JP2018091359A - 可変ピッチチェーン - Google Patents

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Abstract

【課題】寿命を長くすることができる可変ピッチチェーンを提供する。【解決手段】コンベヤチェーン11は、内リンクプレート12と、内リンクプレート12の一端部に接合されるブシュ19と、ブシュ19に挿入される第1ピン21と、ブシュ19に支持されて第1レールR1にガイドされる第1ローラ23と、内リンクプレート12の一端部の外側に配置されて第1ピン21が接合される第1外リンクプレート14と、内リンクプレート12の他端部と第2外リンクプレート16とを貫通するとともに間隔を置いて対向配置される一対の第2ピン28と、第2ピン28に支持されて第2レールR2にガイドされるサイドローラ31と、を備え、第1レールR1と第2レールR2との距離の変化に伴って第1ローラ23のピッチ及びサイドローラ31のピッチが変化する。一対の第2ピン28における一対の内リンクプレート12の内側の端部には止め輪30が取着されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ピッチを変えることが可能な可変ピッチチェーンに関する。
従来、この種の可変ピッチチェーンとしては、例えば特許文献1に示す可変速搬送チェーンが知られている。この特許文献1の可変速搬送チェーンは、軸3,4により回動自在に直列に連結された多数のリンク5と、リンクの一部の連結部に設けられたメイン車輪1と、メイン車輪1が設けられていない連結部にメイン車輪1と異なる平面内でメイン車輪1と平行に設けられた速度調整用車輪2と、メイン車輪1をガイドするメインガイドレール8と、速度調整用車輪2をガイドしてメインガイドレール8に平行な面内で速度調整用車輪2を変位させて速度調整用車輪2を介してメイン車輪1のピッチを変化させる速度調整用ガイドレール9とを有している。
1本の軸3は、チェーンのセンタラインに直角に設けられ、軸3の中央部に挿入されたメイン車輪1の両側でそれぞれスペーサ6を介して隣接するリンク5を連結している。また、2本の軸4は、チェーンのセンタラインに対し直角な一直線上の対称位置に設けられ、外端にそれぞれ速度調整用車輪2が挿入されている。さらに、2本の軸4は、スペーサ6を介して隣接するリンク5をそれぞれ連結している。
メイン車輪1はメインガイドレール8に接してガイドされ、速度調整用車輪2は速度調整用ガイドレール9に接してガイドされている。速度調整用ガイドレール9は、低速域とその前後の加減速域で速度調整用車輪2を下方へガイドするように構成されている。そして、速度調整用車輪2を速度調整用ガイドレール9によって下方に変位させたときには、スペーサ6により、軸3と軸4とメインガイドレール8と速度調整用ガイドレール9とが相互に干渉しないようになっている。なお、軸4は、速度調整用車輪2の変位を大きくした場合にメインガイドレール8とぶつからないように、メインガイドレール8の両側に分割して一対に構成されている。
特開平8−145125号公報
ところで、特許文献1の可変速搬送チェーンでは、一対の軸4がその一端にそれぞれ他の部位よりも径の大きい拡径部を有した所謂頭付ピンによって構成されており、一対の軸4の拡径部が何れもリンク5の内側(メインガイドレール8側)に位置している。このため、速度調整用車輪2の変位を大きくした場合に、一対の軸4とメインガイドレール8とがぶつからないように、メインガイドレール8の幅を、リンク5の内側に大きく突出した一対の軸4の拡径部間の距離よりも狭くなるように設定する必要がある。
したがって、メインガイドレール8の幅をあまり大きくとることができないので、メインガイドレール8とメイン車輪1との接触面積を稼ぐことができず、メインガイドレール8及びメイン車輪1間の面圧が大きくなってしまう。