JP2018092009A - フレットの設計方法及びフレット弦楽器 - Google Patents

フレットの設計方法及びフレット弦楽器 Download PDF

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Abstract

【課題】フレット楽器のフレットの設計に際し、弦が基本的に有する物理特性としての剛性、フレット楽器が演奏上逃れられない押弦による弦長と張力の変化、これに加えてエレクトリックギターでは電磁型ピックアップの作用による負スチフネスの影響を理論解析して全弦、全フレットにおいて十二平均律音階と一致する振動周波数が得られ、必要に応じて特定の調律曲線にアレンジ可能なフレットの設計・製作を行う。
【解決手段】弦を巻き取ることにより張力を与えて開放弦の振動周波数を平均律音階に一致させる過程や演奏時における押弦により変化を受ける弦径、断面積、線密度等の諸元を理論的に求めて新たな諸元とする。さらに電磁型ピックアップが存在する場合はその負スチフネスの影響及び必要なアレンジを考慮した振動周波数を予め補償し、これらの因子を含むフレット位置を変数とした方程式及びその数値計算プログラムを構築・解法してフレットの設計を行う。
【選択図】図13

Description

本発明は、フレット弦楽器用ネックに設けられる指板上のフレットに関するものであり、特に、厳密な十二平均律音階を得るフレットの設計・製作に関するものである。
図1は、フレット弦楽器の例として示したエレキギターの全体斜視図である。このような楽器は大まかには、ボディ1部、ネック2部、ヘッド3部で構成される。アコースティックギターであるクラッシックギターやフォークギターについても、ネック2とヘッド3の基本的考え方、役割は同一である。
ネック2には指板9が設置され、押弦により半音毎の音程を構成するための金属製のフレット10(101〜1021)が19〜22本設置される。これらは、一般にナット6に平行に直線形状となっている。ヘッド3にはペグ(糸巻き)4(41〜46)が取り付けられ、弦5(51〜56)を巻き取ることにより張力を変化させて調音を行う。
クラシックギターやフォークギターは、図2に示すようなボディ101に共鳴を意図とした空胴115と表面の共鳴板116にサウンドホール117を有し、独自に生音を響かす機構となっており、総じてアコースティックギターと呼ばれる。また、共鳴板115上にブリッジ107があり、その上にサドル108が設置される。エレクトリックギターは、セミアコースティックギターと呼ばれるボディ1が空胴のものもあるが、多くは硬い木材で構成されソリッドギターと呼ばれる。
ネック2の最上部に設置されるナット6とボディ1上のブリッジ7(107)に置かれるサドル8(108)間を開放弦長としてギターの場合弦5(51〜56)が張られる。
ギターでは、第1弦51から第6弦56の開放弦について十二平均律音階(以下、平均律音階と略す)のE4(329.627557Hz)、B3(233.08188Hz)、G3(195.997718Hz)、D3(116.54094Hz)、A2(110.0Hz),E2(82.406889Hz)音に調音される。
音階を決定するのは、各弦の振動周波数である。これは弦の質量と長さ、ペグによる弦の巻き取り量により決まる張力に関係し、弦の剛性及び摩擦を無視した理想状態の場合、数1に示すごとく与えられる。ここで、nはフレット番号を示し、n =0の10nはナット6であり、f0は開放弦の振動周波数である。
ここで、fn:nフレット10nの振動周波数[Hz]
ln:nフレット10nとサドル8間の弦長[m]
T :弦の張力[N]
σ:弦の線密度[Kg/m]
である。即ち、弦の振動周波数は、重くて長いものほど低音となり、弦を巻き取ることにより張力を強くするほど、また弦長を短くするほど高音になる。
各弦の振動長は、ナット6とサドル8間の開放弦長l0が最長であり、このときの振動周波数f0が最低音として上述のように設定され、押弦によりサドル8間との弦長lnを狭め、半音毎の振動周波数fnが得られるように指板上に金属製のフレット10nが設置される。
