述したJDF情報の編集操作において、UI制御部115はJDF情報を解釈してディスプレイ102に印刷ジョブの内容を表示する。
ジョブ制御部116は、システム制御部113からのジョブの実行指示に基づいてジョブの実行に係る制御を行う。具体的に、ジョブ制御部116が行う制御は、JDF解析部117によるJDF解析処理、RIP部118によるRIP処理、プリンタ制御部123によるデジタルエンジン150の制御処理である。
ジョブ制御部116は、システム制御部113からジョブの実行指示を受けると、ジョブデータに含まれるJDF情報をJDF解析部117に入力してJDF変換要求を行う。JDF変換要求とは、JDF情報の生成元の形式で記述されたJDF情報を、RIP部118において認識可能な形式に変換する処理の要求である。
JDF解析部117は、上述したように生成元の形式で記述されたJDF情報をRIP部118において認識可能な形式に変換する。JDF解析部117は内部に変換テーブルを保持しており、その変換テーブルに従ってJDF情報に含まれる情報のうちRIP部118において必要な情報を抜き出して記述形式を変換する。これにより、上述したDFE内ジョブ属性が生成される。
すなわち、ジョブ変換部126は、DFE100に入力されたJDF情報の記述を変換することによって、DFE100に対応していないジョブデータに含まれるJDF情報をDFE100が処理可能な形式に変換する。他方、JDF解析部117は、JDF情報に含まれる情報のうち、RIP部118において必要な情報のみをRIP部118において認識可能な形式に変換する。
したがって、本実施形態においては、ジョブ変換部126において変換されたJDF情報がJDF解析部117に入力されることはあるものの、JDF解析部117で生成されたDFE内ジョブ属性がジョブ変換部126に入力されることはない。
図7は、本実施形態に係るJDF解析部117が保持している変換テーブルの例を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係る変換テーブルは、JDF情報における記述形式とDFE内ジョブ属性における記述形式とが関連付けられた情報である。例えば、図3において説明した“部数”の情報は、実際のJDF情報においては“A・Amount”と記述されており、DFE内ジョブ属性の生成に際して“部数”という記述に変換される。
図7に示すような変換テーブルを用いたJDF解析部117の処理により、DFE内ジョブ属性が生成される。DFE内ジョブ属性において記述される情報は、例えば図3に示す“ジョブ情報”、“エディット情報”、“フィニッシング情報”等である。
また、JDF解析部117は、DFE内ジョブ属性の生成に際して、DFE内ジョブ属性に“RIP制御モード”を設定する。“RIP制御モード”には、「ページモード」、「シートモード」等が設定される。JDF解析部117は、ジョブデータを受信した個別ジョブ受信部112の種類、ジョブの内容、ジョブデータの送信元であるHWFサーバ4を構成するHWFソフトウェア等に応じて“RIP制御モード”を割り当てる。
本実施形態においては、印刷ジョブにおける集約印刷の設定を「ページモード」で扱っている。“RIP制御モード”について詳細は後述する。
ジョブ制御部116は、JDF解析部117によって生成されたDFE内ジョブ属性に基づいて“RIPパラメータ”を生成し、RIP部118のRIP制御部119に対してRIPパラメータを受け渡すことによりRIP処理を実行させる。これにより、RIP部118においてはRIPパラメータに基づいてRIP処理が実行される。
図8は、本実施形態に係るRIPパラメータの内容を示す図である。本実施形態に係るRIPパラメータは、冒頭の情報として“入出力データ種類”、“データ読み込み情報”、“RIP制御モード”を含む。“入出力データ種類”は、「JDF」、「PDL」等、入出力データの種類を指定する。指定の形式は、「JDF」、「PDL」等の他、テキスト形式や画像データの拡張子、中間データ等である。
“データ読み込み情報”は、入出力データの読み込み位置、書き込み位置の指定方法や、指定位置の情報である。“RIP制御モード”は、「ページモード」、「シートモード」の情報である。この他、冒頭の情報としては、RIPパラメータ内で使用する単位の情報や、データの圧縮方式の情報が含まれる。
“入出力画像情報”は、“出力画像に関する情報”、“入力画像に関する情報”、“画像の取り扱いに関する情報”を含む。“出力画像に関する情報”は、出力画像データのフォーマット、解像度、サイズ、カラー分解、カラーシフト、ページ向き等の情報を含む。また、“入力画像に関する情報”は、入力画像データのフォーマット、解像度、ページ範囲、カラー設定等の情報を含む。“画像の取り扱いに関する情報”は、拡大縮小アルゴリズムのオフセット、オブジェクト領域、ハーフトーンのオフセット等の情報を含む。
“PDL関連情報”は、RIPパラメータが対象とするPDL情報に関連する情報であり、“データ領域”、“サイズ情報”、“データ配置方式”の情報を含む。なお、ここで言うPDL情報は、ジョブにおいて印刷対象となるデータであり、中間データの場合を含む。“データ領域”は、PDL情報の格納されている領域情報を指定する。“サイズ情報”は、PDL情報のデータサイズを指定する。“データ配置方式”は、「リトルエンディアン」、「ビッグエンディアン」等、PDL情報のメモリにおけるデータ配置方式を指定する。
図8に示すように、RIPパラメータには“RIP制御モード”が含まれる。RIP制御部119は、“RIP制御モード”に応じてRIPエンジン120を制御する。したがって、“RIP制御モード”に従ってシーケンスが決定される。上述したように、“RIP制御モード”には「ページモード」、「シートモード」が設定される。
「ページモード」は、1枚の用紙に集約された複数の集約前のページ毎にRIP処理を実行してラスターデータを生成する処理である。「シートモード」は、1枚の用紙に集約される複数ページ毎にRIP処理を実行して、1枚に集約されたラスターデータを生成する処理である。
また、ジョブ制御部116は、RIPパラメータに“RIPエンジン識別情報”を設定する。“RIPエンジン識別情報”は、RIP部118に含まれる複数のRIPエンジン120をそれぞれ識別する情報である。本実施形態においては、HWFサーバ4に搭載されているRIPエンジン420に対応した同一のRIPエンジンがDFE100において使用される。
そのため、JDF情報には、上述したように個別ジョブ受信部112を指定する指定情報が含まれており、そのように指定された個別ジョブ受信部112によってジョブデータが受信される。個別ジョブ受信部112は、RIPエンジン120のいずれかに対応しており、対応するRIPエンジン120の識別情報を受信したJDF情報に付加する。ジョブ制御部116は、このようにJDF情報に付加されたRIPエンジン120の識別情報に基づき、上述した“RIPエンジン識別情報”をRIPパラメータに付加する。
また、JDF情報の記述を変換する場合にも、個別ジョブ受信部112を指定する情報がJDF情報に含まれる。そして、JDF情報において指定された個別ジョブ受信部112によってジョブデータが受信され、受信したジョブデータをジョブ変換部126に受け渡すことにより、JDF情報の記述の変換が実行される。
RIP部118においては、RIP制御部119がRIPエンジン120を制御し、入力されたRIPパラメータに基づいてRIP内部処理を実行させてラスターデータを生成する。したがって、RIP制御部119は、画像形成装置において用いるラスターデータを出力側描画情報生成部であるRIPエンジン120に生成させる出力側描画情報生成制御部として機能する。
