ステント弁の圧縮率を実質的に妨げることなく弁周囲漏れを緩和するための手法を提供することが、望ましいであろう。
発明の概要
この発明の局面は、請求項において定義されている。
これに加え、またはこれに代えて、この発明の一局面は、経カテーテル送達用のステント弁を提供し、ステント弁は、複数の弁小葉を支持するステントを含む。
さまざまな実施形態は、弁周囲漏れを緩和するためのシール(ここに全体を通して、シール、または弁周囲シール、または弁周囲漏れシールとも呼ばれ得る)を提示する。シールは、可撓性材料および/または柔軟性材料からできていてもよい。たとえば、可撓性材料および/または柔軟性材料は、天然組織(たとえば、ブタ心膜またはウシ心膜などの心膜)、および/または合成材料(たとえば、シリコーン、PETまたはPEEK、それらのいずれもフィルム形状、織布形状、または不織布/メッシュ形状であってもよい)を含
んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、弁周囲シールは、(たとえば、天然弁の天然輪のレベルより上の)略上部環状(supra-annular)シール、および/または(たとえば、天然弁の天然
輪のレベルの)略環状シール、および/または(たとえば、天然弁の天然輪のレベルより下の)略下部環状(infra-annular)シールであるように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、シールは、少なくとも1つのシール支持体によって担持される。これに加え、またはこれに代えて、(たとえば、留置可能な)シール支持体が、シールを留置するために設けられる。
いずれの場合も、いくつかの実施形態では、シール支持体は、ステントが圧縮される場合、ステントに対して、またはステントの少なくともさらに別の一部に対して、シールが比較的流線型にされ、または圧縮される詰込み(stowed)状態へと折込み可能である(たとえば詰込み状態では、シール支持体は、ステントの本体部分などの部分とほぼ同一平面上にあってもよく、または、ステントまたはステント部分に対して圧縮されて配置されてもよい)。シール支持体は、たとえば前述されたステントまたはステントの少なくともさらに別の一部に対して、支持体がシールを留置された状態に保持し、または付勢する留置状態へと留置可能であってもよい。シール支持体は、詰込み状態から留置状態へと自己留置してもよい。たとえば、シール支持体は、送達のためにステントを圧縮状態でシースで被覆することにより、詰込み状態で拘束可能であってもよい。拘束シースの効果が解除されると、シール支持体は、詰込み状態から自己留置してもよい。シール支持体は、形状記憶材料、たとえば形状記憶合金、たとえばニチノールでできていてもよい。
シール支持体のさまざまな形状および構造が想定される。いくつかの実施形態では、シール支持体は、ステントと一体となっていてもよい(たとえば、ステントの一部として一体形成されてもよい)。他の形状では、シール支持体は、ステントとは別個であってもよい。そのようなシール支持体はオプションで、ステントに結合されるか、またはステント上に係留されてもよい。
シール支持体は、シール材料を貫通することなく、シールの材料に当たるように構成されてもよい。たとえば、シール支持体は、接触力を分散させる形状を有していてもよい。シール支持体の機能は、シール支持体がシール材料を、または封止が望まれる組織表面内を貫通することなく、シールを外向きに促すことであってもよい。
いくつかの実施形態では、シール支持体は、シールをたとえば留置状態へと付勢する付勢要素を含む。シール支持体(たとえば、付勢要素)は、たとえば、片持ち梁要素(または複数の片持ち梁要素)を含んでいてもよい。各片持ち梁要素は、単一の支柱、または複数の支柱(たとえば、片持ち梁要素の尖部(apex)または先端(tip)でともに結合され
た第1および第2の支柱)を含んでいてもよい。片持ち梁要素は、不揃いの内腔または組織表面に対して高度の局所的封止順応を提供するために、互いに独立して屈曲可能であってもよい。いくつかの実施形態では、各片持ち梁要素は、ステントの格子構造のそれぞれの開口に関連付けられている。片持ち梁要素は、たとえば、ステント本体と結合された(または一体となった)一端と、自由に外向きに留置できる反対端または遠方端とを有していてもよい。遠方端は、シール材料を貫通するおそれがある鋭い端を有さないようにするために、丸みを帯びた、または拡大された、またはパッド状の先端を有していてもよい。片持ち梁要素は互いにほぼ同じ方向に延在していてもよく(たとえば、遠方端はステント弁の(流出端などの)一端に向けられている)、または、片持ち梁要素は反対の2方向に配置されてもよく(たとえば、少なくとも1つは流出端に向かって指し、少なくとも別のものは流入端に向かって指している)、または、片持ち梁要素はさまざまな異なる方向に
配置されてもよい。
いくつかの実施形態では、シール支持体は、リング形状、または管状形状、または環状の部材を含む。部材は、環状コイル形状を有していてもよい。
いくつかの実施形態では、シール支持体は、概して細長いかまたは螺旋状の形状で詰込み可能であり、かつ径方向に拡張されたループ形状へと留置する部材を含む。
いくつかの実施形態では、シール支持体は、詰込み状態から留置状態へと裏返るステントの一部を含む。ステントが裏返ることは、圧縮された(裏返っていない)場合にステントの直径を著しく増加させることなく、留置時の径方向拡張を提供できる。たとえば、ステントの流入端または部分が、流出端に向かって裏返ってもよい。
