JP2018092809A - 照明モジュール及び照明装置 - Google Patents

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恵一 望月
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文明 小泉
謙次 櫻井
Kenji Sakurai
謙次 櫻井
一成 山科
Kazunari Yamashina
一成 山科
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Abstract

【課題】光出射範囲の輝度の均等化を容易に実現できる照明モジュールの新たな構成を提供する。【解決手段】本発明の照明モジュール10は、入射された放出光11Lに基づいて出射光13Lを出射する第1の主面13A及び第1の主面とは反対側に設けられた第2の主面13Bを有し、内側面13Eaを備える凹部13Eを第2の主面13Bに備えた導光板13と、凹部13Eの内側面13Eaに放出光11Lがそれぞれ入射するように配置された複数の発光領域11Aが配列された発光領域列R1〜R4であって、複数の発光領域11Aから放出される放出光11Lにより前記導光板の入射部分に構成される光入射分布11stが相互に対向及び背反しない態様の相互に異なる向きの指向性をそれぞれ示すように構成された複数の発光領域列R1〜R4と、を具備することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は照明モジュール及び照明装置に関する。
従来から、LED(発光ダイオード)等の光源を用いた板状の照明装置が知られている。この種の照明装置としては、複数の光源を端面に沿って配列させた導光板をエッジライト型の面状光源として用い、この導光板の光出射先に光拡散板を配置してなる構造を備えた照明モジュールを含むものが知られている。このような構造を備えた照明モジュールの一例としては、以下の特許文献1に記載された照明モジュールが挙げられる。この照明モジュールでは、上記の面状光源による輝度の均一性を高めるために、光拡散板の周縁部を枠などで覆うことなしに露出した構造とするとともに、光拡散板の周縁部の内部形状に工夫を施している。
特開2014−150049号公報
ところで、上記従来の一般的なエッジライト型の面状光源を備えた照明モジュールにおいては、導光板の外周縁に設けられた外周端面に沿って複数の光源が配列されるという周縁構造上の理由により、上記周縁構造に対応する光出射範囲の外周部分の輝度を他の部分と均等に構成することが困難であるという問題点がある。例えば、配列された光源に起因する輝度斑を回避するために上記周縁構造に遮光範囲や光出射範囲を適宜に調整して設定しても、光源が配列された外周縁の部分と、光源が配列されていない外周縁の部分との間の輝度が異なるなど、外周部分の輝度が場所によりばらつきやすい。また、中央部分などの他の部分と外周部分との間で、輝度を十分に均等化することも難しい。例えば、外周部分の場所により明暗が生じたり、外周部分が他の部分と比べて暗くなってしまったりすることがある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、光出射範囲の輝度の均等化を容易に実現できる照明モジュールの新たな構成を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の照明モジュールは、複数の発光領域と、前記発光領域からの放出光が入射されるとともに、該放出光に基づく出射光を出射する第1の主面及び前記第1の主面とは反対側に設けられた第2の主面を備えた導光板と、を具備する。ここで、前記導光板は、前記第2の主面に凹部を備える。前記発光領域は、前記放出光が前記凹部の内側面から入射されるように配置される。また、前記複数の発光領域が配列される発光領域列であって、前記複数の発光領域から放出される前記放出光により前記導光板の入射部分に構成される光入射分布が相互に対向及び背反しない態様の相互に異なる向きの指向性をそれぞれ示すように構成された複数の発光領域列を有する。
本発明において、前記光入射分布は、前記発光領域列に含まれる複数の発光領域の各指向特性が合成されることにより構成される、導光板の入射部分における放出光の入射位置及び入射方向の分布である。当該光入射分布は、導光板の内部において、主たる光入射方向を中心としてその周りに或る程度の角度範囲(例えば、120度など)に分布した態様を備える。各発光領域の指向特性はLEDチップなど発光素子における発光面の開放角度やレンズ形状などに依存する。複数の発光領域列により構成されるそれぞれの上記光入射分布により、前記導光板の内部において、前記放出光の一部が隣接する他の前記発光領域列に向けて伝搬するとともに、前記隣接する他の発光領域列との間の外周側にある前記導光板の外周縁の部分に向けて伝搬することが好ましい。この場合にはさらに、導光板の外周端面の全周のいずれの位置に対しても、いずれか一つの発光領域列内のいずれかの発光領域からの前記放出光の一部が到達するように、複数の発光領域列の構成及び配置と、上記光入射分布とが設定されることが望ましい。
本発明において、前記複数の発光領域列は、前記第1の主面の光出射範囲の中央部分の周りの相互に異なる方位に配置されることが好ましい。また、前記複数の発光領域列において、前記光入射分布は、前記中央部分の周りを相互に同じ向きで回転する方向に沿った指向性をそれぞれ示すことが好ましい。ここで、前記光入射分布により、前記導光板の内部において、前記放出光の一部が隣接する他の前記発光領域列に向けて伝搬するとともに、前記放出光の他の一部が前記隣接する他の発光領域列が配置される方位との間にある前記導光板の外周縁の部分に向けて伝搬することが望ましい。ただし、この場合において、前記光入射分布における主たる光入射方向は、前記中央部分の周りを回転するときの接線方向に一致する方向に限らず、当該接線方向に方位成分を備える方向であればよい。すなわち、上記主たる光入射方向は上記接線方向と交差する方向であってもよい。ここで、前記中央部分に対して複数(n個;nは2以上の自然数)の発光領域列がそれぞれ配置される方位、及び、各発光領域列により構成される光入射分布は、前記中央部分の周りにn回の回転対称性を備えることが望ましい。特に、上記のnは3以上の自然数であることが望ましい。
本発明において、前記複数の発光領域列では、前記複数の発光領域が前記中央部分から前記光出射範囲の外周部分に向けてそれぞれ配列されることが好ましい。ここで、複数の発光領域の配列方向である、前記中央部分から前記外周部分に向かう方向は、前記中央部分の周りに回転するときの接線方向と直交する半径方向に限らず、当該半径方向に方位成分を備える配列方向であれば、上記半径方向と交差する方向であってもよい。ただし、上記配列方向は、上記半径方向であることが最も望ましい。また、前記発光領域列における複数の発光領域の配列態様は、直線状に限らず、曲線状であってもよく、千鳥状の配列(スタガード配置)であってもよい。ここで、前記複数の発光領域列において、それぞれ、前記複数の発光領域の配列方向を上記半径方向とし、かつ、前記複数の発光領域の配列態様を直線状にすることにより、前記複数の発光領域列は、前記中央部分の周りに放射状に配置される。
本発明において、前記複数の発光領域列の間の前記中央部分の周りの回転する方向に沿った距離は、前記中央部分の側から前記外周部分に向かうほど徐々に広くなることが好ましい。
本発明において、前記導光板(第1の主面)の平面形状が多角形状である場合には、前記複数の発光領域列の数と同じ角数を備えるとともに、前記複数の発光領域列の方位間隔(隣接する二本の発光領域列が中央部分の周りに成す角度)と同じ角部の方位間隔(隣接する二つの角部が中央部分の周りに成す角度)を備える形状であることが好ましい。例えば、上記複数の発光領域列が4個ある場合には、4つの発光領域列を中央部分の周りに配設し、これらの方位間隔が時計回りにa度、b度、c度及びd度であれば、角部の方位間隔も時計回りにa度、b度、c度及びd度となる四角形に構成される。特に、中央部分の周りの輝度の均一性を高める上では、前記複数の発光領域列の方位及び配列態様が上記中央部分の周りに回転対称性を備えることが好ましいから、導光板の平面形状も中央部分の周りに対応する回転対称性を有する形状であることが望ましい。すなわち、導光板の平面形状の回転対称性は、発光領域列の回転対称性に対応するものであることが望ましい。例えば、上述のように複数の発光領域列がn(3以上の自然数)個あり、発光領域列の数及び方位が上記光出射範囲の中央部分の周りにn回の回転対称性を有する場合には、上記多角形状も、n×m(自然数)倍のk(=n×m)回の回転対称性を有することが好ましい。この場合、上記多角形状は正k角形である。
また、前記導光板(第1の主面)の平面形状が多角形状である場合には、前記複数の発光領域列が配置される前記中央部分の周りの方位は、前記中央部分から前記多角形の対角線が配置される各方位であることが好ましい。この場合にはさらに、前記複数の発光領域列内において、それぞれの複数の発光領域の配列方向は、前記多角形の各対角線に沿った方向であることが望ましい。これらの場合にも、上記と同様に回転対称性を有することが好ましく、したがって、前記第1の主面は正多角形であることが望ましい。
