JP2018094477A - 活性炭の分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性炭粒子と親水性無機粒子との混合物から活性炭粒子を低コストで安全かつ効率的に分離する方法の提供。【解決手段】活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合凝集体水系懸濁液から活性炭粒子を分離する方法であって、次の工程(1)〜(3)を含む活性炭粒子の分離方法。(1)カルボン酸塩を添加して活性炭を親水化処理をする、親水性の活性炭粒子及び親水性無機粒子を分散させて、親水性の活性炭粒子及び親水性無機粒子の分散液を得る工程、(2)工程(1)で得られた分散液中の親水性の活性炭粒子を無機酸を添加して、疎水化させた疎水化活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合懸濁液を得る工程、(3)工程(2)で得られた混合懸濁液4に気泡5を供給する工程、工程(3)は浮選槽1を有する浮選機中で気泡により、浮上分離して、活性炭を分離する工程である。【選択図】図2

Description

本発明は、活性炭と珪藻土などの親水性無機粒子との混合物から活性炭を分離する方法に関し、さらに詳細には、活性炭粒子の分散・凝集を制御しながら浮選選別することにより、効率よく高い分離精度で活性炭を分離、回収できる方法に関する。
活性炭は極めて広い表面積に由来して高い吸着能力を有し、その吸着能力を利用して有機物と水、または有機物と無機物と水の混合物中から、目的物である有機物を選択的に除去又は回収することができる。このような機能を利用した例として、排水処理、水の浄化、反応生成物を含む系からの目的物質の抽出や目的外物質の除去などが挙げられる。また、活性炭の用途の一つとして、不均一系触媒の担体としての利用がよく知られている。活性炭は極めて高い比表面積値を有し、活性種としての金属を高分散に担持することができる。そのため活性種である金属はその表面積を高く保つことができ、広い活性表面を持つことで、触媒として高い活性を発揮することができる。
不均一系触媒として活性炭に担持される金属として、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなど、高価な貴金属が使用されることが多い。活性炭に担持された貴金属は、反応に利用された後は、回収されて新しい反応に利用されたり、その安定な性状を利用して反応系において連続的に利用される。しかし、繰り返しの利用により活性種が被毒したり、また還元環境で利用されること等から、貴金属が凝集して有効な活性表面積が減少し、活性が低下してしまう。このような場合、活性が低下した触媒から高価な貴金属を回収して再利用が図られている。
このような不均一系触媒を利用した反応においては、その生成物を濾過する際に珪藻土などの無機粒子が濾過助剤として用いられる(非特許文献1)。濾過助剤の働きは概ね以下の様なものである。すなわち、懸濁床方式等により活性炭触媒を繰り返し使用する場合、反応毎に濾過分離を繰り返す必要があるが、反応で生成した副生成物も堆積して濾過速度が極端に落ちる場合がある。そのような場合には珪藻土等の無機濾過助剤が使用される。濾過助剤を使用した濾過はボディーフィード法とも言われる。ボディーフィード法によれば、濾過工程中の活性炭触媒等の圧縮性粒子の抵抗が小さくなり、時間当たりの濾過量が増大し、かつ濾材が目詰まりを起こすまでの時間も延長することができる。ボディーフィード法に用いる濾過助剤の量は、使用条件によっても異なるが、例えば、活性炭乾燥質量100質量部に対し珪藻土50〜1000質量部など多量に使用することがある。そのため、ボディーフィード法で使用された触媒の中には多量の珪藻土などの濾過助剤が含まれることになる。
また、珪藻土は活性炭に比べて吸着能力は低く、溶液中に溶解している成分はそのまま通し、不溶物だけを捕捉する性質がある。そこで反応装置においては、フィルターが反応系中の微細粉末により目詰まりしてしまうことを防ぐために、フィルターの手前において微細粉末を捕捉する目的で珪藻土が用いられることもあるが、この場合にも珪藻土の中には使用済触媒が含まれることになる。
上記のような触媒用途の他、活性炭と共に珪藻土を利用するケースとしては、排水処理などの水系媒体の後処理用途が知られている(特許文献1、例5)。この用途では、活性炭と珪藻土は混合物としても利用されることがある。このような排水処理分野においても、活性炭に吸着した成分によっては当該成分を回収したり、回収後は別途適切な処理が必要になることがある。
特開昭61−90787号公報
工業貴金属触媒−実用貴金属触媒の実際と反応、室井高城、2003年、株式会社ジェティ、第17〜18頁
上記不均一系触媒反応等のように活性炭と珪素土等の親水性無機粒子を合わせて使用した場合、活性炭を分離し、触媒成分等を回収するにあたって、いくつかの課題が存在していた。