この結果、メイン車輪1が摩耗し易くなるので、可変速搬送チェーンの寿命が短くなってしまうという問題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、寿命を長くすることができる可変ピッチチェーンを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する可変ピッチチェーンは、互いに対向して離れて配置される一対の内リンクプレートと、前記一対の内リンクプレートの一端部に両端部がそれぞれ接合される筒状のブシュと、前記ブシュに回転可能に挿入される第1ピンと、前記ブシュが挿入されて前記ブシュによって回転可能に支持された状態で第1レールにガイドされる筒状の第1ローラと、前記一対の内リンクプレートの一端部を外側から挟むように配置されて前記第1ピンの両端部がそれぞれ接合される一対の第1外リンクプレートと、前記一対の内リンクプレートの他端部と一対の第2外リンクプレートとを回転可能に貫通するとともに互いに間隔を置いて対向するように配置される一対の第2ピンと、前記一対の第2外リンクプレートの外側において前記一対の第2ピンによって回転可能に支持された状態で一対の第2レールにガイドされる一対の第2ローラとを備え、前記第1ローラの軸線方向と直交する方向における前記第1レールと前記一対の第2レールとの距離の変化に伴って前記第1ローラのピッチ及び前記第2ローラのピッチが変化する可変ピッチチェーンであって、前記一対の第2ピンは、前記一対の第2ピンにおける前記一対の内リンクプレートの内側の端部にそれぞれ止め輪を取着することによって前記一対の内リンクプレートからの抜け止めがなされている。
通常、可変ピッチチェーンにおける第1レールと一対の第2レールとが第1ローラの軸線方向と直交する方向において離れる領域では、可変ピッチチェーンが隣り合う各リンクプレート間で屈曲するため、第1ローラのピッチ及び第2ローラのピッチが小さくなる。このとき、対向する一対の第2ピン間には第1レールが入り込むため、第1レールの幅は対向する一対の第2ピン間の距離よりも狭くする必要がある。この点、この構成によれば、一対の第2ピンが一対の第2ピンにおける一対の内リンクプレートの内側の端部に取着された止め輪によって抜け止めがなされているため、一対の第2ピンを頭付ピンで構成することによって一対の第2ピンの抜け止めがなされる場合に比べて、一対の第2ピンの一対の内リンクプレートの内側への突出長さが短くなる。このため、対向する一対の第2ピン間の距離が長くなるので、第1レールの幅を広くすることができる。したがって、第1ローラにおける軸線方向の長さを第1レールの幅と同じ以上にすることで、第1ローラ及び第1レール間の接触面積を稼ぐことができるので、第1ローラ及び第1レール間の面圧を低減することができる。この結果、第1ローラの摩耗を抑制でき、ひいては可変ピッチチェーンの寿命を長くすることができる。
上記可変ピッチチェーンにおいて、前記ブシュは、前記一対の内リンクプレートに対して回転不能に接合され、前記第1ピンは、前記一対の第1外リンクプレートに対して回転不能に接合されていることが好ましい。
この構成によれば、一対の内リンクプレートと一対の第1外リンクプレートとがブシュ及び第1ピンを介して回動するため、ブシュを一対の内リンクプレートに対して回転可能に接合するとともに第1ピンを一対の第1外リンクプレートに対して回転可能に接合する場合に比べて、可変ピッチチェーンのがたつきを抑制することができる。
上記可変ピッチチェーンにおいて、前記ブシュを第1ブシュとした場合、前記第2ピンと前記内リンクプレートとの間及び前記第2ピンと前記第2外リンクプレートとの間には、それぞれ筒状の第2ブシュが介在していることが好ましい。
この構成によれば、第2ピンと内リンクプレートとの間での摩耗及び第2ピンと第2外リンクプレートとの間での摩耗をそれぞれ第2ブシュによって抑制することができる。
本発明によれば、可変ピッチチェーンの寿命を長くすることができる。
一実施形態のコンベヤチェーンの一部を示す部分破断平面図。 コンベヤチェーンの第2ピンに止め輪を取着したときの状態を示す断面拡大図。 コンベヤチェーンを直列方向から見たときの断面図。 使用状態におけるコンベヤチェーンの全体を示す側面模式図。 直線状態におけるコンベヤチェーンの一部を示す側面図。 屈曲状態におけるコンベヤチェーンの一部を示す側面図。
以下、可変ピッチチェーンを例えば缶などの被搬送物を搬送するコンベヤチェーンに具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図4に示すように、可変ピッチチェーンの一例としてのコンベヤチェーン11は、例えばステンレス鋼などによって無端状に構成され、互いに離れて配置された2つのスプロケットSに巻き掛けられて使用される。そして、コンベヤチェーン11は、2つのスプロケットSのうちの一方の回転駆動に伴って2つのスプロケットSの周囲に沿って移動することで、例えば缶などの被搬送物Hを押しながら搬送する。
