JP2018123121A - カルボン酸塩、カルボン酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents

カルボン酸塩、カルボン酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好なマスクエラーファクターを有するレジストパターンを製造できる塩及びレジスト組成物を提供することを目的とする。【解決手段】式(I)で表されるカルボン酸塩及びこれを含む酸発生剤ならびに該酸発生剤を含むレジスト組成物。[式中、Xa及びXbは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。X1は、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。L1及びL2は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有してもよい炭化水素基を表す。R1及びR2は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい脂環式炭化水素基を表す。前記炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)2−に置き換わっていてもよい。Z1+は、有機カチオンを表す。]【選択図】なし

Description

本発明は、塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法に関する。
特許文献1には、下記式で表されるカルボン酸塩をカルボン酸発生剤として含有するレジスト組成物が記載されている。
特開2014−88367号公報
上記の塩を含むレジスト組成物では、得られるレジストパターンのマスクエラーファクタ(MEF)が必ずしも満足できない場合があった。
本発明は、以下の発明を含む。
[1]式(I)で表されるカルボン酸塩。
[式(I)中、
a及びXbは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。
は、置換基を有してもよい炭素数1〜24の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっていてもよい。
及びLは、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有してもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっていてもよい。
及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっていてもよい。
Z1は、有機カチオンを表す。]
[2]Xが、置換基を有してもよい炭素数1〜24の脂環式炭化水素基である[1]に記載のカルボン酸塩。
[3]Xが、炭素数1〜6のアルカントリイル基、式(w1−1)で表される基、式(w1−2)で表される基、式(w1−3)で表される基又は式(w1−6)で表される基である[1]又は[2]に記載のカルボン酸塩。
[式(w1−1)、式(w1−2)、式(w1−3)及び式(w1−6)中、
環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
[4][1]〜[3]のいずれかに記載のカルボン酸塩を含有するカルボン酸発生剤。
[5][4]に記載のカルボン酸発生剤、該カルボン酸発生剤以外の酸発生剤及び酸不安定基を有する樹脂を含有するレジスト組成物。
[6]前記カルボン酸発生剤以外の酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩を含有する[5]に記載のレジスト組成物。
[7](1)[5]又は[6]に記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
良好なマスクエラーファクタ(MEF)のレジストパターンを製造することができる塩及び該塩を含むレジスト組成物を提供する。
本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」の構造を有するモノマー及び「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種」及び「アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種」を意味する。また、本明細書中に記載する基において、直鎖構造と分岐構造の両方をとり得るものについては、そのいずれでもよい。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を含む。
本明細書において、「レジスト組成物の固形分」とは、レジスト組成物の総量から、後述する溶剤(E)を除いた成分の合計を意味する。
〔カルボン酸塩(I)〕
本発明のカルボン酸塩は、以下の式(I)で表されるカルボン酸塩である(以下「カルボン酸塩(I)」という場合がある)。
[式(I)中、
a及びXbは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。
は、置換基を有してもよい炭素数1〜24の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっていてもよい。
及びLは、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっていてもよい。
及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっていてもよい。
Z1は、有機カチオンを表す。]
a及びXbは、同じ原子であることが好ましく、ともに酸素原子であることがより好ましい。
で表される炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基等が挙げられる。なお、これら炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっていてもよい。
脂肪族炭化水素基としては、アルカントリイル基、脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基が挙げられる。
アルカントリイル基としては、具体的には、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ウンデカントリイル基、ドデカントリイル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれであってもよい。
単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロオクタントリイル基等が挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素基としては、ノルボルナントリイル基、ノルボルナントリイル基、アダマンタントリイル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基、アントラセントリイル基、メチルベンゼントリイル基等が挙げられる。
で表される炭化水素基は、総炭素数が1〜24であり、さらに1又は複数の置換基を有していてもよい。該置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。
炭素数1〜12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。
炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基及び炭素数2〜13のアルキルカルボニルオキシ基は、上述したアルキル基又はアルコキシ基にカルボニル基又はカルボニルオキシ基が結合した基が挙げられる。
炭素数3〜12の脂環式炭化水素基としては、下記に示す基が挙げられる。**は環との結合手である。
炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、シクロヘキシルフェニル基等が挙げられる。
組み合わせた基としては、ヒドロキシ基と炭素数1〜12のアルキル基とを組み合わせた基、炭素数1〜12のアルキル基と炭素数6〜10の芳香族炭化水素基とを組み合わせた基等が挙げられる。
ヒドロキシ基と炭素数1〜12のアルキル基とを組み合わせた基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
炭素数1〜12のアルキル基と炭素数6〜10の芳香族炭化水素基とを組み合わせた基としては、ベンジル基等の炭素数7〜22のアラルキル基等が挙げられる。
で表される炭化水素基としては、置換基を有してもよい炭素数1〜24の脂環式炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルカントリイル基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルカントリイル基、式(w1−1)〜式(w1−11)で表される基であることがさらに好ましく、炭素数1〜6のアルカントリイル基、式(w1−1)で表される基、式(w1−2)で表される基、式(w1−3)で表される基又は式(w1−6)で表される基であることがより一層好ましく、多環式炭化水素基、なかでも式(w1−1)で表される基であることが特に好ましい。
[式(w1−1)〜式(w1−11)中、
環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
*は結合手を表す。なお、式(w1−9)〜式(w1−11)においては、3つの結合手は任意の位置とすることができる。]
及びLで表される炭化水素基は、総炭素数が1〜12であり、さらに1又は複数の置換基を有していてもよい。該置換基としては、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニルオキシ基及びこれらの基のうち2種以上を組み合わせた基が挙げられる。
炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基は、上述の置換基として例示したものと同様のものが挙げられる。
及びLで表される炭化水素基としては、アルカンジイル基が好ましい。アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ペンタン−2,4−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基等が挙げられる。
、L及びLで表される炭化水素基が置換基を有する場合又は炭化水素基に含まれる−CH2−が−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該炭化水素基の総炭素数とする。
及びRで表される脂環式炭化水素基は、総炭素数が3〜18であり、さらに1又は複数の置換基を有していてもよい。該置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニルオキシ基及びこれらの基のうち2種以上を組み合わせた基が挙げられる。
炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基は、環Wの置換基として例示したものと同様のものが挙げられる。
及びRで表される脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっていてもよい。
及びRで表される脂環式炭化水素基が置換基を有する場合又は該脂環式炭化水素基に含まれる−CH−が−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該脂環式炭化水素基の総炭素数とする。
及びRで表される脂環式炭化水素基としては、例えば、式(Y1)〜(Y40)で表される基等が挙げられる。
好ましくは式(Y1)〜式(Y20)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)又は式(Y40)のいずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y16)、式(Y19)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)又は式(Y40)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y30)、式(Y39)又は式(Y40)で表される基である。
又はRが有する置換基は、ヒドロキシ基を有する基、ハロゲン原子であることが好ましく、ヒドロキシ基、フッ素原子であることがより好ましい。
及びRで表される脂環式炭化水素基としては、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアダマンチル基又は置換基を有していてもよいシクロヘキシル基であり(これらの基を構成する−CH−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっていてもよい。)、さらに好ましくはアダマンチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシアダマンチル基、オキソアダマンチル基又は下記で表される基であり、さらにより好ましくはシクロヘキシル基である。
式(I)で表されるカルボン酸塩におけるアニオンとしては、下記に記載のアニオン等が挙げられる。
有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。具体的には、式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表されるカチオン(以下、式番号に応じて「カチオン(b2−1)」等という場合がある。)が挙げられる。
式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜4のアルキルカルボニル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b4とRb5とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成してもよく、該環に含まれる−CH2−は、−O−、−S−又は−CO−に置き換わってもよい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5のいずれかの整数を表す。
m2が2以上のとき、複数のRb7は同一でも異なってもよく、n2が2以上のとき、複数のRb8は同一でも異なってもよい。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表す。
b9とRb10とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成してもよく、該環に含まれる−CH2−は、−O−、−S−又は−CO−に置き換わってもよい。
b11は、水素原子、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b12は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素に含まれる水素原子は、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b11とRb12とは、互いに結合してそれらが結合する−CH−CO−を含めて環を形成していてもよく、該環に含まれる−CH2−は、−O−、−S−又は−CO−に置き換わってもよい。
