JP2018090748A - 安定剤組成物および安定化された重合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェノール系酸化防止剤の水酸基がマスキングされ、流動性が維持された安定剤組成物、および、それを用いた安定化された重合体の製造方法を提供する。【解決手段】フェノール系酸化防止剤1当量に対し、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−tert−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジイソヘキシルアルミニウムハイドライド、ジイソオクチルアルミニウムハイドライド、および、イソブチルアルミニウムジハイドライドからなる群から選択される有機アルミニウム化合物を、1.5〜15当量の範囲で含有する安定剤組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、特定のフェノール系酸化防止剤を重合系に添加する際に、フェノール系酸化防止剤の水酸基をマスキングするとともに、その流動性を維持したまま、重合装置へのフィードを円滑に行うことができる安定剤組成物、および、それを用いて得られる安定化された重合体の製造方法に関する。
ポリマーは熱や光に対する安定性が乏しく、高温環境や強い光に曝されると容易に酸化/劣化し、プラスチック製品として必要な寿命が得られない。この酸化/劣化を防止するために、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン化合物、ヒンダードアミン化合物、紫外線吸収剤、酸捕捉剤等の安定剤を添加してポリマーを安定化することが行われている。
特に、フェノール系酸化防止剤は、ポリマーの熱酸化、貯蔵中の酸化および変色に対する耐性に優れており、広く用いられている。
従来、フェノール系酸化防止剤を含む各種樹脂添加剤を重合体に配合し、押出機などの加工機器を用いて溶融混練することでポリマーの安定化が図られていた。しかし、溶融混練による製造方法は、ポリマーが高温環境下に曝されて、ポリマーの分子量低下、着色、物性低下が生じる問題があった。また、樹脂添加剤の分散不良に対応するために必要以上に添加する必要があり、経済的に不利であった。
また、ポリマーの溶融混練による樹脂添加剤の配合工程を省略するために、モノマーの重合前または重合中に一部の樹脂添加剤を添加する方法が検討されているが、フェノール系酸化防止剤の構造に含まれる水酸基が、重合触媒の触媒活性を阻害してしまう問題があった。
特許文献1〜10において、フェノール系酸化防止剤に対し、オレフィン重合の助触媒として用いられるトリエチルアルミニウムをブレンドしてフェノール系酸化防止剤の水酸基をマスキングすることにより、重合を阻害せずに、重合物を安定化させる方法が提案されている。
特開2005−206625号公報(特に特許請求の範囲) 特開2005−255953号公報(特に特許請求の範囲) 特開2006−282985号公報(特に特許請求の範囲) 特開2010−215892号公報 特開2013−256628号公報 特開2014−095042号公報 特開2014−095043号公報 特開2014−095044号公報 特開2014−095045号公報 特開2014−095046号公報
特許文献1〜10において示された製造方法は、フェノール系酸化防止剤とトリエチルアルミニウムの混合物を、溶媒で希釈してから重合槽に導入し重合するものであった。しかし、脂肪族炭化水素やミネラルオイルなどを溶媒として用いて重合系にフィードすると、重合後の重合物回収工程やモノマーの回収工程において低分子溶媒との分離が困難となり、重合物に溶媒が残留しやすくなるため、成形加工中に白煙を生じたり、黒化物が生成しやすくなるなどの悪影響があった。
一方、溶媒を用いないで、フェノール系酸化防止剤とトリエチルアルミニウムをブレンドした場合、ゲルや固化物が生成して安定剤組成物の流動性を喪失し、重合系へのフィードが困難になる問題があった。トリエチルアルミニウムを増量すれば、ゲルや固化物の生成を抑制することができるが、トリエチルアルミニウムを大量に使用すると重合触媒との比率が変化するため、重合物の立体的規則性に悪影響を及ぼすことがある。また、重合において過剰のトリエチルアルミニウムを使用するため、トリエチルアルミニウムが重合に使用されず、失活工程で触媒残差となることもあるため、経済的にも不利益である。
そこで本発明の目的は、フェノール系酸化防止剤の水酸基がマスキングされ、流動性が維持された安定剤組成物、および、それを用いた安定化された重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、前記課題のために鋭意検討した結果、特定の有機アルミニウム化合物を用いて、フェノール系酸化防止剤のマスキングを行うことにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の安定剤組成物は、フェノール系酸化防止剤1当量に対し、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−tert−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジイソヘキシルアルミニウムハイドライド、ジイソオクチルアルミニウムハイドライド、および、イソブチルアルミニウムジハイドライドからなる群から選択される有機アルミニウム化合物を、1.5〜15当量の範囲で含有することを特徴とするものである。
本発明の安定剤組成物は溶媒を含まないことが好ましい。
本発明の安定剤組成物においては、前記フェノール系酸化防止剤が、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2018090748
(式中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、直鎖または分岐を有する炭素原子数1〜5のアルキル基、または、炭素原子数7〜9のアリールアルキル基を表し、Tは、直鎖または分岐を有する炭素原子数1〜30のアルキル基を表し、該アルキル基は酸素原子、硫黄原子、または、アリール基で中断されていてもよく、置換基を有していてもよい。)
さらに、前記有機アルミニウム化合物1当量に対し、前記有機アルミニウム化合物以外の他の有機アルミニウム化合物を、10当量以下の範囲で含有することが好ましい。
本発明の安定剤組成物は、さらに、リン系酸化防止剤を、前記フェノール系酸化防止剤1当量に対し、0.5〜5当量の範囲で含有することが好ましい。