また、前記複数の発光領域列により構成される前記光入射分布は、隣接する他の前記発光領域列との間の外周側に配置された前記導光板の外周縁の対応する部分と交差する主たる光入射位置及び光入射方向をそれぞれ備えることが好ましい。このとき、導光板の内部において、前記光入射分布の主たる光入射位置における主たる光入射方向へ伝搬する放出光は、前記対応する辺に対して交差角が90度とは異なる傾斜角で到達することが望ましい。特に、この交差角は90度よりも45度に近い角度であることが望ましい。
本発明において、前記導光板の外周縁上のいずれの位置からも、いずれか少なくとも一つの前記発光領域列に含まれるいずれかの前記発光領域を直接に臨むことができるように設定されることが好ましい。すなわち、いずれか少なくとも一つの前記発光領域列による光入射分布により、他の前記発光領域列や外周端面を経由せずに、前記導光板の外周端面上のいずれの位置にも前記放出光が直接に到達することができるように設定されることが望ましい。
本発明において、前記凹部は、前記発光領域列における前記発光領域の配列方向に沿って伸びる凹溝であることが好ましい。ここで、複数の前記発光領域列に対応する前記凹溝は、前記中央部分などにおいて相互に連通し、一体に構成されている場合もあり、相互に連通せずに複数の凹溝が形成される場合もある。また、前記凹溝は、前記導光板の外周端面上に開口していない場合があり、開口している場合もある。さらに、各発光領域ごとに対応する凹部が設けられる場合には、各発光領域列に沿って複数の凹部が配列されてなる凹部列が形成されることが好ましい。
本発明において、前記導光板には、前記第1の主面上、前記第2の主面上、又は、前記導光板の内部において、前記中央部分のうちの前記発光領域が配置されていない領域である中央領域、前記発光領域列上の位置から、当該位置に対して前記発光領域列が構成する前記光入射分布の主たる光入射方向とは反対側に隣接する位置までの、前記発光領域の配列に沿った領域である列背後領域、或いは、前記発光領域列の外周側の端部である外周端の外周側に隣接する位置から、当該位置に対して上記主たる光入射方向とは反対側に隣接する位置までの領域である外周背後領域のうちの少なくともいずれか一つの領域に、出射光の出射率を高めるための光散乱要素が他の領域よりも高密度で形成された高密度散乱構造が設けられることが好ましい。特に、上記中央領域、上記列背後領域、及び、上記外周背後領域の全ての領域に、上記高密度散乱構造が設けられることが望ましい。
本発明において、前記発光領域と前記凹部の内底面との間に遮光要素が配置されることが好ましい。この遮光要素は、前記凹部の内底面上に配置されていてもよく、或いは、前記凹部内に前記発光領域が配置されるときには、前記発光領域を構成する構造部分(例えば、発光素子の内底面側にある上面)上に配置されてもよい。これらの場合において、上記遮光要素の前記内底面側の面が光反射面とされてもよい。上記遮光要素は遮光層や遮光板(遮光シート)で構成できる。
本発明において、前記凹部の内底面に沿って光反射要素が配置されることが好ましい。この光反射要素は、前記凹部の内底面上に配置されていてもよく、或いは、前記凹部内に前記発光領域が配置されるときには、前記発光領域を構成する構造部分(例えば、発光素子本体の内底面側にある上面)上に配置されてもよい。上記光反射要素は光反射層や光反射板(光反射シート)で構成できる。
本発明において、前記凹部の一方の内側面にのみ前記放出光が入射し、前記一方の内側面とは反対側の他方の内側面に沿って光反射要素が配置されることが好ましい。この光反射要素は、前記他方の内側面上に配置されていてもよく、また、前記発光領域が前記凹部内に配置されるときには、前記発光領域を構成する構造部分(例えば、発光素子の発光領域とは反対側にある背面)上に配置されてもよい。上記光反射要素は光反射層や光反射板(光反射シート)で構成できる。
なお、上記の光反射要素を配置する代わりに、前記凹部の相互に対向する両側の内側面にそれぞれ前記発光領域からの放出光が入射するように構成されてもよい。この場合において、前記発光領域が前記凹部内に配置されるときには、前記凹部内において、上記両側の内側面にそれぞれ向いた発光領域を備える一対の発光素子が配置されていてもよく、或いは、一つの発光素子の両側にそれぞれ上記両側の内側面に対応する一対の発光領域が形成されていてもよい。
本発明において、前記発光領域は前記凹部内に配置されることが好ましい。この場合において、前記凹部内に前記発光領域を備える発光素子が収容されることが望ましい。特に、前記凹部内に前記発光素子及び前記発光素子を実装した配線基板が収容されることがさらに望ましい。ここで、前記凹部は前記発光領域毎に設けられてもよい。ただし、前記凹部が前記発光領域の配列方向に沿った凹溝である場合には、当該凹溝内において前記配列方向に沿って複数の発光領域が配置されることが望ましい。この場合には、上記凹溝内において、上記配列方向に沿って延長された配線基板上に複数の発光素子が実装されていることが好ましい。
本発明においては、前記導光板の外周縁に沿って光反射要素が配置されることが好ましい。この光反射要素は、前記導光板の外周縁の全体にわたって配置されることが望ましい。上記光反射要素は光反射層や光反射板(光反射シート)で構成できる。ここで、光反射要素を、導光板を支持するフレームの内面により構成してもよい。
本発明において、前記導光板の前記第2の主面に沿って光反射要素が配置されることが好ましい。この反射要素は、前記導光板の前記第2の主面の全体にわたって配置されることが望ましい。上記光反射要素は光反射層や光反射板(光反射シート)で構成できる。ここで、光反射要素を、導光板を支持するフレームの内面により構成してもよい。
本発明において、前記導光板の前記第1の主面からの出射光を入射する光入射面と、前記導光板とは反対側に配置される光出射面とを備える光拡散板をさらに具備することが好ましい。ここで、光拡散板の外周縁は外部に露出されていることが好ましい。
本発明に係る照明装置は、複数の上記照明モジュールを含む。また、照明装置においては、上記照明モジュールの照明光を出射する光出射範囲が平面的に配列される。この場合において、前記光出射範囲の平面的な配列内における前記導光板同士の隣接領域は、両側の前記導光板の間で相互に前記放出光が透過可能な光学特性を有することが好ましい。また、前記光出射範囲の平面的な配列の外周縁には、前記導光板の外周縁に沿って光反射要素が配置されることが望ましい。このとき、前記光出射範囲の平面的な配列内における前記導光板同士の隣接領域には、前記放出光が透過可能な光学特性を確保するために、前記光反射要素が配置されないことが望ましい。
本発明によれば、照明モジュールの光出射範囲の輝度の均等化を従来よりも容易に実現できるという優れた効果を奏し得る。また、複数の照明モジュールの光出射範囲を配列させたときに光出射範囲の平面的な配列内の輝度分布の均等性を従来よりもさらに高めることが可能になる。
本発明に係る照明モジュールに係る第1実施形態の導光板及び該導光板に設けられた凹溝内に配置された発光素子の配列態様を示す横断面図(図2のI−I断面矢視図)である。 第1実施形態の縦断面図(図1のII−II断面矢視図)(a)及びその一部領域Bを拡大して示す拡大部分断面図(b)である。 本発明に係る照明モジュールに係る第2実施形態の導光板及び該導光板に設けられた凹溝内に配置された発光素子の配列態様を示す横断面図(図4のIII−III断面矢視図)である。 第2実施形態の縦断面図(図3のIV−IV断面矢視図)(a)及びその一部領域Bを拡大して示す拡大部分断面図(b)である。 第1実施形態の発光領域群の配列態様を例として、各実施形態に適用可能な導光板の構成例を模式的に示す横断面図である。 第1実施形態の発光領域群の配列態様を例として、各実施形態に適用可能な導光板の他の構成例を模式的に示す横断面図である。 第1実施形態の発光領域群の配列態様を例として、各実施形態に適用可能な導光板の別の構成例を模式的に示す横断面図である。 第1実施形態の導光板に形成する光散乱構造の分布態様の例を模式的に示す平面図である。 第2実施形態の導光板に形成する光散乱構造の分布態様の例を模式的に示す平面図である。 第1実施形態の変形例の一部領域を拡大して示す拡大部分断面図である。 図10に示す変形例の発光領域の平面配置のパターンを模式的に示す平面図である。 第1実施形態の他の変形例の発光領域の平面配置のパターンを模式的に示す平面図である。 第1実施形態のさらに他の変形例の発光領域の平面配置のパターンを模式的に示す平面図である。 第1実施形態の別の変形例の発光領域の平面配置のパターンを模式的に示す平面図である。 第1実施形態のさらに別の変形例の発光領域の平面配置のパターンを模式的に示す平面図である。 本発明に係る複数の照明モジュールを平面的に配列させてなる照明装置の構成例を模式的に示す概略構成図である。 本発明に係る複数の照明モジュールを平面的に配列させてなる照明装置の他の構成例を模式的に示す概略構成図である。 第1実施形態に対応する複数の照明モジュールにより構成した照明装置の構成例を模式的に示す平面図である。 第2実施形態に対応する複数の照明モジュールにより構成した照明装置の構成例を模式的に示す平面図である。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、図1及び図2を参照して、本発明に係る第1実施形態の照明モジュールについて説明する。
