JP2018093901A - 光音響センサおよび血流診断システム - Google Patents

光音響センサおよび血流診断システム Download PDF

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Kazunori Itani
和徳 射谷
松村 剛
Takeshi Matsumura
剛 松村
東 隆
Takashi Azuma
隆 東
弘美 真田
Hiromi Sanada
弘美 真田
幸一 藪中
Koichi Yabunaka
幸一 藪中
豪二朗 仲上
Gojiro Nakagami
豪二朗 仲上
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Abstract

【課題】被検者の皮膚に貼り付けて使用される光音響センサを提供する。【解決手段】光音響センサ10は、被検者の被検部位へ照射する光を発生する発光器20と、光の照射により被検部位で発生した音波を受信する受信器30と、を備えたシート状のセンサ本体を有している。発光器20は、例えば赤外光または近赤外光などの光を照射する1つ以上の発光素子で構成される。受信器30は、例えば超音波などの音波を受信する1つ以上の受信素子で構成される。光音響センサ10は、被検者の皮膚に貼り付けて使用され、例えば被検者の褥瘡(じょくそう)の監視に利用される。【選択図】図1

Description

本発明は、光音響センサおよび血流診断システムに関し、特に光音響効果を利用する光音響センサとその光音響センサを備えた血流診断システムに関する。
光音響効果は、例えば、光を吸収した分子が熱を放出し、その熱による体積膨張で音波が発生する現象である。例えば、特許文献1には、光音響効果を利用して得られる信号に基づいて人体の皮膚の状態を診断する光音響診断装置が記載されている。特許文献1の光音響診断装置は熱傷などの診断を主目的としているが、特許文献1には褥瘡への利用が示唆されている。
褥瘡(じょくそう)とは、例えば、皮膚からの圧迫により皮下近傍組織内における血流が遮断され、酸素と栄養の補給が途絶えることにより、その皮下近傍組織内の細胞が死滅してしまう症状である。褥瘡は、床ずれの症状として広く知られており、例えば、寝たきりの被検者の腰や仙骨部、肩甲骨部、かかと、ひじ、後頭部などに生じやすい。
褥瘡の初期症状としては皮膚に赤みが出る程度であるものの、半日程度で深刻な症状にまで進行してしまう場合もある。したがって、例えば、寝たきりの被検者の褥瘡を予防するにあたっては、褥瘡の初期症状等を早期に発見できることが望ましい。
国際公開第2013/183401号公報
例えば、被検部位における褥瘡の初期症状等を早期に発見するために、本願の発明者らは、被検者の被検部位における血流の状態に注目した。そして、例えば、被検部位における血流の状態を診断するためのセンサとして、光音響効果を利用する光音響センサに注目した。
本発明の目的は、被検者の皮膚に貼り付けて使用される光音響センサを提供することにある。また、本発明の他の目的は、被検者の皮膚に貼り付けて使用される光音響センサを備えた血流診断システムを提供することにある。
上記目的にかなう好適な光音響センサは、被検者の被検部位へ照射する光を発生する発光器と、光の照射により前記被検部位で発生した音波を受信する受信器と、を備えたシート状のセンサ本体を有し、前記被検者の皮膚に貼り付けて使用されることを特徴とする。
上記構成の光音響センサは光音響効果を利用する。光音響効果とは、光(光エネルギー)を吸収した分子が熱を放出し、その熱による体積膨張で音波(音響波)が発生する現象である。例えば、生体透過性の高い赤外光または近赤外光を利用して、生体内に発生する超音波が検出される。
また、上記構成において、被検者の被検部位の好適な具体例は被検者の皮下近傍組織であり、例えば、寝たきりの被検者の褥瘡の早期発見と予防を目的とする場合には、その被検者の腰や仙骨部、肩甲骨部、かかと、ひじ、後頭部などの皮下近傍組織が被検部位とされる。発光器は、例えば赤外光または近赤外光などの光を照射する1つ以上の発光素子で構成される。受信器は、例えば超音波などの音波を受信する1つ以上の受信素子で構成される。
