JP2018090565A - 塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents

塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好なマスクエラーファクター(MEF)でレジストパターンを製造することができるレジスト組成物及びレジストパターンの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】式(I)で表される塩。[式中、QA1及びQA2は、フッ素原子又はペルフルオロアルキル基を表す。Lb1は、3価又は4価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。R1は、水素原子、フッ素原子又はヒドロキシ基を表す。mは0〜2、nnは2又は3を表す。Z1+は、有機対イオンを表す。]【選択図】なし

Description

本発明は、塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法に関する。
特許文献1には、下記式で表される塩を酸発生剤として含有するレジスト組成物が記載されている。
特開2012−229199号公報
上記の塩を含むレジスト組成物では、得られるレジストパターンのマスクエラーファクター(MEF)が必ずしも満足できない場合があった。
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕式(I)で表される塩。
[式(I)中、
A1及びQA2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、炭素数1〜28の3価又は4価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
は、水素原子、フッ素原子又はヒドロキシ基を表す。
mは0〜2のいずれかの整数を表し、nは1〜12のいずれかの整数を表し、oは0又は1を表す。
nnは、2又は3を表す。複数存在するR、m、n及びoはそれぞれ、異なっていてもよいし、同一であってもよい。
Z1は、有機対イオンを表す。]
〔2〕Lb1が、式(L−1)、式(L−2)又は式(L−3)で表される基である〔1〕記載のレジスト組成物。
[式(L−1)、式(L−2)及び式(L−3)中、
は、単結合、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜14の2価の脂肪族炭化水素基又は式(a−1)で表される基を表す。
(式(a−1)中、
sは0又は1を表す。
10及びX11は、同一又は相異なり、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基又はオキシカルボニルオキシ基を表す。
10及びA11はそれぞれ独立に、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
12は、単結合又はフッ素原子を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
*はW又は炭素原子との結合手を表す。)
Wは、炭素原子又は炭素数4〜18の脂環式炭化水素基を表す。
は、−O−*1、−O−CO−*1、−O−CH−*1又は−O−CH−CO−O−*1を表す。*1は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
は、−O−*2、−O−CO−*2、−O−CH−*2又は−O−CH−CO−O−*2を表す。*2は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
は、−O−*1又は−O−CH−CO−O−*1を表す。*1は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
は、−O−*2又は−O−CH−CO−O−*2を表す。*2は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
は、−O−*1、−O−CO−*1又は−O−CH−*1を表す。*1は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
は、−O−*2、−O−CO−*2又は−O−CH−*2を表す。*2は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
*L0は−C(QA1)(QA2)−との結合手を表す。
m1、m2、m3、m4及びm5は、それぞれ独立に、0〜6のいずれかの整数を表す。
は、水素原子又はフッ素原子を有していてもよい炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基を表す。
*L1及び*L2は、−(CH)m−(CF)n−(CH)o−Rとの結合手を表す。]
〔3〕〔1〕又は〔2〕記載の塩を含有する酸発生剤。
〔4〕〔3〕記載の酸発生剤と、酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂とを含有するレジスト組成物。
〔5〕フッ素原子を有する構造単位を含む樹脂をさらに含有する〔4〕記載のレジスト組成物。
〔6〕酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩をさらに含有する〔4〕又は〔5〕記載のレジスト組成物。
〔7〕(1)[4]〜[6]のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
良好なマスクエラーファクター(MEF)のレジストパターンを製造することができる塩を提供する。
本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一種」を意味する。「(メタ)アクリル酸」や「(メタ)アクリロイル」等の表記も、同様の意味を有する。
また、特に断りのない限り、「脂肪族炭化水素基」のように直鎖、分岐及び/又は環をとり得る基は、そのいずれをも含む。「芳香族炭化水素基」は芳香環に炭化水素基が結合した基をも包含する。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を包含する。
本明細書において、「レジスト組成物の固形分」とは、レジスト組成物の総量から、後述する溶剤(E)を除いた成分の合計を意味する。
<塩>
本発明の塩は、式(I)で表される塩(以下「塩(I)」という場合がある)である。
[式(I)中、
A1及びQA2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、炭素数1〜28の3価又は4価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
は、水素原子、フッ素原子又はヒドロキシ基を表す。
mは0〜2のいずれかの整数を表し、nは1〜12のいずれかの整数を表し、oは0又は1を表す。
nnは、2又は3を表す。複数存在するR、m、n及びoはそれぞれ、異なっていてもよいし、同一であってもよい。
Z1は、有機対イオンを表す。]
塩(I)のうち、正電荷を有する側を「有機カチオン」と、負電荷を有する側を「スルホン酸アニオン」と、それぞれ称することがある。
A1及びQA2のペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
A1及びQA2は、それぞれ独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることが好ましく、QA1及びQA2はともにフッ素原子であることがより好ましい。
b1の3価及び4価の飽和炭化水素基は、2価の飽和炭化水素基の任意の位置の1つ又は2つの水素原子を取り去った基が挙げられる。2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組合せたものでもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基及びヘプタデカン−1,17−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ペンタン−2,4−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
nnは、2であることが好ましい。
b1としては、以下の式(L−1)、式(L−2)又は式(L−3)で表される基であることが好ましい。
[式(L−1)、式(L−2)及び式(L−3)中、
は、単結合、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜14の2価の脂肪族炭化水素基又は式(a−1)で表される基を表す。
(式(a−1)中、
sは0又は1を表す。
10及びX11は、同一又は相異なり、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基又はオキシカルボニルオキシ基を表す。
10及びA11はそれぞれ独立に、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
12は、単結合又はフッ素原子を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
*はW又は炭素原子との結合手を表す。)
Wは、炭素原子又は炭素数4〜18の脂環式炭化水素基を表す。
は、−O−*1、−O−CO−*1、−O−CH−*1又は−O−CH−CO−O−*1を表す。*1は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
は、−O−*2、−O−CO−*2、−O−CH−*2又は−O−CH−CO−O−*2を表す。*2は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
は、−O−*1又は−O−CH−CO−O−*1を表す。*1は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
は、−O−*2又は−O−CH−CO−O−*2を表す。*2は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
は、−O−*1、−O−CO−*1又は−O−CH−*1を表す。*1は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
は、−O−*2、−O−CO−*2又は−O−CH−*2を表す。*2は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
*L0は−C(QA1)(QA2)−との結合手を表す。
m1、m2、m3、m4及びm5は、それぞれ独立に、0〜6の整数を表す。
は、水素原子又はフッ素原子を有していてもよい炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基を表す。
*L1及び*L2は、−(CH)m−(CF)n−(CH)o−Rとの結合手を表す。]
ただし、これらの炭素数の最大合計数は28である。
式(L−1)で表される基としては、例えば以下のものが挙げられる。
式(L−2)で表される基としては、例えば以下のものが挙げられる。
式(L−3)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
−(CH−(CF−(CH−R(*は、Lb1との結合手を表す。)としては、例えば、以下で表される基などが挙げられる。
式(I)で表される塩のアニオンとしては、以下に示すスルホン酸アニオンが挙げられる。
式(I)のカチオンZ1は、有機オニウムカチオン、例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン、有機ホスホニウムカチオン等が挙げられ、好ましくは、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンであり、より好ましくは、アリールスルホニウムカチオンである。
中でも、式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表されるカチオン(以下、式番号に応じて「カチオン(b2−1)」等という場合がある。)が好ましい。
式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b4とRb5とは、一緒になってそれらが結合する硫黄原子を含む環を形成してもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルフィニル基又はカルボニル基に置き換わってもよい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。
m2が2以上のとき、複数のRb7は同一でも異なってもよく、n2が2以上のとき、複数のRb8は同一でも異なってもよい。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表す。
b9とRb10とは、一緒になってそれらが結合する硫黄原子を含む環を形成してもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルフィニル基又はカルボニル基に置き換わってもよい。