本発明の安定化された重合体の製造方法は、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合して得られる重合体100質量部に対し、前記フェノール系酸化防止剤が0.001〜0.5質量部の範囲内になるように、上記の安定剤組成物を供給して、前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合することを特徴とするものである。
また、本発明の安定化された重合体の他の製造方法は、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合して得られる重合体100質量部に対し、前記フェノール系酸化防止剤が0.001〜0.5質量部、および、前記リン系酸化防止剤が0.001〜0.5質量部の範囲内になるように、本発明の安定剤組成物を供給して、前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合することを特徴とするものである。
本発明の製造方法においては、気相重合法またはバルク重合法を用いて、前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合することが好ましい。
また、本発明の製造方法においては、前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーが、α−オレフィンを含有するものであることが好ましい。
本発明の成形品は、上記の製造方法で得られた重合体を用いてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、安定剤組成物の流動性が向上し、重合系へのフィードが適切に行えるようになり、重合体を用いて成形した場合の優れた成形性を有するとともに、異物の生成を抑制できる安定化された重合体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法に用いることができるフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、スチレン化フェノール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−メチル−4,6−ビス(オクチルスルファニルメチル)フェノール、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、イソオクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド、2,2’−オキサミド−ビス[エチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−エチルヘキシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−エチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸およびC13−15アルキルのエステル、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、ヒンダードフェノールの重合物(アデカパルマロマール社製、商品名AO.OH.98)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキホスフォビン、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス[モノエチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネートカルシウム塩、5,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2(3H)−ベンゾフラノンとo−キシレンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、DL−a−トコフェノール(ビタミンE)、2,6−ビス(α−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、ビス[3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−フェニル)ブタン酸]グリコールエステル、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、ステアリル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、パルミチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、ミリスチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、ラウリル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド等を挙げることができる。
本発明においては、フェノール系酸化防止剤が、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2018090748
(式中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、直鎖または分岐を有する炭素原子数1〜5のアルキル基、または、炭素原子数7〜9のアリールアルキル基を表し、Tは、直鎖または分岐を有する炭素原子数1〜30のアルキル基を表し、アルキル基は酸素原子、硫黄原子、または、アリール基で中断されていてもよく、置換基を有していてもよい。)
上記一般式(1)中のRおよびRで表される直鎖または分岐を有する炭素原子数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル等が挙げられるが、特にtert−ブチルは、フェノール系酸化防止剤による安定化効果に優れるので、特に、好ましい。
上記一般式(1)中のRおよびRで表される炭素原子数7〜9のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、1−メチル−1−フェニルエチル等が挙げられる。
上記一般式(1)中のTで表される、直鎖または分岐を有する炭素原子数1〜30のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、tert−オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル等が挙げられるが、本発明においては、炭素原子数が12〜24であるものが特に好ましい。アルキル基の炭素原子数が12より少ないフェノール系酸化防止剤は揮散しやすくなる場合があり、アルキル基の炭素原子数が24を超えると、フェノール系酸化防止剤の分子量に対するフェノールの割合が低下して、安定化効果が低下する場合がある。