b13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b31は、硫黄原子又は酸素原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4のいずれかの整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一又は相異なり、p2が2以上のとき、複数のRb14は同一又は相異なり、q2が2以上のとき、複数のRb15は同一又は相異なり、r2が2以上のとき、複数のRb16は同一又は相異なり、s2が2以上のとき、複数のRb17は同一又は相異なり、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一又は相異なる。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基のアルキル基が挙げられる。特に、Rb9〜Rb12の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜12である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基等が挙げられる。
特に、Rb9〜Rb12の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、2−メチルアダマンタン−2−イル基、2−エチルアダマンタン−2−イル基、2−イソプロピルアダマンタン−2−イル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基においては、脂環式炭化水素基と脂肪族炭化水素基との合計炭素数が好ましくは20以下である。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−シクロへキシルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等のアリール基が挙げられる。
なお、芳香族炭化水素基に、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基が含まれる場合は、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基及び炭素数3〜18の脂環式炭化水素基が好ましい。
水素原子がアルコキシ基で置換された芳香族炭化水素基としては、p−メトキシフェニル基等が挙げられる。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
b4とRb5とが互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、炭素数3〜18の環が挙げられ、好ましくは炭素数4〜18の環である。また、硫黄原子を含む環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環であり、例えば下記の環が挙げられる。
b9とRb10とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環である。例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環等が挙げられる。
b11とRb12とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環である。オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環等が挙げられる。
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中でも、好ましくは、カチオン(b2−1)である。
カチオン(b2−1)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2−2)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2−3)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カチオン(b2−4)としては、以下のカチオンが挙げられる。
カルボン酸塩(I)は、上述のアニオン及びカチオンの組合せであることが好ましい。
これらのアニオンとカチオンとは任意に組み合わせることができる。
カルボン酸塩(I)としては、表1に記載の塩が挙げられる。
例えば、表1のカルボン酸塩(I−1)とは、カルボン酸アニオンが(I−a−1)であり、カチオンが(b2−c−1)である、以下の塩を表す。


なかでも、カルボン酸塩(I)としては、カルボン酸塩(I−1)、カルボン酸塩(I−2)、カルボン酸塩(I−15)、カルボン酸塩(I−16)、カルボン酸塩(I−19)、カルボン酸塩(I−20)、カルボン酸塩(I−33)、カルボン酸塩(I−34)、カルボン酸塩(I−37)、カルボン酸塩(I−38)、カルボン酸塩(I−51)、カルボン酸塩(I−52)、カルボン酸塩(I−55)、カルボン酸塩(I−56)、カルボン酸塩(I−69)、カルボン酸塩(I−70)、カルボン酸塩(I−73)、カルボン酸塩(I−74)、カルボン酸塩(I−87)、カルボン酸塩(I−88)、カルボン酸塩(I−91)、カルボン酸塩(I−93)、カルボン酸塩(I−94)、カルボン酸塩(I−96)、カルボン酸塩(I−97)、カルボン酸塩(I−99)、カルボン酸塩(I−100)、カルボン酸塩(I−102)、カルボン酸塩(I−103)及びカルボン酸塩(I−105)が好ましく、カルボン酸塩(I−1)、カルボン酸塩(I−2)、カルボン酸塩(I−15)、カルボン酸塩(I−16)、カルボン酸塩(I−19)、カルボン酸塩(I−20)、カルボン酸塩(I−33)、カルボン酸塩(I−34)、カルボン酸塩(I−37)、カルボン酸塩(I−38)、カルボン酸塩(I−51)、カルボン酸塩(I−52)、カルボン酸塩(I−55)、カルボン酸塩(I−56)、カルボン酸塩(I−69)、カルボン酸塩(I−70)、カルボン酸塩(I−73)、カルボン酸塩(I−74)、カルボン酸塩(I−87)及びカルボン酸塩(I−88)がより好ましい。
<カルボン酸塩(I)の製造方法>
式(I)で表される塩は、式(I−a)で表される塩と、式(I−b)で表される化合物とを、酸化銀存在下、溶媒中で反応させることにより製造することができる。
(式中、Xa、Xb、L、L、R、R、X及びZ1は上記と同じ意味を表す。

この反応における溶媒としては、メタノール等が挙げられる。
反応は、10℃〜80℃の温度範囲で、0.5〜24時間行うことが好ましい。
式(I−a)で表される塩は、以下で表される塩などが挙げられる。
式(I−b)で表される化合物は、式(I−c)で表される化合物と、式(I−d1)で表される化合物と、式(I−d2)で表される化合物とを、酸触媒下、溶媒中で反応させた後、加水分解することにより製造することができる。
(式中、Xa、Xb、L、L、R、R及びXは上記と同じ意味を表す。)
この反応における酸触媒としては、硫酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
この反応における溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
反応は、10℃〜80℃の温度範囲で、0.5〜24時間行うことが好ましい。
加水分解時には、水酸化ナトリウム等を触媒として加える。
反応は、10℃〜80℃の温度範囲で、0.5〜24時間行うことが好ましい。
式(I−c)で表される化合物としては、以下で表される化合物などが挙げられる。
式(I−d1)及び式(I−d2)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市場より容易に入手することができる。
〔酸発生剤〕
本発明のカルボン酸塩(I)は、レジスト組成物中において、酸発生剤として作用させることができる。カルボン酸塩(I)をレジスト組成物中の酸発生剤として用いる場合、2種類以上のカルボン酸塩(I)を含有してもよい。
また、本発明の酸発生剤は、後述するように、カルボン酸塩(I)以外のレジスト分野で公知の酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある。)をさらに含有してもよい。
<酸発生剤(B)>
酸発生剤(B)は、非イオン系又はイオン系のいずれを用いてもよい。非イオン系酸発生剤としては、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン 4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
酸発生剤(B)としては、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用することができる。また、公知の方法で製造した化合物を使用してもよい。酸発生剤(B)は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくはフッ素含有のスルホン酸発生剤である、式(B1)で表される塩(以下「酸発生剤(B1)」という場合がある)である。
[式(B1)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、炭素数1〜24の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよいメチル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−S(O)−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
は、有機カチオンを表す。]
及びQの表すペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることが好ましく、ともにフッ素原子であることがより好ましい。
b1の2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組合せることにより形成される基でもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基及びヘプタデカン−1,17−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ペンタン−2,4−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
b1の2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、式(b1−1)〜式(b1−3)のいずれかで表される基が挙げられる。なお、式(b1−1)〜式(b1−3)及びそれらの具体例である式(b1−4)〜式(b1−11)において、*は−Yとの結合手を表す。
[式(b1−1)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b3は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb2とLb3との炭素数合計は、22以下である。
式(b1−2)中、
b4は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b5は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb4とLb5との炭素数合計は、22以下である。
式(b1−3)中、
b6は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
b7は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb6とLb7との炭素数合計は、23以下である。]
式(b1−1)〜式(b1−3)においては、飽和炭化水素基に含まれる−CH−が−O−又は−CO−に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該飽和炭化水素基の炭素数とする。
2価の飽和炭化水素基としては、Lb1の2価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
b2は、好ましくは単結合である。
b3は、好ましくは炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基である。
b4は、好ましくは炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基であり、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
b5は、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b6は、好ましくは単結合又は炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
b7は、好ましくは単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
b1の2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、式(b1−1)又は式(b1−3)で表される基が好ましい。
式(b1−1)としては、式(b1−4)〜式(b1−8)でそれぞれ表される基が挙げられる。
[式(b1−4)中、
b8は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
式(b1−5)中、
b9は、炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表す。
b10は、単結合又は炭素数1〜19の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb9及びLb10の合計炭素数は20以下である。
式(b1−6)中、
b11は、炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b12は、単結合又は炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb11及びLb12の合計炭素数は21以下である。
式(b1−7)中、
b13は、炭素数1〜19の2価の飽和炭化水素基を表す。
b14は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表す。
b15は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb13〜Lb15の合計炭素数は19以下である。
式(b1−8)中、
b16は、炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表す。
b17は、炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表す。
b18は、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb16〜Lb18の合計炭素数は19以下である。]
b8は、好ましくは炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基である。