b11は、水素原子、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b12は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素に含まれる水素原子は、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b1とRb12とは、一緒になってそれらが結合する−CH−CO−を含む環を形成していてもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルフィニル基又はカルボニル基に置き換わってもよい。
b13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b31は、硫黄原子又は酸素原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一又は相異なり、p2が2以上のとき、複数のRb14は同一又は相異なり、q2が2以上のとき、複数のRb15は同一又は相異なり、r2が2以上のとき、複数のRb16は同一又は相異なり、s2が2以上のとき、複数のRb17は同一又は相異なり、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一又は相異なる。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基及び2−エチルヘキシル基のアルキル基が挙げられる。特に、Rb9〜Rb12の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜12である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基等が挙げられる。
特に、Rb9〜Rb12の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基においては、脂環式炭化水素基と脂肪族炭化水素基との合計炭素数が好ましくは20以下である。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−シクロへキシルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等のアリール基が挙げられる。
なお、芳香族炭化水素基に、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基が含まれる場合は、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基及び炭素数3〜18の脂環式炭化水素基が好ましい。
水素原子がアルコキシ基で置換された芳香族炭化水素基としては、p−メトキシフェニル基等が挙げられる。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
b4とRb5とが一緒になって形成する硫黄原子を含む環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、炭素数3〜18の環が挙げられ、好ましくは炭素数4〜18の環である。また、硫黄原子を含む環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環である。下記の環が挙げられる。
b9とRb10とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環である。例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環等が挙げられる。
b11とRb12とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環である。オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環等が挙げられる。
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中でも、好ましくは、カチオン(b2−1)である。
カチオン(b2−1)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2−2)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2−3)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2−4)としては、以下のカチオンが挙げられる。
塩(I)は、上述のスルホン酸アニオン及び有機カチオンの組合せである。これらのアニオンとカチオンとは任意に組み合わせることができる。塩(I)の具体例を表1に示す。
表1において、塩(I−1)は、式(Ia−1)で表されるスルホン酸アニオンと式(b2−c−1)で表されるカチオンとからなる塩であり、以下に示す塩を表す。









なかでも、塩(I)は、塩(I−1)、塩(I−2)、塩(I−5)〜塩(I−8)、塩(I−11)〜塩(I−13)、塩(I−24)、塩(I−25)、塩(I−28)〜塩(I−31)、塩(I−34)〜塩(I−36)、塩(I−47)、塩(I−48)、塩(I−51)〜塩(I−54)、塩(I−57)〜塩(I−59)、塩(I−70)、塩(I−71)、塩(I−74)〜塩(I−77)、塩(I−80)〜塩(I−82)、塩(I−93)、塩(I−94)、塩(I−97)〜塩(I−100)、塩(I−103)〜塩(I−105)、塩(I−116)、塩(I−117)、塩(I−120)〜塩(I−123)、塩(I−126)〜塩(I−128)、塩(I−139)、塩(I−140)、塩(I−143)〜塩(I−146)、塩(I−149)〜塩(I−151)、塩(I−162)〜塩(I−203)が好ましい。
b1が式(L−1)で表される基である塩(I01)〔式(I01)で表される塩(I)、以下、場合により「塩(I01)」という。〕は、例えば、式(I01−a)で表される塩と、式(I01−b)で表される化合物とを、溶媒中で反応させることにより製造することができる。
式(I01−a)で表される塩は、式(I01−c)で表される塩と、式(I01−d)で表される化合物とを、溶媒中で反応させることにより得ることができる。
この反応の溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリルなどが用いられる。
反応温度は通常5℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
式(I01−c)で表される塩としては、以下で表される塩などが挙げられ、特開2008−127367号公報に記載された方法で製造することができる。
式(I01−b)で表される化合物としては、例えば、以下で表される化合物が挙げられ、公知の合成方法で容易に合成することができる。
b1が式(L−2)で表される基である塩(I02)〔式(I02)で表される塩(I)、以下、場合により「塩(I02)」という。〕は、例えば、式(I01−a)で表される塩と、式(I02−b)で表される化合物とを、溶媒中で反応させることにより製造することができる。
この反応の溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリルなどが用いられる。
反応温度は通常5℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
式(I02−b)で表される化合物としては、例えば、以下で表される化合物が挙げられ、公知の合成方法で容易に合成することができる。
b1が式(L−2)で表される基であり、Xが式(a−1)で表される基であり、X11がオキシカルボニルオキシ基である塩(I02A)〔式(I02A)で表される塩(I)、以下、場合により「塩(I02A)」という。〕は、例えば、式(I02A−a)で表される塩と式(I02A−b)で表される化合物とを反応させることにより製造することもできる。
この反応の溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリルなどが用いられる。
反応温度は通常5℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
式(I02A−a)で表される塩としては、以下で表される塩などが挙げられ、特開2012−72109号公報に記載された方法で製造することができる。
式(I02A−b)で表される化合物としては、例えば、以下で表される化合物が挙げられ、公知の合成方法で容易に合成することができる。
b1が式(L−3)で表される基である塩(I03)〔式(I03)で表される塩(I)、以下、場合により「塩(I03)」という。〕は、例えば、式(I03−b)で表される化合物とカルボニルジイミダゾールとを溶剤中で反応させた後、さらに、式(I03−a)で表される塩と反応させることにより製造することができる。
この反応の溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリルなどが用いられる。
反応温度は通常5℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
式(I03−a)で表される塩としては、以下で表される塩などが挙げられ、特開2012−193170号公報に記載された方法で製造することができる。
式(I03−b)で表される化合物としては、例えば、以下で表される化合物が挙げられ、公知の合成方法で容易に合成することができる。
b1が以下の式
で表される基である塩(I)〔式(I1)で表される塩(I)、以下、場合により「塩(I1)」という。〕は、例えば、式(I1−a)で表される塩と、式(I1−b)で表される化合物とを、溶媒中で反応させることにより製造することができる。
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
この反応の溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリルなどが用いられる。
反応温度は通常5℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
式(I1−a)で表される化合物は、式(I1−c)で表される塩と、式(I1−d)で表される化合物とを、溶媒中で反応させることにより得ることができる。
この反応の溶媒としては、クロロホルムなどが用いられる。
反応温度は通常5℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
式(I1−c)で表される化合物としては、以下で表される塩などが挙げられ、特開2008−127367号公報に記載された方法で製造することができる。
式(I1−b)で表される化合物は、式(I1−e)で表される化合物と式(I1−f)で表される化合物とを、触媒の存在下、溶媒中で反応させることにより得ることができる。
この反応の触媒としては、炭酸カリウム、ヨウ化カリウムなどが用いられる。
この反応の溶媒としては、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、アセトニトリルなどが用いられる。
反応温度は通常5℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
式(I1−f)でそれぞれ表される化合物としては、以下で表される化合物等が挙げられ、市場から容易に入手できる。
また、Lb1が以下の式
で表される基である塩(I)〔式(I2)で表される塩(I)、以下、場合により「塩(I2)」という。〕は、例えば、式(I2−a)で表される塩と、式(I2−b1)で表される化合物又は式(I2−b2)で表される化合物とを、塩基触媒の存在下、溶媒中で反応させることにより製造することができる。

(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
この反応の溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリルなどが用いられる。
塩基触媒としては、ピリジンなどが用いられる。
反応温度は通常5℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
式(I2−b1)で表される化合物としては、以下で表される化合物等が挙げられ、市場から容易に入手できる。
式(I2−b2)で表される化合物としては、以下で表される化合物等が挙げられ、市場から容易に入手できる。
式(I2−a)で表される化合物は、式(I1−c)で表される化合物と式(I2−c)で表される化合物とを、触媒の存在下、溶媒中で反応させることにより得ることができる。
(式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。)
この反応の触媒としては、炭酸カリウム、ヨウ化カリウムなどが用いられる。
この反応の溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリルなどが用いられる。
反応温度は通常5℃〜80℃であり、反応時間は通常0.5時間〜24時間である。