上記構成の光音響センサは被検者の皮膚に貼り付けて使用される。そのため、発光器と受信器を備えたセンサ本体はシート状に形成される。シート状のセンサ本体は、柔軟性を有しており薄いことが望ましい。また、シート状のセンサ本体は、伸縮性を備えていることがさらに望ましい。センサ本体がシート状に形成されることにより、被検者の皮膚への負担や違和感が軽減される。これにより、例えば、寝たきりの被検者の褥瘡の早期発見と予防を目的とする比較的長時間に亘る光音響センサの利用が可能になる。また、光音響センサを被検者の皮膚に貼り付けて使用することができるため、例えば運動する被検者の血流計測等への光音響センサの応用も期待される。
望ましい具体例において、前記発光器は、2次元的に配列された複数の発光素子を備えることを特徴とする。この構成により2次元的なセンシングが可能になる。例えば、各発光素子ごとにその発光素子の近傍において局所的な箇所に光が照射され、その照射により局所的な箇所に発生した音波が受信器によって受信される。これにより、2次元的な複数の箇所において各箇所ごとに光に伴う音波を検出することが可能になる。
望ましい具体例において、前記受信器は、2次元的に配列された複数の受信素子を備えることを特徴とする。この構成により2次元的なセンシングが可能になる。例えば、発光器から被検部位に光が照射されることにより被検部位で音波が発生し、各受信素子ごとにその受信素子の近傍の局所的な箇所における音波が受信される。これにより、2次元的な複数の箇所において各箇所ごとに光に伴う音波を検出することが可能になる。
望ましい具体例において、前記発光器を構成する少なくとも1つの発光素子と前記受信器を構成する少なくとも1つの受信素子の組み合わせにより各光音響素子が構成され、前記センサ本体は、2次元的に配列された複数の光音響素子を有することを特徴とする。
望ましい具体例において、前記光音響センサは、前記センサ本体の前記被検者側に設けられ、光と音波の透過性を備えた接着層をさらに有することを特徴とする。
また、上記目的にかなう好適な血流診断システムは、光音響センサと装置本体を有する血流診断システムであって、前記光音響センサは、被検者の被検部位へ照射する光を発生する発光器と、光の照射により前記被検部位で発生した音波を受信する受信器と、を備えたシート状のセンサ本体を有し、前記被検者の皮膚に貼り付けて使用され、前記装置本体は、前記光音響センサから得られる音波の受信信号に基づいて前記被検部位内の血流量情報を得ることを特徴とする。
望ましい具体例において、前記発光器を構成する少なくとも1つの発光素子と前記受信器を構成する少なくとも1つの受信素子の組み合わせにより各光音響素子が構成され、前記光音響センサは、2次元的に配列された複数の光音響素子を有し、前記装置本体は、前記複数の光音響素子から2次元的に得られる音波の受信信号に基づいて、前記被検部位内における血流量情報の2次元分布を形成することを特徴とする。
望ましい具体例において、前記血流診断システムは、前記光音響センサと共に前記被検者の皮膚に貼り付けて使用され、前記被検部位へ与える震動を発生する震動器をさらに有し、前記装置本体は、前記被検部位内の血流量情報が血流低下条件を満たす場合に、前記震動器を制御して震動を発生させることを特徴とする。
本発明により、被検者の皮膚に貼り付けて使用される光音響センサが提供される。例えば本発明の好適な態様によれば、光音響センサのセンサ本体がシート状に形成されることにより、被検者の皮膚への負担や違和感が軽減される。また、本発明の他の好適な態様によれば、被検者の皮膚に貼り付けて使用される光音響センサを備えた血流診断システムが提供される。
本発明の実施において好適な光音響センサの具体例を示す図である。 受信器の好適な構成例を示す図である。 発光器の好適な具体例を示す図である。 光音響素子の具体例を示す図である。 2次元センサアレイの具体例を示す図である。 密着カプラによる貼り付けの具体例を示す図である。 血流状態を診断する血流診断システムの具体例を示す図である。 血流診断システムの好適な使用例を説明するための図である。 被検部位へ与える震動を発生する震動器の好適な具体例を示す図である。
図1は、本発明の実施において好適な光音響センサの具体例を示す図である。図1には円形のシート状のセンサ本体を有する光音響センサ10が図示されている。図1(A)は光音響センサ10のセンサ本体の上面図、図1(B)は光音響センサ10のセンサ本体の側面図である。