音階には、他の多くの楽器と同様に平均律音階が用いられる。平均律音階は、周波数440Hzである中央A(ラ)音を基本として、周波数が2倍の関係となる1オクターブを等比的に12分割したものであり、高音側には周波数を2の12分の1乗倍、低音側には2のマイナス12分の1乗倍とする半音の周波数毎に構成される。そこで、フレット弦楽器のnフレット10nの振動周波数fnは、ナット6とサドル8の解放弦長で決まる振動周波数をf0として、数2のごとく定義される。従って、開放弦長をl0とするとき、nフレット10nとサドル8の弦長lnは数3のごとく得られ、nフレット10nとn+1フレット10n+1間の幅は数4のように与えられる。
即ち、第nフレット10nでn=0はナット6を意味するが、数3は、第nフレット10nとサドル8間の弦長lnは、n-1フレット10n-1の弦長ln-1に2のマイナス12分の1乗(0.94387)を乗じて得られることを意味している。このことは、図3に示すがごとく、ナット6と第1フレット間幅l0-l1を高さとし、開放弦長l0を底辺とした直角三角形を考慮して、高さを半径とした円と底辺との交点である第1フレット弦長l1から垂線を斜線に引くとき、その交点により新たに出来る直角三角形は元の三角形と相似であり、この高さを半径とした円と底辺との交点より第1フレット10と第2フレット102間の幅l1-l2が求められる。この操作を繰り返すことによりすべてのフレット位置が求められ、第12フレット1012の弦長が開放弦長の2分の1となる。数4で示した各フレット幅ln-ln+1は、各フレット長lnを18に近い17.8175で除することにより得られることからこのフレット設計方法は18ルールと呼ばれている。一般にフレット楽器のフレット位置はこのようにして決められている。
ところで、クラシックギターではナイロン弦が多く用いられるが、フォークギターやエレクトリックギター、特にエレクトリックギターではその発音原理から必然的にスチール弦が用いられる。ナイロン弦も含め、どのような弦も完全に柔軟ではなく少なからず剛性を有しており、その影響により基本振動周波数fは、弦長をlとするとき数5のように与えられる(非特許文献1)。
ここで、Bは曲げ剛性による影響を表し、数6のように示される。
ここで、π:円周率
E :ヤング率[N/m2
d :弦径[m]
である。
したがって、例え開放弦については張力Tを調整して正しい振動周波数が与えられたとしても、剛性の影響は数5に示すように弦長により異なることから、数1より求められる振動周波数を想定して18ルールで設計されたフレット10ではいずれの振動周波数も平均律音階の周波数よりも高くなる。
音楽分野では、周波数のズレを細かく表すにはセント値が用いられる。1オクターブは周波数の比率が2倍であり、半音は1オクターブを等比的に12分割したものである。周波数f0に対するfのセント値は、1200×log2(f/f0)と定義されるが、先の半音及び1オクターブの周波数比を考慮すると、半音は100セント、1オクターブは1200セントとなる。
図4は、エレクトリックギターでは最も細い弦に属するエクストラ・ライトゲージと呼ばれる弦を対象として、18ルールで設計されたフレット10について数5で表される剛性の影響をl→lnとして各フレットの数1に対する振動周波数のズレをセント値で計算したものである。太い弦ほど、また、高域のフレットほど振動周波数のズレが平均律音階に対して大きくなることが確認される。表1に弦の諸元を示しているが、スチール弦の場合,第3弦53,あるいは第4弦54から6弦56は,線密度を増やす目的で芯線にニッケルやステンレスの細い線を密に巻いた巻弦が用いられる。ここで用いた弦5では,第4弦54から6弦56が巻弦となっており、剛性の影響は芯線について考慮したことから、第3弦53より第4弦54の方が小さい値を示している。細い弦を対象にしたことから、それほど甚大な影響を与えるとは言えないが、開放弦以外のすべてのフレット10において平均律音階からのズレを与える要因となっていることを確認することが出来る。