b9は、好ましくは炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b10は、好ましくは単結合又は炭素数1〜19の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b11は、好ましくは炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b12は、好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b13は、好ましくは炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基である。
b14は、好ましくは単結合又は炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基である。
b15は、好ましくは単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b16は、好ましくは炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基である。
b17は、好ましくは炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基である。
b18は、好ましくは単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは単結合又は炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基である。
式(b1−3)としては、式(b1−9)〜式(b1−11)でそれぞれ表される基が挙げられる。
式(b1−9)中、
b19は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b20は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb19及びLb20の合計炭素数は23以下である。
式(b1−10)中、
b21は、単結合又は炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b22は、単結合又は炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b23は、単結合又は炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb21、Lb22及びLb23の合計炭素数は21以下である。
式(b1−11)中、
b24は、単結合又は炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b25は、炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表す。
b26は、単結合又は炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb24、Lb25及びLb26の合計炭素数は21以下である。
なお、式(b1−9)から式(b1−11)においては、飽和炭化水素基に含まれる水素原子がアルキルカルボニルオキシ基に置換されている場合、置き換わる前の炭素数を該飽和炭化水素基の炭素数とする。
アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アダマンチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−4)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−5)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−6)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−7)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−8)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−2)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−3)で表される基のうち、式(b1−9)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−3)で表される基のうち、式(b1−10)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
式(b1−3)で表される基のうち、式(b1−11)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基としては、カルボン酸塩(I)におけるR及びRで表される脂環式炭化水素基と同様のもの、例えば、式(Y1)〜式(Y11)、式(Y36)〜式(Y38)で表される基が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基に含まれる−CH−が−O−、−S(O)−又は−CO−で置き換わる場合、その数は1つでもよいし、2以上の複数でもよい。そのような基としては、カルボン酸塩(I)におけるR及びRで表される脂環式炭化水素基と同様のもの、式(Y12)〜式(Y35)、式(Y39)、式(Y40)で表される基が挙げられる。
Yとしては、好ましくは式(Y1)〜式(Y20)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)又は式(Y40)のいずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y16)、式(Y20)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)又は式(Y40)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y30)、式(Y39)又は式(Y40)で表される基である。
Yが式(Y28)〜式(Y33)、式(Y39)、式(Y40)等のスピロ環を構成する場合には、2つの酸素原子間のアルカンジイル基は、1以上のフッ素原子を有することが好ましい。また、ケタール構造に含まれるアルカンジイル基のうち、酸素原子に隣接するメチレン基には、フッ素原子が置換されていないのが好ましい。
Yで表されるメチル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、グリシジルオキシ基又は−(CHja−O−CO−Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。jaは、0〜4のいずれかの整数を表す)等が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアルキルカルボニル基、グリシジルオキシ基又は−(CHja−O−CO−Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。jaは、0〜4のいずれかの整数を表す)等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基;トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。
ヒドロキシ基で置換されているアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基及びナフチルエチル基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
Yとしては、以下のものが挙げられる。
Yは、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましく置換基を有していてもよいアダマンチル基であり、該脂環式炭化水素基又はアダマンチル基を構成する−CH−は−CO−、−S(O)−又は−CO−に置き換わっていてもよい。Yは、さらに好ましくはアダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、オキソアダマンチル基又は下記で表される基である。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、式(B1−A−1)〜式(B1−A−55)で表されるアニオン〔以下、式番号に応じて「アニオン(B1−A−1)」等という場合がある。〕が好ましく、式(B1−A−1)〜式(B1−A−4)、式(B1−A−9)、式(B1−A−10)、式(B1−A−24)〜式(B1−A−33)、式(BI−A−36)〜式(BI−A−40)、式(B1−A−47)〜式(B1−A−55)のいずれかで表されるアニオンがより好ましい。

ここでRi2〜Ri7は、それぞれ独立に、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基である。Ri8は、例えば、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数5〜12の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基である。L44は、単結合又は炭素数1〜4のアルカンジイル基である。Q及びQは、上記と同じ意味を表す。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、具体的には、特開2010−204646号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
好ましい式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、式(B1a−1)〜式(B1a−34)でそれぞれ表されるアニオンが挙げられる。
なかでも、式(B1a−1)〜式(B1a−3)及び式(B1a−7)〜式(B1a−16)、式(B1a−18)、式(B1a−19)、式(B1a−22)〜式(B1a−34)のいずれかで表されるアニオンが好ましい。
の有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン、有機ホスホニウムカチオン等が挙げられ、好ましくは有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンが挙げられ、より好ましくはアリールスルホニウムカチオンが挙げられる。
式(B1)中のZは、カルボン酸塩(I)におけるカチオンZ1と同様のものが挙げられる。
酸発生剤(B1)は、上述のスルホン酸アニオン及び上述の有機カチオンの組合せであり、これらは任意に組合せることができる。酸発生剤(B1)としては、好ましくは式(B1a−1)〜式(B1a−3)、式(B1a−7)〜式(B1a−16)、式(B1a−18)、式(B1a−19)、式(B1a−22)〜式(B1a−34)のいずれかで表されるアニオンとカチオン(b2−1)又はカチオン(b2−3)との組合せが挙げられる。
酸発生剤(B1)としては、好ましくは式(B1−1)〜式(B1−48)でそれぞれ表されるものが挙げられる、中でもアリールスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、式(B1−1)〜式(B1−3)、式(B1−5)〜式(B1−7)、式(B1−11)〜式(B1−14)、式(B1−17)、式(B1−20)、式(B1−21)〜式(B1−26)、式(B1−29)、式(B1−31)〜式(B1−48)でそれぞれ表されるものがとりわけ好ましい。
酸発生剤(B)は、1種を単独で含有していてもよく、複数種を含有していてもよい。
本発明の酸発生剤が、カルボン酸塩(I)に加えて酸発生剤(B)を含む場合、カルボン酸塩(I)と酸発生剤(B)との含有量の比(質量比、カルボン酸塩(I):酸発生剤(B))は、通常、1:99〜100より小:0より大、好ましくは1:99〜99:1、より好ましくは2:98〜98:2、さらに好ましくは5:95〜95:5、より一層好ましくは、30:70〜70:30である。
〔レジスト組成物〕
本発明のレジスト組成物は、カルボン酸塩(I)、カルボン酸塩(I)以外の酸発生剤及び酸不安定基を有する樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある)を含有する。ここでの「酸不安定基」は、脱離基を有し、酸との接触により脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。
レジスト組成物は、クエンチャー(以下「クエンチャー(C)」という場合がある)及び/又は溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有することが好ましい。
<酸発生剤>
酸発生剤は、上述したように、カルボン酸塩(I)と、カルボン酸塩(I)以外の公知の酸発生剤(好ましくは、スルホン酸発生剤)とを含む。
本発明のレジスト組成物においては、酸発生剤の含有率は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上(より好ましくは3質量部以上)、好ましくは40質量部以下(より好ましくは35質量部以下)である。
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、酸不安定基を有する構造単位(以下「構造単位(a1)」という場合がある)を有する。樹脂(A)は、さらに、構造単位(a1)以外の構造単位を含むことが好ましい。構造単位(a1)以外の構造単位としては、酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(s)」という場合がある)、構造単位(a1)及び構造単位(s)以外の構造単位(例えば、後述するハロゲン原子を有する構造単位(以下「構造単位(a4)」という場合がある)、後述する非脱離炭化水素基を有する構造単位(以下「構造単位(a5)という場合がある)及びその他の当該分野で公知のモノマーに由来する構造単位等が挙げられる。
〈構造単位(a1)〉
構造単位(a1)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という場合がある)から導かれる。
樹脂(A)に含まれる酸不安定基は、式(1)で表される基(以下、基(1)とも記す)及び/又は式(2)で表される基(以下、基(2)とも記す)が好ましい。
[式(1)中、Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成する。
ma及びnaは、それぞれ独立して、0又は1を表し、ma及びnaの少なくとも一方は1を表す。
*は結合手を表す。]

[式(2)中、Ra1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに炭素数3〜20の2価の複素環基を形成し、該炭化水素基及び該2価の複素環基に含まれる−CH2−は、−O−又は−S−で置き換わってもよい。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
na’は、0又は1を表す。
*は結合手を表す。]
なお、炭化水素基及び2価の複素環基に含まれる−CH2−が−O−等に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数をこれらの基の総炭素数とする。
a1〜Ra3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