〔酸発生剤〕
本発明の酸発生剤は、塩(I)を含有する酸発生剤である。本発明の酸発生剤は、塩(I)が単独で含有されていてもよいし、2種類以上が含有されていてもよい。
本発明の酸発生剤は、塩(I)以外レジスト分野で公知の酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある)を含有していてもよい。
また、酸発生剤として塩(I)及び酸発生剤(B)を含有する場合、塩(I)と酸発生剤(B)との含有量の比(質量比;塩(I):酸発生剤(B))は、通常、1:99〜99:1、好ましくは2:98〜98:2、より好ましくは5:95〜95:5、さらに好ましくは10:90〜90:10である。
〔レジスト組成物〕
本発明のレジスト組成物は、酸不安定基を有する樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある)と、塩(I)を含む上述した酸発生剤とを含有する。ここで、「酸不安定基」は、脱離基を有し、酸との接触により脱離基が脱離して、構成単位が親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を有する構成単位に変換する基を意味する。
レジスト組成物は、さらに、クエンチャー(以下「クエンチャー(C)」という場合がある)を含有することが好ましく、溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有することが好ましい。
<酸発生剤>
本発明のレジスト組成物において、塩(I)の含有量は、樹脂(A)に対して、1〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることがより好ましい。
<酸発生剤(B)>
酸発生剤は、非イオン系とイオン系とに分類されるが、本発明のレジスト組成物の酸発生剤(B)においては、いずれを用いてもよい。非イオン系酸発生剤には、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン 4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が含まれる。イオン系酸発生剤は、公知のカチオンと公知のアニオンとの組合せからなるイオン性酸発生剤が挙げられ、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等がある。
酸発生剤(B)としては、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物、特開2013−68914号公報、特開2013−3155号公報、特開2013−11905号公報記載の酸発生剤等を使用することができる。また、公知の方法で製造した化合物を使用してもよい。
酸発生剤(B)としては、アリールスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、式(B1−1)〜式(B1−3)、式(B1−5)〜式(B1−7)、式(B1−11)〜式(B1−14)、式(B1−17)、式(B1−20)〜式(B1−26)、式(B1−29)、式(B1−31)〜式(B1−48)のいずれかで表される塩がより好ましい。
酸発生剤(B)は、1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
酸発生剤(B)の含有量は、樹脂(A)に対して、1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。
レジスト組成物においては、塩(I)及び酸発生剤(B)を酸発生剤として用いる場合、塩(I)及び酸発生剤(B)の含有量は、樹脂(A)に対して、好ましくは1.5質量%以上(より好ましくは3質量%以上)、好ましくは40質量%以下(より好ましくは35質量%以下)である。
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、酸不安定基を有する構造単位(以下「構造単位(a1)」という場合がある)を有する。樹脂(A)は、さらに、構造単位(a1)以外の構造単位を含んでいることが好ましい。構造単位(a1)以外の構造単位としては、酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(s)」という場合がある)、構造単位(a1)及び構造単位(s)以外の構造単位(以下「構造単位(t)」という場合がある)及びその他の当該分野で公知のモノマーに由来する構造単位等が挙げられる。
<構造単位(a1)>
構造単位(a1)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という場合がある)から導かれる。
樹脂(A)に含まれる酸不安定基は、式(1)で表される基及び/又は式(2)で表される基が好ましい。
[式(1)中、Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成する。
ma及びnaは、それぞれ独立して、0又は1を表し、ma及びnaの少なくとも一方は1を表す。
*は結合手を表す。]
[式(2)中、Ra1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに炭素数3〜20の2価の複素環基を形成し、該炭化水素基及び該2価の複素環基に含まれる−CH2−は、−O−又は−S−で置き換わってもよい。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
na’は、0又は1を表す。
*は結合手を表す。]
a1〜Ra3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。
a1〜Ra3の脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合手を表す。)等が挙げられる。Ra1〜Ra3の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜16である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボルニルエチル基等が挙げられる。
好ましくは、maは0であり、naは1である。
a1及びRa2が互いに結合して2価の脂環式炭化水素基を形成する場合の−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)としては、下記の基が挙げられる。2価の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜12である。*は−O−との結合手を表す。
a1'〜Ra3'の炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等のアリール基等が挙げられる。
a2'及びRa3'が互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに形成する2価の複素環基を形成する場合、−C(Ra1’)(Ra3’)−X−Ra2’としては、下記の基が挙げられる。*は、結合手を表す。
a1'及びRa2'のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
na’は、好ましくは0である。
式(1)で表される基としては、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中においてRa1〜Ra3がアルキル基、ma=0、na=1、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、Ra2及びこれらが結合する炭素原子がアダマンチル基、Ra3がアルキル基、ma=0、na=1)及び1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基、Ra3がアダマンチル基、ma=0、na=1)等、さらに以下の基が挙げられる。*は結合手を表す。
式(2)で表される基の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合手を表す。
モノマー(a1)は、好ましくは、酸不安定基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマー、より好ましくは酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
式(1)で表される基を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位として、好ましくは、式(a1−0)で表される構造単位(以下、構造単位(a1−0)という場合がある。)、式(a1−1)で表される構造単位(以下、構造単位(a1−1)という場合がある。)又は式(a1−2)で表される構造単位(以下、構造単位(a1−2)という場合がある。)が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[式(a1−0)、式(a1−1)及び式(a1−2)中、
a01、La1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CHk1−CO−O−を表し、k1は1〜7のいずれかの整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
a01、Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a02、Ra03及びRa04は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基を表す。
m1は0〜14のいずれかの整数を表す。
n1は0〜10のいずれかの整数を表す。
n1’は0〜3のいずれかの整数を表す。]
a01、Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a01、La1及びLa2は、好ましくは酸素原子又は*−O−(CHk01−CO−O−であり(但し、k01は、好ましくは1〜4のいずれかの整数、より好ましくは1である。)、より好ましくは酸素原子である。
a02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7のアルキル基、脂環式炭化水素基及びこれらを組合せた基としては、式(1)のRa1〜Ra3で挙げた基と同様の基が挙げられる。
a02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7のアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくはメチル基又はエチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
a02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜8であり、より好ましくは3〜6である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。
a02及びRa03は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
a04は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数5〜12の脂環式炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基である。
m1は、好ましくは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
構造単位(a1−0)としては、例えば、式(a1−0−1)〜式(a1−0−12)のいずれかで表される構造単位及びRa01に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1−0−1)〜式(a1−0−10)のいずれかで表される構造単位が好ましい。
構造単位(a1−1)を導くモノマーとしては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。中でも、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)のいずれかで表される構造単位及びRa4に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が好ましく、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)のいずれかで表される構造単位がより好ましい。
構造単位(a1−2)としては、式(a1−2−1)〜式(a1−2−6)のいずれかで表される構造単位及びRa5に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1−2−2)、式(a1−2−5)及び式(a1−2−6)が好ましい。
樹脂(A)が構造単位(a1−0)及び/又は構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を含む場合、これらの合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