図1の光音響センサ10は、被検者の被検部位へ照射する光を発生する発光器20と、光の照射により被検部位で発生した音波を受信する受信器30と、を備えたセンサ本体を有している。センサ本体はシート状に形成される。シート状のセンサ本体は、柔軟性を有しており薄いことが望ましい。また、シート状のセンサ本体は、伸縮性を備えていることがさらに望ましい。
図1の具体例において、受信器30は、その全容が円盤状であり、直径Dは例えば20mm程度であり、厚さTは例えば1mm程度である。そして、円盤状の受信器30の中心部に発光器20が埋め込まれている。
図2は、受信器30(図1)の好適な構成例を示す図である。図2には、受信器30を構成する受信素子の好適な具体例であるPVDFメンブレン型の受信素子の側面図が示されている。図2の受信器30は、振動層とバッキング層を備えた受信素子で構成され、被検者の被検部位からの超音波を受波する。
振動層は、誘電材を2枚の電極で挟んだ構成であり、誘電材としては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)が好適である。振動層は、受信する超音波の周波数に対応した波長λの1/4であるλ/4に相当する厚さが望ましい。例えば、100〜200μm(マイクロメートル)程度の厚さであるシート状の誘電材の上下面に、厚さ6μm程度の電極を蒸着することにより振動層が形成される。
そして、超音波の多重を低減するために、例えば厚さが600μm程度のバッキング層を振動層に重ねることにより、例えば厚さが1mm(ミリメートル)程度のシート状の受信素子が形成される。
図3は、発光器20(図1)の好適な具体例を示す図である。図3には、発光素子としてLED(発光ダイオード)を利用した発光器20の側面から見た内部構造が図示されている。
LEDは、被検者の被検部位へ照射する光を発生する発光素子であり、例えば、生体透過性の高い赤外光または近赤外光を発生する。LEDは基板に取り付けられる。その基板には、LEDのアノード電極に電気的に接続されるアノード信号ラインALと、LEDのカソード電極に電気的に接続されるカソード信号ラインKLが設けられる。
さらに、LEDが発生する光をできるだけ被検者の皮膚(図の下側)に垂直に照射するために、リフレクターが設けられている。リフレクターは、例えば、LEDが設けられた基板側(図の上側)から被検者の皮膚側(図の下側)に向かってテーパ状(円錐状)に広がる形状が望ましい。なお、リフレクター内には、光の透過性を有する樹脂などが封入されてもよい。
図3に示す発光器20のトータル(基板+LED+リフレクター)の厚さは、例えば、図2の受信素子(受信器30)と同程度(例えば1mm程度)とされる。そして、例えば図2に示す円盤状の受信素子(受信器30)の中心に、図3の発光器20が埋め込まれることにより、図1の光音響センサ10を形成することができる。なお、光音響センサ10の形状は円盤状(円形)に限らず、その他の形状(例えば矩形など)でシート状に形成されてもよい。
図1から図3には、1つの受信素子(図2のPVDFメンブレン型の受信素子)と1つの発光素子(図3のLED)で構成される光音響センサ10の具体例を示したが、複数の発光素子と複数の受信素子により構成される2次元センサアレイを備えた光音響センサ10が実現されてもよい。2次元センサアレイは、複数の光音響素子によって構成され、各光音響素子は、例えば1つの受信素子と1つの発光素子で構成される。
図4は、光音響素子の具体例を示す図である。図4には、1つの光音響素子52が図示されている。図4(A)は光音響素子52の上面図、図4(B)は光音響素子52の側面図である。
図4に示す具体例において、光音響素子52は、1つの受信素子と1つの発光素子で構成される。つまり、矩形状の受信素子の中心部に発光素子が埋め込まれて構成される。受信素子は、例えば、X方向とY方向の長さがそれぞれ4.5mm程度であり、PVDFメンブレン型(図2参照)であることが望ましい。受信素子の上下面には電極が設けられている(図2参照)。そして、受信素子の上面側には上面電極端子UTが設けられ、下面側には下面電極端子DTが設けられる。
発光素子は、例えば生体透過性の高い赤外光または近赤外光を発生するLEDである(図3参照)。図4には、LEDのアノード電極端子ATとカソード電極端子KTが図示されている。アノード電極端子ATとカソード電極端子KTは、例えば、受信素子の上面側に設けられる。
