JP2018089376A - 生理用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】取扱等の利便性の向上を図ることができる月経カップ(生理用具)を提供する。【解決手段】弾性を有する合成樹脂製の一体成型品からなり、膣内に挿入して使用する月経カップ(1)であって、上端に形成された開口部(11)と内部に形成された有底容器状の収容部(15)とを有する本体部(10)と、本体部(10)の下端を下方に延伸させてなる把持部(30)とを有し、本体部(10)は、その上端側から下端側に向かって次第に小径化しており、収容部(15)の内面(15a)には、開口部(11)又はその近傍から収容部(15)の底部(15b)近傍を経由して再び開口部(11)又はその近傍に到る湾曲線状の細溝からなる折畳線(17)が形成されており、本体部(15)の側壁(16)の一部が外側から内側への押圧力によって折畳線(17)に沿って収容部(15)の内側に折り畳まれるように構成した。【選択図】図1

Description

本発明は、女性の体内(膣内)に挿入して使用する生理用具であって、より詳細には、有底容器状の収容部を有することで膣内の経血を受け止めて収容するように構成した生理用具に関する。
従来、様々な種類の生理用具(生理用品)が開発されている。これまで開発された生理用具のうち、ナプキン及びタンポンは今日最も一般的に使用されているものである。これらのナプキン及びタンポンは、それぞれ長所を有する反面、幾つかの欠点を有することも知られている。
まず、ナプキンは、陰部のほぼ全体を覆うために蒸れなどが生じ易く不衛生となり、細菌の温床となるおそれがある。また、ナプキンは、装着時に皮膚との間に摩擦が生じたりすることで不快感を伴う場合がある。一方、多くのタンポンには、プラスチック製などのアプリケーターが取り付けられているが、このアプリケーターによって膣内の膜に傷が付くことなどで子宮頸部潰瘍などを誘発するおそれがある。また、タンポンは、感染症を誘発する繊維が膣内に残留するおそれがあることも知られている。
さらに、ナプキン及びタンポンは、地球環境保護の観点からも様々な問題がある。すなわち、ナプキンとタンポンは使い捨てであり、いずれも使用後の廃棄に際して誤って汚水用の配管に流してしまうことがあり、それによって配管を詰まらせたり汚水処理プラントに悪影響を与えたりするという問題がある。また、タンポンに取り付けられているプラスチック製のアプリケーターは多くの場合非生分解性であり、廃棄の際に適切に処理をしないと環境汚染につながる懸念がある。さらに、ナプキン及びタンポンは、使い捨てであるため使用に伴うコストが嵩むという問題もある。
これらの問題があることから、近年では、ナプキンやタンポンに代わる生理用具として、いわゆる「月経カップ (Menstrual Cup) 」と呼ばれるカップ状の生理用具が開発され実用化されている。この月経カップは、例えば特許文献1に示すように、シリコンなどの柔軟性を有する合成樹脂製の一体成型品からなるカップ形状の器具で、上端の開口部を上に向けた状態で膣内に挿入することで、膣内の経血をカップ状の収容部で受け止めて収容するようになっている。
このような月経カップは、上記のナプキンやタンポンと比較して様々な利点がある。まず、シリコンなど合成樹脂製の一体成型品であるため、洗浄することで長期に渡って繰り返し使用することができる。そのため、使い捨てのナプキンやタンポンと比較して、使用に伴うコストが大幅に少なくて済む。また、旅行や長期滞在などの際に生理用具の所持品を大幅に減らすことができるうえ、災害時等に新しい生理用具を入手し難い場合などにも困らずに済む。さらに、使用済みの生理用具の廃棄量が減ることで、地球環境の改善にも貢献することができる。また、材質の弾性や可撓性などを比較的自由に設定できるため、良好な使用感(装着感)を持たせることができ、膣内に傷などが付くことを防止でき、感染症なども減らすことができる。また、月経カップは、溜まった経血の量や色などの状態を目視で確認できるため、装着者自身の健康管理にも役立つという利点がある。さらには、膣感染症の治療用の薬剤を保持するためなどに使用することなども可能である。