いくつかの実施形態では、ステントは、封止スカート(または網)を担持する。シール支持体は、スカート(またはその一部)を、ステントの本体から離れて膨張するように径方向外向きに付勢してもよい。
シール支持体を提供する上述の局面に加え、またはそれに代えて、ステント弁のシールは、ステント弁の流入端および流出端に対して、シールを通り過ぎる血流の方向に反応するように構成されてもよい。シールは、(流出から流入への)逆方向の血流がシールを留置状態へと付勢して、そのような流れを妨げるように構成されてもよい。
たとえば、シールは、1つ以上のポケットを規定する少なくとも1つの網を含んでいてもよい。1つ以上のポケットは、逆方向の血流に反応して血液で満たされて、ポケットが外向きに膨張するように構成されてもよい。ポケットの膨張は、ステント弁と周囲の解剖学的構造との間の隙間を満たして、ポケットを通り過ぎる血液の逆流を妨げることができる。
いくつかの実施形態では、ポケットは、ステントの格子構造のそれぞれの開口で規定され、または担持されてもよい。ポケットは、ステントの外部上で担持された外側スカートによって、少なくとも部分的に規定されてもよい。これに加え、またはこれに代えて、ポケットは、ステントの内部上で担持された内側スカートによって、少なくとも部分的に規定されてもよい。
上述の局面に加え、またはそれらに代えて、シールはスカートを含んでいてもよく、少なくともその一部は、ステントに対して係留され、少なくともそのさらに別の一部は、ステントに対して自由に留置するかまたは浮くことができる。
いくつかの実施形態では、さらに別の一部は、ステントの本体が完全に留置される前に、周囲の組織または内腔壁と接触してもよい。留置手順の一環として、ステントは、天然小葉に当たって載置するように、第1の軸方向に変位または付勢されてもよい。変位作用中、組織に対するスカートの摩擦接触により、スカートのさらに別の一部は、軸方向に束になったり(bunch)しわが寄ったりする場合がある。そのように束になることまたはし
わが寄ることは、ステントと周囲の組織との間の空隙または隙間を満たす追加の材料を提供し得る。
これに加え、またはこれに代えて、いくつかの実施形態では、スカートのさらに別の一部は、スカート(たとえば、スカートのさらに別の一部)に作用する血液の圧力に、または弁周囲血流の方向に反応してもよい。さらに別の一部は、たとえば、周囲の組織内腔壁と接触するために外向きに留置してもよい。さらに別の一部は、逆方向の血流または血液
の圧力に反応および/または応答して、フラップ、もしくは略チャネルまたは環状ポケット形状を形成してもよい。フラップ/チャネル/ポケット形状は、スカートの外側部分を、周囲の組織または内腔表面に当たって載置するように付勢してもよい。
上述の局面に加え、またはそれらに代えて、ステント弁のシールは、滑らかでない表面を提示するように型押しされてもよい。たとえば、型押しは、1つ以上の縫合糸によって規定されてもよい。1つ以上の縫合糸は、ジグザグパターンを規定してもよい。縫合糸は、それを通り過ぎる血流を妨げるように、ほぼ連続した型押しを規定してもよい。
上述の局面に加え、またはそれらに代えて、ステント弁のシールは概して、ステントの直径と比べて大型であってもよい。シールは、ステントへの接続部(たとえば縫合)によって束にされ、またはひだが寄せられてもよく、それは、接続部間で束になることまたはひだを寄せることを引き起こす。束になること/ひだを寄せることは、ステント弁と周囲の組織または内腔表面との間の空隙または隙間を満たすことができる追加の柔軟なかさのシール材料を生成し得る。接続部の位置は、通り過ぎる血液の漏れを妨げるパターンの方向において、束になることまたはひだを寄せることを規定してもよい。
上述の局面に加え、またはそれらに代えて、ステント弁のシールは、シールの物理的特性によって自己拡張または自己充填するように構成されてもよい。
たとえば、いくつかの実施形態では、シールは、膨潤性材料、発泡体、スポンジまたは繊維状材料から作られ、またはそれを含んでいてもよい。そのような材料は、ステントが留置すると、弾力的に自己拡張し得る。これに加え、またはこれに代えて、そのような材料は、材料を物理的に拡張させ、またはかさを増やすために、その孔または間隙内に血液(および/または血液成分)を吸収してもよい。
いくつかの実施形態では、シールは、詰込み状態では、ほぼ平坦および/または管状であってもよく、および/または、留置状態では、環状ビードまたはドーナツへと丸まり、またはカールしてもよい。シールは、留置状態へと自己付勢され得るが、送達装置内への装填のためのステントの圧縮中は、詰込み状態へと弾力的に変形可能であってもよい。送達装置のシースの拘束効果を解除すると、シールは、ステントの周りに径方向に拡大された封止を提供するために、留置状態を再度採用するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、ステントの少なくとも一部は格子構造を含み、ステント弁はさらに、格子の開口から、または開口を通して留置可能である1つ以上のシールを含む。1つの形状では、シールは、格子のそれぞれの開口に関連付られけたポケットを規定する、材料の網部分を含む。網部分は、それぞれの開口から外向きに膨張するように構成されてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、網部分は、それぞれのポケットが血液で満たされて格子の開口から外向きに膨張するように、一方側で、または一方側に開いたポケットを規定する。