例えば、図4に示す構成の光音響素子52の複数個を2次元的に配列することにより2次元センサアレイが形成される。
図5は、2次元センサアレイの具体例を示す図である。図5に示す具体例において、2次元センサアレイは、X方向に5個とY方向に5個の合計25個(N1〜N25)の光音響素子52で構成されるセンサ本体を有している。例えば図4に示す光音響素子52により図5の2次元センサアレイが形成される。
図5に示す具体例において、各光音響素子52は、X方向とY方向の長さがそれぞれ5mm程度であり、矩形状の各受信素子の中心部に各発光素子が埋め込まれて構成される。各受信素子は、例えば、X方向とY方向の長さがそれぞれ4.5mm程度であり、PVDFメンブレン型(図2参照)であることが望ましい。
各発光素子は、例えば、生体透過性の高い赤外光または近赤外光を発生するLEDであり、そのLEDは基板に取り付けられる(図3参照)。その基板には、LEDのアノード電極端子(図4の符号AT)に電気的に接続されるアノード信号ラインALと、LEDのカソード電極端子(図4の符号KT)に電気的に接続されるカソード信号ラインKLが設けられる。さらに、LEDが発生する光をできるだけ被検者の皮膚に垂直に照射するためにリフレクターが設けられてもよい(図3参照)。
図5に示される面は、被検者の皮膚に貼り付ける面の反対側の面、つまり非生体側の面である。2次元センサアレイの非生体側の面には、5本のカソード信号ライン(KL1〜KL5)と、5本のアノード信号ライン(AL1〜AL5)が設けられる。5本のカソード信号ライン(KL1〜KL5)と5本のアノード信号ライン(AL1〜AL5)は、フレキシブルなパターンであることが望ましい。各カソード信号ラインKLは、Y方向に並ぶ5つの光音響素子52に対応した5つのLEDのカソード電極端子に接続され、各アノード信号ラインは、X方向に並ぶ5つの光音響素子52に対応した5つのLEDのアノード電極端子に接続される。
また、2次元センサアレイの非生体側の面には、5本の上面信号ライン(UL1〜UL5)が設けられる。各上面信号ラインULは、Y方向に並ぶ5つの光音響素子52に対応した5つの受信素子の上面電極端子(図4の符号UT)に接続される。そして、図5に示される裏側の面に、つまり生体側の面に、5本の下面信号ライン(DL1〜DL5)が設けられる。各下面信号ラインDLは、X方向に並ぶ5つの光音響素子52に対応した5つの受信素子の下面電極端子(図4の符号DT)に接続される。5本の上面信号ライン(UL1〜UL5)と5本の下面信号ライン(DL1〜DL5)は、フレキシブルなパターンであることが望ましい。
図1から図4を利用して説明される光音響センサ10は、被検者の皮膚に貼り付けて使用される。つまり、光音響センサ10はウェアラブルであることが望ましい。光音響センサ10は、被検者の皮膚に直接的に貼り付けられてもよいし、接着層として機能する部材を介して、被検者の皮膚に間接的に貼り付けられてもよい。
図6は、密着カプラ60による貼り付けの具体例を示す図である。光音響センサ10はセンサ本体12を備えており、センサ本体12は、例えば図4の2次元センサアレイ50を備えている。なお、光音響センサ10は、例えば、図1から図3を利用して説明した構造であってもよい。図6に示す具体例において、光音響センサ10は、接着層として機能する密着カプラ60を介して被検者の皮膚に貼り付けられる。
密着カプラ60は、光音響センサ10(特にセンサ本体12)と被検者(生体)との間の音響整合層(音響カプラ)としての機能を備えており、例えばスチレン系エラストマー樹脂などの材料で形成される。密着カプラ60は、ゼリー状の比較的柔らかい透明なシートであり、厚さは0.5〜1.0mm程度であることが望ましい。
密着カプラ60として、粘着性があるスチレン系エラストマー樹脂を利用することにより、皮膚上に置くだけでも光音響センサ10を軽く固定することができる。さらに、スチレン系エラストマー樹脂は、柔軟性に優れているため、被検者の患部の凹凸に対しても密着性が高められる。なお、密着カプラ60により対応できない程度の大きな凹凸が被検者の患部にある場合には、例えばその患部にエコーゼリーを塗布してから密着カプラ60を貼り付けてもよい。つまり、密着カプラ60と被検者の皮膚との間にエコーゼリーが存在してもよい。また、密着カプラ60は、ディスポーザブル(使い捨て)であってもよいし、衛生的な利用が可能であるならば、繰り返し利用できるものでもよい。また、使用前に密着カプラ60の表面がフィルムなどにより衛生的に保護され、使用時にそのフィルムを剥がすようにしてもよい。