しかしながら、特許文献1に示すような月経カップは、上端側に大きな開口部を有する有底容器状の外形であるため、装着する際に膣内に挿入し難いという問題がある。また、膣内に挿入した状態で開口部が上側を向いて開いた状態としなければならないため、形状や構造に相応の工夫を凝らすことが必要である。また、膣内から取り出す際には、内部に溜まった経血などの体液がこぼれないようにしながらも、容易且つ確実に取り出すことができる構造であることが必要とされる。このように、取扱等の利便性を向上させるためには、従来の月経カップには更なる改良の余地があるものと思料する。
米国意匠特許登録第760,897号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、取扱等の利便性の向上を図ることができる月経カップ(生理用具)を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかる生理用具は、弾性を有する合成樹脂製の一体成型品からなり、膣内に挿入して使用する生理用具(1)であって、上端に形成された開口部(11)と内部に形成された有底容器状の収容部(15)とを有してなる本体部(10)と、該本体部(10)の下端を下方に延伸させてなる把持部(30)とを有し、本体部(10)は、その上端側から下端側に向かって次第に小径化しており、収容部(15)の内面(15a)には、開口部(11)又はその近傍から収容部(15)の底部(15b)近傍を経由して再び開口部(11)又はその近傍に到る湾曲線状の細溝からなる折畳線(17)が形成されており、本体部(10)の側壁(16)の一部が外側から内側への押圧力によって折畳線(17)に沿って収容部(15)の内側に折り畳まれるように構成したことを特徴とする。
本発明にかかる生理用具によれば、本体部の側壁の一部が外側から内側への押圧力によって折畳線に沿って収容部の内側に折り畳まれるように構成したことで、この生理用具を膣内に挿入する際には、折畳線に沿って本体部の側壁の一部を折り畳んだ状態とすることで、生理用具の外形を細形化した状態で膣内に挿入することができる。したがって、生理用具を膣内に挿入することが容易かつ確実に行えるようになる。加えて、この生理用具は弾性を有する合成樹脂製であるので、膣内に挿入した後は本体部がその弾性によって元の形状に復帰するので、生理用具としての役割(収容部で経血を受け止めて収容する役割)を確実に果たすことができる。したがって、簡単かつ安価な構成で取扱性に優れた生理用具となる。
また、この生理用具では、開口部(11)は、本体部(10)の上下方向と交差する一方向が上下方向の一方に傾斜してなる傾斜状(L)に開口しており、折畳線(17)は、開口部(11)における傾斜状(L)の低い側の部分を収容部(15)の内側に折り畳むように形成されていてよい。
この構成によれば、開口部における傾斜状の低い側の部分に対応する位置の側壁を指の腹などで押圧することでその部分を収容部の内側に折り畳むことができる。したがって、本体部を簡単な操作で容易かつ確実に折り畳むことができ、より取扱性に優れた生理用具となる。
また、この生理用具では、把持部(30)は、その下端(32)側が開口部(11)の成す傾斜状(L)の低い側に向かって湾曲した形状に形成されており、本体部(10)の側壁(16)が折り畳まれた状態で、本体部(10)と把持部(30)を含む外形が傾斜状(L)の低い側に向かって湾曲する湾曲線状となっていてよい。
この構成によれば、本体部の側壁が折り畳まれた状態で、本体部と把持部を含む生理用具全体の外形が傾斜状の低い側に向かって湾曲する湾曲線状となることで、折畳線に沿って本体部の側壁の一部を折り畳んだ状態として生理用具の外形を細形化した状態で膣内に挿入する際、挿入が非常に行い易くなる。
また、この生理用具では、本体部(10)の側壁(16)が折り畳まれた状態で、開口部(11)の縁部(12)が上方から見て略8の字状に湾曲した形状となっているとよい。
この構成によれば、本体部の側壁が折り畳まれた状態で、開口部の縁部が上方から見て略8の字状に湾曲した形状となることで、側壁を折り畳んだ状態における開口部及びその周辺部分をより小径化(小型化)することができる。したがって、生理用具を膣内に挿入することがより容易かつ確実に行えるようになる。