次に、フレット10間で押弦することにより発生する現象について考慮する。図5は、ギターやエレクトリックギターの弦5の架設、フレット10における押弦による弦長の考え方を示したモデル図である。弦5は、開放弦において左側支持端に位置するペグ4により巻き取られることにより張力が発生する。このとき、弦5は、ナット6とサドル8間の開放弦長l以外の部分le = l1 + l2も引き延ばされ、弦径は減少し、これに伴い弦の断面積、線密度も若干小さくなる。指板9は押弦により振動部の弦5とフレット10との接触が無いように若干傾斜を持たせて設置されており、フレットを押さえたときに振動周波数を決定する弦長lnは、水平状態で数1により決定される値とは、微小な差ではあるものの、明らかに異なるものとなる。
図6は、開放弦においてペグ4で張力を調整後、18ルールで決定された各フレット位置で押弦した場合に、数5より求められる振動周波数の平均律音階からのズレをセント値で求めたものであり、弦径が大きい弦ほど、高域フレットになるほど大きくなることが確認される。なお、弦高は、市販のエレクトリックギターの実測値を参考として、図7のように設定している。
このような18ルールがもたらす不具合は、楽器業界では既知のことであり、アコースティックギターでは図2に示すようにサドル108を斜めに設置して、弦径が大きい低音弦ほど弦長が長くなるように工夫されている。また、エレクトリックギターでは、図8のブリッジの拡大図に示すように弦5毎にサドル8の位置が調整できるように考慮されている。これらサドル8の位置は、第12フレット1012での音階が開放弦の振動周波数より1オクターブ高くなることを根拠に決定される。即ち、数5、図6で示したように、弦5の長さが短く弦径が太いほど剛性の影響が強いために高くなってしまう振動周波数を、第12フレット1012押弦時の弦長を伸ばすことにより補正している。
上記の補正はオクターブ調整と呼ばれ、サドル8の移動による第12フレット1012での振動周波数の調整と、その結果生じる開放弦の振動周波数の変化を補正するためのペグ4による張力の調整とを繰り返し行う必要がある。図9は18ルールで設計されたエレクトリックギターの第1,3,5弦51、53、55について1回のオクターブ調整を行ったときの振動周波数を測定し、平均律音階とのズレを求めた例である。未だ第12フレット1012で完全に0セントにならず調整の甘さはあるが、図6と比較するとき、低域、特に1〜7フレット101〜107では殆ど改善されておらずむしろ想定以上のズレを生じており、高域フレットでは周波数が低くなるズレを発生している。開放弦と第12フレット1012においては所望の平均律音階に調音されたとしても、それ以外のフレット10において、音楽的にも看過できないほどのズレを見せていることが確認される。
結果として、18ルールで設計されたフレット10では、オクターブ調整を行った場合でも、特に低域フレット、また第20フレット1020以上の高域フレットにおける振動周波数は、平均律音階との相当なズレを残したままである。このような事実に関係して、米国特許5,404,783号明細書(特許文献1)では、アコースティックギターについてサドルの位置を弦毎に調整できるブリッジを提案しており、また、18ルールで設計した第1フレット101とナット6の幅を3.3%狭くすることにより改善できることを提唱している。また、米国特許5,814,745号明細書(特許文献2)では、アコースティックギターのナイロン弦については3.3%、エレクトリックギターや第3弦が巻弦でないライトゲージの弦では2.1%、アコースティックのスチール弦やベースギター、ヘビーゲージの弦については1.4%の補正が適するとしている。但し、フレット10は直線形状のものが用いられており、特質の異なる各弦がフレット10の平行移動により一様に補正されるとは考え難い。
米国特許6,156,962号明細書(特許文献3)及び米国特許6,433,264号明細書(特許文献4)では、ナット6と第1フレット101を狭くする補正を各弦に施すためのナットを提案している。また特開2005−275340号明細書(特許文献5)では、剛性と押弦による弦5の伸びを考慮し、各弦の補正を行う補助具を提案している。これらの案件も、第1フレット101に対する補正が主体であり、全弦5、全フレット10に対して改善されるものではない。