光音響センサ10は、例えば密着カプラ60を介して被検者の皮膚に貼り付けて利用され、被検者の被検部位へ光を照射し、その光の照射により被検部位で発生した超音波を受信する。つまり、光音響センサ10は光音響効果を利用する。光音響センサ10は、光音響効果を利用して、例えば被検者の皮下近傍組織内の血管から、光吸収に伴う超音波を受信する。光音響センサ10を利用することにより、被検者の被検部位における血流の状態を診断することができる。
図7は、血流状態を診断する血流診断システムの具体例を示す図である。図7には、2次元センサアレイ50を備えた光音響センサ10を利用した(光音響センサ10を有する)血流診断システムの好適な具体例が図示されている。
図7に示す具体例では、図5の2次元センサアレイ50を備えた光音響センサ10が利用される。そして、図7の血流診断システムでは、2次元センサアレイ50に設けられた5本のカソード信号ライン(KL1〜KL5)と5本のアノード信号ライン(AL1〜AL5)がLED選択部76に電気的に接続され、2次元センサアレイ50に設けられた5本の上面信号ライン(UL1〜UL5)と5本の下面信号ライン(DL1〜DL5)が受信素子選択部82に電気的に接続される。
LED選択部76は、2次元センサアレイ50を構成する25個の光音響素子52に対応した25個のLED(発光素子)の中から、駆動用のパルス信号を供給するLEDを選択する。LED選択部76は、カソード信号ラインKLとアノード信号ラインALの組み合わせによりLEDを選択する。
例えば、図5に示す具体例において、カソード信号ラインKL1とアノード信号ラインAL1のみを利用して駆動用のパルス信号を供給することにより、N1の光音響素子52が備えるLEDのみを駆動することができる。また、カソード信号ラインKL2とアノード信号ラインAL1のみを利用して駆動用のパルス信号を供給することにより、N2の光音響素子52が備えるLEDのみを駆動することができる。つまり、カソード信号ラインKLとアノード信号ラインALの組み合わせにより、N1〜N25の光音響素子52が備えるLEDを選択的に駆動対象とすることができる。なお、1つ以上のカソード信号ラインKLと1つ以上のアノード信号ラインALを同時に利用して、複数のLEDが駆動対象として選択されてもよい。
図7に戻り、受信素子選択部82は、2次元センサアレイ50を構成する25個の光音響素子52に対応した25個の受信素子(PVDF)の中から、受信信号を取得する受信素子を選択する。受信素子選択部82は、上面信号ラインULと下面信号ラインDLの組み合わせにより受信素子を選択する。
例えば、図5に示す具体例において、上面信号ラインUL1と下面信号ラインDL1のみを利用して受信信号を取得することにより、N1の光音響素子52が備える受信素子のみから受信信号を得ることができる。また、上面信号ラインUL2と下面信号ラインDL1のみを利用して受信信号を取得することにより、N2の光音響素子52が備える受信素子のみから受信信号を得ることができる。つまり、上面信号ラインULと下面信号ラインDLの組み合わせにより、N1〜N25の光音響素子52が備える受信素子を選択的に受信対象とすることができる。なお、1つ以上の上面信号ラインULと1つ以上の下面信号ラインDLを同時に利用して、複数の受信素子が受信対象として選択されてもよい。
図7に戻り、駆動信号発生部72は駆動用のパルス信号を発生する。駆動信号発生部72が発生したパルス信号は、駆動アンプ74を介してLED選択部76に送られる。そして、LED選択部76によって選択されたLED(発光素子)に駆動用のパルス信号が供給され、選択されたLEDが被検者の被検部位へ照射する光を発生する。
そして、受信素子選択部82によって選択された受信素子から得られる受信信号が受信アンプ84を介して受信信号処理部86に送られる。受信信号処理部86は、受信信号に対して、バンドパスフィルタ(BPF)処理やアナログデジタル(AD)変換処理などを施す。血流情報生成部88は、受信信号処理部86による処理後の受信信号に基づいて、被検者の被検部位内における血流情報を得る。