また、この生理用具では、収容部(15)の内面には、本体部(10)の側壁(16)が折り畳まれた状態で、開口部(11)の縁部(12)が係止される突起状の係止部(18)が形成されていてよい。
この構成によれば、本体部の側壁が折り畳まれた状態で、突起状の係止部によって開口部の縁部が係止されることで、本体部の側壁が折り畳まれた状態を保持することができる。したがって、生理用具を膣内に挿入する際に更に容易かつ確実に挿入することができる。これにより、生理用具の取扱時の利便性をより向上させることができる。
また、本発明にかかる生理用具は、弾性を有する合成樹脂製の一体成型品からなり、膣内に挿入して使用する生理用具(1)であって、上端に形成された開口部(11)と内部に形成された有底容器状の収容部(15)とを有してなる本体部(10)と、該本体部(10)の下端を下方に延伸させてなる把持部(30)とを有し、本体部(10)は、その上端側から下端側に向かって次第に小径化しており、開口部(11)は、本体部(10)の上下方向と交差する一方向が上下方向の一方に傾斜してなる傾斜状(L)に開口しており、少なくとも把持部(30)が傾斜状(L)の低い側に向かって湾曲する湾曲線状であることを特徴とする。
また、上記の生理用具では、把持部(30)の側面には、窪み(31又は35)が形成されていてもよい。
この構成によれば、把持部の側面に窪みが形成されていることで、把持部を指で摘んで持つ際に当該窪みに指の腹や先端が引っ掛かることで滑り止めなどとして機能する。これにより、把持部が滑ることなどを防止できる。したがって、把持部を指で摘んで生理用具を膣内から取り出し易くなり、生理用具を膣内から取り出す際に収容部に溜まった経血がこぼれることも効果的に防止できる。これらにより、生理用具の取扱時の利便性をより向上させることができる。
また、この生理用具では、合成樹脂材は、シリコン樹脂材であってよい。この構成によれば、生理用具の材質をシリコン樹脂材としたことで、適度な可撓性(柔軟性)と強度の両方を確保できるので、取扱性(使用感)及び耐久性に優れた生理用具となる。
また、この生理用具では、開口部(11)の縁部(12)が本体部(10)の側壁(16)の他の箇所よりも肉厚に形成された肉厚部(16a)となっていてよい。
この構成によれば、開口部の縁部を肉厚に形成したことで、開口部の上端の縁部に適度な強度を持たせることができ、膣内で開口部を確実に開いた状態に保持することができる。また、開口部の縁部を肉厚に形成したことで、縁部を肉厚にしていない場合と比較して、生理用具を膣内に挿入した状態で開口部が膣の内壁に接触してもその接触による違和感を効果的に低減することが可能となる。したがって生理用具の装着感を向上させることができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる生理用具によれば、簡単かつ安価な構成で取扱等の利便性に優れた生理用具となる。
本発明の第一実施形態にかかる月経カップ(生理用具)を示す斜視図である。 月経カップを上方から見た斜視図である。 月経カップの側断面図である。 月経カップの側壁を折り畳んだ状態を示す側断面図である。 月経カップの側壁を折り畳んだ状態を示す斜視図である。 月経カップの側壁を折り畳んだ状態を示す側面図である。 本発明の第二実施形態にかかる月経カップ(生理用具)を正面側から見た図である。 第二実施形態の月経カップの側断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる月経カップを示す側断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第一実施形態〕
図1乃至図3は、本発明の第一実施形態にかかる月経カップ(生理用具)1を示す図で、図1は、月経カップ1の斜視図、図2は、月経カップ1を上方から見た斜視図、図3は、月経カップ1の側断面図である。これらの図に示す月経カップ1は、可撓性及び弾性を有するシリコン樹脂(合成樹脂)製の一体成型品からなり、女性が月経時に膣内に挿入して使用するカップ状の生理用具である。この月経カップは、上端に形成された開口部11と内部に形成された有底容器状の収容部15とを有してなる本体部10と、該本体部10の下端を下方に延伸させてなる把持部30とを有している。また、本体部10は、その上端側から下端側に向かって次第に小径化しており、上下方向の中程が若干膨らんだ略逆円錐形状に形成されている。把持部30は、本体部10の下端において下方に突出する細片状(棒状)の突出部として形成されている。