さらに、基(1)を有する構造単位(a1)としては、以下の構造単位が挙げられる。
樹脂(A)が上記構造単位を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10〜95モル%が好ましく、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%がさらに好ましい。
式(2)で表される基を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位としては、式(a1−5)で表される構造単位(以下「構造単位(a1−5)」という場合がある)も挙げられる。
式(a1−5)中、
a8は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a1は、単結合又は*−(CH2h3−CO−L54−を表し、h3は1〜4のいずれかの整数を表し、*は、L51との結合手を表す。
51、L52、L53及びL54は、それぞれ独立に、−O−又は−S−を表す。
s1は、1〜3のいずれかの整数を表す。
s1’は、0〜3のいずれかの整数を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子及び塩素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、フルオロメチル基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
式(a1−5)においては、Ra8は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基が好ましい。
51は、酸素原子が好ましい。
52及びL53のうち、一方が−O−であり、他方が−S−であることが好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2のいずれかの整数が好ましい。
a1は、単結合又は*−CH2−CO−O−が好ましい。
構造単位(a1−5)を導くモノマーとしては、例えば、特開2010−61117号公報に記載されたモノマーが挙げられる。中でも、式(a1−5−1)〜式(a1−5−4)でそれぞれ表されるモノマーが好ましく、式(a1−5−1)又は式(a1−5−2)で表されるモノマーがより好ましい。
樹脂(A)が、構造単位(a1−5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜50モル%が好ましく、3〜45モル%がより好ましく、5〜40モル%がさらに好ましい。
樹脂(A)中の酸不安定基を有する構造単位(a)としては、構造単位(a1−0)、構造単位(a1−1)、構造単位(a1−2)及び構造単位(a1−5)からなる群から選ばれる少なくとも一種以上が好ましく、少なくとも二種以上がより好ましく、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)の組み合わせ、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−5)の組み合わせがさらにより好ましい。構造単位(a1)は、好ましくは、構造単位(a1−1)を含む。
〈構造単位(s)〉
構造単位(s)は、酸不安定基を有さないモノマー(以下「モノマー(s)」という場合がある)から導かれる。構造単位(s)を導くモノマーは、レジスト分野で公知の酸不安定基を有さないモノマーを使用できる。
構造単位(s)としては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位が好ましい。ヒドロキシ基を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場合がある)及び/又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a3)」という場合がある)を有する樹脂を本発明のレジスト組成物に使用すれば、レジストパターンの解像度及び基板との密着性を向上させることができる。
〈構造単位(a2)〉
構造単位(a2)が有するヒドロキシ基は、アルコール性ヒドロキシ基でも、フェノール性ヒドロキシ基でもよい。
本発明のレジスト組成物からレジストパターンを製造するとき、露光光源としてKrFエキシマレーザ(248nm)、電子線又はEUV(超紫外光)等の高エネルギー線を用いる場合には、構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)を用いることが好ましい。また、ArFエキシマレーザ(193nm)等を用いる場合には、構造単位(a2)として、アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)が好ましく、構造単位(a2−1)を用いることがより好ましい。構造単位(a2)としては、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
フェノール性ヒドロキシ基有する構造単位(a2)としては、以下に記載の構造単位が挙げられる。
樹脂(A)が、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2−0)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、5〜95モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、15〜80モル%がさらに好ましい。
アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)としては、式(a2−1)で表される構造単位(以下「構造単位(a2−1)」という場合がある。)が挙げられる。
式(a2−1)中、
a3は、−O−又は−O−(CH2k2−CO−O−を表し、
k2は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10のいずれかの整数を表す。
式(a2−1)では、La3は、好ましくは、−O−、−O−(CH2f1−CO−O−であり(前記f1は、1〜4のいずれかの整数である)、より好ましくは−O−である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3のいずれかの整数、より好ましくは0又は1である。
構造単位(a2−1)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。式(a2−1−1)〜式(a2−1−6)のいずれかで表される構造単位が好ましく、式(a2−1−1)〜式(a2−1−4)のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a2−1−1)又は式(a2−1−3)で表される構造単位がさらに好ましい。
樹脂(A)が構造単位(a2−1)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常1〜45モル%であり、好ましくは1〜40モル%であり、より好ましくは1〜35モル%であり、さらに好ましくは2〜20モル%である。
〈構造単位(a3)〉
構造単位(a3)が有するラクトン環は、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。好ましくは、γ−ブチロラクトン環、アダマンタンラクトン環、又は、γ−ブチロラクトン環構造を含む橋かけ環が挙げられる。
構造単位(a3)は、好ましくは、式(a3−1)、式(a3−2)、式(a3−3)又は式(a3−4)で表される構造単位である。これらの1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
[式(a3−1)中、
a4は、−O−又は−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a18は、水素原子又はメチル基を表す。
a21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
p1は0〜5のいずれかの整数を表す。p1が2以上のとき、複数のRa21は互いに同一又は相異なる。
式(a3−2)中、
a5は、−O−又は−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a19は、水素原子又はメチル基を表す。
a22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
q1は、0〜3のいずれかの整数を表す。q1が2以上のとき、複数のRa22は互いに同一又は相異なる。
式(a3−3)中、
a6は、−O−又は−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a20は、水素原子又はメチル基を表す。
a23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
r1は、0〜3のいずれかの整数を表す。r1が2以上のとき、複数のRa23は互いに同一又は相異なる。
式(a3−4)中、
a24は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a25は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
a7は、−O−、−O−La8−O−、−O−La8−CO−O−、−O−La8−CO−O−La9−CO−O−又は−O−La8−O−CO−La9−O−を表す。
*はカルボニル基との結合手を表す。
a8及びLa9は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
w1は、0〜8のいずれかの整数を表す。w1が2以上のとき、複数のRa25は互いに同一であってもよく、異なってもよい。]
a21、Ra22、Ra23及びRa25の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基等のアルキル基が挙げられる。
a24のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
a24のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基及びn−ヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
a24のハロゲン原子を有するアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基等が挙げられる。
a8及びLa9のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
式(a3−1)〜式(a3−3)において、La4〜La6は、それぞれ独立に、好ましくは、−O−又は、k3が1〜4のいずれかの整数である*−O−(CH2k3−CO−O−で表される基、より好ましくは−O−及び、*−O−CH2−CO−O−、さらに好ましくは酸素原子である。
a18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
式(a3−4)において、
a24は、好ましくは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに好ましくは、水素原子又はメチル基である。
a7は、好ましくは、−O−又は−O−La8−CO−O−であり、より好ましくは、−O−、−O−CH2−CO−O−又は−O−C24−CO−O−である。
a25は、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
w1は、好ましくは0〜2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
特に、式(a3−4)は、式(a3−4)’が好ましい。
(式中、Ra24、La7は、上記と同じ意味を表す。)
構造単位(a3)を導くモノマーとしては、特開2010−204646号公報に記載されたモノマー、特開2000−122294号公報に記載されたモノマー、特開2012−41274号公報に記載されたモノマーが挙げられる。構造単位(a3)としては、式(a3−1−1)〜式(a3−1−4)、式(a3−2−1)〜式(a3−2−4)、式(a3−3−1)〜式(a3−3−4)及び式(a3−4−1)〜式(a3−4−12)のいずれかで表される構造単位が好ましく、式(a3−1−1)、式(a3−1−2)、式(a3−2−1)〜式(a3−2−4)及び式(a3−4−1)〜式(a3−4−12)のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a3−4−1)〜式(a3−4−12)のいずれかで表される構造単位がさらに好ましく、式(a3−4−1)〜式(a3−4−6)のいずれかで表される構造単位がさらにより好ましい。
以下の式(a3−4−1)〜式(a3−4−12)で表される構造単位においては、Ra24に相当するメチル基が水素原子に置き換わった化合物も、構造単位(a3−4)の具体例として挙げることができる。