第1実施形態の照明モジュール10は、LED(発光ダイオード)や有機電界発光素子(EL素子)などからなる発光素子11と、複数の発光素子11が実装された配線基板12と、導光板13とを有する。発光素子11は、導光板13に形成された凹部である凹溝13E内に配線基板12とともに収容される。発光素子11は図2(b)に示すように光を放出する発光領域11Aを有する。配線基板12には、各発光素子11に導電接続された配線が導体パターンなどによって形成されている。
上記の発光領域11Aからは適宜の角度範囲に向けて所定の指向特性11tを備えた放出光11Lが放出される。図1には、一つの発光領域11Aの放出光11Lの指向特性11tの例を一点鎖線にて示す。ここで、指向特性11tでは、一点鎖線上の位置の発光領域11Aからの距離が光強度を示し、発光領域11Aから同位置へ向かう方向が光入射方向を示す。
導光板13はアクリル樹脂などの透光性素材により構成されている。導光板13は、第1の主面13Aと、この第1の主面13Aとは反対側にある第2の主面13Bと、第1の主面13Aと第2の主面13Bの間の外周縁13Dに形成された外周端面13Cとを備えている。導光板13の外周縁13Dは、正方形状に構成され、四つの辺を備えている。なお、導光板13の平面形状は図示例では正方形であるが、特に限定されるものではなく、長方形などの他の四角形、その他の多角形、或いは、円形、楕円形など、任意の形状とすることができる。
導光板13の第1の主面13Aは後述する光散乱要素としての微細な凹凸などの微細な表面構造(後述する表面散乱構造や追加散乱構造など)を無視すると、全体に平坦と見ることができるように構成されている。この第1の主面13Aは、図示例の場合、全面が出射光L13を出射する光出射範囲となっている。なお、図示例とは異なるが、第1の主面13Aの一部が遮光領域とされたり反射領域とされたりすることにより制限され、光出射範囲が第1の主面13Aの全面でない場合もあり得る。一方、第2の主面13Bも、多くの領域が第1の主面13Aと同様に平坦に形成されているが、その一部表面に凹溝13Eが形成されている。凹溝13Eは、一方の内側面13Ea、この内側面13Eaとは反対側の内側面13Ebと、これらの内側面13Ea,13Ebの間に形成された内底面13Ecとを有する。
凹溝13Eには、図1に示すように、導光板13の光出射範囲の中央部分Aiから外周部分Aoへ向けて、中央部分Aiの周りを回転する方向の接線方向と直交する半径方向に沿って直線状にそれぞれ伸びる複数(4つ)の線状延在部13E1,13E2,13E3,13E4が設けられる。凹溝13Eは、図示例の場合、上記複数の線状延在部が中央部分Aiで相互に連結されることにより全体として一体に構成される。図示例では凹溝13EはX字状に構成される。
各線状延在部13E1,13E2,13E3,13E4は中央部分Aiを中心として回転させたときに相互に重なるような態様で同じ形状とされ、中央部分Aiの周りに等角度(90度)間隔となる各方位においてそれぞれ配置されている。すなわち、本実施形態では、四つの線状延在部13E1,13E2,13E3,13E4が上記中央部分Aiの周りに4回(90度)の回転対称性を備える。なお、導光板13の平面形状は正方形であるため、導光板13の全体形状も4回(90度)の回転対称性を有する。また、本実施形態では、中央部分Aiの周りに線状延在部13E1,13E2,13E3,13E4が配置される方位は、光出射範囲である第1の主面13Aの平面形状(正方形)の二本の対角線により、これらの対角線の交点の周囲に構成される四本の線分が配置される方位と一致している。また、線状延在部13E1,13E2,13E3,13E4の延在方向も上記線分の延在方向と一致している。
また、各線状延在部13E1,13E2,13E3,13E4内には、発光素子11及び配線基板12がそれぞれ収容され、凹溝13Eの上記各線状延在部13E1,13E2,13E3,13E4の延在方向に沿って複数の発光素子11の発光領域11Aが配列される。図示例の場合、各線状延在部13E1,13E2,13E3,13E4の内部において、複数の発光素子11は、いずれも各発光領域11Aが凹溝13Eの一方の内側面13Eaと対向する姿勢で配置される。本明細書では、各線状延在部13E1,13E2,13E3,13E4内にそれぞれ形成された複数の発光領域11Aの配列をそれぞれ発光領域列R1、R2、R3及びR4と呼ぶこととする。なお、本発明においては、図示例のように、発光領域列R1〜R4の全体が凹溝13E内に収容される必要はない。例えば、導光板13の凹溝13Eの下方において発光領域列R1〜R4が各発光領域11Aを上方に向けた姿勢で平面的に配列され、凹溝13E内に設けられた反射面で反射されることにより放出光11Lが内側面13Eaから入射するように構成されていてもよい。ただし、複数の発光領域11Aから放出された放出光11Lが凹溝13Eの内側面13Eaから導光板13内に入射することにより、結果として、導光板13の入射部分において所定の態様の光入射分布が生ずるように、発光領域列R1〜R4がそれぞれ構成され、配置されている必要がある。
各発光領域列R1,R2,R3,R4は、個々の発光素子11の放出光11Lの指向特性11tを合成して得られる光入射分布11stを導光板13の入射部分に構成する。ここで、発光領域列R1〜R4により構成される光入射分布11stは、その発光領域列内に含まれる複数の発光領域11Aの個々の指向特性11tの総和(図示二点鎖線で示す)としての光入射位置及び光入射方向に関する分布態様である。ただし、図示の光入射分布11stは、点状光源とみなすことのできる個々の発光領域11Aの指向特性11tとは異なり、離散的に配列された複数の発光領域11Aからの放出光11Lの総和であるため、図示の二点鎖線そのものは模式的なものであり、入射光強度や入射光方向の分布をそのまま示すものではない。ここで、光入射分布11stの中心位置若しくは平均位置(内側面13Eaの延在方向である発光領域11Aの配列方向に沿った入射位置の分布の中央値若しくは平均値)、並びに、光入射分布11stの中心方位若しくは平均方位(入射方向の分布の中央値若しくは平均値)は、図示例の場合、白抜きの矢印で表わした光入射分布ベクトル11Sで示される。そこで、本明細書では、上記光入射分布ベクトル11Sは、光入射分布11stを代表する主たる光入射位置及び光入射方向を示すものとする。すなわち、光入射ベクトル11Sは、光入射分布11stの主たる光入射位置(上記中心位置若しくは平均位置)に配置されるとともに、光入射分布11stの主たる光入射方向(上記中心方位若しくは平均方位)を示す向きに伸びるベクトルである。ここで、光入射分布11st全体の光強度に対応する長さを有するベクトルとしてもよい。
本実施形態では、各発光領域列R1〜R4により導光板13の入射部分(内側面13Eaの内側)に構成される光入射分布11stは、相互に対向及び背反しない態様の相互に異なる向きの指向性を示すように設定される。すなわち、複数の発光領域列R1〜R4が構成する光入射分布11stは、それぞれの光入射分布ベクトル11Sにより示される主たる光入射位置及び光入射方向が相互に異なる向きになるように設定される。ただし、このときの「相互に異なる向き」には相互に対向及び背反する向きが含まれない。これによって、各発光領域列R1〜R4から放出される放出光11Lが上記内側面13Eaから導光板13内にそれぞれ入射されたときに、放出光11Lの導光板13内における伝搬方向が相互に異なる方位に指向性を示すものとなる。このため、光出射範囲の輝度分布の均等化を図りやすくなる。
本実施形態では、複数の発光領域列R1〜R4が中央部分Aiの周りの相互に異なる方位に配置されるとともに、各発光領域列R1〜R4がそれぞれ中央部分Aiの周りを相互に同じ向きに回転する方向を指向する光入射分布11stを構成する。特に、複数の発光領域列R1〜R4が配置される方位は等角度間隔であり、発光素子11や発光領域11Aの配列態様は互いに同一であり、光入射分布ベクトル11Sも、上記中央部分Aiの周りに同じ向きで回転する方向(接線方向)と一致している。したがって、本実施形態では、発光領域列R1〜R4のそれぞれの発光領域11Aの配列態様並びにそれらにより構成される光入射分布11stは、導光板13の平面形状や凹溝13Eの構造と同様に、中央部分Aiの周りに4回(90度)の回転対称性を備える。ただし、本発明においては、光入射分布ベクトル11Sが上記回転する方向(接線方向)に成分を有することで足りる。すなわち、光入射分布ベクトル11Sの方向は、上記回転する方向、すなわち、中央部分Aiを中心とする円周上の接線方向と一致せず、当該接線と90度未満の交差角で交差する方向となっていてもよい。すなわち、発光領域列R1〜R4は、主たる光入射方向が上記回転する方向に沿った光入射分布を構成するものであればよい。
本実施形態において、複数の発光領域11Aが所定の態様で配列されてなる発光領域群11Gでは、基本的に、発光領域11Aは、外周縁13Dの外側から光を入射させる位置、すなわち、外周端面13Cと対向する位置には配置されない。一方、発光領域列R1〜R4により構成される光入射分布11stは、放出光11Lの一部が、全体として当該発光領域列R1〜R4からそれぞれ主たる光入射方向の向きに隣接する他の発光領域列に向けて、直接に(別の発光領域列や外周端面を経由せずに)伝搬してくように設定される。また、これと同時に、当該光入射分布11stは、上記放出光11Lの他の一部が、上記隣接する他の発光領域列が配置される方位との間の外周側に配置される外周縁の対応する部分、例えば、外周縁13Dの各辺に設けられた外周端面13Cに向けて、直接に(別の発光領域列や他の外周端面を経由せずに)伝搬していくように設定される。このような構成にすることにより、導光板13の内側面13Eb付近及び外周縁13Dという光量の不足しがちで輝度斑の生じやすい領域に効率的に光を伝搬することが可能となる。