すなわち、活性炭に吸着している被回収成分が貴金属のような無機物の場合、活性炭と珪素土の混合物を焙焼後、その灰分の中から目的物である貴金属を酸などで溶解し、これを抽出して回収される。しかし、濾過助剤である珪藻土も無機物であることから、灰分中には当然珪藻土が含まれる。そのため、灰分から貴金属を酸で溶解・抽出する工程で、酸溶解した貴金属が珪藻土に吸着され、回収率が低下してしまう。また珪藻土が多く含まれる活性炭−珪藻土混合物では焙焼の効率も低下し、回収費用も高額になる。さらに、回収時の焙焼工程において、貴金属が珪藻土に強固に担持されてしまうこともある。このように強固に担持された場合、多孔質の無機物から貴金属を回収することは一層困難になる。
使用済み触媒のような活性炭−珪藻土混合物の分離においては溶媒抽出法と言われる手法も知られている。活性炭−珪藻土混合物に対する溶媒抽出法では、アルコールやケロシン等の溶媒および水と混合し、活性炭を有機溶媒中に分離する。しかし、この方法では、多量の溶媒が必要になりコスト高になるうえに、活性炭−珪藻土混合物に反応副生物等の有機成分が含まれていると、このような有機成分が溶媒中に溶出し、新たに溶出物の回収処理の問題が生じてしまう。また、大量の有機溶媒の使用が必要となることから安全性の面でも問題があった。
他の手法として水簸や液体サイクロンといわれる粒子径や比重の違いを利用した分離方法も検討されている。これは粒子径や比重に由来する沈降速度の差を利用した分離であり、仕組みも単純でコスト的にも有利であるが、活性炭と珪藻土の粒子径や比重が近い場合、十分な沈降速度の差が得られず、分離は不十分なものになる。活性炭と珪藻土には粒子径分布が重複していたり、比重が近いものも多いため、これらの方法では適用できる対象物の組合せが限られていた。特に前記の濾過助剤のような用途に使用される珪藻土は、組み合わせて使用される活性炭と混合した状態でその効果を発揮するため、簡単に分離してしまわないように、粒子径、比重共に近いものが選択されることが多く、適用が困難である。
このように、活性炭と珪藻土などの親水性無機粒子との混合物を低コストで安全かつ効率的に分離回収する方法は未だ確立されていない。
そこで本発明は、活性炭粒子と親水性無機粒子との混合物から活性炭粒子を低コストで安全かつ効率的に分離する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、活性炭粒子と珪藻土などの親水性無機粒子を含む水系懸濁液において、活性炭粒子と親水性無機粒子とを高分散させ、次いで活性炭粒子を疎水化させた後、液相中に気泡を導入することによって、活性炭粒子を選択的に浮上分離させることができ、活性炭粒子と親水性無機粒子の粒子径分布や比重などの物性が近似していても、効率よく高い分離精度で相互分離することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合凝集体水系懸濁液から活性炭粒子を分離する方法であって、次の工程(1)〜(3);
(1)親水性の活性炭粒子及び親水性無機粒子を分散させて、親水性の活性炭粒子及び
親水性無機粒子の分散液を得る工程、
(2)工程(1)で得られた分散液中の親水性の活性炭粒子を疎水化させて疎水化活性
炭粒子及び親水性無機粒子の混合懸濁液を得る工程、
(3)工程(3)で得られた混合懸濁液に気泡を供給する工程
を含む活性炭粒子の分離方法である。
本発明は、活性炭粒子と珪藻土などの親水性無機粒子との混合物から、安全かつ低コストで、活性炭粒子を効率よく高い分離精度で分離できるものである。特に従来分離が困難であった粒子径分布や比重などの物性が近い活性炭と親水性無機粒子との混合物の処理においても優れた分離が得られることから、不均一系の触媒反応系で生じる活性炭と濾過補助剤の混合物からの触媒成分の分離回収などに好適に利用できる。かかる用途においては、従来、反応効率だけでなく、反応後の分離回収のし易さも考慮して活性炭と濾過助剤の物性を選択する必要があったが、本発明によれば、物性が近似していても分離回収が容易であるため、反応効率の最適化のみを目的として活性炭と濾過助剤の物性を選択することが可能となる。
本発明の分離方法に用いるバッチ式浮選機の模式図である。 本発明の分離方法に用いる連続式浮選機の模式図である。
[活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合凝集体水系懸濁液]
本発明の分離方法は、活性炭粒子と親水性無機粒子の混合凝集体水系懸濁液(以下、「混合凝集体懸濁液」ということがある)を処理対象とする。活性炭粒子はその原料により、吸着性能、細孔構造等の特性が異なるが、工業的にはオガ粉、ヤシガラ等の植物系、褐炭、瀝青炭、無煙炭等の鉱物質由来の原料を焼成炭化して得られるもので、その大きな表面積を活かして様々な用途に利用されている。活性炭粒子の粒子径分布は特に限定されないが、大き過ぎると粒子の表面状態の操作で分散・凝集を制御することが困難になる場合があり、小さ過ぎるとハードケーキが生じ分散操作が困難になる場合があることから、1〜500μmの範囲内にあることが好ましく、1〜200μmの範囲内にあることがより好ましい。また、その平均粒子径や真比重も特に制限されるものではないが、分散・凝集制御の容易性等の観点から、平均粒子径は、5〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜50μmであり、真比重は1〜3g/cmであることが好ましく、より好ましくは1〜2g/cmである。さらにその比表面積は500〜2000m/gであることが好ましい。