a1〜Ra3の脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合手を表す。)等が挙げられる。Ra1〜Ra3の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜16である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボルニルエチル基等が挙げられる。
好ましくは、maは0であり、naは1である。
a1及びRa2が互いに結合して2価の脂環式炭化水素基を形成する場合の−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)としては、下記の基が挙げられる。2価の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜12である。*は−O−との結合手を表す。
a1'〜Ra3'の炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等のアリール基等が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基、ベンジル基等のアラルキル基、フェニルシクロヘキシル基等のアリール−シクロヘキシル基等が挙げられる。
a2'及びRa3'が互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに形成する2価の複素環基としては、下記の基が挙げられる。*は、結合手を表す。
a1'及びRa2'のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
na’は、好ましくは0である。
基(1)としては、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)においてRa1〜Ra3がアルキル基であり、ma=0であり、na=1である基。好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、及びRa2、これらが結合する炭素原子と一緒になってアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基であり、ma=0であり、na=1である。)及び1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がそれぞれ独立してアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基であり、ma=0であり、na=1である)等が挙げられ、具体的には以下の基が挙げられる。*は結合手を表す。
基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合手を表す。
モノマー(a1)は、好ましくは、酸不安定基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマー、より好ましくは酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、好ましくは、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するものが挙げられる。脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を有するモノマー(a1)に由来する構造単位を有する樹脂(A)をレジスト組成物に使用すれば、レジストパターンの解像度を向上させることができる。
基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位として、好ましくは、式(a1−0)で表される構造単位(以下、構造単位(a1−0)という場合がある。
)、式(a1−1)で表される構造単位(以下、構造単位(a1−1)という場合がある。)又は式(a1−2)で表される構造単位(以下、構造単位(a1−2)という場合がある。)が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[式(a1−0)、式(a1−1)及び式(a1−2)中、
a01、La1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CHk1−CO−O−を表し、k1は1〜7のいずれかの整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
a01、Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a02、Ra03及びRa04は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せることにより形成される基を表す。
m1は0〜14のいずれかの整数を表す。
n1は0〜10のいずれかの整数を表す。
n1’は0〜3のいずれかの整数を表す。]
a01、Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a01、La1及びLa2は、好ましくは酸素原子又は*−O−(CHk01−CO−O−であり(但し、k01は、好ましくは1〜4のいずれかの整数、より好ましくは1である。)、より好ましくは酸素原子である。
a02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7のアルキル基、脂環式炭化水素基及びこれらを組合せた基としては、式(1)のRa1〜Ra3で挙げた基と同様の基が挙げられる。
a02、Ra03及びRa04のアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくはメチル基又はエチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
a02、Ra03及びRa04の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜8であり、より好ましくは3〜6である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。
a02及びRa03は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
a04は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数5〜12の脂環式炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基である。
a6及びRa7におけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくはメチル基、エチル基又はイソプロピル基であり、さらに好ましくはエチル基又はイソプロピル基である。
m1は、好ましくは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
構造単位(a1−0)としては、例えば、式(a1−0−1)〜式(a1−0−12)のいずれかで表される構造単位及びRa01に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1−0−1)〜式(a1−0−10)のいずれかで表される構造単位が好ましい。
構造単位(a1−1)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。中でも、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)のいずれかで表される構造単位及びRa4に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が好ましく、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)のいずれかで表される構造単位がより好ましい。
構造単位(a1−2)としては、式(a1−2−1)〜式(a1−2−6)のいずれかで表される構造単位及びRa5に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1−2−2)、式(a1−2−5)及び式(a1−2−6)が好ましい。
樹脂(A)が構造単位(a1−0)及び/又は構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を含む場合、これらの合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
構造単位(a1)において基(2)を有する構造単位としては、式(a1−4)で表される構造単位(以下、「構造単位(a1−4)」という場合がある。)が挙げられる。
[式(a1−4)中、
a32は、水素原子、ハロゲン原子、又は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
a33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルキルカルボニル基、炭素数2〜4のアルキルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
laは0〜4のいずれかの整数を表す。laが2以上である場合、複数のRa33は互いに同一であっても異なってもよい。
a34及びRa35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra36は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra35及びRa36は互いに結合してそれらが結合する−C−O−とともに炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水素基及び該2価の炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−S−で置き換わってもよい。]
a32及びRa33のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられる。該アルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
a32及びRa33のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。
ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基等が挙げられる。なかでも、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。
a34、Ra35及びRa36の炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられ、式(2)のRa1'及びRa2'と同様の基が挙げられる。特に、Ra36としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせることにより形成される基が挙げられる。
式(a1−4)において、Ra32としては、水素原子が好ましい。
a33としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
laとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
a34は、好ましくは、水素原子である。
a35は、好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基又は脂環式炭化水素基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
a36の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせることにより形成される基であり、より好ましくは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式脂肪族炭化水素基又は炭素数7〜18のアラルキル基である。Ra36におけるアルキル基及び前記脂環式炭化水素基は、無置換であることが好ましい。Ra36における芳香族炭化水素基は、炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する芳香環が好ましい。
構造単位(a1−4)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマー由来の構造単位が挙げられる。好ましくは、式(a1−4−1)〜式(a1−4−8)でそれぞれ表される構造単位及びRa32に相当する水素原子がメチル基に置き換わった構造単位が挙げられ、より好ましくは、式(a1−4−1)〜式(a1−4−5)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。
樹脂(A)が、構造単位(a1−4)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位の合計に対して、10〜95モル%であることが好ましく、15〜90モル%であることがより好ましく、20〜85モル%であることがさらに好ましい。
基(2)を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位としては、式(a1−5)で表される構造単位(以下「構造単位(a1−5)」という場合がある)も挙げられる。
式(a1−5)中、
a8は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a1は、単結合又は*−(CH2h3−CO−L54−を表し、h3は1〜4のいずれかの整数を表し、*は、L51との結合手を表す。
51、L52、L53及びL54は、それぞれ独立に、−O−又は−S−を表す。
s1は、1〜3のいずれかの整数を表す。
s1’は、0〜3のいずれかの整数を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子及び塩素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、フルオロメチル基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
式(a1−5)においては、Ra8は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基が好ましい。
51は、酸素原子が好ましい。
52及びL53のうち、一方が−O−であり、他方が−S−であることが好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2のいずれかの整数が好ましい。
a1は、単結合又は*−CH2−CO−O−が好ましい。
構造単位(a1−5)としては、例えば、特開2010−61117号公報に記載されたモノマー由来の構造単位が挙げられる。中でも、式(a1−5−1)〜式(a1−5−4)でそれぞれ表される構造単位が好ましく、式(a1−5−1)又は式(a1−5−2)で表される構造単位がより好ましい。
樹脂(A)が、構造単位(a1−5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜50モル%が好ましく、3〜45モル%がより好ましく、5〜40モル%がさらに好ましい。
また、構造単位(a1)としては、以下の構造単位も挙げられる。
樹脂(A)が上記構造単位を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10〜95モル%が好ましく、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%がさらに好ましい。