既述のように、ギターに使用される弦は、第1弦51から第6弦56に向かって太くなり、第3弦53、もしくは第4弦54から第6弦56では巻弦が用いられているが、数5、6に示す特質を考慮して設計されているわけではない。そこで、弦毎にサドル8を調整してオクターブ調整を実施し、開放弦と12フレット1012の振動周波数を平均律音階に一致させることが出来たとしても、図9に示したように弦5の特質により振動周波数のズレは異なり、一様な直線形状のフレット10による正確な調音の実現は不可能である。従って、特許文献1〜5の主張は、主に低音弦の低次フレットの音程のズレを補正することは確かと思われるが、いずれの提案も18ルールに基づいて設計されたフレット10を基本に置いており、各弦5、各フレット10の細かな音程については未だ誤差が存在していることは明白である。
以上の考察に基づけば、フレット弦楽器のフレット10は曲線形状にならざるを得ないが、特表2009−532737号公報(特許文献6)では、各弦、各フレットの位置を個別に決定しそれらを繋ぎ合わせた階段状の曲線のフレットを開発している。弦の直下では弦と垂直に接触するように考慮されており正しい調音が期待されるが、理論的に求められているものではなく、押弦位置が開放弦直下から大きくずれるチョーキングやヴィブラート演奏には大きな弊害となる。
剛性と押弦の影響に加え、エレクトリックギターではピックアップ11の磁気吸引力の動的成分の係数である負スチフネスSn[N/m]の影響も存在する。弦長をl [m]、張力をT[N]、線密度をσ [Kg/m]としてc=(T/σ)1/2 [m/sec]とすると、サドル8より位置a[m]に負スチフネスSnが作用するときの振動周波数f[Hz]は、角振動周波数をω=2πf [rad/sec]として、数7を満たすものとなる(非特許文献2)。
この解は、正弦関数が周期関数であることから、無限の周波数モードが存在する結果となる。剛性の無い柔軟な理想的な弦5では高次の振動周波数は倍音関係にあるが、剛性が存在することにより高次の成分は非調和性を生じる。このような高次成分は部分音と呼ばれ、楽音としての大きな特質となる。数7で示した負スチフネスの影響も、同様に非調和性を発生させ、楽音としての特徴を形成するが、調音の対象である基本振動周波数は、ピックアップ11の位置や弦5の特質に応じて低下する。
図10は、表1に示した弦5を対象として、負スチフネス2 [N/m]がサドル8から弦長の4分の1の位置aに作用した場合の各フレット10の基本振動周波数の変化を求めたものである。振動弦長が長く、負スチフネスの作用点が振動弦長に対して中心に近いほど振動周波数の低下が大きく、また弦径や張力等に関係するが、ここでは第2弦への影響が最も強いことが確認される。複数の負スチフネスが存在する場合、振動周波数のズレをセント値で考慮する時、近似的に各ズレのセント値を加え合わせた値として得られることが調べられている(非特許文献3)。従って、複数のピックアップ11(111〜113)が存在する場合、振動周波数の低下は看過できない大きさとなる。
以上のように現状のフレット10の設計では、各フレット10での周波数誤差が必然的に生じることから、平均律音階に基づく厳密な楽音を得るためには、剛性や押弦、複数の負スチフネスの影響を理論的かつ総合的に考慮した設計が必要である。
米国特許5,404,783号明細書 米国特許5,814,745号明細書 米国特許6,156,962号明細書 米国特許6,433,264号明細書 特開2005−275340号明細書 特表2009−532737号公報
H. Fletcher、米国音響学会論文誌36巻1号、p.203〜209 原囿正博、他、日本音響学会論文誌36巻12号、p.615〜623 原囿正博、日本音響学会論文誌44巻3号、p.187〜193
現状のフレット弦楽器において平均律音階とのズレが発生する原因である弦の剛性や押弦の影響、さらにエレクトリックギターでは電磁型ピックアップの負スチフネスの影響について、弦径や線密度等の弦の諸元にも変化が発生することを加味した上で、理論的かつ総合的に考慮してサドルとフレット間の弦長を変数として定式化し、十二平均律音階に調音されるフレット位置を決定する数値計算プログラムの作成と数値計算によりフレット楽器の指板上のすべてのフレット位置、形状の設計・製作を行う。