一方、親水性無機粒子としては、珪藻土、シリカ、アルミナ等が例示でき、これらの1種または2種以上を含有していてもよい。これらの中でも、活性炭を担体とした不均一系触媒反応において、反応生成物を濾過する際の濾過助剤として使用されるなど、工業的に活性炭と組み合わせて利用されることが多い珪藻土が好適である。珪藻土は藻類の一種である珪藻の殻の化石由来の堆積物であり、主な構成分子はシリカである。この珪藻土と上記活性炭粒子は、その表面処理の仕様や由来によって様々な性状を有し得るが、一般的に珪藻土の主成分であるシリカは極性吸着剤として知られており、一方の活性炭粒子は非極性吸着剤として知られている。そのため、極性溶媒である水の中では珪藻土が良好な分散性を示すのに対して、活性炭粒子の分散性は珪藻土に比べて低い。
親水性無機粒子の粒子径分布、平均粒子径、真比重等の物性は特に限定されないが、上記した不均一系触媒反応用途等において、組み合わせる活性炭粒子と容易に分離することなく、濾過効率の向上等親水性無機粒子の効果を十分に発現させるために、上記活性炭粒子に近い物性値を有するものが好適である。具体的には、粒子径分布が1〜500μmの範囲内にあることが好ましく、1〜200μmの範囲内にあることがより好ましい。また、その平均粒子径は、5〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜50μmであり、真比重は1〜3g/cmであることが好ましく、より好ましくは2〜3g/cmである。また比表面積は500〜2000m/gであることが好ましい。さらに、活性炭粒子と親水性無機粒子の平均粒子径の差の絶対値が50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。また真比重の差の絶対値が1g/cm以下であることが好ましく、0.5g/cm以下であることがより好ましい。活性炭粒子及び親水性無機粒子の粒子径分布及び平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定法により測定することができる。またこれらの真比重はピクノメーター法によって測定することができる。
混合凝集体懸濁液に用いられる水系媒体は、少なくとも90質量%以上が水であり、好ましくは水のみである。水系媒体中で、上記活性炭粒子と親水性無機粒子は、その物理的な吸着性等により、ヘテロ凝集してランダムな混合凝集体を形成する。混合凝集体懸濁液の物性は特に限定されるものではなく、後述する気泡の供給による活性炭の浮上が阻害されない範囲であれば良い。例えば、混合凝集体懸濁液の粘度は、1〜1000mPa・sであることが好ましく、1〜500mPa・sがより好ましく、1〜300mPa・sがさらに好ましい。また混合凝集体懸濁液中の固形分含量は、5〜50質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。このような粘度や固形分含量の範囲となるように、適宜水系媒体や界面活性剤等を添加して調整すればよい。不均一系触媒反応における使用済触媒などのように活性炭粒子と親水性無機粒子の混合物がケーキ状の固形物として得られる場合にも、適宜水系媒体を添加して混合凝集体懸濁液とすることができる。なお、粘度は、B型粘度計による回転数30rpmでの粘度として求めることができる。固形分含量は、特定の体積の容器に試料を測りとり、定法に従って溶媒を乾燥させた後の重量から算出することができる。
本発明に使用される混合凝集体懸濁液は一般には分離が困難なものであって、例えば混合凝集体懸濁液を調整した後、一日静置して沈降した様子を観察しても明確な界面は確認しづらい。本発明の方法は、このような混合凝集体懸濁液についても優れた分離効果を発揮することができる。このように、混合粉体懸濁液を調製後、一日静置して沈降した様子を観察しても界面が確認しづらい場合に、当該懸濁液は分離困難であると評価され得る。後述する本発明に使用される疎水化活性炭粒子と親水性無機粒子の混合懸濁液の分離困難性についても同様である。
[活性炭粒子と親水性無機粒子の分散処理;工程(1)]
上記したとおり、混合凝集体懸濁液においては、活性炭粒子と親水性無機粒子がヘテロ凝集してランダムな混合凝集体を形成している。工程(1)では、分散処理を行ってこの混合凝集体を解凝集する。分散処理方法は特に限定されるものではなく、攪拌子やミキサーなどによる公知の分散方法を適用できるが、好適な処理方法として超音波による処理及び界面活性剤の添加が挙げられる。超音波による処理と界面活性剤の添加はいずれか一方のみでもよいが、活性炭粒子表面は通常疎水性であるため、界面活性剤を添加してその表面を親水化してから超音波処理を行うことが好ましい。混合凝集物水系懸濁液中に含まれる活性炭粒子が、その発生由来などに基づき親水性である場合には、このような親水化処理を行う必要はなく、そのまま分散処理を行うことができる。なお、粒子表面が親水性であるか疎水性であるかは、ゼータ電位に基づいて判別できる。例えば、ゼータ電位が−25mV〜+25mVの場合は疎水性であり、−25mVより低いか、+25mVより高い場合は親水性と判別できる。