画像格納部122は、RIPエンジン120によって生成されたラスターデータを記憶する記憶部である。画像格納部122は、図2において説明したHDD40等によって実現される。この他、DFE100にUSBインタフェース等を介して接続された記憶装置や、ネットワークを介して接続された記憶装置であっても良い。
プリンタ制御部123は、デジタルエンジン150と接続されており、画像格納部122に格納されたラスターデータを読み出してデジタルエンジン150に送信することによって印刷出力を実行させる。また、ジョブ制御部116からDFE内ジョブ属性に含まれるフィニッシング情報を取得することにより、仕上げ処理のための制御を行う。
プリンタ制御部123は、デジタルエンジン150との間で情報をやり取りすることにより、デジタルエンジン150自身の情報を取得することができる。例えばCIP4規格の場合、JDF情報の規格としてデバイス仕様情報をプリンタと送受信するDevCapsという規格が定められている。また、SNMP(Simple Network Management Protocol)という通信プロトコルとMIB(Management Information Base)というデータベースとを利用したプリンタの情報の収集方法も知られている。
デバイス情報管理部124は、DFE100自身やデジタルエンジン150の情報であるデバイス情報を管理する。デバイス情報には、RIP部118に含まれるRIPエンジン120の情報や、ジョブ受信部111において構成されている個別ジョブ受信部112の情報が含まれる。
デバイス情報通信部125は、MIBやJMF(Job Messaging Format)などの仕様に合わせた形で、ネットワークI/F101を介してHWFサーバ4との間でデバイス情報のやり取りを行う。これにより、HWFサーバ4のデバイス情報通信部415が、DFE100からデバイス情報を取得する。その結果、クライアント端末5に表示されたGUIにおいて、DFE100に含まれるRIPエンジン120の情報や、個別ジョブ受信部112の情報が反映されることとなる。
DFE100においてプリンタ制御部123によってデジタルエンジン150が制御されて印刷出力が完了すると、システム制御部113はジョブ制御部116を介してそれを認識する。そして、システム制御部113は、ジョブ受信部111を介して印刷ジョブの完了通知をHWFサーバ4に通知する。これにより、HWFサーバ4のジョブ送受信部421がジョブの完了通知を受け付ける。
HWFサーバ4においては、ジョブ送受信部421がジョブ制御部413にジョブ完了通知を転送し、ジョブ制御部413がワークフロー制御部418にジョブ完了を通知する。HWFサーバ4からDFE100へのジョブデータの送信は、元々、ワークフロー制御部418がワークフロー情報に従って実行したものである。
ワークフロー制御部418は、DFE100によるジョブの完了を認識すると、ワークフロー情報に従って次の処理の実行を制御する。DFE100による印刷出力の次に設定される処理としては、例えば後処理装置3による後処理等がある。
次に、本実施形態に係るRIPエンジン120の機能構成について説明する。図9は、JDF解析部117によるJDF解析処理を伴う場合のRIPエンジン120の機能構成を示す図である。上述したように、RIPエンジン120は図8において説明したRIPパラメータに基づいてRIP内部処理を実行してラスターデータを生成するソフトウェアモジュールである。RIPエンジン120としては、例えばアドビ・システムズによって提供されるPDFプリンティングエンジンであるAPPE等がベースとして用いられる。
図9に示すように、RIPエンジン120は、制御部201と他の部分とによって構成される。制御部201以外の部分が、ベンダによって拡張可能な拡張部である。制御部201は、拡張部として含まれる様々な機能を利用することによりRIP処理を実行する。
入力部202は、初期化要求やRIP処理の実行要求を受け付け、その要求を制御部201に通知する。初期化要求に際しては、上述したRIPパラメータも共に制御部201に入力される。初期化要求を受けた制御部201は、同時に受け付けたRIPパラメータをRIPパラメータ解析部203に入力する。そして、RIPパラメータ解析部203の機能によりRIPパラメータの解析結果を取得し、RIP処理においてRIPエンジン120に含まれるそれぞれの拡張部を動作させる順番を決定する。また、それらの処理の結果生成されるデータの形式が、ラスターイメージ、プレビューイメージ、PDF、中間データ等のいずれかを決定する。
また、制御部201は、入力部202からRIP処理の実行要求を受け付けると、初期化要求を受け付けた際に決定した処理順に従って拡張部の各部を動作させる。プリフライト処理部204は、入力されたPDLデータの内容の妥当性の確認を行う。そして、不正なPDL属性を発見した場合、制御部201に通知する。この通知を受けた制御部201は、出力部213を介してRIP制御部119やジョブ制御部116等の外部モジュールに通知を行う。
プリフライト処理によって確認される属性の情報としては、例えば非対応のフォントが指定されていないか否か等、RIPエンジン120に含まれる他のモジュールによる処理が不可能になる事態が発生し得る情報である。
ノーマライズ処理部205は、入力されたPDLデータがPDFではなくPostScriptである場合にPDFに変換する。マーク処理部206は、指定されたマークのグラフィック情報を展開し、印刷対象の画像において指定された位置に重畳する。
フォント処理部207は、フォントデータを取り出し、フォントのPDLへの埋め込みフォント化、アウトライン化を行う。CMM(Color Management Module)処理部209は、ICC(International Color Consortium)プロファイルに記述された色変換テーブル等に基づいて、入力画像の色空間をCMYK(Cyan,Magenta,Yellow,blacK)へ変換する。ICCプロファイルとは、カラーICC情報、デバイスICC情報である。
Trapping処理部210は、トラッピング処理を行う。トラッピング処理とは、境界を接して隣接している異なる色の領域について位置ずれが生じた場合に境界部分に隙間が生じることを防ぐため、それぞれの色の領域を拡張して隙間が埋まるようにする処理である。
Calibration処理部211は、CMM処理部209による色変換の精度を高めるため、出力デバイスの経時変動や個体差による発色バランスのばらつきの調節作業を実施する。なお、Calibration処理部211による処理は、RIPエンジン120の外部において実行される場合もあり得る。
Screening処理部212は、最終出力を意識した網点の生成処理を実施する。なお、Screening処理部212による処理は、Calibration処理部211による処理と同様に、RIPエンジン120の外部において実行されることもあり得る。出力部213は、外部にRIP結果を送信する。RIP結果は、初期化時に決定したラスターイメージ、プレビューイメージ、PDF、中間データのいずれかである。
レンダリング処理部218は、入力データに基づいてラスターデータを生成するレンダリング処理を行う。なお、図9に示す各処理部のうち、マーク処理部206、フォント処理部207による処理は、レンダリング処理部218において同時に実行される場合もあり得る。
次に、JDF解析部117によるJDF解析処理を伴わない場合のRIPエンジン120の機能構成について、図10を参照して説明する。上述したように、JDF解析部117によるJDF解析処理を伴わない場合とは、HWFサーバ4とDFE100とでRIP内部処理を分散する場合である。したがって、図10に示すRIPエンジン120と同様の構成をHWFサーバ4に搭載されるRIPエンジン420も含む。