これに加え、またはこれに代えて、ステントの格子構造は、材料の網部分(たとえばポケット)を格子構造から径方向外向きに付勢するための付勢要素を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、ステントは、封止スカート(または網)を担持する。ステントは、スカート(またはその一部)をステントの本体から離れて膨張するように径方向外向きに付勢するための付勢要素を含んでいてもよい。封止スカートはオプションで、ステントの外部上で担持されてもよい。内側スカート(または網)がオプションで、ステントの内部上で担持されても(およびオプションで、小葉に直接結合されても)よい。スカートの少なくとも1つは、布(たとえばPET)でできていてもよい。これに加え、またはこれに代えて、スカートのうちの少なくとも1つは、生体組織、たとえば心膜でできてい
てもよい。
いくつかの実施形態では、ステントとは別個の付勢要素が、シールを外向きに付勢してもよい。たとえば、付勢要素は、環状シール内のリング要素(たとえば、閉じたリング、または分割されたリング)であってもよい。付勢要素は、ステントを用いて、径方向に圧縮された状態へと圧縮可能であってもよい。ステントが留置されると、付勢要素は、径方向に拡張された状態に向かって拡張(たとえば、自己拡張)してもよい。付勢要素は、形状記憶材料、たとえばニチノールでできていてもよい。
この発明の局面の或る特徴、着想、および利点は、上に識別され、および/または添付された請求項で識別されるが、これらはこの発明を限定しない。ここに説明され、および/または図面に示されたいかなる新規の着想または特徴についても、それが強調されているか否かにかかわらず、保護が請求される。
図面の簡単な説明
この発明の非限定的な実施形態を、添付図面に示す。
この発明の実施形態の詳細な説明
図1(および図18)を参照して、経カテーテル移植用のステント弁10を示す。ステント弁10は、たとえば大動脈ステント弁、僧帽弁ステント弁、肺動脈ステント弁または三尖弁ステント弁といった、人間の心臓におけるそれぞれの弁の位置での移植用の心臓ステント弁であり得る。
ステント弁10は、生体組織(たとえば、心膜(ブタ心膜および/またはウシ心膜など))、および/または天然心臓弁小葉(たとえば、天然心臓壁組織の一部にオプションで取付けられた天然ブタ心臓弁小葉)をオプションで含み得る。生体組織は、たとえばグルタルアルデヒドを使用して固定され得る。生体組織は、たとえば、(たとえば、アルコールでの処置、または洗剤を用いたプロセスによって)石灰化を阻止するかまたは遅くするために処置または処理された抗石灰化特性を有し得る。
ステント弁10は、送達カテーテルを用いた送達のために径方向に圧縮された状態(図示せず)へと圧縮可能であり、かつ、移植時に(図示されたような)拡張状態へと拡張可能であってもよい。ステント弁10は、弁14を規定する複数の小葉を担持するステント12を含み得る。さまざまな形状のステント12が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ステント12は、下方管状部分またはクラウン部分16、上方クラウン部分18、複数の直立交連支持体20、および複数の安定化アーチ22のうちの1つ以上を含み得る。使用時、ステント12の下方部分16は、ステント12の他の領域がまず、少なくとも部分的に留置された後で留置されるように構成され得る。たとえば、アーチ22、支持体20および上方クラウン18は(その順序で、または逆の順序で、または異なる順序で)下方部分16の前に少なくとも部分的に留置され得る。少なくとも、上方クラウン18が一旦、少なくとも部分的に留置されると、ステント12は、上方クラウン18を移植部位で天然小葉に当たって載置させるように、矢印24の方向に促され、および/または変位され得る。下方部分16を最後に留置することは、ステント12をその最終位置に固定する。
いくつかの実施形態では、少なくとも下方部分16、およびオプションで上方クラウン18の一部は、ステントの格子構造によって形成され得る。格子構造は、開口、たとえば略ダイヤモンド形状の開口を規定し得る。
いくつかの実施形態では、シールが上方クラウン18に取付けられる場合、上方クラウ
ン18は、シール支持体(たとえば、シール支持体である、またはシール支持体を含む)と見なされ得る。上方クラウンによって規定されたシール支持体は、上方クラウンのすぐ下のステントの一部または残りに対して少なくとも幾分外向きにシールを留置すると考えられ得る。
天然小葉は概して、ステントの一部26と重複し得る。天然弁輪は、ステントの一部28と重複し得る。
オプションで、ステント弁10はさらに、小葉14と通じ、ステント12の内部上で担持された内側スカート30を含んでいてもよい。これに加え、またはこれに代えて、ステント弁10はさらに、ステント12の外部上で担持された外側スカート32を含んでいてもよい。双方のスカートが設けられる場合、これらのスカートは部分的に重複していてもよい。これらのスカートは、一方のスカート(たとえば外側スカート32)が、他方のスカート(たとえば内側スカート30)よりも、ステント12の下方末端(extremity)に
向かってさらに延在するように、ずれていてもよい。これに加え、またはこれに代えて、一方のスカート(たとえば内側スカート30)は、他方のスカート(たとえば外側スカート32)よりも、ステント12の上方末端に向かってさらに延在する。これらのスカートは、任意の好適な可撓性材料および/または柔軟性材料、たとえば(PETなどの)布、(PETなどの)プラスチックフィルム、または生体組織(たとえば心膜)でできていてもよい。