また、工程1の分散処理時の活性炭粒子の好ましいゼータ電位は−20mV未満か+20mVより大きく、より好ましくは−25mV未満か+25mVより大きい値である。マイナスの電荷をもつ界面活性剤を用いる場合は−20mV未満が好ましく、さらに−25mV未満が好ましい。
超音波処理は、超音波分散機を使用して行うことができる。超音波分散機は特に限定されるものではなく、公知の超音波分散機を広く使用することができる。照射する超音波の周波数は10〜200kHzが好ましく、20〜50kHzがより好ましい。その処理時間は5〜240分間程度が好ましく、10〜60分間程度がより好ましい。
このような超音波処理によって粒子の分散性が向上する理由として以下のことが考えられる。すなわち、珪藻土等の親水性無機粒子は前述したように濾過助剤として使用されるが、その懸濁液において、濾過対象の有機物残渣等がバインダーとして作用し、活性炭粒子と親水性無機粒子のヘテロ凝集を促進させる。ここに超音波を照射すると、それぞれの粒子及び有機物残渣にエネルギーが加わり、粒子同士に摩擦が生じるため、粒子同士が乖離して解凝集し、より高分散な状態となる。
また珪藻土等は濾過助剤として使用される過程において、反応系中の有機物によってその表面が汚染されて疎水性になっている場合がある。そのような場合、活性炭粒子との分離分散が困難になり得るが、超音波処理によって物理的に振動を与え、珪藻土表面の有機物を離脱させるため分散性が向上すると推定される。さらに超音波を使用することで、液相中にマイクロバブルが発生し、このマイクロバブルにより前記有機物の脱離が促進されることも分散性向上に寄与していると考えられる。
上記界面活性剤としては特に限定されるものではないが、後述する疎水化処理での無機酸の利用の点から、カルボン酸塩が好ましく、カルボン酸の中でも脂肪酸塩がより好ましく、特に不飽和脂肪酸塩は常温で液状を呈し、液相中で分離処理を行う本発明方法において取扱いが容易であることから好ましい。脂肪酸塩は、活性炭粒子の分散性等の観点から、構成する脂肪酸の炭素数が12〜22であることが好ましく、13〜18であることがより好ましい。脂肪酸は直鎖状であっても分岐を有するものであってもよいが、活性炭粒子の分散性等の観点から直鎖状であることが好ましい。具体的には、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸のアルカリ金属塩が例示され、特にオレイン酸ナトリウムが好適である。界面活性剤として脂肪酸塩を用いる場合、常温で液状を呈し取扱いが容易であることから、脂肪酸塩全量に対し、不飽和脂肪酸塩が50質量%以上含まれることが好ましく、70質量%以上含まれることがより好ましい。
カルボン酸塩は、活性炭粒子の表面を覆って親水性とし、水系媒体中に分散できるだけの量を添加することが好ましく、具体的には、活性炭粒子の比表面積に対し、単位面積あたりのカルボン酸塩の添加量が1×10−8〜5×10−6mol/mであることが好ましく、5×10−8〜1×10−6mol/mであることがより好ましい。
また、カルボン酸塩の濃度の好適な範囲は、活性炭粒子の比表面積等によって変動し得るが、例えば1×10−3mol/L以上が好ましく、3×10−3mol/L以上がより好ましく、1×10−2mol/L以上が特に好ましい。
またカルボン酸塩の添加による活性炭粒子の分散にあたっては、必要に応じて分散助剤を添加してもよい。分散助剤としては、珪酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤が例示される。活性炭粒子の分散性向上の観点から、これらの分散助剤を添加して、水系混合懸濁液のpHを8〜13の範囲に調整することが好ましく、10〜11の範囲とすることがより好ましい。
水系溶媒に溶解したカルボン酸塩は、アルカリ性においてカルボン酸イオンとして活性炭粒子表面に吸着し、本来水系媒体中で凝集しやすい疎水性の活性炭粒子をミセル効果により高分散させることが可能になるものと推定される。
またカルボン酸塩により親水化された活性炭粒子と無機粒子はマイナスの表面電位を持つため、大きな反発力が生じ、分散が起こりやすくなる場合もあると考えられる。
[活性炭粒子の凝集処理;工程(2)]
工程(2)では、上記工程(1)の分散処理で得られた親水性の活性炭粒子及び親水性無機粒子の分散液(以下、「分散液」ということがある)において、活性炭粒子の疎水化処理を行う。疎水化処理の方法は特に限定されるものではないが、工程(1)において、活性炭粒子表面をカルボン酸塩の添加により親水化処理した場合、分散液中に無機酸を添加してカルボン酸塩の脱塩基を行いプロトン化することによって疎水化することが好適である。無機酸としては特に限定されるものではなく、使用するカルボン酸塩との組合せから適宜選択可能であるが、好適な無機酸として塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられ、中でも塩酸が好ましい。塩酸の濃度は安全上2N以下であることが好ましい。また無機酸は、分散液のpHが1〜6となるように添加することが好ましく、より好ましくはpHが3〜4となる添加量である。