図1に示すように、コンベヤチェーン11は、互いに幅方向Yで対向して離れて配置される一対の内リンクプレート12を各々有した複数の内リンク13を備えている。さらに、コンベヤチェーン11は、一対の内リンクプレート12の一端部を幅方向Yの外側から挟むように配置される一対の第1外リンクプレート14を各々有した複数の第1外リンク15と、一対の内リンクプレート12の他端部を幅方向Yの外側から挟むように配置される一対の第2外リンクプレート16を各々有した複数の第2外リンク17とを備えている。
この場合、第1外リンク15と第2外リンク17とは同一構成になっている。そして、コンベヤチェーン11は、内リンク13、第1外リンク15、及び第2外リンク17が、第1外リンク15、内リンク13、第2外リンク17、内リンク13、第1外リンク15、・・・の順で繰り返すようにこれらが直列に回動可能に連結された構成になっている。すなわち、コンベヤチェーン11は、内リンク13と外リンク15,17とが交互に回動可能に直列に連結された構成になっている。
内リンク13の内リンクプレート12、第1外リンク15の第1外リンクプレート14、及び第2外リンク17の第2外リンクプレート16は、コンベヤチェーン11が幅方向Yと直交する長手方向の一方側から引っ張られて移動する場合の移動方向ともなる直列方向Xに沿って延びる略矩形板状をなしている。そして、幅方向Yでそれぞれ対向する一対の内リンクプレート12、一対の第1外リンクプレート14、及び一対の第2外リンクプレート16は、互いに平行となるように配置されている。
したがって、本実施形態のコンベヤチェーン11は、その直列方向Xにおける内リンク13、第1外リンク15、及び第2外リンク17の一端部と他端部でそれぞれ内リンクプレート12同士の間隔、第1外リンクプレート14同士の間隔、及び第2外リンクプレート16同士の間隔が等しくなるように構成された所謂フラットタイプのチェーンである。
図1に示すように、内リンクプレート12の直列方向Xにおける一端部には、円形の第1ブシュ挿入孔18が内リンクプレート12の厚さ方向ともなる幅方向Yに貫通するように形成されている。内リンク13において対向する一対の内リンクプレート12間には、これら一対の内リンクプレート12間の距離を保つように円筒状の第1ブシュ(ブシュ)19が組み付けられる。第1ブシュ19は、その両端部が一対の内リンクプレート12の第1ブシュ挿入孔18に対してそれぞれ回転不能に嵌合(接合)されている。すなわち、第1ブシュ19と第1ブシュ挿入孔18とのはめあいは、しまりばめになっている。
第1外リンクプレート14の直列方向Xにおける第1ブシュ19側の端部には、第1ブシュ19の内径よりも若干小さい外径を有した円筒状の第1ピン21が挿嵌される円形の第1ピン挿入孔22が第1外リンクプレート14の厚さ方向ともなる幅方向Yに貫通するように形成されている。そして、一対の第1外リンクプレート14は、第1ブシュ19が一対の内リンクプレート12間に組み付けられて形成された内リンク13における一対の内リンクプレート12の一端部を外側から挟むように配置された状態で、第1ピン21及び第1ブシュ19を介して一対の内リンクプレート12に対して回動自在に連結される。
この場合、第1ピン21は、両端部以外の中間部が内リンク13の一対の内リンクプレート12間に組み付けられた第1ブシュ19に回転可能に挿入された状態で、両端部が第1外リンク15の一対の第1外リンクプレート14の第1ピン挿入孔22に対して回転不能に嵌合(接合)されている。すなわち、第1ピン21と第1ピン挿入孔22とのはめあいは、しまりばめになっている。
したがって、第1ピン21の両端部は一対の第1外リンクプレート14をそれぞれ貫通しており、直列方向Xで隣り合う内リンク13の内リンクプレート12と第1外リンク15の第1外リンクプレート14とが直列方向Xの端部同士で第1ピン21及び第1ブシュ19を介して回動自在に連結されている。なお、第1ピン21の両端部には、抜け止め用の割ピン24がそれぞれ取着されている。
第1ブシュ19の外側には円筒状の第1ローラ23が配置されている。この場合、第1ローラ23は、第1ブシュ19が挿入されて第1ブシュ19によって回転可能に支持される。すなわち、第1ブシュ19は第1ローラ23に遊嵌されている。そして、第1ローラ23は、第1ブシュ19によって回転可能に支持された状態で直列方向Xに沿って延びる帯状の第1レールR1にガイドされる。