課題解決のフローを図11に示している。まず、ナット6とサドル8間に架設した開放弦長に加え、図5に示したヘッド3部のペグ4間とナット6及びブリッジ7部のサドル8から弦の固定部間の弦長も加えて全弦長とした調音を理論的に考慮する。即ち、全弦長に対して、ペグ4により弦が巻き取られ、弦5には、その弾性係数に応じて張力が発生する。このとき、微小ながら弦5の直径、従って断面積、線密度も変化するが、これらを考慮した上で、弦の巻き取りにより与えられた張力と剛性の影響を受けた弦5の振動周波数を満たす張力とを等しくおくことにより、巻き取り長を変数とした方程式を構築、巻き取り長を算出する。次に、諸元を新たにして、各フレット10で押弦された場合、弦に伸びが発生しさらに諸元に変化が生じることを加味した上で、対象フレットの振動周波数が平均律音階のものと等しくなる条件の下に、サドル8から各フレット間長を変数とした方程式を構築する。方程式は、数値計算プログラムを作成して解法する。さらに、エレクトリックギターなど、電磁型ピックアップが存在する楽器では、その負スチフネスは弦の振動周波数をその作用点に応じて低下させることから、予め張力を強めて振動周波数の低下分を高めておくことにより補償するものとし、同時に発生する諸元の変化を考慮して各弦のサドル8からの各フレット間長を変数とした方程式を数値計算により再度解法して各フレット位置を算出する。
即ち、ナット6とサドル8の開放弦長l0[m]に対して外部弦長の合計をle[m]、弦径をd[m]、弦の断面積をS[m2]とすると、巻き取り長dl[m]による張力T[N]の発生は次の関係で与えられる。
また、振動周波数を与える数5、6より、開放弦において張力は次の数9を満たさねばならない。
初期弦径をd0[m]、初期断面積をS0[m2]、線密度を芯線分σ0[Kg/m]と巻弦分σe[Kg/m]とに分けて考慮するとき、開放弦長における弦の伸び(巻き取り長) dl [m]は、弦径及び断面積、線密度の変化を考慮した数8及び数9を等しく置いて得られる次の数10を解くことにより算出される。
但し、lt =l0 +leとした。
各弦5、各フレット10の設計にあたり、開放弦の振動周波数及びフレット10からの弦高hn[m]が設定された後、押弦による張力の増加を考慮してサドル8とフレット10間の振動弦長ln[m]を決定する。nフレット10nとナット6間の長さld[m]は、数11のごとく与えられ、lnは、数12を満たす値として数値計算により算出する。
ここでla[m]は、先に求めた弦の巻き取り長をdlとして、次式で与えられる押弦時の全弦長を示す。
電磁型ピックアップを有するギターについては、その負スチフネスによる影響を補償する。なお、数7で示した負スチフネスの影響は、通常使用されるピックアップ11では、2πσc2>>sn(l−a)と考えられ、基本1次モードの振動周波数の低下分Δfは、次式で近似できる。
まず、開放弦において数7、あるいは数14より負スチフネスによる周波数の低下を求め、平均律音階の周波数に合わせるための張力、これに基づき変化する諸元も新たに設定する。次に、先に求められたフレット位置について、作用点aに応じて各弦5、フレット10毎に負スチフネスの影響により低下する周波数を算出する。そして、複数の負スチフネスによる変化分を求め、それを補償するように振動周波数を予め高めに設定し、押弦の影響を考慮して改めて数12を解法することによりフレット位置を算出する。このとき、厳密に言及すれば、負スチフネスの影響を考慮する前後でフレット位置は若干異なるが、その差は各フレット10での振動長lに対しては極めて微小であり、数7、14及び図10等を考慮する時、負スチフネスの影響による周波数の変化Δfは、殆ど同一であると考えることができる。
図12に本発明の実施例の一つを示している。求められる各弦5の各フレット位置ln は、あくまでもサドル208からの弦長を与えるものであるが、本例はナット206及びサドル208をあえて直線形状に設定したものであり、任意フレット210の第1弦から6弦のフレット位置l1〜l6を結ぶ線分は必ずしも滑らかな曲線とはならない。その場合、演奏の簡便さを考慮し、各弦のフレット210を図12に示すように、滑らかな曲線に近似する。結果として、曲線に沿わない弦では、若干の誤差を発生することになるが、任意のフレット210を直線形状に設定することなどによりこの問題は改善される。