図10に示すように、JDF解析部117によるJDF解析処理を伴わない場合のRIPエンジン120の機能構成は、大部分は図9において説明した構成と同一である。以下、図9とは異なる部分のみ説明する。制御部201以外の部分が拡張部であることも図9と同様である。
図10の例における制御部201は、入力部202から初期化要求を受け付けると、初期化要求と共にJDF情報を取得する。そして、制御部201は、ジョブ属性解析部214の機能を利用してJDF情報およびPDL情報を解析し、図9の場合と同様に拡張部それぞれの処理順や処理の結果生成されるデータの形式を決定する。
特に、DFE100に搭載されたRIPエンジン120の場合、処理結果のデータ形式はプリンタ制御部123に入力するためのラスターデータとなることが多い。これに対して、HWFサーバ4に搭載されたRIPエンジン420の場合、処理結果のデータ形式は、HWFサーバ4とDFE100との処理の分散態様に応じて異なる。したがって、RIPエンジン420における制御部201は、ジョブ属性解析部214による解析結果に基づき、PDL情報や中間データ等の処理結果のデータ形式を決定する。
また、制御部201は、RIPステータス解析部215の機能を利用して、JDF情報に含まれるRIPステータスの情報を解析し、既に実行済みのRIP内部処理の有無を確認する。既に実行済みのRIP内部処理がある場合は、対応する拡張部を処理の対象から除外する。
なお、RIPステータス解析部215は、JDF情報に含まれるRIPステータスを解析する場合の他、PDL情報を解析して同様の処理を実行することも可能である。PDL情報の場合、既に実行されたRIP内部処理についてはパラメータ等の属性情報が消えているので、残っている属性情報に基づいて未実行であるRIP内部処理を判断することが可能である。
レイアウト処理部217は、面付け処理を実行する。RIPステータス管理部216は、制御部201の制御に従い、それぞれの拡張部によって実行されたRIP内部処理に対応するRIPステータスを「Done」に書き換える。出力部213は、エンジンの外部にRIP結果を送信する。RIP結果は、初期化時に決定したデータ形式のデータである。
図10に示すレンダリング処理部218も、図9と同様に入力データに基づいてラスターデータを生成するレンダリング処理を行う。そして、図10に示す各処理部のうち、マーク処理部206、フォント処理部207による処理に加えて、レイアウト処理部217による処理が、レンダリング処理部218において同時に実行される場合もある。
また、上述したように、ジョブデータのJDF情報に含まれる“RIPデバイス指定”の情報によっては、「DFE(エンジンA)」、「DFE(エンジンB)」のように、DFE100内部に搭載された複数のRIPエンジン120を使い分ける場合がある。制御部201では、他のRIPエンジンの拡張部に処理を委託することはできないため、これらの処理の委託先の決定は、ジョブ制御部116によって実行される。
上述したように、ジョブ制御部116は、“RIPエンジン識別情報”をRIPパラメータに付加する。この際、異なるRIPエンジンが指定されたRIP処理毎に、異なるRIPパラメータを生成する。図3の例の場合、“フォント”、“レイアウト”の実行が指定された「エンジンA」用のRIPパラメータと、“マーク”の実行が指定された「エンジンB」用のRIPパラメータと、それ以降の処理の実行が指定された「エンジンA」用のRIPパラメータとを生成する。
そして、ジョブ制御部116は、RIP内部処理の順番に従って、生成したRIPパラメータごとに順番にRIP部118にRIP処理を要求する。これにより、「エンジンA」、「エンジンB」が使い分けられてRIP内部処理が実行される。
そして、ジョブ制御部116は、RIPエンジン120を指定してジョブデータを送信する。一方で複製されたジョブデータにおいて、RIPエンジン120に指定された処理のみを実行させるようにする方法として、“RIPステータス”の情報を参照することができる。すなわち、実行させる処理の項目のみステータスを「NotYet」とし、他の処理を「Done」とすることにより、指定した処理のみを実行させることができる。
本実施形態に係るHWFシステムにおいては、拡張された拡張部の機能を利用可能にするために、ベンダによって独自に拡張された拡張JDF情報が使用されている印刷ジョブが実行されることがある。このとき、画像形成出力制御装置であるDFE100が解釈可能なJDF情報の記述規則と拡張JDF情報の記述規則が異なることがある。DFE100が解釈可能な記述規則とは異なる記述規則に基づくJDF情報を用いると、DFE100における処理結果は、ユーザが目的とするものとは異なる状態になる。このような場合に、DFE100に対応していない記述規則によって記述された印刷ジョブのJDF情報の記述を、当該DEF100が対応する記述規則により記述されたJDF情報にする。これによって、ベンダが独自に拡張した拡張JDF情報を用いても、ユーザが所望する画像形成出力を実行できるようにするのが本実施形態の要旨である。
なお、上述したように、本実施形態に係るシステムにおいては、HWFサーバ4に搭載されているRIPエンジン420と共通のRIPエンジン120がDFE100に搭載されている。ここで、共通化されたRIPエンジンとは、少なくともラスターデータの生成に関する部分である。したがって、RIPエンジン420とRIPエンジン120とは、図9、図10に示すそれぞれの処理部の全てが共通化されているわけではない。
次に、本実施形態に係るシステムの動作について、図11を参照して説明する。図11は、本実施形態に係るHWFシステムの動作を示すシーケンス図である。図11においては、デジタルプリンタ1により印刷出力が実行される場合の例を示している。図11に示すように、HWFサーバ4においては、デバイス情報通信部415がネットワークを介してDFE100やCTP200からデバイス情報を取得し、デバイス情報管理部416がデバイス情報格納部417に情報を登録する(S1101)。S1101の処理は定期的に実行される。
他方、クライアント端末5は、システムのGUIに対するオペレータの操作によりジョブデータの登録操作が行われると、HWFサーバ4に対してジョブ登録要求を送信する(S1102)。HWFサーバ4においてはUI制御部412がジョブ登録要求を取得する。これにより、システム制御部410の制御に従ってデータ受信部411がジョブデータを取得する(S1103)。
データ受信部411によってジョブデータが取得されると、システム制御部410はジョブ制御部413を制御し、取得したジョブデータの形式をPDL形式に変換する(S1104)。このようにして変換されたジョブデータがジョブデータ格納部414に登録される。S1102においてジョブの登録操作が行われるGUIにおいては、登録対象のデータをファイルパス等により指定するためのインタフェースの他、図3において説明したJDFに含まれる情報の項目をそれぞれ指定するための入力部が表示される。
また、S1101の処理により、HWFサーバ4においては、DFE100に搭載されているRIPエンジン120の種類の情報が取得されている。したがって、クライアント端末5のGUIに含まれる、図3に示す“RIPデバイス指定”の情報を指定するための入力欄においては、DFE100に実行させる場合に、どのRIPエンジン120に実行させるかを選択することが可能となる。
また、クライアント端末5は、システムのGUIに対するオペレータの操作によりジョブデータの分割操作が行われると、HWFサーバ4に対してジョブ分割要求を送信する(S1105)。図12は、S1105において送信されるジョブ分割要求に含まれる情報の例を示す図である。図12に示すように、分割対象のジョブを示す情報の他、分割の内容が指定された情報がジョブ分割要求において送信される。分割の内容を示す情報は、印刷出力を実行するデバイスがページ単位で指定された情報である。