オプションで、少なくとも外側スカート32は、上方クラウン18(たとえば、その少なくとも一部)が外側スカート32によって実質的に覆い隠されないままにしておくように位置付けられる。そのような構成は、(たとえば、大動脈弁用のステント弁の場合)冠動脈への良好な血流を支援し得る。
いくつかの実施形態では、下方部分16は、実質的にジグザグ形状を有して形成された末端を有する。ジグザグ形状は、下方尖部16aと上方尖部16bとを含み得る。上方尖部16bは、図1では、格子構造の一番前のセルおよび一番後ろのセルの双方の重なり合った表示によって隠され得る。ジグザグ形状は、ステント12の周囲の周りで実質的に連続していてもよい。外側スカート32は、下方部分16の末端のジグザグ形状と実質的に整合するジグザグ形状を有する周縁を有していてもよい。そのような構成は、末端での過剰の材料を回避し、それにより、ステント弁10の圧着を容易にすることができる。同時に、外側スカート32は、格子構造の開いたセルを(たとえば完全に)ステント末端までカバーして、セルの開口を通る血液漏れの危険を減少させる。外側スカート32はまた、ステントの支柱の上に材料の層を設けることができ、それにより、ステントと敏感な天然心臓組織との間の係合を緩衝する。
弁14は、生体組織、たとえば心膜(ブタ心膜またはウシ心膜など)、もしくは天然心臓弁小葉(たとえば、天然心臓壁組織の一部にオプションで取付けられた天然ブタ心臓弁小葉)を含み得る。他の生物材料または非生物材料を、要望通りに弁14に使用することも可能である。
ステント12はオプションで、移植部位への送達のためにステント12を圧縮状態で拘束するためのシースを有する送達カテーテル内への装填のための圧縮状態へと圧縮可能な、自己拡張型のものであってもよい。使用時、シースの拘束効果の解除により、ステント12は、拡張された状態へと、または(たとえば、少なくとも部分的に)拡張された状態に向かって自己拡張する。自己拡張型ステントは、たとえば形状記憶材料、たとえば形状記憶合金、たとえばニチノールでできていてもよい。これに加え、またはこれに代えて、ステント12は、送達カテーテルからの拡張力の印加により、たとえば拡張バルーンを使
用することなどにより、拡張されるように構成されてもよい。
上述のステント弁10を用いて使用され得るさまざまなシール構成の説明を以下に続ける。これらのシール構成はまた、異なるステント形状および構成を用いて使用されてもよい。詳細に説明されているか否かにかかわらず、シールの以下の説明は、前述のステントおよび/またはステント弁の特徴の任意の1つまたは複数の組合せを使用してもよい。
シールの好適な材料は、生体組織(たとえば、ブタ心膜またはウシ心膜などの心膜)を含んでいてもよい。生体組織は、たとえば、グルタルアルデヒドを使用して処理された、固定された組織であってもよい。心膜は、その非常に優れた可撓性のため有用であり、シールが、硬い石灰化の不揃いな形状に当たってその周りに嵌合するように順応することを可能にする。これに加え、またはこれに代えて、シールの好適な材料は、プラスチック(たとえば、PETまたはPEEK)を含んでいてもよい。プラスチックは、織布または不織布形状、および/またはシート形状、および/またはフィルム形状で、要望通り使用されてもよい。プラスチックは、靱性を、好適な可撓性および順応性と組合わせ得る。プラスチックは、生体適合性タイプのものであってもよい。
図2は、ステント12上に搭載された、またはステント12と一体となった複数の片持ち梁要素40の形をしたシール支持体の第1の例を示す。各片持ち梁要素40は、格子構造のそれぞれの開口42に関連付けられ得る。各片持ち梁要素40は、他の片持ち梁要素からほぼ独立して屈曲可能であってもよい。各片持ち梁要素40は、片持ち梁要素が開口42の周りのステント12の部分とほぼ同一平面上にある(または、少なくとも、それに直接的にまたは間接的に当たって位置するように圧縮された)詰込み状態と、片持ち梁要素40がステント12の本体(たとえば下方部分16)から径方向外向きに付勢されている留置状態(図2b)との間で移動可能であってもよい。シール支持体は、ステント弁10と周囲の内腔/組織との間の隙間または空隙を満たすように、シール(たとえば外側スカート32)を外向きに促す。片持ち梁要素40が独立して屈曲する能力は、高度の局所的順応を提供することができる。各片持ち梁要素40は、シール材料を貫通したりまたはシール材料に穿孔することなく、シールを径方向外向きに付勢するようにシール材料に当たることができる、丸みを帯びた、またはパッド状の、または他の非損傷形状の形をした遠方端40aを有していてもよい。図示された例では、各片持ち梁要素40は、単一の支柱を含み得る。
片持ち梁要素40は、(たとえば、遠方端40aがステント12の一端、たとえば出口端に向けられた状態で)ほぼ同じ配向で配置されてもよく、または反対の2方向に配向されるように分散されてもよく、またはさまざまな異なる方向に配向されるように分散されてもよい。
片持ち梁要素40によって促されたシールは、ほぼ連続していてもよく、または、それは、網またはポケットの形をして不連続であってもよい。ポケットは、ステント12の出口端から入口端への逆方向の弁周囲血流または血液の背圧がポケットを満たし、ポケットをさらに膨張させるように配置されてもよく、それにより封止効果を高めて、そのような弁周囲の流れを妨げる。そのようなポケットのさらなる詳細はまた、図13を参照して説明され、そのような特徴のいずれも、この例で使用されてもよい。シールはオプションで片持ち梁要素40に取付けられてもよく、またはシールは、片持ち梁要素40が外向きに押すことによってシールと相互作用するように、取付けられなくてもよい。