上記のような光入射分布11stによる上記他の発光領域列と上記外周縁の対応する部分への放出光11Lの分配態様は、複数の発光領域列R1〜R4がそれぞれ中央部分Aiから外周部分Aoに向けた複数の発光領域11Aの配列方向を有することにより、全ての外周端面に対して均等に光を伝搬させることが可能となり、さらに容易に実現可能とされる。特に、隣接する発光領域列R1〜R4の間の中央部分Aiを中心とする回転方向に沿った間隔が、中央側から外周側に行くほど広くなる図示のような全体的な平面配置によって、複数の発光領域列R1〜R4により構成される光入射分布11stのいずれによっても、導光板13の内部において、放出光11Lの一部が隣接する他の発光領域列R1〜R4に向けて、並びに、隣接する他の発光領域列R1〜R4との間の角度範囲にある外周縁13Dの部分に向けて、バランスよく伝搬させることが容易になる。よって、上記分配態様が複数の発光領域列R1〜R4の全てにおいてそれぞれより好ましいバランスで実現可能とされる。
ここで、光入射分布11stの主たる光入射位置から主たる光入射方向に向かう線(光入射分布ベクトル11Sの延長線)は、上記の外周縁13Dの対応する部分に配置される上記の対応する辺と交差することが好ましい。この場合、図示例のように、光入射分布ベクトル11Sの延長線と対応する辺との間の交差角は、90度(直交)でもなく、0度(平行)でもないことが望ましい。このような構成にすることにより、外周端面13Cへ入射した光線の一部が外周端面13Cで反射され導光板13内へ戻るため、光線の拡散性がより向上する。特に、上記交差角は90度よりも45度に近い値をもつことが望ましい。図示例の場合には交差角はほぼ45度である。また、図示例のように、各辺と上記延長線の交差位置は、角部よりも各辺の中点に近い位置であることが好ましい。このような構成にすることにより、光出射範囲の輝度分布の均等化を図りやすい。
図2に示すように、発光領域11Aから放出された放出光11Lは、凹溝13Eの内側面13Eaから導光板13の内部へ入射する。また、導光板13は、その屈折率に応じた臨界角で上記放出光11Lを全反射させることでその内部において放出光11Lを第1及び第2の主面13A,13Bに沿った平面方向に伝搬させる。この内部伝搬光は、導光板13の内部を伝搬しながら徐々に第1の主面13Aから出射光13Lとして出射する。導光板13の第1の主面13A、第2の主面13B、或いは、両主面に挟まれた内部には、必要に応じて適宜の光散乱要素が配置される。この光散乱要素は、表面に形成された微細な凹凸(例えば、エッチングなどの粗面化処理によるもの)、傾斜面、凸レンズ形状や凹レンズ形状などのレンズ形状面、円錐形状、円錐台形状、V字状の溝やリブ構造などのような各種の表面散乱構造、表面上に形成された印刷や気層成長法などの方法で形成された薄膜などの表面散乱層などの各種の付加散乱構造、或いは、導光板の内部に分散された微細な光散乱性粒子などの内部散乱因子といった、内部伝搬光を異なる方向に反射、屈折、又は、散乱させるための各種構造により構成される。なお、本実施形態では、後述するように、複数の発光領域11Aが適宜の態様で配列されてなる発光領域群11Gにより生ずる光出射範囲の光出射分布に応じて、上記光散乱要素の種類及び分布が定められる。
本実施形態では、導光板13の第2の主面13Bに沿って光反射板(シート)14が配置される。また、導光板13の外周端面13Cに沿って光反射板(シート)15が配置される。これらの光反射板14,15は、導光板13の第1の主面13A(の光出射範囲)以外の各面から出射される光を導光板13の内部に戻し、最終的に第1の主面13A(の光出射範囲)のみから光が出射されるようにすることにより、光の利用効率を高める。なお、光反射板14,15を配置する代わりに、光反射層を第2の主面13Bや外周端面13C上に形成するなど、光反射機能を有する任意の光反射要素を配置することができる。
本実施形態においては、凹溝13E内において、放出光11Lが入射する内側面(上記発光領域11Aが対向する内側面)13Eaとは反対側にある内側面13Ebに沿って光反射層13rが配置される。この光反射層13rは、上記光反射要素と同様に各種の構成をもつことができる。図示例では、光反射層13rは内側面13Eb上に固着された薄膜として形成される。この光反射層13rは、図2(b)に示す発光素子11の発光領域11Aを含む或る発光領域列とは別の他の発光領域列から放出された放出光11Lが凹溝13Eの内部で減衰若しくは滅失しないように、当該放出光11Lを反射し、第1の主面13Aの光出射範囲からの出射効率を高める。
本実施形態では、凹溝13Eの内底面13Ecに沿って遮光層13sが配置される。この遮光層13sは、凹溝13E内の発光領域11Aから放出される放出光11Lのうちの内底面13Ecに向けて放出される光成分を遮光し、凹溝13Eの内底面13Ecの上方に輝度斑が形成されることを防止するものである。この遮光層13sも、上記光反射要素と同様に、遮光機能を呈する遮光要素であればよいので、図示の態様に限定されるものではなく、種々の態様で構成できる。ただし、図示例では、遮光層13sは、内底面13Ec上に固着された薄膜として形成される。
本実施形態では、凹溝13Eの内底面13Ecに沿って光反射要素を配置してもよい。図示例では、遮光層13s(内底面13Ecの側の面)が内底面13Ecの側から入射する光を反射する光反射層としても機能するように構成されている。遮光層13sによる光反射機能は、上記光反射層13rと同様に、導光板13の内部を伝搬する光、すなわち、図2(b)に示す発光素子11の発光領域11Aを含む或る発光領域列とは別の他の発光領域列から放出された放出光11Lが凹溝13Eの内部で減衰若しくは滅失することを防止する。特に、遮光層13sの光反射面は、第1の主面13Aに対して、光反射板14よりも近い距離で対向するように配置されている。このため、凹溝13Eの直上位置及びその近傍両側の領域における輝度の低下が抑制される。
上記導光板13の光出射側には光拡散板16が配置される。この光拡散板16は、導光板13の第1の主面13Aと対面する一方の主面からなる光入射面16Aと、この光入射面16Aの反対側の主面である光出射面16Bとを有する。光拡散板16の平面形状は、上記導光板13と同様に特に限定されるものではないが、導光板13の平面形状、或いは、導光板13の光出射面の平面形状と対応する形状であることが好ましい。図示例では、光拡散板16の平面形状は、導光板13と対応する正方形とされている。
この場合において、光拡散板16の外周端面16Cは、導光板13の外周端面13Cと同一の平面位置に配置されるか、或いは、それよりも外周側へ突出する位置に配置されることが好ましい。上記導光板13の光出射面から出射する出射光13Lは、光入射面16Aから入射し、光拡散板16の内部で拡散(散乱)された後に照明光16Lとして放出される。光拡散板16は基本的に光透過性素材からなり、内部に光散乱粒子が分散されたものを用いることができる。ただし、この光拡散板16においても、上記導光板13と同様に、上述の表面散乱構造、付加散乱構造、内部散乱因子などといった各種の光散乱要素を用いることができる。このような光拡散板16により、LEDのような高い指向特性を有する発光素子11を用いた場合でも、配光角が大きく、輝度分布が均一であり、光拡散板16を正面から観賞しても眩しくない、やさしい照明光16Lを形成することが可能になる。
本実施形態において、上記導光板13の下方(光出射側とは反対側)には、発光素子11を制御するための制御基板17が配置される。この制御基板17には制御回路を構成するための回路素子18などが実装されている。制御基板17には上記配線基板12が接続される。制御基板17上に構成される制御回路によって、発光素子11の駆動状態(駆動電圧や駆動電流、間欠駆動の周波数など)が適宜に制御される。これらの発光素子11、配線基板12、導光板13、光反射板14、15、制御基板17、及び、回路素子18は、フレーム19により被覆される。
なお、光拡散板16は、図示しない取付固定構造により、上記フレーム19に対して取り付けられ、固定される。ただし、光拡散板16の外周端面16Cの少なくとも光出射側(光出射面16Bの側)にある厚み方向の一部範囲は、フレーム19により被覆されないことが好ましい。図示例では、光拡散板16の外周端面16Cの全体がフレーム19により被覆されず、外部に露出している。上記の構成をとることにより、導光板13から出射され拡散板16へ入射し、拡散板16内で拡散された光の一部が、フレーム19により被覆されていない外周端面16Cより出射されることにより、より広い範囲へ均一な光を照射することが可能となる。