樹脂(A)が構造単位(a3)を含む場合、その合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常5〜70モル%であり、好ましくは10〜65モル%であり、より好ましくは10〜60モル%である。
また、構造単位(a3−1)、構造単位(a3−2)、構造単位(a3−3)及び構造単位(a3−4)の含有率は、それぞれ、樹脂(A)の全構造単位に対して、5〜60モル%が好ましく、5〜50モル%がより好ましく、10〜50モル%がさらに好ましい。
<その他の構造単位(t)>
構造単位(t)としては、構造単位(a2)及び構造単位(a3)以外にハロゲン原子を有する構造単位(以下、場合により「構造単位(a4)」という。)及び非脱離炭化水素基を有する構造単位(以下「構造単位(a5)」という場合がある)などが挙げられる。
構造単位(a4)としては、式(a4−0)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a4−0)中、
5は、水素原子又はメチル基を表す。
4は、単結合又は炭素数1〜4の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
3は、炭素数1〜8のペルフルオロアルカンジイル基又は炭素数3〜12のペルフルオロシクロアルカンジイル基を表す。
6は、水素原子又はフッ素原子を表す。]
4の脂肪族飽和炭化水素基としては、炭素数1〜4のアルカンジイル基が挙げられ、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基、直鎖状アルカンジイル基に、アルキル基(特に、メチル基、エチル基等)の側鎖を有したもの、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基及び2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
3のペルフルオロアルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパン−1,1−ジイル基、ペルフルオロプロパン−1,3−ジイル基、ペルフルオロプロパン−1,2−ジイル基、ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル基、ペルフルオロブタン−1,4−ジイル基、ペルフルオロブタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロブタン−1,2−ジイル基、ペルフルオロペンタン−1,5−ジイル基、ペルフルオロペンタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロペンタン−3,3−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−1,6−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−2,2−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−3,3−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−1,7−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−3,4−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−4,4−ジイル基、ペルフルオロオクタン−1,8−ジイル基、ペルフルオロオクタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロオクタン−3,3−ジイル基、ペルフルオロオクタン−4,4−ジイル基等が挙げられる。
3のペルフルオロシクロアルカンジイル基としては、ペルフルオロシクロヘキサンジイル基、ペルフルオロシクロペンタンジイル基、ペルフルオロシクロヘプタンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
4は、好ましくは単結合、メチレン基又はエチレン基であり、より好ましくは、単結合、メチレン基である。
3は、好ましくは炭素数1〜6のペルフルオロアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のペルフルオロアルカンジイル基である。
構造単位(a4−0)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中のRに相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
構造単位(a4)としては、式(a4−1)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a4−1)中、
a41は、水素原子又はメチル基を表す。
a42は、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
a41は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−g1)で表される基を表す。ただし、Aa41及びRa42のうち少なくとも1つは、置換基としてハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有する。
〔式(a−g1)中、
sは0又は1を表す。
a42及びAa44は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
a43は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
a41及びXa42は、それぞれ独立に、−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−を表す。
ただし、Aa42、Aa43、Aa44、Xa41及びXa42の炭素数の合計は7以下である。〕
*は結合手であり、右側の*が−O−CO−Ra42との結合手である。]
a42の炭化水素基としては、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、並びにこれらを組み合わせることにより形成される基が挙げられる。
鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、鎖式及び環式の脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。該脂肪族飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基及び単環又は多環の脂環式炭化水素基、並びに、アルキル基及び脂環式炭化水素基を組み合わせることにより形成される脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
鎖式の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基及びn−オクタデシル基が挙げられる。環式の脂肪族炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合手を表す。)等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニリル基、フェナントリル基及びフルオレニル基が挙げられる。
a42は、置換基として、ハロゲン原子又は式(a−g3)で表される基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
[式(a−g3)中、
a43は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
a45は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
*は結合手を表す。]
a45の脂肪族炭化水素基としては、Ra42で例示したものと同様の基が挙げられる。
a42は、ハロゲン原子を有してもよい脂肪族炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子を有するアルキル基及び/又は式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基がより好ましい。
a42がハロゲン原子を有する脂肪族炭化水素基である場合、好ましくはフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシクロアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数が1〜6のペルフルオロアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。ペルフルオロシクロアルキル基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
a42が、式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基である場合、式(a−g3)で表される基に含まれる炭素数を含めて、脂肪族炭化水素基の総炭素数は、15以下が好ましく、12以下がより好ましい。式(a−g3)で表される基を置換基として有する場合、その数は1個が好ましい。
式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基は、さらに好ましくは式(a−g2)で表される基である。
[式(a−g2)中、
a46は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
a44は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
a47は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、Aa46、Aa47及びXa44の炭素数の合計は18以下であり、Aa46及びAa47のうち、少なくとも一方は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する。
*はカルボニル基との結合手を表す。]
a46の脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
a47の脂肪族炭化水素基の炭素数は4〜15が好ましく、5〜12がより好ましく、Aa47は、シクロヘキシル基又はアダマンチル基がさらに好ましい。
*−Aa46−Xa44−Aa47で表される部分構造(*はカルボニル基との結合手である)のより好ましい構造は、以下の構造である。
a41のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、1−メチルブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
a41のアルカンジイル基における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
a41は、好ましくは炭素数1〜4のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数2〜4のアルカンジイル基であり、さらに好ましくはエチレン基である。
基(a−g1)におけるAa42、Aa43及びAa44の脂肪族炭化水素基は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、鎖式及び環式の脂肪族飽和炭化水素基並びにこれらを組合せることにより形成される基が好ましい。該脂肪族飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基及び単環又は多環の脂環式炭化水素基、並びに、アルキル基及び脂環式炭化水素基を組合せることにより形成される脂肪族炭化水素基等が挙げられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
a42、Aa43及びAa44の脂肪族炭化水素基の置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
sは、0であることが好ましい。
a42が酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す基(a−g1)としては、以下の基等が挙げられる。以下の例示において、*及び**はそれぞれ結合手を表わし、**が−O−CO−Ra42との結合手である。
式(a4−1)で表される構造単位としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中のRf1に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
構造単位(a4)としては、式(a4−4)で表される構造単位も挙げられる。
[式(a4−4)中、
f21は、水素原子又はメチル基を表す。
f21は、−(CH2j1−、−(CH2j2−O−(CH2j3−又は−(CH2j4−CO−O−(CH2j5−を表す。