月経カップ1を構成する合成樹脂材は、シリコン樹脂材である。このように、月経カップ1の材質をシリコン樹脂材としたことで、適度な可撓性(柔軟性)と強度の両方を確保することができるので、取扱性(使用感)及び耐久性に優れた生理用具となる。
また、この月経カップ1では、図3に示すように、開口部11の縁部(上端縁12あるいはその近傍)が本体部10の側壁16の他の箇所よりも肉厚に形成された肉厚部16aになっている。このように、開口部11の縁部を肉厚に形成したことで、開口部11の上端縁12に適度な強度を持たせることができ、膣内で開口部11を確実に開いた状態で保持することができる。また、開口部11の縁部を肉厚に形成したことで、縁部を肉厚にしていない場合と比較して、月経カップ1を膣内に挿入した状態で開口部11(上端縁12)が膣の内壁に接触してもその接触による違和感及び不快感を効果的に低減することが可能となる。したがって、月経カップ1の装着感を向上させることができる。
収容部15の内側面(内面)15aには、開口部11から収容部15の底部15b近傍を経由して再び開口部11に到る湾曲線状の細溝からなる折畳線(線状溝)17が形成されている。そして、本体部10の側壁16の一部が外側から内側への押圧力によってこの折畳線17に沿って収容部15の内側に折り畳まれるように構成されている。図4、図5、図6はそれぞれ、側壁16を折り畳んだ状態を示す側断面図、斜視図(図4のA矢視図)、側面図である。
また、図1及び図3に示すように、開口部11は、本体部10の上下方向と交差する一方向(図1の手前左方向及び図3の左方向)が下方に向かって傾斜してなる傾斜面Lに沿って傾斜状に開口している。そして、折畳線17は、開口部11における傾斜面(傾斜状)Lの低い側(下側)の部分(低い方の一部分)を収容部15の内側に折り畳むように形成されている。
また、図1及び図3に示すように、把持部30は、その下端32側が開口部11の成す傾斜面Lの低い側(手前側)に向かって湾曲した形状に形成されている。これにより、本体部10の側壁16が折り畳まれた状態で、図6などに示すように、本体部10と把持部30を含む月経カップ1全体の外形が傾斜面Lの低い側に向かって湾曲する湾曲線状となるように構成されている。
また、図3及び図4などに示すように、収容部15の内側面15aには、本体部10の側壁16が折り畳まれた状態で開口部11の上端縁12が係止される突起状の係止部18が形成されている。係止部18は収容部15の内側面15aにおける折畳線17で折り畳まれる部分(手前側)の側壁16に対向する位置(当該部分の側壁16に対して略180度対向する位置)に形成されている。係止部18は、表面がなだらかな曲面状に形成された突起であって、折り畳んだ側壁16を指の腹などで軽く押えた状態で側壁16の上端縁12が引っ掛かって係止されるようになっている。その一方、指などによる押圧力が解除されると、側壁16の上端縁12の引っ掛かりが解除されて側壁16がその弾性によって自然に元の位置に戻る程度の係止力に設定されている。
また、図5に示すように、本体部10の側壁16が折り畳まれた状態で、開口部11の上端縁12が上方から見て略8の字状に湾曲した形状となるように構成されている。すなわち、上端縁12の手前側(押圧される位置)が8の字の下半分を構成し、上端縁12の両側(左右)が互いに近接して8の字の交差部分を構成し、上端縁12の奥側(係止部18を設けた側)が8の字の上半分を構成している。
また、図1などに示すように、把持部30の互いに対向する両側面には、一対の窪み部31,31が形成されている。この窪み部31,31は、後述するように、把持部30を指で摘んで持つ際に指の腹や先端が引っ掛かることで滑り止めなどとして機能する部分である。