ジョブ分割要求を受けたHWFサーバ4においては、システム制御部410が、図12に示す情報において指定されている分割対象ジョブについて、分割内容に従ってページ単位でジョブを分割し、個別のジョブを生成する(S1106)。この際、それぞれの分割範囲毎に指定されているデバイスが、JDF情報において図3に示す“デバイス指定”の情報として用いられる。このようにして分割して生成されたジョブが個別のジョブとしてジョブデータ格納部414に格納される。
また、クライアント端末5は、システムのGUIに対するオペレータの操作によりワークフローの生成操作が行われると、HWFサーバ4に対してワークフロー生成要求を送信する(S1107)。ワークフロー生成要求においては、図5に示すようなワークフローの内容を指定する情報およびそのワークフローに従って処理すべきジョブを特定する情報が送信される。
ワークフロー生成要求を受けたHWFサーバ4においては、システム制御部410が、要求と共に受信した情報をワークフロー制御部418に入力する。これにより、ワークフロー制御部418が、受信した情報に基づいて新たなワークフロー情報を生成してワークフロー情報格納部419に格納すると共に、そのワークフローと要求において特定されたジョブとを関連付ける(S1108)。ワークフローとジョブとの関連付けは、例えばワークフローを識別するための識別子をJDF情報に付加することによって実行される。
このような処理の後、クライアント端末5においてシステムのGUIに対するオペレータの操作によりジョブ実行操作が行われると、クライアント端末5がHWFサーバ4に対してジョブ実行要求を送信する。なお、S1102〜S1109の操作はそれぞれ異なる操作に応じて実行されても良いし、一度の操作でジョブ登録要求、ジョブ分割要求、ワークフロー生成要求、ジョブ実行要求が行われても良い。
ジョブ実行要求を受けたHWFサーバ4においては、システム制御部410が、要求と共に受信したジョブデータを特定するための情報に基づき、ジョブデータ格納部414から指定されたジョブデータを取得する(S1110)。また、システム制御部は、取得したジョブデータにおいて指定されているデバイスの最新の情報をデバイス情報管理部416から取得し、ジョブに対してデバイスの情報を設定する(S1111)。
その後、システム制御部410は、ワークフロー制御部418にジョブデータを受け渡し、ワークフローの実行を開始させる(S1112)。ワークフロー制御部418は、取得したジョブデータに関連付けられているワークフロー情報をワークフロー情報格納部419から取得し、ワークフロー情報に従って処理を実行する。
ワークフロー処理においては、まずHWFサーバ4に搭載されたRIPエンジン420によって実行するべきサーバ内処理が実行される(S1113)。S1113においては、ジョブ制御部413がワークフロー制御部418の制御に従って上述したようにRIPエンジン420に処理を実行させる。
その後、ワークフローの処理がDFE100における処理に到達したら、ジョブ制御部413が、ワークフロー制御部418の制御に従い、ジョブ送受信部421を制御してDFE100にジョブデータを送信させる(S1114)。したがって、ジョブ制御部413とジョブ送受信部421とは、DFE100にジョブデータを送信する制御を実行する送信制御部として機能する。S1114においては、ジョブ制御部413が、複数の個別ジョブ受信部112からJDF情報において指定されている情報に応じた個別ジョブ受信部112を指定する。
DFE100へのジョブデータの送信に際して複数の個別ジョブ受信部112のいずれかが指定されることにより、DFE100において適切な個別ジョブ受信部112がジョブデータを受信することとなる。DFE100にジョブデータが入力されることにより、上述したように、DFE100のRIPエンジン120においてラスターデータを生成する処理が実行され、デジタルエンジン150による出力処理が実行される(S1115)。
なお、本実施形態においては、新たなJDF記述変換プログラム128をインストールするための個別ジョブ受信部112がJDF情報において指定されていることがある。図3に示すJDF情報において、“デバイス指定”が、例えば“インストール”などのように、DFE100へのJDF記述変換プログラム128のインストールを実行するための記載となっている場合などである。
このような場合、DFE100にジョブデータが入力されることにより、ジョブデータ格納部114にJDF記述変換プログラム128が格納される。なお、JDF記述変換プログラム128とラスターデータを生成する処理とを一連の処理として実行するように、JDF情報を記述してもよい。この時、DFE100にジョブデータが入力されることにより、先にジョブデータ格納部114にJDF記述変換プログラム128が格納され、その後、RIPエンジン120においてラスターデータを生成する処理が実行される。
DFE100においては、指定された処理が完了すると、ジョブ受信部111によってHWFサーバ4に完了通知が行われる(S1116)。ジョブ制御部413は、ジョブ送受信部421を介してDFE100からの完了通知を受け取ると、ワークフロー制御部418に完了通知を行う。これにより、ワークフロー制御部418は、DFE100での制御の次にワークフローで指定されている後処理を実行させるための後処理要求を後処理装置3に対して行う(S1117)。
S1117においては、ジョブ制御部413がワークフロー制御部418の制御に従ってジョブ送受信部421を制御し、後処理装置3に対して後処理要求を行う。このような処理により、本実施形態に係るシステムの動作が完了する。
次に、図11のS1115におけるDFE内処理について図13のフローチャートを参照して説明する。図13に示すように、まずはHWFサーバ4からのジョブデータの送信に際して指定された個別ジョブ受信部112がジョブデータを受信する(S1301)。個別ジョブ受信部112は、ジョブデータを受信すると自身に対して設定されている個別設定をジョブデータに反映するようにJDF情報を更新する(S1302)。
個別ジョブ受信部112が受信したジョブデータはシステム制御部113に入力される。システム制御部113は、入力されたジョブデータを設定に応じてジョブデータ格納部114に格納し、オペレータの操作に応じてUI制御部115を介してプレビュー処理等を行う。
そして、オペレータの操作や設定された実行時間への到達等、DFE100におけるジョブの実行タイミングになると、システム制御部113は、ジョブデータをジョブ制御部116に入力する。ジョブ制御部116は、JDF解析部117にジョブデータを入力してDFE内ジョブ属性を生成させる(S1303)。
そして、ジョブ制御部116は、図8において説明したようなRIPパラメータを生成する(S1304)。さらに、ジョブ制御部116は、RIPパラメータを生成すると、RIP部118に必要な情報を入力してRIP処理を実行させる。これにより、まずはRIP制御部119が上述したパラメータ変換を行う(S1305)。そして、RIP制御部119が、変換後のパラメータを指定してRIPエンジン120にRIP処理を実行させる(S1306)。これにより、RIPエンジン120によってラスターデータが作成される。
ラスターデータが生成され、RIP部118からラスターデータを取得すると、ジョブ制御部116は、プリンタ制御部123にラスターデータを入力して、デジタルエンジン150による印刷出力を実行させる(S1307)。このような処理により、DFE内処理が完了する。