j1〜j5は、それぞれ独立に、1〜6のいずれかの整数を表す。
f22は、フッ素原子を有する炭素数1〜10の炭化水素基を表す。]
f22のフッ素原子を有する炭化水素基としては、式(a4−2)におけるRf2の炭化水素基と同じものが挙げられる。Rf22は、フッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基又はフッ素原子を有する炭素数1〜10の脂環式炭化水素基が好ましく、フッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましい。
式(a4−4)においては、Af21としては、−(CH2j1−が好ましく、エチレン基又はメチレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
式(a4−4)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位及び以下の式で表される構造単位においてはRf21に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
樹脂(A)が、構造単位(a4)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜20モル%が好ましく、2〜15モル%がより好ましく、3〜10モル%がさらに好ましい。
<構造単位(a5)>
構造単位(a5)が有する非脱離炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状の炭化水素基が挙げられる。なかでも、構造単位(a5)は、脂環式炭化水素基を含むものが好ましい。
構造単位(a5)としては、例えば、式(a5−1)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a5−1)中、
51は、水素原子又はメチル基を表す。
52は、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。但し、L55との結合位置にある炭素原子に結合する水素原子は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基で置換されない。
55は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
52の脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
置換基を有した脂環式炭化水素基としては、3−メチルアダマンチル基などが挙げられる。
52は、好ましくは、無置換の炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは、アダマンチル基、ノルボルニル基又はシクロヘキシル基である。
55の2価の飽和炭化水素基としては、2価の脂肪族飽和炭化水素基及び2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
2価の脂肪族飽和炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基が挙げられる。
2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンタンジイル基及びシクロヘキサンジイル基等のシクロアルカンジイル基が挙げられる。多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、アダマンタンジイル基及びノルボルナンジイル基等が挙げられる。
飽和炭化水素基に含まれるメチレン基が、酸素原子又はカルボニル基で置き換わった基としては、例えば、式(L1−1)〜式(L1−4)で表される基が挙げられる。下記式中、*は酸素原子との結合手を表す。
式(L1−1)中、
x1は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
x1は、炭素数1〜16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx1及びLx2の合計炭素数は、16以下である。
式(L1−2)中、
x3は、炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x4は、単結合又は炭素数1〜16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx3及びLx4の合計炭素数は、17以下である。
式(L1−3)中、
x5は、炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x6及びLx7は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜14の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx5、Lx6及びLx7の合計炭素数は、15以下である。
式(L1−4)中、
x8及びLx9は、単結合又は炭素数1〜12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x1は、炭素数3〜15の2価の脂環式飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx8、Lx9及びWx1の合計炭素数は、15以下である。
x1は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x2は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合である。
x3は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x4は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x5は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x6は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x7は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x8は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
x9は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
x1は、好ましくは、炭素数3〜10の2価の脂環式飽和炭化水素基、より好ましくは、シクロヘキサンジイル基又はアダマンタンジイル基である。
式(L1−1)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1−2)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1−3)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1−4)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
51は、好ましくは、単結合又は式(L1−1)で表される基である。
構造単位(a5−1)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中のR51に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
樹脂(A)が、構造単位(a5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜30モル%が好ましく、2〜20モル%がより好ましく、3〜15モル%がさらに好ましい。
樹脂(A)は、好ましくは、構造単位(a1)と構造単位(s)とからなる樹脂、すなわち、モノマー(a1)とモノマー(s)との共重合体である。
構造単位(s)は、好ましくは構造単位(a2)及び構造単位(a3)の少なくとも一種である。構造単位(a2)は、好ましくは式(a2−1)で表される構造単位である。
構造単位(a3)は、好ましくは式(a3−1)で表される構造単位、式(a3−2)で表される構造単位及び式(a3−4)で表される構造単位から選ばれる少なくとも一種である。
樹脂(A)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、これら構造単位を誘導するモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。樹脂(A)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,000以上(より好ましくは2,500以上、さらに好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下、さらに好ましくは15,000以下)である。
<樹脂(A)以外の樹脂>
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)以外の樹脂を含んでもよい。このような樹脂としては、構造単位(s)のみからなる樹脂、構造単位(a4)を含む樹脂(ただし、構造単位(a1)を含まない。以下「樹脂(X)」という場合がある)等が挙げられる。なかでも、構造単位(a4)を含む樹脂が好ましい。
樹脂(X)において、構造単位(a4)の含有率は、樹脂(X)の全構造単位に対して、40モル%以上が好ましく、45モル%以上がより好ましく、50モル%以上がさらに好ましい。
樹脂(X)がさらに有していてもよい構造単位としては、構造単位(a2)、構造単位(a3)及びその他の公知のモノマーに由来する構造単位が挙げられる。
樹脂(X)の重量平均分子量は、好ましくは、6,000以上(より好ましくは7,000以上)、80,000以下(より好ましくは60,000以下)である。樹脂(X)の重量平均分子量の測定手段は、樹脂(A)の場合と同様である。
レジスト組成物が樹脂(X)を含む場合、その含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部であり、より好ましくは2〜50質量部であり、さらに好ましくは2〜40質量部であり、特に好ましくは3〜30質量部である。
樹脂(A)と樹脂(A)以外の樹脂との合計含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、80質量%以上99質量%以下が好ましく、90質量%以上99質量%以下が好ましい。
レジスト組成物の固形分及びこれに対する樹脂の含有率は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
〈溶剤(E)〉
溶剤(E)の含有率は、通常レジスト組成物中90質量%以上、好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上であり、通常99.9質量%以下、好ましくは99質量%以下である。溶剤(E)の含有率は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類;等が挙げられる。溶剤(E)は、1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
〈クエンチャー(C)〉
クエンチャー(C)は、塩基性の含窒素有機化合物又は塩(I)及び酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩が挙げられる。
〈塩基性の含窒素有機化合物〉
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
具体的には、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、ピペラジン、モルホリン、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、特に好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
〈酸性度の弱い酸を発生する塩〉
塩(I)及び酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩における酸性度は、酸解離定数(pKa)で示される。塩(I)及び酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩は、該塩から発生する酸の酸解離定数が、通常−3<pKaの塩であり、好ましくは−1<pKa<7の塩であり、より好ましくは0<pKa<5の塩である。酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩(以下、「弱酸分子内塩(D)」という場合がある。)としては、下記式で表される塩、並びに特開2012−229206号公報、特開2012−6908号公報、特開2012−72109号公報、特開2011−39502号公報及び特開2011−191745号公報記載の塩が挙げられる。

弱酸分子内塩(D)としては、以下の塩が挙げられる。