上記のアルキル基は、酸素原子、硫黄原子、または、アリール基で中断されていてもよく、アルキル基中の水素原子が、水酸基、シアノ基、アルケニル基、アルケニルオキシ基等の鎖状脂肪族基、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、2H−ピラン、4H−ピラン、フェニル、ビフェニル、トリフェニル、ナフタレン、アントラセン、ピロリジン、ピリンジン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、キノリン、イソキノリン、またはシクロアルキル基等の環状脂肪族基で置換されていてもよい。また、これらの中断または置換は組み合わされていてもよい。
上記アリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル、クロロフェニル、ナフチル、アンスリル、フェナンスレニル等が挙げられる。
上記一般式(1)で表されるフェノール系酸化防止剤の具体的な構造としては、下記化合物が挙げられる。ただし、本発明は以下の化合物により制限を受けるものではない。
Figure 2018090748
本発明の製造方法において安定剤組成物は、フェノール系酸化防止剤が、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合して得られる重合体100質量部に対し、好ましくは0.001〜0.5質量部、より好ましくは0.005〜0.3質量部となるように添加されることが好ましい。
本発明の安定剤組成物においては、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−tert−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジイソヘキシルアルミニウムハイドライド、ジイソオクチルアルミニウムハイドライド、および、イソブチルアルミニウムジハイドライドからなる群から選択される有機アルミニウム化合物が、フェノール系酸化防止剤1当量に対し、1.5〜15当量であることに特徴を有する。
本発明においては、上記有機アルミニウム化合物以外の他の有機アルミニウム化合物を、安定剤組成物に加えてもよい。
他の有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルイニウムジクロライドなどが挙げられる。
上記他の有機アルミニウム化合物を用いる場合の配合量は、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−tert−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジイソヘキシルアルミニウムハイドライド、ジイソオクチルアルミニウムハイドライド、および、イソブチルアルミニウムジハイドライドからなる群から選択される上記有機アルミニウム化合物の1当量に対し、10当量以下であり、より好ましくは7当量以下である。
本発明の重合体の製造方法は、有機アルミニウム化合物でマスキングされたフェノール系酸化防止剤を含有する安定剤組成物を、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合前または重合中に、触媒系または重合系に添加して、重合する工程を備えるものである。安定剤組成物の添加方法は、特に限定されず、例えば、重合系、触媒系、配合管のいずれにも添加することができる。安定剤組成物は、予め、フェノール系酸化防止剤と有機アルミニウム化合物をブレンドしてから、モノマーの重合前または重合中に添加することが好ましいが、フェノール系酸化防止剤のマスキングは、速やかに反応完了するため、フェノール系酸化防止剤と有機アルミニウム化合物を別々に添加するものであってもよい。
上記以外の工程、例えば触媒の調製工程、触媒の添加工程、原材料であるモノマーの供給工程、モノマーの重合工程、重合物の回収工程などは、オレフィンモノマーの重合方法における公知の工程を採用することができる。
有機アルミニウム化合物によるフェノール系酸化防止剤のマスキングは、フェノール系酸化防止剤が有機アルミニウム化合物に溶解させることで反応が速やかに完了するが、この反応において、副生物が生じる場合、副生物を減圧留去等により取り除くことが望ましい。本発明の製造方法における重合反応や重合物への影響がない場合はそのまま用いることができる。
本発明の安定剤組成物には、さらに、リン系酸化防止剤を加えてもよい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジイソオクチルホスファイト、ヘプタキス(ジプロピレングリコール)トリホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジイソオクチルフェニルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジフェニルホスファイト、トリス(ジプロピレングリコール)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ジオレイルヒドロゲンホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジノニルフェニルビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト、テトラフェニルジプロピルグリコールジホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−tert−ブチル−4−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリ(デシル)ホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールとステアリン酸カルシウム塩との混合物、アルキル(C10)ビスフェノールAホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニル−テトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2―tert−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、(1−メチル−1−プロペニル−3−イリデン)トリス(1,1−ジメチルエチル)−5−メチル−4,1−フェニレン)ヘキサトリデシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス−tert−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、3,9−ビス(4−ノニルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスフェススピロ[5,5]ウンデカン、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイト、ポリ4,4’−イソプロピリデンジフェノールC12−15アルコールホスファイト等が挙げられる。