図3を参照して、シール支持体46は、ステント12と比べて大型の環状ワイヤまたはリングの形で示されている。環状ワイヤは、ステントが圧縮されると詰込み状態へと圧縮可能であり、拘束されなくなると留置状態へと拡張して、シール48を径方向に拡張され
た状態へと促し、周囲の組織/内腔に対して封止を形成する。
図4を参照して、シール支持体50は、シール52を担持する細長い部材の形で示されている。シール支持体は、その圧縮状態にある場合、たとえばステント12の周りの螺旋形状といった詰込み形状(図4a)へと圧縮可能である。シール支持体は、たとえば、シール支持体がシール52をステント12の周りで拡張された形で提示する、径方向に拡張された閉ループまたは半閉ループの形といった留置状態(図4b)へと拡張可能である。
図5を参照して、シール支持体54は、ステント12の下方領域16の裏返る部分の形で示されている。シール支持体54は、詰込まれ、裏返されていない構成と、留置され、裏返された構成との間で移動可能である。シース56によって拘束された圧縮形状(図5a)では、シール支持体54を含むステントの下方部分は、略管状である(裏返されていない)。シース56が徐々に軸方向に取外されるにつれて(図5b)、シール支持体54は露出される。拘束されなくなると、シール支持体54は、シールがステント本体から径方向外向きに提示および/または付勢されるその留置状態へと裏返る。ステント12または下方部分16をさらに露出させる(図5c)と、ステント12は、その拡張状態へと拡張するようになる。裏返されたシール支持体54はシールを、周囲の組織/内腔との密な封止接触へと促す。シールは、圧縮される場合にはステントの内面上で担持され、裏返される場合には外向きの方向に提示され得る。
図6は、図2および図5の双方と同様のシール支持体を示す。シール支持体58は、ステント12の下方部分16に図2のものと同様の可撓性の片持ち梁要素を含む。シール支持体58はまた、図5のシール支持体54の裏返された状態にも似ている。図6の例では、片持ち梁要素は、裏返された状態と裏返されていない状態との間で移動しない。詰込み状態では、片持ち梁要素は、ステント12の構造に対して、またはその構造内でほぼ平坦である(図2と同様)。
図7は、丸まり得るビードまたはカフ60の形をしたシールを示す。丸まり得るカフ60は自己付勢されてもよく、または、それは、カフ60を丸めがちなシール支持体フレームによって支持されてもよい。詰込み状態(図7b)では、カフは、ほぼ平坦な管状形状を規定するように伸ばされる。カフは、送達装置の拘束シース62によって詰込み状態で拘束され得る。シースから露出されると、カフ60は、カフ60がカフ形状またはビード形状を規定するように巻き上がるその留置状態(図7a)へと自由に移動できる。そのようなシールは、ステント12と周囲の組織/内腔との間のいかなる隙間も満たす、柔軟性のあるビード材料を提供する。
図8は、発泡体、またはスポンジ、または繊維状多孔質材料の形をしたシール74を示す。そのような材料は、乾燥している場合、圧縮可能である。なぜなら、圧縮されると、空気が材料の孔および/または間隙から簡単に追い出されるためである。シール74はしたがって、ステント弁10のかさを著しく増加させることなく、圧縮状態を採用し得る。一旦移植されると、血液がシール材料の孔および/または間隙に浸透してそれらを満たし得る。血液は、孔および/または間隙に捕らえられるようになり、それにより、材料を通る血流への障壁を生成する。血液はまた、シール材料の膨張を引き起こして、シールを外向きにさらに拡張し、ステント弁10の周りのいかなる隙間または空隙も満たし得る。
図9は、可撓性スカート80の形をしたシールを示す。スカート80は、たとえば、ステント16の上方クラウン18と下方部分16との接合部から、下方部分16と少なくとも部分的に重複するように垂下する。スカート80の第1の(たとえば上方)部分82は、スカート80を係留されたまま保持するようにステント12に結合されている。たとえば、第1の部分82は、ステント12に縫合されてもよい。スカート80の第2の(たと
えば垂下)部分84は、ほぼ拘束されておらず、ステント12に対して自由に浮くことができる。
図9bに示すように(および図1に関して上に説明されたように)、ステント弁10のための移植手順は、上方クラウン18を天然弁小葉に当たって載置させるように、矢印24の方向にステント弁を置換することを伴い得る。スカート80の浮いている第2の部分84と周囲の組織/内腔との間の摩擦により、第2の部分84は、軸方向に束になったりしわが寄ったりする場合があり、このため、ステント弁10と周囲の組織/内腔との間のいかなる隙間も封止することができる材料の過剰をもたらす。
図10は、可撓性スカート90の形をした代替的なシールを示す。図9のスカートとは対照的に、スカート90は、上方クラウン18からステント12の上端に向かって突出している。想像線で示されるように、ステント弁10の周りでの血液の背圧または血液の逆流を受けて、可撓性スカートは、周囲の組織/内腔に対して封止するように外向きに当たっている。可撓性スカートは、血液の背圧が周囲の組織/内腔に対する封止圧力を増加させるように、チャネル形状の区分を形成してもよい。