以上説明した処理においては、複数の個別ジョブ受信部112それぞれに対して印刷ジョブを送信できる入力装置を予め割り当てておくことができる。このような場合、DFE100は、HWFサーバ4等のそれぞれのデバイス情報を参照して、印刷ジョブを入力する個別ジョブ受信部112を判断する。
また、本実施形態においては、複数の個別ジョブ受信部112のそれぞれに対して、ジョブデータ格納部114に格納されているJDF記述変換プログラム128のうち、どれを実行するかを予め割り当てておくこともできる。図14は、本実施形態に係るジョブ受信部111の内部構成を示す図、図15は、本実施形態に係る個別ジョブ受信部112におけるJDF記述変換プログラム128の割り当て態様を示す図である。
図14に示すように、ジョブ受信部111は、個別ジョブ受信部112a、個別ジョブ受信部112b、個別ジョブ受信部112c、個別ジョブ受信部112dを含む。また、それぞれの個別ジョブ受信部112には、図15に示すように、JDF記述変換プログラム128のうち、どのJDF記述変換プログラム128を実行するかが定められた設定が予め割り当てられている。
以下、一例として、個別ジョブ受信部112aには、設定A、B、Cを行うためのJDF記述変換プログラム128Aaを実行するための設定が割り当てられているものとし、この条件に基づいて説明をする。なお、設定A、B、Cとは、それぞれ、JDF情報に含まれているテキストの記述を置換する際に、変換前と変換後とのJDF情報におけるJDF情報の記述形式を対応付けた記述変換設定情報である。また、設定A、B、Cとは、JDF情報における記述規則におけるデータの属性の階層構造に関連する記述をDFE100が処理可能な形式に変換する際に、変換前と変換後とのJDF情報におけるJDF情報の記述形式を対応付けた記述変換設定情報である。
なお、ベンダごとに異なるJDF情報の記述形式が予め規定されている場合、すなわち、ベンダ間におけるJDF情報の記述形式の違いを対応付ける情報が公開されている場合には、当該ベンダに関する記述変換設定情報を用いればよい。例として、本実施形態では、設定A、B、Cをベンダα用の記述変換設定情報α1として取り扱う。この場合、ベンダαに係るJDF情報であれば、必ず、記述変換設定情報α1を用いればよいことになる。
個別ジョブ受信部112bには、設定D、E、Fを行うためのJDF記述変換プログラム128Baと、設定G、H、Iを行うためのJDF記述変換プログラム128Bbとを実行するための記述変換設定情報が割り当てられている。
個別ジョブ受信部112cには、設定J、Kを行うためのJDF記述変換プログラム128Caと、JDF記述変換プログラム128Caをジョブデータ格納部114にインストールし、JDF記述変換を実行するための記述変換設定情報が割り当てられている。
個別ジョブ受信部112dには、設定Lを行うためのJDF記述変換プログラム128Daと、JDF記述変換プログラム128Daをインストールするための記述変換設定情報が割り当てられている。
また、本実施形態においては、図16に示すように、ジョブ受信部111に新たに個別ジョブ受信部112eを生成し、生成された個別ジョブ受信部112eを介してJDF記述変換プログラム128Nnのインストールを実行することができる。このような場合、HWFサーバ4からDFE100に対して、新たに個別ジョブ受信部112eを生成し、生成された個別ジョブ受信部112eを介してJDF記述変換プログラム128Nnのインストールを実行するためのジョブデータを入力する。
なお、JDF記述変換プログラム128Aa〜Daは、図17に示すように、ジョブデータ格納部114に格納される。図17は、本実施形態に係るジョブデータ格納部114の内部構成を示す図である。図17に示すように、ジョブデータ格納部114は、ジョブデータ格納領域1141、JDF記述変換プログラム格納領域1142を含む。
ジョブデータ格納領域1141は、個別ジョブ受信部112が受信したジョブデータを格納するための記憶領域である。JDF記述変換プログラム格納領域1142は、JDF記述変換プログラム128Aa〜Daを格納するための記憶領域である。なお、新たにJDF記述変換プログラム128Nnがインストールされた場合、JDF記述変換プログラム128Nnは、JDF記述変換プログラム格納領域1142に格納される。
すなわち、本実施形態に係るHWFシステムのオペレータは、個別ジョブ受信部112のいずれかを指定して、HWFサーバ4からDFE100に対してジョブデータを入力することによって、すでにDFE100にインストールされているJDF記述変換プログラム128Aa〜Daを使用する、もしくは、新たなJDF記述変換プログラム128NnをDFE100にインストールするといった動作を実行させることができる。
なお、新たなJDF記述変換プログラム128Nnをインストールする際に、ジョブデータにDFE100に印刷出力を実行させる情報が含まれている場合には、JDF記述変換プログラム128NnがDFE100にインストールされた後で、JDF情報の記述が変換される。
次に、図18を参照して、本実施形態に係るJDF情報の記述を変換する処理について説明する。図18は、本実施形態に係るJDF情報の記述を変換するJDF記述変換処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、HWFサーバ4において、個別ジョブ受信部112aが指定されてDFE100にジョブデータが入力されたと仮定して以後の説明を行う。
まずはHWFサーバ4からのジョブデータの送信に際して指定された個別ジョブ受信部112aがジョブデータを受信する(S1801)。個別ジョブ受信部112aは、ジョブデータを受信すると自身に対して設定されている記述変換設定情報、または、記述変換設定情報α1がジョブデータに反映されるようにJDF情報を更新する(S1802)。
個別ジョブ受信部112aが受信したジョブデータはシステム制御部113に入力される。システム制御部113は、入力されたジョブデータを設定に応じてジョブデータ格納部114に格納し、また、ジョブ変換部126に入力する。
ジョブ変換部126は、入力されたジョブデータに基づいて、ジョブデータ格納部114に格納されているJDF記述変換プログラム128をメモリ(例えば、RAM20など)に読み込む(S1803)。したがって、ジョブデータ格納部114は、記述変換情報格納部として機能する。
そして、ジョブ変換部126は、入力されたジョブデータに含まれるJDF情報を読み込み(S1804)、読み込んだJDF情報に対してJDF記述変換プログラム128を実行し、JDF情報の記述を変換する(S1805)。したがって、S1805で実行されるJDF記述変換プログラム128は、処理設定情報記述変換部として機能する。
変換されたJDF情報に基づいてジョブ変換部126は、ジョブデータ格納部114に格納されているジョブデータのJDF情報を上書きし、変換されたJDF情報を保存する(S1806)。ジョブ制御部116は、変換されたJDF情報に基づいて、S1303から図13のフローチャートに示すステップに沿って処理を実行する。
以上説明したような処理を行うことによって、本実施形態に係るDFE100は、DFE100に対応していないJDF情報が含まれるジョブデータをDFE100で実行可能にすることができる。また、DFE100にすでに格納されているJDF記述変換プログラム128Aa〜DaではJDF情報の記述を変換できない形式のジョブデータに対しても、HWFサーバ4から新たなJDF記述変換プログラム128Nnをインストールすることが可能である。
次に、本実施形態に係るジョブ変換部126によるJDF情報の記述の変換態様について、図19から図61を参照しながら説明する。