リン系酸化防止剤の使用量は、フェノール系酸化防止剤1当量に対し、0.5〜5当量の範囲が好ましく、より好ましくは、0.8〜4当量である。
重合工程と溶融混練工程で添加されるリン系酸化防止剤は、同一のものでも異なるものであってもよく、それぞれの工程で添加されるリン系酸化防止剤が、単独又は複数を組み合わせたものであってもよい。
本発明の安定剤組成物は、溶媒を含まないことが好ましい。
上記リン系酸化防止剤を重合工程で添加する際は、予めフェノール系酸化防止剤及び有機アルミニウム化合物と一緒に混合してもよく、フェノール系酸化防止剤と有機アルミニウム化合物を混合してから、リン系酸化防止剤を混合してもよく、リン系酸化防止剤を添加する場所は、重合系、触媒系又は配管に添加するものであってもよい。
本発明の製造方法において、安定剤組成物は、リン系酸化防止剤が、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合して得られる重合体100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.5質量部、より好ましくは、0.005〜0.3質量部となるように添加されることが好ましい。
本発明に用いられるエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロアルカン、酢酸ビニル、スチレンあるいはこれらの誘導体等が挙げられる。
本発明の製造方法によって得られる重合体は、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの1種であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよいが、α−オレフィンを含有するものであることが好ましく、エチレンまたはα−オレフィンモノマーの組合せを重合したものであるものが好ましい。例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ヘミアイソタクチックポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ステレオブロックポリプロピレン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン重合体、エチレン/プロピレンブロックまたはランダム共重合体等のα−オレフィン共重合体、シンジオタクチックポリスチレン等のスチレン重合体等が挙げられる。
本発明の効果を損なわない範囲で、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンなどの共役ジエン;1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンなどの非共役ジエン;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物などの単量体と、エチレン、α−オレフィンモノマーと共重合することができる。
本発明の製造方法で得られる好ましい重合体としては、例えば、ポリエチレン単独重合体、ポリプロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体等が挙げられる。より好ましくは、ポリエチレン単独重合体、ポリプロピレン単独重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体が挙げられる。
本発明において、重合体の好ましい密度は、0.890〜0.970g/cmであり、より好ましくは、0.900〜0.940g/cmである。平均分子量としては、重量平均分子量が、10,000〜7,000,000の範囲であるものが好ましい。
本発明の製造方法において、重合は、重合触媒の存在下で、窒素等の不活性ガス雰囲気中にて行う必要があるが、ヘプタンなど有機溶媒中で行うことは可能である。また、重合を阻害しない範囲で、活性水素化合物、微粒子状担体、イオン交換性層状化合物、無機珪酸塩を添加してもよい。
上記重合触媒は、特に限定されるものではなく、公知の重合触媒を利用可能であり、例えば、周期表第3〜11族の遷移金属(例えば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、鉄、ニッケル、鉛、白金、イットリウム、サマリウム等)の化合物が挙げられる。重合触媒の代表的なものとしては、チーグラー触媒、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分からなるチーグラー・ナッタ触媒、少なくとも一個のシクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族〜第6族の遷移金属化合物と助触媒成分からなるメタロセン触媒が挙げられる。また、電子供与化合物を使用すると高品質の重合体が得られるので好ましい。
上記電子供与性化合物としては、エーテル系化合物、エステル系化合物、ケトン系化合物、アルコキシシラン系化合物等が挙げられる。上記電子供与化合物は、単独の化合物を添加してもよく、必要に応じて複数の化合物を添加してもよい。
上記エーテル系化合物としては、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2,2,5,5−テトラメチルテトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
上記エステル系化合物としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、フェニル酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸フェニル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、メトキシ安息香酸メチル、メトキシ安息香酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘキシル、コハク酸ジエチル−2,2−ジメチル、コハク酸ジエチルー2−エチルー2−メチル、γ−ブチロラクトン、エチルセロソルブ等が挙げられる。