本実施形態では、第1ローラ23の軸線方向が幅方向Yと一致している。なお、第1ローラ23における幅方向Yの長さは第1レールR1の幅以上であることが好ましく、本実施形態の第1ローラ23における幅方向Yの長さは第1レールR1の幅よりも長くなっている。
第1ブシュ19の内周面と第1ピン21の外周面との間及び第1ローラ23の内周面と第1ブシュ19の外周面との間には、潤滑剤が配置されている。潤滑剤としては、固体潤滑剤(例えば、粉末のグラファイトや粉末の二硫化モリブデンなどを円筒状に圧縮成形したもの)やグリースなどを用いることができる。本実施形態では、潤滑剤としてグリースが採用されている。
図1に示すように、内リンクプレート12の直列方向Xにおける他端部には、円形の内側第2ブシュ挿入孔25が内リンクプレート12の厚さ方向ともなる幅方向Yに貫通するように形成されている。第2外リンクプレート16の直列方向Xにおける第1ローラ23側とは反対側の端部には、内側第2ブシュ挿入孔25と同径の円形の外側第2ブシュ挿入孔26が、内側第2ブシュ挿入孔25と幅方向Yで重なるように形成されている。
内リンクプレート12の内側第2ブシュ挿入孔25及び第2外リンクプレート16の外側第2ブシュ挿入孔26には、円筒状の第2ブシュ27がそれぞれ回転不能に嵌合されている。この場合、内側第2ブシュ挿入孔25に嵌合された第2ブシュ27の幅方向Yの両端面は内リンクプレート12の幅方向Yの両側面と面一になっており、第2外リンクプレート16に嵌合された第2ブシュ27の幅方向Yの両端面は第2外リンクプレート16の幅方向Yの両側面と面一になっている。
一対の内リンクプレート12の内側第2ブシュ挿入孔25及び一対の第2外リンクプレート16の外側第2ブシュ挿入孔26には、それぞれ一対の第2ピン28が回転可能に挿通されている。すなわち、内側第2ブシュ挿入孔25と第2ピン28とのはめあい及び外側第2ブシュ挿入孔26と第2ピン28とのはめあいは、いずれもすきまばめになっている。したがって、第2ピン28と内リンクプレート12の内側第2ブシュ挿入孔25との間及び第2ピン28と第2外リンクプレート16の外側第2ブシュ挿入孔26との間には、それぞれ第2ブシュ27が介在していることになる。
一対の第2ピン28は、内リンクプレート12の直列方向Xにおける他端部と第2外リンクプレート16の直列方向Xにおける第1ローラ23側とは反対側の端部とを回転可能に貫通するとともに、互いに幅方向Yに間隔を置いて対向するように配置されている。一対の第2ピン28は、一端部が幅方向Yにおいて一対の内リンクプレート12よりも内側に突出している。
図1及び図2に示すように、一対の第2ピン28における一対の内リンクプレート12の内側への突出部分には円環状の溝29が形成され、溝29には止め輪30が嵌合(取着)されている。本実施形態の止め輪30にはE形止め輪が採用されている。そして、止め輪30の幅は、内側第2ブシュ挿入孔25の径よりも大きくなるように設定されている。
すなわち、一対の第2ピン28の溝29に止め輪30を取着することによって、一対の内リンクプレート12の内側第2ブシュ挿入孔25に嵌合された第2ブシュ27からの一対の第2ピン28の抜け止めがなされている。つまり、止め輪30によって、一対の第2ピン28の一対の内リンクプレート12からの抜け止めがなされている。この場合、一対の第2ピン28における一対の内リンクプレート12の内側への突出長さは、止め輪30が取着可能な最低限の長さに設定することが好ましい。
図1及び図3に示すように、一対の第2外リンクプレート16の幅方向Yの外側における一対の第2ピン28のうちの一方には第2ローラの一例としてのサイドローラ31が回転可能に支持され、一対の第2ピン28の他方には第2ローラの一例としてのローラ付アタッチメント32が回転可能に支持されている。
サイドローラ31及びローラ付アタッチメント32は、一対の第2ピン28に回転可能に支持された状態で、幅方向Yにおいて第1レールR1を挟むとともに第1レールR1と平行に延びる一対の帯状の第2レールR2にガイドされる。すなわち、サイドローラ31及びローラ付アタッチメント32は、対をなすように一対の第2ピン28に回転可能に支持され、一対の第2ローラを構成している。一対の第2レールR2は、第1レールR1に対してコンベヤチェーン11を挟んだ反対側に配置されている。本実施形態では、一対の第2レールR2がコンベヤチェーン11の下側に配置され、第1レールR1がコンベヤチェーン11の上側に配置されている。