図13に実施例2として、第7フレット3107を直線形状に設定した場合のナット306、サドル308を含む各フレット310の設計例を示している。第7フレット3107近辺のフレットも殆ど直線形状に近いが、各弦のナット位置及びサドル308の位置は直線上にはなく、第1フレット3101など低域及び高域のフレットほど曲率が大きい曲線形状となっている。これらナット306やサドル308、各フレット310の微妙な変化を確認するために、指板を中心とした拡大図を図14に示している。なお、ナット306は、窪みを付けて架設される弦を支持する振動端であり、機構上の必要性から階段状としている。
本発明により設計された指板上の各弦のフレット310は、いずれも平均律音階に限りなく等しい音程を構成することができる。フレット310は曲率の小さい曲線形状となるが、任意のnフレット310nを直線形状に設定した設計も可能である。その場合近辺の数フレットも殆ど直線形状に近い形状となり、演奏上の不都合も発生しない。何より、低域フレット及び高域フレットで聴感上も感知できるような周波数のズレを完全になくすことが出来る。また、平均律音階に一致する完全な調音が可能であることから、これを基準として、例えばピアノで望まれる調律曲線(Sカーブ)のような高域周波数は高めに、低域周波数は低めに設定するというようなアレンジを加えたフレット310等も容易に設計することが可能である。
図15は、プロトタイプのネック302を作成し、第3弦についての各フレット310の振動周波数の測定値を市販ギターのものと比較して示したものである。プロトタイプは、手作りによるため製作精度には未だ問題があるが、全フレット310にわたり周波数偏差が大きく改善されており本発明の効果を確認することができる。
図1は、市販されている一般的なエレクトリックギターの斜視図であり、構造の概略と各部の構成要素を示すものである。 図2は、アコースティックギターのボディ101部を示した例である。響板116やサウンドホール115、特に剛性の影響や押弦による振動周波数のズレの補正を考慮したサドル108のソリッドギターとの差異を示している。 図3は、18ルールと呼ばれるフレット位置を図式的に設計する考え方を示したものである。 図4は、18ルールに基づいて設計されたフレット10の場合、剛性の影響により高域フレットになるほど振動周波数が平均律音階に対して高い方にずれることをセント値で示した図である。 図5は、総弦長や指板9の配置関係を示したフレット弦楽器の解析用のモデル図である。ナット6とサドル8間の開放弦長下に置かれたフレット10で刻まれた指板9は、弦5とフレット10が接触しないように弦5に対して斜めになっている。エレクトリックギターでは、サドル8に近い側に複数の電磁型ピックアップ11が置かれる。弦5の巻き取りによる延びを考える場合、ナット6とサドル8間の開放弦長に加え、ブリッジ7側及びナット6側の余分長も考慮する必要がある。 図6は、18ルールにより配置されたフレット10のままで各弦5、フレット10で押弦した場合の振動周波数の平均律音階に対してのズレをセント値で示したものである。第12フレット1012におけるオクターブ調整が行われない場合、高域フレットにおける周波数のズレは低音弦ほど顕著に生じることが理解される。弦長を初期値のままで計算しているがオクターブ調整が行われた場合、サドル8により振動部の弦長を伸ばし、第12フレット1012で0セントと置くことにより周波数のズレは改善されるが、以下の図9に示すように、開放弦音及び第12フレット1012音以外では、完全に改善されるわけではない。 図7は、市販のエレクトリックの弦高を測定して回帰曲線として与えた弦高である。 図8は、エレクトリックギター等で用いられるサドル8の例である。各弦5のオクターブ調整において、剛性の影響や押弦による振動周波数のズレを補正するために弦長が調整される。 図9は、市販のギターを対象として、第2弦52及び5弦55についてオクターブ調整を行った時の平均律音階からの振動周波数のズレをセント値で示したものである。 図10は、2[N/m]の値の負スチフネスがサドル8から弦長の4分の一の位置に作用した場合に各弦に発生する基本周波数の変化をセント値で示したものである。高域フレットにおいては、フレット10とサドル8間の弦長が短くなると共に、負スチフネスの作用位置が支持点に近くなることから、その影響が少なくなることを示している。 