上記ケトン系化合物としては、例えば、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等が挙げられる。
上記アルコキシシラン系化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、tert−ブチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、tert−ブチルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン等が挙げられる。
重合反応を行う方法としては、通常用いられている方法を採用することができる。例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ガソリン留分、水素化ジーゼル留分などの不活性溶媒の存在下に液相で重合を行う方法、液化したオレフィン自身を媒体とする重合方法、液相が実質的に存在しない条件下、気相で重合を行う方法、またはこれらを2種以上組み合わせた重合方法も使用可能である。また、重合は、回分式、連続式のいずれでもよく、一段重合法または多段重合法であってもよい。
本発明においては、気相重合法またはバルク重合法が、本発明の効果が顕著となるので好ましい。
上記重合反応で用いられる重合槽としては、既存の重合設備における連続反応槽をそのまま使用すればよく、サイズ、形状、材質など、従来の重合設備を特に限定されることなく使用可能である。
エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合は、重合を阻害しない範囲で、上記重合触媒以外の触媒構成成分、例えば、担体等を含んでいてもよい。担体上に触媒を担持した場合、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの粉体性状が向上し、造粒工程を省略することができる。
上記担体は種類に制限はないが、例えば、無機酸化物等の無機担体、多孔質ポリオレフィンなどの有機担体が挙げられ、複数を併用したものであってもよい。
無機担体としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化亜鉛等、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウム、マグネシウムエトキシドなどのマグネシウムアルコキシドなどが挙げられる。
また、他の無機担体としては、イオン交換性層状化合物が挙げられる。イオン交換性層状化合物とは、イオン結合等によって構成される面が、互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有するもので、含有するイオンが交換可能なものを言う。これらの具体例としては、カオリン、ベントナイト、タルク、カオリナイト、バーミキュライト、モンモリロナイト群、雲母群、α−Zr(HAsO・HO、α−Zr(HPO・HO、α−Sn(HPO・HO、γ−Ti(NHPO・HOなどが挙げられる。
有機担体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリ塩化ビニル等であり、これらは例えばスチレン−ジビニルベンゼン共重合体のように架橋していてもかまわない。またこれら有機担体上に触媒が化学結合したものも使用可能である。
これら担体の粒径は一般に0.1〜300μmであり、好ましくは1〜200μm、更に好ましくは10〜100μmの範囲である。粒径が小さいと微粉状の重合体となり、また大きすぎると粗大粒子が生成するなど粉体の取扱いが困難となる。
これら担体の細孔容積は通常0.1〜5cm/gであり、好ましくは0.3〜3cm/gである。細孔容積は例えばBET法や水銀圧入法などにより測定できる。
本発明の製造方法は、重合工程を特定の条件下で行うことを特徴とするものである。その他の工程、例えば、触媒の調整工程、原材料であるモノマーの供給工程、重合物の回収工程などは、エチレン性モノマーの重合における公知の方法を採用することができる。
本発明の製造方法で得られた重合物は、必要に応じてさらに、他の添加剤を配合することができる。他の添加剤の配合方法としては、重合を阻害するものでなければ、エチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合時に配合することができ、または、他の添加剤を目的に応じた配合量で重合物と混合して、押出機などの成形加工機で溶融混錬して造粒、成形する方法が挙げられる。
上記他の添加剤としては、例えば、チオエーテル系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物、重金属不活性化剤、造核剤、難燃剤、金属石鹸、ハイドロタルサイト、充填剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、染料、可塑剤等が挙げられる。
チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、テトラキス[メチレン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン、ビス(メチル−4−[3−n−アルキル(C12/C14)チオプロピオニルオキシ]5−tert−ブチルフェニル)スルファイド、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ラウリル/ステアリルチオジプロピオネート、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−p−クレゾール)、ジステアリル−ジサルファイドが挙げられる。
チオエーテル系酸化防止剤の使用量は、本発明の製造方法で得られる重合体100質量部に対して、0.001〜10質量部、より好ましくは、0.01〜0.5質量部である。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−tert−オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−tert−ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−tert−オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−tert−ブチルフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−tert−アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩、又は金属キレート、特にニッケル、クロムの塩、又はキレート類等が挙げられる。