このように、吸着しているカルボン酸イオンをプロトン化し、分散液中の活性炭粒子表面のゼータ電位をマイナスからゼロに近づけることで、活性炭粒子表面の疎水化を促進することができると考えられる。
このとき、無機粒子が分散状態を維持するゼータ電位を取る条件とすることで、活性炭粒子との分離をしやすくする場合がある。
また、工程1の分散処理時の活性炭粒子のゼータ電位と工程2で疎水化した活性炭粒子のゼータ電位の絶対値の差が10mV以上となることが好ましく、さらに15mV以上となることが好ましく、特に20mV以上が好ましい場合がある。
以上のようにして、工程(2)により疎水化活性炭粒子と親水性無機粒子の混合懸濁液が得られる。
[浮選処理;工程(3)]
工程(3)では、上記工程(2)で得られた疎水化活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合懸濁液(以下、「混合懸濁液」ということがある)に気泡を供給して浮選処理を行う。浮選処理は、機械攪拌式浮選機、空気吸い込み型のカラム型浮選機など、浮選槽を備えた公知の浮選機を用いて行うことができる。気泡の供給方法は特に制限されないが、混合懸濁液に対して満遍なく気泡が行き渡るように、浮選槽の下方から気泡を供給することが好ましい。気泡の供給は公知の気泡発生装置(スパージャー)により行うことができる。また気泡の大きさ及び送気量は特に制限されるものではないが、例えば、平均粒子径が50〜500μmである気泡を、送気量0.1〜2L/分で供給することが好ましい。また、送気線速についても特に制限されるものではないが、前記のような気泡の大きさの場合、その送気線速は0.2〜0.5cm/secであることが好ましい。供給される気泡の成分についても特に制限されるものではないが、大気を使用して供給してもよく、窒素などの不活性ガスを使用してもよい。なお、気泡の大きさは、例えば、高速カメラで撮影し、画像から複数の気泡サイズを測定してその平均値として求めることができる。
このように気泡を供給することによって、疎水化活性炭粒子を凝集させ、形成された活性炭凝集粒子を浮上分離させることができる。凝集が生じる機序は、活性炭の持つ大きな表面積に由来したファンデルワールス力による物理吸着によるものと推定される。特に工程(1)〜(2)において、カルボン酸塩及び無機酸を添加することによって親水性無機粒子と活性炭粒子とをより効率的に分離できる理由として以下のことが考えられる。すなわち、分散液中の活性炭粒子の表面に吸着したカルボン酸イオンが無機酸の添加により疎水性油脂となることで、活性炭粒子表面がゼータ電位をほとんど持たない疎水性粒子となる。この疎水化活性炭粒子を含む懸濁液中に気泡を導入すると、疎水化活性炭粒子は、親水性である珪藻土などの無機粒子と分離して凝集粒子を形成しやすくなる。そして気泡が選択的に活性炭凝集粒子と付着ないし吸着することで結合し、その浮力が増強されるため、混合懸濁液中における活性炭粒子の浮上分離が促進され、分取効率が向上するものと考えられる。
このように浮選技術を利用して混合懸濁液から活性炭粒子を分取するに際しては、予め混合懸濁液中に起泡剤を添加することが好ましい。起泡剤を添加することにより分離系における気泡の形状が維持されるとともに、浮選により分離された活性炭粒子の回収も容易になる。起泡剤は特に制限されるものではないが、活性炭粒子及び親水性無機粒子の表面性状に影響を与え、その凝集・分散状態に変動をもたらすような起泡剤の使用は避けることが望ましい。好適な起泡剤としては、合成アルコール系起泡剤、ポリグリコール系起泡剤、テルペンアルコール系起泡剤などが挙げられるが、気泡の大きさの制御や適度な泡切れの点からメチルイソブチルカルビトール(MIBC)が特に好ましい。なお、混合懸濁液への起泡剤の添加は、浮選機への混合懸濁液の導入前、導入と同時、導入後のいずれであってもよい。起泡剤の添加量は、起泡剤の種類等によって適宜設定されるが、例えば、気泡の大きさの制御や適度な泡切れの点から、混合懸濁液に対し0.001〜0.1v/v%添加することが好ましく、0.002〜0.01v/v%がより好ましい。
本発明に用いる浮選機の好ましい実施形態の例を図1に示す。この浮選機10はバッチ式であり、浮選槽1に移入された疎水化活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合懸濁液に、浮選槽1下方から気泡が供給される。ガラスフィルター3を介して混合懸濁液中に導入された気泡(図中の二重丸)は選択的に活性炭凝集粒子に付着して浮上分離するため、浮選槽1の上層には活性炭粒子層W1(泡沫層(フロス層))が、下層の親水性無機粒子層W2と分離して形成される。気泡の供給を継続すると、活性炭粒子層はオーバーフローし、浮選層1上方に設けられたレシーバー2に活性炭凝集粒子が排出されて回収される。
[連続浮選処理]