図11は、ひだを寄せることまたは束になることを規定するように1つ以上の位置でステント12に接続された大型の可撓性スカート100の形をした代替的なシールを示す。この接続は、縫合によるものであってもよい。ひだを寄せることまたは束になることは、ステント12と周囲の組織/内腔との間の空隙または隙間を満たすことができる追加の柔軟性材料を生成する。
図12は、カフ102を規定するために折り畳まれたスカートの形をした代替的なシールを示す。スカート材料は可撓性を有するが、折り目は、自然なふくらみを提供する、アールがついた屈曲部を生成する。このふくらみは、ステント12と周囲の組織/内腔との間の空隙または隙間を満たすために、シール材料を外向きに付勢する。
図13は、複数の可撓性ポケット110を含む代替的なシールを示す。各ポケットは、たとえば、ステントの格子構造のそれぞれの開口112、下方部分16および/または上方クラウン18に関連付けられ得る。ポケット110は、可撓性網材料によって規定されてもよい。ポケットの1つの壁は、外側スカートの一部によって規定されてもよい。ポケットの別の壁は、内側スカートの一部によって規定されてもよい。ポケットは、ステントの出口端に向かって面する一方側で開き、反対方向で閉じていてもよい。詰込み状態では、ポケットは、ステント弁のかさを増加させないように、実質的に平坦に折込まれ、または折り畳まれ得る。一旦留置されると、ポケットは、自然の弾力性の影響下で、またはポケットの口に入る血液背圧の影響下で開き得る。背圧は、ポケットを周囲の組織/内腔に対して外向きに膨張させ、それにより、ステント弁10の外部の周りの血液の漏れをさらに妨げる。
図14は、血液との接触に反応して膨潤する材料120を含む代替的なシール構成を示す。膨潤特性は、シールのかさを増加させて、シールがステント弁10と周囲の組織/内腔との間のいかなる隙間も満たすように膨張することを可能にする。例示的な膨潤性材料は、ヒドロゲル、および/または液体膨潤性ポリマー、および/またはいわゆる超吸収性材料を含む。材料は、たとえば、外側スカートによって担持され、もしくは、外側スカート内に浸込むかまたは他の態様で具現化されていてもよい。たとえば、スカートは、膨潤性材料の繊維を含む布でできてもよい。材料は、たとえば可撓性および/または膨張性の小袋またはカフといった含有チャンバ内で係留されてもよい。内側および外側スカートと膨潤性材料を含むものとの組合せは、特に効果的なシール構成を提供できる。ステント弁のための、たとえばヒドロゲルの使用のさらなる背景情報は、US2005/13768
8で見つかり得る。
図14のシールは、図18および図19の他の実施形態でも示されている。膨潤性材料は符号44によって示されており、含有チャンバ42とともに、外側スカート32によって担持される、または外側スカート32内に含まれる弁周囲シール40を規定する。
図15は、ステント弁10の周囲の周りで封止するために、シール剤122が送達カテーテル124から(または、移植後に挿入されたさらに別の送達カテーテルから)供給される、代替的なシール構成を示す。たとえば、シール剤はステント弁の流出側に供給されて、上方クラウンと天然小葉との間のいかなる隙間も封止する。
図16は、血液との接触に反応して止血効果および/または凝固剤効果を提供する材料124を含む代替的なシール構成を示す。材料124は、たとえば、外側スカートによって担持され、もしくは、外側スカート内に浸込むかまたは他の態様で具現化されてもよい。材料は、たとえば可撓性および/または膨張性の小袋またはカフといった含有チャンバ内で係留されていてもよい。内側および外側スカートとそのような材料を含むものとの組合せは、特に効果的なシール構成を提供できる。
図17は、カルシウムを局所的に溶出する材料126を含む代替的なシール構成を示す。カルシウムは、いかなる隙間も閉塞され得るように、周囲の組織/内腔に対して直接的にまたは間接的に堆積し得る。材料126は、たとえば、外側スカートによって担持され、もしくは、外側スカート内に浸込むかまたは他の態様で具現化されていてもよい。材料は、たとえば可撓性および/または膨張性の小袋またはカフといった含有チャンバ内で係留されてもよい。内側および外側スカートとそのような材料を含むものとの組合せは、特に効果的なシール構成を提供できる。
図20〜23は、可撓性スカート150の形をした代替的なシールを示す。スカート150は、前述の外側スカート32であってもよい。スカート150は、少なくとも、ステント弁10の出口端156に最も近いスカート150の端154から隔てられた1つ以上の取付け位置152で、ステント12および/または内側スカート30に取付けられてもよい。1つ以上の取付け位置152は、ステント12に対して係留された第1のスカート部分160と、ステント12に対して自由に留置し、または浮くことができる第2のまたはさらに別のスカート部分162とを規定するためのものなどであってもよい。1つ以上の取付け位置152は、たとえば、ステント弁10の入口端164に、および/または、上方クラウン18の末端と下方部分16の末端との間の中間位置に対応する。少なくとも1つの取付け位置152は、内側スカート30と少なくとも部分的に重複していてもよい。オプションで、少なくとも1つの取付け位置152は、(たとえば、外側)シールスカート150と内側スカート30との間に直接取付けを形成する。そのような取付けは、スカート30および150間の血液の漏れを妨げることができる。