以上説明した第1実施形態によれば、発光領域群11Gの複数の発光領域11Aから放出された放出光11Lは、凹溝13Eの内側面13Eaから導光板13内に入射し、導光板13の内部を伝搬する。特に、本実施形態では、互いに対向及び背反しない態様で相互に異なる向きを指向する光入射分布11stを導光板13の入射部分に構成する複数の発光領域列R1〜R4を備える。このとき、複数の発光領域列R1〜R4により構成される相互に異なる向きを指向する光入射分布11stに応じて、放出光11Lは導光板13の内部において、それぞれ、或る程度の広い角度範囲に広がった態様で伝搬していく。ここで、相互に対向する向きを指向する光入射分布、或いは、相互に背反する向きを指向する光入射分布を除外しているのは、いずれも相互に同一方向に沿った光入射方向を主体とするため、導光板13内の全体に均等に光を伝搬させる効果が薄く、却って均等化を妨げるように作用するからである。
本実施形態の場合には、上記の複数の発光領域列R1〜R4により構成される光入射分布11stにより、導光板13の内部において、放出光11Lの一部は、光入射方向に隣接する他の発光領域列に向けて、別の発光領域列や外周端面13Cを経由せずに、伝搬していく。また、これと同時に、放出光11Lの他の一部は、上記隣接する他の発光領域列の方位との間にある導光板13の外周縁13Dの対応する部分にある外周端面13Cに向けて、別の発光領域列や他の外周端面を経由せずに、伝搬していく。特に、図示例の場合には、上記隣接する他の発光領域列の全体のいずれの位置に向けても、また、上記外周縁の対応する部分の全体のいずれの位置に向けても、いずれかの発光領域列R1〜R4からの放出光11Lが、直接に(別の発光領域列や他の外周端面を経由せずに)到達するように配列される。これにより、外周部分Aoを含めた光出射範囲の輝度分布を容易に均等化することができる。
ここで、本実施形態では、複数の発光領域列R1〜R4がそれぞれ光出射範囲の中央部分Aiの周りの異なる方位に配置される。また、各発光領域列R1〜R4は、中央部分Aiの周りを相互に同じ向きで回転する方向に沿った指向性を示す光入射分布11stをそれぞれ構成する。より具体的に述べると、各発光領域列R1〜R4による放出光11Lの導光板13への入射部分における主たる光入射位置及び光入射方向(光入射分布ベクトル11S)が、中央部分Aiの周りを同じ向きに回転する方向に沿うようにそれぞれ設定されている。このため、放出光11Lの一部により、各発光領域列R1〜R4から放出される放出光11Lが、それぞれの主たる光入射方向の側に隣接する他の発光領域列R1〜R4が配置される領域を背後から照明し合うことになる。これにより、従来構造のように外周端面13Cに沿った領域にのみ複数の発光領域を配列させる場合と比べると、発光領域列R1〜R4の配置箇所の近傍の輝度のばらつきを容易に低減できる。
また、本実施形態では、相互に異なる位置を有し、相互に異なる方向を指向する光入射分布11stを構成する複数の発光領域列R1〜R4から放出される放出光11Lの他の一部は、導光板13の内部において外周部分Aoへ向けてそれぞれ伝搬し、それぞれ外周縁13Dの対応する部分に到達する。このため、特に外周部分Aoの輝度分布の均一化や他の領域に対する輝度の均等化を図ることができる。特に、複数の発光領域列R1〜R4が導光板の入射部分においてそれぞれ中央部分Aiの周りを回転する方向を指向する光入射分布11stを構成することにより、各発光領域列R1〜R4の放出光11Lは、それぞれ外周縁13Dの対応する部分を相互に同等の態様で照明することができる。これにより、光出射範囲の外周部分Aoの輝度分布が回転方向に均等化される。
また、各発光領域列R1〜R4では、複数の発光領域11Aが光出射範囲の中央部分Aiから外周部分Aoに向けて配列される。このため、発光領域列R1〜R4からの回転方向と外周方向への放出光11Lの分配供給が容易になるとともに、光出射範囲内の中央部分Aiから外周部分Aoへ向かう半径方向の輝度の均質化を図ることができる。特に、図示例では、中央部分Aiの周りに配置される上記複数の発光領域列R1〜R4の回転方向に隣接するもの同士の相互距離は、いずれも、中央側から外周側へ進むほど徐々に大きくなる。このため、放出光11Lの回転方向と外周方向への分配態様が、複数の発光領域列の全てにわたって、すなわち、全周にわたって、バランスの取れた状態で実現される。
本実施形態では、導光板13の平面形状は、複数の発光領域列R1〜R4の数と同じ角数を備えるとともに、複数の発光領域列R1〜R4の方位間隔と同じ角部の方位間隔を備える多角形状に構成される。このようにすると、各発光領域列R1〜R4の間に、一定の方向に延在する外周縁13Dの対応部分として各辺が配置されることで、各発光領域列R1〜R4から対応する外周端面13Cへの放出光11Lの供給が容易化される。また、上記複数の発光領域列R1〜R4が第1の主面13A(光出射範囲)の対角線によって規定された方位に配置される。具体的には、複数の発光領域列R1〜R4は、多角形状の対角線が延在する各方位に配置される。図示例では、全ての対角線によって中央部分Aiの周りに4つの方位が設定されるが、これらの4つの方位にそれぞれ配置される4つの発光領域列R1〜R4が設けられる。各発光領域列R1〜R4により構成される光入射分布11stの主たる光入射位置及び光入射方向を示す光入射分布ベクトル11Sを延長した線と、この放出光11Lが向かう上記対応する辺(外周端面13C)とが斜めに交差する。このため、外周端面13Cにおける光の反射(外周端面13C自体による全反射、或いは、外周端面13Cに沿って配置される光反射板15などの光反射要素による光反射)により、放出光11Lがさらに導光板13の全体に分散され易くなる。更に、導光板13の平面形状において中心部分から各角部までの比較的距離の長い線上に沿って発光領域列R1〜R4を配置することが可能となり、配置可能な発光領域の数を増やすことが可能となり、また、比較的光線の届きにくい導光板13の外周端13Dへより効率的に光線を行き渡らせることが可能となる。したがって、光出射範囲の輝度分布をさらに均等化することができる。
本実施形態では、さらに、各発光領域列R1〜R4において、複数の発光領域11Aが直線状に配列される。更に、複数の発光領域列R1〜R4では、複数の発光領域11Aが導光板13の平面形状における各対角線が延在する方向に沿って配列されている。また、複数の発光領域11Aの配列間隔も一定である。このため、発光素子11及び配線基板12などの構成が簡易化され、製造コストも低減できる。さらに、各発光領域列R1〜R4では、複数の発光領域11Aの指向特性11tが相互に同一の方向に設定されている。特に、個々の発光領域11Aの指向特性11tと全体の光入射分布11stはいずれも発光領域11Aが配列される方向と直交する方向を指向している。このため、各発光素子11の実装姿勢は同一でよく、また、配線基板12の表面と発光領域11Aとの間に角度を付ける必要もないから、発光素子11及び配線基板12などの発光構造の構成がさらに簡易化され、製造コストもさらに低減できる。更に、複数の発光領域11Aが凹溝13Eの延在する方向に沿って配列されることで、複数の発光領域11Aと一方の内側面13Eaとが平行状態となる。そのため、発光領域11Aからの方射光11Lが一方の内側面13Eaへ垂直に入射するため、全反射により一方の内側面13Eaの面上で反射されて導光板13内に入射されない光線を少なくすることが可能となる。
次に、図3及び図4を参照して、本発明に係る第2実施形態について説明する。この第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分には同一符号を付して説明を省略する。また、導光板23は、その凹溝23Eの形状及び構造が異なるだけであり、その他の材質や各面の形状や構造が同一に構成され得るため、同一に構成できる部分についても説明を省略する。さらに、この第2実施形態における第1実施形態と同様の作用効果についても説明を省略する。
この第2実施形態では、図3に示すように、導光板23に設ける凹溝23Eの形状が第1実施形態とは異なる。この凹溝23Eは、4つの線状延在部が設けられている点は第1実施形態と同様であるが、各線状延在部が配置され、延在する方位は、第1実施形態とは異なり、外周縁13Dの各辺の中点に向かう方位である。その結果、凹溝23Eは全体として十字状に構成される。
この第2実施形態では、上記線状延在部内にそれぞれ配置される発光素子11及び配線基板12と、凹溝23E内の発光素子11及び配線基板12の収容態様は第1実施形態と同様である。ただし、各線状延在部が配置される方位が異なることにより、発光領域群11G′の配列態様、すなわち、各発光領域列R1′〜R4′が配置される中央部分Aiの周りの方位や、各発光領域列R1′〜R4′内の複数の発光領域11Aの配列方向、さらには、これらに起因する発光領域11Aの指向特性11t′及び各発光領域列による光入射分布11st′も第1実施形態とは異なる。なお、以上の導光板23の構造やこれに対応する発光領域列の配置構成のみを第1実施形態や他の構成例に適用しても構わない。