〈構造単位(s)〉
構造単位(s)は、酸不安定基を有さないモノマー(以下「モノマー(s)」という場合がある)から導かれる。構造単位(s)を導くモノマーは、レジスト分野で公知の酸不安定基を有さないモノマーを使用できる。
構造単位(s)としては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するのが好ましい。ヒドロキシ基を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場合がある)及び/又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a3)」という場合がある)を有する樹脂を本発明のレジスト組成物に使用すれば、レジストパターンの解像度及び基板との密着性を向上させることができる。
〈構造単位(a2)〉
構造単位(a2)が有するヒドロキシ基は、アルコール性ヒドロキシ基でも、フェノール性ヒドロキシ基でもよい。
本発明のレジスト組成物からレジストパターンを製造するとき、露光光源としてKrFエキシマレーザ(248nm)、電子線又はEUV(超紫外光)等の高エネルギー線を用いる場合には、構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)を用いることが好ましい。また、ArFエキシマレーザ(193nm)等を用いる場合には、構造単位(a2)として、アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)が好ましく、構造単位(a2−1)を用いることがより好ましい。構造単位(a2)としては、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
構造単位(a2)においてフェノール性ヒドロキシ基有する構造単位としては式(a2−A)で表される構造単位(以下「構造単位(a2−A)」という場合がある)が挙げられる。
[式(a2−A)中、
a50は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルキルカルボニル基、炭素数2〜4のアルキルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
a50は、単結合又は−Xa51−(Aa52−Xa52na−を表し、*は−Ra50が結合する炭素原子との結合手を表す。
a52は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
a51及びXa52は、それぞれ独立に、−O−、−CO−O−又は−O−CO−を表す。
naは、0又は1を表す。
mbは0〜4のいずれかの整数を表す。mbが2以上の整数である場合、複数のRa51は互いに同一であっても異なってもよい。]
a50におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。
a50におけるハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられる。
a50は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。
a51のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。
a51のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
a51におけるアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
a51におけるアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基及びブチリルオキシ基が挙げられる。
a51は、メチル基が好ましい。
−Xa51−(Aa52−Xa52na−としては、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−O−Aa52−CO−O−、−O−CO−Aa52−O−、−O−Aa52−CO−O−、−CO−O−Aa52−O−CO−、−O−CO−Aa52−O−CO−、が挙げられる。なかでも、−CO−O−、−CO−O−Aa52−CO−O−又は−O−Aa52−CO−O−が好ましい。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
a52は、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。
a50は、単結合、−CO−O−又は−CO−O−Aa52−CO−O−であることが好ましく、単結合、−CO−O−又は−CO−O−CH2−CO−O−であることがより好ましく、単結合又は−CO−O−であることがさらに好ましい。
mbは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
ヒドロキシ基は、ベンゼン環のo−位又はp−位に結合することが好ましく、p−位に結合することがより好ましい。
構造単位(a2−A)としては、式(a2−2−1)〜式(a2−2−8)で表される構造単位及びRa50に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。構造単位(a2−A)は、式(a2−2−1)で表される構造単位、式(a2−2−3)で表される構造単位及びRa50に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位であることが好ましい。
構造単位(a2−A)としては、特開2010−204634号公報、特開2012−12577号公報に記載されているモノマー由来の構造単位が挙げられる。
樹脂(A)中に構造単位(a2−A)が含まれる場合の構造単位(a2−A)の含有率は、全構造単位に対して、好ましくは5〜80モル%であり、より好ましくは10〜70モル%であり、さらに好ましくは15〜65モル%である。
構造単位(a2)においてアルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位としては、式(a2−1)で表される構造単位(以下「構造単位(a2−1)」という場合がある。)が挙げられる。
式(a2−1)中、
a3は、−O−又は−O−(CH2k2−CO−O−を表し、
k2は1〜7のいずれかの整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10のいずれかの整数を表す。
式(a2−1)では、La3は、好ましくは、−O−、−O−(CH2f1−CO−O−であり(前記f1は、1〜4のいずれかの整数を表す)、より好ましくは−O−である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3のいずれかの整数、より好ましくは0又は1である。
構造単位(a2−1)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。式(a2−1−1)〜式(a2−1−6)のいずれかで表される構造単位が好ましく、式(a2−1−1)〜式(a2−1−4)のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a2−1−1)又は式(a2−1−3)で表される構造単位がさらに好ましい。
樹脂(A)が構造単位(a2−1)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常1〜45モル%であり、好ましくは1〜40モル%であり、より好ましくは1〜35モル%であり、さらに好ましくは2〜20モル%であり、さらにより好ましくは2〜10モル%である。
〈構造単位(a3)〉
構造単位(a3)が有するラクトン環は、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。好ましくは、γ−ブチロラクトン環、アダマンタンラクトン環、又は、γ−ブチロラクトン環構造を含む橋かけ環が挙げられる。
構造単位(a3)は、好ましくは、式(a3−1)、式(a3−2)、式(a3−3)又は式(a3−4)で表される構造単位である。これらの1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
[式(a3−1)、式(a3−2)、式(a3−3)及び式(a3−4)中、
a4、La5及びLa6は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CHk3−CO−O−(k3は1〜7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。
a7は、−O−、−O−La8−O−、−O−La8−CO−O−、−O−La8−CO−O−La9−CO−O−又は−O−La8−O−CO−La9−O−を表す。
a8及びLa9は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*はカルボニル基との結合手を表す。
a18、Ra19及びRa20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a24は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
a22、Ra23及びRa25は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
p1は0〜5のいずれかの整数を表す。
q1は、0〜3のいずれかの整数を表す。
r1は、0〜3のいずれかの整数を表す。
w1は、0〜8のいずれかの整数を表す。
p1、q1、r1及び/又はw1が2以上のとき、複数のRa21、Ra22、Ra23及び/又はRa25は互いに同一であってもよく、異なってもよい。]
a21、Ra22、Ra23及びRa25の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基等のアルキル基が挙げられる。
a24のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
a24のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基又はエチル基が挙げられる。
a24のハロゲン原子を有するアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基等が挙げられる。
a8及びLa9のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
式(a3−1)〜式(a3−3)において、La4〜La6は、それぞれ独立に、好ましくは−O−又は、*−O−(CHk3−CO−O−においてk3が1〜4のいずれかの整数である基、より好ましくは−O−及び、*−O−CH−CO−O−、さらに好ましくは酸素原子である。
a18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
式(a3−4)において、Ra24は、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに好ましくは水素原子又はメチル基である。
a25は、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
a7は、好ましくは−O−又は−O−La8−CO−O−であり、より好ましくは−O−、−O−CH−CO−O−又は−O−C−CO−O−である。
特に、式(a3−4)は、式(a3−4)’が好ましい。
(式中、Ra24、La7は、上記と同じ意味を表す。)
構造単位(a3)としては、特開2010−204646号公報に記載されたモノマー、特開2000−122294号公報に記載されたモノマー、特開2012−41274号公報に記載されたモノマーに由来の構造単位が挙げられる。構造単位(a3)としては、式(a3−1−1)、式(a3−1−2)、式(a3−2−1)、式(a3−2−2)、式(a3−3−1)、式(a3−3−2)及び式(a3−4−1)〜式(a3−4−12)のいずれかで表される構造単位及び、前記構造単位においてRa18、Ra19、Ra20及びRa24に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が好ましい。
樹脂(A)が構造単位(a3)を含む場合、その合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常5〜70モル%であり、好ましくは10〜65モル%であり、より好ましくは10〜60モル%である。
また、構造単位(a3−1)、構造単位(a3−2)、構造単位(a3−3)及び構造単位(a3−4)の含有率は、それぞれ、樹脂(A)の全構造単位に対して、5〜60モル%が好ましく、5〜50モル%がより好ましく、10〜50モル%がさらに好ましい。
〈構造単位(a4)〉
構造単位(a4)としては、式(a4−0)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a4−0)中、
5は、水素原子又はメチル基を表す。
4は、単結合又は炭素数1〜4の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
3は、炭素数1〜8のペルフルオロアルカンジイル基又は炭素数3〜12のペルフルオロシクロアルカンジイル基を表す。
6は、水素原子又はフッ素原子を表す。]
4の脂肪族飽和炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基及び2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
3のペルフルオロアルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパン−1,1−ジイル基、ペルフルオロプロパン−1,3−ジイル基、ペルフルオロプロパン−1,2−ジイル基、ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル基、ペルフルオロブタン−1,4−ジイル基、ペルフルオロブタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロブタン−1,2−ジイル基、ペルフルオロペンタン−1,5−ジイル基、ペルフルオロペンタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロペンタン−3,3−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−1,6−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−2,2−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−3,3−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−1,7−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−3,4−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−4,4−ジイル基、ペルフルオロオクタン−1,8−ジイル基、ペルフルオロオクタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロオクタン−3,3−ジイル基、ペルフルオロオクタン−4,4−ジイル基等が挙げられる。