クエンチャー(C)の含有率は、レジスト組成物の固形分中、好ましくは、0.01〜5質量%であり、より好ましく0.01〜4質量%であり、特に好ましく0.01〜3質量%である。
〈その他の成分〉
レジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分(F)は、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
〈レジスト組成物の調製〉
レジスト組成物は、樹脂(A)及び塩(I)を含む酸発生剤、並びに、必要に応じて、樹脂(A)以外の樹脂、酸発生剤(B)、溶剤(E)、クエンチャー(C)及びその他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃から、樹脂等の種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
〔レジストパターンの製造方法〕
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
レジスト組成物を基板上に塗布するには、スピンコーター等、通常、用いられる装置によって行うことができる。基板としては、シリコンウェハ等の無機基板が挙げられる。レジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄してもよいし、基板上に反射防止膜等を形成してもよい。
塗布後の組成物を乾燥することにより、溶剤を除去し、組成物層を形成する。乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させること(いわゆるプリベーク)により行うか、あるいは減圧装置を用いて行う。加熱温度は50〜200℃が好ましく、加熱時間は10〜180秒間が好ましい。また、減圧乾燥する際の圧力は、1〜1.0×105Pa程度が好ましい。
得られた組成物層に、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であってもよい。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、電子線や、超紫外光(EUV)を照射するもの等、種々のものを用いることができる。尚、本明細書において、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。露光の際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源が電子線の場合は、マスクを用いずに直接描画により露光してもよい。
露光後の組成物層を、酸不安定基における脱保護反応を促進するために加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)を行う。加熱温度は、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、通常、現像装置を用いて、現像液を利用して現像する。現像方法としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げられる。現像温度は5〜60℃が好ましく、現像時間は5〜300秒間が好ましい。現像液の種類を以下のとおりに選択することにより、ポジ型レジストパターン又はネガ型レジストパターンを製造できる。
レジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液としてアルカリ現像液を用いる。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。アルカリ現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
レジスト組成物からネガ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として有機溶剤を含む現像液(以下「有機系現像液」という場合がある)を用いる。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさらに好ましい。
有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンを含む現像液が好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンの合計含有率は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止してもよい。
現像後のレジストパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができ、好ましくはアルコール溶剤又はエステル溶剤である。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物、特にArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に有用である。
実施例を挙げて、さらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで下記条件により求めた値である。
装置:HLC−8120GPC型(東ソー社製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μL
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
また、化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型)を用い、分子ピークを測定することで確認した。以下の実施例ではこの分子ピークの値を「MASS」で示す。
実施例1:式(I−1)で表される塩の合成
式(I−1−a)で表される化合物2部、ジメチルホルムアミド10部、炭酸カリウム2.1部及びヨウ化カリウム0.6部を混合し、23℃で30分間攪拌し、さらに、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−1−b)で表される化合物11.7部を添加し、50℃で10時間撹拌した。得られた反応物を濃縮し、クロロホルム30部及びイオン交換水15部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液した。回収された有機層に、イオン交換水15部を混合し、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を5回行った。得られた有機層を濃縮することにより、式(I−1―c)で表される化合物3.4部を得た。
式(I−1−d)で表される塩2部、アセトニトリル10部及び式(I−1−e)で表される化合物0.9部を混合し、23℃で30分間攪拌し、さらに、50℃で2時間撹拌することにより、式(I−1−f)で表される塩を含む溶液を得た。得られた式(I−1−f)で表される塩を含む溶液に、式(I−1−c)で表される化合物2.9部を添加し、50℃で10時間撹拌した後、濃縮した。得られた濃縮残渣に、クロロホルム40部及びイオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を、静置し、分液した。回収された有機層に、イオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を4回行った。得られた有機層を濃縮し、得られた濃縮物に、アセトニトリル1.55部及びtert−ブチルメチルエーテル40部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮することにより、式(I−1)で表される塩2.5部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 783.0
実施例2:式(I−11)で表される塩の合成
式(I−11−a)で表される塩5部、ジメチルホルムアミド20部、炭酸カリウム1.6部及びヨウ化カリウム0.5部を混合し、23℃で30分間攪拌し、さらに、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−11−b)で表される化合物1.8部を添加し、50℃で10時間撹拌した。得られた反応物を濃縮し、クロロホルム80部及び5%シュウ酸水溶液80部を加え、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を、静置し、分液した。回収された有機層に、イオン交換水40部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を8回行った。得られた有機層を濃縮し、得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル40部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮することにより、式(I−11―c)で表される塩2.2部を得た。
式(I−11―c)で表される塩0.7部及びクロロホルム10部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、ピリジン0.28部を加え、40℃に昇温した。得られた混合物に、さらに、式(I−11―d)で表される化合物0.7部及びクロロホルム10部の混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下後、40℃で18時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた反応溶液に、イオン交換水20部を添加、攪拌し、分液により有機層を回収した。回収された有機層に、5℃の10%炭酸カリウム水溶液20部を添加して洗浄し、分液して有機層を回収した後、回収された有機層にさらに、イオン交換水20部を添加して水洗し、分液を行って有機層を回収した。この水洗操作を3回繰り返して行った。回収された有機層を濃縮した後、得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮した。その後、得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮することにより、式(I−11)で表される塩0.58部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 640.9
実施例3:式(I−13)で表される塩の合成
式(I−1−a)で表される化合物2部、アセトニトリル20部及び式(I−1−e)で表される化合物4.8部を混合し、23℃で30分間攪拌し、さらに、50℃で2時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−13−b)で表される化合物12.9部を添加し、50℃で10時間撹拌した。得られた反応物を濃縮し、クロロホルム40部及びイオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を、静置し、分液した。回収された有機層に、イオン交換水20部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を5回行った。得られた有機層を濃縮することにより、式(I−13―d)で表される化合物9.9部を得た。
式(I−1−d)で表される塩2部、アセトニトリル10部及び式(I−1−e)で表される化合物0.9部を混合し、23℃で30分間攪拌し、さらに、50℃で2時間撹拌することにより、式(I−13−g)で表される塩を含む溶液を得た。得られた式(I−13−g)で表される塩を含む溶液に、式(I−13−d)で表される化合物4.4部を添加し、50℃で10時間撹拌した後、濃縮した。得られた濃縮残渣に、クロロホルム40部及びイオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を、静置し、分液した。回収された有機層に、イオン交換水20部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を4回行った。得られた有機層を濃縮し、得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル40部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮することにより、式(I−1)で表される化合物4.4部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 1118.9
実施例4:式(I−7)で表される塩の合成
式(I−1−a)で表される化合物5部、式(I−7−b)で表される化合物14.92部及びクロロホルム40部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物に、硫酸1.10部を添加し、モレキュラーシーブ存在下、60℃で10時間還流撹拌した。得られた反応物を23℃まで冷却した後、イオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液した。この水洗の操作を5回行った。得られた有機層を濃縮することにより、式(I−7―c)で表される化合物4.92部を得た。