浮選処理において、混合懸濁液を多量に処理する場合には、分離対象である混合懸濁液の供給と、分離された活性炭粒子と親水性無機粒子の反応系からの排出を連続的に行うことが好ましい。このような連続的な浮選処理を連続浮選ということがある。連続浮選では、分離された活性炭粒子(フロス)に珪藻土が多く残る場合や、逆に分離された親水性無機粒子(テール)に活性炭粒子が多く含まれる場合に、排出された液を再度浮選槽内に送液することによって回収率を高めることもできる。また、目的とする回収率を達成するために連続式浮選機を複数台並列に並べて使用することも可能である。
連続式浮選機の好適な実施形態の一例を図2に示す。この連続式浮選機20は、疎水化活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合懸濁液の供給部4、気泡の供給部5、活性炭凝集粒子の排出部6並びに親水性無機粒子の排出部7を備えた浮選槽1を有する。気泡の供給部5は混合懸濁液の供給部4の下方に位置し、活性炭凝集粒子の排出部6は混合懸濁液の供給部4の上方に位置し、かつ、親水性無機粒子の排出部7は混合懸濁液の供給部4の下方に位置する。浮選対象となる混合懸濁液を浮選槽1内に連続的に供給し、その下方から気泡を供給する。液相中に導入された気泡(図中の二重丸)と結合した活性炭凝集粒子が上方に、親水性無機粒子が下方に分離され、活性炭層W1と親水性無機粒子層W2が形成される。上方に分離された活性炭凝集粒子は浮選槽1上方からオーバーフローして活性炭凝集粒子の排出部6から排出・回収される。一方、下方に分離された親水性無機粒子は気泡の供給部よりも更に下方に沈降し、浮選槽1下方に設けられた親水性無機粒子の排出部7から排出・回収される。
このような連続式浮選機を使用して混合懸濁液を分離する場合、浮選槽内への単位時間あたりの気泡の送気体積は、適量にすることが好ましく、例えば、供給される混合懸濁液の体積の0.5〜2倍程度であることが好ましく、1〜1.5倍程度であることがより好ましい。送気体積がこの範囲よりも少ない場合、活性炭粒子の回収率が低下することがある。一方この範囲よりも送気量が多すぎる場合、浮選機内で乱流が生じ、分離が不十分となることがある。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
実施例1:バッチ式浮選
(浮選前処理:活性炭凝集粒子及び珪藻土の混合懸濁液の調製)
無機濾過助剤(珪藻土)を含む使用済み活性炭触媒40g(活性炭2.5g,無機ろ過助剤18g)に、水200mL、和光純薬製1級オレイン酸ナトリウム0.485g(オレイン酸ナトリウム含有量:72wt%)及び分散助剤として和光純薬製珪酸ナトリウム溶液を固形分換算で0.04g加え、15分撹拌した。この時のpHは10.2であった。この後、超音波処理を15分行った。さらに撹拌しながら0.12N塩酸溶液を加えてpHを3.0とし、活性炭粒子及び珪藻土の混合懸濁液を調製した。
上記活性炭触媒中の活性炭と珪藻土の物性は以下のとおりである。またゼータ電位の測定方法を下記に示す。
(活性炭および珪藻土の物性)
活性炭:
重量平均粒子径:18μm
相対粒子量分布:1〜100μm
真比重:1.88g/cm
比表面積値:1200m/g
ゼータ電位:pH10のとき−13mV、pH3のとき5mV
オレイン酸添加してpH10のとき−30mV
珪藻土:
重量平均粒子径:32μm
相対粒子量分布:1〜200μm
真比重:2.27g/cm
比表面積値:1100m/g
ゼータ電位:pH10のとき−80mV、pH3のとき−30mV
(ゼータ電位の測定方法)
装置 (株)シスメックス製ZEN2600
条件 サンプル量:0.75mL(試料0.1mlに水とNaOH、HClを加えpH
を調整)
測定原理:M3/PALS法
この混合懸濁液を一日静置して沈降させたところ、上方には活性炭が多く含まれると思われる黒色の部位が、下方には珪藻土が多く含まれると思われる灰色の部位が現れたが、明確な界面と言えるものは確認できず、活性炭、珪藻土共に分離可能な層は認められなかった。なお、前記オレイン酸ナトリウムを添加しないで調整した混合凝集体懸濁液についても同様に一日静置してその様子を確認したところ、活性炭−珪藻土の分離の様子は更に判別し難く活性炭−珪藻土の界面は確認できるものではなかった。
(バッチ式浮選機)
図1に示す浮選機を用いて浮選処理を行った。浮選層1は内径40mm、長さ200mmの円筒型ガラス管よりなり、底部にガラスフィルター3を設け、ボンベから流量計を挟んで空気が供給される。
(バッチ式浮選操作)
上記活性炭粒子及び珪藻土の混合懸濁液を起泡剤としてのMIBC50μLと共にバッチ式浮選機に移入し、空気供給量0.2L/分にて浮選を10分間行い、使用済み触媒を浮遊産物及び沈降産物に分離した。
(分離産物の重量測定及び混入量測定)
分離した浮遊産物(活性炭層)及び沈降産物を濾過した後、110℃にて3時間乾燥して各産物の重量を天秤にて測定した。また乾燥した浮遊産物及び沈降産物を600℃で5時間焼成した後秤量し、これを各産物中の無機濾過助剤の量として算出した。その結果、浮遊産物である活性炭層には、活性炭全量のうち95wt%の活性炭が濃縮分離されていた。一方、活性炭層には、無機濾過助剤全量のうち6wt%の無機濾過助剤が混入していた。この結果から、本発明の分離方法は、無機濾過助剤を含む使用済活性炭触媒から効率よく活性炭を分取でき、選別精度も高いことが示された。