図19は、HWFサーバ4からDFE100に入力されたジョブデータに含まれるJDF情報である。図19に示すJDF情報には、図3に示すJDF情報のうち、エディット情報、レイアウト情報やマージン情報などにおいて設定された値に基づいて実行されるプリプレス処理のJDF情報、図3に示すJDF情報のうち、RIPステータスやRIPデバイス指定などにおいて設定された値に基づいて実行されるプレス処理のJDF情報、図3に示すJDF情報のうち、フィニッシング情報において設定された値に基づいて実行されるポストプレス処理のJDF情報が含まれる。
このとき、DFE100がプレス処理のJDF情報しか解釈できない仕様である場合がある。ジョブ変換部126は、図20に示すように、JDF情報からDFE100が実行可能な処理であるプレス処理のJDF情報のみを抽出して、プレス処理のJDF情報の記述のみが書き込まれたJDF情報を出力するJDF記述変換プログラム128を実行する。
すなわち、ジョブ変換部126は、JDF記述変換プログラム128を実行することにより、図21に示すように、入力されたジョブデータのJDF情報をDFE100において実行される処理の記述のみを含むJDF情報に変換して、入力されたジョブデータをDFE100が実行できるようにする。
図22は、HWFサーバ4からDFE100に入力されたジョブデータに含まれるJDF情報である。図22に示すJDF情報には、図25に示すように、A4の用紙を、図26に示すように、「800.000」という数値で規定される大きさで用紙をトリミングするJDF情報が含まれる。
A4用紙のY方向の長さを「800.000」という数値で規定される大きさにするには、HWFサーバ4で使用しているソフトウェアでは、トリミングにより残る用紙部分の長さを指定する必要がある。すなわち、JDF情報において「800.000」と指定されていなければならない。が。一方で、DFE100では、図27に示すように、トリミングにより取り除かれる用紙部分の長さを指定する必要がある。すなわち、JDF情報において「41.889」と指定されていなければならない。
そこで、本実施形態においては、ジョブ変換部126によって、図23に示すように、トリミングして残す用紙の長さからDFE100においてトリミングする用紙の長さにJDF情報の記述を変換するJDF記述変換プログラム128が実行される。そして、DFE100が、出力されたJDF情報に基づいて印刷出力の実行を制御することによって同じ大きさの用紙が得られるようにトリミングが行われた印刷物を得ることができる。
以上説明したとおり、本実施形態に係るJDF記述変換プログラム128がジョブ変換部126によって実行されることにより、図22に示すJDF情報に含まれる記述のうち、トリミングして残す用紙の長さが指定されている記述を、図24に示すように、トリミングする用紙の長さが指定される記述に変換し、変換後のJDF情報が出力される。
図28は、HWFサーバ4からDFE100に入力されたジョブデータに含まれるJDF情報である。図28に示すJDF情報には、A4の用紙を自動的に選択して印刷出力を実行するJDF情報が含まれる。
このとき、DFE100では、給紙トレイを選択して印刷出力に用いる用紙を指定する必要があるため、DFE100は、図28のJDF情報を処理することができない。そこで、本実施形態においては、ジョブ変換部126によって図29に示すように、入力されたJDF情報で設定されている条件を、DFE100で行われる処理に反映させるようにJDF情報の記述を変換するJDF記述変換プログラム128が実行される。
ジョブ変換部126によって、JDF記述変換プログラム128が実行されることにより、図28に示すJDF情報に含まれる記述のうち、A4の用紙を自動的に選択して印刷出力を実行する部分の記述を、図30に示すように、DFE100において、給紙トレイのうち、「トレイ7」を指定して印刷出力を実行する記述に変換されたJDF情報が出力される。
図31は、HWFサーバ4からDFE100に入力されたジョブデータに含まれるJDF情報である。図31に示すJDF情報には、CMYKすべてのトナーに対するトナーセーブの設定を一つの設定要素で実行するJDF情報が含まれる。
このとき、DFE100では、CMYKのトナーごとにトナーセーブの設定を行わなければ、JDF情報を基づいて印刷出力を制御することができない。そのため、DFE100は、図31に示すJDF情報の処理を実行することができない。
そこで、本実施形態においては、ジョブ変換部126によって、図32に示すように、DFE100に入力されたJDF情報からトナー設定を取得し、CMYKのトナーごとにトナーセーブの設定が行われているJDF情報の記述に変換するJDF記述変換プログラム128が実行される。ジョブ変換部126によってJDF記述変換プログラム128が実行されることにより、図33に示すように、CMYKのトナーごとにトナーセーブの設定が行われているJDF情報の記述に変換されて出力される。
すなわち、ジョブ変換部126は、入力されたジョブデータのJDF情報に含まれているDFE100で実行可能な処理を示す記述の値や文字列を分割または統合することにより、DFE100に新たな処理モジュールを設けることなく、ユーザが目的とする処理を実行できるようにする。
図34は、印刷物に対して実行されるパンチ処理およびステープル処理の実行態様を示す図である。また、図35は、HWFサーバ4からDFE100に入力されたジョブデータに含まれるJDF情報である。図35に示すJDF情報には、パンチ処理を1番目に、ステープル処理を2番目に行うJDF情報が含まれる。
このとき、DFE100では、ステープル処理を先に行わなければ、パンチ処理を実行することができないため、図35のJDF情報に基づいて印刷出力を制御することができない。そのため、当該JDF情報に基づいてDFE100に印刷出力の実行を制御させるためには、ステープル処理を先に、かつ、パンチ処理を後に実行するJDF情報に変換する必要がある。
そこで、本実施形態においては、ジョブ変換部126によって、図36に示すように、DFE100に設定されている順に処理が行われるようにJDF情報を変換するJDF記述変換プログラム128が実行される。ジョブ変換部126によってJDF記述変換プログラム128が実行されることにより、図37に示すように、ステープル処理を1番目に、パンチ処理を2番目に実行するように記述が変換されたJDF情報が出力される。
図38は、HWFサーバ4からDFE100に入力されたジョブデータに含まれるJDF情報である。図38に示すJDF情報には、リソースプールの要素において排紙トレイの名前が設定されたJDF情報が含まれる。
このとき、DFE100では、リソースプールの要素よりも下層の排紙場所の要素において排紙トレイの名前が設定されていなければ、JDF情報に基づいて印刷出力を制御することができない。そのため、DFE100は、図38に示すJDF情報の処理を実行することができない。
そこで、本実施形態においては、ジョブ変換部126によって、図39に示すように、排紙トレイの名前が設定される階層をDFE100が解釈可能な階層に書き込むJDF記述変換プログラム128が実行される。ジョブ変換部126によってJDF記述変換プログラム128が実行されることにより、図40に示すように、リソースプールの要素よりも下層にある排紙場所の要素において排紙トレイの名前が設定されるようにJDF情報の記述が変換されて出力される。
すなわち、ジョブ変換部126は、入力されたジョブデータのJDF情報に含まれ、DFE100で実行可能な処理を示す記述の値や文字列を変換することにより、DFE100に新たな処理モジュールを設けることなく、ユーザが目的とする処理をDFE100において実行できるようにする。
図41は、HWFサーバ4からDFE100に入力されたジョブデータに含まれるJDF情報である。図41に示すJDF情報では、JDFの要素に対して何も定義がなされていない。
