JP2018090857A - 焼入装置および焼入方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼入処理を行う被処理物の材質や大きさ等に関わらず焼入処理における冷却過程を的確に把握することで、適切な冷却条件を操作できる焼入装置および焼入方法を提供する。【解決手段】油2を貯留する焼入槽3と、焼入槽3内に油2を外部から導入するノズル33と、焼入槽3内の油2を攪拌する攪拌手段5と、被処理物Wを焼入槽3内で移動させる被処理物移動手段6と、を備える焼入装置1において、焼入装置1には油2の状態を感知する感知手段7と、感知手段7により感知した信号を処理する増幅器8と、増幅器8により処理された信号を受けて焼入槽3内における油2の状態を制御する制御器9とを設置する。【選択図】図1
Description
本発明は、液状の冷媒を貯留した焼入槽内で自動車部品等の被処理物を焼入処理する際に用いる焼入装置およびその焼入方法に関する。
従来、自動車部品に代表される機械部品を焼入処理する際には、焼入油等の油を満たした焼入槽に当該部品を浸漬させる。また、一般的に焼入油を用いた焼入処理による冷却過程では、現象別に次の三段階を経て冷却過程が進行する。まず、第一段階として被処理物を焼入油へ浸漬した瞬間に被処理物の表面が蒸気膜に覆われる蒸気膜段階、第二段階として被処理物の表面に覆われていた蒸気膜がすべて破壊された後に被処理物の表面から無数の気泡が発生する沸騰段階、第三段階として被処理物表面からの気泡の発生が収まった後に撹拌機器等により対流している焼入油によって被処理物が冷却される対流段階である。
特に、蒸気膜段階が終了してから沸騰段階が開始する時間(タイミング)は、被処理物の冷却速度に直接関与するため、残留歪み、表面硬度および焼入れ深さ等の被処理物の焼入品質に大きな影響を与える。例えば、特許文献1では焼入槽内に設けられた撹拌機器を用いて、蒸気膜段階における被処理物の蒸気膜を破壊する方法が開示されている。これにより、被処理物全体が均一に硬化し、歪みや曲がりなどの焼入れ変形を抑制する効果があることが説明されている。
しかし、特許文献1に開示された焼入方法(装置)では、従来の焼入処理と同様に被処理物の材質や大きさに関わらず蒸気膜段階における被処理物の蒸気膜を一律に破壊する操作を行った場合に焼入処理後の焼き戻し処理を終えてから被処理物の品質を確認することになる。そのため、焼入処理中に発生した異常により被処理物の品質に影響が発生しても焼入処理中に処理操作を中止すべきか否かまでは判断できないという問題があった。
また、焼入処理を行う被処理物の積載形態の如何によらず蒸気膜段階における被処理物の蒸気膜を一律に破壊する操作を行った場合に、被処理物同士の間隔の疎密によって蒸気膜が除去できる場所と除去できない場所が発生する。つまり、被処理物の積載形態によって焼入効率が大きく変化するという問題もあった。
そこで、本発明においては、焼入処理を行う被処理物の材質や大きさ等に関わらず焼入処理における冷却過程を的確に把握することで、適切な冷却条件を操作できる焼入装置および焼入方法を提供することを課題とする。
前述した課題を解決するために、本発明は油を貯留する焼入槽と、焼入槽内に油を外部から導入するノズルと、焼入槽内の油を攪拌する攪拌手段と、被処理物を焼入槽内で移動させる被処理物移動手段と、を備えた焼入装置において、焼入装置には油の状態を感知する感知手段と、感知手段により感知した信号を処理する増幅器と、増幅器により処理された信号を受けて焼入槽内における油の状態を制御する制御器とを備えた焼入装置とする。
また、感知手段は油の温度を感知する温度センサ、油から発生する振動を感知する振動センサ、油から発生する音を感知する音響センサ(マイクロフォン)のうちのいずれかとする。感知手段の設置箇所については、焼入槽、ノズル、被処理物移動手段のうちのいずれかに設置することができる。
前述の焼入装置を用いた焼入方法としては、被処理物を焼入槽に浸漬した後、感知手段により感知した信号が増幅器を介して所定の数値に達した場合に、制御器による制御により攪拌手段を用いて焼入槽内における油の流速を高める、またはノズルから追加の油を焼入槽内に導入する焼入方法とする。
本発明の焼入装置および焼入方法を上述した構成および工程にすることで、焼入処理を行う被処理物の材質や大きさの如何に関わらず焼入処理の冷却工程における沸騰段階の終了時期(タイミング)を的確に把握できる。