また、この第2実施形態では、図4に示すように、凹溝23Eにおける光入射側の内側面23Eaとは反対側の内側面23Ebに沿った光反射層23rが、内側面23Eb上に配置されるのではなく、配線基板12の背面上に配置されている点で第1実施形態とは異なる。さらに、凹溝23Eの内底面23Ecに沿った遮光層23sが内底面23Ec上に配置されるのではなく、発光素子11の上面(内底面23Ecと対向する面)上に配置される点で第1実施形態とは異なる。ただし、この遮光層23sが単なる遮光要素ではなく、内底面23Ec側の面が光反射面である光反射要素としても構成できる点は第1実施形態と同様である。このようにすれば、導光板23の凹溝23Eの内面上に光反射要素や遮光要素を形成する必要がなくなる一方で、発光素子11上に光反射要素や遮光要素を予め配置してから、配線基板12とともに凹溝23E内に導入するだけで、上記構成が実現される。これにより、製造コストを低減できる。なお、以上の凹溝23Eの内部構成のみを第1実施形態や他の構成例に適用しても構わない。また、光反射層13rと遮光層(光反射層)13sのいずれか一方のみを第1実施形態又は第2実施形態或いは他の構成例に採用し、いずれか他方を光反射層23rと遮光層(光反射層)23sのいずれか対応するものとして構成してもよい。
第2実施形態では、複数の発光領域列R1′〜R4′が配置される方位が異なるだけで、他の構成は4回の回転対称性を有する点も含め、基本的に第1実施形態と同様である。ただし、各発光領域列R1′〜R4′の光入射分布11st′の主たる光入射位置及び光入射方向(光入射分布ベクトル11S′の位置及び方向)は、外周縁23Dの各辺に対して基本的に平行であるか直交するかのいずれかであるため、放出光11Lが各辺の光反射板15において入射方向に近い角度方向に反射される割合が多くなる。このため、本実施形態では、主として、光入射分布11st′に含まれる放出光11Lの角度分布に起因して生ずる外周端面23Cや光反射板15に斜めに入射する光成分の反射作用により、導光板23内の放出光11Lの伝搬方向の拡散が生ずる。
図5は、上記各実施形態に適用可能な構成例を示すものである。この構成例では、導光板33の凹部構造以外は上記第1実施形態又は第2実施形態と同様に構成できる。この構成例では、導光板33に設ける凹溝33Eの外周端が延長され、凹溝33Eが導光板33の外周縁33Dに達している点で先の各実施形態とは異なる。すなわち、凹溝33Eは、外周縁33Dにおいてそのまま外周側に開口した状態とされる。このようにすると、発光領域列の長さを十分に確保できるため、広範囲にわたって多数の発光領域を配置することができる。したがって、光出射範囲の輝度分布の均等化に有効な場合がある。
図6には、さらに他の構成例を示す。この構成例でも、導光板43の凹部構造以外は上記第1実施形態又は第2実施形態と同様に構成できる。この構成例では、導光板43に凹溝の代わりに複数の凹部43eを配列させた凹部列43Eを形成している。各凹部43eには、それぞれ発光素子11が一つ若しくは複数ずつ収容され、各発光領域11Aからの放出光11Lが凹部43eの内側面からそれぞれ導光板43内に入射するように構成される。これによれば、導光板43内において凹部43eが形成されていない領域が増えるため、導光板43内の光の伝搬性を高めることができる。したがって、光出射範囲の輝度分布の均等化に有効な場合がある。
図7は、さらに別の構成例を示すものである。この実施形態でも、導光板53の凹部構造以外は上記第1実施形態又は第2実施形態と同様に構成できる。この構成例では、導光板53に複数の凹溝53Eを形成し、各凹溝53E内にそれぞれ発光領域列を形成する。すなわち、上記各実施形態の一体に構成された凹溝の代わりに、各線状延在部に相当する部分を相互に分離して形成している。これによれば、凹溝53Eが形成されていない中央部分や外周部分では、凹溝に妨げられることなく、導光板53内の光の伝搬性を高めることができる。したがって、光出射範囲の輝度分布の均等化に有効な場合がある。
図8は、第1実施形態の発光領域群11Gの配列態様を備える場合において、導光板13に形成すべき光散乱要素spの分布態様を示す。第1実施形態の発光領域群11Gの配列態様を光出射範囲の全体に均等な光散乱要素spを備える導光板、或いは、光散乱要素spを全く備えない導光板に採用したときを想定し、第1の主面13Aの光出射範囲(全面)の輝度分布をシミュレーションした。その結果、中央部分Aiのうちの発光領域11Aが配置されない領域である中心領域Aipと、各発光領域列R1〜R4上の位置から、当該位置に対してそれが構成する光入射分布11stの主たる光入射方向とは反対側に隣接した位置までの、当該発光領域列に沿った領域である列背後領域R1p〜R4pと、各発光領域列R1〜R4の外周端の外周側に隣接する位置から、当該位置に対して上記主たる光入射方向とは反対側に隣接する位置までの領域である外周背後領域R1Aop〜R4Aopの3箇所の輝度が低くなることが判明した。このため、上記中心領域Aip、上記列背後領域R1p〜R4p、及び、上記外周背後領域R1Aop〜R4Aopの光散乱要素の密度を、それぞれ他の領域よりも高めている。これによって、光出射範囲(第1の主面13Aの全体)の輝度分布をさらに均等化することができた。
図9は、第2実施形態の発光領域群11G′の配列態様を備える場合において、導光板23に形成すべき光散乱要素spの分布態様を示す。第2実施形態の発光領域群11G′の配列態様を光出射範囲の全体に均等な光散乱要素spを備える導光板、或いは、光散乱要素spを全く備えない導光板に採用したときを想定し、光出射面の輝度分布をシミュレーションした。その結果、中央部分Aiのうちの発光領域11Aが配置されない領域である中心領域Aip′と、各発光領域列R1′〜R4′上の位置から、当該位置に対してそれが構成する光入射分布11S′の主たる光入射方向とは反対側に隣接する位置までの発光領域列にそれぞれ沿った領域である列背後領域R1p′〜R4p′と、各発光領域列R1′〜R4′の外周端の外周側に隣接する位置から、当該位置に対して主たる光入射方向とは反対側に隣接する位置までの領域である外周背後領域R1Aop′〜R4Aop′の3箇所の輝度が低くなることが判明した。このため、上記中心領域Aip′、上記列背後領域R1p′〜R4p′、及び、上記外周背後領域R1Aop′〜R4Aop′の光散乱要素spの密度を、それぞれ他の領域よりも高めている。これによって、光出射範囲(第1の主面23Aの全体)の輝度分布をさらに均等化することができた。
なお、図8及び図9において説明した上述の光散乱要素spは、光出射範囲において、平面的に上記各領域に配置されればよい。例えば、光散乱要素spは、第1の主面13A,23Aや第2の主面13B,23B上の上記表面散乱構造や上記付加散乱構造として形成してもよく、或いは、導光板13,23の内部に分散配置される光散乱性粒子などの上記内部散乱因子として形成してもよい。また、光出射範囲の輝度分布の状況に応じて、上記3箇所のうちの必要と考えられる少なくとも1箇所に光散乱要素spの高密度領域を形成すればよい。
図10は、上記各実施形態に適用可能な異なる構成例を示す拡大部分断面図である。また、図11は、この構成における導光板63と発光領域61Aとの位置関係を模式的に示す平面図である。この構成例では、先に説明した上記各実施形態と同様に凹溝63E内に複数の発光素子61が配列された配線基板62が配置されている。しかし、この構成例では、図10に示すように、一対の配線基板62が、凹溝63E内において発光素子61の実装面が相互に背中合わせになるように収容されている。これにより、図11に示すように、背中合わせに隣接する一対の発光領域列R1aとR1b、R2aとR2b、R3aとR3b、R4aとR4bが設けられる。なお、これらの各組の発光領域列同士は、相互に背反する(反対向きの)主たる光入射方向を備える光入射分布をそれぞれ構成する。ここで、図示例では、一対の配線基板62が用いられるが、単一の配線基板62の両面にそれぞれ発光素子61が実装されていてもよい。また、両側の複数の発光素子61の列が相互に凹溝63E内の延在方向の同じ位置に同じ間隔で配置されるが、相互に異なる位置に配置され、異なる間隔で配置されていてもよい。なお、この構成例は、上記各実施形態や他の構成例若しくは構成に対して独立して適用することが可能である。
図12及び図13は、上記各実施形態に適用可能なさらに異なる構成例を示す概略平面図である。図12に示す構成例では、導光板73に対して複数の発光素子71が配列されることにより構成された発光領域列R1c〜R4c内において、導光板73の光出射範囲の輝度分布が均等化されるように、発光素子71の配列方向である半径方向の位置をそれぞれ等間隔又は等密度の配列態様から変更した例を示す。図示例では、中央部分Aiの近傍において発光素子71の配置密度が小さいことによる中央部分Aiの輝度の低下を抑制するために、各発光領域列R1c〜R4c内の中央側に配置される発光素子71を中央寄りに移動させている。また、外周部分Aoの近傍において発光素子71の配置密度が小さいことによる外周部分Aoの輝度の低下を抑制するために、発光領域列R1c〜R4c内の外周側に配置される発光素子71を外周寄りに移動させている。なお、このような配列間隔や配置密度を場所によって変更した構成例は、上記各実施形態や他の構成例若しくは構成に対して独立して適用することが可能である。
図13に示す構成例では、導光板73′に対して複数の発光素子71が配列されることにより構成された発光領域列R1c′〜R4c′内において、導光板73の光出射範囲の輝度分布が均等化されるように、各発光領域列R1c′〜R4c′の位置を中央部分Aiの周りの回転方向に変更した例を示す。図示例では、発光領域列R1c′〜R4c′を、その光入射分布の主たる光入射方向の向きとは逆向きへ移動させた例を示す。このようにすることにより、発光領域列R1c′〜R4c′の近傍の輝度分布や外周部分Aoの輝度分布を全体に調整することができる。なお、このような構成例は、上記各実施形態や他の構成例若しくは構成に対して独立して適用することが可能である。また、この構成例は、各発光領域列における複数の発光領域が配列される方向と半径方向との交差角を変更した構成例として把握することもできる。