このとき、DFE100では、JDFの要素に対して、JDFのバージョンを定義しなければ、JDF情報に基づいて印刷出力を制御することができない。そのため、DFE100は、図41に示すJDF情報の処理を実行することができない。
そこで、本実施形態においては、ジョブ変換部126によって、図42に示すようなDFE100に入力されたJDF情報において、JDFのバージョン情報が定義されていない場合に、JDFのバージョンが定義されるようにJDF情報の記述に変換するJDF記述変換プログラム128が実行される。
ジョブ変換部126によってJDF記述変換プログラム128が実行されることにより、図43に示すように、JDF要素においてJDFのバージョンが定義されているJDF情報の記述に変換されて出力される。
すなわち、ジョブ変換部126は、入力されたジョブデータのJDFのバージョンを記載したJDF情報を出力するため、DFE100に新たな処理モジュールを設けることなく、ユーザが目的とする処理を実行できるようにする。
図44は、HWFサーバ4からDFE100に入力されたジョブデータに含まれるJDF情報である。図44に示すJDF情報では、A3用紙に対してパンチ処理を実行するJDF情報が含まれている。
このとき、DFE100では、デジタルエンジン150や後処理装置3との兼ね合いから、A3用紙に対しては、パンチ処理を実行することができない。そのため、DFE100は、図44に示すJDF情報に基づいて印刷出力を制御することができない。
そこで、本実施形態においては、図45に示すようなDFE100に入力されたJDF情報で指定された処理がDFE100で実行できない場合に、ジョブ変換部126によって、DFE100で実行できない処理が指定された箇所のJDF情報の記述を削除するJDF記述変換プログラム128が実行される。
ジョブ変換部126によってJDF記述変換プログラム128が実行されることにより、図46に示すように、DFE100で実行できないA3用紙へのパンチ処理のJDF情報の記述が削除されたJDF情報に変換されて出力される。
すなわち、ジョブ変換部126は、入力されたジョブデータにおいて、DFE100において制御できない処理の組み合わせが指定されている場合には、当該制御できない処理の組み合わせのJDF情報の記述を削除することによってDFE100に新たな処理モジュールを設けることなく、入力されたジョブデータをDFE100が実行できるようにする。
図48は、HWFサーバ4からDFE100に入力されたジョブデータに含まれるJDF情報である。図48に示すJDF情報では、印刷対象の画像情報を特定する情報として、“http://xx.xx.xx.xx:xxxx/PDF1.pdf”というURLによって指定されるサーバ6の記憶領域に記憶されている印刷対象のファイルが指定されている。
このとき、DFE100では、図48のJDF情報に含まれるURLで指定された印刷対象のファイルを取得するために、印刷対象のファイルの取得元であるサーバ6にアクセスを試みる。しかし、DFE100に対するサーバ6からのアクセス権が与えられていない場合がある。アクセス権が与えられていないサーバ6は、DFE100に接続することができない。そうすると、図48に示すJDF情報に基づく印刷出力の制御をDFE100が実行しようとしても、印刷対象となるファイルを取得できないことになる。
そこで、本実施形態においては、サーバ6などの外部の装置へのアクセス権がDFE100に与えられていない場合であっても、ジョブ変換部126によって、DFE100において実行すべきJDF情報に含まれている印刷対象ファイルの取得を可能にするように印刷対象の画像情報を特定するJDF情報の記述を変換するJDF記述変換プログラム128が実行される
例えば、図49に示すように、JDF記述変換プログラム128は、サーバ6へのアクセスキーとして、サーバ6へのアクセス権、印刷対象のファイルのURL、サーバ6へのアクセスを可能にするパスワードを含む。
このような場合、ジョブ変換部126は、JDF記述変換プログラム128を実行することにより、サーバ6にアクセスし、指定されたURLから印刷対象のファイルを取得して、印刷ジョブを実行するJDF情報を出力する。したがって、HWFシステムのオペレータからは、サーバ6にアクセスするためのパスワードを確認することができないため、サーバ6にアクセスするためのパスワードの外部漏洩を防ぐことができる。
さらに、HWFシステムが構成されているLANの外部にサーバ6が存在する場合であっても、DFE100は、サーバ6から印刷対象のファイルを取得して、印刷ジョブを実行することができる。
また、セキュリティ向上のために、サーバ6へのアクセス権を一時的に付与するようにJDF記述変換プログラム128を設計してもよい。さらに、印刷対象のファイルを取得するためのURLが都度変化する、いわゆるランダムアクセスが可能なように印刷対象のファイルを取得するURLを記述するJDF記述変換プログラム128を設計してもよい。
そして、ジョブ変換部126によってJDF記述変換プログラム128が実行されることにより、図50に示すように、印刷対象のファイルの取得元であるサーバ6上の領域が指定されたURLの記述が、印刷対象のファイル名を指定する記述へと変換されたJDF情報が出力される。
すなわち、ジョブ変換部126は、入力されたジョブデータにおいて指定されたURLから印刷対象のファイルを取得可能にして、ユーザが目的とする処理を実行できるようにする。
図51は、HWFサーバ4からDFE100に入力されたジョブデータに含まれるJDF情報である。図51に示すJDF情報では、JDF情報の文字エンコーディングとして“Shift−JIS”が用いられ、“あろは”という文字を描画するための情報が含まれている。
このとき、DFE100において用いられている文字エンコーディングが“UTF−8”であって“Shift−JIS”を用いることができない場合がある。このような場合、DFE100においては、入力されたJDF情報に含まれる“Shift−JIS”で符号化された文字を変換することができないため、“あろは”という文字が文字化けして印刷されてしまう。
そこで、本実施形態においては、図52および図53に示すように、入力されたJDF情報で用いられている文字エンコーディングをDFE100が使用できない場合であっても、ジョブ変換部126によって、当該入力されたJDF情報で用いられている文字エンコーディングを、DFE100が使用可能な文字エンコーディングによって符号化した文字コードに変換するJDF記述変換プログラム128が実行される。
なお、JDF記述変換プログラム128は、DFE100に入力されるJDF情報で用いられている文字エンコーディングである“Shift−JIS”およびDFE100が解釈可能な形式の文字エンコーディングである“UTF−8”の文字コードテーブルを含んで構成される。
図52に示すように、ジョブ変換部126はJDF記述変換プログラム128を実行することにより、DFE100に入力されるJDF情報において“Shift−JIS”で記載されている“あろは”という文字を描画するための文字コードを、“UTF−8”で“あろは”という文字を描画するための文字コードに変換する。
なお、JDF記述変換プログラム128は、HWFサーバ4で解釈可能な文字コードとDFE100で解釈可能な文字コードとの組み合わせごとに、別個のものが作成される。
そして、ジョブ変換部126によりDFE100に入力されたJDF情報に対してJDF記述変換プログラム128が実行されると、図54に示すように、DFE100が使用可能な文字エンコーディングである“UTF−8”によって符号化された文字コードへと変換されたJDF情報が出力される。
すなわち、ジョブ変換部126は、さまざまな文字エンコーディングで記述されたJDF情報をDFE100で解釈可能な形式の文字エンコーディングの文字コードに変換することによって、文字化けなどを防いで印刷出力を実行することができる。