本発明に係る焼入装置および当該焼入装置を用いた焼入方法は上述した構成にすることで、焼入処理を行う被処理物の材質や大きさの如何に関わらず焼入処理の冷却工程における蒸気膜段階であるか否か、沸騰段階であるか否かを的確に把握できるので、被処理物の冷却工程に応じた油の状態を操作することで、被処理物の積載形態の如何によらない安定した焼入効果を奏することができる。
本発明の実施の形態の一例について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態の一例である焼入装置1全体の模式図、図2は図1に示す焼入装置1をA−A線で切断した時の断面図である。なお、図2に示す焼入装置1をB−B線で切断した時の断面図 が図1になる。
本発明の焼入装置1は、図1および図2に示すように油(熱処理油)2を貯留した焼入槽3と、焼入槽3内に油2を外部から導入するノズル33と、焼入槽3内の油2を攪拌する攪拌手段5と、被処理物Wを焼入槽3内で移動させる被処理物移動手段(昇降機)6と、を備えている。なお、図1に示す焼入装置1は熱処理炉20が併設されている形態を示す。
攪拌手段(撹拌機)5は、焼入槽3内に設けられた配管ダクト(冷却配管)10内の油2を所定の流速で圧送することで被処理物Wに対して焼入れ効果を高める役割を果たす。また、被処理物移動手段(昇降機)6は、被処理物Wを焼入槽3の上下方向に移動させることで油2中に任意の速度で浸漬させる(油没させる)役割を果たす。また、図1および図2に示すように被処理物Wの近傍に整流板40を所定の位置および個数を予め設置しておくことで、被処理物Wの焼入れ効果を任意に調整することもできる。
ノズル33は所定量の油2を貯留した貯油タンク30から焼入槽3へ油2を送り込むための接続部分である。ノズル33と貯油タンク30との間には、循環ポンプ32、熱交換器31および複数のバルブ類等の種々の装置部品が設けられており、油2の圧送する量やタイミングは制御器9と接続することで自在に操作できる。
また、焼入装置1には油2の状態を感知する感知手段7と、感知手段7により感知した信号を処理する増幅器8と、増幅器8により処理された信号を受けて焼入槽3内における油2の状態を制御する制御器9と、も設けられており、各々の機器が電気的に接続されている。感知手段7は、油2の温度を感知する温度センサ、油2から発生する振動を感知する振動センサ、油2から発生する音を感知する音響センサ(マイクロフォン)など種々のセンサ類を選択できる。また、感知手段7の設置は、焼入槽3、ノズル33、被処理物移動手段6など任意の箇所に設置できる。
さらに、図1および図2に示すように焼入槽3にはバルブ12を介してサージタンク11と接続することもできる。被処理物Wが油2に浸漬するタイミングに応じて、バルブ12を開くことでサージタンク11内の圧縮空気が焼入槽3内に流入することで油2の表面圧を調整することもできる。
次に、本発明の焼入装置1を用いた焼入方法について説明する。図1に示す熱処理炉20を備えた焼入装置1の場合、被処理物Wを所定の時間および温度で保持した後、被処理物Wは熱処理炉20から炉外に出される。その後、被処理物Wは被処理物移動手段6に移動される。同時に、図2に示す撹拌機5を用いて、焼入槽3内の油2を撹拌して、配管ダクト10内に油2を圧送する。
その後、被処理物Wを載置した被処理物移動手段6を焼入槽3内の油2へ浸漬する。被処理物Wが油2内に浸漬されると、被処理物Wの表面全体に蒸気膜が形成される。この蒸気膜が崩壊すると、次に被処理物Wが保有する熱量と油2の温度との差異により油2が沸騰した状態になる。
この状態になると、焼入装置1に設けた感知手段7が音や振動としての信号を受信する。受信された信号は増幅器8によって所定の数値まで増幅される。増幅された信号が所定の数値に達すると、制御器9によって循環ポンプ32やバルブが起動(開閉)することで貯油タンク30内の油2が焼入槽3内へノズル33を経由して圧送される。また、制御器9と攪拌手段(撹拌機)5とを電気通信的に接続することで攪拌手段(撹拌機)5の回転数などを調整することもできる。さらに、サージタンク11の配管に接続するバルブ12と制御器9を電気通信的に接続することでバルブ12の開閉を調整し、圧縮空気を焼入槽3へ圧送することもできる。
なお、本願発明の実施形態において「油2」とは、JIS K2242に規定されている熱処理油剤(熱処理油)と同義とする。
1 焼入装置
2 油(熱処理油)
3 焼入槽
5 撹拌手段(撹拌機)