式(I−1−d)で表される塩1.38部、クロロホルム14部及び式(I−1−e)で表される化合物0.61部を混合し、23℃で30分間攪拌し、さらに、50℃で2時間撹拌することにより、式(I−1−f)で表される塩を含む溶液を得た。得られた式(I−1−f)で表される塩を含む溶液に、式(I−7−c)で表される化合物1.57部を添加し、50℃で10時間撹拌した後、濃縮した。得られた濃縮残渣に、クロロホルム30部及びイオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を、静置し、分液した。回収された有機層に、イオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を4回行った。得られた有機層を濃縮し、得られた濃縮物に、アセトニトリル1部及びtert−ブチルメチルエーテル20部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮することにより、式(I−7)で表される塩1.89部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 655.0
実施例5:式(I−162)で表される塩の合成
式(I−1−c)で表される化合物0.31部、クロロホルム10部及び式(I−162−a)で表される塩0.35部を混合し、23℃で30分間攪拌し、さらに、50℃で2時間撹拌した後、濃縮した。得られた濃縮残渣に、クロロホルム40部及びイオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を、静置し、分液した。回収された有機層に、イオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を4回行った。得られた有機層を濃縮し、得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮することにより、式(I−162)で表される塩0.48部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 991.1
実施例6:式(I−186)で表される塩の合成
式(I−1−c)で表される化合物0.31部、クロロホルム10部及び式(I−186−a)で表される塩0.34部を混合し、23℃で30分間攪拌し、さらに、50℃で2時間撹拌した後、濃縮した。得られた濃縮残渣に、クロロホルム40部及びイオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を、静置し、分液した。回収された有機層に、イオン交換水20部を加え、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を4回行った。得られた有機層を濃縮し、得られた濃縮物に、tert−ブチルメチルエーテル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮することにより、式(I−186)で表される塩0.44部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M 237.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 991.1
樹脂の合成
樹脂(A)の合成に使用した化合物(モノマー)を下記に示す。以下、これらの化合物をその式番号に応じて、「モノマー(a1−1−3)」等という。
合成例1:樹脂A1の合成
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−9)、モノマー(a2−1−3)及びモノマー(a3−4−2)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2)〕が45:14:2.5:38.5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.6×10の樹脂A1を収率68%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
合成例2:樹脂X1の合成
モノマーとして、モノマー(a4−1−7)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.7×10の樹脂X1を収率77%で得た。この樹脂X1は、以下の構造単位を有するものである。
合成例3:樹脂X2の合成
モノマーとして、モノマー(a5−1−1)及びモノマー(a4−0−12)を用い、そのモル比〔モノマー(a5−1−1):モノマー(a4−0−12)〕が50:50となるように混合し、全モノマー量の1.2質量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して3mol%添加し、70℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.0×10の樹脂Xを収率91%で得た。この樹脂X2は、以下の構造単位を有するものである。
<レジスト組成物の調製>
表2に示すように、以下の各成分を混合し、得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過することにより、レジスト組成物を調製した。
<樹脂>
A1、X1、X2:樹脂A1、樹脂X1、樹脂X2
<酸発生剤>
I−1:式(I−1)で表される塩
I−7:式(I−7)で表される塩
I−11:式(I−11)で表される塩
I−13:式(I−13)で表される塩
I−162:式(I−162)で表される塩
I−186:式(I−186)で表される塩
B1−5:式(B1−5)で表される塩(特開2015−200886公報の実施例に従って合成)
B1−21:式(B1−21)で表される塩(特開2015−200886公報の実施例に従って合成)
B1−22:式(B1−22)で表される塩(特開2015−200886公報の実施例に従って合成)
B1−X:特開2012−229199号公報の実施例に従って合成
<クエンチャー(C)>
D1:(東京化成工業(株)製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20部
2−ヘプタノン 20部
γ−ブチロラクトン 3.5部
<レジストパターンの製造及びその評価>
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、ウェハ上に膜厚78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が85nmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、シリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表2の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、組成物層を形成した。組成物層が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ90nm/ホール径55nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、ホットプレート上にて、表2の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行った。次いで、このシリコンウェハ上の組成物層を、現像液として酢酸ブチル(東京化成工業(株)製)を用いて、23℃で20秒間ダイナミックディスペンス法によって現像を行うことにより、ネガ型レジストパターンを製造した。
現像後に得られたレジストパターンにおいて、前記マスクを用いて形成したホール径が45nmとなる露光量を実効感度とした。
<マスクエラーファクター(MEF)評価>
実効感度において、マスクホール径(マスクが有する透光部のホール径)がそれぞれ57nm、56nm、55nm、54nm、53nm(ホールピッチはいずれも90nm)のマスクを用いて、レジストパターンを形成した。マスクホール径を横軸に、露光によって基板に形成(転写)されたレジストパターンのホール径を縦軸にプロットした時の回帰直線の傾きをMEF値として算出した。
MEF値が、5.0以下のものを、MEFが良好であると評価して、○と、
MEF値が、5.0を超えるものを、MEFが良好でないと評価して、×とした。
その結果を表3に示す。括弧内の数値はMEF値を示す。
本発明のレジスト組成物は、良好なマスクエラーファクター(MEF)でレジストパターンを製造することができため、半導体の微細加工に好適である。

Claims (7)

  1. 式(I)で表される塩。
    [式(I)中、
    A1及びQA2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    b1は、炭素数1〜28の3価又は4価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
    は、水素原子、フッ素原子又はヒドロキシ基を表す。
    mは0〜2のいずれかの整数を表し、nは1〜12のいずれかの整数を表し、oは0又は1を表す。
    nnは、2又は3を表す。複数存在するR、m、n及びoはそれぞれ、異なっていてもよいし、同一であってもよい。
    Z1は、有機対イオンを表す。]
  2. b1が、式(L−1)、式(L−2)又は式(L−3)で表される基である請求項1記載のレジスト組成物。
    [式(L−1)、式(L−2)及び式(L−3)中、
    は、単結合、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜14の2価の脂肪族炭化水素基又は式(a−1)で表される基を表す。
    (式(a−1)中、
    sは0又は1を表す。
    10及びX11は、同一又は相異なり、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基又はオキシカルボニルオキシ基を表す。
    10及びA11はそれぞれ独立に、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
    12は、単結合又はフッ素原子を有していてもよい炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
    *はW又は炭素原子との結合手を表す。)
    Wは、炭素原子又は炭素数4〜18の脂環式炭化水素基を表す。
    は、−O−*1、−O−CO−*1、−O−CH−*1又は−O−CH−CO−O−*1を表す。*1は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
    は、−O−*2、−O−CO−*2、−O−CH−*2又は−O−CH−CO−O−*2を表す。*2は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
    は、−O−*1又は−O−CH−CO−O−*1を表す。*1は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
    は、−O−*2又は−O−CH−CO−O−*2を表す。*2は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
    は、−O−*1、−O−CO−*1又は−O−CH−*1を表す。*1は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
    は、−O−*2、−O−CO−*2又は−O−CH−*2を表す。*2は−(CH−(CF−(CH−Rとの結合手を表す。
    *L0は−C(QA1)(QA2)−との結合手を表す。
    m1、m2、m3、m4及びm5は、それぞれ独立に、0〜6のいずれかの整数を表す。
    は、水素原子又はフッ素原子を有していてもよい炭素数1〜14の脂肪族炭化水素基を表す。
    *L1及び*L2は、−(CH)m−(CF)n−(CH)o−Rとの結合手を表す。]
  3. 請求項1又は2記載の塩を含有する酸発生剤。
  4. 請求項3記載の酸発生剤と、酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂とを含有するレジスト組成物。
  5. フッ素原子を有する構造単位を含む樹脂をさらに含有する請求項4記載のレジスト組成物。
  6. 酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩をさらに含有する請求項4又は5記載のレジスト組成物。
  7. (1)請求項4〜6のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
    (3)組成物層に露光する工程、
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
    (5)加熱後の組成物層を現像する工程
    を含むレジストパターンの製造方法。
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