紫外線吸収剤の使用量は、本発明の製造方法で得られる重合体100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは0.01〜0.5質量部である。
上記ヒンダードアミン化合物としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−tert−オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、ビス{4−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジル}デカンジオナート、ビス{4−(2,2,6,6−テトラメチル−1−ウンデシルオキシ)ピペリジル)カーボナート、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製TINUVIN NOR 371等が挙げられる。
ヒンダードアミン化合物の使用量は、本発明の製造方法で得られる重合体100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.005〜0.5質量部である。
上記重金属不活性化剤としては、サリチルアミド−1,2,4−トリアゾール−3−イ ル、ビスサリチル酸ヒドラジド、ドデカンジオイルビス(2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド)、ビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸)ヒドラジド等が挙げられ、本発明の製造方法で得られる重合体100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは、0.05〜5質量部が用いられる。
上記造核剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、4−tert−ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウムおよび2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート等のカルボン酸金属塩、ナトリウムビス(4−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェートおよびリチウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート等のリン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、およびビス(ジメチルベンジリデン)ソルビトール等の多価アルコール誘導体、N,N’,N”−トリス[2−メチルシクロヘキシル]―1,2,3−プロパントリカルボキサミド(RIKACLEAR PC1)、N,N’,N”−トリシクロヘキシルー1,3,5−ベンゼントリカルボキサミド、N,N’−ジシクロヘキシル−ナフタレンジカルボキサミド、1,3,5−トリ(ジメチルイソプロポイルアミノ)ベンゼン等のアミド化合物等が挙げられる。
上記造核剤の使用量は、本発明の製造方法で得られる重合体100質量部に対して、0.001〜10質量部、より好ましくは0.005〜5質量部、である。
上記難燃剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−ジキシレニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、(1−メチルエチリデン)−4,1−フェニレンテトラフェニルジホスフェート、1,3−フェニレンテトラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、株式会社ADEKA製商品名「アデカスタブFP−500」、「アデカスタブFP−600」、「アデカスタブFP−800」の芳香族リン酸エステル、フェニルホスホン酸ジビニル、フェニルホスホン酸ジアリル、フェニルホスホン酸(1−ブテニル)等のホスホン酸エステル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィン酸メチル、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド誘導体等のホスフィン酸エステル、ビス(2−アリルフェノキシ)ホスファゼン、ジクレジルホスファゼン等のホスファゼン化合物、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジン、リン含有ビニルベンジル化合物および赤リン等のリン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビステトラブロモフタルイミド、1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレンおよび2,4,6−トリス(トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、トリブロモフェニルマレイミド、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、テトラブロモビスフェノールA型ジメタクリレート、ペンタブロモベンジルアクリレート、および、臭素化スチレン等の臭素系難燃剤等を挙げることができる。これら難燃剤はフッ素樹脂等のドリップ防止剤や多価アルコール、ハイドロタルサイト等の難燃助剤と併用することが好ましい。
難燃剤の好ましい使用量は、本発明の製造方法で得られる重合体100質量部に対して、1〜50質量部、より好ましくは、10〜30質量部である。
金属石鹸としては、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛等の金属と、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸等の飽和または不飽和脂肪酸の塩が用いられる。
金属石鹸を配合する場合の配合量は、本発明の製造方法で得られる重合体100質量部に対し、金属石鹸0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
ハイドロタルサイト類としては、天然物や合成物として知られるマグネシウム、アルミニウム、水酸基、炭酸基および任意の結晶水からなる複合塩化合物であり、マグネシウムまたはアルミニウムの一部をアルカリ金属や亜鉛等他の金属で置換したものや水酸基、炭酸基を他のアニオン基で置換したものが挙げられ、具体的には、例えば、下記一般式(2)で表されるハイドロタルサイトの金属をアルカリ金属に置換したものが挙げられる。また、Al―Li系のハイドロタルサイト類としては、下記一般式(3)で表される化合物も用いることができる。