図55は、印刷出力を行うに際して、DFE100が印刷出力対象として設定する用紙の属性を示す属性情報を示す図である。例えば、図55に示すように、DFE100において、印刷出力を行う用紙を設定する情報として“Paper1”および“Peper2”のそれぞれのカタログ情報が設定可能であるとする。
カタログ情報とは、各用紙の属性の様々な組み合わせをまとめて管理するための情報である。例えば、“Paper1”は、“サイズ:A4”、“用紙タイプ:普通紙”、“坪量:80g/m2”、“色:白”の属性情報によって示される用紙を設定するカタログ情報である。また、“Paper2”は、“サイズ:A4”、“用紙タイプ:光沢紙”、“坪量:100g/m2”、“色:白”の属性情報によって示される用紙を設定するカタログ情報である。なお、カタログ情報は、図3に示すJDF情報のうち、ジョブ情報のカタログIDにおいて指定される情報である。
図56は、HWFサーバ4からDFE100に入力されたジョブデータに含まれるJDF情報である。図56に示すJDF情報では、印刷出力の用紙として“サイズ:A4”、“坪量:80g/m2”が設定された属性情報が記述されている。
このとき、上述したように、DFE100において印刷出力を行う用紙を設定するための情報として、カタログ情報が用いられる場合、図56のJDF情報で設定された用紙を用いて印刷出力を行うことができない。
そこで、本実施形態においては、図57に示すような、JDF記述変換プログラム128が実行される。このJDF記述変換プログラム128は、入力されたJDF情報において印刷出力を行う用紙が記述されている部分から、当該用紙の属性情報を取得し、取得した属性情報の条件を満たす用紙のカタログ情報を印刷出力の用紙として記述したJDF情報に変換する。
DFE100に入力されたJDF情報に対して、ジョブ変換部126によってJDF記述変換プログラム128が実行されると、図58に示すように、印刷出力される用紙の情報をカタログ情報によって設定する形式に変換されたJDF情報が出力される。
すなわち、ジョブ変換部126は、印刷対象の用紙の属性を設定する属性情報を、印刷対象の用紙を設定するカタログ情報に変換することによって、文字化けなどを防いで印刷出力を実行することができる。
なお、ジョブ変換部126は、印刷対象の用紙を設定する情報がカタログ情報によって記述されているJDF情報を属性情報に変換するJDF記述変換プログラム128を実行する構成であってもよい。
また、属性情報に一致する用紙がDFE100において設定できない場合には、一致する属性情報の多い用紙のカタログ情報を設定してサンプル印刷を実行するようにJDF記述変換プログラム128を構成してもよい。このとき、JDF記述変換プログラム128に、印刷する用紙のサイズを指定する属性情報が一致するカタログ情報を用いてサンプル印刷を実行するためのJDF情報を記述してもよい。
図59は、HWFサーバ4からDFE100に入力されたジョブデータに含まれるJDF情報の一例である。図59に示すJDF情報では、顧客情報が記述されている。このとき、DFE100に図59で示すジョブデータによって印刷ジョブを実行させたときに、顧客情報がそのまま残ってしまう場合がある。
例えば、印刷ジョブの実行中に、印刷ジョブの中断などの障害が発生した場合において、障害解析を行うためにJDF情報を使用する場合に、個人情報保護などの観点から、顧客情報などを消去したJDF情報を用いて障害解析を行うことがある。
そこで、本実施形態では、ジョブ変換部126によって、図60に示すように、DFE100に入力されたJDF情報に顧客情報が含まれている場合に、その顧客情報を示す記述を、例えば、“xxxx・・・”などの意味をなさない文字列に変換するJDF記述変換プログラム128が実行される。
DFE100に入力されたJDF情報に対して、ジョブ変換部126によってJDF記述変換プログラム128が実行されると、図61に示すように、顧客情報を示す記述が“xxxx・・・”に変換されたJDF情報が出力される。
すなわち、ジョブ変換部126は、JDF情報に記述された顧客情報がHWFシステム外部に流出することを防いで印刷出力を実行することができる。
なお、印刷対象となる画像情報によっては、例えば二次元バーコードなどの符号化図形情報や、画像情報中の所定の領域に顧客情報が記載されていることがある。このような場合、二次元バーコードの領域や顧客情報が記載されている領域が印刷されないようにする、もしくは、黒ぬりにするなどのジョブが実行されるようにJDF情報の記述を変換するようにJDF記述変換プログラム128を構成してもよい。
そして、ジョブ制御部116は、ジョブ変換部126によってJDF情報の記述が変換されたジョブデータに基づいて、RIP部118にRIP処理を実行させる。次に、図13のS1306におけるRIP処理について、図47を参照して説明する。図47に示すように、まずは入力部202に対する初期化要求に基づいて制御部201が初期化処理を実行する(S1901)。
S1901においては、図9の例の場合、RIPパラメータ解析部203がRIPパラメータを受け付けて解析を行い、上述したようにRIPエンジン120に含まれるそれぞれの拡張部のうち処理を実行させる拡張部や、その順番を決定する。また、処理の結果生成されるデータの形式を決定する。
また、図10の例の場合、ジョブ属性解析部214が、JDF情報およびPDL情報を受け付けて解析を行い、処理を実行させる拡張部や、その順番を決定する。また、処理の結果生成されるデータの形式を決定する。続いて、図10の例の場合、制御部201は、RIPステータス解析部215にステータス解析を実行させる。
ステータス解析において、RIPステータス解析部215は、図3に示す“RIPステータス”を参照し、RIP内部処理の1つの項目を選択する(S1902)。そして、そのステータスが「Done」であれば(S1903/YES)、対応する拡張部を、S1901の処理において決定した実行対象の拡張部から除外する(S1904)。他方、「NotYet」であれば(S1903/NO)、特に処理は行わない。
RIPステータス解析部215は、全てのRIP内部処理の項目についてS1902からの処理が完了するまで処理を繰り返す(S1905/NO)。RIPステータス解析部215が、全てのRIP内部処理の項目についてS1402からの処理を完了した後(S1905/YES)、入力部202がRIP処理の実行要求を取得すると(S1906/YES)、制御部201は、それぞれの拡張部に対して順番に処理を実行させる(S1907)。
S1907においては、S1901の処理において決定された拡張部であって、且つS1904の処理により除外されていない拡張部に対してのみ処理が要求される。また、S1901において決定された処理順に従って処理が要求される。そのようにして拡張部により処理が実行されてラスターデータが生成されると、出力部213が処理結果を出力する(S1908)。このような処理により、RIP部118による処理が完了する。
なお、本実施形態においては、図10に示したRIPエンジン120の場合についてのみ説明を行った。これは、HWFサーバ4とDFE100とでRIP処理を分担する場合であれば、ステータス解析を行う必要があるためである。すなわち、HWFサーバ4とDFE100とでRIP処理を分担する場合には、HWFサーバ4で既に実行されたRIP処理をDFE100側で除外する必要がある。
したがって、HWFサーバ4とDFE100とでRIP処理を分担する場合に、DFE100側でJDF解析部117によるJDF解析を行った上で、RIPステータス解析部215によるステータス解析を行って、必要なRIP内部処理を判断してもよい。