血流情報生成部88は、被検者の被検部位から得られる受信信号に基づいて、例えば被検部位内における血流量に係る情報を得る。なお、血流情報として、例えば、被検部位内における血流の酸素飽和度やヘモグロビン量などの情報を得るようにしてもよい。
また、血流情報生成部88は、図5の2次元センサアレイ50を構成する複数の光音響素子52から2次元的に得られる音波の受信信号に基づいて、被検部位内における血流量情報の2次元分布を形成してもよい。例えば、図5の2次元センサアレイ50を構成する各光音響素子52がN1〜N25の順に利用され、各光音響素子52の位置において局所的に光の照射と音波の受信が行われる。そして、各光音響素子52から得られる局所的な受信信号に基づいて、図7の血流情報生成部88が局所的な血流量情報を得る。これにより、例えば2次元センサアレイ50によりカバーされる2次元領域内における血流量情報の分布を形成することができる。
また、皮膚は、約200μm程度の厚さの表皮層と、表皮層の奥にある2〜3mm程度の厚さの真皮層と、真皮層の奥にある皮下組織で構成される。生体内における音速は約1500m/s(メートル毎秒)程度であるため、光の照射(パルス信号の供給)のタイミングから10〜20μs後に得られる受信信号は真皮層に対応し、それ以降に得られる受信信号は皮下組織に対応することがわかる。そこで、血流情報生成部88は、真皮層に対応する期間の受信信号に基づいて真皮層における血流量情報を生成し、皮下組織に対応する期間の受信信号に基づいて皮下組織における血流量情報を生成するようにしてもよい。
図7のシステム制御部90は、血流診断システム内を全体的かつ集中的に制御する。例えば、システム制御部90は、血流情報生成部88から得られる血流量情報に基づいて、表示部92とスピーカー94と通信部96を適宜に制御して、例えば、被検者の被検部位における血流量の状態に関する通知を行う。
図8は、血流診断システムの好適な使用例を説明するための図である。図8には、光音響センサ10と装置本体100を有する血流診断システムにより、自宅のベッドに寝たきりである被検者の褥瘡を監視する具体例が図示されている。
まず、例えば、訪問看護師、介護士または被検者の家族は、被検者をうつ伏せに寝かせて、被検者の患部(例えば、腰、仙骨部、肩甲骨部、かかと、ひじ、後頭部など)の皮膚の状態を目視で確認する。そして、褥瘡の監視が必要な患部をアルコールなどにより消毒し、消毒後の患部の皮膚表面に密着カプラ60(図6)を置き、密着カプラ60上に光音響センサ10を配置する。光音響センサ10の位置がずれないように、必要に応じて、医療用テープ等により光音響センサ10を被検者に固定してもよい。
光音響センサ10が貼り付けられると被検者が元の姿勢に戻される。例えば、図8に示すように、被検者がベッド上で通常の寝ている姿勢に戻される。光音響センサ10と装置本体100は、信号線等により互いに通信可能なように電気的に接続されており、装置本体100が例えばベッド脇の見やすい場所に設定される。
そして、光音響センサ10と装置本体100を有する血流診断システムにより、定期的に、例えば30分程度の間隔で、被検者の患部の血流量が監視される。つまり、光音響センサ10を利用して被検者の患部から光音響効果により得られる受信信号に基づいて、装置本体100が被検者の患部の血流量の状態を監視する。
図8に示す装置本体100は、例えば、図7に示す血流情報生成部88とシステム制御部90と表示部92とスピーカー94と通信部96などを備えている。そして、図8の装置本体100は、被検者の患部内における血流量情報を得て、血流量の低下つまり褥瘡の兆候を検出する。例えば、血流量が基準値(基準となる閾値)を下回る(閾値以下または閾値より小さい)場合に、血流量が低下していると判定され、装置本体100が備える表示部92またはスピーカー94から血流量の低下を警告する出力(アラーム灯の点灯やアラーム音の出力)が成される。また、装置本体100が備える通信部96から、例えば被検者の家族が利用する情報端末150へ、血流量の低下を知らせる警告信号が送信され、情報端末150に警告表示や警告音が出力されてもよい。
なお、血流量の低下を知らせる警告が無い場合でも、つまり、褥瘡の兆候が検出されない場合においても、一定期間(例えば1日程度または1週間程度)ごとに、被検者の患部の皮膚の状態を目視で確認することが望ましい。