図18に関してすでに説明されたように、オプションで、下方部分16は、実質的にジグザグ形状を有して形成された末端を有する。ジグザグ形状は、下方尖部16aと上方尖部16bとを含み得る。上方尖部16bは、図20では、格子構造の一番前のセルおよび一番後ろのセルの双方の重なり合った表示によって隠され得る。ジグザグ形状は、ステント12の周囲の周りで実質的に連続していてもよい。(たとえば、外側)シールスカート150は、下方部分16の末端のジグザグ形状と実質的に整合するジグザグ形状を有する周縁を有していてもよい。そのような構成は、末端での過剰の材料を回避し、それにより、ステント弁10の圧着を容易にすることができる。同時に、(たとえば、外側)シールスカート150は、格子構造の開いたセルを(たとえば完全に)ステント末端までカバーして、セルの開口を通る血液漏れの危険を減少させる。(たとえば、外側)シールスカー
ト150はまた、ステントの支柱の上に材料の層を設けることができ、それにより、ステントと敏感な天然心臓組織との間の係合を緩衝する。
スカート150の第2の部分162は、血液の背圧または逆流を受けて外向きに膨張することができるポケットまたはフラップを規定していてもよい。フラップまたはポケットは、少なくとも約180度、オプションで少なくとも約270度、オプションで約360度(たとえば、周囲の外周全体に対応)の角度にわたって、連続して延在していてもよい。フラップまたはポケットは、略環状および/またはチャネル形状であってもよい。
使用時、ステント弁がその移植された位置にある場合、スカートの第2の部分162は、たとえば、弁14が閉じた場合にステント弁10に作用する血液の背圧、またはステント弁10の周りで逆流する血液の弁周囲漏れを受けて、周囲の組織に対して膨張し得る。第2のスカート部分162の膨張はポケットを規定し、ポケット内の血液の背圧が周囲の組織に対する封止を達成するようになっている。いくつかの局面では、第2のスカート部分162は、図10のスカート90と同様に機能し得るものの、図10よりも、ステントの入口端により接近して位置付けられ得る。
スカート150は、出口に最も近い端154が軸方向に所望の位置で位置付けられるように寸法決めされ得る。たとえば、図20では、端154は実質的に、上方クラウン18の末端と下方部分16の末端との間のステント12の胴部に位置付けられ得る。図21では、端154は、上方クラウン18までの途中(たとえば、胴部と上方クラウン18の末端との中間)に位置付けられ得る。図22では、端154は、上方クラウン18の末端と実質的に位置合わせされて位置付けられ得る。図23では、端154は、上方クラウン18の末端を超えて(たとえば、ステント弁10の出口端に向かって上方クラウン18を少なくとも部分的に超えて延在して)位置付けられ得る。
少なくとも図21〜23の例では、上方クラウン18はシール支持体として作用し得る。上方クラウン18が留置されると、上方クラウン18は、たとえば上方クラウン18と下方部分16との間の胴部に対して、第2のスカート部分162を少なくとも部分的に外向きに付勢し得る。そのような付勢は、第2のスカート部分162を、(i)周囲の組織と係合するように、および/または(ii)ステント弁10の外部の周りの血液背圧および/または血液逆流に反応した、フラップまたはポケットを規定する膨張した形状へと促し得る。上方クラウン18(およびシール支持体)は、片持ち梁要素を含んでいてもよい。片持ち梁要素は、互いに独立して可撓性を有していてもよい。各片持ち梁要素は、U字形またはV字形を有していてもよい。各片持ち梁要素は、片持ち梁要素の尖部で接する1対の支柱を含んでいてもよい。
すべての例において、端154は実質的にまっすぐな縁を有していてもよく、もしくは、それは、まっすぐでない縁、たとえば波状の形状、または城砦状の形状、またはぎざぎざのある形状を有していてもよい。まっすぐでない縁における変形例はオプションで、上方クラウン18の尖部と整列してもよい。まっすぐでない縁を提供することは、いくつかの実施形態では、送達装置の上または中への装填のために圧縮されるスカート150の材料のかさを減少させることを可能にし、それは、圧縮されるステント材料および/または小葉材料および/またはスカート材料が「混み合っている」ステント弁10の領域と、スカート150とが重複する場合に、重要であり得る。
いくつかの実施形態では、第2のスカート部分162は、ステント12に全く取付けられなくてもよい。これに代えて、いくつかの実施形態では、1つ以上の制御取付け166が、第2のスカート部分162とステント12(たとえば、上方クラウン18)との間に形成されてもよい。制御取付け166は、(たとえば、経験不足のユーザによるステント
弁の圧縮および装填中に)第2のスカート部分162が不要に裏返ることを防止しつつ、第2のスカート部分162が実質的に自由に膨張することを可能にするように構成され得る。
図24〜26は、図20〜23のシール構成のさらなる変更を示す。図24〜26では、シールの端154は、端154の周囲縁の周りの複数の位置168で上方クラウン18に取付けられて、第2のスカート部分162の環状ポケットまたは環状チャンネル形状を規定している。使用時、第2のスカート部分162は、血液の背圧および/または逆流に反応して、膨張性カフとしてステントから外向きに膨張するかまたはふくらんでもよい。第2のスカート部分162はオプションで、血液が環状ポケットに入ることを可能にする連通ポートを規定するために、隣り合う位置170間に間隙および/または開口および/またはノッチを有していてもよい。たとえば、端154は、そのような連通ポートを規定するために、城砦状の、および/またはぎざぎざのある、および/またはホタテガイの縁のように波打った、および/または波状の縁を有していてもよい。