3のペルフルオロシクロアルカンジイル基としては、ペルフルオロシクロヘキサンジイル基、ペルフルオロシクロペンタンジイル基、ペルフルオロシクロヘプタンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
4は、好ましくは単結合、メチレン基又はエチレン基であり、より好ましくは、単結合、メチレン基である。
3は、好ましくは炭素数1〜6のペルフルオロアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のペルフルオロアルカンジイル基である。
構造単位(a4−0)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中のRに相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
構造単位(a4)としては、式(a4−1)で表される構造単位が挙げられる。
[式(a4−1)中、
a41は、水素原子又はメチル基を表す。
a42は、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
a41は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−g1)で表される基を表す。ただし、Aa41及びRa42のうち少なくとも1つは、置換基としてフッ素原子を有する。
〔式(a−g1)中、
sは0又は1を表す。
a42及びAa44は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の飽和炭化水素基を表す。
a43は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜5の飽和炭化水素基を表す。
a41及びXa42は、それぞれ独立に、−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−を表す。
ただし、Aa42、Aa43、Aa44、Xa41及びXa42の炭素数の合計は7以下である。〕
*は結合手であり、右側の*が−O−CO−Ra42との結合手である。]
a42の炭化水素基としては、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、並びにこれらを組み合わせることにより形成される基が挙げられる。
鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、鎖式及び環式の脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。該脂肪族飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基及び単環又は多環の脂環式炭化水素基、並びに、アルキル基及び脂環式炭化水素基を組み合わせることにより形成される脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
鎖式の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基が挙げられる。環式の脂肪族炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合手を表す。)等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニリル基、フェナントリル基及びフルオレニル基が挙げられる。
a42が有する置換基として、ハロゲン原子及び式(a−g3)で表される基を有していてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
[式(a−g3)中、
a43は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
a45は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
*は結合手を表す。]
ただし、Ra42−Xa43−Aa45において、Ra42がハロゲン原子を有しない場合は、Aa45は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
a45の脂肪族炭化水素基としては、Ra42で例示したものと同様の基が挙げられる。
a42は、ハロゲン原子を有してもよい脂肪族炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子を有するアルキル基及び/又は式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基がより好ましい。
a42がハロゲン原子を有する脂肪族炭化水素基である場合、好ましくはフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシクロアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数が1〜6のペルフルオロアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。ペルフルオロシクロアルキル基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
a42が、式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基である場合、式(a−g3)で表される基に含まれる炭素数を含めて、脂肪族炭化水素基の総炭素数は、15以下が好ましく、12以下がより好ましい。式(a−g3)で表される基を置換基として有する場合、その数は1個が好ましい。
式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素は、さらに好ましくは式(a−g2)で表される基である。
[式(a−g2)中、
a46は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
a44は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
a47は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、Aa46、Aa47及びXa44の炭素数の合計は18以下であり、Aa46及びAa47のうち、少なくとも一方は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する。
*はカルボニル基との結合手を表す。]
a46の脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
a47の脂肪族炭化水素基の炭素数は4〜15が好ましく、5〜12がより好ましく、Aa47は、シクロヘキシル基又はアダマンチル基がさらに好ましい。
*−Aa46−Xa44−Aa47で表される部分構造(*はカルボニル基との結合手である)のより好ましい構造は、以下の構造である。
なお、Ra42で表される炭化水素基に含まれる−CH2−が−O−等に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を炭化水素基の総炭素数とする。
a41のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、1−メチルブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
a41のアルカンジイル基における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
a41は、好ましくは炭素数1〜4のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数2〜4のアルカンジイル基であり、さらに好ましくはエチレン基である。
式(a−g1)で表される基におけるAa42、Aa43及びAa44の飽和炭化水素基は、鎖式及び環式の飽和炭化水素基並びにこれらを組合せることにより形成される基が好ましい。該飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルカンジイル基及び単環の脂環式炭化水素基、並びに、アルカンジイル基及び脂環式炭化水素基を組合せることにより形成される飽和炭化水素基等が挙げられる。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
a42、Aa43及びAa44の飽和炭化水素基の置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
sは、0であることが好ましい。
a42が酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す式(a−g1)で表される基としては、以下の基等が挙げられる。以下の例示において、*及び**はそれぞれ結合手を表わし、**が−O−CO−Ra42との結合手である。
式(a4−1)で表される構造単位としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中のRa41に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
構造単位(a4)としては、式(a4−4)で表される構造単位も挙げられる。
[式(a4−4)中、
f21は、水素原子又はメチル基を表す。
f21は、−(CH2j1−、−(CH2j2−O−(CH2j3−又は−(CH2j4−CO−O−(CH2j5−を表す。
j1〜j5は、それぞれ独立に、1〜6のいずれかの整数を表す。
f22は、フッ素原子を有する炭素数1〜10の炭化水素基を表す。]
f22の炭化水素基は、鎖式、環式及びこれらの組み合わせることにより形成される脂肪族炭化水素基を含む。脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基が好ましい。
フッ素原子を有する炭化水素基としては、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有する脂環式炭化水素基等が挙げられる。
具体的には、フッ素原子を有するアルキル基としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロエチルメチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(ペルフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、2−(ペルフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基、ペルフルオロペンチルメチル基及びペルフルオロヘキシル基等のフッ化アルキル基が挙げられる。
フッ素原子を有する脂環式炭化水素基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロアダマンチル基等のフッ化シクロアルキル基が挙げられる。
f22は、フッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基又はフッ素原子を有する炭素数1〜10の脂環式炭化水素基が好ましく、フッ素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましい。
式(a4−4)においては、Af21としては、−(CH2j1−が好ましく、エチレン基又はメチレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
式(a4−4)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位及び以下の式で表される構造単位においてはRf21に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
樹脂(A)が、構造単位(a4)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜20モル%が好ましく、2〜15モル%がより好ましく、3〜10モル%がさらに好ましい。
〈構造単位(a5)〉
構造単位(a5)が有する非脱離炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状の炭化水素基を有する基が挙げられる。なかでも、構造単位(a5)は、脂環式炭化水素基を含むものが好ましい。
構造単位(a5)としては、例えば、式(a5−1)で表される構造単位が挙げられる。

[式(a5−1)中、
51は、水素原子又はメチル基を表す。
52は、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。但し、L55との結合位置にある炭素原子に結合する水素原子は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基で置換されない。
55は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。]
52の脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
置換基を有した脂環式炭化水素基としては、3−メチルアダマンチル基などが挙げられる。
52は、好ましくは、無置換の炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは、アダマンチル基、ノルボルニル基又はシクロヘキシル基である。
55の2価の飽和炭化水素基としては、2価の脂肪族飽和炭化水素基及び2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
2価の脂肪族飽和炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基が挙げられる。
2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンタンジイル基及びシクロヘキサンジイル基等のシクロアルカンジイル基が挙げられる。多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、アダマンタンジイル基及びノルボルナンジイル基等が挙げられる。
式(a5−1)で表される構造単位において、飽和炭化水素基に含まれる−CH2−が、−O−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、式(L1−1)〜式(L1−4)で表される基が挙げられる。下記式中、*は酸素原子との結合手を表す。
式(L1−1)中、
x1は、*−O−CO−又は*−CO−O−を表す(*はAf13との結合手を表す。) Lx1は、炭素数1〜16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx1及びLx2の合計炭素数は、16以下である。
式(L1−2)中、
x3は、炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x4は、単結合又は炭素数1〜16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx3及びLx4の合計炭素数は、17以下である。
式(L1−3)中、
x5は、炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x6及びLx7は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜14の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx5、Lx6及びLx7の合計炭素数は、15以下である。