また、例えば褥瘡の兆候が検出された場合に、褥瘡を予防するために、被検者の患部(被検部位)を震動させるようにしてもよい。
図9は、被検部位へ与える震動を発生する震動器の好適な具体例を示す図である。図9には、光音響センサ10と共に被検者の皮膚に貼り付けて使用され、被検部位へ与える震動を発生する震動器14の具体例が図示されている。震動器14は、例えば、コイン型の震動素子(バイブレータ)であり、10〜数100Hz(ヘルツ)程度の機械的な震動(バイブレーション)を発生し、センサ本体12を介して、被検部位に震動を与える。
例えば、図8の装置本体100は、被検部位内の血流量情報が血流低下の条件(血流量が基準値を下回る)を満たす場合に、震動器14を制御して震動を発生させる。震動により被検部位内における血流の回復、つまり褥瘡の初期的な予防が期待される。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
10 光音響センサ、12 センサ本体、14 震動器、20 発光器、30 受信器、50 2次元センサアレイ、52 光音響素子、60 密着カプラ、88 血流情報生成部、90 システム制御部、100 装置本体。

Claims (8)

  1. 被検者の被検部位へ照射する光を発生する発光器と、
    光の照射により前記被検部位で発生した音波を受信する受信器と、
    を備えたシート状のセンサ本体を有し、
    前記被検者の皮膚に貼り付けて使用される、
    ことを特徴とする光音響センサ。
  2. 請求項1に記載の光音響センサにおいて、
    前記発光器は、2次元的に配列された複数の発光素子を備える、
    ことを特徴とする光音響センサ。
  3. 請求項1または2に記載の光音響センサにおいて、
    前記受信器は、2次元的に配列された複数の受信素子を備える、
    ことを特徴とする光音響センサ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の光音響センサにおいて、
    前記発光器を構成する少なくとも1つの発光素子と前記受信器を構成する少なくとも1つの受信素子の組み合わせにより各光音響素子が構成され、
    前記センサ本体は、2次元的に配列された複数の光音響素子を有する、
    ことを特徴とする光音響センサ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の光音響センサにおいて、
    前記センサ本体の前記被検者側に設けられ、光と音波の透過性を備えた接着層をさらに有する、ことを特徴とする光音響センサ。
  6. 光音響センサと装置本体を有する血流診断システムであって、
    前記光音響センサは、
    被検者の被検部位へ照射する光を発生する発光器と、
    光の照射により前記被検部位で発生した音波を受信する受信器と、
    を備えたシート状のセンサ本体を有し、
    前記被検者の皮膚に貼り付けて使用され、
    前記装置本体は、前記光音響センサから得られる音波の受信信号に基づいて前記被検部位内の血流量情報を得る、
    ことを特徴とする血流診断システム。
  7. 請求項6に記載の血流診断システムにおいて、
    前記発光器を構成する少なくとも1つの発光素子と前記受信器を構成する少なくとも1つの受信素子の組み合わせにより各光音響素子が構成され、
    前記光音響センサは、2次元的に配列された複数の光音響素子を有し、
    前記装置本体は、前記複数の光音響素子から2次元的に得られる音波の受信信号に基づいて、前記被検部位内における血流量情報の2次元分布を形成する、
    ことを特徴とする血流診断システム。
  8. 請求項6または7に記載の血流診断システムにおいて、
    前記光音響センサと共に前記被検者の皮膚に貼り付けて使用され、前記被検部位へ与える震動を発生する震動器をさらに有し、
    前記装置本体は、前記被検部位内の血流量情報が血流低下条件を満たす場合に、前記震動器を制御して震動を発生させる、
    ことを特徴とする血流診断システム。
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