本実施形態の月経カップ1によれば、本体部10の側壁16の一部が外側から内側への押圧力によって折畳線17に沿って収容部15の内側に折り畳まれるように構成したことで、月経カップ1を膣内に挿入する際には、折畳線17に沿って本体部10の側壁16の一部を折り畳んだ状態とすることで月経カップ1の外形を細形化した状態で膣内に挿入することができる。したがって、月経カップ1を膣内に挿入することが容易かつ確実に行えるようになる。加えて、月経カップ1は可撓性及び弾性を有するシリコン樹脂製であるので、膣内に挿入した後は本体部10がその弾性によって元の形状に復帰するので、生理用具としての役割(収容部15で経血を受け止めて収容する役割)を確実に果たすことができる。したがって、簡単かつ安価な構成で取扱性に優れた生理用具となる。
また、この月経カップ1では、開口部11は、本体部10の手前側方向(上下方向と交差する一方向)が下方(上下方向の一方)に傾斜してなる傾斜面状に開口(傾斜面Lに沿って開口)しており、折畳線17は、開口部11における傾斜面Lの低い側の部分を収容部15の内側に折り畳むように形成されている。
この構成によれば、月経カップ1を手で持った状態で、開口部11における傾斜面Lの低い側の部分に対応する位置の側壁16を指(例えば親指)の腹などで押圧することでその部分を収容部15の内側に折り畳むことができる。したがって、本体部10を簡単な動作で容易かつ確実に折り畳むことができ、より取扱性に優れた月経カップ1となる。
また、この月経カップ1では、把持部30は、その下端32側が開口部11の成す傾斜面Lの低い側に向かって湾曲した形状に形成されており、本体部10の側壁16が折り畳まれた状態で、本体部10と把持部30を含む外形が傾斜面Lの低い側に向かって湾曲する湾曲線状となるように構成されている。
この構成によれば、本体部10の側壁16が折り畳まれた状態で、本体部10と把持部30を含む月経カップ1全体の外形が傾斜面Lの低い側に向かって湾曲する湾曲線状となることで、折畳線17に沿って本体部10の側壁16の一部を折り畳むことで月経カップ1の外形を細形化して膣内に挿入する際、挿入する動作が非常に行い易くなる。
また、この月経カップ1では、本体部10の側壁16が折り畳まれた状態で、開口部11の上端部12が上方から見て略8の字状に湾曲した形状となる。この構成によって、側壁16を折り畳んだ状態における開口部11及びその周辺部分をより細形化(小型化)することができる。したがって、月経カップ1を膣内に挿入することがより容易かつ確実に行えるようになる。
また、この月経カップ1では、収容部15の内側面15aには、本体部10の側壁16が折り畳まれた状態で、開口部11の縁部12が係止される突起状の係止部18が形成されている。このような突起状の係止部18を設けていることで、本体部10の側壁16が折り畳まれた状態を保持することができる。したがって、月経カップ1を膣内に挿入する際に容易かつ確実に挿入することができる。これにより、月経カップ1の取扱性をより向上させることができる。
また、この月経カップ1では、把持部30の互いに対向する両側面に一対の窪み部31,31が形成されている。このような一対の窪み部31,31を形成したことで、把持部30を指で摘む際に指が滑ることなどを防止できる。したがって、把持部30を指で摘んで月経カップ1を膣内から取り出し易くなり、月経カップ1を膣内から取り出す際に収容部15に溜まった経血がこぼれることも効果的に防止できる。これらにより、月経カップ1の取扱性をより向上させることができる。
また、この月経カップ1では、開口部11の上端縁12が本体部10の側壁16の他の箇所よりも肉厚に形成された肉厚部16aとなっている。このような肉厚部16aを設けたことで、開口部11の上端縁12に適度な強度を持たせることができ、膣内で開口部11を確実に開いた状態に保持することができる。また、開口部11の上端縁12を肉厚に形成したことで、上端縁12を肉厚にしていない場合と比較して、月経カップ1を膣内に挿入した状態で開口部11が膣の内壁に接触してもその接触による違和感を効果的に低減することが可能となる。したがって月経カップ1の装着感を向上させることができる。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態の説明及び対応する図面においては、第一実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。この点については、下記の第三実施形態でも同様である。図7は、本発明の第二実施形態にかかる月経カップ1−2を正面側から見た図である。また、図8は、第二実施形態の月経カップ1−2の側面図である。