実施例2:連続浮選
(浮選前処理:活性炭凝集粒子及び珪藻土の混合懸濁液の調製)
実施例1と同じ無機濾過助剤(珪藻土)を含む使用済み活性炭触媒10kgに水50L及び和光純薬製1級オレイン酸ナトリウム122gおよび珪酸ナトリウム溶液20gを加え30分攪拌した。攪拌中の混合液に対し、分散剤助剤として2.5wt%水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを10.2に調整した。この後、超音波処理を30分行った。さらに撹拌しながら1.2N塩酸溶液を加えてpHを3.0として疎水化活性炭粒子及び珪藻土の混合懸濁液を調製した。この混合懸濁液に起泡剤としてMIBCを1mL加えた。
(連続式浮選機)
連続式浮選機として、図2に示す日本エリーズ製の連続カラム浮選機を用いた。気泡の発生は多孔質高密度ポリエチレン製スパージャー(気泡拡散装置)を用いて行った。カラム(浮選槽)部分は直径76mm、高さ1.5mで、混合懸濁液の供給および珪藻土層(テール)の排出はチューブポンプを用いて行った。混合懸濁液供給ポンプの流速は任意に設定できるが、珪藻土層の排出ポンプの流速はあらかじめ設定した活性炭層の高さを維持するように水圧センサーを用いて制御される。また、本装置はカラム上部から活性炭層(フロス)を水洗する機能がついており、これにより活性炭層に混入した親水性の珪藻土粒子を混合エリアに押し戻すことができ、珪藻土の活性炭層への混入を抑えることができる。
(連続式浮選操作)
前記混合懸濁液を1.5L/分でカラムに供給し、センサー感知によりテールポンプが稼働し始めたら供給スピードを0.5〜0.8L/分に落とした。液面の変動がなくなったところで大気を0.8〜1.2L/分でスパージャーに導入し、気泡を発生させた。また、洗浄水を110〜220mL/分で流した。
活性炭層がオーバーフローした時点をスタートとし、10分毎に排出される浮選産物および沈降産物を各々6回容器に採取した。
(分離産物の重量測定及び混入量測定)
分離した浮遊産物及び沈降産物を濾過した後、110℃にて6時間乾燥して各産物の重量を天秤にて測定した。また乾燥した浮遊産物及び沈降産物を600℃で5時間焼成した後秤量し、これを各産物中の無機濾過助剤の量として算出した。連続浮選試験においては、供給された混合懸濁液中の各粒子、特に珪藻土粒子は浮選分離された後、すぐに排出されず、カラム内にある時間滞留する。したがって、10分毎に採取された浮遊産物量および沈降産物の乾燥重量および無機濾過助剤の測定結果から活性炭層への活性炭回収率および珪藻土混入率を算出するためには補正が必要となる。
10分毎の活性炭層への活性炭回収率および珪藻土混入率を算出するための計算式を以下に示す。
活性炭層への活性炭回収率(%):
Rc=(f―t)(100―c)/(c−t)/(100−f) x 100
活性炭層への珪藻土混入率(%):
Wd=100−(f−c)t/(t−c)/f x 100
ここで、f,c,tは以下の意味を表す。
f:無機濾過助剤(珪藻土)を含む使用済み活性炭触媒乾燥品(110℃,3時間)
中の珪藻土品位(%)
c:浮遊産物乾燥品中の珪藻土品位(%)
t:沈降産物乾燥品中の珪藻土品位(%)
(活性炭層への活性炭の回収率および珪藻土の混入率結果)
浮選産物および沈降産物は、2回目の採取以降、回収率および珪藻土の混入率は安定した値となった。2回目の採取以降、活性炭層へ活性炭全量のうち96〜98wt%の活性炭が濃縮分離されていた。一方、活性炭層への無機濾過助剤の混入は、無機濾過助剤全量のうち3〜8wt%であった。この結果から、本発明の分離方法は、無機濾過助剤を含む多量の使用済み活性炭触媒を連続的に浮選処理して、高い選別精度で活性炭を分離回収できることが示された。
比較例1:溶媒抽出による分離操作
実施例1と同じ無機濾過助剤(珪藻土)を含む使用済み活性炭触媒40gに水300mL及びケロシン100mL及び中間層生成防止のためエタノール6mLを加え、500mLガラス製分液ロート中で撹拌および静置し、有機相と水相に分離した。
(分離産物の重量測定及び混入量測定)
分離した有機相及び水相を濾過した後、110℃にて3時間乾燥して各相の産物の重量を天秤にて測定した。また乾燥した有機相産物及び水相産物を600℃で5時間焼成した後秤量し、これを各産物中の無機濾過助剤の量として算出した。
その結果、有機相産物中には、全量の92wt%の活性炭触媒が濃縮分離されており、この時全量の13wt%の無機濾過助剤が混入していた。
比較例2:水簸による分離操作
実施例1と同じ無機濾過助剤(珪藻土)を含む使用済み活性炭触媒40gに水200mL、和光純薬製1級オレイン酸ナトリウム0.485g及び分散助剤とし珪酸ナトリウム溶液を固形分換算で0.04g加え、15分撹拌した。この時のpHは10.2であった。この後、超音波処理を15分行った。この懸濁液を250mLメスシリンダーに移入し、撹拌機を用いて1000rpmで10分撹拌した後、回転数を50rpmにして50分放置し、上層および下層をピペットを用いて採取した。
(分離産物の重量測定及び混入量測定)