図14は、上記各実施形態に適用可能な別の構成例を示す概略平面図である。この構成例は、導光板83の外形(外周縁83D)が多角形以外の形状を有する構成を示している。具体的には、各外周縁83Dの各辺83D1〜83D4の形状が、直線では無く曲線として構成されている。このように、導光板83の平面形状は特に限定されるものではない。ただし、この構成例では、外周縁83Dの各辺83D1〜83D4の形状が、平面充填性を満足する態様を備えることによって、後述するように、複数の照明モジュールの光出射範囲が平面的に配列された構造を有する照明装置を構成することが可能になる。なお、平面充填性は、複数種類の平面パターンの光出射範囲を有する複数種類の照明モジュールの組み合わせにより得られるようにしてもよい。しかし、図示例のように、一種類の平面パターンの光出射範囲だけで平面充填性が得られることが望ましい。このような平面形状としては、正三角形、正方形、正六角形が挙げられる。なお、このような外周縁83Dのような平面充填性を備える種々の形態上の変更構成は、上記各実施形態や他の構成例若しくは構成に対して独立して適用することが可能である。
図14には、複数の発光領域列が相互に重なる態様で配置される構成も示されている。図示例では、複数の発光素子81が中央部分の周りの4つの方位においてそれぞれ半径方向に配列されているが、一つ置きの発光素子81の列R11,R21,R31及びR41と、残りの一つ置きの発光素子81の列R12,R22,R32及びR42とが相互に背反する向きを指向する逆向きの光入射分布が構成される。すなわち、この例では、それぞれ所定の光入射分布を構成する二つの発光領域列R11,R21,R31及びR41と、R12,R22,R32及びR42とが同じ方位において一列に重ねて配置される。具体的には、各方位に配置される発光領域81Aの列内において、複数の発光領域81Aが交互に反対側に向いた姿勢で配列されるため、二つの逆の指向性を有する光入射分布を構成する発光領域列R11,R21,R31及びR41と、R12,R22,R32及びR42とが含まれることとなる。したがって、この構成例では、R11、R21、R31及びR41が相互に対向及び背反しない、相互に異なる向きの指向性を示す光入射分布を構成する複数の発光領域列となる。また、発光領域列R12,R22,R32及びR42についても同様である。なお、このような構成も、上記各実施形態や他の構成例若しくは構成に対して独立して適用することが可能である。また、この構成例は、図11に示す構成例と同様に、光出射範囲の中央部分の周りに相互に同じ向きで回転する方向に沿った光入射分布を備えた複数(4つ)の発光領域列を、正逆両方の回転の向きについてそれぞれ一組ずつ有するものと考えることができる。
図15には、三つの発光領域列R1d、R2d、R3dが3回の回転対称性を備える態様で配置されている構成が示される。上記構成のように、複数の発光領域列を、導光板13の中央部分の周りにn(nは3以上の自然数)回の回転対称性を有するように配置することにより、各発光領域列により照射するべき光出射範囲の面積を均等に分配することが可能となり、光出射範囲全体の輝度分布の均等化を図りやすくなる。また、この場合、導光板93の平面形状は、図示実線の正方形などの四角形であってもよいが、3回の回転対称性と整合する平面形状を有する導光板、例えば、正三角形状の導光板93′や正六角形状の導光板93″などとすることにより、輝度分布の均質化を図りやすくなる。この場合、導光板の平面形状は3(n)の自然数(m)倍の正k多角形でありうる(k=n×m)。また、mやkを無限大としたときの平面形状としての円形の導光板であってもよい。なお、このような構成は、3以上の任意の自然数nについて、上記各実施形態や他の構成例若しくは構成に対して独立して適用することが可能である。
図15に示す発光領域列R1d〜R3dでは、各発光領域列内の発光素子91の発光領域91Aの配列方向と、各発光領域列R1d〜R3dの光入射分布(ベクトル91S)の主たる光入射方向とが相互に直交していない構成が示されている。このように、本発明では、先の各実施形態のように、各発光領域列内の発光領域の配列方向に対して、当該発光領域列の光入射分布の主たる光入射方向が直交する場合に限定されるものではなく、90度未満の角度で傾斜していても構わない。このように、発光領域列の配列方向と主たる光入射方向との交差角を調整することにより、光出射面の輝度分布のさらなる均等化を図ることが容易になる。なお、このような構成は、上記各実施形態や他の構成例若しくは構成に対して独立して適用することが可能である。
以上説明した各実施形態及び構成例若しくは構成を有する照明モジュールは、単独で照明装置として用いることが可能である。ここで、上記照明モジュールの特徴点の一つとして、導光板の外周端面に沿って複数の発光素子を配列させることが必ずしも必要とされない点が挙げられる。この特徴点を活用する態様として、複数の照明モジュールの光出射範囲を平面的に配列させた複合的な構成を備える照明装置として構成することもできる。なお、本明細書において「平面的」とは、厳密な平坦面に沿った場合のみを意味するものではなく、曲面上に沿った場合をも包含する意味に用いる。本実施形態では、導光板の外周端面に沿って複数の発光素子を配列させる必要がないため、照明モジュールの光出射範囲を平面的に配列させる場合でも、隣接する導光板同士を接近配置させることができる。このことから、各照明モジュールの導光板の間の間隔を低減できる。また、これにより、隣接領域の輝度分布の均等性をいっそう確保しやすくなる。
図16及び図17は、第1実施形態又は第2実施形態と同様に構造を備えた二つの照明モジュール10X、10Yを配列させた構造を備える照明装置101、102の概略の平面構成を示す概略平面図である。ここで、導光板13X、13Yを左右に配列させ、光反射板15Xと15Yをそれぞれの導光板13X,13Yの外周縁の各辺の外周端面に沿って配置している。また、フレーム19′、19″が導光板13X,13Yを平面的に取り囲むように形成されている。ここで、図16に示す照明装置101では、光反射板15X,15Yがそれぞれ導光板13X,13Yの全周に沿って配置されている。また、フレーム19′は、二つの照明モジュール10Xと10Yを別々に包囲し、両モジュールの間に介在する隔壁19aを含む。なお、フレーム19′に隔壁19aを設ける代わりに、照明モジュール10X,10Yにそれぞれ専用のフレーム19を上記第1実施形態又は第2実施形態とまったく同様に設け、両フレーム19を相互に隣接するように配置してもよい。本実施形態では、各照明モジュール10Xと10Yは上述した発光モジュール10で説明したように、光出射範囲(照明モジュール10では第1の主面13A)の輝度が均等にされている。そのため、各照明モジュール10Xと10Yとを平面方向に配列した場合において、各照明モジュール10Xと10Yの外周縁および外周端面をどのように隣接させて配列したとしても、隣接領域の輝度分布の均一性が変化することは無い。また、本実施形態では、各照明モジュール10Xと10Yの間に発光素子や発光領域の列が配置されないため、隣接する導光板13Xと13Yを接近させることができる。したがって、結果として、光拡散板16の隣接領域が暗くなることを防止でき、照明装置全体の照明範囲の輝度の均一性を向上させることが可能である。なお、この効果は、後述する照明装置102〜104でも同様である。また、本実施形態では、照明モジュールは二つの場合を示しているが、三つ以上の照明モジュールを組み合わせて平面方向に配列した場合にも上記の効果が得られることはいうまでも無い。
一方、図17に示す照明装置102では、導光板13X,13Yの外周縁に配置される光反射板15X,15Yのうち、導光板13X,13Yの間に配置されていた光反射板15X,15Yを取り外し、導光板13Xと13Yの相互に対向する外周端面の間に光反射要素が配置されていない。また、フレーム19″には、二つの照明モジュール10Xと10Yの間に介在する隔壁が設けられていない。このように構成された照明装置102では、各照明モジュール10Xと10Yの内部に設けられた発光領域列が構成する光入射分布に従って導光板の内部を伝搬する放出光の一部11Lxa,11Lya(例えば、外周端面に対する入射角が臨界角以上である光)は各導光板の外周端面で全反射されるが、他の一部11Lxb,11Lyb(例えば、外周端面に対する入射角が臨界角を下回る光)が他方の導光板13X,13Yの内部に入射することにより、導光板13Xと13Yの隣接領域において光学的な相互作用が生ずる。これによって、照明モジュール10Xと10Yの間の輝度分布の均等性を高めることが可能な場合がある。特に、光入射分布の主たる光入射方向が導光板の外周縁の各辺に対して直交でもなく平行でもない傾斜方向に設定されている場合には、放出光のうちの一部11Lxa,11Lyaが同一の導光板内に留まると同時に、他の一部11Lxb,11Lybが他方の導光板へ入射するため、各照明モジュール内の輝度分布への影響を抑制しつつ、上記光学的相互作用を得ることができる。