第一実施形態の月経カップ1では、折畳線17が開口部11から収容部15の底部15b近傍を経由して再び開口部11に到るように形成されていることで、折畳線17の両端部が開口部11に達していたのに対して、本実施形態の月経カップ1−2では、折畳線17−2の一方の端部17−2a(正面から見て向かって左側の端部)と他方の端部17−2b(正面から見て向かって右側の端部)の両方が側壁16の途中で止まっており、開口部11には達していない。また、折畳線17−2の一方の端部17−2aと他方の端部17−2bは、その高さが互いに異なる位置となっている。詳細には、一方の端部17−2aの方が他方の端部17−2bよりも高い位置となっている。これにより、折畳線17−2は、一方の端部17−2aを含む正面から見て向かって左側の半分が、他方の端部17−2bを含む正面から見て向かって右側の半分よりも全体的に高い位置となるように形成されており、左右半分ずつの領域の高さが互いに異なるような段違いの形状に形成されている。このように、折畳線17−2を左右非対称の形状としたことで、月経カップ1−2を折畳線17−2に沿って折り畳む際、左右の部分が段違いに折り畳まれることで互いが干渉せず、よりスムーズかつコンパクトに折り畳むことが可能となる。したがって、月経カップ1−2の側壁16を少ない力でコンパクトに折り畳むことができる。
また、本実施形態の月経カップ1−2では、第1実施形態の月経カップ1が備える把持部30に設けていた窪み部31,31に代えて、把持部30の外周面に形成した段部(複数の窪み)35を備えている。この段部35は、窪み部31,31と同様、把持部30を指で摘んで持つ際に指の腹や先端が引っ掛かることで滑り止めなどとして機能する部分である。
また、本実施形態の月経カップ1−2では、収容部15の内側面15aには、商品名や注意書きなどを表記する文字の形状を有する窪みからなる溝部40が形成されている。この溝部40は、収容部15の内側面15aよりも若干窪んだ細線状の溝である。この溝部40は、商品名や注意書きなどの文字とすることができるほか、ロゴマークや絵柄などの模様とすることもできる。そして、この溝部40は、通常の状態では周囲と同色であるためあまり目立たないが、月経カップ1−2を使用する際に、この溝部40に膣内の経血が溜まることで、文字列やロゴマークなどが経血の赤色で着色された状態となり、鮮明に視認することができるようになる。したがって、月経カップ1−2の使用者に文字列やロゴマークなどを容易かつ確実に視認させることが可能となる。また、月経カップ1−2の使用時の経血の量が少量の場合でも、当該経血が溝部40に溜まることで容易かつ確実に視認できるので、使用者が出血の有無を確認することが容易に可能となる、という効果も有している。更に、収容部15の内側面15aに経血が付着していることを確認しやすくすることで、使用者に月経カップ1−2の洗浄を促すこともできる。
なお、本実施形態の月経カップ1−2も第一実施形態の月経カップ1と同様、本体部10の手前側の側壁16が外側から内側への押圧力によって折畳線17ー2に沿って収容部15の内側に折り畳まれるようになっている。
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態について説明する。図9は、本発明の第三実施形態にかかる月経カップ1−3を示す側断面図である。同図に示す月経カップ1−3は、第一実施形態の月経カップ1が備えていた折畳線17と突起状の係止部18とを備えていない点のみが第一実施形態の月経カップ1と異なり、その他の構成は第一実施形態の月経カップ1と共通である。本発明にかかる月経カップ(生理用具)は、本実施形態のように、折畳線17と突起状の係止部18を備えていなくてもよい。なお、図示は省略するが、折畳線17と突起状の係止部18のいずれか一方のみを省略した構成を採用することも可能である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態の月経カップ1−2が備える把持部30の外周面に形成した段部(複数の窪み)35及び月経カップ1(1−3)が備える把持部30に設けた一対の窪みからなる窪み部31,31は必ずしも設ける必要は無く、省略することも可能である。