上方クラウン18はシール支持体として作用し得る。たとえば、取付け位置168は、第2のスカート部分162を直接支持し得る。これに加え、またはこれに代えて、上方クラウン18が留置されると、上方クラウン18は、たとえば上方クラウン18と下方部分16との間の胴部に対して、第2のスカート部分162を少なくとも部分的に外向きに付勢し得る。そのような付勢は、第2のスカート部分162を、(i)周囲の組織と係合するように、および/または(ii)ステント弁10の外部の周りの血液背圧および/または血液逆流に反応した、フラップまたはポケットを規定する膨張した形状へと促し得る。上方クラウン18(およびシール支持体)は、片持ち梁要素を含んでいてもよい。片持ち梁要素は、互いに独立して可撓性を有していてもよい。各片持ち梁要素は、U字形またはV字形を有していてもよい。各片持ち梁要素は、片持ち梁要素の尖部で接する1対の支柱を含んでいてもよい。
端154を上方クラウンに取付けることは、さもなければ自由である第2のスカート部分162に対する追加の制御を提供し得る。そのような構成は、たとえば、移植のためのステント弁10の圧縮および装填を容易にし、また、第2のスカート部分162が偶発的に裏返されるという危険を回避し得る。
スカート150の端154と上方クラウン18との取付け位置168は、要望通り選択され、および/または変更されてもよい。図25の実施形態では、取付け位置168は、上方クラウン18の末端に対応し得る。図24では、取付け位置168は、上方クラウン18までの途中の中間位置(たとえば、上方クラウン18と下方部分16との間の胴部と、上方クラウン18の末端との中間)に対応し得る。
図26は、送達装置(たとえば、送達カテーテル(図示せず))の中または上にステント弁を装填するための装填装置(たとえば、圧着器または圧縮漏斗)を使用してステント弁10が圧縮される場合に、上方クラウン18および図25のスカート150がどのように詰込み構成へと圧縮されるかを示す。上方クラウン18および第2のスカート部分162は、ステント12の残りと実質的に平坦に位置していてもよい。留置されると、上方クラウン18および第2のスカート部分162は、(図25に示す形状へと)径方向外向きに留置され得る。
スカート150は、あらゆる所望のプロファイル形状を有していてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、スカート150は略円筒形状を有していてもよい。円筒形状の直径は、下方部分16の最大直径、および/またはスカート150の端154が達する点でのステント12(たとえば、上方クラウン18)の直径、および/または上方クラウン
18の最大直径、および/または上方クラウンよりも大きい寸法に対応していてもよい。上方クラウン18と下方部分16との間に規定された胴部、および/または、置換される天然弁のサイズに対するステント12の大型化(典型的には、約1mm、2mmまたは3mmの直径大型化)は、封止効果のために外向きに膨張するかまたはふくらむことができるスカート材料の過剰を提供し得る。これに加え、またはこれに代えて、スカート150は、同様に封止効果のために外向きに膨張するかまたはふくらむことができる過剰材料を提供するために、非円筒形状、たとえば球根形状または漏斗形状に整形されてもよい。
すでに説明されたように、前述のいずれかの実施形態のシールおよび/またはスカートは、任意の好適な材料で作られてもよい。好適な材料は、生体組織(たとえば、心膜(たとえば、ブタ心膜またはウシ心膜))を含んでいてもよい。これに加え、またはこれに代えて、好適な材料は、プラスチック(たとえば、PETまたはPEEK)を含んでいてもよい。プラスチックは、織布または不織布形状、および/またはシート形状、および/またはフィルム形状で使用されてもよい。
シール構成を代替例として説明してきたが、相乗効果のためにシール構成のうちの任意の2つ以上を組合わせてもよい、ということが想定される。前述の説明はこの発明の例示的な形の単なる例示であること、および、多くの変更および代替例がこの発明の範囲内で使用され得ることも理解されるであろう。
本願に提示された、特許、特許出願、論文、ウェブページ、本などを含むもののそれらに限定されない出版物または他の文献へのありとあらゆる言及は、それら全体がここに引用により援用される。
装置、システムおよび方法の例示的な実施形態を、ここに説明してきた。別の箇所で述べられたように、これらの実施形態は、例示的な目的のためにのみ説明されてきたものであり、限定的ではない。他の実施形態が可能であり、この開示によってカバーされており、それは、ここに含まれる教示から明らかであろう。このため、この開示の幅および範囲は、上述の実施形態のいずれによっても限定されるべきでなく、提示された開示によって裏付けられた請求項およびそれらの均等物のみに従って規定されるべきである。さらに、この開示の実施形態は、ステント弁および/またはステント弁用のシールに対応するありとあらゆる要素を含む任意の他の開示された方法、システムおよび装置からのありとあらゆる要素をさらに含み得る、方法、システムおよび装置を含んでいてもよい。言い換えれば、1つのまたは別の開示された実施形態からの要素は、他の開示された実施形態からの要素と交換可能であってもよい。加えて、開示された実施形態の1つ以上の特徴は取除かれてもよく、それでもなお、特許可能な主題をもたらしてもよい(これは、この開示のさらにより多くの実施形態をもたらす)。