一対の第2ピン28におけるサイドローラ31を支持した方の先端部はワッシャー33に挿通された状態でかしめられることで、当該第2ピン28からサイドローラ31及びワッシャー33が抜け落ちないようになっている。
ローラ付アタッチメント32は、直列方向Xに並ぶ一対のローラ34と、第2外リンクプレート16と一対のローラ34との間に配置された支持板35と、支持板35に対して一対のローラ34を挟んだ反対側に配置された押圧板36と、一対のローラ34のうちの一方を回転可能に支持する頭付ピン37とを備えている。押圧板36は、L字状に屈曲しており、支持板35と一対のローラ34を挟んで対向する略矩形状をなす取付部36aと、幅方向Yの外側に向かって延びる略三角形状をなす押圧部36bとを備えている。
頭付ピン37は、一対のローラ34のうちの一方と、支持板35と、取付部36aとを回転可能に貫通した状態で先端部がかしめられ、ローラ付アタッチメント32を支持する第2ピン28は、一対のローラ34のうちの他方と、支持板35と、取付部36aとを回転可能に貫通した状態で先端部がかしめられている。この場合、頭付ピン37は、第2外リンクプレート16と接触しない。
なお、一対の第1外リンクプレート14にも上述した一対の第2外リンクプレート16の場合と同様にしてサイドローラ31及びローラ付アタッチメント32が支持されている。
次に、コンベヤチェーン11の作用について説明する。
さて、図4に示すように、無端状のコンベヤチェーン11を回転中心軸線が幅方向Yに延びるとともに水平方向で離れるように配置された2つのスプロケットSに巻き掛けた状態で2つのスプロケットSのうちの一方を例えば図4において反時計方向に回転駆動すると、コンベヤチェーン11が直列方向Xの張力を受けながら移動される。そして、このコンベヤチェーン11の移動に伴って押圧板36が被搬送物Hを押圧することで、被搬送物Hが搬送される。
このとき、コンベヤチェーン11の搬送経路における押圧板36が被搬送物Hに当たる当接領域TRでは、第1レールR1の高さが徐々に低くなって一対の第2レールR2よりも下側に位置するように第1レールR1が傾斜(湾曲)している。一方、コンベヤチェーン11の搬送経路における当接領域TRよりも下流側に位置する復元領域FRでは、第1レールR1の高さが徐々に高くなって一対の第2レールR2よりも上側の元の位置に戻るように傾斜(湾曲)している。この場合、一対の第2レールR2は、高さが一定でコンベヤチェーン11の搬送経路に沿って真っ直ぐ水平に延びている。
このため、コンベヤチェーン11は、当接領域TRを通過する過程で第1レールR1によって各第1ローラ23が下方に向かってガイドされるため、図5に示す直線状態から図6に示す屈曲状態に変化する。すなわち、コンベヤチェーン11は、各サイドローラ31及び各ローラ付アタッチメント32の高さが変わらずに各第1ローラ23だけが押し下げられるので、隣り合う各リンク同士が互いに回動して屈曲することで、幅方向Yから見てジグザグに屈曲する屈曲状態になる。一方、コンベヤチェーン11は、復元領域FRを通過する過程で第1レールR1によって各第1ローラ23が上方に向かってガイドされるため、図6に示す屈曲状態から図5に示す直線状態に変化しようとする。
そして、コンベヤチェーン11における直線状態から屈曲状態に変化する当接領域TRでは、図5に示すように第1ローラ23のピッチPA1及びサイドローラ31(ローラ付アタッチメント32)のピッチPB1が図6に示すようにこれらよりも短いピッチPA2及びピッチPB2にそれぞれ変化するため、コンベヤチェーン11の移動速度が遅くなる。このため、押圧板36が被搬送物Hに当たるときの衝撃が低減される。
一方、コンベヤチェーン11における屈曲状態から直線状態に変化する復元領域FRでは、図6に示すように第1ローラ23のピッチPA2及びサイドローラ31(ローラ付アタッチメント32)のピッチPB2が図5に示すようにこれらよりも長いピッチPA1及びピッチPB1にそれぞれ変化するため、コンベヤチェーン11の移動速度が速くなる。このため、押圧板36による被搬送物Hの押圧速度が速くなるので、コンベヤチェーン11によって被搬送物Hが効率よく搬送される。