1,1−2,1−3 月経カップ(生理用具)
10 本体部
11 開口部
12 上端縁(縁部)
15 収容部
15a 内側面(内面)
15b 底部
16 側壁
16a 肉厚部
17,17−2 折畳線
17−2a,17−2b 端部
18 係止部
30 把持部
31,31 窪み部
35 段部
40 溝部
L 傾斜面(傾斜状)

Claims (9)

  1. 弾性を有する合成樹脂製の一体成型品からなり、膣内に挿入して使用する生理用具であって、
    上端に形成された開口部と内部に形成された有底容器状の収容部とを有してなる本体部と、該本体部の下端を下方に延伸させてなる把持部とを有し、
    前記本体部は、その上端側から下端側に向かって次第に小径化しており、
    前記収容部の内面には、前記開口部又はその近傍から前記収容部の底部近傍を経由して再び前記開口部又はその近傍に到る湾曲線状の細溝からなる折畳線が形成されており、
    前記本体部の側壁の一部が外側から内側への押圧力によって前記折畳線に沿って前記収容部の内側に折り畳まれるように構成したことを特徴とする生理用具。
  2. 前記開口部は、前記本体部の上下方向と交差する一方向が前記上下方向の一方に傾斜してなる傾斜状に開口しており、
    前記折畳線は、前記開口部における前記傾斜状の低い側の部分を前記収容部の内側に折り畳むように形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の生理用具。
  3. 前記把持部は、その下端側が前記傾斜状の低い側に向かって湾曲した形状に形成されており、
    前記本体部の前記側壁が折り畳まれた状態で、前記本体部と前記把持部を含む外形が前記傾斜状の低い側に向かって湾曲する湾曲線状となる
    ことを特徴とする請求項2に記載の生理用具。
  4. 前記本体部の前記側壁が折り畳まれた状態で、前記開口部の縁部が上方から見て略8の字状に湾曲した形状となる
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生理用具。
  5. 前記収容部の内面には、前記本体部の前記側壁が折り畳まれた状態で前記開口部の縁部が係止される突起状の係止部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の生理用具。
  6. 弾性を有する合成樹脂製の一体成型品からなり、膣内に挿入して使用する生理用具であって、
    上端に形成された開口部と内部に形成された有底容器状の収容部とを有してなる本体部と、該本体部の下端を下方に延伸させてなる把持部とを有し、
    前記本体部は、その上端側から下端側に向かって次第に小径化しており、
    前記開口部は、前記本体部の上下方向と交差する一方向が前記上下方向の一方に傾斜してなる傾斜状に開口しており、
    少なくとも前記把持部が前記傾斜状の低い側に向かって湾曲する湾曲線状であることを特徴とする生理用具。
  7. 前記把持部の側面には、窪みが形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の生理用具。
  8. 前記合成樹脂材は、シリコン樹脂材である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の生理用具。
  9. 前記開口部の縁部が前記本体部の前記側壁における他の箇所よりも肉厚に形成された肉厚部となっている
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の生理用具。
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