Figure 2018090748
ここで、一般式(2)中、x1およびx2はそれぞれ下記式、
0≦x2/x1<10,2≦x1+x2≦20
で表される条件を満たす数を表し、pは0または正の数を表す。
Figure 2018090748
ここで、一般式(3)中、Aq-は、q価のアニオンを表し、pは0または正の数を表す。
また、前記ハイドロタルサイト類における炭酸アニオンは、一部を他のアニオンで置換したものでもよい。
ハイドロタルサイト類は、結晶水を脱水したものであってもよく、ステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩等の高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等の有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックス等で被覆されたものであってもよい。
ハイドロタルサイト類は、天然物であってもよく、また合成品であってもよい。該化合物の合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129合公報、特公平3−36839号公報、特開昭61−174270号公報、特開平5−179052号公報等に記載されている公知の方法が挙げられる。また、前記ハイドロタルサイト類は、その結晶構造、結晶粒子等に制限されることなく使用することができる。
ハイドロタルサイト類の好ましい使用量は、本発明の製造方法で得られる重合体100質量部に対し、0.001〜5質量部、より好ましくは、0.05〜3質量部である。
充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス粉末、ガラス繊維、クレー、ドロマイト、マイカ、シリカ、アルミナ、チタン酸カリウムウィスカー、ワラステナイト、繊維状マグネシウムオキシサルフェート等を挙げることができ、粒子径(繊維状においては繊維径や繊維長およびアスペクト比)を適宜選択して用いることができる。また、充填剤は、必要に応じて表面処理したものを用いることができる。
充填剤の好ましい使用量は、本発明の製造方法で得られる重合体100質量部に対して、0.01〜80質量部、より好ましくは、1〜50質量部である。
滑剤は、成形体表面に滑性を付与し傷つき防止効果を高める目的で加えられる。滑剤としては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド;ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド、ブチルステアレート、ステアリルアルコール、ステアリン酸モノグリセライド、ソルビタンモノパルミチテート、ソルビタンモノステアレート、マンニトール、ステアリン酸、硬化ひまし油、ステアリンサンアマイド、オレイン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
滑剤の好ましい使用量は、本発明の製造方法で得られる重合体100質量部に対して、0.03〜2質量部、より好ましくは、0.01〜0.5質量部である。
帯電防止剤としては、例えば、脂肪酸第四級アンモニウムイオン塩、ポリアミン四級塩等のカチオン系帯電防止剤;高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールEO付加物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アニオン型のアルキルスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキシド付加物硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキシド付加物リン酸エステル塩等のアニオン系帯電防止剤;多価アルコール脂肪酸エステル、ポリグリコールリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル等のノニオン系帯電防止剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性型アルキルベタイン、イミダゾリン型両性活性剤等の両性帯電防止剤が挙げられる。係る帯電防止剤は単独で用いてもよく、また、2種類以上の帯電防止剤を組み合わせて用いてもよい。
帯電防止剤の好ましい使用量は、本発明の製造方法で得られる重合体100質量部に対して、0.03〜2質量部、より好ましくは、0.1〜0.8質量部である。
顔料としては、市販の顔料を用いることもでき、例えば、ピグメントレッド1、2、3、9、10、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリーン7、10、36;ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、50等が挙げられる。
染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、スチルベン染料、チアゾール染料、ナフトール染料、キノリン染料、ニトロ染料、インダミン染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、シアニン染料等の染料等が挙げられ、これらは複数を混合して用いてもよい。
本発明の製造方法で得られた重合体を成形する場合、公知の熱可塑性樹脂組成物の成形方法を用いて成形することができる。例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、真空成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、スラッシュ成形法、ディップ成形法、発泡成形法等を用いて成形品を得ることができる。
本発明により得られる重合体の用途は特に限定されないが、バンパー、ダッシュボード、インパネ等自動車材料、冷蔵庫、洗濯機、掃除機などのハウジング用途、食器、バケツ、入浴用品などの家庭用品、玩具等の雑貨品、タンク類などの貯蔵、保存用容器などの成形品や、フィルム、繊維等に好適に用いることができる。
以下、実施例、比較例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によって制限を受けるものではない。
(安定剤組成物の調製)
窒素置換したフラスコに、表1に記載の配合量で、フェノール系酸化防止剤と有機アルミニウム化合物を加えて撹拌した。表1中の[当量]は、モル比を表す。撹拌後、安定剤組成物の状態を目視で観察した。「懸濁」は、安定剤組成物が懸濁した時間、「固化物」は、安定剤組成物に固形物が現れた時間、「溶液に戻る時間」は、懸濁または固化物か現れてから溶液に戻るまでの時間をそれぞれ表す。