なお、コンベヤチェーン11では、直列方向X及び幅方向Y(第1ローラ23の軸線方向)の両方と直交する高さ方向Zにおける第1レールR1における第1ローラ23をガイドするガイド面と一対の第2レールR2におけるサイドローラ31(ローラ付アタッチメント32)をガイドするガイド面との距離の変化に伴って第1ローラ23のピッチPA1及びサイドローラ31(ローラ付アタッチメント32)のピッチPB1が変化する。
また、コンベヤチェーン11が直線状態から屈曲状態に変化する際には、第1レールR1を一対の内リンクプレート12間に入り込ませる必要がある。そして、一対の内リンクプレート12の幅方向Yにおける内側面からは内側に向かって一対の第2ピン28が突出しているため、第1レールR1の幅は幅方向Yにおいて対向する一対の第2ピン28間の距離よりも狭くする必要がある。
この点、本実施形態のコンベヤチェーン11では、一対の第2ピン28は止め輪30によって一対の内リンクプレート12からの抜け止めがなされているため、一対の第2ピン28の内リンクプレート12の内側面からの突出長さは、一対の第2ピン28を頭付ピンによって構成する場合に比べて短くなる。
このため、幅方向Yで対向する一対の第2ピン28間の距離が一対の第2ピン28を頭付ピンによって構成する場合に比べて長くなるので、第1レールR1の幅を広くすることができる。したがって、第1ローラ23及び第1レールR1間の接触面積を稼ぐことができるので、第1ローラ23及び第1レールR1間の面圧を低減することができる。この結果、第1ローラ23の摩耗を抑制でき、ひいてはコンベヤチェーン11の寿命を長くすることができる。
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)通常、コンベヤチェーン11における第1レールR1と一対の第2レールR2とが第1ローラ23の軸線方向と直交する方向(高さ方向Z)において離れる領域では、コンベヤチェーン11が直列方向Xで隣り合う各リンクプレート12,14(16)間で屈曲するため、第1ローラ23のピッチPA1及びサイドローラ31(ローラ付アタッチメント32)のピッチPB1が小さくなる。このとき、幅方向Yで対向する一対の第2ピン28間には第1レールR1が入り込むため、第1レールR1の幅は幅方向Yで対向する一対の第2ピン28間の距離よりも狭くする必要がある。この点、本実施形態のコンベヤチェーン11では、一対の第2ピン28が一対の第2ピン28における一対の内リンクプレート12の内側の端部に取着された止め輪30によって抜け止めがなされている。このため、一対の第2ピン28を頭付ピンで構成することによって一対の第2ピン28の抜け止めがなされる場合に比べて、一対の第2ピン28の一対の内リンクプレート12の内側への突出長さが短くなる。したがって、幅方向Yで対向する一対の第2ピン28間の距離が長くなるので、第1レールR1の幅を広くすることができる。この結果、第1ローラ23における軸線方向(幅方向Y)の長さを第1レールR1の幅と同じ以上にすることで、第1ローラ23及び第1レールR1間の接触面積を稼ぐことができるので、第1ローラ23及び第1レールR1間の面圧を低減することができる。よって、第1ローラ23の摩耗を抑制でき、ひいてはコンベヤチェーン11の寿命を長くすることができる。
(2)コンベヤチェーン11において、第1ブシュ19は、一対の内リンクプレート12に対して回転不能に接合され、第1ピン21は、一対の第1外リンクプレート14に対して回転不能に接合されている。このため、一対の内リンクプレート12と一対の第1外リンクプレート14とが第1ブシュ19及び第1ピン21を介して回動するので、第1ブシュ19を一対の内リンクプレート12に対して回転可能に接合するとともに第1ピン21を一対の第1外リンクプレート14に対して回転可能に接合する場合に比べて、コンベヤチェーン11のがたつきを抑制することができる。
(3)コンベヤチェーン11において、第2ピン28と内リンクプレート12との間及び第2ピン28と第2外リンクプレート16との間には、それぞれ筒状の第2ブシュ27が介在している。このため、第2ピン28と内リンクプレート12との間での摩耗及び第2ピン28と第2外リンクプレート16との間での摩耗をそれぞれ第2ブシュ27によって抑制することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は次のように変更してもよい。
・コンベヤチェーン11において、第2ピン28と内リンクプレート12との間及び第2ピン28と第2外リンクプレート16(第1外リンクプレート14)との間にそれぞれ介在された第2ブシュ27のうちの少なくとも一方を省略してもよい。