図11は、本発明の課題を解決する過程及びプログラムのフローチャートを示している。 図12は、本発明の実施例の一つであり、ナット206とサドル208を直線形状に設定した場合の各フレット形状を示している。 図13は、本発明の実施例の一つであり、第7フレット3107を直線形状に設定した場合の各フレット形状を示している。 図14は、本発明の実施例の一つである図13の、ナットから第7フレット3107、第15〜21フレット31015〜31021、サドル308部分を拡大して示したものである。 図15は、本発明の効果を確認するためにプロトタイプを作成し、第3弦53について18ルールで設計されたフレット10と本発明によるフレット310の周波数偏差を測定したものである。手作りのため、製作精度には未だ問題があるようであるが、全フレット310にわたり、周波数偏差が大きく改善されたことが確認できる。
図12は、各弦の開放弦長を等しくl0=0.6477mと置き、ナット206とサドル208を直線形状としたときの各フレット形状を示した実施例である。各フレット210はすべて曲線形状となり、特に5,6弦55,56の低域弦での曲率が大きくなっている。表2に本例で求められた各弦5の各フレット幅を示す。ナット206と第1フレット2101の幅は、18ルールでは36.353mmであるが、本発明では第1弦51で35.64mm、第6弦56では33.895mmであり第6弦56の方が1.745mm狭い結果となっている。このように弦の特質により補正は異なり、18ルールに対する補正比率は、第6弦56の第1フレット2101では6.761%と最も大きく、次に第5弦55の第1フレット2101、第6弦56の第2フレット2102、第4弦54の第1フレット2101の順となっており、4.967%、4.372%、3.589%、3.28%となっている。また、第2フレット2102までは全弦について、第3フレット2103では第3弦53から6弦56、第4フレット2104では第6弦56のみが補正比率1%以上となっている。第5フレット2105以上では、逆にフレット幅を広げている所も存在し、いくつかのフレット210で1%強の値の補正値を示すがそれ以外ではフレット幅1%以下の増減となっている。
ナット206及びサドル208を直線形状とした実施例1では、すべてのフレット210が曲線形状をなしていることが明確に分かるが、調音は完全であったとしても、演奏上好ましいとは限らない。そこで、図13に実施例2として、実施例1で求めたナット及び各フレット間の幅を変えること無く、第7フレット3107を直線形状としてナット306及びサドル308を含めて各フレット310を設定し直したものである。従って、各フレット間幅は実施例1と同一である。本例は第7フレット3107を直線形状としているが、いずれのフレット310を直線形状とすることが可能である。また、理論的な解析を基に進めることから、弦5の種類や弦毎の開放弦長の変更等など様々な選択が可能であり、設計上の制限や演奏上の有益性等を適宜判断しながら設計内容を固めることが出来る。なお、ナット306と第1〜7フレット3101〜3107、高域フレット部、サドル308部を拡大して図14に示している。ナット306と第7フレット3107間長は低域弦ほど短くなり、逆に第7フレット3107とサドル308間長は長くなっている。第7フレット3107近辺のフレットはほぼ直線形状に近いが、第1フレット3101の曲率は大きく、高域フレットでは曲率の小さい円弧の形状をなしていることが確認される。
本発明による実施形態によると、設計段階においてすべての弦5とフレット310について振動周波数が平均律音階のものと一致するように調整されることから、オクターブ調整等は不要である。但し、設計初期段階での諸元を基本とすることから、使用する弦5に対して指板309は特定化される。異なる弦に対しても厳格な調音を求めるならば、別の設計による指板を用いる必要がある。なお、本発明の基本は、各弦設定周波数を確定した上で理論解析に基づき最適なフレット位置、形状を提供することであるが、例えばピアノの調律曲線(Sカーブ)のような調音にアレンジしたフレット310の設計も可能である。