図18には、上記第1実施形態の構成を備えた複数(4つ)の照明モジュール10を縦横に配列させた構造を備える照明装置103の例を示す。この例では、図17に示す照明装置102と同様に、隣接する導光板13の間に光反射板15を配置せず、また、フレーム19″に隔壁を設けないようにしている。この照明装置103では、導光板13同士の縦横の隣接領域において、隣接する照明モジュールにそれぞれ属する発光領域列R1とR3からの放出光により、或いは、隣接する照明モジュールにそれぞれ属する発光領域列R2とR4からの放出光により、各々上記と同様の光学的な相互作用が生ずる。この場合でも、第1実施形態では、図示のように光入射分布の主たる光入射方向が導光板の外周縁の各辺に対して直交でもなく平行でもない傾斜方向に設定されているため、放出光の一部が同一の導光板13内に留まると同時に、他の一部が他方の導光板13へ入射するため、各照明モジュール内の輝度分布への影響を抑制しつつ、上記光学的相互作用を得ることができる。
図19には、上記第2実施形態の構成を備えた複数(4つ)の照明モジュール20を縦横に配列させた構造を備える照明装置104の例を示す。この例では、図17に示す照明装置102と同様に、隣接する導光板23の間に光反射板15を配置せず、またフレーム19″に隔壁を設けないようにしている。この照明装置104では、導光板23同士の縦横の隣接領域において上記と同様の光学的な相互作用が生ずる。この場合には、第2実施形態では、図示のように光入射分布の主たる光入射方向が導光板23の外周縁の各辺に対して直交又は平行に設定されているため、放出光のうちの多くの部分が他方の導光板23へ入射する。このため、実質的に隣接領域で導光板23が連続している場合と同様の光学的作用が生ずるので、一体的な光学設計が可能となる。なお、この場合においても、各発光領域列R1′〜R4′からの放出光には導光板23の外周縁の各辺に対して直交でも平行でもない方向に伝搬する光が含まれるため、これらの光については、上記照明装置103と同様に、一部の光が全反射により同じ導光板23の内部に留まることとなる。
なお、本発明の照明モジュール及び照明装置は、上記実施形態に記載の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づく種々の異なる態様を含む。たとえば、上記各実施形態では、各発光領域列の光入射分布の主たる光入射方向の向きを光出射側から見て反時計回りに設定しているが、これとは逆に時計回りに設定してもよく、或いは、図11及び図14のように反時計回りと時計回りの双方に設定しても構わない。また、本発明は、相互に対向及び背反しない態様で相互に異なる向きの光入射分布を構成する複数の発光領域列を有することを特徴とする。ただし、このことは、図11及び図14を見れば理解できるように、相互に対向する光入射分布を構成する複数の発光領域列、或いは、相互に背反する光入射分布を構成する複数の発光領域列を含む場合を排除することを意味しない。
10,20…照明モジュール、11…発光素子、11A…発光領域、12…配線基板、13,23,33,43,53…導光板、13A,23A…第1の主面、13B,23B…第2の主面、13C,23C…外周端面、13D,23D…外周縁、13E,23E…凹溝、33e…凹部、33E…凹部列、13r,23r…光反射層、13s,23s…遮光層、14…光反射板、15…光反射板、16…光拡散板、16A…光入射面、16B…光出射面、16C…外周端面、17…制御基板、18…制御回路、19…フレーム、19a…隔壁、101,102,103,104…照明装置、R1〜R4…発光領域列、11t…発光領域の指向特性、11st…発光領域列により構成される光入射分布、11S…光入射分布ベクトル(主たる光入射位置及び光入射方向を示す)、Ai…光出射範囲の中央部分、Ao…光出射範囲の外周部分

Claims (18)

  1. 入射された放出光に基づいて出射光を出射する第1の主面及び前記第1の主面とは反対側に設けられた第2の主面を有し、内側面を備える凹部を前記第2の主面に備えた導光板と、
    前記凹部の前記内側面に前記放出光がそれぞれ入射するように配置された複数の発光領域が配列された発光領域列であって、前記複数の発光領域から放出される前記放出光により前記導光板の入射部分に構成される光入射分布が相互に対向及び背反しない態様の相互に異なる向きの指向性をそれぞれ示すように構成された複数の発光領域列と、
    を具備することを特徴とする照明モジュール。
  2. 前記複数の発光領域列は、前記第1の主面の光出射範囲の中央部分の周りの相互に異なる方位に配置され、
    前記複数の発光領域列において、前記光入射分布は、前記中央部分の周りを相互に同じ向きで回転する方向に沿った指向性をそれぞれ示すことを特徴とする請求項1に記載の照明モジュール。
  3. 前記複数の発光領域列では、前記複数の発光領域が前記中央部分から前記光出射範囲の外周部分に向けてそれぞれ配列されることを特徴とする請求項2に記載の照明モジュール。
  4. 前記複数の発光領域列の間の前記中央部分の周りの回転する方向に沿った距離は、前記中央部分の側から前記外周部分に向かうほど徐々に広くなることを特徴とする請求項3に記載の照明モジュール。
  5. 前記導光板の平面形状は、前記複数の発光領域列の数と同じ角数を備えるとともに、前記複数の発光領域列の方位間隔と同じ角部の方位間隔を備える多角形状に構成されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の照明モジュール。
  6. 前記複数の発光領域列は、前記多角形状の対角線が延在する各方位に配置されることを特徴とする請求項5に記載の照明モジュール。
  7. 前記複数の発光領域列では、前記複数の発光領域が前記多角形状の各対角線が延在する方向に沿って配列されることを特徴とする請求項6に記載の照明モジュール。
  8. 前記複数の発光領域列は、前記中央部分の周りにn(nは3以上の自然数)回の回転対称性を有するように配置されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の照明モジュール。
  9. 前記導光板の平面形状は、前記中央部分の周りにn×m(mは自然数)回の回転対称性を有することを特徴とする請求項8に記載の照明モジュール。
  10. 前記導光板には、前記第1の主面上、前記第2の主面上、又は、前記導光板の内部において、前記中央部分のうちの前記発光領域が配置されていない領域である中央領域、前記発光領域列上の位置から、当該位置に対して前記発光領域列が構成する前記光入射分布の主たる光入射方向とは反対側に隣接する位置までの、前記発光領域の配列に沿った領域である列背後領域、或いは、前記発光領域列の外周側の端部である外周端の外周側に隣接する位置から、当該位置に対して上記主たる光入射方向とは反対側に隣接する位置までの領域である外周背後領域のうちの少なくともいずれか一つの領域に、出射光の出射率を高めるための光散乱要素が他の領域よりも高密度で形成された高密度散乱構造が設けられることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載の照明モジュール。
  11. 前記凹部は、前記発光領域列における前記発光領域の配列方向に沿って伸びる凹溝であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の照明モジュール。
  12. 前記発光領域と前記凹部の内底面との間には遮光要素が配置されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の照明モジュール。
  13. 前記発光領域と前記凹部の内底面との間には、前記内底面の側からの光を反射する光反射要素が配置されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の照明モジュール。
  14. 前記導光板の外周縁に沿って光反射要素が配置されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の照明モジュール。
  15. 前記導光板の前記第2の主面に沿って光反射要素が配置されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の照明モジュール。
  16. 前記導光板の前記第1の主面からの前記出射光を入射する光入射面と、前記導光板とは反対側に配置される光出射面とを備える光拡散板をさらに具備することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の照明モジュール。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の複数の照明モジュールを含み、各照明モジュールの前記導光板の光出射範囲が平面的に配列されることを特徴とする照明装置。
  18. 前記複数の照明モジュールのうち、前記光出射範囲の平面的な配列内における前記導光板の間の隣接領域は、両側の前記導光板の間で相互に前記放出光が透過可能な光学特性を有することを特徴とする請求項17に記載の照明装置。
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