分離した上層及び下層を濾過した後、110℃にて3時間乾燥して各相の産物の重量を天秤にて測定した。また乾燥した上層産物及び下層産物を600℃で5時間焼成した後秤量し、これを各産物中の無機濾過助剤の量として算出した。
その結果、上層産物中には、全量の49wt%の活性炭触媒が濃縮分離されており、この時全量の8wt%の無機濾過助剤が混入していた。
本発明の活性炭の分離方法は、無機濾過助剤を含む使用済活性炭触媒からの触媒成分の分離回収方法等として有用なものである。
10 バッチ式浮選機
1 浮選槽
2 レシーバー
3 ガラスフィルター
4 混合懸濁液供給部
5 気泡供給部
6 活性炭凝集粒子排出部
7 親水性無機粒子排出部
10 バッチ式浮選機
20 連続式浮選機

Claims (18)

  1. 活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合凝集体水系懸濁液から活性炭粒子を分離する方法であって、次の工程(1)〜(3);
    (1)親水性の活性炭粒子及び親水性無機粒子を分散させて、親水性の活性炭粒子及び
    親水性無機粒子の分散液を得る工程、
    (2)工程(1)で得られた分散液中の親水性の活性炭粒子を疎水化させて疎水化活性
    炭粒子及び親水性無機粒子の混合懸濁液を得る工程、
    (3)工程(2)で得られた混合懸濁液に気泡を供給する工程
    を含む活性炭粒子の分離方法。
  2. 工程(1)における親水性の活性炭粒子が、活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合凝集体水系懸濁液にカルボン酸塩を添加することにより活性炭粒子が親水化されたものである請求項1記載の分離方法。
  3. カルボン酸塩が脂肪酸塩である請求項2記載の分離方法。
  4. 脂肪酸塩を構成する脂肪酸が炭素数12〜22の不飽和脂肪酸を含むものである請求項3記載の分離方法。
  5. 活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合凝集体水系懸濁液にカルボン酸塩を添加した後、pHを10〜11に調整するものである請求項3または4に記載の分離方法。
  6. 工程(1)における親水性の活性炭粒子及び親水性無機粒子の分散が、超音波処理により行われるものである請求項1〜5のいずれかの項に記載の分離方法。
  7. 工程(2)における親水性の活性炭粒子の疎水化が、工程(1)で得られた分散液に無機酸を添加することにより行われるものである請求項2〜6のいずれかの項記載の分離方法。
  8. 無機酸が塩酸である請求項7記載の分離方法。
  9. 無機酸を添加した分散液のpHが3〜4である請求項7または8記載の分離方法。
  10. 無機酸を添加した分散液を撹拌することによって、疎水化活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合懸濁液を得るものである請求項7〜9のいずれかの項記載の分離方法。
  11. 工程(3)において、疎水化活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合懸濁液に気泡を供給するにあたって、予め該混合懸濁液に起泡剤を添加するものである請求項1〜10のいずれかの項記載の分離方法。
  12. 工程(3)において、疎水化活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合懸濁液を浮選槽に供給し、浮選槽の下方から気泡を供給することにより、疎水化活性炭粒子を凝集させ、形成された活性炭凝集粒子を浮上分離させて浮選槽の上方から回収し、親水性無機粒子を浮選槽の下方から回収する請求項1〜11のいずれかの項記載の分離方法。
  13. 浮選槽への疎水化活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合懸濁液の供給と、分離された活性炭凝集粒子及び親水性無機粒子の排出とを連続的に行うものであって、単位時間あたりに供給される気泡の体積が、供給される該混合懸濁液の体積の0.5〜2倍である請求項12記載の分離方法。
  14. 疎水化活性炭粒子及び親水性無機粒子の混合懸濁液の供給部、気泡の供給部、活性炭凝集粒子の排出部並びに親水性無機粒子の排出部を備えた浮選槽を有する浮選機を用い、該気泡の供給部が該混合懸濁液の供給部の下方に位置し、該活性炭凝集粒子の排出部が該混合懸濁液の供給部の上方に位置し、かつ、該親水性無機粒子の排出部が該混合懸濁液の供給部の下方に位置するものである請求項12または13記載の分離方法。
  15. 活性炭粒子の粒子径分布が1〜500μmの範囲にある請求項1〜14のいずれかの項記載の分離方法。
  16. 活性炭粒子が貴金属担持触媒の担体である請求項1〜15のいずれかの項記載の分離方法。
  17. 親水性無機粒子の粒子径分布が1〜500μmの範囲にある請求項1〜16のいずれかの項記載の分離方法。
  18. 親水性無機粒子が珪藻土である請求項1〜17のいずれかの項記載の分離方法。

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