6 被処理物移動手段(昇降機)
7 感知手段(センサ)
8 増幅器
9 制御器
10 配管ダクト(冷却配管)
11 サージタンク
12 バルブ
20 熱処理炉
30 貯油タンク
31 熱交換器
32 循環ポンプ
33 ノズル
40 整流板
W 被処理物(ワーク)
2 油(熱処理油)
3 焼入槽
5 撹拌手段(撹拌機)
6 被処理物移動手段(昇降機)
7 感知手段(センサ)
8 増幅器
9 制御器
10 配管ダクト(冷却配管)
11 サージタンク
12 バルブ
20 熱処理炉
30 貯油タンク
31 熱交換器
32 循環ポンプ
33 ノズル
40 整流板
W 被処理物(ワーク)
Claims (4)
- 油を貯留する焼入槽と、前記焼入槽内に前記油を外部から導入するノズルと、前記焼入槽内の油を攪拌する攪拌手段と、被処理物を前記焼入槽内で移動させる被処理物移動手段と、を備えた焼入装置であって、
前記焼入装置には前記油の状態を感知する感知手段と、
前記感知手段により感知した信号を処理する増幅器と、
前記増幅器により処理された信号を受けて前記焼入槽内における前記油の状態を制御する制御器と、
が設置されていることを特徴とする焼入装置。 - 前記感知手段は、前記油の温度を感知する温度センサ、前記油から発生する振動を感知する振動センサ、前記油から発生する音を感知する音響センサのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の焼入装置。
- 前記感知手段は、前記焼入槽、前記ノズル、前記被処理物移動手段のうちのいずれかに設置されていることを特徴とする請求項2に記載の焼入装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の焼入装置を用いた焼入方法であって、
前記被処理物を前記焼入槽に浸漬した後、
前記感知手段により感知した信号が前記増幅器を介して所定の数値に達した場合に、前記制御器による制御により
前記攪拌手段を用いて前記焼入槽内における前記油の流速を高める、または前記ノズルから追加の油を前記焼入槽内に導入することを特徴とする焼入方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016235058A JP2018090857A (ja) | 2016-12-02 | 2016-12-02 | 焼入装置および焼入方法 |
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JP2016235058A JP2018090857A (ja) | 2016-12-02 | 2016-12-02 | 焼入装置および焼入方法 |
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JP2018090857A true JP2018090857A (ja) | 2018-06-14 |
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JP2016235058A Pending JP2018090857A (ja) | 2016-12-02 | 2016-12-02 | 焼入装置および焼入方法 |
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JP (1) | JP2018090857A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020056092A (ja) * | 2018-09-29 | 2020-04-09 | 上海頤柏熱処理設備有限公司Shanghai Yibai Industrial Furnaces Co., Ltd. | 焼入熱処理装置、および焼入液の冷却特性をインラインでスマート制御する方法 |
CN113512633A (zh) * | 2021-08-04 | 2021-10-19 | 长春电子科技学院 | 一种热处理的智能水循环装置 |
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2016
- 2016-12-02 JP JP2016235058A patent/JP2018090857A/ja active Pending
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