・コンベヤチェーン11において、第1ブシュ19は必ずしも一対の内リンクプレート12に対して回転不能に接合される必要はなく、第1ピン21は必ずしも一対の第1外リンクプレート14に対して回転不能に接合される必要はない。
・コンベヤチェーン11は、各第1ローラ23の高さを変えずに各サイドローラ31及び各ローラ付アタッチメント32を上昇させることによって直線状態から屈曲状態に変化させるようにしてもよい。この場合、第1レールR1及び第2レールR2の経路は変更される。
・コンベヤチェーン11におけるローラ付アタッチメント32をサイドローラ31に変更してもよい。このようにすれば、コンベヤチェーン11を例えばエスカレーターや所謂動く歩道などに好適に用いることができる。
・止め輪30は、E形止め輪だけでなく、クリセント形止め輪、U形止め輪、K形止め輪などで構成してもよい。
・第1ローラ23における軸線方向(幅方向Y)の長さは、第1レールR1の幅と同じであってもよい。
さらに、上記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記第1ローラにおける軸線方向の長さは、前記第1レールの幅以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の可変ピッチチェーン。この構成によれば、第1レールの幅全体を第1ローラに接触させることができる。
(ロ)前記止め輪は、E形止め輪であることを特徴とする請求項1〜請求項3及び上記(イ)のうちいずれか一項に記載の可変ピッチチェーン。この構成によれば、一対の第2ピンの抜け止めを好適に行うことができる。
11…可変ピッチチェーンの一例としてのコンベヤチェーン、12…内リンクプレート、14…第1外リンクプレート、16…第2外リンクプレート、19…第1ブシュ(ブシュ)、21…第1ピン、23…第1ローラ、27…第2ブシュ、28…第2ピン、30…止め輪、31…第2ローラの一例としてのサイドローラ、32…第2ローラの一例としてのローラ付アタッチメント、PA1,PA2…第1ローラ23のピッチ、PB1,PB2…サイドローラ31(ローラ付アタッチメント32)のピッチ、R1…第1レール、R2…第2レール。

Claims (3)

  1. 互いに対向して離れて配置される一対の内リンクプレートと、前記一対の内リンクプレートの一端部に両端部がそれぞれ接合される筒状のブシュと、前記ブシュに回転可能に挿入される第1ピンと、前記ブシュが挿入されて前記ブシュによって回転可能に支持された状態で第1レールにガイドされる筒状の第1ローラと、前記一対の内リンクプレートの一端部を外側から挟むように配置されて前記第1ピンの両端部がそれぞれ接合される一対の第1外リンクプレートと、前記一対の内リンクプレートの他端部と一対の第2外リンクプレートとを回転可能に貫通するとともに互いに間隔を置いて対向するように配置される一対の第2ピンと、前記一対の第2外リンクプレートの外側において前記一対の第2ピンによって回転可能に支持された状態で一対の第2レールにガイドされる一対の第2ローラとを備え、前記第1ローラの軸線方向と直交する方向における前記第1レールと前記一対の第2レールとの距離の変化に伴って前記第1ローラのピッチ及び前記第2ローラのピッチが変化する可変ピッチチェーンであって、
    前記一対の第2ピンは、前記一対の第2ピンにおける前記一対の内リンクプレートの内側の端部にそれぞれ止め輪を取着することによって前記一対の内リンクプレートからの抜け止めがなされていることを特徴とする可変ピッチチェーン。
  2. 前記ブシュは、前記一対の内リンクプレートに対して回転不能に接合され、
    前記第1ピンは、前記一対の第1外リンクプレートに対して回転不能に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の可変ピッチチェーン。
  3. 前記ブシュを第1ブシュとした場合、前記第2ピンと前記内リンクプレートとの間及び前記第2ピンと前記第2外リンクプレートとの間には、それぞれ筒状の第2ブシュが介在していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変ピッチチェーン。
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