式(L1−4)中、
x8及びLx9は、単結合又は炭素数1〜12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x1は、炭素数3〜15の2価の脂環式飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx8、Lx9及びWx1の合計炭素数は、15以下である。
x1は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x2は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合である。
x3は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x4は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x5は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x6は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x7は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x8は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
x9は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
x1は、好ましくは、炭素数3〜10の2価の脂環式飽和炭化水素基、より好ましくは、シクロヘキサンジイル基又はアダマンタンジイル基である。
式(L1−1)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1−2)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1−3)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
式(L1−4)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
55は、好ましくは、単結合又は式(L1−1)で表される基である。
構造単位(a5−1)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中のR51に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
樹脂(A)が、構造単位(a5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜30モル%が好ましく、2〜20モル%がより好ましく、3〜15モル%がさらに好ましい。
樹脂(A)は、上述の構造単位以外の構造単位を有していてもよく、このような構造単位としては、当技術分野で周知の構造単位が挙げられる。
樹脂(A)は、好ましくは、構造単位(a1)と構造単位(s)とからなる樹脂、すなわち、モノマー(a1)とモノマー(s)との共重合体である。
構造単位(a1)は、好ましくは構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)(好ましくはシクロヘキシル基、シクロペンチル基を有する該構造単位)から選ばれる少なくとも一種、より好ましくは構造単位(a1−1)又は構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)(好ましくはシクロヘキシル基、シクロペンチル基を有する該構造単位)から選ばれる少なくとも二種である。
構造単位(s)は、好ましくは構造単位(a2)及び構造単位(a3)の少なくとも一種である。構造単位(a2)は、好ましくは式(a2−1)で表される構造単位である。
構造単位(a3)は、好ましくは式(a3−1−1)〜式(a3−1−4)で表される構造単位、式(a3−2−1)〜式(a3−2−4)及び式(a3−4−1)〜式(a3−4−2)で表される構造単位から選ばれる少なくとも一種である。
樹脂(A)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、これら構造単位を導くモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。樹脂(A)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,000以上(より好ましくは2,500以上、さらに好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下、さらに好ましくは15,000以下)である。本明細書では、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで実施例に記載の条件により求めた値である。
<樹脂(A)以外の樹脂>
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)以外の樹脂を含んでもよい。
樹脂(A)以外の樹脂としては、構造単位(a4)を含む樹脂(ただし、構造単位(a1)を含まない。以下「樹脂(X)」という場合がある。)が好ましい。樹脂(X)において、構造単位(a4)の含有率は、樹脂(X)の全構造単位に対して、40モル%以上が好ましく、45モル%以上がより好ましく、50モル%以上がさらに好ましい。
樹脂(X)がさらに有していてもよい構造単位としては、構造単位(a2)、構造単位(a3)、構造単位(a5)及びその他の公知のモノマーに由来する構造単位が挙げられる。
樹脂(X)の重量平均分子量は、好ましくは、8,000以上(より好ましくは10,000以上)、80,000以下(より好ましくは60,000以下)である。かかる樹脂(X)の重量平均分子量の測定手段は、樹脂(A)の場合と同様である。
レジスト組成物が樹脂(X)を含む場合、その含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部であり、より好ましくは1〜50質量部であり、さらに好ましくは1〜40質量部であり、特に好ましくは2〜30質量部である。
樹脂(A)と樹脂(A)以外の樹脂との合計含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、80質量%以上99質量%以下が好ましい。レジスト組成物の固形分及びこれに対する樹脂の含有率は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
<溶剤(E)>
溶剤(E)の含有率は、レジスト組成物中、通常90質量%以上であり、好ましくは92質量%以上であり、より好ましくは94質量%以上であり、99.9質量%以下であり、好ましくは99質量%以下である。溶剤(E)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類;等を挙げることができる。溶剤(E)の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
<クエンチャー(C)>
クエンチャー(C)としては、塩基性の含窒素有機化合物及び酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩(つまり、式(I)で表されるカルボン酸塩を除く酸発生剤)が挙げられる。クエンチャー(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01〜5質量%程度であることが好ましい。
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
アミンとしては、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、2,2’−メチレンビスアニリン、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、より好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩における酸性度は、酸解離定数(pKa)で示される。酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩は、該塩から発生する酸の酸解離定数が、通常−3<pKaの塩であり、好ましくは−1<pKa<7の塩であり、より好ましくは0<pKa<5の塩である。
酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩としては、下記式で表される塩、特開2015−147926号公報記載の式(D)で表される化合物(以下、「弱酸分子内塩(D)という場合がある。」)、並びに特開2012−229206号公報、特開2012−6908号公報、特開2012−72109号公報、特開2011−39502号公報及び特開2011−191745号公報記載の塩が挙げられる。好ましくは、弱酸分子内塩(D)である。
弱酸分子内塩(D)としては、以下の塩が挙げられる。
クエンチャー(C)の含有率は、レジスト組成物の固形分中、好ましくは、0.01〜5質量%であり、より好ましく0.01〜3質量%である。
〈その他の成分〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
〈レジスト組成物の調製〉
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)、カルボン酸塩(I)、及び酸発生剤(B)、並びに、必要に応じて、用いられる樹脂(A)以外の樹脂、溶剤(E)、クエンチャー(C)、弱酸分子内塩(D)等の酸性度の弱い酸を発生する塩及びその他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃から、樹脂等の種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
レジスト組成物を基板上に塗布するには、スピンコーター等、通常、用いられる装置によって行うことができる。基板としては、シリコンウェハ等の無機基板が挙げられる。レジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄してもよく、基板上に反射防止膜等が形成されていてもよい。
塗布後の組成物を乾燥することにより、溶剤を除去し、組成物層を形成する。乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させること(いわゆるプリベーク)により行うか、あるいは減圧装置を用いて行う。加熱温度は、50〜200℃であることが好ましく、加熱時間は、10〜180秒間であることが好ましい。また、減圧乾燥する際の圧力は、1〜1.0×105Pa程度であることが好ましい。
得られた組成物層に、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であってもよい。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、電子線や、超紫外光(EUV)を照射するもの等、種々のものを用いることができる。尚、本明細書において、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。露光の際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源が電子線の場合は、マスクを用いずに直接描画により露光してもよい。
露光後の組成物層を、酸不安定基における脱保護反応を促進するために加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)を行う。加熱温度は、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、通常、現像装置を用いて、現像液を利用して現像する。現像方法としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げられる。現像温度は、例えば、5〜60℃であることが好ましく、現像時間は、例えば、5〜300秒間であることが好ましい。現像液の種類を以下のとおりに選択することにより、ポジ型レジストパターン又はネガ型レジストパターンを製造できる。
本発明のレジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液としてアルカリ現像液を用いる。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
アルカリ現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物からネガ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として有機溶剤を含む現像液(以下「有機系現像液」という場合がある)を用いる。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさらに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンを含む現像液が好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンの合計含有率は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止してもよい。
現像後のレジストパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができ、好ましくはアルコール溶剤又はエステル溶剤である。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物として好適であり、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物としてより好適であり、半導体の微細加工に有用である。
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。なお、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーの分析条件は下記のとおりである。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型)を用い、分子イオンピークを測定することで確認した。以下の実施例ではこの分子イオンピークの値を「MASS」で示す。
実施例1:式(I−52)で表される塩の合成