楽器業界の世界市場規模は約1兆円強と言われる。そのシェアは楽器総合メーカーであるヤマハが最も大きく20%程度、これにギブソン、ハーマン、ローランド、ゼンハイザー、フェンダー、河合、シュアー、スティンウェイの2%程度と続いている。ギター及びエレキギターに目を向けると、市場規模は3千億円であり、ヤマハのシェアは10%にも満たない。これにはフェンダー社のストラトキャスターとテレキャスター、ギブソン社のレスポールが神話的にスタンダードなモデルとして息づいていることが大きく作用している。もちろん新興メーカーによるギターや、調音に関する新たな試みも見られるものの、旧来からのスタンダードな設計法は根強く支持されている。
しかしながら、音楽というジャンルはファッション的要素が強いところがあるとしても、調音という音楽的に絶対的要素が軽んじられて良い訳もなく、多くのギタリストは現状のギターの調音に関して不完全さを感じていることは確かである。楽器の精度の向上、楽曲の完成度を高める上でも本発明を活かすことの価値は大である。問題は、その事実を理論的に演奏者に理解させると共に体感してもらい、伝統的な感性、ファッション性とをいかに融合させるかが肝要である。
1 ボディ
2 ネック
3 ヘッド
4 ペグ(糸巻き)
1 1弦ペグ


6 6弦ペグ
5 弦
1 第1弦


6 第6弦
6 ナット
7 ブリッジ
8 サドル
9 フィンガーボード(指板)
10 フレット
101 第1フレット


1021 第21フレット
11 電磁型ピックアップ
111 電磁型ピックアップ1
112 電磁型ピックアップ2
113 電磁型ピックアップ3
12 ピック・ガード
13 オクターブ・スクリュー
101 アコースティックギター・ボディ
102 アコースティックギター・ネック
105 アコースティックギター・弦
1051 アコースティックギター・第1弦


1056 アコースティックギター・第6弦
107 アコースティックギター・ブリッジ
108 アコースティックギター・サドル
109 アコースティックギター・フィンガーボード
110 アコースティックギター・フレット
11012 アコースティックギター・第12フレット


11020 アコースティックギター・第20フレット
112 アコースティックギター・ピックガード
114 ストリングス・ピン
115 空胴
116 表面板(響板)
117 サウンドホール
202 本発明実施例1・ネック
206 本発明実施例1・ナット
208 本発明実施例1・サドル
209 本発明実施例1・フィンガーボード
210 本発明実施例1・フレット
2101 本発明実施例1・第1フレット


21021 本発明実施例1・第21フレット
302 本発明実施例2・ネック
306 本発明実施例2・ナット
308 本発明実施例2・サドル
309 本発明実施例2・フィンガーボード
310 本発明実施例2・フレット
3101 本発明実施例2・第1フレット


31021 本発明実施例2・第21フレット

Claims (4)

  1. ボディ部とネック部、ヘッド部で構成されるギター等のフレット弦楽器において、前記ネック部の最上部に位置するナットと前記ボディ部上のブリッジに設置されるサドル間を開放弦長として最低音程を発するように架設される複数の弦を、前記ネック部の表面の指板上に押さえ付けて半音毎の音程を発するように設置されるフレットの位置について、弦の剛性、押弦による諸元の変化、エレクトリックギターでは電磁型ピックアップの負スチフネスによる影響等による振動周波数の変化を理論的に解析、総合的に考慮して設計された、すべての音階について平均律音階とのズレを発生しないという特徴を有するフレットを設置した弦楽器のネック。
  2. 請求項1に記載のフレット及びネックを備えたフレット弦楽器。
  3. 請求項1に記載のフレット及びネックの設計段階において、平均律音階とのズレを無くした上で、特定の調律曲線に沿うように設計されたフレット及びネックを備えたフレット弦楽器。
  4. 請求項1に記載のフレット及びネックの解析、製作において、フレット長を変数とした関数を構成し、数値計算プログラムを作成、解法に基づく前記フレットの設計手法。
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