Figure 2018090748
化合物1:3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−N−オクタデシルプロパンアミド
TIBAL:トリイソブチルアルミニウム
TEAL:トリエチルアルミニウム
DIBAL−H:ジイソブチルアルミニウムハイドライド
TIPAL:トリイソプロピルアルミニウム
TNHAL:トリ−n−ヘキシルアルミニウム
P−1:トリ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト
P−2:トリイソデシルホスファイト
P−3:2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト
(重合)
窒素置換したオートクレーブに1mol/lのトリエチルアルミニウムヘプタン溶液10ml、得られた重合体100質量部に対して、フェノール系酸化防止剤が0.01質量部の配合量になるように、表1に記載の配合量で調製した安定剤組成物を加え、さらに、1mol/lのジシクロペンチルジメトキシシラン1mlおよびチーグラー触媒を順次加えた。オートクレーブ内に水素240g(23℃)を吹き込んだ後、プロピレンで3.7MPaGの圧力をかけ、撹拌を開始した。30℃で5分間プレ重合した後、70℃まで昇温し、1時間重合反応を行った。60℃エタノール15mlを加え重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を窒素で置換し、次いで、真空中、40℃でポリマーを1時間乾燥することにより、重合体を得た。得られた重合体の重合活性は、実施例1の安定剤組成物を用いた場合、触媒1gあたり、26.2kgであった。
(安定化効果および成形性の評価)
得られた重合体100質量部に対し、ステアリン酸カルシウム0.05質量部を加えて混合し、二軸押出機(ラボプラストミルマイクロ,株式会社東洋精機製作所製)に投入し、240℃の溶融温度で押出し、ペレタイズしたものをまた二軸押出機に投入することを3回繰り返した。上記の押出前の重合体と3回押出後のペレットの分子量を計測して、安定化効果について評価した。分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(装置:ウォーターズ社製GPC2000型、カラム:ウォーターズ社製Styragel HT6E 2本とStyragelHT2 1本、測定温度135℃、溶媒:オルトジクロロベンゼン、濃度:6mg/10g)により重量平均分子量を計測した。また、押出し時に白煙の発生有無についても確認した。
これらの結果について、下記表2に示す。
Figure 2018090748
比較例4および比較例6より、フェノール系酸化防止剤1当量に対し、有機アルミニウム化合物が15質量部を超える安定剤組成物を用いた場合、安定化効果に乏しいことが確認できた。また、比較例7より、ミネラルオイルを用いた場合、押出機で溶融混練する際に白煙が生じ、成形性に乏しいことが確認できた。これらに対し、本発明の安定剤組成物を用いた場合、安定化効果・成形性は何ら問題がないことが確認できた。

Claims (10)

  1. フェノール系酸化防止剤1当量に対し、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−tert−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジイソヘキシルアルミニウムハイドライド、ジイソオクチルアルミニウムハイドライド、および、イソブチルアルミニウムジハイドライドからなる群から選択される有機アルミニウム化合物を、1.5〜15当量の範囲で含有することを特徴とする安定剤組成物。
  2. 溶媒を含まない請求項1記載の安定剤組成物。
  3. 前記フェノール系酸化防止剤が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1または2記載の安定剤組成物。
    Figure 2018090748
    (式中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、直鎖または分岐を有する炭素原子数1〜5のアルキル基、または、炭素原子数7〜9のアリールアルキル基を表し、Tは、直鎖または分岐を有する炭素原子数1〜30のアルキル基を表し、該アルキル基は酸素原子、硫黄原子、または、アリール基で中断されていてもよく、置換基を有していてもよい。)
  4. さらに、前記有機アルミニウム化合物1当量に対し、前記有機アルミニウム化合物以外の他の有機アルミニウム化合物を、10当量以下の範囲で含有する請求項1〜3のうちいずれか一項記載の安定剤組成物。
  5. さらに、リン系酸化防止剤を、前記フェノール系酸化防止剤1当量に対し、0.5〜5当量の範囲で含有する請求項1〜4のうちいずれか一項記載の安定剤組成物。
  6. エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合して得られる重合体100質量部に対し、前記フェノール系酸化防止剤が0.001〜0.5質量部の範囲内になるように、請求項1〜4のうちいずれか一項記載の安定剤組成物を供給して、前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合することを特徴とする安定化された重合体の製造方法。
  7. エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合して得られる重合体100質量部に対し、前記フェノール系酸化防止剤が0.001〜0.5質量部、および、前記リン系酸化防止剤が0.001〜0.5質量部の範囲内になるように、請求項5記載の安定剤組成物を供給して、前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合することを特徴とする安定化された重合体の製造方法。
  8. 気相重合法またはバルク重合法を用いて、前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合する請求項6または7記載の安定化された重合体の製造方法。
  9. 前記エチレン性不飽和結合を有するモノマーが、α−オレフィンを含有するものである請求項6〜8のうちいずれか一項記載の安定化された重合体の製造方法。
  10. 請求項6〜9のうちいずれか一項記載の製造方法で得られた重合体を用いてなることを特徴とする成形品。
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