式(I−52−a)で表される化合物5部及びアセトニトリル50部を添加し、23℃で30分間撹拌した後、式(I−52−b)で表される化合物4.59部を添加し、85℃で、15分間還流撹拌した。得られた反応物に、式(I−52−c)で表される化合物16.50部を添加し、85℃で還流濃縮することにより、式(I−52−d)で表される化合物を含む溶液を得た。式(I−52−d)で表される化合物を含む溶液に、クロロホルム33部及び5%塩酸水溶液56部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。回収された有機層に、イオン交換水100部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を2回行った。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残に、式(I−52−e)で表される化合物11.76部及び硫酸0.08部を仕込み、70℃で3時間撹拌した後、23℃まで冷却した。得られた式(I−52−f)で表される化合物を含む反応混合物に、1M水酸化ナトリウム水溶液78部を仕込み、23℃で3時間撹拌した後、5%塩酸水溶液68部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた反応混合物に、クロロホルム135部及びイオン交換水40部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を3回行った。得られた有機層を濃縮することにより、式(I−52−g)で表される化合物5.97部を得た。
式(I−52−g)で表される化合物5部及びメタノール100部を添加し、23℃で30分間撹拌した後、酸化銀1.39部を添加し、23℃で3時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−52−h)で表される塩6.70部を添加し、23℃で1時間撹拌した後、セライト7.2部を添加撹拌後、ろ過した。回収されたろ液を濃縮した後、クロロホルム140部及び1.5%酢酸水溶液25部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、分液することにより有機層を回収した。この洗浄の操作を2回行った。回収された有機層に、イオン交換水35部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。回収された有機層に、1%アンモニア水溶液20部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この洗浄の操作を2回行った。回収された有機層に、イオン交換水35部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を4回行った。得られた有機層を濃縮した後、クロロホルム16部及びn−ヘプタン130部を添加撹拌後、ろ過することにより、式(I−52)で表される塩7.58部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M 431.3
MS(ESI(−)Spectrum):M 403.3
実施例2:式(I−51)で表される塩の合成
式(I−52−a)で表される化合物5部及びアセトニトリル50部を添加し、23℃で30分間撹拌した後、式(I−52−b)で表される化合物4.59部を添加し、85℃で、15分間還流撹拌した。得られた反応物に、式(I−52−c)で表される化合物16.50部を添加し、85℃で還流濃縮することにより、式(I−52−d)で表される化合物を含む溶液を得た。式(I−52−d)で表される化合物を含む溶液に、クロロホルム33部及び5%塩酸水溶液56部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。回収された有機層に、イオン交換水100部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を2回行った。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残に、式(I−51−e)で表される化合物17.12部、アセトニトリル50部及び硫酸0.08部を仕込み、70℃で3時間撹拌した後、23℃まで冷却した。得られた式(I−51−f)で表される化合物を含む反応混合物に、1M水酸化ナトリウム水溶液78部を仕込み、23℃で3時間撹拌した後、5%塩酸水溶液68部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた反応混合物に、クロロホルム135部及びイオン交換水40部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を3回行った。得られた有機層を濃縮することにより、式(I−51−g)で表される化合物7.12部を得た。
式(I−51−g)で表される化合物6.29部及びメタノール100部を添加し、23℃で30分間撹拌した後、酸化銀1.39部を添加し、23℃で3時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−52−h)で表される塩6.70部を添加し、23℃で1時間撹拌した後、セライト7.2部を添加撹拌後、ろ過した。回収されたろ液を濃縮した後、クロロホルム140部及び1.5%酢酸水溶液25部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、分液することにより有機層を回収した。この洗浄の操作を2回行った。回収された有機層に、イオン交換水35部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。回収された有機層に、1%アンモニア水溶液20部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この洗浄の操作を2回行った。回収された有機層に、イオン交換水35部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を4回行った。得られた有機層を濃縮した後、クロロホルム10部及びn−ヘプタン150部を添加撹拌後、ろ過することにより、式(I−51)で表される塩8.82部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M 431.3
MS(ESI(−)Spectrum):M 507.4
実施例3:式(I−97)で表される塩の合成
式(I−97−d)で表される化合物4.02部及びアセトニトリル20部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、式(I−52−e)で表される化合物11.76部及び硫酸0.08部を仕込み、70℃で3時間撹拌した後、23℃まで冷却した。得られた式(I−97−f)で表される化合物を含む反応混合物に、1M水酸化ナトリウム水溶液78部を仕込み、23℃で3時間撹拌した後、5%塩酸水溶液68部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた反応混合物に、クロロホルム150部及びイオン交換水40部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を3回行った。得られた有機層を濃縮することにより、式(I−97−g)で表される化合物3.82部を得た。
式(I−97−g)で表される化合物2.18部及びメタノール100部を添加し、23℃で30分間撹拌した後、酸化銀0.70部を添加し、23℃で3時間撹拌した。得られた混合物に、式(I−52−h)で表される塩3.35部を添加し、23℃で1時間撹拌した後、セライト3.6部を添加撹拌後、ろ過した。回収されたろ液を濃縮した後、クロロホルム70部及び1.5%酢酸水溶液13部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、分液することにより有機層を回収した。この洗浄の操作を2回行った。回収された有機層に、イオン交換水20部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。回収された有機層に、1%アンモニア水溶液10部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この洗浄の操作を2回行った。回収された有機層に、イオン交換水20部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を4回行った。得られた有機層を濃縮した後、n−ヘプタン100部を添加撹拌後、ろ過することにより、式(I−97)で表される塩2.12部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M 431.3
MS(ESI(−)Spectrum):M 351.3
樹脂の合成
樹脂(A)の合成に使用した化合物(モノマー)を下記に示す。以下、これらの化合物をその式番号に応じて、「モノマー(a1−1−3)」等という。
合成例1:樹脂A1の合成
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−5)、モノマー(a2−1−3)及びモノマー(a3−4−2)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2)〕が45:14:2.5:38.5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.6×10の樹脂A1を収率68%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
合成例2:樹脂X1の合成
モノマーとして、モノマー(a5−1−1)及びモノマー(a4−0−12)を用い、そのモル比〔モノマー(a5−1−1):モノマー(a4−0−12)〕が50:50となるように混合し、全モノマー量の1.2質量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して3mol%添加し、70℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.0×10の樹脂X1を収率91%で得た。この樹脂X1は、以下の構造単位を有するものである。
<レジスト組成物の調製>
表2に示すように、以下の各成分を混合し、得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過することにより、レジスト組成物を調製した。
<樹脂>
A1、X1:樹脂A1、樹脂X1
<酸発生剤(B)>
B1−21:式(B1−21)で表される塩(特開2012−224611号公報の実施例に従って合成)
B1−22:式(B1−22)で表される塩(特開2012−224611号公報の実施例に従って合成)
<カルボン酸塩(I)>
I−51:式(I−51)で表される塩
I−52:式(I−52)で表される塩
I−97:式(I−97)で表される塩
IX−1:特開2014−88367号公報の実施例に従って合成
<化合物(D)>
D1:(東京化成工業(株)製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20部
2−ヘプタノン 20部
γ−ブチロラクトン 3.5部
<レジストパターンの製造及びその評価>
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、ウェハ上に膜厚78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が85nmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、シリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表2の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、組成物層を形成した。組成物層が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ90nm/ホール径55nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、ホットプレート上にて、表2の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行った。次いで、このシリコンウェハ上の組成物層を、現像液として酢酸ブチル(東京化成工業(株)製)を用いて、23℃で20秒間ダイナミックディスペンス法によって現像を行うことにより、ネガ型レジストパターンを製造した。
現像後に得られたレジストパターンにおいて、前記マスクを用いて形成したホール径が45nmとなる露光量を実効感度とした。
<マスクエラーファクター(MEF)評価>
実効感度において、マスクホール径(マスクが有する透光部のホール径)がそれぞれ57nm、56nm、55nm、54nm、53nm(ホールピッチはいずれも90nm)のマスクを用いて、レジストパターンを形成した。マスクホール径を横軸に、露光によって基板に形成(転写)されたレジストパターンのホール径を縦軸にプロットした時の回帰直線の傾きをMEF値として算出した。
MEF値が、4.6以下のものを、MEFが良好であると評価して、○と、
MEF値が、4.6を超えるものを、MEFが良好でないと評価して、×とした。
その結果を表3に示す。括弧内の数値はMEF値を示す。
本発明のカルボン酸塩を含むレジスト組成物は、良好なマスクエラーファクター(MEF)でレジストパターンを製造することができため、半導体の微細加工に好適である。

Claims (7)

  1. 式(I)で表されるカルボン酸塩。
    [式(I)中、
    a及びXbは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。
    は、置換基を有してもよい炭素数1〜24の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっていてもよい。
    及びLは、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有してもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっていてもよい。
    及びRは、それぞれ独立に、置換基を有してもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−S−、−CO−又は−S(O)−に置き換わっていてもよい。
    Z1は、有機カチオンを表す。]
  2. が、置換基を有してもよい炭素数1〜24の脂環式炭化水素基である請求項1に記載のカルボン酸塩。
  3. が、炭素数1〜6のアルカントリイル基、式(w1−1)で表される基、式(w1−2)で表される基、式(w1−3)で表される基又は式(w1−6)で表される基である請求項1又は2に記載のカルボン酸塩。
    [式(w1−1)、式(w1−2)、式(w1−3)及び式(w1−6)中、
    環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニル基、炭素数2〜13のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のカルボン酸塩を含有するカルボン酸発生剤。
  5. 請求項4に記載のカルボン酸発生剤、該カルボン酸発生剤以外の酸発生剤及び酸不安定基を有する樹脂を含有するレジスト組成物。
  6. 前記カルボン酸発生剤以外の酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩を含有する請求項5に記載のレジスト組成物。
  7. (1)請求項5又は6に記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
    (3)組成物層に露光する工程、
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
    (5)加熱後の組成物層を現像する工程、
    を含むレジストパターンの製造方法。
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